JP2004053914A - 液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性に優れる液晶パネルおよび液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液晶パネル1Aは、液晶層2と、液晶層2の両面側に配設された配向膜3A、3A’と、配向膜3Aに隣接して配設された無機材料膜4Aと、配向膜3A’に隣接して配設された無機材料膜4A’と、無機材料膜4Aに隣接して配設された透明導電膜5と、無機材料膜4A’に隣接して配設された透明導電膜6とを有する。無機材料膜4A、4A’は、主として無機材料で構成されたものである。無機材料膜4A、4A’は、300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%以下のものである。また、配向膜3A、3A’は、光安定化剤を含むものである。前記光安定化剤は、ヒンダートアミン系化合物を主とするものである。配向膜3A、3A’中における金属イオン濃度は、5ppm以下であるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルおよび液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スクリーン上に画像を投影する投射型表示装置が知られている。この投射型表示装置では、その画像形成に主として液晶パネルが用いられている。
【0003】
このような液晶パネルは、通常、2枚の配向膜と、これらに挟持された液晶層とを有しているが、配向膜、液晶層等の構成材料が、使用環境、使用時間等により、光劣化を生じることがあった。このような光劣化が起こると、配向膜、液晶層等の構成材料が分解し、その分解生成物が液晶の性能等に悪影響を及ぼすことがある。
【0004】
このような悪影響は、紫外線の照射量の多い屋外で用いられる場合に、特に顕著に現れることが知られていたが、近年の投射型表示装置(液晶パネル)の高輝度化等に伴い、紫外線の照射量の少ない屋内等で用いる場合でも、大きな問題になりつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐光性に優れる液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(26)の本発明により達成される。
【0007】
(1) 液晶層と、
前記液晶層の両面側に配設された配向膜と、
前記配向膜の前記液晶層と対向する面とは反対の面側に配設された電極とを有する液晶パネルであって、
前記配向膜と前記電極との間に、前記配向膜と前記電極との接触を防止する、主として無機材料で構成された無機材料膜を有し、かつ、
前記配向膜のうち少なくとも一方は、光安定化剤を含むものであることを特徴とする液晶パネル。
【0008】
(2) 光源からの光を入射させて用いる上記(1)に記載の液晶パネル。
【0009】
(3) 少なくとも、前記液晶層の光が入射する面側に設置された前記配向膜中に前記光安定化剤が含まれる上記(2)に記載の液晶パネル。
【0010】
(4) 少なくとも、前記液晶層の光が入射する面側に、前記無機材料膜が設置されている上記(2)または(3)に記載の液晶パネル。
【0011】
(5) 前記無機材料膜は、300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%以下のものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0012】
(6) 前記無機材料膜の平均厚さが1〜20nmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0013】
(7) 前記無機材料膜は、主として、バンドギャップが4eV以上の材料で構成されたものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0014】
(8) 前記無機材料膜は、MgF、CaF、BaF、Al、MgO、LiF、CsI、HfOから選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0015】
(9) 前記無機材料膜は、気相成膜法により形成されたものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0016】
(10) 前記光安定化剤は、平均分子量Mwが250〜3000である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0017】
(11) 前記光安定化剤は、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体のうち少なくとも1種を含むものである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0018】
(12) 前記光安定化剤は、金属イオンを除去したものである上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0019】
(13) 前記配向膜中における金属イオン濃度は、5ppm以下である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0020】
(14) 前記配向膜中における前記光安定化剤の含有量は、5wt%以下である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0021】
(15) 前記配向膜は、主としてポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂で構成されたものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0022】
(16) 前記配向膜は、スピンコート法により形成されたものである上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0023】
(17) 前記配向膜の平均厚さが20〜120nmである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0024】
(18) 前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、20≦Ti+To≦120の関係を満足する上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0025】
(19) 前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、1.0≦To/Ti≦120の関係を満足する上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0026】
(20) 前記配向膜のうちの一方について、前記液晶層と対向する面とは反対の面側に、マイクロレンズ基板が配設された上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0027】
(21) 前記マイクロレンズ基板の前記液晶層と対向する面側に、ブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスを覆う電極としての導電膜とが設けられた上記(20)に記載の液晶パネル。
【0028】
(22) 画素電極を備えた液晶駆動基板を有する上記(1)ないし(21)のいずれかに記載の液晶パネル。
【0029】
(23) 前記液晶駆動基板は、マトリックス状に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接続された薄膜トランジスタとを有するTFT基板である上記(22)に記載の液晶パネル。
【0030】
(24) 上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0031】
(25) 上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて画像を投射することを特徴とする液晶表示装置。
【0032】
(26) 画像を形成する赤色、緑色および青色に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光源からの光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記各光を対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系と、前記各画像を合成する色合成光学系と、前記合成された画像を投射する投射光学系とを有する液晶表示装置であって、
前記ライトバルブは、上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の液晶パネルの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。図1に示すように、液晶パネル1Aは、液晶層2と、配向膜3A、3A’と、無機材料膜4A、4A’と、透明導電膜(電極)5、6と、偏光膜7A、7A’と、基板9、10とを有している。
【0035】
液晶層2は、主として、液晶分子で構成されている。
液晶層2を構成する液晶分子としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶分子を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。さらに、これらネマチック液晶分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。
【0036】
液晶層2の両面には、配向膜3A、3A’が配置されている。配向膜3A、3A’は、液晶層2を構成する液晶分子の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有する。
【0037】
配向膜3A、3A’は、通常、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料で構成されたものである。前記高分子材料の中でも特に、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。配向膜3A、3A’が、主として、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂で構成されたものであると、製造工程において簡便に高分子膜を形成できるとともに、耐熱性、耐薬品性などに優れた特性を有するものとなる。
【0038】
また、配向膜3A、3A’としては、通常、上記のような材料で構成された膜に、液晶層2を構成する液晶分子の配向を規制する配向機能を付与するための処理が施されたものが用いられる。配向機能を付与するための処理法としては、例えば、ラビング法、光配向法等が挙げられる。
【0039】
ラビング法は、ローラ等を用いて、膜の表面を一定の方向に擦る(ラビングする)方法である。このような処理を施すことにより、膜はラビングした方向に異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
【0040】
光配向法は、直線偏光紫外線等の光を膜の表面付近に照射することにより、膜を構成する高分子のうち、特定方向を向いている分子のみを選択的に反応させる方法である。このような処理を施すことにより、膜は異方性を有するものとなり、液晶層を構成する液晶分子の配向方向を規制することが可能となる。
【0041】
上記のような配向処理は、通常、基板上に形成された無機材料膜の表面に、前記材料で構成された膜を形成した後、当該膜に対して施される。無機材料膜の表面に成膜を行う方法としては、例えば、ディッピング、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、ロールコーター等の各種塗装・塗布法、溶射法、電解めっき、浸漬めっき、無電解めっき等の湿式めっき法、真空蒸着、スパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の乾式めっき法等が挙げられるが、この中でも特に、スピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いることにより、均質で、均一な厚さの膜を、容易かつ確実に形成することができる。
【0042】
上述したように、配向膜3A、3A’は、通常、主として、高分子材料で構成されたものであるが、本発明では、配向膜中に、光安定化剤を含有することに特徴を有する。このように、配向膜中に光安定化剤が含まれることにより、液晶パネル全体としての耐光性が向上し、配向膜の耐光性が向上し、光(特に紫外線、可視光)による配向膜の構成材料や液晶層の構成材料等の劣化(分解、変性等)を効果的に防止することが可能となる。これにより、液晶層2が、分解生成物等により汚損されるのが防止され、結果として、液晶パネル1Aの長期安定性が向上し、液晶パネル1Aは、長期間にわたって優れた表示特性を維持することが可能となる。
【0043】
このように、本発明によれば、耐光性に優れた液晶パネルを得ることができる。したがって、本発明は、紫外線の照射量が多い環境(例えば、屋外)や、光源から入射する光量が多い装置(例えば、後述するような投射型表示装置等)に用いられる液晶パネルのような、従来では長期間にわたって安定した特性を得るのが困難であった液晶パネルにも、好適に適用することができる。
【0044】
光安定化剤は、配向膜3A、3A’の両方に含まれているのが好ましいが、これらのうち少なくとも一方に含まれていればよい。この場合、光が入射する側に設置される配向膜中に光安定化剤が含まれているのが好ましい。これにより、光による配向膜の構成材料や液晶層の構成材料等の劣化(分解、変性等)を、より効果的に防止することが可能となる。その結果、液晶パネル1Aの長期安定性がさらに向上する。
【0045】
本発明で用いる光安定化剤は、光の照射による配向膜の構成材料、液晶層の構成材料等の劣化、分解等を防止、抑制する効果を有するものであればいかなるものであってもよい。
【0046】
このような光安定化剤としては、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下、これらの光安定化剤について詳細に説明する。
【0047】
[1]フェノール系化合物
フェノール系化合物としては、例えば、N,N’−ジサリチリデン−1,2−プロパンジアミン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−2−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、スチレン化されたフェノール、スチレン化されたクレゾール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−シクロヘキシル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール、2,2’−エチリデン−ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス−(2−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリ−エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、2,2’−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオ−ジエチレン−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフテート、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシヒドロ−シナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレート、トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、エチル−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)リン酸の金属塩(例えばカルシウム塩)、プロピル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、オクチル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、ドデシル−3,4,5−トリ−ヒドロキシベンゼンカルボネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
[2]芳香族アミン系化合物
芳香族アミン系化合物としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ヒドロキノリン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノン(高分子化されたものを含む)、アルドール−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
[3]サルファイド系化合物
サルファイド系化合物としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−メチル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル−ステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]サルファイド、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾールや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
[4]リン系化合物
リン系化合物としては、例えば、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルトリデシルホスファイト、ホスホナスアシッド[1,1−ジフェニル−4,4’−ジイルビステトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジフェノールアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ビフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−ビスフェノールA ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル−4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)−ジホスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフェート ジエチルエステル、9,10−ジヒドロ−9−エクサ−10−ホスホフェナンスレン−10−オキシド、ビス(4−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)リン酸の金属塩(例えば、ナトリウム塩)、1,3−ビス(ジフェノキシホスホニルオキシ)ベンゼンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0051】
[5]サリシレート系化合物
サリシレート系化合物としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0052】
[6]ベンゾフェノン系化合物
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0053】
[7]ベンゾトリアゾール系化合物
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、トリルトリアゾール金属塩(例えば、カリウム塩)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0054】
[8]ヒンダートアミン系化合物
ヒンダートアミン系化合物としては、例えば、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]]、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、コハク酸と4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの共重合体、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−トリデシル−1,2,3,4−ブタン−テトラカルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0055】
[9]Ni系化合物
Ni系化合物としては、例えば、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート、[2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル(II)、ニッケル−ビス(オクチルフェニル)サルファイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル酸モノエチルエステル−Ni錯体、2,2’−チオ−ビス(4−t−オクチルフェノラート)トリエタノールアミンニッケル(II)や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0056】
[10]シアノアクリレート系化合物
シアノアクリレート系化合物としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
[11]オキザリックアシッドアニリド系化合物
オキザリックアシッドアニリド系化合物としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0058】
[12]シュウ酸誘導体
シュウ酸誘導体としては、例えば、シュウ酸−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミドや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0059】
[13]サリチル酸誘導体
サリチル酸誘導体としては、例えば、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,12−ドデカン酸−ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジンや、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
[14]ヒドラジド誘導体
ヒドラジド誘導体としては、例えば、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸−ビス[2−フェノキシプロピオニルヒドラジド]や、これらの誘導体(例えば、アルキル、アリール置換体)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0061】
[15]その他
その他の光安定化剤としては、例えば、酸アミン系化合物、グアニジン類、メルカプトベンゾチアゾール金属塩(例えば、ナトリウム塩)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0062】
以上説明したものの中でも、光安定化剤としては、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体のうち少なくとも1種を含むものが好ましく、ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダートアミン系化合物を主とするものがより好ましい。光安定化剤としてこのような材料を用いることにより、上述した効果がさらに顕著なものとなる。
【0063】
特に、光安定化剤として、ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダートアミン系化合物を主とするものを用いた場合、用いる光源(例えば、後述する投射型表示装置の光源やバックライト)の波長領域での耐光性が、特に優れたものとなる。また、耐光性の向上とともに、耐熱性も向上し、熱分解反応の発生等も効果的に防止することができる。その結果、液晶パネル1A全体としての安定性がさらに優れたものとなる。
【0064】
また、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物は、上述した配向膜の主成分(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子材料)との相溶性が特に優れており、また、配向膜の主成分との化学反応等を生じ難い。このため、光安定化剤として、ベンゾトリアゾール系化合物またはヒンダートアミン系化合物を主とするものを用いることにより、配向膜として求められる機能を十分に保持しつつ、液晶パネル1Aの耐光性をさらに優れたものとすることができる。
【0065】
光安定化剤の平均分子量Mwは、250〜3000であるのが好ましく、400〜2500であるのがより好ましい。光安定化剤の平均分子量Mwが前記下限値未満であると、光安定化剤が液晶層2等に移行し易くなり、液晶層2の機能が低下する可能性がある。一方、光安定化剤の平均分子量Mwが前記上限値を超えると、高分子材料で構成された配向膜との相溶性が低下し、均一な高分子膜が形成できない可能性がある。
【0066】
また、配向膜中に含まれる光安定化剤は、金属イオンを除去したものであるのが好ましい。これにより、液晶パネル1Aの長期安定性がさらに向上する。金属イオンの除去は、例えば、イオン交換樹脂を用いた精製等により行うことができる。
【0067】
配向膜中の金属イオン濃度は、5ppm以下であるのが好ましく、0.5ppm以下であるのがより好ましく、0.10ppm以下であるのがさらに好ましい。このように、金属イオン濃度を十分に低くすることにより、上記のような効果はさらに顕著なものとなる。一方、配向膜中の金属イオン濃度が大きすぎると、金属イオンが液晶層2等に移行し易くなり、電圧保持率の低下等の液晶層2の機能低下を生じる可能性がある。
【0068】
配向膜中における光安定化剤の含有量は、例えば、5wt%以下であるのが好ましく、0.2〜3.0wt%であるのがより好ましく、0.5〜1.5wt%であるのがさらに好ましい。
【0069】
配向膜中における光安定化剤の含有量が前記下限値未満であると、液晶表示パネルの使用環境等によっては、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、配向膜中における光安定化剤の含有量が前記上限値を越えると、配向膜としての特性が低下し、電圧無印加時における液晶分子の配向特性が低下する可能性がある。
【0070】
このような配向膜は、その平均厚さが20〜120nmであるのが好ましく、30〜80nmであるのがより好ましい。
【0071】
配向膜の平均厚さが前記下限値未満であると、配向膜に十分な配向機能を付与するのが困難になるとともに、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。
一方、配向膜の平均厚さが前記上限値を超えると、駆動電圧が高くなり、消費電力が大きくなる可能性がある。
【0072】
なお、光安定化剤は、配向膜中に均一に分散したものであってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、配向膜は、その厚さ方向に、光安定化剤の含有率が変化するものであってもよい。
【0073】
また、配向膜は、例えば、その少なくとも一部が、配向膜と一体化したものであってもよい。
【0074】
また、光安定化剤が、配向膜3Aおよび配向膜3A’に含まれる場合、光安定化剤の含有量は、互いに同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
【0075】
配向膜3Aの外表面側(液晶層2と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜(電極)5が配置されている。同様に、配向膜3A’の外表面側(液晶層2と対向する面とは反対の面側)には、透明導電膜(電極)6が配置されている。
【0076】
透明導電膜5、6は、これらの間で通電を行うことにより、液晶層2の液晶分子を駆動する(配向を変化させる)機能を有する。
【0077】
透明導電膜5、6間での通電の制御は、透明導電膜に接続された制御回路(図示せず)から供給する電流を制御することにより行われる。
【0078】
透明導電膜5、6は、導電性を有しており、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
【0079】
ところで、このような透明導電膜の構成材料は、優れた導電性と透明性とを兼ね備えており、従来から液晶パネルに適用されてきた。しかしながら、このような材料は、光量の大きい光や紫外線領域の光により、例えば、有機材料の分解反応等を促進する光触媒としての作用を発揮する。このため、近年における、液晶パネルの高輝度化や使用環境の多様化(例えば、屋外での使用)に伴い、透明導電膜(電極)の構成材料が、配向膜等の構成材料を分解し、液晶パネルの表示特性に悪影響を与えることがある。
【0080】
そこで、本発明では、配向膜と透明導電膜(電極)との間に、主として無機材料で構成された無機材料膜を配設することにした。これにより、配向膜と電極との接触が防止される(配向膜と透明導電膜とが遮断される)。したがって、前記光触媒反応等による配向膜の分解等が防止され、その結果、液晶パネル全体としての耐光性、長期安定性が向上する。
【0081】
図1に示すように、本実施形態では、配向膜3Aと透明導電膜(電極)5との間には、無機材料膜4Aが配置されており、同様に、配向膜3A’と透明導電膜(電極)6との間には、無機材料膜4A’が配置されている。
【0082】
無機材料膜は、主として無機材料で構成されたものであれば、特に限定されないが、以下のような条件を満足するものであるのが好ましい。
【0083】
無機材料膜は、300〜500nmの波長領域の光の吸収率が、20%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%を超えると、緑色〜青色の光の透過率が相対的に低下し、液晶パネルの高輝度化が困難になる場合がある。また、300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%を超えると、無機材料膜自体が光触媒として作用し、配向膜の分解反応等を十分に防止することが困難となる場合がある。
【0084】
また、無機材料膜は、主として、バンドギャップが、4eV以上の材料で構成されたものであるのが好ましく、6〜15eVの材料で構成されたものであるのがより好ましい。無機材料膜が4eV未満の材料で構成されたものであると、無機材料膜自体が光触媒として作用し、配向膜の分解反応等を十分に防止することが困難となる場合がある。
【0085】
上記のような条件を満足するような材料としては、例えば、MgF、CaF、BaF、Al、SiO、MgO、LiF、CsI、HfO等が挙げられる。この中でも特に、MgF、MgO、Al、CaFが好ましい。
【0086】
無機材料膜は、その平均厚さが1〜20nmであるのが好ましく、5〜10nmであるのがより好ましい。
【0087】
無機材料膜の平均厚さが前記下限値未満であると、無機材料膜の構成材料によっては、無機材料膜の機能が十分に発揮されない場合がある。すなわち、成膜後の塗膜上にピンホールが多く存在し、電極材料の光触媒としての作用を十分に防止することができない場合がある。一方、無機材料膜の平均厚さが前記上限値を超えると、無機材料膜における光の吸収率が高くなるとともに、駆動電圧が上昇し消費電力が大きくなり、さらに焼付き現象を起こし易くなるなど、液晶パネルとしての特性が低下する。
【0088】
また、無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、20≦Ti+To≦120の関係を満足するのが好ましく、30≦Ti+To≦90の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、消費電力を低く保ちながら、耐光性に優れた液晶パネルを形成できる。
【0089】
また、無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、1.0≦To/Ti≦120の関係を満足するのが好ましく、3.0≦To/Ti≦20の関係を満足するのがより好ましい。このような関係を満足することにより、消費電力を低く保ちながら、耐光性に優れた液晶パネルを形成できる。
【0090】
無機材料膜の形成方法は、特に限定されないが、真空蒸着、スパッタリング、熱CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の気相成膜法が好ましい。気相成膜法を用いることにより、均一で緻密な薄膜が得られ、配向膜と透明電極の接触が完全に遮断される。このような効果は、真空蒸着を用いたときにより顕著に表れる。
【0091】
なお、無機材料膜は、各部位で均一な組成を有するものであってもよいし、各部位で組成の異なるものであってもよい。例えば、無機材料膜は、その厚さ方向に、組成が連続的または非連続的(段階的)に変化するものであってもよい。
【0092】
また、光安定化膜は、例えば、複数の層の積層体であってもよい。このように、無機材料膜を積層体として形成することにより、例えば、無機材料膜の、前記波長領域の光の吸収率を、容易かつ確実にコントロールすることができる。また、無機材料膜を積層体として形成することにより、隣接する部材(配向膜、透明電極)との、密着性を特に優れたものにすることができる。
無機材料膜を積層体として形成する場合、配向膜側の層の構成材料としてCaFを用い、かつ、透明電極側の層の構成材料としてAlを用いるのが好ましい。このような材料の組み合わせとすることにより、配向膜および透明電極との、密着性を特に優れたものにすることができるとともに、無機材料膜全体としての、前記波長領域の光の吸収率を特に低いものにすることができる。
【0093】
透明導電膜5の外表面側(無機材料膜4Aと対向する面とは反対の面側)には、基板9が配置されている。同様に、透明導電膜6の外表面側(無機材料膜4A’と対向する面とは反対の面側)には、基板10が配置されている。
【0094】
基板9、10は、前述した液晶層2、配向膜3A、3A’、無機材料膜4A、4A’、透明導電膜5、6、および後述する偏光膜7A、8Aを支持する機能を有している。基板9、10の構成材料は、特に限定されず、例えば、石英ガラス等のガラスやポリエチレンテレフタレート等のプラスチック材料等が挙げられる。この中でも特に、石英ガラス等のガラスで構成されたものであるのが好ましい。これにより、そり、たわみ等の生じにくい、より安定性に優れた液晶パネルを得ることができる。なお、図1では、シール材、配線等の記載は省略した。
【0095】
基板9の外表面側(透明導電膜5と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)7Aが配置されている。同様に、基板10の外表面側(透明導電膜6と対向する面とは反対の面側)には、偏光膜(偏光板、偏光フィルム)8Aが配置されている。
【0096】
偏光膜7A、8Aの構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光膜としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
【0097】
偏光膜としては、例えば、上記材料で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いることができる。
【0098】
このような偏光膜7A、8Aに配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
【0099】
偏光膜7A、8Aの偏光軸の方向は、通常、配向膜3A、3A’の配向方向に応じて決定される。
【0100】
図2は、本発明の液晶パネルの第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。以下、図2に示す液晶パネル1Bについて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0101】
図2に示すように、液晶パネル(TFT液晶パネル)1Bは、TFT基板(液晶駆動基板)17と、TFT基板17に接合された無機材料膜4Bと、無機材料膜4Bに接合された配向膜3Bと、液晶パネル用対向基板12と、液晶パネル用対向基板12に接合された無機材料膜4B’と、無機材料膜4B’に接合された配向膜3B’と、配向膜3Bと配向膜3B’との空隙に封入された液晶よりなる液晶層2と、TFT基板(液晶駆動基板)17の外表面側(無機材料膜4Bと対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜7Bと、液晶パネル用対向基板12の外表面側(無機材料膜4B’と対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜8Bとを有している。配向膜3B、3B’は、前記第1実施形態で説明した配向膜3A、3A’と同様なものであり、無機材料膜4B、4B’は、前記第1実施形態で説明した無機材料膜4A、4A’と同様なものであり、偏光膜7B、8Bは、前記第1実施形態で説明した偏光膜7A、8Aと同様なものである。
【0102】
液晶パネル用対向基板12は、マイクロレンズ基板11と、かかるマイクロレンズ基板11の表層114上に設けられ、開口131が形成されたブラックマトリックス13と、表層114上にブラックマトリックス13を覆うように設けられた透明導電膜(共通電極)14とを有している。
【0103】
マイクロレンズ基板11は、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)112が設けられたマイクロレンズ用凹部付き基板(第1の基板)111と、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板111の凹部112が設けられた面に樹脂層(接着剤層)115を介して接合された表層(第2の基板)114とを有しており、また、樹脂層115では、凹部112内に充填された樹脂によりマイクロレンズ113が形成されている。
【0104】
マイクロレンズ用凹部付き基板111は、平板状の母材(透明基板)より製造され、その表面には、複数(多数)の凹部112が形成されている。凹部112は、例えば、マスクを用いた、ドライエッチング法、ウェットエッチング法等により形成することができる。
【0105】
このマイクロレンズ用凹部付き基板111は、例えば、ガラス等で構成されている。
【0106】
前記母材の熱膨張係数は、ガラス基板171の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)であることが好ましい。これにより、得られる液晶パネルでは、温度が変化したときに二者の熱膨張係数が違うことにより生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。
【0107】
かかる観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板111と、ガラス基板171とは、同種類の材質で構成されていることが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効果的に防止される。
【0108】
特に、マイクロレンズ基板11を高温ポリシリコンのTFT液晶パネルに用いる場合には、マイクロレンズ用凹部付き基板111は、石英ガラスで構成されていることが好ましい。TFT液晶パネルは、液晶駆動基板としてTFT基板を有している。かかるTFT基板には、製造時の環境により特性が変化しにくい石英ガラスが好ましく用いられる。このため、これに対応させて、マイクロレンズ用凹部付き基板111を石英ガラスで構成することにより、そり、たわみ等の生じにくい、安定性に優れたTFT液晶パネルを得ることができる。
【0109】
マイクロレンズ用凹部付き基板111の上面には、凹部112を覆う樹脂層(接着剤層)115が設けられている。
【0110】
凹部112内には、樹脂層115の構成材料が充填されることにより、マイクロレンズ113が形成されている。
【0111】
樹脂層115は、例えば、マイクロレンズ用凹部付き基板111の構成材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができ、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系のような紫外線硬化樹脂等で好適に構成することができる。
【0112】
樹脂層115の上面には、平板状の表層114が設けられている。
表層(ガラス層)114は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層114の熱膨張係数は、マイクロレンズ用凹部付き基板111の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114の熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。このような効果は、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。
【0113】
表層114の厚さは、マイクロレンズ基板11が液晶パネルに用いられる場合、必要な光学特性を得る観点からは、通常、5〜1000μm程度とされ、より好ましくは10〜150μm程度とされる。
【0114】
なお、表層(バリア層)114は、例えばセラミックスで構成することもできる。なお、セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の窒化物系セラミックス、Al、TiO等の酸化物系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。表層114をセラミックスで構成する場合、表層114の厚さは、特に限定されないが、20nm〜20μm程度とすることが好ましく、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。
なお、このような表層114は、必要に応じて省略することができる。
【0115】
ブラックマトリックス13は、遮光機能を有し、例えば、Cr、Al、Al合金、Ni、Zn、Ti等の金属、カーボンやチタン等を分散した樹脂等で構成されている。
【0116】
透明導電膜(電極)14は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)等で構成されている。
【0117】
TFT基板17は、液晶層2の液晶を駆動する基板であり、ガラス基板171と、かかるガラス基板171上に設けられ、マトリックス状(行列状)に配設された複数(多数)の画素電極172と、各画素電極172に対応する複数(多数)の薄膜トランジスタ(TFT)173とを有している。なお、図2では、シール材、配線等の記載は省略した。
【0118】
ガラス基板171は、前述したような理由から、石英ガラスで構成されていることが好ましい。
【0119】
画素電極172は、透明導電膜(共通電極)14との間で充放電を行うことにより、液晶層2の液晶を駆動する。この画素電極172は、例えば、前述した透明導電膜14と同様の材料で構成されている。
【0120】
薄膜トランジスタ173は、近傍の対応する画素電極172に接続されている。また、薄膜トランジスタ173は、図示しない制御回路に接続され、画素電極172へ供給する電流を制御する。これにより、画素電極172の充放電が制御される。
【0121】
無機材料膜4Bは、TFT基板17の画素電極172と接合しており、無機材料膜4B’は、液晶パネル用対向基板12の透明導電膜14と接合している。また、配向膜3Bは、無機材料膜4Bと接合しており、配向膜3B’は、無機材料膜4B’と接合している。
【0122】
液晶層2は液晶分子を含有しており、画素電極172の充放電に対応して、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。
【0123】
このような液晶パネル1Bでは、通常、1個のマイクロレンズ113と、かかるマイクロレンズ113の光軸Qに対応したブラックマトリックス13の1個の開口131と、1個の画素電極172と、かかる画素電極172に接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、1画素に対応している。
【0124】
液晶パネル用対向基板12側から入射した入射光Lは、マイクロレンズ用凹部付き基板111を通り、マイクロレンズ113を通過する際に集光されつつ、樹脂層115、表層114、ブラックマトリックス13の開口131、透明導電膜14、液晶層2、画素電極172、ガラス基板171を透過する。このとき、マイクロレンズ基板11の入射側に偏光膜8Bが設けられているため、入射光Lが液晶層2を透過する際に、入射光Lは直線偏光となっている。その際、この入射光Lの偏光方向は、液晶層2の液晶分子の配向状態に対応して制御される。したがって、液晶パネル1Bを透過した入射光Lを偏光膜7Bに透過させることにより、出射光の輝度を制御することができる。
【0125】
このように、液晶パネル1Bは、マイクロレンズ113を有しており、しかも、マイクロレンズ113を通過した入射光Lは、集光されてブラックマトリックス13の開口131を通過する。一方、ブラックマトリックス13の開口131が形成されていない部分では、入射光Lは遮光される。したがって、液晶パネル1Bでは、画素以外の部分から不要光が漏洩することが防止され、かつ、画素部分での入射光Lの減衰が抑制される。このため、液晶パネル1Bは、画素部で高い光の透過率を有する。
【0126】
この液晶パネル1Bは、例えば、公知の方法により製造されたTFT基板17と液晶パネル用対向基板12とに、それぞれ、無機材料膜4B、4B’を接合し、さらに、これらの表面に、配向膜3B、3B’を接合し、その後、シール材(図示せず)を介して両者を接合し、次いで、これにより形成された空隙部の封入孔(図示せず)から液晶を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞ぐことにより製造することができる。
【0127】
なお、上記液晶パネル1Bでは、液晶駆動基板としてTFT基板を用いたが、液晶駆動基板にTFT基板以外の他の液晶駆動基板、例えば、TFD基板、STN基板などを用いてもよい。
【0128】
次に、本発明の液晶表示装置の一例として、上記液晶パネル1Bを用いた投射型表示装置(液晶プロジェクター)について説明する。
【0129】
図3は、本発明の液晶表示装置(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
同図に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)22とを有している。
【0130】
また、照明光学系は、インテグレータレンズ302および303を有している。色分離光学系は、ミラー304、306、309、青色光および緑色光を反射する(赤色光のみを透過する)ダイクロイックミラー305、緑色光のみを反射するダイクロイックミラー307、青色光のみを反射するダイクロイックミラー(または青色光を反射するミラー)308、集光レンズ310、311、312、313および314とを有している。
【0131】
液晶ライトバルブ25は、前述した液晶パネル1Bを備えている。液晶ライトバルブ24および26も、液晶ライトバルブ25と同様の構成となっている。これら液晶ライトバルブ24、25および26が備えている液晶パネル1Bは、図示しない駆動回路にそれぞれ接続されている。
【0132】
なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック20と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、表示ユニット23が構成されている。
【0133】
以下、投射型表示装置300の作用を説明する。
光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。光源301から出射される白色光は、その光強度が比較的大きいものであるのが好ましい。これにより、スクリーン320上に形成される画像をより鮮明なものとすることができる。また、投射型表示装置300では、耐光性に優れた液晶パネル1Bを用いているため、光源301から出射される光の強度が大きい場合であっても、優れた長期安定性が得られる。
【0134】
インテグレータレンズ302および303を透過した白色光は、ミラー304で図3中左側に反射し、その反射光のうちの青色光(B)および緑色光(G)は、それぞれダイクロイックミラー305で図3中下側に反射し、赤色光(R)は、ダイクロイックミラー305を透過する。
【0135】
ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図3中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ24に入射する。
【0136】
ダイクロイックミラー305で反射した青色光および緑色光のうちの緑色光は、ダイクロイックミラー307で図3中左側に反射し、青色光は、ダイクロイックミラー307を透過する。
【0137】
ダイクロイックミラー307で反射した緑色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ25に入射する。
【0138】
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図3中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図3中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ26に入射する。
【0139】
このように、光源301から出射された白色光は、色分離光学系により、赤色、緑色および青色の三原色に色分離され、それぞれ、対応する液晶ライトバルブに導かれ、入射する。
【0140】
この際、液晶ライトバルブ24が有する液晶パネル1Bの各画素(薄膜トランジスタ173とこれに接続された画素電極172)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
【0141】
同様に、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ25および26に入射し、それぞれの液晶パネル1Bで変調され、これにより緑色用の画像および青色用の画像が形成される。この際、液晶ライトバルブ25が有する液晶パネル1Bの各画素は、緑色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御され、液晶ライトバルブ26が有する液晶パネル1Bの各画素は、青色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路によりスイッチング制御される。
【0142】
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
【0143】
前記液晶ライトバルブ24により形成された赤色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ24からの赤色光は、面213からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211で図3中左側に反射し、ダイクロイックミラー面212を透過して、出射面216から出射する。
【0144】
また、前記液晶ライトバルブ25により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
【0145】
また、前記液晶ライトバルブ26により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図3中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。
【0146】
このように、前記液晶ライトバルブ24、25および26からの各色の光、すなわち液晶ライトバルブ24、25および26により形成された各画像は、ダイクロイックプリズム21により合成され、これによりカラーの画像が形成される。この画像は、投射レンズ22により、所定の位置に設置されているスクリーン320上に投影(拡大投射)される。
【0147】
以上、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0148】
例えば、前述した実施形態では、液晶層の両面側にそれぞれ、無機材料膜が設けられた構成について説明したが、少なくとも、1つの無機材料膜を有するものであればよい。この場合、少なくとも、光源からの光が入射する側に、無機材料膜が設置されているのが好ましい。
【0149】
また、前記光安定化剤は、配向膜以外の部位(例えば、無機材料膜中や液晶層中等)にも含まれていてもよい。これにより、液晶分子等の光劣化をより効果的に防止、抑制することが可能となり、液晶パネル、液晶表示装置としての長期安定性は、さらに優れたものとなる。
【0150】
また、前述した実施形態では、透明導電膜(電極)の表面に無機材料膜が形成され、さらにその表面に配向膜が積層された構成について説明したが、例えば、透明導電膜(電極)と無機材料膜との間や、無機材料膜と配向膜との間には、中間層が設けられていてもよい。
【0151】
また、前述した実施形態では、液晶表示装置の一例として投射型表示装置について説明したが、本発明の液晶表示装置は、これに限定されない。本発明を適用することが可能な液晶表示装置としては、この他に、例えば、携帯電話や腕時計およびワープロやパソコンなどの電子機器や屋外に設置される液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0152】
また、前述した実施形態では、投射型表示装置(液晶表示装置)は、3個の液晶パネルを有するものであり、これらの全てに本発明の液晶パネル(光安定化剤を含む配向膜と、無機材料膜とを有する液晶パネル)を適用したものについて説明したが、少なくともこれらのうち1個が、本発明の液晶パネルであればよい。この場合、少なくとも、青色用の液晶ライトバルブに用いられる液晶パネルに本発明を適用するのが好ましい。
【0153】
【実施例】
[液晶パネルの製造]
以下のようにして、図2に示すような液晶パネルを製造した。
【0154】
(実施例1)
まず、以下のようにして、マイクロレンズ基板を製造した。
【0155】
厚さ約1.2mmの未加工の石英ガラス基板(透明基板)を母材として用意し、これを85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
【0156】
その後、この石英ガラス基板の表面および裏面に、CVD法により、厚さ0.4μmの多結晶シリコンの膜を形成した。
【0157】
次に、形成した多結晶シリコン膜に、形成する凹部に対応した開口を形成した。
【0158】
これは、次のようにして行った。まず、多結晶シリコン膜上に、形成する凹部のパターンを有するレジスト層を形成した。次に、多結晶シリコン膜に対してCFガスによるドライエッチングを行ない、開口を形成した。次に、前記レジスト層を除去した。
【0159】
次に、石英ガラス基板をエッチング液(10wt%フッ酸+10wt%グリセリンの混合水溶液)に120分間浸漬してウエットエッチング(エッチング温度30℃)を行い、石英ガラス基板上に凹部を形成した。
【0160】
その後、石英ガラス基板を、15wt%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に5分間浸漬して、表面および裏面に形成した多結晶シリコン膜を除去することにより、マイクロレンズ用凹部付き基板を得た。
【0161】
次に、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板の凹部が形成された面に、紫外線(UV)硬化型アクリル系の光学接着剤(屈折率1.60)を気泡なく塗布し、次いで、かかる光学接着剤に石英ガラス製のカバーガラス(表層)を接合し、次いで、かかる光学接着剤に紫外線を照射して光学接着剤を硬化させ、積層体を得た。
【0162】
その後、カバーガラスを厚さ50μmに研削、研磨して、マイクロレンズ基板を得た。
なお、得られたマイクロレンズ基板では、樹脂層の厚みは12μmであった。
【0163】
以上のようにして得られたマイクロレンズ基板について、スパッタリング法およびフォトリソグラフィー法を用いて、カバーガラスのマイクロレンズに対応した位置に開口が設けられた厚さ0.16μmの遮光膜(Cr膜)、すなわち、ブラックマトリックスを形成した。さらに、ブラックマトリックス上に厚さ0.15μmのITO膜(透明導電膜)をスパッタリング法により形成し、液晶パネル用対向基板を製造した。
【0164】
このようにして得られた液晶パネル用対向基板の透明導電膜上に、無機材料膜を真空蒸着(EB法)により形成した。
真空蒸着は、蒸発源として酸化マグネシウム(MgO)を用い、EB電流値:200mA、成膜時間:44秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で行った。形成された無機材料膜の平均厚さTiは、20nmであった。また、形成された無機材料膜の、300〜500nmの波長領域の光の最大透過率は、10%であった。なお、酸化マグネシウムのバンドギャップは、7.8eVである。
【0165】
次に、上記のようにして形成された無機材料膜の表面に配向膜を以下のようにして形成した。
まず、ポリイミド系樹脂の溶液(日本合成ゴム株式会社製:AL6256)を用意し、これに光安定化剤として旭電化工業株式会社製のアデカスタブ LA−63P(ヒンダートアミン系化合物:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ぺンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β,β−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物(平均分子量Mw:約2000)を主とする光安定化剤)を加えた。このようにして得られた組成物中における光安定化剤の添加量は、樹脂固形分に対して0.5wt%とした。
次に、上記のようにして得られた組成物を用いて、スピンコート法により、無機材料膜の表面に、平均厚さ50nmの膜を形成した。
このようにして形成された膜に、プレチルドが2〜3°となるように、ラビング処理を施し、配向膜(平均厚さTo:50nm)とした。
【0166】
また、別途用意したTFT基板(石英ガラス製)の表面にも、上記と同様にして、無機材料膜、配向膜を積層した。
【0167】
無機材料膜、配向膜が形成された液晶パネル用対向基板と、無機材料膜、配向膜が形成されたTFT基板とを、シール材を介して接合した。この接合は、液晶層を構成する液晶分子が左ツイストするように配向膜の配向方向が90°ずれるように行った。
【0168】
次に、配向膜−配向膜間に形成された空隙部の封入孔から液晶(メルク社製:MJ99247)を空隙部内に注入し、次いで、かかる封入孔を塞いだ。形成された液晶層の厚さは、約3μmであった。
【0169】
その後、液晶パネル用対向基板の外表面側と、TFT基板の外表面側とに、それぞれ、偏光膜8B、偏光膜7Bを接合することにより、図2に示すような構造のTFT液晶パネルを製造した。偏光膜としては、ポリビニルアルコール(PVA)で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いた。なお、偏光膜7B、偏光膜8Bの接合方向は、それぞれ、配向膜3B、配向膜3B’の配向方向に基づき決定した。すなわち、電圧印可時には入射光が透過せず、電圧無印可時には入射光が透過するように、偏光膜7B、偏光膜8Bを接合した。
【0170】
(実施例2〜5)
配向膜中における光安定化剤の含有量、配向膜の平均厚さTo、無機材料膜の平均厚さTiを表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
【0171】
(実施例6)
配向膜中に含まれる光安定化剤として、金属イオンの除去操作を施したものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。なお、金属イオンの除去は、イオン交換樹脂を用いて行った。
【0172】
(実施例7〜10)
配向膜中における光安定化剤の含有量、配向膜の平均厚さTo、無機材料膜の平均厚さTiを表1に示すように変更した以外は、前記実施例6と同様にして液晶パネルを製造した。
【0173】
(実施例11)
フッ化マグネシウム(MgF)を用いた真空蒸着(EB法)により無機材料膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
真空蒸着は、EB電流値:40mA、成膜時間:35秒間、液晶パネル用対向基板温度:300℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で行った。形成された無機材料膜の平均厚さTiは、15nmであった。また、形成された無機材料膜の、300〜500nmの波長領域の光の最大透過率は、8%であった。なお、フッ化マグネシウムのバンドギャップは、11.0eVである。
【0174】
(実施例12〜15)
配向膜中における光安定化剤の含有量、配向膜の平均厚さTo、無機材料膜の平均厚さTiを表1に示すように変更した以外は、前記実施例11と同様にして液晶パネルを製造した。
【0175】
(実施例16)
配向膜中に含まれる光安定化剤として、金属イオンの除去操作を施したものを用いた以外は、前記実施例11と同様にして液晶パネルを製造した。なお、金属イオンの除去は、イオン交換樹脂を用いて行った。
【0176】
(実施例17〜20)
配向膜中における光安定化剤の含有量、配向膜の平均厚さTo、無機材料膜の平均厚さTiを表1に示すように変更した以外は、前記実施例16と同様にして液晶パネルを製造した。
【0177】
(実施例21)
光安定化膜中における光安定化剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のTINUVIN 234(ベンゾトリアゾール系化合物:2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール(平均分子量Mw:448)を主とする光安定化剤)を用い、無機材料膜を酸化ケイ素(SiO)を用いた真空蒸着(EB法)により形成した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
真空蒸着は、EB電流値:160mA、成膜時間:25秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で行った。形成された無機材料膜の平均厚さTiは、20nmであった。また、形成された無機材料膜の、300〜500nmの波長領域の光の最大透過率は、10%であった。なお、酸化ケイ素(SiO)のバンドギャップは、8.95eVである。
【0178】
(実施例22〜25)
配向膜中における光安定化剤の含有量、配向膜の平均厚さTo、無機材料膜の平均厚さTiを表1に示すように変更した以外は、前記実施例21と同様にして液晶パネルを製造した。
【0179】
(実施例26)
配向膜中に含まれる光安定化剤として、金属イオンの除去操作を施したものを用いた以外は、前記実施例21と同様にして液晶パネルを製造した。なお、金属イオンの除去は、イオン交換樹脂を用いて行った。
【0180】
(実施例27〜30)
配向膜中における光安定化剤の含有量、配向膜の平均厚さTo、無機材料膜の平均厚さTiを表1に示すように変更した以外は、前記実施例26と同様にして液晶パネルを製造した。
【0181】
(実施例31)
無機材料膜を、フッ化カルシウム(CaF)からなる層(透明導電膜側の層)と、酸化アルミニウム(Al)からなる層(液晶層側の層)との2層からなる積層体として形成した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
無機材料膜の形成は、以下のようにして行った。
まず、蒸発源としてフッ化カルシウム(CaF)を用い、EB電流値:150mA、成膜時間:25秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で真空蒸着を行うことにより、フッ化カルシウム(CaF)からなる層を形成した。
引き続き、蒸発源として酸化アルミニウム(Al)を用い、EB電流値:160mA、成膜時間:30秒間、液晶パネル用対向基板温度:200℃、ベース圧力:5.00×10−3[Pa]という条件で真空蒸着を行うことにより、酸化アルミニウム(Al)からなる層を積層した。形成された無機材料膜の平均厚さTiは、10nmであった。また、形成された無機材料膜の、300〜500nmの波長領域の光の最大透過率は、8%であった。なお、フッ化カルシウム(CaF)、酸化アルミニウム(Al)のバンドギャップは、それぞれ、9.41eV、8.95eVである。
【0182】
(比較例1)
無機材料膜を形成せず、また、光安定化剤を用いずに配向膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
【0183】
(比較例2)
無機材料膜を形成せず、また、配向膜中における光安定化剤の含有量を0.5wt%とした以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
【0184】
[液晶パネルの評価]
上記各実施例および各比較例で製造した液晶パネルについて、光透過率を連続的に測定した。光透過率の測定は、各液晶パネルを50℃の温度下に置き、電圧無印加の状態で、15lm/mmの光束密度の白色光を照射することにより行った。
【0185】
表1、表2には、配向膜、無機材料膜の条件とともに、光透過率の測定の結果をまとめて示した。なお、表1中のA[%]は、製造直後(光透過率の連続測定開始直後)の光透過率を示し、B[%]は、白色光の照射開始から3000時間後の光透過率を示す。
【0186】
【表1】
Figure 2004053914
【0187】
【表2】
Figure 2004053914
【0188】
表1、表2から明らかなように、本発明の液晶パネルにおいては、光透過率はほとんど減少していない。特に、配向膜中の金属イオン濃度の低い液晶パネル、MgO、MgFで構成された無機材料膜を有する液晶パネルでは、光透過率の減少が極めて小さい。
【0189】
これに対して、比較例の液晶パネルでは、経時的な光透過率の減少が著しかった。特に、比較例1の液晶パネルでは、白色光の照射を開始してから650時間程度で、目視で確認できる変色(やけ)を生じ、光透過率が大きく減少し、白色光の照射開始900時間後程度で、光透過率は0%になった。
【0190】
[液晶プロジェクター(液晶表示装置)の評価]
上記各実施例および比較例で製造したTFT液晶パネルを用いて、図3に示すような構造の液晶プロジェクター(投射型表示装置)を組み立て、5000時間連続駆動させた。
【0191】
その結果、実施例1〜31の液晶パネルを用いて製造された液晶プロジェクター(液晶表示装置)は、長時間連続して駆動させた場合であっても、鮮明な投射画像が得られた。
【0192】
これに対し、比較例の液晶パネルを用いて製造された液晶プロジェクター(液晶表示装置)では、駆動時間に伴い、投射画像の鮮明度が明らかに低下した。
【0193】
また、光安定化剤の種類をフェノール系化合物(トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、平均分子量Mw:784)、芳香族アミン系化合物(N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、平均分子量Mw:260)、サルファイド系化合物(ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、平均分子量Mw:683)、リン系化合物(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、平均分子量Mw:647)、サリシレート系化合物(4−t−ブチルフェニルサリシレート、平均分子量Mw:270)、ベンゾフェノン系化合物(2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、平均分子量Mw:326)、Ni系化合物(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル酸モノエチルエステル−Ni錯体、平均分子量Mw:713)、シアノアクリレート系化合物(エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、平均分子量Mw:277)、オキザリックアシッドアニリド系化合物(2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、平均分子量Mw:369)、シュウ酸誘導体(シュウ酸−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、平均分子量Mw:292)、サリチル酸誘導体(1,12−ドデカン酸−ビス[2−(2−ヒドロキシベンゾイル)ヒドラジド]、平均分子量Mw:498)、ヒドラジド誘導体(N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、平均分子量Mw:552)に変更した以外は、前記と同様にして、液晶パネル、液晶表示装置を製造し、これらについて前記と同様の評価を行った。
【0194】
その結果、これらの光安定化剤の含有量が、0.1〜7.0wt%の範囲においては、いずれの液晶パネルも、B/Aの値が0.88以上であり、前記と同様の効果が確認された。
【0195】
また、これらの液晶パネルを用いた液晶プロジェクター(投射型表示装置)は、実施例1〜30による液晶プロジェクターと同様、5000時間連続駆動させた後でも、鮮明な投射画像が得られた。
【0196】
これらの結果から、本発明の液晶パネル、液晶表示装置は、耐光性に優れ、長期間使用しても安定した特性が得られるものであることが分かる。
【0197】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、耐光性に優れた液晶パネルおよび液晶表示装置を提供することができる。
【0198】
したがって、本発明によれば、入射する光量が多い環境で用いられる液晶パネルおよび液晶表示装置であっても、特に優れた長期安定性を確保することができる。
【0199】
このような効果は、光安定化剤の組成、分子量や、配向膜中の金属イオン濃度、無機材料膜の構成材料、厚さ等を調整することにより、さらに優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネルの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。
【図2】本発明の液晶パネルの第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。
【図3】本発明の投射型表示装置の光学系を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1A、1B……液晶パネル 2……液晶層 3A、3A’、3B、3B’……配向膜 4A、4A’、4B、4B’……無機材料膜 5……透明導電膜 6……透明導電膜 7A、7B……偏光膜 8A、8B……偏光膜 9……基板 10……基板 11……マイクロレンズ基板 111……マイクロレンズ用凹部付き基板 112……凹部 113……マイクロレンズ 114……表層 115……樹脂層 12……液晶パネル用対向基板 13……ブラックマトリックス 131……開口 14……透明導電膜 17……TFT基板 171……ガラス基板 172……画素電極 173……薄膜トランジスタ 300……投射型表示装置 301……光源 302、303……インテグレータレンズ 304、306、309……ミラー 305、307、308……ダイクロイックミラー310〜314……集光レンズ 320……スクリーン 20……光学ブロック 21……ダイクロイックプリズム 211、212……ダイクロイックミラー面 213〜215……面 216……出射面 22……投射レンズ 23……表示ユニット 24〜26……液晶ライトバルブ

Claims (26)

  1. 液晶層と、
    前記液晶層の両面側に配設された配向膜と、
    前記配向膜の前記液晶層と対向する面とは反対の面側に配設された電極とを有する液晶パネルであって、
    前記配向膜と前記電極との間に、前記配向膜と前記電極との接触を防止する、主として無機材料で構成された無機材料膜を有し、かつ、
    前記配向膜のうち少なくとも一方は、光安定化剤を含むものであることを特徴とする液晶パネル。
  2. 光源からの光を入射させて用いる請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 少なくとも、前記液晶層の光が入射する面側に設置された前記配向膜中に前記光安定化剤が含まれる請求項2に記載の液晶パネル。
  4. 少なくとも、前記液晶層の光が入射する面側に、前記無機材料膜が設置されている請求項2または3に記載の液晶パネル。
  5. 前記無機材料膜は、300〜500nmの波長領域の光の最大吸収率が20%以下のものである請求項1ないし4のいずれかに記載の液晶パネル。
  6. 前記無機材料膜の平均厚さが1〜20nmである請求項1ないし5のいずれかに記載の液晶パネル。
  7. 前記無機材料膜は、主として、バンドギャップが4eV以上の材料で構成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の液晶パネル。
  8. 前記無機材料膜は、MgF、CaF、BaF、Al、MgO、LiF、CsI、HfOから選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載の液晶パネル。
  9. 前記無機材料膜は、気相成膜法により形成されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の液晶パネル。
  10. 前記光安定化剤は、平均分子量Mwが250〜3000である請求項1ないし9のいずれかに記載の液晶パネル。
  11. 前記光安定化剤は、フェノール系化合物、芳香族アミン系化合物、サルファイド系化合物、リン系化合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、Ni系化合物、シアノアクリレート系化合物、オキザリックアシッドアニリド系化合物、シュウ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体のうち少なくとも1種を含むものである請求項1ないし10のいずれかに記載の液晶パネル。
  12. 前記光安定化剤は、金属イオンを除去したものである請求項1ないし11のいずれかに記載の液晶パネル。
  13. 前記配向膜中における金属イオン濃度は、5ppm以下である請求項1ないし12のいずれかに記載の液晶パネル。
  14. 前記配向膜中における前記光安定化剤の含有量は、5wt%以下である請求項1ないし13のいずれかに記載の液晶パネル。
  15. 前記配向膜は、主としてポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂で構成されたものである請求項1ないし14のいずれかに記載の液晶パネル。
  16. 前記配向膜は、スピンコート法により形成されたものである請求項1ないし15のいずれかに記載の液晶パネル。
  17. 前記配向膜の平均厚さが20〜120nmである請求項1ないし16のいずれかに記載の液晶パネル。
  18. 前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、20≦Ti+To≦120の関係を満足する請求項1ないし17のいずれかに記載の液晶パネル。
  19. 前記無機材料膜の平均厚さをTi[nm]、前記配向膜の平均厚さをTo[nm]としたとき、1.0≦To/Ti≦120の関係を満足する請求項1ないし18のいずれかに記載の液晶パネル。
  20. 前記配向膜のうちの一方について、前記液晶層と対向する面とは反対の面側に、マイクロレンズ基板が配設された請求項1ないし19のいずれかに記載の液晶パネル。
  21. 前記マイクロレンズ基板の前記液晶層と対向する面側に、ブラックマトリックスと、該ブラックマトリックスを覆う電極としての導電膜とが設けられた請求項20に記載の液晶パネル。
  22. 画素電極を備えた液晶駆動基板を有する請求項1ないし21のいずれかに記載の液晶パネル。
  23. 前記液晶駆動基板は、マトリックス状に配設された前記画素電極と、前記画素電極に接続された薄膜トランジスタとを有するTFT基板である請求項22に記載の液晶パネル。
  24. 請求項1ないし23のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  25. 請求項1ないし23のいずれかに記載の液晶パネルを備えたライトバルブを有し、該ライトバルブを少なくとも1個用いて画像を投射することを特徴とする液晶表示装置。
  26. 画像を形成する赤色、緑色および青色に対応した3つのライトバルブと、光源と、該光源からの光を赤色、緑色および青色の光に分離し、前記各光を対応する前記ライトバルブに導く色分離光学系と、前記各画像を合成する色合成光学系と、前記合成された画像を投射する投射光学系とを有する液晶表示装置であって、
    前記ライトバルブは、請求項1ないし23のいずれかに記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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