JP2004061092A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】1台の加熱調理器において、それぞれ異なる複数の加熱調理の調理方法を行なうことができ、かつ、製造コストの低廉化を実現した高速加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器1の送風手段5は、遠心ファン51と、該遠心ファン51を駆動する正逆回転可能な可逆回転モータ52bと、前記遠心ファン51を軸支し、吸込口6および上面部吹出口71と側面部吹出口72とにおいて前記加熱室3に連通し、吸込口6から吸い込んだ空気を上面部吹出口71方向と側面部吹出口72方向とに分岐する2方向分岐ファンケーシング53cとからなる送風機54により構成されており、前記加熱手段4として設置された第1ヒータ411により加熱された熱気は上面部吹出口71から、第2ヒータ412により加熱された熱気は側面部吹出口72から加熱室3に導入される。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンベクションオーブン、熱気衝撃方式オーブンなど、被調理物を加熱調理する加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンベクションオーブンとして用いられている被調理物を加熱調理する加熱調理器100は、図17に示す如く構成されるものである。図17は、従来の加熱調理装置を示す概略図である。図17において、加熱調理機100は、断熱手段にて断熱処理を施された箱体2と、該箱体2に設けられ、内部に被調理物を収納する加熱室3と、該加熱室3内の被調理物を加熱する加熱手段4と、送風手段5とから構成され、また、該送風手段5は、遠心ファン51と、該遠心ファンを駆動する駆動モータ52と、吸込口6および吹出口7において前記加熱室3に連通し、前記遠心ファンを軸支したファンケーシング53とからなる送風機54とを備えており、前記加熱手段4により加熱された熱気を前記送風手段5により前記加熱室3に導入することで加熱室3内の空気を加熱し循環させて加熱室内の温度の均一化を図り被調理物を加熱調理する。
【0003】
この種の加熱調理器1における先行資料としては、例えば実公平6−23841号公報、特開2000−329351号公報などが挙げられ、これらに記載された加熱調理器はいずれも、加熱室内の空気を加熱し循環させて加熱室内の温度の均一化を図り被調理物を加熱調理する調理方法(以下、熱風循環方式と称する。)による加熱調理器である。しかし、上記熱風循環方式による調理では、調理時間が長いという問題があった。調理時間を短縮するには、遠心ファンの回転数を高く設定し、すなわち、風量を増加し、さらに、ヒータの熱量を増加してやれば良いが、これだと消費電力が大幅に増大するだけでなく、騒音が大幅に増大するという致命的な問題があった。
【0004】
それに対して、特表平9−503334号公報には、上記熱風循環方式とは異なり、加熱手段によって加熱した空気を直接被調理物に吹きつけて加熱調理する調理方法(以下、熱気衝撃方式と称する。)にかかる加熱調理器が記載されている。熱風循環方式と熱気衝撃方式の違いは、熱風循環方式が加熱室内の温度の均一化を図る目的で送風手段を運転し、均一になった熱を用いて被加熱物に満遍なく熱を加える調理方法であるのに対して、熱気衝撃方式は、高温の空気を被加熱物に所定の方向から吹きつけ、該高温空気の作用により被加熱物を調理する点で異なる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−329351号
【特許文献2】
特表平9−503334号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この熱気衝撃方式による調理を行なう場合、ヒータで加熱された高温の空気を、送風機により高速で被調理物に衝突させることにより調理を行なうため、ヒータの消費電力の増大を抑えつつ、被調理物の調理時間を大幅に短縮できる。しかしながら、熱気衝撃方式による調理は、ローストチキン等の肉塊やピザ等の、熱気衝撃の風圧により調理の進行が妨げられない被調理物を調理する際には非常に好適であるものの、スポンジケーキ等のように、被調理物を発泡させることにより調理を行う場合や、空気を多く含有する被調理物を調理する場合には、熱気衝撃の風圧により被調理物が不格好に変形したり、固くなったり、表面が焦げるといった不都合が生じ、調理の進行が妨げられてしまうといった問題があった。
【0007】
この発明の第1の目的は、被調理物の種類を選ばず、高速に調理を行うことができる加熱調理器を低コストで提供することにある。この発明の第2の目的は、被調理物の種類を選ばず、複数の調理方法を一台の加熱調理器で可能とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱調理器は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0009】
1)すなわち、被調理物を収納する加熱室と、該加熱室内の被調理物を加熱する加熱手段と、該加熱手段の熱気を前記加熱室に導入する送風手段と、前記加熱手段および送風手段を制御する制御手段と、から成り、前記加熱手段による熱気は複数の送風経路及び吹出口を介して加熱室内に送風される構成となし、
前記制御手段は、前記加熱手段および/または前記送風手段を制御し、前記複数の送風経路の選択/組合せにより、異なる複数の熱風循環方式による加熱調理を行なうことを特徴とする。
【0010】
この構成においては、1台の加熱調理器において、複数の送風経路の選択/組合せによりそれぞれ異なる複数の加熱調理の調理方法を行なうことができる。したがって、被調理物の調理の際の制御方法を工夫することで、例えばローストチキン等の肉塊やピザ等の、熱気衝撃の風圧により調理の進行が妨げられない被調理物を調理するのに好適な調理方法と、スポンジケーキ等のように、被調理物を発泡させることにより調理を行う場合や、空気を多く含有する被調理物を調理するのに好適な調理方法とを、1台の加熱調理器で実現できる。
【0011】
2)また、前記加熱手段は、第1加熱装置と、第2加熱装置と、を備え、
前記送風手段は、第1吸込口および第1吹出口を介して前記加熱室に連通し、前記第1加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第1送風機と、第2吸込口および第2吹出口を介して前記加熱室に連通し、前記第2加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第2送風機と、を備え、
前記制御手段は、前記第1加熱装置と前記第1送風機と、前記第2加熱装置と前記第2送風機と、を制御するものであることを特徴とする。
【0012】
この構成においては、1台の加熱調理器において、2系統の加熱装置と送風機の制御の組合せを様々に変更できる。したがって、被調理物の調理の際の制御方法を工夫することで、それぞれ異なる様々な調理方法を容易に実現できる。
【0013】
3)また、前記加熱手段は、第1加熱装置と、第2加熱装置と、を備え、
前記送風手段は、吸込口と、前記第1加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第1吹出口と、前記第2加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第2吹出口とを有し、これら吸込口及び吹出口を介して前記加熱室に連通する送風機と、該送風機により前記吸込口から流入した空気を第1吹出口方向と第2吹出口方向とに分岐する分岐流路と、を備え、
前記制御手段は、前記第1加熱装置、第2加熱装置及び前記送風機を制御するものであることを特徴とする。この構成においては、1台の送風機にて、それぞれ異なる複数の加熱調理の調理方法を行なうことができ、複数の送風機を用いる場合に比べて、構成の簡略化ができコストを低廉化できる。
【0014】
4)また、前記送風手段は、送風機により送出された空気を前記吹出口に導くダクトを有し、
前記分岐流路は前記ダクトに備えられ、送風機により送出された空気を2方向へ分岐して送風できる2方向分岐ダクトを成す構成であることを特徴とする。この構成においては、分岐流路はダクトに設けられる。したがって、簡単な構成で空気を2方向に容易に分岐できる。
【0015】
5)また、前記送風機は、ファンケーシングを有し、
前記分岐流路は前記ファンケーシングにより構成され、前記送風機は2方向に送風できる2方向吹出し送風機であることを特徴とする。この構成においては、分岐流路はファンケーシングで構成される。したがって、簡単な構成で空気を2方向に容易に分岐できる。
【0016】
6)また、前記分岐流路は、2方向へ分岐する風量を自在に調節できる風量調節手段を有し、
前記制御手段は、前記風量調節手段を制御して2方向へ分岐する風量を調節することを特徴とする。この構成においては、2方向に分岐した風量を自在に調節できる。
【0017】
7)また、前記風量調節手段は、ダンパ装置であることを特徴とする。この構成においては、風量調節手段は適切な形状のダンパ装置で、簡単に形成される。
【0018】
8)また、前記風量調節手段は、絞り装置であることを特徴とする。この構成においては、風量調節手段は、適切な形状の絞り装置で形成される。したがって、複数の加熱調理に好適な風量をさらに細かく設定することができる。
【0019】
9)また、前記風量調節手段は、ファン駆動用の駆動モータの回転数を制御することで2方向へ分岐する風量を調節する制御手段であることを特徴とする。この構成においては、ファン駆動用の駆動モータの回転数の増減により2方向へ分岐する風量を調節することができる。したがって、特別な装置を用いることがなく、複数の加熱調理に好適な風量を自在に選ぶことができる。
【0020】
10)また、前記送風機は、ファン駆動用の駆動モータを有し、
前記風量調節手段は、前記駆動モータであり、前記制御手段により前記駆動モータの回転方向を制御することで2方向へ分岐する風量を調節することを特徴とする。この構成においては、ファン駆動用の駆動モータの回転方向により2方向へ分岐する風量を調節することができる。したがって、特別な装置を用いることがなく、複数の加熱調理に好適な風量を自在に選ぶことができる。
【0021】
11)また、前記加熱手段は、加熱装置を備え、
前記送風手段は、吸込口および吹出口において前記加熱室に連通し、加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する送風機を備え、
前記送風手段は、吹出口に吹出し速度を自在に可変できる吹出し速度可変装置を備え、
前記制御手段による制御方法は、前記加熱装置と、前記送風機と、前記吹出し速度可変装置と、を制御するものであることを特徴とする。この構成においては、複数の加熱調理の調理方法を実現できる加熱調理器の構成要素をもっとも簡単に構成できる。
【0022】
12)また、前記吹出し速度可変装置は、ダンパ装置であることを特徴とする。この構成においては、吹出し速度可変装置は適切な形状のダンパ装置で、簡単に形成される。
【0023】
13)また、前記吹出し速度可変装置は、絞り装置であることを特徴とする。この構成においては、吹出し速度可変装置は適切な形状の絞り装置で、簡単に形成される。
【0024】
14)また、前記送風機は、ファン駆動用の駆動モータを有し、
前記吹出し速度可変装置は、前記駆動モータであり、前記制御手段により前記駆動モータの回転数を制御することで吹出し速度を可変することを特徴とする。この構成においては、ファン駆動用の駆動モータの回転数の増減により吹出し速度を調節することができる。したがって、特別な装置を用いることがなく、複数の加熱調理に好適な風量を自在に選ぶことができる。
【0025】
15)また、前記送風機は、ファン駆動用の駆動モータを有し、
前記吹出し速度可変装置は、前記駆動モータであり、前記制御手段により前記駆動モータの回転方向を制御することで吹出し速度を可変することを特徴とする。この構成においては、ファン駆動用の駆動モータの回転方向により吹出し速度を調節することができる。したがって、特別な装置を用いることがなく、複数の加熱調理に好適な風量を自在に選ぶことができる。
【0026】
16)また、前記加熱調理器は、第1の調理方法と、第2の調理方法と、を備え、
前記第1の調理方法は、吹出口から50km/h以上の熱風を吹き出す調理方法であり、前記第2の調理方法は、吹出口から50km/h以下の熱風を吹き出す調理方法であることを特徴とする。この構成において、第1の調理方法の際には熱気衝撃方式加熱調理が可能となり、第2の調理方法の際には2段熱風循環方式加熱調理が可能となる。
【0027】
17)また、本発明の加熱調理器は、被調理物を収納する加熱室と、該加熱室の壁面を貫通して設けられた吸込口及び複数の吹出口と、前記吸込口と前記複数の吹出口のそれぞれと連通する送風経路と、前記吸込口から吸い込まれた風を前記複数の送風経路を介して吹出口から加熱室内に送風する送風手段とを備えた加熱調理器であって、前記送風手段は、ファンと、正逆回転可能なファン駆動手段とから成り、
前記複数の吹出口のうちの一つは被加熱物が載置される面と相対する面に配置されていることを特徴とする。この構成においては、被加熱物が載置される面と相対する面から吹き出される熱風は直接被調理物に吹き付けられる。これにより、加熱調理器の効率を向上させることができ、調理騒音を低減できる。
【0028】
18)また、本発明の加熱調理器は、上記構成に加えて、ファンの半径方向をr、ファンの回転方向をθ、ファンの回転軸方向をzとする円柱座標系で表記したとき、前記吸込口と前記複数の吹出口の一つとを連通する送風経路のうち、少なくとも1つは、前記ファンの近傍から開始し、前記ファンからrおよび/またはθ成分がz成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、さらに、少なくとも1回はz成分がrおよび/またはθ成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、吹出口を介して加熱室に連通しているものである加熱調理器とする。
【0029】
この構成においては、ファンから送出された風を、加熱室を形成する壁面に設けられた複数の吹出口を介して加熱室内に導く際に、効率よく送風することができる。これにより、全く異なる効果を持つ複数の調理方法を、送風効率を向上させながら、調理騒音を低減できる。
【0030】
19)また、本発明の加熱調理器は、上記構成に加えて、前記加熱室は、前記吸込口と前記吹出口を、前記加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ持ち、前記複数の送風経路すべてが、前記ファンの近傍から開始し、前記ファンからrおよび/またはθ成分がz成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、さらに、少なくとも1回はz成分がrおよび/またはθ成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、吹出口を介して加熱室に連通していることを特徴とする。
【0031】
この構成においては、ファンから送出された風を、加熱室を形成する壁面に設けられた複数の吹出口を介して加熱室内に導く際に、効率よく送風することができるだけでなく、加熱室内の温度ムラを最小限に抑えることができる。
【0032】
20)また、本発明の加熱調理器は、上記構成に加えて、前記複数の吹出口のうちの他は、その他の面に配置され、前記吸込口と前記複数の吹出口の一つとを連通する送風経路と、前記吸込口と前記複数の吹出口の他とを連通する送風経路とは、前記ファンから2方向へ「L字状」または「く字状」に分岐したものである加熱調理器とする。
【0033】
この構成においては、ファン駆動手段の回転数の調整および回転方向の切替えにより、複数の吹出口から吹出されるそれぞれの風量だけでなくそれぞれの風速比を変更できる。つまり、ファンの回転方向が或る回転方向のとき、1つの吹出口から吹出される風量および/または風速は他の吹出口から吹出される風量および/または風速に比べて大きくなり、ファンの回転方向が前述と反対の回転方向のとき、前者の吹出口から吹出される風量および/または風速は後者の吹出口から吹出される風量および/または風速に比べて小さくなる。上記のような送風が可能な加熱調理器を、特別な装置を用いることなく実現できるため、全く異なる効果を持つ複数の調理方法を1台で実現できる加熱調理器を、極めて安価に製造することができる。
【0034】
21)また、上記の構成に加えて、分岐した前記送風経路のうち一方は前記ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に向かって設置するとさらに好適である。この構成においては、ファンの回転方向が或る回転方向のとき、被加熱物が載置される面と相対する面の吹出口から吹出される風量および/または風速は他の吹出口から吹出される風量および/または風速に比べて大きくなり、ファンの回転方向が前述と反対の回転方向のとき、加熱室の上面部吹出口から吹出される風量および/または風速は他の吹出口から吹出される風量および/または風速に比べて小さくなる。
【0035】
したがって、前者の送風方法を用いれば、熱気衝撃方式による調理を主体とした調理ができ、例えばローストチキン等の肉塊やピザ等の、高速で熱風を吹き付けることでその熱気衝撃が調理の進行を促進するような被調理物に適する調理方法となる。また、後者の送風方法を用いれば、スポンジケーキ等のように、調理中に発泡する被調理物、あるいは最初から空気を多く含有している被調理物といった、熱気衝撃が調理の進行を妨げるような被調理物に適する調理方法となる。すなわち、上記のように全く異なる性質を持つ被調理物に対し、どちらにもそれぞれ好適な調理方法を1台の加熱調理器で簡単に実現できる。
【0036】
22)また、本発明の加熱調理器は、前記ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に向かって設置された送風経路は送風方向に沿って拡大することを特徴とする。
【0037】
この構成においては、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に設置された送風経路に流れる風量および/または風速が、他の送風経路に流れる風量および/または風速に対し大きい場合には、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に設置された送風経路は送風方向に沿って拡大しているため、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に設置された送風経路は流れる風の運動エネルギーを静圧に変換する、所謂ディフューザーとして働くため、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に導かれる風は増強される。また、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に設置された送風経路に流れる風量および/または風速が、他の送風経路に流れる風量および/または風速に対し小さい場合には、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に設置された送風経路は送風方向に沿って拡大しているため、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に設置された送風経路の壁面から風が剥離し、所謂チョーキング現象を生ずるため、ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に導かれる風は抑制される。すなわち、前者の場合には、被調理物被加熱物が載置される面と相対する面のある方向から高速の熱気を被調理物に対して吹付ける際の熱気の衝撃を増強でき、後者の場合には、被調理物被加熱物が載置される面と相対する面のある方向から被調理物に対して吹出される風速は抑制できるため、例えばローストチキン等の肉塊やピザ等の、高速で熱風を吹き付ければその熱気衝撃が調理の進行を促進するような被調理物を調理する場合には、調理時間をさらに短縮でき、スポンジケーキ等のように、調理中に発泡する被調理物、あるいは最初から空気を多く含有している被調理物といった、熱気衝撃が調理の進行を妨げるような被調理物を調理する場合には、ますます好適な調理が可能となる。
【0038】
23)また、本発明の加熱調理器は、前記ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に向かって設置された送風経路の断面積は、他の送風経路の断面積に比べ、大きいことを特徴とする。
【0039】
この構成においては、ファンの回転方向が或る回転方向のとき、加熱室の被加熱物が載置される面と相対する面に配置された吹出口から吹出される風量および/または風速は他の吹出口から吹出される風量および/または風速に比べて極めて大きくなり、ファンの回転方向が前述と反対の回転方向のとき、加熱室の被加熱物が載置される面と相対する面に配置された吹出口から吹出される風量および/または風速は他の吹出口から吹出される風量および/または風速に比べてやや小さくなる。したがって、例えばスポンジケーキ等のように、調理中に発泡する被調理物、あるいは最初から空気を多く含有している被調理物といった、熱気衝撃が調理の進行を妨げるような被調理物を調理する際の調理性能をほとんど劣化させることなく、ローストチキン等の肉塊やピザ等の、高速で熱風を吹き付ければその熱気衝撃が調理の進行を促進するような被調理物を調理する際の調理性能を大幅に向上することができるため、調理時間をさらに短縮できるか、調理騒音を大幅に静音化できる。
【0040】
24)また、前記加熱調理器は、第1の調理方法と、第2の調理方法と、を備え、
前記第1の調理方法は、第1の吹出口から65km/h以上の熱風を吹き出すとともに、第2の吹出口から30km/h以下の熱風を吹き出す調理方法であり、前記第2の調理方法は、第1の吹出口から30km/h以下の熱風を吹き出すとともに、第2の吹出口から40km/h以下の熱風を吹き出す調理方法であることを特徴とする。この構成において、第1の調理方法の際にはさらに好適な熱気衝撃方式加熱調理が可能となり、第2の調理方法の際にはさらに好適な2段熱風循環方式加熱調理が可能となる。
【0041】
25)また、前記加熱室は、被調理物を加熱室内にて回転させることが可能な回転手段を有し、
被調理物の加熱調理の際に、前記回転手段を動作することを特徴とする。この構成においては、被調理物の調理ムラを最小限に抑えることができる。
【0042】
26)また、前記加熱手段は、誘電加熱装置を有し、
被調理物の加熱調理の際に、前記誘電加熱装置を動作することを特徴とする。この構成においては、加熱調理に必要な時間がさらに短縮される。
【0043】
27)また、本発明の加熱調理器は、上記構成に加えて、前記吸込口と前記吹出口は、前記加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ配置されることを特徴とする。この構成においては、加熱室内の温度ムラを最小限に抑えることができる。
【0044】
28)また、本発明の加熱調理器は、上記構成に加えて、前記複数の吹出口は、前記加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ配置されることを特徴とする。この構成においては、それぞれの吹出口からの風速を制御し、それらを選択、組合せることにより、1台の加熱調理器において、全く異なる効果を持つ複数の調理方法をさらに容易に実現することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器1の断熱扉21が開いた状態における概略構成を、加熱室の開口部側(前面側)から見た斜視図であり、風の流れを理解しやすくするために送風経路を透視して記載したものである。
【0046】
図1を用いて加熱調理器1の概略構成を説明すると、加熱調理器1は、直方体状の箱体2と、該箱体2内に配置されるとともに前記箱体2とは断熱手段(図示せず)にて断熱され内部に被調理物を収納する加熱室3と、被調理物を加熱する加熱手段4(図2参照)と、該加熱手段4により加熱された熱気を前記加熱室3に搬送する送風手段5と、前記加熱手段4と前記送風手段5の動作を制御する制御手段8(図2参照)と、被調理物をそのまま或は載置台を介して載置し被調理物を回転させる回転手段9とを備えている。
【0047】
ここで、本明細書の記載に用いる方向的記載の定義について説明する。本明細書において、加熱室3の前面というときは加熱室3の開口部が配置されている面をいうものとし、加熱室3の後面というときは前記前面と相対する側の面をいうものとする。そして、前記後面から前面に向かう方向を前方、前記前面から後面に向かう方向を後方と称する。また、加熱室3の下面というときは加熱室3に被加熱物が載置される側の面をいうものとし、加熱室3の上面というときは前記下面と相対する側の面をいうものとする。そして、前記下面から上面に向かう方向を上方、前記上面から下面に向かう方向を下方と称する。この方向的記載は加熱室3のみに限らず使用する場合がある。
【0048】
図1と図2を用いて、本実施形態にかかる加熱調理器を詳細に説明する。図2は、本実施形態に係る加熱調理器1の前後方向の略中央部における上下方向断面を前面側から見た略断面図である。
【0049】
加熱調理器1は、加熱室3の後面には送風手段5が備えられている。加熱室3の後面の送風手段5と対向する箇所には送風手段5を運転した際に吸込口となる複数のパンチ孔からなる開口(以下、吸込口6と称する)が設けられている。
【0050】
送風手段5は、遠心ファン51と、該遠心ファン51を駆動する正逆回転可能な可逆回転モータ52bとを備えており、可逆回転モータ52bは遠心ファン51を軸支している。また、遠心ファン51は、遠心ファン51の半径方向をr、遠心ファン51の回転方向をθ、遠心ファン51の回転軸方向をzとする円柱座標系で表記したとき、遠心ファン51のz軸が前記加熱室3の後面から前面に向かう方向と平行になるように設置されている。
【0051】
また、加熱室3の後面には送風手段5から送出する風を上方側に導く上方側送風経路56aと、加熱室3の側方側(図1に向かって左方)に導く側方側送風経路56bの2方向に分岐する2方向分岐ファンケーシング53cが設けられている。
【0052】
なお、この2方向分岐ファンケーシング53cには種々の形状があり、その例として図1に示すように、上方側送風経路56aと側方側送風経路56bを分岐している分岐部57の分岐角度が略90度の場合、分岐部57の分岐角度が鋭角の場合(図3参照)、或は図示はしないが分岐部57の分岐角度が鈍角の場合がある。なお、本明細書では、上記のように分岐角度が90度の場合の送風経路の形状を「L字状」と称し、分岐部57が鋭角の場合または鈍角の場合を総称して「く字状」と称している。
【0053】
そして、前記2方向分岐ファンケーシング53cにより2方向に分岐された送風経路のうち一方の送風経路56aは、遠心ファン51の半径方向をr、遠心ファン51の回転方向をθ、遠心ファン51の回転軸方向をzとする円柱座標系で表記したとき、前記遠心ファン51の近傍から開始し、加熱調理器1に対し上方向に、遠心ファン51に対しrおよび/またはθ成分がz成分に比して大きいベクトルの方向かつ遠心ファン51から遠ざかる方向へ延び、1回屈曲し、そこからさらに加熱調理器1に対し前方向に、遠心ファン51に対しz成分がrおよび/またはθ成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、上面部吹出口71に至り、上面部吹出口71を介して加熱室3に連通しており、他方の送風経路56bは、前記遠心ファン51の近傍から開始し、加熱調理器1に対し左方向(図1においては、図1に向かって左方)に、遠心ファン51に対しrおよび/またはθ成分がz成分に比して大きいベクトルの方向かつ遠心ファン51から遠ざかる方向へ延び、1回屈曲し、そこからさらに加熱調理器1に対し前方向に、遠心ファン51に対しz成分がrおよび/またはθ成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、側面部吹出口72に至り、側面部吹出口72を介して加熱室3に連通している。
【0054】
また、加熱室3の上面には、上方側送風経路56aと連通する例えば直径11mmの複数の貫通孔からなる上面側吹出口71が設けられ、加熱室3の側面には、側方側送風経路56bと連通する複数のパンチ孔からなる側面側吹出口72が設けられている。
【0055】
そして、側面側吹出口72と相対する側であって加熱調理器1の前面には、使用者が加熱調理器の具体的な操作を行うための操作部81が設けられている。さらに、この操作部81の後方であって、加熱室3の側面側吹出口72が設けられている面とは相対する側の面と箱体2の側面との間の空間には、制御手段8が備えられている。
【0056】
また、上方側送風経路56a内には上方側送風経路を通過する風を加熱する上方側ヒータ411が設けられ、側方側送風経路56b内には側方側送風経路を通過する風を加熱する側方側ヒータ412が設けられている。(なお、加熱手段4というときは上方側ヒータ411と側方側ヒータ412とを総称していう。)
さらに、制御手段8の下方には上方側ヒータ411と側方側ヒータ412による加熱調理を補助するための誘電加熱装置42と、誘電加熱装置42の運転によって生じるマイクロ波を加熱室3に導くための導波管(不図示)が備えられている。
【0057】
そして、加熱室3の下面には、回転手段9が備えられており、この回転手段は所謂ターンテーブル95とターンテーブル駆動モータ91とから構成されている。なお、上方側ヒータ411、側方側ヒータ412、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91は、何れも上記制御手段8によってその動作の制御が可能である。
【0058】
以上のように形成して、送風手段5及び加熱手段4を制御手段8で制御して、調理運転を行う場合の加熱調理器1の動作について説明する。
【0059】
上記構成の加熱調理器1において、ユーザーによりターンテーブル95上の網棚(図示せず)に被調理物が載置され、操作部81に指示事項が入力されると、制御手段8である制御部82は、操作部81に入力された指示事項に基づき、あらかじめプログラムされている複数の調理方法の中から好適な調理方法を選択し、送風機54の可逆回転モータ52b、上方側ヒータ411および側方側ヒータ412、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91の動作を制御することで、被調理物を調理する。
【0060】
例えば、本実施例の加熱調理器1にてローストチキンを調理する場合には、加熱室3内の網棚上に肉塊を置き、操作部81に表示されるメニューの中からローストチキンを選択する。その指示により、制御部82は、送風機54の可逆回転モータ52b、上方側ヒータ411および側方側ヒータ412、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を作動させる。この時、遠心ファン51を可逆回転モータ52bにより図2の矢印Aの方向に高速で回転させる。
【0061】
このとき、吸込口6から吸い込まれた風は、上方側送風経路56aへ送出されるものと側方側送風経路56bへ送出されるものとに2方向分岐ファンケーシング53cにより分岐される。
【0062】
上方側送風経路56aを通過する風は、通電されて高温となった上方側ヒータ411から熱を奪って温められ上面部吹出口71から被調理物に向かって65km/h以上の風速で吹出され、側方側送風経路56bを通過する風は、通電されて高温となった側方側ヒータ411から熱を奪って温められ側面部吹出口72から30km/h以下の風速で吹出される。
【0063】
このように制御されることにより、熱気衝撃方式加熱調理が可能となり、ローストチキンは高速で調理される。なお、誘電加熱装置42は補助的に通電することも可能である。
【0064】
次に、本実施例の加熱調理器1にてスポンジケーキを調理する場合には、加熱室3内の上下に載置棚(不図示)を置き、この載置棚の各棚上にケーキ生地をそれぞれ載置し、操作部81に示されるメニューの中からスポンジケーキを選択する。その指示により、制御部82は、送風機54の駆動モータ52、側方側ヒータ412、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を作動させ、上方側ヒータ411は必要に応じて作動させる。この時、遠心ファン51は可逆回転モータ52bにより図2の矢印Bの方向に上記の矢印Aの方向に回転させた場合より低速で回転させる。
【0065】
このように可逆回転モータ52bを回転させると、上面部吹出口71から吹出される風量および風速が、側面部吹出口72から吹出される風量および風速に比べて小さくなるため、上面部吹出口71から30km/h以下の熱風を吹き出すとともに、側面部吹出口72から40km/h以下の熱風を吹き出すよう制御される。この場合、上段及び下段に置かれたスポンジケーキをふんわりと仕上げることができる。すなわち、複数段の載置棚を設けた場合に、被調理物を何れの棚に載置した場合であっても均一に満遍なく加熱調理することができる。
【0066】
なお、上記の全く異なる効果を持つ2つの調理方法は、加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ配置された複数の吹出口からの風速をそれぞれ制御し、それらを選択、組合せることにより実現できる。
【0067】
すなわち、2つの吹出口を、上面部と背面部、上面部と前面部、底面部と側面部、底面部と背面部、底面部と前面部というように、本実施形態に係る加熱調理器1とは異なる他の配置にした場合においても、さらには、2つ以上の複数の吹出口のうち、少なくとも1つの吹出口を他の吹出口と異なる壁面に配置した場合においても、ほぼ同様の効果が得られる。したがって、本実施形態に係る加熱調理器1においては、2つの吹出口をそれぞれ上面部と側面部に配置したが、吹出口の個数および配置は、これに限定するものではない。
【0068】
但し、上記のように、側方側吹出口72と制御部82及び/又は操作部81とを相対させて配置すると、側方側送風経路56bを通過する熱風の影響を制御部82及び/又は操作部81が受けないことから、制御部82及び/又は操作部81に耐熱性の高い部品を使用しなくても良いという効果がある。
【0069】
また、送風機54の可逆回転モータ52bの駆動回転数を可変にすれば上記に示す風速以外の風速による調理も可能である。また、上方側ヒータ411、側方側ヒータ412、および誘電加熱装置42の、ON、OFF、ならびに発熱量の調節を可能とすると、さまざまな被調理物の調理に好適な調理方法を実現できる。
【0070】
また、前記送風機54は、遠心ファン51としてシロッコファン、ラジアルファン、ターボファンを用いても良く、また、スペースの制約等により必要に応じて軸流ファン、斜流ファン、貫流ファンを用いても良い。また、送風機54のかわりにブロアーを用いても良い。
【0071】
さらに、ファンケーシング53においても、矩形形状であっても渦巻き状であっても円弧形状であってもよく、流れを2方向に分岐できるものであれば良い。また、2方向分岐ファンケーシング53のうち、分岐部57の対角側58の形状は図2に示すように矩形形状であっても、円弧形状(図3参照)であっても、渦巻き状であってもよい。
【0072】
さらに、吸込口6および側面部吹出口72のパンチ孔の直径は5mmでなくとも同様の効果が得られるため、これに限定されるものではない。また、形状も、パンチ孔ではなくスリット状を呈していても良く、また、網状になっていても良い。また、上面部吹出口71に関しても、直径11mmでなくとも同様の効果が得られるため、これに限定されるものではない。
【0073】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器1の断熱扉21が開いた状態における概略構成を、加熱室の開口部側(前面側)から見た斜視図であり、風の流れを理解しやすくするために送風経路を透視して記載したものである。図4は、本実施形態に係る加熱調理器1の前後方向の略中央部における上下方向断面を前面側から見た略断面図である。
【0074】
本実施形態の加熱調理器1は、図1および図2に示した第1の実施形態に係る加熱調理器1と以下の点で相違する。上方側送風経路56aの遠心ファン51近傍での断面積は、側方側送風経路56bの遠心ファン51近傍での断面積に比べ大きく、また、上方側送風経路56aは、送風方向に沿って徐々に拡大する構成となっている。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第1の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。上記の構成により、第2の実施形態に係る加熱調理器1によれば、第1の実施形態に係る加熱調理器1によって得られる効果に加えて、次のような効果が得られる。
【0075】
遠心ファン51を可逆回転モータ52bにより図4の矢印Aの方向に高速で回転させると、送風経路56aを通過する風量は送風経路56bを通過する風量よりもさらに大きくなり、さらに、送風経路56aは送風方向に沿って拡大しているため、流れる風の運動エネルギーを静圧に変換する、所謂ディフューザーとしての機能を呈し、そのため、遠心ファン51から上方向に導かれる風を第1実施形態の加熱調理器1のものに比べ大幅に増強できる。従って、遠心ファン51の能力が向上するため、遠心ファン51の回転数を第1実施形態の加熱調理器1のものに比べ低くしても、上面部吹出口71から65km/h以上の熱風を吹き出すとともに、側面部吹出口72から30km/h以下の熱風を吹き出すよう制御することができる。
【0076】
従って、例えばローストチキン等の肉塊やピザ等を調理する際には、調理騒音を大幅に静音化できる。または、遠心ファン51の回転数を第1実施形態の加熱調理器1のものと同等にすれば、上面部吹出口71から吹出される熱風の風速を80km/h以上にするとともに、側面部吹出口72から吹出される熱風の風速を40km/h程度にすることができるため、例えばローストチキン等の肉塊やピザ等を調理する際には、調理時間を大幅に短縮できる。
【0077】
また、遠心ファン51を可逆回転モータ52bにより図4の矢印Bの方向に低速で回転させると、送風経路56aを通過する風量が少ないにもかかわらず送風経路56aは送風方向に沿って拡大しているため、壁面から風が剥離し、所謂チョーキング現象を生ずる。このため、遠心ファン51から上方向に導かれる風を第1実施形態の加熱調理器1のものに比べ抑制できる。
【0078】
従って、側面部吹出口72から40km/h以下の熱風を吹き出すよう制御しても、上面部吹出口71からの風速を20km/h以下程度に抑制することができるため、例えばスポンジケーキ等のように、調理中に発泡する被調理物、あるいは最初から空気を多く含有している被調理物を、さらに好適に調理することができる。
【0079】
(第3実施形態)
上記第1実施形態及び第2実施形態については更に変形を加えうる。その変形例を図5に示す。図5は、第3の実施形態に係る加熱調理器1の前後方向の略中央部における上下方向断面を前面側から見たもので、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【0080】
まず、2方向分岐ファンケーシング53dは、図5に示すように右下部位53d1の形状が角ばっていてもよく、また、左下部位53d2の形状が、遠心ファン51から遠ざかる方向に膨らんでいてもよく、また、へこんでいてもよい。
【0081】
さらには、2方向分岐ファンケーシング53dの左上部位53d3の形状、すなわち、流路が2方向に分岐する分岐部57の先端(所謂舌部)の形状は、遠心ファン51に対向する部位が丸い形状を呈していてもよい。この場合には、調理騒音がさらに低減できる。
【0082】
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る加熱調理器1の構成を示す透視斜視図、図7は、本実施形態に係る加熱調理器1の平断面図である。本実施形態の加熱調理器1は、図3および図4に示した第2の実施形態に係る加熱調理器1と以下の点で相違する。
【0083】
側面部吹出口72が廃止され、その代わりに背面部吹出口73が設けられている。また、上方側送風経路56aは、背面部吹出口73を介して加熱室3に連通しており、加熱室3の背面に設けられた加熱手段4の背面側ヒータ413により加熱された熱気は背面部吹出口73から加熱室3に導入される。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第2の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0084】
上記の構成により、第4の実施形態に係る加熱調理器1により得られる効果は、第2の実施形態に係る加熱調理器1により得られる効果に加えて、加熱室3内の加熱室内の温度ムラはやや増大するものの、加熱室3左側のスペースを省略できるため、加熱調理器をコンパクト化できる。
【0085】
(第5実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係る加熱調理器1の構成を示す透視斜視図、図9は、本実施形態に係る加熱調理器1の平断面図である。本実施形態の加熱調理器1は、図1および図2に示した第1の実施形態に係る加熱調理器1と以下の点で相違する。2方向分岐ファンケーシング53c内にダンパ装置83が設置されており、該ダンパ装置83の動作により、送風機54から上面部吹出口71方向および側面部吹出口72方向へ搬送される風量を調節できる構成となっている。また、上面部吹出口71には、絞り装置84が備えられており、該絞り装置84の動作により、上面部吹出口71から噴出される風速を調節できる構成になっている。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第1の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0086】
上記の構成により、第5の実施形態に係る加熱調理器1によれば、第1の実施形態に係る加熱調理器1によって得られる効果に加えて、2方向分岐ファンケーシング53c内に設けたダンパ装置83、および上面部吹出口71に設けた絞り装置84の制御を行うことにより、上面部吹出口71および側面部吹出口72から吹き出される風速を簡単に調整できるだけでなく、さらに細やかな風速の微調整が可能となる。また、調理中に風速を微調整できるため、設計段階において厳密に2方向分岐ファンケーシング53cの2方向へ分岐する風量を決定する必要もなくなり、2方向分岐ファンケーシング53cの設計の難易度も大幅に簡単化され、製作コストを低廉化できる。
【0087】
(第6実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態に係る加熱調理器1の構成を示す透視斜視図、図11は、本実施形態に係る加熱調理器1の平断面図である。本実施形態の加熱調理器1は、図1および図2に示した第1の実施形態に係る加熱調理器1と以下の点で相違する。送風機54は、シロッコファン51aと、該シロッコファン51aを駆動する1方向回転の駆動モータ52と、1方向吹き出しの渦巻き状ファンケーシング53bとから成っている。また、ファンケーシング53bの吹出口は2方向分岐ダクト55に連通しており、送風機54により搬送された空気は2方向分岐ダクト55により上面部吹出口71方向と側面部吹出口72方向とに分岐される。また、2方向分岐ダクト55の分岐部には、一端を回動ダンパ装置83が設置されており、該ダンパ装置83の動作により、送風機54から上面部吹出口71方向および側面部吹出口72方向へ搬送される風量を調節できる構成となっている。また、上面部吹出口71には、絞り装置84が備えられており、該絞り装置84の動作により、上面部吹出口71から噴出される風速を調節できる構成になっている。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第1の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0088】
上記の構成により、第6の実施形態に係る加熱調理器1によれば、第1の実施形態に係る加熱調理器1によって得られる効果に加えて、送風機54にシロッコファン51aと渦巻き状ファンケーシング53bを用いているため、送風機54の送風効率が向上し騒音も低減する。さらに、ファン駆動用モータ52は1方向回転用モータであるため、効率も良くコストも安い。また、2方向分岐ダクト55に設けたダンパ装置83および上面部吹出口71に設けた絞り装置84の制御を行うことにより、上面部吹出口71および側面部吹出口72から吹き出される風速を簡単に調整できるだけでなく、さらに細やかな風速の微調整が可能となる。
【0089】
(第7実施形態)
図12は、本発明の第7の実施形態に係る加熱調理器1の構成を示す透視斜視図、図13は、本実施形態に係る加熱調理器1の平断面図である。本実施形態の加熱調理器1は、図1および図2に示した第1の実施形態に係る加熱調理器1と以下の点で相違する。送風手段5は、シロッコファン51aと、該シロッコファン51aを駆動する1方向回転の駆動モータ52と、第1吸込口61および上面部吹出口71において加熱室3に連通する1方向吹き出しの渦巻き状ファンケーシング53bとから成る第1送風機541と、シロッコファン51bと、該シロッコファン51bを駆動する1方向回転の駆動モータ52と、第2吸込口62および側面部吹出口72において加熱室3に連通する1方向吹き出しの渦巻き状ファンケーシング53cとから成る第2送風機542とから構成されている。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第1の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0090】
上記の構成により、第7の実施形態に係る加熱調理器1によれば、第1の実施形態に係る加熱調理器1によって得られる効果に加えて、第1送風機541および第2送風機542にはシロッコファン51aと渦巻き状ファンケーシング53bを用いているため、送風効率が向上し騒音も低減する。さらに、ファン駆動用モータ52は1方向回転用モータであるため、効率も良くコストも安い。また、上面部吹出口71および側面部吹出口72から吹出す風速の調整の際には、第1送風機541および第2送風機542の各々の回転数を制御するだけで良く、極めて簡単に上面部吹出口71および側面部吹出口72から吹き出される風速を調整できる。
【0091】
(第8実施形態)
図14は、本発明の第8の実施形態に係る加熱調理器1の構成を示す側面断面図、図15は、本実施形態に係る加熱調理器1の動作を表わす側面断面図である。本実施形態の加熱調理器1は、図1および図2に示した第1の実施形態に係る加熱調理器1と以下の点で相違する。送風手段5は、シロッコファン51aと、該シロッコファン51aを駆動する1方向回転の駆動モータ52と、吸込口6、第1上面部吹出口711および第2上面部吹出口712において加熱室3に連通する1方向吹き出しの渦巻き状ファンケーシング53bとからなる送風機54と、シロッコファン51aにより送出された空気の加熱室3への吹出口を、第1上面部吹出口711か、または第2上面部吹出口712かのどちらかに切り替えるダンパ装置83とから構成されており、加熱手段4として設置されたヒータ41により加熱された熱気は、ダンパ装置83の切り替えに従って、第1上面部吹出口711か、または第2上面部吹出口712かのどちらか一方から加熱室3に導入される。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第1の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0092】
上記構成の加熱調理器1において、ユーザーによりターンテーブル95上の網棚に被調理物が載置され、操作部81に指示事項が入力されると、制御手段8である制御部82は、操作部81に入力された指示事項に基づき、あらかじめプログラムされている複数の調理方法の中から好適な調理方法を選択し、送風機54の駆動モータ52、ヒータ41、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を動作制御することで、被調理物を調理する。
【0093】
例えば、本実施例の加熱調理器1にてローストチキンを調理する場合には、加熱室3内の網棚上に肉塊を置き、操作部81に表示されるメニューの中からローストチキンを選択する。その指示により、制御部82は、ダンパ装置83により送風機54の吹出口を第1上面部吹出口711に設定し、送風機54の駆動モータ52、ヒータ41、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を作動させる。この時、シロッコファン51aは駆動モータ52により高速で回転し、上面部吹出口711から50km/h以上の熱風を吹き出すよう制御される。この場合、熱気衝撃方式加熱調理が可能となり、ローストチキンは高速で調理される。
【0094】
例えば、本実施例の加熱調理器1にてスポンジケーキを調理する場合には、加熱室3内の2段網棚の各棚上にケーキ生地をそれぞれ置き、操作部81に示されるメニューの中からスポンジケーキを選択する。その指示により、制御部82は、ダンパ装置83により送風機54の吹出口を第2上面部吹出口712に設定し、送風機54の駆動モータ52、ヒータ41、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を作動させる。この時、シロッコファン51aは駆動モータ52により低速で回転し、上面部吹出口711から50km/h以下の熱風を吹き出すよう制御される。この場合、2段熱風循環方式加熱調理が可能となり、2段網棚の各段にそれぞれ置かれたスポンジケーキはふんわりと仕上がる。
【0095】
なお、送風機54の駆動モータ52の駆動回転数は可変であるため、上記に示す他の風速による調理も可能である。また、ヒータ41、および誘電加熱装置42は、ON、OFF、ならびに発熱量の調節が可能であるため、さまざまな被調理物の調理に好適な調理方法を実現できる。
【0096】
上記の構成により、第8の実施形態に係る加熱調理器1によれば、第1の実施形態に係る加熱調理器1によって得られる効果に加えて、送風機54にはシロッコファン51aと渦巻き状ファンケーシング53bを用いているため、送風効率が向上し騒音も低減する。さらに、ファン駆動用モータ52は1方向回転用モータであるため、効率も良くコストも安い。また、ヒータ41も1つで充分な効果が得られるため、部品点数が削減され、コストを低減できる。また、第1上面部吹出口711および第2上面部吹出口712から吹出す風速の調整の際には、送風機54の回転数を制御するだけで良く、極めて簡単に第1上面部吹出口711および第2上面部吹出口712から吹き出される風速を調整できる。
【0097】
(第9実施形態)
図16は、本発明の第9の実施形態に係る加熱調理器1の構成を示す側面断面図である。本実施形態の加熱調理器1は、図14および図15に示した第8の実施形態に係る加熱調理器1と相違する点は、絞り装置84を備えた吹出口7が加熱室3の上面部に配されており、送風機54により吸込口6から吸い込まれた空気は、ヒータ41により加熱され吹出口7から絞り装置84により吹出し風速を調節されて加熱室3に噴出される。その他においては、本実施形態に係る加熱調理器1は第8の実施形態に係る加熱調理器1と共通しており、同一箇所に同一番号を付して説明を省略する。
【0098】
上記構成の加熱調理器1において、ユーザーによりターンテーブル95上の網棚に被調理物が載置され、操作部81に指示事項が入力されると、制御手段8である制御部82は、操作部81に入力された指示事項に基づき、あらかじめプログラムされている複数の調理方法の中から好適な調理方法を選択し、送風機54の駆動モータ52、ヒータ41、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を動作制御することで、被調理物を調理する。
【0099】
例えば、本実施例の加熱調理器1にてローストチキンを調理する場合には、加熱室3内の網棚上に肉塊を置き、操作部81に表示されるメニューの中からローストチキンを選択する。その指示により、制御部82は、絞り装置84を作動させ吹出口7の面積を縮小し、送風機54の駆動モータ52、ヒータ41、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を作動させる。この時、シロッコファン51aは駆動モータ52により高速で回転し、吹出口7から50km/h以上の熱風を吹き出すよう制御される。この場合、熱気衝撃方式加熱調理が可能となり、ローストチキンは高速で調理される。
【0100】
例えば、本実施例の加熱調理器1にてスポンジケーキを調理する場合には、加熱室3内の2段網棚の各棚上にケーキ生地をそれぞれ置き、操作部81に示されるメニューの中からスポンジケーキを選択する。その指示により、制御部82は、絞り装置84を作動させ吹出口7の面積を拡大し、送風機54の駆動モータ52、ヒータ41、誘電加熱装置42、ターンテーブル駆動モータ91を作動させる。この時、シロッコファン51aは駆動モータ52により低速で回転し、上面部吹出口711から50km/h以下の熱風を吹き出すよう制御される。この場合、2段熱風循環方式加熱調理が可能となり、2段網棚の各段にそれぞれ置かれたスポンジケーキはふんわりと仕上がる。
【0101】
なお、送風機54の駆動モータ52の駆動回転数は可変であるため、上記に示す他の風速による調理も可能である。また、ヒータ41、および誘電加熱装置42は、ON、OFF、ならびに発熱量の調節が可能であるため、さまざまな被調理物の調理に好適な調理方法を実現できる。
【0102】
上記の構成により、第9の実施形態に係る加熱調理器1によれば、第8の実施形態に係る加熱調理器1によって得られる効果に加えて、さらに簡単な構成となるため、部品点数が削減され、コストをさらに低減できる。
【0103】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、例えばローストチキン等の肉塊やピザ等のように熱気衝撃の風圧により短時間で調理するのに好適な調理方法と、スポンジケーキ等のように発泡させることにより調理を行う場合や、空気を多く含有する被調理物を調理する調理するのに好適な調理方法とを、1台の加熱調理器で実現できるものである。構成としては、被調理物を収納し壁面に吸込口と複数の吹出口を有する加熱室と、温風を発生するための加熱手段と、その温風を加熱室と複数の送風経路間とで循環させる送風手段とから構成し、前記加熱手段の出力と、複数の送風経路の選択/組合せと、送風手段の回転速度回転方向とを制御手段により適宜制御することにより調理物に好適な調理方法を簡単な構成で実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器の断熱扉が開いた状態における概略斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器の断熱扉が開いた状態における概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る加熱調理器の断熱扉が開いた状態における概略斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る加熱調理器の断熱扉が開いた状態における概略斜視図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る加熱調理器の断熱扉が開いた状態における概略斜視図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図12】本発明の第7の実施形態に係る加熱調理器の断熱扉が開いた状態における概略斜視図である。
【図13】本発明の第7の実施形態に係る加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態に係る加熱調理器の側面から見た断面図である。
【図15】本発明の第8の実施形態に係る加熱調理器の動作を表わす側面から見た断面図である。
【図16】本発明の第9の実施形態に係る加熱調理器の側面から見た断面図である。
【図17】従来の加熱調理器の略中央部において前面から見た断面であり、送風経路の構成を透視した状態の略断面図である。
【符号の説明】
1   加熱調理器
2   箱体
3   加熱室
4   加熱手段
5   送風手段
6   吸込口
7   吹出口
8   制御手段
9   被調理物回転手段
21  断熱扉
41  ヒータ
42  誘電加熱装置
51  遠心ファン
51a シロッコファン
52  駆動モータ
52b 可逆回転モータ
53  ファンケーシング
53b 渦巻き状ファンケーシング
53c 2方向分岐ファンケーシング
54  送風機
55  2方向分岐ダクト
56  送風経路
71  上面部吹出口
72  側面部吹出口
73  背面部吹出口
81  操作部
82  制御部
83  ダンパ装置
84  絞り装置
91  ターンテーブル駆動モータ
95  ターンテーブル

Claims (28)

  1. 被調理物を収納する加熱室と、該加熱室内の被調理物を加熱する加熱手段と、該加熱手段の熱気を前記加熱室に導入する送風手段と、前記加熱手段および送風手段を制御する制御手段と、から成り、前記加熱手段による熱気は複数の送風経路及び吹出口を介して加熱室内に送風される構成となし、
    前記制御手段は、前記加熱手段および/または前記送風手段を制御し、前記複数の送風経路の選択/組合せにより、異なる複数の熱風循環方式による加熱調理を行なうことを特徴とする加熱調理器。
  2. 前記加熱手段は、第1加熱装置と、第2加熱装置と、を備え、前記送風手段は、第1吸込口および第1吹出口を介して前記加熱室に連通し、前記第1加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第1送風機と、第2吸込口および第2吹出口を介して前記加熱室に連通し、前記第2加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第2送風機と、を備え、
    前記制御手段は、前記第1加熱装置と前記第1送風機と、前記第2加熱装置と前記第2送風機と、を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記加熱手段は、第1加熱装置と、第2加熱装置と、を備え、前記送風手段は、吸込口と、前記第1加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第1吹出口と、前記第2加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する第2吹出口とを有し、これら吸込口及び吹出口を介して前記加熱室に連通する送風機と、該送風機により前記吸込口から流入した空気を第1吹出口方向と第2吹出口方向とに分岐する分岐流路と、を備え、
    前記制御手段は、前記第1加熱装置、第2加熱装置及び前記送風機を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  4. 前記送風手段は、送風機により送出された空気を前記吹出口に導くダクトを有し、
    前記分岐流路は前記ダクトに備えられ、送風機により送出された空気を2方向へ分岐して送風可能とする2方向分岐ダクトで構成したことを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
  5. 前記送風機は、ファンケーシングを有し、
    前記分岐流路は前記ファンケーシングにより構成され、前記送風機は2方向に送風可能な2方向吹出し送風機であることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
  6. 前記分岐流路は、2方向へ分岐する風量を自在に調節できる風量調節手段を有し、
    前記制御手段は、前記風量調節手段を制御して2方向へ分岐する風量を調節することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の加熱調理器。
  7. 前記風量調節手段は、ダンパ装置であることを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
  8. 前記風量調節手段は、絞り装置であることを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
  9. 前記風量調節手段は、ファン駆動用の駆動モータの回転数を制御することで2方向へ分岐する風量を調節する制御手段であることを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
  10. 前記送風機は、ファン駆動用の駆動モータを有し、
    前記風量調節手段は、前記駆動モータであり、前記制御手段により前記駆動モータの回転方向を制御することで2方向へ分岐する風量を調節することを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の加熱調理器。
  11. 前記加熱手段は、加熱装置を備え、
    前記送風手段は、吸込口および吹出口において前記加熱室に連通し、加熱装置の熱気を前記加熱室に導入する送風機を備え、
    前記送風手段は、吹出口に吹出し速度を自在に可変できる吹出し速度可変装置を備え、
    前記制御手段による制御方法は、前記加熱装置と、前記送風機と、前記吹出し速度可変装置と、を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  12. 前記吹出し速度可変装置は、ダンパ装置であることを特徴とする請求項11に記載の加熱調理器。
  13. 前記吹出し速度可変装置は、絞り装置であることを特徴とする請求項11に記載の加熱調理器。
  14. 前記送風機は、ファン駆動用の駆動モータを有し、
    前記吹出し速度可変装置は、前記駆動モータであり、前記制御手段により前記駆動モータの回転数を制御することで吹出し速度を可変することを特徴とする請求項11〜請求項13のいずれかに記載の加熱調理器。
  15. 前記送風機は、ファン駆動用の駆動モータを有し、
    前記吹出し速度可変装置は、前記駆動モータであり、前記制御手段により前記駆動モータの回転方向を制御することで吹出し速度を可変することを特徴とする請求項11〜請求項14のいずれかに記載の加熱調理器。
  16. 前記加熱調理器は、第1の調理方法と、第2の調理方法と、を備え、
    前記第1の調理方法は、吹出口から50km/h以上の熱風を吹き出す調理方法であり、前記第2の調理方法は、吹出口から50km/h以下の熱風を吹き出す調理方法であることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載の加熱調理器。
  17. 被調理物を収納する加熱室と、該加熱室の壁面を貫通して設けられた吸込口及び複数の吹出口と、前記吸込口と前記複数の吹出口のそれぞれと連通する送風経路と、前記吸込口から吸い込まれた風を前記複数の送風経路を介して吹出口から加熱室内に送風する送風手段とを備えた加熱調理器であって、
    前記送風手段は、ファンと、正逆回転可能なファン駆動手段とから成り、
    前記複数の吹出口のうちの一つは被加熱物が載置される面と相対する面に配置されていることを特徴とする加熱調和機。
  18. ファンの半径方向をr、ファンの回転方向をθ、ファンの回転軸方向をzとする円柱座標系で表記したとき、
    前記吸込口と前記複数の吹出口の一つとを連通する送風経路のうち、少なくとも1つは、前記ファンの近傍から開始し、前記ファンからrおよび/またはθ成分がz成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、さらに、少なくとも1回はz成分がrおよび/またはθ成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、吹出口を介して加熱室に連通していることを特徴とする請求項17に記載の加熱調理器。
  19. 前記加熱室は、前記吸込口と前記吹出口を、前記加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ持ち、前記複数の送風経路すべてが、前記ファンの近傍から開始し、前記ファンからrおよび/またはθ成分がz成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、さらに、少なくとも1回はz成分がrおよび/またはθ成分に比して大きいベクトルの方向かつファンから遠ざかる方向へ延び、吹出口を介して加熱室に連通していることを特徴とする請求項18に記載の加熱調理器。
  20. 前記複数の吹出口のうちの他は、その他の面に配置され、前記吸込口と前記複数の吹出口の一つとを連通する送風経路と、前記吸込口と前記複数の吹出口の他とを連通する送風経路とは、前記ファンから2方向へ「L字状」または「く字状」に分岐したものであることを特徴とする請求項17〜請求項19のいずれかに記載の加熱調理器。
  21. 分岐した前記送風経路のうち一方は前記ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に向かって設置されていることを特徴とする請求項20に記載の加熱調理器。
  22. 前記ファンから被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に向かって設置された送風経路は送風方向に沿って拡大することを特徴とする請求項21に記載の加熱調理器。
  23. 被加熱物が載置される面と相対する面のある方向に向かって設置された送風経路の断面積は、他の送風経路の断面積に比べ、大きいことを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の加熱調理器。
  24. 前記加熱調理器は、第1の調理方法と、第2の調理方法と、を備え、
    前記第1の調理方法は、第1の吹出口から65km/h以上の熱風を吹き出すとともに、第2の吹出口から30km/h以下の熱風を吹き出す調理方法であり、前記第2の調理方法は、第1の吹出口から30km/h以下の熱風を吹き出すとともに、第2の吹出口から40km/h以下の熱風を吹き出す調理方法であることを特徴とする請求項2〜請求項10、請求項17〜請求項23のいずれかに記載の加熱調理器。
  25. 前記加熱室は、被調理物を加熱室内にて回転させることが可能な回転手段を有し、
    被調理物の加熱調理の際に、前記回転手段を動作することを特徴とする請求項1〜請求項24のいずれかに記載の加熱調理器。
  26. 前記加熱手段は、誘電加熱装置を有し、
    被調理物の加熱調理の際に、前記誘電加熱装置を動作することを特徴とする請求項1〜請求項25のいずれかに記載の加熱調理器。
  27. 前記吸込口と前記吹出口は、前記加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜請求項26のいずれかに記載の加熱調理器。
  28. 前記複数の吹出口は、前記加熱室を構成する異なる壁面にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜請求項27のいずれかに記載の加熱調理器。
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