JP2004059437A - 新規なコラーゲンおよびその用途 - Google Patents

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肥塚 正博
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Abstract

【課題】動物由来のコラーゲンと同様に熱変性しにくく、かつ、使用時に容易に溶解させることのできる新規なコラーゲンを提供する。また、上記新規なコラーゲンを有効成分として含む化粧品を提供する。
【解決手段】本発明にかかるコラーゲンは、魚介類に由来し凍結乾燥させてなることを特徴とする。また、本発明にかかる化粧品は、上記本発明にかかるコラーゲンを有効成分として含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚介類に由来する新規なコラーゲンおよびそれを用いてなる化粧品に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、コラーゲンは熱に弱く、その取扱いや保存等において常に熱変性しないように留意しなければならなかった。よって、従来においては、各種コラーゲンの中でもゼラチン化する熱変性の温度が高い、陸上動物由来のコラーゲンがよく用いられていた。ここで、陸上動物由来のコラーゲンとは、陸上で生存し得る哺乳動物や鳥類などから得られるコラーゲンである(以下、本明細書においては、「陸上動物由来のコラーゲン」を、単に「動物由来のコラーゲン」と称するものとする。)。さらに、この動物由来のコラーゲンを凍結乾燥しておけば、上記熱変性をより抑え得ることが判り、これを利用したものとして、凍結乾燥しておいて使用時に再溶解させるタイプのコラーゲンが報告されている。
【0003】
しかしながら、動物由来のコラーゲンまたは上述の凍結乾燥した動物由来のコラーゲンは、溶解性または再溶解性に非常に乏しく時間がかかるため、例えば化粧品等の成分として溶解させる場合などといった実際の使用において非常に取り扱いにくいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の解決しようとする課題は、動物由来のコラーゲンと同様に熱変性しにくく、かつ、使用時に容易に溶解させることのできる新規なコラーゲンを提供することにある。また、上記コラーゲンを有効成分として含む化粧品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討および種々の推測、実験を繰り返し、溶解性に優れたコラーゲンをスクリーニングしたところ、魚介類に由来する(魚介類から得られる)コラーゲンが優れていることを見出した。しかし、通常一般的に、動物由来のコラーゲンに比べ、魚介類由来のコラーゲンのゼラチン化の熱変性温度はかなり低く、常温でも容易に熱変性してしまうほどであり取扱い性が困難である。よって、いくら溶解性に優れていたとしても、実際には冷蔵庫等により熱変性しない低温下で保管したり輸送したりする必要があり、多くの手間やコストがかかる上、たとえそのように輸送等をしたとしても、輸送前後の積み下ろし時などの短時間で部分的に変性してしまうことがあるため実用性に非常に乏しいものとされていた。そこで本発明者は、魚介類由来のコラーゲンに対してこれまでなされていなかった凍結乾燥処理をしたものであれば、魚介類由来のコラーゲン特有の優れた溶解性を保持しながら、かつ、上記動物由来のコラーゲンと同様あるいはそれ以上の耐熱変性特性を有するようにすることができるのではないかと考えた。
【0006】
かかる知見に基づき魚介類由来のコラーゲンの凍結乾燥処理したものに関し、溶解性および耐熱変性特性についてみたところ、凍結乾燥後であっても通常の魚介類由来のコラーゲンと同様に非常に優れた溶解性(再溶解性)を示し、かつ、凍結乾燥することによって動物由来のコラーゲンひいては凍結乾燥した動物由来のコラーゲンと同様もしくはそれ以上の耐熱変性特性を示すものとなることが判った。また、凍結乾燥することによって、従来と同様に、保存時などに防腐剤等を必要としないものとなる。このように、魚介類に由来し凍結乾燥させてなる新規なコラーゲン、および、この新規なコラーゲンを有効成分として含む化粧品であれば、上記課題を一挙に解決することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明にかかるコラーゲンは、魚介類に由来し凍結乾燥させてなることを特徴とする。
また、本発明にかかる化粧品は、上記本発明にかかるコラーゲンを有効成分として含むことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるコラーゲンおよび化粧品について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜実施し得る。
本発明にかかるコラーゲンは、魚介類に由来する(魚介類から得られた)コラーゲンを凍結乾燥させてなるものである。
魚介類に由来するコラーゲンとしては、通常公知の水産動物から得られるコラーゲンであればよく、特に限定はされないが、具体的には、例えば、魚類、貝類、軟体水産動物、節足水産動物、棘皮水産動物のほか、クラゲやホヤ等(以下、原料魚介類と称することがある。原料魚介類としては、魚鱗も含むとする。)から得られるコラーゲンなどが挙げられる。なかでも、魚類における魚鱗から得られるコラーゲンが無色無臭であるという点で好ましい。これらコラーゲンは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。上記魚鱗としては、各種魚類から採取された鱗を用いることができる。具体的には、例えば、タイ科やマダイ亜科のマダイを用いることができ、その他にも、同科種のチダイ、ヒレコダイ、ヘダイ亜科のクロダイ、キチヌ、ヘダイ、キダイ亜科のキダイ等を用いることができる。魚鱗は、鮮度が高いものであることが好ましく、例えば、採取された後、冷蔵保存、好ましくは冷凍保存しておくことが好ましい。
【0009】
原料魚介類からコラーゲンを抽出する方法としては、特に限定されるわけではなく、例えば、魚鱗を脱灰した後に酵素処理によってコラーゲンを抽出するといった方法(特開平5−125100号公報)や、魚皮を有機溶剤で処理した後にクエン酸水溶液によってコラーゲンを抽出するといった方法(特開2000−256398号公報)などの公知の各種抽出方法を用いればよいが、なかでも、酵素処理によりコラーゲンを抽出する方法が好ましい。酵素処理に用いることのできる酵素としては、特に限定はされないが、例えば、ペプシン、プロクターゼ、パパイン等が挙げられる。酵素処理における酵素の使用量は、特に限定はされないが、原料とする魚介類の乾燥重量に対して、1〜15重量%となるようにすればよい。
【0010】
さらに、上記酵素処理によりコラーゲンを抽出する方法においては、原料魚介類を機械的に破砕(機械的粉砕処理)しておくことが好ましい。これにより、コラーゲンの抽出効率を向上させ、高収率を実現することができるのである。機械的に破砕する方法としては、特に限定はされないが、例えば、高速ホモジナイザーを5000〜20000rpm、10〜60分間の条件下で運転する方法や、凍結後、凍結粉砕する方法等によればよい。好ましくは、破砕を行う前に、原料魚介類を膨張させておくことが望ましく、例えば、10−2〜10−3モルの希塩酸等に3〜72時間浸漬しておくようにすればよい。なお、上記破砕は、酵素処理の前であればどの時点で行ってもよい。また、上記破砕は、多段階に分けて行ってもよく、具体的には、後述するように多段階で行う酵素処理の各段階の処理前に行うことが好ましい。
【0011】
さらに、上記酵素処理によりコラーゲンを抽出する方法においては、酵素処理を多段階に分けて行うようにすることが好ましい。これにより、コラーゲンの抽出効率を向上させ、高収率を実現することができる。酵素処理を多段階で行う場合、2〜4段階に分けて行うことが好ましい。具体的には、例えば、各段階において酵素処理で得られたコラーゲン溶液から遠心分離や濾過等の手段によりコラーゲン(遠心分離の場合は上澄み液)を分離し、残った処理液(遠心分離の場合は沈殿画分)に対して次の段階でさらに酵素処理を行うようにすればよく、各段階における酵素処理の反応時間は、例えば、7〜48時間程度とすればよい。多段階の酵素処理を行う場合、酵素の使用量は、特に制限されないが、通常の酵素処理時と同様に、第1段階目の酵素処理に用いる原料魚介類の乾燥重量に対して、1〜15重量%とすればよい。
【0012】
通常、採取した原料魚介類には、例えば、背鰭や尾鰭等の夾雑物が付着・混入していたり、その表面に余剰蛋白質が付着している場合がある。このような場合は、予めこれらを取り除く目的で、採取後、上述した酵素処理等によるコラーゲン抽出操作の前に、前処理として洗浄しておくことが好ましい。具体的には、夾雑物は、水洗することにより除去すればよく、表面に付着した余剰蛋白質は、例えば、1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%の塩化ナトリウム水溶液で10〜48時間、好ましくは24〜48時間洗浄することにより除去すればよい。洗浄は、洗浄液を交換して繰り返し洗浄するのが好ましく、特に、表面に付着した余剰蛋白質を除去する際には、洗浄後の廃液が濁らない程度まで、好ましくは3〜5回程度まで、洗浄液を交換して繰り返し洗浄するのがよい。
【0013】
また、原料魚介類には、リン酸カルシウム等の無機物が含有されている場合がある。このような場合は、予めこれらを取り除く目的で、前処理として脱灰処理を行っておくことが好ましい。これにより、抽出効率をより向上させることができる。脱灰に用いる処理液としては、例えば、塩酸、エチレンジアミン4酢酸、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム、およびエチレンジアミン4酢酸4ナトリウム等の水溶液を用いることができるが、コストダウンの観点からは塩酸水溶液を用いることが好ましい。原料魚介類に対する上記処理液の使用量は、適宜設定すればよく、特に制限はない。脱灰処理の方法は、特に制限されるものではなく、例えば、上記処理液中で24〜48時間攪拌するなど、通常の方法により行えばよい。なお、脱灰処理は必要に応じて複数回行ってもよいし、必要に応じて脱灰後水洗しておいてもよい。
【0014】
原料魚介類は、上述した酵素処理の前に、前処理として、脱脂処理を行っておくことが好ましい。上述した酵素処理等のコラーゲン抽出に際しては、原料魚介類は、その油脂分含有量が0.3重量%以下であることが好ましく、上記脱脂処理により、その油脂分含有量を0.3重量%以下としておくことが好ましい。酵素処理に供する原料魚介類の油脂分含有量が0.3重量%を超える場合、得られるコラーゲンが白濁したり魚介類特有の臭いを有したりすることがあるが、油脂分含有量を上記範囲内に調整しておくことにより、無色透明で無臭の魚介類由来コラーゲンを得ることができる。脱脂処理は、例えば、エタノールやアセトン等の有機溶剤処理液、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ処理液、非イオン性界面活性剤等の界面活性剤処理液を用いて行うことができる。上記各種処理液の、原料魚介類に対する使用量は、適宜設定すればよく、特に制限はない。脱脂処理の方法は、特に制限されるわけではなく、例えば、上記処理液中で3〜48時間攪拌するなど、通常の方法により行えばよい。なお、脱脂処理は油脂分含有量が上記範囲内となるように、必要に応じて複数回行ってもよいし、必要に応じて脱脂後水洗しておいてもよい。
【0015】
酵素処理等によりコラーゲンを抽出する前に原料魚介類に対して行う、上記各種前処理については、例えば、洗浄、脱灰処理、脱脂処理の順に行えばよいが、これに限定はされない。また、上記機械的粉砕処理は、どのような順番で行ってもよい。
抽出された魚介類由来のコラーゲンは、例えば、従来から哺乳動物由来のコラーゲンの製造で行われている通常公知の物理的分離手段によって回収することができる。具体的には、酵素処理等の後、遠心分離や濾過等の手段で分離したコラーゲン(多段階の酵素処理による抽出を行った場合は、各段階後に遠心分離や濾過等の手段で分離したコラーゲンを合わせた混合物)に、塩化ナトリウム等を加えて塩濃度を上昇させるか、もしくは水酸化ナトリウム等を加えてpHを中性付近に調整することにより、コラーゲンを線維化し、その後、この線維化したコラーゲンを遠心分離法等により分離回収すればよい。さらにその後、必要に応じて、例えば精製水に再度溶解し、上述のような方法で繊維化、回収することにより、精製を行ってもよく、該精製は複数回繰り返し行ってもよい。
【0016】
なお、コラーゲンの変性を抑制するため、上述したコラーゲン抽出に関わる全ての処理は、可能な限り15℃以下の温度条件下で行うことが好ましい。
以下、魚介類から抽出したコラーゲンの凍結乾燥について説明する。通常は、凍結乾燥するに際しては、上記抽出した(精製した)コラーゲンを水や弱酸性溶液等の溶媒に溶解させたコラーゲン溶液を用いればよいが、特に限定されるわけではなく、上記抽出した(精製した)コラーゲンをそのまま用いてもよい。
魚介類由来のコラーゲンを凍結乾燥する方法としては、特に限定されるわけではなく、通常公知の方法およびその条件、すなわち、低温凍結させた後に高真空下にて凍結させたまま乾燥させることによって、容量を変化させずに水分等の溶媒分を凍結分離して蒸発(昇華)させ、孔隙を有するとともに速やかな復水性を有するものを得る方法およびその条件、を採用すればよい。また、実際に凍結乾燥する前に適宜所望の前処理を行っておいてもよい。具体的には、例えば、魚介類由来のコラーゲンまたは魚介類由来のコラーゲンの溶液をガラス製のビン等の容器に分注した後凍結乾燥させる方法や、魚介類由来のコラーゲンの溶液を液体窒素内に添加(滴下)して水滴形状(粒子形状、ビーズ形状)にしたものを凍結乾燥する方法や、魚介類由来のコラーゲンから作成したコラーゲンスポンジを粉砕機で粉末状にする方法などを挙げることができる。魚介類由来のコラーゲンの凍結乾燥に関しては、温度、圧力および時間等の各種処理条件は、通常公知の凍結乾燥法と同様の条件にて行うことができる。
【0017】
本発明のコラーゲンは、通常は、凍結乾燥前に成形等しない場合は無定形のいわゆるブロック型としての凍結乾燥コラーゲンとして得られるものであるが、例えば、粒子状であれば、所望の用途への使用時等における計量などの面で取扱いが簡便になる上、再溶解等させて用いる場合その溶解性が格段に向上するため化粧品等の有効成分として用いる場合などに好ましい。粒子状とする場合、その粒径(平均粒子径)は、特に限定はされないが、3mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mmである。3mmを超えると再溶解性の向上効果が認められにくくなるおそれがあり、小さすぎると取扱いにくくなる場合がある。このような粒子形状の魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンを得る方法としては、特に限定はされないが、具体的には、前述したように、魚介類由来のコラーゲンの溶液を液体窒素内に滴下して一旦粒子形状に成形したものをそのまま凍結乾燥処理する方法を好ましく挙げることができる。また、噴霧乾燥により一旦粉末状に成形したものをそのまま凍結乾燥処理する方法や、必要に応じてシート状等に成形した魚介類由来のコラーゲンを凍結乾燥し、凍結乾燥により得られたスポンジを粉砕機で粉末状にする方法なども挙げることができ、これらの方法によれば、より微細な粉末粒子状のものを得ることができる。粉末粒子状とする場合は、取扱い性や溶解性あるいは溶解させやすさ(いわゆるママコにならないかどうか)などを考慮して、適宜その粒子径を調整すればよい。
【0018】
本発明のコラーゲンは、化学修飾されてなるものが好ましい。化学修飾されてなることによって、弱酸性から中性までの領域(例えば、pH5.0〜7.5)での溶解性を容易にコントロールすることができ、化粧品等における溶液などとの溶解性をさらに向上させることができる。また、化学修飾以外にも、その前段階として、コラーゲンの分子末端にあるテロペプチドをペプシン処理により除去し、アテロコラーゲンの状態にしておくことが、純度も高く、抗原性もコラーゲン構造を保持した状態では最も低く、繊維再生による沈殿生成も起こしにくく、また、溶解性にも優れているので好ましい。
【0019】
化学修飾されてなるコラーゲンを得る場合は、化学修飾した魚介類由来のコラーゲンを原料として用いることが好ましい。化学修飾としては、特に限定はされないが、具体的には、コラーゲンが有するアミノ酸残基を、通常公知の反応処理により、サクシニル化、エステル化、フタル化、ミリスチル化、ミリスチル・サクシニル化等することが好ましい。なかでも、ミリスチル化、フタル化、ミリスチル・サクシニル化などの化学修飾を施したものは瞬時に溶解し得るようにすることができるため、より好ましい。
本発明のコラーゲンは、魚鱗由来のコラーゲンであることが、ほぼ無臭であるため、化粧品や食品などの商品への利用や添加を考慮した場合などに好ましい。
【0020】
本発明のコラーゲンは、さらに、海洋深層水に含有される微量成分を含むものであることが好ましい。海洋深層水の微量成分を含むことによって、コラーゲンの保湿作用等に加え、海洋深層水が本来有する様々な作用効果を合わせて発揮させることができ、特に、食品、医薬品および化粧品などの用途分野に用いることが好ましい。具体的には、上述のコラーゲンを、所望の食品、医薬品、化粧品またはこれらの原料物質に溶解または混合して、それらの有効成分として用いることにより、コラーゲンとともに海洋深層水に含まれる微量成分に由来する各種作用効果を発揮させることができる。なお、海洋深層水は、例えば、公知の海洋深層水採取技術によって得ることができる。
【0021】
上記微量成分としては、特に限定されるわけではなく、通常、海洋深層水に含まれている微量成分として公知のものすべてを挙げることができるが、具体的には、例えば、海の生産力の基本成分である、窒素、リンおよびケイ酸などの無機栄養塩や、マグネシウム、亜鉛、銅およびマンガンなどのミネラル成分などが挙げられる。
海洋深層水に含有される微量成分を含む、魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンを得る方法としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、魚介類から抽出したコラーゲン沈殿物を海洋深層水に溶解させ、その溶液を凍結乾燥する方法や、一旦得られた凍結乾燥コラーゲンを海洋深層水に溶解させ、再度凍結乾燥する方法などが挙げられる。
【0022】
本発明のコラーゲンが、海洋深層水に含有される微量成分を含む場合、その含有量は、魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンによる作用効果を極端に妨げない範囲であればよく、特に限定はされない。
本発明のコラーゲンは、波長400nmにおける透過率が85%以上であることが好ましい。このようなコラーゲンは、前述したコラーゲン抽出の各種前処理のうちの脱脂処理を行うことによって効率よく得ることができる。特に、この脱脂処理で油脂分含有量を0.3重量%以下とした原料魚介類を酵素処理することによってより効率よく得ることができる。このようなコラーゲンは、無色透明、無臭であるので、例えば化粧品、食品、医薬品等の用途においても好適に用いることができる。
【0023】
本発明のコラーゲンは、各種用途に用いることができ、特に限定はされないが、具体的には、例えば、化粧品、食料品、医薬部外品、医療用生体材料、細胞培養用基質などを挙げることができ、これら例示したものそのものとして用いてもよいし、その有効成分、必須成分または一構成物品として用いることもできる。また、後述する魚介類由来の凍結乾燥ゼラチンや、魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンペプチド、あるいは、その他のコラーゲン等と併用してもよい。
コラーゲン自体は、通常、皮膚の保湿剤・柔軟剤としても有効に用いられるものであるため、また、凍結乾燥コラーゲンは防腐剤を必要としないため、上記列挙した用途のなかでも、本発明のコラーゲンを例えば保湿剤・柔軟剤成分などとして化粧品の有効成分として用いることは好適である。なお、その際、細胞に浸透し得るコラーゲンペプチドや、美白効果のある成分や、紫外線をカットする成分や、保湿力をさらに向上させるヒアルロン酸などをも含む化粧品としてもよい。また、凍結乾燥させたコラーゲンはコラーゲンスポンジとして有用であり、例えば、膜状にしたものは場合によっては自身の質量の約30〜40倍程度の水分を吸収し保持することができるため、このスポンジに化粧品液等の所望の溶液を含ませれば、いわゆるフェイシャクマスク等への応用も好適に可能である。これは皮膚への化粧品液の有効成分の濃度勾配が一定に保持することができるので効率の良い効果が得られる。
【0024】
上記本発明のコラーゲンと同様に、魚介類由来のコラーゲンに由来するゼラチンを凍結乾燥させてなる魚介類由来の凍結乾燥ゼラチンを得ることができる。通常公知の条件で、魚介類由来のコラーゲンを熱変性させて魚介類由来のコラーゲンに由来するゼラチンを得た後、前述した凍結乾燥方法と同様の方法により、該ゼラチンまたは該ゼラチン溶液を凍結乾燥して、凍結乾燥ゼラチンを調製すればよい。
上記魚介類由来の凍結乾燥ゼラチンは、通常、本発明のコラーゲンと同様の用途に用いることができる。また、本発明のコラーゲンや、後述する魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンペプチド、あるいは、その他のコラーゲン等と併用してもよい。
【0025】
上記本発明のコラーゲンと同様に、魚介類由来のコラーゲンに由来するコラーゲンペプチドを凍結乾燥させてなる魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンペプチドを得ることができる。通常公知の条件、すなわち、魚介類由来のコラーゲンおよび/または魚介類由来のコラーゲンに由来するゼラチンを所望の酵素等により処理して魚介類由来のコラーゲンに由来するコラーゲンペプチドを得た後、前述した凍結乾燥方法と同様の方法により、該コラーゲンペプチドまたは該コラーゲンペプチド溶液を凍結乾燥して、凍結乾燥コラーゲンペプチドを調製すればよい。
上記魚介類由来の凍結乾燥コラーゲンペプチドは、通常、本発明のコラーゲンと同様の用途に用いることができる。また、本発明のコラーゲンや、上記魚介類由来の凍結乾燥ゼラチン、あるいは、その他のコラーゲン等と併用してもよい。
【0026】
本発明にかかる化粧品は、上記本発明のコラーゲンを有効成分として含む化粧品である。
本発明の化粧品においては、本発明のコラーゲンは、溶解している状態で含まれていても、混合している状態で含まれていてもよく、その含有状態は特に限定はされない。化粧品としては、例えば、一体化しているものであってその一成分としてコラーゲンが含まれているものを挙げることができる。前述したように、コラーゲンは、通常、皮膚の保湿剤・柔軟剤として有効であり化粧品の有効成分として非常に有用である。本発明の化粧品としては、具体的には、一般的化粧品すべてを挙げることができるとする。具体的には、例えば、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パックなどの基礎化粧品、洗顔料や皮膚洗浄料、マッサージ用剤、クレンジング用剤、除毛剤、脱毛剤、髭剃り処理料、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、シェービングクリーム、ファンデーション、香水類などが挙げられ、なかでも、水溶性の化粧水や乳液やローションが好ましい。
【0027】
本発明の化粧品において、本発明のコラーゲンの含有量は、化粧品の種類などに応じて適宜設定すればよく特に限定はされないが、例えば、1〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは2〜80重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。1重量%未満では、前述したコラーゲンが有する保湿や柔軟作用といった効果が十分発揮されないおそれがある。
また、本発明の化粧品においては、本発明のコラーゲン以外にも他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、細胞に浸透し得るコラーゲンペプチドや、美白効果のある成分や、保湿力をさらに向上させるヒアルロン酸などを挙げることができる。上記他の成分は、本発明のコラーゲンの作用効果を極端に妨げない範囲で含有させることが好ましい。なかでも、上記コラーゲンペプチドについては、近年、様々な作用効果、機能を有する種々のペプチドが同定されており、必要に応じて適宜所望の機能等を有するペプチドを用いることができる。
【0028】
本発明の化粧品、すなわち、上記本発明のコラーゲンを有効成分として含む化粧品としては、コラーゲンを含有する物品(本発明のコラーゲンを有効成分として含む物品)とは別に溶液を備えている形態の化粧品も好ましい。すなわち、一構成物品としてコラーゲンを含有する物品を備えるとともに、別物品として溶液をも備えている、一組のセット様の化粧品である。このような形態の化粧品は、いわゆる用時混合型の化粧品であり、使用直前または使用前の所望のタイミングで、各構成物品を溶解させたり混合したりして用いることのできる化粧品であることが好ましい。コラーゲンを含有する物品としては、本発明の化粧品として先に述べた一体型の化粧品と同様のものを挙げることができる。また、本発明のコラーゲンは、防腐剤無添加の状態で長時間好適に保存することができ、再溶解性にも優れているため、上記コラーゲンを含有する物品としては、本発明のコラーゲンのみを用いることもでき、粒子状、粉末粒子状などの形態であれば、さらに再溶解性や取扱い性に優れるため好ましい。
【0029】
上述したセット様の化粧品としては、具体的には、用時混合型に当たる化粧用品類のすべての物品を挙げることができるとするが、なかでも、フェイシャルマスクとそれに含浸させるコラーゲン含有化粧液とを含むセットや、粉末粒子状のコラーゲンと化粧水とを含むセットなどが好ましい。
上述したセット様の化粧品においては、本発明のコラーゲンの使用量は、各構成物品を混合したりさらに溶解させたりして得られる最終物品での含有量を、化粧品の種類なども考慮して、適宜設定すればよい。
また、上述したセット様の化粧品においては、本発明のコラーゲンを含有する物品および溶液以外にも他の構成物品を含んでいてもよい。他の構成物品としては、例えば、細胞に浸透し得るコラーゲンペプチドや、美白効果のある成分や、紫外線をカットする成分や、保湿力をさらに向上させるヒアルロン酸など、もしくはこれらを含む物品を挙げることができる。上記他の構成物品は、最終的に得られる化粧品等において本発明のコラーゲンの作用効果を極端に妨げない範囲の量となるような使用量で用いればよい。なかでも、上記コラーゲンペプチドについては、近年、様々な作用効果、機能を有する種々のペプチドが同定されており、必要に応じて適宜所望の機能等を有するペプチドを用いることができる。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。また、「重量%」を単に「wt%」と記すことがある。
−実施例1−
鯛の魚鱗から、抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH3.0)の小滴をつくる事により固体粒子に成形した。
【0031】
具体的には、酸可溶性コラーゲン液を、送液ポンプを用いて、内径0.4mmの中空芯に流す事により小滴を作成し、その作成した小滴を連続的に液体窒素の冷却浴中に落下させ、敏速に凍結させた。
次に、この凍結小滴を約133×10−3mbar以下の真空で、凍結乾燥機を用いて、凍結乾燥し、平均粒子径1.5mmの粒子状のコラーゲンスポンジを作成した。
この粒子状のコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH4.0のクエン酸緩衝液に再溶解し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−387°,−393°,−387°と維持されており、コラーゲンヘリックス構造が保持されている事が確認された。
【0032】
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時及び3ヶ月保存後のいずれにおいても瞬時に溶解した。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
−実施例2−
鯛の魚鱗から、抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH3.0)を5cm×5cm×1cmの容器に注ぎ、凍結させた。次に、凍結乾燥機を用いて、板状のコラーゲンスポンジを作成した。次に、この板状のコラーゲンスポンジを粉砕機を用いて粉砕する事により、コラーゲンスポンジの粉末を作成した。
【0033】
この粉末上のコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH4.0のクエン酸緩衝液に再溶解し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−391°,−387°,−386°と維持されており、コラーゲンヘリックス構造が保持されている事が確認された。
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時及び3ヶ月保存後のいずれにおいても瞬時に溶解した。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
【0034】
−実施例3−
鯛の魚鱗から、抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液をフタル酸で化学修飾する事によって、フタル化コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH7.0)を作成した。
次に、フタル化コラーゲン液の小滴をつくる事により固体粒子に成形した。
具体的には、酸可溶性コラーゲン液を、送液ポンプを用いて、内径0.4mmの中空芯に流す事により小滴を作成し、その作成した小滴を連続的に液体窒素の冷却浴中に落下し、敏速に凍結した。
【0035】
次に、この凍結小滴を約133×10−3mbar以下の真空で、凍結乾燥機を用いて、凍結乾燥し、平均粒子径1.5mmの粒子状のコラーゲンスポンジを作成した。
この粒子状のコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH7.0に調整した精製水に再溶解し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−371°,−387°,−377°と維持されており、コラーゲンヘリックス構造が保持されている事が確認された。
【0036】
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時及び3ヶ月保存後のいずれにおいても瞬時に溶解した。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
−実施例4−
鯛の魚鱗から、抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液をフタル酸で化学修飾する事によって、フタル化コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH7.0)を作成した。
【0037】
このフタル化コラーゲン液を5cm×5cm×1cmの容器に注ぎ、凍結させた。次に、凍結乾燥機を用いて、板状のコラーゲンスポンジを作成した。次に、この板状のコラーゲンスポンジを粉砕機を用いて粉砕する事により、コラーゲンスポンジの粉末を作成した。
この粉末状のコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH7.0に調整した精製水に再溶解し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−379°,−382°,−396°と維持されており、コラーゲンヘリックス構造が保持されている事が確認された。
【0038】
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時及び3ヶ月保存後のいずれにおいても瞬時に溶解した。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
−比較例1−
豚皮から抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH3.0)の小滴をつくる事により固体粒子に成形した。
具体的には、酸可溶性コラーゲン液を、送液ポンプを用いて、内径0.4mmの中空芯に流す事により小滴を作成し、その作成した小滴を連続的に液体窒素の冷却浴中に落下し、敏速に凍結した。
【0039】
次に、この凍結小滴を約133×10−3mbar以下の真空で、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、平均粒子径1.5mmの粒子状のコラーゲンスポンジを作成した。
このコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH4.0のクエン酸緩衝液に再溶解し、旋光度を測定したところ、旋光度は、それぞれ−384,−379,−387と維持されていた。
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時は溶解にかなり時間がかかった上に、3ヶ月保存後においては完全には溶解しなかった。
【0040】
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
−比較例2−
鯛の魚鱗から、抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH3.0)を作成した。
この可溶性コラーゲン液に防腐剤を加えた防腐剤添加コラーゲン液と防腐剤を加えない防腐剤無添加コラーゲン液を作成した。
このコラーゲン液を、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−379°,−198°,−124°と4℃保存のみが、コラーゲン構造を保持し、40℃保存では、完全にゼラチン化していた。
【0041】
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤添加コラーゲン溶液では菌数の増加はなかったが、防腐剤無添加コラーゲン溶液では、急激に菌数が増加していた。
−比較例3−
鯛の魚鱗から、抽出、精製した酸可溶性コラーゲン液をフタル酸で化学修飾する事によって、フタル化コラーゲン液(濃度0.3wt%、pH7.0)を作成した。
この化コラーゲン液に防腐剤を加えた防腐剤添加コラーゲン液と防腐剤を加えない防腐剤無添加コラーゲン液を作成した。
【0042】
このコラーゲン液を、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−379°,−125°,−115°と4℃保存のみが、コラーゲン構造を保持し、25℃、40℃保存では、完全にゼラチン化していた。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤添加コラーゲン溶液では菌数の増加はなかったが、防腐剤無添加コラーゲン溶液では、急激に菌数が増加していた。
−実施例5−
鯛の鱗から抽出および精製したコラーゲンの沈殿物を、pH4.0に調整した海洋深層水に溶解させてコラーゲン液(濃度0.3wt%、pH4.0)を調製し、このコラーゲン液の小滴をつくる事により固体粒子に成形した。
【0043】
具体的には、調製したコラーゲン液を、送液ポンプを用いて、内径0.4mmの中空芯に流す事により小滴を作成し、その作成した小滴を連続的に液体窒素の冷却浴中に落下し、敏速に凍結した。
次に、この凍結小滴を約133×10−3mbar以下の真空で、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、海洋深層水の有用成分、希少金属およびミネラル成分を含む、平均粒子径1.5mmの粒子状のコラーゲンスポンジを作成した。
この粒子状のコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH4.0に調整したクエン酸緩衝液に再溶解し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−389°,−391°,−399°と維持されており、コラーゲンヘリックス構造が保持されている事が確認された。
【0044】
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時及び3ヶ月保存後のいずれにおいても瞬時に溶解した。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
−実施例6−
鯛の鱗から抽出し、フタル酸で化学修飾した後、精製したコラーゲンの沈殿物を、海洋深層水に溶解させてコラーゲン液(濃度0.3wt%、pH6.3)を調製し、このコラーゲン液の小滴をつくる事により固体粒子に成形した。
【0045】
具体的には、調製したコラーゲン液を、送液ポンプを用いて、内径0.4mmの中空芯に流す事により小滴を作成し、その作成した小滴を連続的に液体窒素の冷却浴中に落下し、敏速に凍結した。
次に、この凍結小滴を約133×10−3mbar以下の真空で、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、海洋深層水の有用成分、希少金属およびミネラル成分を含む、平均粒子径1.5mmの粒子状のコラーゲンスポンジを作成した。
この粒子状のコラーゲンスポンジを、4℃、25℃、40℃のインキュベーターに、約3ヶ月間保存し、次に、pH7.0に調整した精製水に再溶解し、比旋光度を測定したところ、比旋光度は、それぞれ−397°,−397°,−391°と維持されており、コラーゲンヘリックス構造が保持されている事が確認された。
【0046】
再溶解性の試験においては、コラーゲンスポンジ作成時及び3ヶ月保存後のいずれにおいても瞬時に溶解した。
また、菌数測定(細菌、真菌、大腸菌)の結果、防腐剤無添加での菌数の増加はなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、動物由来のコラーゲンと同様に熱変性しにくく、かつ、使用時に容易に溶解させることのできる新規なコラーゲンを提供することができる。また、上記コラーゲンを有効成分として含む化粧品を提供することができる。

Claims (7)

  1. 魚介類に由来し凍結乾燥させてなる、コラーゲン。
  2. 化学修飾もされてなる、請求項1に記載のコラーゲン。
  3. 粒子状である、請求項1または2に記載のコラーゲン。
  4. 前記魚介類が魚鱗である、請求項1から3までのいずれかに記載のコラーゲン。
  5. 海洋深層水に含有される微量成分を含む、請求項1から4までのいずれかに記載のコラーゲン。
  6. 請求項1から5までのいずれかに記載のコラーゲンを有効成分として含む、化粧品。
  7. コラーゲンを含有する物品とは別に溶液を備えている、請求項6に記載の化粧品。
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