JP2004051418A - 酸化物薄膜の形成方法及び酸化物薄膜 - Google Patents

酸化物薄膜の形成方法及び酸化物薄膜 Download PDF

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Abstract

【課題】10μm程度の薄膜状からなる基板に良好な焼結薄膜を形成する。
【解決手段】基板15上に焼結原料溶液14を塗布する塗布工程21と、焼結原料溶液14を塗布した基板15を焼結原料溶液14の相転移温度より低温で又は同じ程度の温度で焼成させる仮焼成工程22と、焼結原料溶液14を塗布した基板15を焼結原料溶液14の相転移温度以上の高温で焼成させる最終焼結工程24とからなり、塗布工程21及び仮焼成工程22を繰返した後に、最終焼結工程24において焼結層を焼成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酸化物薄膜の形成方法に係り、詳細には、チタン酸鉛(PbTiO)とジルコン酸鉛(PbZrO)との固溶体であるPZT強誘電体薄膜や、無機EL素子材料である硫化ストロンチウム(SrS)等のEL素子薄膜等の焼結原料を焼結して得られる薄膜である酸化物薄膜及び酸化物薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン酸鉛(PbTiO)とジルコン酸鉛(PbZrO)との固溶体であるセラミックス(以下、PZTという)は、強誘電体の特徴を呈する。同様に硫化ストロンチウム(SrS)やマンガン添加硫化亜鉛(ZnS:Mn)等は無機EL素子としての特徴を呈する。
例えばPZTは、コンピュータ等の記憶媒体としての不揮発性メモリや圧電センサに応用するための高集積化が検討され、これに伴いPZTを薄膜状に形成することが求められた。
そこで従来では、1.5mm乃至0.04mm程度の基板上に強誘電体PZTを形成していた。
即ち、従来は、金属基板となるホイル上にゾルゲル法を用いて薄膜を形成する方法が用いられ、0.05mm厚のチタンホイル(Ti)上に650nmのPZT薄膜を形成した例があった。
以下に、チタンホイル上にPZT薄膜を焼成する従来例を説明する。
【0003】
先ず、チタンホイルからなる基板をPZT原料塗布のために回転台に設置し、吸引吸着固定する。このように載置された基板上にスピンコートによりPZT原料を塗布してPZT原料の膜を形成する。次いで、PZT原料の膜が形成された基板をPZTの焼結温度である摂氏500度乃至600度以上の高温まで加熱し、PZT原料を焼結させPZT薄膜を形成していた。PZT薄膜の膜厚を厚くしたい場合には、焼結したPZT薄膜上に更にスピンコートによりPZT原料を塗布して再び摂氏500度乃至600度以上の高温で焼結させる工程を繰返すことで、所望のPZT薄膜の膜厚を得ていた。
このようにPZT原料を焼結させるための基板は、チタンホイル以外にも、0.04mmのステンレス(SUS304)ホイル、1.2mmの黄銅シート、1.5mmのニッケル合金等夫々の金属基板が用いられ、夫々PZT薄膜を形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゾルゲル法を用いた従来の方法では、最小厚の基板でも0.04mm(40μm)程度であり、10μm以下の薄膜状の基板上にPZT薄膜を形成できなかった。
即ち、基板の膜厚を10μm程度に薄くしてしまうと、PZT原料を塗布する際のスピンコート時には、回転台上に吸引吸着した際に金属基板に凹凸が発生してしまい、PZT原料を焼結した際に皺が発生してしまうという問題点を有した。
更に、PZT薄膜の厚さを得るために摂氏500度乃至600度でのPZT原料の焼結を複数回繰返すと、初回に発生した皺が更に増加すると共に歪みも蓄積し、更には、皺・歪みに留まらずクラックまでもが発生してしまい、生成した強誘電体薄膜であるPZT薄膜の純度が低下するので高純度のPZT薄膜を形成できないという問題を有した。
【0005】
そこでこの発明は、10μm程度の薄い焼結基板上に高純度のPZT薄膜等を焼結させた焼結薄膜及び焼結薄膜の形成方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、
基板上に焼結原料を塗布する塗布工程と、焼結原料を塗布した基板を焼結原料の焼結温度より低温で焼成させる仮焼成工程と、焼結原料を塗布した基板を焼結原料が焼結する温度で焼成させる最終焼結工程とからなり、塗布工程及び仮焼成工程を繰返した後に、最終焼結工程において焼結層を焼成することを特徴とする酸化物薄膜の形成方法、
【0007】
及び、
【0008】
回転台上に載置した焼結基板と回転台との間に固定用の液を浸透させて回転台上に基板を載置し、回転台を回転させながら或は回転前に基板上に焼結原料溶液を滴下してスピンコートする塗布工程と、焼結原料溶液を塗布した基板を焼結原料の焼結温度より低温で焼成させる仮焼成工程と、焼結原料溶液を塗布した基板を焼結原料が焼結する温度で焼成させる最終焼結工程とからなり、塗布工程及び仮焼成工程を繰返した後に、最終焼結工程において焼結層を焼成することを特徴とする酸化物薄膜の形成方法、
【0009】
及び、
【0010】
基板上に焼結原料を塗布した後に焼結原料の焼結温度より低温で焼成される仮焼成層が積層形成され、仮焼成層上に焼結原料を塗布した後に或は焼結原料を塗布せずに焼結原料が焼結する温度で焼結されることを特徴とする酸化物薄膜、
を提供する。
【0011】
そして、この発明では、塗布工程を施すことにより基板上に焼結原料を塗布する。この時、基板を回転させながら或は回転前に焼結原料溶液を滴下してスピンコートする場合には、回転台と基板との間に固定用の液を浸透させ基板を回転台上に載置させる。このように固定用の液を回転台及び基板間に浸透させることで、基板が薄膜状でも皺等が発生し難い。
次いで、仮焼成工程により焼結原料が塗布された基板を焼結温度より低温で仮焼成させる。
次いで、再び塗布工程により仮焼成させた基板上に更に焼結原料を塗布し、再び仮焼成工程を繰返す。これら一連の工程により、基板上には仮焼成された仮焼成層が徐々に厚く形成されることとなる。
そして、再び塗布工程を繰返し、基板上の仮焼成層が所望の厚さとなったところで、最終焼結工程を施す。この時、焼成温度は焼結原料が焼結する温度なので、焼結原料は焼結して焼結層を形成することとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1はこの発明の実施の形態である酸化物薄膜を表す説明図であり、図2はこの発明の実施の形態である酸化物薄膜を形成する手順を表す説明図であり、図3は実施の形態の焼結原料の塗布工程を表す説明図である。
【0013】
1は、この発明の実施の形態によって得られる強誘電体薄膜である。強誘電体薄膜1は、図1に表すように、基板の基礎を形成するチタン箔10と、チタン箔10の上部に形成される白金電極層11と、白金電極層11上部に焼結形成するチタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTという。)薄膜12と、PZT薄膜12上部に上部電極として形成される金電極層13とからなる。この実施の形態では、酸化物薄膜は、強誘電体薄膜1としたが、酸化物薄膜として無機EL素子薄膜を得る場合には硫化ストロンチウム(SrS)等の無機EL素子原料によりPZT薄膜12に相当する硫化ストロンチウム(SrS)薄膜を形成する。又、この発明による酸化物薄膜はSiO等の反射防止被膜、ZnO、 SnO、In−SnO (ITO)等に代表される光導波路材料や透明導電体膜材料、Pb1−zLaZr1−xTi (PLZT)等の光アクチュエータ薄膜、(Sr,Ba)Nb、BaB、KTiPO 等に代表される非線形光学膜、TiO、TiO2−x等の光触媒膜、Fe、Y3−xBiFe5−yAl12およびそれらにGa、Dyなどをドープしたものに代表される磁気光学膜、BaTiOやPZT以外のペロブスカイト相やBa1−xSrTiO (BST)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O (PMN)、LiNbO、SrBiTa(Y1)をはじめとするビスマス層状酸化物、(Na,K)BiNb15、KLnNb15(Ln=La, Nd, Sm, Eu...) など各種タングステンブロンズ酸化物等に代表される強誘電体膜、β−Al、LiO−SiO等の超イオン伝導体、YBaCu7−x、YBaCu3.57.5、YBaCu、LnBaCu7−x、(Ln=La, Pr, Nd Sm Dy Ho Yb Eu Er )、Bi(Pb)SrCan−1Cu (n=1、2、3)等の高温超伝導体でも良く、ゾルゲル法にて合成しうる酸化物であれば、焼結原料は特に限定されない。
【0014】
チタン箔10は、強誘電体薄膜1の基板として形成され、表面を熱酸化処理された厚さ10μm以下の薄膜からなる。この実施の形態では、チタン箔10は、10μm以下としたが、強誘電体薄膜1の利用用途によっては20μm等10μm以上の膜厚でも良く、所望の膜厚に形成すればよい。
白金電極層11は、チタン箔10の上面にスパッタリングにより層状に形成され、強誘電体薄膜1の一方の電極である下部電極として機能する。この白金電極層11とチタン箔10とが基板15を形成する。
【0015】
PZT薄膜12は、基板15の上面にチタン酸鉛(PbTiO)とジルコン酸鉛(PbZrO)を混合した強誘電体原料(焼結原料)であるPZT原料を塗布後に焼結して形成する。従って、PZT原料は、スピンコートする場合には、溶液中にPZT原料を混合したPZT溶液14として滴下され、スピンコート後に高温で焼結されてPZT薄膜12を形成する。この実施の形態では、PZT薄膜12は、下部電極である白金電極層11上部に形成するが、電極を設けずに強誘電体薄膜1を形成する場合には、白金電極層11を設けずにチタン箔10上部に直接形成する。
【0016】
以下、PZT薄膜12の形成を、図2及び図3に基づき詳細に説明する。図2は、強誘電体薄膜1を形成する強誘電体薄膜1の形成工程2を表す工程説明図である。形成工程2は、塗布工程21、仮焼成工程22、繰返し判断工程23、及び、最終焼結工程24とからなる。
【0017】
塗布工程21は、白金電極層11を施したチタン箔10に、PZT原料をスピンコートによって塗布する工程である。塗布工程21では、白金電極層11を施したチタン箔10を白金電極層11が上面となるよう、図3に表すスピンコート装置3のコーティング台32上に載置固定する。その際、基板15は、コーティング台32とチタン箔10との間に固定用の液34を浸透させて白金電極層11が上面となるよう液面吸着させ固定させる。一般にスピンコート装置3で行われる真空吸引等の吸着方法では、吸着力によってこの実施の形態のような10μm程度の薄いチタン箔10に吸着口(図示せず)形状を写すように凹凸変形が生じ、そのまま次工程以降のPZT薄膜12の焼成を行うと皺が発生してしまう。しかしながら、本発明のようにスピンコート装置3への載置固定を、予め吸着口(図示せず)を有する載置面上に吸着によって変形を生じないSiウエファーやTi基板等の平滑な載置板を設けて回転台であるコーティング台32を形成し、固定用の液34によって液面吸着させることで、チタン箔10に凹凸ができず、良好なPZT薄膜12を焼成可能となり、従来から一般に使用されているコーティング対象を吸着固定するスピンコート装置3にも対応可能である。勿論、本発明のように固定用の液34により、その表面張力を利用して被コーティング材料を固定するように予め平滑なコーティング台32からなっても良い。又、コーティング台32の表面形状は、後述する様に焼成時に強誘電体薄膜1が湾曲してしまうのを見越し、湾曲した結果平面となるように予めコーティング台32の形状を収縮による湾曲側に凸状に形成しておき、コーティングした際に収縮による湾曲側とは反対側に湾曲させてもよい。
【0018】
尚、固定用の液34は、アルコール等の非水溶媒等、焼結原料を分解しない液からなるが、これとは別の液でも良く、スピンコート装置3へPZT薄膜12を載置固定したときに、PZT薄膜12の組成に影響を与えない液であればよい。コーティング台32に液面吸着により載置したスピンコート装置3のコーティング台駆動部31を駆動してコーティング台32を回転させる。次いで、PZT原液滴下装置33からPZT溶液14を滴下することで、PZT溶液14がチタン箔10上の白金電極層11上面にコーティングされる。スピンコート法によるコーティングを終了すると、コーティングされた強誘電体薄膜1は摂氏100度乃至摂氏150度程度の低温で焼結原料溶液であるPZT溶液14の乾燥を行う。この乾燥工程については詳細を省略するが、PZT溶液14を乾燥させることで、塗布したPZT原料の良好な塗布膜を得る。
【0019】
次いで、繰返し判断工程23で塗布工程21が所定回繰返されたか否かを判断する。この実施の形態では、繰返し判断工程23は、単に作業者により判断されるものとするが、PZT薄膜12の形成を自動的に行う装置では、繰返し判断工程23は予め設定された回数に到達したか否かを自動的に判断するように構成すればよく、繰返し判断工程23はどの様に判断するよう構成しても良い。尚、この実施の形態では、繰返し判断工程23は、PZT薄膜12をスピンコートする塗布工程21の行われた回数により判断するが、PZT薄膜12が所定厚に到達したか否かを判断しても良い。繰返し判断工程23では、未だ所定回数繰返していないと判断した場合には続けて仮焼成工程22を行い、既に所定回数繰返したと判断した場合には続けて最終焼結工程24を実行する。
【0020】
又、この実施の形態では、塗布工程21はスピンコート法による例を説明したが、ドクターブレード法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法等他の手法によって基板上15にコーティングしても良い。
【0021】
PZT溶液14がコーティングされた基板15は、未だ所定回数スピンコートが行われていないので、続けて仮焼成工程22によって仮焼成される。即ち、仮焼成工程22では、強誘電体薄膜1を形成するPZT原料の相転移温度より低温である摂氏300度乃至350度で焼成する工程である。仮焼成工程22によって仮焼結されて形成されたPZT薄膜12は、未だ所望厚の強誘電体薄膜1厚に達していない。尚、仮焼成工程22で焼成する温度は、焼成する材料によって異なり、夫々の材料の焼結温度より低温であればよい。
そして、仮焼成工程22は繰返し判断工程23によって所定回数に到達するまで繰返すこととなる。即ち、繰返される仮焼成工程22では、既に前回仮焼成したPZT薄膜12の上に更にPZT溶液14をスピンコートし仮焼成する。従って、仮焼成工程22で仮焼成されるPZT薄膜12は、繰返し行われることで徐々に厚さを増し、やがて仮焼成されて仮焼成層を形成したPZT薄膜12の膜厚が所望厚となる。
【0022】
このように塗布工程21及び仮焼成工程22が、所望膜厚のPZT薄膜12が得られる所定回数繰返されると、繰返し判断工程23では、所定回数に達したと判断し、次いで最終焼結工程24を行う。
最終焼結工程24では、仮焼成工程22により仮焼成された仮焼成層と共に最終回に塗布工程21によってスピンコートされたPZT薄膜12を、PZTの相転移温度以上である摂氏500度乃至600度で焼結する。すると最終焼結工程24で焼結されたPZT薄膜12は、焼結温度に達して焼成されるので、良好なセラミック上のPZT薄膜12となる。
【0023】
更に又、焼結時には、膨張係数の違いにより焼結薄膜面が基板15の中央側に凸状に湾曲してしまい良好な焼結薄膜を得ることが出来ない場合には、仮焼成を終了した総結させる強誘電体薄膜1を、基板15を下方にして焼結炉中に載置した際に、強誘電体薄膜1の四方に錘を垂下して膨張係数の違いによる強誘電体薄膜1の湾曲を強制して平坦な強誘電体薄膜1を得ることが可能である。同様に、錘を垂下する以外にも強誘電体薄膜1の周囲部をピン等で焼結炉中の載置面に固定したり周囲部をクリップ様の固定部材で挟み込んで固定しても良い。又、仮焼成工程22でも仮焼成させる強誘電体薄膜1に湾曲が発生するようであれば、同様に錘を垂下する等の方法をとればよい。
上述のように、仮焼成工程22によってPZTの焼結温度より低温で仮焼成することで、後に最終焼結工程24で焼結温度以上の高温で焼成した際に、仮焼成したPZT原料も同時に焼結されることとなり、PZT薄膜12を複数回スピンコートによって形成しても、歪みが蓄積することなく、クラックが発生しにくく、純度の高い一様な焼結されたPZT薄膜12が得られる。
【0024】
尚、この実施の形態では、PZT薄膜12が仮焼成され仮焼成層を形成した後に再び塗布工程21によってPZT溶液14を塗布してから最終焼結工程24を施したが、仮焼成工程22によってPZT薄膜12が仮焼成層を形成した状態で最終焼結工程24を施すよう形成しても良い。
金電極層13は、上述のように焼結されて形成されたPZT薄膜12上に形成され、上部電極を形成する。金電極層13は、従来の強誘電体薄膜1と同様に一般的な手法により形成される。尚、金電極層13は、最終焼結工程24の後に行っても良く、最終焼結工程24の前にスピンコートしたPZT溶液14上に載置し最終焼結工程24によってPZT薄膜12と一体化するよう形成しても良い。上述のように、白金電極層11により下部電極が形成され、金電極層13により上部電極が形成され、中間部に焼結されたPZT薄膜12が形成されるので、分極処理された強誘電体薄膜1がえられる。
【0025】
尚、この実施の形態で説明した強誘電体薄膜1は、分極処理をも含めて強誘電体薄膜及び強誘電体薄膜を得る方法を説明し、高誘電率薄膜材料を得る実施の形態として説明したが、上部電極としての白金電極層11及び下部電極としての金電極層13を設けずに形成し、強誘電体薄膜単体で得ることも可能である。
【0026】
この実施の形態では、強誘電体薄膜としてPZTを用いたが、上記方法により、PLZT、ZnO等他の原料によっても強誘電体薄膜を形成することが可能である。又、硫化ストロンチウム(SrS)、マンガン添加硫化亜鉛(ZnS:Mn)等を同様の方法により薄膜上に焼結形成すれば、フレキシブルな無機EL素子を得ることが可能である。更に又、この発明により形成する酸化物薄膜は、SiO等の反射防止被膜、ZnO、 SnO、In−SnO (ITO)等に代表される光導波路材料や透明導電体膜材料、Pb1−zLaZr1−xTi (PLZT)等の光アクチュエータ薄膜、(Sr,Ba)Nb、BaB、KTiPO 等に代表される非線形光学膜、TiO、TiO2−x等の光触媒膜、Fe、Y3−xBiFe5−yAl12およびそれらにGa、Dyなどをドープしたものに代表される磁気光学膜、BaTiOやPZT以外のペロブスカイト相やBa1−xSrTiO (BST)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O (PMN)、LiNbO、SrBiTa(Y1)をはじめとするビスマス層状酸化物、(Na,K)BiNb15、KLnNb15(Ln=La, Nd, Sm, Eu...) など各種タングステンブロンズ酸化物等に代表される強誘電体膜、β−Al、LiO−SiO等の超イオン伝導体、YBaCu7−x、YBaCu3.57.5、YBaCu、LnBaCu7−x、(Ln=La, Pr, Nd Sm Dy Ho Yb Eu Er )、Bi(Pb)SrCan−1Cu (n=1、2、3)等の高温超伝導体でも良く、ゾルゲル法にて合成しうる酸化物であれば焼結原料は特に限定されない。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、10μm以下の基板上に酸化物薄膜を形成できるので、従来に比し格段に薄い酸化物薄膜を得ることが可能であり、フレキシブルな光導波路や、光素子として使用、反射防止膜、光導波路材料、透明導電体膜材料、光アクチュエータ薄膜、非線形光学膜、光触媒膜、磁気光学膜、薄膜状の超イオン伝導体、薄膜の高温超伝導体として使用することも可能である。又、分極処理することで、極薄い薄膜状高誘電率薄膜素材を得ることができ、小型の圧電センサーや音響部品の振動板等として利用することで、物理的な動作特性のよい製品を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態である焼結薄膜を表す説明図
【図2】同焼結薄膜を形成する手順を表す説明図
【図3】実施の形態の焼結原料の塗布工程を表す説明図
【符号の説明】
1   強誘電体薄膜
10 チタン箔
11 白金電極層
12 PZT薄膜
13 金電極層
14 PZT溶液
15 基板
2  形成工程
21 塗布工程
22 仮焼成工程
23 繰返し判断工程
24 最終焼結工程
3  スピンコート装置
31 コーティング台駆動部
32 コーティング台
33 PZT原液滴下装置
34 固定用の液

Claims (3)

  1. 基板上に焼結原料を塗布する塗布工程と、
    焼結原料を塗布した基板を焼結原料の焼結温度より低温で焼成させる仮焼成工程と、
    焼結原料を塗布した基板を焼結原料が焼結する温度で焼成させる最終焼結工程とからなり、
    塗布工程及び仮焼成工程を繰返した後に、最終焼結工程において焼結層を焼成することを特徴とする酸化物薄膜の形成方法。
  2. 回転台上に載置した焼結基板と回転台との間に固定用の液を浸透させて回転台上に基板を載置し、回転台を回転させながら或は回転前に基板上に焼結原料溶液を滴下してスピンコートする塗布工程と、
    焼結原料溶液を塗布した基板を焼結原料の焼結温度より低温で焼成させる仮焼成工程と、
    焼結原料溶液を塗布した基板を焼結原料が焼結する温度で焼成させる最終焼結工程とからなり、
    塗布工程及び仮焼成工程を繰返した後に、最終焼結工程において焼結層を焼成することを特徴とする酸化物薄膜の形成方法。
  3. 基板上に焼結原料を塗布した後に焼結原料の焼結温度より低温で焼成される仮焼成層が積層形成され、仮焼成層上に焼結原料を塗布した後に或は焼結原料を塗布せずに焼結原料が焼結する温度で焼結されることを特徴とする酸化物薄膜。
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