JP4385828B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器 Download PDF

Info

Publication number
JP4385828B2
JP4385828B2 JP2004109818A JP2004109818A JP4385828B2 JP 4385828 B2 JP4385828 B2 JP 4385828B2 JP 2004109818 A JP2004109818 A JP 2004109818A JP 2004109818 A JP2004109818 A JP 2004109818A JP 4385828 B2 JP4385828 B2 JP 4385828B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
pan
detection means
rice
output signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004109818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005287924A (ja
Inventor
弘 大矢
慎一 佐藤
俊幸 小坂
充 八島
幸一郎 山下
敏広 藤田
正人 佐野
宏 北木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004109818A priority Critical patent/JP4385828B2/ja
Publication of JP2005287924A publication Critical patent/JP2005287924A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4385828B2 publication Critical patent/JP4385828B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cookers (AREA)

Description

本発明は、炊飯器に関する。
近年、ご飯の食味を向上させるために、鍋の中の米及び水の量(炊飯量)を判定し、炊飯量に応じて加熱量を制御する炊飯器が普及してきた。特許文献1に、従来例1の炊飯器が開示されている。従来例1の炊飯器は、炊飯量が多い(例えば、4合以上)場合は強めの火力(例えば、1300W)で加熱を行い、炊飯量が少ない場合は弱めの火力(例えば、600W)で加熱する。炊飯量の判定方法として、所定の熱量で加熱した時の鍋の温度上昇速度から炊飯量を判定する方法とユーザが炊飯前に炊飯器の選択ボタンで炊飯量を指示する方法とが挙げられている。また、従来例1の炊飯器はご飯を保温する際に、ユーザが指示した保温量の多少に応じて保温電力を制御する。
しかし、加熱時の鍋の温度上昇速度から炊飯量を判定する場合、温度が所定値に達して炊飯量が判定されるまでは、火力制御が不可能である。従って、炊飯量が少ない場合に、吸水が十分に行われる前に水が沸騰し、米に芯が残ってご飯が硬くなった。ユーザが炊飯/保温量を指示する場合、ユーザにとって炊飯/保温手順が煩雑であるという問題があった。
特許文献2に、従来例2の炊飯器が開示されている。従来例2の炊飯器は、炊飯開始と同時に重量検知手段によって内鍋の重量(内鍋、水及び米の総重量)を検知して炊飯量を判定し、炊飯時のヒータの電力量(火力)を制御する。
一般に、重量検知手段の出力レベル及び出力感度は製品毎にばらつく。このため従来は、重量検知手段の出力信号から調理物の重量を精度良く算出するため、炊飯器の組み立て後に重量検知手段の出力レベル及び出力感度を所定の範囲内に収める機械的・電気的な調整を行う必要があった。従来例2の炊飯器はその製造工程において、重量検知手段の出力レベル及び出力感度を機械的・電気的に調整する工程が必要なため、量産に適しておらず、高価だった。
更に、重量検知手段はバネなどの機械的な要素によって構成されているので、経年変化、室温等によって検知精度が低下する。従来例2の炊飯器は、重量検知手段の検知精度が低下した場合に炊飯量を誤って判定してしまい、おいしいご飯が炊けないという課題があった。
また、鍋を使用して傷んだ時に、新しい鍋に交換した場合、従来使用していた鍋と新しい鍋に重量差が生じた場合、重量感知手段の出力は、前記鍋の重量差分の測定誤差が生じるためご飯の炊き上がり具合が変化することがあった。
この課題を是正するには専門知識の有する人が機械的あるいは電気的に調整する必要があるため、一般のユーザが調整することは極めて困難であった。
特許文献3に、従来例3の炊飯器が開示されている。従来例3の炊飯器は、本体内に鍋(内釜)が収納されていない時の重量検知手段(重量センサー)の出力を重量検知手段の
ゼロ点として記憶部に記憶する。ユーザが炊飯のために鍋を本体から取り出す度に、ゼロ点が補正される。更に、重量検知手段の出力から記憶部に記憶されているゼロ点の値を減算することにより、鍋と調理物の総重量を重量を検出し、その総重量から鍋の重量を減算し調理物の重量を算出する。
しかし、一般に鍋の重量は板厚のバラツキなどにより製品毎に異なるため、従来例3の炊飯器が算出する調理物の重量には鍋の重量のバラツキが誤差として含まれていた。更に、重量検知手段の出力レベル及び出力感度は製品毎にばらつくが、従来例3の炊飯器は出力感度は全ての製品で一定の値であると仮定していた。従って、従来例3の炊飯器は正確に調理物の重量を算出できないことがあった。
また、従来例2と同様に、鍋を交換した際ご飯の炊上がりに差異が生じることがあった。
特許文献4に、従来例4の炊飯器が開示されている。従来例4の炊飯器は、重量検知手段の出力が予め定められた範囲内である場合に本体内に鍋が無いと判断し、本体内に鍋が収納されていない時の重量検知手段の出力を重量検知手段のゼロ点として記憶部に記憶する。しかし、従来例4の炊飯器は、鍋の有無を検知するために常に重量検知手段を動作させておく必要があり、余分な電力を消費していた。
特開2002−10910号公報 特公平1−27724号公報 特開平1−297011号公報 特開平1−297012号公報
本発明は上記従来の課題を解決するもので、重量検知手段の検出精度の低下を自動的に補正し、鍋内の調理物の量を加熱開始前に精度良く推定し、調理物の量に応じた適切な火力制御が可能な炊飯器を提供することを目的とする。
製造時に重量検知手段の出力レベル及び出力感度を機械的・電気的に調整する工程を必要としない、量産に適した安価な炊飯器を提供することを目的とする。
鍋を交換した場合でも、重量検知の補正をユーザが簡単に行うことができ、ご飯の炊上がりに差異のでない炊飯器を提供することを目的とする。
消費電力が実効的に少ない炊飯器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明は、上面が開口した本体と、前記本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記本体を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記本体内の前記鍋の有無を検知する鍋検知手段と、前記蓋の開閉状態を検知する蓋開閉検知手段と、前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、書き換え可能な不揮発性メモリを有し、少なくとも、前記鍋を前記本体に収納しない状態での前記重量検知
手段の第1の出力信号と、前記鍋を前記本体に収納した状態での前記重量検知手段の第2の出力信号とを重量算出用パラメータとして記憶する記憶部と前記重量検知手段の第2の出力信号を所定の手段により重量算出用パラメータとして再記憶する鍋重量補正手段とを備え、前記制御部は、前記鍋検知手段からの信号が前記鍋が前記本体に有る状態の信号から無い状態の信号に切り替わる第1のタイミングで、前記重量検知手段を所定時間だけ動作させ、その時の前記重量検知手段の出力信号と前記第1の出力信号との差分値であるゼロ点補正値を算出し、前記第1のタイミングで入力した前記重量検知手段の出力信号に基づいて前記重量算出用パラメータを前記ゼロ点補正値に基づいて補正するよう前記記憶部に記憶された前記重量算出用パラメータを更新し、また前記制御部は、前記蓋開閉検知手段からの信号が前記蓋が開いている状態の信号から前記蓋が閉じている状態の信号に切り替わる第2のタイミングで入力した前記重量検知手段の出力信号と前記重量算出用パラメータとに基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて加熱手段への通電率及び/又は通電量を制御する制御部とを有するとともに、所定のスイッチを押すことにより第2の出力信号を重量検出用パラメータとして再記憶することを特徴とする炊飯器である。
本発明の炊飯器は、製造工程に重量算出用パラメータを記憶部に書き込む簡単な工程を挿入するだけで製造できる。本発明の炊飯器は、重量検知手段の出力レベル及び出力感度を機械的・電気的に調整する工程を必要としないので、安価に量産でき、且つ高い重量測定精度を有する。本発明の炊飯器は、経時変化しにくく、周囲温度等の環境の影響を受けにくく安定した重量測定精度を有する。
また、鍋を交換した時所定のスイッチを押すなどして、第2の出力信号を書換える、または、補正値を記憶させることで、鍋を交換したことによる計量誤差を吸収することができるため正確な計量が可能となる。
本発明の炊飯器は重量算出パラメータとして、鍋を本体に収納しない状態での第1の出力信号のみならず、鍋を本体に収納した状態での第2の出力信号をも記憶部に記憶しているので、重量検知手段の出力感度及び鍋の重量が製品毎にばらついていても正確に調理物の重量を算出できる。炊飯開始前に鍋の中の調理物(米と水)の重量(炊飯量)を算出できるので、炊飯量に応じた火力制御が炊飯開始時から可能であり、おいしいご飯を炊くことができる。
ユーザが鍋を収納部から取り出す毎に、重量検知手段のゼロ点補正が自動的に行われる。例えば、一般に炊飯器のユーザは、炊飯前に鍋を収納部から取り出し、調理物を鍋に入れ、その鍋を収納部に戻し、蓋を閉める動作を行う。従って、炊飯の直前に重量算出用パラメータが自動的に更新される(ゼロ点補正が行われる)。好ましくは、各重量算出用パラメータにゼロ点補正値を加算(又は減算)して、補正する。
鍋を交換した場合、所定のスイッチを押すことだけで鍋重量を正しく再記憶させることができるため、誰でも簡単に補正することができる。
本発明の炊飯器は、蓋が閉まる直前の重量検知手段の出力信号から調理物の量を自動的に算出する。例えば、炊飯開始時又は保温開始時に自動的に炊飯量又は保温量を算出する。本発明の炊飯器は、ユーザに特殊な操作を強いることなく調理物の重量を算出し、その重量に応じた加熱制御を行う。
請求項2に記載の発明は、前記重量算出用パラメータが、少なくとも、前記第1の出力信号と、空の又は第1の荷重を含む前記鍋を前記本体に収納した状態での前記重量検知手段の第2の出力信号と、前記鍋と第2の荷重とを前記本体に収納した状態での前記重量検知手段の第3の出力信号とを含むことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器である。
鍋の重量と、重量検知手段の出力レベル及び出力感度とは、製品毎にバラツキがある。本発明の炊飯器の典型的な製造工程においては、面倒な重量検知手段の感度調整作業をす
ることなく(又は極めて簡単な確認、調整作業だけで)、第2の出力信号及び第3の出力信号を各炊飯器の記憶部に記憶させる。これにより、被加熱物の重量を算出する式(典型的には1次式)の個々の炊飯器の特性に応じた係数を算出できる。本発明により、各炊飯器の諸特性がばらついても、被加熱物の重量を正確に計算できる。
好ましくは、重量算出用パラメータとして、鍋が収納部に無い状態、空の鍋を収納部に収納した状態、及び鍋に調理物の最大量に相当する重りを入れた状態での重量検知手段の出力信号を記憶部に記憶する。鍋を本体に収納した状態での重量検知手段の第2の出力信号は、調理物の重量を算出するために必要な値であるが、その測定値は例えばわずかな残飯が鍋にこびりついている又は鍋にしゃもじが入っている等の予測できない条件を含む値である故、補正のための測定値としては適していない。鍋を本体に収納しない状態での重量検知手段の第1の出力信号は、不測の条件がほとんど含まれないので、補正のための測定値として適している。本発明は、第1の出力信号に基づいてゼロ点補正値を算出し、第2の出力信号及び第3の出力信号をゼロ点補正値により補正することにより、安定して高い精度で調理物の重量を算出する炊飯器を実現する。
請求項に記載の発明は、前記制御部は、所定のタイミングにおいてのみ前記重量検知手段に通電することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器である。これにより、消費電力が実効的に少なく、安定して高い精度で調理物の重量を算出する炊飯器を実現する。
本発明の炊飯器は、鍋内の調理物の量を加熱開始前に精度良く推定し、調理物の量に応じた適切な火力制御を行うので、炊飯量及び保温量によらず常においしいご飯を提供できるという効果を奏する。
製造時に重量検知手段の出力レベル及び出力感度を機械的・電気的に調整する工程を必要としない、量産に適した安価な炊飯器を実現できるという効果を奏する。
鍋を交換した場合でも鍋重量の補正をユーザが簡単に行うことができるため、鍋を交換した場合でもご飯の炊上がりに差が出ないという効果を奏する。
本発明の炊飯器は、消費電力が実効的に少なく、安定して高い精度で調理物の重量を算出して、炊飯量及び保温量によらず常においしいご飯を提供できるという効果を奏する。
本発明の炊飯器は、消費電力が実効的に少ないという有利な効果を奏する。
以下本発明の実施をするための最良の形態を具体的に示した実施の形態について、図面とともに記載する。
(実施の形態)
図1〜図9を用いて、本発明の実施の形態の炊飯器を説明する。
始めに、図1及び図2を用いて実施の形態の炊飯器の構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態の炊飯器の一部切欠した側面図である。破断部分に断面図を示す。図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線等は省略してある。図1において、10は炊飯器のボディ(本体)である。ボディ10には、その上面を覆う蓋20が開閉自在に設置されている。ボディ10の収納部30は、上方の上枠32と下方のコイルベース31とから構成される。収納部30は、鍋12を着脱自在に収納する。コイルベース31の鍋12底部に対向する部分に、鍋12を誘導加熱する加熱コイル13が配設される。14は、
回路基板である。回路基板14にはマイクロコンピュータ、入力回路、出力回路、書き換え可能な不揮発性メモリ(図示しない、例えばフラッシュメモリ)が搭載されている。実施の形態の炊飯器は後述する方法で、鍋12を誘導加熱し、鍋12内の調理物19を加熱調理する。調理物19は、炊飯前の米と水又は炊き上がったご飯等である。実施の形態の炊飯器は図示しない電源コードを有し、電源コードから商用電源が供給された時に「電源ON」の状態になる。
実施の形態の炊飯器に設けられる、各検知手段について説明する。
15は、コイルベース31の底部に配設され、鍋12の温度を検知する温度検知手段である。温度検知手段15は、鍋12が収納部30に収納されると鍋12の底の中央部に当接し、鍋12の温度を検知する。
16は、鍋12が収納部30に収納されているか否かを検知する、鍋検知手段である。鍋検知手段16は、ボディ10に剛体接続されたマイクロスイッチで構成される。鍋12が収納部30に収納されると、温度検知手段15の底に設けた突起部がマイクロスイッチを押下し、鍋検知手段16はON信号を出力する。
21は、蓋20の開閉を検知する蓋開閉検知手段である。蓋開閉検知手段21はボディ10に設けられ、マイクロスイッチから構成される。蓋20が閉じると蓋20のヒンジ部がマイクロスイッチを押下し、蓋開閉検知手段21はON信号を出力する。
鍋検知手段16及び蓋開閉検知手段21は、炊飯器の電源が入っている状態では常に動作しており、ON信号又はOFF信号を出力している。
40は、鍋12の重量を検知する重量検知手段である。重量検知手段40は、支持部17及びロードセル18から構成される。ロードセル18は、ロバーバル型のロードセル(荷重変換器)であり、ボディ10に剛体接続される。ロードセル18に抵抗線ひずみゲージ(図示しない)が取り付けられている。ロードセル18が歪んだ時のひずみゲージの抵抗変化を、ブリッジ回路で電気信号として取り出す。支持部17は、薄板に3つの突起部を設けた形状を有する。薄板はロードセル18の一端にネジ止めされる。支持部17の突起部は、コイルベース31の底部に設けた3つの孔をそれぞれ貫通する。鍋12が収納部30に収納されていない場合、ロードセル18は支持部17の重量を検知する。鍋12が収納部30に収納されると、鍋12の底部が支持部17の突起部先端に当接し、ロードセル18が歪む。鍋12が収納部30に収納されると、ロードセル18は、支持部17、鍋12及び鍋12の中の調理物19の総重量を検知する。ロードセル18に取り付けられている抵抗線ひずみゲージは、ロードセルON/OFF制御部302(後述)から動作指令を受信した時だけ通電される(動作する)。抵抗線ひずみゲージの出力は、通電後0.5秒程度で安定する。重量検知手段40は、鍋の底面を3点支持する支持部17を通じて、正確に鍋及び被加熱物の重量を測定する。
温度検知手段15、鍋検知手段16、蓋開閉検知手段21及び重量検知手段40からの電気信号は、それぞれ回路基板14に入力される。
図2は、本発明の実施の形態の炊飯器の操作部を示す図である。実施の形態の炊飯器の本体10の前面には、操作部50が設けられている(図1では図示しない)。操作部50は、表示部58及びキー入力手段59を有する。キー入力手段59として、スイッチ51〜スイッチ57が配置されている。51は炊飯スイッチ、52は保温スイッチ、53は取消しスイッチ、54はタイマー予約を行うための予約スイッチ、55及び56は予約時刻(時と分)を合わせるための時スイッチ及び分スイッチである。57は重量検知手段40
(ロードセル18)を、手動で動作させるための計測スイッチである。また、計測スイッチを3秒押すことにより鍋を交換した場合の再設定がなされる。ユーザは、各スイッチを操作し指令を入力することができる。表示部58には、炊飯の状況等が表示される。
次に、図3を用いて実施の形態の炊飯器の制御手段の構成を説明する。図3は、本発明の実施の形態の炊飯器の制御系の構成を示すブロック図である。実施の形態の炊飯器の制御系は、操作部50、重量検知手段40、鍋検知手段16、蓋開閉検知手段21、温度検知手段15、制御手段300、加熱コイル駆動手段311、加熱コイル13、記憶部320、鍋12、蓋20を有する。記憶部320は、書き換え可能な不揮発性メモリ(回路基板14に搭載される)で構成され、調理物19の重量を算出するための重量算出用パラメータ321を記憶する。制御手段300は、回路基板14に搭載されたマイクロコンピュータを有する。加熱コイル駆動手段311は、回路基板14に搭載される。
制御手段300(マイクロコンピュータ)はソフトウエアにより、ユーザが操作部50を介して入力する操作指令、各検知手段(重量検知手段40、鍋検知手段16、蓋開閉検知手段21及び温度検知手段15)から入力される各信号、記憶部320から読み込んだ重量算出用パラメータ321に基づき、加熱コイル駆動手段311の制御、表示部58への表示、ロードセル18のON/OFF制御、記憶部320の書き換えを行う。加熱コイル駆動手段311は、制御手段300の制御に応じて、加熱コイル13を駆動する。加熱コイル13の加熱量は、加熱コイル13の通電率及び/又は通電量によって制御される。
制御手段300は、重量算出部301、ロードセルON/OFF制御部302、ゼロ点補正部303、鍋重量補正部304、加熱制御部305、加熱プログラム記憶部306を有する。重量算出部301は、ロードセル18の出力信号及び記憶部320から読み込んだ重量算出用パラメータ321に基づいて、鍋12の中の調理物19の重量(炊飯量又は保温量)を算出する。ロードセルON/OFF制御部302は、計測スイッチ57が操作された時及び所定の条件(後述)が整った時にロードセル18への通電をON/OFFする。ゼロ点補正部303は、所定の条件(後述)でロードセル18の出力信号に基づき、重量算出用パラメータ321を書き換える。加熱プログラム記憶部306は、調理物19の重量に応じた加熱プログラム(炊飯工程及び保温工程)を記憶する。加熱制御部305は、重量算出部301が算出した調理物19の重量、温度検知手段15が検知した鍋12の温度に基づき、調理物19の重量に応じた加熱プログラムを読み出し、加熱コイル駆動手段311を制御する。
図4〜図8を用いて、以上のように構成された本発明の実施の形態の炊飯器の動作を説明する。
(工場から出荷する前の炊飯器の動作)
本発明の実施の形態の炊飯器を工場で組み立てた後、出荷する前の動作を説明する。組み立て後、電源を入れる(炊飯器に商用電源を供給する)。そして、鍋12を収納部30から取り外した状態(ロードセル18に支持部17のみが載っている状態)で、操作部50の計測スイッチ57と炊飯スイッチ51を同時に押す。この時のロードセル18にかかる荷重の大きさをW1とする。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を開始する。ゼロ点補正部303は、ロードセル18の出力信号(ひずみゲージの抵抗変化に基づくブリッジ回路の出力信号)を入力する。所定時間(例えば3秒)経過後、ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を終了する。ゼロ点補正部303は、ロードセル18への通電終了時の、ロードセル18の出力信号の大きさS1を記憶部320に書き込む。以下、鍋12を収納部30から取り外した状態でのロードセル18の出力信号を、「ゼロ点測定値」と言う。ゼロ点測定値は、鍋12及び炊飯器重量の製造バラツキ等によって、様々な値をとる。
次に、空の鍋12を収納部30に収納した状態(ロードセル18に支持部17と空の鍋12が載っている状態)で、操作部50の計測スイッチ57と保温スイッチ52を同時に押す。この時のロードセル18にかかる荷重の大きさをW2とする。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を開始する。ゼロ点補正部303は、ロードセル18の出力信号を入力する。所定時間(例えば3秒)経過後、ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を終了する。ゼロ点補正部303は、ロードセル18への通電終了時の、ロードセル18の出力信号の大きさS2を記憶部320に書き込む。
次に、鍋12に調理物19の最大重量(例えば、5合の米と、5合の米を炊くための水の総重量)に相当する重りを入れ、その鍋12を収納部30に収納した状態(ロードセル18に支持部17、空の鍋12及び重りが載っている状態)で、操作部50の計測スイッチ57と予約スイッチ54を同時に押す。この時のロードセル18への荷重の大きさをW3とする。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を開始する。ゼロ点補正部303は、ロードセル18の出力信号を入力する。所定時間(例えば3秒)経過後、ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を終了する。ゼロ点補正部303は、ロードセル18への通電終了時の、ロードセル18の出力信号の大きさS3を記憶部320に書き込む。
以上の動作により記憶部320には、工場から出荷される前に、重量算出用パラメータ321として、3つの状態(荷重がW1、W2、W3)に対するロードセル18の出力信号(S1、S2、S3)が書き込まれる。
図4は、ロードセルへの荷重の大きさとロードセルの出力信号の大きさとの関係を示す図である。ロードセル18の出力信号の大きさは、ロードセル18への荷重の一次関数で表せる。図4において401は、実施の形態の炊飯器を出荷する前に得られた、ロードセル18への荷重の大きさとロードセル18の出力信号の大きさとの関係を表す直線である。ロードセル18の出力信号の大きさがSの時、鍋12の中の調理物19の重量Wは、
W=Wmax×(S−S2)/(S3−S2) (1)
となる。ただし、Wmaxは、調理物19の最大重量(=W3−W2)であり、既知の量である。鍋12の重量(=W2−W1)は、製品毎にばらつくが、式(1)は鍋12の重量を含まないので、正確に調理物19の重量を算出できる。
一般に、ロードセル18の出力レベル及び出力感度は製品(炊飯器)毎にばらつく。このため従来は、ロードセル18の出力信号から調理物の重量を精度良く算出するために、炊飯器を組み立てた後でロードセル18の出力レベル及び出力感度を所定の範囲内に収める機械的・電気的な調整工程が必要であった。これに対して、本発明の実施の形態の炊飯器は、製造工程に重量算出用パラメータ321を記憶部320に書き込む簡単な工程を挿入するだけで、製造できる。本発明の実施の形態の炊飯器は、調理物の重量の算出精度が高く、量産に適しており安価に製造できる。
本発明の実施の形態の炊飯器は、不揮発性メモリである記憶部320に、重量算出用パラメータ321を書き込むので、ロードセル18の出力信号Sから式(1)のみを用いて調理物19の重量を算出できる。本発明の実施の形態の炊飯器は出荷前に、ゼロ点測定値を所定の範囲内に収めるための回路調整を行う必要が無い。
ここで、S2−S1は鍋12の重量となるため、鍋12の重量バラツキを記録することとなり、測定精度が向上する。
(鍋を収納部から取り出した時の炊飯器の動作)
本発明の実施の形態の炊飯器の、鍋を収納部から取り出した時の動作を説明する。重量検知手段40は機械的な要素によって構成されるため、経年変化、室温、炊飯器の設置場所の傾斜等によって検知精度が低下する。即ち、重量算出用パラメータ321が変化する。本発明の実施の形態の炊飯器は、収納部30から鍋12が取り出された時に、重量算出用パラメータ321を更新する。図5は、本発明の実施の形態の炊飯器の、重量算出用パラメータの更新方法のフローチャートである。
ステップ501で、炊飯器の電源を入れる。炊飯器の電源が入ると、鍋検知手段16は動作を開始し、収納部30に鍋12が有るか否かの信号を、制御手段300に出力する。ゼロ点補正部303は、鍋12が収納部30に有る状態から無い状態に変化したか否か(鍋12が収納部30から取り出されたか否か)を判断する(ステップ502)。鍋12が収納部30から取り出された時、ゼロ点補正部303はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を開始する(ステップ503)。ゼロ点補正部303は、ロードセル18の出力信号(ST0)を入力する(ステップ504)。所定時間(数秒程度)経過しロードセル18の出力信号が安定すると、ゼロ点補正部303はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電終了指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を終了する(ステップ505)。
ゼロ点補正部303は、最新のロードセル18の出力信号の大きさ(ST0)を記憶している。ST0は、最新のゼロ点測定値である。ロードセル18の出力信号は、経年変化、室温、炊飯器の設置状況等によって、変動する。従ってST0は、工場出荷時に測定した、収納部30に鍋12が無い時のロードセル18の出力信号S1とは、一般に一致しない(ゼロ点がドリフトする)。ゼロ点補正部303は、ゼロ点補正値SE(=ST0−S1)を計算する(ステップ506)。
ステップ507でゼロ点補正部303は、重量算出用パラメータ321(S1、S2及びS3)を読み出し、それぞれの値にゼロ点補正値SEを加算し、ST1、ST2及びST3とする。図4において402は、ステップ506で得られた、ロードセル18への荷重の大きさとロードセル18の出力信号の大きさとの関係を表す直線である。直線402は、工場出荷時の直線401を縦軸方向にSEだけ平行移動した直線である。ステップ508でゼロ点補正部303は、記憶部320の重量算出用パラメータS1、S2及びS3を、ST1、ST2及びST3にそれぞれ更新する。
本発明の実施の形態の炊飯器は、収納部30から鍋12が取り出される毎に、重量算出用パラメータ321を更新する(ゼロ点補正する)。
ロードセル18は、所定の時間しか(ステップ503〜ステップ505の間)通電されないので、実施の形態の炊飯器は無駄に電力を消費しない。
鍋12が取り出されてから所定時間経過した後のロードセル18の出力信号からゼロ点補正値SEを算出した(ステップ506)。これに替え、鍋12が取り出されてからロードセル18の出力信号が安定した後の、一定時間内の出力信号を使用して(例えば、平均して)ゼロ点補正値SEを算出しても良い。
(鍋を交換した時の炊飯器の動作)
本発明の実施の形態の炊飯器の、鍋を交換した時の動作を説明する。図6は、本発明の実施の形態の鍋を交換した時の炊飯器の動作を示すフローチャートである。
ステップ551で、炊飯器の電源を入れる。炊飯器の電源が入ると、鍋検知手段16は動作を開始し、収納部30に鍋12が有るか否かの信号を、制御手段300に出力する。鍋重量補正部304は、鍋12が収納部30に有る状態を判断した後(ステップ552)、計測スイッチ57が3秒間押されたかを検知し、計測スイッチ57が3秒以上押された場合、鍋重量補正部304は、ロードセル18の出力信号(STN)を入力する(ステップ504)所定時間(数秒程度)経過しロードセル18の出力信号が安定すると、鍋重量補正部はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電終了指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を終了する(ステップ505)。
鍋重量補正部304は、最新のロードセル18の出力信号の大きさ(ST11)を記憶している。ST11は、交換した鍋12を入れた時の測定値である。鍋12の重量は製品によりばらつきがあるため、従ってST11は、工場出荷時に測定した、収納部30に鍋12がある時のロードセル18の出力信号S2とは、一般に一致しない(出荷時の鍋と交換した鍋の重量が一致しないため)。鍋重量補正部304は、鍋重量補正値SN(=STN−S2)を計算する(ステップ557)。
ステップ558で鍋重量補正部305は、重量算出用パラメータ321(S2)を読み出し、その値にゼロ点補正値SE及び鍋重量補正値NEを加算し、ST2とする。ステップ559で鍋重量補正部305は、記憶部320の重量算出用パラメータS2を、ST2に更新する。
(炊飯時の炊飯器の動作)
本発明の実施の形態の炊飯器の炊飯時の動作を説明する。図7は、本発明の実施の形態の炊飯器の炊飯開始時の重量測定方法のフローチャートである。
ステップ601で、炊飯器の電源を入れる。炊飯器の電源が入ると、鍋検知手段16及び蓋開閉検知手段21は動作を開始する。鍋検知手段16は収納部30に鍋12が有るか否かの信号を、制御手段300に出力する。重量算出部301は、鍋12が収納部30に無い状態から有る状態に変化したか否か(鍋12が収納部30に収納されたか否か)を判断する(ステップ602)。鍋12が収納部30に収納された時、重量算出部301はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を開始する(ステップ603)。重量算出部301は、ロードセル18の出力信号(Sc)を入力する(ステップ604)。重量算出部301は、蓋開閉検知手段21の信号から、蓋20が開いている状態から閉じたか否かを判断する(ステップ605)。蓋20が閉じたことを検知すると、重量算出部301はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電終了指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302はロードセル18への通電を終了する(ステップ606)。
重量算出部301は、最新のロードセル18の出力信号の大きさ(Sc)を記憶している。重量算出部301は、式(1)からScを用いて、鍋12の中の調理物19の重量(炊飯量)Wcを算出する(ステップ607)。加熱制御部304は、炊飯スイッチ51(キー入力手段59に含まれる)が操作されたか否か判断する(ステップ608)。炊飯スイッチ51が操作されると、加熱制御部305は加熱プログラム記憶部306から、調理物19の重量Wcに対応する加熱プログラムを読み込み、炊飯工程を実行する(ステップ609)。
一般に炊飯器のユーザは、炊飯前に鍋12を収納部30から取り出し、調理物19を鍋12に入れ、その鍋12を収納部30に戻し、蓋20を閉める動作を行う。従って、炊飯
の直前に重量算出用パラメータ321が〔炊飯時の炊飯器の動作〕で述べた方法(図5のフローチャート)で自動的に更新される(ゼロ点補正が行われる)。実施の形態1の炊飯器は、更新された重量算出用パラメータ321を用いて、炊飯前に自動的に炊飯量Wcを算出する。更新された重量算出用パラメータ321を用いるので、炊飯量Wcの推定精度が高い。しかもユーザは、ゼロ点補正及び炊飯量算出のために、特殊な操作を行う必要が無い。
炊飯開始前に重量検知手段40によって炊飯量を判定する方法での炊飯工程(本発明の実施の形態の炊飯器の炊飯工程)と、炊飯中に温度検知手段15の温度上昇勾配によって炊飯量を判定する方法での炊飯工程との違いを説明する。
炊飯工程は、時間順に前炊き、炊き上げ、沸騰維持、追い炊き、蒸らしに大分される。前炊き工程において、鍋12の温度が米の吸水に適した温度(50℃)になるまで鍋内の米と水を加熱し、米に吸水させる。次に、炊き上げ工程において、鍋12の温度が所定値(100℃)になるまで鍋12を所定の熱量で加熱する。従来例においては、この時の温度上昇速度によって、炊飯量を判定した。沸騰維持工程において、鍋12の水が無くなり、鍋12の温度が100℃を超えた所定値になるまで、米と水を加熱する。最後に蒸らし工程において、一定時間の間に複数回、炊飯量に応じた加熱(追い炊き)と加熱の停止を繰り返す。
前炊き工程について説明する。図8(a)及び(b)は、本発明の実施の形態の炊飯器で1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す。図8(c)及び(d)は、炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器で、1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す。鍋底の温度は、温度検知手段15によって検知される。
炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器は、調理物19の多少に関わらず、温度検知手段15が検知した温度が吸水に適した温度(50℃)になるまで加熱を行う。その後所定時間(Ta)、鍋12の温度を50℃に保ち、米に吸水させる。しかし、炊飯量が多い場合(図8(d))、調理物19全体の温度が50℃になるまでに時間がかかるので、吸水時間が不足する。従って、ご飯に芯が残ってしまう。
本発明の実施の形態の炊飯器は、調理物19の量に応じて、吸水時の温度(温度検知手段15によって検知される温度)を変える。例えば、炊飯量が1合の時は、温度検知手段15が検知した温度が50℃になるまで加熱を行う。そして、所定時間(Ta)、鍋12の温度を50℃に保ち、米を吸水させる(図8(a))。例えば、炊飯量が5合の時は、温度検知手段15が検知した温度が60℃になるまで加熱を行う。そして、所定時間(Ta)、鍋12の温度を60℃に保ち、米を吸水させる(図8(b))。調理物19の中心部の温度は、外側の温度より遅れて上昇し50℃程度になるので、米は十分に吸水できる。
炊き上げ工程について説明する。炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器は、調理物19の多少に関わらず、所定の火力(加熱コイル13の通電率及び/又は通電量)で鍋12を所定温度(100℃)まで加熱する。従って、炊飯量が少ない場合には、早く沸騰しすぎて米の表面のみが糊化し、芯が残ったご飯ができる。本発明の実施の形態の炊飯器は、炊飯量に応じて、炊き上げ工程における火力(加熱コイル13の通電率及び/又は通電量)を変える。即ち、炊飯量の多少に関わらず炊き上げ工程の所要時間が一定になるように、炊飯量が少ない時ほど火力を弱める制御を行う。
本発明の実施の形態の炊飯器は、加熱開始前に正確に炊飯量を算出し、炊飯量に応じた火力制御を行う。従って、炊飯量によらず常においしいご飯を炊くことができる。
ロードセル18は、所定の時間しか(ステップ603〜ステップ606の間)通電されないので、実施の形態の炊飯器は無駄に電力を消費しない。
なお、炊飯量に応じて前炊き時の温度ではなく、前炊きの時間を変える制御方法としても良い。
鍋12が収納部30に収納された時(ステップ602)に、ロードセル18への通電を開始する制御方法としたが、これに替え、鍋12が収納部30から取り出された時に、ロードセル18への通電を開始する制御方法としても良い。
蓋20が閉じる直前のロードセル18の出力信号Scから調理物19の重量Wcを算出(ステップ607)する制御方法としたが、これに替え、蓋20が閉じる前の所定時間内のロードセル18の出力信号を使用して(例えば、平均値を計算して)調理物19の重量Wcを算出する制御方法としても良い。所定時間内の重量Wcの値が所定の閾値を越えて変化する場合は、測定に外乱が加わっていると判断し、測定値を採用しない。この場合、実施の形態の炊飯器は、炊き上げ工程において従来例の炊飯器と同様の方法により炊飯量を判定する。
(保温時の炊飯器の動作)
本発明の実施の形態の炊飯器の保温時の動作を説明する。図9は、本発明の実施の形態の炊飯器の保温時の重量測定方法のフローチャートである。炊飯工程終了後、本発明の実施の形態の炊飯器は、ご飯を保温する。
蓋開閉検知手段21は蓋20が開いているか閉じているかの信号を、制御手段300に出力する。重量算出部301は、蓋20が閉じた状態から開いた状態に変化したか否かを判断する(ステップ801)。蓋20が開いた時(例えば、ユーザがご飯をよそうために蓋20を開けた時)、重量算出部301はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302は、ロードセル18への通電を開始する(ステップ802)。重量算出部301は、ロードセル18の出力信号(Sh)を入力する(ステップ803)。重量算出部302は、重量算出用パラメータ321を読み込み、ロードセル18の出力信号Shから保温量Whを算出する(ステップ804)。重量算出部301は、蓋開閉検知手段21の信号から、蓋20が開いている状態から閉じたか否かを判断する(ステップ805)。蓋20が閉じたことを検知すると(例えば、ユーザがご飯をよそうのを止めて蓋20を閉めた時)、重量算出部301はロードセルON/OFF制御部302に、ロードセル18への通電終了指令を送信する。ロードセルON/OFF制御部302はロードセル18への通電を終了する(ステップ806)。
ステップ806で制御部300は、保温スイッチ52が操作されたか否か判断する。保温スイッチ52が操作されると、加熱制御部304は加熱プログラム記憶部305から、保温量Whに対応する加熱プログラムを読み込み、保温工程を実行する。
保温工程において、実施の形態の炊飯器は、温度検知手段15が検出した鍋12の温度を60℃に制御しご飯の黄変を防止する低温加熱制御と、75℃に制御しご飯を殺菌する高温加熱制御とを所定の時間ずつ繰り返す。実施の形態の炊飯器は、保温するご飯の量(Wh)が少ないほど、高温加熱制御を行う時間を短くし、ご飯を加熱しすぎることを防ぐ。従って、保温量によらずご飯の食味を保った保温ができる。
保温量Whの算出のために、ユーザは特殊な操作を行う必要が全く無い。
ロードセル18は、所定の時間しか(ステップ802〜ステップ806の間)通電されないので、実施の形態の炊飯器は無駄に電力を消費しない。
なお、蓋20が閉じる直前に算出した保温量Whを、保温量として加熱制御に使用する制御方法としたが、これに替え、蓋20が閉じる前の所定時間内の保温量Whの値を使用して(例えば、平均値を計算して)加熱制御に使用する制御方法としても良い。所定時間内の保温量Whの値が所定の閾値を越えて変化する場合は、測定に外乱が加わっていると判断し、測定値を採用しない。
なお、温度検知手段15、鍋検知手段16、蓋開閉検知手段21及び重量検知手段40の構成は、実施の形態で示したものに限らない。例えば、重量検知手段40として圧電素子、静電容量検出素子、バネばかりを用いても良い。鍋12が収納部30に収納されている時に重量検知手段40が検知する重量には、少なくとも鍋12(調理物19が有れば、鍋12及び調理物19)の重量が含まれていれば良い。
実施の形態では、記憶部320に重量算出用パラメータ321として、既知の荷重(W1、W2、W3)に対するロードセル18の出力信号(S1、S2、S3)を記憶した。これに替え(S1、S2)又は(S1、S3)を記憶する構成としても良い。即ち、ゼロ点測定値S1を含む、少なくとも2つのデータを記憶すれば良い。鍋12を収納部30に収納しない状態でのロードセル18の出力信号S1に加え、鍋12を収納部30に収納した状態での出力信号S2(又はS3)をも記憶部320に記憶することにより、重量検知手段40の出力感度及び鍋12の重量が製品毎にばらついていても正確に調理物19の重量を算出できる。実施の形態の構成に代えて、記憶部320に重量算出用パラメータ321として、既知の荷重(W2、W3)に対するロードセル18の出力信号(S2、S3)を記憶する構成としても良い。空の鍋12(又は第1の荷重を含む鍋12)を収納部30に収納した状態での出力信号S2と、鍋12と第2の荷重(好ましくは炊飯器が炊飯可能な最大量の調理物の重量に相当する荷重。第2の荷重は第1の荷重と異なる値である)とを収納部30に収納した状態での出力信号S3と、を記憶部320に記憶する。これにより、鍋12の重量と、重量検知手段40の出力レベル及び出力感度とが製品毎にばらついていても正確に調理物19の重量を算出できる。
ユーザが空の鍋12を収納部30に入れ、計測スイッチ57と保温スイッチ52とを同時に操作すれば、重量算出用パラメータ321の1つであるS2を更新できるので、炊飯量の算出精度が向上する。
図7において、制御手段300は、鍋検知手段16からの信号が鍋12が本体10に無い状態の信号から有る状態の信号に切り替わる時に重量検知手段40の動作を開始させ、その後初めて蓋開閉検知手段21からの信号が蓋20が開いている状態の信号から閉じている状態の信号に切り替わると重量検知手段40の動作を終了させると共に、重量検知手段40の動作終了前の出力信号から調理物の重量を算出した。これに代えて、制御手段300は、鍋検知手段16からの信号が鍋12が本体10に有る状態の信号から無い状態の信号に切り替わる時に重量検知手段40の動作を開始させ、その後初めて蓋開閉検知手段21からの信号が蓋20が開いている状態の信号から閉じている状態の信号に切り替わると重量検知手段40の動作を終了させると共に、重量検知手段40の動作終了前の出力信号から調理物の重量を算出しても良い。又は、制御手段300は、鍋検知手段16からの信号が鍋12が本体10に無い状態の信号から有る状態の信号に切り替わる時、及び鍋12が本体10に有る状態の信号から無い状態の信号に切り替わる時の両方の時に、重量検
知手段40の動作を開始させても良い。
本発明の炊飯器は、家庭用又は業務用の炊飯器として有用である。
本発明の実施の形態の炊飯器の一部切欠した側面図 本発明の実施の形態の炊飯器の操作部を示す図 本発明の実施の形態の炊飯器の制御系の構成を示すブロック図 ロードセルへの荷重の大きさとロードセルの出力信号の大きさとの関係を示す図 本発明の実施の形態の炊飯器の重量算出用パラメータの更新方法のフローチャート 本発明の実施の形態の炊飯器の鍋重量パラメータの更新方法のフローチャート 本発明の実施の形態の炊飯器の炊飯開始時の重量測定方法のフローチャート (a)本発明の実施の形態の炊飯器で1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図(b)本発明の実施の形態の炊飯器で1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図(c)炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器で、1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図(d)炊き上げ工程において炊飯量を判定する従来例の炊飯器で、1合炊飯する時及び5合炊飯する時の、前炊き工程での鍋底(実線)及び調理物中心部(破線)の温度を示す図 本発明の実施の形態の炊飯器の保温時の重量測定方法のフローチャート
符号の説明
10 ボディ(本体)
12 鍋
13 加熱コイル
14 回路基板
15 温度検知手段
16 鍋検知手段
17 支持部
18 ロードセル
19 調理物
20 蓋
21 蓋開閉検知手段
30 収納部
31 コイルベース
32 上枠
40 重量検知手段
50 操作部
51 炊飯スイッチ
52 保温スイッチ
53 取消しスイッチ
54 予約スイッチ
55 時スイッチ
56 分スイッチ
57 計測スイッチ
58 表示部
59 キー入力手段
300 制御手段
301 重量算出部
302 重量センサーON/OFF制御部
303 ゼロ点補正部
304 鍋重量補正部
304 加熱制御部
305 加熱プログラム記憶部
311 加熱コイル駆動手段
320 記憶部
321 重量算出用パラメータ

Claims (3)

  1. 上面が開口した本体と、前記本体内に着脱自在に収納される鍋と、前記本体を開閉自在に覆う蓋と、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記本体内の前記鍋の有無を検知する鍋検知手段と、前記蓋の開閉状態を検知する蓋開閉検知手段と、前記鍋と前記鍋に入れられた調理物との総重量を検知する重量検知手段と、書き換え可能な不揮発性メモリを有し、少なくとも、前記鍋を前記本体に収納しない状態での前記重量検知手段の第1の出力信号と、前記鍋を前記本体に収納した状態での前記重量検知手段の第2の出力信号とを重量算出用パラメータとして記憶する記憶部と前記重量検知手段の第2の出力信号を所定の手段により重量算出用パラメータとして再記憶する鍋重量補正手段とを備え、前記制御部は、前記鍋検知手段からの信号が前記鍋が前記本体に有る状態の信号から無い状態の信号に切り替わる第1のタイミングで、前記重量検知手段を所定時間だけ動作させ、その時の前記重量検知手段の出力信号と前記第1の出力信号との差分値であるゼロ点補正値を算出し、前記第1のタイミングで入力した前記重量検知手段の出力信号に基づいて前記重量算出用パラメータを前記ゼロ点補正値に基づいて補正するよう前記記憶部に記憶された前記重量算出用パラメータを更新し、また前記制御部は、前記蓋開閉検知手段からの信号が前記蓋が開いている状態の信号から前記蓋が閉じている状態の信号に切り替わる第2のタイミングで入力した前記重量検知手段の出力信号と前記重量算出用パラメータとに基づき前記調理物の重量を算出し、前記調理物の重量に応じて加熱手段への通電率及び/又は通電量を制御する制御部とを有するとともに、所定のスイッチを押すことにより第2の出力信号を重量検出用パラメータとして再記憶することを特徴とする炊飯器。
  2. 前記重量算出用パラメータが、少なくとも、前記第1の出力信号と、空の又は第1の荷重を含む前記鍋を前記本体に収納した状態での前記重量検知手段の第2の出力信号と、前記鍋と第2の荷重とを前記本体に収納した状態での前記重量検知手段の第3の出力信号とを含むことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
  3. 前記制御部は、所定のタイミングにおいてのみ前記重量検知手段に通電することを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
JP2004109818A 2004-04-02 2004-04-02 炊飯器 Expired - Lifetime JP4385828B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109818A JP4385828B2 (ja) 2004-04-02 2004-04-02 炊飯器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109818A JP4385828B2 (ja) 2004-04-02 2004-04-02 炊飯器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005287924A JP2005287924A (ja) 2005-10-20
JP4385828B2 true JP4385828B2 (ja) 2009-12-16

Family

ID=35321523

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109818A Expired - Lifetime JP4385828B2 (ja) 2004-04-02 2004-04-02 炊飯器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4385828B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6856234B2 (ja) * 2015-10-20 2021-04-07 アイリスオーヤマ株式会社 炊飯器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005287924A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4012157B2 (ja) 炊飯器
JP2005296423A (ja) 炊飯器
JP2005046492A (ja) 炊飯器
JP4026620B2 (ja) 調理器
JP2005124719A (ja) 炊飯器
JP4385828B2 (ja) 炊飯器
JP4155291B2 (ja) 炊飯器
KR101113540B1 (ko) 취반기
JP4258419B2 (ja) 炊飯器
JP2005000486A (ja) 炊飯器
KR101123468B1 (ko) 취반기
JP5290877B2 (ja) 炊飯器および該炊飯器の容量判別方法
JP2006055562A (ja) 炊飯器
JP4258417B2 (ja) 電気ジャー炊飯器
JP3954922B2 (ja) 圧力炊飯器
JP2006346059A (ja) 炊飯器
JP4360315B2 (ja) 炊飯器
JP4063238B2 (ja) 炊飯器
JP3657824B2 (ja) 炊飯器
JP4013933B2 (ja) 炊飯器
JP2005342391A (ja) 炊飯器
JP2005046491A (ja) 炊飯器
JP4360314B2 (ja) 炊飯器
JP2742844B2 (ja) 炊飯ジャー及び炊飯容量判定方法
JP4839942B2 (ja) 炊飯器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070227

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070313

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090921

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4385828

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009

Year of fee payment: 4