JP2004051347A - 給紙装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙が給紙装置から正常に送り出されない無給紙ジャムを良好に解消できる給紙装置を提供する。
【解決手段】この給紙装置1は、用紙Pを収容する用紙収容器2、用紙収容器2内の用紙Pに接触可能な給紙ローラ4および戻しローラ5、用紙収容器2からのびる搬送路12に備えられた検出スイッチ15、ならびに駆動制御部16を備えている。給紙ローラ4は、用紙Pを用紙収容器2から送り出すように回転でき、戻しローラ5は、用紙Pを用紙収容器2内に戻すように回転できる。検出スイッチ15により無給紙ジャムが生じたと判断されると、駆動制御部16は、給紙ローラ4の回転を停止し、戻しローラ5により用紙Pを用紙収容器2内へと戻した後、再度給紙ローラ4を回転させるように制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】この給紙装置1は、用紙Pを収容する用紙収容器2、用紙収容器2内の用紙Pに接触可能な給紙ローラ4および戻しローラ5、用紙収容器2からのびる搬送路12に備えられた検出スイッチ15、ならびに駆動制御部16を備えている。給紙ローラ4は、用紙Pを用紙収容器2から送り出すように回転でき、戻しローラ5は、用紙Pを用紙収容器2内に戻すように回転できる。検出スイッチ15により無給紙ジャムが生じたと判断されると、駆動制御部16は、給紙ローラ4の回転を停止し、戻しローラ5により用紙Pを用紙収容器2内へと戻した後、再度給紙ローラ4を回転させるように制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置の給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置には、用紙を収容可能な給紙装置、および用紙に画像を形成する画像形成機構が備えられている。給紙装置と画像形成機構との間には用紙を搬送する搬送路が設けられており、用紙は給紙装置から搬送路へと供給され、搬送路を通って画像形成機構の方へと搬送され、画像形成機構により形成されたトナー像が用紙に転写されて画像が形成される。
【0003】
給紙装置は、用紙を収容する用紙収容器、用紙収容器内に収容された用紙を送り出すための給紙ローラ、および給紙装置の動作を制御する制御部を備えている。給紙ローラは、通常、用紙収容器内に収容された用紙に接触した状態にされる。画像形成装置に備えられた操作部などを介して、画像形成動作を開始する旨の指示が制御部に与えられると、制御部の制御により、給紙ローラが所定の方向に回転されて、給紙動作が実行される。これにより、用紙を搬送路へと送り出すことができる。搬送路には搬送ローラが設けられており、給紙ローラによって送り出された用紙は、搬送ローラによって、さらに画像形成機構側へと搬送される。
【0004】
ところが、給紙ローラによって用紙を搬送路へと送り出す際、無給紙ジャム、すなわち、用紙が正常に送り出されず、用紙の前端が搬送ローラまで届かない状態が発生することある。このため、給紙装置には、搬送路上で搬送ローラ近傍の所定の検出位置において用紙を検出する検出スイッチが備えられている。制御部は、給紙動作を開始してから所定時間(正常に給紙された場合に用紙の前端が搬送ローラに達するのに充分な時間)が経過した後、検出スイッチにより用紙が検出されなかった場合は、無給紙ジャムが発生した判定する。この場合、制御部は、一定時間給紙動作を止め、その後再度給紙動作を行うように制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無給紙ジャムが発生したときは、給紙ローラと用紙とが良好に接触しない状態になっていることが多い。このような状態になったときは、給紙動作を止めた後、改めて給紙動作を行っても、用紙に対する給紙ローラの接触位置や接触状態は変わらないので、無給紙ジャムが解消されないことがあった。
そこで、この発明の目的は、無給紙ジャムを良好に解消できる給紙装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、用紙収容部に収容された用紙を1枚ずつ送り出すための給紙ローラと、用紙送り出し方向に見て、前記給紙ローラの下流側に設けられ、前記給紙ローラで送り出された用紙を検出するための検出スイッチと、用紙送り出し方向に見て、前記給紙ローラの上流側に設けられ、前記検出スイッチが用紙を検出しないことに応答して、用紙を前記給紙ローラによる送り出し方向と反対方向に戻すための戻しローラと、を有することを特徴とする給紙装置である。
【0007】
この発明によれば、検出スイッチを適当な位置に配置することにより、検出スイッチの検出状態に基づいて、無給紙ジャムの発生を検知することができる。また、無給紙ジャムが発生した場合、戻しローラにより用紙を用紙収容部側に戻すことができる。用紙に対する接触位置は、給紙ローラと戻しローラとで異なっているので、給紙ローラと用紙との接触状態が悪く、給紙ローラで用紙を動かすことができない場合でも、戻しローラで用紙を用紙収容器内に戻すことが可能である。
【0008】
用紙が用紙収容部内に戻されると、用紙に対する給紙ローラの接触位置および接触状態が変わるので、給紙ローラが用紙に良好に接触し得る。この状態で、再度給紙動作を行うことにより、用紙を正常に送り出すことが可能である。すなわち、この給紙装置は、無給紙ジャムを良好に解消できる。
用紙送り出し方向に見て、給紙ローラの下流側に、送り出された用紙を搬送するための搬送ローラが配置されている場合、検出スイッチは、たとえば、用紙送り出し方向に見て、搬送ローラの直前に設けられているものとすることができる。
【0009】
このような場合、無給紙ジャムは、給紙ローラにより送り出された用紙の前端が、搬送ローラまで届かなかったときに発生する。したがって、搬送ローラの直前に設けられた検出スイッチが用紙を検出しないことにより、無給紙ジャムの発生を検知することができる。
給紙ローラと戻しローラとの配置距離は、用紙収容部に収容される用紙の用紙送り出し方向に見た長さの最小値から、給紙ローラと検出スイッチとの距離を引いた長さ未満とすることができる。
【0010】
給紙ローラ、戻しローラ、および検出スイッチの配置をこのようにすることにより、戻しローラは、無給紙ジャムの発生により前端が検出スイッチの検出位置まで至らなかった用紙に確実に接触することができる。
この給紙装置は、さらに、用紙を載せて昇降するためのリフト板を備えて、用紙がリフト板により所定の高さに持ち上げられたときに、最上部の用紙が給紙ローラに接触するように構成されていてもよい。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記戻しローラは、戻し動作をするときにだけ用紙収容部の用紙に接触するように、変位手段を備えていることを特徴とする、請求項1記載の給紙装置である。
この発明によれば、戻しローラは、給紙ローラによる用紙の送り出し時には用紙に接触しないので、用紙をスムーズに送り出すことができる。
請求項3記載の発明は、前記給紙ローラが動作開始後、所定時間経過時に、前記検出スイッチが用紙を検出していないことに応答して、前記給紙ローラの動作を停止し、前記戻しローラを用紙に接触させて一定時間動作させ、その後前記給紙ローラを再動作させる駆動制御手段を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の給紙装置である。
【0012】
このような駆動制御手段により、無給紙ジャムを自動的に解消することができる。
駆動制御手段が戻しローラを動作させる一定時間は、たとえば、戻しローラにより、給紙ローラから用紙検出スイッチまでの距離相当分用紙を戻すのに必要な時間とすることができる。これにより、無給紙ジャムが発生するまでの間に用紙収容部から送り出された用紙を、完全に用紙収容部内に戻すことができる。
【0013】
給紙装置は、駆動制御手段が、所定時間動作を繰り返しても検出スイッチが用紙を検出しないときに、給紙エラーを表示する表示手段をさらに含むものであってもよい。これにより、ユーザは自動的に解消できない無給紙ジャムが発生したことを知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る給紙装置1の内部構成を示す断面概略図である。
この給紙装置1は、画像形成装置(たとえば、複写機)に備えられ、用紙Pを収容可能である。給紙装置1に収容された用紙Pは、搬送路12を経て図示しない画像形成機構へと送られて画像が形成されるようになっている。
【0015】
給紙装置1は、用紙Pを収容するための用紙収容器2を備えている。用紙収容器2は、高さの低いほぼ直方体の形状を有している。搬送路12は、用紙収容器2の一側面上端から、用紙収容器2の斜め上方へと延び、さらに上方へと延びている。
給紙装置1は、さらに、用紙収容器2内に備えられ用紙Pを載せて所定の高さに持ち上げるためのリフト板3、ならびにリフト板3により所定の高さに持ち上げられた用紙Pに接触可能な給紙ローラ4および戻しローラ5を備えている。
【0016】
リフト板3は、ほぼ長方形の板状部材で、その一辺に設けられた支軸Aのまわりに回す(揺動させる)ことができるように、用紙収容器2の底面に取り付けられている。リフト板3の支軸Aが設けられた辺に対向する辺は、搬送路12側に向けられている。
用紙収容器2の底面とリフト板3との間には、支持板6が配されている。支持板6は、支軸Aと平行な支軸Bのまわりに回す(揺動させる)ことができるように、用紙収容器2の底面に取り付けられている。支軸Bには、リフトアップ用モータ7からの回転駆動力が伝えられるようになっている。
【0017】
これにより、支持板6を揺動させてリフト板3を下方から押し上げ、リフト板3に載せられた用紙Pを所定の高さ(給紙位置)まで持ち上げることができる。給紙位置において、最上部の用紙Pの表面に給紙ローラ4が当たるようになっている。図1には、支持板6により、持ち上げられていない状態のリフト板3を二点鎖線で示し、持ち上げられた状態(用紙Pが給紙位置にある状態)のリフト板3を実線で示している。
【0018】
用紙収容器2の底面には、この底面に直立したストッパ8が設けられている。リフト板3の支軸A側の部分には開口が設けられており、ストッパ8は、この開口を貫通して突出している。用紙Pは、後端がストッパ8の対向する側面に当てられた状態で、リフト板3の上に載せられる。
戻しローラ5は、アーム9の一方端に取り付けられており、アーム9の他端は支軸Cに取り付けられている。支軸Cにはアーム揺動用モータ10からの回転駆動力が伝えられるようになっている。これにより、アーム9を支軸のまわりに回して(揺動させて)、戻しローラ5を、給紙位置にある用紙Pのうち最上部のものに接触した状態(図1に実線で示す。)と、用紙Pの上方に退避した状態(図1に二点鎖線で示す。)とにすることができる。戻しローラ5は、給紙ローラ4より給紙方向に関して上流側で用紙Pに接触するようになっている。
【0019】
給紙ローラ4および戻しローラ5には、ローラ回転用モータ11からの回転駆動力が伝えられるようになっている。これにより、給紙ローラ4を、給紙位置にある用紙Pを搬送路12側へと送り出すように回転させる(図1に回転方向を矢印Qで示す。)ことができる。また、戻しローラ5を、搬送路12側とは反対側に用紙Pを戻すように回転させる(図1に回転方向を矢印Rで示す。)ことができる。すなわち、戻しローラ5により、用紙収容器2から一部送り出された用紙Pを用紙収容器2内に戻すことができる。
【0020】
搬送路12には、用紙Pを画像形成機構へと搬送するための2対の搬送ローラ13,14がほぼ鉛直方向に沿って設けられている。搬送ローラ13,14は、図示しないモータにより回転されるようになっている。搬送路12の測方には、搬送路12上で下方の搬送ローラ13近傍(給紙ローラ4と搬送ローラ13との間)の所定の検出位置Dにおける、用紙Pの有無を検知する検出スイッチ15が配されている。
【0021】
用紙収容器2は、複数種類のサイズの用紙Pを収容可能である。これらの用紙Pの給紙方向のサイズのうち最小のものをL1とし、給紙ローラ4と検出スイッチ15との間の距離をL2とすると、用紙Pに接触した状態の戻しローラ5と給紙ローラ4との間の距離は、L1−L2より短くされている。これにより、1枚の用紙Pに関して、その前端が検出スイッチ15が設けられた位置に至っていないときは、必ず戻しローラ5がその用紙Pに接触できるようになっている。
【0022】
リフトアップ用モータ7、アーム揺動用モータ10、およびローラ回転用モータ11の動作は、駆動制御部16により制御されるようになっている。また、検出スイッチ15の出力信号は、駆動制御部16に入力されるようになっている。また、駆動制御部16には、画像形成装置に備えられた操作部からの出力信号が入力されるようになっている。駆動制御部16は、第1ないし第3のタイマーを内蔵している。
【0023】
図2は、駆動制御部16の制御による給紙装置1の給紙方法を示すフローチャートである。
画像形成装置による画像の形成に先立って、駆動制御部16により、リフトアップ用モータ7が制御され、支持板6が揺動されてリフト板3が持ち上げられる。これによりリフト板3に載せられた用紙Pが給紙位置に持ち上げられる。
給紙装置1が備えられた画像形成装置が、たとえば複写機である場合、複写機の操作部を介して、駆動制御部16に複写動作を開始する旨の指示が与えられると、駆動制御部16によりローラ回転用モータ11が制御されて給紙ローラ4の回転が開始される。同時に、第1のタイマーがスタートされ、給紙ローラ4の回転開始からの経過時間(以下、「第1の経過時間」という。)が計られる(ステップS1)。また、図示しないモータにより、搬送ローラ13,14が回転される。
【0024】
次に、駆動制御部16により検出スイッチ16がオン(用紙Pが検知されている状態)であるかオフ(用紙Pが検知されていない状態)であるかが判定される(ステップS2)。検出スイッチ15がオンであるとき、用紙Pの前端はほぼ搬送ローラ13に到達しており、正常に給紙されたとみなすことができる。この場合、第2のタイマーがスタートされ、検出スイッチ15がオンであると判定されてからの経過時間(以下、「第2の経過時間」という。)が計られる(ステップS3)。
【0025】
続いて、駆動制御部16により、第2の経過時間が予め定められた第2の時間t2以上であるか否かが判定される(ステップS4)。第2の時間t2は、給紙ローラ4により、用紙Pが完全に用紙収容器2外に送り出されるような時間に設定されている。第2の経過時間が第2の時間t2未満であると判定されると(ステップS4のNO)、再度、ステップS4に戻り、第2の経過時間が第2の時間t2以上であるか否かが判定される。
【0026】
第2の時間t2が経過したと判定されると(ステップS4のYES)、駆動制御部16によりローラ回転用モータ11が制御されて、給紙ローラ4の回転が停止され(ステップS5)、給紙装置1による給紙動作は終了する。用紙Pは、搬送ローラ13,14により搬送路12をさらに画像形成機構側へと搬送される。
ステップ2において、検出スイッチ15がオフであると判定されると(ステップS2のNO)、駆動制御部16により、第1の経過時間が予め定められた第1の時間t1以上であるか否かが判定される(ステップS6)。第1の時間t1は、給紙ローラ4により用紙Pが正常に送り出された場合に、用紙Pの前端が搬送ローラ13に達するのに充分な時間に設定されている。
【0027】
第1の経過時間が第1の時間t1未満であると判定された場合(ステップS6のNO)、まだ、用紙Pの前端が検出スイッチ15の検出位置Dまで送られてくる可能性があるので、ステップS2へと戻り、検出スイッチ15がオンであるか否かが判定される。
ステップS6で、第1の経過時間が第1の時間t1以上であると判定された場合(ステップS6のYES)は、給紙ローラ4の回転が開始された後、充分な時間が経過したにもかかわらず、用紙Pの前端が検出スイッチ15の検出位置Dに達していないことを意味する。この場合、給紙ローラ4による正常な給紙が行われなかった、すなわち無給紙ジャムが発生したものと判断することができる。
【0028】
無給紙ジャムは、多くの場合、給紙ローラ4と用紙Pとが良好に接触しない状態になることにより発生する。この場合、用紙Pに対する給紙ローラ4の接触位置が変わらない限り、給紙ローラ4により用紙Pを搬送できる可能性は少ない。このため、駆動制御部16によりローラ回転用モータ11が制御されて、給紙ローラ4の回転が停止され(ステップS7)、給紙動作は一旦終了する。
その後、一定の場合には、再実行予備処理が行われた後、給紙動作が再度実行(リトライ)される。先ず、駆動制御部16により、再実行予備処理が行われた回数を表す再実行回数が、N回以上であるか否かが判定される(ステップS8)。再実行回数がN回未満であると判定されると(ステップS8のNO)、再実行回数がカウントアップされ(ステップS9)、再実行予備処理(ステップS10)が実行された後、再度、ステップS1に戻り、給紙動作が行われる。
【0029】
再実行回数がN回以上である場合(ステップS8のYES)は、再実行予備処理(ステップS10)により解消できない無給紙ジャムが検知されたものとして、無給紙ジャム検知確定処理がなされた(ステップS11)後、処理が終了する。無給紙ジャム検知確定処理は、たとえば、画像形成装置の表示部に無給紙ジャムが発生した旨や対処方法等を表示するものであってもい。この場合、対処方法は、たとえば、ユーザが手動により、用紙収容器2から部分的に送り出されて止まった用紙Pを除去するものとすることができる。
【0030】
図3は、再実行予備処理の詳細を示すフローチャートである。
先ず、駆動制御部16により第3のタイマーがスタートされて、再実行予備処理(ステップS10)が開始されてからの経過時間(以下、「第3の経過時間」という。)が計られる(ステップR1)。続いて、駆動制御部16により、アーム揺動用モータ10が制御されて、戻しローラ5が給紙位置にある用紙Pに接触するようにアーム9が揺動され、ローラ回転用モータ11が制御されて戻しローラ5の回転が開始される(ステップR2)。
【0031】
戻しローラ5は、用紙Pにおいて給紙ローラ4の接触位置とは異なる位置において接触する。したがって、給紙ローラ4が用紙Pに良好に接触していない状態であっても、戻しローラ5は用紙Pに良好に接触し得る。これにより、用紙Pは搬送路12側とは反対側に送られる。
その後、駆動制御部16により、予め定められた第3の経過時間が第3の時間t3以上であるか否かが判定される(ステップR3)。第3の時間t3は、戻しローラ5により正常に用紙が戻されたとき、検出スイッチ15の検出位置Dにある用紙P前端が、完全に用紙収容器2内に戻されるのに必要な時間よりわずかに長く設定されている。
【0032】
第3の経過時間が第3の時間t3未満であると判断されると(ステップR3のNO)、再度、ステップR3に戻り、第3の経過時間が第3の時間t3以上であるか否かが判定される。第3の経過時間が第3の時間t3以上であると判定されると(ステップR3のYES)、駆動制御部16により、ローラ回転用モータ11が制御されて、戻しローラ5の回転が停止され、アーム揺動用モータ10が制御されて戻しローラ5が用紙Pの上方に退避するようにアーム9が揺動される。
【0033】
以上の操作により、給紙方向前端が検出スイッチ15の検出位置Dまで届いていない用紙Pは、戻しローラ5により正常に送られた場合、確実に用紙収容器2内に戻される。用紙Pが完全に用紙収容器2内に戻された後、戻しローラ5によりさらに給紙方向後方側に送られた場合は、用紙Pの後端がストッパ8に当たり、用紙Pはたわむ。
しかし、戻しローラ5の回転が停止され戻しローラ5が上方に退避されると、用紙Pのたわみは解消される。これにより、給紙ローラ4の回転が停止された段階(ステップS7)で、用紙Pが用紙収容器2内からほとんど出ていない場合であっても、用紙Pの前端がほとんど検出位置Dの近くにまで達していた場合であっても、用紙Pはリフト板3上の同じ位置に戻される。
【0034】
再実行予備処理(ステップS10)により、用紙Pが用紙収容器2内に戻されると、用紙Pに対する給紙ローラ4の接触位置が変わる。これにより、用紙Pと給紙ローラ4との接触状態が変わり、給紙ローラ4が用紙Pに良好に接触し得る。この状態で、再度給紙動作(ステップS1)を行うことにより、多くの場合、用紙Pを搬送ローラ13に届くように送り出すことが可能である。すなわち、この給紙装置1は、無給紙ジャムを良好に解消できる。
【0035】
1回の再実行予備処理(ステップS10)の後の給紙動作により、用紙Pが正常に送り出されなかった場合でも、再実行予備処理と給紙動作を何回か繰り返すことにより、多くの場合、無給紙ジャムを解消できる。
戻しローラ5は、給紙ローラ4による用紙の送り出し時には用紙に接触しないので、用紙をスムーズに送り出すことができる。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、たとえば、給紙ローラ4もアームを介して支軸Cに取り付けられていてもよい。この場合、アーム揺動用モータ10により、支軸Cを中心に給紙ローラ4と戻しローラ5とをシーソーのように揺動させて、給紙ローラ4および戻しローラ5のうちの一方のみを用紙Pに接触させるようにすることができる。
【0036】
リフトアップ用モータ7、アーム揺動用モータ10、およびローラ回転用モータ11は、個別に設ける必要はなく、これらのうちのいくつかを兼用したり、画像形成装置本体に設けられた他のモータと兼用し、ギア等による回転力の伝達を制御することにより、駆動対象のローラ等を個別に駆動するようにしてもよい。リフトアップ用モータ7の代わりに、バネを設けてリフト板3を押し上げるようにしてもよい。
【0037】
本発明の給紙装置が取り付けられる画像形成装置は、搬送路を有さず、給紙装置(用紙収容器)から直接画像形成機構へと用紙が搬送されるものであってもよい。
検出スイッチ15の検出位置Dは、搬送路12上で搬送ローラ13より下流側(たとえば、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間)にあってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る給紙装置の内部構成を示す断面概略図である。
【図2】制御部の制御による給紙装置の給紙方法を示すフローチャートである。
【図3】再実行予備処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 給紙装置
2 用紙収容器
4 給紙ローラ
5 戻しローラ
10 アーム揺動用モータ
11 ローラ回転用モータ
12 搬送路
13,14 搬送ローラ
15 検出スイッチ
16 駆動制御部
D 検出位置
P 用紙
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置の給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置には、用紙を収容可能な給紙装置、および用紙に画像を形成する画像形成機構が備えられている。給紙装置と画像形成機構との間には用紙を搬送する搬送路が設けられており、用紙は給紙装置から搬送路へと供給され、搬送路を通って画像形成機構の方へと搬送され、画像形成機構により形成されたトナー像が用紙に転写されて画像が形成される。
【0003】
給紙装置は、用紙を収容する用紙収容器、用紙収容器内に収容された用紙を送り出すための給紙ローラ、および給紙装置の動作を制御する制御部を備えている。給紙ローラは、通常、用紙収容器内に収容された用紙に接触した状態にされる。画像形成装置に備えられた操作部などを介して、画像形成動作を開始する旨の指示が制御部に与えられると、制御部の制御により、給紙ローラが所定の方向に回転されて、給紙動作が実行される。これにより、用紙を搬送路へと送り出すことができる。搬送路には搬送ローラが設けられており、給紙ローラによって送り出された用紙は、搬送ローラによって、さらに画像形成機構側へと搬送される。
【0004】
ところが、給紙ローラによって用紙を搬送路へと送り出す際、無給紙ジャム、すなわち、用紙が正常に送り出されず、用紙の前端が搬送ローラまで届かない状態が発生することある。このため、給紙装置には、搬送路上で搬送ローラ近傍の所定の検出位置において用紙を検出する検出スイッチが備えられている。制御部は、給紙動作を開始してから所定時間(正常に給紙された場合に用紙の前端が搬送ローラに達するのに充分な時間)が経過した後、検出スイッチにより用紙が検出されなかった場合は、無給紙ジャムが発生した判定する。この場合、制御部は、一定時間給紙動作を止め、その後再度給紙動作を行うように制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無給紙ジャムが発生したときは、給紙ローラと用紙とが良好に接触しない状態になっていることが多い。このような状態になったときは、給紙動作を止めた後、改めて給紙動作を行っても、用紙に対する給紙ローラの接触位置や接触状態は変わらないので、無給紙ジャムが解消されないことがあった。
そこで、この発明の目的は、無給紙ジャムを良好に解消できる給紙装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、用紙収容部に収容された用紙を1枚ずつ送り出すための給紙ローラと、用紙送り出し方向に見て、前記給紙ローラの下流側に設けられ、前記給紙ローラで送り出された用紙を検出するための検出スイッチと、用紙送り出し方向に見て、前記給紙ローラの上流側に設けられ、前記検出スイッチが用紙を検出しないことに応答して、用紙を前記給紙ローラによる送り出し方向と反対方向に戻すための戻しローラと、を有することを特徴とする給紙装置である。
【0007】
この発明によれば、検出スイッチを適当な位置に配置することにより、検出スイッチの検出状態に基づいて、無給紙ジャムの発生を検知することができる。また、無給紙ジャムが発生した場合、戻しローラにより用紙を用紙収容部側に戻すことができる。用紙に対する接触位置は、給紙ローラと戻しローラとで異なっているので、給紙ローラと用紙との接触状態が悪く、給紙ローラで用紙を動かすことができない場合でも、戻しローラで用紙を用紙収容器内に戻すことが可能である。
【0008】
用紙が用紙収容部内に戻されると、用紙に対する給紙ローラの接触位置および接触状態が変わるので、給紙ローラが用紙に良好に接触し得る。この状態で、再度給紙動作を行うことにより、用紙を正常に送り出すことが可能である。すなわち、この給紙装置は、無給紙ジャムを良好に解消できる。
用紙送り出し方向に見て、給紙ローラの下流側に、送り出された用紙を搬送するための搬送ローラが配置されている場合、検出スイッチは、たとえば、用紙送り出し方向に見て、搬送ローラの直前に設けられているものとすることができる。
【0009】
このような場合、無給紙ジャムは、給紙ローラにより送り出された用紙の前端が、搬送ローラまで届かなかったときに発生する。したがって、搬送ローラの直前に設けられた検出スイッチが用紙を検出しないことにより、無給紙ジャムの発生を検知することができる。
給紙ローラと戻しローラとの配置距離は、用紙収容部に収容される用紙の用紙送り出し方向に見た長さの最小値から、給紙ローラと検出スイッチとの距離を引いた長さ未満とすることができる。
【0010】
給紙ローラ、戻しローラ、および検出スイッチの配置をこのようにすることにより、戻しローラは、無給紙ジャムの発生により前端が検出スイッチの検出位置まで至らなかった用紙に確実に接触することができる。
この給紙装置は、さらに、用紙を載せて昇降するためのリフト板を備えて、用紙がリフト板により所定の高さに持ち上げられたときに、最上部の用紙が給紙ローラに接触するように構成されていてもよい。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記戻しローラは、戻し動作をするときにだけ用紙収容部の用紙に接触するように、変位手段を備えていることを特徴とする、請求項1記載の給紙装置である。
この発明によれば、戻しローラは、給紙ローラによる用紙の送り出し時には用紙に接触しないので、用紙をスムーズに送り出すことができる。
請求項3記載の発明は、前記給紙ローラが動作開始後、所定時間経過時に、前記検出スイッチが用紙を検出していないことに応答して、前記給紙ローラの動作を停止し、前記戻しローラを用紙に接触させて一定時間動作させ、その後前記給紙ローラを再動作させる駆動制御手段を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の給紙装置である。
【0012】
このような駆動制御手段により、無給紙ジャムを自動的に解消することができる。
駆動制御手段が戻しローラを動作させる一定時間は、たとえば、戻しローラにより、給紙ローラから用紙検出スイッチまでの距離相当分用紙を戻すのに必要な時間とすることができる。これにより、無給紙ジャムが発生するまでの間に用紙収容部から送り出された用紙を、完全に用紙収容部内に戻すことができる。
【0013】
給紙装置は、駆動制御手段が、所定時間動作を繰り返しても検出スイッチが用紙を検出しないときに、給紙エラーを表示する表示手段をさらに含むものであってもよい。これにより、ユーザは自動的に解消できない無給紙ジャムが発生したことを知ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る給紙装置1の内部構成を示す断面概略図である。
この給紙装置1は、画像形成装置(たとえば、複写機)に備えられ、用紙Pを収容可能である。給紙装置1に収容された用紙Pは、搬送路12を経て図示しない画像形成機構へと送られて画像が形成されるようになっている。
【0015】
給紙装置1は、用紙Pを収容するための用紙収容器2を備えている。用紙収容器2は、高さの低いほぼ直方体の形状を有している。搬送路12は、用紙収容器2の一側面上端から、用紙収容器2の斜め上方へと延び、さらに上方へと延びている。
給紙装置1は、さらに、用紙収容器2内に備えられ用紙Pを載せて所定の高さに持ち上げるためのリフト板3、ならびにリフト板3により所定の高さに持ち上げられた用紙Pに接触可能な給紙ローラ4および戻しローラ5を備えている。
【0016】
リフト板3は、ほぼ長方形の板状部材で、その一辺に設けられた支軸Aのまわりに回す(揺動させる)ことができるように、用紙収容器2の底面に取り付けられている。リフト板3の支軸Aが設けられた辺に対向する辺は、搬送路12側に向けられている。
用紙収容器2の底面とリフト板3との間には、支持板6が配されている。支持板6は、支軸Aと平行な支軸Bのまわりに回す(揺動させる)ことができるように、用紙収容器2の底面に取り付けられている。支軸Bには、リフトアップ用モータ7からの回転駆動力が伝えられるようになっている。
【0017】
これにより、支持板6を揺動させてリフト板3を下方から押し上げ、リフト板3に載せられた用紙Pを所定の高さ(給紙位置)まで持ち上げることができる。給紙位置において、最上部の用紙Pの表面に給紙ローラ4が当たるようになっている。図1には、支持板6により、持ち上げられていない状態のリフト板3を二点鎖線で示し、持ち上げられた状態(用紙Pが給紙位置にある状態)のリフト板3を実線で示している。
【0018】
用紙収容器2の底面には、この底面に直立したストッパ8が設けられている。リフト板3の支軸A側の部分には開口が設けられており、ストッパ8は、この開口を貫通して突出している。用紙Pは、後端がストッパ8の対向する側面に当てられた状態で、リフト板3の上に載せられる。
戻しローラ5は、アーム9の一方端に取り付けられており、アーム9の他端は支軸Cに取り付けられている。支軸Cにはアーム揺動用モータ10からの回転駆動力が伝えられるようになっている。これにより、アーム9を支軸のまわりに回して(揺動させて)、戻しローラ5を、給紙位置にある用紙Pのうち最上部のものに接触した状態(図1に実線で示す。)と、用紙Pの上方に退避した状態(図1に二点鎖線で示す。)とにすることができる。戻しローラ5は、給紙ローラ4より給紙方向に関して上流側で用紙Pに接触するようになっている。
【0019】
給紙ローラ4および戻しローラ5には、ローラ回転用モータ11からの回転駆動力が伝えられるようになっている。これにより、給紙ローラ4を、給紙位置にある用紙Pを搬送路12側へと送り出すように回転させる(図1に回転方向を矢印Qで示す。)ことができる。また、戻しローラ5を、搬送路12側とは反対側に用紙Pを戻すように回転させる(図1に回転方向を矢印Rで示す。)ことができる。すなわち、戻しローラ5により、用紙収容器2から一部送り出された用紙Pを用紙収容器2内に戻すことができる。
【0020】
搬送路12には、用紙Pを画像形成機構へと搬送するための2対の搬送ローラ13,14がほぼ鉛直方向に沿って設けられている。搬送ローラ13,14は、図示しないモータにより回転されるようになっている。搬送路12の測方には、搬送路12上で下方の搬送ローラ13近傍(給紙ローラ4と搬送ローラ13との間)の所定の検出位置Dにおける、用紙Pの有無を検知する検出スイッチ15が配されている。
【0021】
用紙収容器2は、複数種類のサイズの用紙Pを収容可能である。これらの用紙Pの給紙方向のサイズのうち最小のものをL1とし、給紙ローラ4と検出スイッチ15との間の距離をL2とすると、用紙Pに接触した状態の戻しローラ5と給紙ローラ4との間の距離は、L1−L2より短くされている。これにより、1枚の用紙Pに関して、その前端が検出スイッチ15が設けられた位置に至っていないときは、必ず戻しローラ5がその用紙Pに接触できるようになっている。
【0022】
リフトアップ用モータ7、アーム揺動用モータ10、およびローラ回転用モータ11の動作は、駆動制御部16により制御されるようになっている。また、検出スイッチ15の出力信号は、駆動制御部16に入力されるようになっている。また、駆動制御部16には、画像形成装置に備えられた操作部からの出力信号が入力されるようになっている。駆動制御部16は、第1ないし第3のタイマーを内蔵している。
【0023】
図2は、駆動制御部16の制御による給紙装置1の給紙方法を示すフローチャートである。
画像形成装置による画像の形成に先立って、駆動制御部16により、リフトアップ用モータ7が制御され、支持板6が揺動されてリフト板3が持ち上げられる。これによりリフト板3に載せられた用紙Pが給紙位置に持ち上げられる。
給紙装置1が備えられた画像形成装置が、たとえば複写機である場合、複写機の操作部を介して、駆動制御部16に複写動作を開始する旨の指示が与えられると、駆動制御部16によりローラ回転用モータ11が制御されて給紙ローラ4の回転が開始される。同時に、第1のタイマーがスタートされ、給紙ローラ4の回転開始からの経過時間(以下、「第1の経過時間」という。)が計られる(ステップS1)。また、図示しないモータにより、搬送ローラ13,14が回転される。
【0024】
次に、駆動制御部16により検出スイッチ16がオン(用紙Pが検知されている状態)であるかオフ(用紙Pが検知されていない状態)であるかが判定される(ステップS2)。検出スイッチ15がオンであるとき、用紙Pの前端はほぼ搬送ローラ13に到達しており、正常に給紙されたとみなすことができる。この場合、第2のタイマーがスタートされ、検出スイッチ15がオンであると判定されてからの経過時間(以下、「第2の経過時間」という。)が計られる(ステップS3)。
【0025】
続いて、駆動制御部16により、第2の経過時間が予め定められた第2の時間t2以上であるか否かが判定される(ステップS4)。第2の時間t2は、給紙ローラ4により、用紙Pが完全に用紙収容器2外に送り出されるような時間に設定されている。第2の経過時間が第2の時間t2未満であると判定されると(ステップS4のNO)、再度、ステップS4に戻り、第2の経過時間が第2の時間t2以上であるか否かが判定される。
【0026】
第2の時間t2が経過したと判定されると(ステップS4のYES)、駆動制御部16によりローラ回転用モータ11が制御されて、給紙ローラ4の回転が停止され(ステップS5)、給紙装置1による給紙動作は終了する。用紙Pは、搬送ローラ13,14により搬送路12をさらに画像形成機構側へと搬送される。
ステップ2において、検出スイッチ15がオフであると判定されると(ステップS2のNO)、駆動制御部16により、第1の経過時間が予め定められた第1の時間t1以上であるか否かが判定される(ステップS6)。第1の時間t1は、給紙ローラ4により用紙Pが正常に送り出された場合に、用紙Pの前端が搬送ローラ13に達するのに充分な時間に設定されている。
【0027】
第1の経過時間が第1の時間t1未満であると判定された場合(ステップS6のNO)、まだ、用紙Pの前端が検出スイッチ15の検出位置Dまで送られてくる可能性があるので、ステップS2へと戻り、検出スイッチ15がオンであるか否かが判定される。
ステップS6で、第1の経過時間が第1の時間t1以上であると判定された場合(ステップS6のYES)は、給紙ローラ4の回転が開始された後、充分な時間が経過したにもかかわらず、用紙Pの前端が検出スイッチ15の検出位置Dに達していないことを意味する。この場合、給紙ローラ4による正常な給紙が行われなかった、すなわち無給紙ジャムが発生したものと判断することができる。
【0028】
無給紙ジャムは、多くの場合、給紙ローラ4と用紙Pとが良好に接触しない状態になることにより発生する。この場合、用紙Pに対する給紙ローラ4の接触位置が変わらない限り、給紙ローラ4により用紙Pを搬送できる可能性は少ない。このため、駆動制御部16によりローラ回転用モータ11が制御されて、給紙ローラ4の回転が停止され(ステップS7)、給紙動作は一旦終了する。
その後、一定の場合には、再実行予備処理が行われた後、給紙動作が再度実行(リトライ)される。先ず、駆動制御部16により、再実行予備処理が行われた回数を表す再実行回数が、N回以上であるか否かが判定される(ステップS8)。再実行回数がN回未満であると判定されると(ステップS8のNO)、再実行回数がカウントアップされ(ステップS9)、再実行予備処理(ステップS10)が実行された後、再度、ステップS1に戻り、給紙動作が行われる。
【0029】
再実行回数がN回以上である場合(ステップS8のYES)は、再実行予備処理(ステップS10)により解消できない無給紙ジャムが検知されたものとして、無給紙ジャム検知確定処理がなされた(ステップS11)後、処理が終了する。無給紙ジャム検知確定処理は、たとえば、画像形成装置の表示部に無給紙ジャムが発生した旨や対処方法等を表示するものであってもい。この場合、対処方法は、たとえば、ユーザが手動により、用紙収容器2から部分的に送り出されて止まった用紙Pを除去するものとすることができる。
【0030】
図3は、再実行予備処理の詳細を示すフローチャートである。
先ず、駆動制御部16により第3のタイマーがスタートされて、再実行予備処理(ステップS10)が開始されてからの経過時間(以下、「第3の経過時間」という。)が計られる(ステップR1)。続いて、駆動制御部16により、アーム揺動用モータ10が制御されて、戻しローラ5が給紙位置にある用紙Pに接触するようにアーム9が揺動され、ローラ回転用モータ11が制御されて戻しローラ5の回転が開始される(ステップR2)。
【0031】
戻しローラ5は、用紙Pにおいて給紙ローラ4の接触位置とは異なる位置において接触する。したがって、給紙ローラ4が用紙Pに良好に接触していない状態であっても、戻しローラ5は用紙Pに良好に接触し得る。これにより、用紙Pは搬送路12側とは反対側に送られる。
その後、駆動制御部16により、予め定められた第3の経過時間が第3の時間t3以上であるか否かが判定される(ステップR3)。第3の時間t3は、戻しローラ5により正常に用紙が戻されたとき、検出スイッチ15の検出位置Dにある用紙P前端が、完全に用紙収容器2内に戻されるのに必要な時間よりわずかに長く設定されている。
【0032】
第3の経過時間が第3の時間t3未満であると判断されると(ステップR3のNO)、再度、ステップR3に戻り、第3の経過時間が第3の時間t3以上であるか否かが判定される。第3の経過時間が第3の時間t3以上であると判定されると(ステップR3のYES)、駆動制御部16により、ローラ回転用モータ11が制御されて、戻しローラ5の回転が停止され、アーム揺動用モータ10が制御されて戻しローラ5が用紙Pの上方に退避するようにアーム9が揺動される。
【0033】
以上の操作により、給紙方向前端が検出スイッチ15の検出位置Dまで届いていない用紙Pは、戻しローラ5により正常に送られた場合、確実に用紙収容器2内に戻される。用紙Pが完全に用紙収容器2内に戻された後、戻しローラ5によりさらに給紙方向後方側に送られた場合は、用紙Pの後端がストッパ8に当たり、用紙Pはたわむ。
しかし、戻しローラ5の回転が停止され戻しローラ5が上方に退避されると、用紙Pのたわみは解消される。これにより、給紙ローラ4の回転が停止された段階(ステップS7)で、用紙Pが用紙収容器2内からほとんど出ていない場合であっても、用紙Pの前端がほとんど検出位置Dの近くにまで達していた場合であっても、用紙Pはリフト板3上の同じ位置に戻される。
【0034】
再実行予備処理(ステップS10)により、用紙Pが用紙収容器2内に戻されると、用紙Pに対する給紙ローラ4の接触位置が変わる。これにより、用紙Pと給紙ローラ4との接触状態が変わり、給紙ローラ4が用紙Pに良好に接触し得る。この状態で、再度給紙動作(ステップS1)を行うことにより、多くの場合、用紙Pを搬送ローラ13に届くように送り出すことが可能である。すなわち、この給紙装置1は、無給紙ジャムを良好に解消できる。
【0035】
1回の再実行予備処理(ステップS10)の後の給紙動作により、用紙Pが正常に送り出されなかった場合でも、再実行予備処理と給紙動作を何回か繰り返すことにより、多くの場合、無給紙ジャムを解消できる。
戻しローラ5は、給紙ローラ4による用紙の送り出し時には用紙に接触しないので、用紙をスムーズに送り出すことができる。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、たとえば、給紙ローラ4もアームを介して支軸Cに取り付けられていてもよい。この場合、アーム揺動用モータ10により、支軸Cを中心に給紙ローラ4と戻しローラ5とをシーソーのように揺動させて、給紙ローラ4および戻しローラ5のうちの一方のみを用紙Pに接触させるようにすることができる。
【0036】
リフトアップ用モータ7、アーム揺動用モータ10、およびローラ回転用モータ11は、個別に設ける必要はなく、これらのうちのいくつかを兼用したり、画像形成装置本体に設けられた他のモータと兼用し、ギア等による回転力の伝達を制御することにより、駆動対象のローラ等を個別に駆動するようにしてもよい。リフトアップ用モータ7の代わりに、バネを設けてリフト板3を押し上げるようにしてもよい。
【0037】
本発明の給紙装置が取り付けられる画像形成装置は、搬送路を有さず、給紙装置(用紙収容器)から直接画像形成機構へと用紙が搬送されるものであってもよい。
検出スイッチ15の検出位置Dは、搬送路12上で搬送ローラ13より下流側(たとえば、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間)にあってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る給紙装置の内部構成を示す断面概略図である。
【図2】制御部の制御による給紙装置の給紙方法を示すフローチャートである。
【図3】再実行予備処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 給紙装置
2 用紙収容器
4 給紙ローラ
5 戻しローラ
10 アーム揺動用モータ
11 ローラ回転用モータ
12 搬送路
13,14 搬送ローラ
15 検出スイッチ
16 駆動制御部
D 検出位置
P 用紙
Claims (3)
- 用紙収容部に収容された用紙を1枚ずつ送り出すための給紙ローラと、
用紙送り出し方向に見て、前記給紙ローラの下流側に設けられ、前記給紙ローラで送り出された用紙を検出するための検出スイッチと、
用紙送り出し方向に見て、前記給紙ローラの上流側に設けられ、前記検出スイッチが用紙を検出しないことに応答して、用紙を前記給紙ローラによる送り出し方向と反対方向に戻すための戻しローラと、
を有することを特徴とする給紙装置。 - 前記戻しローラは、戻し動作をするときにだけ用紙収容部の用紙に接触するように、変位手段を備えていることを特徴とする、請求項1記載の給紙装置。
- 前記給紙ローラが動作開始後、所定時間経過時に、前記検出スイッチが用紙を検出していないことに応答して、前記給紙ローラの動作を停止し、前記戻しローラを用紙に接触させて一定時間動作させ、その後前記給紙ローラを再動作させる駆動制御手段を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の給紙装置。
Priority Applications (1)
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JP2002214249A JP2004051347A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 給紙装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11932511B2 (en) | 2021-01-22 | 2024-03-19 | Riso Kagaku Corporation | Medium feeding mechanism |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002214249A patent/JP2004051347A/ja active Pending
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US11932511B2 (en) | 2021-01-22 | 2024-03-19 | Riso Kagaku Corporation | Medium feeding mechanism |
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