JP2004050465A - 樹脂成形品の射出成形用金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動側金型20は、成形品の貫通穴形成用の入れ子ピン21とこれを軸として回転しながら型開き方向に進退する入れ子型(可動側)22を含む。一方、固定側金型30は、可動側金型20と協働して成形空間を作り、回転しながら型開き方向に進退する入れ子型(固定側)32を含む。入れ子型(固定側)32には、入れ子ピン21の先端に所定の間隙をもって相対する凹陥部35と凹陥部35に開口するゲート部33とこれに連なるスプル部34を配置する。そして、入れ子型(固定側)32の回転中心をゲート部33とスプル部34の軸線上に一致させる。
【選択図】 図1
Description
【発明に属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品の射出成形用金型であって、成形品の離型を、金型の一部を回転させることにより行なう仕様の金型に関する。この金型は、殊に、フェノール樹脂等、成形時の流動性が良い樹脂の射出成形に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図3に示すようなアンダーカット形状のポンプ用羽根車を射出成形する場合は、成形品の離型を、金型の一部を回転させることにより行なう仕様の金型を用いる必要がある。
この成形品は、中央部1と円環状の周縁部2の間の円環状空隙に、断面「く」の字形のアンダーカット形状部3が円環に沿って配列され、中央部1と円環状の周縁部2がアンダーカット形状部3で連結された一体成形品である。また、この成形品は、中央部1の中心に非円形の貫通穴4(図面ではD穴)を備えている。
従って、このような成形品の離型は、金型を一軸方向に型開きするだけでは行なえず、アンダーカット形状部3を成形するための金型部材を、型開き方向と直角をなす面で回転させながら、型開き方向に後退させる必要がある。
【0003】
図4は、射出成形のためのこのような金型を示す要部断面図である。この金型は、パーティングライン10で型開きする可動側金型20と固定側金型30からなっている。
可動側金型20は、成形品に貫通穴4を形成するための入れ子ピン21と入れ子型(可動側)22を含む。入れ子型(可動側)22は、入れ子ピン21を軸として回転しながら型開き方向に前進・後退する。
一方、固定側金型30は、可動側金型20と協働して成形空間を構成し、固定入れ子型31と入れ子型(固定側)32を含む。入れ子型(固定側)32は、固定入れ子型31を軸として回転しながら型開き方向に前進・後退する。型締めした状態では、入れ子ピン21の先端面は固定入れ子型31に当接するので、固定入れ子型31には、前記当接面を避けてゲート部33とこれに連なるスプル部34を配置している。
入れ子ピン21と固定入れ子型31は、主として成形品の中央部1を成形する成形空間を構成し、入れ子型(可動側)22と入れ子型(固定側)32は、主としてアンダーカット形状部3と周縁部2を成形する成形空間を構成する。
【0004】
上記金型を用いて成形品を射出成形し、然る後に、金型から取出すときは、まず、金型を閉じた状態のまま、入れ子ピン21、入れ子型(可動側)22、固定入れ子型31、入れ子型(固定側)32を含む部分を、射出成形機から離れる方向にわずかに移動させる。これによって、ゲートが切断される。次に、固定入れ子型31を軸として入れ子型(固定側)32を回転しながら型開き方向に後退させる。この操作で、成形品が固定側金型30から離型される。さらに、可動側金型20を型開き方向に後退させ、入れ子ピン21を軸として入れ子型(可動側)22を回転しながら型開き方向に後退させる。これで、成形品は入れ子ピン21だけに保持され、容易に取出せる状態となる。
【0005】
上記のように、金型の一部を回転させることにより樹脂成形品の離型を行なう仕様の金型では、金型の回転摺動面のクリアランスを40μm程度に設定している。一般的な熱可塑性樹脂の場合、金型に射出した樹脂が流動状態にある時間は比較的短いので、クリアランスを前記程度に設定しておいても、流動した樹脂がクリアランスに入り込む心配は殆どない。そして、クリアランスを前記程度に設定しておくことにより、金型の回転摺動は滑らかに行なわれるし、流動した樹脂がクリアランスに入り込むこともないので、クリアランスの清掃をしなくても成形を連続して繰返すことができる。
【0006】
それに対し、フェノール樹脂やポリフェニレンサルファイドは、金型内で流動状態にある時間が長い。上記のように、金型の一部を回転させることにより離型を行なう仕様の金型を用いてこのような樹脂の射出成形を行なうと、流動した樹脂が回転摺動面のクリアランスに入りやすい。このため、成形を繰り返すと早い段階でクリアランスが樹脂で埋まって金型の回転摺動ができなくなり、成形不可となる。そして、可動側金型と固定側金型の両方を、クリアランス清掃のために解体し再び組立てなければならず、清掃作業が面倒である。
【0007】
尚、図5に示すように、入れ子型(固定側)32に、入れ子ピン21の先端との当接面を避けてゲート部33とこれに連なるスプル部34を配置する構成、すなわち、図3における固定入れ子型31を入れ子型(固定側)32と一体にして両者の摺動面をなくした構成が考えられる。しかし、この場合、入れ子型(固定側)32を回転して成形品の固定側金型の離型を行なうためには、スプルが入れ子型(固定側)32から完全に抜けきる位置まで、金型を閉じた状態のまま、入れ子ピン21、入れ子型(可動側)22、入れ子型(固定側)32を含む部分を、射出成形機から離れる方向に長いストロークで移動させなければならない。何故なら、スプル部34が、入れ子型(固定側)32の回転軸線上に位置していないからである。スプルの基部側にはランナさらには射出成形機射出部からのスプル(1次スプル)が連なっており、スプル部34の軸線が入れ子型(固定側)32の回転中心と一致していないので、スプルが入れ子型(固定側)32から完全に抜けきるまでは前記ランナ及び1次スプルが障害となって、入れ子型(固定側)32を回転できないのである。
【0008】
このように、入れ子型(固定側)32を長いストロークで移動させる(実際は、入れ子型(固定側)32を嵌め込んだ中間板を移動させる)ことは、成形サイクルを長くするだけでなく、中間板を保持する支持ピンの強度も十分に大きくしておくことが必要となる。中間板を長い移動ストロークに亘って支持しなければならないからである。そうすると、装置が大型になり実用的でなくなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、金型の一部を回転させることにより樹脂成形品の離型を行なう仕様の射出成形用金型において、殊に、固定側金型の回転摺動面への溶融樹脂の侵入を防いで、固定側金型の清掃保守の手数を省き、装置も大型にならないようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明が対象とする金型は、可動側金型と固定側金型からなり、金型内で成形した樹脂成形品の離型を、型開き方向と直角をなす面で金型の一部を回転させながら型開き方向に後退させることにより行なう仕様の射出成形用金型である。
【0011】
上記課題を解決するために、第1の発明に係る樹脂成形品の射出成形用金型は、次のような構成を備える。
まず、可動側金型は、成形品に貫通穴を形成するための入れ子ピンと当該入れ子ピンを軸として回転しながら型開き方向に前進・後退する入れ子型(可動側)を含む。
一方、固定側金型は、上記可動側金型と協働して成形空間を構成し回転しながら型開き方向に前進・後退する入れ子型(固定側)を含む。当該入れ子型(固定側)には、上記入れ子ピンの先端に所定の間隙をもって相対する凹陥部と凹陥部に開口するゲート部とゲート部に連なるスプル部を配置する。そして、入れ子型(固定側)の回転中心を前記ゲート部とスプル部の軸線上とする。
【0012】
上記金型は、入れ子型(固定側)の回転中心がゲート部とゲート部に連なるスプル部の軸線と一致する。従って、射出成形後、入れ子ピン、入れ子型(可動側)、入れ子型(固定側)を含む部分を、射出成形機から離れる方向にわずかに移動させゲートを成形品から切断すれば、入れ子型(固定側)をゲート部とスプル部の軸線上で回転しながら移動させて、成形品を固定側金型より離型することができる。スプルが入れ子型(固定側)に残っていても入れ子型(固定側)の回転には何ら支障はない。また、入れ子型(固定側)の回転摺動部は、成形空間の外側の離れた位置にあるので、溶融樹脂が侵入することはない。入れ子型(固定側)は、スプルが入れ子型(固定側)32から完全に抜けきるまで移動させなくて済み、これを保持するするための支持部材の強度アップの必要もない。
次に、可動側金型を型開き方向に後退させ、入れ子ピンを軸として入れ子型(可動側)を回転しながら型開き方向に後退させる。これで、成形品は入れ子ピンだけに保持された状態となり、容易に取出すことができる。
尚、成形品には、入れ子ピンと入れ子型(固定側)の凹陥部によって、成形品の貫通穴を塞ぐ空洞の突出部が成形される。しかし、この突出部は成形品の平面研磨により容易に除去することができるので、問題とはならない。
【0013】
第2の発明に係る射出成形用金型は、可動側金型は、成形品に貫通穴を形成するための入れ子ピンと当該入れ子ピンに沿って回転することなく相対的に前進・後退する入れ子型(可動側)と成形品の突出しピンを含む。固定側金型は、上記第1の発明における射出成形用金型と同様の構成である。
【0014】
この金型を使用する場合、固定側金型における成形品の離型は、第1の発明における金型と同様の操作で実施する。一方、可動側金型の離型は、入れ子型(可動側)の回転を伴わずに、入れ子ピンと入れ子型(可動側)を相対的に移動させて、入れ子ピンを成形品から抜く。そして、突出しピンにより成形品を突出すと、入れ子型(可動側)に規制された成形品は回転するしかなく、回転しながら入れ子型(可動側)から抜け離脱する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図3に示したポンプ用羽根車の成形に適用する射出成形用金型について、発明の実施の形態を説明する。
【0016】
まず、第1の発明に係る発明の実施の形態を、図1を参照して説明する。
可動側金型20と固定側金型30は、協働して成形空間を構成する。両者のパーティングライン10は、成形品のアンダーカット形状部3を成形する部分では成形品の厚さ方向中央部(断面「く」の字形の屈曲部)に、中央部1と円環状の周縁部2を成形する部分では成形品の片側表面部にある。
【0017】
可動側金型20は、成形品に貫通穴4(D穴)を形成するための入れ子ピン21と当該入れ子ピン21を軸として回転しながら型開き方向に前進・後退する入れ子型(可動側)22を含む。
一方、固定側金型30は、回転しながら型開き方向に前進・後退する入れ子型(固定側)32を含む。当該入れ子型(固定側)32には、上記入れ子ピン21の先端に所定の間隙をもって相対する凹陥部35と凹陥部35に開口するゲート部33とゲート部33に連なるスプル部34を配置する。入れ子型(固定側)32の回転中心を前記ゲート部33とスプル部34の軸線上とする。入れ子型(固定側)32は、中間板(図示せず)に嵌め込んで保持するが、入れ子型(固定側)32の円柱体の周面からはピンを突出させておく。前記ピンは、中間板の移動から独立し型開き方向に対して平行部と傾斜部をもったガイドレールに係合させる。ガイドレールとピンの係合状態を保ったまま中間板を型開き方向に移動させると、入れ子型(固定側)32は、前記ガイドレールの傾斜部区間で回転する。さらに、入れ子型(固定側)32の円柱体の周面からは別のピンを突出させておき、入れ子型(固定側)32を嵌め込む中間板の嵌め込み穴周壁には前記別のピンが係合する螺旋(又は螺旋の一部をなす)溝を切って、両者の係合関係を保持しておく。これによって、回転する入れ子型(固定側)32は、後退又は前進をする。この原理は、入れ子型(可動側)22の回転にも適用できるが、入れ子型(可動側)22に対しては、種々の回転手段を設置する空間的自由度が十分にある。
【0018】
上記のような射出成形用金型を用いて、例えばフェノール樹脂を射出成形した後、成形品の離型を次のように実施する。
まず、金型を閉じた状態のまま、入れ子ピン21、入れ子型(可動側)22、入れ子型(固定側)32を含む部分を、ゲートが切断されるわずかなストローク(1mm程度)だけ、射出成形機から離れる方向に移動させる。しかる後、入れ子型(固定側)32を回転しながら型開き方向に後退させる。この操作で、成形品は固定側金型30から離型される。スプルは入れ子型(固定側)32に残っているが、ゲート部33とスプル部34の軸線と入れ子型(固定側)32の回転中心が一致しているので、スプルが入れ子型(固定側)32の回転に支障をもたらすことはない。
次に、可動側金型20を型開き方向に後退させ、入れ子ピン21を軸として入れ子型(可動側)22を回転しながら型開き方向に後退させる。これで、成形品は入れ子ピン21だけに保持され、容易に取出せる状態となる。
【0019】
上記の金型は、入れ子型(固定側)32の回転摺動面は、成形空間の外側の離れた位置、すなわち、中間板(図示せず)への嵌め込部にある。従って、成形空間に射出した溶融樹脂がパーティングライン10に侵入し、さらに前記嵌め込部まで侵入する心配はない。
入れ子ピン21と入れ子型(可動側)22の回転摺動面には少なくとも一方の面にフッ素系樹脂の被膜を形成し、回転摺動面のクリアランスを5μm〜30μmにしておくことが好ましい。通常より狭いクリアランスに設定して溶融樹脂のクリアランスへの侵入を抑えつつ、フッ素系樹脂の被膜の存在により円滑な回転摺動が確保される。クリアランスが5μm未満になると金型への嵌め込みが困難になるので、5μm以上のクリアランスを確保する。フッ素系樹脂の被膜は、入れ子ピン21の外周面と入れ子型(可動側)22の内周面のいずれか一方に形成してもよいし、両方に形成してもよい。しかし、回転摺動面の少なくとも一方の周面に形成しておけば、円滑な摺動性を確保できる。また、フッ素系樹脂の被膜は、入れ子型(可動側)22の内周面に形成するより、入れ子ピン21の外周面に形成する方が寸法精度確保の上で都合がよい。
【0020】
上記成形金型は、ゲート部33が開口する入れ子型(固定側)32の凹陥部35が、入れ子ピン21の先端に所定の間隙をもって相対している。溶融樹脂は、成形空間の中心位置に射出され周縁に向かって充填されるので、ウエルドのない寸法精度に優れた成形品を製造することができる。入れ子ピン21と入れ子型(固定側)32の凹陥部35によって、成形品にはその貫通穴4を塞ぐ空洞の突出部が成形されることになる。しかし、この突出部は成形品の平面研磨により除去できる方向の突出であり、その除去作業は容易で問題とはならない。
【0021】
次に、第2の発明に係る発明の実施の形態を図2を参照して説明する。
可動側金型20は、成形品に貫通穴4を形成するための入れ子ピン21と入れ子ピン21に沿って回転することなく相対的に前進・後退する入れ子型(可動側)22と成形品の突出しピン23を含む。固定側金型30は、上述した第1の発明に係る発明の実施の形態における射出成形用金型と同様の構成である。
【0022】
この金型を使用する場合、固定側金型20における成形品の離型は、第1の発明に係る発明の実施の形態で説明した操作と同様の操作で実施する。一方、可動側金型20の離型は、入れ子型(可動側)22の回転を伴わずに、入れ子ピン21と入れ子型(可動側)22を型開き方向に相対的に移動させて、入れ子ピン21を成形品から抜く。そして、突出しピン23により成形品を突出すと、入れ子型(可動側)22に規制された成形品は回転するしかなく、回転しながら入れ子型(可動側)22から抜け離脱する。
第2の発明に係る発明の実施の形態では、入れ子型(可動側)22に、その回転手段を付加する必要がなく、型開き方向に進出・後退する突出しピン23を配置するだけでよいので、構造が簡単になる。
【0023】
第2の発明に係る発明の実施の形態においても、第1の発明に係る発明の実施の形態に準じて、入れ子型(可動側)22と入れ子ピン21及び突出しピン23との摺動面にフッ素系樹脂の被膜を形成し、摺動面のクリアランスを5μm〜30μmにしておくことが好ましい。
【0024】
上記各発明の実施の形態で説明した金型は、隣合うアンダーカット形状部3の間に「く」の字形に屈曲した貫通穴を有するフェノール樹脂成形品の成形を対象としているが、そのほか、前記屈曲した貫通穴の代わりに傾斜した貫通穴や傾斜した凹陥部が円環に沿って配列された樹脂成形品の成形を対象としたものであってもよい。
【0025】
【実施例】
上記発明の実施の形態で図1を参照して説明した金型を用い、フェノール樹脂成形品の射出成形を実施した(実施例1〜3)。可動側金型20における摺動面のフッ素系樹脂被膜形成の有無ならびに摺動面のクリアランスを表1に示すとおりとした。固定側金型30における入れ子型(固定側)32の回転摺動面のクリアランスは、40μmに設定した。
【0026】
上記発明の実施の形態で図2を参照して説明した金型を用い、フェノール樹脂成形品の射出成形を実施した(実施例4〜6)。可動側金型20における摺動面のフッ素系樹脂被膜形成の有無ならびに摺動面のクリアランスを表1に示すとおりとした。固定側金型30における入れ子型(固定側)32の回転摺動面のクリアランスは、40μmに設定した。
【0027】
また、図4に示した従来の金型を用い、フェノール樹脂成形品の射出成形を実施した(従来例1、2)。固定側金型30における固定入れ子型31と入れ子型(固定側)32の回転摺動面のクリアランスは、表1に示すとおりとした。
【0028】
さらに、図4に示した従来の金型において、固定側金型の摺動面にフッ素系樹脂被膜を形成した金型を用い、フェノール樹脂成形品の射出成形を実施した(参考例1、2)。固定側金型30における固定入れ子型31と入れ子型(固定側)32の回転摺動面のクリアランスは、表1に示すとおりとした。
【0029】
金型の摺動面の清掃を行なわずに、射出成形を連続繰返しできる回数(ショット数)を、可動側金型と固定側金型のそれぞれについて調査した。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1から明らかなように、本発明の実施例の金型は、固定側金型の連続ショット回数を飛躍的に延ばして、その清掃作業工数を低減することができる。実施例1〜3は、可動側金型の摺動が回転運動であるので、大きな力をかけるとねじれによる破損が心配される。一方、実施例4〜6は、可動側金型の摺動が直線運動であるので、金型の破損を心配せずに摺動に大きな力をかけることができる。実施例4〜6においては、可動側金型の連続ショット回数も延ばせる。
【0032】
【発明の効果】
従来、金型の一部を回転させることにより成形品の離型を行なう仕様の金型を用いて樹脂成形品の射出成形を実施しようとすると、連続繰返し成形が不可能であったところ、上述のように、本発明に係る金型を用いることにより、固定側金型の回転摺動面への溶融樹脂の侵入を長期に亘り防ぐことができる。金型摺動面の清掃は、可動側金型を重点的に実施すればよいので、その清掃作業工数を著しく低減することができる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る樹脂成形品の射出成形用金型の発明の実施の形態を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係る樹脂成形品の射出成形用金型の他の発明の実施の形態を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る射出成形用金型が成形対象とする成形品の一例を示す一部欠截斜視図である。
【図4】従来の射出成形用金型を示す要部断面図である。
【図5】従来の他の射出成形用金型を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1は中央部
2は周縁部
3はアンダーカット形状部
10はパーティングライン
20は可動側金型
21は入れ子ピン
22は入れ子型(可動側)
23は突出しピン
30は固定側金型
31は固定入れ子型
32は入れ子型(固定側)
33はゲート部
34はスプル部
35は凹陥部
Claims (4)
- 可動側金型と固定側金型からなり、金型内で成形した樹脂成形品の離型を、型開き方向と直角をなす面で金型の一部を回転させながら型開き方向に後退させることにより行なう仕様の射出成形用金型であって、
可動側金型は、成形品に貫通穴を形成するための入れ子ピンと当該入れ子ピンを軸として回転しながら前進・後退する入れ子型(可動側)を含み、
固定側金型は、上記可動側金型と協働して成形空間を構成し回転しながら前進・後退する入れ子型(固定側)を含み、当該入れ子型(固定側)には、上記入れ子ピンの先端に所定の間隙をもって相対する凹陥部と凹陥部に開口するゲート部とゲート部に連なるスプル部を配置し、入れ子型(固定側)の回転中心を前記ゲート部とスプル部の軸線上としたことを特徴とする樹脂成形品の射出成形用金型。 - 可動側金型と固定側金型からなり、金型内で成形した樹脂成形品の離型を、型開き方向と直角をなす面で金型の一部を回転させながら型開き方向に後退させることにより行なう仕様の射出成形用金型であって、
可動側金型は、成形品に貫通穴を形成するための入れ子ピンと当該入れ子ピンに沿って回転せずに相対的に前進・後退する入れ子型(可動側)と成形品の突出しピンを含み、
固定側金型は、上記可動側金型と協働して成形空間を構成し回転しながら前進・後退する入れ子型(固定側)を含み、当該入れ子型(固定側)には、上記入れ子ピンの先端に所定の間隙をもって相対する凹陥部と凹陥部に開口するゲート部とゲート部に連なるスプル部を配置し、入れ子型(固定側)の回転中心を前記ゲート部とスプル部の軸線上としたことを特徴とする樹脂成形品の射出成形用金型。 - 入れ子ピンと入れ子型(可動側)の摺動面には、その少なくとも一方の面にフッ素系樹脂の被膜を形成し、摺動面のクリアランスを5μm〜30μmにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂成形品の射出成形用金型。
- フェノール樹脂成形品の射出成形用である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂成形品の射出成形用金型。
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