JP2004059302A - ホース緩み防止機構付動力噴霧機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホースリール11、ホース整列装置12およびホース緩み防止機構を備えた動力噴霧機であって、該ホース緩み防止機構を、ホースの移動を検知するホース検知装置91と、前記ホースリール11の回動を制動止するブレーキ装置92と、その両者間を接続する連結部材93とで構成する。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホース巻取機付動力噴霧機のホース緩み防止機構に関する。より詳しくは、動力噴霧機移動時などホースを使用しない時はホース巻取機を制動してホースの緩みを防止し、ホースの繰り出し・巻取り作業時には、ブレーキを解除してホース巻取りを行ないやすくするホース緩み防止機構の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エンジンからの動力によりホースの繰り出し及び巻取りを行なうホース整列装置を備えた自走式動力噴霧機の技術は公知となっている。
この技術においては、エンジンの動力を伝達して走行輪や噴霧機を駆動させるとともに、その噴霧機の動力取出軸より駆動力の一部を取り出して、ホース巻取機を回転駆動させて、薬液などを噴霧するためのホースの繰り出し及び巻取りを行っている。更には、その動力をホース整列装置に伝えて、繰り出されたホースを自動的に整列させてホース巻取機に巻取り、また、巻き取られているホースを整列させたままでホース巻取機から繰り出す構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のホース巻取機を有する自走式動力噴霧機において、噴霧ホースを繰り出す際噴霧ホースを強く引き出すと、引き出す力でホース巻取機がその慣性により余分に回転してしまい、ホースが緩んでしまうという不具合があった。また、ホース巻取機をブレーキで制動させると、作業中においてホースの引出しを行なうことができないという問題があった。
そこで、本発明では、動力噴霧機移動時などホースを使用しない時はホース巻取機を制動してホースの緩みを防止し、ホースの繰り出し・巻取り作業時には、ブレーキを解除してホース巻取りを行ないやすくするホース緩み防止機構を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、ホース巻取機、ホース整列装置およびホース緩み防止機構を備えた動力噴霧機であって、該ホース緩み防止機構を、ホースの移動を検知するホース検知装置と、前記ホース巻取機の回動を制動するブレーキ装置と、その両者間を連動連結する連結部材とで構成するものである。
【0006】
請求項2においては、前記ホース検知装置を、ホースローラーを支持するブラケットに枢支したものである。
【0007】
請求項3においては、前記ブレーキ装置を、二枚のプレートの中央部を互いに枢支し、該プレートの一側に制動部材を配置し、他側に付勢部材と固定部材と前記連結部材の取付部を設け、一側をホースリールの縁部近傍に位置させ、他側を機体フレームに取り付けたものである。
【0008】
請求項4においては、前記ホース整列装置の機体上方に突設しているホースローラーを支持するブラケットを着脱可能に構成するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本実施例の自走式動力噴霧機の左側面図、図2は同じく正面図、図3はブラケットの取付を示す正面図、図4は別実施例のブラケットの取付を示す図、図5は第一実施例のホース緩み防止機構を示す側面図、図6は第一実施例のホース検知装置を示す斜視図、図7は第一実施例のブレーキ装置を示す斜視図、図8は同じく正面図、図9は第一実施例のブレーキ装置の取付を示す斜視図、図10は第一実施例のホース緩み防止機構の動作状態を示す側面図、図11は第二実施例のホース緩み防止機構を示す側面図、図12は第二実施例のホース緩み防止機構の動作状態を示す側面図、図13は第三実施例のホース緩み防止機構を示す側面図、図14は第三実施例のブレーキ装置を示す正面図、図15は第三実施例のホース緩み防止機構の動作状態を示す側面図、図16は第三実施例のブレーキ装置の動作状態を示す側面図である。
【0010】
まず本実施例の自走式動力噴霧機1の全体構成ついて、図1、図2を用いて説明する。なお以下の記述では便宜上図1中の矢印Aの方向を「前方」とする。
【0011】
本実施例の自走式動力噴霧機1の機体フレーム2は、側面視L字形かつ平面視長方形に構成されたパイプの枠組みであり、機体フレーム2後部は直角に立設されており、ハンドル3が取り付けられる。機体フレーム2の前後から下方に左右一対の前輪ステー4・4および左右一対の後輪ステー5・5が突設され、前輪ステー4・4間で前輪軸6が回転自在に軸支されるとともに、後輪ステー5・5で後輪軸7・7がそれぞれ回転自在に軸支される。前輪軸6の左右両端には前輪8・8が設けられ、後輪軸7・7にはそれぞれ後輪9・9が設けられる。
【0012】
機体フレーム2の後方には、ホース10を巻き取るホース巻取機であるホースリール11、およびホースリール11にホース10を均一に巻き取るためのホース整列装置12が配置される。一方、機体フレーム2の前方右側には駆動源となるエンジン13、前方左側には噴霧機14が配置され、エンジン13と噴霧機14の間にはベルトケース15が配設される。エンジン13の動力はベルトケース15内に収納されたベルトやプーリによる動力伝達機構を介して分岐され、噴霧機14、ホースリール11およびホース整列装置12等を駆動する。
なお、本実施例ではエンジン13が右側、噴霧機14が左側に配設される構成としたがこれに限定されず、左右が逆になっても構わない。また、エンジン13の代わりにバッテリーにより電力が供給されて駆動するモータとすることもできる。
【0013】
次に、ホースリール11の構成について図1、図2を用いて説明する。
ホースリール11はリール芯部80、リール縁部81a・81b、中空軸(図示せず)、リール入力軸83などで構成されている。
リール芯部80は中空の円筒状部材であり、その両端部に円板状のリール縁部81a・81bがそれぞれ溶接などの方法で固定される。また、左右一側のリール縁部81aの中心にリール入力軸83が貫設され、他方のリール縁部81bの中心に中空軸が貫設され、リール入力軸83及び中空軸が機体フレーム2に対して回転自在に支持される。該リール入力軸83に駆動スプロケットが固設されてエンジンからの動力により回転駆動可能として、巻き取りできるようにし、また、中空軸の一端には回転自在なジョイント、ホースを介して噴霧機14の吐水口と連通され、中空軸の他端はリール芯部80内を通過して、ホース10と連通され、該ホース10(図1に図示)がリール芯部80に巻き取られる。
【0014】
次に、ホース整列装置12について、図1乃至図4を用いて説明する。
ホース整列装置12はブラケット60a、基部60b、前部ガイド61、後部ガイド62、前部ガイドレール63、後部ガイドレール64、左右送り軸66、ホースローラー67、ガイドローラー68、ガイドバー69、ガイドフレーム70、リアカバー71などからなる。
ガイドフレーム70はパイプ部材を曲げて製作され、前記左右のフレーム2前後略中央部から上方へ立設され、中途部より前上方に「く」字状に屈曲しており、正面視門形に形成されている。該ガイドフレーム70は、巻取り作業中などにおいてホース10が弛んで下方に垂れ下がっても、エンジン13などの高温部にホース10が接触して変形・損傷しないようにするとともに、リアカバー71の支持部材として利用される。リアカバー71は、ガイドフレーム70と機体フレーム2後部との間に固設され、該リアカバー71内にホース整列装置12を構成する他の部材などが収納される。
【0015】
ブラケット60aは基部60bに対して旋回・着脱可能に構成される。また、左右の板体からなるブラケット60a・60aの上部間にホースローラー67が回転自在に支持され、下部間にガイドローラー68が回転自在に支持されるとともに、正面視門形に形成したガイドバー69がブラケット60a・60a上部にホースローラー67を跨ぐように固設されている。
前部ガイド61(図6)および後部ガイド62は筒形状を有し、前部ガイド61は基部60bの前部に、後部ガイド62は基部60bの後部に固設される。このとき前部ガイド61および後部ガイド62の軸方向は水平かつ自走式動力噴霧機1の左右方向を向いている。そして前部ガイド61に摺動可能に内嵌された前部ガイドレール63の左右両端部、および後部ガイド62に摺動可能に内嵌された後部ガイドレール64の左右両端部はリアカバー71に固設される。
【0016】
また、前部ガイドレール63と後部ガイドレール64との間において、基部60bの側面を左右送り軸66が回転可能に貫通しており、左右送り軸66の左右端部はリアカバー71に軸支される。また左右送り軸66の一端(本実施例では左端)は延出され、エンジンからの動力がスプロケットやチェーン等を介して左右送り軸66に伝達される構成としている。左右送り軸66の外周面には右ネジおよび左ネジの螺旋溝が設けられる。また前記右ネジの螺旋溝および左ネジの螺旋溝の両端は互いに滑らかに繋がっている。基部60bに固設された溝係合部(図示せず)は左右送り軸66に摺動可能に係合しており、その係合部は左右に傾斜可能に構成される。
左右送り軸66が図1において反時計回りに回転すると、溝係合部が右ネジの螺旋溝に係合しているとき、基部60bは自走式動力噴霧機1の左側面に向かって移動する。そして溝係合部は左ネジの螺旋溝に入り、今度は基部60bが自走式動力噴霧機1の右側面に向かって移動する。
すなわち、同じ方向(図1において反時計回り)に左右送り軸66を回転させているにもかかわらず、ホース整列装置12のホース10を案内する部分は左右に往復摺動する。従って、ホース10を巻き取る際にホースリール11の回転と連動して左右送り軸66も回転するように構成することにより、ホース10はホースローラー67、ガイドローラー68およびガイドバー69に案内されてホースリール11に均一に(左右交互の螺旋を描くように)巻き取られる。
【0017】
次にブラケット60aの取り付けについて説明する。
図1、図3に示すように、ブラケット60a・60aは側面視で後方に屈曲し、正面視でコの字形の部材であり、基部60bに着脱可能に装着されている。
該ブラケット60a・60aの下部に回動部材72がボルト74、ナット75で固定されている。そして、該ブラケット60a・60aは回動部材72を介して基部60bに装着されている。
【0018】
該回動部材72は、上部が正面視コ字状に、下部が円筒形状に形成されており、上部はボルト74、ナット75で、ブラケット60a・60aに固定されている。
回動部材72の下部は、中心に上下方向の貫通孔72bが開口されてホース10を挿通できるようにし、基部60bの上面に設けられた取付孔60cに上方から嵌入されている。回動部材72の下部外周には、リング状に溝72aが形成されている。そして、前記溝72aにプレート73を装着し、回動部材72が取付孔60cから抜けないように、また、回動部材72およびブラケット60aが回転自在となるように固定している。
このような構成で、ブラケットを取り外す際は、前記プレート73を抜き取り、ブラケット60aを上方から取り外すことで、ブラケット60aを着脱可能にしている。
【0019】
また、図4に示すように、ブラケット60aの下部に円筒形状の回動部材72を一体的に形成することもできる。
該回動部材72は、基部60bの上面に設けられた取付孔60cに上方から嵌入されている。回動部材72の下部外周には、円筒形状に溝72aが形成され、該溝72aにプレート73が装着されている。
該プレート73は、図4(a)に示すように、正面視L字状に形成され、図4(b)に示すように、水平面に切欠き73aが形成されている。該切欠き73aは、前記溝72aと係合するように形成され、片側が開放した形状としている。
【0020】
そして、前記溝72aに切欠き73aを係合させて、該プレート73の垂直部73bと基部60bに設けられた取付部60dの側面とをネジ76・76等で固定し、ブラケット60a・60aを基部60bに回動可能に固定している。
このような構成で、ブラケット60a・60aを取り外す際は、前記ネジ76・76を取り外し、プレート73を前方(図4(b)の矢印方向)に引き抜き、回動部材72を有するブラケット60aを上方から取り外すことで、ブラケット60aを着脱可能にしている。
以上のような構成にすることで、機体上方に突設しているホースローラー67を支持するブラケット60a・60aが着脱可能となり、保管時は外して、使用時に取り付けて使用することが可能になる。また、突出部であるブラケット60aを取り外せることで、運搬時の段積みが行ないやすくなる。
【0021】
次に、本発明のホース緩み防止機構について説明する。
ホース緩み防止機構は、ホース10を引き出すときは、ブレーキ機構を解除してホースリール11を回動自在とし、また、移動時などホース10を引き出さないときは、ブレーキ機構によりホースリール11を制動してホースリール11の回動によるホース10の緩みを防止するものである。
ホース緩み防止機構は、ホース10の移動を検知するホース検知装置91と、前記ホースリール11の回動を防止するブレーキ装置92と、その間を連動連結する連結部材とで構成されている。
【0022】
まず、ホース緩み防止機構の第一実施例について説明する。
図5、図6に示すように、ホース緩み防止機構のホース検知装置91は、前記ホース整列装置12の基部60bの前部下方に配設されている。
該ホース検知装置91の本体部91aは、プレート状部材を屈曲させ、平面視略コ字状に形成されている。そして、該本体部91aの中途部は、前記基部60bの外側方に配設され、ピン94等で前後方向に回動自在に支持されている。
前記ホース検知装置91の一側(本実施例では左側)の上部から上側方に向けて、取付部91cが突設されている。そして、基部60bから側方に突設されたワイヤーステー93bにワイヤアウタ93aの一端が固定され、ワイヤアウタ93aに収納して端部より突出した連結部材であるワイヤ(インナワイヤ)93の一端が、前記取付部91cの一端に係止ピンで固定されている。ワイヤ93の他端は、後述するブレーキ装置92に接続している。
前記ピン94に対して取付部91cと反対側、つまり、ホース検知装置91の一側に取付部91cが、他側(下部)には、検知用ローラ91bが配設されている。該検知用ローラ91bは、該本体部91aの左右に対向する壁面部分に挟まれる形で回転自在に枢着されている。但し、本体部91aの一端を枢支し、他端に検知用ローラ91bを配置し、中途部にワイヤ93の取付部91cを配置することもできる。この場合ワイヤ93の引っ張り方向または検知用ローラ91bの回動方向は反対側とする。
【0023】
一方、前記ワイヤ93の他端は、ブレーキ装置92に連結されている。
該ブレーキ装置92は、ホースリール11の一側の縁部(本実施例では、左側のリール縁部81a)を挟持することで、ホースリール11の制動を行なう。
図5、図7、図8に示すように、ブレーキ装置92は、リール縁部81a外周端近傍の左右一側の機体フレーム2に取り付けられ、両側に突出部を設けたコ字状の二枚のプレート92a・92aと、制動部材となるブレーキシュー92b・92bと、バネ等の弾性体よりなる付勢部材92c等で構成されている。
該プレート92a・92aは中途部に互いに突出部を向けた状態に配設し、プレート92a・92aの突出部に、後述するボルト92d、ナット92eで二枚のプレート92a・92aを枢結している。
【0024】
プレート92a・92aの一側端の内面には、ブレーキシュー92b・92bがそれぞれ貼設されており、該ブレーキシュー92b・92bの間で前記リール縁部81aを挟持して制動可能にしている。
プレート92a・92aの他側内部には、付勢部材92cが設けられている。該付勢部材92cでプレート92a・92aを外側方に向けて押圧することで、一側に設けられているブレーキシュー92b・92bが挟持する方向に付勢されて、リール縁部81aを挟持してホースリール11の制動を行なっている。
【0025】
また、前記ブレーキ装置92の一側(上側)プレート92aの外面(上面)に前記ワイヤアウタ93aの他側が固定されており、前記ワイヤ93は、付勢部材92c近傍のプレート92a・92aを貫通し、他側(下側)のプレート92aの外面(下面)に、ワイヤ93の取付部が設けられ先端に設けられているストッパ93cを配設し、ブレーキ装置92からワイヤ93が外れないように固定されている。
また、前記ワイヤアウタ93aは、ホース整列装置12が左右に動く分の余裕をもたして、構成されている。
【0026】
ブレーキ装置92は、機体フレーム2に固定されている固定部材77に固定されている。該固定部材77は、ホースリール11近傍の機体フレーム2に設けられており、本実施例では、機体フレーム2の後部で、ハンドル3取付部より下方に設けられている。
図5、図9に示すように、固定部材77は、機体フレーム2から後方にコ字状部材77aを突設し、該コ字状部材77a側面に平面視L字状部材77bの一面(前後面)を固定し、他面(左右面)にブレーキ装置92を固定している。
該L字状部材77bの左右面に、取付用長孔77cが穿設されており、該長孔77cから前方に向けて前記ボルト92dを通し、前記プレート92a・92aを挿通し、ナット92eで固定し、ブレーキ装置92を機体フレームに固定している。このように、L字状部材に長孔77cを設けることで、ブレーキ装置の位置の調節を行なうことができる。
【0027】
このような構成で、通常は、図10(a)に示すように、前記本体部91aが略垂直に配設され、ブレーキ装置92はホースリール11のリール縁部81aを挟持し、ホースリール11を制動した状態となっている。
ホースが引張り出される(または、巻き取られる)と、図10(b)に示すように、ホースが直線状に張られるため、前記検知用ローラ91bが後方に移動し、本体部91aがピン94を中心に回動する。従って、ピン94上方に配設されている取付部91cが前方に回動し、ワイヤ93が前方に引張られる。
そして、ワイヤ93は、ブレーキ装置92の下のプレート92aを上方に引張るため、他方に配設されているブレーキシュー92b・92bによるリール縁部81aの挟持が解除され、ホースリール11のブレーキが解除される。よって、ホースリール11が回動可能となり、ホース10の巻取りや引出しが行ないやすくなる。
ホースの引出し(巻取り)をやめると、図10(a)に示すように、付勢部材92cの付勢力によりワイヤ93が前記と逆方向に引っ張られ、前記検知用ローラ91bが前方に移動する、つまり、元の位置に戻るので、ワイヤ93の引張りが解除され、ブレーキ装置92のブレーキシュー92b・92bによりホースリール11のリール縁部81aが挟持固定され、ホースリール11が制動される。
【0028】
このように、ホース10の繰り出し・巻取りをホース検知装置91で検知し、ホースリール11のブレーキ装置92と連動させることで、動力噴霧機移動時や保管時などホース10を使用しない時はホースリール11を制動させて、ホース10の緩みを防止することができ、また、ホース10の繰り出し・巻取り作業時には、ホース検知装置91で、繰り出し・巻取り作業を検知して、ホースリール11のブレーキ装置92を解除することで、抵抗が小さくなりホース10の巻取りを行ないやすくできる。
【0029】
次に、ホース緩み防止機構の第二実施例について説明する。
第二実施例のホース検知装置91は、前記基部60bの後部に配設されている。
図11に示すように、該ホース検知装置91は、該基部60bの左右に対向する壁面部分に挟まれる形で回転可能に枢着されている検知用ローラ91bと、検知用ローラ91bの枢支軸91eとガイドローラー68の枢支軸91dとに固定されている本体部91aとで構成されている。
前記検知用ローラ91bは、前記基部60bの後上部に設けられた長孔内を摺動可能に枢支され、該検知用ローラ91bの枢支軸93eは、該基部60bを貫通し、基部60b外側方に配設されている本体部91aの上部を枢支している。また、該検知用ローラ91b下方にガイドローラー68を配設し、該ガイドローラの枢支軸91dは該基部60bを貫通し、基部60b外側方に配設されている本体部91aの下部に回動可能に固定されている。該枢支軸91dも基部に設けられた長孔内を貫通しており、該長孔内を摺動可能に装着されている。
そして、枢支軸91d・91e間にピン94を設け、回動支点としている。
【0030】
前記本体部91aの上部に、連結部材であるワイヤ93の一端が固定されている。ワイヤ93の他端は、ブレーキ装置92に連結しており、ワイヤ93は第一実施例と同様にワイヤアウタ93aで被覆されている。ワイヤアウタ93aの一端は基部60bに固定され、他端はリアカバー71に固定されている。
該ブレーキ装置92は、ホースリール11のリール縁部81a上方に配設され、前記リアカバー71に回動可能に固定されている。
該ブレーキ装置92は、ブレーキシュー92bとプレート92aとで構成されている。該プレート92aは、後上部をリアカバー71に枢支し、該プレート92aの回動支点92gとしている。また、該プレート92aの下前部に、下方に向けてブレーキシュー92bが着接されており、通常前記ホースリール11のリール縁部81aにブレーキシュー92bを押圧するように枢支軸にねじりバネを配置したり、付勢部材をプレート92aとリアカバー71の間に配設したりして、ホースリール11を制動した状態としている。
そして、前記ワイヤ93は、該プレート92aの先端側のブレーキシュー92b上方に固定されている。
【0031】
このような構成で、通常は、図12(a)に示すように、前記検知用ローラ91bとガイドローラー68が上下略垂直に配設され、ブレーキ装置92はホースリール11のリール縁部81aを押圧し、ホースリール11を制動した状態となっている。
ホース10が引張り出される(または、巻き取られる)と、直線状になろうとして、図12(b)に示すように、前記検知用ローラ91bが前方に、ガイドローラー68が後方に移動するため、本体部91aがピン94を中心に回動する。従って、ワイヤ93が前方に引張られる。
そして、ワイヤ93は、ブレーキ装置92のプレート92aを上方に引張るため、プレート92a下方に配設されているブレーキシュー92bによるリール縁部81aの押圧が解除され、ホースリール11のブレーキが解除される。
よって、ホースリール11が回動可能となり、ホース10の巻き取りや引出しが行ないやすくなる。
ホース10の引出し(巻取り)をやめると、バネ等の付勢部材の付勢力により、図12(a)に示すように、前記検知用ローラ91bが後方に、ガイドローラー68が前方に移動する、つまり、元の位置に戻るので、ワイヤ93の引張りが解除され、ブレーキ装置92のブレーキシュー92bによりリール縁部81aが押圧固定され、ホースリール11が制動される。
【0032】
このように、ホース10の繰り出し・巻取りをホース検知装置91で検知し、ホースリール11のブレーキ装置92と連動させることで、動力噴霧機移動時などホース10を使用しない時はホースリール11を制動させて、ホース10の緩みを防止することができる。また、ホース10の繰り出し・巻取り作業時には、検知装置で、繰り出し・巻取り作業を検知して、ホースリールのブレーキ装置を解除することで、ホースの巻取りを行ないやすくでき、作業効率を向上させることができる。
【0033】
次に本発明のホース緩み防止機構の第三実施例について説明する。
第三実施例のホース緩み防止機構は、連結部材として、プレート状部材を使用している。
図13、図14に示すように、ホース検知装置91は、L字状のプレートである本体部91aと検知用ローラ91b等で構成されている。
本体部91aは、側面視L字状に形成されており、前部が前記前部ガイドレール63に軸支されている。本体部91aの屈曲部近傍は、連動軸97により軸支されている。
前記基部60bには長孔が形成されており、前記連動軸97が、該長孔内を上下方向に摺動できるように該長孔内に挿通している。検知用ローラ91bは、前記基部60bの左右に対向する壁面部分に挟まれる形で回転可能に連結軸に枢着されている。該検知用ローラ91bの下方に、ガイドローラー68が配設され、前記基部60bの左右に対向する壁面部分に挟まれる形で回転可能に固定されている。
該本体部91aの後部に長孔91gが形成されており、該長孔91gに支持軸96が貫入している。該支持軸96は、平面視でコ字状に形成されており、閉じた側である前端部96aを前記長孔91gに貫入している。そして、支持軸96の開放側を後方に配置し、後端を前記リアカバー71に固定し、支持軸96の回動支点96bとしている。
また、連結部材である連結プレート95前上部に溝95aを設け、該溝95aに前記支持軸96の前端部96aを嵌合している。該連結プレート95の下部は図14に示すように、正面視L字状の係合部95dを設けている。
一方、ブレーキ装置92は、図14に示すように、一側のプレート92a(本実施例では、下側のプレート)の一側の端部に略L字状の係合部92fを設けている。該係合部92fの水平部と、連結プレート95の係合部95dの水平部とを当接している。連結プレート95の後端は固定部材98に固定されている。該固定部材98の上部は、リアカバー71から下方に突設している取付部71aに枢支されている。
また、他側のプレート92a(本実施例では、上側のプレート)の端部はリアカバー71から下方に突設している取付部71bに枢支されている。
その他のブレーキ装置92の構成は、第一実施例のブレーキ装置92と同様の構成としている。
【0034】
このような構成で、通常は、図15(a)に示すように、前記検知用ローラ91bとガイドローラー68が上下略垂直に配設され、ブレーキ装置92はホースリール11のリール縁部81aを挟持し、ホースリール11を制動した状態となっている。
ホースが引張り出される(または、巻取られる)と、図15(b)に示すように、前記検知用ローラ91bが前上方に移動するため、本体部91aがガイドレール63を中心に上方に回動する。従って、本体部91a後部と連結している連結プレート95および支持軸96も上方に移動する。
そして、図16(b)に示すように、連結プレート95が上方に移動することで、係合部95dが上方に移動し、ブレーキ装置92の係合部92fも同時に上方に移動するため、ブレーキシュー92bによるリール縁部81aの挟持が解除され、ホースリール11のブレーキが解除される。
よって、ホースリール11が回動可能となり、ホース10の巻取りや引出しが行ないやすくなる。
ホース10の引出し(または、巻取られる)をやめると、付勢部材92cの付勢力により、図15(a)に示すように、前記検知用ローラ91bが後方に移動する、つまり、元の位置に戻るので、連結プレート95によるブレーキ装置92の係合部92fの上方への引張りが解除され、ブレーキ装置92のブレーキシュー92bによりリール縁部81aが挟持固定され、ホースリール11が制動される。
【0035】
このように、ホース10の繰り出し・巻取りをホース検知装置91で検知し、ホースリール11のブレーキ装置92と連動させることで、動力噴霧機移動時などホース10を使用しない時はホースリール11を制動させて、ホース10の緩みを防止することができる。また、ホース10の繰り出し・巻取り作業時には、検知装置で、繰り出し・巻取り作業を検知して、ホースリールのブレーキ装置を解除することで、ホースの巻取りを行ないやすくでき、作業効率を向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0037】
即ち、請求項1に示す如く、ホース巻取機、ホース整列装置およびホース緩み防止機構を備えた動力噴霧機であって、該ホース緩み防止機構を、ホースの移動を検知するホース検知装置と、前記ホース巻取機の回動を制動するブレーキ装置と、その両者間を連動連結する連結部材とで構成するので、ホースを使用しない時はホース巻取機を制動することで、ホースの緩みを防止することができる。また、ホースの繰り出し・巻取り作業時には、ホース検知装置で、繰り出し・巻取り作業を検知して、ホースリールのブレーキ装置を解除するので、ホースの巻取りを行ないやすくでき、作業効率を向上させることができる。
【0038】
請求項2に示す如く、前記ホース検知装置を、ホースローラーを支持するブラケットに枢支したので、ホースの繰り出し・巻取り作業時には、ホース検知装置で、繰り出し・巻取り作業を検知して、ホースリールのブレーキ装置を解除するので、ホースの巻取りを行ないやすくでき、作業効率を向上させることができる。また、ホースを使用しない時はホース巻取機を制動することで、ホースの緩みを防止することができる。
【0039】
請求項3に示す如く、前記ブレーキ装置を、二枚のプレートの中央部を互いに枢支し、該プレートの一側に制動部材を配置し、他側に付勢部材と固定部材と前記連結部材の取付部を設け、一側をホースリールの縁部近傍に位置させ、他側を機体フレームに取り付けたので、ホースを使用しない時はホース巻取機を制動することで、ホースの緩みを防止することができる。また、ホースの繰り出し・巻取り作業時には、ホース検知装置で、繰り出し・巻取り作業を検知して、ホースリールのブレーキ装置を解除するので、ホースの巻取りを行ないやすくでき、作業効率を向上させることができる。
【0040】
請求項4に示す如く、前記ホース整列装置の機体上方に突設しているホースローラーを支持するブラケットを着脱可能に構成するので、ホースローラーを保管時は取り外し、使用時に取り付けることが可能となり、突出部となるホースローラーを取り外すことで、運搬時においては段積みが行ないやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の自走式動力噴霧機の左側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】ブラケットの取付を示す正面図。
【図4】別実施例のブラケットの取付を示す図。
【図5】第一実施例のホース緩み防止機構を示す側面図。
【図6】第一実施例のホース検知装置を示す斜視図。
【図7】第一実施例のブレーキ装置を示す斜視図。
【図8】同じく正面図。
【図9】第一実施例のブレーキ装置の取付を示す斜視図。
【図10】第一実施例のホース緩み防止機構の動作状態を示す側面図。
【図11】第二実施例のホース緩み防止機構を示す側面図。
【図12】第二実施例のホース緩み防止機構の動作状態を示す側面図。
【図13】第三実施例のホース緩み防止機構を示す側面図。
【図14】第三実施例のブレーキ装置を示す正面図。
【図15】第三実施例のホース緩み防止機構の動作状態を示す側面図。
【図16】第三実施例のブレーキ装置の動作状態を示す側面図。
【符号の説明】
11 ホースリール(ホース巻取機)
12 ホース整列装置
91 ホース検知装置
92 ブレーキ装置
93 連結部
Claims (4)
- ホース巻取機、ホース整列装置およびホース緩み防止機構を備えた動力噴霧機であって、該ホース緩み防止機構を、ホースの移動を検知するホース検知装置と、前記ホース巻取機の回動を制動するブレーキ装置と、その両者間を連動連結する連結部材とで構成することを特徴とするホース緩み防止機構付動力噴霧機。
- 前記ホース検知装置を、ホースローラーを支持するブラケットに枢支したことを特徴とする請求項1に記載のホース緩み防止機構付動力噴霧機。
- 前記ブレーキ装置を、二枚のプレートの中央部を互いに枢支し、該プレートの一側に制動部材を配置し、他側に付勢部材と固定部材と前記連結部材の取付部を設け、一側をホースリールの縁部近傍に位置させ、他側を機体フレームに取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のホース緩み防止機構付動力噴霧機。
- 前記ホース整列装置の機体上方に突設しているホースローラーを支持するブラケットを着脱可能に構成することを特徴とする請求項1記載のホース緩み防止機構付動力噴霧機。
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