JP2004053389A - 計測システム,競走体のトラックコースの回り方向判定装置および時刻誤差修正装置 - Google Patents
計測システム,競走体のトラックコースの回り方向判定装置および時刻誤差修正装置 Download PDFInfo
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Abstract
【目的】競走体がトラックコースを右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを自動的に判定する。
【構成】ラップ・タイム計測システムは,トラックコース上に複数台設置されたハロン・ステーションと,ハロン・ステーション制御装置13とを含む。第1ハロン・ステーションまたは第3ハロン・ステーションのいずれかを競走馬が通過すると(ステップ60),その後,各ハロン・ステーションの競走馬の通過時刻がバッファに記憶され(ステップ64,73),隣合う2台のハロン・ステーションにおける競走馬の通過時刻が比較される(ステップ66,ステップ75)。比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走馬が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかが判定される(ステップ66,またはステップ75)。
【選択図】 図8
【構成】ラップ・タイム計測システムは,トラックコース上に複数台設置されたハロン・ステーションと,ハロン・ステーション制御装置13とを含む。第1ハロン・ステーションまたは第3ハロン・ステーションのいずれかを競走馬が通過すると(ステップ60),その後,各ハロン・ステーションの競走馬の通過時刻がバッファに記憶され(ステップ64,73),隣合う2台のハロン・ステーションにおける競走馬の通過時刻が比較される(ステップ66,ステップ75)。比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走馬が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかが判定される(ステップ66,またはステップ75)。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【技術分野】
この発明は,計測システム,より詳細には,競走体のトラックコースの回り方向を自動的に判定する計測システム,および競走体の通過時刻を計測する装置のそれぞれにおける時刻誤差をチェックし,誤差がある場合に誤差を修正する機能を備えた計測システム,ならびに上記計測システムに用いられる回り方向判定装置および時刻誤差修正装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
競走体のトレーニングを行うトレーニングセンターや競走体のレースを行うレース場には,トラックコースが設置されている。競走体,たとえば,競走馬は,トレーニングセンターまたは競馬場において,トラックコースを走行する。
【0003】
トラックコースでは,競走馬はトラックコースを右回りまたは左回りのいずれかの方向に走行する。たとえば,トレーニングセンターでは,日毎に,右回りの走行トレーニング日または左回りの走行トレーニング日があらかじめ決められている(予定表に記載されたり,掲示板に掲示される)。騎手は予定表や掲示板を見て,決められた方向に競走馬を走行させる。競馬場においてもレースごと(または競馬場ごと)に右回りレースか左回りレースかがあらかじめ決められている。一つのトラックコースに右回りに走行する競走馬と,左回りに走行する競走馬とが混在することはない。
【0004】
トレーニングコースでは,早朝からトレーニングが行われる。トラックコースにラップライム計測装置を設置して,競走馬のハロン(1ハロンは200m)ごとのラップタイムを自動的に計測する場合,右回り走行におけるラップタイムであるか,または左回り走行におけるラップタイムであるかを知ることは重要である。また早朝から行われるトレーニングに対応するためには,自動的に左回り走行か右回り走行かを区別ができることが好ましい。
【0005】
また,競走馬のハロンごとのラップタイムを自動的に計測する装置を用いて競走馬のラップタイムを計測する装置を用いる場合,ラップタイムを正確に計測することは特に重要になる。競走馬のラップタイムの計測にわずかなズレ(誤差)があると,視覚的な順位とラップタイムとに齟齬が生じてしまう。
【0006】
一般には,トラックコースに沿って計測装置が設けられ,この計測装置に備えられたタイマの時刻に基づいて競走馬の通過時刻が計測され,通過時刻にもとづいてハロンごとのラップタイムが算出される。最も単純には,計測装置ごとにGPSを用いた時刻補正装置を設けることにより,GPS信号に基づいて各計測装置のタイマの時刻を一致させることができる。しかしながら,計測装置はトラックコースに沿って複数台設置されるから,上述の構成では歩留まりが悪い。
【0007】
【発明の開示】
この発明は,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを自動的に判定することができる計測システムを提供する。
【0008】
さらにこの発明は,時刻データを持つ計測装置のそれぞれの時刻に誤差が生じた場合に,その誤差を検出し,かつ修正する機能を備えた計測システムを提供することを目的とする。
【0009】
第1の発明による計測システムは,時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置された少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置と,上記通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された制御装置とから構成される。上記通過時刻計測装置は,上記通過時刻計測装置を識別するための識別符号を記憶した記憶手段,および競走体の通過時刻と上記記憶手段に記憶された識別符号とを上記制御装置に送信する通過時刻送信手段を備えている。上記制御装置は,上記通過時刻計測装置のうち,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する比較手段,ならびに上記比較手段による比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定する回り方向判定手段を備えている。
【0010】
トラックコースに沿って間隔をあけて設置された通過時刻計測装置は,時刻を計時する計時手段(タイマ)を備え,この計時手段によって競走体の通過時刻が計測される。
【0011】
たとえば,競走体のそれぞれに応答器(データ・キャリア,IDタグ)を装着し,通過時刻計測装置のそれぞれにリーダ/ライタ(アンテナ・ユニットおよびコントローラ)を設けておく。競走体が通過時刻計測装置を通過する(計測範囲に入る)と,応答器からの反射波によって競走体が通過時刻計測装置を通過したことが測定される。このときの計時手段における時刻が,その通過時刻計測装置における競走体の通過時刻とされる。競走体のそれぞれにバーコードを装着しておき,通過時刻計測装置のそれぞれにバーコード・リーダを設けておくことによって競走体の通過時刻を計測してもよい。競走体とは,競走馬,オートバイ,自転車,自動車,船舶,人間等を含む概念であり,競技コースに沿って走行し,タイムまたは順位を競うものを意味する。
【0012】
競走体がトラックコースを走行すると,トラックコースに沿って設置された通過時刻計測装置によって競走体の通過時刻が得られる。通過時刻とその通過時刻を計測した通過時刻計測装置を識別する識別番号とが,制御装置に送信される。
【0013】
制御装置では,通過時刻計測装置のうちの一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻(基準通過時刻と呼ぶ)と,その前後の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する。この比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかが判定される。制御装置には通過時刻とともに通過時刻計測装置を識別する識別番号も送信されるので,競走体の通過時刻計測装置の通過の順番も把握することができる。
【0014】
たとえば,トラックコースの直線部分(ホームストレート)において,左から順番に第1通過時刻計測装置,第2通過時刻計測装置,第3通過時刻計測装置の3台が設置されているとする。第2通過時刻計測装置によって計測された通過時刻を,基準通過時刻とする。第1通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも遅く,かつ第3通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも早ければ,競走体はトラックコースを右回りに走行していることが分かる。逆に,第1通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも早く,かつ第3通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも遅ければ,競走体はトラックコースを左回りに走行していることが分かる。
【0015】
このようにこの発明によると,トラックコースを走行する競走体が,トラックコースを右回りに走行しているか,または左回りに走行しているかを自動的に判定することができる。
【0016】
一実施態様では,上記比較手段は,トラックコースに設置されたすべての通過時刻計測装置によって競走体の通過時刻が得られた後に,計測された通過時刻を比較する。すべての通過時刻計測装置の計測時刻のそれぞれを基準時刻として,複数の比較結果を用いて,右回りまたは左回りの判定をしてもよい。
【0017】
この発明による競走体のトラックコースの回り方向判定装置は,時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置される少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置に,データ通信可能に接続される。判定装置は,上記通過時刻計測装置から送信される競走体の通過時刻および上記通過時刻計測装置を識別する識別符号とを受信する受信手段,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する比較手段,ならびに上記比較手段による比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定する回り方向判定手段を備えている。
【0018】
上述したように,少なくとも3台の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻に基づいて,競走体のトラックコースの回り方向を判定することができる。
【0019】
この発明は,上述の判定装置を制御するためのプログラムも提供している。この発明による競走体のトラックコースの回り方向判定装置を制御するプログラムは,時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置される少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置に,データ通信可能に接続される判定装置を制御するものであり,上記通過時刻計測装置から送信される競走体の通過時刻および上記通過時刻計測装置を識別する識別符号を受信させ,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較させ,比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定させるように上記回り方向判定装置を制御するものである。
【0020】
第2の発明による計測システムは,時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて設置された複数台の競走体の通過時刻計測装置と,上記複数台の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された制御装置とから構成される。上記制御装置は,上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信する監視電文送信手段を備えている。上記通過時刻計測装置は,監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時された現在時刻を上記制御装置に送信する現在時刻送信手段を備えている。現在時刻は,必ずしも現実の時刻である必要はない。計時手段において計時されている時刻が,現在時刻として取り扱われる。
【0021】
上記制御装置はさらに,複数の通過時刻計測装置からの現在時刻の受信に応じて,受信した複数の現在時刻間の誤差を算出する誤差算出手段,上記誤差算出手段によって算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段,および上記判断手段によって上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置にリセット電文を送信するリセット電文送信手段を備えている。
【0022】
上記通過時刻計測装置はさらに,上記リセット電文の受信に応じて上記計時手段の時刻をリセットするリセット手段を備えている。
【0023】
この計測システムにおける通過時刻計測装置は,競走体が通過した時刻を計測するものである。計測される通過時刻は,通過時刻計測装置に備えられている時刻を計時する計時手段に基づく。
【0024】
制御装置から複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文が送信される。通過時刻計測装置は,監視電文を受信すると,計時されている時刻(現在時刻)を制御装置に送信する。
【0025】
制御装置では,複数台の通過時刻計測装置から現在時刻を受信すると,受信した複数の現在時刻の間の誤差を算出する。たとえば,受信した現在時刻のうち,最も早い(進んだ)時刻と,最も遅い(遅れた)時刻とを抽出し,その2つの時刻の間の時間(時間間隔)を算出する。
【0026】
算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかが判断される。所定の範囲外の場合に,制御装置から各通過時刻計測装置にリセット電文が送信される。リセット電文を受信した通過時刻計測装置では計時手段の時刻がリセットされる。
【0027】
リセット電文に時刻データを含ませておいてもよい。計時手段は,リセット電文に含まれる時刻データ(固定値)とカウンタとを含むものとする。リセット電文が受信されると,時刻データが,リセット電文に含まれる時刻データに更新され,かつ更新された時刻データが表す時刻(固定値)からの経過時間がカウンタによってカウントされる。通過時刻計測装置の計時手段の時刻(現在時刻)は,時刻データによって表される時刻にカウンタの値を足し合わせた(加算した)値になる。
【0028】
競走体の走行コース上に複数台の通過時刻計測装置が設置されており,そのそれぞれに備えられた計時手段(計時装置,タイマ)によって競走体の通過時刻(現在時刻)を計測し,計測した通過時刻に基づいてラップ・タイムを算出する場合,通過時刻計測装置における現在時刻が相互に一致していないと,ラップ・タイムにズレが生じてしまう。この発明によると,通過時刻計測装置に備えられた計時手段の時刻の調整が自動的に行われる。また,競走体の走行コース上に複数台設置される通過時刻計測装置には,監視電文の受信に応じて現在時刻を送信する手段と,リセット電文の受信に応じて現在時刻をリセットする手段とを備えておけば足りる。安価な費用で通過時刻計測装置ごとの時刻のズレを解消することができる。
【0029】
好ましくは,上記通過時刻計測装置は,上記リセット手段によってリセットされた計時手段の現在時刻を上記制御装置に送信するリセット時刻送信手段を備えており,上記制御装置は,上記誤差算出手段において,上記リセット時刻の受信に応じて,受信したリセット時刻の誤差をさらに算出し,上記判断手段において,上記算出されたリセット時刻の誤差が所定の範囲内にあるかどうかをさらに判断する。リセットされた時刻に誤差がないかどうかを再度判断することができる。リセットされても誤差が解消しない場合,複数台の通過時刻計測装置のいずれかに故障等が発生していることが考えられる。複数台の通過時刻計測装置のいずれかに故障等が生じていないかどうかを判断することができる。
【0030】
好ましくは,制御装置は,上記通過時刻計測装置による競走体の通過時刻の計測が所定時間の間行われていないことを判断して監視電文を通過時刻計測装置のそれぞれに送信する。競走体の通過時刻の計測が行われている最中に,計時手段の時刻がリセットされてしまうことが防止される。
【0031】
この発明は,上述の計測システムにおいて用いられる制御装置(時刻誤差修正装置)も提供している。この発明による時刻誤差修正装置は,時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて設置された複数台の競走体の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続される。時刻誤差修正装置は,上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信する監視電文送信手段,監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時される現在時刻を,上記通過時刻計測装置から受信する受信手段,複数の現在時刻の受信に応じて,受信した複数の現在時刻間の誤差を算出する誤差算出手段,上記誤差算出手段によって算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段,および上記判断手段によって上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置に,上記計時手段の時刻をリセットするためのリセット電文を送信するリセット電文送信手段を備えている。
【0032】
さらにこの発明は,上述の時刻誤差修正装置を制御するためのプログラムも提供している。
【0033】
【実施例の説明】
ラップ・タイム計測システムは,簡潔に言えば,競馬のトラックコースに,1ハロン(200m)間隔で設置された時刻計測装置のそれぞれにおいて競走馬の通過時刻を計測し,計測した通過時刻に基づいて,競走馬の1ハロンごとのラップ・タイム,スタートからゴールまでの走破タイム,上がりタイム(ゴールからのハロンごとの逆算タイム),およびトラックコース上の競走馬の通過位置(コース内側,コース中央,コース外側)を表わすデータを作成するシステムである。作成されたデータはコンピュータ・システムの記憶装置に記憶される。また,作成されたデータによって表されるラップ・タイム,走破タイム,上がりタイムおよび通過位置は,表示画面上に一覧に,またはテロップとして表示される。表示画面上には,付加情報として,競走馬の出走予定レース名,競走馬名,馬齢,騎手データ(騎手名,助手名等),厩舎名,調教回数,コース情報(競馬場名等)を併せて表示させることもできる。
【0034】
図1は,ラップ・タイム計測システムの全体構成を示している。
【0035】
ラップ・タイム計測システムは,複数台のハロン・ステーションと,1台のハロン・ステーション制御装置13とを含む。ハロン・ステーションは,1対(2台)のアンテナ・ユニット11とコントローラ12とから構成される計測装置である。
【0036】
ハロン・ステーションは,トラックコースに沿って1ハロン(=200m)間隔で設置される。1周が2000mのトラックコースの場合には,1ハロンごとに,合計10台のハロン・ステーションが設置される。図1において,1〜10の番号を,ハロン・ステーションを構成するアンテナ・ユニット11に付す。以下の説明において,ハロン・ステーションのそれぞれを区別する場合には,上述の1〜10の番号(ハロン・ステーション番号)を用いて各ハロン・ステーションを第1ハロン・ステーション,第2ハロン・ステーション,・・・第10ハロン・ステーションと呼ぶことにする。
【0037】
競馬のトラックコースにおけるゴール位置は,直線コースの最終部分と決められている。スタート位置は競争距離によって異なる。たとえば,1周が2000mのトラックコースにおいて競争距離が1800mの場合には,図1に示すように,右回りでは第10ハロン・ステーションの設置位置がスタート位置となり,第1ハロン・ステーションの設置位置がゴール位置となる。左回りの場合には第4ハロン・ステーションの設置位置がスタート位置となり,第3ハロン・ステーションの位置がゴール位置となる。
【0038】
各ハロン・ステーションにおいて,1対(2台)のアンテナ・ユニット11は,いずれもコントローラ12にLAN(Local Area Network)ケーブルによってデータ通信可能に相互に接続されている。また,各ハロン・ステーションのコントローラ12は,LANケーブルによってハロン・ステーション制御装置13にデータ通信可能に相互に接続されている。アンテナ・ユニット11,コントローラ12およびハロン・ステーション制御装置13の詳細については,後述する。
【0039】
図2および図3は,競馬のトラックコースに設置されたハロン・ステーション(アンテナ・ユニット11およびコントローラ12)と,競走馬および騎手に装着された応答器(データキャリア,IDタグ)10A,10Bとの位置関係を示している。図4は,応答器10A,10B,アンテナ・ユニット11およびコントローラ12の電気的構成を示すブロック図である。図2において,作図の便宜上,トラックコースの幅が狭く描かれている。
【0040】
ハロン・ステーションを構成する1対のアンテナ・ユニット11はそれぞれ電波の送受信面を持つ。1対のアンテナ・ユニット11は,その電波の送受面が互いに向き合うように(電波の送受信面は,競走馬の走行路に対して垂直な方向を向く),トラックコースの柵の外側にそれぞれ設置される。
【0041】
競走馬に騎乗する騎手の右側面および左側面のそれぞれに,1対の応答器10A(R),10A(L)が装着されている。競走馬の右側面および左側面にも1対の応答器10B(R),10B(L)が装着されている。ここで,符号R,Lは,右側および左側を区別するための符号であり,以下の説明において右側および左側の区別が必要な場合に( )内に,RまたはLを示すことにする。
【0042】
1対のアンテナ・ユニット11から競走馬の走行路に向けて所定の周波数の電波(たとえば,マイクロ波)が発射される。アンテナ・ユニット11は発振器31および送受信回路32を含む。発振器31は所定の周波数の搬送波を生成する。送信信号(後述する読出し命令を含む)が,発振器31が生成する搬送波に重畳されて送受信回路32によって発射される。搬送波は直線偏波方式,円偏波方式のいずれでもよい。
【0043】
競走馬および騎手の右側に設置されたアンテナ・ユニット11(R)から発射されたマイクロ波は,競走馬および騎手の右側面に装着された応答器10A(R),10B(R)によって受信される。応答器10A(R),10B(R)は送受信回路21およびメモリ22を含む。アンテナ・ユニット11(R)から発射されるマイクロ波は読出し命令を含み,読出し命令を含むマイクロ波が応答器10A(R),10B(R)の送受信回路21によって受信される。送受信回路21は,アンテナ・ユニット11(R)からのマイクロ波を受信すると,メモリ22に記憶されている情報(後述する)を読出し,読出した情報をアンテナ・ユニット11(R)に向けて発射する(反射波)。同じように,競走馬および騎手の左側に設置されたアンテナ・ユニット11(L)から発射されたマイクロ波は,競走馬および騎手の左側面に装着された応答器10A(L),10B(L)によって受信される。応答器10A(L),10B(L)から発射される反射波は,アンテナ・ユニット11(L)によって受信される。
【0044】
騎手に装着された応答器10A(R),(L)のメモリ22には,騎手IDが記憶されている(左右(RまたはL))のいずれか一方でもよい)。競走馬に装着された応答器10B(R),(L)のメモリ22には,競走馬IDおよびゼッケン番号が記憶されている(左右(RまたはL)のいずれか一方でもよい)。すなわち,騎手および競走馬がハロン・ステーションを通過すると(アンテナ・ユニット11(R),(L)の間を通過すると),騎手ID,競走馬IDおよびゼッケン番号を表すデータが反射波によってアンテナ・ユニット11に送信される。騎手ID,競走馬IDおよびゼッケン番号は,アンテナ・ユニット11からLANケーブルを通してコントローラ12に送られる。
【0045】
また,アンテナ・ユニット11(R),(L)は,競走馬の左右の応答器10B(R),(L)からの反射波のレスポンス・タイム(マイクロ波が発射されて反射波が帰ってくるまでの時間)と,騎手の左右の応答器10A(R),(L)からの反射波のレスポンス・タイムを,それぞれコントローラ12に送信する。後述するハロン・ステーション制御装置13は,左右の反射波のレスポンス・タイムの差に基づいて,競走馬がトラックコースの右側,中央,左側のどの位置を通過したのかを計測する。このように,アンテナ・ユニット11および応答器10A,10Bを左右に設けるのは,競走馬がトラックコースのどの位置を走行したかを計測するためである。もちろん,騎手の応答器10A(R),(L)または競走馬の応答器10B(R),(L)のいずれか一方からの反射波のレスポンス・タイムの差を用いて,走行位置を計測してもよい。競走馬のトラックコースの走行位置を計測しない場合には,アンテナ・ユニット11はトラック・コースの右側または左側の一方に設置すれば足りる。この場合には,騎手および競走馬に装着される応答器10A,10Bも,アンテナ・ユニット11が設置されている側(対向する側)に装着すれば足りる。
【0046】
コントローラ12は,コントローラ12の全体を統括的に制御するCPU41を含む。CPU41には,ワーク・エリア,バッファ・エリアを提供するメモリ42,時刻を計測するタイマ43,コントローラ12へのデータ入出力その他の処理を実行させるためのプログラム(OS等),ハロン・ステーション番号等を記憶したハードディスク44,およびハロン・ステーション制御装置13とのデータの送受信のための通信装置45が接続されている。
【0047】
図5は,コントローラ12のタイマ43のデータ内容を示すものである。タイマ43には基準時刻とカウンター値とが記憶されている。基準時刻は固定値(変動しない)である。カウンター値では基準時刻からの経過時間がカウントされる。後述するように,基準時刻はハロン・ステーション制御装置13から送信されるリセット信号に含まれる時刻データが表す時刻である。コントローラ12にハロン・ステーション制御装置13からリセット信号が与えられることによってタイマ43の基準時刻がリセット信号に含まれる時刻データに書き直される(更新)。カウンター値はリセット信号によって基準時刻が更新されるとリセットされ,新たに基準時刻からの経過時間のカウントが開始される。
【0048】
タイマ43は,騎手および競走馬がハロン・ステーションを通過した時刻を得るために用いられる。基準時刻にカウンター値を加算した時刻が各ハロン・ステーションにおける現在時刻であり,競走馬がハロン・ステーションを通過すると,通過したときの現在時刻が通過時刻として扱われる。
【0049】
図6は,コントローラ12からハロン・ステーション制御装置13に送信されるデータの内容の一例を示している。
【0050】
騎手および競走馬がハロン・ステーションを通過すると,上述したようにアンテナ・ユニット11と応答器10A,10Bとの間でデータ通信が行われる。コントローラ12は,アンテナ・ユニット11から競走馬ID,ゼッケン番号,騎手ID,左右(L,R)の応答器10A,10Bからの反射波のレスポンス・タイムを受信する。
【0051】
コントローラ12は,ハードディスク44に記憶されているハロン・ステーション番号を読出し,読出したハロン・ステーション番号と,アンテナ・ユニット11から得られた競走馬ID,ゼッケン番号および騎手IDと,タイマ43から得られた騎手および競走馬のハロン・ステーションの通過時刻と,左右の応答器10A,10B(R),(L)のレスポンス・タイムを表すデータを,ハロン・ステーション制御装置13に送信する。図6に示すコントローラ12からハロン・ステーション制御装置13に送信されるデータを,以下,「計測データ」と呼ぶ。
【0052】
騎手および競走馬がトラックコースを走行しハロン・ステーションを通過すると,ハロン・ステーションを通過するたびにハロン・ステーション(コントローラ12)では計測データが得られ,得られた計測データがLANを通してハロン・ステーション制御装置13に送信される。
【0053】
図7は,ハロン・ステーション制御装置13の電気的構成を示すブロック図である。
【0054】
ハロン・ステーション制御装置13は,ハロン・ステーション制御装置13の全体を統括的に制御するCPU51を含む。CPU51には,指示の入力,データ等の入力のための入力装置52,処理結果等を表示するための表示装置53,ハロン・ステーションおよび他のコンピュータ・システムとの間のデータ通信を行うための通信装置54,バッファ・エリア,ワーク・エリア等を提供するメモリ55,後述する各種プログラムおよびデータを記憶するハードディスク56,CD−ROMに記憶されたプログラム等を読出すためのCD−ROMドライブ57,ならびにFDに記憶されたプログラム等を読出し,FDにプログラム等を記録するためのFDドライブ58が接続されている。
【0055】
ハードディスク56には,トラックコース回り方向判定プログラムおよび時刻誤差計測/修正プログラムが記憶されている。
【0056】
トラックコース回り方向判定プログラムは,トラックコースを走行する競走馬が,右回りで走行しているか,左回りで走行しているかを判定するためのプログラムである。トラックコース回り方向判定プログラムの処理の詳細は後述する。
【0057】
時刻誤差計測/修正プログラムは,簡潔に言えば,ハロン・ステーションを構成するコントローラ12のそれぞれのマシン・タイム(上述したコントローラ12のタイマ43に基づく)の誤差を測定し,誤差が基準値よりも大きい場合に,マシン・タイムをリセットするためのプログラムである。時刻誤差計測/修正プログラムの処理の詳細は後述する。
【0058】
図8はトラックコース回り方向判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図9(A) はトラックコースに設置されたハロン・ステーションの設置位置(ハロン・ステーション番号)を表している。図9(B) は競走馬が右回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れを,図9(C) は競走馬が左回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れをそれぞれ示すものである。以下の説明では,図9(A) に示すようにハロン・ステーションがトラックコースに沿って設置されている場合を例にする。
【0059】
トラックコース回り方向判定プログラムは,競走馬がトラックコースを走行すると,ハロン・ステーション制御装置13のハードディスク56から読出されてCPU51において実行される。すなわち,ハロン・ステーションにおいて計測データが得られ,計測データをハロン・ステーション制御装置13が受信すると,トラックコース回り方向判定プログラムの処理が開始される。
【0060】
第1ハロン・ステーションまたは第3ハロン・ステーションのいずれかから計測データが得られるまで,トラックコース回り方向判定処理は進行しない。第1ハロン・ステーションまたは第3ハロン・ステーションのいずれかから計測データがトラックコース回り方向判定プログラムの処理が進行する(ステップ61,変数i=1または3)。なお,第1ハロン・ステーションの設置位置は右回りコースのゴール位置であり,第3ハロン・ステーションの設置位置は左回りコースのゴール位置である。
【0061】
たとえば,競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り,右回りに走行したとする。第7,第6,第5・・・の順番で,競走馬は走行する。競走馬が第3ハロン・ステーションを通過すると,第3ハロン・ステーションからの計測データが得られる(ステップ60でi=3)。
【0062】
第3ハロン・ステーションからの計測データが得られると(図9(B) の計測5),トラックコース回り方向判定プログラムの処理が進行する。所定時間の待機の後(たとえば,競走馬がトラックコースを1周するのに十分な時間の経過後)(ステップ70),変数iがデクリメントされる(ステップ71でi−1→i)。第2ハロン・ステーションの計測データが得られたかどうかが判断される(ステップ72)。
【0063】
第2ハロン・ステーションの計測データがハロン・ステーション制御装置13に送信される。上述のように,ハロン・ステーションからハロン・ステーション制御装置13に送信される計測データは競走馬の通過時刻データを含んでいる。第2ハロン・ステーションの通過時刻データが,バッファに一時的に記憶される((ステップ72でYES ,ステップ73)。
【0064】
同様の処理が9回行われる(ステップ74でNO)。すなわち,変数iがデクリメントされ(ステップ71),ハロン番号i(i=1,10,9,8,7・・・・)の通過時刻データがバッファに一時的に記憶される(ステップ72でYES ,ステップ73)。なお,トラックコース回り方向判定処理が行われている場合には,ステップ60における判断は行われない。すなわち,競走馬が第3ハロン・ステーションを通過したときにトラックコース回り方向判定処理が開始された場合,その後,第2ハロン・ステーションを経て,第1ハロン・ステーションを通過しても,そのときにトラックコース回り方向判定処理は進行しない(二重起動の禁止)。
【0065】
上述の処理が9回,すなわち,第2ハロン・ステーション〜第3ハロン・ステーションまでの通過時刻が得られると(ステップ74でYES ),隣り合うハロン・ステーションの通過時刻がそれぞれ比較されて,ハロン・ステーション番号の小さい方のハロン・ステーションの通過時刻が,ハロン・ステーション番号の大きい方のハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)かどうか(第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーションの通過時刻の比較のみ,第10ハロン・ステーションの通過時刻が第1ハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)がどうか)が判断される(ステップ75)。
【0066】
すなわち,ステップ75では,第4ハロン・ステーションの通過時刻と第5ハロン・ステーションの通過時刻が比較され,第5ハロン・ステーションの通過時刻と第6ハロン・ステーションの通過時刻が比較される。同様に,第6ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーション,第7ハロン・ステーションと第8ハロン・ステーション,第8ハロン・ステーションと第9ハロン・ステーション,第9ハロン・ステーションと第10ハロン・ステーション,第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーション,第1ハロン・ステーションと第2ハロン・ステーション,第2ハロン・ステーションと第3ハロン・ステーション,第3ハロン・ステーションと第4ハロン・ステーションの通過時刻が比較される。
【0067】
上述のように,競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り右回りに走行し,第3ハロン・ステーションを通過し,その後,第2,第1,第10,第9,・・・・第4ハロン・ステーションを通過し,再び第3ハロン・ステーションを通過した場合(計測のスタートは第2ハロン・ステーション,計測の終了は第3ハロン・ステーションである)には,ハロン・ステーション番号が小さい方(たとえば,第9ハロン・ステーション)の通過時刻は,ハロン・ステーション番号の大きい方(たとえば,第10ハロン・ステーション)の通過時刻よりも遅い(大きい)(ステップ75でNO)。この場合には,再度,トラックコース回り方向判定処理が行われる。
【0068】
競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り右回りに走行し,第3ハロン・ステーションを通過し,さらに一回りして再び第3ハロン・ステーションを通過し,さらに第1ハロン・ステーションを通過した場合,再びトラックコース回り方向判定処理が進行する(ステップ60でi=1)。
【0069】
所定時間の待機の後(ステップ61),変数i(i=1)がインクリメントされる(ステップ62でi+1→i)。第2ハロン・ステーションの計測データが得られているかどうかが判断される(ステップ63)。第2ハロン・ステーションの計測データが得られている場合には,第2ハロン・ステーションの通過時刻データがバッファに一時的に記憶される(ステップ64)。
【0070】
同様の処理が,9回行われる(ステップ65でNO)。第2,第3,第4・・・第10,および第1ハロン・ステーションの通過時刻がバッファに記憶される(ステップ64)。
【0071】
隣合うハロン・ステーションの通過時刻が比較され,ハロン・ステーション番号の大きいハロン・ステーションの通過時刻が,ハロン・ステーション番号の小さいハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)かどうか(第1ハロン・ステーションと第10ハロン・ステーションの通過時刻の比較は除く)が判断される(ステップ66)。
【0072】
競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り右回りに走行した場合,たとえば,第10ハロン・ステーションの通過時刻は,第9ハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)。この場合,この場合,競走馬はトラックコースを右回りに回っていると判断される。右回りを前提としたラップタイム編集処理が行われる(ステップ67)。
【0073】
ラップタイム編集は,上述したように,計測した通過時刻に基づいて,競走馬の1ハロンごとのラップ・タイム,スタートからゴールまでの走破タイム,上がりタイム(ゴールからのハロンごとの逆算タイム),およびトラックコース上の通過位置(コース内側,コース中央,コース外側)を表わす表示データを作成する処理である。右回りの場合には,ラップタイムは,基本的に数字の小さいハロン・ステーション番号(たとえば,3)のハロン・ステーションの通過時刻から,1つ数字の大きいハロン・ステーション番号(たとえば,4)のハロン・ステーションの通過時刻を減算することによって算出される(第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーション間のラップタイムについてのみ,第10ハロン・ステーションの通過時刻から第1ハロン・ステーションの通過時刻を減算した値となる)。
【0074】
また,競走馬の走行位置の表示(計測)についても,右回りであるか左回りであるかの判断が用いられる。たとえば,競走馬(および騎手)の右側のアンテナ・ユニット11と応答器10B(R)(または応答器10A(R))の間のレスポンス・タイムが,左側のアンテナ・ユニット11と応答器10B(L)(または応答器10A(L))の間のレスポンス・タイムより短い場合,右回りであればトラックコースの内側を走行していると計測(表示)される。逆に左回りであればトラックコースの外側を走行していると計測(表示)される。
【0075】
次に,競走馬が第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーションの間からトラックコース内に入り,左回りに走行したとする。第1ハロン・ステーションの計測データが得られるので(ステップ60でi=1)(図9(C) における計測1),所定時間の待機の後,第2,第3,・・・・第10ハロン・ステーションの通過時刻がバッファに一時的に記憶される(ステップ61〜65)。
【0076】
競走馬が左回りに走行している場合,小さい数のハロン・ステーションの通過時刻(たとえば,第3ハロン・ステーション)は,一つ大きい数のハロン・ステーション(第4ハロン・ステーション)の通過時刻よりも早い(小さい)(ステップ66でYES )。左回りと判断される(ステップ67)。左回りを前提としてラップタイム編集が行われる。
【0077】
何らかの障害によってハロン・ステーションの通過時刻が得られなかった場合には(ステップ63でNO,ステップ72でNO),そのハロン・ステーションの通過時刻データはバッファに記憶されないことになる。この場合であっても,隣り合う2つのハロン・ステーションの通過時刻を用いて,右回りまたは左回りの判定が行われる(たとえば,第8ハロン・ステーションの通過時刻データが得られなかった場合には,第7ハロン・ステーションと第9ハロン・ステーションの通過時刻の比較)。
【0078】
競馬の場合には,トラックコースにおいて,同じ日に右回り走行と左回り走行の両方が行われることはないので,上述のトラックコース回り方向判定処理は,1日に1回行えばよい。もちろん,各ハロン・ステーションからハロン・ステーション制御装置13に送信される計測データには,上述のように,競走馬IDおよび騎手IDが含まれているので,競走馬ごと,または競走馬の走行ごとに,右回り,左回りの判定を行うようにしてもよい。
【0079】
図10は,時刻誤差計測/修正プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。時刻誤差計測/修正プログラムはハロン・ステーション制御装置13において実行される。時刻誤差計測/修正プログラムの処理によって,ハロン・ステーション制御装置13と各ハロン・ステーションとの間でデータの送受信が行われる。図10では,左側に時刻誤差計測/修正プログラムに基づくハロン・ステーション制御装置13の処理の流れを,右側にハロン・ステーション制御装置13の処理に対応して動作するハロン・ステーションの処理の流れを示す。図11は,ハロン・ステーション制御装置13と各ハロン・ステーションとの間のデータ通信の様子を示している。
【0080】
ハロン・ステーション制御装置13からすべてのハロン・ステーション(第1HS〜第10HS)に,監視電文が送信される(ステップ81)。監視電文は,所定時間の間(たとえば,60秒間),ハロン・ステーションからの計測データをハロン・ステーション制御装置13が受信しないことを条件に送信される。すなわち,トラックコースを走行する競走馬が存在しない状態で,時刻誤差計測/修正プログラムの処理が開始される。
【0081】
第1〜第10ハロン・ステーション(第1HS〜第10HS)のコントローラ12が監視電文を受信すると(ステップ91),タイマ43から基準時刻とカウンター値(図5参照)が読出され,ハロン・ステーション制御装置13に送信される(ステップ92)。
【0082】
ハロン・ステーション制御装置13は,10台のハロン・ステーションから10個の基準時刻およびカウンター値(応答電文)を受信する(ステップ82;図11)。
【0083】
ハロン・ステーション制御装置13は,受信した基準時刻にカウンター値を足し合わせた時刻(現在時刻)の最大値と最小値の差(誤差)を算出し,算出した差(誤差)と基準値(あらかじめプログラムに記述されている:たとえば0.2秒)を比較する。
【0084】
誤差が基準値以内であれば(ステップ83で基準値≧誤差),10台のハロン・ステーションにおける各タイマ43の時刻はほとんど同じであるので,時刻誤差計測/修正プログラムは特段の処理を行わない。一定時間,待機する(ステップ87)。
【0085】
誤差が基準値を超えている場合には(ステップ83で基準値<誤差),ハロン・ステーション制御装置13から各ハロン・ステーションにリセット電文が送信される(ステップ84)。
【0086】
上述したように,ハロン・ステーション制御装置13から各ハロン・ステーションに送信されるリセット電文には基準時刻が含まれている。ハロン・ステーションはリセット電文を受信すると(ステップ93),リセット電文に含まれる基準時刻をタイマ43における新たな基準時刻として更新し,カウンター値をリセットする(ステップ94)。所定時間の経過の後(たとえば,リセットから5秒後),再び基準時刻とカウンター値とがハロン・ステーションから制御装置13に送信される(ステップ92)。
【0087】
リセットによって,各ハロン・ステーションのタイマ43の現在時刻の誤差が基準値内になれば(ステップ83で基準値≧誤差),時刻誤差計測/修正プログラムの処理は終了する(ステップ87)。一定時間の経過の後,再び上述の処理(監視電文の送信)が行われる。
【0088】
所定回数リセット電文を送信しても誤差が基準値内に入らないような場合(ハロン・ステーションまたはそのタイマの故障が考えられる)(ステップ85でYES ),各ハロン・ステーションのタイマ43の現在時刻の誤差が保存される(ステップ86)。保存された誤差時間が,ラップタイム編集処理においてラップタイムの算出等に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラップタイム計測システムの全体構成を示す。
【図2】競馬のトラックコースに設置されたハロン・ステーションと,競走馬および騎手に装着された応答器との位置関係を示す。
【図3】競馬のトラックコースに設置されたハロン・ステーションと,競走馬および騎手に装着された応答器との位置関係を示す。
【図4】応答器,アンテナ・ユニットおよびコントローラの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】コントローラのタイマのデータ内容を示す。
【図6】コントローラからハロン・ステーション制御装置に送信される計測データを示す。
【図7】ハロン・ステーション制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図8】トラックコース回り方向判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】(A) はトラックコースに設置されたハロンステーションの設置位置とハロンステーション番号を,(B) は競走馬が右回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れを,(C) は競走馬が左回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れをそれぞれ示している。
【図10】時刻誤差計測/修正プログラムに基づくハロン・ステーション制御装置の処理の流れと,対応するハロン・ステーションの処理の流れとを示すフローチャートである。
【図11】ハロン・ステーション制御装置とハロン・ステーションとの間のデータ通信の様子を示す。
【符号の説明】
10A,10B 応答器
11 アンテナ・ユニット
12 コントローラ
13 ハロン・ステーション制御装置
21,32 送受信回路
22,42,55 メモリ
43 タイマ
44,56 ハードディスク
45,54 通信装置
【技術分野】
この発明は,計測システム,より詳細には,競走体のトラックコースの回り方向を自動的に判定する計測システム,および競走体の通過時刻を計測する装置のそれぞれにおける時刻誤差をチェックし,誤差がある場合に誤差を修正する機能を備えた計測システム,ならびに上記計測システムに用いられる回り方向判定装置および時刻誤差修正装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
競走体のトレーニングを行うトレーニングセンターや競走体のレースを行うレース場には,トラックコースが設置されている。競走体,たとえば,競走馬は,トレーニングセンターまたは競馬場において,トラックコースを走行する。
【0003】
トラックコースでは,競走馬はトラックコースを右回りまたは左回りのいずれかの方向に走行する。たとえば,トレーニングセンターでは,日毎に,右回りの走行トレーニング日または左回りの走行トレーニング日があらかじめ決められている(予定表に記載されたり,掲示板に掲示される)。騎手は予定表や掲示板を見て,決められた方向に競走馬を走行させる。競馬場においてもレースごと(または競馬場ごと)に右回りレースか左回りレースかがあらかじめ決められている。一つのトラックコースに右回りに走行する競走馬と,左回りに走行する競走馬とが混在することはない。
【0004】
トレーニングコースでは,早朝からトレーニングが行われる。トラックコースにラップライム計測装置を設置して,競走馬のハロン(1ハロンは200m)ごとのラップタイムを自動的に計測する場合,右回り走行におけるラップタイムであるか,または左回り走行におけるラップタイムであるかを知ることは重要である。また早朝から行われるトレーニングに対応するためには,自動的に左回り走行か右回り走行かを区別ができることが好ましい。
【0005】
また,競走馬のハロンごとのラップタイムを自動的に計測する装置を用いて競走馬のラップタイムを計測する装置を用いる場合,ラップタイムを正確に計測することは特に重要になる。競走馬のラップタイムの計測にわずかなズレ(誤差)があると,視覚的な順位とラップタイムとに齟齬が生じてしまう。
【0006】
一般には,トラックコースに沿って計測装置が設けられ,この計測装置に備えられたタイマの時刻に基づいて競走馬の通過時刻が計測され,通過時刻にもとづいてハロンごとのラップタイムが算出される。最も単純には,計測装置ごとにGPSを用いた時刻補正装置を設けることにより,GPS信号に基づいて各計測装置のタイマの時刻を一致させることができる。しかしながら,計測装置はトラックコースに沿って複数台設置されるから,上述の構成では歩留まりが悪い。
【0007】
【発明の開示】
この発明は,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを自動的に判定することができる計測システムを提供する。
【0008】
さらにこの発明は,時刻データを持つ計測装置のそれぞれの時刻に誤差が生じた場合に,その誤差を検出し,かつ修正する機能を備えた計測システムを提供することを目的とする。
【0009】
第1の発明による計測システムは,時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置された少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置と,上記通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された制御装置とから構成される。上記通過時刻計測装置は,上記通過時刻計測装置を識別するための識別符号を記憶した記憶手段,および競走体の通過時刻と上記記憶手段に記憶された識別符号とを上記制御装置に送信する通過時刻送信手段を備えている。上記制御装置は,上記通過時刻計測装置のうち,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する比較手段,ならびに上記比較手段による比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定する回り方向判定手段を備えている。
【0010】
トラックコースに沿って間隔をあけて設置された通過時刻計測装置は,時刻を計時する計時手段(タイマ)を備え,この計時手段によって競走体の通過時刻が計測される。
【0011】
たとえば,競走体のそれぞれに応答器(データ・キャリア,IDタグ)を装着し,通過時刻計測装置のそれぞれにリーダ/ライタ(アンテナ・ユニットおよびコントローラ)を設けておく。競走体が通過時刻計測装置を通過する(計測範囲に入る)と,応答器からの反射波によって競走体が通過時刻計測装置を通過したことが測定される。このときの計時手段における時刻が,その通過時刻計測装置における競走体の通過時刻とされる。競走体のそれぞれにバーコードを装着しておき,通過時刻計測装置のそれぞれにバーコード・リーダを設けておくことによって競走体の通過時刻を計測してもよい。競走体とは,競走馬,オートバイ,自転車,自動車,船舶,人間等を含む概念であり,競技コースに沿って走行し,タイムまたは順位を競うものを意味する。
【0012】
競走体がトラックコースを走行すると,トラックコースに沿って設置された通過時刻計測装置によって競走体の通過時刻が得られる。通過時刻とその通過時刻を計測した通過時刻計測装置を識別する識別番号とが,制御装置に送信される。
【0013】
制御装置では,通過時刻計測装置のうちの一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻(基準通過時刻と呼ぶ)と,その前後の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する。この比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかが判定される。制御装置には通過時刻とともに通過時刻計測装置を識別する識別番号も送信されるので,競走体の通過時刻計測装置の通過の順番も把握することができる。
【0014】
たとえば,トラックコースの直線部分(ホームストレート)において,左から順番に第1通過時刻計測装置,第2通過時刻計測装置,第3通過時刻計測装置の3台が設置されているとする。第2通過時刻計測装置によって計測された通過時刻を,基準通過時刻とする。第1通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも遅く,かつ第3通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも早ければ,競走体はトラックコースを右回りに走行していることが分かる。逆に,第1通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも早く,かつ第3通過時刻計測装置による計測時刻が基準通過時刻よりも遅ければ,競走体はトラックコースを左回りに走行していることが分かる。
【0015】
このようにこの発明によると,トラックコースを走行する競走体が,トラックコースを右回りに走行しているか,または左回りに走行しているかを自動的に判定することができる。
【0016】
一実施態様では,上記比較手段は,トラックコースに設置されたすべての通過時刻計測装置によって競走体の通過時刻が得られた後に,計測された通過時刻を比較する。すべての通過時刻計測装置の計測時刻のそれぞれを基準時刻として,複数の比較結果を用いて,右回りまたは左回りの判定をしてもよい。
【0017】
この発明による競走体のトラックコースの回り方向判定装置は,時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置される少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置に,データ通信可能に接続される。判定装置は,上記通過時刻計測装置から送信される競走体の通過時刻および上記通過時刻計測装置を識別する識別符号とを受信する受信手段,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する比較手段,ならびに上記比較手段による比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定する回り方向判定手段を備えている。
【0018】
上述したように,少なくとも3台の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻に基づいて,競走体のトラックコースの回り方向を判定することができる。
【0019】
この発明は,上述の判定装置を制御するためのプログラムも提供している。この発明による競走体のトラックコースの回り方向判定装置を制御するプログラムは,時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置される少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置に,データ通信可能に接続される判定装置を制御するものであり,上記通過時刻計測装置から送信される競走体の通過時刻および上記通過時刻計測装置を識別する識別符号を受信させ,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較させ,比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定させるように上記回り方向判定装置を制御するものである。
【0020】
第2の発明による計測システムは,時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて設置された複数台の競走体の通過時刻計測装置と,上記複数台の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された制御装置とから構成される。上記制御装置は,上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信する監視電文送信手段を備えている。上記通過時刻計測装置は,監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時された現在時刻を上記制御装置に送信する現在時刻送信手段を備えている。現在時刻は,必ずしも現実の時刻である必要はない。計時手段において計時されている時刻が,現在時刻として取り扱われる。
【0021】
上記制御装置はさらに,複数の通過時刻計測装置からの現在時刻の受信に応じて,受信した複数の現在時刻間の誤差を算出する誤差算出手段,上記誤差算出手段によって算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段,および上記判断手段によって上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置にリセット電文を送信するリセット電文送信手段を備えている。
【0022】
上記通過時刻計測装置はさらに,上記リセット電文の受信に応じて上記計時手段の時刻をリセットするリセット手段を備えている。
【0023】
この計測システムにおける通過時刻計測装置は,競走体が通過した時刻を計測するものである。計測される通過時刻は,通過時刻計測装置に備えられている時刻を計時する計時手段に基づく。
【0024】
制御装置から複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文が送信される。通過時刻計測装置は,監視電文を受信すると,計時されている時刻(現在時刻)を制御装置に送信する。
【0025】
制御装置では,複数台の通過時刻計測装置から現在時刻を受信すると,受信した複数の現在時刻の間の誤差を算出する。たとえば,受信した現在時刻のうち,最も早い(進んだ)時刻と,最も遅い(遅れた)時刻とを抽出し,その2つの時刻の間の時間(時間間隔)を算出する。
【0026】
算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかが判断される。所定の範囲外の場合に,制御装置から各通過時刻計測装置にリセット電文が送信される。リセット電文を受信した通過時刻計測装置では計時手段の時刻がリセットされる。
【0027】
リセット電文に時刻データを含ませておいてもよい。計時手段は,リセット電文に含まれる時刻データ(固定値)とカウンタとを含むものとする。リセット電文が受信されると,時刻データが,リセット電文に含まれる時刻データに更新され,かつ更新された時刻データが表す時刻(固定値)からの経過時間がカウンタによってカウントされる。通過時刻計測装置の計時手段の時刻(現在時刻)は,時刻データによって表される時刻にカウンタの値を足し合わせた(加算した)値になる。
【0028】
競走体の走行コース上に複数台の通過時刻計測装置が設置されており,そのそれぞれに備えられた計時手段(計時装置,タイマ)によって競走体の通過時刻(現在時刻)を計測し,計測した通過時刻に基づいてラップ・タイムを算出する場合,通過時刻計測装置における現在時刻が相互に一致していないと,ラップ・タイムにズレが生じてしまう。この発明によると,通過時刻計測装置に備えられた計時手段の時刻の調整が自動的に行われる。また,競走体の走行コース上に複数台設置される通過時刻計測装置には,監視電文の受信に応じて現在時刻を送信する手段と,リセット電文の受信に応じて現在時刻をリセットする手段とを備えておけば足りる。安価な費用で通過時刻計測装置ごとの時刻のズレを解消することができる。
【0029】
好ましくは,上記通過時刻計測装置は,上記リセット手段によってリセットされた計時手段の現在時刻を上記制御装置に送信するリセット時刻送信手段を備えており,上記制御装置は,上記誤差算出手段において,上記リセット時刻の受信に応じて,受信したリセット時刻の誤差をさらに算出し,上記判断手段において,上記算出されたリセット時刻の誤差が所定の範囲内にあるかどうかをさらに判断する。リセットされた時刻に誤差がないかどうかを再度判断することができる。リセットされても誤差が解消しない場合,複数台の通過時刻計測装置のいずれかに故障等が発生していることが考えられる。複数台の通過時刻計測装置のいずれかに故障等が生じていないかどうかを判断することができる。
【0030】
好ましくは,制御装置は,上記通過時刻計測装置による競走体の通過時刻の計測が所定時間の間行われていないことを判断して監視電文を通過時刻計測装置のそれぞれに送信する。競走体の通過時刻の計測が行われている最中に,計時手段の時刻がリセットされてしまうことが防止される。
【0031】
この発明は,上述の計測システムにおいて用いられる制御装置(時刻誤差修正装置)も提供している。この発明による時刻誤差修正装置は,時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて設置された複数台の競走体の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続される。時刻誤差修正装置は,上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信する監視電文送信手段,監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時される現在時刻を,上記通過時刻計測装置から受信する受信手段,複数の現在時刻の受信に応じて,受信した複数の現在時刻間の誤差を算出する誤差算出手段,上記誤差算出手段によって算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段,および上記判断手段によって上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置に,上記計時手段の時刻をリセットするためのリセット電文を送信するリセット電文送信手段を備えている。
【0032】
さらにこの発明は,上述の時刻誤差修正装置を制御するためのプログラムも提供している。
【0033】
【実施例の説明】
ラップ・タイム計測システムは,簡潔に言えば,競馬のトラックコースに,1ハロン(200m)間隔で設置された時刻計測装置のそれぞれにおいて競走馬の通過時刻を計測し,計測した通過時刻に基づいて,競走馬の1ハロンごとのラップ・タイム,スタートからゴールまでの走破タイム,上がりタイム(ゴールからのハロンごとの逆算タイム),およびトラックコース上の競走馬の通過位置(コース内側,コース中央,コース外側)を表わすデータを作成するシステムである。作成されたデータはコンピュータ・システムの記憶装置に記憶される。また,作成されたデータによって表されるラップ・タイム,走破タイム,上がりタイムおよび通過位置は,表示画面上に一覧に,またはテロップとして表示される。表示画面上には,付加情報として,競走馬の出走予定レース名,競走馬名,馬齢,騎手データ(騎手名,助手名等),厩舎名,調教回数,コース情報(競馬場名等)を併せて表示させることもできる。
【0034】
図1は,ラップ・タイム計測システムの全体構成を示している。
【0035】
ラップ・タイム計測システムは,複数台のハロン・ステーションと,1台のハロン・ステーション制御装置13とを含む。ハロン・ステーションは,1対(2台)のアンテナ・ユニット11とコントローラ12とから構成される計測装置である。
【0036】
ハロン・ステーションは,トラックコースに沿って1ハロン(=200m)間隔で設置される。1周が2000mのトラックコースの場合には,1ハロンごとに,合計10台のハロン・ステーションが設置される。図1において,1〜10の番号を,ハロン・ステーションを構成するアンテナ・ユニット11に付す。以下の説明において,ハロン・ステーションのそれぞれを区別する場合には,上述の1〜10の番号(ハロン・ステーション番号)を用いて各ハロン・ステーションを第1ハロン・ステーション,第2ハロン・ステーション,・・・第10ハロン・ステーションと呼ぶことにする。
【0037】
競馬のトラックコースにおけるゴール位置は,直線コースの最終部分と決められている。スタート位置は競争距離によって異なる。たとえば,1周が2000mのトラックコースにおいて競争距離が1800mの場合には,図1に示すように,右回りでは第10ハロン・ステーションの設置位置がスタート位置となり,第1ハロン・ステーションの設置位置がゴール位置となる。左回りの場合には第4ハロン・ステーションの設置位置がスタート位置となり,第3ハロン・ステーションの位置がゴール位置となる。
【0038】
各ハロン・ステーションにおいて,1対(2台)のアンテナ・ユニット11は,いずれもコントローラ12にLAN(Local Area Network)ケーブルによってデータ通信可能に相互に接続されている。また,各ハロン・ステーションのコントローラ12は,LANケーブルによってハロン・ステーション制御装置13にデータ通信可能に相互に接続されている。アンテナ・ユニット11,コントローラ12およびハロン・ステーション制御装置13の詳細については,後述する。
【0039】
図2および図3は,競馬のトラックコースに設置されたハロン・ステーション(アンテナ・ユニット11およびコントローラ12)と,競走馬および騎手に装着された応答器(データキャリア,IDタグ)10A,10Bとの位置関係を示している。図4は,応答器10A,10B,アンテナ・ユニット11およびコントローラ12の電気的構成を示すブロック図である。図2において,作図の便宜上,トラックコースの幅が狭く描かれている。
【0040】
ハロン・ステーションを構成する1対のアンテナ・ユニット11はそれぞれ電波の送受信面を持つ。1対のアンテナ・ユニット11は,その電波の送受面が互いに向き合うように(電波の送受信面は,競走馬の走行路に対して垂直な方向を向く),トラックコースの柵の外側にそれぞれ設置される。
【0041】
競走馬に騎乗する騎手の右側面および左側面のそれぞれに,1対の応答器10A(R),10A(L)が装着されている。競走馬の右側面および左側面にも1対の応答器10B(R),10B(L)が装着されている。ここで,符号R,Lは,右側および左側を区別するための符号であり,以下の説明において右側および左側の区別が必要な場合に( )内に,RまたはLを示すことにする。
【0042】
1対のアンテナ・ユニット11から競走馬の走行路に向けて所定の周波数の電波(たとえば,マイクロ波)が発射される。アンテナ・ユニット11は発振器31および送受信回路32を含む。発振器31は所定の周波数の搬送波を生成する。送信信号(後述する読出し命令を含む)が,発振器31が生成する搬送波に重畳されて送受信回路32によって発射される。搬送波は直線偏波方式,円偏波方式のいずれでもよい。
【0043】
競走馬および騎手の右側に設置されたアンテナ・ユニット11(R)から発射されたマイクロ波は,競走馬および騎手の右側面に装着された応答器10A(R),10B(R)によって受信される。応答器10A(R),10B(R)は送受信回路21およびメモリ22を含む。アンテナ・ユニット11(R)から発射されるマイクロ波は読出し命令を含み,読出し命令を含むマイクロ波が応答器10A(R),10B(R)の送受信回路21によって受信される。送受信回路21は,アンテナ・ユニット11(R)からのマイクロ波を受信すると,メモリ22に記憶されている情報(後述する)を読出し,読出した情報をアンテナ・ユニット11(R)に向けて発射する(反射波)。同じように,競走馬および騎手の左側に設置されたアンテナ・ユニット11(L)から発射されたマイクロ波は,競走馬および騎手の左側面に装着された応答器10A(L),10B(L)によって受信される。応答器10A(L),10B(L)から発射される反射波は,アンテナ・ユニット11(L)によって受信される。
【0044】
騎手に装着された応答器10A(R),(L)のメモリ22には,騎手IDが記憶されている(左右(RまたはL))のいずれか一方でもよい)。競走馬に装着された応答器10B(R),(L)のメモリ22には,競走馬IDおよびゼッケン番号が記憶されている(左右(RまたはL)のいずれか一方でもよい)。すなわち,騎手および競走馬がハロン・ステーションを通過すると(アンテナ・ユニット11(R),(L)の間を通過すると),騎手ID,競走馬IDおよびゼッケン番号を表すデータが反射波によってアンテナ・ユニット11に送信される。騎手ID,競走馬IDおよびゼッケン番号は,アンテナ・ユニット11からLANケーブルを通してコントローラ12に送られる。
【0045】
また,アンテナ・ユニット11(R),(L)は,競走馬の左右の応答器10B(R),(L)からの反射波のレスポンス・タイム(マイクロ波が発射されて反射波が帰ってくるまでの時間)と,騎手の左右の応答器10A(R),(L)からの反射波のレスポンス・タイムを,それぞれコントローラ12に送信する。後述するハロン・ステーション制御装置13は,左右の反射波のレスポンス・タイムの差に基づいて,競走馬がトラックコースの右側,中央,左側のどの位置を通過したのかを計測する。このように,アンテナ・ユニット11および応答器10A,10Bを左右に設けるのは,競走馬がトラックコースのどの位置を走行したかを計測するためである。もちろん,騎手の応答器10A(R),(L)または競走馬の応答器10B(R),(L)のいずれか一方からの反射波のレスポンス・タイムの差を用いて,走行位置を計測してもよい。競走馬のトラックコースの走行位置を計測しない場合には,アンテナ・ユニット11はトラック・コースの右側または左側の一方に設置すれば足りる。この場合には,騎手および競走馬に装着される応答器10A,10Bも,アンテナ・ユニット11が設置されている側(対向する側)に装着すれば足りる。
【0046】
コントローラ12は,コントローラ12の全体を統括的に制御するCPU41を含む。CPU41には,ワーク・エリア,バッファ・エリアを提供するメモリ42,時刻を計測するタイマ43,コントローラ12へのデータ入出力その他の処理を実行させるためのプログラム(OS等),ハロン・ステーション番号等を記憶したハードディスク44,およびハロン・ステーション制御装置13とのデータの送受信のための通信装置45が接続されている。
【0047】
図5は,コントローラ12のタイマ43のデータ内容を示すものである。タイマ43には基準時刻とカウンター値とが記憶されている。基準時刻は固定値(変動しない)である。カウンター値では基準時刻からの経過時間がカウントされる。後述するように,基準時刻はハロン・ステーション制御装置13から送信されるリセット信号に含まれる時刻データが表す時刻である。コントローラ12にハロン・ステーション制御装置13からリセット信号が与えられることによってタイマ43の基準時刻がリセット信号に含まれる時刻データに書き直される(更新)。カウンター値はリセット信号によって基準時刻が更新されるとリセットされ,新たに基準時刻からの経過時間のカウントが開始される。
【0048】
タイマ43は,騎手および競走馬がハロン・ステーションを通過した時刻を得るために用いられる。基準時刻にカウンター値を加算した時刻が各ハロン・ステーションにおける現在時刻であり,競走馬がハロン・ステーションを通過すると,通過したときの現在時刻が通過時刻として扱われる。
【0049】
図6は,コントローラ12からハロン・ステーション制御装置13に送信されるデータの内容の一例を示している。
【0050】
騎手および競走馬がハロン・ステーションを通過すると,上述したようにアンテナ・ユニット11と応答器10A,10Bとの間でデータ通信が行われる。コントローラ12は,アンテナ・ユニット11から競走馬ID,ゼッケン番号,騎手ID,左右(L,R)の応答器10A,10Bからの反射波のレスポンス・タイムを受信する。
【0051】
コントローラ12は,ハードディスク44に記憶されているハロン・ステーション番号を読出し,読出したハロン・ステーション番号と,アンテナ・ユニット11から得られた競走馬ID,ゼッケン番号および騎手IDと,タイマ43から得られた騎手および競走馬のハロン・ステーションの通過時刻と,左右の応答器10A,10B(R),(L)のレスポンス・タイムを表すデータを,ハロン・ステーション制御装置13に送信する。図6に示すコントローラ12からハロン・ステーション制御装置13に送信されるデータを,以下,「計測データ」と呼ぶ。
【0052】
騎手および競走馬がトラックコースを走行しハロン・ステーションを通過すると,ハロン・ステーションを通過するたびにハロン・ステーション(コントローラ12)では計測データが得られ,得られた計測データがLANを通してハロン・ステーション制御装置13に送信される。
【0053】
図7は,ハロン・ステーション制御装置13の電気的構成を示すブロック図である。
【0054】
ハロン・ステーション制御装置13は,ハロン・ステーション制御装置13の全体を統括的に制御するCPU51を含む。CPU51には,指示の入力,データ等の入力のための入力装置52,処理結果等を表示するための表示装置53,ハロン・ステーションおよび他のコンピュータ・システムとの間のデータ通信を行うための通信装置54,バッファ・エリア,ワーク・エリア等を提供するメモリ55,後述する各種プログラムおよびデータを記憶するハードディスク56,CD−ROMに記憶されたプログラム等を読出すためのCD−ROMドライブ57,ならびにFDに記憶されたプログラム等を読出し,FDにプログラム等を記録するためのFDドライブ58が接続されている。
【0055】
ハードディスク56には,トラックコース回り方向判定プログラムおよび時刻誤差計測/修正プログラムが記憶されている。
【0056】
トラックコース回り方向判定プログラムは,トラックコースを走行する競走馬が,右回りで走行しているか,左回りで走行しているかを判定するためのプログラムである。トラックコース回り方向判定プログラムの処理の詳細は後述する。
【0057】
時刻誤差計測/修正プログラムは,簡潔に言えば,ハロン・ステーションを構成するコントローラ12のそれぞれのマシン・タイム(上述したコントローラ12のタイマ43に基づく)の誤差を測定し,誤差が基準値よりも大きい場合に,マシン・タイムをリセットするためのプログラムである。時刻誤差計測/修正プログラムの処理の詳細は後述する。
【0058】
図8はトラックコース回り方向判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図9(A) はトラックコースに設置されたハロン・ステーションの設置位置(ハロン・ステーション番号)を表している。図9(B) は競走馬が右回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れを,図9(C) は競走馬が左回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れをそれぞれ示すものである。以下の説明では,図9(A) に示すようにハロン・ステーションがトラックコースに沿って設置されている場合を例にする。
【0059】
トラックコース回り方向判定プログラムは,競走馬がトラックコースを走行すると,ハロン・ステーション制御装置13のハードディスク56から読出されてCPU51において実行される。すなわち,ハロン・ステーションにおいて計測データが得られ,計測データをハロン・ステーション制御装置13が受信すると,トラックコース回り方向判定プログラムの処理が開始される。
【0060】
第1ハロン・ステーションまたは第3ハロン・ステーションのいずれかから計測データが得られるまで,トラックコース回り方向判定処理は進行しない。第1ハロン・ステーションまたは第3ハロン・ステーションのいずれかから計測データがトラックコース回り方向判定プログラムの処理が進行する(ステップ61,変数i=1または3)。なお,第1ハロン・ステーションの設置位置は右回りコースのゴール位置であり,第3ハロン・ステーションの設置位置は左回りコースのゴール位置である。
【0061】
たとえば,競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り,右回りに走行したとする。第7,第6,第5・・・の順番で,競走馬は走行する。競走馬が第3ハロン・ステーションを通過すると,第3ハロン・ステーションからの計測データが得られる(ステップ60でi=3)。
【0062】
第3ハロン・ステーションからの計測データが得られると(図9(B) の計測5),トラックコース回り方向判定プログラムの処理が進行する。所定時間の待機の後(たとえば,競走馬がトラックコースを1周するのに十分な時間の経過後)(ステップ70),変数iがデクリメントされる(ステップ71でi−1→i)。第2ハロン・ステーションの計測データが得られたかどうかが判断される(ステップ72)。
【0063】
第2ハロン・ステーションの計測データがハロン・ステーション制御装置13に送信される。上述のように,ハロン・ステーションからハロン・ステーション制御装置13に送信される計測データは競走馬の通過時刻データを含んでいる。第2ハロン・ステーションの通過時刻データが,バッファに一時的に記憶される((ステップ72でYES ,ステップ73)。
【0064】
同様の処理が9回行われる(ステップ74でNO)。すなわち,変数iがデクリメントされ(ステップ71),ハロン番号i(i=1,10,9,8,7・・・・)の通過時刻データがバッファに一時的に記憶される(ステップ72でYES ,ステップ73)。なお,トラックコース回り方向判定処理が行われている場合には,ステップ60における判断は行われない。すなわち,競走馬が第3ハロン・ステーションを通過したときにトラックコース回り方向判定処理が開始された場合,その後,第2ハロン・ステーションを経て,第1ハロン・ステーションを通過しても,そのときにトラックコース回り方向判定処理は進行しない(二重起動の禁止)。
【0065】
上述の処理が9回,すなわち,第2ハロン・ステーション〜第3ハロン・ステーションまでの通過時刻が得られると(ステップ74でYES ),隣り合うハロン・ステーションの通過時刻がそれぞれ比較されて,ハロン・ステーション番号の小さい方のハロン・ステーションの通過時刻が,ハロン・ステーション番号の大きい方のハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)かどうか(第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーションの通過時刻の比較のみ,第10ハロン・ステーションの通過時刻が第1ハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)がどうか)が判断される(ステップ75)。
【0066】
すなわち,ステップ75では,第4ハロン・ステーションの通過時刻と第5ハロン・ステーションの通過時刻が比較され,第5ハロン・ステーションの通過時刻と第6ハロン・ステーションの通過時刻が比較される。同様に,第6ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーション,第7ハロン・ステーションと第8ハロン・ステーション,第8ハロン・ステーションと第9ハロン・ステーション,第9ハロン・ステーションと第10ハロン・ステーション,第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーション,第1ハロン・ステーションと第2ハロン・ステーション,第2ハロン・ステーションと第3ハロン・ステーション,第3ハロン・ステーションと第4ハロン・ステーションの通過時刻が比較される。
【0067】
上述のように,競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り右回りに走行し,第3ハロン・ステーションを通過し,その後,第2,第1,第10,第9,・・・・第4ハロン・ステーションを通過し,再び第3ハロン・ステーションを通過した場合(計測のスタートは第2ハロン・ステーション,計測の終了は第3ハロン・ステーションである)には,ハロン・ステーション番号が小さい方(たとえば,第9ハロン・ステーション)の通過時刻は,ハロン・ステーション番号の大きい方(たとえば,第10ハロン・ステーション)の通過時刻よりも遅い(大きい)(ステップ75でNO)。この場合には,再度,トラックコース回り方向判定処理が行われる。
【0068】
競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り右回りに走行し,第3ハロン・ステーションを通過し,さらに一回りして再び第3ハロン・ステーションを通過し,さらに第1ハロン・ステーションを通過した場合,再びトラックコース回り方向判定処理が進行する(ステップ60でi=1)。
【0069】
所定時間の待機の後(ステップ61),変数i(i=1)がインクリメントされる(ステップ62でi+1→i)。第2ハロン・ステーションの計測データが得られているかどうかが判断される(ステップ63)。第2ハロン・ステーションの計測データが得られている場合には,第2ハロン・ステーションの通過時刻データがバッファに一時的に記憶される(ステップ64)。
【0070】
同様の処理が,9回行われる(ステップ65でNO)。第2,第3,第4・・・第10,および第1ハロン・ステーションの通過時刻がバッファに記憶される(ステップ64)。
【0071】
隣合うハロン・ステーションの通過時刻が比較され,ハロン・ステーション番号の大きいハロン・ステーションの通過時刻が,ハロン・ステーション番号の小さいハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)かどうか(第1ハロン・ステーションと第10ハロン・ステーションの通過時刻の比較は除く)が判断される(ステップ66)。
【0072】
競走馬が第8ハロン・ステーションと第7ハロン・ステーションの間の位置からトラックコース内に入り右回りに走行した場合,たとえば,第10ハロン・ステーションの通過時刻は,第9ハロン・ステーションの通過時刻よりも早い(小さい)。この場合,この場合,競走馬はトラックコースを右回りに回っていると判断される。右回りを前提としたラップタイム編集処理が行われる(ステップ67)。
【0073】
ラップタイム編集は,上述したように,計測した通過時刻に基づいて,競走馬の1ハロンごとのラップ・タイム,スタートからゴールまでの走破タイム,上がりタイム(ゴールからのハロンごとの逆算タイム),およびトラックコース上の通過位置(コース内側,コース中央,コース外側)を表わす表示データを作成する処理である。右回りの場合には,ラップタイムは,基本的に数字の小さいハロン・ステーション番号(たとえば,3)のハロン・ステーションの通過時刻から,1つ数字の大きいハロン・ステーション番号(たとえば,4)のハロン・ステーションの通過時刻を減算することによって算出される(第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーション間のラップタイムについてのみ,第10ハロン・ステーションの通過時刻から第1ハロン・ステーションの通過時刻を減算した値となる)。
【0074】
また,競走馬の走行位置の表示(計測)についても,右回りであるか左回りであるかの判断が用いられる。たとえば,競走馬(および騎手)の右側のアンテナ・ユニット11と応答器10B(R)(または応答器10A(R))の間のレスポンス・タイムが,左側のアンテナ・ユニット11と応答器10B(L)(または応答器10A(L))の間のレスポンス・タイムより短い場合,右回りであればトラックコースの内側を走行していると計測(表示)される。逆に左回りであればトラックコースの外側を走行していると計測(表示)される。
【0075】
次に,競走馬が第10ハロン・ステーションと第1ハロン・ステーションの間からトラックコース内に入り,左回りに走行したとする。第1ハロン・ステーションの計測データが得られるので(ステップ60でi=1)(図9(C) における計測1),所定時間の待機の後,第2,第3,・・・・第10ハロン・ステーションの通過時刻がバッファに一時的に記憶される(ステップ61〜65)。
【0076】
競走馬が左回りに走行している場合,小さい数のハロン・ステーションの通過時刻(たとえば,第3ハロン・ステーション)は,一つ大きい数のハロン・ステーション(第4ハロン・ステーション)の通過時刻よりも早い(小さい)(ステップ66でYES )。左回りと判断される(ステップ67)。左回りを前提としてラップタイム編集が行われる。
【0077】
何らかの障害によってハロン・ステーションの通過時刻が得られなかった場合には(ステップ63でNO,ステップ72でNO),そのハロン・ステーションの通過時刻データはバッファに記憶されないことになる。この場合であっても,隣り合う2つのハロン・ステーションの通過時刻を用いて,右回りまたは左回りの判定が行われる(たとえば,第8ハロン・ステーションの通過時刻データが得られなかった場合には,第7ハロン・ステーションと第9ハロン・ステーションの通過時刻の比較)。
【0078】
競馬の場合には,トラックコースにおいて,同じ日に右回り走行と左回り走行の両方が行われることはないので,上述のトラックコース回り方向判定処理は,1日に1回行えばよい。もちろん,各ハロン・ステーションからハロン・ステーション制御装置13に送信される計測データには,上述のように,競走馬IDおよび騎手IDが含まれているので,競走馬ごと,または競走馬の走行ごとに,右回り,左回りの判定を行うようにしてもよい。
【0079】
図10は,時刻誤差計測/修正プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。時刻誤差計測/修正プログラムはハロン・ステーション制御装置13において実行される。時刻誤差計測/修正プログラムの処理によって,ハロン・ステーション制御装置13と各ハロン・ステーションとの間でデータの送受信が行われる。図10では,左側に時刻誤差計測/修正プログラムに基づくハロン・ステーション制御装置13の処理の流れを,右側にハロン・ステーション制御装置13の処理に対応して動作するハロン・ステーションの処理の流れを示す。図11は,ハロン・ステーション制御装置13と各ハロン・ステーションとの間のデータ通信の様子を示している。
【0080】
ハロン・ステーション制御装置13からすべてのハロン・ステーション(第1HS〜第10HS)に,監視電文が送信される(ステップ81)。監視電文は,所定時間の間(たとえば,60秒間),ハロン・ステーションからの計測データをハロン・ステーション制御装置13が受信しないことを条件に送信される。すなわち,トラックコースを走行する競走馬が存在しない状態で,時刻誤差計測/修正プログラムの処理が開始される。
【0081】
第1〜第10ハロン・ステーション(第1HS〜第10HS)のコントローラ12が監視電文を受信すると(ステップ91),タイマ43から基準時刻とカウンター値(図5参照)が読出され,ハロン・ステーション制御装置13に送信される(ステップ92)。
【0082】
ハロン・ステーション制御装置13は,10台のハロン・ステーションから10個の基準時刻およびカウンター値(応答電文)を受信する(ステップ82;図11)。
【0083】
ハロン・ステーション制御装置13は,受信した基準時刻にカウンター値を足し合わせた時刻(現在時刻)の最大値と最小値の差(誤差)を算出し,算出した差(誤差)と基準値(あらかじめプログラムに記述されている:たとえば0.2秒)を比較する。
【0084】
誤差が基準値以内であれば(ステップ83で基準値≧誤差),10台のハロン・ステーションにおける各タイマ43の時刻はほとんど同じであるので,時刻誤差計測/修正プログラムは特段の処理を行わない。一定時間,待機する(ステップ87)。
【0085】
誤差が基準値を超えている場合には(ステップ83で基準値<誤差),ハロン・ステーション制御装置13から各ハロン・ステーションにリセット電文が送信される(ステップ84)。
【0086】
上述したように,ハロン・ステーション制御装置13から各ハロン・ステーションに送信されるリセット電文には基準時刻が含まれている。ハロン・ステーションはリセット電文を受信すると(ステップ93),リセット電文に含まれる基準時刻をタイマ43における新たな基準時刻として更新し,カウンター値をリセットする(ステップ94)。所定時間の経過の後(たとえば,リセットから5秒後),再び基準時刻とカウンター値とがハロン・ステーションから制御装置13に送信される(ステップ92)。
【0087】
リセットによって,各ハロン・ステーションのタイマ43の現在時刻の誤差が基準値内になれば(ステップ83で基準値≧誤差),時刻誤差計測/修正プログラムの処理は終了する(ステップ87)。一定時間の経過の後,再び上述の処理(監視電文の送信)が行われる。
【0088】
所定回数リセット電文を送信しても誤差が基準値内に入らないような場合(ハロン・ステーションまたはそのタイマの故障が考えられる)(ステップ85でYES ),各ハロン・ステーションのタイマ43の現在時刻の誤差が保存される(ステップ86)。保存された誤差時間が,ラップタイム編集処理においてラップタイムの算出等に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラップタイム計測システムの全体構成を示す。
【図2】競馬のトラックコースに設置されたハロン・ステーションと,競走馬および騎手に装着された応答器との位置関係を示す。
【図3】競馬のトラックコースに設置されたハロン・ステーションと,競走馬および騎手に装着された応答器との位置関係を示す。
【図4】応答器,アンテナ・ユニットおよびコントローラの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】コントローラのタイマのデータ内容を示す。
【図6】コントローラからハロン・ステーション制御装置に送信される計測データを示す。
【図7】ハロン・ステーション制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図8】トラックコース回り方向判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】(A) はトラックコースに設置されたハロンステーションの設置位置とハロンステーション番号を,(B) は競走馬が右回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れを,(C) は競走馬が左回りにトラックコースを走行した場合のハロン・ステーションからの計測データの出力の流れをそれぞれ示している。
【図10】時刻誤差計測/修正プログラムに基づくハロン・ステーション制御装置の処理の流れと,対応するハロン・ステーションの処理の流れとを示すフローチャートである。
【図11】ハロン・ステーション制御装置とハロン・ステーションとの間のデータ通信の様子を示す。
【符号の説明】
10A,10B 応答器
11 アンテナ・ユニット
12 コントローラ
13 ハロン・ステーション制御装置
21,32 送受信回路
22,42,55 メモリ
43 タイマ
44,56 ハードディスク
45,54 通信装置
Claims (9)
- 時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置された少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置と,上記通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された制御装置とから構成される計測システムにおいて,
上記通過時刻計測装置は,
上記通過時刻計測装置を識別するための識別符号を記憶した記憶手段,および競走体の通過時刻と上記記憶手段に記憶された識別符号とを上記制御装置に送信する通過時刻送信手段を備え,
上記制御装置は,
上記通過時刻計測装置のうち,一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する比較手段,ならびに
上記比較手段による比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定する回り方向判定手段を備えた,計測システム。 - 上記比較手段は,トラックコースに設置されたすべての通過時刻計測装置によって競走体の通過時刻が得られた後に,計測された通過時刻を比較するものである,請求項1に記載の計測システム。
- 時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置される少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置に,データ通信可能に接続される競走体のトラックコースの回り方向判定装置であって,
上記通過時刻計測装置から送信される競走体の通過時刻および上記通過時刻計測装置を識別する識別符号とを受信する受信手段,
一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較する比較手段,ならびに
上記比較手段による比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定する回り方向判定手段を備えている,競走体のトラックコースの回り方向判定装置。 - 時刻を計時する計時手段を備え,トラックコースに沿って間隔をあけて設置される少なくとも3台の競走体の通過時刻計測装置に,データ通信可能に接続される競走体のトラックコースの回り方向判定装置を制御するプログラムであり,
上記通過時刻計測装置から送信される競走体の通過時刻および上記通過時刻計測装置を識別する識別符号を受信させ,
一の通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻と,その前後に設置された通過時刻計測装置によって計測された競走体の通過時刻とを比較させ,比較結果に基づいて,トラックコースを走行する競走体が右回りに走行しているか,左回りに走行しているかを判定させるように上記回り方向判定装置を制御する,プログラム。 - 時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて設置された複数台の競走体の通過時刻計測装置と,上記複数台の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された制御装置とから構成される計測システムにおいて,
上記制御装置は,
上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信する監視電文送信手段を備え,
上記通過時刻計測装置は,
監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時された時刻を上記制御装置に送信する時刻送信手段を備え,
上記制御装置はさらに,
複数の通過時刻計測装置からの時刻の受信に応じて,受信した複数の時刻間の誤差を算出する誤差算出手段,
上記誤差算出手段によって算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段,および
上記判断手段によって上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置にリセット電文を送信するリセット電文送信手段を備え,
上記通過時刻計測装置はさらに,
上記リセット電文の受信に応じて上記計時手段の時刻をリセットするリセット手段を備えている,計測システム。 - 上記通過時刻計測装置は,
上記リセット手段によってリセットされた計時手段の時刻を上記制御装置に送信するリセット時刻送信手段を備えており,
上記制御装置は,
上記誤差算出手段において,上記リセット時刻の受信に応じて,受信したリセット時刻の誤差をさらに算出し,
上記判断手段において,上記算出されたリセット時刻の誤差が所定の範囲内にあるかどうかをさらに判断する,請求項5に記載の計測システム。 - 上記監視電文送信手段は,上記通過時刻計測装置による競走体の通過時刻の計測が所定時間の間行われていないことを判断して監視電文を送信する,請求項5に記載の計測システム。
- 時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて設置された複数台の競走体の通過時刻計測装置と,上記複数台の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された時刻誤差修正装置とから構成される計測システムにおいて用いられる上記時刻誤差修正装置であって,
上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信する監視電文送信手段,
監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時される時刻を,上記通過時刻計測装置から受信する受信手段,
複数の時刻の受信に応じて,受信した複数の時刻間の誤差を算出する誤差算出手段,
上記誤差算出手段によって算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断する判断手段,および
上記判断手段によって上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置に,上記計時手段の時刻をリセットするためのリセット電文を送信するリセット電文送信手段を備えている,時刻誤差修正装置。 - 時刻を計時する計時手段を備え,走行コースに沿って間隔をあけて複数台設置された競走体の通過時刻計測装置と,上記複数台の通過時刻計測装置にデータ通信可能に接続された時刻誤差修正装置とから構成される計測システムにおいて用いられる上記時刻誤差修正装置を制御するプログラムであり,
上記複数台の通過時刻計測装置のそれぞれに監視電文を送信させ,
監視電文の受信に応じて上記計時手段において計時される時刻を,上記通過時刻計測装置から受信させ,
複数の時刻の受信に応じて,受信した複数の時刻間の誤差を算出させ,
算出された誤差が所定の範囲内にあるかどうかを判断させ,
上記誤差が所定の範囲外であることが判断された場合に,複数台の通過時刻計測装置に,上記計時手段の時刻をリセットするリセット電文を送信させるように上記時刻誤差修正装置を制御する,プログラム。
Priority Applications (1)
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JP2002210593A JP2004053389A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 計測システム,競走体のトラックコースの回り方向判定装置および時刻誤差修正装置 |
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- 2002-07-19 JP JP2002210593A patent/JP2004053389A/ja active Pending
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