JPH1195117A - 双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系 - Google Patents

双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系

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JPH1195117A
JPH1195117A JP9255443A JP25544397A JPH1195117A JP H1195117 A JPH1195117 A JP H1195117A JP 9255443 A JP9255443 A JP 9255443A JP 25544397 A JP25544397 A JP 25544397A JP H1195117 A JPH1195117 A JP H1195117A
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JP
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lens
objective lens
objective
magnification
case
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JP9255443A
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Kiyonobu Kurata
清宣 倉田
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
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    • G02B21/20Binocular arrangements
    • G02B21/22Stereoscopic arrangements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0025Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration
    • G02B27/0068Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for optical correction, e.g. distorsion, aberration having means for controlling the degree of correction, e.g. using phase modulators, movable elements

Abstract

(57)【要約】 【課題】たとえ、標本と対物レンズとの間に媒質が存在
していても、高倍率,高NAで、良好な結像性能の立体
観察が可能な双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系を提供す
ること。 【解決手段】標本面31と対物レンズ32の間に空気だ
けが存在する状態で観察する場合には、対物レンズ32
に光学部材33を取り付け、また、卵細胞など水中にあ
る物体を観察する場合には、容器中の水35の深さに応
じて、薄い光学部材34と交換するか、光学部材を用い
ないで観察する。その場合、対物レンズ32の倍率を
m、対物レンズ32の標本面31側の開口数をNAとし
たとき、条件式「0.2<|NA・m|<1.2」が満
足されるようにすると、高倍率,高NAで、良好な結像
性能の立体観察が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体からの光を対
物レンズによって左右の像に形成する二つの観察光学系
を備えた双眼実体顕微鏡に用いるための高倍対物光学系
に関する。
【0002】
【従来の技術】実体顕微鏡には、グリノー型とガレリオ
型(単対物型)と呼ばれているタイプのものが知られて
いるが、本発明は、それらのタイプの双眼実体顕微鏡に
用いられる高倍対物光学系に関するものである。そこ
で、それらのタイプのうち、比較的、高いズーム比を得
るのに適している単対物型双眼実体顕微鏡の場合を例に
して、以下に説明をしておく。単対物型双眼実体顕微鏡
における光学系の基本構成が図10に示されている。こ
の図において、光学系は、物体1側から順に、対物レン
ズ2、アフォーカルズームレンズ3,3、結像レンズ
4,4、接眼レンズ5,5が配置されている。また、左
右の眼に対応した光軸は標本面で一致しており、その二
つの光軸の成す角度θが内向角と呼ばれている。尚、符
号6,6は中間像位置を示している。
【0003】このように、単対物型双眼実体顕微鏡は、
通常の顕微鏡と異なり、対物レンズ2内において、中心
からの対称位置に、左眼用光路と右眼用光路の二つの光
路が存在し、物体1を左右の外側から見るものであるた
め、人間の両眼で観察する場合と同じように、物体1を
立体的に見ることができる。また、このような単対物型
双眼実体顕微鏡は、対物レンズ2とアフォーカルズーム
レンズ3,3の間、及びアフォーカルズームレンズ3,
3と結像レンズ4,4の間において、二つの光路が平行
になっているため、対物レンズ2を交換したり、アフォ
ーカルズームレンズ3,3と結像レンズ4,4の間に照
明用光学系などを介在させることが可能であり、様々な
観察に対応できるという利点がある。
【0004】この単対物型双眼実体顕微鏡における対物
レンズの倍率は、対物レンズの焦点距離と、結像レンズ
の焦点距離の比で表される。例えば、対物レンズの焦点
距離が100mm、結像レンズの焦点距離が100mm
ならば1倍になる。そして、このような倍率は、通常の
顕微鏡に比べて低く、通常の顕微鏡用対物レンズが1〜
250倍であるのに対して、0.5〜2倍であり、変倍
光学系を含めても0.3〜15倍程度となっている。こ
のように、単対物型双眼実体顕微鏡は、倍率が低く且つ
開口数(以下、NAという)も小さいため、焦点深度が
深くて作動距離が長いことから、主として作業用に用い
られている。
【0005】また、このような単対物型双眼実体顕微鏡
における倍率変換は、主に、対物レンズより像側に位置
する変倍光学系によって行われるため、対物レンズの射
出瞳径と射出瞳位置が変化し、NAと実視野が変化す
る。そして、そのNAと実視野の変化する範囲は、1倍
対物レンズの場合で、約NA0.01,実視野φ32〜
NA0.1,実視野φ6程度である。また、このような
変化の様子は、図11に示されていて、図11(a)は
NAが大で実視野が小の場合、図11(b)はNAが小
で実視野が大の場合を示している。尚、図中、7は標本
(観察物体)面、8は対物レンズ、9は対物レンズの射
出瞳を示している。
【0006】このように、単対物型双眼実体顕微鏡にお
いて倍率を変換する場合には、主に変倍光学系で行う場
合が多いが、より一層の高倍や低倍で観察したい場合に
は、単対物型双眼実体顕微鏡の構成上の特徴から、対物
レンズそのものを交換して観察するようにし、それによ
って、通常の場合、低倍側で0.75倍,0.5倍が、
高倍側では1.5倍,2倍が得られるようにしている。
尚、これらのことは、単対物型の双眼実体顕微鏡を例に
して具体的に説明したが、グリノー型の場合には、対物
レンズが、左眼用と右眼用に別々に設けられているだけ
であり、それ以外のことについては実質的に同じと考え
てよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、工業
の分野では電子回路部品の組立や形状検査などに、ま
た、生物学の分野では培養細胞や卵細胞の選別などに、
高倍率,高NAで観察を行いたいという要求が強くなっ
ている。そのため、実体顕微鏡においても、変倍光学系
や対物レンズの高倍率化,高NA化が図られている。し
かしながら、立体観察が可能であることを特徴にしてい
る双眼実体顕微鏡においては、高倍率化,高NA化を図
るためには、次のような問題点を解決しなければならな
い。
【0008】工業分野で用いられる標本の場合には、通
常、光を透過させないものが殆どであるため、落射照明
方式で観察するのが普通である。その場合、光源から出
た光は、照明系,変倍光学系,対物レンズを通過して標
本に照射されるが、その場合には変倍光学系と対物レン
ズのレンズ面で反射が生じ、コントラストが悪化してし
まうことが知られている。そのため、同軸落射照明の場
合には、従来、図12に示すような手段を講じて、コン
トラストの悪化を防止していた。
【0009】即ち、光源10から出た光は、ポラライザ
11を通過して直線偏光となり、ハーフミラー(又はプ
リズム)12で反射されて、アフォーカルズームレンズ
(変倍光学系)13,対物レンズ14を通過する。対物
レンズ14の先端には1/4波長板(1/4λ板)15
が配置されているので、対物レンズ14を通過した光は
円偏光に変えられ標本面16に照射される。この円偏光
は標本面16で反射すると、逆の回転の円偏光になるか
ら、この反射光が再び1/4波長板15を通過するに際
しては、最初の入射時の直線偏光に比べ90°回転した
ことになる。そのため、1/4波長板15は、標本面1
6からの光だけを通過させ、コントラストの低下を防い
でいる。このようにして、1/4波長板15を通過した
光は、その後、対物レンズ14,アフォーカルズームレ
ンズ13,アナライザ17を介して接眼レンズ18に導
かれるようになっている。
【0010】このようにして、同軸落射照明の場合に
は、従来、対物レンズの先端に、厚さが4〜6mm程度
の1/4波長板を挿入することによってコントラストの
悪化を防止していた。しかし、このような1/4波長板
の存在は、対物レンズの倍率が1倍程度であるならば、
たとえ変倍光学系で倍率とNAを大きくしたとしても、
結像性能にはそれほど悪影響が生じない。しかし、更に
倍率を大きくして観察しようとする場合には、上記した
ように、対物レンズを、より高倍率の対物レンズに交換
する必要があるが、そのようにして倍率を大きくし、N
Aを大きくすると、1/4波長板の厚さによる収差が発
生してしまい、結像性能が悪化するという問題が生じて
しまう。そこで、従来は、1/4波長板を使用し、同軸
落射照明で観察する場合には、対物レンズの倍率は1.
5倍が限度とされていた。
【0011】他方、生物の分野において用いられる標本
は、容器の中の水中で観察することがあり、その場合に
おける水の厚さ(深さ)は、通常、約1mm〜10mm
程度である。このような環境で観察する場合、低倍観察
時には余り問題にならないが、卵細胞のような非常に小
さい物体の細胞内構造を把握するために、高倍率,高N
Aで観察しようとすると、水の厚さによって結像性能が
悪化し、せっかく高倍対物レンズで倍率を大きくしたに
もかかわらず、観察像がぼやけてしまい、所期の性能が
得られないという問題点が生じてしまう。
【0012】更に、双眼実体顕微鏡用対物レンズは、所
定の間隔を有している二つの光路の光軸が、夫々標本に
向けて斜めに結像するように構成されている。このこと
から、単対物型の双眼実体顕微鏡の場合には、対物レン
ズにおける二つ光軸が、対物レンズの中心から離れた位
置にあるため、次のような不都合が生じる。図13は、
対物レンズの倍率が異なる場合を示しており、夫々、図
13(a)は0.5倍、図13(b)は1倍、図13
(c)は2倍の場合を示しているが、これらの図から分
かるように、対物レンズ20の倍率が大きくなるにした
がい内向角θが大きくなり、標本面19と対物レンズ2
0との間の光軸の傾きが大きくなっている。そのため、
対物レンズ20の倍率が大きくなればなる程、収差の発
生が顕著になっていまうという問題点がある。尚、図1
3において、21はアフォーカルズームレンズ(変倍光
学系)であり、22は接眼レンズである。
【0013】このように、双眼実体顕微鏡用対物レンズ
を高倍率化するに際しては種々の問題点があり、特に、
従来は、標本と対物レンズの間に、空気以外のものが存
在しないことを前提にして設計されていたので、それら
の間に種々の屈折率を持った媒質が介在すると、たとえ
高倍率の対物レンズを用いても解像力を上げて観察する
ことができないというのが実情であった。
【0014】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、標
本面と実体顕微鏡用対物レンズとの間に、たとえ屈折率
を持った媒質が介在していたとしても、高倍率,高NA
にしたとき結像性能が悪くならず、良好な立体像を得る
ことができる双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系を提供す
ることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系は、観
察物体と対物レンズとの間に着脱又は交換することの可
能な光学部材を有していて、対物レンズの倍率をm、対
物レンズの物体側の開口数をNAとしたときに下記の条
件を満足するようにする。 0.2<|NA・m|<1.2 また、上記の目的を達成するために、本発明の双眼実体
顕微鏡用高倍対物光学系は、観察物体に応じて対物レン
ズ内の少なくとも一つのレンズ群を交換できようにし、
対物レンズの倍率をm、対物レンズの物体側の開口数を
NAとしたときに下記の条件を満足するようにする。 0.2<|NA・m|<1.2 更に、上記の目的を達成するために、本発明の双眼実体
顕微鏡用高倍対物光学系は、観察物体に応じて対物レン
ズ内のレンズ群が標本面に対し垂直方向に移動できるよ
うにし、対物レンズの倍率をm、対物レンズの物体側の
開口数をNAとしたときに下記の条件を満足するように
する。 0.2<|NA・m|<1.2
【0016】
【発明の実施の形態】先ず、請求項1に記載された発明
について説明する。本発明の場合には、標本(観察物
体)と対物レンズとの間に、予め所定の屈折率と厚さを
有した光学部材を着脱可能に取り付けるようにする。そ
して、図1(a)に示すように、標本面31と対物レン
ズ32の間に空気だけが存在する状態で観察する(この
ような観察を、以下、ドライ観察という)場合には、厚
い光学部材33を取り付けるようにし、また、卵細胞な
ど水中にある物体を観察する(このような観察を、以
下、水中観察という)場合には、容器中の水35の厚さ
(深さ)に応じて、図1(b)に示すように薄い光学部
材34と交換するか、図1(c)に示すように光学部材
を用いないで観察する。
【0017】その場合、図1においては、2種類の光学
部材が用意されているが、3種類以上の光学部材を交換
できるようにしても差し支えないし、一つの光学部材の
着脱のみが行えるようにしても差し支えない。また、着
脱や交換は、種々のマウント方法によって行う場合に限
定されない。即ち、一つ又は複数の光学部材を予め顕微
鏡装置に取り付けておき、必要に応じて光路に進退させ
得るような構成にしても構わない。いずれにしても、本
発明においては、このような光学部材を用いることによ
って、標本面31と対物レンズ32間の光路長が略一定
に保たれ、コマ収差の発生を抑えることが可能になる。
【0018】本発明における条件式「0.2<|NA・
m|<1.2」は、本発明に用いられる対物レンズのN
Aと倍率の関係を示したものであり、0.2より値が小
さければ必要な解像力が得られず、ぼやけた暗い像が見
えるだけである。また、上限値である1.2を越える
と、対物レンズ自体の各レンズ群のパワーが大きくなり
過ぎることと、内向角が大きくなるために収差が大きく
発生してしまい、偏心光学系である単対物型双眼実体顕
微鏡用対物レンズの場合には、収差補正を行うことが困
難になってしまう。このことは、後述する請求項2及び
請求項3に記載された発明においても同じことが言え
る。
【0019】また、本発明においては、光学部材が平行
平面板であって、標本面に対して平行(通常は水平)に
配置されていることが好ましい。光学部材が、楔を有し
ていたり傾いたりすると像の劣化が大きくなってしま
う。もし、その傾きが、観察状態において横軸を中心に
して生じた場合であれば、上下方向の像の劣化のみで済
むが、縦軸を中心にして生じた場合には、左右の光路の
像が異なって融像して観察することができなくなり、実
体顕微鏡としての機能が損なわれてしまうことになる。
【0020】更に、本発明における光学部材を平行平面
を有する1/4波長板とし、標本面と平行な面において
回転可能に配置すると、同軸落射照明を用いた観察が好
適に行える。その場合、1/4波長板は、回転可能に取
り付けられるので、その取付位置に左右されず、光学軸
を最適な位置に配置することが可能である。また、透過
照明や落射照明による偏光観察においては、1/4波長
板の光学軸をアナライザと合わせることによって、1/
4波長板の効果を無くし、良好な偏光観察を行うことが
できる。更に、透過照明視野で観察を行う場合に、高倍
・高NAの対物レンズを用いても、1/4波長板を外さ
ずに、コントラストがよく、良好な結像性能が得られ
る。従って、このような対物レンズを用いて、透過照明
及び同軸落射照明によるドライ観察が可能になり、1/
4波長板を外せば水中観察が可能になる。
【0021】次に、請求項2に記載された発明について
説明する。本発明は、双眼実体顕微鏡において、観察物
体に応じて対物レンズ内の少なくとも一つのレンズ群を
交換できようにすることである。双眼実体顕微鏡の光軸
は、標本面に対して垂直ではなく斜めであるため、マー
ジナル光線が光軸に対して対称ではない。そのため、軸
上であっても球面収差ではなくコマ収差として扱うこと
になっている。このことから、標本面と対物レンズの間
に種々の屈折率をもった媒質が介在すると、光路長がず
れ、大きな収差が発生する。そこで、対物レンズ内のレ
ンズ群のうち、焦点距離とコマ収差に大きな影響を及ぼ
すレンズ群を、媒質が介在した状態に適応したレンズ群
と交換することによって、良好な結像性能が得られるよ
うにしている。
【0022】特に、単対物型双眼実体顕微鏡の場合に
は、光軸が対物レンズの中心にないため、交換レンズ群
の中心の光路長を合わせて、球面収差を抑えるのではな
く、偏心している光軸の光路長を合わせて、この光軸上
のコマ収差を抑える必要がある。即ち、媒質が存在しな
い場合における交換レンズから標本面までの光軸の光路
長と、媒質が存在する場合における交換レンズから標本
面までの偏心された光軸の光路長とを或る程度同じに
し、且つ前記光軸上のコマ収差の発生を抑えたレンズ群
を用意する必要がある。
【0023】次に、請求項3に記載された発明について
説明する。本発明は、双眼実体顕微鏡において、対物レ
ンズ内のレンズ群を、標本面に対して垂直方向に移動可
能とすることにある。既に述べたように、標本面と対物
レンズの間に屈折率を持った媒質が存在すると、光路長
の変化とコマ収差の発生によって結像性能が劣化する。
そこで、本発明は、対物レンズ内のレンズ群のうち、焦
点距離とコマ収差に大きな影響を及ぼすレンズ群を移動
させ且つ色収差に影響を及ぼすレンズ群間の間隔を補正
することによって、良好な結像性能を得ることができる
ようにしている。
【0024】また、本発明を請求項1に記載の発明に適
用した場合には、媒質の屈折率に対応させて、1mm単
位の補正は光学部材の交換によって行い、0.1mm単
位の補正はレンズ群間の間隔を変えて行うようにするこ
とにより、より精度の高い補正を行うことが可能にな
る。同様にして、本発明を請求項2に記載の発明に適用
した場合には、例えば1mm単位の補正は先玉レンズ群
の交換によって行い、0.1mm単位の補正はレンズ群
間の間隔調整によって行うようにすれば、精度の高い補
正を行うことが可能になる。
【0025】更に、上記の三つの発明において、対物レ
ンズの倍率をm、標本面上での左右光路軸上でのコマ収
差の最大値と最小値の差をΔDZとしたとき、条件式
「|m 2 ・ΔDZ|<0.2」を満足していると、好適
な双眼実体顕微鏡用高倍対物レンズが得られる。標本面
と対物レンズの間に媒質が介在した場合には、通常の顕
微鏡においては、球面収差は光軸を中心にして同等に発
生するため、像は対称的にぼけるが、双眼実体顕微鏡で
は光軸に対して非対称に像が崩れてしまう。特に、単対
物型双眼実体顕微鏡の場合には、もともと対称ではない
ために更に悪く、像が、流れるように崩れてしまう。
【0026】単対物型双眼実体顕微鏡においては、軸上
のコマ収差量は、光軸から見て、対物レンズの中心側の
領域よりも外側の領域の方が崩れ方が大きい。また、倍
率が高くなる程、収差量を抑える必要がある。そのた
め、コマ収差の最大値と最小値の差と、倍率の2乗との
積の絶対値が0.2より大きくなると、コマ収差が目立
ち、実際に像の劣化が判然としてしまう。そのため、性
能品質のよい実体顕微鏡を実現するためには、おおよそ
上記の絶対値を0.2未満とすることが必要になる。
【0027】以上のように、双眼実体顕微鏡の対物光学
系を、上記した各請求項に記載の発明のように構成すれ
ば、たとえ、標本と対物レンズの間に屈折率のある種々
の媒質が存在する場合であっても、高倍率,高NAで良
好な結像性能を保ったまま、立体観察をすることが可能
になる。尚、上記の説明においては、どちらかという
と、単対物型双眼実体顕微鏡に重きを置いて説明してい
るが、上記の各発明は単対物型に限定されるものではな
く、グリノー型であっても、それに準じた効果を得るこ
とが可能である。
【0028】
【実施例】以下、四つの実施例を図面と数値データによ
って説明する。尚、各数値データに用いられている記号
は、mが倍率、FLが全系の合成焦点距離、WDが作動
距離、ΔDZが軸上のコマ収差量の最大値と最小値の
差、r1 ,r2 ,・・・が各レンズ又は平行平面板の曲
率半径、d1 ,d2 ,・・・が各面間隔、n1 ,n2
・・・がd線における屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・がア
ッベ数であって、長さの単位はいずれもmmである。
【0029】〔実施例1〕先ず、図2及び図3を用い
て、実施例1を説明する。図2(a)はドライ観察の場
合を示しており、物体(標本)側に厚さ4mmの平行平
面板36を配置している。そして、この平行平面板36
を1/4波長板にした場合には、同軸落射照明によっ
て、フレアのない高倍率,高NAでの観察が可能にな
る。本実施例の対物レンズは7群で構成されており、第
1レンズ群G1は、物体側が凸状の負メニスカスレンズ
L1と両側が凸状をしたレンズL2との接合レンズとな
っている。また、第2レンズ群G2は、両側が凸状のレ
ンズL3と両側が凹状のレンズL4との接合レンズであ
り、第3レンズ群G3は、両側が凹状のレンズL5と両
側が凸状のレンズL6からなっている。更に、第4レン
ズ群G4は、両側が凸状のレンズL7であり、第5レン
ズ群G5は、両側が凹状のレンズL8と両側が凸状のレ
ンズL9からなり、第6レンズ群G6は、両側が凸状の
レンズL10と両側が凹状のレンズL11からなり、第
7レンズ群G7は、両側が凸状のレンズL12となって
いる。
【0030】この場合における数値データは以下の表1
に示す通りであり、軸上のコマ収差は図3(a)に示す
通りである。表1 WD= 6.4634 r1 = ∞ d1 = 4.0 n1 = 1.52287 ν1 =59.89 r2 = ∞ d2 = 1.5 r3 = 133.821 d3 = 2.198 n2 = 1.79952 ν2 =42.22 r4 = 35.527 d4 = 8.627 n3 = 1.49700 ν3 =81.54 r5 = -15.960 d5 = 0.13 r6 = 39.243 d6 =22.3 n4 = 1.49700 ν4 =81.61 r7 = -43.481 d7 = 3.4 n5 = 1.71850 ν5 =33.52 r8 = 64.339 d8 = 2.7 r9 =-6321.393 d9 = 4.0 n6 = 1.75500 ν6 =52.33 r10= 32.302 d10= 9.9 n7 = 1.72342 ν7 =37.95 r11= -85.233 d11= 2.0 r12= 137.710 d12= 9.8 n8 = 1.62280 ν8 =57.04 r13= -65.473 d13= 1.1 r14= -55.905 d14= 5.5 n9 = 1.64450 ν9 =40.82 r15= 55.905 d15=11.3 n10= 1.49700 ν10=81.61 r16= -110.616 d16= 2.1 r17= 59.222 d17=21.3 n11= 1.65016 ν11=39.39 r18= -33.156 d18= 5.5 n12= 1.64450 ν12=40.82 r19= 51.848 d19= 4.3 r20= 248.625 d20= 6.8 n13= 1.48479 ν13=70.21 r21= -87.040 FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0105
【0031】また、図2(b)は水中観察の場合を示し
ているが、この場合には水35の厚さ(深さ)が約2.
2mmであるため、図2(a)における平行平面板36
を、厚さ2mmの平行平面板37に交換することによっ
て、良好な像が得られるようになっている。この場合の
数値データは表2に示す通りであり、軸上のコマ収差は
図3(b)に示す通りである。尚、第1レンズ群G1以
降のレンズ構成については図2(a)の場合と全く同じ
であるから、表2においては、それらに関するデータを
省略してある。表2 WATER = 2.2035 WD = 6.1238 r1 = ∞ d1 = 2.0 n1 = 1.52287 ν1 =59.89 r2 = ∞ d2 = 1.5 (以下、表1のr3 ,d3 ,n2 ,ν2 以降と同じ) FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0149
【0032】更に、図2(c)は、図2(b)の場合と
同じ水中観察の場合を示しているが、この場合には水3
5の厚さ(深さ)が2倍であるため、図2(b)におけ
る平行平面板37を取り除くことによって、良好な像が
得られてようになっている。この場合の数値データは表
3に示す通りであり、軸上のコマ収差は図3(c)に示
す通りであるが、各レンズ群の構成と、それらの相対関
係は、図2(a)及び図2(b)の場合と全く同じであ
るから、表3においては、それらに関するデータを省略
してある。表3 WATER = 4.4070 WD = 5.7841 FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0203
【0033】〔実施例2〕次に、実施例2を、図4及び
図5を用いて説明する。図4(a)はドライ観察の場合
を示しており、物体(標本)側に厚さ1.5mmの平行
平面板38を配置している。そして、本実施例において
も、この平行平面板38を1/4波長板にした場合に
は、同軸落射照明によって、フレアのない高倍率,高N
Aでの観察が可能になる。本実施例も、対物レンズが7
群で構成されており、第1レンズ群G1は、物体側が凹
状をした負メニスカスレンズL1と物体側が凹状をした
正メニスカスレンズL2の接合レンズであり、第2レン
ズ群G2は、両側が凸状のレンズL3と両側が凹状のレ
ンズL4との接合レンズであり、第3レンズ群G3は、
物体側が凸状をした負メニスカスレンズL5と両側が凸
状のレンズL6からなっている。また、第4レンズ群G
4は、両側が凸状のレンズL7であり、第5レンズ群G
5は、両側が凹状のレンズL8と両側が凸状のレンズL
9からなり、第6レンズ群G6は、両側が凸状のレンズ
L10と両側が凹状のレンズL11からなり、第7レン
ズ群G7は、両側が凸状のレンズL12となっている。
【0034】この場合における数値データは以下の表4
に示す通りであり、軸上のコマ収差は図5(a)に示す
通りである。表4 WD = 2.5129 r1 = ∞ d1 = 1.5 n1 = 1.52287 ν1 =59.89 r2 = ∞ d2 = 0.7 r3 = -67.993 d3 = 6.2 n2 = 1.51633 ν2 =64.14 r4 =-1357.079 d4 = 6.8 n3 = 1.62280 ν3 =57.05 r5 = -13.455 d5 = 0.4 r6 = 30.245 d6 =19.4 n4 = 1.49700 ν4 =81.61 r7 = -19.424 d7 = 5.1 n5 = 1.71850 ν5 =33.52 r8 = 56.501 d8 = 2.7 r9 = 271.504 d9 = 5.29 n6 = 1.77250 ν6 =49.60 r10= 30.787 d10= 9.99 n7 = 1.72342 ν7 =37.95 r11= -63.333 d11= 2.8 r12= 137.710 d12= 9.8 n8 = 1.62280 ν8 =57.04 r13= -65.473 d13= 1.1 r14= -55.905 d14= 5.5 n9 = 1.64450 ν9 =40.82 r15= 55.905 d15=11.3 n10= 1.49700 ν10=81.61 r16= -110.616 d16= 2.1 r17= 59.222 d17=21.3 n11= 1.65016 ν11=39.39 r18= -33.156 d18= 5.5 n12= 1.64450 ν12=40.82 r19= 51.848 d19= 4.3 r20= 248.625 d20= 6.8 n13= 1.48479 ν13=70.21 r21= -87.040 FL =30 m = 3 NA = 0.33 ΔDZ= 0.0056
【0035】また、図4(b)は水中観察の場合を示し
ているが、この場合には水35の厚さ(深さ)が約1.
63mmであるため、図2(a)における平行平面板3
8を取り除くことによって、良好な像が得られるように
なっている。この場合の数値データは表5に示す通りで
あり、軸上のコマ収差は図5(b)に示す通りである
が、各レンズ群の構成と、それらの相対関係は、図4
(a)の場合と全く同じであるから、表5においては、
それらに関するデータを省略してある。表5 WATER = 1.6245 WD = 2.2793 FL =30 m = 3 NA = 0.33 ΔDZ= 0.01505
【0036】〔実施例3〕次に、図6及び図7を用い
て、実施例3について説明する。図6(a)はドライ観
察の場合を示しており、対物レンズは7群で構成されて
いる。第1レンズ群G1は、物体側が凸状の負メニスカ
スレンズL1と両側が凸状をしたレンズL2との接合レ
ンズであり、第2レンズ群G2も、両側が凸状のレンズ
L3と両側が凹状のレンズL4との接合レンズであっ
て、第3レンズ群G3は、両側が凹状のレンズL5と両
側が凸状のレンズL6からなっている。また、第4レン
ズ群G4は、両側が凸状のレンズL7であり、第5レン
ズ群G5は、両側が凹状のレンズL8と両側が凸状のレ
ンズL9からなっている。更に、第6レンズ群G6は、
両側が凸状のレンズL10と両側が凹状のレンズL11
からなっていて、第7レンズ群G7は、両側が凸状をし
たレンズL12である。
【0037】この場合における数値データは以下の表6
に示す通りであり、軸上のコマ収差は図7(a)に示す
通りである。表6 WD = 9.6515 r1 = -249.244 d1 = 2.9 n1 = 1.83400 ν1 =37.17 r2 = 61.037 d2 = 8.6 n2 = 1.49700 ν2 =81.54 r3 = -14.328 d3 = 0.4 r4 = 39.243 d4 =22.3 n3 = 1.49700 ν3 =81.61 r5 = -43.481 d5 = 3.4 n4 = 1.71850 ν4 =33.52 r6 = 64.339 d6 = 2.7 r7 =-6321.393 d7 = 4.0 n5 = 1.75500 ν5 =52.33 r8 = 32.302 d8 = 9.9 n6 = 1.72342 ν6 =37.95 r9 = -85.233 d9 = 2.0 r10= 137.710 d10= 9.8 n7 = 1.62280 ν7 =57.04 r11= -65.473 d11= 1.1 r12= -55.905 d12= 5.5 n8 = 1.64450 ν8 =40.82 r13= 55.905 d13=11.3 n9 = 1.49700 ν9 =81.61 r14= -110.616 d14= 2.1 r15= 59.222 d15=21.3 n10= 1.65016 ν10=39.39 r16= -33.156 d16= 5.5 n11= 1.64450 ν11=40.82 r17= 51.848 d17= 4.3 r18= 248.625 d18= 6.8 n12= 1.48479 ν12=70.21 r19= -87.040 FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0105
【0038】また、図6(b)は水中観察の場合を示し
ている。本実施例においては、そのような場合、図6
(a)に示した第1レンズ群G1を、水35の厚さ(深
さ)に対応したレンズ群に交換することによって、良好
な結像性能が得られるようにしている。従って、図6
(b)に示した第1レンズ群G1は、図6(a)に示し
た第1レンズ群G1とは異なるものであり、水35の厚
さ(深さ)が2mmであることから、それに対応して交
換されたものである。この場合の数値データは表7に示
す通りであり、軸上のコマ収差は図7(b)に示す通り
であるが、第2レンズ群G2以降のレンズ構成について
は図6(a)の場合と全く同じであるから、表7におい
ては、それらに関するデータを省略してある。表7 WATER = 2.0 WD = 8.1849 r1 = 260.834 d1 = 2.8 n1 = 1.80610 ν1 =40.92 r2 = 40.346 d2 = 9.2 n2 = 1.49700 ν2 =81.54 r3 = -15.397 d3 = 0.19 (以下、表6のr4 ,d4 ,n3 ,ν3 以降と同じ) FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0012
【0039】更に、図6(c)は、図6(b)の場合と
同じ水中観察の場合を示しているが、この場合には水3
5の厚さ(深さ)が4mmであるため、第1レンズ群G
1は、それに対応したものに交換されている。この場合
の数値データは表8に示す通りであり、軸上のコマ収差
は図7(c)に示す通りであるが、第2レンズ群G2以
降のレンズ構成については全く同じであるから、表8に
おいても、それらに関するデータを省略してある。表8 WATER = 4.0 WD = 7.5078 r1 = 137.897 d1 = 2.7 n1 = 1.83481 ν1 =42.72 r2 = 38.570 d2 = 8.4 n2 = 1.49700 ν2 =81.54 r3 = -15.866 d3 = 0.1 (以下、表6のr4 ,d4 ,n3 ,ν3 以降と同じ) FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0009
【0040】〔実施例4〕最後に、実施例4を、図8及
び図9を用いて説明する。本実施例における対物レンズ
の基本構成は、第3実施例の図6(b)に示したものと
同じである。但し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G
2との間、及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4と
の間の間隔が、水35の厚さ(深さ)に対応させて夫々
変えられるようになっている。そして、図8(a)は、
図6(b)に示した場合より、水35の厚さ(深さ)が
0.2mm増えた場合を、図8(b)は、反対に0.2
mm減った場合を示しており、前者の場合は上記したレ
ンズ群間の2箇所の間隔を夫々0.1mm短くし、後者
の場合は夫々0.1mm長くしている。また、それらの
場合の数値データと軸上のコマ収差は、前者の場合が表
9と図9(a)に示され、後者の場合が表10と図9
(b)に示されているが、表9及び表10には、上記し
た理由から、第4レンズ群G4以降のデータを省略して
ある。
【0041】表9 WATER = 2.2 WD = 8.0968 r1 = 260.834 d1 = 2.8 n1 = 1.80610 ν1 =40.92 r2 = 40.346 d2 = 9.2 n2 = 1.49700 ν2 =81.54 r3 = -15.397 d3 = 0.09 r4 = 39.243 d4 =22.3 n3 = 1.49700 ν3 =81.61 r5 = -43.481 d5 = 3.4 n4 = 1.71850 ν4 =33.52 r6 = 64.339 d6 = 2.6 (以下、表6のr7 ,d7 ,n5 ,ν5 以降と同じ) FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0067
【0042】表10 WATER = 1.8 WD = 8.2728 r1 = 260.834 d1 = 2.8 n1 = 1.80610 ν1 =40.92 r2 = 40.346 d2 = 9.2 n2 = 1.49700 ν2 =81.54 r3 = -15.397 d3 = 0.29 r4 = 39.243 d4 =22.3 n3 = 1.49700 ν3 =81.61 r5 = -43.481 d5 = 3.4 n4 = 1.71850 ν4 =33.52 r6 = 64.339 d6 = 2.8 (以下、表6のr7 ,d7 ,n5 ,ν5 以降と同じ) FL =36 m = 2.5 NA = 0.28 ΔDZ= 0.0045
【0043】以上説明したことからも明らかなように、
各請求項に記載の構成のほか、以下に示す構成も本願発
明の特徴である。 (1)観察物体と対物レンズとの間において着脱又は交
換可能な光学部材は、標本面に対して平行に保持された
平行平面板であることを特徴とする請求項1に記載の双
眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 (2)前記平行平面板は1/4波長板であり、標本面に
対する平行面で回転可能であることを特徴とする上記
(1)に記載の双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 (3)対物レンズ内のレンズ群が標本面に対して垂直方
向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の
双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 (4)対物レンズ内のレンズ群が標本面に対して垂直方
向に移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の
双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 (5)対物レンズの倍率をm、標本面上における左右光
路上でのコマ収差の最大値と最小値の差をΔDZとした
とき、以下の条件が成り立つことを特徴とする請求項1
乃至3、及び上記(3),(4)の何れかに記載の双眼
実体顕微鏡用高倍対物光学系。|m2 ・ΔDZ|<0.
【0044】
【発明の効果】上記したように、双眼実体顕微鏡に本発
明を用いれば、たとえ、標本と対物レンズとの間に種々
の屈折率を有する媒質が存在したとしても、高倍率,高
NAで、良好な結像性能を保った立体観察が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における対物レンズと標本との対向関
係を示した図であり、図1(a)は両者間に空気だけが
存在する場合、図1(b)は両者間に所定の厚さ(深
さ)の水が介在している場合、図1(c)は図1(b)
の倍の厚さ(深さ)の水が介在している場合を示してい
る。
【図2】実施例1におけるレンズ構成を示した断面図で
あり、図2(a),図2(b),図2(c)は、夫々、
図1(a),図1(b),図1(c)に対応した図であ
る。
【図3】実施例1における対物レンズの物体側での軸上
コマ収差を示した図であり、図3(a),図3(b),
図3(c)は、夫々、図2(a),図2(b),図2
(c)の場合を示したものである。
【図4】実施例2のレンズ構成を示した断面図であり、
図4(a)は対物レンズと標本との間に空気だけが存在
する場合、図4(b)は両者間に所定の厚さ(深さ)の
水が介在している場合を示している。
【図5】実施例2における対物レンズの物体側での軸上
コマ収差を示した図であり、図5(a),図5(b)
は、夫々、図4(a),図4(b)の場合を示したもの
である。
【図6】実施例3のレンズ構成を示した断面図であり、
図6(a)は対物レンズと標本との間に空気だけが存在
する場合、図6(b)は両者間に所定の厚さ(深さ)の
水が介在している場合、図6(c)は図6(b)の倍の
厚さ(深さ)の水が介在している場合を示している。
【図7】実施例3における対物レンズの物体側での軸上
コマ収差を示した図であり、図7(a),図7(b),
図7(c)は、夫々、図6(a),図6(b),図6
(c)の場合を示したものである。
【図8】実施例4のレンズ構成を示した断面図であり、
図8(a)は対物レンズと標本との間に空気だけが存在
する場合、図8(b)は両者間に所定の厚さ(深さ)の
水が介在している場合を示している。
【図9】実施例4における対物レンズの物体側での軸上
コマ収差を示した図であり、図9(a),図9(b)
は、夫々、図8(a),図8(b)の場合を示したもの
である。
【図10】一般の単対物型双眼実体顕微鏡に用いられて
いる光学系の基本構成を示した図である。
【図11】単対物型双眼実体顕微鏡用対物レンズは、変
倍光学系によってNAと実視野が変化することを示した
図であり、図11(a)はNAが大きく実視野が小さい
場合、図11(b)はNAが小さく実視野が大きい場合
を示している。
【図12】同軸落射照明方式を採用した通常の単対物型
双眼実体顕微鏡の光学系を示した図である。
【図13】双眼実体顕微鏡は、対物レンズの倍率によっ
て内向角が変わることを示した図であって、図24
(a)は小倍率の場合、図24(b)は中倍率の場合、
図24(c)は大倍率の場合を示している。
【符号の説明】
1,7,16,19,31 物体(標本面) 2,8,14,20,32 対物レンズ 2,13,21 アフォーカルズームレンズ 4 結像レンズ 5,18,22 接眼レンズ 6 中間像位置 9 対物レンズの射出瞳 10 光源 11 ポラライザ 12 ハーフミラー 15 1/4波長板 17 アナライザ 33,34 光学部材 35 水 36,37,38 平行平面板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体からの光を対物レンズによって左右
    の像に形成する二つの観察光学系を備えた双眼実体顕微
    鏡において、観察物体と対物レンズとの間に着脱又は交
    換することの可能な光学部材を有していて、対物レンズ
    の倍率をm、対物レンズの物体側の開口数をNAとした
    ときに下記の条件を満足するようにしたことを特徴とす
    る双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 0.2<|NA・m|<1.2
  2. 【請求項2】 物体からの光を対物レンズによって左右
    の像に形成する二つの観察光学系を備えた双眼実体顕微
    鏡において、観察物体に応じて対物レンズ内の少なくと
    も一つのレンズ群を交換できようにし、対物レンズの倍
    率をm、対物レンズの物体側の開口数をNAとしたとき
    に下記の条件を満足するようにしたことをことを特徴と
    する双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 0.2<|NA・m|<1.2
  3. 【請求項3】 物体からの光を対物レンズによって左右
    の像に形成する二つの観察光学系を備えた双眼実体顕微
    鏡において、観察物体に応じて対物レンズ内のレンズ群
    が標本面に対し垂直方向に移動できるようにし、対物レ
    ンズの倍率をm、対物レンズの物体側の開口数をNAと
    したときに下記の条件を満足するようにしたことをこと
    を特徴とする双眼実体顕微鏡用高倍対物光学系。 0.2<|NA・m|<1.2
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