JP4160270B2 - 撮影光学系および鏡筒 - Google Patents

撮影光学系および鏡筒 Download PDF

Info

Publication number
JP4160270B2
JP4160270B2 JP2001071613A JP2001071613A JP4160270B2 JP 4160270 B2 JP4160270 B2 JP 4160270B2 JP 2001071613 A JP2001071613 A JP 2001071613A JP 2001071613 A JP2001071613 A JP 2001071613A JP 4160270 B2 JP4160270 B2 JP 4160270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
optical system
lens group
imaging
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001071613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002267936A (ja
Inventor
健司 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2001071613A priority Critical patent/JP4160270B2/ja
Publication of JP2002267936A publication Critical patent/JP2002267936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4160270B2 publication Critical patent/JP4160270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡対物レンズによって形成された物体像を撮像素子上に再結像させるために用いられる撮影光学系、又は結像倍率の異なる複数の光学系を変換させる等により、異なった倍率にて再結像させるために用いられる撮影光学系およびそれら光学系を備えた鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、標本の観察や撮影を行なう手段としてCCD等の撮像素子を用いることが多く、この撮像素子を備えた顕微鏡を利用してのアプリケーションが多様化している。
【0003】
例えば、脳切片の細胞の観察においては、細胞の内部の状態の観察のため内部での散乱が少なく透過性の良い700nmから1200nmの波長域の赤外光が用いられる。しかし、赤外光は人間の目では観察し得ないために前記のような撮像素子が用いられ、テレビモニター上に標本の像を表示して観察を行なうようにしている。
【0004】
また、標本はほとんど透明であるため、微分干渉法による観察が行なわれる。この場合も、撮像素子からの出力信号を電気的に処理することにより、コントラストを強調させて細胞の構造をコントラストの良い像として観察している。
【0005】
また、前記のような脳の観察には、マニピュレーターを操作して直径数μm程度の微小ガラス電極を細胞膜表面に密着させて細胞膜のCaイオンチャンネルの電気特性を調べるというパッチクランプ法が広く用いられている。
【0006】
上記のように撮像素子を用いて観察を行なう場合、撮像光学系を用いて標本像を撮像素子上に形成する。この撮像光学系の一例として、特開平5−119265号公報、特開平6−281865号公報、特開平10−62692号公報等に記載されている光学系がある。これら従来例の光学系の拡大倍率は、2倍から5倍前後であって、比較的高倍率である。また低倍率の写真撮影光学系やテレビ撮影用の変倍レンズで、結像レンズと組み合わせて0.25倍から4倍前後の撮影光学系を構成するものが知られている。
【0007】
また、低倍率で観察できる光学系と高倍率で観察できる光学系の両方を備えた光学装置として、特開平8−190056号公報や特開平11−183124号公報に記載された装置が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
顕微鏡による観察は、低倍率の対物レンズによる広い視野での観察を行なって標本の位置を探し、高倍率の対物レンズを用いての細胞を拡大して標本操作や蛍光観察を行なう。この観察の際の倍率の変更は、対物レンズの交換によって行なわれる。この対物レンズの交換は、レボルバーの回転やスライド機構のスライドにより行なわれるが、その際衝撃が生ずる。そのために標本が視野外へ移動することがある。また、前述のパッチクランプ法では微小ガラス電極が細胞膜表面から離れることがある。
【0009】
パッチクランプ法において、微小ガラス電極が離れた場合、この微小ガラス電極を再度細胞膜表面に密着しなおさなければならず作業性が悪い。
【0010】
対物レンズの交換を行わずに倍率を変換する方法として、撮像光学系を交換する方法がある。しかし通常鏡筒内には、予め設定された倍率の一つの撮影光学系のみが設けられている。そのため、種々の倍率に変更するためには、使用中、鏡筒を顕微鏡本体より取り外し、所望の他の倍率の光学系が設けられた別の鏡筒を取り付ける必要がある。ところが、鏡筒の交換の際、振動や衝撃が生ずるおそれがある。
【0011】
また、前記の特開平8−190056号公報や特開平11−183124号公報に記載された装置は、前記のような鏡筒の交換等の際に、振動や衝撃を生じない構成になっているが、装置が大型になる欠点を有している。
【0012】
また、赤外光を用いた微分干渉観察において、電気的にコントラストを強調した場合、低倍率の撮影光学系と高倍率の撮影光学系とを交換した際に明るさの差が大になるという欠点がある。
【0013】
更に赤外光による微分干渉観察等において画像信号を増幅してコントラストを強調した場合、フレアー光があるとその明るさがわずかであってもフレアー光も強調されるために画像のコントラストが悪化する。
【0014】
本発明は、所定の倍率範囲内おいて良好な光学性能が得れらる撮影光学系を提供するものである。
【0015】
また本発明は、振動や衝撃の発生の少ない倍率を変換し得る光学系および前記光学系を備えた鏡筒を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、フレアー光の発生を極力抑えた撮影光学系を提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮影光学系の第1の構成は、対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡に用いられる撮影光学系であって、この撮影光学系は、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群を有し、前記顕微鏡との組み合わせにおいて前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に中間像を形成するように構成され、下記条件(1)、(2)を満足することを特徴とするものである。
【0018】
(1) 0.25≦F/FO≦1.5
(2) 0.15≦D1/D≦0.4
ただし、Fは前記顕微鏡の結像レンズから前記撮影光学系の第3レンズ群までの光学系の焦点距離、FOは前記顕微鏡の結像レンズの焦点距離、D1は前記撮影光学系の第1レンズの最も後側にあるレンズ面から前記中間像位置までの距離、Dは前記結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記撮影光学系の第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
【0019】
無限遠補正タイプの対物レンズを備えた顕微鏡では、対物レンズより射出する光束は無限遠光束である。よってこれを結像レンズにより収斂光束に変換している。本発明の撮影光学系の第1の構成は、この収斂光束に変換されたものを、正レンズと負レンズとよりなる正の接合レンズを含む第1レンズ群に入射させ、この第1レンズ群にて中間像を形成するように構成されている。そして第1レンズ群側に凹面を向けた、つまり中間像側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを有する第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群とにより最終像が形成されるように構成されている。なお、第1レンズ群ないし第3レンズ群の各々の全体の屈折力は、正屈折力、負屈折力、正屈折力である。
【0020】
また、この第1の構成は、条件(1)を満足することにより0.25倍から1.5倍の範囲内の倍率にて良好な結像性能を有する像を形成することを可能にした。
【0021】
この第1の構成において、軸上光線高は第3レンズ群で最も高くなり、軸外主光線高は第1レンズ群で最も高くなる。
【0022】
この第1の構成では、中間像位置に近い第2レンズ群に負の屈折力を持たせることにより、ペッツバール和を小さく抑え像面の平坦性が良好になるようにした。また、この第2レンズ群の最も前側のレンズ面を中間像に凹面を向けた形状にすることによって諸収差の発生を抑えている。そして第2レンズ群と第3レンズ群にて逆向きの球面収差とコマ収差を発生させるようにして、これら収差を相殺するようにして両収差が良好に補正されるようにした。
【0023】
また第1、第2、第3レンズ群の各レンズ群に接合レンズを含むようにして軸上色収差と倍率の色収差を補正するようにした。
【0024】
条件(1)の下限を超えると撮影倍率が低くなる。この場合軸外主光線高が高くなって軸外のコマ収差を良好に補正することや、像面の平坦性を維持することが困難になる。また周辺光量を確保することが困難になる。これは、撮影倍率が低くなると対物レンズにて観察可能な範囲が広がるが、この時軸外光束にケラレ等が発生するためである。
【0025】
条件(1)の上限を超えると中間像位置から最終像位置までの倍率が高くなるために第2レンズ群が中間像位置に近くなりすぎる。その結果、撮影光学系から最終像までの距離を所定の値に保ったまま所望の倍率を有する撮影光学系を構成することが困難になる。逆に所望の倍率を得ようとすると撮影光学系から最終像までの距離が長くなりすぎる。
【0026】
また、第1の構成において、条件(2)を満足するようにすれば、撮影光学系内の中間像から最終像までの間隔を適切な距離にすることができる。したがって、中間像と最終像との間に無理なく第2レンズ群と第3レンズ群とを配置することが可能になり、条件(1)に規定する範囲内の倍率を有する撮影光学系、つまり0.25倍から1.5倍までの範囲の倍率を有する撮影光学系を構成することが可能になる。また、第2レンズ群と第3レンズ群との間の間隔を変化させることにより撮影光学系をズーム光学系とすることも可能になる。
【0027】
条件(2)の下限を超えると結像レンズから第3レンズ群の後端までの距離に比べ第1レンズ群から中間像までの距離が短くなり、第1レンズ群に強い屈折力を持たせなければならなくなる。そのため、中間像での収差を補正することが困難になる。また第2レンズ群への軸外光線の入射角が大になり、第2レンズ群の発散作用により第3レンズ群への軸外光線の入射角が更に大になる。そのため、第3レンズ群に強い正の屈折力を持たせなければならなくなり、光学性能を良好に補正することが困難になる。第2レンズ群の屈折力を弱くすることによって、第3レンズ群への入射角を小にすることは可能である。しかしながら、ペッツバール和が大になり、像面平坦性が悪化したり、撮影光学系の倍率の範囲が狭くなり好ましくない。
【0028】
また、条件(2)の上限を超えると結像レンズから第3レンズ群の後端までの距離に比べて第1レンズ群から中間像までの距離が大になり、中間像位置から最終像位置までの間隔が小になる。その結果、収差補正が困難になり、条件(1)の倍率の範囲が狭くなる。また、最終像位置において、主光線の入射角を小さく抑えることが困難になる。そのため、最終像位置にCCD等の撮像素子を配置すると、撮像素子に特有のシェーディング等が発生し好ましくない。
【0029】
次に本発明の撮影光学系の第2の構成は、対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡に用いられる光学系で、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群側に凸面を向けた正のレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群を有し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に中間像を形成するように構成され、下記条件(3)、(4)を満足するものである。
【0030】
(3) 1.8≦F’/FO≦2.5
(4) 0.15≦D2/D’≦0.4
ただし、F’は前記結像レンズから前記第3レンズ群までの撮影光学系の焦点距離、FOは前記結像レンズの焦点距離、D2は前記第1レンズの最も後側にあるレンズ面から前記中間像位置までの距離、D’は前記結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
【0031】
前述のように対物レンズを射出した光束は、無限遠光束となって結像レンズに入射して収斂光束に変換される。本発明の撮影光学系の第2の構成は、このようにして変換された収斂光束が、正レンズと負レンズとよりなる正の接合レンズを有する第1レンズ群に入射し、この第1レンズ群により中間像を形成する。この中間像は、中間像に凸面を向けた正のレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群とにより最終像として結像される。なお、第1レンズ群ないし第3レンズ群の各々の全体の屈折力は、正屈折力、正屈折力、正屈折力である。
【0032】
この第2の構成は、上記レンズ構成とすると共に条件(3)を満足することにより、第1の構成より高い倍率である1.8倍から2.5倍の範囲において良好な結像性能が得られるように構成したものである。
【0033】
この第2の構成では、軸上光線高は結像レンズで最も高くなり、軸外主光線は第3レンズ群で最も高くなる。
【0034】
第2の構成では、中間像位置に近い第2レンズ群に正の屈折力を持たせてあり、この第2レンズ群に第3レンズ群や最終像位置における入射角を調整するフィールドレンズの作用を持たせている。また各レンズ群に接合レンズを用いることによって、ペッツバール和を小さく抑え、また軸上色収差と倍率の色収差を良好に補正することができる。
【0035】
また、この第2の構成では、第2レンズ群の最も前側のレンズ面を中間像に凸面を向けるようにして、この第2レンズ群で発生するフレアー光を抑えるようにした。一般に、メニスカスレンズのレンズ面は、光線を屈折させる力が弱いためにフレアーが発生しやすい。したがって、第2レンズ群が中間像側に凹面を向けたメニスカス形状の場合、第2レンズ群の第3レンズ群側の面で反射された光がその中間像側の面で反射されてフレアー光となり最終像位置に達する。そのため最終像位置に撮像素子を配置するとフレアーのある画像を撮像することになる。しかも、このフレアー光の強度は、電気的なコントラストを強調した場合無視できない程大になる。例えば、赤外光による微分干渉観察を行なう場合、コントラストの悪化やスポットフレアー光の発生につながり、好ましくない。
【0036】
また、第2レンズ群内の二つのレンズ面だけでなく、他のレンズ群のレンズ面との間でもフレアー光が発生することがある。以上のことから第2レンズ群の最も前側のレンズ面を中間像に対し凸の面にすることが重要である。更にこの第2レンズ群を両凸形状の接合レンズにすることが望ましい。
【0037】
条件(3)の下限を超えると撮影倍率が低くなる。この場合軸外主光線高が高くなり、軸外のコマ収差や非点収差が悪化する。
【0038】
また、条件(3)の上限を超えると中間像位置から最終像位置までの倍率が高くなり、第2レンズ群が中間像位置に近くなりすぎてしまう。その結果、撮像光学系から最終像までの距離を所定の値に保ったまま、所望の倍率を有する撮影光学系を構成することが困難になる。逆に、所望の倍率を得ようとすると最終像までの距離が長くなりすぎる。
【0039】
条件(4)は、撮影光学系の中間像位置から最終像までの距離を適切なものにするための条件である。したがって、この条件(4)を満足することにより、中間像から最終像までの間に無理なく第2レンズ群と第3レンズ群を配置することが可能になり、条件(3)に規定する範囲内の倍率を有する撮影光学系、つまり1.8倍から2.5倍の範囲内の撮影光学系を構成することが可能になる。また第2、第3レンズ群と第3レンズ群との間の間隔を変化させることによりズームレンズとすることも可能になる。
【0040】
条件(4)の下限を超えると、結像レンズから第3レンズ群の後端までの距離に比べて第1レンズ群から中間像までの距離が短くなり、第1レンズに強い屈折力を持たせなければならなくなる。そのため、中間像での球面収差が悪化し、後のレンズ群にて良好に補正できなくなる。また、第2レンズ群への軸上光線の入射角が大になり、第2レンズ群、第3レンズ群での球面収差や軸外色収差の補正が困難になる。
【0041】
条件(4)の上限を超えると、結像レンズから第3レンズ群の後端までの距離に比べて第1レンズ群から中間像までの距離が長くなり、中間像位置から最終像までの間隔が短くなる。その結果、収差補正が困難になる。また、最終像位置において、入射する主光線の入射角を小さく抑えることが困難になる。そのため、最終像位置にCCD等の撮像素子を配置すると、撮像素子特有のシェーディング等が発生するので好ましくない。
【0042】
本発明の撮影光学系の第3の構成は、対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡に用いられる光学系で、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、正レンズと負レンズとからなる負の接合レンズを含む第2レンズ群と、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第3レンズ群と、前記第3レンズ群側に凸面を向けた正のレンズを含む第4レンズ群を有し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に中間像が形成されるように構成され、下記条件(5)を満足するものである。
【0043】
(5) 3≦F”/FO≦6
ただし、F”は前記結像レンズから前記第4レンズ群までの光学系の焦点距離、FOは前記結像レンズの焦点距離である。
【0044】
この本発明の撮影光学系の第3の構成は、結像レンズから第3レンズ群までの光学系により中間像を形成し、この像を第4レンズ群によって最終像を形成する。また前記条件(5)を満足することにより、更に高い倍率である3倍以上の撮影光学系を構成し得る。
【0045】
この第3の構成は、高い倍率を有する光学系である。そのため例えば第1の構成のように低い倍率の光学系比べて観察像が暗くなり、撮影光学系内で発生するフレアー光の強度を十分小さく抑える必要がある。
【0046】
この第3の構成では、中間像に視野絞りを配置し、結像レンズから中間像までの光学系(結像レンズ、第1、第2、第3レンズ群よりなる光学系)内で発生するフレアーを抑えるようにしている。また、反射率の高い空気接触面の数を少なくすることによりフレアー光を抑えるようにした。そのために、中間像から最終像までを第4レンズ群のみにした。
【0047】
また、この第3の構成では、正の屈折力の第1レンズ群を通過した収斂光束を負の屈折力の第2レンズ群にて発散させ、正の屈折力の第3レンズ群により適切な位置に中間像を形成するようにした。そして、正の屈折力の第4レンズ群で最終像を形成している。また、第2レンズ群の負の屈折力により、ペッツバール和を小にして像面平坦性を良好なものにした。また、第2レンズ群にて発生する球面収差やコマ収差を、第3レンズ群、第4レンズ群にて発生する球面収差やコマ収差と逆方向に発生させ、互いに打ち消しあうようにしてこれら収差を良好に補正している。
【0048】
また、第3レンズ群は、中間像の近くに配置されており、フィールドレンズの作用をしている。そして、この第3レンズ群の中間像側の面を中間像に対し凸の面として、最終像位置に撮像素子を配置した場合に第3レンズ群内のレンズ面とこの撮像素子の表面で生ずるフレアー光の強度や、第3レンズ群内のレンズ面と他のレンズ群内のレンズ面にて発生するフレアーの強度を小さく抑えるようにしている。
【0049】
この第3レンズ群を中間像側に凹面を向けたメニスカス形状にした場合、第3レンズ群の二つの空気接触面での反射光や撮像素子表面での反射光が、第3レンズ群のメニスカス形状の前後のレンズ面により反射されて最終像位置に達する。この結果、強いフレアー光やスポットフレアーが発生する。そこで、第3の構成のようにして、撮影光学系内で発生するフレアーの強度を小にし、かつ良好な光学性能を得るようにした。
【0050】
次に条件(5)について説明する。条件(5)の下限を超えると、結像レンズに対する撮影光学系の焦点距離の比が小になり、撮影される範囲が広くなる。この結果、軸外のコマ収差や非点収差が悪化する。また最終像位置における入射光の開口数が大になり、球面収差の補正が困難になる。
【0051】
条件(5)の上限を超えると、結像レンズに対する撮影光学系の焦点距離の比が大になり、中間像を第4レンズ群により最終像へリレーする倍率が高くなる。この結果、中間像から第4レンズ群までの距離が短くなり、撮影光学系から撮像素子までの距離を所定の値に保ったまま所望の倍率を有する撮影光学系を構成できなくなる。なお第4レンズ群を二つに分割して二つの群にて構成して倍率を高くすることが考えられるが、第4レンズ群内の空気に接触するレンズ面の数が多くなり、フレアー光が発生する可能性が大になる。このように、フレアー光の発生の可能性の増大を考えると、第4レンズ群を複数の群にて構成することによって所望の高い倍率の撮影光学系を実現する方法は好ましくない。
【0052】
本発明の撮影光学系の第4の構成は、対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡にて用いられる光学系で、前記光学系の光路中に常時固定される固定群と、光路に対し挿脱可能である移動群とを備え、前記固定群は正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群を有し、前記移動群は、第1の移動群と第2の移動群を有し、該第1の移動群は前記固定群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と接合レンズを含む第3レンズ群とを有し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に中間像が形成されるように構成され、該第2の移動群は前記第1レンズ群側に凸面を向けた正のレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群とを有し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に中間像が形成されるように構成され、前記第1の移動群と前記第2の移動群とを変換することにより倍率を変換させるようにした光学系で、前記固定群と前記第1の移動群を有する光学系が下記条件(1)、(2)を、前記固定群と前記第2の移動群を有する光学系が下記条件(3)、(4)を満足するものである。
【0053】
(1) 0.25≦F/FO≦1.5
(2) 0.15≦D1/D≦0.4
(3) 1.8≦F’/FO≦2.5
(4) 0.15≦D2/D’≦0.4
ただし、Fは前記結像レンズから前記第1の移動群を有する撮影光学系の前記第3レンズ群までの光学系の焦点距離、F’は前記結像レンズから前記第2の移動群を有する撮影光学系の前記第3レンズ群までの光学系の焦点距離、FOは前記結像レンズの焦点距離、D1は前記第1の移動群を有する撮影光学系における前記第1レンズ群の最も後側のレンズ面から前記中間像位置までの距離、D2は前記第2の移動群を有する撮影光学系における前記第1レンズ群の最も後側のレンズ面から前記中間像位置までの距離、Dは前記結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記第1の移動群を有する撮影光学系の前記第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離、D’は前記結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記第2の移動群を有する撮影光学系の前記第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
【0054】
本発明の撮影光学系の第4の構成は、対物レンズと結像レンズとよりなる顕微鏡の後方に結像レンズ側より共通の固定群と異なる複数の移動群を配置して最終像を形成するものである。そしてこの移動群を異なる倍率のものに交換することにより低倍率(0.25倍〜1.5倍)から中倍率(1.8倍〜2.5倍)までの倍率の変換を可能にしたことを特徴とする。
【0055】
つまり、第4の構成は、中間像よりも対物レンズ側にある結像レンズと第1のレンズ群が共通の固定群となる。そして第1レンズ群より後方のレンズ群を移動群として複数用意しておく。この第4の構成では異なる焦点距離の移動群である第1の移動群と第2の移動群とを光路に挿脱可能にし、この移動群の交換によって固定群と移動群で形成される光学系(以下、撮影ユニット)の焦点距離を変換している。このように、結像レンズの焦点距離と撮影ユニットの焦点距離の比率を変えることにより倍率の変換を行なうようにした。
【0056】
第4の構成は前述の本発明の撮影光学系の第1、第2の構成において、第1レンズ群を共通の固定群とし、それ以外の第2レンズ群以降のレンズ群を夫々移動群としている。即ち第1の構成と第2の構成において第2レンズ以降のレンズ群をそれぞれ第1、第2、第3の移動群とした時、固定群と第1の移動群により低倍率の撮影ユニットが構成され、固定群と第2の移動群により中間の倍率の撮影ユニットが構成されることになる。つまり、前記のように第1、第2の移動群のみを交換することにより異なる倍率の複数の撮影光学系を実現し得る。
【0057】
この第4の構成は、第1の移動群と第2の移動群とを交換することにより、低倍率(0.25倍〜1.5倍)と中間の倍率(1.8倍〜2.5倍)とで倍率を変換し得る撮影光学系となる。例えば、対物レンズが倍率が20倍、開口数0.9とし、二つの撮影ユニットの結像レンズに対する焦点距離の比を夫々0.25と2.5とすれば、対物レンズから最終像位置までの倍率が低倍側では5倍で、中間倍率側では50倍になる。このように対物レンズを交換することなしに、撮影倍率を大幅に変化させることが可能である。
【0058】
また、この第4の構成は、撮影ユニットの一部のレンズ群を共通の固定群とし、それ以外の他のレンズ群のみを交換するため交換機構を小型にすることができる。しかも交換機構も簡素化できる。これらのことからコスト低減が可能になる。
【0059】
また、結像レンズの射出側にハーフミラーを配置し、このハーフミラーにより反射される側の光路に撮影ユニットを配置することができる。この時、ハーフミラーの反射面を、顕微鏡本体の奥行き方向に向けておく。このようにすると標本から離れた位置に撮影ユニットを配置することができる。すなわち、変倍時に振動や衝撃の発生源となる移動群を、標本から遠ざけることができる。そして、前述のように倍率を変換する際に光路に対して挿脱されるのは撮影ユニットの一部のレンズ群である。そこで顕微鏡本体を、レンズ群の挿脱の際に発生する振動や衝撃を小さく押さえるような構造にすることや、振動や衝撃が伝わらないような構造にすることによって、これら振動や衝撃が標本に伝わらないようにすることが可能である。
【0060】
このように、本発明の第4の構成によれば、倍率の変換時に振動や衝撃を少なくすることが可能である。よってパッチクランプ法による観察時において倍率を変換しても振動や衝撃等によって標本が視野外に移動したり、微小ガラス電極が標本から離れることを防止することができる。
【0061】
また、対物レンズを交換することがないため、対物レンズ交換時に誤ってマニュピレーターに触れることがなく、作業性や操作性が向上する。
【0062】
本発明の撮影光学系の第5の構成を示す。
対物レンズと結像レンズとよりなる顕微鏡にて用いられる光学系で、前記光学系の光路中に常時固定される固定群と、光路に対し挿脱可能である移動群とを備え、前記固定群は正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群を有し、前記移動群は、第1の移動群と第3の移動群を有し、該第1の移動群は前記固定群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と接合レンズを含む第3レンズ群とを有し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に中間像が形成されるように構成され、該第3群の移動群は正レンズと負レンズとからなる負の接合レンズを含む第2レンズ群と正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第3レンズ群と、前記第3レンズ群側に凸面を向けた正のレンズを含む第4レンズ群とを有し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間に中間像が形成されるように構成された前記第1の移動群と前記第3の移動群とを変換することにより倍率を変換させるようにした光学系で、前記固定群と前記第1の移動群を有する光学系が下記条件(1)、(2)を、前記固定群と前記第3の移動群を有する光学系が下記条件(5)を満足するものである。
【0063】
(1) 0.25≦F/FO≦1.5
(2) 0.15≦D1/D≦0.4
(5) 3≦F”/FO≦6
ただし、Fは前記結像レンズから前記第1の移動群を有する撮影光学系の前記第3レンズ群までの光学系の焦点距離、F”は前記結像レンズから前記第3の移動群を有する撮影光学系の前記第4レンズ群までの光学系の焦点距離、FOは前記結像レンズの焦点距離、D1は前記第1の移動群を有する撮影光学系における前記第1レンズ群の最も後側のレンズ面から前記中間像位置までの距離、Dは前記結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記第1の移動群を有する撮影光学系の前記第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
【0064】
この第5の構成は、結像レンズよりも後方の光学系が固定群と移動群とよりなる点、固定群が正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群よりなる点、第1の移動群が固定群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを有する第2レンズ群と接合レンズを有する第3レンズ群よりなる点で、前述の第4の構成で類似する。第5の構成では、この第1の移動群と交換されるのが、正レンズと負レンズを接合した負の接合レンズを含む第2レンズ群と、正レンズと負レンズを接合した正の接合レンズを含む第3レンズ群と、第3レンズ群側に凸面を向けたレンズを含む第4レンズ群を有する第3の移動群である。そして第1の移動群と第3の移動群とを交換することによって低倍率(0.25〜1.5倍)と高倍率(3〜6倍)とを変換し得るものである。即ち、この第5の構成は、第1、第3の移動群の交換により、前記第1の構成の撮影光学系に相当する構成と第3の構成の撮影光学系に相当する構成を実現している。
【0065】
次に本発明の鏡筒について述べる。
【0066】
本発明の鏡筒は、対物レンズと結像レンズとを備えた顕微鏡に用いられる鏡筒で、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群を有し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に中間像を形成するように構成され、下記条件(1)、(2)を満足する撮影光学系とを備えた構成である。
【0067】
(1) 0.25≦F/FO≦1.5
(2) 0.15≦D1/D≦0.4
ただし、Fは前記結像レンズから前記第3レンズ群までの光学系の焦点距離、FOは前記結像レンズの焦点距離、D1は前記第1レンズの最も後側にあるレンズ面から前記中間像位置までの距離、Dは前記結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
【0068】
本発明の鏡筒は、対物レンズと結像レンズを有する顕微鏡に用いられるものである。本発明の鏡筒は、結像レンズの射出側に配置されるもので、本発明の撮影光学系の第1の構成を有している。よって0.25〜1.5倍の範囲の倍率で良好な結像性能が得られる鏡筒が実現できる。また、光路分割素子であるハーフミラーを配置し、この光路分割素子で光が反射される光路(以下、反射側光路とする。)に、本発明の撮影光学系の第1の構成の光学系を配置しても良い。 そうすると、光路分割素子を光が透過した光路(以下、透過側光路とする。)には、接眼光学系を有する観察鏡筒を配置でき、目視観察が行なえる。また光路分割素子と観察鏡筒の間に、更にハーフミラーやハーフプリズム等の他の第2の光路分割素子を配置することもできる。このような構成にするとこの第2の光路分割素子にて分割された一方の光路に倍率の異なる第2の撮影光学系を配置することが可能になる。この結果、第2の撮影光学系と第1の構成の撮影光学系による二つの異なる倍率での撮影と接眼レンズによる観察が可能になる。この時、鏡筒を二つの撮影光学系と接眼レンズを備えた観察光学系とを一体にすれば、鏡筒をコンパクトになし得、また操作性も向上する。
【0069】
なお、観察鏡筒を設けずに、光路分割素子を透過した光束の光路中に第2の撮影光学系を配置することもできる。そしてこの第2の撮影光学系として、結像レンズにより像を縮小または拡大する撮影光学系を配置すれば、縮小像または拡大像による物体の撮影が可能になる。また、第2の撮影光学系を倍率の異なる撮影光学系と交換して倍率を変換しての撮影が可能である。
【0070】
また、本発明の鏡筒において、第1の構成の撮影光学系の代わりに第2の構成の撮影光学系を配置してもよい。これにより、倍率が1.8倍から2.5倍の範囲内で良好な結像性能を有する鏡筒を実現し得る。この場合も、更に光路分割素子を鏡筒内に配置することにより、上記のような複数の撮影や観察ができる。
【0071】
また、本発明の鏡筒において、第1の構成の撮影光学系の代わりに本発明の撮影光学系の第3の構成を配置することにより、倍率が3倍から6倍の範囲内において良好な結像性能を有する鏡筒を実現し得る。この場合も更に光路分割素子を鏡筒内に配置しても良い。
【0072】
なお、第2の撮影光学系に配置する光学系は、第1ないし第3の構成であっても良いが、これらの構成とは全く異なる別の光学系でも構わない。
【0073】
また、本発明の鏡筒において、第1の構成の撮影光学系の代わりに本発明の撮影光学系の第4の構成を配置しても良い。つまり、撮影光学系を固定群と異なる複数の移動群とにて構成し、移動群を変換すれば倍率を変換させることが可能な鏡筒を実現し得る。また、光路分割素子を配置することにより、より多くの倍率の異なる撮影と観察を可能にする鏡筒を実現し得る。
【0074】
この鏡筒は、本発明の撮影光学系の第4の構成を配置したものであるから、移動群を交換することにより、低倍率(例えば0.25〜1.5倍)と中間の倍率(例えば1.8〜2.5倍)の倍率変換が行なえる。また、本発明の撮影光学系の第5の構成を配置することもできる。この場合は、低倍率(例えば0.25〜1.5倍)と高倍率(例えば3〜6倍)の二つの倍率での撮影が行なえる。当然のことながら、第1、第2、第3の構成の撮影光学系を一緒に配置すれは、三つの倍率での撮影が可能である。
【0075】
しかも光路分割素子の反射面を適切な向きに設定することにより倍率を変換する際に生じる振動や衝撃の発生や伝達を抑えることが可能であることは前述の通りである。
【0076】
前述の本発明の撮影光学系の第1の構成や第1の構成を備えた鏡筒において、撮影光学系中に対物レンズの開口数を制限する開口絞りを設けることが望ましい。また、本発明の撮影光学系の第4の構成や第5の構成、およびこれらの構成を有する鏡筒には、第1の構成に相当する撮影ユニットがある。よって、これらの構成においてもこの撮影ユニットに開口絞りを設けることが望ましい。
【0077】
本発明の撮影光学系の第1の構成は、倍率が0.25倍から1.8倍の範囲内において結像性能が良好な撮影光学系である。このような低倍率の光学系は、顕微鏡による観察において、観察物体の位置を探すために用いられる。そのために特に高い解像力を必要としないので、対物レンズの瞳位置またはその共役な位置に開口絞りを配置して、対物レンズの開口数を制限することが好ましい。これにより光束がある程度絞られるので、撮影光学系において収差が特に良好に補正された領域を使うことができる。よって光学性能が向上する。また、視野中心と周辺における光量のアンバランスを改善することが可能である。
【0078】
なお、第1の構成のような低倍率の光学系では、撮像素子に入射する光束の開口数が非常に大きいために、光学系のレンズ枚数やレンズ群の数を増やす必要がある。そのため、フレアー光の発生が問題になる。
【0079】
しかしながら、顕微鏡における低倍率での撮影等は、主に物体の位置や撮影位置等を探すために用いられることが多い。よって、対物レンズの開口数を制限しても殆ど問題がない。そのために、前述のような低倍率の第1の構成の撮影光学系では、開口絞りを設けて光束の大きさを制限し、フレア光の発生や、フレア光を除去するようにするのが好ましい。また、この開口絞りを径が変化する構成にしても良い。また、この開口絞りを移動可能にしても良い。このようにしておくと、別の対物レンズに交換した時に対物レンズの瞳位置と共役な位置に開口絞りを移動させることができる。
【0080】
また、本発明の撮影光学系の第4の構成あるいは第5の構成のように移動群の交換により倍率を変化させる場合、低倍率の撮影ユニット、例えば第1の移動群に開口絞りを配置して対物レンズの開口数を制限できるようにするのがよい。そして、他の倍率に切り換えた時には、開口絞りは第1の移動群と共に光路から離脱するため対物レンズの開口数にて撮像することが可能である。
【0081】
また、前述のように本発明の第1の構成の中に開口絞りを配置すると共に光量を減衰させる光学素子、例えばNDフィルター等を配置してもよい。またこの光量を減衰させる光学素子を第4の構成あるいは第5の構成の第1の移動群に設けてもよい。
【0082】
このように、低倍率の撮影光学系に光量を減衰する光学素子を配置することにより、この倍率の撮影光学系を用いた時と、より高い倍率の撮影光学系を用いた時とで、最終像位置での光量をほぼ等しくすることが可能になる。この点について以下に説明する。
【0083】
最終像位置に撮像素子を配置した場合、撮像素子に入射する光の量は、撮像素子に入射する光束の開口数の2乗に比例する。そのため、低い倍率の撮影光学系を用いた時の方が光量が大になる。そこで上記のように光量を減衰させる光学素子を配置することにより、低倍率での撮像と高倍率での撮影とを切り換えても、撮像素子に入射する光量をほぼ等しくすることができる。したがって、画像のコントラストの大幅な調整が不要になり、操作性が向上する。
【0084】
また、低倍側の観察光学系に配置して開口数を制限する開口絞りとの組み合わせによって、解像力を適度に落しながら光量を高倍側とほぼ同じにすることが可能になる。また、光量を減衰させる光学素子を着脱可能にすることにより、様々なアプリケーションに対応することが可能になる。
【0085】
この光量を減衰させる光学素子を、有限光束中に着脱可能に配置した場合、その着脱によって結像位置や倍率が変化する。このような時には、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔および第3レンズ群と撮像素子(最終像)との間隔を変化させることにより、結像位置や倍率を変化させることができる。この時、収差はほとんど変化しないので、光学系の性能を劣化させることはない。
【0086】
前述の本発明の鏡筒において、光路分割素子の波長特性を、可視域の光を透過し赤外域の光を反射する特性とすることが好ましい。
【0087】
光路分割光学素子にこのような波長特性を持たせることにより、可視光を透過させ赤外域の光を反射させるようにすれば、物体を同時に異なる観察方法で観察することが可能になる。例えば、蛍光観察の場合を考える。細胞あるいは組織は無色透明なので、全体の様子を把握するには微分干渉観察が有効である。そこで、赤外光を用いれは、光路分割素子で反射した光路で赤外光による微分干渉観察を行なうことができる。一方、可視光は光路分割素子を透過するので、こちらの光路で蛍光観察が行なえる。このように、蛍光観察については接眼光学系による観察と第2の撮影光学系による撮像を行ない、微分干渉観察を第1の撮影光学系で行なうことができる。更に、光路分割光学素子の波長特性を変えることにより、幅広いアプリケーションに対応する鏡筒光学系を実現し得る。
【0088】
また、光路分割素子を有する鏡筒において、反射側光路に偏光素子を配置することが望ましい。
【0089】
このように、反射側光路に偏光素子を配置することにより、反射側光路を偏光観察や微分干渉観察のための専用光路とすることができる。一方透過側光路は蛍光観察や明視野観察のための専用光路とすることができる。このようにすれば、顕微鏡観察において様々なアプリケーションに容易に対応することができる。なお、偏光素子を配置する場所としては、偏光特性の劣化を抑えるために光路分割素子と中間像との間に配置することが望ましい。但し、必ずしもこの位置に限られるものではなく、アプリケーションに応じて、最も適した位置に配置することが好ましい。また、偏光素子を挿脱可能にしておくのがよい。この場合、反射側光路にあるレンズ群の少なくとも1つを光軸に沿って移動させるようにしておけば、結像位置や倍率を補正することが可能になるので好ましい。また移動させるレンズ群は、最終像に最も近い位置に配置されたレンズ群とするのがよい。
【0090】
また、本発明の鏡筒において、該鏡筒を顕微鏡本体に接続したときに、対物レンズの光軸上に光路分割素子を配置して反射側光路に前述の第1〜第5の構成のいずれかの撮影光学系を配置する。そして、更に、撮影光学系中のレンズ群のうち、最終像に最も近いレンズ群から射出した光を、直角な方向に偏向させるための光偏向素子を設け配置する。そして対物レンズの光軸と光路分割素子との交点をP1、光偏向素子にて偏向され最終像位置に向かう光軸と光偏向素子との交点をP2とした時、下記条件(6)を満足するように構成することが望ましい。
(6) 150mm≦L≦300mm
ただし、LはP1とP2の間隔である。
【0091】
例えば、顕微鏡が配置されている机上面を基準にすると、対物レンズの光軸はこの机上面に対して垂直である。光路分割素子はこの対物レンズの光軸上に位置し、対物レンズからの光の一部を反射するように配置されている。そこで、この反射面を対物レンズの光軸に対して45°となるように配置すると、反射側光路の光軸は机上面に対して水平になる。この反射側光路に第1の構成乃至第3の構成の撮影光学系を配置すれば、撮影光学系を机上面に垂直な方向に配置せずに済むので、基本的に鏡筒の高さを低く抑えることができる。なお、光路分割素子は、結像レンズと撮影光学系の間に配置することが好ましい。
【0092】
更に、第1の構成乃至第3の構成の撮影光学系は、いずれも第1レンズ群から最終像までの距離が同じ(約315mm)になっている。そして、第1レンズ群から最終レンズ群(すなわち、最終像位置側に最も近いレンズ群)までの距離は、約176mm〜265mmである。そこで、条件(6)を満足するように光偏向素子を配置すれば、光偏向素子は最終レンズ群と最終像の間に配置されることになる。このように構成すると、第1の構成乃至第3の構成の撮影光学系を構成しているレンズ群すべてを、机上面に対して水平に配置することができる。よって、撮影光学系を組み立てる際に、各レンズ群の位置調整が簡単に行なえる。また、特定のレンズ群を光軸方向に移動させる際にも、移動機構を複雑にしなくて済む。また、第4の構成や第5の構成のように、一部のレンズ群を交換する際も、交換機構を複雑にしなくても済む。
【0093】
また、撮影光学系の配置方向が顕微鏡の奥行き方向である場合、光偏向素子が配置されていないと最終像も奥行き方向に形成される。これに対して、本発明の鏡筒のように光偏向素子を配置すれば、最終像は奥行き方向に形成されることはない。よって、顕微鏡に落射照明装置を取り付けた場合でも、落射照明装置の光源と鏡筒が機械的な干渉を生じることはない。
【0094】
また、光偏向素子で反射された後の光路(すなわち、光偏向素子から最終像位置までの光路)における光軸が机上面に対して平行な方向となるように光偏向素子の反射面を設定すると、最終像位置は撮影光学系と同じ高さになる。一方、光偏向素子で反射された後の光路における光軸が机上面に対して垂直な方向となるように光偏向素子の反射面を設定すると、最終像位置は撮影光学系よりも高くなる。しかしながら、その高さは、撮影光学系の光軸から数十mm高い位置であるから、それほど高くはない。このように、最終像位置を含めても、本発明の鏡筒では鏡筒の高さを低く抑えることができる。以上、第1の構成乃至第3の構成の撮影光学系を備える鏡筒について説明したが、第4の構成や第5の構成の撮影光学系を備えた鏡筒においても同様である。
【0095】
以上のように、本発明の鏡筒では条件(6)を満足することにより、鏡筒の高さを低く抑えることができる。すなわち、撮影光学系が机上面に垂直な方向に配置されることがない。よって、本発明の鏡筒を顕微鏡に取り付けても、重心位置を低くすることができるので顕微鏡全体が不安定にならない。この結果、外部からの振動や衝撃に対して強い顕微鏡を構成することができる。また、通常、顕微鏡の奥行き方向には光源が配置されているが、本発明の鏡筒であれば、光路分割素子の反射面の方向を奥行き方向にしても、光源の手前に撮影光学系を配置できる。よって、鏡筒と光源(光源装置)とが機械的に干渉することがない。
【0096】
次に、撮影光学系におけるフレアー光の影響について述べる。通常、レンズ表面には反射防止のためのコーティングが施されている。しかしながら、このようなコーティングを施したとしても、わずかであるがレンズ表面、すなわち空気接触面で反射が生じる。当然、光学系を構成するレンズが多いほど、このような反射も多く発生する。そして、空気接触面で発生した反射光が別の空気接触面で再び反射して最終像位置に達する。最終像位置に達した光のうち、比較的光強度が強い光や、ある程度集光した光がフレアー光となる。特に、撮像素子で撮像する光学系では、撮像した画像を画像強調等の画像処理が行なえるので便利であるが、フレアー光があるとこのフレアー光も強調される。よって、撮像素子で撮像する光学系ではフレアー光の発生を抑える必要がある。
【0097】
このような点から、前述の本発明の撮影光学系の第1の構成〜第3の構成は、以下のように構成するのが好ましい。第1の構成では、第1レンズ群を正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズ1つのみ、第2レンズ群を第1レンズ群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズ1つのみ、第3レンズ群を正の接合レンズ1つと正の単レンズ1つのみで構成する。また、第2の構成では、第1レンズ群を正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズ1つのみ、第2レンズ群を第1レンズ群側に凸面を向けた正の接合レンズ1つのみ、第3レンズ群を正の接合レンズ1つと正の単レンズ1つのみで構成する。また、第3の構成では、第1レンズ群を正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズ1つのみ、第2レンズ群を正レンズと負レンズとからなる負の接合レンズ1つのみ、第3レンズ群を正の接合レンズ1つのみ、第4レンズ群を第3レンズ群側に凸面を向けた正の単レンズ1つのみで構成する。
【0098】
このように、各レンズ群を1つのレンズ成分、あるいは2つのレンズ成分のみで構成することで、空気接触面で発生するフレアー光の数を抑えることができる。なお、レンズ成分とは、単レンズもしくは接合レンズのことである。なお、第4の構成や第5の構成、あるいは本発明の鏡筒についても同様である。
【0099】
一方、フレアー光が発生したとしても、本来の像(標本の像)の光強度に対してフレアー光の光強度が小さければ問題はない。そこで、前述の本発明の撮影光学系の第1〜第5の構成、および本発明の鏡筒において、次の条件(7)を満足することが望ましい。
【0100】
(7) {(F/(FO)・sinθ}2≦0.005
ただし、Fは撮影光学系の焦点距離、FOは結像レンズの焦点距離、θは対物レンズから最終像までの間にある任意の空気接触面によって対物レンズ側に反射された後に、該空気接触面とは別の空気接触面によって最終像側に反射された軸上光束の最終像位置における入射角度である。
【0101】
条件(7)は、仮にフレアー光が発生しても問題とならない光強度に抑えることができればよい、という観点にもとづいて導き出されたものである。すなわち、条件(7)は、本発明の撮影光学系の第1の構成〜第5の構成において、フレアー光の光強度を、本来の像のコントラストを悪化させない程度に抑えるための条件である。条件(7)を満足すれば、対物レンズからの光が撮影光学系の最終像位置に達するまでの間にある空気接触面で生じたフレアー光の光強度を小さく抑えることができる。よって、撮像素子を用いて撮像を行なった画像が、画像全体にフレアー光が重なった画像や、局所的にフレアー光が重なった画像(スポットフレアー光が重なった画像)であったとしても、このような画像に対して電気的なコントラスト強調を行なうことができ、コントラストの劣化が目立たないようにすることが可能である。
【0102】
ここで、フレアー光の光強度が本来の像のコントラストを悪化させるかどうかは、本来の像の光強度とフレアー光の光強度の相対的な大きさによって決まる。撮影光学系の撮影倍率β(撮影光学系の焦点距離と結像レンズの焦点距離の比)が高いほど、本来の像の光強度は小さくなる。これは、撮影光学系の撮影倍率βが高いほど、最終像位置に入射する軸上光束の開口数が小さくなるからである。このように、倍率が高い撮影光学系ほど相対的に本来の像の光強度が低下するので、フレアー光が目立ちやすくなる。よって、高倍の撮影光学系において条件(7)を満足することが望ましい。
【0103】
なお、フレアー光の光強度とは、対物レンズから最終像位置までの間にある任意の空気接触面で生じた光のうち、対物レンズからの光が第1の空気接触面R1で対物レンズ側に反射され、更に第2の空気接触面R2で最終像側に反射され、最終像位置に達した光である。また、空気接触面はレンズ面の他に、撮像素子の表面も含まれる。
【0104】
また、フレアー光の光強度を抑えるために、撮影光学系内のレンズ面や中間結像位置に絞りを配置し、余分なフレアー光が最終像位置に達しないようにするのが好ましい。また、レンズ保持枠の径を必要最小限の有効径にすることも重要である。
【0105】
前述のように、フレアー光はレンズの数に依存する。したがって、一つのフレアー光の光強度が小さくても複数のフレアー光が生じると、その積算値は大きいものとなる。この場合、当然のことながら、本来の像のコントラストを劣化させる原因となる。そのため、条件(7)を満足する撮影光学系としては、上述の各レンズ群が1つのレンズ成分、あるいは2つのレンズ成分のみからなる光学系であることが好ましい。
また、本発明の撮影光学系の第3の構成において、第2レンズ群中の中間像側の空気接触面の曲率半径をR2G、中間像側の空気接触面から中間像までの距離をD2Gとする時、下記条件を満足することが望ましい。
【0106】
(8−1) 0.25≦|R2G|/D2G≦0.9
(8−2) 1.5≦|R2G|/D2G≦15
条件(8−1)あるいは条件(8−2)を満足することにより、第2レンズ群中の中間像側の空気接触面とその他の空気接触面にて反射したフレアー光の強度を抑え、かつフレアー光がスポットフレアー光にならないようにすることができる。よってコントラストの良い画像での観察が可能である。また、最終像位置に撮像素子を配置した場合でも、この撮像素子の表面での反射によって生じるフレアー光の強度を抑えることができる。
【0107】
条件(8−1)の上限値0.9から条件(8−2)の下限値1.5までの範囲は、第2レンズ群中の中間像側の空気接触面と撮像素子面での反射によるフレアー光がスポットフレアーになり好ましくない。つまり、条件(8−1)の上限を超え、条件(8−2)の下限を超えるとスポットフレアーが発生し好ましくない。
【0108】
また条件(8−1)の下限を超えると曲率半径R2の値が小さくなる。所定の倍率を維持するためには第2レンズ群の第1レンズ群側の面の曲率半径を大きくしなければならない。この場合、第2レンズ群の第1レンズ群側の面と第3レンズ群のレンズ面との反射によりフレアー光が強く生じる。その結果、コントラストが劣化する。
【0109】
また条件(8−2)の上限を超えると曲率半径R2Gの値が大になり、第2レンズ群の物体側の面の曲率半径が小になる。この結果球面収差やコマ収差が悪化し好ましくない。
【0110】
また本発明の撮影光学系の第3の構成において、第3レンズ群の第2レンズ群側に凸面を向けた空気接触面の曲率半径をR3G、上記空気接触面から中間像までの距離をD3Gとする時、下記条件(9)を満足することが望ましい。
(9) 0.7≦R3G/D3G≦1.2
【0111】
この条件(9)を満足すると第3レンズ群の第2レンズ群側に凸面を向けた空気接触面とその他の空気接触面で反射したフレアー光の強度を抑え、かつスポットフレアーになるのを防止し得る。そのためにコントラストの良い観察が可能になる。また、最終像位置に撮像素子を配置した場合でも、この撮像素子の表面での反射によって生じるフレアー光の強度を抑えることができる。
【0112】
条件(9)の上限を超えると第3レンズ群の前記凸面と撮像素子面の間の反射によりスポットフレアーが強く発生するので好ましくない。
【0113】
条件(9)の下限を超えると前記凸面の曲率半径R3Gが小になる。そのために第2レンズ群中の中間像側に凹面を向けた空気接触面と第3レンズ群中の中間像側に凸面を向けた空気接触面との間の反射によりスポットフレアー光が発生する。
【0114】
また、本発明の撮影光学系の第2の構成において、第2レンズ群中の第3レンズ群側に凸面を向けた空気接触面の曲率半径をR22、中間像から第2レンズ群中の第3レンズ群側に凸面を向けた空気接触面までの距離をD22とした時、下記条件(10)を満足することが望ましい。
(10) 0.8≦|R22|/D22≦1.6
【0115】
この条件(10)は、第2レンズ群の空気接触面と第3レンズ群の空気接触面との間での反射によるスポットフレアー光を抑えるための条件である。また、条件(10)は最終像位置に撮像素子を配置した時に、この撮像素子の表面と第2レンズ群中の空気接触面との間で生じるフレアー光を抑えるための条件でもある。
【0116】
この条件(10)の上限を超えると第2レンズ群中の第3レンズ群側に凸面を向けた空気接触面と撮像素子面との間の反射、あるいは第2レンズ群中の第3レンズ群側に凸面を向けた空気接触面と第3レンズ群中の空気接触面との間の反射によるスポットフレアー光が強くなり好ましくない。
【0117】
また、条件(10)の下限を超えると、空気接触面の曲率半径R22が小になる。所定の倍率を維持するためには、第2レンズ群中の中間像側に凸面を向けた空気接触面の曲率半径が大になる。この場合、第2レンズ群中の中間像側に凸面を向けた空気接触面と第3レンズ群中の空気接触面との間の反射によるフレアー光が大になりコントラストが悪化する。
【0118】
次に、本発明の撮影光学系の第6の構成は、対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡に用いられるもので、正のメニスカスレンズを含む第1レンズ群と、両凸レンズと両凹レンズとを接合した負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、両凹レンズと両凸レンズの接合レンズと正レンズを含む第3レンズ群を有し、第2レンズ群と第3レンズ群との間に形成された対物レンズの瞳共役位置に絞りが設けられ、下記条件(11)、(12)、(13)、(19)を満足することを特徴とするものである。
(11) 0.7≦D(I1)/D(3I)≦1.3
(12) 0.35≦D(13)/D(I)≦0.65
(13) 0.2≦|β|≦0.5
(19) Pin=−Pout
ただし、D(I1)は中間像から第1レンズ群の先端までの距離、D(3I)は第3レンズ群の後端から最終像までの距離、D(13)は第1レンズ群の先端から第3レンズ群の後端までの距離、D(I)は中間像から最終像までの距離、βは中間像から最終像までの光学系の倍率、Pinは中間像位置から入射瞳位置(対物レンズと結像レンズによって投影される対物レンズの瞳位置)までの距離、Poutは最終像位置から射出瞳位置(対物レンズと結像レンズと撮影光学系とによって投影される対物レンズの瞳位置)までの距離である。
【0119】
この第6の構成の撮影光学系は顕微鏡に用いられるもので、顕微鏡の結像レンズによって形成された中間像の後に配置される光学系である。第1レンズ群は全体として正の屈折力、第2レンズ群は全体として負の屈折力、第3レンズ群は全体として正の屈折力を有する。中間像よりの光束は、第1レンズ群にて収束される。この第1レンズ群は正のメニスカスレンズを有している。ここで、正のメニスカスレンズは、中間像側に凸面を向けた形状とするのが好ましい。第1レンズ群で収束された光束は、第2レンズ群で発散される。第2レンズ群は両凸レンズと両凹レンズよりなる負の接合レンズを有している。第2レンズ群で発散された光束は第3レンズ群で収束され、所定の位置に最終像を形成する。第3レンズ群は両凹レンズと両凸レンズよりなる正の接合レンズと、正のレンズを有する。
【0120】
この第6の構成の撮影光学系において、各レンズ群を中間像側から第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群の順で配置した状態では、最終像位置には中間像を縮小した像が形成される。よって、上記のレンズ群の配列では、第6の構成の撮影光学系は縮小倍率の光学系である。
【0121】
軸外主光線は第1レンズ群で最も高くなる。また、軸上マージナル光線は結像レンズと第3レンズ群で高くなる。なお、対物レンズの瞳の共役像が第2レンズ群と第3レンズ群の間に形成されるので、この共役像の位置に絞りが配置される。この絞りは、対物レンズの開口数を制限する機能を有する。
【0122】
この第6の構成では、第2レンズ群の絞り側の面と第3レンズ群の絞り側の面を、それぞれ絞りに向かって凹面を向ける構成にすることによって、軸外収差を良好に補正している。また、第2レンズ群の負の屈折力により、ペッツバール和を小さく抑えて像面の平坦性を良好にしている。第3レンズ群は、結像レンズとの組み合わせによって球面収差を良好に補正するようになっている。また、第1レンズ群と第3レンズ群によって、第2レンズ群で発生するコマ収差を補正している。また第2レンズ群と第3レンズ群に接合レンズを配置して色収差を補正している。
【0123】
そして、第6の構成では、条件(11)乃至条件(13)、および条件(19)を満足するように構成している。条件(19)は入射瞳と射出瞳が形成される方向と、基準位置からの距離を規定するものである。入射瞳と射出瞳はいずれも対物レンズの瞳の共役像であって、入射瞳は対物レンズと結像レンズによって形成された共役像である。また射出瞳は対物レンズと結像レンズと撮影光学系によって形成された共役像である。また、入射瞳位置までの距離Pinは中間像位置を基準にして測った時の距離で、射出瞳位置までの距離Poutは最終像位置を基準にして測った時の距離である。
【0124】
条件(19)を満足すると、撮影光学系全体を反転させて配置しても、中間像と最終像の位置関係や入射瞳位置と射出瞳位置の位置関係が反転する前と変わらない。そのため、第6の構成において第1レンズ群乃至第3レンズ群を、中間像位置側から第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群の順で配置すれば、0.2倍から0.5倍までの倍率範囲で撮影光学系を構成できる。そして、この光学系を反転させれば2倍から5倍の倍率範囲で撮影光学系を構成することができる。ここで、反転とは、撮影光学系の光軸上において適当な点を設定し、この点を回転中心として撮影光学系を180°回転させることである。よって、反転後の撮影光学系では、各レンズ群は中間像位置側から、第3レンズ群、第2レンズ群、第1レンズ群の順に並んでいる。また、第3レンズ群の正の接合レンズと正のレンズは中間像側から順に正レンズ、接合レンズの順に並び、第2レンズ群の負の接合レンズは両凹レンズが中間像側に位置する。そして、第1レンズ群の正のメニスカスレンズは、最終像位置に凸面を向けた状態になっている。
【0125】
また、0.2倍から0.5倍までの低倍時には、開口絞りの絞り径を小さくして対物レンズの開口数を小さく制限し、高倍時には絞り径を大きくして対物レンズの開口数を制限しないようにすればよい。
【0126】
なお、投影光学系をテレセントリック光学系にすると、入射瞳位置が無限遠になる。この場合、最終像位置に達する光束の主光線が光軸と平行になる。よって、最終像位置に撮像素子を配置して撮像を行なうような場合、撮像素子へ主光線が垂直に入射する。よって、シェーディングが発生しないので好ましい。このように、シェーディングの発生を防止できる点からすると、撮影光学系をテレセントリック光学系にするのが好ましいが、必ずしもテレセントリック光学系にする必要はない。ただ、テレセントリック光学系でない場合は、入射瞳位置までの距離を絶対値で200mm以上にすることが望ましい。
【0127】
なお、条件(19)ではPinの値とPoutの値の絶対値が等しいとしているが、全く等しくなければならないというわけではない。Pinの値とPoutの値が多少違っていても問題はない。
また、この撮影光学系は、条件(11)を満足することにより撮影光学系を反転させた時に撮像素子から撮影光学系までの距離を確保できる。
【0128】
また条件(12)を満足することにより、中間像から撮像素子まで距離を短くし、収差を良好に補正し得る。
【0129】
更に、条件(13)を満足することにより簡単な構成のレンズ群で、撮影光学系を反転させた時の倍率の比を大きくすることができる。よって、対物レンズの倍率を変換せずに異なる倍率での観察が可能になり、システム性や有用性が大になる。
【0130】
条件(11)の上限を超えるとD(I1)が大になる。その結果、撮影光学系の全長が長くなりすぎてしまうので好ましくない。また、軸外収差の補正が困難になる。また、条件(11)の下限を超えるとD(I1)が小になる。この場合は、撮影光学系を反転した場合に最終像位置と第1レンズ群との距離が短くなる。そのため、最終像位置に撮像素子を配置しようとすると、第1レンズ群と撮像素子とが干渉する。あるいは所定の仕様を満足する撮像光学系を構成し得なくなる。
【0131】
条件(12)の下限を超えると、中間像から撮像素子までの距離が長くなる。そのため、撮影光学系をコンパクトに構成することができなくなる。また、低倍側の軸外コマ収差、非点収差、倍率の色収差が悪化する。
【0132】
条件(12)の上限を超えるとD(I1)、D(3I)が小になる。そのため、最終像位置に撮像素子を配置しようとすると、撮像素子に最も近いレンズ群と撮像素子との干渉が起こり好ましくない。
【0133】
条件(13)の上限または下限を超えると撮影光学系を反転した時、低倍側と高倍側の倍率の比が小になり好ましくない。
【0134】
なお、第6の構成において、第1レンズ群を正のメニスカスレンズのみ、第2レンズ群を両凸レンズと両凹レンズよりなる負の接合レンズのみ、第3レンズ群を両凹レンズと両凸レンズよりなる正の接合レンズと正のレンズのみで構成すれば、撮影光学系をコンパクトにすることができる。よって、反転のための空間を小さくできる点で好ましい。また、空気接触面を少なくできるので、フレアー光の発生を抑えることができる。
【0135】
また、本発明の鏡筒において結像レンズの後に配置される撮像光学系として前記第6の構成の光学系を用いれば、前記の通りの理由により望ましい。
【0136】
本発明の撮影光学系の第7の構成は、対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡に用いられるもので、正レンズと、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズを含む第1レンズ群と、両凹レンズと両凸レンズとを接合した負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、第2レンズ群側に凹面を向けた正のメニスカスレンズを含む第3レンズ群とを有し、第1レンズ群と第2レンズ群の間に形成された対物レンズの瞳共役位置に絞りが設けられ、下記条件(14)、(15)、(16)、(19’)を満足するものである。
(14) 0.7≦D’(I1)/D’(3I)≦1.3
(15) 0.35≦D’(13)/D’(I)≦0.65
(16) 0.2≦|β’|≦0.5
(19’) Pin’=−Pout
ただし、D’(I1)は中間像から第1レンズ群の先端までの距離、D’(3I)は第3レンズ群の後端から最終像までの距離、D’(13)は第1レンズ群の先端から第3レンズ群の後端までの距離、D’(I)は中間像から最終像までの距離、βは中間像から最終像までの光学系の倍率、Pin’は中間像位置から入射瞳位置(対物レンズと結像レンズによって投影される対物レンズの瞳位置)までの距離、Pout’は最終像位置から射出瞳位置(対物レンズと結像レンズと撮影光学系とによって投影される対物レンズの瞳位置)までの距離である。
【0137】
この第7の構成の撮影光学系も顕微鏡に用いられるもので、第6の構成と同じように、顕微鏡の結像レンズによって形成された中間像の後に配置される光学系である。第1レンズ群は全体として正の屈折力、第2レンズ群は全体として負の屈折力、第3レンズ群は全体として正の屈折力を有する。中間像よりの光束は、第1レンズ群にて収束される。この第1レンズ群は正レンズと接合レンズを有している。ここで、接合レンズは両凸レンズと両凹レンズで構成されている。第1レンズ群で収束された光束は、第2レンズ群で発散される。第2レンズ群は両凹レンズと両凸レンズよりなる負の接合メニスカスレンズを有している。この接合メニスカスレンズは、第1レンズ群側に凹面を向けて配置されている。第2レンズ群で発散された光束は第3レンズ群で収束され、所定の位置に最終像を形成する。第3レンズ群は第2レンズ群側に凹面を向けた正のメニスカスレンズを有する。
【0138】
この第7の構成の撮影光学系において、各レンズ群を中間像側から第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群の順で配置した状態では、最終像位置には中間像を拡大した像が形成される。よって、上記のレンズ群の配列では、第7の構成の撮影光学系は拡大倍率の光学系である。
【0139】
軸外主光線は第3レンズ群で最も高くなる。また、軸上マージナル光線は結像レンズと第1レンズ群で高くなる。また、対物レンズの瞳の共役像は第1レンズ群と第2レンズ群の間に形成される。
【0140】
この第7の構成では、第1レンズ群の最終面と第2レンズ群の最前面を、互いに凹面を向ける構成にすることによって、軸外収差を良好に補正している。また、第2レンズ群の負の屈折力により、ペッツバール和を小さく抑えて像面の平坦性を良好にしている。第1レンズ群は、結像レンズとの組み合わせによって球面収差を良好に補正するようになっている。また、第1レンズ群と第3レンズ群によって、第2レンズ群で発生するコマ収差を補正している。また第1レンズ群と第2レンズ群に接合レンズを配置して色収差を補正している。
【0141】
そして、第7の構成では、条件(14)乃至条件(16)、および条件(19’)を満足するように構成している。条件(19’)は入射瞳と射出瞳が形成される方向と、基準位置からの距離を規定するものである。入射瞳と射出瞳はいずれも対物レンズの瞳の共役像であって、入射瞳は対物レンズと結像レンズによって形成された共役像である。また射出瞳は対物レンズと結像レンズと撮影光学系によって形成された共役像である。また、入射瞳位置までの距離Pin’は中間像位置を基準にして測った時の距離で、射出瞳位置までの距離Pout’は最終像位置を基準にして測った時の距離である。
【0142】
条件(19’)を満足すると、撮影光学系全体を反転させて配置しても、中間像と最終像の位置関係や入射瞳位置と射出瞳位置の位置関係が反転する前と変わらない。そのため、第7の構成において第1レンズ群乃至第3レンズ群を、中間像位置側から第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群の順で配置すれば、2倍から5倍までの倍率範囲で撮影光学系を構成できる。そして、この光学系を反転させれば0.2倍から0.5倍の倍率範囲で撮影光学系を構成することができる。ここで、反転とは、撮影光学系の光軸上において適当な点を設定し、この点を回転中心として撮影光学系を180°回転させることである。よって、反転後の撮影光学系では、各レンズ群は中間像位置側から、第3レンズ群、第2レンズ群、第1レンズ群の順に並んでいる。また、第3レンズ群の正のメニスカスレンズは、中間像位置に凸面を向けた状態になっており、第2レンズ群の負の接合レンズは両凸レンズが中間像側に位置する。そして、第1レンズ群の正のレンズと接合レンズは、最終像側から順に正レンズ、接合レンズの順に並んでいる。
【0143】
また、2倍から5倍までの高倍時には、絞り径を大きくして対物レンズの開口数を制限しないようにし、0.2倍から0.5倍までの低倍時には、開口絞りの絞り径を小さくして対物レンズの開口数を小さく制限するようにすればよい。
【0144】
なお、第6の構成と同様に、第7の構成の撮影光学系がテレセントリック光学系でない場合は、入射瞳位置までの距離を大きく、例えば絶対値で200mm以上にすることが望ましい。
【0145】
なお、条件(19’)ではP’inの値とP’outの値の絶対値が等しいとしているが、全く等しくなければならないというわけではない。P’inの値とP’outの値が多少違っていても問題はない。
【0146】
また、この第7の構成において、条件(14)を満足すれば、光学系を反転させた時に撮像素子から撮影光学系までの距離を確保できるので望ましい。
【0147】
また、条件(15)を満足することにより、中間像から撮像素子までの距離を短くでき、また収差良好に補正できる。
【0148】
更に条件(16)を満足することにより、簡単な構成であっても、撮影光学系を反転させた時の倍率の比を大きくすることができる。よって対物レンズを変換せずに視野の広い低倍率と高い開口数の高倍率の観察が可能になる。
【0149】
条件(14)の上限を超えるとD’(I1)が大になる。その結果撮影光学系の全長が長くなりすぎてしまうので好ましくない。また、軸外収差の補正が困難になる。また条件(14)の下限を超えるとD’(I1)が小になる。この場合は、撮影光学系を反転させた時に最終像位置と第1レンズ群との距離が短くなる。そのため、最終像位置に撮像素子を配置しようとすると、撮像素子と第1レンズ群が干渉する。あるいは所定の仕様を満足する撮影光学系を構成することが困難になる。
【0150】
条件(15)の下限を超えると中間像から撮像素子までの距離が長くなる。そのため撮影光学系をコンパクトに構成することができなくなる。また、低倍側の軸外のコマ収差、非点収差、倍率の色収差が悪化する。
【0151】
条件(15)の上限を超えるとD’(I1)、D’(3I)が小さくなる。そのため、最終像位置に撮像素子を配置しようとすると、撮像素子に最も近いレンズ群と撮像素子とが干渉し好ましくない。
【0152】
条件(16)の上限または下限を超えると、いずれも撮影光学系を反転させた時、低倍側と高倍側の倍率の比が小さくなり好ましくない。
【0153】
なお、第7の構成において、第1レンズ群を正レンズと両凸レンズと両凹レンズよりなる接合レンズのみ、第2レンズ群を両凹レンズと両凸レンズよりなる負の接合レンズのみ、第3レンズ群を正のメニスカスレンズのみで構成すれば、撮影光学系をコンパクトにすることができる。よって、反転のための空間を小さくできる点で好ましい。また、空気接触面を少なくできるので、フレアー光の発生を抑えることができる。
【0154】
本発明の撮影光学系の第7の構成において、下記条件(17)を満足することが望ましい。
【0155】
(17) 0.5≦|R3|/D3≦2.0
ただし、R3は第3レンズ群の第2レンズ群側の面の曲率半径、D3は第3レンズ群の第2レンズ群側の面から最終像位置までの距離である。
【0156】
本発明の第7の構成の光学系において、第3レンズ群に入射する光線に対して凹面を向けたレンズ面を配置することは収差を良好に補正し、光学性能を向上させる上で望ましい。そこで、第3レンズ群は、正のメニスカスレンズにて構成することになるが、レンズ面での光線の屈折力が弱いと、他のレンズ群のレンズ面との間での反射により強いフレアー光やスポットフレアー光が発生し易い。尚、最終像位置に撮像素子を配置した場合にも、撮像素子表面での反射によりフレアー光や、スポットフレアー光が発生し易くなる。
【0157】
条件(17)を満足すれば、第3レンズ群の第2レンズ群側のレンズ面と第1レンズ群の第2レンズ群側のレンズ面との反射によるフレアー光の強度を抑えることが可能になる。また、撮像素子の表面と第3レンズ群中の第2レンズ群側の面とで生ずるスポットフレアー光が強くなるのを抑えることができる。
【0158】
条件(17)の上限を超えると曲率半径R3が大になり、撮像素子と第3レンズ群中の第2レンズ群側のレンズ面との間の反射によるスポットフレアー光が強くなる。よってコントラストの良い観察ができない。
【0159】
条件(17)の下限を超えると第3レンズ群の第2レンズ群側の面の曲率半径が小になりすぎて軸外収差が悪化する。
【0160】
また、この第7の構成において、第1レンズ群のうちで第2レンズ群に凹面を向けたレンズ面の曲率半径をRA、この面から瞳共役位置までの距離をL1、第2レンズ群および第3レンズ群のうちで第1レンズ群に凹面を向けたレンズ面の曲率半径をRB、この面から瞳共役位置までの距離をL2とした時、下記条件(18)を満足することが望ましい。
Figure 0004160270
【0161】
この第7の構成は、第1レンズ群中の接合レンズと第2レンズ群、第3レンズ群が瞳共役位置に対して凹面を向けることにより各レンズ面での収差発生を抑えて収差を良好に補正するようにしたものであるが、凹面を向けたレンズ面の屈折力が弱いためにフレアー光やスポットフレアー光を発生しやすい。条件(18)を満足ずるようにすれば、瞳共役位置に凹面を向けたレンズ面によるフレアー光やスポットフレアー光が発生してもその光強度を小さく抑えることができる。よってコントラストの良い観察が可能になる。更に第1レンズ群の第2レンズ群側に凹面を向けたレンズ面と、第2レンズ群および第3レンズ群の第1レンズ群に凹面を向けたレンズ面の全ての組み合わせがこの条件(18)を満足すればフレアー光の発生を抑えることができ好ましい。
【0162】
条件(18)の上限を超えると瞳共役位置に凹面を向けたレンズ面の曲率半径の絶対値が大になる。そのため、この面と撮像素子面との間の反射によるスポットフレアー光や、互いに凹面を向けたレンズ面間の反射によるフレアー光が発生してコントラストが悪くなる。条件(18)の下限を超えると瞳共役位置に凹面を向けたレンズ面の曲率半径の絶対値が小さくなり、軸外のコマ収差、非点収差が悪化する。
【0163】
なお、条件(18)を満足するRBを有する面は、第2レンズ群にあっても、第3レンズ群にあってもよい。また、条件(18)を満足するRBを有する面が、第2レンズ群と第3レンズ群の全ての面であれば好ましい。
【0164】
【発明の実施の形態】
次に本発明の撮影光学系および鏡筒の実施の形態を説明する。
【0165】
尚これら実施の形態のうち、撮影光学系に関する実施の形態、および各鏡筒に用いられる撮影光学系のレンズ系のデータは下記の通りであり、撮影光学系に関してはこのデータも含めて詳細に説明する。
【0166】
実施例1
表1
(A)F/FO=0.25
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1(PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6(仮想面) INF 25 1
7 55.766 9 1.48749 70.23
8 -68.077 6.087 1.62588 35.7
9 -700 15 1
10(AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 38.9603 1
12(MI) INF 62.1789 1
13 (S) INF 4.8551 1
14 -33.548 2.508 1.7725 49.6
15 28.624 8.5 1.64769 33.79
16 -60.262 19.8775 1
17 35.115 5.5 1.72151 29.23
18 16.968 8 1.497 81.54
19 -59.47 9.1931 1
20 86.508 2.592 1.48749 70.23
21 -49.944 14.2452 1
22(仮想面)INF 48.503 1
23(IMG) INF
【0167】
(B)F/FO=0.35
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1(PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6(仮想面) INF 25 1
7 55.766 9 1.48749 70.23
8 -68.077 6.087 1.62588 35.7
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 38.9603 1
12 (MI) INF 62.181 1
13 (S) INF 1 1
14 -33.548 2.508 1.7725 49.6
15 28.624 8.5 1.64769 33.79
16 -60.262 10.7707 1
17 35.115 5.5 1.72151 29.23
18 16.968 8 1.497 81.54
19 -59.47 9.1931 1
20 86.508 2.592 1.48749 70.23
21 -49.944 27.2049 1
22(仮想面)INF 48.503 1
23 (IMG) INF
【0168】
(C)F/FO=0.5
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1(PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6(仮想面) INF 25 1
7 55.766 9 1.48749 70.23
8 -68.077 6.087 1.62588 35.7
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 38.9603 1
12 (MI) INF 51.5175 1
13 -33.548 2.508 1.7725 49.6
14 28.624 8.5 1.64769 33.79
15 -60.262 7.6641 1
16 (S) INF 0.3 1
17 35.115 5.5 1.72151 29.23
18 16.968 8 1.497 81.54
19 -59.47 9.1931 1
20 86.508 2.592 1.48749 70.23
21 -49.944 41.6751 1
22(仮想面)INF 48.503 1
23 (IMG) INF
【0169】
(D)F/FO=1
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6(仮想面) INF 25 1
7 55.766 9 1.48749 70.23
8 -68.077 6.087 1.62588 35.7
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 38.9603 1
12 (MI) INF 15.6749 1
13 -33.548 2.508 1.7725 49.6
14 28.624 8.5 1.64769 33.79
15 -60.262 20.0021 1
16 35.115 5.5 1.72151 29.23
17 16.968 8 1.497 81.54
18 -59.47 9.1931 1
19 86.508 2.592 1.48749 70.23
20 -49.944 65.4796 1
21(仮想面)INF 48.503 1
22 (IMG) INF
【0170】
Figure 0004160270
【0171】
実施例2
表2
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6(仮想面) INF 25 1
7 55.766 9 1.48749 70.23
8 -68.077 6.087 1.62588 35.7
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 38.9603 1
12 (MI) INF 6.0809 1
13 26.067 1.385 1.7495 35.28
14 9.738 2.687 1.53996 59.46
15 -14.214 26.851 1
16 35.115 5.5 1.72151 29.23
17 16.968 8 1.497 81.54
18 -59.47 9.1931 1
19 86.508 2.592 1.48749 70.23
20 -49.944 75.1607 1
21(仮想面)INF 48.503 1
22 (IMG) INF
【0172】
Figure 0004160270
【0173】
実施例3
表3
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6(仮想面) INF 25 1
7 55.766 9 1.48749 70.23
8 -68.077 6.087 1.62588 35.7
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 3.7266 1
12 -47.778 5.5 1.72151 29.23
13 -35.313 5.5 1.51742 52.43
14 86.277 39.7091 1
15 14.214 2.687 1.53996 59.46
16 -9.738 1.385 1.7495 35.28
17 -26.067 10.142 1
18 (MI) INF 16.3771 1
19 14.488 2.1037 1.48749 70.23
20 -14.488 89.2796 1
21 INF 48.503 1
22(IMG) INF
【0174】
Figure 0004160270
【0175】
表4
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1(浸液) INF 2.0435 1.33304 55.79
2 INF 1.61 1.45853 67.94
3 -2.406 5.76 1.755 52.32
4 -6.506 0.2 1
5 -25.5 3.15 1.497 81.08
6 -10.932 0.12 1
7 56.11 6.48 1.497 81.08
8 -11.989 1.95 1.52944 51.72
9 -25.367 0.12 1
10 223.746 1.95 1.755 52.32
11 17.04 6.5 1.43875 94.99
12 -25.491 0.12 1
13 12.142 4.826 1.43875 94.99
14 30.134 0.2 1
15 10.823 4.77 1.43875 94.99
16 26.536 1.502 1.59551 39.21
17 6.271 6.1162 1
18 -6.989 1.5 1.6134 43.84
19 18.167 6.37 1.43875 94.99
20 -11.567 0.25 1
21 -26.305 3.365 1.497 81.08
22 -11.876 0.12 1
23 10.941 7.05 1.43875 94.99
24 -25.628 1.65 1.52944 51.72
25 8.873 5.65 1
26 -8.409 1.75 1.51633 64.14
27 95.82 5.15 1.61293 36.99
28 -12.398 -5.2789 1
29(仮想面)INF 134 1
30 146.749 4 1.48749 70.21
31 -64.426 4.6 1.7495 35.28
32 -118.803 22.9 1
33 (M1) INF 25 1
34 55.766 9 1.48749 70.23
35 -68.077 6.087 1.62588 35.7
36 -700 15 1
37 (AN) INF 2 1.51633 64.14
VG(1)
38 INF 38.9603 1
39 (MI) INF 62.181 1
40 (S) INF 1 1
41 -33.548 2.508 1.7725 49.6
42 28.624 8.5 1.64769 33.79
43 -60.262 10.7707 1
44 35.115 5.5 1.72151 29.23
45 16.968 8 1.497 81.54
46 -59.47 9.1931 1
47 86.508 2.592 1.48749 70.23
48 -49.944 27.2049 1
49 (M2) INF 48.503 1
50 (IMG) INF 0
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0176】
表5
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (浸液) INF 2.0435 1.33304 55.79
2 INF 1.61 1.45853 67.94
3 -2.406 5.76 1.755 52.32
4 -6.506 0.2 1
5 -25.5 3.15 1.497 81.08
6 -10.932 0.12 1
7 56.11 6.48 1.497 81.08
8 -11.989 1.95 1.52944 51.72
9 -25.367 0.12 1
10 223.746 1.95 1.755 52.32
11 17.04 6.5 1.43875 94.99
12 -25.491 0.12 1
13 12.142 4.826 1.43875 94.99
14 30.134 0.2 1
15 10.823 4.77 1.43875 94.99
16 26.536 1.502 1.59551 39.21
17 6.271 6.1162 1
18 -6.989 1.5 1.6134 43.84
19 18.167 6.37 1.43875 94.99
20 -11.567 0.25 1
21 -26.305 3.365 1.497 81.08
22 -11.876 0.12 1
23 10.941 7.05 1.43875 94.99
24 -25.628 1.65 1.52944 51.72
25 8.873 5.65 1
26 -8.409 1.75 1.51633 64.14
27 95.82 5.15 1.61293 36.99
28 -12.398 -5.2789 1
29(仮想面)INF 134 1
30 146.749 4 1.48749 70.21
31 -64.426 4.6 1.7495 35.28
32 -118.803 22.9 1
33 (M1) INF 25 1
34 39.702 7.786 1.48749 70.23
35 -60.804 3.5 1.7552 27.51
36 -268.304 15 1
37 (AN) INF 2 1.51633 64.14
VG(1)
38 INF 30.6035 1
39 (MI) INF 37.0115 1
40 (S) INF 1.7137 1
41 -12.087 1.5 1.7725 49.6
42 20.968 1.825 1.58144 40.75
43 -18.813 3.2546 1
44 -48.39 1.5 1.72825 28.46
45 16.539 6.03 1.497 81.54
46 -17.874 4.735 1
47 63.445 4.568 1.72916 54.68
48 -27.771 23.4696 1
49 (M2) INF 48.503 1
50 (IMG) INF
VG(3)
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
38 INF 3 1
39 -32.071 8.6353 1.7552 27.51
40 -14.26 1.8412 1.51742 52.43
41 42.426 35.3807 1
42 13 2.3466 1.53996 59.46
43 -8.369 1.35 1.7495 35.28
44 -33.972 8.0849 1
45 (MI) INF 9.2033 1
46 8.973 7.2845 1.48749 70.23
47 -8.973 39.0845 1
48 (M2) INF 48.503 1
49 (IMG) INF 0 1
VG(2)
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
38 INF 30.6035 1
39 (MI) INF 6 1
40 33.972 1.35 1.7495 35.28
41 8.369 2.3466 1.53996 59.46
42 -13 5.9856 1
43 -48.39 1.5 1.72825 28.46
44 16.539 6.03 1.497 81.54
45 -17.874 4.735 1
46 63.445 4.568 1.72916 54.68
47 -27.771 53.0923 1
48 (M2) INF 48.503 1
49 (IMG) INF
【0177】
表5−1
(A)F/FO=0.25
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.23
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 39.702 7.786 1.48749 70.23
8 -60.804 3.5 1.7552 27.51
9 -268.304 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 30.6035 1
12 (MI) INF 37.0115 1
13 (S) INF 9.4538 1
14 -12.087 1.5 1.7725 49.6
15 20.968 1.825 1.58144 40.75
16 -18.813 4.8684 1
17 -48.39 1.5 1.72825 28.46
18 16.539 6.03 1.497 81.54
19 -17.874 4.735 1
20 63.445 4.568 1.72916 54.68
21 -27.771 14.1158 1
22 (M2) INF 48.503 1
23 (IMG) INF
【0178】
(B) F/FO=0.35
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.23
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 39.702 7.786 1.48749 70.23
8 -60.804 3.5 1.7552 27.51
9 -268.304 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 30.6035 1
12 (MI) INF 37.0115 1
13 (S) INF 1.7137 1
14 -12.087 1.5 1.7725 49.6
15 20.968 1.825 1.58144 40.75
16 -18.813 3.2546 1
17 -48.39 1.5 1.72825 28.46
18 16.539 6.03 1.497 81.54
19 -17.874 4.735 1
20 63.445 4.568 1.72916 54.68
21 -27.771 23.4696 1
22 (M2) INF 48.503 1
23 (IMG) INF
【0179】
(C) F/FO=0.5
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.23
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 39.702 7.786 1.48749 70.23
8 -60.804 3.5 1.7552 27.51
9 -268.304 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 30.6035 1
12 (MI) INF 28.9125 1
13 -12.087 1.5 1.7725 49.6
14 20.968 1.825 1.58144 40.75
15 -18.813 3.2913 1
16 -48.39 1.5 1.72825 28.46
17 16.539 6.03 1.497 81.54
18 -17.874 4.735 1
19 63.445 4.568 1.72916 54.68
20 -27.771 33.2456 1
21 (M2) INF 48.503 1
22 (IMG) INF
【0180】
(D) F/FO=1
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.23
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 39.702 7.786 1.48749 70.23
8 -60.804 3.5 1.7552 27.51
9 -268.304 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 30.6035 1
12 (MI) INF 8.8628 1
13 -12.087 1.5 1.7725 49.6
14 20.968 1.825 1.58144 40.75
15 -18.813 9.0174 1
16 -48.39 1.5 1.72825 28.46
17 16.539 6.03 1.497 81.54
18 -17.874 4.735 1
19 63.445 4.568 1.72916 54.68
20 -27.771 47.5693 1
21 (M2) INF 48.503 1
22 (IMG) INF
【0181】
表6
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1(浸液) INF 2.0435 1.33304 55.79
2 INF 1.61 1.45853 67.94
3 -2.406 5.76 1.755 52.32
4 -6.506 0.2 1
5 -25.5 3.15 1.497 81.08
6 -10.932 0.12 1
7 56.11 6.48 1.497 81.08
8 -11.989 1.95 1.52944 51.72
9 -25.367 0.12 1
10 223.746 1.95 1.755 52.32
11 17.04 6.5 1.43875 94.99
12 -25.491 0.12 1
13 12.142 4.826 1.43875 94.99
14 30.134 0.2 1
15 10.823 4.77 1.43875 94.99
16 26.536 1.502 1.59551 39.21
17 6.271 6.1162 1
18 -6.989 1.5 1.6134 43.84
19 18.167 6.37 1.43875 94.99
20 -11.567 0.25 1
21 -26.305 3.365 1.497 81.08
22 -11.876 0.12 1
23 10.941 7.05 1.43875 94.99
24 -25.628 1.65 1.52944 51.72
25 8.873 5.65 1
26 -8.409 1.75 1.51633 64.14
27 95.82 5.15 1.61293 36.99
28 -12.398 -5.2789 1
29(仮想面)INF 134 1
30 146.749 4 1.48749 70.21
31 -64.426 4.6 1.7495 35.28
32 -118.803 22.9 1
33 (M1) INF 25 1
34 55.766 9 1.48749 70.23
35 -68.077 6.087 1.62588 35.7
36 -700 15 1
37 (AN) INF 2 1.51633 64.14
VG(1)
38 INF 41.4283 1
39 (MI) INF 69.4722 1
40 (S) INF 1.1263 1
41 -31.55 6.35 1.7725 49.6
42 29.835 12.664 1.66998 39.27
43 -55.26 10.5458 1
44 43.005 8 1.68893 31.07
45 20.034 12 1.497 81.54
46 -52.573 23.6507 1
47 142.299 10 1.48749 70.23
48 -71.269 31.2128 1
49 (M2) INF 48.503 1
50 (IMG) INF
VG(3)
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
38 INF 3.0638 1
39 -38.279 7.24 1.72151 29.23
40 -33.398 10.026 1.60562 43.7
41 -123.477 36.4215 1
42 13 5.202 1.53996 59.46
43 -19.681 1.41 1.7495 35.28
44 -93.99 26.2482 1
45 17.032 7.8889 1.48749 70.23
46 -17.032 128.9496 1
47 (N2) INF 48.503 1
48 (IMG) INF
VG(2)
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
38 INF 41.4283 1
39 (MI) INF 6 1
40 93.99 1.41 1.7495 35.28
41 19.681 5.202 1.53996 59.46
42 -13 31.3928 1
43 43.005 8 1.68893 31.07
44 20.034 12 1.497 81.54
45 -52.573 23.6507 1
46 142.299 10 1.48749 70.23
47 -71.269 87.3663 1
48 (M2) INF 48.503 1
49 (IMG) INF
【0182】
表6−1
(A) F/FO=0.25
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 59.137 8.95 1.48749 70.23
8 -92.109 6.6 1.68893 31.07
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 41.4283 1
12 (MI) INF 69.4722 1
13 (S) INF 1.2287 1
14 -31.55 6.35 1.7725 49.6
15 29.835 12.664 1.66998 39.27
16 -55.26 27.5649 1
17 43.005 8 1.68893 31.07
18 20.034 12 1.497 81.54
19 -52.573 23.6507 1
20 142.299 10 1.48749 70.23
21 -71.269 14.0913 1
22 (M2) INF 48.503 1
23 (IMG) INF
【0183】
(B) F/FO=0.35
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 59.137 8.95 1.48749 70.23
8 -92.109 6.6 1.68893 31.07
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 41.4283 1
12 (MI) INF 69.4722 1
13 (S) INF 1.1263 1
14 -31.55 6.35 1.7725 49.6
15 29.835 12.664 1.66998 39.27
16 -55.26 10.5458 1
17 43.005 8 1.68893 31.07
18 20.034 12 1.497 81.54
19 -52.573 23.6507 1
20 142.299 10 1.48749 70.23
21 -71.269 31.2128 1
22 (M2) INF 48.503 1
23 (IMG) INF 0 1
【0184】
(C) F/FO=0.5
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 59.137 8.95 1.48749 70.23
8 -92.109 6.6 1.68893 31.07
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 41.4283 1
12 (MI) INF 57.9229 1
13 -31.55 6.35 1.7725 49.6
14 29.835 12.664 1.66998 39.27
15 -55.26 5.197 1
16 (S) INF 0 1
17 43.005 8 1.68893 31.07
18 20.034 12 1.497 81.54
19 -52.573 23.6507 1
20 142.299 10 1.48749 70.23
21 -71.269 49.2371 1
22 (M2) INF 48.503 1
23 (IMG) INF
【0185】
(D) F/FO=1
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (PU) INF 48.23 1
2(仮想面) INF 134 1
3 146.749 4 1.48749 70.21
4 -64.426 4.6 1.7495 35.28
5 -118.803 22.9 1
6 (M1) INF 25 1
7 59.137 8.95 1.48749 70.23
8 -92.109 6.6 1.68893 31.07
9 -700 15 1
10 (AN) INF 2 1.51633 64.14
11 INF 41.4283 1
12 (MI) INF 14.9695 1
13 -31.55 6.35 1.7725 49.6
14 29.835 12.664 1.66998 39.27
15 -55.26 22.3075 1
16 43.005 8 1.68893 31.07
17 20.034 12 1.497 81.54
18 -52.573 23.6507 1
19 142.299 10 1.48749 70.23
20 -71.269 75.0801 1
21 (M2) INF 48.503 1
22 (IMG) INF
【0186】
Figure 0004160270
【0187】
表7
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
1 (浸液) INF 2.0435 1.33304 55.79
2 INF 1.61 1.45853 67.94
3 -2.406 5.76 1.755 52.32
4 -6.506 0.2 1
5 -25.5 3.15 1.497 81.08
6 -10.932 0.12 1
7 56.11 6.48 1.497 81.08
8 -11.989 1.95 1.52944 51.72
9 -25.367 0.12 1
10 223.746 1.95 1.755 52.32
11 17.04 6.5 1.43875 94.99
12 -25.491 0.12 1
13 12.142 4.826 1.43875 94.99
14 30.134 0.2 1
15 10.823 4.77 1.43875 94.99
16 26.536 1.502 1.59551 39.21
17 6.271 6.1162 1
18 -6.989 1.5 1.6134 43.84
19 18.167 6.37 1.43875 94.99
20 -11.567 0.25 1
21 -26.305 3.365 1.497 81.08
22 -11.876 0.12 1
23 10.941 7.05 1.43875 94.99
24 -25.628 1.65 1.52944 51.72
25 8.873 5.65 1
26 -8.409 1.75 1.51633 64.14
27 95.82 5.15 1.61293 36.99
28 -12.398 -5.2789 1
29(仮想面) INF 134 1
30(仮想面)INF 27 1
31 (M1) INF 27 1
32 INF 5 1
33 (AN) INF 3 1.51633 64.14
34 INF 5 1
35 186.092 7.05 1.48749 70.21
36 -62.009 4 1.7185 33.52
37 -107.745 148.626 1
38 (M2) INF 30 1
39 (MI) INF 45 1
(A)
40 30.618 6.6 1.8061 40.92
41 61.981 19.5 1
42 16.635 7.5 1.7 48.08
43 -19.996 3.5 1.8044 39.59
44 10.292 19.862 1
45 (S) INF 12.252 1
46 -27.262 4.6 1.8061 40.92
47 19.207 6 1.48749 70.23
48 -14.1779 0.663 1
49 22.83 4.7 1.48749 70.23
50 -35.276 44.4725 1
51 (IMG) INF
(B)
面番号 曲率半径 間隔 Nd Vd
39 (MI) INF 44.4725 1
40 35.276 4.7 1.48749 70.23
41 -22.83 0.663 1
42 14.1779 6 1.48749 70.23
43 -19.207 4.6 1.8061 40.92
44 27.262 12.252 1
45 (S) INF 19.862 1
46 -10.292 3.5 1.8044 39.59
47 19.996 7.5 1.7 48.08
48 -16.635 19.5 1
49 -61.981 6.6 1.8061 40.92
50 -30.618 45 1
51 (IMG) INF 0 1
【0188】
Figure 0004160270
Figure 0004160270
条件(18)の列には(|RA|+|RB|)/(|L1|+|L2|)の値を示してある。
【0189】
表8
F'/F0=2
(A) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0190】
(B) フレアー光の大きい組み合わせ
Figure 0004160270
【0191】
(C) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0192】
表9
F"/F0 =4
(A) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0193】
(B) フレアー光の大きい組み合わせ
Figure 0004160270
【0194】
(C) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0195】
表10
F'/FO =2
(A) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0196】
(B) フレアー光の大きい組み合わせ
Figure 0004160270
【0197】
(C) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0198】
F"/FO=4
(D) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0199】
(E) フレアー光の大きい組み合わせ
Figure 0004160270
【0200】
(F) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0201】
表11
F"/F0 =4
(A) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0202】
(B) フレアー光の大きい組み合わせ
Figure 0004160270
【0203】
(C) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0204】
F'/F0=2
(D) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0205】
(E) フレアー光の大きい組み合わせ
Figure 0004160270
【0206】
(F) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0207】
表12
(A) フレアー光の発生が予想される組み合わせ
β=0.35 β=2.86
Figure 0004160270
Figure 0004160270
Figure 0004160270
【0208】
(B) フレアー光の大きい組み合わせ(β=0.35)
Figure 0004160270
【0209】
(C) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0210】
(D) フレアー光の大きい組み合わせ(β=2.86)
Figure 0004160270
【0211】
(E) フレアー光の強度分布
Figure 0004160270
【0212】
上記データにおいて、面番号は各面を物体側より順に1、2、・・・のように記したもので、1、2、・・・は図中のr1、r2、・・・がこれに対応し、曲率半径はその面の曲率半径r1、r2、・・・の値を、また間隔は図中のd1、d2、・・・の値を、Nd、Vdはd線に対する屈折率、アッベ数を示す。またNAIは最終像位置における開口数、FIMは最終像位置における像高、FLは結像レンズから撮影光学系の最終面までの焦点距離、ANは偏光板、M1、M2は反射ミラー、Sは絞り位置、IMGは最終像位置を示す。またデータ中のINFは無限大である。MIは中間像位置、PUは対物レンズの瞳である。
【0213】
更に表8以降はフレアー光に関するデータ(条件(7)に関係するデータ)で、第1反射面、第2反射面は夫々面番号を示し、第1反射面に示す面番号の面での反射と第2の反射面に示す面番号の面での反射によるフレアー光の撮像素子への入射角θの値、sinθの値および{(F/(FO)・sinθ}2の値を示してある。
【0214】
本発明の第1の実施の形態の撮影光学系は、第1の構成の撮像光学系で、図1および表1(実施例1)に示すように結像レンズIML(r3〜r5)に続いて配置されるものである。この撮影光学系は、正レンズと負レンズとを接合した正の接合レンズの第1レンズ群LG1(r7〜r9)と、第1レンズ群LG1側に凹面を向けた負レンズと正レンズとを接合した負の接合メニスカスレンズの第2レンズ群LG2(r14〜r16)と、負のメニスカスレンズと両凸レンズを接合した正の接合レンズと両凸レンズとよりなる正の屈折力の第3レンズ群LG3(r17〜r21)とよりなる。そして、第1レンズ群G1により、中間像MIが形成される。
【0215】
この第1の実施の形態(実施例1)の撮影光学系は、対物レンズからの光束を結像レンズIMLによって収束させ、第1レンズ群LG1により中間像MI(r12)を形成する。そしてこの中間像MIを第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3とにより最終像IMG(r24)として形成する。この撮影光学系は、対物レンズの瞳位置と共役な位置に開口絞りS(r13)を備えている。よって、絞りの径を変化させることで対物レンズの開口数を制限することができる。また、偏光板AN(r10〜r11)が第1レンズ群LG1と中間像MIとの間に配置されている。この偏光板を赤外域の波長に対応できるものにすれば、撮影光学系で赤外微分干渉観察ができる。更にレンズ面や中間像位置に絞り(フレアー絞り)を配置して、余分なフレアー光が撮像素子に入射しないようにしている。つまり、レンズを保持する保持枠に必要な有効径を設定している。尚、PU(r1)は対物レンズの瞳位置である。
【0216】
図1において、(A)は撮影光学系の倍率が0.25倍、(B)は0.35倍、(C)は0.5倍、(D)は1倍のときの各レンズ群の配置の様子を示している。また、データの表1中の(A)乃至(D)のレンズデータは、図1の(A)乃至(D)に対応している。ここで、データの表1中の(A)乃至(D)からわかるように、各倍率の撮影光学系は全て同じレンズで構成されている。このように、第1の実施の形態の撮影光学系は、レンズ群の配置位置を異ならせるだけで倍率の異なる撮影光学系を実現できる。
【0217】
なお、第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3との間の間隔(d16)と第3レンズ群LG3と撮像素子との間の間隔(d21)を変化させると0.25倍から1倍まで段階的あるいは連続的に倍率を変化させることができる。
【0218】
即ち、表1(A)に示す倍率が0.25の状態において、d16=19.8775、d21=14.2452を表1(B)に示すようにd16=10.7701、d21=27.2049に変化させると倍率が0.35になる。また表1(C)のようにd16=7.6641、d21=41.6751に変化させると倍率が0.5になる。更に表1(D)のようにd16=20.0021、d21=65.4796に変化させると倍率が1に変化する。尚、倍率が0.25倍(あるいは.35倍)の時と0.5倍の時とでは、絞りの位置が異なる。また、倍率が1倍のときは絞りを必要としない。そのため、撮影光学系をズーム光学系にする場合は、絞りを光軸に垂直な方向に移動可能にしておき、各倍率に応じて挿脱すればよい。あるいは、絞りを光軸方向に移動可能にしておくと共に、絞りの最大径をレンズよりも大きくしておき、レンズ群が絞りを通過できるようにしておいても良い。
【0219】
このようにこの第1の実施の形態の光学系は、倍率が条件(1)の範囲内のものである。また表1−1に示すようにD1/Dの値は条件(2)を満足する。
【0220】
また倍率が0.25、0.35、0.5、1(撮影光学系の焦点距離Fが45、63、90、180(mm))の時の開口絞り径は夫々2.492、3.488、7.2(mm)、開放である。
【0221】
この第1の実施例の収差状況は図14(倍率0.25)、図15(倍率0.35)、図16(倍率0.5)、図17(倍率1)に示す通りである。
【0222】
図2および表2(実施例2)に示す第2の実施の形態は、本発明の撮影光学系の第2の構成で、結像レンズIML(r3〜r5)に続いて配置されるものである。この撮影光学系は、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズの第1レンズ群LG1(r7〜r9)と負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した正の接合レンズの第2レンズ群LG2(r13〜r15)と、負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した正の接合レンズと両凸レンズとよりなる第3レンズ群LG3(r16〜r20)とよりなる。そして第1レンズ群LG1により中間像MI(r12)が形成される。
【0223】
この第2の実施の形態も第1の実施の形態同様に、対物レンズよりの光束を結像レンズIMLにより収束させ第1レンズ群LG1により中間像MIを形成する。そして、この中間像MIを第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3とにより最終像IMG(r22)として形成する。ただし、この第2の実施の形態は、第2レンズ群LG2が中間像MIに凸面を向けた正の屈折力を有するレンズ群である点で第1の実施の形態と相違する。
【0224】
この第2の実施の形態の倍率(F/FO)は表2−1に示す通り2であって条件(3)の範囲内であり、またD2/Dは表2−1のように条件(4)を満足する。また条件(10)を満足する。
【0225】
この第2の実施の形態も第1の実施の形態と同様に、第1レンズ群LG1と中間像MIとの間に偏光板AN(r10〜r11)を配置してあり、必要に応じて微分干渉観察が行なえる。また、フレアー光を抑えるために、撮影光学系のレンズ面近傍や中間像位置に絞りを配置しても良い。また、レンズ保持枠に必要最小限の有効径を設定するように構成することもできる。
【0226】
この第2の実施の形態の収差状況は、図18に示す通りである。
【0227】
図3および表3(実施例3)に示す第3の実施の形態は、本発明の撮影光学系の第3の構成で、結像レンズIML(r3〜r5)に続いて配置されるものである。この撮影光学系は、正レンズと負レンズとを接合した正の接合レンズよりなる第1レンズ群LG1(r7〜r9)と、正レンズと負レンズとを接合した負の接合レンズよりなる第2レンズ群LG2(r12〜r14)と、正レンズと負レンズとを接合した正の接合レンズよりなる第3レンズ群LG3(r15〜r17)と、凸面を中間像MI(r18)側に向けた正レンズ(両凸レンズ)よりなる第4レンズ群LG4(r19〜r20)とにて構成される光学系である。そして、第3レンズ群LG3と第4レンズ群LG4の間に中間像MIが形成される。
【0228】
この第3の実施の形態は、対物レンズからの光束を結像レンズにより収束させ、第3レンズ群LG3までのレンズ群にて中間像MIを形成する。そしてこの中間像MIを第4レンズ群により最終像IMG(r22)として形成するものである。また、第1レンズ群LG1と中間像MIとの間(この実施例では第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2との間)に、第1の実施の形態と同様に偏光板ANを配置している。また、撮影光学系のレンズ面近傍および中間像位置に絞り(フレアー絞り)を設けて余分なフレアー光が撮像素子に入射しないようにしても良い。また、レンズ保持枠に必要最小限の有効径が設定されるように構成しても良い。
【0229】
この第3の実施の形態の倍率(F”/FO)は表3−1に示すように4で、また、条件(5)を満足する。
【0230】
また表3−1に示すように条件(8−2)および条件(9)を満足する。
【0231】
この第3の実施例の収差状況は、図19に示す通りである。
【0232】
図4および表4は、本発明の第4の実施の形態を示すもので、本発明の撮影光学系の第4の構成および第5の構成である。この図では対物レンズや結像レンズも示してあり、また、表4に示すデータにも、対物レンズや結像レンズのレンズデータを記載してある。
【0233】
この図においてOB(r2〜r28)は対物レンズ、IML(r30〜r32)は結像レンズ、M1(r33)は対物レンズOBと結像レンズIMLを通った光束を90°偏向させるための偏向部材(ミラー)、M2(r48)は更に90°偏向させる第2の偏向部材(ミラー)である。また対物レンズOBの先端(r1〜r2)には浸液として水があることを仮定している。また仮想面r29は対物レンズの胴付き位置である。
【0234】
また、図4において、二つの偏向部材M1とM2の間に配置されている撮影ユニットは、前述の第3の実施の形態の撮影光学系である。そして、第3の実施の形態の撮影光学系の下には、第1の実施の形態の撮影光学系(の一部)が図示され、その下には第2の実施の形態の撮影光学系(の一部)が図示されている。ここで、第1乃至第3の実施の形態の撮影光学系を、夫々第1乃至第3の撮影ユニットとする。
【0235】
第1の撮影ユニットは、第1レンズ群LG1が固定群で、第2のレンズ群LG2、第3のレンズ群LG3が移動群(以下、第1の移動群VG1という)である。また、第2の撮影ユニットは、第1レンズ群LG1が固定群で、第2のレンズ群LG2、第3のレンズ群LG3が移動群(以下、第2の移動群VG(2)という)である。また、第3の撮影ユニットは、第1レンズ群LG1が固定群で、第2のレンズ群LG2、第3のレンズ群LG3、第4のレンズ群LG4が移動群(以下、第3の移動群VG(3)という)である。なお、中間像(MI)が形成される位置は、第1乃至第3の実施の形態と同じである。
【0236】
そして、これら固定群FGと移動群VGのうち第3の移動群VG(3)と第1の移動群VG(1)とを交換することにより本発明の第5の構成となる。この結果、撮影光学系の倍率を4倍の高倍率から0.35倍の低倍率に変換することができる。
【0237】
また、第2の移動群VG(2)と、第1の移動群VG(1)(データにおけるユニットC)とを交換するようにすれば、本発明の第4の構成となる。この場合、撮影光学系の倍率を2倍から倍率が0.35倍に変換することができる。
【0238】
つまり、この第4の実施の形態は、撮影光学系を第1レンズ群の固定群FGと第2レンズ群以降の移動群VGとにて構成し、この移動群VGを第1の移動群VG(1)と第2の移動群VG(2)、あるいは第1の移動群VG(1)と第3の移動群VG(3)とを夫々交換することにより倍率を変換し得る撮影光学系にした例である。尚、移動群VGを交換した時の結像レンズより最終像までの距離は常に一定である。
【0239】
尚、二つの偏向部材M1とM2の間の距離Lは233.5mmであるから、本実施の形態の撮影光学系は条件(6)を満足する。
【0240】
また、第1の構成つまり固定群FGと第1の移動群VG(1)とよりなる撮影光学系において、第1の移動群の各レンズ群間の間隔を変化することによって、既に述べたように撮影光学系の倍率を0.25倍から1倍まで変化させることができる。この場合、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔を連続して変化させてズーム光学系としてもよい。
【0241】
このように、この第4の実施の形態によれば、対物レンズを切り換えることなしに低倍率から高倍率までの観察あるいは撮影が可能になる。
【0242】
このように倍率の変換に際し対物レンズを切り換えることがないので、対物レンズの切り換えにともなう衝撃や振動が生ずることがない。また、レボルバーの操作や対物レンズの切り換えの必要がないため、対物レンズの周囲の空間が広くなる。よってパッチクランプ法等のアプリケーションを行なう装置を配置できる。また、この実施の形態で用いている対物レンズは、倍率が20倍で開口数が0.92であるため、低倍率である移動群VG(1)を用いた時の総合倍率は7倍であり、開口絞りSにより開口数は0.13となる。一方、高倍率の移動群VG(3)を用いた時には総合倍率が80倍で、開口数が0.92となる。よって、一つの対物レンズで広い範囲の標本の位置探しと細胞の構造等の撮影が可能である。
【0243】
尚、表4のデータにおいて、第1の移動群VG(1)のミラーM2の面番号はr49となっており、第2の移動群VG(2)や第3の移動群VG(3)のミラーM2の面番号r49と異なる。これは、移動群のレンズ構成の違いや絞りの有無によるものである。よって、ミラーM2の位置はどの移動群の交換に関係なく常に同じ位置に固定されている。
【0244】
また、第4の実施の形態の撮影光学系は、基本的に低倍率での観察と高倍率での観察を行なうことを目的とするものである。よって、第1の移動群VG(1)と第2の移動群VG(2)、あるいは第1の移動群VG(1)と第3の移動群VG(3)を交換するものである。しかしながら、必要に応じて第2の移動群VG(2)と第3の移動群VG(3)を交換しても構わない。また2つの移動群を交換するのではなく、3つの移動群を順次交換することもできる。
【0245】
この第4の構成の撮影光学系の収差状況は、図20(倍率0.35)、図21(倍率4)に示す通りである。
【0246】
図5は本発明の第5の実施の形態で、鏡筒を示す図である。図4に示した撮影光学系を備え、2つの移動群を変換して撮影光学系の倍率を変化できるようにした鏡筒である。よって条件(7)を満足する。
【0247】
図5において、1は対物レンズ、2は第1の光路分割素子であるダイクロイックミラー、3は第1の光路分割素子2にて反射された光路に配置される撮影光学系4を配置した鏡筒、5は撮像素子を備えた第1の撮像装置、6は第1の光路分割素子2を透過した光路に設けられた中間変倍ユニット、7は接眼光学系、9は中間変倍ユニット7に接続された第2の撮像装置、10は標本である。
【0248】
また、11は第1の照明系である透過照明系、20は第2の照明系である落射照明系、30は画像処理装置、40は表示装置である。
本発明の鏡筒3において、光路分割素子2はダイクロイックミラーであって、可視域の光を透過し、赤外域(700nm〜1200nm)の光を反射する特性を有している。したがって例えば透過照明系11で赤外光照明を行なえば、標本10からの赤外光は光路分割素子2によって反射され、反射側光路に配置された撮影光学系4に導かれる。そして、撮影光学系4により、第1の撮像装置5中の撮像素子上に最終像が形成される。そして、撮像素子で撮像した像を画像処理装置30にて画像処理した後に、表示装置40に表示すれば赤外像の観察が行なえる。
【0249】
ここで、撮影光学系4は撮影ユニットAと撮影ユニットBを有している。仮に撮影ユニットAを低倍率の光学系とすると、第1の実施の形態で示した0.25倍から1倍の光学系のいずれか1つの光学系が撮影ユニットAに用いられる。一方、撮影ユニットBは高倍率の光学系になる。よって、第2の実施の形態で示した2倍の光学系、あるいは第3の実施の形態で示した4倍の光学系が撮影ユニットBに用いられる。そして、第4の実施の形態で示したように、撮影ユニットAと撮影ユニットBは共通の固定レンズ群FGと、移動レンズ群VGで構成されている。
【0250】
よって、例えば撮影ユニットAが0.25倍の光学系で撮影ユニットBが2倍の光学系であれば、移動レンズ群VG(1)と移動レンズ群VG(2)を交換することによって、例えば0.25倍と2倍の赤外像を得ることができる。また、例えば撮影ユニットAが0.5倍の光学系で撮影ユニットBが4倍の光学系であれば、移動レンズ群VG(1)と移動レンズ群VG(3)を交換することによって0.5倍と4倍の赤外像を得ることができる。
【0251】
なお、鏡筒3に設けられたANは偏光素子で、赤外光の微分干渉像を得る場合に用いる。微分干渉像を得る場合には、従来と同様に偏光素子(ポラライザー)や微分干渉プリズムを配置する必要がある。当然のことながら、これらの光学素子は赤外域に対応する光学特性を備えている。
【0252】
一方、落射照明系20で蛍光落射照明を行なえば、標本10からの蛍光は光路分割素子2を通過し、透過側光路に配置された接眼光学系7に導かれる。よって、接眼光学系7を介して蛍光の観察を行なうことができる。なお、図5では、光路分割素子2を通過した蛍光を接眼光学系7に導くための部材が示されていないが、従来の観察鏡筒で用いられているようなプリズムを配置すればよい。
【0253】
また、本実施の形態では、光路分割素子2の透過側光路に第2の撮影光学系8、8’を備えた中間変倍ユニット6と第2の撮像装置9が配置されている。第2の撮影光学系8、8’は移動可能に保持され、いずれか一方が光路中に挿入されるようになっている。よって、第2の撮影光学系8、8’を交換することによって、所定の倍率で拡大あるいは縮小された蛍光像を得ることができる。そして、この蛍光像を第2の撮像装置9で撮影すれば、蛍光像の観察が行なえる。
【0254】
なお、蛍光と赤外域での微分干渉像だけでなく、蛍光と可視域での微分干渉との同時観察と、倍率の異なる複数の撮像を行なってもよい。また光路分割素子2等として用いられているダイクロイックミラーの代わりに反射鏡やビームスピリッター等を使用してもよい。
【0255】
したがって、本実施の形態の鏡筒によれば、反射側光路により赤外域での微分干渉像が異なる倍率で観察できる。一方、透過側光路により、接眼光学系による観察や第2の撮影光学系による観察が可能である。また、倍率変換のために標本10の近くにある対物レンズ1を変換する必要がないため、振動や衝撃を抑えることができる。標本付近の空間を広くすることができるので、パッチクランク法等の様々なアプリケーションを行なう際に操作性に優れる。
【0256】
図6および表5は本発明の第6の実施の形態を示しており、第4の実施の形態の他の例である。第4の実施の形態と同様に、固定群FGと複数の組の移動群VGとよりなり、移動群の交換により撮影光学系の倍率を変換するようにしたものである。
【0257】
この第6の実施の形態の撮影光学系のレンズデータは、表5に示す通りである。なお、表5のレンズデータには、対物レンズOB(r2〜r28)、対物レンズの胴付き位置を示す仮想面(r29)、結像レンズIML(r30〜r32)が含まれている。また、対物レンズOBの先端には、浸液として水があることを想定している。
【0258】
ミラーM1(r33)に続いて、倍率が0.35倍の第1の撮影ユニットが配置されている。第1の撮影ユニットは、第1レンズ群LG1(r34〜r36)、絞りS(r40)、第2レンズ群LG2(r41〜r43)、第3レンズ群LG3(r44〜r48)よりなる。本実施の形態では、微分干渉観察を行なうために、偏光板AN(r37〜r38)が光路中に配置されている。また中間像MI(r39)は、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間に形成される。そして、第3レンズ群LG3に続いてミラーM2(r49)が配置され、最終像IMG(r50)が形成される。
【0259】
ここで、第1の撮影ユニットのレンズ群のうち、第1レンズ群LG1は固定レンズ群FGで、第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3が移動レンズ群VG(1)である。また表5には、倍率が5倍の第3の撮影ユニットと、倍率が2倍の第2の撮影ユニットのレンズデータも記載されている。ただし、第1乃至第3の撮影ユニットの第1レンズ群LG1は共通の固定レンズ群FGであるので、図8において第1の撮影ユニットの下に図示されているのは、第3の撮像ユニットと第2の撮像ユニットのうちの移動レンズ群VG(3)とVG(2)である。なお、中間像(MI)の位置は、第3の撮影ユニットでは第3レンズ群LG3と第4レンズ群LG4の間で、第2の撮影ユニットでは第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間である。
【0260】
この第6の実施の形態においては、この第1の移動群VG(1)と第3の移動群VG(3)とを交換することにより、撮影光学系の倍率を低倍率(0.35倍)から高倍率(4倍)に変換し得る。また第2の移動群VG(2)との交換により、低倍率から中間の倍率(2倍)へ倍率を変えられる。
【0261】
またこの第6の実施の形態の光学系において、第1の撮影ユニットにおいて第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3の間隔を変化させることにより撮影倍率を0.25倍から1倍まで変化させることができる。図7の(A)、(B)、(C)、(D)は、倍率を変化させた時の各レンズ群の配置を示すもので、(A)が0.25倍、(B)が0.35倍、(C)が0.5倍、(D)は1倍である。そして各倍率におけるデータは、表5−1に示した通りである。なお、表5−1における面番号1と2に該当する面は、図7では図示されていない。
【0262】
また、0.25倍〜1倍の撮影ユニットにおける各倍率でのD1/Dや、2倍の撮影ユニットにおけるD2/D、および4倍の撮影ユニットにおけるR3G/D3Gの値は、表5−2に示す通りである。
この表5−2に示すように、この第6の実施の形態の光学系は、条件(2)、条件(4)、条件(8−2)、条件(9)、条件(10)を満足する。また、ミラーM1とM2との間隔Lは169.497mmであるから条件(7)を満足する。
【0263】
また、フレアー光の強度を抑えるために、撮影光学系内のレンズ面近傍や中間像位置に絞りを配置してもよい。また、余分なフレアー光が撮像素子に入射しないように、レンズを保持する枠に必要最小限の有口径を設定することも有効である。
【0264】
また、この実施の形態の収差状況は、図22(倍率0.35)、図23(倍率4)に示す通りである。
図8および表6は本発明の第7の実施の形態を示しており、第4の実施の形態の更に別の例である。第4の実施の形態と同様に、固定群FGと複数の組の移動群VGとよりなり、移動群の交換により撮影光学系の倍率を変換するようにしたものである。
【0265】
この第7の実施の形態の撮影光学系のレンズデータは、表6に示す通りである。なお、表6のレンズデータには、対物レンズOB(r2〜r28)、対物レンズの胴付き位置を示す仮想面(r29)、結像レンズIML(r30〜r32)が含まれている。また、対物レンズOBの先端には、浸液として水があることを想定している。
【0266】
ミラーM1(r33)に続いて、倍率が0.35倍の第1の撮影ユニットが配置されている。第1の撮影ユニットは、第1レンズ群LG1(r34〜r36)、絞りS(r40)、第2レンズ群LG2(r41〜r43)、第3レンズ群LG3(r44〜r48)よりなる。本実施の形態では、微分干渉観察を行なうために、偏光板AN(r37〜r38)が光路中に配置されている。また中間像MI(r39)は、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間に形成される。そして、第3レンズ群LG3に続いてミラーM2(r49)が配置され、最終像IMG(r50)が形成される。
【0267】
ここで、第1の撮影ユニットのレンズ群のうち、第1レンズ群LG1は固定レンズ群FGで、第1レンズ群LG1と第3レンズ群LG3が移動レンズ群VG(1)である。また表6には、倍率が4倍の第3の撮影ユニットと、倍率が2倍の第2の撮影ユニットのレンズデータも記載されている。ただし、第1乃至第3の撮影ユニットの第1レンズ群LG1は共通の固定レンズ群FGであるので、図8において第1の撮影ユニットの下に図示されているのは、第3の撮影ユニットと第2の撮影ユニットのうちの移動レンズ群VG(3)とVG(2)である。なお、中間像(MI)の位置は、第3の撮影ユニットでは第3レンズ群LG3と第4レンズ群LG4の間で、第2の撮影ユニットでは第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2の間である。(図8には第3の撮影ユニットにおける中間像位置が示されているが、レンズデータには中間像を示すデータはない。)
【0268】
本実施の形態においても第1の移動群VG(1)と第3の移動群VG(3)を交換することにより、撮影光学系の倍率を0.35倍から4倍に変化させることができる。また第1の移動群VG(1)と、第2の移動群VG(2)を交換することにより、撮影光学系の倍率を0.35倍から2倍に変化させることができる。
【0269】
また、図9に示すように、第1の撮影ユニットの第2レンズ群と第3レンズ群を移動させると、撮影倍率が0.25倍から1倍まで変化させることができる。つまり図9において、(A)が0.25倍、(B)が0.35倍、(C)が0.5倍、(D)は1倍の時の各レンズ群の配置位置である。この時のレンズデータは表6−1の(A)、(B)、(C)、(D)に示す通りである。なお、表6−1における面番号1と2に該当する面は図9に図示されていない。
【0270】
この第7の実施の形態の撮影光学系も表6−2に記載するように、第1、第2、第3の夫々の構成の撮影光学系において、条件(2)、条件(4)、条件(8−2)、条件(9)、条件(10)を満足する。
【0271】
また、前記第1の構成におけるP1とP2の間隔Lは284mmで条件(7)を満足する。
【0272】
この第7の実施の形態も、フレアー光の強度を抑えるために、撮影光学系内のレンズ面や中間像位置に絞りを配置するのが好ましい。また、余分なフレアー光が撮像素子に入射しないようにレンズ保持枠に必要最小限の有効径を設定してある。
【0273】
また、この第7の実施の形態における収差図は、図24(倍率0.35)、図25(倍率4)に示す通りである。
【0274】
図10は、本発明の第8の実施の形態を示すもので、本発明の他の鏡筒の例である。図5と同じ構成要素については同じ番号を付し、説明は省略する。この本発明の第2の鏡筒は、低倍率の撮影ユニットA中に、図10(B)に示すようにNDフィルター12を配置した構成である。また、この第8の実施の形態の鏡筒に用いられる撮影光学系の構成を図11に示す。ただし、レンズデータはない。
【0275】
この鏡筒のように、低倍側の撮影ユニットにNDフィルターを配置しておくと、高倍率の撮影ユニットを用いた時の像の強度と低倍率の撮影ユニットを用いた時の像の強度との差を少なくすることが可能である。
【0276】
像の強度は、最終像位置における光束の開口数(以下、射出側開口数とする。)の2乗に比例する。本実施の形態の場合、低倍率の撮影ユニットAの射出側開口数は0.04で、高倍率の撮影ユニットBの射出側開口数は0.0113である。そこで低倍率の撮影ユニットAで撮影した像と高倍率の撮影ユニットBで撮影した像の強度を等しくするためには、NDフィルターの濃度(透過率T)を下記の値にすれば良い。
T=(0.04/0.0113)=12.5
【0277】
このように、透過率が約12.5%のNDフィルターを低倍率の撮影ユニットAに配置すれは、撮影ユニットを交換した時の像の強度、つまり明るさをほぼ等しくすることができる。したがって、第1の撮像装置5により得られる画像の明るさは、撮影ユニットの交換に関係なくほぼ一定となる。そのため、撮影ユニットを交換するたびに明るさやコントラストの処理を行なう必要がなく、操作性が非常に向上する。
【0278】
また、NDフィルターは、有効光束中に配置されているため、NDフィルターの挿脱や厚みの異なるNDフィルターを挿入すると、倍率や結像位置が変化する。このような場合は、第2レンズ群と第3レンズ群の位置関係を変化させることにより、倍率と結像位置を補償することができる。なお、この時撮影ユニットの収差はほとんど変化しない。
【0279】
図12は、本発明の第9の実施の形態を示すもので、本発明の更に他の鏡筒の例である。図5と同じ構成要素には同じ番号を付し、説明は省略する。第9の実施の形態の鏡筒は、偏向ミラーM2にて偏向された光路中に、撮影光学系13を配置したものである。即ち、この第9の実施の形態の鏡筒では、図12に示すように、結像レンズIMLにて形成される中間像MIは偏向ミラーM2により偏向された光路中に位置している。この中間像MIに続いて撮影光学系13が配置されている。
【0280】
図13および表7は、本実施の形態の鏡筒に用いられる撮影光学系を示している。なお、表7のレンズデータには、対物レンズOB(r2〜r28)、対物レンズの胴付き位置を示す仮想面(r29)、仮想面(r30)、ミラーMI(r31)、偏光板AN(r33〜r34)、結像レンズIML(r35〜r37)、ミラーM2(r38)が含まれている。また、対物レンズOBの先端には、浸液として水があることを想定している。そして、中間像MI(r39)は、ミラーM2と撮影ユニットの間に形成されている。
【0281】
本実施の形態の鏡筒は、ミラーM1から最終像IMGまでの光学系を含んでいる。また、撮影光学系12は第1の撮影ユニットと第2の撮影ユニットからなり、いずれもミラーM2で反射された側の光路に配置されている。図13では第1の撮影ユニットが光路中に配置されている。また第1の撮影ユニットの左側には、第2の撮影ユニットが図示されている。
【0282】
第1の撮影ユニットは正のメニスカスレンズの第1レンズ群LG1(r40〜r41)と両凸レンズと両凹レンズを接合した負の接合メニスカスレンズの第2レンズ群LG2(r42〜r44)と、両凹レンズと両凸レンズとを接合した接合レンズと正レンズとよりなる第3レンズ群LG3(r46〜r50)とにて構成されている。この第1の撮影ユニットは、第2レンズ群LG2と第3レンズ群LG3の間に対物レンズの瞳共役位置が来るように構成されており、この位置に絞りS(r45)が配置されている。
【0283】
また、第2の撮影ユニットは、正レンズと、両凸レンズと両凹レンズとを接合した正の接合レンズとよりなる第1レンズ群LG1(r40〜r44)と、両凹レンズと両凸レンズとを接合した正の接合レンズの第2レンズ群LG2(r46〜r48)と、正のメニスカスレンズの第3レンズ群LG3(r49〜r50)とにて構成されている。この第2の撮影ユニットは、第1レンズ群LG1と第2レンズ群LG2との間に開口絞りS(r45)が設けられている。
【0284】
また、表7−1に示すように、表7のレンズデータにおいて(A)が第1の撮影ユニットで倍率が0.35倍の低倍率、(B)が第2の撮影ユニットで倍率が2.86倍である。そして、表7において、(A)のレンズ面39から50までの数値は、(B)のレンズ面50から39までの数値と同じであることがわかる。つまり、第1の撮影ユニットを反転したものが第2の撮影ユニットである。ここで、反転とは光軸上の1点を中心にして180°回転させることである。
【0285】
このように、本実施の形態の鏡筒で用いられる撮影光学系は、同じ撮影ユニットを反転させることによって、低倍率(0.35倍)と高倍率(2.86倍)の最終像を得ることができる光学系である。なお、中間像MIの位置は結像レンズIMLによって決まっており、最終像IMGの位置には撮像素子が配置されている。よって、撮影ユニットを反転させても、最終像IMGの位置が変化しないようにしなければならない。
【0286】
そこで、第1の撮像ユニットの場合、中間像MI(r39)から第1レンズ群の先端の面(r40)までの距離(d39=44.4725)と、第3レンズ群の後端の面(r49)から最終像IMG(r50)までの距離をほぼ等しくしている。(第2の撮影ユニットの場合も当然同じ結果になる。)
【0287】
また、対物レンズの瞳の共役像は、対物レンズOBと結像レンズIMLまでの光学系によって一つ形成され、対物レンズOBから撮影ユニットまでの光学系によって別にもう一つ形成される。前者を入射瞳、後者を射出瞳とすると、本実施の形態では、中間像MIの位置から入射瞳位置までの距離と、最終像から射出瞳位置までの距離の絶対値は略等しくなっている。また、入射瞳位置までの距離の測定基準位置を中間像位置、射出瞳位置までの距離の測定基準位置を最終像位置、中間像位置から最終像位置に向かって測った時の値を正とすると、入射瞳位置までの距離の値と射出瞳位置までの距離の値は正反対になるようにしている。(例えば、入射瞳位置までの距離の値がプラスなら、射出瞳位置までの距離の値はマイナス。)
【0288】
このように、本実施の形態における撮影ユニットは、中間像までの距離と最終像までの距離がほぼ等しく、しかも条件(19)あるいは(19’)を満足している。したがって、撮影ユニットを反転しても、像と瞳に関する結像関係に変化が生じない。そのため、反転する前と後とで倍率が変化する以外は、光学性能が大きく変化することはない。
【0289】
なお、反転を行なうためには広い空間を必要とするため、鏡筒が大きくなり易い。そこで、これまでの実施の形態で説明したように、第1の撮影ユニットと第2の撮影ユニットを用意しておき、これらを交換すれば鏡筒の大型化を防ぐことができる。なお、交換機構としてはドラム機構による回転か、スライド機構による移動等がある。
【0290】
また、これまで説明したように、絞りは倍率に合わせて変化させれば良い。また、NDフィルタを低倍率の撮影ユニットに配置することや、赤外光観察と可視光観察ができるような特性を光路分割素子に持たせるようにすることができる。
【0291】
また、第9の実施の形態の鏡筒に用いられる撮影光学系は、表7−1に示すように条件(14)、(15)、(16)、(17)、(18)を満足する。
【0292】
また図12に示す撮像光学系の収差図は、図26(倍率0.35)、図27(倍率2.86)に示す通りである。
【0293】
また、この第9の実施の形態の鏡筒も、フレアー光を抑えるために、撮影光学系内のレンズ面近傍や中間像位置に絞りを配置するのが良い。また、余分なフレアー光が撮像素子に入射しないように、レンズ保持枠に必要最小の有効径を設定するのが有効である。
【0294】
以上述べた本発明の撮影光学系の各実施の形態は、いずれもフレアー光の発生を抑えることや、最終像位置にフレアー光を到達させないことを重視した構成である。
【0295】
一方、フレアー光が発生しても最終像位置における光強度を小さくするようにすれば、さらに標本の像をコントラスト良く観察できる。そこで本発明の各実施の形態において条件(7)を満足するのが好ましい。
【0296】
ここで、表8乃至表12に、条件(7)に関するデータを示す。表8は第2の実施の形態の撮影光学系に関するデータである。このうち、表(A)は、フレアー光の発生に関与する可能性のある全ての面を抽出したものである。表(A)において、第1反射面は入射した光を対物レンズ側に向けて反射する空気接触面で、第2反射面は第1反射面によって反射された光を最終像側に向けて反射する空気接触面である。また、θは第2反射面によって最終像側に向けて反射された光(すなわちフレアー光)の、最終像位置における軸上光束の入射角度である。
【0297】
ここで、各反射面の番号は、表2のレンズデータの面番号に対応する。また、表中、例えば4.00E−0.6という表記は、4.00×10-6ということである。また、表(A)の第2反射面には番号0が記載されているが、表2のレンズデータには面番号0がない。これは、第2反射面の番号0には表2のレンズデータの面番号1が対応する。
【0298】
表(B)は表(A)のうち、{(F/FO)・sinθ}2の値が比較的大きい反射面の組み合わせを抽出したものである。例えば、9−0は、第1反射面が9面で、第2反射面が0面であることを示している。表(B)からわかるように、{(F/FO)・sinθ}2の値はすべて0.005よりも小さい。よって、第2の実施の形態の撮影光学系は条件(17)を満足している。なお、{(F/FO)・sinθ}2は、光強度の絶対値に相当するものである。
【0299】
表(C)はフレアー光の強度分布の様子を数値で示したもので、フレアー光は表(B)に示された反射面の組み合わせによるものである。ここで、最上段の0.2刻みの数値は像高比を表わしている。なお、実際に形成される最終像の像高は5.5mmである。
【0300】
この表(C)において、例えば、反射面組み合わせが9−4の場合は、像高比0から像高比1までの強度が1〜0.7である。これは、フレアー光の強度がスポット状ではなく、視野の中心から周辺まで均一になっていることを示している。一方、反射面組み合わせが7−2の場合は、像高比0.4以降の強度が0である。これは、フレアー光の強度がややスポット状に発生していることを示している。しかしながら、この場合は、{(F/FO)・sinθ}2の値が9−4に比べて1桁小さい。よって、光強度自体が小さいので、形状はスポット状でも問題ない。このように、第2の実施の形態の撮影光学系は条件(17)を満足する光学系であるので、スポット状のフレアーが発生しないか、もしくは発生しても強度が非常に小さいものになる。よって、標本をコントラスト良く観察することができる。
【0301】
次に、表9は第3の実施の形態の撮影光学系に関するデータである。表(A)、(B)、(C)の意味は、表8で説明した通りである。
【0302】
この表(C)においても、フレアー光は非スポット状か、スポット状の場合でも強度が小さいことが示されている。
【0303】
表10は第6の実施の形態の撮影光学系に関するデータである。第6の実施の形態では撮影光学系は2つの撮影ユニットを備えており、この2つの撮影ユニットを交換して倍率を変えるものである。2つの撮影ユニットのうち、一方の撮影ユニットは低倍率の光学系で、他方の撮影ユニットは高倍率の光学系である。この高倍率の光学系には、2倍もしくは4倍の光学系が用いられる。
【0304】
表10において、表(A)、(B)、(C)は2倍の撮影ユニットに関するデータで、表(D)、(E)、(F)は4倍の撮影ユニットに関するデータである。夫々のデータの意味は、表8で説明した通りである。この表(C)あるいは(F)においても、フレアー光は非スポット状か、スポット状の場合でも強度が小さいことが示されている。
【0305】
表11は第7の実施の形態の撮影光学系に関するデータである。第7の実施の形態も第6の実施の形態と同様に、撮影光学系は2つの撮影ユニットを備えている。よって、表10と同様に、2倍と4倍の時のデータが示されている。
【0306】
表11において、表(A)、(B)、(C)は4倍の撮影ユニットに関するデータで、表(D)、(E)、(F)は2倍の撮影ユニットに関するデータである。夫々のデータの意味は、表8で説明した通りである。この表(C)あるいは(F)においても、フレアー光は非スポット状か、スポット状の場合でも強度が小さいことが示されている。
【0307】
表12は第9の実施の形態の撮影光学系に関するデータである。第9の実施の形態では撮影光学系は基本的に1つであり、この撮影光学系を反転させて異なる倍率を得ている。よって、表12の表(A)には2つの倍率(β=0.35とβ=2.86)のデータが記載されてる。なお、表(A)には、{(F/FO)・sinθ}2の値は記載されていない。
【0308】
表(B)、(C)は倍率が0.35の時のデータで、表(D)、(E)は倍率が2.86の時のデータである。いずれも、表8で説明した表(B)、(C)と同じ意味のデータである。なお、表10では{(F/FO)・sinθ}2ではなく、{β・sinθ}2となっているが(F/FO)=βであるから{(F/FO)・sinθ}2と同じである。
【0309】
この表(C)あるいは(E)においても、フレアー光は非スポット状か、スポット状の場合でも強度が小さいことが示されている。
【0310】
前記表8〜表12に示すように、本発明の前記実施の形態の撮影光学系は、いずれも条件(7)を満足し、フレアー光の強度を十分小さく抑えた構成になっている。
【0311】
以上述べたように、本発明は請求項に記載する発明のほか、下記各項に記載するものも本発明の目的を達成し得る。
【0312】
(1) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる鏡筒で、光路分割素子と、前記光路分割素子によって反射された光路中に、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群側に凸面をむけた正の屈折力をもつ第2レンズ群と、接合レンズを含む正の屈折力をもつ第3レンズ群とよりなり、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間に中間像が形成され、以下の条件(3)、(4)を満足する撮影光学系を備えることを特徴とする鏡筒。
(3) 1.8≦F’/FO≦2.5
(4) 0.15≦D2/D’≦0.4
【0313】
(2) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる鏡筒で、光路分割素子と、前記光路分割素子によって反射された光路中に、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、正レンズと負レンズとからなる負の接合レンズを含む第2レンズ群と、正レンズと負レンズからなる正の接合レンズを含む第3レンズ群と、前記第3レンズ群側に凸面を向けた正のレンズを含む第4レンズ群を有し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間に中間像が形成され、以下の条件(5)を満足する撮影光学系を備えることを特徴とする鏡筒。
(5) 3≦F”/FO≦6
【0314】
(3) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる鏡筒で、前記鏡筒中に撮影光学系を有し、前記撮影光学系が光路中に常時固定の固定群と光路中に挿脱される複数の移動群を備え、前記固定群は、正レンズと負レンズからなる正の接合レンズを含み、前記移動群は第1の移動群と第2の移動群を有し、該第1の移動群は、前記固定群側に凹面をむけた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と接合レンズを含む第3レンズ群を有し、前記固定群と前記第2レンズ群の間に中間像を形成するように構成され、前記第2の移動群は前記固定レンズ群側に凸面を向けた正のレンズを含む第2レンズ群と接合レンズを含む第3レンズ群を有し、前記第2レンズ群の間に中間像を形成するように構成され、前記第1の移動群と前記第2の移動群の交換により倍率を変換するもので、前記固定群と前記第1の移動群とで構成される光学系が下記条件(1)、(2)を満足し、前記固定群と前記第2の移動群で構成される光学系が下記条件(3)、(4)を満足するようにしたことを特徴とする鏡筒。
(1) 0.25≦F/FO≦1.5
(2) 0.15≦D1/D≦0.4
(3) 1.8≦F’/FO≦2.5
(4) 0.15≦D2/D’≦0.4
【0315】
(4) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる鏡筒で、前記鏡筒中に撮影光学系を有し、前記撮影光学系が光路中の常時固定の固定群と光路中に挿脱される複数の移動群を備え、前記固定群は、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含み、前記移動群は第1の移動群と第3の移動群を有し、該第1の移動群は、前記固定レンズ群側に凹面をむけた接合メニスカス負レンズを含む第2レンズ群と接合レンズを含む第3レンズ群とを有し、前記固定群と前記第2レンズ群との間に中間像が形成されるように構成され、前記第3の移動群は正レンズと負レンズからなる負の接合レンズを含む第2レンズ群と、正レンズと負レンズからなる正の接合レンズを含む第3レンズ群と、前記第3レンズ群側に凸面をむけた正のレンズを含む第4レンズ群を有し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に中間像が形成されるように構成され、前記第1の移動群と前記第3の移動群の交換により倍率を変換するもので、前記固定群と前記第1の移動群とで構成される光学系が下記条件(1)、(2)を満足し、前記固定群と前記第3の移動群で構成される光学系が下記条件(5)を満足することを特徴とする鏡筒。
(1) 0.25≦F/FO≦1.5
(2) 0.15≦D1/D≦0.4
(5) 3≦F”/FO≦6
【0316】
(5) 請求項1に記載する撮影光学系で、前記撮影光学系に、対物レンズの開口数を制限するための開口絞りを設けたことを特徴とする撮影光学系。
【0317】
(6) 請求項6に記載する鏡筒で、前記撮影光学系に、対物レンズの開口数を制限するための開口絞りを設けたことを特徴とする鏡筒。
【0318】
(7) 特許請求の範囲の請求項4または5に記載する撮影光学系で、前記第1の移動群に、対物レンズの開口数を制限するための開口絞りを設けたことを特徴とする撮影光学系。
【0319】
(8) 前記(3)または(4)に記載する鏡筒で、前記第1の移動群に、対物レンズの開口数を制限するための開口絞りを設けたことを特徴とする鏡筒。
【0320】
(9) 前記(5)に記載する撮影光学系で、前記撮影光学系中に光量を減衰させる光学素子を配置したことを特徴とする撮影光学系。
【0321】
(10) 前記(6)に記載する鏡筒で、前記撮影光学系中に光量を減衰させる光学素子を配置したことを特徴とする鏡筒。
【0322】
(11) 前記(7)に記載する撮影光学系で、前記固定群と第1の移動群を有する光学系に、光量を減衰させる光学素子を配置したことを特徴とする撮影光学系。
【0323】
(12) 前記(8)に記載する鏡筒で、前記固定群と第1の移動群を有する光学系に、光量を減衰させる光学素子を配置したことを特徴とする鏡筒。
【0324】
(13) 前記(9)に記載する撮影光学系で、前記光量を減衰させる光学素子を光路に対して挿脱可能に配置し、前記第3レンズ群を光軸に沿って移動可能にしたことを特徴とする撮影光学系。
【0325】
(14) 前記(10)に記載する鏡筒で、前記光量を減衰させる光学素子を光路に対して挿脱可能に配置し、前記第3レンズ群を光軸に沿って移動可能にしたことを特徴とする鏡筒。
【0326】
(15) 前記(11)に記載する撮影光学系で、前記光量を減衰させる光学素子を光路に対して挿脱可能に配置し、前記第3レンズ群を光軸に沿って移動可能にしたことを特徴とする撮影光学系。
【0327】
(16) 前記(12)に記載する鏡筒で、前記光量を減衰させる光学素子を光路に対して挿脱可能に配置し、前記第3レンズ群を光軸に沿って移動可能にしたことを特徴とする鏡筒。
【0328】
(17) 前記(5)または(11)に記載する撮影光学系で、前記光量を減衰させる光学素子を光路に対して挿脱可能に配置し、最終像の最も近くに配置されたレンズ群を光軸に沿って移動可能にしたことを特徴とする撮影光学系。
【0329】
(18) 前記(6)または(12)に記載する鏡筒で、前記光量を減衰させる光学素子を光路に対して挿脱可能に配置し、最終像に最も近い位置に配置されたレンズ群を光軸に沿って移動可能にしたことを特徴とする鏡筒。
【0330】
(19) 請求項6、前記の(1)、(2)、(3)、(4)に記載する鏡筒で、光路分割素子を配置したことを特徴とする鏡筒。
【0331】
(20) 前記(19)に記載する鏡筒で、該鏡筒を顕微鏡に取り付けた状態で、前記光路分割素子は前記顕微鏡の光軸上に位置することを特徴とする鏡筒。
【0332】
(21) 前記(19)に記載する鏡筒で、該鏡筒を顕微鏡に取り付けた状態で、前記光路分割素子は結像レンズと第1レンズ群の間に配置されていることを特徴とする鏡筒。
【0333】
(22) 前記(19)に記載する鏡筒で、前記光路分割素子は赤外領域の光を反射し、可視域の光を透過する分光特性を有することを特徴とする鏡筒。
【0334】
(23) 特許請求の範囲の請求項6あるいは前記の(1)、(2)、(3)または(4)の項に記載する鏡筒で、撮像素子と偏向素子を更に備え、前記偏向素子が前記撮像素子と前記最終像位置の最も近くに配置されたレンズ群との間に配置され、前記撮影光学系で決まる光軸を直交方向に偏向させ、下記の条件(6)を満足することを特徴とする鏡筒。
(6) 150mm≦L≦300mm
ただし、Lは点P1と点P2との間隔、P1は前記対物レンズの光軸が前記光路分割素子で交わる点、P2は前記撮影光学系の光軸が前記偏向素子と交わる点である。
【0335】
(24) 特許請求の範囲の請求項6あるいは前記の(1)、(2)、(3)または(4)の項に記載する鏡筒で、下記の条件(6)を満足することを特徴とする鏡筒。
(7) {(F/FO)・sinθ}2≦0.005
ただし、Fは撮影光学系の焦点距離、FOは結像レンズの焦点距離、θは対物レンズから最終像までの間にある任意の空気接触面によって対物レンズ側に反射された後に、該空気接触面とは別の空気接触面によって最終像側に反射された軸上光束の最終像位置における入射角度である。
【0336】
(25) 特許請求の範囲の請求項3に記載する撮影光学系あるいは前記の(2)の項に記載する鏡筒で、下記の条件(8−1)、(8−2)の少なくとも一方を満足することを特徴とする撮影光学系または鏡筒。
(8−1) 0.25≦|R2G|/D2G≦0.9
(8−2) 1.5≦|R2G|/D2G≦15
ただし、R2Gは第2レンズ群中の中間像側の空気接触面の曲率半径、D2Gは中間像側の空気接触面から中間像までの距離である。
【0337】
(26) 特許請求の範囲の請求項3に記載する撮影光学系あるいは前記の(2)の項に記載する鏡筒で、下記の条件(9)を満足する撮影光学系または鏡筒。
(9) 0.7≦R3G/D3G≦1.2
ただし、R3Gは第3レンズ群の第2レンズ群側に凸面を向けた空気接触面の曲率半径、D3Gは上記空気接触面から中間像までの距離である。
【0338】
(27) 特許請求の範囲の請求項2に記載する撮影光学系で、下記の条件(10)を満足する撮影光学系。
(10) 0.8≦|R22|/D22≦1.6
ただし、R22は第2レンズ群中の第3レンズ群側に凸面を向けた空気接触面の曲率半径、D22は中間像から第2レンズ群中の第3レンズ群側に凸面を向けた空気接触面までの距離である。
【0339】
(28) 前記の(1)の項に記載する鏡筒で、下記の条件(10)を満足する鏡筒。
(10) 0.8≦R22/D22≦1.6
【0340】
(29) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる撮影光学系で、正メニスカスレンズを含む第1レンズ群と、両凸レンズと両凹レンズとを接合した負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と両凹レンズと両凸レンズとを接合した接合レンズと正レンズを含む第3レンズとよりなり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に設けられた絞りを備え、前記絞りが前記対物レンズの瞳位置と共役な位置に配置され、中間像が前記結像レンズと前記第1レンズ群の間に形成され、最終像が前記第1乃至第3レンズ群を介して形成され、下記の条件(11)、(12)、(13)、(19)を満足する撮影光学系。
(11) 0.7≦D(I1)/D(3I)≦1.3
(12) 0.35≦D(13)/D(I)≦0.65
(13) 0.2≦|β|≦0.5
(19) Pin=−Pout
ただし、D(I1)は中間像から第1レンズ群の先端までの距離、D(3I)は第3レンズ群の後端から最終像までの距離、D(13)は第1レンズ群の先端から第3レンズ群の後端までの距離、D(I)は中間像から最終像までの距離、βは中間像から最終像までの光学系の倍率、Pinは中間像位置から入射瞳位置(対物レンズと結像レンズによって投影される対物レンズの瞳位置)までの距離、Poutは最終像位置から射出瞳位置(対物レンズと結像レンズと撮影光学系とによって投影される対物レンズの瞳位置)までの距離である。
【0341】
(30) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる鏡筒で、撮影光学系が正メニスカスレンズを含む第1レンズ群と、両凸レンズと両凹レンズとを接合した負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、両凹レンズと両凸レンズとを接合した接合レンズと正レンズを含む第3レンズと、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に設けられた絞りとを備え、前記絞りが前記対物レンズの瞳位置と共役な位置に配置され、中間像が前記結像レンズと前記第1レンズ群の間に形成され、最終像が前記第1乃至第3レンズ群を介して形成され、下記条件(14)、(15)、(16)、(19’)を満足する鏡筒。
(14) 0.7≦D’(I1)/D’(3I)≦1.3
(15) 0.35≦D’(13)/D’(I)≦0.65
(16) 0.2≦|β’|≦0.5
(19’) Pin’=−Pout
【0342】
(31) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる撮影光学系で、正レンズと,両凸レンズと両凹レンズの接合レンズで構成された正の屈折力を含む第1レンズ群と、両凹レンズと両凸レンズの負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、前記第2レンズ群側に凹面をむけた正のメニスカスレンズを含む第3レンズ群を備え、中間像が前記結像レンズと前記第1レンズ群の間に形成され、最終像が前記第1乃至第3レンズ群を介して形成され、下記条件(14)、(15)、(16)、(19’)を満足する撮影光学系。
(14) 0.7≦D’(I1)/D’(3I)≦1.3
(15) 0.35≦D’(13)/D’(I)≦0.65
(16) 0.2≦|β’|≦0.5
(19’) Pin’=−Pout
【0343】
(32) 対物レンズと結像レンズを備える顕微鏡に用いられる鏡筒で、撮影光学系が正レンズと,両凸レンズと両凹レンズの接合レンズを含む第1レンズ群と、両凹レンズと両凸レンズの負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、前記第2レンズ群側に凹面をむけた正のメニスカスレンズを含む第3レンズ群を備え、中間像が前記結像レンズと前記第1レンズ群の間に形成され、最終像が前記第1乃至第3レンズ群を介して形成され、下記条件(14)、(15)、(16)、(19’)を満足することを特徴とする鏡筒。
(14) 0.7≦D’(I1)/D’(3I)≦1.3
(15) 0.35≦D’(13)/D’(I)≦0.65
(16) 0.2≦|β’|≦0.5
(19’) Pin’=−Pout
【0344】
(33) 前記の(31)の項に記載する撮影光学系で、あるいは前記の(27)に記載の鏡筒で、下記の条件(17)を満足することを特徴とする撮影光学系または鏡筒。
(17) 0.5≦|R3|/D3≦2.0
ただし、R3は第3レンズ群の第2レンズ群側の面の曲率半径、D3は第3レンズ群の第2レンズ群側の面から最終像位置までの距離である。
【0345】
(34) 前記の(31)の項に記載する撮影光学系で、下記の条件(18)を満足することを特徴とする撮影光学系。
Figure 0004160270
ただし、RAは第1レンズ群の第2レンズ群に凹面を向けたレンズ面の曲率半径、L1はこの面から瞳共役位置までの距離、RBは第2レンズ群および第3レンズ群の第1レンズ群に凹面を向けたレンズ面の曲率半径、L2はこの面から瞳共役位置までの距離である。
【0346】
(35) 前記の(32)の項に記載する鏡筒で、下記の条件(18)を満足することを特徴とする鏡筒。
Figure 0004160270
【0347】
【発明の効果】
本発明の撮影光学系あるいは鏡筒は、顕微鏡対物レンズを交換することなしに撮影光学系の一部を共通の固定群とし他の移動群の交換によって倍率の変換を行なうものであるため、低倍率での広い視野の観察と高い開口数での観察が可能である。また倍率の交換時に発生する振動や衝撃を抑えることができる。よってパッチクランク法等を行なう際にも、優れた操作性をもつ顕微鏡を提供できる。フレアー光を抑えることが可能な構成であり、また画像のコントラストを強調した場合もコントラストの良い像の観察が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の撮影光学系を示す図であり、(A)倍率が0.25倍の時の構成、(B)倍率が0.35倍の時の構成、(C)倍率が0.5倍の時の構成、(D)倍率が1倍の時の構成である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の撮影光学系の構成を示す図
【図3】本発明の第3の実施の形態の撮影光学系の構成を示す図
【図4】本発明の第4の実施の形態の撮影光学系の構成を示す図
【図5】本発明の第5の実施の形態の鏡筒を備えた光学装置を示す図
【図6】本発明の第6の実施の形態の撮影光学系の構成を示す図
【図7】第6の実施の形態の撮影光学系に用いられる低倍率の撮影ユニットを示す図であり、(A)倍率が0.25倍の時の構成、(B)倍率が0.35倍の時の構成、(C)倍率が0.5倍の時の構成、(D)倍率が1倍の時の構成である。
【図8】本発明の第7の実施の形態の撮影光学系の構成を示す図
【図9】第7の実施の形態の撮影光学系に用いられる低倍率の撮影ユニットを示す図であり、(A)倍率が0.25倍の時の構成、(B)倍率が0.35倍の時の構成、(C)倍率が0.5倍の時の構成、(D)倍率が1倍の時の構成である。
【図10】本発明の第8の実施の形態の鏡筒を備えた光学装置を示す図
【図11】前記第8の実施の形態の鏡筒にて用いられる撮影光学系の構成を示す図
【図12】本発明の第9の実施の形態の鏡筒の構成を示す図
【図13】前記第9の実施の形態の鏡筒にて用いられる撮影光学系の構成を示す図
【図14】第1の実施の形態の倍率0.25の撮影光学系の収差曲線図
【図15】第1の実施の形態の倍率0.35の撮影光学系の収差曲線図
【図16】第1の実施の形態の倍率2の撮影光学系の収差曲線図
【図17】第1の実施の形態の倍率4の撮影光学系の収差曲線図
【図18】第2の実施の形態の倍率2の撮影光学系の収差曲線図
【図19】第2の実施の形態の倍率4の撮影光学系の収差曲線図
【図20】第4の実施の形態の倍率0.25の撮影光学系の収差曲線図
【図21】第4の実施の形態の倍率4の撮影光学系の収差曲線図
【図22】第6の実施の形態の倍率0.2の撮影光学系の収差曲線図
【図23】第6の実施の形態の倍率4の撮影光学系の収差曲線図
【図24】第7の実施の形態の倍率0.25の撮影光学系の収差曲線図
【図25】第7の実施の形態の倍率4の撮影光学系の収差曲線図
【図26】第9の実施の形態の倍率0.25の撮影光学系の収差曲線図
【図27】第9の実施の形態の倍率4の撮影光学系の収差曲線図
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 光路分割素子
3 鏡筒
4≠P3 撮影光学系
5 第1の撮像装置
6 中間変倍ユニット
7 接眼光学系
8、8’ 第2の撮影光学系
9 第2の撮像装置
10 標本
11 透過照明系
12 NDフィルタ
20 落射照明系
30 画像処理装置
40 表示装置
A、B 撮影ユニット
AN 偏光板
FG 固定レンズ群
IML 結像レンズ
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
LG4 第4レンズ群
M1 光路分割素子
M2 ミラー
MI 中間像
IMG 最終像
OB 対物レンズ
PU 対物レンズの瞳
S 開口絞り
VG 移動レンズ群

Claims (6)

  1. 対物レンズと結像レンズを備えた顕微鏡と共に用いられる撮影光学系であって、この撮影光学系は、前記顕微鏡の結像レンズの後方に配置され、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群を有し、前記顕微鏡との組み合わせにおいて前記撮影光学系の第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に中間像を形成するように構成され、下記条件(1)、(2)を満足することを特徴とする撮影光学系。
    (1) 0.25≦F/FO≦1.5
    (2) 0.15≦D1/D≦0.4
    ただし、Fは前記顕微鏡の結像レンズから前記撮影光学系の第3レンズ群までの光学系の合成焦点距離、FOは前記顕微鏡の結像レンズの焦点距離、D1は前記撮影光学系の第1レンズの最も後側にあるレンズ面から前記中間像位置までの距離、Dは前記顕微鏡の結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記撮影光学系の第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
  2. 対物レンズと結像レンズとを備えた顕微鏡と共に用いられる鏡筒であって、この鏡筒は、前記顕微鏡の結像レンズの後方に装置され、正レンズと負レンズとからなる正の接合レンズを含む第1レンズ群と、前記第1レンズ群側に凹面を向けた負の接合メニスカスレンズを含む第2レンズ群と、接合レンズを含む第3レンズ群とからなる撮影光学系を有し、前記顕微鏡との組み合わせにおいて前記撮影光学系の撮影光学系の第1レンズ群と前記第2レンズ群との間に中間像を形成するように構成され、下記条件(1)、(2)を満足する撮影光学系とを備えたことを特徴とする鏡筒。
    (1) 0.25≦F/FO≦1.5
    (2) 0.15≦D1/D≦0.4
    ただし、Fは前記顕微鏡の結像レンズから前記撮影光学系の第3レンズ群までの光学系の合成焦点距離、FOは前記顕微鏡の結像レンズの焦点距離、D1は前記撮影光学系の第1レンズの最も後側にあるレンズ面から前記中間像位置までの距離、Dは前記顕微鏡の結像レンズの最も前側にあるレンズ面から前記撮影光学系の第3レンズ群の最も後側にあるレンズ面までの距離である。
  3. 前記撮影光学系中に、前記対物レンズの開口数を制限する開口絞り、または光量を減衰させる光学素子を設けたことを特徴とする請求項1記載の撮影光学系。
  4. 前記鏡筒中に、対物レンズの開口数を制限する開口絞り、または光量を減衰させる光学素子を設けたことを特徴とする請求項2記載の鏡筒。
  5. 赤外領域の光を反射し、可視域の光を透過する光路分割素子を、前記顕微鏡の結像レンズと前記鏡筒内撮影光学系の第1レンズ群との間に配置したことを特徴とする請求項2記載の鏡筒。
  6. 前記鏡筒は撮像素子と偏向素子とを更に備え、該偏向素子は前記撮像素子と前記鏡筒内撮影光学系の第3レンズ群の射出端との間に配置され、前記撮影光学系の光軸を直交方向に偏向し、下記条件(6)を満足することを特徴とする請求項5記載の鏡筒。
    (6) 150mm≦L≦300mm
    ただし、Lは、前記対物レンズの光軸と前記光路分割素子との交点から前記撮影光学系の光軸と前記偏向素子との交点までの間隔である。
JP2001071613A 2001-03-14 2001-03-14 撮影光学系および鏡筒 Expired - Fee Related JP4160270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001071613A JP4160270B2 (ja) 2001-03-14 2001-03-14 撮影光学系および鏡筒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001071613A JP4160270B2 (ja) 2001-03-14 2001-03-14 撮影光学系および鏡筒

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008032720A Division JP4742373B2 (ja) 2008-02-14 2008-02-14 撮影光学系および鏡筒

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002267936A JP2002267936A (ja) 2002-09-18
JP4160270B2 true JP4160270B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=18929314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001071613A Expired - Fee Related JP4160270B2 (ja) 2001-03-14 2001-03-14 撮影光学系および鏡筒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4160270B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006038266A1 (ja) * 2004-09-30 2008-05-15 邦夫 島田 顕微鏡ズーム対物レンズ
GB0613283D0 (en) 2006-07-04 2006-11-01 Secr Defence Viewing Apparatus
EP2293130B1 (en) 2008-06-25 2019-02-27 Nikon Vision Co., Ltd. Relay zoom system
JP5389390B2 (ja) * 2008-07-25 2014-01-15 オリンパス株式会社 観察装置
WO2017221334A1 (ja) 2016-06-21 2017-12-28 オリンパス株式会社 顕微鏡用結像光学系およびライトフィールド顕微鏡装置
CN107621684B (zh) * 2017-11-08 2023-04-28 广东弘景光电科技股份有限公司 超景深高像素红外扫描成像摄像模组
CN107748430B (zh) * 2017-11-08 2023-04-28 广东弘景光电科技股份有限公司 超景深高像素红外扫描成像光学系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002267936A (ja) 2002-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5985133B1 (ja) 対物光学系
JP2004004827A (ja) 顕微鏡で使用されるアフォーカルズーム装置
JP2013083783A (ja) インナーフォーカス式レンズ
US20170347867A1 (en) Magnifying Endoscope Optical System
US7982961B2 (en) Dry-type microscope objective lens
JP2007333790A (ja) 光学系及びそれを有する光学機器
JP4061152B2 (ja) ズーム撮影光学系
CN111886531B (zh) 内窥镜物镜光学系统
JP2011232610A (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP4160270B2 (ja) 撮影光学系および鏡筒
US20190324259A1 (en) Imaging optical system and microscope system
JP2012173491A (ja) 顕微鏡用対物レンズ及びそれを備えた顕微鏡装置
KR101387823B1 (ko) 반사굴절 광학계 및 촬상 장치
JP4792896B2 (ja) 縮小光学系及びこれを搭載する光学機器
JP4742373B2 (ja) 撮影光学系および鏡筒
JP2794635B2 (ja) ファインダー光学系
JP3861372B2 (ja) 顕微鏡
US6208462B1 (en) Conversion optical system
JP2008191672A (ja) マクロレンズ及びそれを備えたカメラ
JPH08248315A (ja) 実像式変倍ファインダー
JP4470247B2 (ja) 倒立顕微鏡
JP3337666B2 (ja) 対物レンズ
JP2003075720A (ja) 撮像用結像レンズ
JP2013015718A (ja) 反射屈折光学系及びそれを有する撮像装置
JP5506576B2 (ja) ファインダー光学系及びそれを有する撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080214

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080416

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080717

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4160270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees