JP2004054244A - 記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法 - Google Patents
記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】トナーカートリッジの再使用を判定すると共に再使用の際のより適正な供給先を設定する。
【解決手段】トナーカートリッジの記憶素子に記憶された製造年月日や印字枚数,トナー残量に基づいてトナーカートリッジの再使用の可否を判定すると共に(S120〜S140)、記憶素子から読み込んだトナーカートリッジが取り付けられたプリンタのIDや使用開始年月日などをデータベース化し、プリンタのトナーカートリッジの交換頻度や次の推定される使用開始日などに基づいて再使用されるトナーカートリッジの供給先のプリンタを検索する(S160)。この結果、トナーカートリッジの再使用の判定を迅速により適正に行なうことができると共に再使用の際のより適正な供給先としてプリンタを出力することができる。
【選択図】 図6
【解決手段】トナーカートリッジの記憶素子に記憶された製造年月日や印字枚数,トナー残量に基づいてトナーカートリッジの再使用の可否を判定すると共に(S120〜S140)、記憶素子から読み込んだトナーカートリッジが取り付けられたプリンタのIDや使用開始年月日などをデータベース化し、プリンタのトナーカートリッジの交換頻度や次の推定される使用開始日などに基づいて再使用されるトナーカートリッジの供給先のプリンタを検索する(S160)。この結果、トナーカートリッジの再使用の判定を迅速により適正に行なうことができると共に再使用の際のより適正な供給先としてプリンタを出力することができる。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法に関し、詳しくは、記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置およびその判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーレーザプリンタや複写機に用いられるトナーカートリッジは、使用後は回収されて再使用に供される。このトナーカートリッジの再使用を判断する際には、まず、カートリッジに残存しているトナーを廃棄し、カートリッジの各部を点検し、再使用に適していない部品については取り替えを行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたトナーカートリッジの再使用の判断は、人の目視によって行なわれるため、トナーカートリッジの再使用の判断に時間や労力を要すると共に判断する人によって判断基準が異なる場合が生じる。また、カートリッジに残存するトナーはすべて廃棄されるが、本体を修理したときに回収されるカートリッジや本体の買い換えの際に回収されるカートリッジなどには、まだ新しいものもあり、この場合、トナーの廃棄は資源の有効利用の観点から好ましくない。
【0004】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤カートリッジの再使用の判定を短時間で容易に行なうことを目的の一つとする。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤カートリッジの再使用の判定をより適正に行なうことを目的の一つとする。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤の有効利用を図ることを目的の一つとする。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、再使用する記録剤ーカートリッジのより適正な供給先を指示することを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、
前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得する情報取得手段と、
該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定する再使用判定手段と、
該再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定する補充量設定手段と、
前記情報取得手段により取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶する情報記憶手段と、
前記再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記情報記憶手段に前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて、前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する供給先設定手段と、
前記再使用判定手段による判定結果と前記補充量設定手段により設定された補充量と前記供給先設定手段により設定された供給先の画像形成装置とを出力する出力手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、記録剤カートリッジが有する記憶素子から画像形成装置により書き込まれた記録剤の使用に関する使用情報とその画像形成装置を識別する装置識別情報とを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいて記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、その判定結果を出力する。したがって、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる。しかも、使用情報に基づいて再使用の判定を行なうから、再使用の判定をより適正に行なうことができる。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、使用情報に基づいて記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定し、設定した記録剤の補充量とを出力する。したがって、記録剤カートリッジに残存する使用に耐え得る記録剤を廃棄することなく再利用することができる。この結果、資源を有効に用いることができる。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、取得した使用情報をその画像形成装置を識別する装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、装置識別情報に関連付けて記憶された使用情報に基づいてその記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定して出力するから、再使用される記録剤カートリッジのより適正な供給先を指示することができる。ここで、画像形成装置がモノクロレーザプリンタやカラーレーザプリンタ,モノクロまたはカラーの複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がモノクロまたはカラーのインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0008】
こうした本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記使用情報は記録剤カートリッジの前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日を情報の一つとして含み、前記供給先設定手段は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置に記録剤カートリッジの交換頻度を演算し、該演算された交換頻度が所定頻度以上の画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、再使用される記録剤カートリッジを交換頻度が高い画像形成装置、即ち、短期間に記録剤を消費する画像形成装置に供給されるよう指示することができる。この結果、再使用の判定の際に記録剤カートリッジに残存していた記録剤についてもその機能が十分に発揮できる期間内に使用することができる。この態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記供給先設定手段は、前記使用情報としての前記画像形成装置における複数個の使用開始日または使用終了日情報に基づいて該画像形成装置における次の記録剤カートリッジの使用開始日を推定し、該推定した使用開始日が所定期間内となる画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、再使用される記録剤カートリッジ内の記録剤をより早期に使用することができる。
【0009】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記使用情報は記録剤の色を情報の一つとして含み、前記供給先設定手段は前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの記録剤の色に基づいて前記供給先の画像形成装置を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、記録剤の色毎に再使用される記録剤カートリッジの供給先をより適正に指示することができる。
【0010】
本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置用のプログラムは、前記情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを、上述のいずれかの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置、即ち、基本的には、記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、前記記録剤カートリッジが取り付けられたときに該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得する情報取得手段と、該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定する再使用判定手段と、該再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときに前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定する補充量設定手段と、前記情報取得手段により取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶する情報記憶手段と、前記再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記情報記憶手段に前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する供給先設定手段と、前記再使用判定手段による判定結果と前記補充量設定手段により設定された補充量と前記供給先設定手段により設定された供給先の画像形成装置とを出力する出力手段と、を備える記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させることを要旨とする。
【0011】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置用のプログラムによれば、情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを上述のいずれかの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させるから、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置が奏する効果、例えば、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる効果や再使用の判定をより適正に行なうことができる効果,記録剤カートリッジに残存する使用に耐え得る記録剤を廃棄することなく再利用することができる効果,再使用される記録剤カートリッジのより適正な供給先を指示することができる効果などの種々の効果を奏することができる。
【0012】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用の判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得し、
(b)該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、
(c)該判定により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定し、
(d)前記取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、
(e)前記判定により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する
ことを要旨とする。
【0013】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法によれば、記録剤カートリッジが有する記憶素子から画像形成装置により書き込まれた記録剤の使用に関する使用情報とその画像形成装置を識別する装置識別情報とを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいて記録剤カートリッジの再使用の可否を判定するから、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる。しかも、使用情報に基づいて再使用の判定を行なうから、再使用の判定をより適正に行なうことができる。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法によれば、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、使用情報に基づいて記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定するから、記録剤カートリッジに残存する使用に耐え得る記録剤を廃棄することなく再利用することができる。この結果、資源を有効に用いることができる。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法によれば、取得した使用情報をその画像形成装置を識別する装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、装置識別情報に関連付けて記憶された使用情報に基づいてその記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定するから、再使用される記録剤カートリッジのより適正な供給先を指示することができる。ここで、画像形成装置がモノクロレーザプリンタやカラーレーザプリンタ,モノクロまたはカラーの複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がモノクロまたはカラーのインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0014】
こうした本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は記録剤カートリッジの前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日を情報の一つとして含み、前記ステップ(e)は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置に記録剤カートリッジの交換頻度を演算し、該演算された交換頻度が所定頻度以上の画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、こうすれば、再使用される記録剤カートリッジを交換頻度が高い画像形成装置、即ち、短期間に記録剤を消費する画像形成装置に供給されるよう指示することができる。この結果、再使用の判定の際に記録剤カートリッジに残存していた記録剤についてもその機能が十分に発揮できる期間内に使用することができる。この態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記ステップ(e)は、前記使用情報としての前記画像形成装置における複数個の使用開始日または使用終了日情報に基づいて該画像形成装置における次の記録剤カートリッジの使用開始日を推定し、該推定した使用開始日が所定期間内となる画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、再使用される記録剤カートリッジ内の記録剤をより早期に使用することができる。
【0015】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は記録剤の色を情報の一つとして含み、前記ステップ(e)は前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの記録剤の色に基づいて前記供給先の画像形成装置を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、記録剤の色毎に再使用される記録剤カートリッジの供給先をより適正に指示することができる。
【0016】
さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は画像形成枚数および/または記録剤の残量を情報として含み、前記ステップ(b)は、前記画像形成枚数が所定枚数以下および/または前記記録剤の残量が所定量以上のときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、使用情報としての画像形成枚数や記録剤の残量に基づいてより適正に記録剤カートリッジの再使用を判定することができる。これらの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記記憶素子は前記記録剤カートリッジの製造日を情報の一つとして記憶する素子であり、前記ステップ(b)は前記記憶素子に記憶された前記記録剤カートリッジの製造日から所定日数経過していないときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、より適正に記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる。
【0017】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は記録剤使用量を情報の一つとして含み、前記ステップ(b)は前記取得した使用情報における記録剤使用量に基づいて補充量を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、より適正な記録剤の補充量を設定することができる。
【0018】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、コンピュータに前記ステップ(a)ないし(e)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果と前記ステップ(c)により設定した記録剤の補充量と前記ステップ(e)により設定した供給先の画像形成装置とを出力させるものとすることもできる。こうすれば、記録剤カートリッジの再使用の判定をより迅速に行なうことができると共に再使用される記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置をより迅速に指示することができる。
【0019】
本発明の記録剤カートリッジは、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に装着される記録剤カートリッジであって、
前記画像形成装置の識別情報と、該識別情報を有する画像形成装置における前記記録剤の使用開始日または使用終了日の情報とを記憶する記憶素子
を備えることを要旨とする。
【0020】
この本発明の記録剤カートリッジでは、画像形成装置の識別情報と、この識別情報を有する画像形成装置における記録剤の使用開始日または使用終了日の情報とを記憶しているから、その情報を記録剤カートリッジの再使用の判定に役立てることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例であるトナーカートリッジ40の再使用判定装置20の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例の再使用判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。実施例の再使用判定装置20は、図1および図2に示すように、CPU23やROM24やRAM25や図示しない入出力インタフェースを有する汎用のコンピュータ本体22と、コンピュータ本体22に接続されたモニタ26と、コンピュータ本体22に接続されたプリンタ27と、コンピュータ本体22の図示しない入出力インターフェースを介して接続されトナーカートリッジ40を取り付けられるカートリッジ接続部28と、カラーレーザプリンタにおけるトナーカートリッジ40の使用に関するデータが記憶される機器使用データベース29とを備え、カートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50からトナーカートリッジ40の使用に関する情報を読み込んでトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定すると共に再使用するトナーカートリッジ40の供給先を設定する。
【0022】
記憶素子50は、図2に示すように、データを記憶するメモリセル52と、このメモリセル52におけるデータの読み書きを制御するリード・ライト制御部54と、クロック信号CLKに基づいてリード・ライト制御部54を介して実施例の再使用判定装置20や後述するカラーレーザプリンタ本体のコントローラとデータのやり取りを行なう際のカウントアップを行なうアドレスカウンタ56とを備える。こうした記憶素子50としては、例えば、EEPROMを用いることができる。図3は、トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。実施例のトナーカートリッジ40では、図示するように、その端部に設けられた収納部42の内側に記憶素子50が取り付けられている。
【0023】
図4は、トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。トナーカートリッジ40が取り付けられるカラーレーザプリンタ60は、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されており、図3に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された画像を現像器61に装着された各色のトナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kから供給される各色のトナーを用いて各色毎に露光器62により静電潜像が形成された感光体63上にトナー像を形成すると共に形成したトナー像を中間転写体としての転写ベルト64に重ねて転写し、この転写ベルト64上に重ねて転写された4色のトナー像を用紙カセット65から供給され搬送ユニット66により搬送された用紙に二次転写ユニット67で転写し、用紙上に転写されたトナー像を定着ユニット68により用紙に融着定着させてカラー像を用紙上に形成する。このように各色のトナー像を感光体63上に形成できるように現像器61は回転可能に構成されている。また、カラーレーザプリンタ60は、現像器61に装着された各トナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kの各記憶素子50C,50M,50Y,50Kが図中下部右側に位置したときにその記憶素子に接続する可動接続部69を備え、図示しないカラーレーザプリンタ60のコントローラから対応するカートリッジのトナーの使用に関する情報を接続した記憶素子に書き込む。カラーレーザプリンタ60のコントローラと記憶素子との電気的な接続関係は図2に例示した再使用判定装置20と記憶素子50との接続関係と同様であるのでその図示と詳細な説明は省略する。
【0024】
図5は、トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。実施例では、記憶素子50には、図示するように、トナーカートリッジ40のID(カートリッジID),トナーカートリッジ40の製造年月日,トナーカートリッジ40に詰められているトナーの色,再使用(リユース)の回数,取り付けられたカラーレーザプリンタ60のID(プリンタID),カラーレーザプリンタ60に取り付けられて使用が開始された年月日(使用開始年月日),カラーレーザプリンタ60から取り外された年月日(使用終了年月日),カラーレーザプリンタ60によりそのトナーカートリッジ40を用いて画像を印刷した印字枚数,トナーカートリッジ40内に残存するトナー残量,カラーレーザプリンタ60が購入されてから画像を印刷した総印字枚数などの累積使用に関する情報などが記憶される。これらの情報のうち、カートリッジIDや製造年月日,トナー色,リユース回数についてはトナーカートリッジ40を製造した際や再使用する際に工場などで記憶素子50への書き込みが行なわれ、プリンタIDや使用開始年月日,使用終了年月日,印字枚数,トナー残量,プリンタの累積使用情報などについてはトナーカートリッジ40が装着されたカラーレーザプリンタ60によりトナーカートリッジ40が装着されたときやトナーカートリッジ40が取り外される際に記憶素子50に書き込まれる。
【0025】
次に、実施例の再使用判定装置20の動作について説明する。図6は、カートリッジ接続部28にトナーカートリッジ40が取り付けられたときに実施例の再使用判定装置202により実行されるトナーカートリッジ40の再使用判定処理の一例を示すフローチャートである。再使用判定処理では、まず、トナーカートリッジ40の記憶素子50からカートリッジIDや製造年月日,トナー色などのトナーカートリッジ40に関する情報と、プリンタIDや使用開始年月日,使用終了年月日,印字枚数,トナー残量などのトナーカートリッジ40の使用に関する情報とを読み込むと共に(ステップS100)、読み込んだ情報をプリンタIDをキーとして機器使用データベース29に登録する処理を実行する(ステップS110)。情報の読み込み処理は、コンピュータ本体22からカートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50のリード・ライト制御部54に対してリード信号を出力することにより行なわれる。
【0026】
そして、読み込んだ製造年月日や印字枚数,トナー残量に基づいて、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数(例えば、6ヶ月)以内であるか否か、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数が所定枚数(例えば、1500枚)以下であるか否か、トナーカートリッジ40のトナー残量が所定量(例えば、170g)以上であるか否かを判定する(ステップS120〜S140)。ここで、判定に用いる所定月数や所定枚数,所定量は、トナーの種類やトナーカートリッジ40に充填されるトナーの量などにより定められる。
【0027】
トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数以内で、その印字枚数が所定枚数以下であり、且つ、トナーカートリッジ40のトナー残量が所定量以上のときには、トナーカートリッジ40を再使用することができると判定し、トナーカートリッジ40を出荷するときに詰め込むべきトナー量からトナー残量を減じて補充すべきトナーの補充量を算出し(ステップS150)、機器使用データベース29から同一のトナー色のトナーカートリッジ40の交換頻度が所定頻度(例えば、1回/月)以上で、その色のトナーカートリッジ40の次の推定される使用開始年月日が所定期間以内(例えば、10日〜30日の期間)のプリンタIDを有するカラーレーザプリンタ60をトナーカートリッジ40を再使用する際の供給先として検索し(ステップS160)、カートリッジIDと判定結果としての再使用が可能である旨とトナー色とトナーの補充量と検索された再使用の供給先のカラーレーザプリンタ60のプリンタIDとをモニタ26に表示出力すると共にプリンタ27から印字出力して(ステップS170)、再使用判定処理を終了する。ここで、同一のトナー色のトナーカートリッジ40の交換頻度が所定頻度以上でその色のトナーカートリッジ40の次の推定される使用開始年月日が所定期間以内のカラーレーザプリンタ60を再使用する際の供給先とするのは、トナーカートリッジ40のすべてのトナーが十分な機能を発揮することができる期間内に消費されるようにするためである。即ち、トナーを補充してトナーカートリッジ40を再使用する場合、トナーカートリッジ40に残存していたトナーは充填されるトナーに比して製造されてからの日数が経過しているから、残存していたトナーであっても十分な機能が発揮できるように、再使用されるトナーカートリッジ40がその交換頻度の高いカラーレーザプリンタ60、即ちその色のトナーをよく消費するカラーレーザプリンタ60に取り付けらてトナーカートリッジ40内のトナーが早期に消費されるれることが望ましいからである。なお、トナーカートリッジの交換頻度は、機器使用データベース29に登録されたデータのうち同一のプリンタについての同一のトナー色の複数個の使用開始年月日や使用終了年月日から算出することができる。また、次の推定される使用開始年月日は、機器使用データベース29に登録されたデータのうち同一のプリンタについての同一のトナー色の複数個の使用開始年月日から推定することができる。さらに、トナーカートリッジ40の交換頻度としての所定頻度や次の推定される使用開始年月日の所定期間は、トナーカートリッジ40に充填されるトナーの量や性能などにより設定される。
【0028】
一方、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数を超えていたり、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数が所定枚数を超えていたり、あるいは、トナーカートリッジ40のトナー残量が所定量未満のときには、トナーカートリッジ40を再使用することはできない判定し、カートリッジIDと判定結果としての再使用が不可である旨とをモニタ26に表示出力すると共にプリンタ27から印字出力して(ステップS170)、再使用判定処理を終了する。
【0029】
以上説明した実施例の再使用判定装置20によれば、カラーレーザプリンタ60で使用され回収されたトナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けるだけでトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定することができると共にトナーカートリッジ40を再使用する際に補充すべきトナーの補充量と色とを出力することができる。この結果、トナーカートリッジ40の再使用の判定を短時間で容易に行なうことができると共にトナーの有効利用を図ることができる。しかも、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数やトナーカートリッジ40を用いた印字枚数,トナーカートリッジ40に残存するトナー残量に基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうから、再使用の判定をより適切に行なうことができる。
【0030】
また、実施例の再使用判定装置20によれば、カラーレーザプリンタ60によるトナーカートリッジ40の使用に関する情報を読み込んでデータベースを構築すると共にトナーカートリッジ40の交換頻度や次の推定される使用開始年月日に基づいて再使用可能と判定されたトナーカートリッジ40の供給先のカラーレーザプリンタ60を出力することができる。この結果、再使用されるトナーカートリッジ40を出力されたカラーレーザプリンタ60に供給することによりトナーが十分な機能を発揮できる期間内にトナーカートリッジ40内のトナーを消費することができる。即ち、再使用されるトナーカートリッジ40を有効に効果的に使用することができる供給先のカラーレーザプリンタ60をより適正に出力することができる。
【0031】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数やトナーカートリッジ40を用いた印字枚数,トナーカートリッジ40に残存するトナー残量に基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうものとしたが、これに加えて目視検査によるローラーへのフィルミングの有無によりトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしてもよい。また、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数に拘わらず、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数やトナーカートリッジ40に残存するトナー残量だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうものや、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうもの、トナーカートリッジ40に残存するトナー残量だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしても構わない。
【0032】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40の再使用の供給先としてのカラーレーザプリンタ60のプリンタIDを検索して出力するものとしたが、そのカラーレーザプリンタ60を所有する顧客の情報をプリンタIDと関連付けて機器使用データベース29に登録しておき、トナーカートリッジ40の再使用の供給先としてのカラーレーザプリンタ60を検索すると共に検索されたカラーレーザプリンタ60を所有する顧客の氏名や住所などの顧客情報を出力するものとしてもよい。
【0033】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40の交換頻度や次の使用開始年月日に基づいてトナーカートリッジ40を再使用する際の供給先としてのカラーレーザプリンタ60を検索して出力するものとしたが、トナーカートリッジ40の交換頻度だけに基づいてトナーカートリッジ40を再使用する際の供給先としてのカラーレーザプリンタ60を検索するものとしてもよい。
【0034】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けて再使用判定装置20と記憶素子50とを直接的に接続して情報を読み込むものとしたが、カートリッジ接続部28に代えて所定の周波数帯の電波を搬送波としてデータを送受信する送受信部を備え、記憶素子50を所定の周波数帯の電波を受信するとその電波からエネルギを得てその周波数帯の電波を搬送波としてデータを送受信するよう構成すれば、非接触により記憶素子50から情報を読み込むことができる。こうすれば、トナーカートリッジ40の再使用の判定をより迅速に行なうことができる。
【0035】
実施例の再使用判定装置20では、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタ60に用いられるトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしたが、トナーカートリッジ40が記憶素子50を備え、トナーカートリッジ40の使用に関する情報を記憶できるものであればよいから、複数感光体方式や直接転写方式のフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタや複写機、あるいはモノクロームの電子写真方式の画像形成装置として構成されたレーザプリンタや複写機に用いられるトナーカートリッジの再使用を判定するものとしてもよい。また、インクジェットプリンタにおけるインクカートリッジの再使用を判定するものに適用するものとしてもよい。
【0036】
実施例では、カラーレーザプリンタ60により使用に関する情報が書き込まれる記憶素子50を有するトナーカートリッジ40の再使用を判定する再使用判定装置20の形態として説明したが、同様なトナーカートリッジ40の再使用を判定する判定方法の形態としたり、カートリッジ接続部28を接続したコンピュータ本体22を実施例の再使用判定装置20として機能させるプログラムの形態としたり、同様なトナーカートリッジ40の再使用を判定する判定方法をコンピュータを用いて行なうためのプログラムの形態としてもよい。なお、プログラムの形態とする場合には、図6に例示する再使用判定処理の各ステップを適当なプログラミング言語を用いてプログラムすればよい。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるトナーカートリッジ40の再使用判定装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】実施例の再使用判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。
【図3】トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。
【図4】トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。
【図5】トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。
【図6】再使用判定装置20により実行される再使用判定処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 再使用判定装置、22 コンピュータ本体、23 CPU、24 ROM、25 RAM、26 モニタ、27 プリンタ、28 カートリッジ接続部、29 機器使用データベース、40,50C,40M,40Y,40K トナーカートリッジ、42 収納部、50,50C,50M,50Y,50K 記憶素子、52 メモリセル、54 リード・ライト制御部、56 アドレスカウンタ、60 カラーレーザプリンタ、61 現像器、62 露光器、63 感光体、64 転写ベルト、65 用紙カセット、66 搬送ユニット、67 二次転写ユニット、68 定着ユニット、69 可動接続部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法に関し、詳しくは、記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置およびその判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーレーザプリンタや複写機に用いられるトナーカートリッジは、使用後は回収されて再使用に供される。このトナーカートリッジの再使用を判断する際には、まず、カートリッジに残存しているトナーを廃棄し、カートリッジの各部を点検し、再使用に適していない部品については取り替えを行なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたトナーカートリッジの再使用の判断は、人の目視によって行なわれるため、トナーカートリッジの再使用の判断に時間や労力を要すると共に判断する人によって判断基準が異なる場合が生じる。また、カートリッジに残存するトナーはすべて廃棄されるが、本体を修理したときに回収されるカートリッジや本体の買い換えの際に回収されるカートリッジなどには、まだ新しいものもあり、この場合、トナーの廃棄は資源の有効利用の観点から好ましくない。
【0004】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤カートリッジの再使用の判定を短時間で容易に行なうことを目的の一つとする。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤カートリッジの再使用の判定をより適正に行なうことを目的の一つとする。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤の有効利用を図ることを目的の一つとする。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、再使用する記録剤ーカートリッジのより適正な供給先を指示することを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、
前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得する情報取得手段と、
該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定する再使用判定手段と、
該再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定する補充量設定手段と、
前記情報取得手段により取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶する情報記憶手段と、
前記再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記情報記憶手段に前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて、前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する供給先設定手段と、
前記再使用判定手段による判定結果と前記補充量設定手段により設定された補充量と前記供給先設定手段により設定された供給先の画像形成装置とを出力する出力手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、記録剤カートリッジが有する記憶素子から画像形成装置により書き込まれた記録剤の使用に関する使用情報とその画像形成装置を識別する装置識別情報とを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいて記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、その判定結果を出力する。したがって、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる。しかも、使用情報に基づいて再使用の判定を行なうから、再使用の判定をより適正に行なうことができる。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、使用情報に基づいて記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定し、設定した記録剤の補充量とを出力する。したがって、記録剤カートリッジに残存する使用に耐え得る記録剤を廃棄することなく再利用することができる。この結果、資源を有効に用いることができる。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、取得した使用情報をその画像形成装置を識別する装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、装置識別情報に関連付けて記憶された使用情報に基づいてその記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定して出力するから、再使用される記録剤カートリッジのより適正な供給先を指示することができる。ここで、画像形成装置がモノクロレーザプリンタやカラーレーザプリンタ,モノクロまたはカラーの複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がモノクロまたはカラーのインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0008】
こうした本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記使用情報は記録剤カートリッジの前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日を情報の一つとして含み、前記供給先設定手段は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置に記録剤カートリッジの交換頻度を演算し、該演算された交換頻度が所定頻度以上の画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、再使用される記録剤カートリッジを交換頻度が高い画像形成装置、即ち、短期間に記録剤を消費する画像形成装置に供給されるよう指示することができる。この結果、再使用の判定の際に記録剤カートリッジに残存していた記録剤についてもその機能が十分に発揮できる期間内に使用することができる。この態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記供給先設定手段は、前記使用情報としての前記画像形成装置における複数個の使用開始日または使用終了日情報に基づいて該画像形成装置における次の記録剤カートリッジの使用開始日を推定し、該推定した使用開始日が所定期間内となる画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、再使用される記録剤カートリッジ内の記録剤をより早期に使用することができる。
【0009】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記使用情報は記録剤の色を情報の一つとして含み、前記供給先設定手段は前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの記録剤の色に基づいて前記供給先の画像形成装置を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、記録剤の色毎に再使用される記録剤カートリッジの供給先をより適正に指示することができる。
【0010】
本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置用のプログラムは、前記情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを、上述のいずれかの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置、即ち、基本的には、記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、前記記録剤カートリッジが取り付けられたときに該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得する情報取得手段と、該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定する再使用判定手段と、該再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときに前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定する補充量設定手段と、前記情報取得手段により取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶する情報記憶手段と、前記再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記情報記憶手段に前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する供給先設定手段と、前記再使用判定手段による判定結果と前記補充量設定手段により設定された補充量と前記供給先設定手段により設定された供給先の画像形成装置とを出力する出力手段と、を備える記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させることを要旨とする。
【0011】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置用のプログラムによれば、情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを上述のいずれかの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させるから、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置が奏する効果、例えば、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる効果や再使用の判定をより適正に行なうことができる効果,記録剤カートリッジに残存する使用に耐え得る記録剤を廃棄することなく再利用することができる効果,再使用される記録剤カートリッジのより適正な供給先を指示することができる効果などの種々の効果を奏することができる。
【0012】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用の判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得し、
(b)該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、
(c)該判定により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定し、
(d)前記取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、
(e)前記判定により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する
ことを要旨とする。
【0013】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法によれば、記録剤カートリッジが有する記憶素子から画像形成装置により書き込まれた記録剤の使用に関する使用情報とその画像形成装置を識別する装置識別情報とを含む情報を取得し、この取得した情報に基づいて記録剤カートリッジの再使用の可否を判定するから、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる。しかも、使用情報に基づいて再使用の判定を行なうから、再使用の判定をより適正に行なうことができる。また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法によれば、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、使用情報に基づいて記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定するから、記録剤カートリッジに残存する使用に耐え得る記録剤を廃棄することなく再利用することができる。この結果、資源を有効に用いることができる。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法によれば、取得した使用情報をその画像形成装置を識別する装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、装置識別情報に関連付けて記憶された使用情報に基づいてその記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定するから、再使用される記録剤カートリッジのより適正な供給先を指示することができる。ここで、画像形成装置がモノクロレーザプリンタやカラーレーザプリンタ,モノクロまたはカラーの複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がモノクロまたはカラーのインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0014】
こうした本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は記録剤カートリッジの前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日を情報の一つとして含み、前記ステップ(e)は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置に記録剤カートリッジの交換頻度を演算し、該演算された交換頻度が所定頻度以上の画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、こうすれば、再使用される記録剤カートリッジを交換頻度が高い画像形成装置、即ち、短期間に記録剤を消費する画像形成装置に供給されるよう指示することができる。この結果、再使用の判定の際に記録剤カートリッジに残存していた記録剤についてもその機能が十分に発揮できる期間内に使用することができる。この態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記ステップ(e)は、前記使用情報としての前記画像形成装置における複数個の使用開始日または使用終了日情報に基づいて該画像形成装置における次の記録剤カートリッジの使用開始日を推定し、該推定した使用開始日が所定期間内となる画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、再使用される記録剤カートリッジ内の記録剤をより早期に使用することができる。
【0015】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は記録剤の色を情報の一つとして含み、前記ステップ(e)は前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの記録剤の色に基づいて前記供給先の画像形成装置を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、記録剤の色毎に再使用される記録剤カートリッジの供給先をより適正に指示することができる。
【0016】
さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は画像形成枚数および/または記録剤の残量を情報として含み、前記ステップ(b)は、前記画像形成枚数が所定枚数以下および/または前記記録剤の残量が所定量以上のときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、使用情報としての画像形成枚数や記録剤の残量に基づいてより適正に記録剤カートリッジの再使用を判定することができる。これらの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記記憶素子は前記記録剤カートリッジの製造日を情報の一つとして記憶する素子であり、前記ステップ(b)は前記記憶素子に記憶された前記記録剤カートリッジの製造日から所定日数経過していないときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、より適正に記録剤カートリッジの再使用の判定を行なうことができる。
【0017】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、前記使用情報は記録剤使用量を情報の一つとして含み、前記ステップ(b)は前記取得した使用情報における記録剤使用量に基づいて補充量を設定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、より適正な記録剤の補充量を設定することができる。
【0018】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定方法において、コンピュータに前記ステップ(a)ないし(e)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果と前記ステップ(c)により設定した記録剤の補充量と前記ステップ(e)により設定した供給先の画像形成装置とを出力させるものとすることもできる。こうすれば、記録剤カートリッジの再使用の判定をより迅速に行なうことができると共に再使用される記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置をより迅速に指示することができる。
【0019】
本発明の記録剤カートリッジは、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に装着される記録剤カートリッジであって、
前記画像形成装置の識別情報と、該識別情報を有する画像形成装置における前記記録剤の使用開始日または使用終了日の情報とを記憶する記憶素子
を備えることを要旨とする。
【0020】
この本発明の記録剤カートリッジでは、画像形成装置の識別情報と、この識別情報を有する画像形成装置における記録剤の使用開始日または使用終了日の情報とを記憶しているから、その情報を記録剤カートリッジの再使用の判定に役立てることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例であるトナーカートリッジ40の再使用判定装置20の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例の再使用判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。実施例の再使用判定装置20は、図1および図2に示すように、CPU23やROM24やRAM25や図示しない入出力インタフェースを有する汎用のコンピュータ本体22と、コンピュータ本体22に接続されたモニタ26と、コンピュータ本体22に接続されたプリンタ27と、コンピュータ本体22の図示しない入出力インターフェースを介して接続されトナーカートリッジ40を取り付けられるカートリッジ接続部28と、カラーレーザプリンタにおけるトナーカートリッジ40の使用に関するデータが記憶される機器使用データベース29とを備え、カートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50からトナーカートリッジ40の使用に関する情報を読み込んでトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定すると共に再使用するトナーカートリッジ40の供給先を設定する。
【0022】
記憶素子50は、図2に示すように、データを記憶するメモリセル52と、このメモリセル52におけるデータの読み書きを制御するリード・ライト制御部54と、クロック信号CLKに基づいてリード・ライト制御部54を介して実施例の再使用判定装置20や後述するカラーレーザプリンタ本体のコントローラとデータのやり取りを行なう際のカウントアップを行なうアドレスカウンタ56とを備える。こうした記憶素子50としては、例えば、EEPROMを用いることができる。図3は、トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。実施例のトナーカートリッジ40では、図示するように、その端部に設けられた収納部42の内側に記憶素子50が取り付けられている。
【0023】
図4は、トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。トナーカートリッジ40が取り付けられるカラーレーザプリンタ60は、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されており、図3に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された画像を現像器61に装着された各色のトナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kから供給される各色のトナーを用いて各色毎に露光器62により静電潜像が形成された感光体63上にトナー像を形成すると共に形成したトナー像を中間転写体としての転写ベルト64に重ねて転写し、この転写ベルト64上に重ねて転写された4色のトナー像を用紙カセット65から供給され搬送ユニット66により搬送された用紙に二次転写ユニット67で転写し、用紙上に転写されたトナー像を定着ユニット68により用紙に融着定着させてカラー像を用紙上に形成する。このように各色のトナー像を感光体63上に形成できるように現像器61は回転可能に構成されている。また、カラーレーザプリンタ60は、現像器61に装着された各トナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kの各記憶素子50C,50M,50Y,50Kが図中下部右側に位置したときにその記憶素子に接続する可動接続部69を備え、図示しないカラーレーザプリンタ60のコントローラから対応するカートリッジのトナーの使用に関する情報を接続した記憶素子に書き込む。カラーレーザプリンタ60のコントローラと記憶素子との電気的な接続関係は図2に例示した再使用判定装置20と記憶素子50との接続関係と同様であるのでその図示と詳細な説明は省略する。
【0024】
図5は、トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。実施例では、記憶素子50には、図示するように、トナーカートリッジ40のID(カートリッジID),トナーカートリッジ40の製造年月日,トナーカートリッジ40に詰められているトナーの色,再使用(リユース)の回数,取り付けられたカラーレーザプリンタ60のID(プリンタID),カラーレーザプリンタ60に取り付けられて使用が開始された年月日(使用開始年月日),カラーレーザプリンタ60から取り外された年月日(使用終了年月日),カラーレーザプリンタ60によりそのトナーカートリッジ40を用いて画像を印刷した印字枚数,トナーカートリッジ40内に残存するトナー残量,カラーレーザプリンタ60が購入されてから画像を印刷した総印字枚数などの累積使用に関する情報などが記憶される。これらの情報のうち、カートリッジIDや製造年月日,トナー色,リユース回数についてはトナーカートリッジ40を製造した際や再使用する際に工場などで記憶素子50への書き込みが行なわれ、プリンタIDや使用開始年月日,使用終了年月日,印字枚数,トナー残量,プリンタの累積使用情報などについてはトナーカートリッジ40が装着されたカラーレーザプリンタ60によりトナーカートリッジ40が装着されたときやトナーカートリッジ40が取り外される際に記憶素子50に書き込まれる。
【0025】
次に、実施例の再使用判定装置20の動作について説明する。図6は、カートリッジ接続部28にトナーカートリッジ40が取り付けられたときに実施例の再使用判定装置202により実行されるトナーカートリッジ40の再使用判定処理の一例を示すフローチャートである。再使用判定処理では、まず、トナーカートリッジ40の記憶素子50からカートリッジIDや製造年月日,トナー色などのトナーカートリッジ40に関する情報と、プリンタIDや使用開始年月日,使用終了年月日,印字枚数,トナー残量などのトナーカートリッジ40の使用に関する情報とを読み込むと共に(ステップS100)、読み込んだ情報をプリンタIDをキーとして機器使用データベース29に登録する処理を実行する(ステップS110)。情報の読み込み処理は、コンピュータ本体22からカートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50のリード・ライト制御部54に対してリード信号を出力することにより行なわれる。
【0026】
そして、読み込んだ製造年月日や印字枚数,トナー残量に基づいて、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数(例えば、6ヶ月)以内であるか否か、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数が所定枚数(例えば、1500枚)以下であるか否か、トナーカートリッジ40のトナー残量が所定量(例えば、170g)以上であるか否かを判定する(ステップS120〜S140)。ここで、判定に用いる所定月数や所定枚数,所定量は、トナーの種類やトナーカートリッジ40に充填されるトナーの量などにより定められる。
【0027】
トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数以内で、その印字枚数が所定枚数以下であり、且つ、トナーカートリッジ40のトナー残量が所定量以上のときには、トナーカートリッジ40を再使用することができると判定し、トナーカートリッジ40を出荷するときに詰め込むべきトナー量からトナー残量を減じて補充すべきトナーの補充量を算出し(ステップS150)、機器使用データベース29から同一のトナー色のトナーカートリッジ40の交換頻度が所定頻度(例えば、1回/月)以上で、その色のトナーカートリッジ40の次の推定される使用開始年月日が所定期間以内(例えば、10日〜30日の期間)のプリンタIDを有するカラーレーザプリンタ60をトナーカートリッジ40を再使用する際の供給先として検索し(ステップS160)、カートリッジIDと判定結果としての再使用が可能である旨とトナー色とトナーの補充量と検索された再使用の供給先のカラーレーザプリンタ60のプリンタIDとをモニタ26に表示出力すると共にプリンタ27から印字出力して(ステップS170)、再使用判定処理を終了する。ここで、同一のトナー色のトナーカートリッジ40の交換頻度が所定頻度以上でその色のトナーカートリッジ40の次の推定される使用開始年月日が所定期間以内のカラーレーザプリンタ60を再使用する際の供給先とするのは、トナーカートリッジ40のすべてのトナーが十分な機能を発揮することができる期間内に消費されるようにするためである。即ち、トナーを補充してトナーカートリッジ40を再使用する場合、トナーカートリッジ40に残存していたトナーは充填されるトナーに比して製造されてからの日数が経過しているから、残存していたトナーであっても十分な機能が発揮できるように、再使用されるトナーカートリッジ40がその交換頻度の高いカラーレーザプリンタ60、即ちその色のトナーをよく消費するカラーレーザプリンタ60に取り付けらてトナーカートリッジ40内のトナーが早期に消費されるれることが望ましいからである。なお、トナーカートリッジの交換頻度は、機器使用データベース29に登録されたデータのうち同一のプリンタについての同一のトナー色の複数個の使用開始年月日や使用終了年月日から算出することができる。また、次の推定される使用開始年月日は、機器使用データベース29に登録されたデータのうち同一のプリンタについての同一のトナー色の複数個の使用開始年月日から推定することができる。さらに、トナーカートリッジ40の交換頻度としての所定頻度や次の推定される使用開始年月日の所定期間は、トナーカートリッジ40に充填されるトナーの量や性能などにより設定される。
【0028】
一方、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数を超えていたり、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数が所定枚数を超えていたり、あるいは、トナーカートリッジ40のトナー残量が所定量未満のときには、トナーカートリッジ40を再使用することはできない判定し、カートリッジIDと判定結果としての再使用が不可である旨とをモニタ26に表示出力すると共にプリンタ27から印字出力して(ステップS170)、再使用判定処理を終了する。
【0029】
以上説明した実施例の再使用判定装置20によれば、カラーレーザプリンタ60で使用され回収されたトナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けるだけでトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定することができると共にトナーカートリッジ40を再使用する際に補充すべきトナーの補充量と色とを出力することができる。この結果、トナーカートリッジ40の再使用の判定を短時間で容易に行なうことができると共にトナーの有効利用を図ることができる。しかも、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数やトナーカートリッジ40を用いた印字枚数,トナーカートリッジ40に残存するトナー残量に基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうから、再使用の判定をより適切に行なうことができる。
【0030】
また、実施例の再使用判定装置20によれば、カラーレーザプリンタ60によるトナーカートリッジ40の使用に関する情報を読み込んでデータベースを構築すると共にトナーカートリッジ40の交換頻度や次の推定される使用開始年月日に基づいて再使用可能と判定されたトナーカートリッジ40の供給先のカラーレーザプリンタ60を出力することができる。この結果、再使用されるトナーカートリッジ40を出力されたカラーレーザプリンタ60に供給することによりトナーが十分な機能を発揮できる期間内にトナーカートリッジ40内のトナーを消費することができる。即ち、再使用されるトナーカートリッジ40を有効に効果的に使用することができる供給先のカラーレーザプリンタ60をより適正に出力することができる。
【0031】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数やトナーカートリッジ40を用いた印字枚数,トナーカートリッジ40に残存するトナー残量に基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうものとしたが、これに加えて目視検査によるローラーへのフィルミングの有無によりトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしてもよい。また、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数に拘わらず、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数やトナーカートリッジ40に残存するトナー残量だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうものや、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうもの、トナーカートリッジ40に残存するトナー残量だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしても構わない。
【0032】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40の再使用の供給先としてのカラーレーザプリンタ60のプリンタIDを検索して出力するものとしたが、そのカラーレーザプリンタ60を所有する顧客の情報をプリンタIDと関連付けて機器使用データベース29に登録しておき、トナーカートリッジ40の再使用の供給先としてのカラーレーザプリンタ60を検索すると共に検索されたカラーレーザプリンタ60を所有する顧客の氏名や住所などの顧客情報を出力するものとしてもよい。
【0033】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40の交換頻度や次の使用開始年月日に基づいてトナーカートリッジ40を再使用する際の供給先としてのカラーレーザプリンタ60を検索して出力するものとしたが、トナーカートリッジ40の交換頻度だけに基づいてトナーカートリッジ40を再使用する際の供給先としてのカラーレーザプリンタ60を検索するものとしてもよい。
【0034】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けて再使用判定装置20と記憶素子50とを直接的に接続して情報を読み込むものとしたが、カートリッジ接続部28に代えて所定の周波数帯の電波を搬送波としてデータを送受信する送受信部を備え、記憶素子50を所定の周波数帯の電波を受信するとその電波からエネルギを得てその周波数帯の電波を搬送波としてデータを送受信するよう構成すれば、非接触により記憶素子50から情報を読み込むことができる。こうすれば、トナーカートリッジ40の再使用の判定をより迅速に行なうことができる。
【0035】
実施例の再使用判定装置20では、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタ60に用いられるトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしたが、トナーカートリッジ40が記憶素子50を備え、トナーカートリッジ40の使用に関する情報を記憶できるものであればよいから、複数感光体方式や直接転写方式のフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタや複写機、あるいはモノクロームの電子写真方式の画像形成装置として構成されたレーザプリンタや複写機に用いられるトナーカートリッジの再使用を判定するものとしてもよい。また、インクジェットプリンタにおけるインクカートリッジの再使用を判定するものに適用するものとしてもよい。
【0036】
実施例では、カラーレーザプリンタ60により使用に関する情報が書き込まれる記憶素子50を有するトナーカートリッジ40の再使用を判定する再使用判定装置20の形態として説明したが、同様なトナーカートリッジ40の再使用を判定する判定方法の形態としたり、カートリッジ接続部28を接続したコンピュータ本体22を実施例の再使用判定装置20として機能させるプログラムの形態としたり、同様なトナーカートリッジ40の再使用を判定する判定方法をコンピュータを用いて行なうためのプログラムの形態としてもよい。なお、プログラムの形態とする場合には、図6に例示する再使用判定処理の各ステップを適当なプログラミング言語を用いてプログラムすればよい。
【0037】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるトナーカートリッジ40の再使用判定装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】実施例の再使用判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。
【図3】トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。
【図4】トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。
【図5】トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。
【図6】再使用判定装置20により実行される再使用判定処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 再使用判定装置、22 コンピュータ本体、23 CPU、24 ROM、25 RAM、26 モニタ、27 プリンタ、28 カートリッジ接続部、29 機器使用データベース、40,50C,40M,40Y,40K トナーカートリッジ、42 収納部、50,50C,50M,50Y,50K 記憶素子、52 メモリセル、54 リード・ライト制御部、56 アドレスカウンタ、60 カラーレーザプリンタ、61 現像器、62 露光器、63 感光体、64 転写ベルト、65 用紙カセット、66 搬送ユニット、67 二次転写ユニット、68 定着ユニット、69 可動接続部。
Claims (14)
- 記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、
前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得する情報取得手段と、
該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定する再使用判定手段と、
該再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定する補充量設定手段と、
前記情報取得手段により取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶する情報記憶手段と、
前記再使用判定手段により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記情報記憶手段に前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて、前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する供給先設定手段と、
前記再使用判定手段による判定結果と前記補充量設定手段により設定された補充量と前記供給先設定手段により設定された供給先の画像形成装置とを出力する出力手段と、
を備える記録剤カートリッジの再使用判定装置。 - 請求項1記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置であって、
前記使用情報は、記録剤カートリッジの前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日を情報の一つとして含み、
前記供給先設定手段は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置に記録剤カートリッジの交換頻度を演算し、該演算された交換頻度が所定頻度以上の画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定する手段である
記録剤カートリッジの再使用判定装置。 - 前記供給先設定手段は、前記使用情報としての前記画像形成装置における複数個の使用開始日または使用終了日情報に基づいて該画像形成装置における次の記録剤カートリッジの使用開始日を推定し、該推定した使用開始日が所定期間内となる画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定する手段である請求項2記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置。
- 請求項1ないし3いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置であって、
前記使用情報は、記録剤の色を情報の一つとして含み、
前記供給先設定手段は、前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの記録剤の色に基づいて前記供給先の画像形成装置を設定する手段である
記録剤カートリッジの再使用判定装置。 - 前記情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを、請求項1ないし4いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させるプログラム。
- 記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用されたときに該画像形成装置による記録剤の使用に関する使用情報と該画像形成装置を識別する装置識別情報とが該画像形成装置により書き込まれる記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用の判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用情報と前記装置識別情報とを含む情報を取得し、
(b)該取得した情報に基づいて該記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、
(c)該判定により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記使用情報に基づいて該記録剤カートリッジへの記録剤の補充量を設定し、
(d)前記取得した前記使用情報を前記装置識別情報に関連付けてデータベース化して記憶し、
(e)前記判定により前記記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたとき、前記装置識別情報に関連付けて記憶された前記使用情報に基づいて前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの供給先の画像形成装置を設定する
記録剤カートリッジの再使用の判定方法。 - 請求項6記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法であって、
前記使用情報は、記録剤カートリッジの前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日を情報の一つとして含み、
前記ステップ(e)は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置に記録剤カートリッジの交換頻度を演算し、該演算された交換頻度が所定頻度以上の画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定するステップである
記録剤カートリッジの再使用の判定方法。 - 前記ステップ(e)は、前記使用情報としての前記画像形成装置における使用開始日または使用終了日に基づいて該画像形成装置における次の記録剤カートリッジの使用開始日を推定し、該推定した使用開始日が所定期間内となる画像形成装置を前記供給先の画像形成装置として設定するステップである請求項7記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法。
- 請求項6ないし8いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法であって、
前記使用情報は、記録剤の色を情報の一つとして含み、
前記ステップ(e)は、前記再使用が可能と判定された記録剤カートリッジの記録剤の色に基づいて前記供給先の画像形成装置を設定するステップである
記録剤カートリッジの再使用の判定方法。 - 請求項6ないし9いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法であって、
前記使用情報は、画像形成枚数および/または記録剤の残量を情報として含み、
前記ステップ(b)は、前記画像形成枚数が所定枚数以下および/または前記記録剤の残量が所定量以上のときに再使用可能と判定するステップである
記録剤カートリッジの再使用の判定方法。 - 請求項10記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法であって、
前記記憶素子は、前記記録剤カートリッジの製造日を情報の一つとして記憶する素子であり、
前記ステップ(b)は、前記記憶素子に記憶された前記記録剤カートリッジの製造日から所定日数経過していないときに再使用可能と判定するステップである
記録剤カートリッジの再使用の判定方法。 - 請求項6ないし11いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法であって、
前記使用情報は、記録剤使用量を情報の一つとして含み、
前記ステップ(b)は、前記取得した使用情報における記録剤使用量に基づいて補充量を設定するステップである
記録剤カートリッジの再使用の判定方法。 - コンピュータに前記ステップ(a)ないし(e)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果と前記ステップ(c)により設定した記録剤の補充量と前記ステップ(e)により設定した供給先の画像形成装置とを出力させる請求項6ないし12いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用の判定方法。
- 記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に装着される記録剤カートリッジであって、
前記画像形成装置の識別情報と、該識別情報を有する画像形成装置における前記記録剤の使用開始日または使用終了日の情報とを記憶する記憶素子
を備える記録剤カートリッジ。
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