JP2004054133A - 走査光学系 - Google Patents

走査光学系 Download PDF

Info

Publication number
JP2004054133A
JP2004054133A JP2002214380A JP2002214380A JP2004054133A JP 2004054133 A JP2004054133 A JP 2004054133A JP 2002214380 A JP2002214380 A JP 2002214380A JP 2002214380 A JP2002214380 A JP 2002214380A JP 2004054133 A JP2004054133 A JP 2004054133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
lens
polygon mirror
optical system
sub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002214380A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4430855B2 (ja
JP2004054133A5 (ja
Inventor
Shuichi Takeuchi
竹内 修一
Yutaka Takakubo
高窪 豊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Pentax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentax Corp filed Critical Pentax Corp
Priority to JP2002214380A priority Critical patent/JP4430855B2/ja
Priority to US10/623,692 priority patent/US7193759B2/en
Publication of JP2004054133A publication Critical patent/JP2004054133A/ja
Publication of JP2004054133A5 publication Critical patent/JP2004054133A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4430855B2 publication Critical patent/JP4430855B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/12Scanning systems using multifaceted mirrors
    • G02B26/125Details of the optical system between the polygonal mirror and the image plane

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
  • Lenses (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】結像レンズの各レンズ面でのレーザー光束の反射に因るゴースト光が走査対象面に入射しない走査光学系を、提供する。
【解決手段】レーザ光源11及びシリンドリカルレンズ12は、ポリゴンミラー13の各反射面に対して、副走査方向に斜めな方向から、レーザー光束を入射する。各反射面によって反射されたレーザー光束は、主走査方向に動的に偏向されつつ、走査レンズ21に入射するが、この走査レンズ21の第1面は、以下の条件を満たしている。
H/2<|(2βD(D−Rz1))/Rz1|                                  …(1)
但し、βは、副走査面内におけるレーザー光束のポリゴンミラー13の各反射面に対する入射角,Dは、ポリゴンミラー13の各反射面から走査レンズ21までの距離,Hは、ポリゴンミラーの各反射面の副走査面内における厚さ,Rz1は、走査レンズ21の第1面R1の副走査断面の曲率半径である。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から射出されたレーザー光束を、一定方向に回転するポリゴンミラーの反射面にて反射させることによって偏向させ、結像光学系を透過させることによって収束させて、走査対象面上で走査する走査光学系に、関する。
【0002】
【従来の技術】
走査光学系は、例えば、電子写真方式によるレーザービームプリンタや、デジタルコピーや、レーザーファックスや、レーザープロッタにおいて、走査対象面である感光体(感光ドラム等)の表面を変調ビームによって走査するために、用いられる。
【0003】
具体的には、走査光学系は、画像情報に従ってオンオフ変調されたレーザービームをポリゴンミラーによって動的に偏向するとともに、動的に偏向されたレーザービームを結像光学系によって走査対象面上にスポット光として収束させる。これにより、走査光学系は、スポット光を走査対象面上で主走査方向に沿って等速度で走査させ、複数のドットからなる二次元状の画像を走査対象面上に形成する。
【0004】
ところで、走査光学系においては、各光学素子の表面における不要な反射に因るゴーストを如何に除去するかが、設計上の重要事項である。このような不要な反射は、例えば、結像光学系を構成する各レンズの各レンズ面において、生じ得る。そして、何れかのレンズ面に入射したレーザー光束の一部が反射することによって生じた反射光(ゴースト光)は、当該レーザー光束のビーム軸方向及びレンズ面に対する入射角に依って定まる方向へ戻る。そして、ゴースト光が戻された方向にポリゴンミラーの各反射面が存在する場合には、ゴースト光がこの反射面によって再度反射されて、結像光学系を通り、走査対象面に入射してしまう。
【0005】
このとき、レーザー光束を反射・偏向している反射面にゴースト光が入射した場合には、このゴースト光は走査対象面の外に向かうか、もしくは走査対象面に届く倍もレーザー光束の走査速度とほぼ同じ速度で走査対象面上を移動するので、元々エネルギー密度が低いゴースト光のエネルギーが走査対象面上で分散されてしまい、ゴーストの問題は生じない。
【0006】
これに対して、レーザー光束を反射・偏向している反射面と隣接する反射面にゴースト光が入射した場合には、このゴースト光の移動速度はレーザー光束の走査速度よりも遅くなり、このゴースト光を反射させているレンズ面の主走査方向における断面形状如何では、ほぼ停止してしまうこともある。その場合には、ゴースト光のエネルギーが走査対象面上の主走査方向における一部にのみ蓄積され、その結果として、主走査方向において印字濃度のムラ(ゴースト)が生じてしまうので、走査光学系全体としての描画性能が劣化する問題を生じる。
【0007】
このようなゴーストを除去するには、各レンズ面での反射率をゼロにすることが本質的であるが、各レンズ面に施すコーティングの層数は、反射率をゼロに近付けようとすればするほど多くなってしまうので、コスト高騰を招いてしまう一方、コーティングによって反射率を完全にゼロにすることは不可能である。加えて、最近では製造コストを低減させる目的や非球面形状をレンズ面に加工するためにプラスチックレンズも使用されているが、プラスチックレンズの場合、ガラスレンズにコーディングを施す場合よりも密着性が落ちる等の欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、走査光学系における結像レンズの各レンズ面でのレーザー光束の反射に因るゴースト光が、走査対象面に入射しないように構成することによって、走査光学系全体としてのコスト上昇を抑えつつ、ゴーストに起因する描画性能劣化を防止することができる走査光学系の提供を、課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために構成された本発明による走査光学系は、レーザー光束を発する光源と、その中心軸を中心として一定方向に回転しながらその側面に形成された反射面にて前記レーザー光束を反射することによって、前記レーザー光束を主走査方向に走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって走査されつつ反射された前記レーザー光束を走査対象面上に収束させる結像光学系とを備えた走査光学系であって、前記レーザー光束の前記ポリゴンミラーの反射面に対する入射方向が、前記主走査方向に直交する副走査方向において斜めに設定され、前記結像光学系を構成するとともにゴースト光を反射させるレンズ面を有するレンズの光軸が、副走査方向において、前記ポリゴンミラーの反射面に対する前記レーザー光束の入射点近傍にて当該各反射面に直交するとともに、当該レンズ面の形状が、前記ポリゴンミラーの反射面によって反射されたレーザー光束を、前記ゴースト光として、副走査方向において前記ポリゴンミラーの反射面の外側へ向けて反射させる形状となっていることを、特徴とする。
【0010】
このように構成されると、ポリゴンミラーの各反射面によって反射されたレーザー光束は、副走査方向において、光軸に対して傾いて結像光学系におけるゴースト光を反射させるレンズ面に入射する。その結果、そのレンズ面での反射によってゴースト光が生じたとしても、そのゴースト光は、その結像光学系の光軸上を進行せず、副走査方向においてポリゴンミラーの反射面の外側を通過するので、そのゴースト光がポリゴンミラーの各反射面に入射する可能性はない。従って、そのレンズ面に反射防止コーティングを施さなくても、走査対象面にゴースト光が入射することを防止することができる。なお、本発明において対象となるレンズ面,即ち、反射したゴースト光がポリゴンミラーの各反射面に入射することを防止されるレンズ面は、結像光学系中のどこにあっても良い。即ち、結像光学系が複数のレンズから構成される場合には、そのレンズ面が、どのレンズのものであっても良いし、レンズの前面であっても後面であっても良い。
【0011】
例えば、対象レンズ面が前記結像光学系内において前記ポリゴンミラーに最も近接して配置されているレンズの第1面である場合には、副走査方向におけるレーザー光束の前記ポリゴンミラーの各反射面に対する入射角をβ,前記ポリゴンミラーの各反射面から前記レンズまでの距離をD,前記ポリゴンミラーの各反射面の副走査方向における厚さをH,前記レンズの第1面の副走査断面の曲率半径をRz1として、下記式(1)を満たすように各値が設計されることが望ましい。
【0012】
H/2<|2βD(D−Rz1)/Rz1|                                      …(1)
この式(1)が満たされれば、対象レンズ面での反射によるゴースト光は、ポリゴンミラーの上方(即ち、ポリゴンミラーに対して光源とは逆側)又は下方(即ち、ポリゴンミラーに対して光源と同じ側)を通過する。
【0013】
また、対象レンズ面が前記結像光学系内において前記偏向器近傍に最も近接して配置されているレンズの第2面である場合には、副走査方向における前記レーザー光束の前記ポリゴンミラーの各反射面に対する入射角をβ,前記ポリゴンミラーの各反射面から前記レンズまでの距離をD,前記ポリゴンミラーの各反射面の副走査方向における厚さをH,前記レンズの第1面及び第2面の副走査断面の曲率半径を夫々Rz1,Rz2,前記レンズの使用波長における屈折率をNとして、下記式(2)を満たすように各値が設計されることが望ましい。
【0014】
H/2<|(βD(D−Lz))/Lz|                                     …(2)
但し、Lz=Rz1z2D/(2NRz1D−2(N−1)Rz2D−Rz1z2
この式(2)が満たされれば、対象レンズ面での反射によるゴースト光は、同じレンズの第1面を透過して、ポリゴンミラーの上方又は下方を通過する。
【0015】
以上のように設計されれば、ゴースト光がポリゴンミラーの各反射面に入射することが完全に防止されるが、結像レンズの各レンズやポリゴンミラーの組み付け誤差がある場合には、ポリゴンミラーと結像レンズとの間に、最初にポリゴンミラーによって反射されて結像レンズに入射する正規光を遮蔽せずにゴースト光のみを遮蔽する遮蔽板を、配置することが望ましい。
【0016】
前記結像光学系としては、例えば、前記対象レンズ面を有するレンズとしての走査レンズと、この走査レンズより走査対象面側に配置された像面湾曲補正レンズとにより構成されるものが考えられる。この場合、前記走査レンズにアナモフィック非球面、前記像面湾曲補正レンズに2次元多項式非球面を、夫々、少なくとも1面用いることが望ましい。このようにすれば、ポリゴンミラーの各反射面に対してレーザー光束を副走査方向において斜めに入射させた事に起因するBow(走査線湾曲)を、補正することができる。
【0017】
更に、走査レンズにアナモフィック非球面を用いるとともに、他の一面にトーリック面を用いても良い。何故ならば、ゴースト光を除去するためには、副走査方向におけるレーザー光束のポリゴンミラーの各反射面への入射角度を大きくすれば良いのであるが、副走査方向における入射角度が大きくなれば大きくなるほど、Bow等の性能悪化が強くなるとともに、装置全体の高さ方向の寸法が大きくなるなどの欠点が生じてくるので、その入射角度にも自ずから限界がある。そこで、走査レンズの他の一面にトーリック面を用いれば、走査レンズにアナモフィック非球面及び球面を用いる場合に比べて、ポリゴンミラーの各反射面に対する副走査方向における入射角度が小さくても、ゴースト光をポリゴンミラーの上方又は下方を通過させることが可能になるので、そのような欠点をも抑えることができるのである。
【0018】
前記走査レンズの副走査面における断面形状は、光軸に対して対象な形状であることが望ましい。そのようにすれば、前記ポリゴンミラーの各反射面に対して、複数の前記レーザー光束を副走査方向において(光軸に関して対称となるように)斜めに入射させ、更に、共通の前記結像光学系,及び、個別の前記像面湾曲補正レンズを順に透過させることが可能になるからである。このような構成は、カラープリンタに用いられる所謂1ポリゴンタンデム走査光学系(各トナーの色成分毎に感光ドラムを備えた走査光学系)に用いるのに好ましく、各レーザー光束に起因するゴースト光を同時に除去することが可能となる。
【0019】
本発明は、走査レンズがプラスチックレンズである場合に、特に、有効である。即ち、このようなプラスチックレンズの場合には、ガラスレンズに反射防止コートを施す場合に比べて、反射防止コートの密着性が落ちる等の欠点があるので、反射防止コートをすることなしにゴースト光を除去することができる本発明が有効なのである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の走査光学系による実施の形態である走査装置について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
【実施形態1】
第1の実施形態の走査装置に内蔵される走査光学系の基本構成を展開した状態を、図1に示す。図1に示すように、この走査光学系10は、レーザー光を発振するレーザー光源11,このレーザー光源11から発したレーザ光を収束するシリンドリカルレンズ12,その各側面がレーザー光を反射する反射面として形成された正多角柱形状を有するポリゴンミラー13,及び、ポリゴンミラー13により偏向された光束を収束させる結像光学系としてのfθレンズ20を、備えている。なお、以下の説明の理解を容易にするために、ポリゴンミラー13の中心軸13aに直交する面と平行な方向を「主走査方向」と定義し、中心軸13aと平行な方向を「副走査方向」と定義する。
【0022】
レーザー光源11から発せられて当該レーザー光源11とシリンドリカルレンズ12との間にある不図示のコリメータレンズによって平行光束とされたレーザー光束は、シリンドリカルレンズ12を透過した後、ポリゴンミラー13の各反射面に入射する。このポリゴンミラーは、その中心軸13aを中心として回転するので、各反射面によって反射されたレーザー光束は、主走査方向に動的に偏向(走査)される。このようにして動的に偏向されたレーザー光束は、fθレンズ20を透過することによって走査対象面S上に収束され、走査対象面上を主走査方向に沿ってほぼ等速度に走査される。
【0023】
なお、レーザー光源11から発せられたレーザー光束は、主走査方向においては、平行光束のままポリゴンミラー13の各反射面によって反射され、fθレンズ20によって走査対象面S上に収束される。一方、副走査方向においては、当該レーザー光束は、副走査方向にパワーを持ったシリンドリカルレンズ12によりポリゴンミラー13の各反射面近傍で一旦収束され、発散光としてfθレンズ20に入射し、fθレンズ20によって走査対象面S上に再び収束される。このように、副走査方向においては、fθレンズ20によってポリゴンミラー13の各反射面と走査対象面Sとがほぼ共役関係となっているために、レーザー光束は、ポリゴンミラー13のどの反射面によって反射されても、各反射面の僅かな傾き(いわゆる「面倒れ」)の有無に拘わらず、走査対象面Sにおける同一線上を走査する。
【0024】
fθレンズ20は、走査レンズ21とこの走査レンズ21よりも走査対象面S側に配置される像面湾曲補正レンズ22とから、構成される。このうち、走査レンズ21は、主に主走査方向にレーザー光束を収束させるパワーを有するレンズであり、像面湾曲補正レンズ22は、主に副走査方向にレーザー光束を収束させるパワーを有するとともに、像面湾曲やfθ特性誤差などの収差を補正する機能をも負担するレンズである。これらfθレンズ20を構成する各レンズ21,22の光軸は、少なくとも主走査方向において同軸となっている。そして、走査レンズ21の光軸は、主走査方向においては、主走査の中心像高に向かうレーザー光束のビーム軸とほぼ重なり、副走査方向においては、ポリゴンミラー13の中心軸13aの中央に直交している。レーザー光束が各反射面の中央に入射する時に当該反射面の中央が存在する位置は、レーザー光束の反射点の平均位置であり、レーザー光束の動的な偏向の中心とみなすことができるので、以下、「偏向点」という。
【0025】
なお、fθレンズ20を構成する各レンズ21,22のレンズ面は、回転対称非球面でない場合もあるが、そのような形状を持つレンズ面には本来の意味での光軸を、定義することができない。そのため、以下、「光軸」との文言は、各レンズ面の面形状を式によって表現する時に設定される原点を通る軸(光学面基準軸)との意味で、用いられるものとする。
【0026】
また、走査レンズ21の光軸を含みポリゴンミラー13の中心軸13aに直交する面を「主走査断面」と定義し、走査レンズ21の光軸を含み前記主走査断面に直行する面を「副走査断面」と定義する。
【0027】
走査対象面Sは、具体的には、回転ドラムの感光面(外周面)であり、この回転ドラムは、fθレンズ20の光軸に直交して主走査方向を向いた回転軸を中心として、回転する。
【0028】
以上に説明した走査光学系10の基本構成のうち、シリンドリカルレンズ12,ポリゴンミラー13及び走査レンズ21以外(即ち、レーザー光源11,像面湾曲補正レンズ22,走査対象面S)は、カラー印刷のための各トナーの色,即ち、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラックの各色成分毎に、備えられている。それにより、イエロー,マゼンダ,シアン,ブラックの各色成分毎に備えられる4個の感光ドラムの感光面(走査対象面S)に対して、同時にレーザー光束による描画が可能となっている。このような描画に基づいて、各感光ドラムの感光面(走査対象面)上にはイエロー,マゼンダ,シアン,ブラックの各色成分のトナー像が夫々形成され、これら各色成分のトナー像が同一の印刷用紙上に順次転写されることによって、カラー画像が印刷される。
【0029】
図2は、このような目的で構成される走査光学系全体(但し、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を除く)を副走査断面から見た光学構成図である。ポリゴンミラー13の各反射面に対して、各色成分に対応したレーザー光束は、副走査方向において傾斜した方向から、夫々同一の偏向点へ入射する。その結果、図2に示されるように、ポリゴンミラー13の各反射面によって反射された各色成分に対応した4本のレーザー光束は、走査レンズ21の光軸P1に対して夫々別個の角度をなして進行し、共通の走査レンズ21に入射した後に、夫々に対応した像面湾曲補正レンズ22を透過して、夫々に対応した感光ドラム60に照射される。従って、ポリゴンミラー13の一つの反射面による一回の偏向によって、4つの感光ドラム60に対して同時に走査を行うことができる。
【0030】
なお、走査光学系10のユニットサイズをできるだけ小型化するために、図2に示すように、ポリゴンミラー13によって偏向された4本のレーザー光束の光路が、夫々、折返しミラー23,24によって折り曲げられている。この際、各fθレンズ20を透過するレーザー光束の波長は同一であるので、各折返しミラー23,24の位置は、各fθレンズ20の走査レンズ群21から像面湾曲補正レンズ22までの光路長が互いに等しくなって各fθレンズ20が互いに同一の光学特性を奏することができるよう、夫々配置されている。
【0031】
各感光ドラム60は、互いに同じ大きさの円柱形状の外形を有するように形成されており、各像面湾曲補正レンズ22の光束射出側において、各像面湾曲補正レンズ22から等距離の位置に、夫々配置されている。
【0032】
以上のように構成される走査光学系10が内部に組み付けられているカラーレーザープリンターは、各感光ドラム60を所定の回転角速度で回転させるとともに、入力される画像情報に従ってオンオフ変調した各色成分毎のレーザー光束を、走査対象面Sである各感光ドラム60の外周面(感光面)上で繰り返し走査させることにより、複数の線状の軌跡(走査線)からなる二次元状の静電潜像を各走査対象面S上に描画する。そして、カラーレーザープリンターは、各感光ドラム60上に描画された静電潜像に帯電トナーを静電的に吸着させてトナー像を形成し、そのトナー像を印刷用紙に転写させる。このとき、カラーレーザープリンターは、各感光ドラム60上の対応する走査線が印刷用紙の同一線上に重なるように印刷用紙を搬送し、画像情報に基づくカラー画像を印刷用紙に印刷する。
【0033】
次に、本第1実施形態の走査光学系10において、個々の色成分に対応するレーザー光束についてゴーストの発生を防止するための具体的構成を、説明する。
【0034】
図3は、本第1実施形態においてゴーストを防止する原理を示す図である。この図3に示されるように、本第1実施形態においては、上述したように、副走査方向においてレーザー光束をポリゴンミラー13の各反射面に対して斜めに入射させるとともに、走査レンズ21の副走査断面内での断面形状のパワー(具体的には、走査レンズ21の第1面の面形状)と、ポリゴンミラー13の各反射面から走査レンズ21までの距離Dとを適切に設定することによって、走査レンズ21の第1面にて反射したゴースト光を、ポリゴンミラー13の上方(即ち、副走査方向においてポリゴンミラー13を挟んでレーザ光源11が存在する側とは逆側)を通過させて、走査レンズ21に再入射させないようにしている。
【0035】
具体的には、本第1実施形態では、走査レンズ21の第1面での反射によって生じるゴースト光をポリゴンミラー13の上方に通過させるために、下記条件式(3)が満たされている。
【0036】
H/2<2βD(D−Rz1)/Rz1                                      …(3)
式(3)において、Hは、ポリゴンミラーの各反射面の副走査断面内における厚さであり、βは、ポリゴンミラー13の各反射面に対する副走査方向におけるレーザー光束の入射角であり、Dは、レーザー光束が偏向点に入射した時点におけるポリゴンミラー13の各反射面から走査レンズ21の第1面までの光軸上での距離であり、Rz1は、走査レンズ21の第1面の副走査断面における曲率半径である。
【0037】
以下、上述した式(3)を満足する本第1実施形態による走査光学系10の実施例を1例示す。
【0038】
【実施例1】
図4は、実施例1の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図5は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図4,図5においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図5においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0039】
実施例1では、fθレンズ20全体としての焦点距離は235mmであり、走査対象面S上での走査幅(レーザー光束が走査される主走査方向幅)は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは3.0mmであり、主走査方向においてポリゴンミラー13に入射するレーザー光束と走査レンズ21の光軸とがなす角度(即ち、偏向角α)は75.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは2.83°(=0.0494rad)である。
【0040】
実施例1におけるシリンドリカルレンズ12から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表1に示す。なお、この表1に示された数値構成は、シリンドリカルレンズ12を透過したレーザービームが偏向点においてポリゴンミラー13の各反射面によって反射されている時点での走査レンズ21の光軸に対する近軸条件である。但し、像面湾曲補正レンズ22の光軸は走査レンズ21の光軸に対して副走査方向にシフトしているので、像面湾曲補正レンズ22の各面については、その光軸に対する近軸条件が示されている。
【0041】
【表1】
Figure 2004054133
【0042】
表1において、Noは面番号であり、No1及びNo2がシリンドリカルレンズ12の前面及び後面,No3がポリゴンミラー13の各反射面,No4及びNo5が走査レンズ21の第1面及び第2面,No6及びNo7が像面湾曲補正レンズ22の第1面及び第2面,No8が走査対象面Sである。また、表1において、記号Ryは、主走査方向における曲率半径(単位 [mm])であり、曲率中心がレンズ面と光軸との交点より光源側に存在する場合に負の符号をとり走査対象面S側に存在する場合に正の符号をとる。また、表1において、記号Rzは、副走査方向における曲率半径(単位 [mm])であり、曲率中心がレンズ面と光軸との交点より光源側に存在する場合に負の符号をとり走査対象面S側に存在する場合に正の符号をとるとともに、Ryと同じ場合(即ち、回転対称形状である場合)には省略される。また、表1において、記号dは光軸(ビーム軸)上における次の面までの距離(単位 [mm])であり、記号Nは、次の面までの間の媒質の設計波長に対する屈折率(空気については省略)である。また、表1において、記号DECZは、前の面に対する光軸の副走査方向へのシフト量(単位 [mm])であり、図5の上方へシフトしている場合(即ち、副走査方向においてレーザ光源11がある側とは逆側)に正の符号をとる。
【0043】
表1から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、走査レンズ12の第1面と像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対称面である。
【0044】
走査レンズ21の第2面は、アナモフィック非球面(即ち、主走査断面は光軸からの主走査方向の関数,副走査断面は曲率が光軸からの主走査方向の距離の関数として、独立に定義される非球面)である。従って、その主走査断面における形状は、光軸からの高さ(y)の点における光軸での接平面からのサグ量X(y)として、下記式(4)により表され、主走査方向の各高さ(y)での副走査方向における形状は、円弧の曲率1/[Rz(y)]として、下記式(5)により表される。
【0045】
X(y)=1/Ry・y/[1+√[1−(κ+1)/Ry]]+AMy+AM+AM+AM+AM+AM+AM+AM… …(4)
1/[Rz(y)]=1/Rz+ASy+AS+AS+AS+AS+AS+AS+AS…  … (5)
これら式(4),(5)において、Ry及びRzは夫々表1に挙げられた主走査方向及び副走査方向における近軸曲率、κは円錐係数、AM,AM,AM,AM,AM,AM,AM,AM…は夫々主走査方向に関する1次,2次,3次,4次,5次,6次,7次,8次…の非球面係数であり、AS,AS,AS,AS,AS,AS,AS,AS…は夫々副走査方向に関する1次,2次,3次,4次,5次,6次,7次,8次…の非球面係数である。実施例1において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するためにこれら各式(4),(5)に適用される各係数を、表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 2004054133
【0047】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面(即ち、主走査方向,副走査方向それぞれの高さに関する多項式で表現される非球面)である。従って、その形状は、主走査方向及び副走査方向の光軸からの高さが夫々(y),(z)の点における光軸での接平面からのサグ量X(y,z)として、下記式(6)により表される。
【0048】
Figure 2004054133
式(6)において、Ryは表1に挙げられた主走査方向における近軸曲率、κは円錐係数、Bmnは主走査方向における次数がm次であって副走査方向におけるn次である非球面係数である。実施例1において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために式(6)に適用される各係数を、表3に示す。
【0049】
【表3】
Figure 2004054133
【0050】
以上に挙げた実施例1の具体的数値から上記式(3)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=3.0mm
β=0.0494rad
D=−54.0mm
z1=−184.70mm
従って、実施例1における式(3)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0051】
H/2<(2βD(D−Rz1))/Rz1
1.5<3.78:成立
このように、実施例1では、走査レンズ21の第1面に関して式(3)が満たされているので、図4及び図5に示されるように、走査レンズ21の第1面でのゴースト光は、ポリゴンミラー13の上方を通過して反射面には入射しないので、走査レンズ21に再入射して走査対象面S上にゴーストを生じさせることがない。
【0052】
また、実施例1では、走査レンズ21の第2面にアナモフィック非球面,像面湾曲補正レンズ22の第1面に二次元多項式非球面を夫々採用しているので、レーザー光束をポリゴンミラー13の各反射面に対して副走査方向において斜めに入射させることに起因するBowを、補正することができる。
【0053】
【実施形態2】
本発明の第2の実施形態による走査装置は、上述した第1の実施形態と比較して、走査レンズ21の第2面によって反射されたゴースト光をもポリゴンミラー13の上方を通過させて、走査レンズ21に再入射しないようにしたものである。本第2実施形態のその他の構成は、図1及び図2を用いて上に説明した第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
【0054】
本第2実施形態においてゴーストを防止する原理を、図3を用いて、説明する。図3には、第1実施形態においてポリゴンミラー13の各反射面への入射を防止した走査レンズ21の第1面R1での反射に因るゴースト光の他、第2面での反射に因るゴースト光も記載されている。このように、本第2実施形態においては、副走査方向においてレーザー光束をポリゴンミラー13の各反射面に対して斜めに入射させるとともに、走査レンズ21の副走査断面内での断面形状のパワー(具体的には、走査レンズ21の第1面の面形状に加えて第2面の面形状)と、ポリゴンミラー13の各反射面から走査レンズ21までの距離Dとを更に適切に設定することによって、走査レンズ21の第2面にて反射したゴースト光を、ポリゴンミラーの上方を通過させて、走査レンズ21に再入射しないようにしている。
【0055】
具体的には、本第2実施形態では、走査レンズ21の第2面(後面)での反射によって生じるゴースト光をポリゴンミラー13の上方に通過させるために、下記条件式(7)が満たされている。
【0056】
H/2<βD(D−Lz)/Lz
Lz=Rz1z2D/(2NRz1D−2(N−1)Rz2D−Rz1z2)                  …(7)
式(7)において、式(3)と共通する記号の意味はこの式(3)と同じである。また、Rz2は、走査レンズ21の第2面の副走査断面における曲率半径であり、Nは、走査レンズ21を構成する媒質の使用波長(レーザー光束の波長)に対する屈折率である。
【0057】
以下、上述した式(7)を満足する走査光学系10の実施例を2例示す。
【0058】
【実施例2】
図6は、実施例2の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図7は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図6,図7においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図7においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0059】
実施例2では、fθレンズ20全体としての焦点距離は200mmであり、走査対象面S上での走査幅は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは4.0mmであり、偏向角αは65.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは3.54°(=0.0617rad)である。
【0060】
実施例2におけるシリンドリカルレンズ12から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表4に示す。表4における各記号の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0061】
【表4】
Figure 2004054133
【0062】
表4から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、走査レンズ12の第1面と像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対象面である。
【0063】
走査レンズ21の第2面は、アナモフィック非球面である。実施例2において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するために上記各式(4),(5)に適用される各係数を、表5に示す。
【0064】
【表5】
Figure 2004054133
【0065】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面である。実施例2において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために上記式(6)に適用される各係数を、表6に示す。
【0066】
【表6】
Figure 2004054133
【0067】
以上に挙げた実施例2の具体的数値から、上記式(7)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=4.0mm
β=0.0617rad
D=−45.42mm
N=1.48617
z1=−185.60mm
z2=−300mm
従って、実施例2における式(7)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0068】
H/2<βD(D−Lz)/Lz
2.0<5.02:成立
ところで、表4に記載された走査レンズ21の第1面及び第2面の副走査方向における曲率半径Rzは、近軸の曲率半径,即ち、走査対象面S上における像高Y=0mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束に対する曲率半径であるが、上記式(7)は、走査幅の全域において満たされていなければならない。そのため、走査対象面S上における像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束に対する走査レンズ21の第2面の副走査方向における曲率半径を算出すると、
z2=−212.47mm
となる。なお、第1面は球面故にその曲率半径は一定である。
【0069】
従って、実施例2において、像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束についての上記式(7)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0070】
H/2<βD(D−Lz)/Lz
2.0<4.49:成立
このように、実施例2では、走査レンズ21の第1面及び第2面に関して、走査の全域において式(7)が満たされているので、図6及び図7に示されるように、走査レンズ21の第2面でのゴースト光は、ポリゴンミラー13の上方へ向かい、反射面には入射しないので、走査レンズ21に再入射して走査対象面S上にゴーストを生じさせることがない。
【0071】
【実施例3】
図8は、実施例3の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図9は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図8,図9においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図9においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0072】
実施例3では、fθレンズ20全体としての焦点距離は200mmであり、走査対象面S上での走査幅は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは4.0mmであり、偏向角αは65.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは2.83°(=0.0494rad)である。
【0073】
実施例3におけるシリンドリカルレンズ12から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表7に示す。表7における各記号の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0074】
【表7】
Figure 2004054133
【0075】
表7から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対称面である。
【0076】
走査レンズ21の第1面は、トーリック非球面(即ち、非円弧曲線を光軸と直交する軸周りに回転させた非球面)である。従って、その副走査断面形状は、光軸からの高さ(z)の点における光軸での接平面からのサグ量X(z)として、下記式(8)により表される。
【0077】
X(z)=1/Rz・y/[1+√[1−(κ+1)/Rz]]+AMy+AM+AM+AM+AM+AM+AM+AM… …(8)
式(8)において、Rzは表4に挙げられた副走査方向における近軸曲率、κは円錐係数、AM,AM,AM,AM,AM,AM,AM,AM…は夫々1次,2次,3次,4次,5次,6次,7次,8次…の非球面係数である。実施例3において走査レンズ21の第1面の具体的形状を特定するために式(8)に適用される各係数のうち、4次の非球面係数AMは6.15×10−6であり、その他は全て0である。
【0078】
走査レンズ21の第2面は、アナモフィック非球面である。実施例3において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するために上記各式(4),(5)に適用される各係数を、表8に示す。
【0079】
【表8】
Figure 2004054133
【0080】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面である。実施例3において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために上記式(6)に適用される各係数を、表9に示す。
【0081】
【表9】
Figure 2004054133
【0082】
以上に挙げた実施例3の具体的数値から上記式(7)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=4.0mm
β=0.0494rad
D=−42.0mm
z1=−158.78mm
z2=−300mm
従って、実施例3における式(7)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0083】
H/2<βD(D−Lz)/Lz
2.0<2.75:成立
また、走査対象面S上における像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束に対する走査レンズ21の第2面の副走査方向における曲率半径を算出すると、
z2=−316.13mm
となる。なお、第1面R1は球面故にその曲率半径は一定である。
【0084】
従って、実施例3において、像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束についての上記式(7)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0085】
H/2<βD(D−Lz)/Lz
2.0<2.80:成立
このように、実施例3では、走査レンズ21の第1面及び第2面に関して、走査の全域において式(7)が満たされているので、図8及び図9に示されるように、走査レンズ21の第2面でのゴースト光は、ポリゴンミラー13の上方へ向かい、反射面には入射しないので、走査レンズ21に再入射して走査対象面S上にゴーストを生じさせることがない。しかも、実施例3では、図8及び図9に示すように、ポリゴンミラー13と走査レンズ21との間に、走査レンズ21の第2面によって反射されたゴースト光を反射する遮光部材14を配置し、この遮光部材14によってゴースト光を走査レンズ21に再入射させることなく走査対象面S外に飛ばしているので、ゴーストを生じさせる可能性が更に低くなっている。
【0086】
【実施形態3】
本発明の第3の実施形態による走査装置は、上述した第1の実施形態と比較して、走査レンズ21の第1面によって反射されたゴースト光をポリゴンミラー13の下方(即ち、副走査方向においてポリゴンミラー13に対してレーザ光源11が存在する側と同じ側)を通過させて、走査レンズ21に再入射しないようにしたものである。本第3実施形態のその他の構成は、図1及び図2を用いて上に説明した第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
【0087】
図10は、本第3実施形態においてゴーストを防止する原理を示す図である。この図10に示されるように、本第3実施形態においては、副走査方向においてレーザー光束をポリゴンミラー13の各反射面に対して斜めに入射させるとともに、走査レンズ21の副走査断面内での断面形状のパワー(具体的には、走査レンズ21の第1面の面形状)と、ポリゴンミラー13の各反射面から走査レンズ21までの距離Dとを適切に設定することによって、走査レンズ21の第1面にて反射したゴースト光を、ポリゴンミラー13の下方を通過させて、走査レンズ21に再入射しないようにしている。
【0088】
具体的には、本第3実施形態では、走査レンズ21の第1面での反射によって生じるゴースト光をポリゴンミラー13の上方に通過させるために、下記条件式(9)が満たされている。
【0089】
H/2<−2βD(D−Rz1)/Rz1                                …(9)
式(9)における各記号の意味は、上述した式(3)と同じである。
【0090】
以下、上述した式(9)を満足する本第3実施形態による走査光学系10の実施例を1例示す。
【0091】
【実施例4】
図11は、実施例4の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図12は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図11,図12においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図12においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0092】
実施例4では、fθレンズ20全体としての焦点距離は235mmであり、走査対象面S上での走査幅は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは3.0mmであり、偏向角αは75.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは2.83°(=0.0494rad)である。
【0093】
実施例4におけるシリンドリカルレンズ12から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表10に示す。表10における各記号の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0094】
【表10】
Figure 2004054133
【0095】
表10から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対称面である。
【0096】
走査レンズ21の第1面は、アナモフィック非球面である。実施例4において走査レンズ21の第1面の具体的形状を特定するために上記各式(4),(5)に適用される各係数を、表11に示す。
【0097】
【表11】
Figure 2004054133
【0098】
走査レンズ21の第2面は、トーリック非球面である。実施例4において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するために上記式(8)に適用される各係数のうち、4次の非球面係数AMは−3.51×10−5であり、6次の非球面係数AMは−8.08×10−5であり、その他は全て0である。
【0099】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面である。実施例4において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために上記式(6)に適用される各係数を、表12に示す。
【0100】
【表12】
Figure 2004054133
【0101】
以上に挙げた実施例4の具体的数値から上記式(9)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=3.0mm
β=0.0494rad
D=−54.00mm
z1=−30.0mm
従って、実施例4における式(9)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0102】
H/2<−2βD(D−Rz1)/Rz1
1.5<4.27:成立
また、走査対象面S上における像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束に対する走査レンズ21の第1面の副走査方向における曲率半径を算出すると、
z1=−36.47mm
となる。
【0103】
従って、実施例4において、像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束についての上記式(9)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0104】
H/2<−2βD(D−Rz1)/Rz1
1.5<2.56:成立
このように、実施例4では、走査レンズ21の第1面に関して、走査の全域において式(9)が満たされているので、図11及び図12に示されるように、走査レンズ21の第1面でのゴースト光は、ポリゴンミラー13の下方へ向かい、反射面には入射しないので、走査レンズ21に再入射して走査対象面S上にゴーストを生じさせることがない。
【0105】
【実施形態4】
本発明の第4の実施形態による走査装置は、上述した第3の実施形態と比較して、走査レンズ21の第2面によって反射されたゴースト光をもポリゴンミラー13の下方を通過させて、走査レンズ21に再入射しないようにしたものである。本第4実施形態のその他の構成は、図1及び図2を用いて上に説明した第1実施形態のものと同じなので、その説明を省略する。
【0106】
本第4実施形態においてゴーストを防止する原理を、図10を用いて、説明する。図10には、第3実施形態においてポリゴンミラー13の各反射面への入射を防止した走査レンズ21の第1面での反射に因るゴースト光の他、第2面での反射に因るゴースト光も記載されている。このように、本第4実施形態においては、副走査方向においてレーザー光束をポリゴンミラー13の各反射面に対して斜めに入射させるとともに、走査レンズ21の副走査断面内での断面形状のパワー(具体的には、走査レンズ21の第1面の面形状に加えて第2面の面形状)と、ポリゴンミラー13の各反射面から走査レンズ21までの距離Dとを更に適切に設定することによって、走査レンズ21の第2面にて反射したゴースト光を、ポリゴンミラーの下方を通過させて、走査レンズ21に再入射しないようにしている。
【0107】
具体的には、本第4実施形態では、走査レンズ21の第2面(後面)での反射によって生じるゴースト光をポリゴンミラー13の下方に通過させるために、下記条件式(10)が満たされている。
【0108】
H/2<−βD(D−Lz)/Lz
Lz=Rz1z2D/(2NRz1D−2(N−1)Rz2D−Rz1z2)         …(10)
式(10)における各記号の意味は、上記式(7)と同じである。
【0109】
以下、上述した式(10)を満足する走査光学系10の実施例を1例示す。
【0110】
【実施例5】
図13は、実施例5の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図14は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図13,図14においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図14においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0111】
実施例5では、fθレンズ20全体としての焦点距離は200mmであり、走査対象面S上での走査幅は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは3.0mmであり、偏向角αは65.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは3.83°(=0.0494rad)である。
【0112】
実施例5におけるシリンドリカルレンズ12から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表13に示す。表13における各記号の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0113】
【表13】
Figure 2004054133
【0114】
表13から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対称面である。
【0115】
走査レンズ21の第1面は、トーリック面である。
【0116】
走査レンズ21の第2面は、アナモフィック非球面である。実施例5において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するために上記各式(4),(5)に適用される各係数を、表14に示す。
【0117】
【表14】
Figure 2004054133
【0118】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面である。実施例5において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために上記式(6)に適用される各係数を、表15に示す。
【0119】
【表15】
Figure 2004054133
【0120】
以上に挙げた実施例5の具体的数値から上記式(10)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=3.0mm
β=0.0494rad
D=−42.00mm
N=1.48617
z1=−42.09mm
z2=−35.00mm
従って、実施例5における式(10)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0121】
H/2<−βD(D−Lz)/Lz
1.5<1.68:成立
なお、走査対象面S上における像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束に対する走査レンズ21の第2面の副走査方向における曲率半径を算出すると、
z2=−33.03mm
となる。なお、第1面はトーリック面故にその曲率半径は一定である。
【0122】
従って、実施例5において、像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束についての上記式(10)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0123】
H/2<−βD(D−Lz)/Lz
1.5<2.27:成立
このように、実施例5では、走査レンズ21の第1面及び第2面に関して、その走査の全域において式(10)が満たされているので、図13及び図14に示されるように、走査レンズ21の第2面でのゴースト光は、ポリゴンミラー13の下方へ向かい、反射面には入射しないので、走査レンズ21に再入射して走査対象面S上にゴーストを生じさせることがない。
【0124】
【比較例】
以下、上述した本発明の各実施形態による効果(走査レンズ21の第1面および第2面での反射に因るゴースト光がポリゴンミラー13の上方又は下方を通り過ぎる)を明らかにするために、上記式(1)(即ち、上記式(3)及び式(9)を併せた式)又は上記式(2)(即ち、上記式(7)及び式(10)を併せた式)を満たしていない例を、比較例として、2例挙げる。
【0125】
【比較例1】
図15は、比較例1の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図16は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図15,図16においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図16においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0126】
比較例1では、fθレンズ20全体としての焦点距離は235mmであり、走査対象面S上での走査幅(レーザー光束が走査される主走査方向幅)は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは3.0mmであり、偏向角αは75.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは0.95°(=0.0166rad)である。
【0127】
比較例1におけるシリンドリカルレンズ11から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表16に示す。表16における各記号の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0128】
【表16】
Figure 2004054133
【0129】
表16から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、走査レンズ21の第1面R1と像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対称面である。
【0130】
走査レンズ21の第2面は、アナモフィック非球面である。比較例1において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するために上記各式(4),(5)に適用される各係数を、表17に示す。
【0131】
【表17】
Figure 2004054133
【0132】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面である。比較例1において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために上記式(6)に適用される各係数を、表18に示す。
【0133】
【表18】
Figure 2004054133
【0134】
以上に挙げた比較例1の具体的数値から上記式(1)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=3.0mm
β=0.0166rad
D=−54.0mm
Rz1=−184.70mm
従って、比較例1における式(1)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0135】
H/2<|(2βD(D−Rz1))/Rz1
1.5<1.27:不成立
このように、比較例1では、走査レンズ21の第1面に関して式(1)が満たされていないので、図15及び図16に示されるように、走査レンズ21の第1面でのゴースト光は、ポリゴンミラー13の反射面に入射してしまうので、この反射面によって反射され、走査レンズ21に再入射することによって、走査対象面S上にゴーストを生じさせてしまう。
【0136】
【比較例2】
図17は、比較例1の走査光学系10の主走査方向における展開図であり、図18は、その副走査方向における展開図である。但し、これら図17,図18においては、走査レンズ21を透過する正規光束については図示を省略している。また、図18においては、図が煩雑となるのを避けるために、レーザー光源11及びシリンドリカルレンズ12を省略している。
【0137】
比較例2では、fθレンズ20全体としての焦点距離は200mmであり、走査対象面S上での走査幅(レーザー光束が走査される主走査方向幅)は216mmであり、設計波長は780nmであり、ポリゴン厚Hは4.0mmであり、偏向角αは65.0°であり、ポリゴンミラー13の各反射面に入射するレーザー光束の副走査方向における入射角βは2.83°(=0.0494rad)である。
【0138】
比較例2におけるシリンドリカルレンズ11から走査対象面Sに至る光路上の各面の具体的数値構成を、表19に示す。表19における各記号の意味は、上述した表1のものと同じである。
【0139】
【表19】
Figure 2004054133
【0140】
表19から明らかなように、シリンドリカルレンズ12の前面はシリンドリカル面であり、後面は平面である。また、走査レンズ21の第1面と像面湾曲補正レンズ22の第2面は回転対称面である。
【0141】
走査レンズ21の第2面は、アナモフィック非球面である。比較例2において走査レンズ21の第2面の具体的形状を特定するために上記各式(4),(5)に適用される各係数を、表20に示す。
【0142】
【表20】
Figure 2004054133
【0143】
像面湾曲補正レンズ22の第1面は、二次元多項式非球面である。比較例2において像面湾曲補正レンズ22の第1面の具体的形状を特定するために上記式(6)に適用される各係数を、表21に示す。
【0144】
【表21】
Figure 2004054133
【0145】
以上に挙げた比較例2の具体的数値から上記式(2)に適用するために抽出される係数は、以下の通りである。
H=4.0mm
β=0.0494rad
D=−42.0mm
N=1.48617
Rz1=−185.60mm
Rz2=−100.00mm
従って、比較例2における式(2)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0146】
H/2<|βD(D−Lz)/Lz|
2.0<2.02:成立
但し、走査対象面S上における像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束に対する走査レンズ21の第2面R2の副走査方向における曲率半径を算出すると、
z2=−79.86mm
となる。なお、第1面は球面故にその曲率半径は一定である。
【0147】
従って、比較例2において、像高Y=110mmの位置に夫々スポットを形成するレーザー光束についての上記式(2)の計算結果は、以下の通りとなる。
【0148】
H/2<|βD(D−Lz)/Lz|
2.0<1.36:不成立
このように、比較例2では、走査レンズ21の第1面及び第2面に関して、走査の全域において式(2)が満たされているのではないので、図17及び図18に示されるように、走査レンズ21の第2面でのゴースト光は、偏向方向に依っては、ポリゴンミラー13の反射面に入射してしまい、この反射面によって反射され、走査レンズ21に再入射することによって、走査対象面S上にゴーストを生じさせてしまう。
【0149】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の走査光学系によれば、走査光学系における結像レンズの各レンズ面でのレーザー光束の反射に因るゴースト光が、ポリゴンミラーの上方又は下方を通過することによって、その反射面に入射しないので、その反射面によって反射されて結像レンズに再入射することがない。従って、ゴーストに起因する描画性能劣化を防止することができる一方で、結像レンズの各面にゴースト防止のための反射防止コーティングを施す必要がなくなるので、コーティングに要するコストを節約することができるとともに、結像レンズにプラスチックレンズを用いることができ、よって、走査光学系全体としてのコスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による走査光学系を展開した状態を示す概略光学構成図
【図2】ポリゴンミラーから各感光ドラムまでの走査光学系の副走査方向における光学構成を示す光学構成図
【図3】第1実施形態及び第2実施形態によるゴースト防止の原理を示す原理図
【図4】実施例1の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図5】実施例1の光学構成を示す副走査方向における展開図
【図6】実施例2の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図7】実施例2の光学構成を示す副走査方向における展開図
【図8】実施例3の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図9】実施例3の光学構成を示す副走査方向における展開図
【図10】第3実施形態及び第4実施形態によるゴースト防止の原理を示す原理図
【図11】実施例4の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図12】実施例4の光学構成を示す副走査方向における展開図
【図13】実施例5の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図14】実施例5の光学構成を示す副走査方向における展開図
【図15】比較例1の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図16】比較例1の光学構成を示す副走査方向における展開図
【図17】比較例2の光学構成を示す主走査方向における展開図
【図18】比較例2の光学構成を示す副走査方向における展開図
【符号の説明】
10    走査光学系
11    レーザー光源
12    シリンドリカルレンズ
13    ポリゴンミラー
20    fθレンズ
21    走査レンズ
22    像面湾曲補正レンズ
60    感光ドラム
S    走査対象面

Claims (10)

  1. レーザー光束を発する光源と、その中心軸を中心として一定方向に回転しながらその側面に形成された反射面にて前記レーザー光束を反射することによって、前記レーザー光束を主走査方向に走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーによって走査されつつ反射された前記レーザー光束を走査対象面上に収束させる結像光学系とを備えた走査光学系であって、
    前記レーザー光束の前記ポリゴンミラーの反射面に対する入射方向が、前記主走査方向に直交する副走査方向において斜めに設定され、
    前記結像光学系を構成するとともにゴースト光を反射させるレンズ面を有するレンズの光軸が、副走査方向において、前記ポリゴンミラーの反射面に対する前記レーザー光束の入射点近傍にて当該各反射面に直交するとともに、
    当該レンズ面の形状が、前記ポリゴンミラーの反射面によって反射されたレーザー光束を、前記ゴースト光として、副走査方向において前記ポリゴンミラーの反射面の外側へ向けて反射させる形状となっている
    ことを特徴とする走査光学系。
  2. 前記レンズは、前記結像光学系内において前記ポリゴンミラーに最も近接して配置されており、
    副走査方向における前記レーザー光束の前記ポリゴンミラーの各反射面に対する入射角をβ,前記ポリゴンミラーの各反射面から前記レンズまでの距離をD,前記ポリゴンミラーの各反射面の副走査方向における厚さをH,前記レンズの第1面の副走査断面の曲率半径をRz1とした場合に、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。
    H/2<|2βD(D−Rz1)/Rz1|                                     …(1)
  3. 前記レンズは、前記結像光学系内において前記ポリゴンミラーに最も近接して配置されており、
    副走査方向における前記レーザー光束の前記ポリゴンミラーの各反射面に対する入射角をβ,前記ポリゴンミラーの各反射面から前記レンズまでの距離をD,前記ポリゴンミラーの各反射面の副走査方向における厚さをH,前記レンズの第1面及び第2面の副走査断面の曲率半径を夫々Rz1,Rz2,前記レンズの使用波長における屈折率をNとした場合に、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項1記載の走査光学系。
    H/2<|βD(D−Lz)/Lz|                                     …(2)
    但し、Lz=Rz1z2D/(2NRz1D−2(N−1)Rz2D−Rz1z2
  4. 前記結像光学系は、前記レンズとしての走査レンズと、この走査レンズより走査対象面側に配置された像面湾曲補正レンズとにより、構成され、
    前記走査レンズにアナモフィック非球面、前記像面湾曲補正レンズに2次元多項式非球面を、夫々少なくとも1面用いた
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の走査光学系。
  5. 前記走査レンズにアナモフィック非球面及びトーリック面を夫々1面づつ用いた
    ことを特徴とする請求項4記載の走査光学系。
  6. 前記走査レンズの副走査面における断面形状は、光軸に対して対称な形状である
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の走査光学系。
  7. 前記ポリゴンミラーの各反射面に対して、複数の前記レーザー光束が、副走査方向において斜めに入射する
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の走査光学系。
  8. 前記結像光学系は、前記レンズとしての走査レンズと、この走査レンズより走査対象面側に配置された像面湾曲補正レンズとにより、構成され、
    前記複数のレーザー光束は、前記ポリゴンミラーの各反射面にて反射された後に、共通の走査レンズ,及び、個別の前記像面湾曲補正レンズを順に透過する
    ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の走査光学系。
  9. 前記複数のレーザー光束は、前記走査レンズの光軸に対して対称に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の走査光学系。
  10. 前記走査レンズはプラスチックレンズである
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の走査光学系。
JP2002214380A 2002-07-23 2002-07-23 走査光学系 Expired - Fee Related JP4430855B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002214380A JP4430855B2 (ja) 2002-07-23 2002-07-23 走査光学系
US10/623,692 US7193759B2 (en) 2002-07-23 2003-07-22 Scanning optical system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002214380A JP4430855B2 (ja) 2002-07-23 2002-07-23 走査光学系

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004054133A true JP2004054133A (ja) 2004-02-19
JP2004054133A5 JP2004054133A5 (ja) 2005-09-02
JP4430855B2 JP4430855B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=31936718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002214380A Expired - Fee Related JP4430855B2 (ja) 2002-07-23 2002-07-23 走査光学系

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7193759B2 (ja)
JP (1) JP4430855B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078576A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Canon Inc 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2006171117A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Pentax Corp 走査光学系
JP2009192680A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Canon Inc 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2010256576A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Kyocera Mita Corp 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2012088612A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 光走査装置
JP2013020045A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置
JP2017116701A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 ナルックス株式会社 走査光学系及び走査レンズ
JP2020187177A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 シャープ株式会社 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7744770B2 (en) * 2004-06-23 2010-06-29 Sony Corporation Device transfer method
US7271941B2 (en) * 2005-03-07 2007-09-18 Lexmark International, Inc. Laser scanning unit including a shield
JP2011043793A (ja) * 2009-07-23 2011-03-03 Hoya Corp 走査用対物レンズ、走査型プローブ、及び走査型内視鏡

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5191463A (en) * 1981-10-20 1993-03-02 Canon Kabushiki Kaisha Scanning optical system in which a ghost image is elminated
JPH035562A (ja) 1989-06-01 1991-01-11 Koichi Miura 側面糊付弾性床タイル
JPH03116112A (ja) * 1989-09-29 1991-05-17 Toshiba Corp 走査式光学装置
JPH05346553A (ja) 1992-06-15 1993-12-27 Topcon Corp 光走査装置
JP3242238B2 (ja) * 1993-10-27 2001-12-25 ブラザー工業株式会社 記録装置
JP3365855B2 (ja) 1994-04-19 2003-01-14 ペンタックス株式会社 走査光学系
US5646767A (en) * 1993-12-22 1997-07-08 Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha Scanning optical system
JP3365869B2 (ja) 1993-12-22 2003-01-14 ペンタックス株式会社 走査光学系
JP3450653B2 (ja) 1996-06-13 2003-09-29 キヤノン株式会社 走査光学装置及びレーザビームプリンタ装置
US5946126A (en) * 1997-07-08 1999-08-31 Asahi Kogaku Kogyo Kabushiki Kaisha Laser scanning optical system
JP3863669B2 (ja) 1997-07-08 2006-12-27 ペンタックス株式会社 走査光学系
JP2001305459A (ja) 2000-04-24 2001-10-31 Fuji Photo Film Co Ltd 走査光学系
US6954222B2 (en) * 2002-08-21 2005-10-11 Pentax Corporation Manufacturing method of scanning optical system
JP4171284B2 (ja) * 2002-11-05 2008-10-22 Hoya株式会社 走査光学系

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078576A (ja) * 2004-09-07 2006-03-23 Canon Inc 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4500633B2 (ja) * 2004-09-07 2010-07-14 キヤノン株式会社 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2006171117A (ja) * 2004-12-13 2006-06-29 Pentax Corp 走査光学系
JP4654350B2 (ja) * 2004-12-13 2011-03-16 Hoya株式会社 走査光学系
JP2009192680A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Canon Inc 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2010256576A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Kyocera Mita Corp 光学走査装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2012088612A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 光走査装置
JP2013020045A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Ricoh Co Ltd 光走査装置および画像形成装置
JP2017116701A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 ナルックス株式会社 走査光学系及び走査レンズ
JP2020187177A (ja) * 2019-05-10 2020-11-19 シャープ株式会社 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置
JP7330751B2 (ja) 2019-05-10 2023-08-22 シャープ株式会社 光走査装置およびそれを備えた画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7193759B2 (en) 2007-03-20
US20040109213A1 (en) 2004-06-10
JP4430855B2 (ja) 2010-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6388792B1 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
JP3478491B2 (ja) 走査結像レンズ・光走査装置および画像形成装置
JP5046760B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP5489612B2 (ja) 走査光学装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3453737B2 (ja) 走査結像光学系・光走査装置および画像形成装置
JP5116559B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4970864B2 (ja) 光走査装置、及びその光走査装置を備える光書込装置、並びにその光走査装置またはその光書込装置を備える画像形成装置
EP1939666B1 (en) Optical scanning device and image forming apparatus using the same
JP4430855B2 (ja) 走査光学系
JP5896651B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4708862B2 (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP5903773B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
US7791632B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus using the same
JP2001343602A (ja) 光走査光学系及びそれを用いた画像形成装置
JP2004070108A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP2004070109A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4171284B2 (ja) 走査光学系
JP4293780B2 (ja) 走査光学系
JP3943820B2 (ja) 光走査装置及びマルチビーム光走査装置及び画像形成装置
JP2006330688A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
US6954222B2 (en) Manufacturing method of scanning optical system
JP2004302062A (ja) マルチビーム光走査装置
JP4171213B2 (ja) 走査光学系
JP2008170487A (ja) 光走査装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4191562B2 (ja) 走査光学系の生産方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050302

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050302

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4430855

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees