JP4039318B2 - 画像形成装置の推奨品判定方法および推奨品判定装置並びにこれらに用いるプログラム - Google Patents

画像形成装置の推奨品判定方法および推奨品判定装置並びにこれらに用いるプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置の推奨品判定方法および推奨品判定装置並びにこれらに用いるプログラムに関し、詳しくは、画像形成装置の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定方法および推奨品判定装置並びにコンピュータを推奨品判定装置として機能させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーレーザプリンタや複写機などの画像形成装置は、使用目的に応じた様々なスペックの製品が提供されている。こうした画像形成装置を設置する際には、設置場所の使用状況を想定して必要なスペックを見積もり、設置する装置の推奨品を判定している。そして、設置した装置を交換する際には、明らかな不具合がない限り、設置時と同程度のスペックの装置で交換している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした画像形成装置の推奨品の判定では、実際の使用状況を正確に見積もることは困難であるため想定した使用状況とは異なることがある。この場合、推奨品として設置した装置は実際の使用状況に適合しない不適切なスペックとなってしまう。また、設置時には適切なスペックの装置であったとしても、その後の使用状況の変化により不適切なスペックとなってしまうこともある。従って、こうした画像形成装置を交換する際に、設置した装置と同程度のスペックの装置で交換しても不適切なスペックの装置を継続して使用することになり、必要以上の早期に交換しなければならなくなってしまう。
【0004】
本発明の画像形成装置の推奨品判定方法および推奨品判定装置は、画像形成装置を交換する際の推奨品を適切に判定することを目的の一つとする。また、本発明の画像形成装置の推奨品判定方法および推奨品判定装置は、画像形成装置を交換する際の推奨品を容易に判定することを目的の一つとする。本発明の推奨品判定方法や推奨品判定装置に用いるプログラムは、コンピュータを画像形成装置を交換する際の推奨品を容易に適切に判定する装置として機能させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の画像形成装置の推奨品判定方法および推奨品判定装置並びにこれらに用いるプログラムは、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の画像形成装置の推奨品判定方法は、
画像形成装置の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定方法であって、
(a)性能の異なる複数の画像形成装置の情報を装置情報として記憶しておき、
(b)前記画像形成装置が装着しているトナーカートリッジの記憶素子に、該画像形成装置の使用に関する使用情報を含む情報を記憶させ、
(c)前記記憶素子から前記使用情報を取得し、
(d)該取得した使用情報に基づいて前記記憶しておいた装置情報から該使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共に該選出した装置情報に係る画像形成装置を推奨品として判定する
ことを要旨とする。
【0007】
この本発明の画像形成装置の推奨品判定方法によれば、性能の異なる複数の画像形成装置の情報を装置情報として記憶しておき、画像形成装置が装着しているトナーカートリッジの記憶素子にその画像形成装置の使用に関する使用情報を含む情報を記憶させ、これを記憶素子から取得し、この取得した使用情報に基づいて記憶しておいた装置情報から使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共にこの選出した装置情報に係る画像形成装置を推奨品として判定するから、画像形成装置の実際の使用状況を考慮して、より適切に且つ容易に推奨品を判定することができる。
【0008】
こうした本発明の画像形成装置の推奨品判定方法において、前記ステップ(d)は、(d1)前記取得した使用情報に基づいて推奨品としての画像形成装置の性能を判定し、(d2)前記記憶しておいた装置情報から前記判定した性能に適合する装置情報を選出し、(d3)該選出した装置情報に係る画像形成装置を推奨品として判定する、ステップであるものとすることもできる。この場合、前記ステップ(d2)は、前記記憶しておいた装置情報から前記判定した性能の直近上位または直近下位の性能を有する画像形成装置に係る装置情報を選出するステップであるものとすることもできるし、前記ステップ(d1)は、前記トナーカートリッジが取り外されてから所定期間経過した時における画像形成装置の性能を判定するステップであるものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の画像形成装置の推奨品判定方法において、前記ステップ(d)は、前記取得した使用情報のうち前記トナーカートリッジが取り外された時以前の所定期間における使用に関する情報に基づいて装置情報を選出するステップであるものとすることもできる。こうすれば、最近の使用情報のみに基づいて推奨品を判定することができる。
【0010】
さらに、本発明の画像形成装置の推奨品判定方法において、前記使用情報は前記画像形成装置に装着されたトナーカートリッジ毎の使用期間を情報の一つとして含み、前記ステップ(d)は前記使用期間が短いほど画像形成速度の速い画像形成装置に係る装置情報を選出するステップであるものとすることもできるし、前記使用情報はトナー総使用量を情報の一つとして含み、前記ステップ(d)は前記トナー総使用量が多いほど容量の大きなトナーカートリッジを装着可能な画像形成装置に係る装置情報を選出するステップであるものとすることもできるし、前記使用情報は単位時間当たりの平均画像形成枚数を情報の一つとして含み、前記ステップ(d)は前記平均画像形成枚数が多いほど容量の大きな用紙カセットを装着可能な画像形成装置に係る装置情報を選出するステップであるものとすることもできる。こうすれば、装着されたトナーカートリッジ毎の使用期間やトナー総使用量,単位時間当たりの平均画像形成枚数を考慮して、推奨品を判定することができる。
【0011】
本発明の画像形成装置の推奨品を判定する際に用いるプログラムは、コンピュータに、上述の本発明の画像形成装置の推奨品判定方法におけるステップ(b)を除く各ステップ、即ち、基本的には、(a)性能の異なる複数の画像形成装置の情報を装置情報として記憶しておくステップと、(c)トナーカートリッジの記憶素子から画像形成装置の使用に関する使用情報を取得するステップと、(d)該取得した使用情報に基づいて前記記憶しておいた装置情報から該使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共に該選出した装置情報に係る画像形成装置を推奨品として判定するステップの各ステップを各手順として実行させることを要旨とする。
【0012】
この本発明のプログラムによれば、コンピュータにインストールして実行させることにより、コンピュータを画像形成装置の使用情報に基づいて画像形成装置を交換する際の推奨品を判定する推奨品判定装置として機能させることができる。
【0013】
本発明の画像形成装置の推奨品判定装置は、
画像形成装置の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定装置であって、
性能の異なる複数の画像形成装置に関する装置情報を情報の一つとして記憶すると共に他の情報を記憶可能な情報記憶手段と、
前記画像形成装置に装着可能なトナーカートリッジが有する記憶素子と電気的に接続可能な接続手段と、
該接続手段により前記記憶素子に電気的に接続されている状態で、該記憶素子から該記憶素子に前記画像形成装置により書き込まれた該画像形成装置の使用に関する使用情報を入力すると共に該入力した使用情報を前記情報記憶手段に記憶させる使用情報入力制御手段と、
前記情報記憶手段に記憶した使用情報に該情報記憶手段に記憶している装置情報から該使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共に該選出した装置情報を推奨品の情報として出力する情報選出制御手段と、
を備えることを要旨とする。
【0014】
この本発明の画像形成装置の推奨品判定装置では、接続手段によってトナーカートリッジの記憶素子に電気的に接続されている状態で、この記憶素子に画像形成装置によって書き込まれた画像形成装置の使用に関する使用情報を入力する。そして、この入力した使用情報に基づいてその画像形成装置の設置場所に適合する画像形成装置の情報(装置情報)を選出し、選出した装置情報を推奨品の情報として出力する。この結果、画像形成装置の交換の際の推奨品を容易に且つ適切に判定することができる。
【0015】
本発明の推奨品判定装置用のプログラムは、画像形成装置に装着可能なトナーカートリッジが有する記憶素子と電気的に接続可能な接続手段を備えるコンピュータを前述の本発明の画像形成装置の推奨品判定装置、即ち、画像形成装置の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定装置であって、性能の異なる複数の画像形成装置に関する装置情報を情報の一つとして記憶すると共に他の情報を記憶可能な情報記憶手段と、前記画像形成装置に装着可能なトナーカートリッジが有する記憶素子と電気的に接続可能な接続手段と、該接続手段により前記記憶素子に電気的に接続されている状態で、該記憶素子から該記憶素子に前記画像形成装置により書き込まれた該画像形成装置の使用に関する使用情報を入力すると共に該入力した使用情報を前記情報記憶手段に記憶させる使用情報入力制御手段と、前記情報記憶手段に記憶した使用情報に該情報記憶手段に記憶している装置情報から該使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共に該選出した装置情報を推奨品の情報として出力する情報選出制御手段と、を備える推奨品判定装置として機能させることを要旨とする。
【0016】
この本発明の推奨品判定装置用のプログラムによれば、画像形成装置に装着可能なトナーカートリッジが有する記憶素子と電気的に接続可能な接続手段を備えるコンピュータにインストールして実行させることにより、コンピュータを画像形成装置の使用情報に基づいて画像形成装置を交換する際の推奨品を判定する推奨品判定装置として機能させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例としての画像形成装置として機能するカラーレーザプリンタ60を交換する際の推奨品判定装置20の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例の推奨品判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。実施例の推奨品判定装置20は、図1および図2に示すように、CPU23やROM24やRAM25や図示しない入出力インタフェースを有する汎用のコンピュータ本体22と、コンピュータ本体22に接続されたモニタ26と、コンピュータ本体22にインストールされたデータベース29と、コンピュータ本体22の図示しない入出力インタフェースを介して接続されトナーカートリッジ40を取り付けられるカートリッジ接続部28とを備え、カートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50から後述するカラーレーザプリンタの使用に関する情報を読み込んでカラーレーザプリンタを交換する際の推奨品を判定する。
【0018】
記憶素子50は、図2に示すように、データを記憶するメモリセル52と、このメモリセル52におけるデータの読み書きを制御するリード・ライト制御部54と、クロック信号CLKに基づいてリード・ライト制御部54を介して実施例の推奨品判定装置20やカラーレーザプリンタ本体のコントローラとデータのやり取りを行なう際のカウントアップを行なうアドレスカウンタ56とを備える。こうした記憶素子50としては、例えば、EEPROMを用いることができる。図3は、トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。実施例のトナーカートリッジ40では、図示するように、その端部に設けられた収納部42の内側に記憶素子50が取り付けられている。
【0019】
図4は、トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。トナーカートリッジ40が取り付けられるカラーレーザプリンタ60は、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されており、図3に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された画像を現像器61に装着された各色のトナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kから供給される各色のトナーを用いて各色毎に露光器62により静電潜像が形成された感光体63上にトナー像を形成すると共に形成したトナー像を中間転写体としての転写ベルト64に重ねて転写し、この転写ベルト64上に重ねて転写された4色のトナー像を用紙カセット65から供給され搬送ユニット66により搬送された用紙に二次転写ユニット67で転写し、用紙上に転写されたトナー像を定着ユニット68により用紙に融着定着させてカラー像を用紙上に形成する。このように各色のトナー像を感光体63上に形成できるように現像器61は回転可能に構成されている。また、カラーレーザプリンタ60は、現像器61に装着された各トナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kの各記憶素子50C,50M,50Y,50Kが図中下部右側に位置したときにその記憶素子に接続する可動接続部69を備え、図示しないカラーレーザプリンタ60のコントローラからカラーレーザプリンタ60の使用に関する情報を接続した記憶素子に書き込む。カラーレーザプリンタ60のコントローラと記憶素子との電気的な接続関係は図2に例示した推奨品判定装置20と記憶素子50との接続関係と同様であるのでその図示と詳細な説明は省略する。
【0020】
図5は、トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。実施例では、記憶素子50には、図示するように、トナーカートリッジ40の使用に関する情報とカラーレーザプリンタ60の使用が開始されてからの累積使用に関する情報が記憶されている。トナーカートリッジ40の使用に関する情報としては、トナーカートリッジ40のID(カートリッジID),トナーカートリッジ40に詰められているトナーの色,取り付けられたカラーレーザプリンタ60のID(プリンタID),トナーカートリッジ40がカラーレーザプリンタ60に取り付けられた年月日,カラーレーザプリンタ60から取り外された年月日,カラーレーザプリンタ60によりそのトナーカートリッジ40を用いて画像を印刷した印字枚数,トナーカートリッジ40内に残存するトナー残量などが挙げられる。また、カラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報としては、カラーレーザプリンタ60の使用が開始された年月日,カラーレーザプリンタ60の使用が開始されてからのトナーカートリッジ40の取り替え年月日の履歴,カラーレーザプリンタ60の使用が開始されてからの1月当たりの平均印字枚数,カラーレーザプリンタ60で使用されたトナーの色毎のトナー総使用量などが挙げられる。これらの情報のうち、カートリッジIDやトナーカートリッジ40のトナー色についてはトナーカートリッジ40を製造した際や再使用する際に工場などで記憶素子50への書き込みが行なわれ、その他のトナーカートリッジ40に関する情報やカラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報についてはカラーレーザプリンタ60によりトナーカートリッジ40が装着されたときやトナーカートリッジ40が取り外される際に記憶素子50に書き込まれる。なお、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数やトナー残量などのトナーカートリッジ40の使用に関する情報は、トナーカートリッジ40の再使用を判断する際に用いられる。
【0021】
次に、実施例の推奨品判定装置20の動作について説明する。図6は、カートリッジ接続部28にトナーカートリッジ40が取り付けられたときに実施例の推奨品判定装置20により実行されるカラーレーザプリンタ60の推奨品判定処理の一例を示すフローチャートである。推奨品判定処理では、まず、トナーカートリッジ40の記憶素子50からプリンタIDやカートリッジ取り替え履歴,月平均印字枚数,トナー色毎のトナー総使用量などのカラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報を読み込む処理を実行する(ステップS100)。こうした情報の読み込み処理は、コンピュータ本体22からカートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50のリード・ライト制御部54に対してリード信号を出力することにより行なわれる。
【0022】
続いて、読み込んだカートリッジ取り替え履歴に基づいて、推奨スペックとしての印刷スピードを判定する(ステップS110)。印刷スピードの判定は、実施例では、カートリッジ取り替え履歴よりカートリッジ1個当たりの平均使用日数を算出し、算出した平均使用日数から推奨する印刷スピードを導出するものとした。即ち、平均使用日数と推奨する印刷スピードとの関係を実験などにより定めて予め印刷スピード設定マップとしてROM24に記憶しておき、平均使用日数が算出されると、対応する印刷スピードを印刷スピード設定マップから読み込むものとした。なお、実施例の印刷スピード設定マップでは、カートリッジ1個当たりの平均使用日数が短いほど印字量の多い使用形態であると想定されるから、印刷スピードも速くなるように調整した。また、平均使用日数の算出は、実施例では、カートリッジ取り替え履歴のうち最近6ヶ月間の履歴を用いて行なうものとした。従って、最近6ヶ月より以前の古い情報は考慮されない。
【0023】
次に、ステップS100で読み込んだ月平均印字枚数に基づいて、推奨スペックとしての給紙量を判定する(ステップS120)。給紙量の判定は、実施例では、月平均印字枚数と推奨する給紙量との関係を実験などにより定めて予め給紙量設定マップとしてROM24に記憶しておき、月平均印字枚数が読み込まれると、対応する給紙量を給紙量設定マップから読み込むものとした。なお、実施例の給紙量設定マップでは、月平均印字枚数が多いほど印刷で用いる用紙量が多い使用形態であると想定されるから、推奨する給紙量も多くなるように調整した。
【0024】
続いて、ステップS100で読み込んだトナーの色毎のトナー総使用量に基づいて推奨スペックとしての適正カラーモードを判定する(ステップS130)。適正カラーモードの判定は、実施例では、トナーの色毎のトナー総使用量より各トナー色の使用比率を算出し、ブラック(K)のトナーの使用比率が所定値(例えば、80%)を超えるときにはモノクロモードを,ブラック(K)以外のトナーの使用比率が所定値(例えば、60%)を超えるときにはカラーモードをそれぞれ適正カラーモードとして判定するものとした。ここで、適正カラーモードとは、プリンタがカラー印刷とモノクロ印刷のどちらにより適しているかを表すスペックであり、例えば、適正カラーモードがモノクロモードのプリンタとしては、ブラック(K)のトナーカートリッジの容量が他の色のトナーカートリッジの容量よりも大きくなるように構成されているものが挙げられる。なお、いずれのモードも適正カラーモードとして判定されない場合には、いずれのモードでも良いものとして判定される。
【0025】
こうして各スペックの推奨値が判定されると、判定された推奨値に基づいて製品データベースから推奨品情報を抽出する(ステップS140)。図7はデータベース29に格納された製品データベースに記憶される情報の一例を示す説明図である。製品データベースには、図示するように、プリンタの製品名,そのプリンタの印刷処理のスピード,用紙トレイや用紙カセットに格納できる用紙枚数である給紙量,カラー印刷とモノクロ印刷の適正を表す適正カラーモード,プリンタを起動したときに要するウォームアップ時間,プリンタの重量,プリンタが使用中に消費する電力などの情報が記憶されている。製品データベースからの推奨品情報の抽出は、実施例では、判定された各スペックの推奨値を全て満たす製品のうち推奨値に最も近い製品を推奨品として選出して製品データベースから抽出するものとした。例えば、推奨スペックとして、印刷スピードは30PPM(1分当たりの印刷枚数),給紙量は1250枚,適正カラーモードはモノクロモードと判定されている場合、印刷スピードが30PPM以上であって,給紙量が1250枚以上であり,且つ適正カラーモードがモノクロモードである製品のうち最も推奨値に近い製品の情報を推奨品情報として製品データベースから抽出する。
【0026】
製品データベースから推奨品情報が抽出されると、判定した推奨スペックや抽出した推奨品情報などを判定結果としてモニタ26へ出力すると共にデータベース29へ出力し、推奨品判定処理を終了する。図8はモニタ26に出力される判定結果表示画面の一例を示す説明図である。判定結果表示画面120では、図示するように、交換前のプリンタに関する情報や判定した推奨スペックの情報,推奨品としてのプリンタ情報が表示される。
【0027】
以上説明した実施例の推奨品判定装置20によれば、カラーレーザプリンタ60で使用され回収されたトナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けるだけでカラーレーザプリンタ60を交換する際の推奨品を判定することができる。しかも、カラーレーザプリンタ60の実際の使用情報に基づいて推奨品を判定するから、より適切に推奨品を判定することができる。
【0028】
実施例の推奨品判定装置20では、カラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報として、カートリッジ取り替え履歴や月平均印字枚数,トナー色毎のトナー総使用量を用いたが、これらの情報に限られず、例えばジャム発生率や高画質モード使用率,高速モード使用率などのカラーレーザプリンタ60を交換する際の推奨品を判定するために用いることができる情報であればよい。また、実施例の推奨品判定装置20では、読み込んだカートリッジ取り替え履歴のうち最近6ヶ月間の履歴を用いて推奨スペックを判定したが、最近の所定期間における情報であればよく、例えば最近3ヶ月間や最近12ヶ月間の履歴を用いてもよい。また、カートリッジ取り替え履歴に限られず、月平均印字枚数やトナー色毎のトナー総使用量などの他の累積使用に関する情報についても、カラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報のうち最近の所定期間における情報のみを用いるものとしても構わない。
【0029】
実施例の推奨品判定装置20では、読み込んだカラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報に基づいて印刷スピードや給紙量,適正カラーモードなどの推奨スペックを判定するものとしたが、これらのスペックに限られず、解像度や内蔵RAM容量,排紙容量などの他のスペックを推奨スペックとして判定するものとしてもよい。また、推奨スペックの判定を行なわず、カラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報から直接、推奨品を判定するものとしてもよい。この場合、カートリッジ1個当たりの平均使用日数や月平均印字枚数などのカラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報と推奨品との関係を予め推奨品導出マップとしてROM24やデータベース29に記憶しておき、カラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報が読み込まれたときに対応する推奨品の情報を推奨品導出マップから読み込むものとすればよい。
【0030】
実施例の推奨品判定装置20では、トナーカートリッジ40が回収された時におけるカラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報に基づいて推奨スペックを判定するものとしたが、トナーカートリッジ40が取り外されてから所定期間経過した時における推奨スペックを判定するものとしてもよい。例えば、判定された各スペックの推奨値に適当な係数(例えば、1.2)を乗じて得た値を所定期間経過時における推奨スペックとして用いてもよい。この場合の判定結果表示画面の一例を図9に示す。図示する判定結果表示画面120Bでは、図8の判定結果表示画面120との比較から解かるように、印刷スピードや給紙量などの推奨スペックの推奨値はカラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報に基づいて判定された値を1.2倍した値となっており、この1.2倍した推奨値を満たす製品が推奨品として選出されている。こうすれば、カラーレーザプリンタ60の将来の交換予定時における推奨品を判定することができる。また、カラーレーザプリンタ60の累積使用に関する情報から単位時間当たりの変化量を算出し、この変化量を用いて所定期間経過時における累積使用情報を予測して推奨スペックを判定するものとしてもよい。
【0031】
実施例の推奨品判定装置20では、判定された各スペックの推奨値を全て満たす製品のうち推奨値に最も近い製品を推奨品として選出するものとしたが、各スペックの推奨値の全てを満たす製品が存在しないときには、推奨値に最も近い製品を選出するものとしてもよい。この場合、各推奨スペックに設定された優先順位に従って推奨品を選出するものとしてもよく、例えば、印刷スピードの推奨値を優先的に満たすように推奨品を選出するものとしてもよい。さらに、選出する推奨品は1件に限られず、所定の条件に従って複数件の推奨品を選出するものとしても構わない。また、推奨品の選出方法は、これらの方法に限られず、判定された各スペックの推奨値に基づいて推奨品を特定できる方法であれば差し支えない。
【0032】
実施例の推奨品判定装置20では、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタ60の交換の際の推奨品を判定するものとしたが、トナーカートリッジ40が記憶素子50を備え、カラーレーザプリンタ60の使用に関する情報を記憶できるものであればよいから、複数感光体方式や直接転写方式のフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタや複写機、あるいはモノクロームの電子写真方式の画像形成装置として構成されたレーザプリンタや複写機を交換する際の推奨品を判定するものとしてもよい。
【0033】
実施例では、取り替え可能に装着されたトナーカートリッジ40が有する記憶素子50に使用に関する情報を書き込むカラーレーザプリンタ60の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定装置20の形態として説明したが、同様なカラーレーザプリンタ60の交換の際の推奨品を判定する判定方法の形態としたり、カートリッジ接続部28を接続したコンピュータ本体22を実施例の推奨品判定装置20として機能させるプログラムの形態としたり、同様なカラーレーザプリンタ60の交換の際の推奨品を判定する判定方法をコンピュータを用いて行なうためのプログラムの形態としてもよい。なお、プログラムの形態とする場合には、図6に例示する推奨品判定処理の各ステップを適当なプログラミング言語を用いてプログラムすればよい。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるカラーレーザプリンタ60の推奨品判定装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の推奨品判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。
【図3】 トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。
【図4】 トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。
【図5】 トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。
【図6】 推奨品判定装置20により実行される推奨品判定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】 製品データベースに記憶される情報の一例を示す説明図である。
【図8】 判定結果表示画面120の一例を示す説明図である。
【図9】 変形例の判定結果表示画面120Bの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
20 推奨品判定装置、22 コンピュータ本体、23 CPU、24 ROM、25 RAM、26 モニタ、28 カートリッジ接続部、29 データベース、40,40C,40M,40Y,40K トナーカートリッジ、42 収納部、50,50C,50M,50Y,50K 記憶素子、52 メモリセル、54 リード・ライト制御部、56 アドレスカウンタ、60 カラーレーザプリンタ、61 現像器、62 露光器、63 感光体、64 転写ベルト、65用紙カセット、66 搬送ユニット、67 二次転写ユニット、68 定着ユニット、69 可動接続部、120,120B 判定結果表示画面。

Claims (11)

  1. 画像形成装置の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定方法であって、
    (a)性能の異なる複数の画像形成装置の情報を装置情報として記憶しておき、
    (b)前記画像形成装置が装着しているトナーカートリッジの記憶素子に、該画像形成装置の使用に関する使用情報を含む情報を記憶させ、
    (c)前記記憶素子から前記使用情報を取得し、
    (d)該取得した使用情報に基づいて前記記憶しておいた装置情報から該使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共に該選出した装置情報に係る画像形成装置を推奨品としてコンピュータが判定する
    推奨品判定方法。
  2. 前記ステップ(d)は、(d1)前記取得した使用情報に基づいて推奨品としての画像形成装置の性能をコンピュータが判定し、(d2)前記記憶しておいた装置情報から前記判定した性能に適合する装置情報をコンピュータが選出し、(d3)該選出した装置情報に係る画像形成装置を推奨品としてコンピュータが判定する、ステップである請求項1記載の推奨品判定方法。
  3. 前記ステップ(d2)は、前記記憶しておいた装置情報から前記判定した性能の直近上位または直近下位の性能を有する画像形成装置に係る装置情報をコンピュータが選出するステップである請求項2記載の推奨品判定方法。
  4. 前記ステップ(d1)は、前記トナーカートリッジが取り外されてから所定期間経過した時における画像形成装置の性能をコンピュータが判定するステップである請求項2または3記載の推奨品判定方法。
  5. 前記ステップ(d)は、前記取得した使用情報のうち前記トナーカートリッジが取り外された時以前の所定期間における使用に関する情報に基づいて装置情報をコンピュータが選出するステップである請求項1ないし4いずれか記載の推奨品判定方法。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の推奨品判定方法であって、
    前記使用情報は、前記画像形成装置に装着されたトナーカートリッジ毎の使用期間を情報の一つとして含み、
    前記ステップ(d)は、前記使用期間が短いほど画像形成速度の速い画像形成装置に係る装置情報をコンピュータが選出するステップである
    推奨品判定方法。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の推奨品判定方法であって、
    前記使用情報は、トナー総使用量を情報の一つとして含み、
    前記ステップ(d)は、前記トナー総使用量が多いほど容量の大きなトナーカートリッジを装着可能な画像形成装置に係る装置情報をコンピュータが選出するステップである
    推奨品判定方法。
  8. 請求項1ないし7いずれか記載の推奨品判定方法であって、
    前記使用情報は、単位時間当たりの平均画像形成枚数を情報の一つとして含み、
    前記ステップ(d)は、前記平均画像形成枚数が多いほど容量の大きな用紙カセットを装着可能な画像形成装置に係る装置情報をコンピュータが選出するステップである
    推奨品判定方法。
  9. コンピュータに請求項1ないし8いずれか記載の推奨品判定方法におけるステップ(b)を除く各ステップを各手順として実行させるプログラム。
  10. 画像形成装置の交換の際の推奨品を判定する推奨品判定装置であって、
    性能の異なる複数の画像形成装置に関する装置情報を情報の一つとして記憶すると共に他の情報を記憶可能な情報記憶手段と、
    前記画像形成装置に装着可能なトナーカートリッジが有する記憶素子と電気的に接続可能な接続手段と、
    該接続手段により前記記憶素子に電気的に接続されている状態で、該記憶素子から該記憶素子に前記画像形成装置により書き込まれた該画像形成装置の使用に関する使用情報を入力すると共に該入力した使用情報を前記情報記憶手段に記憶させる使用情報入力制御手段と、
    前記情報記憶手段に記憶した使用情報に基づいて該情報記憶手段に記憶している装置情報から該使用情報に係る画像形成装置の設置場所に適合する装置情報を選出すると共に該選出した装置情報を推奨品の情報として出力する情報選出制御手段と、
    を備える推奨品判定装置。
  11. 画像形成装置に装着可能なトナーカートリッジが有する記憶素子と電気的に接続可能な接続手段を備えるコンピュータを請求項10記載の推奨品判定装置として機能させるプログラム。
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