JP2004063717A - 薄膜トランジスタの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁表面上に第1のゲート電極11を形成し、第1のゲート電極に第1の半導体膜13を形成し、第1の半導体膜のチャネル形成領域に不純物を添加し、第1の半導体膜上に第2の半導体膜14を形成し、第2の半導体膜上に第3の半導体膜15を形成し、第3の半導体膜のチャネル形成領域に不純物を添加し、第1乃至第3の半導体膜をパターニングし、第1乃至第3の半導体膜にソース領域16及びドレイン領域17を形成し、チャネル形成領域上に第2のゲート電極19を形成する薄膜トランジスタの作製方法を提供する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成された半導体膜(半導体層)を用いた薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと記す)、及びそれを用いた半導体装置、並びにそれらの作製方法に関する。尚、本明細書において半導体装置とは、半導体特性を利用して機能する装置全般を指し、本発明により作製される半導体装置はTFTを内蔵した液晶表示装置やEL表示装置に代表される表示装置、半導体集積回路(マイクロプロセッサ、信号処理回路または高周波回路等)を範疇に含んでいる。
【0002】
【従来技術】
情報通信の技術開発が進み、情報を受ける手段としての表示装置がCRTからフラットパネルディスプレイにかわってきている。これまで、多くの情報を提供してきたテレビジョンの表示に用いられてきたCRT(Cathode Ray Tube)は、近年の情報量(例えば、映像の高画質化)に十分対応できないという問題がでてきた。また、高画質な映像を表示するための高解像度以外に、大画面化にも十分に対応できないという問題も生じた。例えば、大画面化を進めようとすると、CRT自体の重量がかなり大きくなってしまい、簡単に持ち運べなくなってしまう。また、同一の画面寸法でも高解像度化すると輝度がおちたり、奥行きを大きくしなければならず、家庭において設置するのにかなり制限がでてきている。
【0003】
そこで、高解像度、大画面化の要求に応えられる表示装置の候補として、小型、軽量、省スペースが特徴のフラットパネルディスプレイが注目されている。そのなかでも特に、液晶表示装置が注目され、大規模な研究開発が進められてきている。
【0004】
増大した情報量に対応するには、短時間でデータの書き込みを行うことができなければならない。また、省スペースや狭額化から、表示装置に駆動回路を内蔵することが求められる。このような表示装置を実現するために、画素のスイッチング素子や駆動回路を形成するTFTには、高速動作が求められる。
【0005】
TFTの高速動作を実現する方法としては、例えば、半導体層をアモルファスから多結晶にすることや、特許第2737780号公報に記載された一対のゲート電極で半導体層を挟むDual Gate(デュアルゲート)構造などが考えられている。
【0006】
しかし、多結晶シリコンを用いてTFTを形成しても、例えば、電界効果移動度は単結晶シリコンの1/10以下であり、その電気的特性は所詮単結晶シリコン基板に形成されるMOSトランジスタの特性に匹敵するものではない。また、結晶粒界に形成される欠陥に起因して、オフ電流が高くなってしまうといった新たな問題点が発生している。
【0007】
またTFTを用いて集積回路を形成する場合、所望のスイッチング動作を得るためにはしきい値電圧(Vth)を制御する必要がある。しきい値電圧(Vth)は、TFTのスイッチング特性を表す重要なパラメータであり、この値が所望の値からずれてしまうと、回路動作に支障が生じることになる。そこで、しきい値を制御するために、例えば、nチャネル型TFTの場合には、マイナス側にシフトしてノーマリーオン(ゲート電圧を印加しない状態でオンになっている状態)になってしまうことが問題となる。それを防ぐために、チャネル領域(チャネル形成領域)にp型を付与する不純物(アクセプタ)を添加してしきい値電圧をプラス側にシフトさせる手段が取られている。
【0008】
さらに、データ線側駆動回路は高い駆動能力(オン電流、Ion)及びホットキャリア効果による劣化を防ぎ信頼性を向上させることが求められる。その一方で、高品質な画質を得るために画素部のスイッチング素子には低いオフ電流(Ioff)が求められる。以上のように、液晶表示装置への要求を満たすには、それぞれの回路に要求される特性を有するTFTを実現することが重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、チャネル領域に低濃度の不純物元素を添加してしきい値制御を行っていたが、一対のゲート電極で半導体層を挟む構造の場合、半導体層と絶縁膜の界面にキャリアが発生する確率が高く、キャリアが絶縁膜や絶縁膜と半導体層との界面に注入され、しきい値が上昇してしまうという問題があった。また、このチャネル領域のエネルギーバンド構造によると、キャリアの通り道は、半導体層と絶縁膜との界面付近だけである。このため、ドレインに印加された電圧によって加速されたホットキャリアが絶縁膜と半導体層との界面や絶縁膜に注入されることによる移動度やドレイン電流の低下が大きな問題となっていた。
【0010】
そこで、本発明では上述した問題を鑑み、高いドレイン電流と電界効果移動度を実現し、信頼性の高い半導体装置を実現することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、チャネル領域の上部及び下部に同一の導電型を有する領域を設け、上部と下部との間の領域は真性領域または低濃度に添加された同一の導電型を有する領域を設け、キャリアが流れる領域を広く設けることを特徴とする。すなわち、nチャネル型薄膜トランジスタのチャネル領域の上部及び下部には、p型を付与する不純物領域を設け、pチャネル型薄膜トランジスタのチャネル領域の上部及び下部には、n型を付与する不純物領域を設けることを特徴とする。
【0012】リクレーム
具体的に本発明は、第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に設けられた第1の半導体膜と、前記第1の半導体膜上に設けられた第2の半導体膜と、前記第2の半導体膜上に設けられた第3の半導体膜と、前記第3の半導体膜上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に設けられた第2のゲート電極と、を有する薄膜トランジスタであって、前記第1の半導体膜のチャネル形成領域および前記第3の半導体膜のチャネル形成領域は1×1015〜1×1017/cm3の濃度で同一の導電型を付与する不純物元素を含み、前記第2の半導体膜のチャネル形成領域は真性または1×1015/cm3以下の濃度で前記導電型を付与する不純物元素を含む薄膜トランジスタを特徴としている。
【0013】
また、本発明は、第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上に設けられた第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に設けられた第1の半導体膜と、前記第1の半導体膜上に設けられた第2の半導体膜と、前記第2の半導体膜上に設けられた第3の半導体膜と、前記第3の半導体膜上に設けられた第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に設けられた第2のゲート電極と、をそれぞれ有するnチャネル型薄膜トランジスタおよびpチャネル型薄膜トランジスタであって、前記nチャネル型薄膜トランジスタにおける前記第1の半導体膜のチャネル形成領域および前記第3の半導体膜のチャネル形成領域は1×1015〜1×1017/cm3の濃度でp型を付与する不純物元素を含み、かつ前記第2の半導体膜のチャネル形成領域は真性または1×1015/cm3以下の濃度でp型を付与する不純物元素を含み、前記pチャネル型薄膜トランジスタにおける前記第1の半導体膜のチャネル形成領域および前記第3の半導体膜のチャネル形成領域は1×1015〜1×1017/cm3の濃度でn型を付与する不純物元素を含み、かつ前記第2の半導体膜のチャネル形成領域は、真性または1×1015/cm3以下の濃度でn型を付与する不純物元素を含む薄膜トランジスタを特徴とする。
【0014】
本発明のTFTに、反転状態となるようなしきい値電圧より高い電圧を印加すると、ポテンシャル障壁となる一導電型を付与する不純物元素が添加された第1の半導体層および第3の半導体層の間に形成された真性な第2の半導体層に反転層が広く形成されるため、キャリアが流れる領域が広がり、ドレイン電流が大きくなり、サブスレッショルド係数(S値)は小さくなる。S値が小さい素子は、立ち上がりが鋭い理想的なスイッチであると言える。なお、第2の半導体層のチャネル領域には、第1及び第3の半導体層に添加された一導電型の不純物を1×1015/cm3以下の濃度で添加しても構わない。
【0015】
また、主な反転層は第2の半導体層に形成されるため、この領域に生じるキャリアは、絶縁膜と半導体層との界面において散乱されることがなく、従来のチャネル領域の構造を有するTFTと比較して電界効果移動度の値が向上する。さらに、第2の半導体層は第1の半導体層および第2の半導体層、または第2の半導体層および第3の半導体層とのフェルミエネルギーの差によって生じるポテンシャルに囲まれており、このポテンシャルが第2の半導体層で生じるホットキャリアの絶縁膜への散乱注入を防いでいる。このため、本発明のチャネル領域の構造により、ホットキャリア劣化のドレイン電流に対する影響を小さくすることができる。
【0016】
なおチャネル領域とは、キャリアが流れる半導体層において反転状態の(反転層を有する)領域であり、第1乃至第3の半導体層はいずれもチャネル領域を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明で開示する半導体装置を図1に示す。
【0018】
図1(A)に記載の構成は、基板10上に、第1のゲート電極11、第1のゲート絶縁膜12、第1の半導体層13、第2の半導体層14、第3の半導体層15、第2のゲート絶縁膜18、第2のゲート電極19を有している。また図1(B)に記載の構成は、チャネル領域とソース領域またはドレイン領域16b、17bとの間に導電型を付与する不純物元素が低濃度に添加された低濃度不純物領域(LDD領域ともいう)16a、17aを有している。
【0019】
なお、本明細書において、基板と半導体層との間に形成された電極を第1のゲート電極、半導体層と画素電極との間に形成された電極を第2のゲート電極という。また、第1のゲート電極に接して形成された絶縁膜を第1のゲート絶縁膜、半導体層と第2のゲート電極との間に形成された絶縁膜を第2のゲート絶縁膜という。
【0020】
第1のゲート絶縁膜12に接して第1の半導体層13が形成されている。第1の半導体層のチャネル領域には、一導電型を付与する不純物元素(例えば、p型を付与する不純物元素であったら、ボロン)が1×1015〜1×1017/cm3の濃度で添加されている。
【0021】
第1の半導体層13に接して、第2の半導体層14が形成されている。第2の半導体層14のチャネル形成領域には、不純物元素は添加されておらず、実質的に真性である。
【0022】
第2の半導体層14に接して、第3の半導体層15が形成されている。第3の半導体層15のチャネル形成領域には、一導電型を付与する不純物元素(第1の半導体層に添加された不純物元素と同一の導電型であればよい。)が1×1015〜1×1017/cm3の濃度で添加されている。
【0023】
半導体層のソース領域またはドレイン領域16、17(16b、17b)となる領域には、nチャネル型TFTとなる場合は、n型不純物元素が1×1019〜1×1021/cm3の濃度で添加されている。また、pチャネル型TFTとなる場合には、p型不純物元素が1×1019〜1×1021/cm3の濃度で添加されている。また、低濃度不純物領域(LDD領域)16a、17aとなる領域には、導電型を付与する不純物元素が1×1018〜1×1020/cm3の濃度で添加されている。
【0024】
図1に示すようなチャネル領域の構造(導電型の異なる複数の半導体層が積層されている)のTFTにしきい値電圧以上の電圧を印加した場合のバンド構造を図2(A−2)に示す。なお、比較として図2(B−2)には、従来のTFTのチャネル形成領域の構造のTFTにしきい値電圧以上の電圧を印加した場合のバンド構造を示す。
【0025】
本発明によると、真性領域の伝導帯がフェルミ準位に近くなり、反転層が形成される。図2(A−2)に示すように、キャリアが存在する(移動できる)領域が広い範囲で形成されている。なお、従来のチャネル構造の場合、反転層は、半導体層と絶縁膜との界面に形成される。
【0026】
また、本発明のTFTは、従来の構造と同様に半導体層と絶縁膜との界面にも反転層が形成されるが、ホットキャリアが発生し、絶縁膜や半導体層および絶縁膜の界面に注入されたとしても、主の反転層は真性な第2の半導体層に形成された領域であるため、ドレイン電流が低下したりやS値が大きくなったりするような劣化を抑えることができる。また、反転層が第2の半導体層に広く形成されるため、ドレイン電流が大きくなり、S値は小さな値となる。また、第1の半導体層および第3の半導体層に含まれる不純物元素の濃度を絶縁膜の膜厚に連動させて変化させることも可能であるため、しきい値の制御の自由度を向上させることができる。
【0027】
次いで、TFTに蓄積状態(オフ状態)となるような電圧を印加すると、本発明のTFTは、フェルミレベルがミッドギャップに近づき、反転層は形成されず、電流は流れなくなる。
【0028】
以上のように、本発明のTFTは、通常の構造のTFTと同様にスイッチングが可能な動作をすることができ、さらに、電界効果移動度、S値、しきい値電圧等の特性を向上させることができる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
本発明の半導体装置を作製する方法の一例を、図3〜6を用いて説明する。なお、ここで作製する半導体装置の形状は、一例であり、本実施例で示された半導体装置の形状や作製工程に限定されることはない。
【0030】
図3(A)において、基板101はガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0031】
この基板101の絶縁表面上に第1のゲート電極となる配線102〜108を形成する。第1のゲート電極はW、Mo、Ti、Taから選ばれた一種又は複数種からなる導電性材料で形成する。図7(A)は画素部におけるそれらの上面図を示す。ここでは、配線105はデータ線として用いるものとする。
【0032】
第1のゲート電極を形成した後、第1のゲート絶縁膜109を形成する。第1のゲート絶縁膜109は酸化窒化シリコン膜を用い、10〜50nmの厚さで形成し、酸化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜を用い、0.5〜1μmの厚さで形成する積層構造としてもよい。
【0033】
なお、第1のゲート絶縁膜の表面を平坦化してもよい。平坦化の手法としてはCMPを用いればよい。また、CMPの研磨剤(スラリー)には、例えば、塩化シリコンガスを熱分解して得られるフュームドシリカ粒子をKOH添加水溶液に分散したものを用いて第1のゲート絶縁膜109を0.1〜0.5μm程度除去して、表面を平坦化すればよい。
【0034】
次いで、第1のゲート絶縁膜109の上に半導体膜を形成する。第1の半導体層110として、非晶質シリコン膜を形成し、公知の方法(例えば、炉を用いた加熱処理)により結晶化して第1の半導体層を結晶質半導体層とする。本実施例において、第1の半導体層の膜厚は、20nmとする。続いて、チャネル領域に一導電型を付与する不純物元素を添加する。後にnチャネル型TFTとなる領域には、マスク111を用いてp型を付与する不純物元素(以下、p型不純物元素という)が添加された領域112a〜112cを形成し(図3(B))、次いで、マスク113を用いて後にpチャネル型TFTとなる領域に、n型を付与する不純物元素が添加された領域114を形成する(図3(C))。
【0035】
次いで、第1の半導体層110上に第2の半導体層115を形成する(図4(A))。第2の半導体層は、非晶質半導体層を形成した後、加熱処理を施して結晶化し結晶質半導体層とする。なお、第1の半導体層の不純物元素が拡散することを防ぐため、第2の半導体層の結晶化はレーザーを用いて行うことが好ましい。本実施例において、第2の半導体層の膜厚は、50nmとする。
【0036】
続いて、第2の半導体層115上に第3の半導体層116を形成する。第3の半導体層116は、第1の半導体層110と同様に、非晶質半導体層を形成した後、公知の方法(例えば、炉を用いた加熱処理)により結晶化して第3の半導体層を結晶質半導体層とする。本実施例において、第3の半導体層の膜厚は20nmとする。続いて、チャネル領域に一導電型を付与する不純物元素を添加する。後にnチャネル型TFTとなる領域に、マスク117を用いてp型不純物元素が添加された領域118a〜118cを形成し(図4(B))、後にpチャネル型TFTとなる領域に、マスク119を用いてn型不純物元素が添加された領域120を形成する(図4(C))。
【0037】
なお、本実施例では、上記のようにそれぞれの半導体層の膜厚を決定したが、この膜厚に限定されることはなく、各半導体層の膜厚は、実施者が適宜、決定すればよい。
【0038】
なお、本実施例では、第3の半導体層を新たに成膜したが、第2の半導体層を第3の半導体層分を含むような膜厚で成膜し、第3の半導体層と想定する膜厚の深さまでチャネル領域に一導電型を付与する不純物元素を添加してもよい。
【0039】
第1の半導体層に一導電型を付与する不純物元素を添加する方法としては、質量分離を行うイオンインプランテーション法、イオンドーピング法で加速度電圧を低めに設定してドーピングする方法、プラズマドーピング法、不純物元素を第3の半導体層に蒸着しその後加熱処理して第3の半導体層中に拡散させる方法(熱拡散法)などのいずれかの方法を実施者が適宜決定して用いればよい。
【0040】
また、第3の半導体層に一導電型を付与する不純物元素を添加する方法としては、質量分離を行うイオンインプランテーション法、イオンドーピング法で加速度電圧を低めに設定してドーピングする方法、プラズマドーピング法などのうちいずれかの方法を実施者が適宜決定して用いればよい。また、半導体層の膜厚もそれぞれ、実施者が適宜決定すればよい。
【0041】
なお、NMOS構造またはPMOS構造の回路を用いる場合には、一導電型を付与する不純物元素が添加された状態で成膜されるdoped−polyシリコン膜(結晶性シリコン膜、ポリシリコン膜)を成膜し、不純物を含まないpolyシリコン膜を積層し、更に一導電型を付与する不純物元素が添加された状態で成膜されるdoped−polyシリコン膜を積層することにより、本発明のチャネル構造を形成することも可能である。
【0042】
またCMOS構造の回路を用いる場合には、一導電型を付与する不純物元素が添加された状態で成膜されるdoped−polyシリコン膜を形成し、極性を反転させる部分にマスクを用いて一導電型を付与する不純物元素の添加を行い、その後不純物を含まないpolyシリコン膜を積層し、更に一導電型を付与する不純物元素が添加された状態で成膜されるdoped−polyシリコン膜を形成し、極性を反転させる部分にマスクを用いて一導電型を付与する不純物元素の添加を行うことにより、本発明のチャネル構造を形成することも可能である。
【0043】
どの半導体層の結晶化工程においても加熱処理による結晶化工程の後、レーザ光を照射することにより結晶化率を向上させることもできる。また、非晶質半導体膜の材料に限定はなく、シリコン、シリコンゲルマニウム(Si1−xGex;0<x<1、代表的には、x=0.001〜0.05)合金以外に、GaAs、InP、SiC、ZnSe、GaN等の化合物半導体層を用いてもよい。
【0044】
以上のようにして、第1の半導体層および第3の半導体層のチャネル領域に一導電型を付与する不純物元素が1×1015〜1×1017/cm3の濃度で添加され、第2の半導体層のチャネル領域は、真性もしくはごく微量の一導電型を付与する不純物元素が含まれたチャネル構造が形成される。
【0045】
その後、半導体膜110、115、116をエッチングにより分割し、図5(A)に示すように半導体膜121〜123を形成する。
【0046】
次いで、図5(B)に示すように、半導体膜121〜123を覆って第2のゲート絶縁膜124を形成する。第2のゲート絶縁膜124は、プラズマCVD法やスパッタ法でシリコンを含む絶縁物で形成する。その厚さは40〜150nmとする。
【0047】
次いで、第2のゲート絶縁膜124上にゲート電極や配線を形成するために導電膜を形成する。本実施例においてゲート電極は2層又はそれ以上の導電膜を積層して形成する。第2のゲート絶縁膜124上に形成する第1の導電膜125はモリブデン、タングステンなどの高融点金属の窒化物で形成し、その上に形成する第2の導電膜126は高融点金属又はアルミニウムや銅などの低抵抗金属、或いはポリシリコンなどで形成する。具体的には、第1の導電膜としてW、Mo、Ta、Tiから選ばれた一種又は複数種の窒化物を選択し、第2の導電膜としてW、Mo、Ta、Ti、Al、Cuから選ばれた一種又は複数種の合金、或いはn型多結晶シリコンを用いる。この第1の導電膜125及び第2の導電膜126はマスク(図示せず)を形成した後、第1のエッチング処理を行い第2のゲート電極127〜130を形成する。図7(B)はその上面図を示す。
【0048】
第1のエッチング処理により、端部にテーパーを有する第1形状の電極を形成する(図示せず)。次いで、第1のエッチング処理により形成された第1形状の電極をマスクとして用い、第1のドーピング処理を行い、半導体膜121〜123に第1の濃度のn型不純物領域を形成する。第1の濃度は1×1020〜1.5×1021/cm3とする。
【0049】
次に、レジストからなるマスクを除去せず第2のエッチング処理を行う。このエッチング処理では、第1の形状の電極を異方性エッチングして第2の形状の電極を形成する。第2の形状の電極はこのエッチング処理により幅を縮小させ、その端部が第1の濃度のn型不純物領域の内側に位置するように形成する。この導電膜の後退幅によりLDDの長さを決める。
【0050】
そして、第2のドーピング処理を行いn型不純物元素を半導体膜121〜123に添加する。このドーピング処理で形成される第2の濃度のn型不純物領域は、第2の形状の電極(第2のゲート電極)127〜130を構成する第1の導電膜と一部が重なるように自己整合的に形成される。なお、第2のゲート電極127〜130は、第2の形状の第1の導電膜127a〜130aと、第2の形状の第2の導電膜127b〜130bとからなる。イオンドープ法で添加される不純物は、第2のゲート電極を構成する第1の導電膜127a〜130aを通過させて添加するため、半導体膜に達するイオンの数は減少し、必然的に低濃度となる。その濃度は1×1017〜1×1019/cm3となる。
【0051】
次いで、レジストからなるマスクを形成し、nチャネル型TFTとなる領域を覆い隠した後、第3のドーピング処理を行う。この第3のドーピング処理により、半導体膜122に第3の濃度のp型不純物元素が添加されたp型不純物領域132、135を形成する。第3の濃度のp型の不純物領域は、1.5×1020〜5×1021/cm3の濃度範囲でp型不純物元素が添加される。
【0052】
以上までの工程でそれぞれのTFTの第2のゲート電極および半導体膜に価電子制御を目的とした不純物を添加した領域、高濃度(1×1019〜1×1021/cm3)にn型不純物が添加された領域131、133および低濃度(1×1018〜1×1020/cm3)にn型不純物元素が添加された領域134、136が形成される。第1のゲート電極103、104、106、108と、第2のゲート電極127〜129は半導体膜と交差する位置においてゲート電極として機能する。また、第2の形状の配線130は、保持容量素子の一方の容量配線となる(図5(C))。
【0053】
その後、それぞれの半導体膜に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化はガス加熱型の瞬間熱アニール法を用いて行う。加熱処理の温度は窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には450〜500℃で行う。この他に、YAGレーザーの第2高調波(532nm)を用いたレーザーアニール法を適用することもできる。レーザー光の照射により活性化を行うには、YAGレーザーの第2高調波(532nm)を用いこの光を半導体膜に照射する。勿論、レーザー光に限らずランプ光源を用いるRTA法でも同様であり、基板の両面又は基板の一方の面(例えば裏面)からランプ光源の輻射により半導体膜を加熱する。
【0054】
その後、図6(A)に示すように、プラズマCVD法で窒化シリコンから成る第1の層間絶縁膜137を50〜100nmの厚さに形成し、クリーンオーブンを用いて410℃の熱処理を行い、窒化シリコン膜から放出される水素で半導体膜の水素化を行う。
【0055】
次いで、第1の層間絶縁膜137上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜138を形成する。有機絶縁物材料を用いる理由は第2の層間絶縁膜138の表面を平坦化するためのものである。より完全な平坦面を得るためには、この表面をCMP法により平坦化処理することが望ましい。CMP法を併用する場合には、第2の層間絶縁膜をプラズマCVD法で形成される酸化シリコン膜、塗布法で形成されるSOG(Spin on Glass)やPSGなどを用いることもできる。
【0056】
その後、第1のゲート絶縁膜、第2のゲート絶縁膜、第1の層間絶縁膜、又は第2のゲート絶縁膜と第2の層間絶縁膜とに開孔を形成し、配線139〜143、画素電極144を形成する。この配線はチタン膜とアルミニウム膜を積層して形成する(図6(B))。ここまでの工程で作製されたアクティブマトリクス基板を上面から見た様子を図8に示す。
【0057】
以上のようにして、同一基板上にnチャネル型TFT201およびpチャネル型TFT202からなる駆動回路205とスイッチング用の画素TFT203および保持容量素子204を有する画素部206を含むアクティブマトリクス基板を実現することができる。
【0058】
なお、図14に示すように、画素電極に反射型の電極となる反射電極144(代表的には、本実施例で示すようなAlを主成分とする導電膜)と透過型の電極となる透明電極160(代表的には、酸化インジウム・スズ(ITO))とを用いた半透過型の表示装置とすることも可能である。なお、反射電極の反射効率を高めるために、層間絶縁膜表面にエッチング等の処理を施して凹凸を形成してから反射電極を形成してもよい。
【0059】
駆動回路205のnチャネル型TFT201は、第1のゲート電極103、第1のゲート絶縁膜109、p型不純物元素を1×1015〜1×1017/cm3の濃度で含む第1の半導体層112aおよび第3の半導体層118aと、該第1の半導体層および該第3の半導体層の間に実質的に真性な第2の半導体層150からなるチャネル領域、低濃度(n型)不純物領域134、ソース領域またはドレイン領域となる高濃度(n型)不純物領域131を含む半導体層121、第2のゲート絶縁膜124および第2のゲート電極127からなる。
【0060】
駆動回路205のpチャネル型TFT202は、第1のゲート電極104、第1のゲート絶縁膜109、n型不純物元素を1×1015〜1×1017/cm3の濃度で含む第1の半導体層114および第3の半導体層120と、該第1の半導体層および該第3の半導体層の間に実質的に真性な第2の半導体層151からなるチャネル領域、低濃度(p型)不純物領域135、ソース領域またはドレイン領域となる高濃度(p型)不純物領域132を含む半導体層122、第2のゲート絶縁膜124および第2のゲート電極128からなる。
【0061】
画素部206のTFT203は、第1のゲート電極105、106第1のゲート絶縁膜109、p型不純物元素を1×1015〜1×1017/cm3の濃度で含む第1の半導体層112b、112cおよび第3の半導体層118b、118cと、該第1の半導体層および該第3の半導体層の間に実質的に真性な第2の半導体層152からなるチャネル領域、低濃度(n型)不純物領域136、ソース領域またはドレイン領域となる高濃度(n型)不純物領域133を含む半導体層123、第2のゲート絶縁膜124および第2のゲート電極129からなる。
【0062】
画素部206の保持容量素子204は、画素TFTの半導体層123から連続して形成された半導体層123、第2の形状の容量配線130および誘電体となる第2のゲート絶縁膜124からなる。
【0063】
なお、それぞれのTFTにおいて、低濃度不純物領域(LDD領域)のチャネル長方向の長さは0.5〜2.5μm、好ましくは1.5μmで形成する。このようなLDDの構成は、主にホットキャリア効果によるTFTの劣化を防ぐことを目的としている。
【0064】
これらnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTによりシフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシフタ回路、ラッチ回路などを形成することができる。特に、駆動電圧が高いバッファ回路には、ホットキャリア効果による劣化を防ぐ目的から、nチャネル型TFT201の構造が適している。
【0065】
また、CMOS構造としなくても、NMOS又はPMOSを基本とした回路にも本発明は同様に適用することができる。
【0066】
(実施例2)
本実施例では、実施例1で作製したアクティブマトリクス基板を用いて、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製する工程の一例を示す。
【0067】
図6(B)まで形成した後、図9に示すように配向膜153を形成し、ラビング処理を行う。なお、図示しないが、配向膜153を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサを所望の位置に形成しておいても良い。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0068】
次いで、対向基板154上に対向電極155を形成し、その上に配向膜156を形成しラビング処理を施す。対向電極155はITOで形成する。そして、シールパターン157が形成された対向基板154を貼り合わせる。その後、両基板の間に液晶材料158を注入し、封止剤(図示せず)によって完全に封止する。液晶材料には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして図9に示すアクティブマトリクス駆動の液晶表示装置が完成する。
【0069】
(実施例3)
本発明は、実施形態、実施例1で示されたTFTの構造以外の構造のTFTにも適応することができる。なお、符号は図1で用いた符号と同一の符号を用いる。
【0070】
図10は、基板10上に第1のゲート電極11、該第1のゲート電極11上に第1のゲート絶縁膜12、該第1のゲート絶縁膜12上に第1の半導体層13、該第1の半導体層13上に第2の半導体層14、該第2の半導体層14上に第3の半導体層15、該第3の半導体層15上に第2のゲート絶縁膜18、該第2のゲート絶縁膜18上に第2のゲート電極19を有している。また、第1の半導体層13および第3の半導体層15のチャネル領域には、一導電型を付与する不純物元素(nチャネル型TFTの場合は、p型不純物元素であり、pチャネル型TFTの場合は、n型不純物元素)が1×1015〜1×1017/cm3の濃度で添加されている。
【0071】
第1の半導体層13、第2の半導体層14および第3の半導体層15には、チャネル領域に添加された導電型とは異なる導電型を付与する不純物元素(nチャネル型TFTの場合は、n型不純物元素であり、pチャネル型TFTの場合は、p型不純物元素)が高濃度(1×1020〜5×1021/cm3)添加されたソース領域またはドレイン領域となる領域と、チャネル領域とソース領域またはドレイン領域16b、17bとの間にチャネル領域に添加された導電型とは異なる導電型を付与する不純物元素が低濃度(1×1018〜1×1020/cm3)に添加された低濃度不純物領域(LDD領域ともいう)16a、17aを有している。
【0072】
第1のゲート電極11は、第1のゲート絶縁膜12を介してチャネル領域と重なるように形成されており、第2のゲート電極19は第2のゲート絶縁膜18を介してLDD領域16a、17aと重なるように形成されている。
【0073】
ゲート電極が絶縁膜を介してLDD領域に重なるような構造は、GOLD(Gate−drain Overlapped LDD)構造として知られており、ドレイン近傍の高電界が緩和されてホットキャリア注入を防ぎ、劣化現象の防止に有効である。
【0074】
本発明と上記GOLD構造とを組み合わせることにより、ホットキャリア注入による劣化を防ぎ、さらに高い電界効果移動度、ドレイン電流、低いS値、しきい値と信頼性の高い半導体装置を実現することができる。
【0075】
(実施例4)
本実施例では、混晶半導体を積層することにより、図2(A−1)に示すようなエネルギーバンド構造を有するチャネル領域を含む半導体装置について説明する。なお、図2(B−1)は、従来のエネルギーバンド構造を有するチャネル領域を含む半導体装置についての説明図である。
【0076】
実施形態1と同様に、基板上に第1のゲート電極、該第1のゲート電極上に第1のゲート絶縁膜を形成する。
【0077】
次いで、第1のゲート絶縁膜上に第1の半導体層として、AlxGaAs1−x膜を形成し、続いて、第1の半導体層上に第2の半導体層として、GaAs膜を形成する。さらに、第2の半導体層上に第3の半導体層として、AlxGaAs1−x膜を形成する。
【0078】
実施例1に従い、第2のゲート絶縁膜を形成し、第2のゲート絶縁膜上に第2のゲート電極を形成した後、nチャネル型TFTのソース領域またはドレイン領域には、n型不純物元素を、pチャネル型TFTのソース領域またはドレイン領域には、p型不純物元素を添加することにより、図2(A−1)に示すようなエネルギーバンド構造を有する半導体装置を実現することができる。
【0079】
このように混晶半導体膜を積層することにより、不純物元素を添加した半導体層を積層することなく、図2(A−1)に示すようなエネルギーバンド構造を有するチャネル領域を形成することができる。
【0080】
(実施例5)
本発明を実施して形成されたCMOS回路や画素部はアクティブマトリクス型液晶ディスプレイ(液晶表示装置)に用いることができる。即ち、それら液晶表示装置を表示部に組み込んだ電気器具全てに本発明を実施できる。
【0081】
その様な電気器具としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図11、図12及び図13に示す。
【0082】
図11(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。
【0083】
図11(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。
【0084】
図11(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む。
【0085】
図11(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体2301、表示部2302、アーム部2303等を含む。
【0086】
図11(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。
【0087】
図11(F)はデジタルカメラであり、本体2501、表示部2502、接眼部2503、操作スイッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。
【0088】
図12(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置2601、スクリーン2602等を含む。
【0089】
図12(B)はリア型プロジェクターであり、本体2701、投射装置2702、ミラー2703、スクリーン2704等を含む。
【0090】
なお、図12(C)は、図12(A)及び図12(B)中における投射装置2601、2702の構造の一例を示した図である。投射装置2601、2702は、光源光学系2801、ミラー2802、2804〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズム2807、液晶表示装置2808、位相差板2809、投射光学系2810で構成される。投射光学系2810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図12(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0091】
また、図12(D)は、図12(C)中における光源光学系2801の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクター2811、光源2812、レンズアレイ2813、2814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。なお、図12(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0092】
ただし、図12に示したプロジェクターにおいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示しており、反射型の液晶表示装置の適用例は図示していない。
【0093】
図13(A)は携帯電話であり、3001は表示用パネル、3002は操作用パネルである。表示用パネル3001と操作用パネル3002とは接続部3003において接続されている。接続部3003における、表示用パネル3001の表示部3004が設けられている面と操作用パネル3002の操作キー3006が設けられている面との角度θは、任意に変えることができる。
さらに、音声出力部3005、操作キー3006、電源スイッチ3007、音声入力部3008を有している。
【0094】
図13(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3101、表示部3102、3103、記憶媒体3104、操作スイッチ3105、アンテナ3106等を含む。
【0095】
図13(C)はディスプレイであり、本体3201、支持台3202、表示部3203等を含む。本発明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)のディスプレイには有利である。
【0096】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電気器具に適用することが可能である。
【0097】
(実施例6)
本実施例では、本発明のDual Gate構造(構成a)と、一般的なDual Gate構造(構成b)とを用いてgm、ドレイン電流等のシュミレーションを行った。なお、構成a及び構成bのトランジスタはL/W=10/8μm、シングルドレイン構造を想定した。また構成aでは、第1の半導体膜および第3の半導体膜の膜厚を10nmとし、第2の半導体膜の膜厚を30nmとし、第1の半導体膜および第3の半導体膜のチャネル領域にボロンを2×1016/cm3添加し、第2の半導体膜のチャネル領域を真性(キャリア濃度を1×1010/cm3)とした。また構成bでは、半導体膜の膜厚を50nmとし、チャネル領域にボロンを2×1016/cm3添加した。これらのシュミレーション結果を図15(A)および(B)に示す。
【0098】
図15(A)には、gm(トランスコンダクタンス)を示すグラフ(イ)と、Vg−Id特性を示すグラフ(ロ)とが記載されている。グラフ(イ)をみると、構成aは構成bよりgmが高いことがわかる。このgmはトランジスタの移動度とある比例関係を有しており、構成aの移動度は構成bより大きいことが言える。
【0099】
またグラフ(ロ)をみると、飽和領域において構成aは構成bよりId(ドレイン電流)が高いことがわかる。ドレイン電流の高い構成aは、同一のドレイン電流を得ることのできる構成bと比較すると、チャネル領域を小さくでき、トランジスタの高集積化を可能とする。
【0100】
図15(B)には、Vd−Id特性を示すグラフが記載されている。図15(B)をみると、構成aは構成bよりId(ドレイン電流)が高いことが明らかにわかる。ドレイン電流の高い構成aは、同一のドレイン電流を得ることのできる構成bと比較すると、チャネル領域を小さくでき、トランジスタの高集積化を可能とする。
【0101】
以上のように本発明により、移動度やドレイン電流が向上されたトランジスタを得ることができる。このような移動度やドレイン電流が向上されたトランジスタは、ドライバ回路に用いると好ましい。
【0102】
【発明の効果】
本発明の構造を有するTFTに、反転状態となるようなしきい値電圧より高い電圧が印加すると、ポテンシャル障壁となる一導電型を付与する不純物元素が添加された第1の半導体層および第3の半導体層の間に形成された真性な第2の半導体層に反転層が広く形成されるため、キャリアが流れる領域が広がり、ドレイン電流が大きくなり、サブスレッショルド係数(S値)は小さくなる。S値が小さい素子は、立ち上がりが鋭い理想的なスイッチであると言える。
【0103】
また、チャネル領域を上記のような構造にすることにより、主な反転層が第2の半導体層に形成されるため、第2の半導体層に生じたホットキャリアが絶縁膜界面で散乱注入されることがない。したがって、電界効果移動度が向上し、さらに第1の半導体層および第2の半導体層または第2の半導体層および第3の半導体層のフェルミエネルギーの差によって生じるポテンシャルに第2の半導体層が囲まれているため、第2の半導体層で発生したホットキャリアが絶縁膜中に散乱して注入されるのを防ぐことができ、ホットキャリア劣化のドレイン電流に対する影響を小さくすることができる。
【0104】
以上のように、本発明によると信頼性、電気特性に優れた半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTFTを示す図。
【図2】本発明のチャネル領域のエネルギーバンド構造を示す図。
【図3】本発明の実施の一例を示す図。
【図4】本発明の実施の一例を示す図。
【図5】本発明の実施の一例を示す図。
【図6】本発明の実施の一例を示す図。
【図7】本発明の実施の一例を示す図。
【図8】本発明の実施の一例を示す図。
【図9】本発明の実施の一例を示す図。
【図10】本発明の実施の一例を示す図。
【図11】電気器具の一例を示す図。
【図12】電気器具の一例を示す図。
【図13】電気器具の一例を示す図。
【図14】本発明の実施の一例を示す図。
【図15】本発明のTFTの特性を示す図。
Claims (7)
- 絶縁表面上に第1の導電膜を形成し、
前記第1の導電膜上に第1の半導体膜を形成し、
前記第1の半導体膜のチャネル形成領域に不純物を添加し、
前記第1の半導体膜上に第2の半導体膜を形成し、
前記第2の半導体膜上に第3の半導体膜を形成し、
前記第3の半導体膜のチャネル形成領域に不純物を添加し、
前記第1乃至第3の半導体膜をパターニングし、
前記第1乃至第3の半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記チャネル形成領域上に第2の導電膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 絶縁表面上にnチャネル型薄膜トランジスタとpチャネル型薄膜トランジスタを有する薄膜トランジスタの作製方法において、
絶縁表面上に第1の導電膜を形成し、
前記第1の導電膜上に第1の半導体膜を形成し、
前記nチャネル薄膜トランジスタを形成する領域において、前記第1の半導体膜のチャネル形成領域にp型の不純物を添加し、
前記pチャネル薄膜トランジスタを形成する領域において、前記第1の半導体膜のチャネル形成領域にn型の不純物を添加し、
前記第1の半導体膜上に第2の半導体膜を形成し、
前記第2の半導体膜上に第3の半導体膜を形成し、
前記nチャネル薄膜トランジスタを形成する領域において、前記第3の半導体膜のチャネル形成領域にp型の不純物を添加し、
前記pチャネル薄膜トランジスタを形成する領域において、前記第3の半導体膜のチャネル形成領域にn型の不純物を添加し、
前記第1乃至第3の半導体膜をパターニングし、
前記第1乃至第3の半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記チャネル形成領域上に第2の導電膜を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 請求項1において、加熱又はレーザ照射により前記第1の半導体膜を結晶化し、
レーザ照射により前記第2の半導体膜を結晶化し、
加熱又はレーザ照射により前記第3の半導体膜を結晶化することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 請求項1又は2において、前記第1の半導体膜のチャネル形成領域に不純物を添加する方法は、イオンインプランテーション法、イオンドーピング法、プラズマドーピング法及び熱拡散法のいずれかであることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一において、前記第3の半導体膜のチャネル形成領域に不純物を添加する方法は、イオンインプランテーション法、イオンドーピング法及びプラズマドーピング法のいずれかであることを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
- 絶縁表面上に第1の導電膜を形成し、
前記第1の導電膜上にp型を付与する不純物元素が添加された第1の結晶性シリコン膜を成膜し、
前記不純物元素が添加された結晶性シリコン膜上に不純物が添加されない第2の結晶性シリコン膜を成膜し、
前記不純物元素が添加されない結晶性シリコン膜上にp型を付与する不純物元素が添加された第3の結晶性シリコン膜を成膜し、
前記第3の結晶性シリコン膜上に第2の導電膜を形成し、
前記第1乃至第3の結晶性シリコン膜にn型を付与する不純物元素を注入し、ソース領域及びドレイン領域を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。 - 絶縁表面上に第1の導電膜を形成し、
前記第1の導電膜上にn型を付与する不純物元素が添加された第1の結晶性シリコン膜を成膜し、
前記不純物元素が添加された結晶性シリコン膜上に不純物が添加されない第2の結晶性シリコン膜を成膜し、
前記不純物元素が添加されない結晶性シリコン膜上にn型を付与する不純物元素が添加された第3の結晶性シリコン膜を成膜し、
前記第3の結晶性シリコン膜上に第2の導電膜を形成し、
前記第1乃至第3の結晶性シリコン膜にp型を付与する不純物元素を注入し、ソース領域及びドレイン領域を形成することを特徴とする薄膜トランジスタの作製方法。
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