JP2004054259A - 望遠鏡型立体顕微鏡用の対物レンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対物レンズは、3つの光学的構成群G1,G2,G3を含んでおり、第1の構成群G1は対象物側に配置されており、第3の構成群G3は倍率変換器3L,3R側に配置されている。前記対物レンズは条件0.44≦ENP/F≦0.6を満たす。ここでENPは最大倍率における倍率変換器の入射瞳の直径、Fは対物レンズの焦点距離である。さらに条件tan(w1)≧0.16を満たす。ここでw1は倍率変換器の最小倍率における対物レンズ2の最大視界角である。この対物レンズにより、高い分解能と、顕微鏡倍率の全領域に適合された視野を有する立体顕微鏡を提供できる。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分解能対物レンズ、特に(とりわけ望遠鏡型)立体顕微鏡用の高分解能対物レンズ並びに立体顕微鏡に関する。この対物レンズは、3つの光学的構成群を含んでおり、第1の群は対象物に向かう側に配置され、第3の群は倍率変換器に向かう側に配置されている形式のものに関する。
【0002】
顕微鏡、特に立体顕微鏡には通常、倍率変換器が設けられており、この倍率変換器は一方では高い対象物倍率を、他方では大きな対象物野の注視を可能にする。この機器は例えば小さな対象物、例えば半導体構造体またはマイクロメカニカル対象物を操作および検査するための技術的企業、生命科学および材料学の研究所、並びに例えば細胞の研究および操作に、また手術目的に使用される。ますます小さくなる試料を精細に取り扱い、研究するために、一方ではこの顕微鏡の高い分解能が要求され、他方では倍率が低い場合には大きな視野(視界)が重要である。これは試料を迅速に位置決めし、また検査の際の見やすさを改善するためである。
【0003】
また顕微鏡、特に立体顕微鏡では倍率を変化するために、倍率変換器(望遠鏡またはズームの原理)が対物レンズの後方に接続されている。ズーム(可変倍率範囲)において最大倍率の最小倍率に対する比(ズーム比)はzにより示される。ズームによって倍率が所定の領域にわたって変化される。無限焦点ズームも公知であり、この無限焦点ズームは対象ビームを無限から無限に結像し、対象物位置および画像位置を変化することなく倍率を変化することができる。
【0004】
図1は、望遠鏡型立体顕微鏡の基本概略図である。立体顕微鏡は観察者に、観察対象物1の空間的(立体的)印象を与えることができる。観察者の両眼は8Rないし8Lにより示されている。このために、対物レンズ2の前方焦点に存在する対象物1は相互に別個の2つの光学チャネルを介して結像される。2つの観察チャネル10Lと10Rは同じように構成されており、それぞれ1つの倍率変換装置3L、3R、鏡筒レンズ4L、4R、そしてそれぞれ1つの接眼レンズ7L、7Rを有している。鏡筒レンズ4L、4Rの後方に配置された画像反転装置5L、5Rは正しい方向で直立した中間画像6L、6Rを形成し、この中間画像が同じ接眼レンズ7L、7Rのペアにより視覚的に観察される。光学素子の前記ペアは対物レンズ2の軸9に対して平行かつ対称に配置されている。2つの倍率変換器3L、3Rは選択的に倍率を変更するが、左チャネルと右チャネル10L、10Rに対しては同じように変更する。
【0005】
2つの中間画像6Lと6Rは対象物1の異なる画像である。なぜなら、対象物1は左チャネル10Lでは角度wLで、右チャネル10Rでは角度wRで観察されるからである。このようにして対象物を両眼8L、8Rにより直接観察しているかように対象物1を立体的に観察することができる。2つの異なる画像は脳内で3次元画像印象に処理される。
【0006】
EPにより、同じように調整可能な倍率変換器3L、3Rの各入射瞳の直径が表される。uLとuRは、対象物中央OMに先端を有する円錐コーンの開口角の半分を表し、この円錐コーンは入射瞳によって制限される。uLとuRは同じ大きさである。なぜなら顕微鏡は対物レンズ2の軸9に対して対称だからである。従ってuLとuRは以下、共通にuにより示される。wRとwLは大きくないから、サイン条件を満たす良好に補正された光学系に対しては、既知の関係EP=2×F×sin (u)=2×F×nAが成り立つ。ここでnAは、対物レンズ2に後置された倍率変換器3Lないし3Rの入射瞳を基準にした対物レンズの有効開口数(空気中の)である。またFは対物レンズ2の焦点距離である。波長がλ=550nmの場合、分解能に対し一般的法則(経験則)として3000×nAが得られる(1mm当たりのライン対で)。従って大きなアパーチャは高い分解能に対する前提である。
【0007】
倍率変換器3L、3Rの倍率が最大の場合、入射瞳直径EPは最大であり、これはENPにより示される。図示の倍率変換器は、すでに述べた無限焦点ズームまたは望遠鏡システムとすることができる。
【0008】
図1には同様にビームの経過が概略的に示されている。このビームは下方の対象物縁部Ouから中間画像縁部に亘り延在している。ビームは対物レンズと倍率変換器との間の空間で、対物レンズ2の軸9と角度wを形成する。この角度wは対物レンズ2の視界角(視野角)であり、倍率変換器3Lと3Rの倍率が最も低いときに最大である。wの最大値は以降、w1により示される。対象物距離、すなわち対象物1から対物レンズ2の第1の面までの距離はOWにより示されている。
【0009】
対物レンズ2は図1には概略的に示されている。通常、対物レンズはレンズシステムを形成し、個別レンズ(単レンズ)および/または接合レンズ(接合素子ないし組合せレンズ系)からなる。
【0010】
【従来の技術】
公知文献として次のものがある。
【特許文献1】
特開2001−147378号公報
【特許文献2】
特開平10−170832号公報
【特許文献3】
米国特許第4640586号明細書
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
日本特許公開公報JP2001−147378から、立体顕微鏡に対する対物レンズシステムが公知である。このシステムは3つのレンズ群からなり、2つの外側レンズ群は正の屈折率を有し、中央のレンズ群は3つのレンズ素子からなる少なくとも1つの接合素子を含んでいる。実施例で、対象物側のレンズ群は個別レンズからなり、それに3つないし2つの接合レンズを備える2つの接合素子を含む第2のレンズ群が続き、さらに第3のレンズ群が続く。この第3のレンズ群は、2つのレンズを備える接合素子からなる。前記の構成により光学的結像エラー、歪み、および色収差をほぼ抑圧することができる。公開された実施例は0.13と0.20の開口数nAを有する。従ってこの対物レンズの分解能は既知の枠内である。
【0012】
日本特許公開公報JP10170832Aには、前置(補助)レンズ(コンバージョンレンズ)が記載されている。このコンバージョンレンズは立体顕微鏡の対物レンズ前(物体側)で切り替え(着脱)可能であり、この主対物レンズとの組合せで短い焦点距離が得られる。得られた高い倍率に基づき、このコンバージョンレンズは非常に小さな対象物構造を観察するために使用される。また大きな視野を有する対象物を観察するためには、このコンバージョンレンズを除去することができる。このような構造の欠点は、使用されるレンズの数が多いことと、コンバージョンレンズを取付けないし除去することが必要なことである。提案された前記組合せは全部で12のレンズからなる。
【0013】
前記刊行物のコンバージョンレンズは3つのレンズ群からなり、それらのうち2つの外側レンズ群は正の屈折率を有し、それぞれ2つの接合レンズからなる。一方、中央のレンズ群は半月形の接合素子を有する。本来の主対物レンズは、対象物側から見て個別レンズがあり、それに2つのレンズからなる1つの接合素子が続き、それに2つのレンズと別の個別レンズからなる別の接合素子が続く。
【0014】
OLYMPUS社はSZX−AL20の製品番号でこのようなコンバージョンレンズを提供している。コンバージョンレンズと対物レンズの組合せは、nA=0.275の開口数を有するが、ズームの制限された領域でしか使用できない。この領域の外では画像が口径食によって切断されてしまう。対物レンズ−コンバージョンレンズ組合せの対象物距離OWは約10mmしかなく、そのため顕微鏡下での対象物の処理が非常に困難になる。
【0015】
本出願人により、製品番号「MZ12」の下で立体顕微鏡が市販されている。これに対しては焦点距離F=50mmの対物レンズとENP=20mmの入射瞳の最大直径が使用される。すでに高い倍率を有するこの対物レンズでは、対象物から対物レンズの第1面までの距離OW=21.3mmであり、このことは対象物の処理を甘受できる条件下で可能としている。
【0016】
さらにUS−4640586から、望遠鏡形式の立体顕微鏡に対する対物レンズが公知である。この対物レンズは、対象物を調査する際の平坦性についての光学的錯覚を回避するのに役立つ。実施例(実施例5)では、対物レンズは正の屈折率を有する2つの個別レンズからなり、これに1つの半月形接合素子が続き、さらに別の半月形接合素子と、屈折率が正の第3の個別レンズが続く。焦点距離は49.98mmであり、倍率変換器の軸間隔は22mmである。このことから、倍率変換器の円形状入射瞳の最大直径は22mmよりもやや小さくなければならない。
【0017】
本発明の課題は、第1の視点において、前記形式の対物レンズを改善して、倍率変換器(変倍器)を有する立体顕微鏡に使用する際に、倍率が高い場合には高い分解能を有するようにし、この分解能は公知の立体顕微鏡よりも大きく、さらに顕微鏡の倍率(可変)領域全体を、口径食(Vignettierung)なしで使用できるようにすることである。さらに、第2の視点において、同時にこの顕微鏡はできるだけ大きな作業間隔を有するべきである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この課題は、本発明の第1の視点において、冒頭に述べた形式の対物レンズにおいて、以下の条件が満たされる:
かつ
tan(w1)≧0.16
(ここでENPは最大倍率における倍率変換器の入射瞳の直径、Fは対物レンズの焦点距離、w1は倍率変換器の最小倍率における対物レンズの最大視界角(視野角)である)ように構成して解決される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、倍率変換器を備える望遠鏡型立体顕微鏡に対する対物レンズは次の2つの条件を満たす。すなわち、
(B1) 最大顕微鏡倍率において、
(B2) 最小顕微鏡倍率において、0.16≦tan(w1)
である。
【0020】
この条件(B1)は、その先端を対象物中央OMに有するビーム円錐コーンの半開口角u(図1参照)に対する下側限界と上側限界を表し、この半開口角は最大倍率において入射瞳により制限される。この開口角uのサイン値は立体顕微鏡の開口数nAに相応する。分解能はさらに立体顕微鏡の開口数nAに比例するから、条件(B1)は分解能に対する下側限界と上側限界を表す。条件(B1)は、対物レンズの焦点距離を倍率変換器の入射瞳の最大直径と結合し、さらに最大顕微鏡倍率が顕微鏡分解能に適合されることを保証し、倍率変換器、鏡筒、接眼レンズからなる光学系が通常のように所要の倍率領域内で動作している場合に空(leer)の倍率[即ち、実効倍率を越え何ら有効な倍率増大を示さないいわば無意味な倍率]が形成されないことを保証する。
【0021】
条件(B2)は、対物レンズの視界角w(図1参照)の下側限界を、顕微鏡の倍率が最小である時に表す。この条件を満たすことにより、最大倍率と最小倍率との比zが大きい顕微鏡において最小倍率であっても、理論的に得られる視野全体が口径食なしで使用できることが保証される。
【0022】
条件(B1)と(B2)を満たす、前記形式の立体顕微鏡対物レンズは従来技術の対物レンズから次の点で異なる。すなわち、本発明の対物レンズは比較的に高い分解能を有し、顕微鏡の倍率領域全体で(前置補助(コンバージョン)レンズ等を付加的に使用せず、また口径食なしで)使用することが出来るのである。
【0023】
例えば倍率変換器としてズーム比(factor)z≧12のズームと、視野数(Sehfeldzahl)が21以上(≧21)の接眼レンズを使用する場合、所要の倍率領域で動作する立体顕微鏡において、最小倍率の際に条件(B2)により定められる下側限界を下回ると、理論的には得られる視野全体を使用することができなくなる。
【0024】
条件(B1)の下側限界を0.55と選択し、対物レンズの分解能の格段の向上を保証すると有利である。さらに以下では前記条件を満たす対物レンズの実施例が記載される。
【0025】
3つの光学的構成群からなる本発明の対物レンズでは、対象物(物体)に向いた側の第1の構成群G1と、対象物とは反対側の第3の構成群G3に対するさらなる条件が有利であることが判明した。ここでは第1の構成群G1の焦点距離f1に対して次式が成り立つべきである:
ここでとりわけ第1の群は個別(単)レンズからだけなり、第3の群の焦点距離f3に対しては次の条件が成り立つべきである。
【0026】
そして第3の群も同様に個別(単)レンズからだけなるべきである。
【0027】
第1の光学的構成群の焦点距離が比較的短いと(すなわちf1<1.3×F)本発明の対物レンズの実施例では、比較的強い収差が画像縁部に引き起こされる。この収差は後続の構成群G2とG3では補償するのがさらに困難である。これに対して焦点距離f1が1.8×Fの値を超えると、対物レンズ直径が比較的に大きくなる。このことは不所望に大きな重量につながる。全体として第1の構成群G1を個別レンズとして構成することが有利であると判明した。
【0028】
立体観察の際に各チャネルで対物レンズの開口部の一部だけが使用される場合でも、全開時の対物レンズの開口誤差を良好に補正することが必要である。このことは、対物レンズの第3の光学的構成群でもっとも効率的に行われる。なぜなら、そこではビーム直径が大きいからである。ここでは対物レンズ全体の焦点距離の2倍から4倍に相応する焦点距離f3が有利であることが判明した。それより長い焦点距離またはより短い焦点距離は、構成群G1とG2だけでは必ずしも完全に補正されない開口誤差を補償するのに適さない。さらに比較的短い焦点距離f3は、大きな作業間隔OWが必要な場合、構成群G1およびとりわけ構成群G2の構成を困難にする。光学的構成群G3は有利には個別レンズとして構成可能であることが示された。
【0029】
条件
は、対象物面から本発明の対物レンズの構成群G1の第1面までの間隔を、この対物レンズの全体焦点距離Fに対する比で定め、顕微鏡下での快適な作業を可能にする対象物距離を保証する。F=40mmの有利な対物レンズ焦点距離においては、OW≧16.8mmを満たさなければならない。
【0030】
第2の光学的構成群G2に関しては、この第2の群G2の、群G3に向いた側の最後の半径Rkが条件
を満たすと有利であることが判明した。この領域では、構成群G2とG3を相互に次のように整合することができる。すなわち、このように大きなアパーチャと大きなフィールドを有する対物レンズに対して結像エラーの補正が僅かなレンズ数でも可能であるように整合することができる。全体で多くとも8つのレンズからなる3つの光学的構成群の構成は、結像品質が高い場合でも可能であり、有利でもある。なぜならレンズ数が上昇すると立体顕微鏡のコストと重量も増大するからである。
【0031】
色収差を良好に補正することは、条件
|Pg,F−0.6438+0.001682×vd|>0.0075、または
|PC,t−0.5450−0.004743×vd|>0.025の条件の1つを満たす光学的ガラスの選択によって得られる。ここでvd=(nd−1)/(nF−nc)はアッベ数、Pg,F=(ng−nF)/(nF−nC)は波長gとFに対する相対的部分分散、そしてPC,t=(nC−nt)/(nF−nC)は波長Cとtに対する相対的部分分散を意味し、nはそれぞれの波長における屈折率である。
【0032】
このようなガラスによって一次色収差が補正されるだけではなく、二次スペクトルも格段に低減される。このようなガラスを、とりわけ1つの個別レンズからだけなる光学的構成群G3に対して使用すると有利である。
【0033】
さらなる利点は、多くとも3つの異なる材料、とりわけ前記の色収差補正ガラスを本発明の対物レンズの光学的構成群に使用することから得られる。
【0034】
以下、図面に基づき、本発明の実施例とその利点を詳細に説明する。
【0035】
【実施例】
図1に概略的に示された立体顕微鏡については冒頭部分で詳細に説明した。対物レンズ2はそこには極端に簡素化して示してある。
【0036】
以下に示す本発明の対物レンズの3つの実施例は、上記の条件(B1)と(B2)に適合するレンズの構成体を示す。本発明の対物レンズ2は、すでに示した図1では概略的にのみ示された対物レンズ2である。
【0037】
第1の実施例
図2は、第1の実施例によるレンズ断面を概略的に示す。図の右側には2つの平行な立体チャネル10Lと10Rが概略的に示されている。図の左側には対象物1が概略的に示されている。図示のビーム経過は分かり易くするため、立体チャネル10Rのビームにだけ制限されている。ライン20は、対象物OMの中央から発するビーム束を表し、ライン21は上側対象物縁部Oo、ないし下側対象物縁部Ouから発するビーム束を表す。
【0038】
対物レンズ2は8つのレンズから構成されており、これらは空隙によって5つの別個の要素に分割されている。第1の群G1として第1の対象物側レンズ素子が示されている。これは正の屈折率を有する1つの個別レンズ22からなる。第3の構成群G3として、倍率変換器に向いた側のレンズ素子が示されており、これも正の焦点距離を有する1つの個別レンズ23からなる。その間にあるレンズ素子は1つの第2光学的構成群G2にまとめられている。群G2の最後の半径Rkは凹面である。OWにより、対象物1から第1の光学的構成群G1の第1の面までの距離が示される(図1参照)。
【0039】
図2は、対象物中央OMから発し、対物レンズ2を対物レンズ2の光軸9に対して非対称に通過するビーム束20を示す。同様に、複数のビーム束21が、対象物1の上側縁部Ooおよび下側縁部Ouから対物レンズ2の光軸9に対して非対称に延在していることが明瞭である。
【0040】
図2aから、倍率が大きい場合、光学的構成群G1(個別レンズ22)は開口角を適度に低減し、従って大きな結像エラー(収差)を対象物中央OMから発する光ビーム(ビーム束20)に形成しないことがわかる。図2bから分かるように、これに対して倍率が低い場合には、フィールド縁部からの光(とりわけビーム束21 Ou)は強く屈折され、その結果、大きな対物レンズ直径が回避される。対物レンズ2全体の焦点距離Fの1.3倍から1.8倍に相応する構成群G1の焦点距離f1がこの関連から有利であることが分かる。この種のレンズ素子は図示のように個別レンズ22として実現することができる。第1の構成群G1の焦点距離がこれ以上短いと、倍率が低い場合(図2b参照)に画像縁部での収差が比較的に大きくなり、これを後続の構成群G2とG3で補償することはさらに困難になる。これに対して、焦点距離f1が比較的に長いと、対物レンズ直径が比較的に大きくなり、これにより不所望に重量が増大する。図示の例ではf1/F=1.58である。
【0041】
各チャネル10Lと10Rを立体観察する際には、対物レンズ2の開口部の一部しか使用されないが、全開の場合での対物レンズ2の開口誤差の良好な補正が必要である。ビーム束直径は光学的構成群G3において大きいから、有利にはここで補正を行う。対物レンズ全体の焦点距離Fの2倍から4倍に相応する、光学的構成群G3の焦点距離f3がこの目的のために有利であることが判明した。構成群G3は有利には個別レンズ23として実現される。これより長いまたは短い焦点距離f3は、構成群G1とG2だけでは必要な程度に完全に補正されない開口誤差を補償するのに適さない。焦点距離f3が短くなると(<2F)、対象物1までに大きな作業間隔OWが必要な場合、光学的構成群G1およびとりわけ構成群G2の構成が困難となる。図示の例ではf3/F=3.14であり、OW/F=0.42である。
【0042】
出口半径Rk、k=11(対物レンズ2の第11番目の面)がR11/F=1.03に整合すれば、上に述べたように構成された構成群G3は非常に効果的な手段となり、大きなアパーチャと大きなフィールドを有する対物レンズに対して、レンズ数が少ない場合でも(本実施例では8個)結像エラー(収差)の補正を可能にする。
【0043】
図示の第1実施例では、入射瞳直径ENPと対物レンズ2の焦点距離との比が倍率変換器の倍率が最大の場合、ENP/F=0.56である。従って有利な条件0.55<ENP/F<0.6が維持される。対物レンズ2の最大視界角w1は倍率が最小の場合、tan(w1)=0.19により、条件(B2)tan(w1)≧0.16を満たす。従って第1の実施例の対物レンズ2は条件(B1)と(B2)を満たし、公知の対物レンズよりも高い分解能を有し、立体顕微鏡の全倍率領域で使用することができる。しかもその際に倍率が低くても口径食が発生しない。
【0044】
次の表1は図示された第1の実施例の詳細を、F=100mmの焦点距離に対して正規化して示す。ここでは群G1は個別(単)レンズ(面番号1,2)からなり、群G2は3つの接合素子(面番号3,4,5;6,7,8そして9,10,11)からなり、最後の構成群G3は個別レンズ23(面番号12と13)からなる。
【表1】
表の列には左から右へ、群番号、面番号、曲率半径、次の面まで間隔、屈折率nd、分散vd、そして部分分散Pg,FとPC,tがリストアップされている。ここでndは屈折率、vd=(nd−1)/(nF−nc)はアッベ数、Pg,F=(ng−nF)/(nF−nC)は波長gとFに対する相対的部分分散、そしてPC,t=(nC−nt)/(nF−nC)は波長Cとtに対する相対的部分分散を意味する。空隙はデータ中の空き列により示されている。
【0045】
波長gとFは、435.83nmでの青水銀ラインと、486.13nmでの青水素ラインを示す。波長Cとtは、656.27nmでの赤酸素ラインと、1013.98nmでの赤外線水銀ラインを示す。波長dは587.56nmでの黄ヘリウムラインを示す。
【0046】
この対物レンズ形式は、光学的ガラスを適切に選択すれば、高品質な色収差補正を特徴とする。特別なガラスを使用すれば、一次色収差が補正されるだけでなく、二次スペクトルも格段に低減される。大多数のガラス(Normal 標準的ないし通常のガラス)に対して近似的に線形関係が成り立つ(Normal 標準的直線)。
【0047】
Pn g,F =0.6438−0.001682*vd
Pn C,t =0.5450+0.004743*vd
この実施例で使用されるガラスはこの線形関係には従わず、この線形関係の少なくとも1つから偏差する。相対的部分分散の標準的直線からの偏差は次のとおりである。
【0048】
|Pg,F−Pn g,F|>0.0075
|PC,t−Pn C,t|>0.025
対物レンズ2の結像能力が図3に示されている。上は顕微鏡倍率が最大の場合に対するものであり(図3a)、下は倍率が最小の場合に対するものである(図3b)。
【0049】
結像エラー(収差)は、顕微鏡では通常のように、反対の光方向で検出される。すなわち収差は対象物面にて定められ、無限大から到来するビーム束が光の方向と反対の方向に対物レンズによって結像される。
【0050】
図示されているのは、横方向収差としての開口誤差、縦方向収差としての像面湾曲(シャーレ)、そして歪みであり、パーセントで示されている。
【0051】
対物レンズ2の光軸9に対して光束が非対称に対物レンズ2を通過するため、開口誤差は倍率変換器3の2つの光軸を含む断面(Y面)にも、これに対して垂直の断面(X面)にもプロットされている。2つの開口誤差は波長d=587.56nm、C=656.28nmおよびg=435.83nmに対して相対的瞳高さ(mmの単位で)に対応して示されている。
【0052】
像面湾曲は視界角w(゜の単位で)に対応して波長dとgに対し、Y面とX面にプロットされている。Y面での歪みも同様に視界角wに対応して波長dに対してパーセントで示されている。
【0053】
入射瞳はそれぞれの倍率変換器3L、3Rの軸に対してセンタリング(心合わせ)されている。倍率変換器3Lと3Rの軸間隔は59.9mmである。図3aでは入射瞳の直径はEP=56.18mmである。瞳は倍率変換器の軸に沿って対物レンズ2から2.5mm離れて配置されている。最大視界角wは0.95゜である。
【0054】
図3bでは入射瞳の直径はEP=8.49mmである。瞳は倍率変換器の軸に沿って対物レンズから102.4mm離れて配置されている。最大視界角はw1=10.76゜である。
【0055】
公知のようにすべての半径と間隔を係数cと乗算することにより、表1のデータから焦点距離F=c×100mmの対物レンズが得られる。有利な実施例ではF=40mmである。従ってc=0.4である。この係数cにより上記のデータを瞳についてスケーリングし、および図3の横方向収差と縦方向収差をスケーリングすると、これらパラメータのデータが好適な実施例の焦点距離に対して得られる。
【0056】
開口数から得られる回折ディスクの直径を、図3aのラインdに対する開口誤差の横方向収差の小さな値と、実施例の焦点距離F=40mmに対してスケーリングした後とで比較すると、この対物レンズが高いアパーチャに基づき、これまで得られた分解能よりも高い、期待通りの分解能を保証することがわかる。
【0057】
同様に波長Cとgに対して示された開口収差も二次色収差を十分に低減する。
【0058】
さらに図2bから、視界角w1を口径食なしで使用できることがわかる。なぜならビーム束21が(口径食による)カット(beschnitten)が生じていないからである。図3bから、焦点F=40mmにスケーリングすると、立体顕微鏡観察に対して視野全体を無制限に使用できることがわかる。相応の図では、開口誤差は良好に補正されており、像面湾曲の縦方向収差が小さくなっている。
【0059】
第2の実施例
図4は、第2の実施例によるレンズ断面を概略的に示す。図2と同じ構成部材には同じ参照符号が付してある。以下、特別に言及しない限り図4に示された対物レンズ2に対しては第1の実施例と同じ構成が適用される。
【0060】
対物レンズ2はここでも8つのレンズから構成されている。光学的構成群G1は個別レンズ22からなり、これに対してはf1/F=1.46が当てはまる。従って条件1.3<f1/F<1.8が満たされる。さらに光学的構成群G3は個別レンズ23として構成されており、これに対してはf3/F=2.49が当てはまる。従って条件2<f3/F<4が満たされる。ここから得られる利点については、前に第1の実施例との関連で説明したことが当てはまる。
【0061】
第2の光学的構成群G2の最後の面(対物レンズ2の第11番目の面)に対しては、R11/F=1.07が当てはまる。このことは条件0.7<Rk/F<1.1(k=11)を満たす。対象物距離に対しては、この実施例ではOW/F=0.42が当てはまる。前記の条件を満たすためには、第1の実施例についての説明が当てはまる。
【0062】
図示の第2実施例では、対物レンズ2の焦点Fに対する入射瞳直径ENPの比が、倍率変換器の倍率が最大のときに、ENP/F=0.44である。さらに対物レンズ2の最大視界角w1に対しては倍率が最小のとき、tan(w1)=0.19が成り立つ。第2実施例の対物レンズ2は従って本発明の条件(B1)と(B2)を満たす。これにより立体顕微鏡の倍率領域全体で使用することができ、公知の対物レンズよりも高い分解能を有する対物レンズが得られる。
【0063】
次の表2は図示の第2実施例のデータを詳細に示すものであり、F=100mmの焦点距離に対して正規化されている。ここで群G1は1つの個別レンズ(面番号1,2)からなり、群G3は3つの接合素子(面番号3,4,5;6,7,8および9,10,11)からなり、最後の構成群G3は個別レンズ23(面番号12と13)からなる。
【表2】
この表のデータについては、第1の実施例についての説明が当てはまる。
【0064】
第2の実施例に使用されるガラスに対しても、第1の実施例に対して示された相対的部分分散の標準直線からの偏差が当てはまる。このことにより、色収差の高品質な補正を特徴とする対物レンズ形式が得られる。
【0065】
対物レンズの結像能力は図5に示されている。
【0066】
図示の形式は図3と同じであり、そこに述べたことがここでも当てはまる。倍率変換器3Lと3Rの軸間隔はここでは47.0mmである。
【0067】
図5aで入射瞳の直径はENP=44.0mmである。瞳は倍率変換器の軸に沿って対物レンズから2.0mm離れて配置されている。最大視界角はw=0.95゜である。
【0068】
図5bでは瞳の直径EP=6.65mmである。瞳は倍率変換器の軸に沿って対物レンズから80.2mm離れて配置されている。最大視界角はw1=10.64゜である。
【0069】
スケーリングおよび達成された結像能力に関しては、第1の実施例であげられたことが当てはまる。第2の実施例による対物レンズの有利な焦点距離Fは約50mmである。
【0070】
第3の実施例
図6は本発明の対物レンズ2の第3実施例によるレンズ断面を概略的に示す。この対物レンズも空隙により分離された5つの要素からなり、これらは3つの群に分けることができる。第1の光学的構成群G1は個別(単)レンズ22として、第3の光学的構成群G3も同様に個別レンズとして構成されている。光学的構成群G2は3つの接合素子で形成される。対物レンズ2は全体で8つのレンズからなる。
【0071】
図6でも同じ構成部材は、以前の実施例と同じ参照符号により示されている。その他の点でも以下、特別に述べない限り先行の2つの実施例についての説明が当てはまる。
【0072】
第3実施例の対物レンズ2に対しては、ENP/F=0.6が当てはまる。従って本発明の条件(B1)は満たされている。さらにtan(w1)=0.19であり、第2の本発明の条件(B2)も満たされている。さらに構成群G1(個別レンズ22)の焦点距離f1に対してはf1/F=1.70が当てはまる。従って1.3<f1/F<1.8が満たされている。また第3の光学的構成群G3(個別レンズ23)の焦点距離f3に対してはf3/F=3.68であり、従って2<f3/F<4が満たされている。
【0073】
さらに対象物距離に対してはOW/F=0.42が、構成群G3側の構成群G2の最後の半径(第11番目の面)に対してはR11/F=1.05が成り立つ。従って第3の実施例に対しても条件0.7<Rk/F<1.1.と、OW/F≧0.42が満たされている。
【0074】
上記の条件を満たすことにより得られる利点についてはすでに上に説明した2つの実施例と関連して説明した。ここでも同じことが当てはまる。
【0075】
次の表3は第3の実施例のデータを詳細に示すものであり、ここでは焦点距離F=100mmに対して正規化されている。面番号のそれぞれの群への割り当ては上の実施例と同じように行われている。
【表3】
この表データに対してもすでに上で説明したことが当てはまる。第3の実施例に対して使用されるガラスもまた、相対的部分分散に対して当てはまる少なくとも1つの標準的直線から、第1の実施例ですでに示した絶対値だけ異なっている。
【0076】
対物レンズの結像能力が図7に示されている。上(図7a)が顕微鏡倍率が最大の場合に対するものであり、下(図7b)が倍率が最小の場合に対するものである。図はすでに説明した図3および図5とまったく同じように示されており、そこでの説明がここでも当てはまる。
【0077】
倍率変換器3Lと3Rの軸間隔はこの場合、47.0mmである。
【0078】
図7aで、入射瞳の直径はENP=60.0mmである。瞳は倍率変換器の軸に沿って対物レンズから2.7mm離れて配置されている。最大視界角はw=0.95゜である。
【0079】
図7bで、瞳の直径はEP=9.1mmである。瞳は倍率変換器の軸に沿って対物レンズから109.3mm離れて配置されている。最大視界角はw1=10.64゜である。
【0080】
スケーリングおよび達成される結像能力に関しても、第1の実施例での説明が当てはまる。第3の実施例による対物レンズの有利な焦点距離Fは37.5mmである。
【0081】
本発明の対物レンズの3つの実施例はいずれも良好な結像特性を有し、上記の理由からとりわけ望遠鏡型立体顕微鏡に適する。本発明の対物レンズは、最大倍率と最小倍率との間にある位置においても非常に良好な結像特性を有することを述べておく。
【0082】
【発明の効果】
本発明の第1の視点(請求項1、基本構成)により、所定の課題が達成される。即ち、倍率変換器を有する立体顕微鏡において、高倍率の場合には所定の高分解能を示し、かつ、該所定の分解能は公知の立体顕微鏡よりも大きくさらに顕微鏡の倍率(可変)領域全体を口径食なしで使用することができる(基本効果)。本発明の各従属請求項の構成によれば、上記の基本効果に加えて夫々特有の効果を達成する。例えば、請求項2の構成により、さらに、対物レンズの分解能の格段の向上が達成される([0024]参照)。請求項3、4の構成により、第3の群を個別(単)レンズとすることができ全体構成の簡略化が所定の効果を達成しつつ、実現される([0026]〜[0027]参照)。請求項5により、構成群G2の特定の構成を介して、大きなアパーチャと大きなフィールド(視野)を有する対物レンズに対し結像エラー(収差)の補正が僅かなレンズ数でも可能となるよう構成群G2とG3を整合することができる。その結果最大8ヶのレンズで、高い結像品質を低コスト、低重量で達成する([0030]参照)。さらに、請求項10の構成によって、色収差の補正の条件を支える。([0031]等参照)。さらに、その他の請求項の特徴によって、従来の技術に比して特有の有利な付加的効果が得られることが、実施の形態、実施例、図面を含め本発明の開示全体から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による望遠鏡型立体顕微鏡の一例の概略図を示すと共に、本願発明の基本的全体構成の一例をも示す。
【図2】倍率変換器の最大倍率(図2a)と最小倍率(図2b)に対するビーム路を共に示した、本発明の対物レンズの概略図である。
【図3】倍率が最大の場合(図3a)と最小の場合(図3b)に対する対物レンズの結像能力を示す図である。
【図4】倍率変換器の最大倍率(図4a)と最小倍率(図4b)でのビーム経過を共に示した、本発明の対物レンズの第2実施例の概略図である。
【図5】最大倍率(図5a)と最小倍率(図5b)の場合に対する所属の結像能力を示す図である。
【図6】倍率変換器の最大倍率(図6a)と最小倍率(図6b)でのビーム経過を共に示した、本発明の対物レンズの第3実施例の概略図である。
【図7】顕微鏡最大倍率(図7a)と最小倍率(図7b)の場合に対する所属の結像能力を示す図である。
【符号の説明】
1 対象物
2 対物レンズ
3L、3R 左チャネルおよび右チャネルの倍率変換器
4L、4R 左チャネルおよび右チャネルの鏡筒レンズ
6L、6R 左チャネルおよび右チャネルの中間画像
7L、7R 左チャネルおよび右チャネルの接眼レンズ
8L、8R 左眼および右目
9 対物レンズの軸
10L、10R 立体顕微鏡の左観察チャネルおよび右観察チャネル
20 対象物中央からのビーム束
21 上側対象物縁部および下側対象物縁部からのビーム束
22 個別レンズ(第1の群G1)
23 個別レンズ(第3の群G3)
c スケーリング係数
ENP 最大倍率における倍率変換器の入射瞳の直径
EP 倍率変換器の入射瞳の直径
F 対物レンズの焦点距離
f1 対物レンズの第1の群(G1)の焦点距離
f3 対物レンズの第3の群(G3)の焦点距離
G1..G3 対物レンズを構成する光学的構成群
nA 対物レンズの開口数
OM 対象物野の中央
Oo 対象物野の上側縁部
Ou 対象物野の下側縁部
OW 対象物面から(G1)の第1面までの距離
Rk 対物レンズの第3の群(G3)に向いた側の、第2の群(G2)の最後(k番目)の面半径
u,uR,uL 対象物中央にピークを有し、ENPによろ制限されるビーム円錐コーンの開口角の半分
w 対物レンズの視界角(視野角)
w1 最小倍率における対物レンズの最大視界角
z 倍率変換器の最大倍率と最小倍率の比(ズーム比)
Claims (14)
- 望遠鏡型立体顕微鏡用の対物レンズであって、
3つの光学的構成群(G1,G2,G3)を含んでおり、
第1の構成群(G1)は対象物に向かう側に配置されており、第3の構成群(G3)は倍率変換器(3L、3R)に向かう側に配置されている形式の対物レンズにおいて、
以下の条件が満たされる:
0.44≦ENP/F≦0.6 かつ
tan(w1)≧0.16
ここでENPは最大倍率における倍率変換器(3L、3R)の入射瞳の直径、Fは対物レンズ(2)の焦点距離、w1は倍率変換器(3L、3R)の最小倍率における対物レンズ(2)の最大視界角である、
ことを特徴とする対物レンズ。 - 2<f3/F<4であり、ここでf3は第3の光学的構成群(G3)の焦点距離である、請求項1または2記載の対物レンズ。
- 光学的構成群(G3)は個別レンズ(23)からなる、請求項3記載の対物レンズ。
- 条件0.7<Rk/F<1.1が満たされ、ここでRkは第3の光学的構成群(G3)に向いた側の、第2の構成群(G2)の最後の半径である、請求項1から4までのいずれか1項記載の対物レンズ。
- 条件OW/F≧0.42が満たされ、ここでOWは対象物表面から第1の光学的構成群(G1)の第1面までの距離である、請求項1から5までのいずれか1項記載の対物レンズ。
- 条件1.3<f1/F<1.8が満たされ、ここでf1は第1の光学的構成群(G1)の焦点距離f1である、請求項1から6までのいずれか1項記載の対物レンズ。
- 第1の光学的構成群(G1)は個別レンズ(22)からなる、請求項7記載の対物レンズ。
- 対物レンズは最大で8つのレンズから構成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載の対物レンズ。
- 第3の光学的構成群(G3)の正のレンズに次の条件を満たすガラスを使用する:
|Pg,F−0.6438+0.001682×vd|>0.0075、または
|PC,t−0.5450−0.004743×vd|>0.025
ここでvd=(nd−1)/(nF−nC)はアッベ数、Pg,F=(ng−nF)/(nF−nC)は波長gとFに対する相対的部分分散、そしてPC,t=(nC−nt)/(nF−nC)は波長Cとtに対する相対的部分分散を意味し、nはそれぞれの波長における屈折率である、請求項1から9までのいずれか1項記載の対物レンズ。 - 光学的構成群(G1,G2,G3)は最大で3つの異なる材料から構成される、請求項1から10までのいずれか1項記載の対物レンズ。
- 光学的構成群(G1,G2,G3)に対して使用される材料はすべて、請求項10の条件の1つを満たす、請求項1から11までのいずれか1項記載の対物レンズ。
- 請求項1から13までのいずれか1項記載の対物レンズを主対物レンズとして有する立体顕微鏡。
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