JP4774782B2 - 配向膜の形成方法、配向膜、電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器 - Google Patents
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Description
このような液晶パネルは、通常、液晶分子を一定方向に配向させるため、所定のプレチルト角が発現するように設定された配向膜を有している。これらの配向膜を製造するには、基材上に成膜されたポリイミド等の高分子化合物からなる薄膜を、レーヨン等の布で一方向に擦るラビング処理する方法等が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような問題を解決する目的で、無機材料で構成された配向膜(無機配向膜)を採用する試みがある。無機配向膜は、一般に、斜方蒸着法により形成される。
しかしながら、この無機配向膜は、有機材料で構成された配向膜に比べ、耐光性、耐熱性に優れるものの、液晶分子を配向させる能力が低いという問題がある。
本発明の配向膜の形成方法は、基材上に配向膜を形成する方法であって、
ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含むシラン化合物の加水分解物を調製する工程と、
テトラアルコキシシランの加水分解物を調製する工程と、
前記シラン化合物の加水分解物と、前記テトラアルコキシシランの加水分解物とを混合し、配向膜形成用液体を得る工程と、
前記配向膜形成用液体を用いて、前記基材上に前記配向膜形成用液体で構成された膜を形成する工程と、
前記膜を加熱する加熱工程とを有することを特徴とする。
これにより、耐光性に優れ、かつ、配向特性(液晶材料の配向状態を規制する機能)に優れた配向膜を提供することができる。
これにより、得られる配向膜の配向特性を所望のものとしつつ、光学的により安定な配向膜を形成することができる。
これにより、加水分解を容易に行うことができるとともに、最終的に得られる配向膜をより緻密で安定したものとすることができる。
本発明の配向膜の形成方法では、前記加熱工程における加熱温度は、50〜300℃であることが好ましい。
これにより、有機基の変質等を効果的に防止しつつ、膜を硬化させることができる。
これにより、耐光性に優れ、かつ、配向特性(液晶材料の配向状態を規制する機能)に優れた配向膜を提供することができる。
本発明の配向膜では、配向膜の平均厚さは、0.01〜10μmであることが好ましい。
これにより、液晶分子の配向性をより効果的に規制することができる。
本発明の配向膜とを備えることを特徴とする。
これにより、配向特性(液晶材料の配向状態を規制する機能)に優れ、かつ、耐光性に優れた電子デバイス用基板を提供することができる。
本発明の液晶パネルは、本発明の配向膜と、液晶層とを備えたことを特徴とする。
これにより、配向特性(液晶材料の配向状態を規制する機能)に優れ、かつ、耐光性に優れた液晶パネルを提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の液晶パネルを備えたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を提供することができる。
まず、配向膜、配向膜の形成方法の説明に先立ち、本発明の液晶パネルについて説明する。
図1は、本発明の液晶パネルの第1実施形態を示す模式的な縦断面図である。
図1に示すように、液晶パネル1Aは、液晶層2と、配向膜3A、4Aと、透明導電膜5、6と、偏光膜7A、8Aと、基板9、10とを有している。
液晶層2を構成する液晶材料としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶材料を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましく、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられる。さらに、これらネマチック液晶分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。
また、配向膜3Aは、後述するような透明導電膜5と基板9とからなる基材100上に形成されており、配向膜4Aは、後述するような透明導電膜6と基板10とからなる基材101上に形成されている。
配向膜3A、4Aは、液晶層2を構成する液晶材料(液晶分子)の(電圧無印加時における)配向状態を規制する機能を有している。
このような材料で構成された配向膜は、ポリイミド等の有機材料で構成された配向膜に比べて、優れた化学的安定性を有しているため、特に優れた耐光性を有するものとなる。
しかしながら、本発明のように、配向膜として、有機基を有するものを用いることにより、配向膜の液晶分子への規制力が向上するため、液晶分子を規則正しく配置することができる。その結果、所望のプレチルト角に液晶分子を容易に配向させることができ、優れた配向特性(液晶分子の配向状態を規制する機能)を有するものとすることができる。
上述した中でも、特に、配向膜3A、4Aの構成材料として、有機基として芳香環を含む官能基を有しているものを用いた場合、液晶分子への規制力を向上させるとともに、液晶分子の配向方向をより確実に揃えることができる。
また、有機基として芳香環を含む官能基を有している場合、芳香環が炭素原子を介してケイ素原子に結合しているものを用いるのが好ましい。
透明導電膜5、6は、これらの間で通電を行うことにより、液晶層2の液晶分子を駆動する(配向を変化させる)機能を有する。
透明導電膜5、6は、導電性を有しており、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)等で構成されている。
透明導電膜5の外表面側(配向膜3Aと対向する面とは反対の面側)には、基板9が配置されている。同様に、透明導電膜6の外表面側(無機配向膜4Aと対向する面とは反対側の面側)には、基板10が配置されている。
偏光膜7A、8Aの構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。また、偏光膜としては、前記材料にヨウ素をドープしたもの等を用いてもよい。
このような偏光膜7A、8Aに配置することにより、通電量の調節による光の透過率の制御をより確実に行うことができる。
偏光膜7A、8Aの偏光軸の方向は、通常、配向膜3A、4Aの配向方向に応じて決定される。
本実施形態の配向膜の形成方法では、前述したような有機基を有するシラン化合物の加水分解物と、テトラアルコキシシランの加水分解物とを含む配向膜形成用液体を用いて配向膜を形成する。
本実施形態では、シラン化合物の加水分解物と、テトラアルコキシシランの加水分解物とを別々に調製し、混合することにより、配向膜形成用液体を調製するものとして説明する。別々に各加水分解物を調製することにより、それぞれの加水分解の程度をより適度なものに調節することができる。
まず、本実施形態で用いるシラン化合物の加水分解物の調製方法について説明する。
<1>
まず、加水分解に供されるシラン化合物を用意する。
このようなシラン化合物としては、有機基を構成する炭素原子が直接ケイ素に結合してなるものを用いる。これにより、加水分解時等において、有機基が離脱するのを防止し、配向膜内に、有機基を確実に残すことができる。
また、シラン化合物は、前述した有機基以外に、加水分解可能な置換基であれば、いかなる置換基を有していてもよく、例えば、アルコキシル基、ハロゲン基等を有していてもよい。
アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基(OMe)、エトキシ基(OEt)、プロポキシ基(OPr)、ブトキシ基(OBu)等が挙げられる。
また、ハロゲン基としては、例えば、フッ素基(F)、塩素基(Cl)、臭素基(Br)等が挙げられる。
このようなシラン化合物は、具体的には、例えば、ベンジルトリエトキシシラン(BzSi(OEt)3)、ベンジルトリエメトキシシラン(BzSi(OMe)3)、ベンジルメチルジエトキシシラン(BzMeSi(OEt)2)、ベンジルジメチルエトキシシラン(BzMe2SiOEt)、フェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt)3)、フェニルトリメトキシシラン(PhSi(OMe)3)、フェニルメチルジエトキシシラン(PhMeSi(OEt)2)、フェニルトリクロロシラン(PhSiCl3)、フェニルメチルジクロロシラン(PhMeSiCl2)、フェニルエチルトリクロロシラン(PhCH2CH2SiCl3)、4−フェニルブチルトリクロロシラン(Ph(CH2)4SiCl3)、4−フェニルブチルメチルジクロロシラン(Ph(CH2)4MeSiCl2)、4−フェニルブチルジメチルクロロシラン(Ph(CH2)4Me2SiCl)等が挙げられる。シラン化合物の選定は、使用される液晶組成などとの組合せにより選定される。
次に、上述したようなシラン化合物と、希釈溶剤とを所定の割合で混合し、混合液を得る。希釈溶剤としては、シラン化合物およびその加水分解物が可溶であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、テトラヒドロキシフラン(THF)、ジオキサンなどの環状エーテル類、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類が用いられる。
次に、得られた混合液に、撹拌しつつ、水を添加する。この時、酸触媒、塩基触媒等の加水分解触媒を同時に添加してもよい。
酸触媒(固体酸触媒を含む)としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、有機スルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)等の有機酸等が挙げられ、塩基触媒としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基、第三アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン等)等の有機塩基等が挙げられる。
その後、0〜80℃程度の温度で1分〜2日程度撹拌することにより、シラン化合物の加水分解物が得られる。
次に、テトラアルコキシシランの加水分解物の調製方法について説明する。
<1>
まず、加水分解に供されるテトラアルコキシシランを用意する。
テトラアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
次に、上述したようなテトラアルコキシシランと、希釈溶剤とを所定の割合で混合し、混合液を得る。希釈溶剤としては、シラン化合物及びその加水分解物が可溶であれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類、テトラヒドロキシフラン(THF)、ジオキサンなどの環状エーテル類、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類が用いられる。
<3>
次に得られた混合液を、上記シラン化合物と同様にして加水分解し、テトラアルコキシシランの加水分解物が得られる。
次に、上述のようにして得られたシラン化合物の加水分解物と、テトラアルコキシシランの加水分解物とを、最終的に得られる配向膜中における有機基の割合が所望のものとなるように、所定割合で混合し、所定温度で所定時間撹拌することにより、配向膜形成用液体が得られる。
また、混合時間は、1分〜2日程度であるのが好ましく、1分〜5時間程度であるのがより好ましい。
なお、必要に応じて、水や追加溶剤を添加してもよい。
配向膜形成用液体中における、シラン化合物の加水分解物と、テトラアルコキシシランの加水分解物とのモル比は、5:95〜95:5であるのが好ましい。これにより、得られる配向膜の配向特性を所望のものとしつつ、光学的により安定な配向膜を形成することができる。
次に、上記工程で得られた配向膜形成用液体を、基材(基材100、基材101)上に塗布し、配向膜形成用液体で構成された塗膜を形成する。
配向膜形成用液体を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等が挙げられる。
加熱工程における加熱温度は、50〜300℃であるのが好ましい。加熱の温度が前記下限値未満であると、配向膜形成用液体の組成等によっては、塗膜を十分に硬化するのが困難となる場合がある。一方、加熱の温度が前記上限値を超えると、配向膜形成用液体の組成等によっては、有機基が変質してしまう可能性がある。
なお、塗膜を硬化させた後に、ラビング処理を施してもよい。これにより、得られる配向膜の配向特性をより優れたものとすることができる。
以上のようにして、基材(基材100、101)上に、配向膜(配向膜3A、4A)が形成される。これにより、基材上に配向膜が形成された基板(本発明の電子デバイス用基板)が得られる。
図2は、本発明の液晶パネルの第2実施形態を示す模式的な縦断面図である。以下、図2に示す液晶パネル1Bについて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図2に示すように、液晶パネル(TFT液晶パネル)1Bは、TFT基板(液晶駆動基板)17と、TFT基板17に接合された配向膜3Bと、液晶パネル用対向基板12と、液晶パネル用対向基板12に接合された配向膜4Bと、配向膜3Bと配向膜4Bとの空隙に封入された液晶よりなる液晶層2と、TFT基板(液晶駆動基板)17の外表面側(配向膜4Bと対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜7Bと、液晶パネル用対向基板12の外表面側(配向膜4Bと対向する面とは反対の面側)に接合された偏光膜8Bとを有している。配向膜3B、4Bは、前記第1実施形態で説明した配向膜3A、4Aと同様の方法(本発明の配向膜の形成方法)で形成されたものであり、偏光膜7B、8Bは、前記第1実施形態で説明した偏光膜7A、8Aと同様なものである。
マイクロレンズ基板11は、凹曲面を有する複数(多数)の凹部(マイクロレンズ用凹部)112が設けられたマイクロレンズ用凹部付き基板(第1の基板)111と、かかるマイクロレンズ用凹部付き基板111の凹部112が設けられた面に樹脂層(接着剤層)115を介して接合された表層(第2の基板)114とを有しており、また、樹脂層115では、凹部112内に充填された樹脂によりマイクロレンズ113が形成されている。
このマイクロレンズ用凹部付き基板111は、例えば、ガラス等で構成されている。
かかる観点からは、マイクロレンズ用凹部付き基板111と、ガラス基板171とは、同種類の材質で構成されていることが好ましい。これにより、温度変化時の熱膨張係数の相違によるそり、たわみ、剥離等が効果的に防止される。
凹部112内には、樹脂層115の構成材料が充填されることにより、マイクロレンズ113が形成されている。
樹脂層115は、例えば、マイクロレンズ用凹部付き基板111の構成材料の屈折率よりも高い屈折率の樹脂(接着剤)で構成することができ、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルエポキシ系のような紫外線硬化樹脂等で好適に構成することができる。
表層(ガラス層)114は、例えばガラスで構成することができる。この場合、表層114の熱膨張係数は、マイクロレンズ用凹部付き基板111の熱膨張係数とほぼ等しいもの(例えば両者の熱膨張係数の比が1/10〜10程度)とすることが好ましい。これにより、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114の熱膨張係数の相違により生じるそり、たわみ、剥離等が防止される。このような効果は、マイクロレンズ用凹部付き基板111と表層114とを同種類の材料で構成すると、より効果的に得られる。
なお、表層(バリア層)114は、例えばセラミックスで構成することもできる。なお、セラミックスとしては、例えば、AlN、SiN、TiN、BN等の窒化物系セラミックス、Al2O3、TiO2等の酸化物系セラミックス、WC、TiC、ZrC、TaC等の炭化物系セラミックスなどが挙げられる。表層114をセラミックスで構成する場合、表層114の厚さは、特に限定されないが、20nm〜20μm程度とすることが好ましく、40nm〜1μm程度とすることがより好ましい。
なお、このような表層114は、必要に応じて省略することができる。
透明導電膜14は、導電性を有し、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO2)等で構成されている。
TFT基板17は、液晶層2の液晶を駆動する基板であり、ガラス基板171と、かかるガラス基板171上に設けられ、マトリックス状(行列状)に配設された複数(多数)の画素電極172と、各画素電極172に対応する複数(多数)の薄膜トランジスタ(TFT)173とを有している。なお、図2では、シール材、配線等の記載は省略した。
画素電極172は、透明導電膜(共通電極)14との間で充放電を行うことにより、液晶層2の液晶を駆動する。この画素電極172は、例えば、前述した透明導電膜14と同様の材料で構成されている。
配向膜3Bは、TFT基板17の画素電極172と接合しており、配向膜4Bは、液晶パネル用対向基板12の透明導電膜14と接合している。
液晶層2は液晶材料(液晶分子)で構成されており、画素電極172の充放電に対応して、かかる液晶分子、すなわち液晶の配向が変化する。
このような液晶パネル1Bでは、通常、1個のマイクロレンズ113と、かかるマイクロレンズ113の光軸Qに対応したブラックマトリックス13の1個の開口131と、1個の画素電極172と、かかる画素電極172に接続された1個の薄膜トランジスタ173とが、1画素に対応している。
また、上述したような配向膜を備える液晶パネルは、光源の強いものや、屋外で用いられるものに好適に用いることができる。
図3は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が、前述の液晶パネル1Aと、図示しないバックライトとを備えている。バックライトからの光を液晶パネル1Aに透過させることにより画像(情報)を表示し得るものである。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、前述の液晶パネル1Aと、図示しないバックライトとを備えている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
撮影者が液晶パネル1Aに表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
図6は、本発明の電子機器(投射型表示装置)の光学系を模式的に示す図である。
同図に示すように、投射型表示装置300は、光源301と、複数のインテグレータレンズを備えた照明光学系と、複数のダイクロイックミラー等を備えた色分離光学系(導光光学系)と、赤色に対応した(赤色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)24と、緑色に対応した(緑色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)25と、青色に対応した(青色用の)液晶ライトバルブ(液晶光シャッターアレイ)26と、赤色光のみを反射するダイクロイックミラー面211および青色光のみを反射するダイクロイックミラー面212が形成されたダイクロイックプリズム(色合成光学系)21と、投射レンズ(投射光学系)22とを有している。
なお、投射型表示装置300では、ダイクロイックプリズム21と投射レンズ22とで、光学ブロック20が構成されている。また、この光学ブロック20と、ダイクロイックプリズム21に対して固定的に設置された液晶ライトバルブ24、25および26とで、表示ユニット23が構成されている。
光源301から出射された白色光(白色光束)は、インテグレータレンズ302および303を透過する。この白色光の光強度(輝度分布)は、インテグレータレンズ302および303により均一にされる。光源301から出射される白色光は、その光強度が比較的大きいものであるのが好ましい。これにより、スクリーン320上に形成される画像をより鮮明なものとすることができる。また、投射型表示装置300では、耐光性に優れた液晶パネル1Bを用いているため、光源301から出射される光の強度が大きい場合であっても、優れた長期安定性が得られる。
ダイクロイックミラー305を透過した赤色光は、ミラー306で図6中下側に反射し、その反射光は、集光レンズ310により整形され、赤色用の液晶ライトバルブ24に入射する。
ダイクロイックミラー307で反射した緑色光は、集光レンズ311により整形され、緑色用の液晶ライトバルブ25に入射する。
また、ダイクロイックミラー307を透過した青色光は、ダイクロイックミラー(またはミラー)308で図6中左側に反射し、その反射光は、ミラー309で図6中上側に反射する。前記青色光は、集光レンズ312、313および314により整形され、青色用の液晶ライトバルブ26に入射する。
この際、液晶ライトバルブ24が有する液晶パネル1Bの各画素(薄膜トランジスタ173とこれに接続された画素電極172)は、赤色用の画像信号に基づいて作動する駆動回路(駆動手段)により、スイッチング制御(オン/オフ)、すなわち変調される。
これにより赤色光、緑色光および青色光は、それぞれ、液晶ライトバルブ24、25および26で変調され、赤色用の画像、緑色用の画像および青色用の画像がそれぞれ形成される。
また、前記液晶ライトバルブ25により形成された緑色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ25からの緑色光は、面214からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面211および212をそれぞれ透過して、出射面216から出射する。
また、前記液晶ライトバルブ26により形成された青色用の画像、すなわち液晶ライトバルブ26からの青色光は、面215からダイクロイックプリズム21に入射し、ダイクロイックミラー面212で図6中左側に反射し、ダイクロイックミラー面211を透過して、出射面216から出射する。
例えば、本発明の配向膜の形成方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。また、例えば、本発明の電子デバイス用基板、液晶パネルおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
以下のようにして、図2に示すような液晶パネルを製造した。
(実施例1)
まず、以下のようにして、マイクロレンズ基板を製造した。
厚さ約1.2mmの未加工の石英ガラス基板(透明基板)を母材として用意し、これを85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
その後、この石英ガラス基板の表面および裏面に、CVD法により、厚さ0.4μmの多結晶シリコンの膜を形成した。
これは、次のようにして行った。まず、多結晶シリコン膜上に、形成する凹部のパターンを有するレジスト層を形成した。次に、多結晶シリコン膜に対してCFガスによるドライエッチングを行い、開口を形成した。次に、前記レジスト層を除去した。
次に、石英ガラス基板をエッチング液(10wt%フッ酸+10wt%グリセリンの混合水溶液)に120分間浸漬してウェットエッチング(エッチング温度30℃)を行い、石英ガラス基板上に凹部を形成した。
その後、石英ガラス基板を、15wt%テトラメチル水酸化アンモニウム水溶液に5分間浸漬して、表面および裏面に形成した多結晶シリコン膜を除去することにより、マイクロレンズ用凹部付き基板を得た。
その後、カバーガラスを厚さ50μmに研削、研磨して、マイクロレンズ基板を得た。
なお、得られたマイクロレンズ基板では、樹脂層の厚みは12μmであった。
このようにして得られた液晶パネル用対向基板の透明導電膜上に配向膜を以下のようにして形成した。
ベンジルトリエトキシシランとエタノールを、1L3つ口フラスコに投入した後、撹拌しながら0.1N塩酸を添加し、室温にて30分撹拌した。これにより、ベンジルトリエトキシシラン(シラン化合物)の加水分解物を含む混合液1が得られた。
テトラエトキシシランとエタノールを、1L3つ口フラスコに投入した後、1N塩酸を添加し、室温にて24時間撹拌した。これにより、テトラエトキシシラン(テトラアルコキシシラン)の加水分解物を含む混合液2が得られた。
これにより、配向膜形成用液体が得られた。
次に、得られた配向膜形成用液体を、スピンコーターを用いて、液晶パネル用対向基板の透明導電膜上に塗布し、塗膜を形成した。
得られた塗膜を、180℃に加熱したホットプレートを用いて、5分間乾燥した。
次に、200℃1時間加熱し、塗膜を硬化させた。
なお、形成された配向膜の膜厚は、0.1μmであった。また、配向膜中に存在するケイ素原子の数に対するベンジル基の割合は、2.5%であった。
また、別途用意したTFT基板(石英ガラス製)の表面にも、上記と同様にして、配向膜を形成した。
配向膜が形成された液晶パネル用対向基板と、配向膜が形成されたTFT基板とを、シール材を介して接合した。この接合は、液晶層を構成する液晶分子が左ツイストするように配向膜の配向方向が90°ずれるように行った。
その後、液晶パネル用対向基板の外表面側と、TFT基板の外表面側とに、それぞれ、偏光膜8B、偏光膜7Bを接合することにより、図2に示すような構造のTFT液晶パネルを製造した。偏光膜としては、ポリビニルアルコール(PVA)で構成された膜を一軸方向に延伸したものを用いた。なお、偏光膜7B、偏光膜8Bの接合方向は、それぞれ、配向膜3B、配向膜4Bの配向方向に基づき決定した。すなわち、電圧印加時には入射光が透過せず、電圧無印加時には入射光が透過するように、偏光膜7B、偏光膜8Bを接合した。
なお、製造された液晶パネルのプレチルト角は、3°であった。
配向膜形成用液体中におけるシラン化合物の加水分解物とテトラアルコキシシランの加水分解物とのモル比が表1に示すように混合液1および2の混合比を調節した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
(実施例4)
アルコキシシランとしてベンジルジメチルエトキシシランを用いた以外は、前記実施例2と同様にして液晶パネルを製造した。
(実施例5)
アルコキシシランとしてフェニルメチルジエトキシシランを用いた以外は、前記実施例2と同様にして液晶パネルを製造した。
ポリイミド系樹脂(PI)の溶液(日本合成ゴム株式会社製:AL6256)を用意し、スピンコート法により、液晶パネル用対向基板の透明導電膜上に平均厚さ0.1μmの膜を形成し、プレチルト角が3°となるように、ラビング処理を施して、配向膜とした以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
(比較例2)
シラン化合物の加水分解物を用いずに、テトラアルコキシシランの加水分解物のみを用いて、配向膜を形成した以外は、前記実施例1と同様にして液晶パネルを製造した。
上記各実施例および各比較例で製造した液晶パネルについて、光透過率を連続的に測定した。光透過率の測定は、各液晶パネルを50℃の温度下に置き、電圧無印加の状態で、15lm/mm2の光束密度の白色光を照射することにより行った。
なお、液晶パネルの評価としては、比較例1で製造した液晶パネルの白色光の照射開始から光透過率が初期の光透過率と比較して、50%低下するまでの時間(耐光時間)を基準として、以下のように4段階で評価を行った。
◎:耐光時間が比較例1よりも5倍以上。
○:耐光時間が比較例1よりも2倍以上5倍未満。
△:耐光時間が比較例1よりも1倍以上2倍未満。
×:耐光時間が比較例1よりも劣る。
上記各実施例および各比較例で製造したTFT液晶パネルを用いて、図6に示すような構造の液晶プロジェクター(電子機器)を組み立て、この液晶プロジェクターを5000時間連続駆動させた。
なお、液晶プロジェクターの評価としては、駆動直後の投射画像と駆動後5000時間の投射画像とを観察し、以下のように4段階で鮮明度の評価を行った。
○:ほぼ鮮明な投射画像が観察された。
△:やや鮮明さに劣る投射画像が観察された。
×:鮮明でない投射画像が確認された。
この結果を表2に示した。
これに対し、比較例1の液晶パネルを用いて製造された液晶プロジェクターでは、駆動時間に伴い、投射画像の鮮明度が明らかに低下した。これは、初期の段階では、液晶分子の配向が揃っているが、長期駆動により、配向膜が劣化し、液晶分子の配向性が低下したためであると考えられる。なお、比較例2の液晶パネルを用いて製造された液晶プロジェクターでは、駆動当初から、鮮明な投射画像を得られるものではなかった。これは、配向膜の配向性がもともと低いためであると考えられる。
また、本発明の液晶パネルを備えたパーソナルコンピュータ、携帯電話機、ディジタルスチルカメラを作製して、同様の評価を行ったところ、同様の結果が得られた。
これらの結果から、本発明の液晶パネル、電子機器は、耐光性に優れ、長期間使用しても安定した特性が得られるものであることが分かる。
Claims (9)
- 基材上に配向膜を形成する方法であって、
ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種を含むシラン化合物の加水分解物を調製する工程と、
テトラアルコキシシランの加水分解物を調製する工程と、
前記シラン化合物の加水分解物と、前記テトラアルコキシシランの加水分解物とを混合し、配向膜形成用液体を得る工程と、
前記配向膜形成用液体を用いて、前記基材上に前記配向膜形成用液体で構成された膜を形成する工程と、
前記膜を加熱する加熱工程とを有することを特徴とする配向膜の形成方法。 - 前記配向膜形成用液体中における、前記シラン化合物の加水分解物と、前記テトラアルコキシシランの加水分解物とのモル比は、5:95〜95:5である請求項1に記載の配向膜の形成方法。
- 前記テトラアルコキシシランは、テトラエトキシシランである請求項1または2に記載の配向膜の形成方法。
- 前記加熱工程における加熱温度は、50〜300℃である請求項1ないし3のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の配向膜の形成方法により形成されたことを特徴とする配向膜。
- 配向膜の平均厚さは、0.01〜10μmである請求項5に記載の配向膜。
- 基板上に、電極と、
請求項5または6に記載の配向膜とを備えることを特徴とする電子デバイス用基板。 - 請求項5または6に記載の配向膜と、液晶層とを備えたことを特徴とする液晶パネル。
- 請求項8に記載の液晶パネルを備えたことを特徴とする電子機器。
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