JP2004051893A - 非石綿系ジョイントシート - Google Patents
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Abstract
【効果】特に、乾熱のみならず湿熱に対しても優れた応力緩和特性を示すような非石綿系ジョイントシートが提供される。
【選択図】なし
Description
【発明の技術分野】
本発明は、化学工業、自動車、船舶などの広範な産業分野において、各種機器・装置にガスケットの基材として利用されるジョイントシートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、ジョイントシートとしては、石綿ジョイントシートが広く用いられてきた。この石綿ジョイントシートは、基材繊維としての石綿と、ゴムなどの結合剤と、さらに他の配合剤とを混練して得られるジョイントシート形成用組成物を、一対のロール間に供給して加熱圧縮することによって製造される緻密で均等なシート状体であり、通常、石綿を60〜80重量%の量で含有している。
【0003】
しかしながら近年、石綿資源の枯渇およびそれに伴う入手難の問題が生ずるとともに、人体に対する石綿の悪影響が指摘されるに至り、石綿の使用は再検討を迫られている。
このため石綿の代替繊維として、たとえば、ガラス繊維、ミネラル繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、ウォラスナイトなどの無機繊維、および芳香族ポリアミド(アラミッド)繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの有機繊維を用いてなる非石綿ジョイントシートが研究されている。
【0004】
しかしながら、たとえばガラス繊維などの無機繊維と芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維とを組み合わせて用いると、これらの無機繊維と有機繊維とを混練する際に、無機繊維が粉砕されてアスペクト比が低下し、得られるジョイントシートではシール性が低下することが指摘されている。また、無機繊維は一般的に混練時の分散性に劣るため、該繊維が均一に分散されたジョイントシート形成用組成物が得られにくく、該繊維が不均一に分散されたジョイントシート形成用組成物から得られるジョイントシートは強度および応力緩和特性に劣ってしまうという問題点があった。
【0005】
これに対して、基材繊維として有機繊維を多量に用いて形成されるジョイントシートが提案されているが、このような有機繊維を多量に含有している非石綿系ジョイントシートは、耐熱性に劣るという問題点があった。
このため、耐熱性に優れるとともに、シール性に優れた非石綿系ジョイントシートおよびその製造方法の出現が望まれていた。
【0006】
これに対し、例えば、本願出願人は、特開平5−171133号公報(イ)において、[A]ガラス繊維;5〜30重量%、
[B]パルプ状の有機繊維;1〜15重量%、
[C]炭酸カルシウム;20〜60重量%、
[D]充填材;15〜50重量%、および
[E]ゴムおよびゴム薬品;10〜20重量%から形成されているジョイントシートを提案している。
【0007】
また、本願出願人は、特開平7−48479号公報(ロ)において、
[A]直径3μm未満の含アルカリ硼珪酸ガラス繊維5〜30重量%と、
[B]パルプ状の有機繊維1〜15重量%と、
[C]ゴム、ゴム薬品および充填材55〜94重量%とから形成されているジョイントシートを提案している。
【0008】
これらのジョイントシート(ガスケット)は、熱風等の乾熱に対しては応力緩和特性の改善が見られたが、蒸気等の湿熱に対してはガラス繊維が強度低下を起こすため、湿熱に対する応力緩和特性の改善は不充分であった。このため、乾熱のみならず湿熱に対しても応力緩和特性の優れた非石綿系ジョイントシートの開発が望まれていた。そこで上記問題点を解決すべく更に鋭意研究を重ねたところ、驚くべきことに、ジョイントシート中における酸化マグネシウム(MgO)の含有量を特定の範囲に限定すれば、乾熱のみならず湿熱に対しても応力緩和特性の優れたジョイントシートが得られることなどを見出して本発明を完成するに至った。なお、上記特開平5−171133号公報(イ)には、[D]充填材として、タルク、クレー等と共に、酸化マグネシウムも挙げられており、[D]充填材は、ジョイントシート中に、15〜50重量%の量で含有されているとも記載されている。また、該公報(イ)には、ジョイントシート形成用組成物には、ゴム薬品として、硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの加硫剤が用いられることが記載され、また、その実施例では、ゴム薬品が8重量%の量で配合された態様が示されている。また、上記特開平7−48479号公報(ロ)には、上記特開平5−171133号公報(イ)に記載のジョイントシートと同様に、充填材として、タルク、クレー等と共に、酸化マグネシウムも挙げられており、充填材は、ジョイントシート中に、30〜80重量%の量で含有されているとも記載されている。また、ジョイントシートを形成する際には、ゴム薬品として、硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの加硫剤が用いられることが記載され、その実施例には、ゴム薬品(イオウ、加硫促進剤、老化防止剤)が、3重量%の量で配合されたジョイントシート形成用組成物が示されている。このように、これら公報(イ)、(ロ)には、種々の充填材あるいはゴム薬品のうちの1種として、酸化マグネシウムも例示されているが、具体的に、酸化マグネシウムを用いた態様は明記されておらず、また、ジョイントシートの乾熱のみならず湿熱に対する応力緩和特性も向上させるには、如何なる成分を用いればよいかという観点での配合成分の充分な検討は具体的に示されておらず、まして、ジョイントシート中における酸化マグネシウム量がどのような範囲にあると乾熱のみならず湿熱に対しても応力緩和特性の優れた非石綿系ジョイントシートが得られるかという点などについては、何ら教示されていない。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、特に、乾熱のみならず湿熱に対しても優れた応力緩和特性を示すような非石綿系ジョイントシートを提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係る非石綿系ジョイントシートは、非石綿系基材繊維、ゴム及びゴム薬品、充填材を含むジョイントシート形成用組成物から形成されたジョイントシートであって、該ジョイントシート中における酸化マグネシウムの含有量が1.5〜20重量%、好ましくは1.8〜10重量%、特に好ましく2.0〜7.0重量%であることを特徴としている。本発明によれば、特に、乾熱のみならず湿熱に対しても優れた応力緩和特性を示すような非石綿系ジョイントシートが提供される。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る非石綿系ジョイントシートについて、具体的に説明する。<非石綿系ジョイントシート>
本発明に係る非石綿系ジョイントシートは、非石綿系基材繊維、ゴム及びゴム薬品、充填材を含むジョイントシート形成用組成物から形成されたジョイントシートであって、該ジョイントシート中における酸化マグネシウムの含有量が1.5〜20重量%、好ましくは1.8〜10重量%、特に好ましく2.0〜7.0重量%である。本発明によれば、乾熱と湿熱の両方に対して、応力緩和率、引張強さ、引張伸びに優れ、特に、乾熱のみならず湿熱に対しても優れた応力緩和特性を示すようなジョイントシートが提供される。なお、非石綿系ジョイントシート中における酸化マグネシウム含量が上記範囲より少ないと応力緩和特性が充分に改善されなくなる傾向があり、特に1.5重量%未満の場合には、応力緩和特性の改善がみられない。また、非石綿系ジョイントシート中における酸化マグネシウム含量が上記範囲より多いとジョイントシートが加熱下に使用された場合に、硬化し過ぎる傾向があり、特に20重量%を超える場合には、硬化し過ぎるため、短期に使用不能となってしまう。そして、該ジョイントシート中における酸化マグネシウムの含有量が1.5〜20重量%の範囲、さらには好ましい範囲1.8〜10重量%、さらには、特に好ましい範囲2.0〜7.0重量%にあると、ジョイントシートの乾熱と湿熱の両方の面での応力緩和特性の改善効果と、加熱硬化の抑制効果と、亀裂の発生防止とがバランス良く達成できるため好ましい。
【0012】
また、本発明に係る非石綿系ジョイントシートでは、引張強さ、引張伸びの強度異方性が小さい。例えば、湿熱に対する引張強さの異方性は、式:{|湿熱タテ方向の引張強さ−湿熱ヨコ方向の引張強さ|/(湿熱タテ方向の引張強さ+湿熱ヨコ方向の引張強さ)}×100で示すと、実施例1では13%であるのに対して、比較例1では31.7%となるなど、本願非石綿系ジョイントシートでは、これら特性の異方性が小さく、湿熱に対する引張強さの異方性は10〜50%の範囲にあることが多い。
【0013】
また湿熱に対する引張伸びの異方性は、式:{(湿熱タテ方向の引張伸び−湿熱ヨコ方向の引張伸び)/(湿熱タテ方向の引張強さ+湿熱ヨコ方向の引張強さ)}×100で示すと、−60〜+60%の範囲にあることが多い。
本発明に係る非石綿系ジョイントシートは、酸化マグネシウム含有量が上記したように特定の範囲にある点に特徴を有するものであり、このようなジョイントシートおよび/またはジョイントシート形成用組成物に含まれる各成分等については特に限定されない。
【0014】
以下、本発明の好ましい態様に係るジョイントシートおよび/またはジョイントシート形成用組成物に含まれる非石綿系基材繊維、ゴム及びゴム薬品、充填材などの各成分およびそれらの配合量について詳細に説明する。
<非石綿系基材繊維>
非石綿系基材繊維としては、ガラス繊維、ミネラル繊維、カーボン繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、ウォラスナイト、ロックウール繊維などの無機繊維;および 芳香族アミド(アラミッド)繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリビニルエーテル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ尿素系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロカーボン系繊維、フェノール系繊維、セルロース系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維などの有機繊維が挙げられる。
【0015】
これらの非石綿系基材繊維は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。本発明では、ロックウール等の無機繊維と、芳香族ポリアミド繊維等の有機繊維とを組み合わせて用いることが望ましい。また、上記有機繊維は、ジョイントシートの強度向上などの点から、フィブリル化されていてもよい。このような非石綿系基材繊維は、得られるジョイントシート中に2〜80重量%の量で含有されていることが望ましい。また、非石綿系基材繊維中の無機繊維と有機繊維との配合比(重量比)は、通常、有機繊維と有機繊維の合計である非石綿系基材繊維量100重量部中に、芳香族ポリアミドに代表される有機繊維量が、通常15〜50重量部、好ましくは20〜45重量部あることが望ましい。また、非石綿系基材繊維は、ジョイントシート形成用組成物中の固形分(溶剤などの揮発性成分を除く。以下、同様。)中に、2〜80重量%の量で含有されていることが好ましい。
<ゴム>
ゴムとして、従来ジョイントシート形成用として公知のゴムが広く用いられ、具体的には、ニトリルゴム(NBR)、水添ニトリルゴム(HNBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴム(FPM)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポリエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CIR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)、トランス−1,4− ポリイソプレン、シリコーンゴム、天然ゴム(NR)などが用いられる。
【0016】
なお上記のようなゴム、たとえばSBRは、ナフテン系のプロセス油が配合された油展ゴムであってもよい。さらにまた、このような油展ゴムと前記のようなゴムとを組み合わせて用いることもできる。
このゴムは、非石綿系基材繊維、充填剤などを結合するバインダーの役割を果たしている。
【0017】
このようなゴムは、合計で、ジョイントシート中に5〜50重量%の量で含有されていることが好ましい。また、未加硫ゴムは、ジョイントシート形成用組成物中の固形分中に、10〜80重量%の量で含有されていることが好ましい。
<ゴム薬品(加硫薬品)>
また、ゴム薬品としては、硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化物、ジニトロソベンゼンなどの加硫剤、チアゾール系化合物、ポリアミン系化合物、スルフェンアミド系化合物、ジチオカルバメート系化合物、アルデヒドアミン系化合物、グアニジン系化合物、チオ尿素系化合物、キサンテート系化合物などの加硫促進剤などが用いられる。このようなゴム薬品(酸化マグネシウムを除く。)は、合計で、ジョイントシート中に0.1〜5.0重量%の量で含有されていることが好ましい。また、ゴム薬品(酸化マグネシウムを除く。)は、ジョイントシート形成用組成物中の固形分中に、0.1〜5.0重量%の量で含有されていることが好ましい。
【0018】
なお、上記ゴム薬品は、ジョイントシート中において、一部はゴムと反応してゴムの架橋などに寄与しており、ジョイントシート中から元のゴム薬品をそのまま取り出せないことが多い。
ゴムおよびゴム薬品がこのような量でジョイントシート中に含有されていると、基材繊維は充分結合されるとともに、ジョイントシートは耐熱性が低下することがない。
<充填材>
充填材としては、具体的に、ウォラストナイト、ホワイトカーボン、タルク、クレー、硫酸バリウム、マイカ、酸化マグネシウムなどの無機化合物が挙げられる。これらの充填材は、通常組み合わせて用いられる。
【0019】
充填材(酸化マグネシウムを除く。)は、ジョイントシート中に、通常、10〜80重量%の量で含有されていることが好ましい。充填材の量が70重量%を越えると、加工性が低下し、また得られるジョイントシートは柔軟性が低下するようになる。また、酸化マグネシウム以外の充填材は、ジョイントシート形成用組成物中の固形分中に、合計で10〜80重量%の量で含有されていることが同上の理由から好ましい。
<酸化マグネシウム>
酸化マグネシウムは、本発明では、上記記載に明らかなように、ゴム薬品および/または充填材としての役割などを有しており、ゴム薬品、充填材等として用いられる。本発明では、これらゴム薬品、充填材などとして用いられる酸化マグネシウムの合計量が、前記したように、ジョイントシート中に1.5〜20重量%、好ましくは1.8〜10重量%、特に好ましくは2.0〜7.0重量%の範囲にあると、ジョイントシートの応力緩和特性の改善効果と、加熱硬化の抑制効果と、亀裂の発生防止とがバランス良く達成できるため好ましい。また、ジョイントシート形成用組成物中の固形分中に、合計で1.5〜20重量%、好ましくは1.8〜10重量%、特に好ましくは2.0〜7.0重量%の範囲で含まれることが同上の理由から望ましい。
<その他の配合成分>
本発明に係るジョイントシートあるいはジョイントシート形成用組成物には、上記成分に加えて、有機溶剤、帯電防止剤等が配合されていてもよい。なお、有機溶剤などの揮発性成分は、ジョイントシート形成用組成物からジョイントシート形成時に揮散・除去され、得られたジョイントシート中には、実質上残存していない。
【0020】
上述したように本発明に係るジョイントシートは、上記のように酸化マグネシウムが特定の量で含まれたジョイントシート形成用組成物から形成されており、乾熱と湿熱の両方の面での耐熱性に優れるとともにシール性にも優れている。このようなジョイントシートは、化学工業、自動車、船舶などの広範な産業分野において、各種機器・装置にガスケットのようなシーリング材として有用に利用される。
【0021】
<ジョイントシートの製造>
本発明では、このようなジョイントシートは、非石綿系基材繊維、ゴム、ゴム薬品、充填材および有機溶剤などからなるジョイントシート形成用組成物を、熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロールで加熱圧延し、シート状に成形して製造する。以下に具体的に説明する。
【0022】
まず上記各成分を混練してジョイントシート形成用組成物を得るが、具体的にはたとえば、[B]ゴムをトルエン、ゴム揮などの[E]ゴム用有機溶剤に溶解し、これに[A]基材繊維例えば、ロックウール繊維等の無機繊維、芳香族ポリアミド繊維等の有機繊維など、[D]充填材および[C]ゴム薬品を加えて混練し、均一なジョイントシート形成用組成物を得る。このような均一なジョイントシート形成用組成物は、加熱圧延時の成形性に優れる。次いで、このジョイントシート形成用組成物を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に供給して、加熱圧延する。この際、熱ロールは約130℃に、また冷却ロールは約30℃に保たれていることが好ましい。このような一対のロールを有する装置は、シーター装置として公知である。
【0023】
上記のようにしてジョイントシート形成用組成物を一対のロール間に投入すると、該組成物はシート状に加熱圧延されて熱ロール側に巻付られる。このシート状体を熱ロールから剥離してジョイントシートを得る。
なお上記ゴム用有機溶剤[E]は、ジョイントシート形成用組成物の混練工程および加熱圧延工程において、ほぼ完全に蒸散してしまう。本発明では、このようにしてジョイントシートを製造する際に、ジョイントシート表面に、たとえば、トルエンに水添ニトリルゴム(HNBR)とニトリルゴム(NBR)とを溶解してなるゴム塗布液をコートして、表面処理してシール性をより高めるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係るジョイントシートは、上述したように酸化マグネシウムを特定の量で含有したジョイントシート形成用組成物からなっており、乾熱と湿熱の両方に対する耐熱性に優れるとともにシール性に優れている。
【0025】
【実施例】
次に本発明について実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0026】
【実施例1】
以下の組成を有するジョイントシート形成用組成物を調製した。
<ジョイントシート形成用組成物(有機溶剤等の揮発分を除く、固形分合計100重量%)>
無機繊維としてロックウール繊維:21.4重量%、
有機繊維としてパルプ状の芳香族ポリアミド繊維:10.7重量%、
充填材の酸化マグネシウム:10.7重量%、
酸化マグネシウム以外の充填材(クレー):39.9重量%、
ゴムとしてNBR:14.3重量%、
S(硫黄):0.1重量%、
ゴム薬品(S以外のゴム薬品);2.9重量%、および
酸化亜鉛:0.0重量%。
トルエン …上記混合物1Kgに対して(0.4)リットルの割合で配合して得られた組成物を熱ロール(130℃)と冷却ロール(30℃)との間に投入して加熱圧延した。熱ロール側に巻付いたシート状体を、ドクターブレードにより剥離してジョイントシートを得た。
【0027】
次いで得られたジョイントシートからガスケットを形成し、このガスケットについて下記の各種試験を「JIS R3453」に準拠して測定した。
試験方法は以下の通り。
[引張試験の方法]
ガスケット劣化後の弾性の目安として、熱処理後の試料に関して引張試験を実施し、試料が破断した時の伸び率(%)を測定する。
【0028】
<試験条件>
(イ)試料:試料は、製造された厚さ(1.5mm)±0.1mm(厚み)のジョイントシートの端から、150mmの幅に切り取る。
(ロ)試料の標準状態:標準状態の試料は、100℃±2℃に保ったギヤ式老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ、1時間保持した後取り出し、デシケーター中で室温まで放冷したものとする。なお、試験場所の標準状態については、試験温度25±5℃とする。
【0029】
<試験の方法>
[応力緩和試験]
試験装置:応力緩和率の測定に用いる装置を、図1に示す。
試料の処理条件
乾熱:標準状態の試料を温度200℃±2℃に保ったギヤ式熱老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ22時間保持した後取り出し、室温まで放冷したものとする。
【0030】
湿熱:標準状態の試料をオートクレーブで水蒸気1.56MPa(約200℃)雰囲気下に22時間保持した後、室温まで放冷したものとする。
応力緩和試験の手順:
(1) 図1において、ボルトは、試験に使用される前に、267kN(2720kgf)の力を作用させたときの伸びを、小数点以下3桁まで確認しておく。
【0031】
(2) 平円板の表面は、平行度を損なわない範囲で、ワックス、油の付着などがないように清掃し、座金及びボルトのネジには、低粘度の油を薄く塗布する。
(3) A−A’線方向矢視図に示すように、試験片を平円板に挟み、座金を入れてナットを指の力で締め付ける。
(4) ダイヤルゲージアセンブリをねじ込み、指の力で締め付けた後、ダイヤルゲージの読みを0にセットする。
【0032】
(5) レンチでナットを締め、ダイヤルゲージの読み(Do)が所定の値になるまで、試験片に応力をかける。なお、応力は、3秒以内に連続した動作で一気にかけ、更に同一応力を、約3秒間保持する。
(6) ダイヤルゲージアセンブリを取り外し、ユニットを乾熱または湿熱で22時間、熱処理を行った後、炉から試料を取り出し、室温まで冷却する。
【0033】
(7) 再び、ダイヤルゲージアセンブリをねじ込み、指の力で締め付けた後、ダイヤルゲージの読みを0に設定する。
(8) ダイヤルゲージアセンブリに影響を与えないようにナットを緩め、ダイヤルゲージの読み(Df)を、小数点以下3桁まで読み取る。3個の平均値をもって表す。
L=(D0−Df)/D0×100
L:応力緩和率(%)
D0:試料熱処理前のボルトの伸び(mm)、
Df:試料熱処理冷却後のボルトの伸び(mm)
[引張試験]
試料の処理条件
常態:標準状態の試料をいう。
【0034】
乾熱:標準状態の試料を温度180℃±2℃に保ったギヤ式熱老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ96時間保持した後取り出し、デシケーター中で 室温まで放冷したものとする。
湿熱:標準状態の試料をオートクレーブで水蒸気1.0MPa(約180℃)雰囲気下に96時間保持した後、100℃±2℃に保ったギヤ式老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ、3時間保持した後取り出し、デシケーター中で室温まで放冷したものとする。
試験機
オートグラフ万能試験機、(株)島津製作所 製。
引張強さ
試料を、試験機の試料つかみ治具間隔が垂直方向に所定距離(100mm)離間して保持されるような状態で治具に固定し、試料を垂直方向に所定速度(10±0.05mm/min)で引っ張る。試験片3個の平均値を以て表す。
【0035】
引張強さ(MPa)=荷重(N)/(厚さ(mm)×幅(mm))
引張伸び率
上記引張試験で試料が破断するまでの試料の伸び量(a)(mm)を測定し、所定距離(100mm)(b)で割ることにより、伸び率を求める。試験片3個の平均値を以て表す。
【0036】
伸び率(%)={(a)mm/(b:100mm)}×100(%)
結果を表1に示す。
【0037】
【実施例2〜4、比較例1〜3】
実施例1において、ジョイントシート形成用組成物中の各成分の配合量などを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてジョイントシートを作成して、上記実施例1と同様に各種試験を行った。
結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、応力緩和率の測定に用いる装置の説明図である。
Claims (3)
- 非石綿系基材繊維、ゴム及びゴム薬品、充填材を含むジョイントシート形成用組成物から形成されたジョイントシートであって、該ジョイントシート中における酸化マグネシウムの含有量が1.5〜20重量%であることを特徴とする非石綿系ジョイントシート。
- 非石綿系基材繊維、ゴム及びゴム薬品、充填材を含むジョイントシート形成用組成物から形成されたジョイントシートであって、該ジョイントシート中における酸化マグネシウムの含有量が1.8〜10重量%であることを特徴とする非石綿系ジョイントシート。
- 非石綿系基材繊維、ゴム及びゴム薬品、充填材を含むジョイントシート形成用組成物から形成されたジョイントシートであって、該ジョイントシート中における酸化マグネシウムの含有量が2.0〜7.0重量%であることを特徴とする非石綿系ジョイントシート。
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