JP2004059433A - 発光性有機金属化合物及び発光素子 - Google Patents

発光性有機金属化合物及び発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が良好で、赤色または青色発光が可能な発光性有機金属化合物及びこれを用いた発光素子を得る。
【解決手段】以下の一般式(1)または一般式(2)で表されることを特徴とする発光性有機金属化合物を用いることを特徴としている。
【化1】
Figure 2004059433

【化2】
Figure 2004059433

〔一般式(1)及び(2)において、A及びBは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、Xは炭素及び水素以外のヘテロ原子を示し、Yは環状構造Bに結合する少なくとも1つの電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光効率が良好で、赤色または青色の波長域のスペクトル成分を発光可能な有機金属化合物及びこれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報技術(IT)の興隆に伴い、厚さ数mm程度の薄型で、フルカラー表示が可能な薄型表示素子への要望が高まっている。フルカラー表示を実現する手段としては、大別して、(1)光の三原色である赤色、緑色、及び青色の各単色光を発光する発光素子を多数配列する方法、(2)白色発光素子と、光の三原色の単色光を透過させるカラーフィルタとを組み合わせて用いる方法、(3)紫外光または青色光を発光する発光素子と、その光を光の三原色の単色光に波長変換する波長変換手段を組み合わせて用いる方法の3種類の方法がある。
【0003】
上記(1)の方法によりフルカラー表示可能な表示装置として、エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置が知られている。エレクトロルミネッセンス素子としては、硫化物などの無機物質を発光物質として用いる無機エレクトロルミネッセンス素子が知られている。無機エレクトロルミネッセンス素子は、駆動電圧が非常に高く、交流駆動が必要であるため、周辺駆動回路の信頼性が高めにくくなり、コストも増大する。また、高い交流電圧で駆動するため、強い電磁波が放射され、周辺の電子機器に悪影響を与える可能性があるという問題があった。
【0004】
近年、上記の問題を解決した薄型発光素子を実現するため、有機物質の非晶質薄膜を発光物質として用いる有機エレクトロルミネッセンス素子の開発が盛んに行われている。
【0005】
一般に、緑色の発光素子は高性能なものが比較的容易に実現できるのに対し、青色または赤色の薄型発光素子を実現するのは難しいとされている。有機エレクトロルミネッセンス素子においても、青色または赤色の波長域のスペクトル成分を発光可能な素子が望まれている。
【0006】
Forrest, Stephen R.らによるAppl. Phys. Lett., 1999, 75(1), 4−6においては、緑色りん光発光性物質であるトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy))を、4,4′−ビス(カルバゾール−9−イル)−ビフェニル(CBP)中に、1〜12質量%の濃度となるように混合した混合物発光層を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。このような発光素子では、Ir(ppy)の三重項励起状態からと考えられる発光ピークが認められており、良好な発光効率が得られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような三重項励起状態から発光可能なものは、通常発光に関与せず有効に利用されていなかった三重項励起状態を経由して発光が行われるため、発光効率を大きく向上することができる。従って、赤色または青色発光においても、三重項励起状態を経由して発光可能な有機エレクトロルミネッセンス素子が求められている。
【0008】
本発明の目的は、発光効率が良好で、赤色または青色発光が可能な発光性有機金属化合物及びこれを用いた発光素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の発光性有機金属化合物は、以下の一般式(1)または一般式(2)で表されることを特徴としている。
【0010】
【化23】
Figure 2004059433
【0011】
【化24】
Figure 2004059433
【0012】
〔一般式(1)及び(2)において、A及びBは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、Xは炭素及び水素以外のヘテロ原子を示し、Yは環状構造Bに結合する少なくとも1つの電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
上記一般式(1)及び(2)において、A及び/またはBは芳香族性を示すことが好ましい。また、芳香族環Aのπ電子の数を4m+2(mは自然数)とし、芳香族環Bのπ電子の数を4n+2(nは自然数)とした場合に、mはnよりも大きいことが好ましい。
【0013】
ヘテロ原子Xと金属原子Mの結合は、共有結合であってもよいし、配位結合であってもよいが、一般には配位結合であることが好ましい。
ヘテロ原子Xは、炭素よりも電気陰性度が高い元素であることが好ましく、例えば、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、りん、ヒ素、セレニウム、テルル、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる元素であることが好ましい。特に、窒素、酸素、または硫黄であることが好ましい。
【0014】
金属原子Mは、原子番号56以上の元素であることが好ましく、さらに好ましくは原子番号75以上の元素である。具体的には、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金から選ばれる少なくとも1種の元素であることが特に好ましい。
【0015】
環状構造Bに結合する置換基Yは、水素に比べ電子吸引性を示す置換基であれば特に限定されるものではなく、例えば、ハロゲン、シアノ基、あるいは、ハロゲンもしくはシアノ基によって置換されたアルキル基、フェニル基、またはアリール基などが挙げられる。
【0016】
本発明の発光性有機金属化合物としては、以下の一般式(3)〜(10)で示される構造を有する有機金属化合物が挙げられる。
【0017】
【化25】
Figure 2004059433
【0018】
【化26】
Figure 2004059433
【0019】
【化27】
Figure 2004059433
【0020】
【化28】
Figure 2004059433
【0021】
【化29】
Figure 2004059433
【0022】
【化30】
Figure 2004059433
【0023】
【化31】
Figure 2004059433
【0024】
【化32】
Figure 2004059433
【0025】
〔一般式(3)〜(10)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、Xは炭素及び水素以外のヘテロ原子を示し、Yはベンゼン環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
本発明の発光性有機金属化合物としては、以下の一般式(11)〜(14)で示される構造を有する有機金属化合物が挙げられる。
【0026】
【化33】
Figure 2004059433
【0027】
【化34】
Figure 2004059433
【0028】
【化35】
Figure 2004059433
【0029】
【化36】
Figure 2004059433
【0030】
〔一般式(11)〜(14)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、X及びZは炭素及び水素以外の互いに異なっていてもよいヘテロ原子を示し、Yはヘテロ環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
本発明の発光性有機金属化合物としては、以下の一般式(15)〜(18)で示される構造を有する有機金属化合物が挙げられる。
【0031】
【化37】
Figure 2004059433
【0032】
【化38】
Figure 2004059433
【0033】
【化39】
Figure 2004059433
【0034】
【化40】
Figure 2004059433
【0035】
〔一般式(15)〜(18)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、X及びZは炭素及び水素以外の互いに異なっていてもよいヘテロ原子を示し、Yはヘテロ環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
本発明の発光性有機金属化合物としては、以下の一般式(19)〜(22)で示される構造を有する有機金属化合物が挙げられる。
【0036】
【化41】
Figure 2004059433
【0037】
【化42】
Figure 2004059433
【0038】
【化43】
Figure 2004059433
【0039】
【化44】
Figure 2004059433
【0040】
〔一般式(19)〜(22)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、X及びZは炭素及び水素以外の互いに異なっていてもよいヘテロ原子を示し、Yはヘテロ環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
上記一般式(3)〜(22)において、Aは芳香族性を示すことが好ましい。また、芳香族環Aのπ電子の数は4m+2(mは自然数)であることが好ましい。
【0041】
ヘテロ原子Zは、炭素よりも電気陰性度が高い元素であることが好ましく、例えば、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、りん、ヒ素、セレニウム、テルル、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる元素であることが好ましい。特に、窒素、酸素、または硫黄であることが好ましい。ヘテロ原子Zは、ヘテロ原子Xと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0042】
本発明の発光性有機金属化合物は、青色または赤色の波長域のスペクトルを発光するものであることが好ましい。また、三重項励起状態を経由して発光するものであることが好ましい。また、昇華性を有するものであることが好ましい。昇華性を有するものであれば、蒸着法により発光性有機金属化合物の薄膜を形成することができる。
【0043】
本発明の他の局面に従う発光性有機金属化合物は、炭素原子と金属原子との結合を有する第1の構造部位と、炭素及び水素以外のヘテロ原子と上記金属原子との結合を有する第2の構造部位とを有する発光性有機金属化合物であり、第1の構造部位の少なくとも1つの水素が電子吸引性基で置換されていることを特徴としている。
【0044】
上記の局面の発光性有機金属化合物において、第1の構造部位及び/または第2の構造部位は芳香族環を形成していることが好ましい。また、第2の構造部位におけるヘテロ原子と金属原子の結合は、配位結合であることが好ましい。
【0045】
本発明の発光素子は、上記本発明の発光性有機金属化合物が、一対の電極間の間に配置された発光層に含有されていることを特徴としている。
発光素子の具体的な積層構造としては、陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/陰極の順に配置された積層構造や、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入層/陰極の順に配置された積層構造などを挙げることができる。
【0046】
本発明の発光性有機金属化合物においては、環状構造Bに少なくとも1つの電子吸引性基Yが結合しているため、金属原子Mと結合する炭素において電子の密度が減少し、炭素の有効な電気陰性度が増大する。この結果、金属原子Mと炭素の間の結合は強固なものとなり、有機金属化合物の化学的な安定性が増大する。
【0047】
発光物質の発光過程を量子力学的に考察すると、通電によって、電子と正孔とが結合して生じる励起状態全体のうち、およそ4分の3の比率で電子スピンが平行な三重項励起状態が生成し、およそ4分の1の比率で電子スピンが逆平行でスピン量子数の和が0となる一重項励起状態が生成する。これら2種類の励起状態のうち、一重項励起状態にある電子が基底状態へ遷移することによる発光現象は、蛍光と呼ばれる。蛍光はスピン許容である。すなわち、蛍光では、電子スピンの反転を伴う必要がないので、容易に起こる。従って、蛍光は、蛍光物質や、有機エレクトロルミネッセンスなどの発光現象において広く利用されている。
【0048】
一方、三重項励起状態にある電子が基底状態へ遷移することによる発光は、りん光と呼ばれる。りん光はスピン禁制である。パウリの排他原理によれば同一の電子軌道(この場合は基底状態が該当する)に電子スピンが平行な2つの電子が存在することはあり得ないので、電子が基底状態へ遷移して発光するためには、遷移する電子の電子スピンが何らかの摂動を受けて反転する必要がある。蛍光物質や、有機エレクトロルミネッセンスに通常用いられる物質の大部分では、電子スピンの反転は困難である。従って、りん光は、極限られた物質において、液体窒素温度以下の極低温領域でのみ観測される特殊な現象として知られている。
【0049】
本発明の発光性有機金属化合物は、遷移する電子の電子スピンが受ける摂動、すなわちスピン−軌道相互作用が大きくなるので、三重項励起状態を経由する発光が有意に観測されるようになる。従って、通常は、発光に関与せず有効に利用されていなかった三重項励起状態を経由しての発光が行われるようになり、発光効率を大きく向上させることができる。
【0050】
本発明の発光性有機金属化合物は、金属原子Mを与える第1の原料と、有機金属原子Mに結合する有機化合物分子を与える第2の原料とを反応させることにより製造することができる。
【0051】
第1の原料としては、金属原子Mの金属錯体を用いることができる。金属原子Mの酸化数は、0〜3であることが好ましい。金属原子Mとしては、上述のように、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金などが好ましく用いられる。各金属の最も好ましい酸化数を例示すると、タングステン(0)、レニウム(I)、オスミウム(II)、イリジウム(III)、白金(II)、金(I)である。
【0052】
金属錯体の配位子としては、2座配位子であるβ−ジケトネート基、ピコリン酸、N−メチルサリチルイミンなどが好ましい。βジケトネート基としては、アセチルアセトネート基が一般に用いられるが、必要に応じてフェニル基などの置換基で置換したアセチルアセトネート基を用いてもよい。第1の原料としては、上記のように金属錯体が好ましく用いられるが、金属錯体の代わりに、対応する酸化数の金属塩化物またはカルボニル錯体を用いてもよい。
【0053】
第2の原料としては、一般式(1)及び(2)において、金属原子Mと結合する有機化合物が用いられる。すなわち、環状構造A及びBを有し、ヘテロ原子Xを有し、かつ環状構造Bに電子吸引性基Yが結合した有機化合物が用いられる。
【0054】
第2の原料として用いられる有機化合物分子は、電子吸引性基により置換されているが、電子吸引性基で置換される前の状態の有機化合物分子の例としては、1,7−フェナントロリン、2−フェニルキノリン、ベンゾ〔h〕キノリン、4−フェニルピリミジン、2−(1−ナフチル)ピリジン、2−(2−ナフチル)ピリジン、2−フェニルピリジン、2−(チオフェン−2′−イル)ピリジン、2−(ベンゾチオフェン−2′−イル)ピリジン、2−フェニルオキサゾール、2−フェニル(ベンゾオキサゾール)、2−(1−ナフチル)ベンゾオキサゾール、2−(2−ナフチル)ベンゾオキサゾール、2−フェニルチアゾール、2−フェニル(ベンゾチアゾール)、2−(1−ナフチル)ベンゾチアゾール、2−(2−ナフチル)ベンゾチアゾール、2−(チオフェン−2′−イル)チアゾール、2−(チオフェン−2′−イル)ベンゾチゾール、2−(ベンゾチオフェン−2′−イル)ベンゾチアゾール、2−(1−ナフチル)キノリン、2−(2−ナフチル)キノリンなどが挙げられ、これらの化合物に電子吸引性基を結合させたものが第2の原料としての有機化合物分子として用いることができる。
【0055】
2−フェニルピリジンを基本骨格とし、電子吸引性基が結合した有機化合物分子の例としては、2−(2−フルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(3−フルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(4−フルオロフェニル−1−イル)−ピリジン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(2,4−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(2,5−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(3,4−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(3,5−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(4,5−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン;
2−(2,3,4−トリフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(2,3,5−トリフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(2,4,5−トリフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(3,4,5−トリフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン;
2−(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル−1−イル)−ピリジン;
2−(2−トリフルオロメチルフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(3−トリフルオロメチルフェニル−1−イル)−ピリジン、2−(4−トリフルオロメチルフェニル−1−イル)−ピリジンなどが挙げられる。
【0056】
第1の原料と第2の原料を反応させることにより、第1の原料における配位子の全部もしくは一部が、第2の原料によって置き換わることにより、上記一般式(1)または一般式(2)で表される本発明の発光性有機金属化合物を得ることができる。一般式(2)における配位子Lbは、第1の原料の金属錯体における配位子が置き換わらずに残ったものであってもよい。
【0057】
本発明の発光性有機金属化合物を合成する際の反応溶媒としては、極性が高く、沸点が高いものが好ましい。反応溶媒の好適な例としては、1,2−ジニトロベンゼン(沸点300℃以上)、1,3−ジニトロベンゼン(沸点297℃)、グリセロール(1,2,3−プロパントリオール、沸点290℃)、ジエチレングリコール(2,2′−オキシビス−エタノール、沸点244℃)、1,2,3−トリクロロベンゼン(沸点218℃)、1,2,4−トリクロロベンゼン(沸点214℃)、ニトロベンゼン(沸点210℃)、エチレングリコール(1,2−エタンジオール、沸点197℃)、ジメチルスルホキシド(沸点189℃)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール、沸点187℃)、1,2−ジクロロベンゼン(沸点180℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点153℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(2−エトキシエタノール、沸点136℃)、クロロベンゼン(沸点132℃)、1,4−ジオキサン(沸点101℃)、エタノール(沸点78℃)、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、水及びそれらの混合物などが挙げられる。
【0058】
本発明の発光性有機金属化合物の具体例としては、以下の(化45)〜(化56)に示すような構造を有する有機金属化合物が挙げられる。
化45:トリス(2−(3,5−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジナト−N,C′)イリジウム(III)
化46:ビス(2−(7−フルオロベンゾチオフェン−2′−イル)−ピリジナト−N,C′)アセチルアセトナト イリジウム(III)
化47:トリス(2−(4−フルオロフェニル−1−イル)−ピリジナト−N,C′)レニウム(III)
化48:トリス(2−(5−フルオロチオフェン−2′−イル)−ピリジナト−N,C′)イリジウム(III)
化49:トリス(2−(4−フルオロフェニル−1−イル)−1,3−オキサゾラト−N,C′)イリジウム(III)
化50:ビス(2−(6−シアノナフタレン−2−イル)ベンゾチアゾラト−N,C′)アセチルアセトナト イリジウム(III)
化51:ビス(7−フルオロベンゾ〔h〕キノリナト−N,C10)アセチルアセトナト イリジウム(III)
化52:ビス(2−(4−フルオロフェニル−1−イル)ピリジナト−N,C′)白金(II)
化53:トリス(2−(5−フルオロフェニル−1−イル)ピリジナト−N,C′)金(III)
化54:トリス(2−(4−フルオロフェニル−1−イル)ベンゾ〔c〕キノリナト−N,C′)イリジウム(III)
化55:トリス(2−(4−シアノフェニル−1−イル)キノリナト−N,C′)イリジウム(III)
化56:ビス(2−(4−シアノフェニル−1−イル)ベンゾチアゾラト−N,C′)アセチルアセトナト イリジウム(III)
【0059】
【化45】
Figure 2004059433
【0060】
【化46】
Figure 2004059433
【0061】
【化47】
Figure 2004059433
【0062】
【化48】
Figure 2004059433
【0063】
【化49】
Figure 2004059433
【0064】
【化50】
Figure 2004059433
【0065】
【化51】
Figure 2004059433
【0066】
【化52】
Figure 2004059433
【0067】
【化53】
Figure 2004059433
【0068】
【化54】
Figure 2004059433
【0069】
【化55】
Figure 2004059433
【0070】
【化56】
Figure 2004059433
【0071】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例によりより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能なものである。
【0072】
(実施例1)トリス(2−(3,5−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジナト−N,C′)イリジウム(III)の合成
反応容器として、容量約500cmのホウ−ケイ酸ガラス製の四ツ口フラスコ(以下、単に反応容器という)を用意し、冷却部の長さが約20cmの玉入り型水冷式冷却管(以下、単に冷却管という)を、共通摺り合せジョイントで気密性が保たれるように接続した。反応容器の上部の接続口には、モータ、ジョイント、ガラス製撹拌棒、及びフッ素樹脂製撹拌羽根からなる機械式撹拌装置と、撹拌棒が貫通した気密シールが接続されており、気密性を保ったまま、反応容器の内容物を効率よく撹拌できるようにした。反応容器の側部一方の接続口には、不活性ガスを導入するための封じ込み型接続管が接続されており、気密性を保ったまま、不活性ガスを反応容器内の上部空間中に導入できるようにした。反応容器の側部他方の接続口には、不活性ガスを反応容器の内容物に吹込むためのガラスの細管が接続されており、気密性を保ったまま、不活性ガスを吹込み、内容物中の溶存酸素を除去できるようにした。
【0073】
反応溶媒として50cmのグリセロール(以下、単に反応溶媒という)を反応容器に入れ、不活性ガスとして酸素を除去した窒素ガス(以下、単に不活性ガスという)をガラスの細管を通じて約15分間吹込み、反応溶媒中の溶存酸素を除去した。不活性ガスを吹込みながら、100℃まで徐々に加熱して粘性と、酸素の溶解度とを低下させ、溶存酸素を高度に除去した。その後、接続管から不活性ガスを導入しながら、反応溶媒を室温(約25℃)まで冷却した。
【0074】
接続管から不活性ガスを導入しながら、前記第1の原料として、1mmolのトリス(アセチルアセトナト)イリジウム(III)を反応容器に入れ、前記の溶存酸素を高度に除去した反応溶媒中に溶解させた。その後、接続管から不活性ガスを導入しながら、前記第2の原料として、3.5mmolの(3,5−ジフルオロフェニル−1−イル)ピリジンを加え、室温で約10分間撹拌し、よく混合させた。この混合物を撹拌しながら、穏やかに加熱し、反応溶媒が蒸発し、冷却塔で凝縮されて、反応容器に還流する条件を維持しながら10時間加熱を続けた。還流時の反応容器底部の外壁温度はおよそ295℃であった。
【0075】
この反応混合物を約30℃までゆっくりと冷却した後、1モル/リットルの濃度の希塩酸水溶液を200cm加え、未反応の前記第2の原料を塩酸塩として溶解させた。この時、未反応の前記第1の原料も溶液中に大部分溶解したと考えらる。淡黄色の沈殿が生じたので、沈殿物を吸引濾過により集めた。さらに、溶解度の高い不純物を除去するため、少量のメタノールでフィルター上の沈殿物を洗浄した後、溶媒を蒸発させて、目的とする有機金属化合物を得た。
【0076】
上記の操作により、目的の有機金属化合物がおよそ0.4mmol得られた(収率約40%)。この化合物に波長約370nmの紫外線を照射すると、青色の発光が観測された。
【0077】
目的の有機金属化合物をさらに精製するため、5Pa以下の真空度で約300℃まで加熱して、昇華精製を行った。昇華精製による損失は約50%であり、褐色の非昇華性残留物が認められた。昇華精製物を元素分析したところ、予測される組成とほぼ一致する分析結果が得られた。
【0078】
(実施例2)ビス(2−(7−フルオロベンゾチオフェン−2′−イル)ピリジナト−N,C′)アセチルアセトナト イリジウム(III)の合成
反応溶媒としてジエチレングリコール、第1の原料として1mmolの塩化イリジウム(III)、及び第2の原料として2.5mmolの2−(6−フルオロベンゾチオフェン−2′−イル)ピリジンを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、イリジウムの2核錯体と考えられる中間体を合成した。
【0079】
次いで、反応容器として容量約100cmの四ツ口フラスコ、反応溶媒としてジエチレングリコール、第1の原料として0.1mmolの上記中間体、配位子として0.25mmolのアセチルアセトン、脱離する塩素の吸収剤として110mgの炭酸ナトリウムを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、目的とする有機金属化合物を得た。この化合物に波長約370nmの紫外線を照射すると、赤色の発光が観測された。昇華精製物を元素分析したところ、予測される組成とほぼ一致する分析結果が得られた。
【0080】
(実施例3)トリス(2−(4−フルオロフェニル−1−イル)−ピリジナト−N,C′)レニウム(III)の合成
反応溶媒として1,3−ジニトロベンゼン、第1の原料として1mmolの塩化レニウム(III)、第2の原料として(4−フルオロフェニル−1−イル)−ピリジンを用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、目的とする有機金属化合物を得た。この化合物に波長約370nmの紫外線を照射すると、青色の発光が観測された。昇華精製物を元素分析したところ、予測される組成とほぼ一致する分析結果が得られた。
【0081】
(実施例4)発光素子の作製と評価
あらかじめIn−SnO(ITO)からなる陽極を形成したガラス基板上に、10−4Pa台の真空度で蒸着法により、有機薄膜、次いでインジウムとマグネシウムとの合金(Mg:In)からなる陰極を形成し、発光素子を作製した。以下、有機薄膜の形成工程について詳細に説明する。
【0082】
ITOからなる陽極表面に正孔注入層として、(化57)に示す4,4,4−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATAと略記する。以下同様)からなる層、次いで正孔輸送層として(化58)に示す4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ〕ビフェニル(NPB)からなる層を形成した。その後、混合物発光層として、(化59)に示す4,4′−ビス(カルバゾール−9−イル)−ビフェニル(CBP)に、実施例1で合成したトリス(2−(3,5−ジフルオロフェニル−1−イル)−ピリジナト−N,C′)イリジウム(III)を10質量%混合した層を形成し、次いで正孔阻止層として(化60)に示す2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)からなる層を形成した後、電子注入層として(化61)に示すアルミニウムトリス(8−ヒドロキシキノリン)(Alq)からなる層を形成し、さらにインジウムを10質量%含むマグネシウム合金(Mg:In)からなる陰極を蒸着し発光素子を作製した。
【0083】
【化57】
Figure 2004059433
【0084】
【化58】
Figure 2004059433
【0085】
【化59】
Figure 2004059433
【0086】
【化60】
Figure 2004059433
【0087】
【化61】
Figure 2004059433
【0088】
水晶振動子式膜厚計で求めた各層の膜厚を次式のかっこ内に示す。
ITO/MTDATA(20nm)/NPB(10nm)/混合物発光層(20nm)/BCP(10nm)/Alq(20nm)/Mg:In(200nm)。
【0089】
MTDATAの簡略化した分子式はC5748(簡略化した分子式における数字は分子内の原子数を表す。以下同様)であり、モル質量は789.04g/molであり、融点は203℃、ガラス転移温度は75℃であり、イオン化ポテンシャルは5.1eVであり、最高被占有分子軌道(HOMO)と最低空分子軌道(LUMO)との間のエネルギーギャップは3.1eVであった。
【0090】
NPBの簡略化した分子式はC4432であり、モル質量は588.75g/molであり、融点は277℃、ガラス転移温度は96℃であり、イオン化ポテンシャルは5.4eVであり、HOMOとLUMOとの間のエネルギーギャップは3.1eVであった。
【0091】
BCPの簡略化した分子式はC2620であり、モル質量は360.45g/molであり、融点は279〜283℃であり、イオン化ポテンシャルは6.7eVであり、HOMOとLUMOとの間のエネルギーギャップは3.5eVであった。BCPのイオン化ポテンシャルは大きいので、BCP層に正孔が注入されるのは困難となり、正孔阻止層として作用すると考えられる。
【0092】
Alqの簡略化した分子式はC2718Alであり、モル質量は459.4318g/molであり、融点は存在せず、熱分解温度は412℃、ガラス転移温度は175℃であり、イオン化ポテンシャルは5.7eVであり、HOMOとLUMOとの間のエネルギーギャップは2.7eVであった。
【0093】
上記発光素子に直流電圧を印加して通電したところ、輝度100cd/mの青色の発光が得られ、この時の電流発光効率は3.1cd/Aであった。輝度は電流密度におおよそ比例したので、輝度を非常に制御しやすいことも確認できた。
【0094】
(実施例5)発光素子の作製と評価
混合物発光層として、CBPに実施例2で合成したビス(2−(6−フルオロベンゾチオフェン−2′−イル)ピリジナト−N,C′)アセチルアセトナトイリジウム(III)を10質量%混合して用いた以外は実施例4と同様にして発光素子を作製した。この発光素子に直流電圧を印加して通電したところ、輝度100cd/mの赤色の発光が得られ、この時の電流発光効率は3cd/Aであった。輝度は電流密度におおよそ比例した。
【0095】
(実施例6〜15及び比較例1〜12)発光素子の作製と評価
混合物発光層として、CBPに表1に示す有機金属化合物を10質量%混合して用いた以外は実施例4と同様にして発光素子を作製した。表1に示すように、実施例6〜15においては、(化47)〜(化56)に示す構造の有機金属化合物を用いた。また、比較例1〜12においては、(化45)〜(化56)に示す有機金属化合物において、置換基FまたはCNがない構造の有機金属化合物を用いている。
【0096】
得られた発光素子に直流電圧を印加して通電し、輝度100cd/mにおける発光色及び発光効率を表1に示した。なお、表1には実施例4及び5の結果も併せて示した。
【0097】
【表1】
Figure 2004059433
【0098】
(実施例16〜38及び比較例13〜17)発光素子の作製と評価
混合物発光層として、CBPに表2及び表3に示す有機金属化合物を10質量%混合して用いた以外は、実施例4と同様にして発光素子を作製した。
【0099】
実施例16〜38においては、一般式(23)〜(28)において、表2及び表3に示すM、s、Lb、及びtである有機金属化合物を用いた。配位子Lbにおいて、acacは式(29)に示すアセチルアセトナト配位子であり、picは式(30)に示すピコリナト配位子であり、COはカルボニル配位子である。
【0100】
比較例13〜17においては、実施例17〜21において置換基CFがない構造の有機金属化合物を用いた。
得られた発光素子に直流電圧を印加して通電し、輝度100cd/mにおける発光色及び発光効率を表2及び表3に示した。
【0101】
【化62】
Figure 2004059433
【0102】
【化63】
Figure 2004059433
【0103】
【化64】
Figure 2004059433
【0104】
【化65】
Figure 2004059433
【0105】
【化66】
Figure 2004059433
【0106】
【化67】
Figure 2004059433
【0107】
【化68】
Figure 2004059433
【0108】
【化69】
Figure 2004059433
【0109】
【表2】
Figure 2004059433
【0110】
【表3】
Figure 2004059433
【0111】
【発明の効果】
本発明によれば、発光効率が良好で、かつ、赤色または青色発光が可能な有機金属化合物とすることができる。
【0112】
また、本発明の発光素子は、上記本発明の発光性有機金属化合物を発光層に含有することにより、発光効率が良好なフルカラー表示装置等とすることができる。

Claims (23)

  1. 以下の一般式(1)または一般式(2)で表されることを特徴とする発光性有機金属化合物。
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    〔一般式(1)及び(2)において、A及びBは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、Xは炭素及び水素以外のヘテロ原子を示し、Yは環状構造Bに結合する少なくとも1つの電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
  2. 一般式(1)及び(2)において、A及び/またはBが芳香族性を示すことを特徴とする請求項1に記載の発光性有機金属化合物。
  3. 芳香族環Aのπ電子の数が4m+2(mは自然数)であり、芳香族環Bのπ電子の数が4n+2(nは自然数)であり、mがnよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の発光性有機金属化合物。
  4. 以下の一般式(3)〜(10)で表されることを特徴とする発光性有機金属化合物。
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    〔一般式(3)〜(10)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、Xは炭素及び水素以外のヘテロ原子を示し、Yはベンゼン環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
  5. 以下の一般式(11)〜(14)で表されることを特徴とする発光性有機金属化合物。
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    〔一般式(11)〜(14)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、X及びZは炭素及び水素以外の互いに異なっていてもよいヘテロ原子を示し、Yはヘテロ環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
  6. 以下の一般式(15)〜(18)で表されることを特徴とする発光性有機金属化合物。
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    〔一般式(15)〜(18)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、X及びZは炭素及び水素以外の互いに異なっていてもよいヘテロ原子を示し、Yはヘテロ環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
  7. 以下の一般式(19)〜(22)で表されることを特徴とする発光性有機金属化合物。
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    Figure 2004059433
    〔一般式(19)〜(22)において、Aは環状構造を示し、Mは金属原子を示し、X及びZは炭素及び水素以外の互いに異なっていてもよいヘテロ原子を示し、Yはヘテロ環に結合する電子吸引性基を示し、Lbは単座または多座の配位子を示し、p、q及びrは自然数である。〕
  8. 一般式(3)〜(22)において、Aが芳香族性を示すことを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  9. 芳香族環Aのπ電子の数が4m+2(mは自然数)であることを特徴とする請求項8に記載の発光性有機金属化合物。
  10. ヘテロ原子Xが、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、りん、ヒ素、セレニウム、テルル、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる元素であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  11. ヘテロ原子Xが、窒素、酸素、または硫黄であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  12. ヘテロ原子Xが、炭素よりも電気陰性度が高い元素であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  13. ヘテロ原子Zが、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、りん、ヒ素、セレニウム、テルル、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素から選ばれる元素であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  14. ヘテロ原子Zが、窒素、酸素、または硫黄であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  15. ヘテロ原子Zが、炭素よりも電気陰性度が高い元素であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  16. 金属原子Mが、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、及び金から選ばれる少なくとも1種の元素であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  17. 電子吸引性基Yがハロゲン、シアノ基、あるいは、ハロゲンもしくはシアノ基によって置換されたアルキル基、フェニル基、またはアリール基であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  18. 青色または赤色の波長域のスペクトルを発光することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  19. 昇華性を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物。
  20. 炭素原子と金属原子との結合を有する第1の構造部位と、炭素及び水素以外のヘテロ原子と前記金属原子との結合を有する第2の構造部位とを有する発光性有機金属化合物であって、
    前記第1の構造部位の少なくとも1つの水素が電子吸引性基で置換されていることを特徴とする発光性有機金属化合物。
  21. 前記第1の構造部位及び/または前記第2の構造部位が芳香族環を形成していることを特徴とする請求項20に記載の発光性有機金属化合物。
  22. 前記第2の構造部位におけるヘテロ原子と金属原子の結合が、配位結合であることを特徴とする請求項20または21に記載の発光性有機金属化合物。
  23. 請求項1〜22のいずれか1項に記載の発光性有機金属化合物が、一対の電極の間に配置された発光層に含有されていることを特徴とする発光素子。
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