JP4169641B2 - 遮光性容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遮光性容器に関し、より詳しくは、遮光性に優れるとともに容器本体と遮光性の部材とが容易に分離でき、該容器本体をリサイクル使用するのに好適な遮光性容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビール、清酒、ワイン等のアルコール飲料、緑茶、ビタミン入り飲料などの光によって変色や変質が起こりやすい飲料等の容器として、遮光性を付与するために着色されたプラスチックボトルやガラス瓶が広く用いられている。しかし、これらの着色容器は、着色剤を含んでいるため、使用済みの容器を回収・再利用する際に大きな障害となる。
【0003】
そこで、無色透明なプラスチック製ボトルやガラス瓶を遮光性を付与したシュリンクラベルで被覆した容器が提案された。しかし、シュリンクラベルを用いる被覆方法では、容器胴部の被覆は容易であるが、容器底部を滑らかに且つ完全に被覆することは困難であり、未被覆の底部からの光の透過を防止することができない。そのため、内容物を充填したボトル商品を透明なガラス棚や網板の上などに陳列した場合には、ボトルの底部から入った光によって内容物が変質したり変色するおそれがある。この問題を解決するため、ボトル基体(容器本体)の胴部を熱収縮性の紫外線遮断フィルムで被覆し、ボトル基体の底部の外面に剥離性の紫外線遮断インキ層をコーティングした紫外線遮断ボトルが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかし、このような容器では、使用済み容器を回収して再使用する際に、容器底部にコーティングされている紫外線遮断インキ層を剥離するためアルカリ溶液処理等を施さなければならず、そのための設備が必要となるだけでなく、手間もかかる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−68202号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、容器本体の胴部及び底部が遮光性の部材で覆われた光遮断性の高い容器であって、外観にも優れ、しかも容器本体と遮光性の部材とが特別な設備や手間を要すること無く容易に分離でき、容器本体の回収、再利用を円滑に行うことのできる遮光性容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、容器本体の胴部外面を遮光性シュリンクラベルで被覆し、且つ容器本体の底部外面を遮光性の板状又はカップ状の底部材で覆うと、容器の胴部及び底部の全面に亘って光を遮断できるので内容物の保存性に優れるとともに、外観が良好であり、しかも、容器本体から遮光性の部材、すなわち遮光性シュリンクラベル及び遮光性の底部材を、何ら特別な設備や手間を要することなく容器本体から容易に分離できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、口部、胴部及び底部を備えた透明な容器本体と、該容器本体の胴部外面に熱収縮により被覆された遮光性シュリンクラベルであって、白色乃至乳白色の基材フィルムの表示印刷インキ層を設ける面(外側表面)とは反対側の面に黒色インキ又は銀インキによる遮光印刷を施す方法により遮光性を付与したシュリンクラベルと、該容器本体の底部外面を覆う遮光性の板状又はカップ状の底部材であって、該底部材を構成する板状又はカップ状物の少なくとも一方の面に黒色インキ又は銀インキによる遮光印刷を施された、シュリンクラベルと同種の素材で構成された底部材とで構成されている遮光性容器を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の遮光性容器の一例を示す概略部分断面図である。この例では、遮光性容器1は、垂直方向に筒状に伸びる胴部と、該胴部の上端に形成された口部と、胴部の下端から全体として水平方向に延びる底部とを備えた無色透明な容器本体2と、この容器本体2の胴部外面の全面に熱収縮により緊密に被覆された遮光性シュリンクラベル3と、容器本体2の底部の外面周縁部に当接し且つ該外面のほぼ全面を覆うように配設された板状の遮光性底部材4とで構成されている。容器本体2の口部にはキャップが嵌められており、容器本体2の底部の中央部は上方に盛り上がったドーム状を呈している。遮光性シュリンクラベル3は、容器本体2の胴部から底部に移るコーナー部を経て遮光性底部材4の周縁部まで被覆している。従って、容器本体2の首部以下は該遮光性シュリンクラベル3と遮光性底部材4とにより完全に遮光されている。
【0010】
容器本体2としては、透明な材質で形成されていれば特に限定されず、プラスチック製ボトル、ガラス瓶等の何れであってもよい。本発明は、特にリサイクルが求められているプラスチック製ボトルに対して有利に適用できる。プラスチック製ボトルとしては、例えば、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アリレート樹脂などのブロー成形可能な熱可塑性樹脂等を素材とすることができる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。プラスチック製ボトルとしては、ポリエステル製ボトル、なかでもPETボトル(ポリエチレンテレフタレート製ボトル)が好適である。容器本体2は複数の層で構成された積層構造を有していてもよい。
【0011】
遮光性シュリンクラベル3は、通常、基材フィルムと表示印刷インキ層とで構成されている。基材フィルムは熱収縮性フィルムにより形成されている。熱収縮性フィルムの素材としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。これらの素材は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0012】
前記ポリエステル系樹脂としてはジオール成分とジカルボン酸成分との縮合等の公知の方法により得られる樹脂を使用できる。ポリエステル系樹脂を構成するジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール;チオジエタノール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール;2,2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビスフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加物、キシリレングリコール等の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらのジオール成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0013】
ポリエステル系樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸、トランス−3,3′−スチルベンジカルボン酸、トランス−4,4′−スチルベンジカルボン酸、4,4′−ジベンジルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸類等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0014】
ポリエステル系樹脂としては、主ジオール成分としてエチレングリコール、主ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用いて得られるポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましい。
【0015】
前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン−共役ジエンブロック共重合体や、該スチレン−共役ジエンブロック共重合体に、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系単量体との共重合体などの他のポリマーを混合したものなどを使用できる。
【0016】
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のプロピレン系ランダム共重合体、環状オレフィン系樹脂[例えば、環状オレフィンとα−オレフィン(エチレン、プロピレン等)との共重合体又はそのグラフト変性物、環状オレフィンの開環重合体若しくはその水添物又はそれらのグラフト変性物等]などを使用できる。これらの樹脂は単独で又は2種以上混合して使用できる。
【0017】
上記素材の中でも、熱収縮性フィルムとした際に高収縮性が得られ、容器の胴部と底部のコーナー部を含めたほぼ全体を緊密に被覆可能なポリエステル系樹脂が特に好ましい。
【0018】
基材フィルムは単層で構成してもよく、種々の機能を付与するため2層構造、3層構造等の多層で構成してもよい。基材フィルムの厚みは、特に制限されず、例えば10〜100μm、好ましくは20〜60μm程度の範囲から選択することができる。基材フィルムの表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理が施されていてもよい。
【0019】
遮光性シュリンクラベル3に遮光性を付与する方法としては、基材フィルムの表面に可視光線遮断性物質(又はさらに紫外線遮断性物質)を含有する層を設ける方法、より具体的には、例えば、(i)白色乃至乳白色の基材フィルムの表示印刷インキ層を設ける面(外側表面)とは反対側の面に黒色インキ、銀色インキ等による遮光印刷を施す方法、(ii)透明な基材フィルムの内面側に表示印刷インキ層を設け、その面に白色インキによる印刷を1回又は2回以上施した後、その上にさらに黒色又は銀色のインキによる遮光印刷を施す方法等が挙げられる。本発明においては、上記(i)の方法を使用する。このような方法を採用することにより、表示印刷の明確性や鮮明性、容器全体の優れた外観性を保持しつつ、紫外領域及び可視領域の有害な光線に対する十分な遮光性を付与できる。
【0020】
前記(i)において、白色乃至乳白色の基材フィルムは、熱収縮性フィルムの素材である樹脂と酸化チタン等の白色顔料とを混合し、フィルム状に製膜した後、延伸処理を施すことにより得ることができる。黒色インキとしてはカーボンブラック等の黒色顔料を含むインキを使用でき、銀色インキとしてはアルミニウム粉末を含むインキを使用できる。また、前記(ii)において、白色インキとしては二酸化チタン等の白色顔料を含むインキを使用できる。黒色インキ及び銀色インキは上記(i)と同様である。印刷はグラビア印刷等の慣用の印刷方法により行うことができる。基材フィルムの一方の面に設ける黒色インキや白色インキ等による印刷層の総厚みは、例えば1〜6μm、好ましくは3〜6μm程度である。
【0021】
遮光性シュリンクラベル3を構成する表示印刷インキ層は、商品名等の文字情報やデザイン等を印刷により施した層であり、基材フィルム上にインキを用いてグラビア印刷やフレキソ印刷、スクリーン印刷等の慣用の印刷方法により形成できる。インキとしては、特に制限されず、溶剤系インキ、水性インキ等の適宜のインキを選択し、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。表示印刷インキ層の厚みは、例えば0.5〜20μmの範囲から選択することができ、好ましくはグラビア印刷による1〜5μm程度である。表示印刷インキ層は単層であっても多層(多色)であってもよい。表示印刷インキ層が基材フィルムの外側表面の場合は、表示印刷インキ層の保護等のため、該表示印刷インキ層の表面にさらにオーバーコート層を設けてもよい。
【0022】
遮光性シュリンクラベル3は、公知の方法を利用して作製することができる。例えば、遮光性の付与を前記(i)の方法で行う場合には、樹脂、白色顔料及び必要に応じて適宜の添加剤を含む樹脂組成物から、押出し法やカレンダー法等の公知の製膜法によってフィルムを成形した後、主に横方向に延伸処理し、得られた基材フィルム(白色や乳白色のフィルム)の一方の面に黒色インキ等により遮光印刷を施し、他方の面に表示印刷インキ層を設け、次いで、所望の幅の長尺帯状に切断し、表示印刷インキ層側の面を外側にして、前記主延伸方向が周方向となるように筒状に丸め、両端辺を接着剤や溶剤、ヒートシール等で接着した後、必要に応じて所望の長さに切断し、筒状の遮光性シュリンクラベルを作製することができる。この場合は、基材フィルム自身も遮光性を有するとともに、裏面の遮光印刷の色(黒色、銀色)が目立たないため好ましい。また、遮光性の付与を前記(ii)の方法で行う場合には、例えば、樹脂と必要に応じて適宜の添加剤を含む樹脂組成物から、押出し法やカレンダー法等の公知の製膜法によってフィルムを成形した後、主に横方向に延伸処理し、得られた基材フィルムの一方の面に表示印刷インキ層を設け、その上に白色インキ印刷を2回施し、次に黒色インキ等により遮光印刷を施し、その後は上記と同様にして筒状の遮光性シュリンクラベルを得ることができる。
【0023】
遮光性シュリンクラベル3には、ボトルの回収・再利用の際に剥離しやすいように、切れ目やミシン目を予め形成しておくのが好ましい。
【0024】
遮光性シュリンクラベル3の遮光性は波長600nm以下の可視光線をほぼカットできる程度が好ましく、波長400〜600nmの範囲の光線透過率が4%未満(特に3%未満)であるのが望ましい。この遮光性は遮光印刷層中の黒色顔料等の量や遮光印刷層の厚みなどによって調整できる。
【0025】
遮光性底部材4の形状は、前記板状(シート状)のほか、カップ状であってもよい。カップ状の場合、その大きさは容器本体2の底部が該カップ状底部材の凹部に入る大きさであればよい。例えば、カップ状底部材の内径は容器本体2の底部の外径の1〜1.2倍程度であり、その高さは容器本体2の胴部の長さの1/5程度以下である。
【0026】
遮光性底部材4としては、遮光性が付与されていれば素材は特に限定されず、プラスチック、紙、金属、木材、セラミック、ガラス等の何れであってもよいが、加工性や経済性等の点からプラスチック素材であるのが好ましい。プラスチック素材としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れも使用できる。これらの中でも、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂としては、前記遮光性シュリンクラベル3の基材フィルムの素材として例示した樹脂などを用いることができる。
【0027】
なお、本発明においては、遮光性底部材4を遮光性シュリンクラベル3と同種の素材で構成する。それにより、容器本体2から剥離した後、これらのものをまとめてリサイクルに付すことができるという利点がある。また、容器本体2がPETボトルなどの比重の大きい樹脂からなるときは、遮光性底部材4の素材として比重の小さいポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂を用いることにより、容器本体2のリサイクルの際、遮光性底部材4を容器本体2から引き剥がすことなく一緒に粉砕処理しても、水中に入れて分離する等の比重差を利用した分離法により容易に両者を分離できる。
【0028】
遮光性底部材4に遮光性を付与する方法としては、遮光性底部材の表面に可視光線遮断性物質(又はさらに紫外線遮断性物質)を含有する層を設ける方法、より具体的には、例えば、底部材を構成するシート又はカップ状物(例えば、透明シート又はカップ状物)の少なくとも一方の面に黒色インキ、銀色インキ等による遮光印刷を施す方法を使用する。この方法により、紫外領域及び可視領域の光線に対する十分な遮光性を付与できる。
【0029】
前記底部材を構成するシート又はカップ状物は、例えば、その素材が樹脂である場合には、該樹脂と必要に応じて顔料等の着色剤や適宜な添加剤等を含む樹脂組成物を、押出成形、射出成形、圧縮成形等の慣用の成形法に付すことにより作製できる。上記黒色インキとしてはカーボンブラック等の黒色顔料を含むインキを使用でき、銀色インキとしてはアルミニウム粉末を含むインキを使用できる。遮光印刷はグラビア印刷等の慣用の印刷方法により行うことができる。遮光印刷層の厚みは、例えば1〜10μm、好ましくは3〜10μm程度である。
【0030】
遮光性底部材4の厚みは、外観や強度等を損なわない範囲で適宜選択でき、例えば0.1〜3mm、好ましくは0.1〜1mm程度である。
【0031】
遮光性底部材4の遮光性は、前記遮光性シュリンクラベル3と同様、波長600nm以下の可視光線をほぼカットできる程度が好ましく、波長400〜600nmの範囲の光線透過率が4%未満であるのが望ましい。この遮光性は遮光印刷層中の黒色顔料等の量や遮光印刷層の厚みなどにより調整できる。
【0032】
遮光性底部材4の固定方法としては特に限定されず、例えば、(1)図1に示されるように、遮光性底部材4を、容器本体2の底部の外面と、容器本体2の底部にまで至る遮光性シュリンクラベル3との間に介在させる方法、(2)遮光性底部材4を、容器本体2の底部にまで至る遮光性シュリンクラベル3の外側の面に接着剤や粘着剤、ヒートシール等により固着する方法などが挙げられる。前記(1)の方法において、遮光性底部材4は、容器本体2の底部の外面に、使用後には手等により簡単に外れる程度の接着強さで、接着剤や粘着剤等により固着してもよく、遮光性シュリンクラベル3の収縮力のみで保持固定してもよい。何れの方法においても、遮光性シュリンクラベル3と遮光性底部材4とが重なり合って隙間が生じないようにするのが好ましい。
【0033】
本発明の遮光性容器は、例えば、筒状に形成された遮光性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、底部外面側位置に遮光性底部材を保持させた被装着物(容器本体)に連続的に被嵌し、所定温度のスチームトンネルや熱風トンネルを通過させて熱収縮させることにより製造できる。また、筒状遮光性シュリンクラベルを自動ラベル装着装置に供給し、必要な長さに切断した後、被装着物(容器本体)に連続的に被嵌し、所定温度のスチームトンネルや熱風トンネルを通過させて熱収縮させた後、遮光性底部材を、容器本体の底部にまで延びている遮光性シュリンクラベルの外面に接着剤やヒートシール等によって固着させることにより製造することもできる。なお、飲料等の内容物の容器への充填時期はシュリンク包装の前後の何れであってもよい。
【0034】
本発明の遮光性容器は、例えば、ビール、清酒、ワイン等のアルコール飲料、緑茶、ビタミン入り飲料などの光によって変色や変質が起こりやすい飲料などの容器として好適である。
【0035】
【発明の効果】
本発明の遮光性容器によれば、容器本体の胴部及び底部がともに遮光性の部材で覆われているため、容器内の飲料等の変色や変質を確実に防止できる。また、容器本体の胴部の遮光を遮光性シュリンクラベルにより、また底部の遮光を遮光性底部材により行うため、外観に優れるとともに、容器本体と遮光性の部材とを、アルカリ溶液処理等の煩雑な操作や特別な設備を要することなく、手により容易に分離することができる。そのため、容器本体の回収・再利用を効率よく円滑に行うことが可能である。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0037】
実施例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂を主成分とし、二酸化チタン(TiO2)を含有した白色の熱収縮性フィルム[商品名「スペースクリーンS8029」、東洋紡績(株)品、厚さ50μm]の一方の面に、カーボンブラックを含む黒色インキ[商品名「SBL−X805黒」、大日本インキ化学工業(株)品]を用いてグラビア印刷を施して、厚み0.2〜2.0μmの遮光印刷層を形成するとともに、熱収縮性フィルムの他方の面にグラビア印刷機によりデザインを印刷した。これをラベルの幅に幅方向にスリットし、デザイン面側を外側にして丸め、両端部を接着剤で接着して、筒状の遮光性シュリンクラベルとした。この遮光性シュリンクラベルの波長400〜600nmの範囲の光線透過率は4%未満であった。
一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂製のシート[商品名「エンブレット」、ユニチカ(株)品、厚み0.1mm]の一方の面に、カーボンブラックを含む黒色インキ[商品名「SBL−X805黒」、大日本インキ化学工業(株)品]を用いてグラビア印刷を施して、厚み0.2〜2.0μmの遮光印刷層を形成した後、直径50mmの円板状に切断して遮光性底板を得た。この遮光性底板の光線透過率は波長400〜600nmの領域において4%未満であった。
内容積500mlのPETボトルの底部の外面に、上記の遮光性底板をポリエステル系接着剤を用いて接着させた後、PETボトルの胴部に前記筒状の遮光性シュリンクラベルを被せて、スチームトンネルを通して収縮させた。その結果、しわがなく、遮光性シュリンクラベルと遮光性底板との間に隙間もなく、デザインの明確性、鮮明性にも優れた外観の良好な遮光性容器が得られた。
この遮光性容器の遮光性シュリンクラベルと遮光性底板を手で引き剥がしたところ、容易にこれらと容器本体とを分離することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮光性容器の一例を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 遮光性容器
2 容器本体
3 遮光性シュリンクラベル
4 遮光性底部材
Claims (1)
- 口部、胴部及び底部を備えた透明な容器本体と、該容器本体の胴部外面に熱収縮により被覆された遮光性シュリンクラベルであって、白色乃至乳白色の基材フィルムの表示印刷インキ層を設ける外側表面とは反対側の面に黒色インキ又は銀インキによる遮光印刷を施す方法により遮光性を付与したシュリンクラベルと、該容器本体の底部外面を覆う遮光性の板状又はカップ状の底部材であって、該底部材を構成する板状又はカップ状物の少なくとも一方の面に黒色インキ又は銀インキによる遮光印刷を施された、シュリンクラベルと同種の素材で構成された底部材とで構成されている遮光性容器。
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