JP3903955B2 - 記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナーカートリッジの再使用の判定装置および判定方法並びにこれに用いるプログラムに関し、詳しくは、トナーを用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され、該使用に関する情報を記憶する記憶素子を有するトナーカートリッジの再使用を判定する再使用判定装置およびその再使用判定方法並びにこれに用いるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラーレーザプリンタや複写機に用いられるトナーカートリッジは、使用後は回収されて再使用に供される。このトナーカートリッジの再使用を判断する際には、カートリッジに残存しているトナーを廃棄して清掃し、カートリッジの各部を点検している。そして、必要に応じて部品の取り替えを行った後、任意の色のトナーを充填して再使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたトナーカートリッジの再使用の判断は、人の目視によって行われるため、トナーカートリッジの再使用の判断に時間や労力を要すると共に判断する人によって判断基準が異なる場合が生じる。また、トナーカートリッジの再使用の判定基準については、充填されていたトナーの色や再使用の際に充填するトナーの色は考慮されておらず、一律に行われていた。このため、充填されていたトナーの色あるいは再使用の際に充填するトナーの色によっては再使用可能であるにも拘わらず、再使用不可と判定される場合もあった。
【0004】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、カートリッジの有効利用を目的の一つとする。さらに、本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法は、記録剤カートリッジの再使用の判定を容易に行うことを目的の一つとする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の記録剤カートリッジの再使用の判定装置および判定方法並びにこれに用いるプログラムは、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され該使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、
前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用記録剤情報を取得する情報取得手段と、
該取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する再使用判定手段と、
該判定結果を出力する出力手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置では、記録剤カートリッジが有する記憶素子から使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を取得し、この取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定し、その判定結果を出力する。したがって、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで、より適正に記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定することができる。ここで、画像形成装置がカラーレーザプリンタやカラー複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がカラーインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0008】
こうした本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記再使用判定手段は、それまで充填されていた記録剤の色と同一色の記録剤を充填する再使用の可否を判定し、該同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときに異なる色の記録剤を充填する再使用の可否を判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、まず、同一色の記録剤を充填する再使用を判定し、その後、異なる色の記録剤を充填する再使用を判定することができる。この場合、前記再使用判定手段は、前記同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときには特定色の記録剤を充填する再使用の可否を判定する手段であるものとすることもできる。ここで、特定色は黒であるものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置において、前記使用記録剤情報は前記記録剤カートリッジの製造日および/または前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数を情報の一つとして含み、前記再使用判定手段は前記記録剤カートリッジの製造日および/または前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数に基づいて該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、記録剤カートリッジの製造日やこれまでの再使用回数に基づいて、より適正に記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定することができる。
【0010】
本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置用のプログラムは、前記情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを、上述のいずれかの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置、即ち、基本的には、記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され該使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、前記記録剤カートリッジが取り付けられたときに該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用記録剤情報を取得する情報取得手段と、該取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する再使用判定手段と、該判定結果を出力する出力手段と、を備える記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させることを要旨とする。
【0011】
この本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置用のプログラムでは、コンピュータを上述のいずれかの態様の本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させるから、本発明の記録剤カートリッジの再使用判定装置が奏する効果、例えば、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで、より適正に記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定することができる効果などを奏することができる。
【0012】
本発明の第1の記録剤カートリッジの再使用判定方法は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され該使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用記録剤情報を取得し、
(b)該取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する
ことを要旨とする。
【0013】
この本発明の第1の記録剤カートリッジの再使用判定方法によれば、記録剤カートリッジが有する記憶素子から使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を取得し、この取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定するから、回収した記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定することができる。ここで、画像形成装置がカラーレーザプリンタやカラー複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がカラーインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0014】
こうした本発明の第1の記録剤カートリッジの再使用判定方法において、前記ステップ(b)は、それまで充填されていた記録剤の色と同一色の記録剤を充填する再使用の可否を判定するステップ(b1)と、該同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときに異なる色の記録剤を充填する再使用の可否を判定するステップ(b2)とを含むステップであるものとすることもできる。こうすれば、まず、同一色の記録剤を充填する再使用を判定し、その後、異なる色の記録剤を充填する再使用を判定することができる。この場合、前記ステップ(b2)は前記同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときには特定色の記録剤を充填する再使用の可否を判定するステップであるものとすることもできるここで、特定色は黒であるものとすることもできる。
【0015】
また、本発明の第1の記録剤カートリッジの再使用判定方法において、前記使用情報は画像形成枚数を情報の一つとして含み、前記ステップ(b1)は前記画像形成枚数が第1の所定枚数以下のときに再使用可能と判定するステップであり、前記ステップ(b2)は前記画像形成枚数が前記第1の所定枚数より大きな第2の所定枚数以下のときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできるし、前記使用記録剤情報は前記記録剤カートリッジの製造日を情報の一つとして含み、前記ステップ(b1)は前記記録剤カートリッジの製造日から第1の所定日数を経過していないときに再使用可能と判定するステップであり、前記ステップ(b2)は前記記録剤カートリッジの製造日から前記第1の所定日数より大きい第2の所定日数を経過していないときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできるし、前記使用記録剤情報は前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数を情報の一つとして含み、前記ステップ(b1)は前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数が第1の所定回数以下のときに再使用可能と判定するステップであり、前記ステップ(b2)は前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数が前記第1の所定回数より大きい第2の所定回数以下のときに再使用可能と判定するステップであるものとすることもできる。こうすれば、画像形成枚数や製造日からの経過日数,再使用回数に対して、充填する記録剤の色毎に異なる基準で判定を行えるから、より適正に記録剤カートリッジの再使用の可否を判定できる。
【0016】
これら本発明の第1の記録剤カートリッジの再使用判定方法において、コンピュータに前記ステップ(a)および(b)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果を出力させるものとすることもできる。こうすれば、記録剤カートリッジの再使用の判定をより迅速に行うことができる。
【0017】
本発明の第2の記録剤カートリッジの再使用判定方法は、
記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され、該使用に関する情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用に関する情報を含む情報を取得し、
(b)該取得した情報に基づいて前記記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、
(c)該判定により再使用可能と判定されたとき、前記取得した情報に基づいて該再使用可能と判定された記録剤カートリッジに充填可能な記録剤の色を判定する
ことを要旨とする。
【0018】
この本発明の第2の記録剤カートリッジの再使用判定方法では、記録剤カートリッジが有する記憶素子から使用に関する情報を取得し、この取得した情報に基づいて記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、その判定結果を出力する。したがって、回収した記録剤カートリッジを取り付けるだけで、より適正に記録剤カートリッジの再使用の判定を行うことができる。また、記録剤カートリッジの再使用が可能と判定されたときには、さらに充填可能な記録剤の色を判定するから、より適正に記録剤カートリッジの再使用の可否を判定することができる。この場合、前記ステップ(c)は、前記記録剤カートリッジと同一の色の記録剤と黒色の記録剤の充填可否を判定するステップであるものとすることもできる。ここで、画像形成装置がカラーレーザプリンタやカラー複写機などの場合、記録剤はトナーが該当し、記録剤カートリッジはトナーカートリッジが該当する。また、画像形成装置がカラーインクジェットプリンタの場合、記録剤はインクが該当し、記録剤カートリッジはインクカートリッジが該当する。
【0019】
こうした本発明の第2の記録剤カートリッジの再使用判定方法において、コンピュータに前記ステップ(a)ないし(c)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果と前記ステップ(c)の判定結果とを出力させるものとすることもできる。こうすれば、記録剤カートリッジの再使用の判定をより迅速に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。図1は本発明の一実施例であるトナーカートリッジ40の再使用判定装置20の構成の概略を示す構成図であり、図2は実施例の再使用判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。実施例の再使用判定装置20は、図1および図2に示すように、CPU23やROM24やRAM25や図示しない入出力インタフェースを有する汎用のコンピュータ本体22と、コンピュータ本体22に接続されたモニタ26と、コンピュータ本体22に接続されたプリンタ27と、コンピュータ本体22の図示しない入出力インタフェースを介して接続されトナーカートリッジ40を取り付けられるカートリッジ接続部28とを備え、カートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50からトナーカートリッジ40の使用に関する情報を読み込んでトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定する。
【0021】
記憶素子50は、図2に示すように、データを記憶するメモリセル52と、このメモリセル52におけるデータの読み書きを制御するリード・ライト制御部54と、クロック信号CLKに基づいてリード・ライト制御部54を介して実施例の再使用判定装置20や後述するカラーレーザプリンタ本体のコントローラとデータのやり取りを行なう際のカウントアップを行なうアドレスカウンタ56とを備える。こうした記憶素子50としては、例えば、EEPROMを用いることができる。図3は、トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。実施例のトナーカートリッジ40では、図示するように、その端部に設けられた収納部42の内側に記憶素子50が取り付けられている。
【0022】
図4は、トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。トナーカートリッジ40が取り付けられるカラーレーザプリンタ60は、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されており、図3に示すように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色に色分解された画像を現像器61に装着された各色のトナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kから供給される各色のトナーを用いて各色毎に露光器62により静電潜像が形成された感光体63上にトナー像を形成すると共に形成したトナー像を中間転写体としての転写ベルト64に重ねて転写し、この転写ベルト64上に重ねて転写された4色のトナー像を用紙カセット65から供給され搬送ユニット66により搬送された用紙に二次転写ユニット67で転写し、用紙上に転写されたトナー像を定着ユニット68により用紙に融着定着させてカラー像を用紙上に形成する。このように各色のトナー像を感光体63上に形成できるように現像器61は回転可能に構成されている。また、カラーレーザプリンタ60は、現像器61に装着された各トナーカートリッジ40C,40M,40Y,40Kの各記憶素子50C,50M,50Y,50Kが図中下部右側に位置したときにその記憶素子に接続する可動接続部69を備え、図示しないカラーレーザプリンタ60のコントローラから対応するカートリッジのトナーの使用に関する情報を接続した記憶素子に書き込む。カラーレーザプリンタ60のコントローラと記憶素子との電気的な接続関係は図2に例示した再使用判定装置20と記憶素子50との接続関係と同様であるのでその図示と詳細な説明は省略する。
【0023】
図5は、トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。実施例では、記憶素子50には、図示するように、トナーカートリッジ40のID(カートリッジID),トナーカートリッジ40の製造年月日,トナーカートリッジ40に詰められているトナーの色,再使用(リユース)の回数,取り付けられたカラーレーザプリンタ60のID(プリンタID),カラーレーザプリンタ60に取り付けられて使用が開始された年月日,カラーレーザプリンタ60から取り外された年月日,カラーレーザプリンタ60によりそのトナーカートリッジ40を用いて画像を印刷した印字枚数,トナーカートリッジ40内に残存するトナー残量,カラーレーザプリンタ60が購入されてから画像を印刷した総印字枚数などの累積使用に関する情報などが記憶される。これらの情報のうち、カートリッジIDや製造年月日,トナー色,リユース回数についてはトナーカートリッジ40を製造した際や再使用する際に工場などで記憶素子50への書き込みが行なわれ、プリンタIDや使用開始年月日,使用終了年月日,印字枚数,トナー残量,プリンタの累積使用情報などについてはトナーカートリッジ40が装着されたカラーレーザプリンタ60によりトナーカートリッジ40が装着されたときやトナーカートリッジ40が取り外される際に記憶素子50に書き込まれる。
【0024】
次に、実施例の再使用判定装置20の動作について説明する。図6は、カートリッジ接続部28にトナーカートリッジ40が取り付けられたときに実施例の再使用判定装置20により実行されるトナーカートリッジ40の再使用判定処理の一例を示すフローチャートである。再使用判定処理では、まず、トナーカートリッジ40の記憶素子50からカートリッジIDや製造年月日,トナー色,リユース回数などのトナーカートリッジ40に関する情報と、使用終了年月日や印字枚数などのトナーカートリッジ40の使用に関する情報とを読み込む処理を実行する(ステップS100)。こうした情報の読み込み処理は、コンピュータ本体22からカートリッジ接続部28に取り付けられたトナーカートリッジ40の記憶素子50のリード・ライト制御部54に対してリード信号を出力することにより行なわれる。
【0025】
次に、読み込んだトナー色に対応する条件値を読み込む(ステップS110)。ここで条件値とは、後述する再使用の可否に関する判定で用いる値であり、実施例では、製造されてからの月数に対する所定月数(例えば、6ヶ月)や印字された枚数に対する所定枚数(例えば、1500枚),リユースの回数に対する所定回数(例えば、2回)をトナー色毎に実験などにより求めて用いた。なお、条件値の読み込みは、トナー色毎に求めた各値をマップとしてROM24に記憶しておき、読み込んだトナー色に対応する各値をマップから導出することにより行なうものとした。
【0026】
続いて、トナー色に対応する条件値とステップS100で読み込んだ製造年月日や印字枚数,リユース回数に基づいて、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数以内であるか否か、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数が所定枚数以下であるか否か、トナーカートリッジ40のリユース回数が所定回数以内であるか否かを判定し(ステップS120〜S140)、再使用の可否を判断する。これらの判定の結果、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数以内で、その印字枚数が所定枚数以下であり、且つ、トナーカートリッジ40のリユース回数が所定回数以内のときには、読み込んだトナー色で、即ち、同じ色のトナーを充填してトナーカートリッジ40を再使用することができると判定する(ステップS170)。
【0027】
一方、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数を超えていたり、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数が所定枚数を超えていたり、トナーカートリッジ40のリユース回数が所定回数を超えていたときには、同じ色のトナーを充填してトナーカートリッジ40を再使用することはできないと判断し、続いてトナー色がブラック(K)であるか否かを判定する(ステップS150)。トナー色がブラック(K)であると判定されたときには、トナーカートリッジ40は再使用することができないと判定する(ステップS180)。
【0028】
トナー色がブラック(K)でないと判定されたとき、即ち、トナー色がシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)のいずれかであるときには、トナー色をブラック(K)に変更し(ステップS160)、トナー色がブラック(K)の場合の条件値を読み込んで(ステップS110)、再び再使用の可否に関する判定を行う(ステップS120〜S140)。ここで、ブラック(K)のトナーを充填してトナーカートリッジ40を再使用する場合には、他の色のトナーを充填する場合と比較して、トナーカートリッジ40の劣化を許容できる傾向がある。従って、実験などにより求めたトナー色がブラック(K)の場合の条件値は、他の色に対応する条件値より大きな値、例えば、所定月数は6ヶ月より大きい10ヶ月,所定枚数は1500枚より大きい2000枚,所定回数は2回より大きい5回を用いることになる。
【0029】
トナー色がブラック(K)の場合の判定の結果、ブラック(K)のトナーを充填してトナーカートリッジ40を再使用することができないと判断されたときには、トナーカートリッジ40は再使用することができないと判定する(ステップS180)。一方、トナー色がブラック(K)の場合の判定の結果、トナーカートリッジ40が製造されてから所定月数以内で、その印字枚数が所定枚数以下であり、且つ、トナーカートリッジ40のリユース回数が所定回数以内のときには、変更されたトナー色で、即ち、ブラック(K)のトナーを充填してトナーカートリッジ40を再使用することができると判定する(ステップS170)。
【0030】
こうして再使用の可否の判定がなされると、カートリッジIDと再使用の可否、および再使用可能と判定された場合には充填すべきトナーの色を判定結果としてモニタ26に表示出力すると共にプリンタ27から印字出力して(ステップS190)、再使用判定処理を終了する。
【0031】
以上説明した実施例の再使用判定装置20によれば、カラーレーザプリンタ60で使用され回収されたトナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けるだけでトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定することができる。しかも、同じ色のトナーを充填しての再使用が不可と判定されたときには、さらにブラック(K)のトナーを充填した場合の再使用の可否を判定するから、再使用の判定をより適正に行うことができる。この結果、トナーカートリッジ40を有効に利用することができる。
【0032】
実施例の再使用判定装置20では、同じ色のトナーを充填してトナーカートリッジ40を再使用することはできないと判断されたとき、トナー色がブラック(K)の場合の再使用の判定を再度行うものとしたが、トナー色がブラック(K)の場合でなくても、条件値が異なるトナー色の場合の再使用の判定を再度行うものであればよい。また、条件値の異なるトナー色が複数あるときには、そのトナー色分、再使用の判定を繰り返し行うものとしても構わない。
【0033】
実施例の再使用判定装置20では、トナー色が同じ色である場合の再使用の可否を判定し、同じ色のトナーを充填して再使用することができないと判断されたとき、トナー色がブラック(K)の場合の再使用の判定を再度行うものとしたが、いずれかのトナー色でトナーカートリッジ40の再使用の可否を判定し、再使用可能と判定されたときに充填可能なトナー色を判定するものとしてもよい。例えば、ブラック(K)で再使用の可否を判定して再使用可能と判定されたときに、リユース回数が5回以上であればブラック(K)のみを、3回以上5回未満であればブラック(K)に加えてシアン(C),マゼンダ(M)を、3回未満であれば、イエロー(Y)を加えたすべての色を、充填可能なトナー色であると判定するものとしてもよい。
【0034】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数やトナーカートリッジ40を用いた印字枚数,トナーカートリッジ40のリユース回数に基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうものとしたが、これに加えて目視検査によるローラーへのフィルミングの有無によりトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしてもよい。また、トナーカートリッジ40が製造されてからの月数に拘わらず、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数やトナーカートリッジ40のリユース回数だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうものや、トナーカートリッジ40を用いた印字枚数だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用の判定を行なうもの、トナーカートリッジ40のリユース回数だけに基づいてトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしても構わない。
【0035】
実施例の再使用判定装置20では、トナーカートリッジ40をカートリッジ接続部28に取り付けて再使用判定装置20と記憶素子50とを直接的に接続して情報を読み込むものとしたが、カートリッジ接続部28に代えて所定の周波数帯の電波を搬送波としてデータを送受信する送受信部を備え、記憶素子50を所定の周波数帯の電波を受信するとその電波からエネルギを得てその周波数帯の電波を搬送波としてデータを送受信するよう構成すれば、非接触により記憶素子50から情報を読み込むことができる。こうすれば、トナーカートリッジ40の再使用の判定をより迅速に行なうことができる。
【0036】
実施例の再使用判定装置20では、単一感光体方式と中間転写方式とを採用したフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタ60に用いられるトナーカートリッジ40の再使用を判定するものとしたが、トナーカートリッジ40が記憶素子50を備え、トナーカートリッジ40の使用に関する情報を記憶できるものであればよいから、複数感光体方式や直接転写方式のフルカラーの電子写真方式の画像形成装置として構成されたカラーレーザプリンタや複写機に用いられるトナーカートリッジの再使用を判定するものとしてもよい。また、インクジェットプリンタにおけるインクカートリッジの再使用を判定するものに適用するものとしてもよい。
【0037】
実施例や変形例では、カラーレーザプリンタ60により使用に関する情報が書き込まれる記憶素子50を有するトナーカートリッジ40の再使用を判定する再使用判定装置20の形態として説明したが、同様なトナーカートリッジ40の再使用を判定する判定方法の形態としたり、カートリッジ接続部28を接続したコンピュータ本体22を実施例の再使用判定装置20として機能させるプログラムの形態としたり、同様なトナーカートリッジ40の再使用を判定する判定方法をコンピュータを用いて行なうためのプログラムの形態としてもよい。なお、プログラムの形態とする場合には、図6に例示する再使用判定処理の各ステップを適当なプログラミング言語を用いてプログラムすればよい。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるトナーカートリッジ40の再使用判定装置20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】 実施例の再使用判定装置20の電気的な接続を機能ブロックで示すブロック図である。
【図3】 トナーカートリッジ40の外観の一例を示す外観図である。
【図4】 トナーカートリッジ40が取り付けられたカラーレーザプリンタ60の構成の概略を示す構成図である。
【図5】 トナーカートリッジ40の記憶素子50に記憶される情報の一例を示す説明図である。
【図6】 再使用判定装置20により実行される再使用判定処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 再使用判定装置、22 コンピュータ本体、23 CPU、24 ROM、25 RAM、26 モニタ、27 プリンタ、28 カートリッジ接続部、40,40C,40M,40Y,40K トナーカートリッジ、42 収納部、50,50C,50M,50Y,50K 記憶素子、52 メモリセル、54リード・ライト制御部、56 アドレスカウンタ、60 カラーレーザプリンタ、61 現像器、62 露光器、63 感光体、64 転写ベルト、65 用紙カセット、66 搬送ユニット、67 二次転写ユニット、68 定着ユニット、69 可動接続部。
Claims (14)
- 記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され該使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定装置であって、
前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用記録剤情報を取得する情報取得手段と、
該取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて、それまで充填されていた記録剤の色と同一色の記録剤を充填する再使用の可否を判定し、該同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときに異なる色の記録剤を充填する再使用の可否を判定することにより、該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する再使用判定手段と、
該判定結果を出力する出力手段と、
を備える記録剤カートリッジの再使用判定装置。 - 前記再使用判定手段は、前記同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときには特定色の記録剤を充填する再使用の可否を判定する手段である請求項1記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置。
- 前記特定色は黒である請求項2記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置。
- 請求項1ないし3いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置であって、
前記使用記録剤情報は、前記記録剤カートリッジの製造日および/または前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数を情報の一つとして含み、
前記再使用判定手段は、前記記録剤カートリッジの製造日および/または前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数に基づいて該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する手段である
記録剤カートリッジの再使用判定装置。 - 前記情報取得手段の一部としてのインタフェースを備えるコンピュータを、請求項1ないし4いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定装置として機能させるプログラム。
- 記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され該使用に関する使用情報と充填された記録剤の色に関する記録剤色情報とを含む使用記録剤情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用記録剤情報を取得し、
(b)該取得した使用記録剤情報に含まれる使用情報と記録剤色情報とに基づいて、それまで充填されていた記録剤の色と同一色の記録剤を充填する再使用の可否を判定し(b1)、該同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときに異なる色の記録剤を充填する再使用の可否を判定する(b2)ことにより、該記録剤カートリッジの再使用と充填する記録剤の色とを判定する
記録剤カートリッジの再使用判定方法。 - 前記ステップ(b2)は、前記同一色の記録剤を充填する再使用が不可と判定されたときには特定色の記録剤を充填する再使用の可否を判定するステップである請求項6記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法。
- 前記ステップ(b2)は、前記特定色として黒の記録剤を充填する再使用の可否を判定するステップである請求項7記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法。
- 請求項6ないし8いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法であって、
前記使用情報は、画像形成枚数を情報の一つとして含み、
前記ステップ(b1)は、前記画像形成枚数が第1の所定枚数以下のときに再使用可能と判定するステップであり、
前記ステップ(b2)は、前記画像形成枚数が前記第1の所定枚数より大きな第2の所定枚数以下のときに再使用可能と判定するステップである
記録剤カートリッジの再使用判定方法。 - 請求項6ないし9いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法であって、
前記使用記録剤情報は、前記記録剤カートリッジの製造日を情報の一つとして含み、
前記ステップ(b1)は、前記記録剤カートリッジの製造日から第1の所定日数を経過していないときに再使用可能と判定するステップであり、
前記ステップ(b2)は、前記記録剤カートリッジの製造日から前記第1の所定日数より大きい第2の所定日数を経過していないときに再使用可能と判定するステップである
記録剤カートリッジの再使用判定方法。 - 請求項6ないし10いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法であって、
前記使用記録剤情報は、前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数を情報の一つとして含み、
前記ステップ(b1)は、前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数が第1の所定回数以下のときに再使用可能と判定するステップであり、
前記ステップ(b2)は、前記記録剤カートリッジのこれまでの再使用回数が前記第1の所定回数より大きい第2の所定回数以下のときに再使用可能と判定するステップである
記録剤カートリッジの再使用判定方法。 - コンピュータに前記ステップ(a)および(b)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果を出力させる請求項6ないし11いずれか記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法。
- 記録剤を用いて文字や画像を紙などの媒体に形成する画像形成装置に取り付けられて使用され、該使用に関する情報を記憶する記憶素子を有する記録剤カートリッジの再使用を判定する再使用判定方法であって、
(a)前記記録剤カートリッジが取り付けられたとき、該記録剤カートリッジが有する記憶素子から前記使用に関する情報を含む情報を取得し、
(b)該取得した情報に基づいて前記記録剤カートリッジの再使用の可否を判定し、
(c)該判定により再使用可能と判定されたとき、前記取得した情報に基づいて該再使用可能と判定された記録剤カートリッジに充填可能な記録剤として前記記録剤カートリッジと同一の色の記録剤と黒色の記録剤の充填可否を判定する
記録剤カートリッジの再使用判定方法。 - コンピュータに前記ステップ(a)ないし(c)を実行させると共に該コンピュータに前記ステップ(b)の判定結果と前記ステップ(c)の判定結果とを出力させる請求項13記載の記録剤カートリッジの再使用判定方法。
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