JP2004058425A - 貼り合せはがき及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大量の記事情報をはがきとして安価に郵送することができると共に、製造に際して接着剤の塗布が容易であると共に、送給トラブルが少なく、製造コストの低減が可能な貼り合せはがきと、その製造方法を提供する。
【解決手段】第1,第2及び第3のはがき大紙片が2本の折り線を介してこの順序に連続する用紙10の第1の紙片11を第1の折り線10aから折り畳んで第2の紙片12上に重ね、さらに第3の紙片13を第2の折り線10bから折り畳んで第1の紙片11上に重ねることによって当該用紙10を巻き折り状に三つ折りにし、各紙片の一端側を第2の折り線10bの近傍部で完全接着するとと共、相対向する紙面同士を上記接着部分以外の部位において剥離可能に貼着したのち、第1の折り線10aの近傍部を当該折り線に沿って切断する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常のはがきのほぼ3倍の紙面を有し、多量の情報(宛名書き面を除けば5倍の通信欄面積)をはがきとして安価に郵送することができ、例えばダイレクトメールなどにも好適な貼り合せはがきと、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、通常はがきの2倍,3倍、若しくはそれ以上の大きさの用紙をはがき大に折り畳み、剥離可能に貼り合わせた多紙面はがきとしては、例えば実開平4−2680号公報,実開平4−117782号公報などにより多くの提案がなされている。
【0003】
ところが、二つ折りした2倍紙面はがきについては実用化されているものの、三つ折りした3倍、さらにはそれ以上の多紙面はがきについては、貼り合わせや切断などといった技術的な制約と共に、郵便規則上の制約などもあって、実用新案登録第2607691号に提案されているようなZ状に三つ折りしたもの以外、はがきとして郵送することができないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなZ状三つ折りはがきにおいては、折り線を介して連続する3枚の紙片からなる用紙の中央紙片の表裏両面に両側の紙片が貼り合わされることになるため、接着剤の塗布位置が用紙の両面に跨ることになり、製造工程や製造装置が複雑となってコストが上昇するばかりでなく、Z状に折り畳んだ貼り合せ前の用紙は前後両方向に開口しているため、フィーダーによる送給時に互いに引っ掛かり易く、圧着装置への供給にトラブルが生じることがあるという問題点があり、これらの問題点を解決することが上記のようなZ状三つ折りはがきの製造上の課題となっていた。
【0005】
本発明は、従来の三つ折りはがきにおける上記課題に着目してなされたものであって、大量の記事情報をはがきとして安価に郵送することができると共に、接着剤の塗布が容易で、送給トラブルが少なく、製造原価の低減が可能な貼り合せはがきと、その製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の貼り合せはがきは、はがき本体と該はがき本体の表裏両面にそれぞれ貼着された表面側添付紙片及び裏面側添付紙片から成り、これら表面側及び裏面側添付紙片がその一端側において上記はがき本体に剥離不能に貼着されると共に、当該貼着部分以外の部位において剥離可能に貼着されている構成としたことを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の貼り合せはがきは、同じくはがき本体と該はがき本体の表裏両面にそれぞれ貼着された表面側添付紙片及び裏面側添付紙片から成り、これら表面側及び裏面側添付紙片は、それぞれ直線状の折り目線と、該折り目線の一端から他端に至るミシン目を備え、当該折り目線及びミシン目の外側において上記はがき本体に剥離不能に貼着されると共に、内側において剥離可能に貼着されている構成とし、本発明の第2の貼り合せはがきの好適形態としては、折り目線及びミシン目が添付紙片の外周に沿って形成してある構成とし、本発明の貼り合せはがきの好適形態としては、はがき本体が郵便はがきである旨の表示を備え、表面側添付紙片がはがき本体の上記表示の読み取りを許容する形状に形成されている構成としたことを特徴としている。
【0008】
本発明に係わる貼り合せはがきの製造方法は、上記貼り合せはがきの製造に好適なものであって、第1,第2及び第3のはがき大紙片が2本の折り線を介してこの順序に連続する用紙の第1の紙片を第1の折り線から折り畳んで第2の紙片上に重ねた上に、第3の紙片を第2の折り線から折り畳んで第1の紙片上に重ねることによって当該用紙を三つ折りにし、各紙片の相対向する紙面同士を貼着したのち、第1の折り線の近傍部を当該折り線に沿って切断する構成、さらには第1の折り線の近傍部と共に、第2の折り線の近傍部を当該折り線に沿って切断する構成としたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の貼り合せはがきにおいては、はがき本体とこのはがき本体の両面に貼着された表面側及び裏面側添付紙片から成り、これら添付紙片がその一端側においてはがき本体に剥離不能に貼着(完全接着)されている一方、この固着部分以外の部位においては、はがき本体上に剥離可能に貼着されていることから、郵便はがきとして取り扱われると共に、受け取った側において両添付紙片をはがき本体から剥離することによって、はがき本体と添付紙片の内側面の記載内容を読むことができ、宛名書き面を除いて、通常のはがきの約5倍の記事情報が伝達されることになる。 また、剥離状態においては、固着部分で綴じられた形態の冊子状のものとなるので、ばらばらになることがなく、読み易く、保管にも好都合のものとなる。さらに、貼着面の記載内容は、受取人が剥離するまで見ることができないので、はがきであるにも拘らずプライバシーが侵害されることがない。
【0010】
また、本発明の第2の貼り合せはがきにおいては、表面側及び裏面側添付紙片が折り目線と、この折り目線の一端と他端の間を連結するミシン目を備え、これら折り目線及びミシン目の外側においてはがき本体に剥離不能に貼着(完全接着)され、内側においてははがき本体から剥離可能に貼着されていることから、郵便はがきとして取り扱われると共に、受け取った側において両添付紙片のミシン目より内側の部分をミシン目を破りながら、はがき本体から引き剥がし、折り目線でおり曲げることによって、はがき本体と添付紙片の折り目線の内側の記事を見ることができ、大量の記事情報が伝達されることになる。例えば、好適形態のように、折り目線及びミシン目を紙片の外周に沿って、しかも外周縁からなるべく近い位置(例えば5,6mm程度)に形成することによって、上記した第1の貼り合せはがきと同様に、通常のはがきのほぼ5倍の記事情報が伝達されることになる。
【0011】
なお、本発明の第2の貼り合せはがきにおいて、表面側及び裏面側添付紙片に形成する折り目線の数は、1本のみに限定されず、ミシン目の形状も矩形のみならず、円形、楕円形、多角形、星型、花形、不定形(雲形)など種々の形状に形成することができる。さらに、表面側と裏面側とで異なる形状を採用してもよく、種々のバリエーションが可能になって、このようなはがきの意匠性を向上させることができ、特にダイレクトメールなどに好適なものとなる。
【0012】
本発明の貼り合せはがきに製造方法は、本発明による上記貼り合せはがきの製造に好適なものであって、3枚のはがき大紙片が2本の折り線を介して連続する用紙の第1の紙片を第1の折り線から折り畳んで第2の紙片上に重ねた上に、第3の紙片を第2の折り線から折り畳んで第1の紙片上に重ねて三つ折りにし、各紙片の相対向する紙面同士を貼着したのち、第1の折り線近傍部をこの折り線に沿って切断するようにしている。すなわち用紙をZ状に三つ折りするのではなく、第1の紙片を第2の紙片と第3の紙片との間に巻き込むように三つ折りしているので、第1の紙片を挟む第2紙片と第3紙片の内側紙面に接着剤を塗布すればよく、用紙の両面に接着剤を塗布する必要がないので、接着剤塗布ヘッドを上下に設けたり、用紙を反転する機構を設けたりする必要がなくなり、装置および工程が簡略化され、設備コストおよび作業工数の増加が回避される。また、巻き折り状に三つ折りされた用紙は、開口部が一方のみとなるので、フィーダー内で引っ掛かることがなく、用紙の送給トラブルが未然に防止されることになる。なお、当該はがきのサイズ調整や、郵便規則を考慮して、第1の折り線の近傍部に加えて、第2の折り線の近傍部をも当該折り線に沿って切断するようにすることも必要に応じて望ましい。
【0013】
本発明の貼り合せはがきは、いわゆる郵便規則上のはがきとして安価に郵送するためには、長辺:140〜154mm、短辺:90〜107mmとし、その重さを2〜6gとすることが必要である。
【0014】
また、本発明の貼り合せはがきに使用する接着剤としては、剥離可能に貼着するための接着剤と、剥離することなく完全接着するための接着剤とが必要となるが、剥離可能な貼着をなすための接着剤としては、郵送途中で剥がれることがなく、しかも受取人による開封に際して用紙が破れたり、印刷がかすれたりすることなく剥離できる程度の接着強度が要求される。このような接着剤としては、例えばポリオレフィン系共重合樹脂10〜20%、酢酸ビニル系樹脂20〜30%、水50〜60%、添加剤1%以下の組成を備えた接着剤を使用することができる。このとき、上記成分調整のほかに、接着剤の塗布パターンを例えばドット状や縞状、網目状としたり、その塗布密度を調整したりすることによって接着強度を加減することができる。
【0015】
一方、各紙片の一端側や紙片の外周部分を完全接着するのに用いる接着剤としては、上記接着剤よりも高強度の接着剤、例えば酢酸ビニル系など、通常のエマルジョンタイプの接着剤を使用することができ、これら2種類の接着剤をそれぞれ所定の位置に塗布したのち乾燥させておけば、熱圧着によって完全接着と剥離可能な貼着とを同時に行うことができる。
【0016】
また、剥離可能な貼着を行う部分には、上記した剥離可能な接着剤を比較的低密度に塗布すると共に、完全接着させる部分には同じ接着剤を高密度に塗布することによっても、完全接着部分とそれ以外の剥離可能な貼着部分とを同時に熱圧着することができ、使用する接着剤が1種類で済む点において工程管理や在庫管理上好都合である。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0018】
(実施例1)
図1ないし図3は、本発明の貼り合わせはがきの実施例として、ダイレクトメール用はがきの製造要領を示すものであって、図1は当該ダイレクトメール用貼り合わせはがきの製造手順を説明する工程図である。
【0019】
図1の工程図に示すように、まず、ロール状に巻き取られた原紙の表面および裏面に、ダイレクトメールとしての商品説明や写真などの記事が連続的に印刷されたのち、所定部分に接着剤が塗布され、強制乾燥の後、所定サイズに型抜きされる。
【0020】
図2(a)は、上記によって得られた用紙の外面側を示す平面図、図2(b)は、その裏面側、すなわち内面側を示す背面図である。図に示す用紙10は、それぞれはがきサイズの大きさを有する第1の紙片11,第2の紙片12及び第3の紙片13が第1の折り線10a及び第2の折り線10bを介してこの順序に連続した形状を備えている。
【0021】
用紙10の第1の紙片11は、はがき本体を構成する紙片であって、その表面側紙面11aの上端部には、図2(a)に示すように「郵便はがき」と印刷されている。なお、この表示は、例えば「POST CARD」など、郵便はがきであることが判るものであれば、特に限定されない。
【0022】
第2の紙片12は、上記はがき本体11の裏面側に貼着される裏面側添付紙片となる紙片であって、その内面側紙面12bのほぼ全面には、図2(b)に示すように、ポリオレフィン系共重合樹脂16%、酢酸ビニル系樹脂26%、添加剤1%、水57%からなる接着剤を所定の密度のドット状に塗布したのち、強制乾燥(水分蒸発)することによって、いったん接着したのち所定の引張り力によって剥離可能な接着剤層A1が形成されている。そして、当該紙面12bの第2の折り線10bの近傍部には、当該折り線10bに沿って、上記接着剤の塗布密度を約2倍に高めることにより剥離することなく完全接着が可能な接着剤層A2が形成されている。
【0023】
そして、第3の紙片13は、はがき本体11の表面側に貼着される表面側添付紙片となる紙片であって、その表面側紙面13aには、宛名書き面として、図2(a)に示すように料金別納郵便である旨の表示と共に、郵便番号の記入欄が印刷されている。また、当該紙片13の上端部には、切り欠き10cが形成されており、はがき本体11に貼着された状態においても、はがき本体11に印刷された「郵便はがき」という文字が見えるようになっている。そして、図2(b)に示すように、当該紙片13の内面側紙面13bのほぼ全面に、上記接着剤を低密度に塗布して成る剥離可能な接着剤層A1が形成されると共に、第2の折り線10bの近傍部には、上記接着剤を高密度に塗布した完全接着用接着剤層A2が形成されている。
【0024】
このような形状の用紙10は、図1に示す折り畳み工程において、図2(c)に示すように、用紙10の内面側を上に向けた状態で、第1の紙片11を第1の折り線10aから折り曲げて、第2の紙片12の接着剤塗布面12b上に折り重ねたのち、第3の紙片13を第2の折り線10bから折り曲げ、先に折り畳まれた第1の紙片11の紙面11aの上にさらに折り重ねる。そして、このように巻き折り状に三つ折りされた用紙10は、熱圧着装置によって圧着され、紙面11aと紙面13b、紙面11bと紙面12bとがそれぞれ剥離可能に貼着されると共に、折り線10bに近傍部において、第1の紙片11(はがき本体)の図中左側端部のみが紙片12及び13の間に完全接着される。
【0025】
このように、折り線10b側の端部において剥離不能に接着され、これ以外の部分において剥離可能に貼着された用紙10は、図3(d)に示すように、第1の折り線10aの近傍部において、当該折り線10aから約5mm程度離れた切断線S−Sに沿って切断され、図3(e)に示すように貼り合わせはがき1が完成する。このとき、郵便規則を考慮して、サイズ調整などのために、第2の折り線10bの近傍部を切断線T−Tに沿って同様に切断するようにしてもよい。
【0026】
このようにして得られた貼り合わせはがき1は、はがき本体11の表面及び裏面にそれぞれ1片の添付紙片(添付物)12及び13が全面密着しており、はがき本体11に郵便はがきである旨の表示が視認でき、郵便規則をクリヤすることから、郵便はがきとして取り扱われ、安価な料金で郵送することができる。そして、受け取った側において、両添付紙片12及び13をはがき本体11から剥離することによって、図3(f)に示すように、一端側で綴じられた全6頁から成る小冊子状のものとなるので、読み易く、通常のはがきの約5倍の記事情報が、プライバシーに係わる内容をも含めて伝達することができる。
【0027】
また、製造に際しては、図2(a)及び(b)に示したように、接着剤を用紙10の片面(内面側)だけに塗布すればよいので、工程が簡略化できると共に、図2(c)に示したように巻き折り状態に折り畳まれるので、Z状の三つ折りの場合と較べて、開口部が一方のみとなることから、フィーダー内での引っ掛かりが少なくなり、送給トラブルを激減させることができる。
【0028】
(実施例2)
図4及び図5は、本発明の貼り合わせはがきの第2の実施例を説明するものであって、図4(a)は当該実施例に係わる貼り合わせはがきに用いる用紙の折り畳み前の一面側(外面となる側)を示す平面図、図4(b)はその裏面側(内面となる側)を示す背面図である。
【0029】
当該実施例に用いる用紙20は、上記第1実施例と同様に印刷、接着剤塗布及び型抜きを行ったものであって、用紙20は、第1,第2及び第3の紙片21,22および23が第1及び第2の折り線20a及び20bを介してこの順序に連続した形状を備え、上記実施例と基本的に同様に構成されており、各紙面の両面には、この貼り合わせはがきの目的に応じた記事が印刷されている。
【0030】
第1の紙片21は、はがき本体を構成する紙片であって、その表面側紙面21aの上端部には、同様に「郵便はがき」と印刷されている。
【0031】
第2の紙片22は、裏面側添付紙片となる紙片であって、当該紙片22には、開封時の折り目の目安となる折り目線22cが第2の折り線20b寄りの位置にこの折り線20bと平行に設けてあると共に、当該紙片22の他の3辺と平行なコの字をなすミシン目22dが上記折り目線22cの両端を結んだ状態に形成されている。
【0032】
第3の紙片23は、表面側添付紙片となる紙片であって、その表面側紙面23aには、宛名書き面とするべく料金別納郵便である旨の表示と共に、郵便番号の記入欄が印刷されている。さらに、当該紙片23の上端部には、はがき本体21に貼着された状態においても、はがき本体21に印刷された「郵便はがき」という文字が見えるように、切り欠き20cが同様に形成されている。そして、折り線20bと平行な折り目線23cと、コの字をなすミシン目23dが上記第2紙片22と同様に形成されている。
【0033】
一方、第2紙片22の内面側紙面22bには、図4(b)に示すように、折り目線22cとミシン目22dによって囲まれる内側領域には、上記実施例1と同一組成の接着剤を比較的低密度に塗布して強制乾燥することによって、いったん接着したのち所定の引張り力によって剥離可能な接着剤層A1が形成されていると共に、上記折り目線22c及びミシン目22dの外側部分には、上記接着剤の塗布密度を約2倍に高めることによって剥離することなく完全接着が可能な接着剤層A2が形成されている。
【0034】
そして、第3の紙片23の内面側紙面23bについても、折り目線23cとミシン目23dによって囲まれる内側領域には、上記接着剤を比較的低密度に塗布して成る剥離可能な接着剤層A1が同様に形成されていると共に、これら折り目線23c及びミシン目23dの外側部分には、上記接着剤を高密度に塗布した完全接着用接着剤層A2が同様に形成されている。
【0035】
このような形状の用紙20は、図4(c)に示すように、第1の紙片21を第1の折り線20aから折り曲げて、第2の紙片22の接着剤塗布面22b上に折り重ね、次いで第3の紙片33を第2の折り線20bから折り曲げて、第1の紙片21の紙面21aの上にさらに折り重ねる。そして、このように巻き折り状に三つ折りされた用紙20は、熱圧着装置によって圧着され、第2及び第3の紙片22及び23が第1の紙片21(はがき本体)の外周部(折り目線及びミシン目の外側部分)において完全接着され、中央部(折り目線及びミシン目の内側部分)において剥離可能に貼着される。
【0036】
上記によって貼り合わされた用紙20は、図5(d)に示すように、第1の折り線20aの近傍部において、当該折り線20aから約5mm程度離れた切断線S−Sに沿って切断され、図5(e)に示すように貼り合わせはがき1が完成する。このとき、郵便規則を考慮して、サイズ調整などを目的として、第2の折り線20bの近傍部を切断線T−Tに沿ってを同様に切断することも可能である。
【0037】
このようにして得られた貼り合わせはがき1は、同様に、郵便はがきとして取り扱われ、安価な料金で郵送することができる。そして、受け取った側においては、第2および第3の紙片22及び23(裏面側及び表面側添付紙片)のミシン目22d及び23dに沿って破りながら、図5(f)に示すように、これら紙片を第1の紙片21(はがき本体)から剥離することによって、上記実施例1と同様に、全6頁から成る通常のはがきの約5倍の記事情報を得ることができる。
【0038】
なお、当該実施例においては、裏面側及び表面側添付紙片にミシン目及び折り目線を矩形状に形成したものを例示したが、本発明の貼り合わせはがきは、このような形状のみに限定される訳ではなく、例えばミシン目及び折り目線を1紙片に2組以上形成したり、ミシン目を半円形や楕円形、花形、ハート形などの種々の形状に形成したりして、多様なデザインの見開き形状とすることができる。さらに、裏面側添付紙面と表面側添付紙片とを異なるデザインにすることも可能である。
これらの例を図6〜図8に示す。
【0039】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の貼り合わせはがきは、上記構成、すなわちはがき本体と、はがき本体の表裏両面にそれぞれ貼着された表面側添付紙片及び裏面側添付紙片から成り、これら表面側及び裏面側添付紙片がその一端側において上記はがき本体に剥離不能に貼着(完全接着)される一方、この完全接着部分以外の部位においては剥離可能に貼着されている構成、若しくは表面側及び裏面側添付紙片に形成された折り目線およびミシン目の外側部分で完全接着され、その内側部分で剥離可能に貼着されている構成ととしたものであるから、多量の情報を、プライバシーに関するものであっても、はがきとして安価に郵送することができる。また、当該貼り合わせはがきは、連続する3紙片から成る用紙を巻き折り状に三つ折りして相対向する紙面を貼着したのち、端部を切り落とすことによって製造することができ、用紙同士の引っ掛かりによる送給トラブルを減少させることができると共に、接着剤の塗布面を用紙の片面にのみにすることができるので、製造装置や製造工程を簡略化することができ、当該はがきの製造コストを削減することができるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による貼り合わせはがきの製造手順を示す工程図である。
【図2】(a) 本発明の第1の実施例による貼り合わせはがきに用いる用紙の形状を示す平面図である。
(b) 図2(a)に示した貼り合わせはがき用紙の裏面側を示す背面図である。
(c) 図2(a)及び(b)に示した用紙の折り畳み要領を示す斜視図である。
【図3】(a) 図2に示した用紙の貼り合わせ状態及び切断位置を示す平面図である。
(b) 本発明の第1の実施例による貼り合わせはがきの完成状態を示す平面図である。
【図4】(a) 本発明の第2の実施例による貼り合わせはがきに用いる用紙の形状を示す平面図である。
(b) 図4(a)に示した貼り合わせはがき用紙の裏面側を示す背面図である。
(c) 図4(a)及び(b)に示した用紙の折り畳み要領を示す斜視図である。
【図5】(a) 図4に示した用紙の貼り合わせ状態及び切断位置を示す平面図である。
(b) 本発明の第2の実施例による貼り合わせはがきの完成状態を示す平面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の他の実施例による貼り合わせはがきの剥離前後の状態を示すそれぞれ平面図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明のさらに他の実施例による貼り合わせはがきの剥離前後の状態を示すそれぞれ平面図である。
【図8】(a)及び(b)は本発明のさらに別の実施例による貼り合わせはがきの剥離前後の状態を示すそれぞれ平面図である。
【符号の説明】
1 貼り合わせはがき
10,20 用紙
10a,20a 第1の折り線
10b,20b 第2の折り線
11,21 第1の紙片(はがき本体)
12,22 第2の紙片(裏面側添付紙片)
13,23 第3の紙片(表面側添付紙片)
22c,23c 折り目線
22d,23d ミシン目

Claims (6)

  1. はがき本体と該はがき本体の表裏両面にそれぞれ貼着された表面側添付紙片及び裏面側添付紙片から成り、これら表面側及び裏面側添付紙片がその一端側において上記はがき本体に剥離不能に貼着されると共に、当該貼着部分以外の部位において剥離可能に貼着されていることを特徴とする貼り合せはがき。
  2. はがき本体と該はがき本体の表裏両面にそれぞれ貼着された表面側添付紙片及び裏面側添付紙片から成り、これら表面側及び裏面側添付紙片は、それぞれ直線状の折り目線と、該折り目線の一端から他端に至るミシン目を備え、当該折り目線及びミシン目の外側において上記はがき本体に剥離不能に貼着されると共に、内側において剥離可能に貼着されていることを特徴とする貼り合せはがき。
  3. 折り目線及びミシン目が添付紙片の外周に沿って形成してあることを特徴とする請求項2に記載の貼り合せはがき。
  4. はがき本体が郵便はがきである旨の表示を備え、表面側添付紙片がはがき本体の上記表示の読み取りを許容する形状に形成されているいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼り合せはがき。
  5. 第1,第2及び第3のはがき大紙片が2本の折り線を介してこの順序に連続する用紙の第1の紙片を第1の折り線から折り畳んで第2の紙片上に重ねた上に、第3の紙片を第2の折り線から折り畳んで第1の紙片上に重ねることによって当該用紙を三つ折りにし、各紙片の相対向する紙面同士を貼着したのち、第1の折り線の近傍部を当該折り線に沿って切断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼り合せはがきの製造方法。
  6. 第1の折り線の近傍部と共に、第2の折り線の近傍部を当該折り線に沿って切断することを特徴とする請求項5に記載の貼り合せはがきの製造方法。
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