JP2004057030A - 容器入り雑穀類およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】別に炊飯した御飯に混ぜてまたは振り掛けて食する一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記雑穀類が、一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理されたものであり、前記雑穀類の水分含量が30重量%〜70重量%であることを特徴とする容器入り雑穀類。
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、別に炊飯した御飯に混ぜてまたは振り掛けて食するアワ、ヒエ、キビ等の一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時の健康志向において、タンパク質、各種ミネラル類、ビタミン類、食物繊維等を多く含み、便秘解消、血中コレステロールや中性脂肪の低下作用等の機能性が見直されているアワ、ヒエ、キビ等の雑穀類が、家庭の食生活の中に一般に取り入られるようになっている。
かかる雑穀を家庭において食する場合、通常、予め、長時間水に浸漬した雑穀を米と混ぜていっしょに炊飯する。
一方、このような長時間の浸漬処理をなくし、単に米といっしょに混ぜて炊飯するだけで、極めて簡便に雑穀入りの御飯を作ることができる乾燥処理を施した雑穀が市販されている。例えば、特開2002−153244号公報には、雑穀を海洋深層水に浸漬した後、蒸気で蒸らす蒸着工程、乾燥工程、冷却工程、袋詰め仕上げ工程を経て製造する天然微量元素(ミネラル)を含み、かつ塩分およびにがり成分を有効に生かしてうまみを増大させた乾燥雑穀が開示されている。
【0003】
しかし、浸漬した雑穀そのもの、あるいは乾燥雑穀を精白米といっしょに炊飯した場合、雑穀が炊き水の表層部分に浮上し寄せ集まった状態で炊飯される。そのため、炊飯器をあけた時に、御飯を炊いた時の蒸れ臭とともに、雑穀のもつ特有の臭いが入り交じり、独特の臭いが鼻をつき、食欲が減退してしまうことがある。
また、雑穀の色素等が炊き水に移行し、炊飯中米に吸水され、雑穀とほぼ同色系の御飯が出来上り、雑穀の存在感が希薄になり、味覚的にもインパクトの弱いものになってしまう。
【0004】
また、殊に雑穀については個人の嗜好性が強いため、家庭内で全員が雑穀を好んで食するものではない。そのため、雑穀と米をいっしょに炊飯した場合、これを好まない家族のために、別途、白米あるいはその他の主食を作らなければならないといった手間が生じることになる。
さらに、家庭等において雑穀を用いる場合には、予め浸漬等の処理が施されたもの、御飯に混ぜ易いあるいは振り掛け易いもの等、手間がかからず簡便で操作性のよいものが望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、米と雑穀をいっしょに炊飯したときの独特の蒸れ臭を感じることなく、また、御飯といっしょに混ぜた場合においても雑穀の味覚、存在感を高めることができ、さらには個人の好み、量に応じて雑穀入り御飯を簡便に作ることができる雑穀を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、家庭等で使用する場合、簡便にまた操作性よく利用することができる雑穀を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一定水分を含ませ喫食可能な状態になるまで加熱処理した特定水分量の雑穀類を容器に収納すること、また、かかる雑穀類を特定の空隙率になるように容器に収納すること、さらには、加熱処理において雑穀類から溶出する澱粉等の溶出固形分量を抑えること等により、前記目的をそれぞれ達成することができるという知見に基づき完成されたものである。
【0007】
即ち、本発明は、別に炊飯した御飯に混ぜてまたは振り掛けて食する一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記雑穀類が、一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理されたものであり、前記雑穀類の水分含量が30重量%〜70重量%であることを特徴とする容器入り雑穀類である。
【0008】
また、本発明は、一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理された水分含量30重量%〜70重量%の一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記容器の空隙率が5%〜40%であることを特徴とする容器入り雑穀類である。
【0009】
また、本発明は、一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理された水分含量30重量%〜70重量%の一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記雑穀類の溶出固形分量が0.1重量%〜5.0重量%であることを特徴とする容器入り雑穀類である。
【0010】
さらに、本発明は、容器入り雑穀類の製造方法であって、加熱処理により喫食可能な状態になる量の水分を予め雑穀類に吸水させた後、該雑穀類を新たに水を用いることなく加熱処理することを特徴とする容器入り雑穀類の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の雑穀類とは、精白米(搗精度90%以下)以外の五穀類、種子類をいい、具体的には、小麦、大麦、ライ麦、燕麦、はと麦、押し麦、ヒエ、キビ、アワ、モロコシ、トウモロコシ、アマランサス、ソバ、キノア、黒豆、小豆、緑豆、エンドウ豆等の豆類、クコの実、松の実、ヒマワリの種、黒米、玄米、赤米、ごま、コウリャン等を挙げることができる。
これら雑穀類は、そのまま用いてもよいが、必要に応じて適宜搗精処理あるいは粉砕処理等を施して用いてもよい。
【0012】
また、上記雑穀類を用いる場合、一種または二種以上の複数種を混合して用いることができる。また、本発明において容器に収納される雑穀類は、目開き4000μmオンの比較的大きな雑穀類が全体の30重量%以下、目開き1400μmパスの比較的小さな雑穀類が全体の20重量%以下の粒度分布になるよう調整することが望ましい。すなわち、上記した比較的大きな雑穀類の割合が上記割合よりも多くなった場合には、御飯との混ざり具合が悪くなり易く、また、御飯に混合する割合によるが、雑穀類が主体となり全体として食べ難いものになってしまう。一方、上記した比較的小さな雑穀類の割合が上記割合よりも多くなった場合には、雑穀類の存在感が小さくなるとともに、雑穀類の咀嚼感を味わうことができず、小さな雑穀類が舌上に残り食味が悪くなり易くなる。
なお、上記目開きの大きさは、JIS規格Z8801に基づくものである。
【0013】
本発明は、上記した雑穀類を喫食可能な状態になるまで加熱処理を施す。
この場合、雑穀類は、その種類により異なるが、通常、水分15重量%以下であり、これに十分水分を吸水させた状態で加熱し、最終水分量が30重量%〜70重量%、好ましくは40重量%〜50重量%になるようにする。これにより、雑穀類内の澱粉が十分にα化しているため、例えば、電子レンジ等で加熱するだけで、そのまま喫食することができる雑穀類を手間なく簡単に得ることができる。かかる最終水分量が上記範囲よりも少ない場合には、雑穀類に含まれる澱粉が十分にα化していないおそれがあり、反対に上記範囲よりも多い場合には、雑穀類が膨潤し、咀嚼感のない食感の劣るものになるおそれがある。
なお、本発明における雑穀類の水分量は、常圧加熱乾燥法(105℃、16時間)に基づき測定した値をいう。なお、試料は、乾燥時間が比較的長いため、粒のままあるいは粉砕処理したもの、いずれを用いてもよい。
【0014】
上記した加熱処理方法は、雑穀類内の澱粉がα化し、上記した最終水分量になる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、雑穀類を炊き水に一定時間浸漬した後、白米の炊飯と同様、炊き水といっしょに密閉状態で加熱する方法なども挙げられるが、かかる加熱処理において雑穀類から溶出する澱粉等の溶出固形分量ができるだけ少ない方法であることが望ましい。
かかる溶出固形分量を抑えることにより、雑穀類どうしの付着あるいは雑穀類を収納する容器への雑穀類の付着を防止することができる。具体的には、上記溶出固形分量が、0.1重量%〜5.0重量%、好ましくは0.3重量%〜2.0重量%であることが望ましい。すなわち、溶出固形分量が上記範囲より多い場合には、上記付着の問題が顕著になる傾向があり、反対に、上記範囲よりも少ない場合には、御飯といっしょに雑穀類を食する際、雑穀類がこぼれ落ち易くなる。
ここで、溶出固形分とは、雑穀類を加熱処理したときに溶出する澱粉等の固形分をいい、その量は以下の方法により測定する。すなわち、雑穀類に上記した加熱処理を施し、冷却し品温25℃とし、これをビーカー等の容器に一定量入れ、ここに25℃の水を加え、スターラー等により1000rpm、10分間の条件で攪拌する。その後、容器内の雑穀類と水の混合物を目開き180μmの篩を通過させ、当該篩を通過した水相部(実質的に雑穀皮等の異物が除去されたもの)を105℃、16時間の条件で乾燥する。得られた乾燥物の重量を容器に入れた雑穀類の重量で除することにより上記した溶出固形分量を算出する。
【0015】
上記した溶出固形分量を抑えることができる加熱処理方法としては、加熱処理により喫食可能な状態になる量の水分を予め雑穀類に吸水させた後、炊き水等の新たな水を用いることなく該雑穀類を加熱処理する方法が望ましい。すなわち、実質的に吸水させた雑穀類のみが加熱処理される状態、つまり吸水させた雑穀類の周囲にほとんど水分が存在しない状態で加熱処理することが望ましい。
ここで、炊き水なく加熱処理し雑穀類を喫食可能な状態、すなわち十分にα化させるためには、加熱処理にあたり、雑穀類の水分量が30重量%〜70重量%、好ましくは40重量%〜50重量%になるまで吸水させることが重要である。かかる水分量が上記範囲より少ない場合には、加熱処理時に雑穀類の澱粉が十分α化しないおそれがあり、反対にかかる水分量が上記範囲より多い場合には、溶出固形分量が多くなるおそれがある。
【0016】
また、雑穀類に上記した水分量まで吸水することができるようにするためには、予め、雑穀類の組織を適度に破壊させておくことが望ましい。例えば、吸水にあたり、雑穀類に蒸煮処理、マイクロ波処理、遠赤外線処理、熱風乾燥処理等を施すことが望ましい。その他、押圧処理等の物理的処理を施してもよい。なかでも、熱風乾燥処理を用いた場合には、雑穀類の表層部分に適度にひび割れが生じ易くなり、特に、表層部分の硬い雑穀類を用いる場合には、上記吸水が容易になる点で好ましい。反対に、表層部分にひび割れが生じた場合、上記した溶出固形分量が増加する可能性が高い。したがって、吸水効率ならびに加熱処理時の溶出固形分量を考慮し、かかる熱風乾燥条件を設定することが望ましい。具体的には、熱風乾燥処理後の水分含量が15重量%以下、好ましくは6.0重量%〜8.0重量%になるように上記条件を設定することが望ましい。
【0017】
また、上記した熱風乾燥処理等を施すにあたり、予め、雑穀類の水分量が15重量%以上、好ましくは20重量%〜40重量%になるまで浸漬処理等により吸水させておくことが望ましい。これにより、上記した熱風乾燥処理等において雑穀類の組織構造を適度に破壊し易くすることができる。すなわち、かかる水分量が上記範囲よりも少ない場合には、熱風乾燥処理等において雑穀類の組織構造があまり変化せず、加熱処理前に十分に吸水されず、加熱処理時に喫食可能な状態になり難くなる。反対に上記範囲よりも多い場合には、熱風乾燥処理等において雑穀類の割れが大きくなる傾向があり、加熱処理時に澱粉等の溶出が多くなり好ましくない。
【0018】
本発明は、前記の通り、一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理を施すが、かかる加熱処理は、例えば、前記水分まで吸水させた雑穀類のみを容器に収納密封し、あるいは容器内に雑穀類と水を入れ、雑穀類にかかる水のすべてあるいはほとんどを吸水させた後、当該容器を密封し、50℃〜140℃、5分間〜90分間、好ましくは100℃〜125℃、10分間〜25分間の条件で行うことが望ましい。これにより、雑穀類をα化し、喫食可能な状態にすることができるとともに、冷凍、冷蔵、常温等の保存条件に応じた殺菌処理も併せて行うことができる。例えば、常温流通可能なものとする場合には、121℃〜140℃、5分間〜25分間程度であることが望ましい。
すなわち、上記した加熱条件が上記加熱条件よりも緩やかな場合、雑穀類が十分にα化されない可能性があり、反対に、上記加熱条件よりも厳しい場合には、褐変、焦げ臭が生じる傾向があり、また、澱粉等の溶出が増大し雑穀類どうしの付着、雑穀類が容器内部に付着する等の問題が発生し易くなる。例えば、喫食可能な状態になるまで加熱処理を施した後、再度、殺菌のための加熱処理を施した場合には、蒸れ臭が強くなる等、加熱条件が厳しい場合の問題が生じ易くなる。
【0019】
また、雑穀類を容器に充填する方法として、前記した通り、吸水した雑穀類を充填する方法と、雑穀類と水を別途充填する方法があるが、後者の方法の場合、雑穀類が充填装置、容器に付着すること等を防止することができ、充填時の操作性等の点において好適である。
【0020】
また、加熱処理にあたり雑穀類に吸水させる水は、通常の水を用いればよいが、所望に応じて、例えば、食塩、醤油、砂糖等の各種調味料を含む調味液を用いてもよい。これにより、一般に食味の弱い雑穀類を調味することができるため、御飯に振り掛けあるいは混ぜて食する場合、さらには雑穀類のみを食する場合においても、食欲を高めることができる。また、お茶漬けの素としても、利用することができる。
【0021】
また、本発明は、上記雑穀類を容器に収納するにあたり、容器の空隙率が5%〜40%、好ましくは15%〜25%になるようにすることが望ましい。これにより、雑穀類どうしあるいは雑穀類と容器内壁とが付着することなく、当該容器から雑穀類を容易に取出すことができる。また、複数種の雑穀を収納した場合、容器内での雑穀類の動きを抑え、比重分離等により同種の雑穀類どうしが偏ってかたまったりすることを防止できる。これにより、複数種の雑穀を均等に御飯等に振り掛けることができる。すなわち、かかる空隙率が上記範囲よりも小さい場合には、容器内の雑穀類の動きを抑えることはできるものの、上記した付着の問題が大きくなり、反対に空隙率が上記範囲よりも大きい場合には、全く逆の現象、つまり、付着の問題が生じる可能性は低くなる傾向にあるが、雑穀類が容器内を自由に流動し、同種の雑穀類どうしが偏って収納され、複数種の雑穀類をまんべんなく取出すことが困難になる可能性が高くなる。
ここで、上記空隙率とは、雑穀類を容器に収納し、密閉した後の値であって、式:容器内エア量/(容器内エア量+雑穀類の総体積)に基づき算出した値をいう。ここで、容器内エア量とは、水槽中で雑穀類を収納した容器を開封し、容器内から水槽中に排出されたエア量であって、例えば、水槽中において容器から排出され浮上するエアを、容器の上方に位置する水槽内部に開口部を下方に向けて設置したエアを除去したシリンダー等の測定器内に誘導捕獲する方法によって測定する。また、雑穀類の総体積とは、容器に収納密封された雑穀類を取出し、メスシリンダーに収容し、適度な衝撃を与えて隙間をなくし、衝撃を与えても実質的に測定値が変化しなくなったときの体積値のことをいう。
【0022】
本発明で用いる容器の大きさ、形状、材質等は特に限定するものではないが、開封し、御飯等に振り掛け易いパウチ状のものが好ましい。また、その大きさは、家族の中で雑穀類を食べたい人が、食べたい量だけ使える、例えば、茶碗1〜2杯分に用いることができる個食タイプが好ましく、具体的には、雑穀類20g〜50g程度を上記空隙率になるよう収納できる縦8mm〜13mm×横6mm〜10mmの大きさのパウチ等が例示できる。
また、材質は、使用時に電子レンジ、湯煎等により加熱することも考慮し、耐熱性、耐水性を備えたものであることが望ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、エチレンビニルアルコール共重合体、アルミ蒸着プラスチック等が例示できる。使用にあたっては、これら包装材料を、必要により適宜積層して用いればよい。
以下、本発明を実施例により、更に詳しく説明する。
【0023】
【実施例1】
▲1▼黒豆 7g(粒度4000μm)
▲2▼小豆 10g(粒度4000μm)
▲3▼搗精処理したはと麦 19g(粒度4000μm〜2360μm)
▲4▼緑豆 9g(粒度4000μm〜2360μm)
▲5▼粉砕処理したとうもろこし 12g(粒度2360μm〜1400μm)
▲6▼搗精処理したそばの実 6g(粒度2360μm)
▲7▼黒米 10g(粒度1400μm)
▲8▼黒ごま 13g(粒度1400μm)
▲9▼アマランサス 14g(粒度850μm)
以上の▲1▼〜▲9▼の雑穀類100gを、25℃の水1リットルに12時間浸漬した後、目開き300μmの篩に載置し、水切りし、次に、流動層乾燥機を用いて熱風乾燥処理を施した。次に、100mm×80mmのパウチ(アルミ蒸着/ポリプロピレン)に水12gと雑穀類18gを入れ、60分間吸水処理を行い、該水すべてを雑穀類に吸水させた(水分43.8重量%)。次に、かかるパウチを密封し、121℃、14分間の条件により加熱処理を行い、常温流通可能なパウチ入り雑穀類(空隙率21.8%、溶出固形分量0.65重量%、水分43.8重量%)を得た。
【0024】
実施例1により得られたパウチ入り雑穀類は、パウチ内で移動することなく、パウチへの付着、雑穀類どうしの付着は見られなかった。
また、パウチを開封し、これを電子レンジで加熱した後、茶碗に盛った別に炊飯した白米に振り掛け、白米と混ぜ合わせて雑穀入りの御飯を作った。このとき、米と雑穀をいっしょに炊飯したときの独特の蒸れ臭は感じられなかった。また、雑穀の茶褐色が白米の白色の中に浮き立ち、雑穀の存在感が感じられた。さらに、個々人において、好みに応じて御飯に混ぜ合わせる量を調整することができた。すなわち、香立ち、存在感、量調整に優れ、さらには、パウチに付着することなく取出すことができる取出し容易性、また9種の雑穀類を均等に取出すことができる取出し均一性に優れたものであった。
【0025】
【実施例2】
実施例1の雑穀類18gを上記パウチに入れ、これに炊き水12gを加えて密封し、浸漬時間を設けることなく、炊き水といっしょに121℃、14分間の条件により加熱処理を行い、常温流通可能なパウチ入り雑穀類を得た。パウチには炊き水すべてを吸水し加熱された雑穀類のみが収納されていた。(空隙率2.5%、溶出固形分量1.5重量%、水分43.8重量%)であった。
【0026】
実施例2により得られたパウチ入り雑穀類は、パウチ内に密着し、パウチ内で移動することはなかったが、若干雑穀類どうしの付着が見受けられた。
また、白米と混ぜ合わせて雑穀入りの御飯を作ったところ、実施例1と同様、香立ち、存在感、量調整に優れたものであった。また、取出し均一性に優れていたが、若干容器に付着し、取出し容易性の面において、実施例1よりも劣るものであった。
【0027】
【実施例3】
パウチに代えて成形容器(120mm×65mm×10mm)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、常温流通可能な成形容器入り雑穀類(空隙率45.0%、溶出固形分量0.65重量%、水分44.2重量%)を得た。
【0028】
実施例3により得られた成形容器入り雑穀類は、容器への付着、雑穀類どうしの付着は見受けられなかったが、容器内を移動し、比較的小さな雑穀類については、容器底部に偏在していた。
また、白米と混ぜ合わせて雑穀入りの御飯を作ったところ、実施例1と同様、香立ち、存在感、量調整に優れたものであった。また、取出し容易性に優れていたが、上記した通り、雑穀類の一部が容器内に偏在し、若干取出し均一性の面において、実施例1よりも劣るものであった。
【0029】
【実施例4】
炊飯器に実施例1に記載の雑穀類100gと水300gをいれて、喫食可能レベルに調理した。得られた雑穀類30gのみを実施例1と同様のパウチに入れて密封し、122℃、14分間の条件により加熱処理を行い、常温流通可能なパウチ入り雑穀類(空隙率17.5%、溶出固形分量5.2重量%、水分60重量%)を得た。
【0030】
実施例4により得られたパウチ入り雑穀類は、パウチ内で移動することはないが、パウチへの付着、雑穀類どうしの付着が見受けられた。
また、白米と混ぜ合わせて雑穀入りの御飯を作ったところ、実施例1と同様、存在感、量調整に優れたものであった。また、取出し均一性に優れていたが、蒸れ臭が感じられるとともに、雑穀類がパウチに付着し、香立ちならびに取出し容易性の面において、実施例1よりも劣るものであった。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、米と雑穀をいっしょに炊飯したときの独特の蒸れ臭を感じることなく、また、御飯といっしょに混ぜた場合においても雑穀の味覚、存在感を高めることができ、さらには個人の好み、量に応じて雑穀入り御飯を簡便に作ることができる容器入り雑穀を提供することができる。
さらに、家庭等で使用する場合、簡便にまた操作性のよい容器入り雑穀を提供することができる。
Claims (6)
- 別に炊飯した御飯に混ぜてまたは振り掛けて食する一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記雑穀類が、一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理されたものであり、前記雑穀類の水分含量が30重量%〜70重量%であることを特徴とする容器入り雑穀類。
- 一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理された水分含量30重量%〜70重量%の一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記容器の空隙率が5%〜40%であることを特徴とする容器入り雑穀類。
- 一定水分を含んだ状態で喫食可能な状態になるまで加熱処理された水分含量30重量%〜70重量%の一種または二種以上の雑穀類が容器に収納された容器入り雑穀類であって、前記雑穀類の溶出固形分量が0.1重量%〜5.0重量%であることを特徴とする容器入り雑穀類。
- 請求項1乃至請求項3に記載の容器入り雑穀類の製造方法であって、加熱処理により喫食可能な状態になる量の水分を予め雑穀類に吸水させた後、該雑穀類を新たに水を用いることなく加熱処理することを特徴とする容器入り雑穀類の製造方法。
- 雑穀類の吸水にあたり、雑穀類に熱風乾燥処理を施すことを特徴とする請求項4記載の容器入り雑穀類の製造方法。
- 容器に、雑穀類と水をそれぞれ充填し、雑穀類に該水を吸水させた後、新たに水を加えることなく該容器を密封し、次いで加熱処理を行う請求項4又は請求項5に記載の容器入り雑穀類の製造方法。
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JP2008054634A (ja) * | 2006-09-02 | 2008-03-13 | Okinawa Shokuryo Kk | 雑穀配合米とその製造方法 |
CN103766742A (zh) * | 2014-02-19 | 2014-05-07 | 安徽燕之坊食品有限公司 | 一种米饭伴侣 |
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