JP2004054425A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置において、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る直流安定化電源装置は、基準電圧回路4に起動をかける起動回路(Q3、Q4、Rab)と、入力電圧Viを検出する入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路(Q4〜Q7、Rab)と、を同一構成(電源・グランド間に抵抗と能動素子を有する構成)とし、両回路を一元化した構成としている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る直流安定化電源装置は、基準電圧回路4に起動をかける起動回路(Q3、Q4、Rab)と、入力電圧Viを検出する入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路(Q4〜Q7、Rab)と、を同一構成(電源・グランド間に抵抗と能動素子を有する構成)とし、両回路を一元化した構成としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置(入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一従来構成を示す回路図である。本図に示す直流安定化電源装置は、入力電圧Viから所望の出力電圧Voを生成する直流安定化電源回路(トランジスタq1、q2、誤差増幅回路a1、抵抗r1〜r3)と、入力電圧Viの検出判定を行う入力電圧検出回路(トランジスタq3、誤差増幅回路a2、遅延回路X、抵抗r4〜r6、検出出力固定用抵抗ra)と、入力電圧Viから直流安定化電源回路及び入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧Vrefを生成する基準電圧回路Yと、入力電圧Viが所定の閾値に達してから基準電圧回路Yに起動をかける起動回路(起動用抵抗rb)と、を有して成る。
【0003】
直流安定化電源回路は、基準電圧Vrefと参照電圧Vadj(抵抗r1、r2による出力電圧Voの分圧電圧)との誤差がなくなるようにトランジスタq1のベース電流をフィードバック制御して出力電圧Voを安定化させる。入力電圧検出回路は、入力電圧Viが上閾値を上回れば検出電圧Vrをハイレベルとし、下閾値を下回れば検出電圧Vrをローレベルとする。
【0004】
続いて、入力電圧Viの立上がり時及び立下がり時における入力電圧検出回路の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は入力電圧Viと検出電圧Vr各々の立上がり立下がり挙動を示す波形図である。なお、本図の縦軸は入力電圧Vi及び検出電圧Vrの各電圧値を示しており、横軸は時間を示している。また、本図には、入力電圧検出回路(誤差増幅回路a2、遅延回路X)や基準電圧回路Yの正常動作に必要な入力電圧Vth1、検出電圧Vrがローレベルに立ち下がる入力電圧Vth2、検出電圧Vrがハイレベルに立ち上がる入力電圧Vth3、及び各回路を構成するトランジスタのベース・エミッタ間順方向電圧VBEが示されている(VBE<Vth1<Vth2<Vth3)。
【0005】
まず、入力電圧Viが電圧VBEに達するまでの期間a(0<Vi<VBE)について説明する。該期間aでは、各回路が一切動作できないため、トランジスタq3はオフ状態に維持される。従って、検出電圧Vrは入力電圧Viの立上がりに伴ってハイレベルとなる。
【0006】
次に、入力電圧Viが電圧VBEに達してから電圧Vth1に達するまでの期間b(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間bでは、検出出力固定用抵抗raを介してトランジスタq3のベースがプルアップされるため、トランジスタq3はオン状態に遷移される。従って、検出電圧Vrはローレベルに固定される。なお、該期間bでは、基準電圧回路Yが起動され、各回路が動作可能となるが、その動作は必ずしも正常ではないため、検出出力固定用抵抗raがなければ、トランジスタq3がオフ状態に維持されて、検出電圧Vrが入力電圧Viの立上がりに伴ってさらにハイレベルとなるおそれがある(本図破線)。
【0007】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を上回っている期間c(Vth1<Vi)について説明する。該期間cでは、入力電圧検出回路(誤差増幅回路a2、遅延回路X)や基準電圧回路Yが正常に動作する。そのため、入力電圧Viが電圧Vth3に達するまでは、トランジスタq3がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに維持され、入力電圧Viが電圧Vth3に達すると、所定の遅延時間td経過後にトランジスタq3がオフ状態とされて検出電圧Vrはハイレベルに遷移される。その後、入力電圧Viが電圧Vth2を下回ると、トランジスタq3がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに遷移される。
【0008】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を下回ってから電圧VBEに達するまでの期間d(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間dでは、前述の期間bと同様に、検出出力固定用抵抗raを介してトランジスタq3のベースがプルアップされるため、トランジスタq3はオン状態に維持される。従って、検出電圧Vrはローレベルに固定される。なお、該期間dでも、各回路は動作可能であるが、その動作は必ずしも正常ではないため、検出出力固定用抵抗raがなければ、トランジスタq3がオフ状態に遷移されて、検出電圧Vrが立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなるおそれがある(本図破線)。
【0009】
最後に、入力電圧Viが電圧VBEを下回る期間e(0<Vi<VBE)について説明する。該期間eでは、前述の期間aと同様に、各回路が一切動作できなくなるため、トランジスタq3はオフ状態に遷移される。従って、検出電圧Vrは立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記構成から成る直流安定化電源装置は、抵抗raを有して成る検出出力固定回路によって、低入力電圧時(期間b、d)における検出電圧Vrの出力レベルを固定するとともに、抵抗rbを有して成る起動回路によって、入力電圧Viが電圧Vth1(各回路の正常動作に必要な電圧)に達してから基準電圧回路Yに起動をかける構成であるため、入力電圧Viの立上がり時及び立下がり時においても、正確に入力電圧Viの検出判定を行うことが可能である。
【0011】
しかしながら、上記構成から成る直流安定化電源装置は、数百[kΩ]もの高抵抗値を有する複数の抵抗素子(抵抗ra、rb)を具備する必要があるため、入力電圧Viの検出判定を正確に行える反面、チップサイズ縮小や消費電流低減を図る上では不利な構成となっていた。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑み、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置において、前記起動回路と、前記入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路と、を同一構成とし、両回路を一元化した構成としている。
【0014】
具体的な適用例としては、入力電圧から所望の出力電圧を生成する直流安定化電源回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、前記入力電圧から前記直流安定化電源回路及び前記入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧を生成する基準電圧回路と、前記入力電圧が所定閾値に達してから前記基準電圧回路に起動をかける起動回路と、を有して成る半導体装置において、前記起動回路と、前記入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路と、を同一構成とし、両回路を一元化した構成にするとよい。
【0015】
このような構成とすることにより、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路の双方に必要な高抵抗素子を単一化することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0016】
なお、上記構成から成る半導体装置において、一元化された前記起動回路と前記検出出力固定回路は、抵抗と能動素子を介して前記入力電圧が印加される電源ラインと接地ラインとを接続して成る構成にするとよい。このような構成とすることにより、両回路に必要な高抵抗素子を単一化することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0017】
また、上記構成から成る半導体装置において、前記基準電圧回路に起動がかけられる前記入力電圧の閾値は、前記入力電圧検出回路の正常動作に必要な電圧値よりも低い構成にするとよい。このような構成であれば、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一実施形態を示す回路図である。本図に示す直流安定化電源装置は、入力電圧Viから所望の出力電圧Voを生成する直流安定化電源回路(トランジスタQ1、Q2、誤差増幅回路A1、抵抗R1〜R3、過電流保護回路1、過熱保護回路2)と、入力電圧Viの検出判定を行う入力電圧検出回路(トランジスタQ4〜Q8、誤差増幅回路A2、遅延回路3、抵抗R4〜R7、抵抗Rab)と、入力電圧Viから直流安定化電源回路及び入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧Vrefを生成する基準電圧回路4と、入力電圧Viが所定閾値に達してから基準電圧回路4に起動をかける起動回路(トランジスタQ3、Q4、抵抗Rab)と、を有して成る。
【0019】
pnp型トランジスタQ1のエミッタは、入力電圧Viが印加される端子T1に接続されている。トランジスタQ1のコレクタは、出力電圧Voが印加される端子T2に接続される一方、抵抗R1、R2を介して接地電位GNDが印加される端子T5にも接続されている。端子T2は、外部接続された出力コンデンサCoを介して接地されている。トランジスタQ1のベースは、npn型トランジスタQ2のコレクタに接続される一方、抵抗R3を介して端子T1にも接続されている。トランジスタQ2のエミッタは、過電流保護回路1を介して端子T5に接続されている。トランジスタQ2のベースには、誤差増幅回路A1、過電流保護回路1、及び過熱保護回路2の各出力端子が接続されている。
【0020】
誤差増幅回路A1の反転入力端子(−)は、抵抗R1と抵抗R2の接続ノードに接続されている。誤差増幅回路A1の非反転入力端子(+)は、基準電圧回路4の出力端子に接続されている。誤差増幅回路A1の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。過熱保護回路2の電源ラインは基準電圧回路4の出力端子に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。基準電圧回路4の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。また、基準電圧回路4には、起動回路を構成するnpn型トランジスタQ3のコレクタ及びエミッタが接続されている。なお、基準電圧回路4と起動回路の構成については、後ほど詳細な説明を行う。
【0021】
誤差増幅回路A2の反転入力端子(−)は、端子T1と端子T5との間に直列接続された抵抗R4と抵抗R5の接続ノードに接続されている。誤差増幅回路A2の非反転入力端子(+)は、基準電圧回路4の出力端子に接続されている。誤差増幅回路A2の出力端子は、遅延回路3の入力端子に接続されている。誤差増幅回路A2の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。
【0022】
遅延回路3の出力端子は、npn型トランジスタQ4のコレクタに接続される一方、抵抗Rabを介して端子T1にも接続されている。また、遅延回路3には端子T4を介して遅延設定コンデンサCdの一端が外部接続されている。遅延設定コンデンサCdの他端は装置外部で接地されている。遅延回路3の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。
【0023】
トランジスタQ4のベースは、npn型トランジスタQ5のベースに接続される一方、自身のコレクタにも接続されている。トランジスタQ4のコレクタにはトランジスタQ3のベースも接続されている。トランジスタQ4、Q5のエミッタは、それぞれ端子T5に接続されている。トランジスタQ5のコレクタは、pnp型トランジスタQ6のコレクタに接続されている。トランジスタQ6のベースは、pnp型トランジスタQ7のベースに接続される一方、自身のコレクタにも接続されている。トランジスタQ6、Q7のエミッタは、それぞれ端子T1に接続されている。トランジスタQ7のコレクタは、npn型トランジスタQ8のベースに接続される一方、抵抗R6を介して端子T5にも接続されている。トランジスタQ8のコレクタは、検出電圧Vrが印加される端子T3に接続される一方、抵抗R7を介して端子T1にも接続されている。トランジスタQ8のエミッタは、端子T5に接続されている。
【0024】
すなわち、入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路は、抵抗Rabと能動素子(カレントミラーを形成するトランジスタQ4)を介して端子T1と端子T5とを接続して成る構成とされている。
【0025】
続いて、基準電圧回路4と起動回路の構成について説明する。基準電圧回路4と起動回路の一構成例を示す回路図である。本図に示すように、本実施形態の基準電圧回路4は、pnp型トランジスタQ11、Q12、Q13と、npn型トランジスタQ14、Q15と、抵抗R11、R12と、を有して成る。
【0026】
トランジスタQ11、Q12、Q13のエミッタは、それぞれ端子T1に接続されている。トランジスタQ11のコレクタは、トランジスタQ13のベースに接続される一方、トランジスタQ14のコレクタにも接続されている。トランジスタQ11、Q12のベースは互いに接続されており、その接続ノードはトランジスタQ12のコレクタに接続されている。また、トランジスタQ12のコレクタは、トランジスタQ15のコレクタにも接続されている。
【0027】
トランジスタQ14、Q15のベースは互いに接続されており、その接続ノードは、トランジスタQ13のコレクタに接続される一方、基準電圧回路4の出力端子として、誤差増幅器A1、A2の各非反転入力端子(+)と、過熱保護回路2の電源ラインにそれぞれ接続されている。トランジスタQ14のエミッタは、抵抗R11、R12を介して端子T5に接続されている。トランジスタQ15のエミッタは、抵抗R11と抵抗R12の接続ノードに接続されている。
【0028】
なお、起動回路を構成するトランジスタQ3のコレクタ及びエミッタは、それぞれトランジスタQ14のコレクタ及びエミッタに接続されている。また、トランジスタQ3のベースは、抵抗Rabを介して端子T1に接続される一方、ダイオード接続されたトランジスタQ4を介して端子T5にも接続された構成とされている。すなわち、本実施形態の起動回路は、前出の検出出力固定回路と同様、抵抗Rabと能動素子(ダイオード接続されたトランジスタQ4)を介して端子T1と端子T5とを接続して成る構成とされている。
【0029】
このように、起動回路と検出出力固定回路を同一の構成とし、両回路を一元化することにより、双方に必要な高抵抗素子を単一の抵抗Rabで兼用することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0030】
以下では、上記構成から成る直流安定化電源装置の動作についての詳細な説明を行う。まず、基準電圧回路4の動作について詳細に説明する。前出の図2からも分かるように、基準電圧回路4はバンドギャップ型の定電圧生成回路であり、基準電圧回路4の出力段を形成するトランジスタQ14、Q15のエミッタ面積比は1:Nとされている。従って、該エミッタ面積比と抵抗R11、R12の各抵抗値を適切に設定することにより、基準電圧回路4では、入力電圧Viや周囲温度の変動に依らない基準電圧Vrefを一定出力することができる。なお、基準電圧回路4は、入力電圧Viが所定値に達して起動回路を構成するトランジスタ(ダイオード)Q4が抵抗Rabによってバイアスされた時点で起動される。
【0031】
続いて、直流安定化電源回路の動作について詳細に説明する。直流安定化電源回路は、基準電圧Vrefと参照電圧Vadj(抵抗R1、R2による出力電圧Voの分圧電圧)との誤差がなくなるようにトランジスタQ1のベース電流をフィードバック制御して、出力電圧Voを安定化させる回路である。
【0032】
出力電圧Voが所定値より小さく、参照電圧Vadjが基準電圧Vrefより小さいときは、誤差増幅器A1の誤差増幅電圧が大きくなるので、トランジスタQ1のベースに供給される電流は大きくなり、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧は小さくなる。従って、出力電圧Voは大きくなる。一方、出力電圧Voが所定値より大きく、参照電圧Vadjが基準電圧Vrefより大きいときは、誤差増幅器A1の誤差増幅電圧が小さくなるので、トランジスタQ1のベースに供給される電流は小さくなり、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧は大きくなる。従って、出力電圧Voは小さくなる。このような動作によって、出力電圧Voは所定値となるようにフィードバック制御される。
【0033】
なお、前述した通り、出力電圧Voが印加される端子T2は、外部接続された出力コンデンサCoを介して接地されており、高周波ノイズ等の平滑化や高周波インピーダンスの低減が図られている。また、本実施形態の直流安定化電源回路には、過電流保護回路1や過熱保護回路2が設けられており、過電流や過熱等が生じた場合には、トランジスタQ1のベース電流が自動的に制限される。
【0034】
次に、入力電圧検出回路の動作について詳細に説明する。入力電圧検出回路は入力電圧Viが上閾値を上回れば検出電圧Vrをハイレベルとし、下閾値を下回れば検出電圧Vrをローレベルとする回路である。
【0035】
以下では、入力電圧検出回路や基準電圧回路4の正常動作に必要な入力電圧をVth1、検出電圧Vrがローレベルに立ち下がる入力電圧をVth2、検出電圧Vrがハイレベルに立ち上がる入力電圧をVth3、及び各回路を構成するトランジスタのベース・エミッタ間順方向電圧をVBEとして、入力電圧Viの立上がり時及び立下がり時における入力電圧検出回路の動作について詳細に説明する(VBE<Vth1<Vth2<Vth3)。
【0036】
まず、入力電圧Viが電圧VBEに達するまでの期間(0<Vi<VBE)について説明する。該期間では、各回路が一切動作できないため、トランジスタQ8はオフ状態に維持される。従って、検出電圧Vrは入力電圧Viの立上がりに伴ってハイレベルとなる。
【0037】
次に、入力電圧Viが電圧VBEに達してから電圧Vth1に達するまでの期間(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間では、抵抗Rabを介して起動回路を構成するトランジスタ(ダイオード)Q4がバイアスされ、基準電圧回路4が起動される。なお、該期間では、起動回路4の動作が必ずしも正常ではないが、本実施形態の直流安定化電源装置では、抵抗Rabを介してトランジスタQ8のベースがプルアップされるため、トランジスタQ8はオン状態に遷移され、検出電圧Vrはローレベルに固定される。従って、検出電圧Vrが入力電圧Viの立上がりに伴ってさらにハイレベルとなるおそれはない。
【0038】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を上回っている期間(Vth1<Vi)について説明する。該期間では、入力電圧検出回路や基準電圧回路4が正常に動作する。そのため、入力電圧Viが電圧Vth3に達するまでは、抵抗Rabによりトランジスタ(ダイオード)Q4は継続してバイアスされた状態であるとともに、入力電圧検出回路・遅延回路によりトランジスタQ8がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに維持される。さらに、入力電圧Viが電圧Vth3に達すると、入力電圧検出回路・遅延回路により所定の遅延時間td経過後にトランジスタ(ダイオード)Q4はオフ状態となり、トランジスタQ8がオフ状態とされて検出電圧Vrはハイレベルに遷移される。その後、入力電圧Viが電圧Vth2を下回ると、トランジスタQ8がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに遷移される。
【0039】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を下回ってから電圧VBEに達するまでの期間(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間では、起動回路4の動作が必ずしも正常ではなくなるが、前述と同様、抵抗Rabを介してトランジスタQ8のベースがプルアップされるため、トランジスタQ8はオン状態に維持され、検出電圧Vrはローレベルに固定される。従って、検出電圧Vrが立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなるおそれはない。
【0040】
最後に、入力電圧Viが電圧VBEを下回る期間(0<Vi<VBE)について説明する。該期間では、前述と同様に、各回路が一切動作できなくなるため、トランジスタQ8はオフ状態に遷移される。従って、検出電圧Vrは立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなる。
【0041】
上記したように、本実施形態の直流安定化電源装置における入力電圧Viと検出電圧Vr各々の立上がり立下がりについては、起動回路と検出出力固定回路の双方に必要な高抵抗素子を単一の抵抗Rabで兼用した構成としても、従来と同様の挙動(図4参照)を示すことが分かる。
【0042】
なお、上記実施形態では、本発明を直流安定化電源装置に適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置について、本発明を広く適用することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
上記した通り、本発明に係る半導体装置では、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路の双方に必要な高抵抗素子を単一化することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】基準電圧回路4と起動回路の一構成例を示す回路図である。
【図3】入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一従来構成を示す回路図である。
【図4】入力電圧Viと検出電圧Vr各々の立上がり立下がり挙動を示す波形図である。
【符号の説明】
1 過電流保護回路
2 過熱保護回路
3 遅延回路
4 基準電圧回路
Q1、Q6、Q7、Q11〜Q13 pnp型トランジスタ
Q2〜Q5、Q8、Q14、Q15 npn型トランジスタ
A1、A2 誤差増幅回路
R1〜R7、R11、R12 抵抗
Rab 抵抗(検出出力固定用兼起動用)
T1〜T5 端子
Co 出力コンデンサ
Cd 遅延設定コンデンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置(入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置等)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一従来構成を示す回路図である。本図に示す直流安定化電源装置は、入力電圧Viから所望の出力電圧Voを生成する直流安定化電源回路(トランジスタq1、q2、誤差増幅回路a1、抵抗r1〜r3)と、入力電圧Viの検出判定を行う入力電圧検出回路(トランジスタq3、誤差増幅回路a2、遅延回路X、抵抗r4〜r6、検出出力固定用抵抗ra)と、入力電圧Viから直流安定化電源回路及び入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧Vrefを生成する基準電圧回路Yと、入力電圧Viが所定の閾値に達してから基準電圧回路Yに起動をかける起動回路(起動用抵抗rb)と、を有して成る。
【0003】
直流安定化電源回路は、基準電圧Vrefと参照電圧Vadj(抵抗r1、r2による出力電圧Voの分圧電圧)との誤差がなくなるようにトランジスタq1のベース電流をフィードバック制御して出力電圧Voを安定化させる。入力電圧検出回路は、入力電圧Viが上閾値を上回れば検出電圧Vrをハイレベルとし、下閾値を下回れば検出電圧Vrをローレベルとする。
【0004】
続いて、入力電圧Viの立上がり時及び立下がり時における入力電圧検出回路の動作について、図4を参照しながら説明する。図4は入力電圧Viと検出電圧Vr各々の立上がり立下がり挙動を示す波形図である。なお、本図の縦軸は入力電圧Vi及び検出電圧Vrの各電圧値を示しており、横軸は時間を示している。また、本図には、入力電圧検出回路(誤差増幅回路a2、遅延回路X)や基準電圧回路Yの正常動作に必要な入力電圧Vth1、検出電圧Vrがローレベルに立ち下がる入力電圧Vth2、検出電圧Vrがハイレベルに立ち上がる入力電圧Vth3、及び各回路を構成するトランジスタのベース・エミッタ間順方向電圧VBEが示されている(VBE<Vth1<Vth2<Vth3)。
【0005】
まず、入力電圧Viが電圧VBEに達するまでの期間a(0<Vi<VBE)について説明する。該期間aでは、各回路が一切動作できないため、トランジスタq3はオフ状態に維持される。従って、検出電圧Vrは入力電圧Viの立上がりに伴ってハイレベルとなる。
【0006】
次に、入力電圧Viが電圧VBEに達してから電圧Vth1に達するまでの期間b(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間bでは、検出出力固定用抵抗raを介してトランジスタq3のベースがプルアップされるため、トランジスタq3はオン状態に遷移される。従って、検出電圧Vrはローレベルに固定される。なお、該期間bでは、基準電圧回路Yが起動され、各回路が動作可能となるが、その動作は必ずしも正常ではないため、検出出力固定用抵抗raがなければ、トランジスタq3がオフ状態に維持されて、検出電圧Vrが入力電圧Viの立上がりに伴ってさらにハイレベルとなるおそれがある(本図破線)。
【0007】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を上回っている期間c(Vth1<Vi)について説明する。該期間cでは、入力電圧検出回路(誤差増幅回路a2、遅延回路X)や基準電圧回路Yが正常に動作する。そのため、入力電圧Viが電圧Vth3に達するまでは、トランジスタq3がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに維持され、入力電圧Viが電圧Vth3に達すると、所定の遅延時間td経過後にトランジスタq3がオフ状態とされて検出電圧Vrはハイレベルに遷移される。その後、入力電圧Viが電圧Vth2を下回ると、トランジスタq3がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに遷移される。
【0008】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を下回ってから電圧VBEに達するまでの期間d(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間dでは、前述の期間bと同様に、検出出力固定用抵抗raを介してトランジスタq3のベースがプルアップされるため、トランジスタq3はオン状態に維持される。従って、検出電圧Vrはローレベルに固定される。なお、該期間dでも、各回路は動作可能であるが、その動作は必ずしも正常ではないため、検出出力固定用抵抗raがなければ、トランジスタq3がオフ状態に遷移されて、検出電圧Vrが立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなるおそれがある(本図破線)。
【0009】
最後に、入力電圧Viが電圧VBEを下回る期間e(0<Vi<VBE)について説明する。該期間eでは、前述の期間aと同様に、各回路が一切動作できなくなるため、トランジスタq3はオフ状態に遷移される。従って、検出電圧Vrは立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記構成から成る直流安定化電源装置は、抵抗raを有して成る検出出力固定回路によって、低入力電圧時(期間b、d)における検出電圧Vrの出力レベルを固定するとともに、抵抗rbを有して成る起動回路によって、入力電圧Viが電圧Vth1(各回路の正常動作に必要な電圧)に達してから基準電圧回路Yに起動をかける構成であるため、入力電圧Viの立上がり時及び立下がり時においても、正確に入力電圧Viの検出判定を行うことが可能である。
【0011】
しかしながら、上記構成から成る直流安定化電源装置は、数百[kΩ]もの高抵抗値を有する複数の抵抗素子(抵抗ra、rb)を具備する必要があるため、入力電圧Viの検出判定を正確に行える反面、チップサイズ縮小や消費電流低減を図る上では不利な構成となっていた。
【0012】
本発明は、上記の問題点に鑑み、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置において、前記起動回路と、前記入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路と、を同一構成とし、両回路を一元化した構成としている。
【0014】
具体的な適用例としては、入力電圧から所望の出力電圧を生成する直流安定化電源回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、前記入力電圧から前記直流安定化電源回路及び前記入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧を生成する基準電圧回路と、前記入力電圧が所定閾値に達してから前記基準電圧回路に起動をかける起動回路と、を有して成る半導体装置において、前記起動回路と、前記入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路と、を同一構成とし、両回路を一元化した構成にするとよい。
【0015】
このような構成とすることにより、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路の双方に必要な高抵抗素子を単一化することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0016】
なお、上記構成から成る半導体装置において、一元化された前記起動回路と前記検出出力固定回路は、抵抗と能動素子を介して前記入力電圧が印加される電源ラインと接地ラインとを接続して成る構成にするとよい。このような構成とすることにより、両回路に必要な高抵抗素子を単一化することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0017】
また、上記構成から成る半導体装置において、前記基準電圧回路に起動がかけられる前記入力電圧の閾値は、前記入力電圧検出回路の正常動作に必要な電圧値よりも低い構成にするとよい。このような構成であれば、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一実施形態を示す回路図である。本図に示す直流安定化電源装置は、入力電圧Viから所望の出力電圧Voを生成する直流安定化電源回路(トランジスタQ1、Q2、誤差増幅回路A1、抵抗R1〜R3、過電流保護回路1、過熱保護回路2)と、入力電圧Viの検出判定を行う入力電圧検出回路(トランジスタQ4〜Q8、誤差増幅回路A2、遅延回路3、抵抗R4〜R7、抵抗Rab)と、入力電圧Viから直流安定化電源回路及び入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧Vrefを生成する基準電圧回路4と、入力電圧Viが所定閾値に達してから基準電圧回路4に起動をかける起動回路(トランジスタQ3、Q4、抵抗Rab)と、を有して成る。
【0019】
pnp型トランジスタQ1のエミッタは、入力電圧Viが印加される端子T1に接続されている。トランジスタQ1のコレクタは、出力電圧Voが印加される端子T2に接続される一方、抵抗R1、R2を介して接地電位GNDが印加される端子T5にも接続されている。端子T2は、外部接続された出力コンデンサCoを介して接地されている。トランジスタQ1のベースは、npn型トランジスタQ2のコレクタに接続される一方、抵抗R3を介して端子T1にも接続されている。トランジスタQ2のエミッタは、過電流保護回路1を介して端子T5に接続されている。トランジスタQ2のベースには、誤差増幅回路A1、過電流保護回路1、及び過熱保護回路2の各出力端子が接続されている。
【0020】
誤差増幅回路A1の反転入力端子(−)は、抵抗R1と抵抗R2の接続ノードに接続されている。誤差増幅回路A1の非反転入力端子(+)は、基準電圧回路4の出力端子に接続されている。誤差増幅回路A1の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。過熱保護回路2の電源ラインは基準電圧回路4の出力端子に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。基準電圧回路4の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。また、基準電圧回路4には、起動回路を構成するnpn型トランジスタQ3のコレクタ及びエミッタが接続されている。なお、基準電圧回路4と起動回路の構成については、後ほど詳細な説明を行う。
【0021】
誤差増幅回路A2の反転入力端子(−)は、端子T1と端子T5との間に直列接続された抵抗R4と抵抗R5の接続ノードに接続されている。誤差増幅回路A2の非反転入力端子(+)は、基準電圧回路4の出力端子に接続されている。誤差増幅回路A2の出力端子は、遅延回路3の入力端子に接続されている。誤差増幅回路A2の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。
【0022】
遅延回路3の出力端子は、npn型トランジスタQ4のコレクタに接続される一方、抵抗Rabを介して端子T1にも接続されている。また、遅延回路3には端子T4を介して遅延設定コンデンサCdの一端が外部接続されている。遅延設定コンデンサCdの他端は装置外部で接地されている。遅延回路3の電源ラインは端子T1に接続されており、接地ラインは端子T5に接続されている。
【0023】
トランジスタQ4のベースは、npn型トランジスタQ5のベースに接続される一方、自身のコレクタにも接続されている。トランジスタQ4のコレクタにはトランジスタQ3のベースも接続されている。トランジスタQ4、Q5のエミッタは、それぞれ端子T5に接続されている。トランジスタQ5のコレクタは、pnp型トランジスタQ6のコレクタに接続されている。トランジスタQ6のベースは、pnp型トランジスタQ7のベースに接続される一方、自身のコレクタにも接続されている。トランジスタQ6、Q7のエミッタは、それぞれ端子T1に接続されている。トランジスタQ7のコレクタは、npn型トランジスタQ8のベースに接続される一方、抵抗R6を介して端子T5にも接続されている。トランジスタQ8のコレクタは、検出電圧Vrが印加される端子T3に接続される一方、抵抗R7を介して端子T1にも接続されている。トランジスタQ8のエミッタは、端子T5に接続されている。
【0024】
すなわち、入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路は、抵抗Rabと能動素子(カレントミラーを形成するトランジスタQ4)を介して端子T1と端子T5とを接続して成る構成とされている。
【0025】
続いて、基準電圧回路4と起動回路の構成について説明する。基準電圧回路4と起動回路の一構成例を示す回路図である。本図に示すように、本実施形態の基準電圧回路4は、pnp型トランジスタQ11、Q12、Q13と、npn型トランジスタQ14、Q15と、抵抗R11、R12と、を有して成る。
【0026】
トランジスタQ11、Q12、Q13のエミッタは、それぞれ端子T1に接続されている。トランジスタQ11のコレクタは、トランジスタQ13のベースに接続される一方、トランジスタQ14のコレクタにも接続されている。トランジスタQ11、Q12のベースは互いに接続されており、その接続ノードはトランジスタQ12のコレクタに接続されている。また、トランジスタQ12のコレクタは、トランジスタQ15のコレクタにも接続されている。
【0027】
トランジスタQ14、Q15のベースは互いに接続されており、その接続ノードは、トランジスタQ13のコレクタに接続される一方、基準電圧回路4の出力端子として、誤差増幅器A1、A2の各非反転入力端子(+)と、過熱保護回路2の電源ラインにそれぞれ接続されている。トランジスタQ14のエミッタは、抵抗R11、R12を介して端子T5に接続されている。トランジスタQ15のエミッタは、抵抗R11と抵抗R12の接続ノードに接続されている。
【0028】
なお、起動回路を構成するトランジスタQ3のコレクタ及びエミッタは、それぞれトランジスタQ14のコレクタ及びエミッタに接続されている。また、トランジスタQ3のベースは、抵抗Rabを介して端子T1に接続される一方、ダイオード接続されたトランジスタQ4を介して端子T5にも接続された構成とされている。すなわち、本実施形態の起動回路は、前出の検出出力固定回路と同様、抵抗Rabと能動素子(ダイオード接続されたトランジスタQ4)を介して端子T1と端子T5とを接続して成る構成とされている。
【0029】
このように、起動回路と検出出力固定回路を同一の構成とし、両回路を一元化することにより、双方に必要な高抵抗素子を単一の抵抗Rabで兼用することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【0030】
以下では、上記構成から成る直流安定化電源装置の動作についての詳細な説明を行う。まず、基準電圧回路4の動作について詳細に説明する。前出の図2からも分かるように、基準電圧回路4はバンドギャップ型の定電圧生成回路であり、基準電圧回路4の出力段を形成するトランジスタQ14、Q15のエミッタ面積比は1:Nとされている。従って、該エミッタ面積比と抵抗R11、R12の各抵抗値を適切に設定することにより、基準電圧回路4では、入力電圧Viや周囲温度の変動に依らない基準電圧Vrefを一定出力することができる。なお、基準電圧回路4は、入力電圧Viが所定値に達して起動回路を構成するトランジスタ(ダイオード)Q4が抵抗Rabによってバイアスされた時点で起動される。
【0031】
続いて、直流安定化電源回路の動作について詳細に説明する。直流安定化電源回路は、基準電圧Vrefと参照電圧Vadj(抵抗R1、R2による出力電圧Voの分圧電圧)との誤差がなくなるようにトランジスタQ1のベース電流をフィードバック制御して、出力電圧Voを安定化させる回路である。
【0032】
出力電圧Voが所定値より小さく、参照電圧Vadjが基準電圧Vrefより小さいときは、誤差増幅器A1の誤差増幅電圧が大きくなるので、トランジスタQ1のベースに供給される電流は大きくなり、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧は小さくなる。従って、出力電圧Voは大きくなる。一方、出力電圧Voが所定値より大きく、参照電圧Vadjが基準電圧Vrefより大きいときは、誤差増幅器A1の誤差増幅電圧が小さくなるので、トランジスタQ1のベースに供給される電流は小さくなり、トランジスタQ1のコレクタ・エミッタ間電圧は大きくなる。従って、出力電圧Voは小さくなる。このような動作によって、出力電圧Voは所定値となるようにフィードバック制御される。
【0033】
なお、前述した通り、出力電圧Voが印加される端子T2は、外部接続された出力コンデンサCoを介して接地されており、高周波ノイズ等の平滑化や高周波インピーダンスの低減が図られている。また、本実施形態の直流安定化電源回路には、過電流保護回路1や過熱保護回路2が設けられており、過電流や過熱等が生じた場合には、トランジスタQ1のベース電流が自動的に制限される。
【0034】
次に、入力電圧検出回路の動作について詳細に説明する。入力電圧検出回路は入力電圧Viが上閾値を上回れば検出電圧Vrをハイレベルとし、下閾値を下回れば検出電圧Vrをローレベルとする回路である。
【0035】
以下では、入力電圧検出回路や基準電圧回路4の正常動作に必要な入力電圧をVth1、検出電圧Vrがローレベルに立ち下がる入力電圧をVth2、検出電圧Vrがハイレベルに立ち上がる入力電圧をVth3、及び各回路を構成するトランジスタのベース・エミッタ間順方向電圧をVBEとして、入力電圧Viの立上がり時及び立下がり時における入力電圧検出回路の動作について詳細に説明する(VBE<Vth1<Vth2<Vth3)。
【0036】
まず、入力電圧Viが電圧VBEに達するまでの期間(0<Vi<VBE)について説明する。該期間では、各回路が一切動作できないため、トランジスタQ8はオフ状態に維持される。従って、検出電圧Vrは入力電圧Viの立上がりに伴ってハイレベルとなる。
【0037】
次に、入力電圧Viが電圧VBEに達してから電圧Vth1に達するまでの期間(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間では、抵抗Rabを介して起動回路を構成するトランジスタ(ダイオード)Q4がバイアスされ、基準電圧回路4が起動される。なお、該期間では、起動回路4の動作が必ずしも正常ではないが、本実施形態の直流安定化電源装置では、抵抗Rabを介してトランジスタQ8のベースがプルアップされるため、トランジスタQ8はオン状態に遷移され、検出電圧Vrはローレベルに固定される。従って、検出電圧Vrが入力電圧Viの立上がりに伴ってさらにハイレベルとなるおそれはない。
【0038】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を上回っている期間(Vth1<Vi)について説明する。該期間では、入力電圧検出回路や基準電圧回路4が正常に動作する。そのため、入力電圧Viが電圧Vth3に達するまでは、抵抗Rabによりトランジスタ(ダイオード)Q4は継続してバイアスされた状態であるとともに、入力電圧検出回路・遅延回路によりトランジスタQ8がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに維持される。さらに、入力電圧Viが電圧Vth3に達すると、入力電圧検出回路・遅延回路により所定の遅延時間td経過後にトランジスタ(ダイオード)Q4はオフ状態となり、トランジスタQ8がオフ状態とされて検出電圧Vrはハイレベルに遷移される。その後、入力電圧Viが電圧Vth2を下回ると、トランジスタQ8がオン状態とされて検出電圧Vrはローレベルに遷移される。
【0039】
次に、入力電圧Viが電圧Vth1を下回ってから電圧VBEに達するまでの期間(VBE<Vi<Vth1)について説明する。該期間では、起動回路4の動作が必ずしも正常ではなくなるが、前述と同様、抵抗Rabを介してトランジスタQ8のベースがプルアップされるため、トランジスタQ8はオン状態に維持され、検出電圧Vrはローレベルに固定される。従って、検出電圧Vrが立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなるおそれはない。
【0040】
最後に、入力電圧Viが電圧VBEを下回る期間(0<Vi<VBE)について説明する。該期間では、前述と同様に、各回路が一切動作できなくなるため、トランジスタQ8はオフ状態に遷移される。従って、検出電圧Vrは立下がり途中の入力電圧Viに伴ってハイレベルとなる。
【0041】
上記したように、本実施形態の直流安定化電源装置における入力電圧Viと検出電圧Vr各々の立上がり立下がりについては、起動回路と検出出力固定回路の双方に必要な高抵抗素子を単一の抵抗Rabで兼用した構成としても、従来と同様の挙動(図4参照)を示すことが分かる。
【0042】
なお、上記実施形態では、本発明を直流安定化電源装置に適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置について、本発明を広く適用することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
上記した通り、本発明に係る半導体装置では、入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路の双方に必要な高抵抗素子を単一化することができるようになるので、入力電圧検出精度を低下させることなく、チップサイズ縮小や消費電流低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】基準電圧回路4と起動回路の一構成例を示す回路図である。
【図3】入力電圧検出機能を備えた直流安定化電源装置の一従来構成を示す回路図である。
【図4】入力電圧Viと検出電圧Vr各々の立上がり立下がり挙動を示す波形図である。
【符号の説明】
1 過電流保護回路
2 過熱保護回路
3 遅延回路
4 基準電圧回路
Q1、Q6、Q7、Q11〜Q13 pnp型トランジスタ
Q2〜Q5、Q8、Q14、Q15 npn型トランジスタ
A1、A2 誤差増幅回路
R1〜R7、R11、R12 抵抗
Rab 抵抗(検出出力固定用兼起動用)
T1〜T5 端子
Co 出力コンデンサ
Cd 遅延設定コンデンサ
Claims (4)
- 入力電圧が所定の閾値に達してから対象回路に起動をかける起動回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、を有して成る半導体装置において、
前記起動回路と、前記入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路と、を同一構成とし、両回路を一元化したことを特徴とする半導体装置。 - 入力電圧から所望の出力電圧を生成する直流安定化電源回路と、前記入力電圧の検出判定を行う入力電圧検出回路と、前記入力電圧から前記直流安定化電源回路及び前記入力電圧検出回路の双方で用いられる所定の基準電圧を生成する基準電圧回路と、前記入力電圧が所定の閾値に達してから前記基準電圧回路に起動をかける起動回路と、を有して成る半導体装置において、
前記起動回路と、前記入力電圧検出回路の一構成要素であって低入力電圧時における検出出力状態を固定する検出出力固定回路と、を同一構成とし、両回路を一元化したことを特徴とする半導体装置。 - 一元化された前記起動回路と前記検出出力固定回路は、抵抗と能動素子を介して前記入力電圧が印加される電源ラインと接地ラインとを接続して成ることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
- 前記基準電圧回路に起動がかけられる前記入力電圧の閾値は、前記入力電圧検出回路の正常動作に必要な電圧値よりも低いことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の半導体装置。
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