JP2004065643A - 圧力炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の圧力に一致した圧力センサ出力値を得ることが可能な圧力炊飯器を提供する。
【解決手段】内鍋2と、内鍋2を収容する本体3と、本体3に開閉可能に取り付けられ、内鍋2を密閉する蓋体4と、内鍋2を加熱する誘導加熱コイル6(加熱手段)と、内鍋2内の圧力を検出するための圧力センサ13(圧力検出手段)と、圧力センサ13からの信号に基づいて誘導加熱コイル6を制御するマイコン8(制御手段)とを備える圧力炊飯器1において、マイコン8は、圧力センサ13が大気圧を検出したとき圧力センサ13が出力する圧力センサ出力値と初期設定値との差s(s=19−AD値C)を求め、この差sを圧力センサ13が出力する圧力センサ出力値に加減する補正を行う。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭用および業務用の炊飯器に関するものである。特に、大気圧より高い圧力で調理する圧力炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧力炊飯器として、内鍋を閉塞する蓋体の内部に形成された蒸気排出経路に、排気口を閉塞する閉塞弁に押圧力を付与して内鍋内の圧力を調圧する調圧装置が配設されているものが知られている。また、この調圧装置は、内鍋内の圧力を検出する圧力検出手段からの信号に基づいて制御されるようになっている。
【0003】
また、前記圧力炊飯器では、内鍋内の圧力が高圧力の異常圧力値を超えると、制御手段がユーザにエラー報知し、ヒータなどの出力を全てオフして圧力炊飯を中止するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記圧力炊飯器では、圧力検出手段が検出する内鍋内の圧力値に経年変化により精度誤差が生じて、実際の圧力と圧力検出手段が検出する圧力値にズレが起こるという問題があった。また、圧力炊飯器の出荷時に、圧力検出手段が大気圧を検出していることを示すゼロ点を設定している。しかし、圧力炊飯器が使用される場所によって気圧が異なるので、設定されたゼロ点と圧力検出手段が大気圧を検出する点との間にバラツキが生じるという問題もあった。
【0005】
また、前記圧力炊飯器では、圧力検出手段が出力する信号に誤ってノイズなどが入った場合、制御手段が内鍋内の圧力が異常圧力状態にあると判断し、圧力炊飯が中止されてしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、実際の圧力に一致した圧力センサ出力値を得ることが可能な圧力炊飯器を提供することを課題とする。
【0007】
また、圧力センサ出力値にノイズが入った場合でも所望の圧力炊飯動作を続行することが可能な圧力炊飯器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
内鍋と、該内鍋を収容する本体と、該本体に開閉可能に取り付けられ、前記内鍋を密閉する蓋体と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内の圧力を検出するための圧力検出手段と、該圧力検出手段からの信号に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備える炊飯器において、
前記制御手段は、前記圧力検出手段が大気圧を検出したとき前記圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値と初期設定値との差を求め、この差を前記圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値に加減する補正を行うものである。
【0009】
前記発明によると、経年変化により圧力検出手段に精度誤差が生じて、圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値が圧力検出手段の初期設定値と異なる場合、圧力検出手段が大気圧を検出したときの圧力センサ出力値と初期設定値との差を、前記圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値に加減することにより、精度誤差を補正することができる。また、圧力炊飯器の出荷時に設定されている圧力検出手段が大気圧を検出していることを示すゼロ点も、前記補正を行うことによりバラツキが解消される。
【0010】
前記制御手段は、炊飯動作をスタートする炊飯スイッチがオンされた直後に前記補正を行うことが好ましい。または、前記制御手段は、炊飯動作中の調圧制御を行う直前に前記補正を行うようにしてもよい。
【0011】
前記制御手段は、前記差が所定範囲外であるときには、前記補正を行わないことが好ましい。
【0012】
前記制御手段は、調圧制御時に、前記内鍋内の圧力が第1異常圧力値を超え、該第1異常圧力値より高い第2異常圧力値以下である場合、前記加熱手段へ供給する電力量を通常の1/2にし、前記内鍋内の圧力が前記第2異常圧力値以上である場合、前記加熱手段をオフする異常圧力処理を実行することが好ましい。このように第1、第2異常圧力値などの複数のしきい値を設け、これらのしきい値に応じて加熱手段への通電量を1/2またはオフすることにより内鍋内の圧力が高圧状態となった場合でも安全に内圧を低下させることができる。
【0013】
前記制御手段は、前記異常圧力処理において前記内鍋内の圧力が前記第2異常圧力値を超え、前記加熱手段をオフした後、前記内鍋内の圧力が所定のディレイ時間内に前記第2異常圧力値以下に下がった場合、前記調圧制御にリターンし、前記内鍋内の圧力が前記所定のディレイ時間が経過しても前記第2異常圧力値以下に下がらない場合、前記調圧制御を取り消すことが好ましい。これにより、内鍋内の圧力を検出する圧力検出手段にノイズなどが入った場合でも、炊飯動作をを取り消すことなく炊飯動作を続行できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る圧力炊飯器1を示す。この圧力炊飯器1は、内鍋2、本体3および蓋体4からなる。
【0016】
前記内鍋2は、熱伝導率が高いアルミ等からなる鍋母材の外面に、後述する誘導加熱コイル6への高周波電流の通電時に生じる渦電流によって電磁誘導加熱される強磁性材料をコーティングしたり接合等したものである。
【0017】
前記本体3は、有底筒形状をなす胴体3aの内部に、前記内鍋2を収容する非導電性材料からなる保護枠5を備えている。これら胴体3aと保護枠5との間には、加熱手段である誘導加熱コイル6、内鍋用温度センサ7および制御手段であるマイコン8が配設されている。
【0018】
前記誘導加熱コイル6は、前記保護枠5の下面に配設され、高周波電流が通電されることによって、前記内鍋2を電磁誘導加熱するものである。
【0019】
前記内鍋用温度センサ7は、前記内鍋2の温度を検出するもので、前記保護枠5の底部に配設され、その先端の検出部を保護枠5に設けた貫通孔を通して内鍋2の外面に接触させ、該内鍋2の温度をマイコン8に出力するものである。
【0020】
前記蓋体4は、前記内鍋2および本体3の開口部を開放可能に閉塞するもので、蓋上板4aおよび蓋下板4bからなる。蓋体4の内鍋2側には、放熱板9、蓋ヒータ10および内蓋11が配設されている。また、この蓋体4の内部には、蓋体用温度センサ12、圧力センサ13、リリーフ弁14および調圧装置15が配設されている。
【0021】
前記蓋体用温度センサ12は、内鍋2内の温度を検出し、その検出温度をマイコン8に出力するものである。
【0022】
前記圧力センサ13は、その検出部が前記内鍋2の内部を臨むように配設されており、前記内鍋2内の圧力を検出し、その検出圧力に応じた電圧値(圧力センサ出力値)をマイコン8に出力するものである。
【0023】
圧力センサ13の出力値は、図5に示すように、内鍋2内の圧力に比例し、その圧力に対する圧力センサ13が出力する電圧値の関係は、初期設定では直線lで表わされる。例えば、内鍋2内の圧力が1気圧のとき圧力センサが出力する出力電圧値は0.5Vである。しかしながら、圧力センサ13は、使用するに従いセンサの精度誤差が変化する。例えば、内鍋2内の圧力がPであるとき、使用するのに従い圧力センサ13は、補正前誤差dを含む出力電圧値Vをマイコン8に出力する。マイコン8は、この出力電圧値Vを受け取り、初期設定直線lより圧力値Pを求める。このため、実際の内鍋2内の圧力に対してP−Pの誤差が生じる。本実施形態では、このような誤差は、後述する補正処理において自動的に補正される。
【0024】
前記リリーフ弁14は、内鍋2と連通する開口14aの上方から配置され、自重により前記開口14aを閉塞する調圧ボール16からなる周知の構成を有するものである。この調圧ボール16は、金属製の球体をポリプロピレンで被覆したものである。また、前記蓋体4内部には、開口14aと蓋体4の蒸気口4cを経て蓋体4の外側と連通する蒸気排出経路17が形成されている。炊飯時には、調圧ボール16は、前記開口14aをボールの自重で閉鎖する一方、内鍋2の内圧が、例えば、0.52kg/cm(1.5気圧)を超えると、内鍋2内の蒸気により浮き上がり、内鍋2内の蒸気を外部に排出する。これにより、内鍋2内が異常な高圧となったときに内圧を逃がすようになっている。
【0025】
前記調圧装置15は、図2〜4に示すように、閉塞弁部20、閉塞弁押圧部21、アーム部22(押圧部移動手段)およびステッピングモータ23からなる。
【0026】
前記閉塞弁部20は、閉塞弁収容部20aと閉塞弁20bとからなる。前記閉塞弁収容部20aは、内蓋11に設けられた取付け穴11aに下方から嵌合され、取付け穴11a縁部下面に係合して取り付けられている。閉塞弁収容部20aの内部には、排気口20cが形成されている。また、閉塞弁収容部20aの内部には、前記閉塞弁20bを収容するための凹所20dが形成されている。閉塞弁収容部20aの上端には、前記閉塞弁押圧部21の後述するケース部材21aを係止するための3つの係止爪20eが形成されている。
【0027】
前記閉塞弁20bは、前記閉塞弁収容部20aの凹所20d内側に、垂直方向に移動自在に配置されている。前記閉塞弁20bの外周には、スプリング21gの下端を係止するための4つの爪部20fが設けられている。また、前記閉塞弁20bの上面には、軸部20gが設けられている。
【0028】
前記閉塞弁押圧部21は、ケース部材21aと押圧部21bからなる。ケース部材21aは、下面が開口した略円筒形状を有し、その上面には、前記押圧部21b上部が挿通される挿通穴21cが形成されている。このケース部材21aは、前記閉塞弁部20上方から配置され、ケース部材21a側壁内面に設けられた係止爪21d(図2に図示)が前記閉塞弁収容部20aの係止爪20eとそれぞれ係合することにより、内蓋11上面に取り付け固定されている。前記押圧部21bは、円柱形状を有し、その下面から下方に延びる円筒形状の挿通部21eが設けられている。また、押圧部21b下部には、外側に突出する3つのガイド片21fが形成されている。前記押圧部21bは、ケース部材21aの内側に配置されており、押圧部21bの各ガイド片21fは、前記ケース部材21a側壁内面に形成されたガイド溝20hに摺動自在に設けられている。また、押圧部21bの挿通部21e内側には、前記閉塞弁20bの軸部20gが挿入されている。これにより、押圧部21bは、その上部がケース部材21aの挿通穴21cから上方に突出した状態で、垂直方向に移動自在となっている。また、押圧部21b下面と前記閉塞弁20b上面との間には、スプリング21gが設けられている。このスプリング21gは、閉塞弁20bを下方に向かって押圧し、前記排気口20cを閉塞するようになっている。
【0029】
また、前記閉塞弁押圧部21の周囲は、弾性ゴム等からなる弾性キャップ24により覆われている。この弾性キャップ24の下部に形成された折り返しつば部24aは、放熱板9と内蓋11により挟持されている。弾性キャップ24の頂部には、円板形状の肉厚部24bが一体に形成されている。また、弾性キャップ24の肩部には、複数の流通口24cが形成されている。
【0030】
前記アーム部22(押圧部移動手段)は、その中央部に環形状部22aが形成されており、この環形状部22a両側の下面には、L字形状の取付け部22bが設けられている。この取付け部22bには、押圧バー22cの両端がそれぞれ係支されている。前記押圧バー22cは、その中間部分に円板形状部22dを有する。前記環形状部22aの片側には、外方に突出する突部22eが突設されている。この突部22eは、後述するように、アーム部22が反時計回り方向に回動したときマイクロスイッチ26をオンするためのものである。また、前記アーム部22の先端部には、前記ステッピングモータ23の後述するピニオンギア23bと噛合する円弧状のラック22fが設けられている。また、前記アーム部22の支点部22gは、円板形状を有し、その中央部には、孔22hが形成されている。この支点部22gの孔22hには、モータステー25のアーム取付け部25aに固定された固定軸22iが嵌入されている。アーム部22の環形状部22aは、弾性キャップ24の上方に位置するように配置されており、アーム部22は、固定軸22iを中心にして回動自在に取り付けられている。押圧バー22cの円板形状部22dは、弾性キャップ24頂部の肉厚部24b上面に当接または取付け固定されている。
【0031】
前記ステッピングモータ23は、図2中、矢印Pで示すように両方向(正転方向または反転方向)に回転駆動するものである。前記ステッピングモータ23は、モータステー25に固定されており、ステッピングモータ23の出力軸23aには、出力軸23aと一体に固定されたピニオンギア23bが設けられている。このピニオンギア23bは、前記アーム部22のラック22fと噛合するように配置されており、ステッピングモータ23が正転方向または反転方向に回転駆動すると、前記アーム部22は、図2中、矢印Qで示す時計回り方向または反時計回り方向に回転駆動されるようになっている。これにより、前記押圧部21bは、図2中、矢印Rで示す垂直方向に沿って、閉塞方向または開放方向に移動するようになっている。
【0032】
また、前記ステッピングモータ23は、図7に示す周辺回路40を介して、前記マイコン8と接続されている。ステッピングモータ23は、マイコン8のポートp1〜4からオン/オフの駆動信号が入力され、その駆動信号に応じて駆動されるようになっている。
【0033】
前記モータステー25は、図4に示すように、ねじ25bにより蓋下板4bに取り付け固定されている。また、モータステー25の中央近傍には、マイクロスイッチ26が、前記アーム部22をモータステー25に取り付けた状態でアーム部22の突部22e上方に位置するように設けられている。このマイクロスイッチ26は、前記アーム部22が反時計回り方向に回動し、前記押圧部21bが後述する開放位置(垂直方向上端)に位置するとき、アーム部22の突部22eが当接することによりオンされるように配置されている。
【0034】
また、閉塞弁20bは、スプリング21gにより下方に向かって押圧力が付与されて前記排気口20cを閉塞する。また、前記蓋体4内部には、排気口20cと蓋体4の蒸気口4cを経て蓋体4の外側と連通する蒸気排出経路18が形成されている。閉塞弁20bは、炊飯時に内鍋2の内圧が上昇すると、スプリング21gの弾性力に抗して内鍋2内の蒸気により押し上げられ、これにより、内鍋2内の蒸気が蒸気排出経路18を介して外部に排出されるようになっている。
【0035】
前記蓋体4の上面には、図6に示す操作パネル19が配設されている。この操作パネル19は、中央に配設された液晶表示方式の表示パネル30の周りに、炊飯条件を入力するための複数のスイッチ31〜35が配設されている。
【0036】
前記スイッチ31〜35は、予約炊飯メニューや発芽玄米炊飯メニューを実行し、保温機能の実行中には再加熱機能を実行したいときに押すための炊飯スイッチ31、所望の炊飯メニューや予約炊飯メニューを選択するためのメニュースイッチ32、炊飯動作および予約炊飯動作を含む全ての動作を終了させて待機状態としたいときに押すためのとりけしスイッチ33、保温機能を実行したいときに押すための保温スイッチ34、おやすみ保温機能に変更して実行したいときに押すためのおやすみ保温スイッチ35である。また、これら各スイッチ31,34,35の背部には、図示しないLEDが配設され、これら各スイッチ31,34,35を点灯または点滅表示できるようにしている。
【0037】
前記表示パネル30の中央には、24時間の時刻表示を可能とした数値表示部30a、保温時刻等の単位を表す時間表示部30b、および、炊飯動作残り時間等の単位を表す分表示部30cが設けられている。また、表示パネル30の上部には、白米炊飯メニューにおけるご飯の硬さ「ふつう」、「やわらかめ」、「かため」および「白米急速」を示すための三角形状の表示部と、「無洗米」、「カレー用」、「弁当用」、「すしめし」、「おこげ」、「炊きこみ」、「おかゆ」、「おこわ」を示すための表示部とからなるメニュー表示部30dが設けられている。また、前記数値表示部30aの上方には、再加熱中であることを示す再加熱表示部30eが設けられている。また、表示パネル30の下部には、4種類の健康米炊飯メニューである「分づき米」、「玄米」、「玄米活性」および「発芽玄米」が選択されていることを示すためのメニュー表示部30fが設けられている。
【0038】
このメニュー表示部30fの下側には、後述する圧力炊飯時における内鍋2内の圧力を段階的に表示するピクト表示部30gが設けられている。このピクト表示部30gは、前記圧力センサ13により検出された内鍋2内の圧力に応じて、両側にそれぞれ設けられた4つのピクト30hの表示数を増減するようになっている。例えば、内鍋2内の圧力が低圧の場合、中央部両側の1つのピクト30hだけを表示し、調圧装置15やリリーフ弁14などの故障により異常高圧状態となった場合、4つ全てのピクト30hを表示するようになっている。これにより、ユーザは、内鍋2内の圧力状態を判断できるので、ユーザが不用意に蓋体4を開けたりすることを防止できる。
【0039】
前記マイコン8は、前記温度センサ7,12や圧力センサ13等からの入力に応じ、記憶されたプログラムに従って予熱工程、炊飯工程、むらし工程、及び保温工程の各工程を順次実行して炊飯動作を行うものである。マイコン8は、この炊飯動作時の前記炊飯工程およびむらし工程において、前記圧力センサ13からの入力に応じ、記憶されたプログラムに従って調圧制御(圧力炊飯)を行う。図8に、この制御時に使用されるマイコン8に記憶されているデータテーブル50を示す。このデータテーブル50は、圧力センサ13の検出圧力値、圧力センサ13の出力する電圧値、およびこの電圧値に対応するAD値を含む。AD値は、16進数(HEX)表示されている。
【0040】
次に、マイコン8が前記ステッピングモータ23を駆動する駆動方法を説明する。本実施形態において、マイコン8は、ステッピングモータ23を1−2相励磁方式により駆動するようになっている。1−2相励磁方式とは、1相励磁と2相励磁を交互に行う励磁方式であり、図9(a),(b)に、マイコン8が出力する1−2相励磁方式における駆動信号の波形図を示す。マイコン8は、マイコン8内部または外部に設けられたクロックパルス出力回路42(図7に図示)と接続されており、このクロックパルス出力回路42から所定の周波数を有するクロックパルスa(本実施形態において、クロックパルスaの周波数は330ppsに設定されている。)が入力されるようになっている。そして、マイコン8がマイコン8の各ポートp1〜4からそれぞれ出力する駆動信号は、入力された前記クロックパルスaをカウントし、このクロックパルスaを基準にして出力されている。すなわち、マイコン8は、図9(a),(b)に示すように、クロックパルスa×2の周期で、各ポートp1〜4からオン信号を順次、出力する。このオン信号を出力する時間は、クロックパルスa×3をカウントするまでの時間として設定されている。本実施形態において、クロックパルスa×3をカウントするまでの時間は、3ms×3=9msである。
【0041】
マイコン8が、図9(a)に示すように、前記ポートp1,2,3,4の順番でオン信号を出力すると、ステッピングモータ23は正転方向に回転駆動するようになっている。また、前記ポートp4,3,2,1の順番でオン信号を出力すると、ステッピングモータ23は反転方向に回転駆動するようになっている。
【0042】
また、ステッピングモータ23を逆回転させる場合、すなわち正転方向から反転方向または反転方向から正転方向に回転駆動する向きを変更する場合、所定時間T1の間(クロックパルスa×5をカウントするまでの時間)、ステッピングモータ23にオフ信号を出力するようになっている。これにより、ステッピングモータ23の回転方向を逆向きに変更したとき、ステッピングモータ23が滑ることを防止し、ステッピングモータ23を精度よく制御できる。
【0043】
また、ステッピングモータ23の回転駆動開始時またはステッピングモータ23の回転方向を逆向きに変更する場合、図9(b)に示すように、所定時間T2の間、クロックパルス出力回路42から通常より低い周波数を有するクロックパルスa’を出力するようにしてもよい。前記所定時間T2は、本実施形態において、クロックパルスa’×7をカウントするまでの時間として設定されている。これにより、ステッピングモータ23の回転速度が、前述した場合に比べて遅くなり、大きいトルクが得られる。また、クロックパルスa’の周波数を任意に変更可能にすることにより、ステッピングモータ23の回転速度を任意に設定できるようにしてもよい。また、このスロースタートする所定時間T2を任意に設定できるようにしてもよい。
【0044】
また、マイコン8は、前記マイクロスイッチ26がオンされた時点から、ステッピングモータ23を回転駆動する間に出力されたクロックパルスaのクロックパルス数をカウントするようになっている。このカウント方法は、ステッピングモータ23を正転方向に回転駆動した場合には、回転駆動する間にカウントしたクロックパルスaのクロックパルス数を加算する。また、ステッピングモータ23を反転方向に回転駆動したときには、反転方向に回転駆動する間にカウントしたクロックパルスaのクロックパルス数を減算する。マイコン8は、カウントされたカウント値Yを参照することによりステッピングモータ23のモータ位置の位置検出を行うようになっている。すなわち、モータ位置がゼロ点に位置するか、またはゼロ点からどれだけ離れているかなどを検出することができる。
【0045】
また、マイコン8は、ステッピングモータ23の動作範囲を設定しており、ステッピングモータ23は、ゼロ点からMAX点までの間を動作するようになっている。マイコン8が前記ゼロ点を設定する方法は、図10のフローチャートに示すように、まず、ステップS1において、ステッピングモータ23を反転方向に回転駆動し、ステップS2において、タイマをスタートする。次に、ステップS3において、前記タイマが、タイムアップしたか否かを判断し、タイムアップしていないと判断した場合(NOの場合)、ステップS4において、マイクロスイッチ26がオンされたか否かを判断する。ステップS3において、タイマがタイムアップしたと判断した場合(YESの場合)、ステップS7において、エラー表示を行う。
【0046】
ステップS4において、オンされたと判断した場合(YESの場合)、ステップS5において、ステッピングモータ23をオフする。このとき、反時計回り方向に回動したアーム部22は、図2に示すように、マイクロスイッチ26をオンした状態であり、押圧部21bは、開放位置(垂直方向上端)に位置する。また、ステップS6において、マイコン8は、ステッピングモータ23の現在のモータ位置をゼロ点(原点)として設定する。一方、ステップS4において、マイクロスイッチ26がオンされていないと判断した場合、ステップS3にリターンする。
【0047】
マイコン8が、前記MAX点を設定する方法は、ステッピングモータ23がゼロ点に位置する状態から、ステッピングモータ23を正転方向に回転駆動し、所定数(正の第1所定数)のクロックパルスaが出力されるまでステッピングモータ23を回転駆動したときのステッピングモータ23のモータ位置をMAX点として設定する。本実施形態において、前記所定数は、210(HEX)に設定されている。このとき、前記カウントされたカウント値は、210(HEX)である。また、アーム部22は、図2中、時計回り方向に回動し、弾性キャップ24の肉厚部24bが図2の一点鎖線で示す位置まで押し下げられ、押圧部21bは、閉塞位置(垂直方向下端)に位置する。
【0048】
そして、マイコン8は、カウント値Yが、前記ゼロ点に対応する0(HEX)または前記MAX点に対応する210(HEX)になった場合、ステッピングモータ23をオフするようになっている。これにより、ステッピングモータ23は、ゼロ点からMAX点までの間を動作して、押圧部21が、前記垂直方向上端から下端の間に位置決めされるようになっている。
【0049】
次に、前記圧力炊飯器1のマイコン8による動作について説明する。
【0050】
まず、使用者は、希望するカップ数の米と、その米を炊飯するのに要する分量の水を内鍋2内に収容させ、この内鍋2を本体3にセットした後、希望する炊飯後のご飯の硬さや、炊き上がり時間等を前記表示パネル30の各スイッチ31〜35を操作して設定し、炊飯スイッチ31を押す。
【0051】
そうすると、マイコン8は、図11のフローチャートに示すように、炊飯フローを開始する。ステップS10(炊飯スイッチ31がオンされた直後)に、補正処理を行う。補正処理を実行した後で、ステップS11において、誘導加熱コイル6に通電を開始し、内鍋2の温度が約50℃程度となるように温度調節して予熱を加える(予熱工程)。
【0052】
そして、所定時間が経過すると、マイコン8は、ステップS12において、誘導加熱コイル6に対して100%(フルパワー)の電力で通電し、中パッパ工程を実行する(炊飯工程)。また、ステップS13において、内鍋用温度センサ7により内鍋2内の温度が100℃になったと判断すると、誘導加熱コイル6に対する通電量を制御して電力制御工程(炊飯工程)を実行する。また、ステップS14において、再び誘導加熱コイル6に対して60〜70%の電力で通電し、内鍋2内の温度を100℃以上に上げて炊き上げ工程(炊飯工程)を実行する。
【0053】
マイコン8は、周知の方法によってドライアップを検出すると、ステップS15において、蓋体4に配設した蓋ヒータ10に通電を開始し、所定時間、蒸らしおよび露とばし(むらし工程)を行う。そして、マイコン8は、ステップS16において、周知の圧力炊飯器と同様に、保温処理に移行する(保温工程)。
【0054】
前記補正処理は、図12のフローチャートに示すように、ステップS20において、図8に示すデータテーブル50に基づいて圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cを取り込む。このとき、圧力センサ13は、炊飯動作開始時であるので大気圧を検出しており、電圧値D(図5に図示)を出力する。ステップS21において、このAD値Cが大気圧の範囲内であるか否かを判断する。本実施形態において、この大気圧の範囲は、図8に示すデータテーブル50に基づいて10〜28(HEX)として設定されている。圧力センサ13が検出する圧力値が前記大気圧の範囲を超えている場合(ステップS21において、NOの場合)、ステップS25において、圧力センサ13に異常が生じたと判断してそのことをユーザに報知する。これにより、ユーザが圧力センサ13の交換を適切に行える。
【0055】
ステップS21において、圧力センサ13が検出する圧力値が前記大気圧の範囲内である場合(ステップS21において、YESの場合)、ステップS22において、圧力センサ13が出力する電圧値Dに対応するAD値Cと初期設定直線lのゼロ点における出力電圧値D(=0.5V(初期設定値))に対応するAD値C(=19(HEX))との差s(s=19−AD値C(HEX))を求める。
【0056】
ステップS23において、前記差sが、所定範囲内(本実施形態において、前記所定範囲は、−5〜+5(HEX)として設定されている。)であるか否かを判断し、前記差sが前記所定範囲内である場合、ステップS24において、差sを圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cに加えて補正をする。一方、前記差sが所定範囲外であるときには、ステップS26において、差sの値を0にしてステップS24に進む。この場合、ステップS24において、0である差sを圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cに加え、補正を行わない。これは、前記差sの値が大きい場合、その差sを加えて前記補正を行うと後述する調圧制御が正常に実行できない恐れがあるためである。
【0057】
このように、マイコン8は、圧力センサ13の使用に伴う経年変化によって生じた精度誤差dを補正することにより初期設定直線lに対応した圧力センサ出力値が得られ、後述する調圧制御において実際の圧力に応じた精度のよい制御が行える。また、この補正処理は、炊飯スイッチ31がオンされた直後のステップS10において実行せずに、炊飯動作中の後述する調圧制御前、すなわちステップS12の中パッパ工程前に実行するようにしてもよい。
【0058】
マイコン8は、前記予熱工程の開始時に、モータ原点復帰動作を行う。このとき、マイコン8は、ステッピングモータ23を反転方向に回転駆動させ、ステッピングモータ23をゼロ点に位置させる。マイコン8は、モータ原点復帰動作が完了すると、ステッピングモータ23をオフする。
【0059】
マイコン8は、前記中パッパ工程、電力制御工程、炊き上げ工程およびむらし工程時に、図13,14のフローチャートに示すように、調圧制御を行う。まず、マイコン8は、ステップS30において、圧力上限値Aおよび圧力下限値Bを設定する。この圧力上限値Aおよび圧力下限値Bは、図15に示すマイコン8に記憶されたデータテーブル51に基づいて設定される。このデータテーブル51は、ふつう、かため、やわらかめ、急速、および玄米の各炊飯メニューにおける、中パッパ、電力制御、炊き上げおよびむらしの各工程毎に設定された圧力上限値Aおよび圧力下限値B(AD値)を有する。マイコン8は、このデータテーブル51に基づいて、例えば、ふつう炊飯メニューの中パッパ工程が実行されているとき、圧力上限値Aおよび圧力下限値Bは、それぞれ42および3E(HEX)と設定する。
【0060】
次に、マイコン8は、ステップS31において、図8に示すデータテーブル50に基づいて圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cを取り込む。このAD値Cは、内鍋2内の現在の圧力値を表す。そして、ステップS32において、AD値Cが圧力下限値B以下であるか否かを判断する。AD値Cが圧力下限値B以下である場合、ステップS33において、ステッピングモータ23のモータ位置が、前記MAX点に位置するか否かを判断する(位置検出)。このとき、マイコン8は、前述したように、ステッピングモータ23の回転方向に応じて加算または減算されたカウント値Yを参照することにより判断する。すなわち、カウント値Yが210(HEX)であるか否かを判断する。MAX点でない場合、ステップS34において、ステッピングモータ23を正転方向に回転駆動し、MAX点である場合、ステップS36において、ステッピングモータ23をオフする。
【0061】
そして、ステップS35において、従来の圧力炊飯器と同様に、各工程における終了条件を満たしている場合、調圧制御を終了して次の工程に移行する。ここで、調圧制御を終了しない場合、ステップS31にリターンする。
【0062】
前述したように、ステッピングモータ23が正転方向に回転駆動することにより、アーム部22が回動し、閉塞弁押圧部21の押圧部21bが閉塞方向に向かって押し下げられる。押圧部21bは、下面に取り付けられた所定の弾性力を有するスプリング21gを介して閉塞弁20bを下方に押圧する。このとき、閉塞弁20bは、押し縮められたスプリング21gにより押圧力が付与され、排気口20cを閉鎖する。その結果、内鍋2内が密閉されるとともに圧力下限値B以上になるまで加圧される。
【0063】
一方、ステップS32において、AD値Cが圧力下限値B以上である場合(NOの場合)、ステップS37において、AD値Cが圧力上限値A以上であるか否かを判断する。AD値Cが圧力上限値A以上でない場合(NOの場合)、ステップS38において、ステッピングモータ23をオフし、ステップS35に進む。これにより、閉塞弁20bは、スプリング21gにより押圧力が付与された状態で維持される。その結果、内鍋2内の圧力が圧力下限値B以上かつ圧力上限値A以下に維持される。
【0064】
ステップS37において、AD値Cが圧力上限値A以上である場合(YESの場合)、図14に示すステップS39において、マイクロスイッチ26がオンされたか否かを判断し、オンされていない場合、ステップS30に進む。ステップS30において、ステッピングモータ23のモータ位置が、前記ゼロ点に位置するか否かを判断する(位置検出)。このとき、マイコン8は、前述したように、ステッピングモータ23の回転方向に応じて加算または減算されたカウント値Yを参照することにより判断する。すなわち、カウント値Yが0(HEX)であるか否かを判断する。ゼロ点でない場合、ステップS31において、ステッピングモータ23を反転方向に回転駆動してステップS35(図13に図示)に進む。
【0065】
すなわち、ステッピングモータ23が反転方向に回転駆動することにより、アーム部22が反時計回り方向に回動し、閉塞弁押圧部21の押圧部21bがスプリング21gにより上方に押圧され、開放方向に移動する。このとき、閉塞弁20bは、スプリング21gにより付与されていた押圧力が低減するので、高圧状態の内鍋2内の蒸気により上方に押圧される。その結果、排気口20cが開放され、内鍋2内の圧力が圧力上限値A以下になるまで減圧(解放)される。
【0066】
ステップS40において、モータ位置がゼロ点である場合、ステップS43において、ステッピングモータ23をオフしてステップS35に進む。また、ステップS39において、マイクロスイッチ26がオンされた場合、ステップS42において、ステッピングモータ23の現在位置をゼロ点に再設定する。このとき、カウント値Yを0(HEX)にリセットする。そして、ステップS43において、ステッピングモータ23をオフし、ステップS35に進む。これにより、ステッピングモータ23において生じる滑りを起因として、ゼロ点がずれた場合でも、あらたにゼロ点を設定することにより正確な制御が行える。
【0067】
このように、マイコン8が調圧装置15を調圧制御することにより、内鍋2内の圧力が、圧力下限値B以上かつ圧力上限値A以下に適切に調圧される。このように、炊飯時に圧力をかけることにより、粘り・甘味が増加したおいしいご飯を炊き上げることができる。
【0068】
マイコン8は、前記保温工程に移行したときに、炊飯終了を報知するとともに、図16のフローチャートに示すように、ステッピングモータ23をゼロ点に復帰させる。まず、ステップS50において、ステッピングモータ23を反転方向に回転駆動し、ステップS51において、タイマをスタートする。次に、ステップS52において、前記タイマが、タイムアップしたか否かを判断し、タイムアップしていないと判断した場合(NOの場合)、ステップS53において、マイクロスイッチ26がオンされたか否かを判断する。ステップS52において、タイマがタイムアップしたと判断した場合(YESの場合)、ステップS55において、エラー表示を行う。
【0069】
ステップS53において、オンされたと判断した場合(YESの場合)、ステップS54において、ステッピングモータ23をオフする。このとき、反時計回り方向に回動したアーム部22は、図2に示すように、マイクロスイッチ26をオンした状態に位置する。一方、ステップS53において、マイクロスイッチ26がオンされていないと判断した場合、ステップS52にリターンする。これにより、内蓋11を取り付ける際に、アーム部22が押圧部21bを押圧することなくスムーズに取付操作が行える。また、取り消しモードに移行したときも、同様にステッピングモータ23をゼロ点に復帰させることが好ましい。
【0070】
次に、前記実施形態における調圧制御の変形例について説明する。図17,18のフローチャートに示すように、前記実施形態の調圧制御と異なり、ステップS34−1において、データテーブル50に基づいて圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cを取り込み、ステップS34−2において、内鍋2内の圧力が1.35気圧(第1異常圧力値)を超えているか否かを判断する。内鍋2の内圧が1.35気圧以下である場合、通常どおりに調圧制御ができるとしてステップS35に進み、調圧制御を続行する。ステップS34−2において、内鍋2の内圧が1.35気圧を超えている場合、ステップS34−3において、異常圧力処理に移行する。
【0071】
前記異常圧力処理は、図19のフローチャートに示すように、ステップS60において、圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cを取り込む。次に、ステップS61において、圧力センサ13により検出された内鍋2内の圧力値が1.35気圧以上1.40気圧(第2異常圧力値)以下であるか否かを判断する。内鍋2内の圧力値が1.35気圧以上1.40気圧以下の場合、ステップS62において、前記誘導加熱コイル6へ供給する電力量を通常の1/2にしてリターンする。そして、調圧制御のステップS34−2において、内鍋2内の圧力が1.35気圧以下に低下すると通常の調圧制御に戻る。
【0072】
一方、ステップS61において、内鍋2内の圧力値が1.40気圧以上である場合(ステップS61において、NOの場合)、ステップS63において、前記誘導加熱コイル6をオフし、ステップS64において、内鍋2内の圧力が10秒(ディレイ時間)以内に1.40気圧以下に下がったか否かを判断する。前記ディレイ時間内に内鍋2内の圧力が1.40気圧以下に下がった場合、リターンする。一方、10秒以上経過しても内鍋2内の圧力が1.40気圧以下に下がらない場合(ステップS64において、NOの場合)、ステップS65において、通常の調圧制御ができないことをユーザに報知するためにエラー表示するとともに調圧制御を取り消す。また、誘導加熱コイル6をオフしても内鍋2内の圧力が上昇し続け、1.50気圧以上となった場合、前記リリーフ弁14の調圧ボール16が浮き上がり、内鍋2内の蒸気を外部に排出し、異常な高圧を逃がすようになっている。
【0073】
例えば、七草粥などを炊飯している最中に、蒸気排出経路18にご飯がつまり調圧制御不能となった場合、従来の圧力炊飯器のように炊飯動作を取り消すことなく、前記異常圧力処理を行うことにより炊飯動作を続行する。また、内鍋2内の圧力に応じて誘導加熱コイル6への通電量を低下して内鍋2内の圧力を低下させるので、圧力炊飯器1の安全性が向上する。また、調圧制御の動作中に、圧力センサ13が出力する信号に誤ってノイズなどが入り、マイコン8が内鍋2内の圧力が異常圧力状態にあると判断した場合でも、ディレイ時間が設けられており、すぐに炊飯動作が取り消されないので、誤動作することなく炊飯動作を続行することができる。また、前記ディレイ時間は、任意に設定できるようにしてもよい。
【0074】
また、マイコン8は、図20のフローチャートに示すように、電源がオフされると(ステップS70において、YESの場合)、電池駆動に切り替わり、ステップS71において、圧力チェックタイマをリセットしてスタートするとともに、異常圧力カウンタをリセットする。そして、ステップS72において、圧力センサ13が出力する電圧値に対応するAD値Cを取り込む。なお、このAD値Cを取り込むタイミングは、本実施形態のように電源オフ直後でなく、内鍋2内の圧力が抜ける時間を考慮して電源オフしてから数秒後であってもよい。
【0075】
次に、ステップS73において、圧力センサ13により検出された内鍋2内の圧力値が大気圧に比べて高圧であるか否かを判断する。内鍋2内の圧力が大気圧付近である場合(ステップS73において、NOの場合)、ステップS81において、従来と同様のバックアップモードに移行する。このバックアップモードでは、電池の消耗を抑えるため圧力センサ13周辺への電力供給をオフするようになっている。
【0076】
一方、調圧装置15が故障していたり、異物が詰まっており内鍋2内の圧力値が大気圧に比べて高圧である場合(ステップS73において、YESの場合)、ステップS74において、“蓋を開けないで下さい”または“高圧です”などの液晶表示を表示パネル30により行い、内鍋2内が高圧であることをユーザに報知する。そして、ステップS75において、電池の消耗を抑えるために圧力センサ13周辺への電力供給をオフする。
【0077】
ステップS76において、圧力チェックタイマのカウンタ値に1を加えるとともに、異常圧力カウンタのカウンタ値に1を加える。次に、ステップS77において、この異常圧力カウンタのカウンタ値がオーバーフローしたか否かを判断する。オーバーフローしていない場合(NOの場合)、ステップS78において、前記圧力チェックタイマがオーバーフローしたか否かを判断する。この圧力チェックタイマがオーバーフローする時間は、電池駆動を考慮して約15秒が好ましい。ステップS78において、圧力チェックタイマがオーバーフローした場合、ステップ79において、圧力センサ13周辺への電力供給をオンして、ステップS72にリターンする。これにより、マイコン8は、15秒毎の一定周期でAD値Cを取り込み、内鍋2内の圧力を調べる。そして、ステップS73において、内鍋2の内圧が大気圧付近にまで低下すると、ステップS81に進みバックアップモードに移行する。
【0078】
一方、ステップS77において、前記異常圧力カウンタのカウンタ値がオーバーフローした場合(YESの場合)、ステップS80において、圧力センサ13などが故障したと判断し、異常モードに移行する。この異常圧力カウンタがオーバーフローする時間は、約10分が好ましい。これは、炊飯動作が完了して約10分が経過すると、通常状態では内鍋2内の圧力は大気圧とほぼ等しい圧力になるためである。
【0079】
このように、電源がオフされた後でも、マイコン8が、圧力センサ13に一定周期毎に電池から電力を供給して内鍋2内の圧力を検出し、内鍋2内の圧力が高圧状態である場合、その旨を表示するようにしたので、ユーザが不用意に蓋体4を開けることを防止できる。
【0080】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の炊飯器では、制御手段は、圧力検出手段が大気圧を検出したとき圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値と初期設定値との差を求め、この差を圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値に加減する補正を行うようにしたので、内鍋の内圧に一致した正確な圧力値を得ることができ、得られた圧力値に応じて所望の炊飯動作が実現できる。また、圧力炊飯器の製造時に設定された大気圧を表すゼロ点を、ユーザが使用する場所に応じて補正することが可能であり、圧力検出手段のバラツキをなくすことができる。
【0081】
特に、制御手段は、差が所定範囲外であるときには、補正を行わないことにより、正常に調圧制御ができなくなることを回避できる。
【0082】
特に、制御手段は、調圧制御時に、内鍋内の圧力が第1異常圧力値を超え、第1異常圧力値より高い第2異常圧力値以下である場合、加熱手段へ供給する電力量を通常の1/2にし、内鍋内の圧力が第2異常圧力値以上である場合、加熱手段をオフするようにしたので、従来の圧力炊飯器のように内鍋の内圧が異常圧力値を超えたとき炊飯動作を取り消すことなく、内鍋の内圧を安全に低下することができる。
【0083】
制御手段は、内鍋内の圧力が所定のディレイ時間内に下がった場合、調圧制御にリターンし、内鍋内の圧力が所定のディレイ時間が経過しても下がらない場合、調圧制御を取り消すようにしたので、圧力検出手段が出力する信号にノイズが入った場合でも誤動作することなく炊飯動作を続行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力炊飯器の概略図である。
【図2】(a)は、図1の調圧装置の拡大図である。(b)は、(a)の上面図である。
【図3】図1の調圧装置の分解斜視図である。
【図4】図1の蓋体の斜視図である。
【図5】図1の圧力炊飯器の圧力センサ出力電圧値と圧力の関係を表したグラフである。
【図6】図1の操作パネルの正面図である。
【図7】図1の圧力炊飯器のステッピングモータの駆動回路図である。
【図8】図1のマイコンに記憶されているデータテーブルである。
【図9】(a),(b)は、マイコンから出力されるステッピングモータを駆動するための駆動信号の波形図である。
【図10】圧力炊飯器のゼロ点設定制御を示すフローチャートである。
【図11】圧力炊飯器の炊飯制御を示すフローチャートである。
【図12】圧力炊飯器の補正処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る圧力炊飯器の調圧制御を示すフローチャートである。
【図14】本発明に係る圧力炊飯器の調圧制御を示すフローチャートである。
【図15】調圧制御時に用いられるデータテーブルである。
【図16】圧力炊飯器のゼロ点復帰処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係る圧力炊飯器の調圧制御の変形例を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る圧力炊飯器の調圧制御の変形例を示すフローチャートである。
【図19】圧力炊飯器の異常圧力処理を示すフローチャートである。
【図20】圧力炊飯器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…圧力炊飯器
2…内鍋
3…本体
4…蓋体
6…誘導加熱コイル(加熱手段)
8…マイコン(制御手段)
13…圧力センサ(圧力検出手段)

Claims (6)

  1. 内鍋と、該内鍋を収容する本体と、該本体に開閉可能に取り付けられ、前記内鍋を密閉する蓋体と、前記内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋内の圧力を検出するための圧力検出手段と、該圧力検出手段からの信号に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備える圧力炊飯器において、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段が大気圧を検出したとき前記圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値と初期設定値との差を求め、この差を前記圧力検出手段が出力する圧力センサ出力値に加減する補正を行うことを特徴とする圧力炊飯器。
  2. 前記制御手段は、炊飯動作をスタートする炊飯スイッチがオンされた直後に前記補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧力炊飯器。
  3. 前記制御手段は、炊飯動作中の調圧制御を行う直前に前記補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧力炊飯器。
  4. 前記制御手段は、前記差が所定範囲外であるときには、前記補正を行わないことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧力炊飯器。
  5. 前記制御手段は、調圧制御時に、前記内鍋内の圧力が第1異常圧力値を超え、該第1異常圧力値より高い第2異常圧力値以下である場合、前記加熱手段へ供給する電力量を通常の1/2にし、前記内鍋内の圧力が前記第2異常圧力値以上である場合、前記加熱手段をオフする異常圧力処理を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の圧力炊飯器。
  6. 前記制御手段は、前記異常圧力処理において前記内鍋内の圧力が前記第2異常圧力値を超え、前記加熱手段をオフした後、前記内鍋内の圧力が所定のディレイ時間内に前記第2異常圧力値以下に下がった場合、前記調圧制御にリターンし、前記内鍋内の圧力が前記所定のディレイ時間が経過しても前記第2異常圧力値以下に下がらない場合、前記調圧制御を取り消すことを特徴とする請求項5に記載の圧力炊飯器。
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