JP2004054044A - レンズフード装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のレンズフードは、個々の撮影レンズに専用に設けられており、汎用性がなく撮影レンズ毎に用意され、また倍率が幅広いズーミングレンズの場合、広角側にレンズフード性能を合わせて作成すると、望遠側では適正に遮光しない場合もある。
【解決手段】本発明は、レンズ鏡筒1の先端部分に設けられるレンズ側環状部材2に、その先端部の球面からなる嵌合面3aで摺動可能にフード側環状部材3が嵌合され、レンズ側環状部材2にフード4が固定される。このフード側環状部材3の被揺動壁部3cがレンズ側環状部材2に設けられた揺動ネジ8のねじ込みにより、被揺動壁部3cが前方に押されてフード4を前方に傾けて、レンズ鏡筒1の画角外にある、ゴーストやフレアの原因となる不要な光を遮光するレンズフード装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、レンズ鏡筒1の先端部分に設けられるレンズ側環状部材2に、その先端部の球面からなる嵌合面3aで摺動可能にフード側環状部材3が嵌合され、レンズ側環状部材2にフード4が固定される。このフード側環状部材3の被揺動壁部3cがレンズ側環状部材2に設けられた揺動ネジ8のねじ込みにより、被揺動壁部3cが前方に押されてフード4を前方に傾けて、レンズ鏡筒1の画角外にある、ゴーストやフレアの原因となる不要な光を遮光するレンズフード装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等の撮影レンズの先端に設けられ、撮影像に対して不必要な光を遮光するレンズフード装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、晴天の屋外で撮影する際に、カメラの撮影レンズ(レンズ鏡筒)の先端には、レンズ内に不必要な光が入り込まないようにレンズフードが取り付けられている。このレンズフードは、撮影レンズの画角外にある、ゴーストやフレアの原因となる不要な光を遮光する役目で設けられている。
【0003】
また、このレンズフードは、「ひさし」としても機能し、埃や水滴等が付きにくくなり、結果として画質の低下を抑制している。このレンズフードは、丸形や花形等の種々の形状を有している。例えば、実開平6−36043号公報には、花形レンズフードの形状を成し、小型フード(カム面)が回動可能に構成されるレンズフードが開示されている。このレンズフードは、レンズキャップを装着する際に、小型レンズフードを回して大型レンズフード側に移動させて、レンズキャップが装着しやすいように構成され、且つ撮影時には小型フードを戻すことにより十分なフード効果が持たせられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したレンズフードは、撮影レンズの画角により、カム面の大きさやその広がりなどの形状が工夫され、その撮影レンズに対して専用のものが用意されている。しかし、汎用性がないため、撮影レンズ個々に用意することとなり、そのレンズ毎に複数のフードを携帯しなければならなくなる。
【0005】
また、撮影レンズが単焦点レンズであれば、専用に作られているため、ほぼ適正な遮光ができるが、倍率が幅広いズーミングレンズに用いる場合、広角側にレンズフード性能を合わせて作成すると、望遠側においては適正に機能するとは限らない場合もある。つまり、必要に応じて、光の入射を制御しているものではないため、撮影者の意図する写真を描写できない場合もある。
【0006】
そこで本発明は、撮影レンズの画角に制限されずに、撮影者により自在に不要な光を遮断することができるレンズフード装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、レンズ鏡筒に装着されるレンズフードと、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し、揺動させる揺動手段とを有するレンズフード装置を提供する。
【0008】
上記レンズフード装置において、上記揺動手段は上記レンズフード側に第1の環状部材を有し、その内周面は第1の球面を有し、上記レンズ鏡筒側に第2の環状部材を有し、その外周面は第2の球面を有し、上記第1の球面と嵌合し、互いの環状部材は相対移動可能である。また上記レンズフードは、上記レンズ鏡筒の光軸に関し、回転可能である。
【0009】
さらに、レンズ鏡筒に装着されるレンズフード装置において、レンズフードと、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し傾け可能とする揺動手段と、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸周りに回転させる回転手段とを有するレンズフード装置を提供する。
【0010】
また、レンズ鏡筒に装着されるレンズフード装置において、レンズフードと、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し傾け可能とする揺動手段と、 上記揺動手段によって上記レンズフードの傾き具合を設定する揺動設定手段と、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸周りに回転させる回転手段とを有するレンズフード装置を提供する。
【0011】
以上のような構成のレンズフード装置は、第2の環状部材を揺動手段により、不要な光の入射する角度に揺動させることにより、フードを傾けて、レンズ鏡筒の画角外にあるゴーストやフレアの原因となる不要な光の入射を遮光する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のレンズフード装置に係る一実施形態の外観構成を示し、図2は、その断面構成を示している。図3は、上記レンズフード装置のフードを可動させた状態の外観構成を示し、図4は、その断面構成を示している。
【0013】
このレンズフード装置は、カメラに設けられたレンズ鏡筒または単体であるレンズ鏡筒1の先端部分に設けられたフィルタネジ1aに螺着する雄ネジであるフィルタネジ2aと外周に球面の一部であるリング状の第2の球面である摺動用球面部2bとこの摺動用球面部2bから上記レンズ鏡筒1の光軸方向にこのレンズ鏡筒外周を覆うように環状に延びた環部2cとこの環部2cの端部に設けられ、レンズ鏡筒1の径方向に延び、レンズ鏡筒1の全周に亘って凸状に張り出したリング状のフランジ部2dとを一体的に有した第2の環状部材であるレンズ側環状部材2と、摺動用球面部2bと嵌合してその球面部と摺動可能な球面の一部であるリング状の第1の球面である摺動用球面部3aとその外周に形成されたリング状の溝3bとこの外周より上記径方向に向かって一部延出した被揺動壁部3cとを有する第1の環状部材であるフード側環状部材3と、上記溝3bに係合して固定され、被写体側に向かって広がる円錐のラッパ形状で変形可能なゴム等で形成されたフード部4と、上記フランジ部2dの外周に嵌合して摺動する内周面6aとこの内周面6aから内径側に向かってリング状に張り出した凸部6bと上記内周面6aに設けられたリング状の溝部6cと外周にローレット溝が設けられた回転リング6と、この回転リング6の溝部6cに嵌合している上記レンズ鏡筒外周を跨ぐように形成されたC字形状のバネ材である止め部材7と、上記回転リング6に撮影レンズの光軸と平行に設けられたネジ穴6eにネジ嵌合するネジ軸8cを有する揺動ネジ8とで構成されている。
【0014】
さらに、上記被揺動壁部3cにはU字状の、フード側環状部材3の径方向に切り欠かれた切り欠き部3dを有している。また回転リング表面6dには上記ローレットの凹凸が設けられて、滑り止めとして機能し、さらに回転リング6には、レンズ側環状部材2に対して回転を防止可能するため径方向にネジ穴6fが設けられ、このネジ穴6fに回転固定ネジ10がネジ嵌合している。
【0015】
また、レンズ側環状部材2とフード側環状部材3とがそれぞれの球面部2b、3aで嵌合するため、上記環状部材2、3のどちらか一方は、完全なリング状のループにせず、その円周上の一部を切り欠き、Cの字形状として形成して上記嵌合を行いやすくすることが好ましい。
【0016】
この回転固定ネジ10の先端が上記フランジ部2dの外周と当接することで回転リング6がレンズ側環状部材2と相対回転することを防止可能とする。回転リング6の上記凸部6bと上記止め部材7とで回転リング6が上記フランジ部2dに対し回転可能で、且つ上記フランジ部2dから上記光軸方向に脱落するのを防止している。また、揺動ネジ8は、後方から回転リング6のネジ穴6eに螺合しつつ貫通して前方の被揺動壁部3cの切り欠き部3dに貫装される。
【0017】
上記レンズ側環状部材2、フード側環状部材3、回転リング6及び揺動ネジ8は、アルミニウム等の軽量な金属で形成されている。勿論、使い勝手や耐久性等を満たすのであれば、樹脂による部材を混在させてもよい。また、フード4は、ゴムなどの変形可能な弾性部材が好ましいが、樹脂等で形成してもよい。フードの内面には、複数の遮光線4aが環状に設けられている。
【0018】
上記揺動ネジ8は、先端につば部8aが設けられており、切り欠き部3dの前面側につば部8aを掛けた状態で、切り欠き部3dの後面側でC字形状のバネ材である止め部材9を嵌着して、被揺動壁部3cへ回転可能に係止されている。つば部8aと止め部材9との間隔は、被揺動壁部3cの厚みよりも充分大きく、充分なガタを有している。また、揺動ネジ8は、回転リング6の後方(レンズ鏡筒側)に揺動ネジ操作部8bが設けられている。
【0019】
図3及び図4に示すように、揺動ネジ8のつば部8a若しくは止め部材9と被揺動壁部3cとの当接によって構成される揺動設定手段の揺動ネジ操作部8bを右回転させると、揺動ネジ8が前進して、止め部材9が被揺動壁部3cに当接して、被揺動壁部3cを前方に押し出す。この押し出しにより、上記第1の球面3aと上記第2の球面2bとの嵌合で構成される揺動手段の作用により、被揺動壁部3cが設けられたフード側環状部材3部分(上部側)が、嵌合面2a,3aに沿って前方へ摺動され、一方、中心(光軸)を経て対峙する部分(下部側)が後方に移動して光軸に対して揺動角θで傾くようになる。図3及び図4に示す状態は、フレア等を招く光源がレンズ鏡筒1の上方に位置するシーン等、例えば、日中の屋外の撮影における太陽からの不要光を遮光する例を示している。
【0020】
また、不要光の入射方向によっては、回転リング6に設けられた固定ネジ10を緩めて、回転リング6とレンズ側環状部材2との嵌合によって構成される回転手段によって、回転リング6を撮影レンズの光軸周りに回し、被揺動壁部3cがその入射方向に向かう位置で固定する。例えば、カメラを横から縦に構えて、縦長の写真を撮影する場合には、回転リング6を90度回転させることにより、フード4により不要光を遮光することができる。
【0021】
また、揺動ネジ操作部8bを回転させて、フード4を不要光の入射角度に合わせて、適宜、動揺角を設定することにより、撮影者の意図する写真を描写することができる。勿論、揺動ネジ8は、左右に回転でき、揺動ネジ操作部8bを上述と異なる左回転をさせると、揺動ネジ8が後退して、つば部8aが被揺動壁部3cに当接して上述とは異なる反対方向へフード4が傾き、フード4の傾きも自由に調節できる。
【0022】
以上の本実施形態のレンズフード装置は、撮影レンズの画角に制限されずに種々の撮影レンズに対応可能な汎用性を有し、撮影者により自在に不要な光を遮断することができる。
【0023】
本実施形態では、フード形状に丸形を図示しているが、花形等の種々の形状であっても容易に適用することができる。
【0024】
尚、本実施形態では、ネジの押し出しにより球面からなる嵌合面で摺動させて、フードに傾きを持たせる構成であったが、簡易な構造であれば、レンズ側環状部材とフード側環状部材とを樹脂等からなるベローズ(蛇腹)で連結しておき、撮影者が手でフードを傾けることで、不要光を遮光することもできる。
【0025】
以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0026】
(1)カメラのレンズ鏡筒の先端部分に設けられるレンズ側環状部材と、
上記レンズ側環状部材の先端側に設けられた球面形状からなる嵌合面で摺動可能に嵌合するフード側環状部材と、
上記フード側環状部材の先端に設けられたフードと、
上記レンズ側環状部材に設けられて、ねじ込みにより上記フード側環状部材に設けられた被揺動壁を前方に押し出す揺動ネジと、
で構成され、上記揺動ネジのねじ込みにより、上記フードを上記レンズ鏡筒の光軸に対して動揺角を持たせることにより、不要な光を遮光することを特徴とするレンズフード装置。
【0027】
(2)カメラのレンズ鏡筒の先端部分に設けられるレンズ側環状部材と、
上記レンズ側環状部材の先端側に設けられた球面形状からなる嵌合面で摺動可能に嵌合するフード側環状部材と、
上記フード側環状部材の先端に設けられたフードと、
上記レンズ側環状部材と上記フード側環状部材とを連結する蛇腹部材と、
を具備し、
上記蛇腹部材を延縮させて上記フードを上記レンズ鏡筒の光軸に対して動揺角を持たせることにより、不要な光を遮光することを特徴とするレンズフード装置。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、撮影レンズの画角に制限されずに撮影者により自在に不要な光を遮断することができるレンズフード装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズフード装置に係る一実施形態の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示したレンズフード装置の断面構成を示す図である。
【図3】図1に示したレンズフード装置のフードを可動させた状態の外観構成を示す図である。
【図4】図3に示したレンズフード装置のフードを可動させた状態の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…レンズ鏡筒
1a、2a…フィルタネジ
2…レンズ側環状部材
2b、3a…摺動用嵌合面
2c…環部
2d…フランジ部
3…フード側環状部材
3b…溝
3c…被揺動壁部
3d…切り欠き部
4…フード
6…回転リング
6a…内周面
6b…凸部
6c…溝部
6d…回転リング表面
6e、6f…ネジ穴
7、9…止め部材
8…揺動ネジ
8a…つば部
8b…揺動ネジ操作部
8c…ネジ軸
10…固定ネジ
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ等の撮影レンズの先端に設けられ、撮影像に対して不必要な光を遮光するレンズフード装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、晴天の屋外で撮影する際に、カメラの撮影レンズ(レンズ鏡筒)の先端には、レンズ内に不必要な光が入り込まないようにレンズフードが取り付けられている。このレンズフードは、撮影レンズの画角外にある、ゴーストやフレアの原因となる不要な光を遮光する役目で設けられている。
【0003】
また、このレンズフードは、「ひさし」としても機能し、埃や水滴等が付きにくくなり、結果として画質の低下を抑制している。このレンズフードは、丸形や花形等の種々の形状を有している。例えば、実開平6−36043号公報には、花形レンズフードの形状を成し、小型フード(カム面)が回動可能に構成されるレンズフードが開示されている。このレンズフードは、レンズキャップを装着する際に、小型レンズフードを回して大型レンズフード側に移動させて、レンズキャップが装着しやすいように構成され、且つ撮影時には小型フードを戻すことにより十分なフード効果が持たせられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したレンズフードは、撮影レンズの画角により、カム面の大きさやその広がりなどの形状が工夫され、その撮影レンズに対して専用のものが用意されている。しかし、汎用性がないため、撮影レンズ個々に用意することとなり、そのレンズ毎に複数のフードを携帯しなければならなくなる。
【0005】
また、撮影レンズが単焦点レンズであれば、専用に作られているため、ほぼ適正な遮光ができるが、倍率が幅広いズーミングレンズに用いる場合、広角側にレンズフード性能を合わせて作成すると、望遠側においては適正に機能するとは限らない場合もある。つまり、必要に応じて、光の入射を制御しているものではないため、撮影者の意図する写真を描写できない場合もある。
【0006】
そこで本発明は、撮影レンズの画角に制限されずに、撮影者により自在に不要な光を遮断することができるレンズフード装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、レンズ鏡筒に装着されるレンズフードと、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し、揺動させる揺動手段とを有するレンズフード装置を提供する。
【0008】
上記レンズフード装置において、上記揺動手段は上記レンズフード側に第1の環状部材を有し、その内周面は第1の球面を有し、上記レンズ鏡筒側に第2の環状部材を有し、その外周面は第2の球面を有し、上記第1の球面と嵌合し、互いの環状部材は相対移動可能である。また上記レンズフードは、上記レンズ鏡筒の光軸に関し、回転可能である。
【0009】
さらに、レンズ鏡筒に装着されるレンズフード装置において、レンズフードと、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し傾け可能とする揺動手段と、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸周りに回転させる回転手段とを有するレンズフード装置を提供する。
【0010】
また、レンズ鏡筒に装着されるレンズフード装置において、レンズフードと、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し傾け可能とする揺動手段と、 上記揺動手段によって上記レンズフードの傾き具合を設定する揺動設定手段と、上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸周りに回転させる回転手段とを有するレンズフード装置を提供する。
【0011】
以上のような構成のレンズフード装置は、第2の環状部材を揺動手段により、不要な光の入射する角度に揺動させることにより、フードを傾けて、レンズ鏡筒の画角外にあるゴーストやフレアの原因となる不要な光の入射を遮光する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のレンズフード装置に係る一実施形態の外観構成を示し、図2は、その断面構成を示している。図3は、上記レンズフード装置のフードを可動させた状態の外観構成を示し、図4は、その断面構成を示している。
【0013】
このレンズフード装置は、カメラに設けられたレンズ鏡筒または単体であるレンズ鏡筒1の先端部分に設けられたフィルタネジ1aに螺着する雄ネジであるフィルタネジ2aと外周に球面の一部であるリング状の第2の球面である摺動用球面部2bとこの摺動用球面部2bから上記レンズ鏡筒1の光軸方向にこのレンズ鏡筒外周を覆うように環状に延びた環部2cとこの環部2cの端部に設けられ、レンズ鏡筒1の径方向に延び、レンズ鏡筒1の全周に亘って凸状に張り出したリング状のフランジ部2dとを一体的に有した第2の環状部材であるレンズ側環状部材2と、摺動用球面部2bと嵌合してその球面部と摺動可能な球面の一部であるリング状の第1の球面である摺動用球面部3aとその外周に形成されたリング状の溝3bとこの外周より上記径方向に向かって一部延出した被揺動壁部3cとを有する第1の環状部材であるフード側環状部材3と、上記溝3bに係合して固定され、被写体側に向かって広がる円錐のラッパ形状で変形可能なゴム等で形成されたフード部4と、上記フランジ部2dの外周に嵌合して摺動する内周面6aとこの内周面6aから内径側に向かってリング状に張り出した凸部6bと上記内周面6aに設けられたリング状の溝部6cと外周にローレット溝が設けられた回転リング6と、この回転リング6の溝部6cに嵌合している上記レンズ鏡筒外周を跨ぐように形成されたC字形状のバネ材である止め部材7と、上記回転リング6に撮影レンズの光軸と平行に設けられたネジ穴6eにネジ嵌合するネジ軸8cを有する揺動ネジ8とで構成されている。
【0014】
さらに、上記被揺動壁部3cにはU字状の、フード側環状部材3の径方向に切り欠かれた切り欠き部3dを有している。また回転リング表面6dには上記ローレットの凹凸が設けられて、滑り止めとして機能し、さらに回転リング6には、レンズ側環状部材2に対して回転を防止可能するため径方向にネジ穴6fが設けられ、このネジ穴6fに回転固定ネジ10がネジ嵌合している。
【0015】
また、レンズ側環状部材2とフード側環状部材3とがそれぞれの球面部2b、3aで嵌合するため、上記環状部材2、3のどちらか一方は、完全なリング状のループにせず、その円周上の一部を切り欠き、Cの字形状として形成して上記嵌合を行いやすくすることが好ましい。
【0016】
この回転固定ネジ10の先端が上記フランジ部2dの外周と当接することで回転リング6がレンズ側環状部材2と相対回転することを防止可能とする。回転リング6の上記凸部6bと上記止め部材7とで回転リング6が上記フランジ部2dに対し回転可能で、且つ上記フランジ部2dから上記光軸方向に脱落するのを防止している。また、揺動ネジ8は、後方から回転リング6のネジ穴6eに螺合しつつ貫通して前方の被揺動壁部3cの切り欠き部3dに貫装される。
【0017】
上記レンズ側環状部材2、フード側環状部材3、回転リング6及び揺動ネジ8は、アルミニウム等の軽量な金属で形成されている。勿論、使い勝手や耐久性等を満たすのであれば、樹脂による部材を混在させてもよい。また、フード4は、ゴムなどの変形可能な弾性部材が好ましいが、樹脂等で形成してもよい。フードの内面には、複数の遮光線4aが環状に設けられている。
【0018】
上記揺動ネジ8は、先端につば部8aが設けられており、切り欠き部3dの前面側につば部8aを掛けた状態で、切り欠き部3dの後面側でC字形状のバネ材である止め部材9を嵌着して、被揺動壁部3cへ回転可能に係止されている。つば部8aと止め部材9との間隔は、被揺動壁部3cの厚みよりも充分大きく、充分なガタを有している。また、揺動ネジ8は、回転リング6の後方(レンズ鏡筒側)に揺動ネジ操作部8bが設けられている。
【0019】
図3及び図4に示すように、揺動ネジ8のつば部8a若しくは止め部材9と被揺動壁部3cとの当接によって構成される揺動設定手段の揺動ネジ操作部8bを右回転させると、揺動ネジ8が前進して、止め部材9が被揺動壁部3cに当接して、被揺動壁部3cを前方に押し出す。この押し出しにより、上記第1の球面3aと上記第2の球面2bとの嵌合で構成される揺動手段の作用により、被揺動壁部3cが設けられたフード側環状部材3部分(上部側)が、嵌合面2a,3aに沿って前方へ摺動され、一方、中心(光軸)を経て対峙する部分(下部側)が後方に移動して光軸に対して揺動角θで傾くようになる。図3及び図4に示す状態は、フレア等を招く光源がレンズ鏡筒1の上方に位置するシーン等、例えば、日中の屋外の撮影における太陽からの不要光を遮光する例を示している。
【0020】
また、不要光の入射方向によっては、回転リング6に設けられた固定ネジ10を緩めて、回転リング6とレンズ側環状部材2との嵌合によって構成される回転手段によって、回転リング6を撮影レンズの光軸周りに回し、被揺動壁部3cがその入射方向に向かう位置で固定する。例えば、カメラを横から縦に構えて、縦長の写真を撮影する場合には、回転リング6を90度回転させることにより、フード4により不要光を遮光することができる。
【0021】
また、揺動ネジ操作部8bを回転させて、フード4を不要光の入射角度に合わせて、適宜、動揺角を設定することにより、撮影者の意図する写真を描写することができる。勿論、揺動ネジ8は、左右に回転でき、揺動ネジ操作部8bを上述と異なる左回転をさせると、揺動ネジ8が後退して、つば部8aが被揺動壁部3cに当接して上述とは異なる反対方向へフード4が傾き、フード4の傾きも自由に調節できる。
【0022】
以上の本実施形態のレンズフード装置は、撮影レンズの画角に制限されずに種々の撮影レンズに対応可能な汎用性を有し、撮影者により自在に不要な光を遮断することができる。
【0023】
本実施形態では、フード形状に丸形を図示しているが、花形等の種々の形状であっても容易に適用することができる。
【0024】
尚、本実施形態では、ネジの押し出しにより球面からなる嵌合面で摺動させて、フードに傾きを持たせる構成であったが、簡易な構造であれば、レンズ側環状部材とフード側環状部材とを樹脂等からなるベローズ(蛇腹)で連結しておき、撮影者が手でフードを傾けることで、不要光を遮光することもできる。
【0025】
以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0026】
(1)カメラのレンズ鏡筒の先端部分に設けられるレンズ側環状部材と、
上記レンズ側環状部材の先端側に設けられた球面形状からなる嵌合面で摺動可能に嵌合するフード側環状部材と、
上記フード側環状部材の先端に設けられたフードと、
上記レンズ側環状部材に設けられて、ねじ込みにより上記フード側環状部材に設けられた被揺動壁を前方に押し出す揺動ネジと、
で構成され、上記揺動ネジのねじ込みにより、上記フードを上記レンズ鏡筒の光軸に対して動揺角を持たせることにより、不要な光を遮光することを特徴とするレンズフード装置。
【0027】
(2)カメラのレンズ鏡筒の先端部分に設けられるレンズ側環状部材と、
上記レンズ側環状部材の先端側に設けられた球面形状からなる嵌合面で摺動可能に嵌合するフード側環状部材と、
上記フード側環状部材の先端に設けられたフードと、
上記レンズ側環状部材と上記フード側環状部材とを連結する蛇腹部材と、
を具備し、
上記蛇腹部材を延縮させて上記フードを上記レンズ鏡筒の光軸に対して動揺角を持たせることにより、不要な光を遮光することを特徴とするレンズフード装置。
【0028】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、撮影レンズの画角に制限されずに撮影者により自在に不要な光を遮断することができるレンズフード装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズフード装置に係る一実施形態の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示したレンズフード装置の断面構成を示す図である。
【図3】図1に示したレンズフード装置のフードを可動させた状態の外観構成を示す図である。
【図4】図3に示したレンズフード装置のフードを可動させた状態の断面構成を示す図である。
【符号の説明】
1…レンズ鏡筒
1a、2a…フィルタネジ
2…レンズ側環状部材
2b、3a…摺動用嵌合面
2c…環部
2d…フランジ部
3…フード側環状部材
3b…溝
3c…被揺動壁部
3d…切り欠き部
4…フード
6…回転リング
6a…内周面
6b…凸部
6c…溝部
6d…回転リング表面
6e、6f…ネジ穴
7、9…止め部材
8…揺動ネジ
8a…つば部
8b…揺動ネジ操作部
8c…ネジ軸
10…固定ネジ
Claims (5)
- レンズ鏡筒に装着されるレンズフードと、
上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し、揺動させる揺動手段と、
を有することを特徴とするレンズフード装置。 - 上記レンズフード装置において、上記揺動手段は、
上記レンズフード側には、第1の環状部材を有し、その内周面は第1の球面を有し、
上記レンズ鏡筒側には、第2の環状部材を有し、その外周面は第2の球面を有し、上記第1の球面と嵌合し、互いの環状部材は相対移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のレンズフード装置。 - 上記レンズフード装置において、
上記レンズフードは、上記レンズ鏡筒の光軸に関し、回転可能であることを特徴とする請求項1及び2に記載のレンズフード装置。 - レンズ鏡筒に装着されるレンズフード装置において、
レンズフードと、
上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し傾け可能とする揺動手段と、
上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸周りに回転させる回転手段と、
を有するレンズフード装置。 - レンズ鏡筒に装着されるレンズフード装置において、
レンズフードと、
上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸に対し傾け可能とする揺動手段と、上記揺動手段によって上記レンズフードの傾き具合を設定する揺動設定手段と、
上記レンズフードを上記レンズ鏡筒の光軸周りに回転させる回転手段と、
を有するレンズフード装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002212858A JP2004054044A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | レンズフード装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002212858A JP2004054044A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | レンズフード装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004054044A true JP2004054044A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31935668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002212858A Withdrawn JP2004054044A (ja) | 2002-07-22 | 2002-07-22 | レンズフード装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004054044A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7126768B2 (en) | 2003-05-15 | 2006-10-24 | Sekinos Co., Ltd. | Projection lens unit |
JP2008304665A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Canon Inc | 放送局用テレビレンズ |
JP2014520249A (ja) * | 2011-04-29 | 2014-08-21 | ペイラ ベーフェーベーアー | 立体視システム |
JP2019191280A (ja) * | 2018-04-20 | 2019-10-31 | マルミ光機株式会社 | フィルターの回転枠構造 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212858A patent/JP2004054044A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7126768B2 (en) | 2003-05-15 | 2006-10-24 | Sekinos Co., Ltd. | Projection lens unit |
JP2008304665A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Canon Inc | 放送局用テレビレンズ |
JP2014520249A (ja) * | 2011-04-29 | 2014-08-21 | ペイラ ベーフェーベーアー | 立体視システム |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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