JP2004066769A - 遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器 - Google Patents
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Abstract
【目的】黒色遮光層としてカーボンブラックを用いる必要が無く、食品衛生上安全な、十分に遮光性能を発揮し、遮光層による外観上の問題を生じさせない遮光性包装材料を提供することである。
【構成】遮光性包装材料は、基材と、基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装材料であって、着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完する。
【構成】遮光性包装材料は、基材と、基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装材料であって、着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛乳、ジュースなど飲料などは、例えば、屋根型紙容器にて供給されている。その容器に包装された飲料などは、流通過程で日光及び冷蔵ショーケースの蛍光灯に長時間曝されている。低脂肪牛乳などの光感受性食品において、消費者のある割合で、光の影響によって牛乳などの食品に何らかの異臭が発生しているとの認識を持っている。
従って、遮光性を持った紙包装材料/包装容器/カップに関心が持たれ、種々材料が提案され及び使用されている。
【0003】
合成樹脂フィルムや漂白された紙等、遮光性の十分でない基材に遮光性を付与させるためには、アルミ箔のような金属膜で光線を反射させること、カーボンブラックを用いた黒色印刷により光線を吸収させることが一般に行われている。しかし、アルミ箔の使用は金属・非金属を複合させることになり、使用後の材料リサイクルを考慮すると、このような複合化された材料の使用は好ましくない。また、食品の包装容器のように遮光性のみならずデザインや見た目の清潔さなどを考慮しなければならない場合には、黒印刷が好まれないことがある。黒印刷による見た目の印象を和らげる方法としては、多層印刷により黒の上に白印刷を重ねることが考えられる。しかし、二酸化チタンのように隠蔽力の大きい顔料を用いたインクを使用しても下地の黒を覆い隠すことは困難で、二重、三重に白印刷を重ねても黒味を帯びた灰色程度にしか色合いは改善されない。
外観上の問題を解決する方法としては、遮光層を中間層として含む積層体構造とすることも提案されている。しかし、遮光層として一般的に用いられるカーボンブラックには発がん性のベンゾピレンが微量ではあるが含まれているため、安全性の面からこのような方法が好まれない場合もある。
【0004】
例えば、表層と裏層の間に積層されたカーボンブラックとカチオン性アミン含有定着剤を含む遮光層の中間層を有する特開2001−163374、ガスバリア層と遮光層を有し、且つ遮光層の内面側に白着色樹脂層を有している特開2002−2658、2枚の紙層の間に遮光着色樹脂層を設ける特開2002−29004及び特開2000−203557、基材と最内層との間に遮光層とその片面に着色印刷層を設ける特開平7−52328、紙基材に、バリアフィルム、遮光層、その隠蔽層を含むカップの特開平11−130044、紙基材層と金属蒸着プラスチック中間層とメタロセンポリエチレン内層との積層体の特開平9−86537、紙支持体の少なくとも1面にゲル状合成樹脂と遮光剤とワックスとの遮光層を設けたWO0175227、紙層と透明ガスバリアー層と着色光遮断層と熱可塑性樹脂層との紙製液体容器の特開平6−238834、板紙基材と遮光性樹脂層と白色樹脂層と最内層との紙用積層材料の特開平9−24583、紙層と外側ポリオレフィン系樹脂層とバリアー層と内側ポリオレフィンシール層といずれかの層間の遮光材を備える特開平6−135439、基材と最内層との間にカーボンブラックを含むインキ遮光性印刷層と遮光性印刷層の内方側に位置する着色印刷層とを設けた特開平7−52328に、種々の提案が記載されている。しかしながら、上記の提案のほとんどが、遮光層の外観上の問題から、紙基材の内側若しくは中間に遮光層を設けている。牛乳などの化学剤に敏感な食品を充填する場合、法規制上、また、味覚などへの影響上、遮光層を食品側(基材の内側)に設けることは好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、黒色遮光層としてカーボンブラックを用いる必要が無い遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器を提供することである。
第2に、本発明の目的は、牛乳などの化学的に敏感な食品を充填する場合でも、遮光層を食品に確実に影響しない遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器を提供することである。
第3に、本発明の目的は、包装容器のデザインや見た目の清潔さなどに悪影響を及ぼさない、遮光層による外観上の問題がない遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、この発明による、遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器により達成される。すなわち、従来の容器包装材料等における遮光構造は、黒着色などによる単一の遮光層と、必要に応じてそれを隠蔽する隠蔽層からなる。本発明は、吸収波長の異なる複数の着色層を複合させることで全体として遮光を得ようとするものである。
この発明による、遮光性包装材料は、基材と、該基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装材料であって、該着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする。
【0007】
この発明による、遮光性包装材料の製造法は、基材と、その基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とを含む遮光性包装材料の製造法であって、その着色層が順次、その基材の外側面に設けられ、その着色層各々が、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする。
【0008】
この発明による、遮光性包装容器は、基材と、その基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装容器であって、その着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする。
【0009】
上記構成を有するこの発明は、以下の様に作用機能する。
この発明による遮光性包装材料は、基材と、基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなり、着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有する。これは、具体的には、色の異なる顔料や染料を用いて異なる光線吸収特性を持っている着色層を形成する。例えば、典型的な着色材料を用いた着色層では、波長およそ600nm以下の可視光線を吸収する赤色着色層、波長およそ500nm以上の可視光線を吸収する青色着色層、波長およそ500nm以下およびおよそ600nm以上の可視光線を吸収する緑色着色層がある。これらの着色材料を混合して単層とした場合、着色層の明度が極めて低くなるが、この発明においては、例えば、上記の赤、青、緑の着色材料を混合せず各々の着色層を別々に形成し、積層させることにより全可視光線領域の光を遮光することができる。
【0010】
この発明における複数の着色層各々が、外部からの紫外可視光に対する吸収能を各々を補完する。この発明に於ける包装材料としては、金属層(アルミニウム箔など)、金属の蒸着層などが用いられず、これらを必要とぜずに遮光性能を発揮することができる。
従来は、着色層を隠蔽する為に、着色層を内側に積層して外観にあらわれない様に設計し、内表面にあらわれない様に隠蔽層で被せている。しかしながら、本発明においては、従来の認識を覆し、容器外観に影響を与える基材に外側に着色層を配設し、しかも着色層を隠す隠蔽層を設ける必要がない。本発明においては、例えば、3種類の着色層を別々に積層させ、外から見た目の上では基材を赤、青、緑のいずれかの色で着色させたように見せることができる。
なお、本発明で用いられる着色材料は、上記3色に限るものではなく、紫外可視光線吸収特性のことなる着色材料を組み合わせて自由に光線の遮光および透過を制御できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明による遮光性包装材料の製造法一実施の形態では、着色層が順次、基材の外側面に設けられ、着色層が印刷により形成される。
この印刷による遮光方法では、紫外可視光線の吸収特性の異なる2種類以上の印刷インキを用いて多色の重ね印刷、あるいは2種類以上の異なる色の印刷を施した支持材を、接着剤等をもちいて積層させることで目的とする波長の光を遮光できる。
そのインクは、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などにより印刷される。インクの層厚は、適宜選択変更される。着色層のインクは、それぞれの吸収特性に応じて選択される。この形態の複数の着色層各々のインキが、外部からの紫外可視光に対する吸収能を各々を補完する。
【0012】
着色層の配置は、明度の低い着色層が容器内側に、明度の高い着色層が容器外側になるように着色層が積層されることが望ましい。好ましくは、包装容器とした場合に、積層された着色層における最上層の着色が目視により確認できるように配置する。インクの印刷回数は、適宜選択変更される。例えば、第1の着色層のインクを1〜数回印刷し、第2、第3の着色層のインクを重ねて1〜数回印刷する。
【0013】
この発明による遮光性包装材料の製造法一実施の形態では、着色層が順次、基材の外側面に設けられ、着色合成樹脂層の積層により形成される。
この着色合成樹脂層による遮光では、合成樹脂の着色が、有機あるいは無機の顔料を合成樹脂中に分散させることで行われる。具体的にはポリエチレン等の押し出し機による加工時に顔料のマスターバッチを添加することで、所定の色、濃度の着色樹脂を得ることができる。また、多種多層押し出し機を使用すれば、2種類以上の異なる色に着色された合成樹脂フィルムを多層構造として一工程で製造できる。
紫外可視光線の吸収特性の異なる色に着色された複数の得られた着色合成樹脂層が順次、接着等で複合させ、基材の外側面に設けて得られる。
【0014】
この発明による、遮光性包装材料は、基材と、基材の外側に設けられた複数のの着色層とからなる包装材料であって、異なる紫外可視光線の吸収特性を有る着色層が各々、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完する。
この発明における基材は、合成樹脂フィルム、あるいは合成樹脂フィルムと漂白された板紙などである。具体的な遮光性包装材料の実施態様として、紫外可視光線の吸収特性の異なる3種類の着色インキA、B、Cを用いた印刷場合、例えば、次のような組み合わ層構成がある。
1)基材の上にA、B、C3種類の重ね印刷をした包装材料:
着色層A/着色層B/着色層C/基材/
2)それぞれの色で印刷をした基材(1)、(2)、(3)を接着剤(ad)で積層させた包装材料:
着色層A/基材(1)/ad/着色層B/基材(2)/ad/着色層C/基材(3)/
3)A、Bで両面印刷された基材(4)とCを印刷した基材(5)を接着剤で積層させた包装材料:
着色層A/基材(4)/着色層B/ad/着色層C/基材(5)/
【0015】
この発明による遮光性包装材料では、着色層は基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられる。包装材料において印刷等により部分的に遮光性を付与する場合、全包装材料表面積の少なくとも1/6以上の表面にこの遮光処理が施されているか、矩形や円筒形の直立容器においては、直立させたとき容器上部となる部分にこの遮光を施すことができる。
【0016】
この発明による、遮光性包装材料は、遮光性が必要とされる食品や工業製品の包装材料、包装容器として用いられる。その遮光性包装容器は、基材と、基材の外側面に積層された複数の着色層とからなる包装材料から成形された包装容器である。その着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完する。
【0017】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明の材料、容器及び方法によって、次のような効果を奏する。
(1)黒色遮光層としてカーボンブラックを用いる必要が無く、容器内部側に着色層を設けていないので、食品衛生上安全な包装が可能となる。
(2)牛乳などの化学的に敏感な食品を充填する場合でも、黒色遮光層を用いなくても十分に遮光性能を発揮し、外部光が食品に悪い影響を与えることを確実に防止することができる。
(3)包装容器のデザインや見た目の清潔さなどに悪影響を及ぼさず、遮光層による外観上の問題を生じさせない。
【産業上の利用分野】
本発明は、遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛乳、ジュースなど飲料などは、例えば、屋根型紙容器にて供給されている。その容器に包装された飲料などは、流通過程で日光及び冷蔵ショーケースの蛍光灯に長時間曝されている。低脂肪牛乳などの光感受性食品において、消費者のある割合で、光の影響によって牛乳などの食品に何らかの異臭が発生しているとの認識を持っている。
従って、遮光性を持った紙包装材料/包装容器/カップに関心が持たれ、種々材料が提案され及び使用されている。
【0003】
合成樹脂フィルムや漂白された紙等、遮光性の十分でない基材に遮光性を付与させるためには、アルミ箔のような金属膜で光線を反射させること、カーボンブラックを用いた黒色印刷により光線を吸収させることが一般に行われている。しかし、アルミ箔の使用は金属・非金属を複合させることになり、使用後の材料リサイクルを考慮すると、このような複合化された材料の使用は好ましくない。また、食品の包装容器のように遮光性のみならずデザインや見た目の清潔さなどを考慮しなければならない場合には、黒印刷が好まれないことがある。黒印刷による見た目の印象を和らげる方法としては、多層印刷により黒の上に白印刷を重ねることが考えられる。しかし、二酸化チタンのように隠蔽力の大きい顔料を用いたインクを使用しても下地の黒を覆い隠すことは困難で、二重、三重に白印刷を重ねても黒味を帯びた灰色程度にしか色合いは改善されない。
外観上の問題を解決する方法としては、遮光層を中間層として含む積層体構造とすることも提案されている。しかし、遮光層として一般的に用いられるカーボンブラックには発がん性のベンゾピレンが微量ではあるが含まれているため、安全性の面からこのような方法が好まれない場合もある。
【0004】
例えば、表層と裏層の間に積層されたカーボンブラックとカチオン性アミン含有定着剤を含む遮光層の中間層を有する特開2001−163374、ガスバリア層と遮光層を有し、且つ遮光層の内面側に白着色樹脂層を有している特開2002−2658、2枚の紙層の間に遮光着色樹脂層を設ける特開2002−29004及び特開2000−203557、基材と最内層との間に遮光層とその片面に着色印刷層を設ける特開平7−52328、紙基材に、バリアフィルム、遮光層、その隠蔽層を含むカップの特開平11−130044、紙基材層と金属蒸着プラスチック中間層とメタロセンポリエチレン内層との積層体の特開平9−86537、紙支持体の少なくとも1面にゲル状合成樹脂と遮光剤とワックスとの遮光層を設けたWO0175227、紙層と透明ガスバリアー層と着色光遮断層と熱可塑性樹脂層との紙製液体容器の特開平6−238834、板紙基材と遮光性樹脂層と白色樹脂層と最内層との紙用積層材料の特開平9−24583、紙層と外側ポリオレフィン系樹脂層とバリアー層と内側ポリオレフィンシール層といずれかの層間の遮光材を備える特開平6−135439、基材と最内層との間にカーボンブラックを含むインキ遮光性印刷層と遮光性印刷層の内方側に位置する着色印刷層とを設けた特開平7−52328に、種々の提案が記載されている。しかしながら、上記の提案のほとんどが、遮光層の外観上の問題から、紙基材の内側若しくは中間に遮光層を設けている。牛乳などの化学剤に敏感な食品を充填する場合、法規制上、また、味覚などへの影響上、遮光層を食品側(基材の内側)に設けることは好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、黒色遮光層としてカーボンブラックを用いる必要が無い遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器を提供することである。
第2に、本発明の目的は、牛乳などの化学的に敏感な食品を充填する場合でも、遮光層を食品に確実に影響しない遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器を提供することである。
第3に、本発明の目的は、包装容器のデザインや見た目の清潔さなどに悪影響を及ぼさない、遮光層による外観上の問題がない遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、この発明による、遮光性包装材料、遮光性包装材料の製造法及び遮光性包装容器により達成される。すなわち、従来の容器包装材料等における遮光構造は、黒着色などによる単一の遮光層と、必要に応じてそれを隠蔽する隠蔽層からなる。本発明は、吸収波長の異なる複数の着色層を複合させることで全体として遮光を得ようとするものである。
この発明による、遮光性包装材料は、基材と、該基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装材料であって、該着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする。
【0007】
この発明による、遮光性包装材料の製造法は、基材と、その基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とを含む遮光性包装材料の製造法であって、その着色層が順次、その基材の外側面に設けられ、その着色層各々が、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする。
【0008】
この発明による、遮光性包装容器は、基材と、その基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装容器であって、その着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする。
【0009】
上記構成を有するこの発明は、以下の様に作用機能する。
この発明による遮光性包装材料は、基材と、基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなり、着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有する。これは、具体的には、色の異なる顔料や染料を用いて異なる光線吸収特性を持っている着色層を形成する。例えば、典型的な着色材料を用いた着色層では、波長およそ600nm以下の可視光線を吸収する赤色着色層、波長およそ500nm以上の可視光線を吸収する青色着色層、波長およそ500nm以下およびおよそ600nm以上の可視光線を吸収する緑色着色層がある。これらの着色材料を混合して単層とした場合、着色層の明度が極めて低くなるが、この発明においては、例えば、上記の赤、青、緑の着色材料を混合せず各々の着色層を別々に形成し、積層させることにより全可視光線領域の光を遮光することができる。
【0010】
この発明における複数の着色層各々が、外部からの紫外可視光に対する吸収能を各々を補完する。この発明に於ける包装材料としては、金属層(アルミニウム箔など)、金属の蒸着層などが用いられず、これらを必要とぜずに遮光性能を発揮することができる。
従来は、着色層を隠蔽する為に、着色層を内側に積層して外観にあらわれない様に設計し、内表面にあらわれない様に隠蔽層で被せている。しかしながら、本発明においては、従来の認識を覆し、容器外観に影響を与える基材に外側に着色層を配設し、しかも着色層を隠す隠蔽層を設ける必要がない。本発明においては、例えば、3種類の着色層を別々に積層させ、外から見た目の上では基材を赤、青、緑のいずれかの色で着色させたように見せることができる。
なお、本発明で用いられる着色材料は、上記3色に限るものではなく、紫外可視光線吸収特性のことなる着色材料を組み合わせて自由に光線の遮光および透過を制御できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明による遮光性包装材料の製造法一実施の形態では、着色層が順次、基材の外側面に設けられ、着色層が印刷により形成される。
この印刷による遮光方法では、紫外可視光線の吸収特性の異なる2種類以上の印刷インキを用いて多色の重ね印刷、あるいは2種類以上の異なる色の印刷を施した支持材を、接着剤等をもちいて積層させることで目的とする波長の光を遮光できる。
そのインクは、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法などにより印刷される。インクの層厚は、適宜選択変更される。着色層のインクは、それぞれの吸収特性に応じて選択される。この形態の複数の着色層各々のインキが、外部からの紫外可視光に対する吸収能を各々を補完する。
【0012】
着色層の配置は、明度の低い着色層が容器内側に、明度の高い着色層が容器外側になるように着色層が積層されることが望ましい。好ましくは、包装容器とした場合に、積層された着色層における最上層の着色が目視により確認できるように配置する。インクの印刷回数は、適宜選択変更される。例えば、第1の着色層のインクを1〜数回印刷し、第2、第3の着色層のインクを重ねて1〜数回印刷する。
【0013】
この発明による遮光性包装材料の製造法一実施の形態では、着色層が順次、基材の外側面に設けられ、着色合成樹脂層の積層により形成される。
この着色合成樹脂層による遮光では、合成樹脂の着色が、有機あるいは無機の顔料を合成樹脂中に分散させることで行われる。具体的にはポリエチレン等の押し出し機による加工時に顔料のマスターバッチを添加することで、所定の色、濃度の着色樹脂を得ることができる。また、多種多層押し出し機を使用すれば、2種類以上の異なる色に着色された合成樹脂フィルムを多層構造として一工程で製造できる。
紫外可視光線の吸収特性の異なる色に着色された複数の得られた着色合成樹脂層が順次、接着等で複合させ、基材の外側面に設けて得られる。
【0014】
この発明による、遮光性包装材料は、基材と、基材の外側に設けられた複数のの着色層とからなる包装材料であって、異なる紫外可視光線の吸収特性を有る着色層が各々、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完する。
この発明における基材は、合成樹脂フィルム、あるいは合成樹脂フィルムと漂白された板紙などである。具体的な遮光性包装材料の実施態様として、紫外可視光線の吸収特性の異なる3種類の着色インキA、B、Cを用いた印刷場合、例えば、次のような組み合わ層構成がある。
1)基材の上にA、B、C3種類の重ね印刷をした包装材料:
着色層A/着色層B/着色層C/基材/
2)それぞれの色で印刷をした基材(1)、(2)、(3)を接着剤(ad)で積層させた包装材料:
着色層A/基材(1)/ad/着色層B/基材(2)/ad/着色層C/基材(3)/
3)A、Bで両面印刷された基材(4)とCを印刷した基材(5)を接着剤で積層させた包装材料:
着色層A/基材(4)/着色層B/ad/着色層C/基材(5)/
【0015】
この発明による遮光性包装材料では、着色層は基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられる。包装材料において印刷等により部分的に遮光性を付与する場合、全包装材料表面積の少なくとも1/6以上の表面にこの遮光処理が施されているか、矩形や円筒形の直立容器においては、直立させたとき容器上部となる部分にこの遮光を施すことができる。
【0016】
この発明による、遮光性包装材料は、遮光性が必要とされる食品や工業製品の包装材料、包装容器として用いられる。その遮光性包装容器は、基材と、基材の外側面に積層された複数の着色層とからなる包装材料から成形された包装容器である。その着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完する。
【0017】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本発明の材料、容器及び方法によって、次のような効果を奏する。
(1)黒色遮光層としてカーボンブラックを用いる必要が無く、容器内部側に着色層を設けていないので、食品衛生上安全な包装が可能となる。
(2)牛乳などの化学的に敏感な食品を充填する場合でも、黒色遮光層を用いなくても十分に遮光性能を発揮し、外部光が食品に悪い影響を与えることを確実に防止することができる。
(3)包装容器のデザインや見た目の清潔さなどに悪影響を及ぼさず、遮光層による外観上の問題を生じさせない。
Claims (3)
- 基材と、該基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装材料であって、該着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする遮光性包装材料。
- 基材と、該基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とを含む遮光性包装材料の製造法であって、該着色層が順次、該基材の外側面に設けられ、該着色層各々が、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする遮光性包装材料の製造法。
- 基材と、該基材の外側面の実質的全面若しくは部分面に設けられた少なくとも2種の着色層とからなる包装容器であって、該着色層が各々、異なる紫外可視光線の吸収特性を有し、外部からの紫外可視光に対する吸収能を補完することを特徴とする遮光性紙包装容器。
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JP (1) | JP2004066769A (ja) |
Cited By (5)
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