JP2006082851A - 合成樹脂製容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 口部と前記口部の下端に設けられたサポートリングと前記サポートリングに続く肩部と胴部及び底部とを備えた合成樹脂製容器本体と、
前記容器本体の底部壁面を外側から覆う遮光性を有する平板状の被覆部材と、
前記容器本体の口部下端から前記被覆部材の一部が重なり合う位置まで連続して表面を被覆する筒状に形成された遮光性を有するシュリンクラベルとから構成され、
かつ、遮光性を有するキャップが、前記容器本体の口部に装着されており、
かつ、前記の被覆部材が、前記容器本体の底部壁面に重ね合わせられると共に、前記のシュリンクラベルで被覆されて保持されるように構成されている。
【選択図】 図1
Description
中でも、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という)樹脂に代表される芳香族ポリエステルからなるプラスチック製ボトルは、軽量で、機械的強度、耐熱性、ガス遮断性、耐薬品性、保香性、衛生性等に優れるため、広範に使用されている。
このようなプラスチック製ボトルは、通常、無色透明であり、金属容器やガラス容器と比べて紫外光線や可視光線を透過しやすく、乳飲料等を充填する場合、光線による内容物の変質を防止するために遮光性を必要とする。
シュリンクの包装方法としては、例えば、円筒状のシュリンクフィルムに少し余裕を持たせて一次包装した後、熱風、スチーム等によって当該シュリンクフィルムをボトルの外周面に熱収縮させる方法が知られている。
前記のシュリンクフィルム付きボトルは、シュリンクフィルムとボトルとを接着剤等により直接接着していないため、シュリンクフィルムとボトルとを完全に分別することができるものである。
このため、「第二種指定PETボトルの自主設計ガイドライン」の要求事項の一つである、「ラベルは物理的に剥離でき、再生処理時に接着剤がボトルに残らないこと」という基準を満たすため、リサイクル適性の観点からも今後益々需要の拡大が期待される。
また、プラスチック容器に遮光性を付与するために、従来では容器自体を着色するやり方が一般的に用いられた時期もあった。
また、上記課題である「光線による内容物の変質を防止する」という課題を解決するために、着色のシュリンクラベルを用いることによって、遮光性の機能を付加したシュリンクラベルで容器全体を包装することも行われている。
例えば、シュリンクラベルの構成が、熱収縮性合成樹脂フィルムの印刷層の上に、全面ベタ刷りの白色インキ層と全面ベタ刷りの金色インキ層を順次重ねた構成とすることで、シュリンクラベルに遮光性を付与する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、着色された飲料用ボトルを使用後にリサイクルする場合、再生ポリエステル樹脂が着色により不透明となり再生ポリエステル樹脂の用途が限定されてしまい、PETボトル等のリサイクルを円滑に行うことが困難になるという問題がある。
更に、本発明の合成樹脂製容器は、プラスチック製ボトルに異樹脂等を混合せずにPET単体で成形し、ボトル回収の際、プラスチック製ボトルをラベルから物理的に剥離可能であるため、再生PET樹脂の用途が広範となる点から容器リサイクルに貢献することができるという利点を有する。
10はプラスチックで形成された有底円筒状容器(以下「ボトル」ともいう。)本体であり、口部1と前記口部1の下端に設けられたサポートリング5と前記サポートリング5に続く肩部2と胴部3及び底部4とを備えている。
20は容器本体10の口部2をねじ締め部6で螺着し、外部からの光線を遮断するために用いられる遮光性を有するキャップである。
30は容器本体10の底部4壁面を外側から覆う遮光性を有する略円板状の被覆部材である。
40は容器本体10の口部1下端から被覆部材30の一部が重なり合う位置まで連続して表面を被覆する筒状に形成された遮光性を有するシュリンクラベルである。
図1(a)に示すように、本発明に係る合成樹脂製容器100は、合成樹脂製容器本体10と、前記容器本体10の口部1に装着されるキャップ20と、前記容器本体10の底部4を覆う被覆部材30と、前記被覆部材30を保持した状態で容器本体全体を被覆するシュリンクラベルとから構成されるものである。
このことによって、前記の合成樹脂製容器100全体の光透過率が、波長220〜400nmの紫外線と、波長400〜600nmの可視光線の領域にわたって、10%以下である遮光性を有することができるものである。
図1(b)に示すように、本発明に係る合成樹脂製容器100は、前記の容器本体10の底部4壁面を外側から覆うことによって、底部を外部の光線から遮断することができる。
図2に示すように、本発明に係る前記容器本体の口部に装着されるキャップ本体20は、円板状の頂板21と、その周縁から垂下したキャップ側壁部22とを有する。
更に、前記のキャップ本体20は、容器が未開封のものであるか開封後のものであるかを確認するための機能を有するピルファープルーフキャップであることが好ましく、ピルファ−プル−フ性機能を発揮させる機構としては、具体的に、例えば、前記のキャップ側壁部21にブリッジを介して連結された環状ピルファープルーフ裾壁23と、前記のピルファープルーフ裾壁23の内周壁面に、内方に延びる複数の可撓性を有するフラップ24が形成されて構成されている。
また、前記容器本体の口部1には、前記のキャップと螺子締めするための螺子部7を有するもので、更に、前記の螺子部の下方に、前記のピルファープルーフ裾壁23を係止するための膨出部を備えている。
本発明に係る合成樹脂製容器100は、前記のキャップ本体20を容器本体10に装着した状態で、口部下端X、即ち、ピルファープルーフ裾壁23の上端部から遮光性を有するシュリンクラベル40で表面を被覆することにより、キャップを開栓後、再び閉栓して使用する場合でも、口部から外部の光線を完全に遮断できるという利点を有する。
図3に示すように、本発明に係る合成樹脂製容器本体の底部は、複数の突起状の脚部を有する「ペタロイド状4A」、環状の脚部の内側に底部がいわゆる上げ底状になっている「上底形状4B」、または丸底形状4Cの底部に脚部51を有するベースカップ50を装着させた「ベースカップ付き丸底」等により容器本体に自立安定性を持たせている。
上記のポリエステル樹脂としては、具体的に、飽和ジカルボン酸と飽和二価アルコールとからなる熱可塑性樹脂が使用できる。飽和ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−1,4−又は2,6−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4´−ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸類、ジフェノキシエタンジエタンジカルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、デカン−1.10−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を使用することができる。また飽和二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、2,2−ビス(4´−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、その他の芳香族ジオール類等を使用することができる。好ましいポリエステルは、テレフタル酸とエチレングリコールとからなるポリエチレンテレフタレートである。
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、2,2−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のヒドロキシベンゾエート系紫外線吸収剤、さらには、酸化チタン等の無機微粒子が例示できる。なお、これらの紫外線吸収剤は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせてもよい。中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。これらの紫外線吸収剤の添加量としては、0.01〜0.2重量%の範囲で好適に使用でき、0.1重量%程度が好ましいものである。
上記の範囲とすることにより変色(褐色透明色)することなく、機械的強度を低下させることなく、波長220〜400nmの紫外線領域における光線の吸収性を向上させることができる。
前記のキャップ本体20は、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)、ポリアセタ−ル系樹脂、その他等の耐熱性等に富む樹脂を使用し、射出成形法等を利用して製造することができる。
遮光性キャップは、上記の樹脂に光反射性顔料や、光吸収性顔料を単独でまたは混合して添加して製造することができる。
前記の光反射性顔料は、具体的に、チタンホワイト、アルミニウム粉、マイカ粉、硫化亜鉛、亜鉛華等の白色顔料が好ましく、中でもルチル型のチタンホワイトを用いるのが好ましい。また、その添加量としては、上記樹脂100重量部に対して、2〜5重量部程度が、充分な光の散乱効果が得られるので好ましい。
前記の光吸収性顔料としては、カーボンブラック、セラミックブラック、ボーンブラック等の有色顔料が好ましく、中でも黒色顔料であるカーボンブラックを用いるのが
好ましい。また、その添加量は、上記樹脂100重量部に対して、光吸収性顔料を0.0005〜0.015重量部添加することが、充分な光吸収効果が得られるので好ましい。
図4に示すように、本発明に係る合成樹脂製容器10の底部には、前記の被覆部材30と接する壁面部に、前記の被覆部材30を嵌め込むための凹部9が形成されていることが好ましい。
このことによって、前記の被覆部材30が、脱落することなく、位置ずれを防止することが可能であり、容器の底部の凹部9に密着した状態で嵌合され、しかる後、前記のシュリンクラベル40で被覆することで保持されるという利点を有する。
凹部9の深さとしては、被覆部材30の厚み以下であれば、容器本体の底部を外部の光線から完全に遮断できるので好ましく、具体的に0.1mm〜1mm程度が生産性の点から好ましく、0.4mm〜0.5mm程度がより好ましい。
なお、前記の合成紙は、多数の微細空孔を有する延伸樹脂フィルムよりなるものであり、例えば、具体的に、ユポ、サンポピエ(いずれも商品名)等が挙げられ、空孔率が10〜50%、密度が0.600〜1.20g/cm3 、白色度が80〜100%のものを用いることがより好ましい。
前記の合成紙を使用することによって、基材自体に光隠蔽性があるため、紫外線や可視光線等を遮断する機能を向上できるという利点を有する。
前記の被覆部材30は、少なくとも、光反射性の白色からなる外表面30Aと光吸収性の黒色からなる裏面30B(容器本体側)とを有することが好ましいものである。
光反射性と光吸収性を有する層との積層体からなる平板であることにより、外部からの光線の透過を光反射性の外表面30Aで防止可能であり、更に、日光による発熱による容器内の温度上昇を防止可能であり、また、外表面30Aから洩れた光線を裏面30Bで吸収可能であるため、光反射性面30Aと光吸収性面30Bの内、いずれかのみからなる平板の場合と比べて優れた遮光性が得られるという利点を有する。
前記の被覆部材30の厚みは、機械的強度、合成樹脂製容器に嵌合するためのハンドリングの面から、0.2mm〜1mm程度が好ましく 、0.5mm〜0.7mm程度がより好ましく用いられる。
その他、被覆部材30を構成する外表面側の層30Aは、白色顔料を混練して製膜した合成樹脂シ−ト層を使用してもよい。
上記の白色顔料としてはアルミナ、チタニア(チタン白)、マイカ、酸化鉛(鉛白)、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、珪酸ソーダ、クレイ、タルク等を使用することができる。
支持体としての樹脂は、ポリエチレン樹脂、エチレン・αオレフィン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、プロピレン・αオレフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリオレフィンエラストマー等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等を使用することができる。
上記の白色顔料の添加量は、上記支持体としての樹脂100重量部に対して、2重量部〜5重量部程度が光散乱性、白色度の点から好ましい。
前記の黒色顔料としては、カーボンブラックの他、黒鉛、アニリンラック、シアニンブラック、アセチレンブラック等の黒色顔料を使用できる。
支持体としての樹脂は、前記の白色顔料の支持体としての樹脂を使用することができ、白色顔料の支持体と同じ材質からなる樹脂を使用することが、共押出しして製膜する場合、層間密着性に優れるので好ましい。
上記の黒色顔料の添加量は、上記支持体としての樹脂100重量部に対して、0.009重量部〜0.012重量部程度が、外表面側の層20Aの白色度が低下することなく、必要な光吸収能を有するので好ましい。
当該遮光性インキ樹脂組成物層の厚みは、各々1μm〜8μm位が好ましい。
そして、上記遮光性インキの形成方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷技術を用いることができ、通常、グラビア印刷を使用することができる。
具体的には、本発明においては、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト積層方式、あるいは、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層等を介して積層する溶融押出積層方式等を用いて被覆部材30を製造することができ、中でも、共押出ダイから共押出して溶融押出積層することが生産性に優れるので好ましい。
シュリンクラベルに付与する遮光性としては、波長220〜400nmの紫外線と、波長400〜600nmの可視光線の領域にわたって10%以下であることが必要である。
遮光性の機能を付加したシュリンクラベルは、具体的に、黒色系、褐色系、または橙系の有色顔料や染料で着色したシュリンクラベル、アルミニウムに代表される金属の薄膜層を形成したシュリンクラベル、シュリンクフィルムの全面にベタ刷りの白色インキ層とアルミペーストを含有する白色インキを重ね刷りしたシュリンクラベル、シュリンクフィルムの全面にベタ刷りの白色インキ層と金色インキを重ね刷りしたシュリンクラベル、シュリンクフィルムの全面にベタ刷りの白色インキ層と黒色インキを重ね刷りしたシュリンクラベル等を使用することができる。
中でも、シュリンクフィルムの全面にベタ刷りの白色インキ層とアルミペーストを含有する白色インキを重ね刷りしたシュリンクラベルを使用することが、遮光性以外に外観の色が黒ずんで見えず、白色隠蔽性に優れ、意匠性の点からも好ましい。
上記の遮光性インキとしては、顔料としてアルミペーストを含有するものを使用することが、可視光線および紫外線領域での遮光性に優れ、かつ、白色隠蔽性に優れるので好ましい。上記のアルミペーストの含有量としては、白色インキ全体の10重量%以下であることが必要な遮光性を付与するために好ましく、1重量%〜5重量%であることがより好ましい。
また、上記のアルミペーストを含有する白色インキを更に白色隠蔽性を向上させるために使用する白色インキは、コンクタイプの白インキを使用することが好ましく、耐熱性を有するグラビアインキであることがより好ましい。
また、上記のインキ層の厚みは、各々1μm〜8μm位が好ましい。
そして、上記インキの形成方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等の印刷技術を用いることができ、通常、グラビア印刷を使用することができる。
なお、本発明において、上記のインキを形成する場合、通常、シュリンクフィルムで筒状体を製造するため、シュリンクフィルムの両端部に設けない方が好ましい。
そして、その金属としては、具体的に、例えば、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)等の金属を使用することができ、中でもアルミニウム(Al)を使用することが好ましい。金属の薄膜層としては、金属の薄膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した積層体の状態でもよく、また、使用する金属としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した金属の薄膜を構成することもできる。本発明においては、上記の金属の薄膜層の厚みとしては、使用する金属によって異なるが、50〜1000Å位が好ましく、100〜1000Å位の厚さに形成したものがより好ましい。
次に、金属の薄膜層を形成する方法について説明すると、基材であるシュリンクフィルムの上に、金属の薄膜層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。本発明においては、主に、真空蒸着法を用い、一部、プラズマ化学気相成長法も用いることができる。
また、前記のシュリンクフィルムとしては、1軸方向、あるいは、2軸方向に延伸した延伸フィルムのいずれのものでも使用することができる。そして、例えばテンター方式等を用いて前記のシュリンクフィルムの流れに対して直角方向に1軸延伸して、その直角方向(流れ方向)の熱収縮率が、70〜90℃の温水において10秒間で最大40%となるように調整して製造したシュリンクフィルムを使用できる。ここで、熱収縮率とは、(加熱前の寸法−加熱後の寸法)/(加熱前の寸法)×100という意味を持つ値である。
なお、シュリンクフィルムの厚みは、特に限定されないが、耐熱性、剛性、機械適性、外観等を損なわない範囲で適宜選択され、5μm〜90μm程度が好ましく、10μm〜70μm位がより好ましい。
また、シュリンクフィルムの表面には、印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理を施してもよい。
なお、筒状体からなる遮光性シュリンクラベル40には、縦方向に1本若しくは複数のミシン目を形成することができる。当該ミシン目の形成方法としては、例えば、周囲に切断部と非切断部とが繰り返し形成された円板状の刃物を押し当てる方法等により施すことができる。また、当該ミシン目はシュリンクフィルム断裁工程、筒貼り工程、シュリンクラベル断裁工程のうち、適宜の段階で施すことができる。
例えば、前記の筒状体の遮光性シュリンクラベル40を自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、底部4の凹部9に被覆部材30を嵌合すると共に、口部1から内容物を充填後に遮光性キャップ20で螺着した容器本体10の外表面に嵌着し、次いで、前記の容器本体10を、図示しないが、シュリンクトンネル等に通して、所定温度(例えば、80〜200℃程度)の熱風や、水蒸気及び水蒸気が結露した湯気により加熱するスチームや、赤外線等の輻射熱を作用させて遮光性シュリンクラベル40を周方向に高収縮させて、容器本体10の口部下端Xから当該被覆部材30の一部が重なり合う位置Yまで遮光性シュリンクラベル40で被覆する。
即ち、本発明に係る合成樹脂製容器100は、容器全体に遮光性を付与する合成樹脂製容器を製造することができるものである。
(ボトル本体10の製造)
熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(遠東紡(株)製 Shinpet5015W)を使用して、射出成形により予備成形体を成形した。
次いで、この予備成形体を二軸延伸ブロー成形することによって、約0.35mmのほぼ均一な肉厚を有し、容量500mlの無色透明のPETボトル本体10を製造した。
このボトル10は、図1に示すように、口部1と前記口部1の下端に設けられたサポートリング5と前記サポートリング5に続く肩部2と胴部3及び上底形状の底部4とを備えている。
なお、ボトル本体の底部に形成する凹部9の深さは、0.6mmとなるように成形した。
ポリプロピレン樹脂にカーボンブラックをマスターバッチ方式により添加して射出成形した黒色の遮光性キャップ(日本クラウンコルク製 品名;NCフラップ)を準備した。
この遮光性キャップ20は、図2に示すように、キャップ側壁部21にブリッジを介して連結された環状ピルファープルーフ裾壁23と、前記のピルファープルーフ裾壁23の内周壁面に、内方に延びる複数の可撓性を有するフラップ24が形成されて構成されている。
ホモポリプロピレン樹脂(三井化学製 品名;E111G)を製膜して、厚さが約0.7mmの光反射性の白色不透明シートを製造し、この白色不透明シートの裏面に墨インキ組成物を用いて黒ベタのグラビア印刷を施し、光吸収性の墨インキ樹脂組成物層(厚さ5μm)を形成し、上記のボトル本体10の底部と略同径状に打ち抜いた。
シュリンクフィルムとしては、厚さ60μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂製 品名;ヒシペット)を準備した。
次に、前記のシュリンクフィルムの上にNT−ハイラミック藍(大日精化株式会社製)を用いて、グラビア印刷法により絵柄印刷した。しかる後、当該絵柄印刷面に、更に、NT−ハイラミックコンク白(大日精化株式会社製)を用いて、全面ベタ刷りの2度重ね刷りでグラビア印刷を施し、更にその上にアルミペーストを1重量%含有する白色インキ(大日精化株式会社製、NT−ハイラミックコンク白)を用いて、全面ベタ刷りのグラビア印刷を施した。
その結果、層構成、ポリエチレンテレフタレートフィルム(60μm)/絵柄印刷層/白色インキ組成物層/アルミペースト含有白色インキ組成物層からなる遮光性シュリンクフィルムを得た。
しかる後、上記のようにして得られた遮光性シュリンクフィルムを、所望の大きさのラベル用シートに断裁後、内側が遮光性インキ樹脂層となるようにして両端部を重ね合わせ、当該重ね合わせ部を熱接着させて筒状体とした。
次に、上記で得られた筒状の遮光性シュリンクラベル40を自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した。しかる後、上記で得られたPETボトルの上底4の凹部9に上記の被覆部材30の黒色印刷面側が重なるようにして嵌合すると共に、内容物(乳飲料)を充填し、上記で得られた遮光性キャップ20を螺着して密栓した状態で、このPETボトルの外表面に上記の筒状の遮光性シュリンクラベル40嵌着し、スチームヒータで90℃、10秒間加熱したシュリンクトンネルに通した。その結果、遮光性シュリンクラベル40をPETボトル10の口部下端Xから前記の被覆部材30の一部が重なり合う位置Yまで遮光性シュリンクラベル40で被覆された。
この結果、PETボトル本体10を着色することなく、また、異樹脂を混入せずに成形しても、合成樹脂製容器100全体として、可視光線、紫外光線光線を遮断する機能を有し、内容物が変色せず、内容物の保存性に優れると共に、再生樹脂の用途が広範となるのでリサイクル性に優れるものであった。
上記で得られた合成樹脂製容器100の口部、肩部、胴部、底部の各パーツについて、光透過率を分光光度計で測定した。しかる後、「各パーツ毎の光透過率の測定値」に「全表面積に対する各パーツ毎の表面積の比率」を乗じて、「容器全体の光透過率」を求めた。即ち、(容器全体の光透過率)=(口部の光透過率)×(口部の表面積/全容器の表面積)+(肩部の光透過率)×(肩部の表面積/全容器の表面積)
+(胴部の光透過率)×(胴部の表面積/全容器の表面積)
+(底部の光透過率)×(底部の表面積/全容器の表面積)
となる。
その結果、波長220〜400nmの紫外線領域の光透過率が1%以下であり、波長400〜600nmの可視光線の領域の光透過率が8%以下であり、優れた遮光性を有することが確認された。
2 肩部
3 胴部
4 底部
4A ペタロイド状
4B 上底形状
4C 丸底形状
5 サポートリング
6 螺子締め部
7 螺子部
8 ロッキングリング
9 凹部
10 合成樹脂容器本体(ボトル)
20 遮光性キャップ
21 頂部
22 キャップ側壁部
23 ピルファープルーフ裾壁
24 フラップ
30 被覆部材
30A 光反射性面
30B 光吸収性面
40 遮光性シュリンクラベル
50 ベースカップ
51 脚部
70 射出成形型
71 口部型
72 インジェクションキャビティ型
73 インジェクションコア型
76 パリソン
100 本発明に係る合成樹脂製容器
Claims (8)
- 口部と前記口部の下端に設けられたサポートリングと前記サポートリングに続く肩部と胴部及び底部とを備えた合成樹脂製容器本体と、
前記容器本体の底部壁面を外側から覆う遮光性を有する平板状の被覆部材と、
前記容器本体の口部下端から前記被覆部材の一部が重なり合う位置まで連続して表面を被覆する筒状に形成された遮光性を有するシュリンクラベルとから構成され、
かつ、遮光性を有するキャップが、前記容器本体の口部に装着されており、
かつ、前記の被覆部材が、前記容器本体の底部壁面に重ね合わせられると共に、前記のシュリンクラベルで被覆されて保持されており、
容器全体に遮光性を付与することを特徴とする合成樹脂製容器。 - 前記の合成樹脂製容器全体の光透過率が、波長220〜400nmの紫外線と、波長400〜600nmの可視光線の領域にわたって、10%以下である遮光性を有することを特徴とする請求項1記載の合成樹脂製容器。
- 前記の合成樹脂製容器本体が、前記の被覆部材と接する底部壁面部に、前記の被覆部材を嵌合するための凹部を設けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の合成樹脂製容器。
- 前記の被覆部材が、単体プラスチック板または積層プラスチック板または合成紙を含む積層プラスチック板からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記の被覆部材が、光反射性の白色の外表面を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記の被覆部材が、光吸収性の黒色の裏面を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記の合成樹脂製容器本体の材質が、ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
- 前記の合成樹脂製容器本体の材質が、紫外光を吸収する光吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の合成樹脂製容器。
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2004
- 2004-09-17 JP JP2004270734A patent/JP2006082851A/ja active Pending
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