JP5072786B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、温度を検知して内鍋内の炊飯物を炊飯する炊飯器に関するものである。
従来の炊飯器においては、メニューの白米がメニューキーによって選択されると、白米に対応する制御プログラムを実行する。先ず、予熱工程では炊飯物である米と水を加熱して昇温させ、底温度センサの検知温度が所定温度(例えば62℃)に達するまで行い、その検知温度が62℃に達した時点で加熱をOFFする。以後、底温度センサの検知温度に基づいて加熱制御することにより、予熱開始から一定時間(例えば10分間)が経過するまで62℃に維持し、10分が経過したときに炊飯工程に移行する。予熱工程では、蓋温度センサの検知温度は底温度センサの検知温度よりも低く、上昇の度合も非常に緩やかである。
炊飯工程では、連続加熱によって底温度センサの検知温度が62℃から所定温度(例えば88℃)に達するまで加熱する。併せて、炊飯工程開始から底温度センサの検知温度が88℃に達するまでの時間を計時し、この結果に基づいて炊飯量を判定し、かつ炊飯量から通電率を決定する。この工程でも、蓋温度センサの検知温度は、底温度センサの検知温度よりも低く、上昇の度合も非常に緩やかである。次の工程では、前工程で決定した通電率に従って加熱を行う。また、前工程から継続して炊飯工程開始からの時間の計時を行い、炊飯物の沸騰を判定する。
底温度センサの検知温度は、本工程の開始から短時間で100℃付近まで達するが、これは、炊飯物の底部における部分沸騰等によるものであり、この時点では未だ炊飯物全体が沸騰状態にはなっておらず、底温度センサの検知温度のみを基にして沸騰を判定することは信頼性に欠ける。一方、蓋温度センサの検知温度は、本工程開始後も緩やかに上昇して、炊飯物全体が沸騰を開始し、水蒸気が勢い良く発生するようになって内鍋内に水蒸気が充満するようになると急激に上昇を始める。よって、蓋温度センサの検知温度の急激な上昇を捉えることによって炊飯物全体の沸騰を正確に判定することが可能となる。例えば、蓋温度センサの検知温度の急激な上昇における所定温度(例えば90℃)を検知して沸騰と判定し、次工程に移行する。また、炊飯工程開始からこの時点までの計時結果に基づいて炊飯量を判定し、かつ炊飯量から通電率を決定して、その通電率で加熱を続ける。内鍋内の水分がなくなり、内鍋底部の温度が急激に上昇して底温度センサの検知温度が炊飯完了温度(例えば124℃)に達したときに加熱をOFFして蒸らし工程に移行する。
蒸らし工程では、一定時間(例えば12分)の計時を始め、底温度センサの検知温度が所定温度(例えば110℃)まで低下するのを待ち、110℃を検知したときに、再び加熱を開始して124℃になるまで加熱を続ける。そして、124℃を検知すると加熱をOFFして、一定時間の経過により蒸らし工程を終了する。
特開昭61−222415号公報(第2−5頁、第6−7図)
前述した従来の炊飯器では、実使用における炊飯や保温時のヒータ加熱や、炊飯時に発生する蒸気や内鍋に付着している水分による加湿等によって、構成部品の特性変化や故障等が生じる場合があった。例えば、蓋部や内鍋底部の温度を検知するサーミスタ等で構成される温度センサの取付や電気部品の定数変化、胴部や蓋部に設けられたヒータの取付の不具合等である。その場合、炊飯性能や保温性能の劣化を招いていた。その結果、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の課題があった。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等も懸念されていた。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまうようなことを事前に防止し、また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険も事前に防止することができる炊飯器を提供することを目的とする。
本発明に係る炊飯器は、炊飯物を収容する内鍋と、内鍋を加熱する加熱手段と、内鍋内の温度を検知する蓋温度センサと、内鍋底部の温度を検知する底温度センサと、予め設定されたプログラムに従って加熱手段を制御し内鍋内の炊飯物を炊飯する制御手段と、制御手段により炊飯が行われる毎に蓋温度センサの検知温度から内鍋内の炊飯物の沸騰を判定する沸騰判定手段と、炊飯器本体の異常の有無を判定する異常判定手段とを備え、制御手段は、沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知される毎に、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出し、異常判定手段は、前記時間と平均値との差が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定する。
本発明においては、内鍋内の炊飯物の沸騰が検知される毎に、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出し、その時間と平均値との差が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定するようにしたので、実使用における炊飯や保温時の加熱や、炊飯時に発生する蒸気や内鍋に付着した水分による加湿等によって生じる、蓋温度センサの感温部からの浮き等の取付の不具合による、炊飯性能や保温性能の劣化を判定することが可能となる。その結果、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の問題を事前に防止することができる。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険性も事前に防止することができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る炊飯器の構造を示す断面図、図2は実施の形態1に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。
図1において、炊飯器の加熱手段である誘導コイル6は、保護枠3のコイル台7に支持され、内鍋2の底部コーナー部に対向するように配設された側部誘導コイル6aと、内鍋2の底部に対向するように配設された底部誘導コイル6bとからなっている。底温度センサ10は、例えばサーミスタからなり、コイル台7の中央部を貫通して取り付けられ、バネ11の弾性力によって内鍋2の底部に接触し、内鍋2に収容された炊飯物の温度を間接的に検知する。蓋温度センサ19は、例えばサーミスタからなり、内蓋17を貫通して蓋放熱板14から内鍋2側に突出するように取り付けられ、内鍋2内部の雰囲気温度を検知する。
前述した保護枠3は、内鍋2を収納するための開口部を有し、上部枠3aと、胴ヒータ4が貼付された側面放熱板5と、コイル台7とにより構成されている。内鍋2は、外面が磁性体金属で構成された有底筒状の容器で、開口部周縁に保護枠3の上部に懸架するためのフランジ部が形成されている。フェライト8は、誘導コイル6の側部誘導コイル6a及び底部誘導コイル6bを覆うように形成され、コイル台7に取り付けられたフェライト台9によって支持されている。このフェライト8は、側部誘導コイル6a及び底部誘導コイル6bから発生する磁束が外部に漏れないように設けられたものである。
蓋体12は、保護枠3に一体に成形されたヒンジ部3bに軸13を介して本体1の上部を開閉自在に支持されている。蓋体12の内面下部には蓋放熱板14が取り付けられ、蓋放熱板14の内面には蓋ヒータ15が貼付されている。本体1の前面側傾斜部には、液晶表示部16a及びキー入力部16b(図2参照)を有する操作パネル16が設けられている。キー入力部16bには、炊飯を開始するための炊飯キー、予約時刻を設定するための予約キー、現在時刻を設定するための時キーや分キー等が設けられている。内蓋17は、蓋体12の下面に着脱自在に取り付けられ、その外周部には、蓋体12が閉じられたときに内鍋2に接して閉塞するパッキン18が配設されている。操作パネル16側の保護枠3の近傍には、図2に示す制御回路30、データ記憶部34、比較値記憶部35等が設けられた回路基板20が設置されている。
前述の制御回路30は、図2に示すように、例えばマイコンからなり、制御手段31、沸騰判定手段32及び異常判定手段33を有している。制御手段31は、図示せぬ記憶部(ROM)に格納された制御プログラムに従って炊飯から保温の各工程を実施する。つまり、誘導コイルに通電し内鍋2を誘導加熱して炊飯物を炊飯する。また、制御手段31は、沸騰判定手段32により炊飯物の沸騰が検知される毎に、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出する。前述の時間及び平均値は、炊飯量毎にデータ記憶部34に保存される。また、平均値の算出は、炊飯量毎に所定回数(例えば10回)繰り返し行われる。沸騰判定手段32は、制御手段31により炊飯が行われる毎に内鍋2内の炊飯物の沸騰を判定する。異常判定手段は、制御手段31により取得された時間が平均値に対する所定の範囲を外れたときに異常有りと判定する。この所定の範囲は、炊飯量に対応して設定された定数で、予め比較値記憶部35に炊飯量毎に保存されている。なお、前述の時間及び平均値、所定の範囲については後述する。
次に、前記のように構成された炊飯器において、初期使用の炊飯動作、及び長期使用による不具合発生時の炊飯動作について図3を参照しながら説明する。
図3は実施の形態1に係る炊飯器の炊飯動作における温度曲線と炊飯電力の相関を示す図である。なお、図中に示す実線の温度曲線は底温度センサ10の検知による内鍋2底部の温度変化を示し、破線の温度曲線は蓋温度センサ19の検知による内鍋2内の雰囲気温度の変化を示している。また、破線で示す蓋温度センサ19の温度曲線のうち、一方の曲線は、炊飯器の初期使用の温度変化であり、もう一方の曲線は、長期使用による不具合発生時(劣化時)の温度変化である。また、図中に示す温度曲線と炊飯電力は、ある炊飯量を炊飯したときの相関図である。
前述の不具合とは、炊飯器の実使用における炊飯時や保温時のヒータ加熱や、炊飯時に発生する蒸気や内鍋2に付着した水分による加湿等によって、構成部品の特性変化や故障等が生じた場合である。例えば、蓋体12や内鍋2底部の温度を検知するサーミスタの取付や電気部品の定数変化、胴ヒータ4や蓋ヒータ15の取付の不具合等である。
先ず、初期使用の炊飯動作について説明する。ここでは、従来の炊飯器と同様に、メニューとして白米を選択した場合の炊飯動作を説明する。
白米を選択して炊飯キーをONすると、制御回路30の制御手段31は、選択された白米に対応する制御プログラムを実行する。先ず、予熱工程に入って誘導コイル6に通電して内鍋2を誘導加熱し炊飯物である米と水を加熱して昇温させる。そして、制御手段31は、底温度センサ10の検知温度が一定温度(例えば62℃)に達したか否かを判定し、底温度センサ10の検知温度が62℃に達したときに誘導コイル6への通電をOFFして内鍋2の誘導加熱を停止する。その後、底温度センサ10により検知された温度が62℃を維持するように誘導コイル6への通電を制御し、予熱開始から一定時間(例えば10分間)が経過したときに炊飯工程に移行する。この予熱工程では、米の吸水を促進すること、水温、気温に対する炊飯物の温度を補うこと、炊飯量の多少に関係なく温度分布を均一にすることを目的としている。予熱工程における蓋温度センサ19の検知温度は、底温度センサ10の検知温度よりも低く、温度上昇の度合も非常に緩やかである。
制御手段31は、炊飯工程に入ると、誘導コイル6に連続通電して底温度センサ10の検知温度が62℃から所定温度(例えば88℃)に達するまで内鍋2を誘導加熱する。併せて、炊飯工程の開始から底温度センサ10の検知温度が88℃に達するまでの時間を計時し、この結果に基づいて炊飯量を判定し、この炊飯量から通電率を決定して内鍋2を誘導加熱する。この工程でも、蓋温度センサ19の検知温度は、底温度センサ10の検知温度よりも低く、温度上昇の度合も非常に緩やかである。
前述の炊飯量は、10合炊きの炊飯器の場合、1合から10合の10段階になっており、底温度センサ10の検知温度が62℃から88℃に達するまでの時間T1(図示せず)を、それぞれの炊飯量に対する特性により10段階に分割している。例えば、T1の値が500秒以上のときは10合、150秒以下のときは1合と判定し、その間を各炊飯量に対する特性により分割している。そして、T1の値がどの範囲にあるかを判定して炊飯量を決定する。通電率は、予め各炊飯量に対応して設定されており、一定の周期(例えば64秒)内に誘導加熱する時間を調節する。この通電率の調節は、炊飯量が異なっても炊飯の加熱時間を略一定とすることを目的としており、例えば、10合で64秒/64秒、1合で32秒/64秒というように、各炊飯量に対応した通電率が設定されている。
制御手段31は、前述したように炊飯量から決定した通電率で内鍋2を誘導加熱しているとき、炊飯工程の開始から行っている時間の計時を継続し、炊飯物の沸騰が検知されたかどうかを判定する。一方、沸騰判定手段32は、蓋温度センサ19の検知温度が所定温度(例えば90℃)まで達したかどうかを判定しており、検知温度が所定温度に達したときに炊飯物が沸騰したと判定して、その旨を制御手段31に通知する。
底温度センサ10の検知温度は、図3に示すように、炊飯工程の開始から短時間で100℃付近まで上昇するが、これは、内蓋2底部における炊飯物の部分沸騰等によるものである。この時点では、未だ炊飯物の全体が沸騰状態にはなっておらず、底温度センサ10の検知温度のみを基にして沸騰を判定することは信頼性に欠ける。一方、蓋温度センサ19の検知温度は、炊飯工程の開始後も緩やかに上昇し、炊飯物全体が沸騰を開始して水蒸気が勢い良く発生し内鍋2内に水蒸気が充満する状態になったときに、急激に上昇を始める。よって、蓋温度センサ19の検知温度の急激な上昇を捉えることによって炊飯物全体の沸騰を正確に判定することが可能となる。
一方、制御手段31は、沸騰判定手段32により炊飯物の沸騰が検知されると、炊飯工程の開始から沸騰検知までの経過時間T2(図示せず)を基に前記と同様に炊飯量を判定し、この炊飯量から誘導コイル6の通電率を決定する。例えば、T2が750秒以上のときは10合、350秒以下のときは1合と判定し、その間を各炊飯量に対する特性により分割する。T2の値がどの範囲にあるかを判定して炊飯量を決定する。誘導コイル6の通電率は、米の糊化を完全に行わせるために、炊飯工程の開始から蒸らし工程終了までの時間を20分確保することと、吹き零れをなくすことと、炊飯工程の開始から終了までの時間を炊飯量に関わらず略一定にすること等を条件として、各炊飯量毎に設定されている。
制御手段31は、炊飯量の判定により決定した通電率で誘導加熱を続け、内鍋2内の水分がなくなって内鍋2底部の温度が急激に上昇し、底温度センサ10の検知温度が炊飯完了温度(例えば124℃)に達したときに、誘導コイル6への通電をOFFして内鍋2の誘導加熱を停止し、蒸らし工程に移行する。
蒸らし工程では、一定時間(例えば12分)の計時を開始し、底温度センサ10の検知温度が所定温度(例えば110℃)まで低下するのを待ち、110℃を検知したときに、再び誘導コイル6に通電して124℃になるまで誘導加熱を続ける。そして、124℃を検知したときに誘導コイル6への通電をOFFして加熱を停止し、一定時間を経過したときに蒸らし工程を終了する。
続いて、蓋温度センサ19の取付が蓋ヒータ15の加熱等により浮いてしまった場合を例にして、長期使用による劣化時の動作について説明する。
予熱工程及び炊飯工程における、底温度センサ10の検知温度が88℃になるまでの動作については、前述の如く初期使用の炊飯動作と同様である。但し、蓋温度センサ19の検知温度については、蓋温度センサ19の取付の浮き等の不具合によって、内鍋2内の雰囲気温度を正確に検知できなくなり、図示のように初期使用の温度変化に対して更に緩やかとなる。
炊飯物全体が沸騰を開始し、水蒸気が勢い良く発生するようになって内鍋2内に水蒸気が充満するようになると、蓋温度センサ19の検知温度は急激に上昇しようとするが、取付に不具合があって内鍋2内の雰囲気温度を正確に捉えることができなくなる。蓋温度センサ19の検知温度が所定温度(例えば90℃)を検知して炊飯物の沸騰を判定した場合、次工程に移行するが、蓋温度センサ19の上昇が緩やかであるので、沸騰の判定は初期使用時と比べ非常に遅れることとなる。
また、前記と同様に炊飯工程の開始から沸騰検知までの経過時間T2(図示せず)を基に炊飯量を判定し、次工程での誘導コイル6の通電率を決定する。この場合、T2の経過時間は初期使用のときと比べて長くなっており、炊飯量の判定結果は実際の炊飯量よりも多く判定されることになる。例えば、初期使用では実際の炊飯量が8合でT2が600秒であった場合に、劣化時ではT2が800秒となり、炊飯量の判定結果は750秒以上であるので10合と判定されることになる。
ここで、実施の形態1に係る炊飯器の異常有無の判定について図4及び図5を用いて説明する。
図4は実施の形態1に係る炊飯器の異常有無を判定するための動作を示すフローチャート、図5は図4における異常有無の判定処理の動作を示すフローチャートである。最初に図4のフローチャートに基づいて説明し、次に図5のフローチャートに基づいて説明する。なお、図4及び図5のフローチャートの実行は炊飯量毎に行われる。
先ず、制御手段31の初期化を行う(S1)。次いで、炊飯量毎に設定された炊飯カウント用のカウンタのNを初期化して1とし、また、炊飯量毎に用意された変数t0’を初期化して0とする(S2)。そのt0’は、炊飯開始(予熱工程開始)から沸騰検知までの時間t0の合計を求めるための変数である。その後、制御手段31は、前述したように炊飯キーのONを検知したときに、予熱工程から始める炊飯処理を実行する。そして、炊飯処理中に沸騰判定手段32により炊飯物の沸騰が検知されたときは、炊飯開始から沸騰検知までの時間t0を取得する(S3)。次いで、取得した時間t0をt1として炊飯量と関連付けてデータ記憶部34に一時的に保存する(S4)。前述の炊飯量は、図3で述べたように、底温度センサ10の検知温度が炊飯工程の開始から88℃に達するまでの時間を基に判定したものである。
その後、制御手段31は、先に判定した炊飯量に対応するカウンタのNが例えば10以下かどうかを判定し(S5)、この時点では、N=1であるため、先に取得した時間t0を変数t0’に加算して合計時間t0’を算出し前記の炊飯量と関連付けてデータ記憶部34に保存する(S6)。さらに、その合計時間t0’をNで除算して平均時間t0(平均値)を算出し前記と同様に炊飯量と関連付けてデータ記憶部34に保存する(S7)。そして、異常判定手段33に対して異常有無の判定指示を出す。異常判定手段33は、その指示を検知したときに、先の炊飯量に関連付けられた時間t1と平均時間t0をデータ記憶部34から読み出して異常有無の判定処理に入る(S8)。この処理については図5を用いて後述する。一方、制御手段31は、異常判定手段33の判定結果が正常の場合、前記のカウンタNに1を加算し(S9)、S3に戻って次の炊飯キーのONを検知するまで待機する。
前述したS3〜S9の動作は、炊飯量毎に、かつ炊飯回数であるカウンタのNが10になるまで繰り返し行われる。その場合、炊飯が行われる毎に炊飯開始から沸騰検知までの時間t0をt1とし(S4)、同じ炊飯量において炊飯の回数が10回繰り返されるまで合計時間t0’及び平均時間t0を算出する(S6,S7)。同じ炊飯量において、炊飯回数が11回以上のときは、S5からS8に進んで異常有無の判定処理に入る。
続いて、異常有無の判定処理について図5を用いて説明する。
異常判定手段33は、制御手段31からの異常有無の判定指示を検知すると、炊飯処理中に判定された炊飯量に関連付けられた時間t1と平均時間t0をデータ記憶部34から読み出し、さらに、その炊飯量に関連付けられた定数a(所定値)を比較値記憶部35から読み出して平均時間t0に加算(t0+a)し、先の時間t1と比較する(S21)。時間t1がt0+a以下のとき(所定の範囲にあるとき)は正常と判定し(S25)、その情報を制御手段31に通知する。
前述の定数aは、初期使用時の沸騰検知特性からどれだけ特性のズレが生じた場合に異常状態と判定させるかを設定するものである。例えば、初期使用における米5合のときの炊飯開始から沸騰検知までの時間t0の平均時間t0が400秒であった場合に、米5合に対して設定された定数aが500秒であれば、時間t1が900秒より長いときに異常状態と判定するものである。また、定数aは、炊飯特性や保温特性を悪化させる度合が、炊飯器としての最低限の品質を確保できる限度に設定する等、任意とすることができる。つまり、これ以上の特性変化があると、美味しいご飯を炊くことができなくなる上に、保温状態が悪くなり、異常な過熱が生じて発煙、発火の危険が懸念される。
一方、制御手段31は、正常判定の情報を検知したとき、炊飯処理を継続する(S26)。つまり、底温度センサ10の検知温度が炊飯完了温度(124℃)に達するまで炊飯工程を継続し、炊飯完了温度を検知したときに蒸らし工程に入り、12分経過後に蒸らし工程を終了して炊飯を完了する。そして、通常の保温工程を実行する(S27)。その後は、前述したように、炊飯量に関連付けられたカウンタのNに1を加算し(S9)、S3に戻って次の炊飯キーのONを検知するまで待機する。前述の保温工程は、操作パネル16に設けられた取消キーがONされるまで継続される。
また、異常判定手段33は、S21において時間t1がt0+aより長いと判定したとき(所定の範囲を外れたとき)は異常と判定し(S22)、その情報を制御手段31に通知する。制御手段31は、異常判定の情報を検知すると、炊飯動作を終了し(S23)、液晶表示部16aに異常状態である旨を表示すると共に、ブザー(図示せず)によって異常状態であることを音で報知する(S24)。
以上のように実施の形態1によれば、実使用における炊飯や保温時の加熱や、炊飯時に発生する蒸気や内鍋2に付着した水分による加湿等によって生じる、蓋温度センサ19の感温部からの浮き等の取付の不具合による、炊飯性能や保温性能の劣化を判定することが可能となる。その結果、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の問題を事前に防止することができる。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険性も事前に防止することができる。
なお、実施の形態1では、初期使用の際に同じ炊飯量を10回繰り返すようにしたが、回数に限定されるものではなく、10回未満でも11回以上でも良い。また、炊飯を10回繰り返したときの炊飯開始から沸騰検知までの時間の平均時間t0を異常有無の判定のためのデータとして用いるようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、所定回数を10回とし、1回目と2回目及び9回目と10回目を除く,残りの6回で得た各時間t0から平均時間t0を求めるようにしても良い。こうすることによって、より確実なデータ(平均時間t0)として用いることができる。
また、実施の形態1では、異常判定手段33による異常判定処理を、炊飯工程中の沸騰検知直後に行っていたが、これに限られるものではなく、例えば、蒸らし工程が終了する炊飯終了時や、保温工程が終了して取消モードへ移行する際に処理するようにしても良い。この場合、炊飯が終了すると異常判定を実行し、異常状態であると判定されると、自動的に保温工程に移行せずに動作を停止して、異常状態である旨を液晶表示部16aとブザーを介して報知する。保温工程終了時に異常判定を実行した場合も同様に、取消モードにおいて、異常状態である旨を液晶表示部16aとブザーを介して報知する。
さらに、蓋温度センサ19の取付が蓋ヒータ15の加熱等により浮いてしまった場合を例にして説明したが、側面放熱板5や蓋放熱板14に設けられたヒータ4、15の取付や、誘導コイル6の不具合によっても沸騰検知の特性変化は生じるので、同様に異常の有無を検知することが可能である。
実施の形態2.
実施の形態1では、蓋温度センサ19を介して炊飯物の沸騰を検知したとき、炊飯開始から沸騰検知までの時間t0(t1)を基に蓋温度センサ19の異常の有無を判定するようにしたが、実施の形態2は、底温度センサ10を介して炊飯物の沸騰を検知したとき、炊飯開始から沸騰検知までの時間t0(t1)を基に底温度センサ10の異常の有無を判定するようにしたものである。
実施の形態2の炊飯器は、沸騰判定手段32による炊飯物の沸騰判定の仕方が異なるだけで、その他は実施の形態1の炊飯器と同様の構成となっている。以下、実施の形態2の炊飯器について図6を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図6は本発明の実施の形態2に係る炊飯器の炊飯動作における温度曲線及び炊飯電力の相関を示す図である。なお、図中の温度曲線は、底温度センサ10の検知による内鍋2底部の温度変化であり、初期使用時の温度変化と長期使用による不具合発生時(劣化時)の温度変化を示している。不具合の説明については、実施の形態1と同様である。
ここで、炊飯開始から沸騰検知までの時間t0(t1)を取得するまでの動作について図6を参照しながら説明する。なお、予熱工程の動作は実施の形態1と同様であるため、炊飯工程の動作から説明する。
制御回路30の制御手段31は、炊飯工程に入ると、前述したように誘導コイル6に連続通電して内鍋2を誘導加熱する。この時、底温度センサ10によって検知された温度は、図中に示すように急激に上昇を始める。一方、沸騰判定手段32は、底温度センサ10の検知温度によって、単位時間当たりの温度の変化値を算出し、予め設定された上昇値と比較する。この上昇値は、炊飯量に対応して設定されている。例えば、単位時間60秒間における底温度センサ10の検知温度の変化値と上昇値5Kとを比較する。変化値が5Kより小さいときは沸騰と判定して、その旨を制御手段31に通知する。制御手段31は、その通知を受けたときに炊飯開始(予熱工程の開始)から沸騰検知までの時間t0を炊飯量に関連付けてデータ記憶部34に保存する。この一連の動作は、炊飯量毎にそれぞれ10回繰り返し行われる。
一方、長期使用によって、底温度センサ10の感温部が内鍋2底部から浮いている等の不具合が生じていた場合、底温度センサ10は、内鍋2内の炊飯物の温度を正確に検知することができなくなり、図中に示すように非常に緩やかな温度曲線となる。このような場合、沸騰判定手段32による沸騰検知は、同図に示すように初期使用時に対して非常に遅れて検知される。この劣化時の炊飯開始から沸騰検知までの時間は、t0より長いt1となる。炊飯量毎の時間t0の平均化の処理や、その平均時間t0(+a)と時間t1との比較による異常有無の判定処理については、実施の形態1の場合と同様である。
以上のように、底温度センサ10からの温度情報のみで沸騰検知する構成の炊飯器でも、底温度センサ10の劣化による温度特性の変化を検知することが可能であるため、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の問題を事前に防止することができる。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険性も事前に防止することができる。
なお、実施の形態2の炊飯器は、底温度センサ10の温度情報のみで沸騰検知する構成ではあるが、前述の如く単位時間当たりの温度の変化値に基づいて炊飯物の沸騰を判定するようにしているので、沸騰検知の信頼性は確保されている。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、時間t0(t1)の計時基点を炊飯開始としたが、実施の形態3は、底温度センサ10の検知温度が所定温度に達したときに時間t0(t1)の計時を開始するようにしたものである。
実施の形態3の炊飯器は、実施の形態1の炊飯器と同様の構成であり、以下、実施の形態3の炊飯器について図7を用いて説明する。なお、実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図7は本発明の実施の形態3に係る炊飯器の炊飯動作における温度曲線と炊飯電力の相関を示す図である。なお、図中に示す実線の温度曲線は底温度センサ10の検知による内鍋2底部の温度変化を示し、破線の温度曲線は蓋温度センサ19の検知による内鍋2内の雰囲気温度の変化を示している。また、破線で示す蓋温度センサ19の温度曲線のうち、一方の曲線は、炊飯器の初期使用の温度変化であり、もう一方の曲線は、長期使用による不具合発生時(劣化時)の温度変化である。不具合の説明については、実施の形態1と同様である。
ここで、時間t0(t1)を取得するまでの動作について図7を参照しながら説明する。なお、予熱工程の動作と、初期使用の炊飯開始から蓋温度センサ19による沸騰検知までの動作と、長期使用の劣化時における沸騰検知までの動作は、実施の形態1と同様である。
制御手段31は、炊飯工程において、底温度センサ10の検知温度が所定温度(例えば88℃)まで達すると、時間t0(t1)を取得するための時間の計時を開始する。一方沸騰判定手段32は、蓋温度センサ19の検知温度から炊飯物が沸騰(例えば90℃)したかどうかを判定し、炊飯物の沸騰を検知したときはその旨を制御手段31に通知する。制御手段31は、その通知を受けたときに、前述の所定温度の検知から沸騰検知までの時間t0(t1)を取得する。この一連の動作は、炊飯量毎にそれぞれ10回繰り返し行われる。そして、炊飯量毎の時間t0の平均化の処理や、その平均時間t0(+a)と時間t1との比較による異常有無の判定処理については、実施の形態1の場合と同様である。
底温度センサ10の検知温度による所定温度から沸騰判定手段32の判定による沸騰検知までの時間は、一般の炊飯器での炊飯量の判定に用いられることが多いが、本実施の形態においては、その炊飯量判定の時間が所定時間の範囲から外れた場合に、製品の異常と判定するようにしたものである。異常判定して動作停止或いは報知することによって、劣化による特性変化を検知して、実施の形態1と同様な効果を得ることが出来る。ここで設定される所定の時間の範囲とは、炊飯器として最低限の品質が確保できる条件から導かれる値とすべきである。
実施の形態3においては、蓋温度センサ19による沸騰検知までの時間の基点を、底温度センサ10が検知した所定温度からとすることにより、部品の劣化に伴って、蓋温度センサ19に異常が生じて起こる不具合に対して、劣化による温度特性の変化を検知して、実施の形態1と同様な効果を得ることができる。また、蓋温度センサ19には異常がなく、底温度センサ10に異常が生じた場合にも、前記の所定時間の範囲から外れたことによって異常状態を判定すれば、同様な効果を得ることができる。
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。なお、図1及び図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図8に示す炊飯器において、制御手段31は、炊飯処理中に沸騰判定手段32を介して炊飯物の沸騰を検知すると、炊飯開始から沸騰検知までの時間t0を取得してt1とし、その情報を異常判定手段33に通知する。異常判定手段33は、時間t1が入力されたときに、予め比較値記憶部35に保存された定数b(所定値)を読み込んで時間t1と比較し、その結果に基づいて異常の有無を判定する。比較値記憶部35に保存された定数bは、炊飯器として最低限の品質を確保できる上限値で、炊飯器の特性、炊飯量等に応じて設定されている。
次に、実施の形態4の炊飯器において、異常有無の判定処理について図9のフローチャートを用いて説明する。図9は実施の形態4に係る炊飯器の異常有無を判定するための動作を示すフローチャートである。なお、炊飯動作における温度曲線及び炊飯電力は、図3で説明した実施の形態1と同様である。
制御手段31によって炊飯処理が行われているとき、沸騰判定手段32は、蓋温度センサ19の検知温度によって炊飯物が沸騰したかどうかを判定し、蓋温度センサ19の検知温度が沸騰温度に達したときは炊飯物が沸騰したと判定してその旨を制御手段31に通知する。一方、制御手段31は、その通知を受けたときに、炊飯開始から沸騰検知までの時間t0を取得してt1とし、異常判定手段33に通知する。
この時、異常判定手段33は、比較値記憶部35に保存された定数b、即ち炊飯量に対応して設定された定数bを読み込んで先の時間t1と比較する(S31)。時間t1が定数b以下のときは正常と判定し(S35)、その情報を制御手段31に通知する。制御手段31は、正常判定の情報を検知したとき、炊飯処理を継続する(S36)。つまり、底温度センサ10の検知温度が炊飯完了温度(124℃)に達するまで炊飯工程を継続し、炊飯完了温度を検知したときに蒸らし工程に入り、12分経過後に蒸らし工程を終了して炊飯を完了する。そして、通常の保温工程を操作パネル16に設けられた取消キーがONされるまで継続する(S37)。
また、異常判定手段33は、S31において時間t1が定数bより長いと判定したときは異常と判定し(S32)、その情報を制御手段31に通知する。制御手段31は、異常判定の情報を検知すると、炊飯動作を終了し(S33)、液晶表示部16aに異常状態である旨を表示すると共に、ブザー(図示せず)によって異常状態であることを音で報知する(S34)。この報知により、美味しいご飯を炊くことができなくなる、保温状態が悪くなってご飯が美味しくなくなる、ということを事前に知ることができ、また、異常な過熱が生じて発煙、発火の危険性も事前に知ることができる。
以上のように実施の形態4によれば、炊飯が行われる毎に取得される炊飯開始から沸騰検知までの時間t0(t1)と比較値記憶手段33に保存された定数bとを比較して、異常の有無を判定するようにしたので、実施の形態1、2、3の炊飯器に設けられたデータ記憶手段32が不要となり、簡単な構成で部品の劣化による温度特性の変化を検知することが可能になり、このため、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の問題を事前に防止することができる。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険性も事前に防止することができる。
さらに、実施の形態1の図4に示されるような、初期使用時での沸騰検知までの時間t0の取得から平均化を行う処理を必要としないので、制御手段31が実行する制御プログラムの簡素化が可能となり、より安価で安全な炊飯器を提供することができる。
なお、実施の形態4では、蓋温度センサ19の検知温度が沸騰温度に達したときに炊飯開始から沸騰検知までの時間t0(t1)を取得するようにしたが、図6で説明した実施の形態2のように、底温度センサ10を用いて定数bと比較するための炊飯開始から沸騰検知までの時間t0(t1)を取得するようにしても良い。また、図7で説明した実施の形態3のように、底温度センサ10と蓋温度センサ19を用いて定数bと比較するために所定温度に達したときから沸騰検知までの時間t0(t1)を取得(但し、平均値を算出しない)するようにしても良い。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、底温度センサ10と蓋温度センサ19を備えた炊飯器であるが、実施の形態5は、底温度センサ10のみを備えた炊飯器である。
図10は本発明の実施の形態5に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。
実施の形態5の炊飯器においては、実施の形態2で説明したように(図6参照)、沸騰判定手段32は、炊飯中、底温度センサ10の検知温度によって、単位時間(例えば60秒)当たりの温度の変化値を算出し、予め設定された上昇値5Kと比較する。この上昇値は、炊飯量に対応して設定されている。底温度センサ10の検知温度の変化値が5Kより小さいときは沸騰と判定して、その旨を制御手段31に通知する。制御手段31は、その通知を受けたときに炊飯開始(予熱工程の開始)から沸騰検知までの時間t0を炊飯量に関連付けてデータ記憶部34に保存する。この一連の動作は、炊飯量毎にそれぞれ10回繰り返し行われる。
一方、長期使用によって、底温度センサ10の感温部が内鍋2底部から浮いている等の不具合が生じていた場合、底温度センサ10は、内鍋2内の炊飯物の温度を正確に検知することができなくなり、図6に示すように非常に緩やかな温度曲線となる。このような場合、沸騰判定手段32による沸騰検知は、同図に示すように初期使用時に対して非常に遅れて検知される。この劣化時の炊飯開始から沸騰検知までの時間は、t0より長いt1となる。炊飯量毎の時間t0の平均化の処理や、その平均時間t0(+a)と時間t1との比較による異常有無の判定処理については、実施の形態1の場合と同様である。なお、本実施の形態においては、底温度センサ10の温度情報のみで沸騰検知する構成ではあるが、検知温度の変化値により判定するようにしているので、沸騰検知の信頼性は確保されている。
以上のように実施の形態5においては、底温度センサ10の温度情報のみで沸騰検知する構成の炊飯器であっても、底温度センサ10の劣化による温度特性の変化を検知することができるので、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の問題を事前に防止することができる。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険性も事前に防止することができる。
実施の形態6.
実施の形態6は、底温度センサ10のみを備えた炊飯器において、実施の形態4と同様に(図9参照)、炊飯を行う毎に得られる沸騰検知までの時間t0(t1)と定数bとを比較し、その結果に基づいて異常の有無を判定するようにしたものである。
図11は本発明の実施の形態6に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。なお、図8で説明した実施の形態4と同様の部分には同じ符号を付している。また、実施の形態6における異常有無の判定処理については図9のフローチャートと同様である。
実施の形態6の炊飯器は、実施の形態5で説明したように、沸騰判定手段32は、炊飯中、底温度センサ10の検知温度によって、単位時間(例えば60秒)当たりの温度の変化値を算出し、予め設定された上昇値5Kと比較する。この上昇値は、炊飯量に対応して設定されている。底温度センサ10の検知温度の変化値が5Kより小さいときは沸騰と判定して、その旨を制御手段31に通知する。制御手段31は、その通知を受けたときに炊飯開始(予熱工程の開始)から沸騰検知までの時間t0を取得し、t1として異常判定手段33に通知する。
この時、異常判定手段33は、比較値記憶部35に保存された定数b、即ち炊飯量に対応して設定された定数bを読み込んで先の時間t1と比較する(S31)。時間t1が定数b以下のときは正常と判定し(S35)、その情報を制御手段31に通知して炊飯処理を継続させる。なお、炊飯工程における炊飯完了温度の検知、蒸らし工程及び保温工程の動作については、実施の形態4と同様である(S36、S37)。
また、異常判定手段33は、S31において時間t1が定数bより長いと判定したとき(所定の範囲を外れたとき)は異常と判定し(S32)、その情報を制御手段31に通知する。制御手段31は、異常判定の情報を検知すると、炊飯動作を終了し(S33)、液晶表示部16aに異常状態である旨を表示すると共に、ブザー(図示せず)によって異常状態であることを音で報知する(S34)。なお、本実施の形態においては、前述したように、底温度センサ10の温度情報のみで沸騰検知する構成ではあるが、検知温度の変化値により判定するようにしているので、沸騰検知の信頼性は確保されている。
以上のように実施の形態6においては、底温度センサ10の温度情報のみで沸騰検知する構成の炊飯器であっても、底温度センサ10の劣化による温度特性の変化を検知することができるので、美味しいご飯を炊飯することができなくなったり、保温状態の悪い美味しくないご飯となってしまう等の問題を事前に防止することができる。また、温度検知の不具合からの過熱による発煙や発火等の危険性も事前に防止することができる。
さらに、実施の形態1の図4に示されるような、初期使用時での沸騰検知までの時間t0の取得から平均化を行う処理を必要としないので、制御手段31が実行する制御プログラムの簡素化が可能となり、より安価で安全な炊飯器を提供することができる。
なお、実施の形態1から実施の形態6の動作説明では、時間t0よりもt1の方が長くなる場合を例にしたが、これに限られるものではなく、電気部品の定数変化による特性の変化等の場合には時間t1の方がt0よりも短くなる場合も有り得ることである。その場合は、実施の形態1の図5のフローチャートにおけるS21の判定では、定数aは負の値をとり、「t1≧t0+a」の比較式で比較され、実施の形態4の図9のフローチャートにおけるS31の判定では、「t1≧b」の比較式で比較されることになる。
このように、本発明の構成、動作はこれらに限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。
本発明の実施の形態1に係る炊飯器の構造を示す断面図である。 実施の形態1に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る炊飯器の炊飯動作における温度曲線と炊飯電力の相関を示す図である。 実施の形態1に係る炊飯器の異常有無を判定するための動作を示すフローチャートである。 図4における異常有無の判定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る炊飯器の炊飯動作における温度曲線及び炊飯電力の相関を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る炊飯器の炊飯動作における温度曲線と炊飯電力の相関を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る炊飯器の異常有無を判定するための動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態5に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6に係る炊飯器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 本体、2 内鍋、6 誘導コイル、7 コイル台、10 底温度センサ、11 バネ、12 蓋体、16a 液晶表示部、16b キー入力部、19 蓋温度センサ、30 制御回路、31 制御手段、32 沸騰判定手段、33 異常判定手段、34 データ記憶部、35 比較値記憶部。

Claims (10)

  1. 炊飯物を収容する内鍋と、
    該内鍋を加熱する加熱手段と、
    前記内鍋内の温度を検知する蓋温度センサと、
    前記内鍋底部の温度を検知する底温度センサと、
    予め設定されたプログラムに従って前記加熱手段を制御し前記内鍋内の炊飯物を炊飯する制御手段と、
    該制御手段により炊飯が行われる毎に前記蓋温度センサの検知温度から前記内鍋内の炊飯物の沸騰を判定する沸騰判定手段と、
    炊飯器本体の異常の有無を判定する異常判定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知される毎に、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出し、
    前記異常判定手段は、前記時間と前記平均値との差が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする炊飯器。
  2. 前記沸騰判定手段は、前記蓋温度センサに代えて、前記制御手段により炊飯が行われる毎に前記底温度センサの検知温度から前記内鍋内の炊飯物の沸騰を判定し、
    前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知される毎に、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出し、
    前記異常判定手段は、前記時間と前記平均値との差が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知される毎に、その前に前記底温度センサにより検知された所定温度を基点として沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出し、
    前記異常判定手段は、前記時間と前記平均値との差が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  4. 炊飯物を収容する内鍋と、
    該内鍋を加熱する加熱手段と、
    前記内鍋底部の温度を検知する底温度センサと、
    予め設定されたプログラムに従って前記加熱手段を制御し前記内鍋内の炊飯物を炊飯する制御手段と、
    該制御手段により炊飯が行われる毎に前記底温度センサの検知温度から前記内鍋内の炊飯物の沸騰を判定する沸騰判定手段と、
    炊飯器本体の異常の有無を判定する異常判定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知される毎に、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、かつ取得した時間から平均値を算出し、
    前記異常判定手段は、前記時間と前記平均値との差が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする炊飯器。
  5. 前記制御手段は、前記平均値を炊飯量毎に所定回数繰り返し行うまで算出することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の炊飯器。
  6. 炊飯物を収容する内鍋と、
    該内鍋を加熱する加熱手段と、
    前記内鍋内の温度を検知する蓋温度センサと、
    前記内鍋底部の温度を検知する底温度センサと、
    予め設定されたプログラムに従って前記加熱手段を制御し前記内鍋内の炊飯物を炊飯する制御手段と、
    該制御手段により炊飯が行われる毎に前記蓋温度センサの検知温度から前記内鍋内の炊飯物の沸騰を判定する沸騰判定手段と、
    炊飯器本体の異常の有無を判定する異常判定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知されると、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、
    前記異常判定手段は、前記時間が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする炊飯器。
  7. 前記沸騰判定手段は、前記蓋温度センサに代えて、前記制御手段により炊飯が行われる毎に前記底温度センサの検知温度から前記内鍋内の炊飯物の沸騰を判定し、
    前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知されると、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、
    前記異常判定手段は、前記時間が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする請求項6記載の炊飯器。
  8. 前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知されると、その前に前記底温度センサにより検知された所定温度を基点として沸騰検知までの時間を取得し、
    前記異常判定手段は、前記時間が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする請求項6記載の炊飯器。
  9. 炊飯物を収容する内鍋と、
    該内鍋を加熱する加熱手段と、
    前記内鍋底部の温度を検知する底温度センサと、
    予め設定されたプログラムに従って前記加熱手段を制御し前記内鍋内の炊飯物を炊飯する制御手段と、
    該制御手段により炊飯が行われる毎に前記底温度センサの検知温度から前記内鍋内の炊飯物の沸騰を判定する沸騰判定手段と、
    炊飯器本体の異常の有無を判定する異常判定手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸騰判定手段により炊飯物の沸騰が検知されると、炊飯開始から沸騰検知までの時間を取得し、
    前記異常判定手段は、前記時間が所定の範囲を外れたときに異常有りと判定することを特徴とする炊飯器。
  10. 前記所定の範囲は、炊飯量に対応して設定されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の炊飯器。
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