JP2004049056A - コンバインの穀粒排出構造 - Google Patents
コンバインの穀粒排出構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004049056A JP2004049056A JP2002208746A JP2002208746A JP2004049056A JP 2004049056 A JP2004049056 A JP 2004049056A JP 2002208746 A JP2002208746 A JP 2002208746A JP 2002208746 A JP2002208746 A JP 2002208746A JP 2004049056 A JP2004049056 A JP 2004049056A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- guide
- grain
- grain tank
- chute
- discharge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Threshing Machine Elements (AREA)
Abstract
【課題】穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触する虞を回避しながら、かつ、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようにする。
【解決手段】穀粒タンク6の底部に、排出口31から排出された穀粒を流下案内するシュート33を、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に、かつ、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って延出する延出姿勢と案内上手側部分36に向けて退避した退避姿勢とに切り換え可能に装備し、シュート33を、その格納位置から排出案内位置への旋回操作に連動して退避姿勢から延出姿勢に切り換え、かつ、排出案内位置から格納位置への旋回操作に連動して延出姿勢から退避姿勢に切り換える機械式の連動機構44を設けた。
【選択図】 図15
【解決手段】穀粒タンク6の底部に、排出口31から排出された穀粒を流下案内するシュート33を、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に、かつ、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って延出する延出姿勢と案内上手側部分36に向けて退避した退避姿勢とに切り換え可能に装備し、シュート33を、その格納位置から排出案内位置への旋回操作に連動して退避姿勢から延出姿勢に切り換え、かつ、排出案内位置から格納位置への旋回操作に連動して延出姿勢から退避姿勢に切り換える機械式の連動機構44を設けた。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインの穀粒排出構造としては、穀粒タンクに貯留した穀粒をスクリュー式の穀粒排出装置で機外に排出する構造のものが一般的である。しかしながら、スクリュー式の穀粒排出装置は、スクリューで穀粒を強制的に押し込み搬送するものであり、又、スクリューとそれを外囲するケースとの間にクリアランスを有するものであることから、排出途中の穀粒が、スクリューとケースとの間に入り込み、擦り付けられて損傷する不都合を招き易くなっている。
【0003】
そこで近年では、スクリュー式の穀粒排出装置に代えて、穀粒タンクを貯留位置と排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備し、この昇降手段によって穀粒タンクを貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、穀粒タンクに貯留した穀粒を、その底部に形成した排出口から運搬車の荷台などに自然流下排出させることが考えられている。
【0004】
そして、そのようなコンバインの穀粒排出構造として、従来では、例えば特開平7−203757号公報で開示されているように、穀粒を排出する排出口とその排出口を開閉する扉体とを底部に備えた穀粒タンクを、昇降手段である前後の各支柱と揺動リンクとにわたって架設した油圧シリンダの作動で、脱穀装置からの穀粒を貯留する貯留位置と、その排出口を備えた底部を走行機体の横外側方に向けて延出させる排出位置とにわたって昇降揺動させるように構成したものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、上述した貯留位置から排出位置への穀粒タンクの上昇揺動によって、穀粒タンクの底部に備えた排出口を、走行機体の横外側方に隣接させた運搬車の荷台などの上方に位置させることから、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなると、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇揺動させることができなくなる不都合を招くとともに、その高さ関係に気付かずに穀粒タンクを排出位置に向けて上昇揺動させることで、運搬車の荷台などに穀粒タンクの底部が接触してそれらを損傷させる不都合を招く虞がある。
【0006】
そこで、上記の不都合を回避する上において、穀粒タンクを、その機体横外側方への変位が阻止された状態で貯留位置と排出位置とにわたって昇降するように構成し、かつ、その底部に、排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、その案内下手側が機外に延出する排出案内位置と、その全体が機内に納められる格納位置とに旋回可能に装備することも考えられているが、この構成においては、穀粒タンクを貯留位置から排出位置まで上昇させた後にシュートを格納位置から排出案内位置に向けて旋回操作し、又、シュートを排出案内位置から格納位置に向けて旋回操作した後に穀粒タンクを排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなったとしても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクの底部やシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招く虞を回避できるものの、単に、シュートを上述した排出案内位置と格納位置とに旋回可能に構成するだけであることから、機体幅内に、排出案内位置では案内下手側が機外に延出する状態となる比較的長いシュートを格納するための比較的広い収納空間を確保する必要が生じる上に、そのシュートの長さに応じて穀粒タンクの貯留位置を比較的高い位置に設定する必要が生じるようになり、その結果、その収納空間によって穀粒タンクの大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を招くようになっていた。
【0007】
本発明の目的は、穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触する虞を回避しながら、かつ、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造において、前記穀粒タンクの底部に、前記排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に、かつ、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って延出する延出姿勢と前記案内上手側部分に向けて退避した退避姿勢とに切り換え可能に装備し、前記シュートを、その前記格納位置から前記排出案内位置への旋回操作に連動して前記退避姿勢から前記延出姿勢に切り換え、かつ、前記排出案内位置から前記格納位置への旋回操作に連動して前記延出姿勢から前記退避姿勢に切り換える機械式の連動機構を設けた。
【0009】
〔作用〕
上記請求項1に記載の発明によると、シュートを格納位置から排出案内位置に向けて旋回駆動させると、シュートは、退避姿勢から延出姿勢に切り換わりながら格納位置から排出案内位置に向けて旋回するようになり、排出案内位置に到達した際には、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方に向けて大きく延出するようになる。逆に、シュートを排出案内位置から格納位置に向けて旋回駆動させると、シュートは、延出姿勢から退避姿勢に切り換わりながら排出案内位置から格納位置に向けて旋回するようになり、格納位置に到達した際には、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて退避して小さく纏まるようになる。
【0010】
つまり、穀粒タンクに貯留した穀粒を運搬車の荷台などに排出する穀粒排出作業を行う場合には、穀粒タンクを昇降手段の作動で貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、シュートを格納位置から排出案内位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなった場合であっても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方の運搬車の荷台などに向けて大きく延出する延出姿勢に切り換えることができて、穀粒タンクに貯留された穀粒を排出口から運搬車の荷台などに向けて自然流下排出させることができるようになる。
【0011】
そして、その穀粒排出作業後には、先ず、シュートを排出案内位置から格納位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて退避して小さく纏まる退避姿勢に切り換えることができ、その後、穀粒タンクを昇降手段の作動で排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、運搬車の荷台などが邪魔になって穀粒タンクを貯留位置に向けて下降させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、穀粒タンクを貯留位置まで下降させることができるようになる。
【0012】
しかも、延出姿勢では案内下手側が機外に延出する状態となる比較的長いシュートを、退避姿勢では、その案内下手側部分を案内上手側部分に向けて退避させて小さく纏めた状態にすることができるので、機体幅内にシュートを格納するための比較的広い収納空間を確保する必要がなく、又、そのシュートの長さに応じて穀粒タンクの貯留位置を比較的高い位置に設定する必要もないことから、その収納空間によって穀粒タンクの大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を未然に回避できるようになる。
【0013】
その上、機械式の連動機構による連係で、シュートの旋回駆動に連動してその姿勢切り換え操作が行われるようにしていることから、シュートの姿勢切り換え操作を行うための専用のアクチュエータを設ける場合に比較して製造コストの削減を図れるようになる。
【0014】
又、シュートの旋回操作と姿勢切り換え操作とを個別のアクチュエータで行う場合には、例えば、シュートを格納位置に位置させたままで退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュートを延出姿勢に切り換えたままで排出案内位置から格納位置まで旋回させる、といった操作を行ってしまうと、シュートをその周辺部に接触させて損傷させる不都合を招く虞があるが、上記請求項1に記載の発明では、機械式の連動機構によって上述したシュートの旋回駆動に連動したシュートの姿勢切り換え操作を行えるようにしたことによって、例えば、旋回用と姿勢切り換え用の各アクチュエータの作動を牽制する牽制機構や、それらの作動を制御する制御プログラムなどを設けなくても、シュートを格納位置に位置させたままで退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュートを延出姿勢のままで排出案内位置から格納位置に切り換える、といった操作そのものが行われることを阻止することができ、もって、シュートをその周辺部に接触させて損傷させる不都合を未然に回避できるようになる。
【0015】
〔効果〕
従って、穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、構成の簡素化や製造コストの削減を図りながら、かつ、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触して損傷する虞を未然に回避しながら、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようになった。
【0016】
〔構成〕
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記シュートの上端に、前記排出口に連通する開口を形成するとともに、前記穀粒タンクに旋回可能に外囲支持されるフランジを備えた。
【0017】
〔作用〕
上記請求項2に記載の発明によると、穀粒タンク内に、その排出口及びシュートの開口を通ってシュートを旋回可能に支持する支軸などを設けることなく、シュートを穀粒タンクに旋回可能に支持させることができ、これによって、穀粒タンク内に支軸などを設けた場合に生じる、その支軸などによって穀粒タンクの穀粒貯留容量が低下する不都合や、支軸などが邪魔になって排出口からの穀粒の排出がスムーズに行われ難くなる不都合を未然に回避できるようになる。
【0018】
〔効果〕
従って、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や穀粒排出作業性の低下などを招くことなく、穀粒タンクの底部にシュートを旋回可能に装備できるようになった。
【0019】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項3に記載の発明では、走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造において、前記穀粒タンクの底部に、前記排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立した退避姿勢と前記案内上手側部分に沿って延出する状態に倒伏した延出姿勢とに切り換え可能に装備するとともに、前記案内下手側部分を起立付勢する付勢手段を備え、かつ、該付勢手段が、前記案内下手側部分にかかる穀粒重量が設定値を越えるのに伴って、その重量による前記案内下手側部分の倒伏を許容するように構成した。
【0020】
〔作用〕
上記請求項3に記載の発明によると、排出口から穀粒を排出させると、シュートの案内下手側部分にかかる穀粒重量が増大し、その穀粒重量が設定値を越えると、付勢手段による起立付勢に抗してシュートの案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方に向けて大きく延出するようになる。逆に、排出口からの穀粒の排出を停止させる、又は、排出口から排出される穀粒がなくなると、付勢手段による起立付勢でシュートの案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立して小さく纏まるようになる。
【0021】
つまり、穀粒タンクに貯留した穀粒を運搬車の荷台などに排出する穀粒排出作業を行う場合には、穀粒タンクを昇降手段の作動で貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、排出口から穀粒を排出させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなった場合であっても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方の運搬車の荷台などに向けて大きく延出する延出姿勢に切り換えることができて、排出口から排出された穀粒を運搬車の荷台などに向けて自然流下排出させることができるようになる。
【0022】
そして、その穀粒排出作業後には、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立して小さく纏まる退避姿勢に切り換えることができ、その後、穀粒タンクを昇降手段の作動で排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、運搬車の荷台などが邪魔になって穀粒タンクを貯留位置に向けて下降させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、穀粒タンクを貯留位置まで下降させることができるようになる。
【0023】
しかも、延出姿勢では案内下手側が機外に延出する状態となる比較的長いシュートを、退避姿勢では、その案内下手側部分を案内上手側部分に向けて退避させて小さく纏めた状態にすることができるので、機体幅内にシュートを格納するための比較的広い収納空間を確保する必要がなく、又、そのシュートの長さに応じて穀粒タンクの貯留位置を比較的高い位置に設定する必要もないことから、その収納空間によって穀粒タンクの大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を未然に回避できるようになる。
【0024】
その上、シュートを起立付勢する付勢手段と排出口から排出される穀粒の重量との関係で、シュートの姿勢切り換え操作が行われるようにしていることから、シュートの姿勢切り換え操作を行うための専用のアクチュエータを設ける場合に比較して製造コストの削減を図れるようになる。
【0025】
又、シュートの姿勢切り換え操作をアクチュエータの作動で行う場合には、例えば、穀粒タンクを貯留位置に位置させたままでシュートを退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュートを延出姿勢に切り換えたままで穀粒タンクを排出位置から貯留位置まで下降させる、といった操作を行ってしまうと、シュートを運搬車の荷台などに接触させて損傷させる不都合を招く虞があるが、上記請求項3に記載の発明では、排出口から穀粒を排出させない限りシュートは付勢手段によって退避姿勢に維持されることから、上記の操作によってシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する不都合を未然に回避できるようになる。
【0026】
〔効果〕
従って、穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、構成の簡素化や製造コストの削減を図りながら、かつ、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触して損傷する虞を未然に回避しながら、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようになった。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1には、コンバインの一例として豆類を収穫する普通形コンバインの一部を破断した全体左側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送部3を、油圧シリンダ4の作動による昇降揺動操作が可能となるように装備し、刈取搬送部3からの刈取穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置5と、この脱穀装置5からの穀粒を貯留する穀粒タンク6とを走行機体2に搭載し、走行機体2における穀粒タンク6の前方箇所に搭乗運転部7を形成するとともにエンジン8などを搭載して構成されている。
【0028】
刈取搬送部3は、その前端部に備えた分草具9で分草した植立穀稈を、その株元側を円盤形のカッター10で切断するとともにベルト式の搬送装置11にて後方に向けて搬送し、その搬送装置11からの刈取穀稈をオーガ12にて左右方向の所定箇所に寄せ集めながら後方に送り出し、オーガ12の所定箇所から後方に送り出された刈取穀稈を供給コンベヤ13にて後方の脱穀装置5に向けて搬送するように構成されている。尚、図1に示す符号14は、圃場面の凹凸に追従してカッター10などを所望の対地高さに維持するゲージ輪である。
【0029】
脱穀装置5は、ビータ15を介して供給された供給コンベヤ13からの刈取穀稈を搬送ベルト16により後方に向けて搬送し、その搬送ベルト16からの刈取穀稈に対して脱穀ロータ17による脱穀処理を施し、その脱穀処理後の処理物に対して揺動選別装置18による篩い選別処理を施すとともに唐箕19からの選別風による風力選別処理を施し、選別ベルト20で搬送されずに1番回収部21に流下した穀粒を1番スクリュー22により搬送して、脱穀装置5と穀粒タンク6との間に立設された1番バケットコンベヤ23に供給し、2番回収部24に供給された穀粒と塵埃との混在物を2番スクリュー25により搬送して、脱穀装置5と穀粒タンク6との間に立設された2番バケットコンベヤ26に供給し、1番回収部21及び2番回収部24に回収されなかった塵埃を排稈口27から機外に排出するように構成されている。
【0030】
図1〜7に示すように、1番バケットコンベヤ23は、1番スクリュー22によって搬送された穀粒を穀粒タンク6の上端部に装備した受入部28に向けて揚送し、その受入部28から穀粒タンク6内に供給するように構成され、2番バケットコンベヤ26は、2番スクリュー25によって搬送された混在物を揚送して揺動選別装置18に還元するように構成されている。
【0031】
図2〜11に示すように、穀粒タンク6は、走行機体2の右後端部に立設された支柱29に、昇降手段30による下位の貯留位置と上位の排出位置とにわたる昇降操作が可能な状態に片持ち支持されており、下位の貯留位置では、その受入部28が1番バケットコンベヤ23に接続され、脱穀装置5からの穀粒を貯留することが可能となり、上位の排出位置では、貯留した穀粒をその底部の右端に形成した排出口31から自然流下排出することが可能となっている。
【0032】
つまり、穀粒タンク6を支柱29に昇降操作が可能な状態に片持ち支持させたことで、例えば前後の支柱で穀粒タンク6を昇降操作が可能な状態に両持ち支持する場合に比較して、穀粒タンク6を昇降可能に支持するための頑丈で背の高い大掛かりなものとなって穀粒タンク6の大きさを制約する支柱29の本数を削減することができるようになり、その結果、穀粒タンク支持構造の簡素化を図りながら、穀粒タンク6の大きさを大きくすることができて、穀粒タンク6における穀粒貯留容量の増大を図れるようになっている。
【0033】
しかも、その支柱29を走行機体2の後端部に立設したことで、走行機体2における穀粒タンク6の前方箇所に搭載されたエンジン8や図外の変速装置などに対する後方からのメンテナンス、並びに、そのエンジン8からの動力を脱穀装置5の唐箕19などに伝達する伝動系71や、脱穀装置5と穀粒タンク6との間に立設された1番バケットコンベヤ23及び2番バケットコンベヤ26などに対するメンテナンスが行い易くなり、又、搭乗運転部7の直後方には支柱29が立設されないことから、搭乗運転部7からの視界を広くすることができて作業が行い易くなり、その上、支柱29が、走行機体2の前部に連結される刈取搬送部3に対するバランスウェイトとして有効に機能するようになることから、走行機体2の後部に装備するバランスウェイトとして小型で軽量のものを採用できるようになっている。
【0034】
図2〜18に示すように、穀粒タンク6の下部には、排出口31を開閉する開閉手段32と、排出口31から排出された穀粒を流下案内するシュート33とが装備され、開閉手段32は、電動モータ34の作動によるシャッター35のスライド操作で排出口31を開閉するように構成され、シュート33は、案内上手側部分36と案内下手側部分37とから、その向きが右向きになる排出案内位置と前向きになる格納位置とにわたって旋回可能に、かつ、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿うように倒伏して延出する延出姿勢と案内上手側部分36に向けて起立して退避する退避姿勢とに屈伸可能に構成されている。
【0035】
案内上手側部分36の上端には、排出口31に連通する開口38が形成されるとともに、穀粒タンク6に旋回可能に外囲支持されるフランジ39が備えられ、このフランジ39が、電動モータ40の作動で正逆転駆動されるピニオンギア41に噛合する従動ギアに兼用されている。この構成から、穀粒タンク6内に、その排出口31及びシュート33の開口38を通ってシュート33を旋回可能に支持する支軸などを設けることなく、シュート33を穀粒タンク6に旋回駆動可能に支持させることができ、これによって、穀粒タンク6内に支軸などを設けた場合に生じる、その支軸などによって穀粒タンク6の穀粒貯留容量が低下する不都合や、支軸などが邪魔になって排出口31からの穀粒の排出がスムーズに行われ難くなる不都合を未然に回避できるようになっている。
【0036】
案内下手側部分37は、その案内上手側底部が案内上手側部分36の案内下手側底部に横向きの支軸42を介して連結され、又、その案内上手側右上部と穀粒タンク6における排出口31の右後方箇所に垂下装備された支持アーム43とにわたって、シュート33の排出案内位置から格納位置への旋回操作に伴って案内下手側部分37を起立付勢し、シュート33の格納位置から排出案内位置への旋回操作に伴って案内下手側部分37の自重による倒伏を許容するバネ44が架設されており、このバネ44によって、シュート33の格納位置から排出案内位置への旋回駆動操作に連動してシュート33を退避姿勢から延出姿勢に切り換え、かつ、シュート33の排出案内位置から格納位置への旋回駆動操作に連動してシュート33を延出姿勢から退避姿勢に切り換える機械式の連動機構が構成されている。
【0037】
つまり、単一の電動モータ40の作動によるピニオンギア41の正逆転駆動によって、シュート33を延出姿勢に切り換えた状態で排出案内位置に位置させる排出案内状態と、退避姿勢に切り換えた状態で格納位置に位置させる格納状態とに切り換えられるようになっている。
【0038】
この構成から、穀粒タンク6に貯留した穀粒を例えば図外のトラックの荷台などに排出する穀粒排出作業を行う場合には、穀粒タンク6を昇降手段30の作動で貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、シュート33を格納位置から排出案内位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンク6に対するトラックの荷台などの高さ位置が高くなった場合であっても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンク6を排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンク6やシュート33がトラックの荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、シュート33を、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿う状態に倒伏して走行機体2の右外側方に位置するトラックの荷台などに向けて大きく延出する延出姿勢に切り換えることができ、その結果、開閉手段32による排出口31の開放とともに穀粒タンク6に貯留された穀粒を排出口31からトラックの荷台などに向けて自然流下排出させることができて、穀粒タンク6に貯留した穀粒をスクリューで強制的に押し込み搬送するスクリュー式の穀粒排出装置を装備した場合に招き易くなる、排出途中の穀粒が、スクリューとそのケースとの間に入り込み擦り付けられて損傷する不都合を回避できるようになっている。
【0039】
その穀粒排出作業後には、開閉手段32により排出口31を閉塞した後に、シュート33を排出案内位置から格納位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、シュート33を、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて起立退避して小さく纏まった退避姿勢に切り換えることができ、その後、穀粒タンク6を昇降手段30の作動で排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、トラックの荷台などが邪魔になって穀粒タンク6を貯留位置に向けて下降させることができなくなる、あるいは、穀粒タンク6やシュート33がトラックの荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、穀粒タンク6を貯留位置まで下降させることができるようになっている。
【0040】
そして、上述したように、延出姿勢では案内下手側部分37が走行機体2の右外側方に向けて延出する状態となる比較的長いシュート33を、退避姿勢では、その案内下手側部分37を案内上手側部分36に向けて起立退避させて小さく纏めたコンパクトな状態にすることができ、これによって、機体幅内にシュート33を格納するための比較的広い収納空間を確保する必要がなく、又、そのシュート33の長さに応じて穀粒タンク6の貯留位置を比較的高い位置に設定する必要もないことから、その収納空間によって穀粒タンク6の大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を未然に回避できるようになっている。
【0041】
その上、機械式の連動機構44による連係で、シュート33の旋回駆動に連動してシュート33の姿勢切り換え操作が行われるようにしていることから、シュート33の姿勢切り換え操作を行うための専用のアクチュエータを設ける場合に比較して製造コストの削減を図れるようになり、又、シュート33の旋回操作と姿勢切り換え操作とを個別のアクチュエータで行う場合に生じる虞のある、例えば、シュート33を格納位置に位置させたままで退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュート33を延出姿勢に切り換えたままで排出案内位置から格納位置まで旋回させる、といった操作手順の誤りによる、シュート33をその周辺部の例えば搭乗運転部7などに接触させて損傷させる不都合を、例えば、旋回用と姿勢切り換え用の各アクチュエータの作動を牽制する牽制機構や、それらの作動を制御する制御プログラムなどを設けなくても、未然に回避できるようになっている。
【0042】
図2〜10及び図19に示すように、支柱29は、走行機体2に立設固定された下部支柱45と、その上端に着脱可能に連結される上部支柱46とから上下方向に2分割可能に構成され、下部支柱45は、長尺で断面視C形のみぞ形鋼からなる左右一対の下部支柱部材47の上下中間部同士にわたって横向きフレーム48を、又、それらの上端部同士にわたって連結フレーム49をそれぞれ架設することで構成され、上部支柱46は、短尺で断面視C形のみぞ形鋼からなる左右一対の上部支柱部材50の上端部同士にわたって横向きフレーム51を、又、それらの下端部同士にわたって連結フレーム52をそれぞれ架設することで構成され、連結フレーム49,52などが着脱可能にボルト連結されるようになっている。
【0043】
このように支柱29を上下方向に2分割可能に構成したことで、下部支柱45と上部支柱46とのボルト連結を解除して下部支柱45から上部支柱46を取り外すようにすれば、支柱29とともにコンバイン全体としての高さを低くすることができ、これによって、移動走行時や運搬車などで輸送する際に支柱29が他物に接触する虞を招き難くすることができるとともに、このコンバインを比較的に高さの低い納屋や運搬車の荷室などに格納することができるようになっている。
【0044】
昇降手段30は、ボルト連結によって穀粒タンク6が着脱可能に載置固定される支持枠53の後端部左右に、左右の対応する下部支柱部材47及び上部支柱部材50によって案内される上下一対のローラ54を配備し、左右の下部支柱部材47の間に立設固定した油圧シリンダ56のシリンダチューブ56Aと支持枠53とにわたって索条55としてのチェーンを掛け渡し、油圧シリンダ56におけるピストンロッド56Bの先端に、油圧シリンダ56の伸縮作動に伴ってチェーン55を案内するスプロケット58を配備し、油圧シリンダ56の伸縮作動によるチェーン55を介した引張力で穀粒タンク6を昇降させるように構成されている。
【0045】
図2、図3及び図8に示すように、走行機体2における搭乗運転部7の直後方箇所には、穀粒タンク6を貯留位置まで下降させた際に、穀粒タンク6における支柱29による支持側と反対側の端部である前端部を受け止め支持する支持フレーム59が立設されており、この構成から、穀粒タンク6が貯留位置に位置する走行時には、支柱29と支持フレーム59との両持ちによる安定した状態で穀粒タンク6を支持することができ、これによって、穀粒タンク6が貯留位置に位置する走行時においても穀粒タンク6を支柱29のみで片持ち支持する場合に生じる虞のある、穀粒の貯留で重量が増加した穀粒タンク6が走行時の振動で揺れ動くことに起因した支柱29の変形などを未然に回避できるようになっている。
【0046】
図2及び図5に示すように、走行機体2の右側端部における搭乗運転部7の後方箇所には、走行機体2と貯留位置に位置させた穀粒タンク6の右側壁との間に形成される空間、及び、それらの間に位置するシュート33や支持フレーム59などを隠す化粧パネル60が着脱可能に立設されている。
【0047】
図2〜6、図8及び図9に示すように、走行機体2の右後端部には、走行機体2と貯留位置に位置させた穀粒タンク6との間に形成される機体後部側の空間を有効利用して燃料タンク61が配備されている。
【0048】
図2〜17、図20及び図21に示すように、昇降手段30の作動による穀粒タンク6の昇降操作、開閉手段32による排出口31の開閉操作、及び、電動モータ40の作動によるシュート33の旋回操作は、搭乗運転部7に装備された穀粒排出操作部62の第1スイッチ63や第2スイッチ64の操作、又は、支柱29や油圧シリンダ56を隠す後部パネル65に保持されたコントローラ66の第1スイッチ67や第2スイッチ68の操作に基づくマイクロコンピュータからなる制御装置69の制御作動で行えるようになっている。
【0049】
各第1スイッチ63,67は十字操作式で中立復帰形のものであり、各第2スイッチ64,68は2位置切り換え式のものであり、制御装置69は、各第1スイッチ63,67からの上昇指令、下降指令、又は停止指令に基づいて、油圧シリンダ56に対する作動油の流動状態を切り換える電磁制御弁70の作動を制御することで、昇降手段30の作動による穀粒タンク6の昇降操作を行い、各第1スイッチ63,67からの左旋回指令、右旋回指令、又は停止指令に基づいて、電動モータ40の作動を制御することで、シュート33の旋回操作を行い、各第2スイッチ64,68からの開放指令又は閉塞指令に基づいて、電動モータ34の作動を制御することで、開閉手段32による排出口31の開閉操作を行うように構成されている。
【0050】
つまり、穀粒排出操作部62又はコントローラ66の第1スイッチ63,67や第2スイッチ64,68を操作することで、穀粒タンク6を貯留位置から排出位置まで上昇させ、シュート33を格納位置から排出案内位置まで旋回させるとともに流下阻止姿勢から流下案内姿勢に切り換え、排出口31を開放させて、穀粒タンク6に貯留した穀粒を、その底部の排出口31からシュート33を介してトラックの荷台などに自然流下排出させる穀粒排出作業状態と、排出口31を閉塞し、シュート33を排出案内位置から格納位置まで旋回させるとともに流下案内姿勢から流下阻止姿勢に切り換え、穀粒タンク6を排出位置から貯留位置まで下降させて、1番バケットコンベヤ23によって供給される脱穀装置5からの穀粒を穀粒タンク6に貯留する収穫作業状態とに簡単に切り換えられるようになっている。
【0051】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)コンバインとしては、稲や麦などを収穫するように構成された普通形のものや自脱形のものであってもよい。
【0052】
(2)昇降手段30としては、索条55としてチェーンに代えてワイヤなどを採用して構成されたものや、油圧シリンダ56に代えてウィンチなどを採用して構成されたものであってもよく、又、油圧シリンダ56の伸縮作動で穀粒タンク6を直接的に昇降させるように構成されたものであってもよい。
【0053】
(3)シュート33としては、その案内上手側部分36に沿った案内下手側部分37の摺動で、案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って延出する延出姿勢と、案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて退避する退避姿勢とに姿勢切り換え可能に構成されたものであってもよい。
【0054】
(4)図22に示すように、シュート33を、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて起立した退避姿勢と、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って延出する状態に倒伏した延出姿勢とに切り換え可能に構成するとともに、その案内下手側部分37を起立付勢し、かつ、案内下手側部分37にかかる穀粒重量が設定値を越えるのに伴って、その重量による案内下手側部分37の倒伏を許容するように案内上手側部分36と案内下手側部分37とにわたって架設されたバネ72からなる付勢手段を備えて、開閉手段32により排出口31を開放して穀粒を排出させると、それに伴って増大するシュート33の案内下手側部分37にかかる穀粒重量で、付勢手段72による起立付勢に抗して、シュート33が、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って大きく延出する延出姿勢に切り換わり、開閉手段32により排出口31を閉塞して穀粒の排出を停止させると、それに伴ってシュート33の案内下手側部分37にかかる穀粒重量が減少し、付勢手段72による起立付勢で、シュート33が、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて起立退避して小さく纏まる退避姿勢に切り換わるように構成してもよい。
【0055】
尚、この構成におけるシュート33としては、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に構成されたものであってもよく、又、その延出姿勢と退避姿勢との切り換え操作のみで、前述した排出案内状態と格納状態とに切り換え可能に構成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】普通形コンバインの一部を破断した全体左側面図
【図2】穀粒タンクを貯留位置に位置させた状態を示す要部の右側面図
【図3】穀粒タンクを排出位置に位置させた状態を示す要部の右側面図
【図4】普通形コンバインの背面図
【図5】穀粒タンクを貯留位置に位置させた状態を示す普通形コンバインの背面図
【図6】穀粒タンクを排出位置に位置させた状態を示す普通形コンバインの背面図
【図7】普通形コンバインの要部の平面図
【図8】穀粒タンクの支持構造を示す要部の側面図
【図9】穀粒タンクを貯留位置に位置させた状態を示す要部の縦断側面図
【図10】穀粒タンクを排出位置に位置させた状態を示す要部の縦断側面図
【図11】開閉手段により排出口を開放した状態を示す要部の縦断背面図
【図12】開閉手段により排出口を閉塞した状態を示す要部の横断平面図
【図13】開閉手段により排出口を開放した状態を示す要部の横断平面図
【図14】シュートの格納状態を示す要部の横断平面図
【図15】シュートの排出案内状態を示す要部の横断平面図
【図16】シュートの格納状態を示す要部の側面図
【図17】シュートの排出案内状態を示す要部の背面図
【図18】開閉手段及びシュートの構成を示す要部の分解斜視図
【図19】(イ)支柱の連結状態を示す要部の縦断側面図
(ロ)支柱の分割状態を示す要部の縦断側面図
【図20】穀粒排出操作部を示す搭乗運転部の正面図
【図21】穀粒排出用の制御構成を示すブロック図
【図22】シュートの別実施形態を示す要部の側面図
【符号の説明】
2 走行機体
5 脱穀装置
6 穀粒タンク
30 昇降手段
31 排出口
33 シュート
36 案内上手側部分
37 案内下手側部分
38 開口
39 フランジ
44 連動機構
72 付勢手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインの穀粒排出構造としては、穀粒タンクに貯留した穀粒をスクリュー式の穀粒排出装置で機外に排出する構造のものが一般的である。しかしながら、スクリュー式の穀粒排出装置は、スクリューで穀粒を強制的に押し込み搬送するものであり、又、スクリューとそれを外囲するケースとの間にクリアランスを有するものであることから、排出途中の穀粒が、スクリューとケースとの間に入り込み、擦り付けられて損傷する不都合を招き易くなっている。
【0003】
そこで近年では、スクリュー式の穀粒排出装置に代えて、穀粒タンクを貯留位置と排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備し、この昇降手段によって穀粒タンクを貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、穀粒タンクに貯留した穀粒を、その底部に形成した排出口から運搬車の荷台などに自然流下排出させることが考えられている。
【0004】
そして、そのようなコンバインの穀粒排出構造として、従来では、例えば特開平7−203757号公報で開示されているように、穀粒を排出する排出口とその排出口を開閉する扉体とを底部に備えた穀粒タンクを、昇降手段である前後の各支柱と揺動リンクとにわたって架設した油圧シリンダの作動で、脱穀装置からの穀粒を貯留する貯留位置と、その排出口を備えた底部を走行機体の横外側方に向けて延出させる排出位置とにわたって昇降揺動させるように構成したものがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術では、上述した貯留位置から排出位置への穀粒タンクの上昇揺動によって、穀粒タンクの底部に備えた排出口を、走行機体の横外側方に隣接させた運搬車の荷台などの上方に位置させることから、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなると、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇揺動させることができなくなる不都合を招くとともに、その高さ関係に気付かずに穀粒タンクを排出位置に向けて上昇揺動させることで、運搬車の荷台などに穀粒タンクの底部が接触してそれらを損傷させる不都合を招く虞がある。
【0006】
そこで、上記の不都合を回避する上において、穀粒タンクを、その機体横外側方への変位が阻止された状態で貯留位置と排出位置とにわたって昇降するように構成し、かつ、その底部に、排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、その案内下手側が機外に延出する排出案内位置と、その全体が機内に納められる格納位置とに旋回可能に装備することも考えられているが、この構成においては、穀粒タンクを貯留位置から排出位置まで上昇させた後にシュートを格納位置から排出案内位置に向けて旋回操作し、又、シュートを排出案内位置から格納位置に向けて旋回操作した後に穀粒タンクを排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなったとしても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクの底部やシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招く虞を回避できるものの、単に、シュートを上述した排出案内位置と格納位置とに旋回可能に構成するだけであることから、機体幅内に、排出案内位置では案内下手側が機外に延出する状態となる比較的長いシュートを格納するための比較的広い収納空間を確保する必要が生じる上に、そのシュートの長さに応じて穀粒タンクの貯留位置を比較的高い位置に設定する必要が生じるようになり、その結果、その収納空間によって穀粒タンクの大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を招くようになっていた。
【0007】
本発明の目的は、穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触する虞を回避しながら、かつ、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1に記載の発明では、走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造において、前記穀粒タンクの底部に、前記排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に、かつ、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って延出する延出姿勢と前記案内上手側部分に向けて退避した退避姿勢とに切り換え可能に装備し、前記シュートを、その前記格納位置から前記排出案内位置への旋回操作に連動して前記退避姿勢から前記延出姿勢に切り換え、かつ、前記排出案内位置から前記格納位置への旋回操作に連動して前記延出姿勢から前記退避姿勢に切り換える機械式の連動機構を設けた。
【0009】
〔作用〕
上記請求項1に記載の発明によると、シュートを格納位置から排出案内位置に向けて旋回駆動させると、シュートは、退避姿勢から延出姿勢に切り換わりながら格納位置から排出案内位置に向けて旋回するようになり、排出案内位置に到達した際には、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方に向けて大きく延出するようになる。逆に、シュートを排出案内位置から格納位置に向けて旋回駆動させると、シュートは、延出姿勢から退避姿勢に切り換わりながら排出案内位置から格納位置に向けて旋回するようになり、格納位置に到達した際には、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて退避して小さく纏まるようになる。
【0010】
つまり、穀粒タンクに貯留した穀粒を運搬車の荷台などに排出する穀粒排出作業を行う場合には、穀粒タンクを昇降手段の作動で貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、シュートを格納位置から排出案内位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなった場合であっても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方の運搬車の荷台などに向けて大きく延出する延出姿勢に切り換えることができて、穀粒タンクに貯留された穀粒を排出口から運搬車の荷台などに向けて自然流下排出させることができるようになる。
【0011】
そして、その穀粒排出作業後には、先ず、シュートを排出案内位置から格納位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて退避して小さく纏まる退避姿勢に切り換えることができ、その後、穀粒タンクを昇降手段の作動で排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、運搬車の荷台などが邪魔になって穀粒タンクを貯留位置に向けて下降させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、穀粒タンクを貯留位置まで下降させることができるようになる。
【0012】
しかも、延出姿勢では案内下手側が機外に延出する状態となる比較的長いシュートを、退避姿勢では、その案内下手側部分を案内上手側部分に向けて退避させて小さく纏めた状態にすることができるので、機体幅内にシュートを格納するための比較的広い収納空間を確保する必要がなく、又、そのシュートの長さに応じて穀粒タンクの貯留位置を比較的高い位置に設定する必要もないことから、その収納空間によって穀粒タンクの大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を未然に回避できるようになる。
【0013】
その上、機械式の連動機構による連係で、シュートの旋回駆動に連動してその姿勢切り換え操作が行われるようにしていることから、シュートの姿勢切り換え操作を行うための専用のアクチュエータを設ける場合に比較して製造コストの削減を図れるようになる。
【0014】
又、シュートの旋回操作と姿勢切り換え操作とを個別のアクチュエータで行う場合には、例えば、シュートを格納位置に位置させたままで退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュートを延出姿勢に切り換えたままで排出案内位置から格納位置まで旋回させる、といった操作を行ってしまうと、シュートをその周辺部に接触させて損傷させる不都合を招く虞があるが、上記請求項1に記載の発明では、機械式の連動機構によって上述したシュートの旋回駆動に連動したシュートの姿勢切り換え操作を行えるようにしたことによって、例えば、旋回用と姿勢切り換え用の各アクチュエータの作動を牽制する牽制機構や、それらの作動を制御する制御プログラムなどを設けなくても、シュートを格納位置に位置させたままで退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュートを延出姿勢のままで排出案内位置から格納位置に切り換える、といった操作そのものが行われることを阻止することができ、もって、シュートをその周辺部に接触させて損傷させる不都合を未然に回避できるようになる。
【0015】
〔効果〕
従って、穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、構成の簡素化や製造コストの削減を図りながら、かつ、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触して損傷する虞を未然に回避しながら、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようになった。
【0016】
〔構成〕
本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の発明において、前記シュートの上端に、前記排出口に連通する開口を形成するとともに、前記穀粒タンクに旋回可能に外囲支持されるフランジを備えた。
【0017】
〔作用〕
上記請求項2に記載の発明によると、穀粒タンク内に、その排出口及びシュートの開口を通ってシュートを旋回可能に支持する支軸などを設けることなく、シュートを穀粒タンクに旋回可能に支持させることができ、これによって、穀粒タンク内に支軸などを設けた場合に生じる、その支軸などによって穀粒タンクの穀粒貯留容量が低下する不都合や、支軸などが邪魔になって排出口からの穀粒の排出がスムーズに行われ難くなる不都合を未然に回避できるようになる。
【0018】
〔効果〕
従って、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や穀粒排出作業性の低下などを招くことなく、穀粒タンクの底部にシュートを旋回可能に装備できるようになった。
【0019】
〔構成〕
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項3に記載の発明では、走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造において、前記穀粒タンクの底部に、前記排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立した退避姿勢と前記案内上手側部分に沿って延出する状態に倒伏した延出姿勢とに切り換え可能に装備するとともに、前記案内下手側部分を起立付勢する付勢手段を備え、かつ、該付勢手段が、前記案内下手側部分にかかる穀粒重量が設定値を越えるのに伴って、その重量による前記案内下手側部分の倒伏を許容するように構成した。
【0020】
〔作用〕
上記請求項3に記載の発明によると、排出口から穀粒を排出させると、シュートの案内下手側部分にかかる穀粒重量が増大し、その穀粒重量が設定値を越えると、付勢手段による起立付勢に抗してシュートの案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方に向けて大きく延出するようになる。逆に、排出口からの穀粒の排出を停止させる、又は、排出口から排出される穀粒がなくなると、付勢手段による起立付勢でシュートの案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立して小さく纏まるようになる。
【0021】
つまり、穀粒タンクに貯留した穀粒を運搬車の荷台などに排出する穀粒排出作業を行う場合には、穀粒タンクを昇降手段の作動で貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、排出口から穀粒を排出させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンクに対する荷台などの高さ位置が高くなった場合であっても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンクを排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って機体外方の運搬車の荷台などに向けて大きく延出する延出姿勢に切り換えることができて、排出口から排出された穀粒を運搬車の荷台などに向けて自然流下排出させることができるようになる。
【0022】
そして、その穀粒排出作業後には、シュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立して小さく纏まる退避姿勢に切り換えることができ、その後、穀粒タンクを昇降手段の作動で排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、運搬車の荷台などが邪魔になって穀粒タンクを貯留位置に向けて下降させることができなくなる、あるいは、穀粒タンクやシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、穀粒タンクを貯留位置まで下降させることができるようになる。
【0023】
しかも、延出姿勢では案内下手側が機外に延出する状態となる比較的長いシュートを、退避姿勢では、その案内下手側部分を案内上手側部分に向けて退避させて小さく纏めた状態にすることができるので、機体幅内にシュートを格納するための比較的広い収納空間を確保する必要がなく、又、そのシュートの長さに応じて穀粒タンクの貯留位置を比較的高い位置に設定する必要もないことから、その収納空間によって穀粒タンクの大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を未然に回避できるようになる。
【0024】
その上、シュートを起立付勢する付勢手段と排出口から排出される穀粒の重量との関係で、シュートの姿勢切り換え操作が行われるようにしていることから、シュートの姿勢切り換え操作を行うための専用のアクチュエータを設ける場合に比較して製造コストの削減を図れるようになる。
【0025】
又、シュートの姿勢切り換え操作をアクチュエータの作動で行う場合には、例えば、穀粒タンクを貯留位置に位置させたままでシュートを退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュートを延出姿勢に切り換えたままで穀粒タンクを排出位置から貯留位置まで下降させる、といった操作を行ってしまうと、シュートを運搬車の荷台などに接触させて損傷させる不都合を招く虞があるが、上記請求項3に記載の発明では、排出口から穀粒を排出させない限りシュートは付勢手段によって退避姿勢に維持されることから、上記の操作によってシュートが運搬車の荷台などに接触してそれらが損傷する不都合を未然に回避できるようになる。
【0026】
〔効果〕
従って、穀粒タンクに貯留した穀粒の運搬車の荷台などへの自然流下排出を、構成の簡素化や製造コストの削減を図りながら、かつ、穀粒タンクやその底部に備えたシュートが運搬車の荷台などに接触して損傷する虞を未然に回避しながら、穀粒タンクにおける穀粒貯留容量の低下や機体の安定性の低下を招くことなく行えるようになった。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1には、コンバインの一例として豆類を収穫する普通形コンバインの一部を破断した全体左側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1の駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送部3を、油圧シリンダ4の作動による昇降揺動操作が可能となるように装備し、刈取搬送部3からの刈取穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、この脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置5と、この脱穀装置5からの穀粒を貯留する穀粒タンク6とを走行機体2に搭載し、走行機体2における穀粒タンク6の前方箇所に搭乗運転部7を形成するとともにエンジン8などを搭載して構成されている。
【0028】
刈取搬送部3は、その前端部に備えた分草具9で分草した植立穀稈を、その株元側を円盤形のカッター10で切断するとともにベルト式の搬送装置11にて後方に向けて搬送し、その搬送装置11からの刈取穀稈をオーガ12にて左右方向の所定箇所に寄せ集めながら後方に送り出し、オーガ12の所定箇所から後方に送り出された刈取穀稈を供給コンベヤ13にて後方の脱穀装置5に向けて搬送するように構成されている。尚、図1に示す符号14は、圃場面の凹凸に追従してカッター10などを所望の対地高さに維持するゲージ輪である。
【0029】
脱穀装置5は、ビータ15を介して供給された供給コンベヤ13からの刈取穀稈を搬送ベルト16により後方に向けて搬送し、その搬送ベルト16からの刈取穀稈に対して脱穀ロータ17による脱穀処理を施し、その脱穀処理後の処理物に対して揺動選別装置18による篩い選別処理を施すとともに唐箕19からの選別風による風力選別処理を施し、選別ベルト20で搬送されずに1番回収部21に流下した穀粒を1番スクリュー22により搬送して、脱穀装置5と穀粒タンク6との間に立設された1番バケットコンベヤ23に供給し、2番回収部24に供給された穀粒と塵埃との混在物を2番スクリュー25により搬送して、脱穀装置5と穀粒タンク6との間に立設された2番バケットコンベヤ26に供給し、1番回収部21及び2番回収部24に回収されなかった塵埃を排稈口27から機外に排出するように構成されている。
【0030】
図1〜7に示すように、1番バケットコンベヤ23は、1番スクリュー22によって搬送された穀粒を穀粒タンク6の上端部に装備した受入部28に向けて揚送し、その受入部28から穀粒タンク6内に供給するように構成され、2番バケットコンベヤ26は、2番スクリュー25によって搬送された混在物を揚送して揺動選別装置18に還元するように構成されている。
【0031】
図2〜11に示すように、穀粒タンク6は、走行機体2の右後端部に立設された支柱29に、昇降手段30による下位の貯留位置と上位の排出位置とにわたる昇降操作が可能な状態に片持ち支持されており、下位の貯留位置では、その受入部28が1番バケットコンベヤ23に接続され、脱穀装置5からの穀粒を貯留することが可能となり、上位の排出位置では、貯留した穀粒をその底部の右端に形成した排出口31から自然流下排出することが可能となっている。
【0032】
つまり、穀粒タンク6を支柱29に昇降操作が可能な状態に片持ち支持させたことで、例えば前後の支柱で穀粒タンク6を昇降操作が可能な状態に両持ち支持する場合に比較して、穀粒タンク6を昇降可能に支持するための頑丈で背の高い大掛かりなものとなって穀粒タンク6の大きさを制約する支柱29の本数を削減することができるようになり、その結果、穀粒タンク支持構造の簡素化を図りながら、穀粒タンク6の大きさを大きくすることができて、穀粒タンク6における穀粒貯留容量の増大を図れるようになっている。
【0033】
しかも、その支柱29を走行機体2の後端部に立設したことで、走行機体2における穀粒タンク6の前方箇所に搭載されたエンジン8や図外の変速装置などに対する後方からのメンテナンス、並びに、そのエンジン8からの動力を脱穀装置5の唐箕19などに伝達する伝動系71や、脱穀装置5と穀粒タンク6との間に立設された1番バケットコンベヤ23及び2番バケットコンベヤ26などに対するメンテナンスが行い易くなり、又、搭乗運転部7の直後方には支柱29が立設されないことから、搭乗運転部7からの視界を広くすることができて作業が行い易くなり、その上、支柱29が、走行機体2の前部に連結される刈取搬送部3に対するバランスウェイトとして有効に機能するようになることから、走行機体2の後部に装備するバランスウェイトとして小型で軽量のものを採用できるようになっている。
【0034】
図2〜18に示すように、穀粒タンク6の下部には、排出口31を開閉する開閉手段32と、排出口31から排出された穀粒を流下案内するシュート33とが装備され、開閉手段32は、電動モータ34の作動によるシャッター35のスライド操作で排出口31を開閉するように構成され、シュート33は、案内上手側部分36と案内下手側部分37とから、その向きが右向きになる排出案内位置と前向きになる格納位置とにわたって旋回可能に、かつ、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿うように倒伏して延出する延出姿勢と案内上手側部分36に向けて起立して退避する退避姿勢とに屈伸可能に構成されている。
【0035】
案内上手側部分36の上端には、排出口31に連通する開口38が形成されるとともに、穀粒タンク6に旋回可能に外囲支持されるフランジ39が備えられ、このフランジ39が、電動モータ40の作動で正逆転駆動されるピニオンギア41に噛合する従動ギアに兼用されている。この構成から、穀粒タンク6内に、その排出口31及びシュート33の開口38を通ってシュート33を旋回可能に支持する支軸などを設けることなく、シュート33を穀粒タンク6に旋回駆動可能に支持させることができ、これによって、穀粒タンク6内に支軸などを設けた場合に生じる、その支軸などによって穀粒タンク6の穀粒貯留容量が低下する不都合や、支軸などが邪魔になって排出口31からの穀粒の排出がスムーズに行われ難くなる不都合を未然に回避できるようになっている。
【0036】
案内下手側部分37は、その案内上手側底部が案内上手側部分36の案内下手側底部に横向きの支軸42を介して連結され、又、その案内上手側右上部と穀粒タンク6における排出口31の右後方箇所に垂下装備された支持アーム43とにわたって、シュート33の排出案内位置から格納位置への旋回操作に伴って案内下手側部分37を起立付勢し、シュート33の格納位置から排出案内位置への旋回操作に伴って案内下手側部分37の自重による倒伏を許容するバネ44が架設されており、このバネ44によって、シュート33の格納位置から排出案内位置への旋回駆動操作に連動してシュート33を退避姿勢から延出姿勢に切り換え、かつ、シュート33の排出案内位置から格納位置への旋回駆動操作に連動してシュート33を延出姿勢から退避姿勢に切り換える機械式の連動機構が構成されている。
【0037】
つまり、単一の電動モータ40の作動によるピニオンギア41の正逆転駆動によって、シュート33を延出姿勢に切り換えた状態で排出案内位置に位置させる排出案内状態と、退避姿勢に切り換えた状態で格納位置に位置させる格納状態とに切り換えられるようになっている。
【0038】
この構成から、穀粒タンク6に貯留した穀粒を例えば図外のトラックの荷台などに排出する穀粒排出作業を行う場合には、穀粒タンク6を昇降手段30の作動で貯留位置から排出位置まで上昇させた後に、シュート33を格納位置から排出案内位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、作業地の状況などによって穀粒タンク6に対するトラックの荷台などの高さ位置が高くなった場合であっても、その荷台などが邪魔になって穀粒タンク6を排出位置に向けて上昇させることができなくなる、あるいは、穀粒タンク6やシュート33がトラックの荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、シュート33を、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿う状態に倒伏して走行機体2の右外側方に位置するトラックの荷台などに向けて大きく延出する延出姿勢に切り換えることができ、その結果、開閉手段32による排出口31の開放とともに穀粒タンク6に貯留された穀粒を排出口31からトラックの荷台などに向けて自然流下排出させることができて、穀粒タンク6に貯留した穀粒をスクリューで強制的に押し込み搬送するスクリュー式の穀粒排出装置を装備した場合に招き易くなる、排出途中の穀粒が、スクリューとそのケースとの間に入り込み擦り付けられて損傷する不都合を回避できるようになっている。
【0039】
その穀粒排出作業後には、開閉手段32により排出口31を閉塞した後に、シュート33を排出案内位置から格納位置に向けて旋回駆動させるようにすれば、シュート33を、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて起立退避して小さく纏まった退避姿勢に切り換えることができ、その後、穀粒タンク6を昇降手段30の作動で排出位置から貯留位置まで下降させるようにすれば、トラックの荷台などが邪魔になって穀粒タンク6を貯留位置に向けて下降させることができなくなる、あるいは、穀粒タンク6やシュート33がトラックの荷台などに接触してそれらが損傷する、といった不都合を招くことなく、穀粒タンク6を貯留位置まで下降させることができるようになっている。
【0040】
そして、上述したように、延出姿勢では案内下手側部分37が走行機体2の右外側方に向けて延出する状態となる比較的長いシュート33を、退避姿勢では、その案内下手側部分37を案内上手側部分36に向けて起立退避させて小さく纏めたコンパクトな状態にすることができ、これによって、機体幅内にシュート33を格納するための比較的広い収納空間を確保する必要がなく、又、そのシュート33の長さに応じて穀粒タンク6の貯留位置を比較的高い位置に設定する必要もないことから、その収納空間によって穀粒タンク6の大きさが制約されて穀粒貯留容量が低下する不都合や、コンバイン全体としての重心位置が高くなって機体の安定性に悪影響を及ぼす不都合を未然に回避できるようになっている。
【0041】
その上、機械式の連動機構44による連係で、シュート33の旋回駆動に連動してシュート33の姿勢切り換え操作が行われるようにしていることから、シュート33の姿勢切り換え操作を行うための専用のアクチュエータを設ける場合に比較して製造コストの削減を図れるようになり、又、シュート33の旋回操作と姿勢切り換え操作とを個別のアクチュエータで行う場合に生じる虞のある、例えば、シュート33を格納位置に位置させたままで退避姿勢から延出姿勢に切り換える、あるいは、シュート33を延出姿勢に切り換えたままで排出案内位置から格納位置まで旋回させる、といった操作手順の誤りによる、シュート33をその周辺部の例えば搭乗運転部7などに接触させて損傷させる不都合を、例えば、旋回用と姿勢切り換え用の各アクチュエータの作動を牽制する牽制機構や、それらの作動を制御する制御プログラムなどを設けなくても、未然に回避できるようになっている。
【0042】
図2〜10及び図19に示すように、支柱29は、走行機体2に立設固定された下部支柱45と、その上端に着脱可能に連結される上部支柱46とから上下方向に2分割可能に構成され、下部支柱45は、長尺で断面視C形のみぞ形鋼からなる左右一対の下部支柱部材47の上下中間部同士にわたって横向きフレーム48を、又、それらの上端部同士にわたって連結フレーム49をそれぞれ架設することで構成され、上部支柱46は、短尺で断面視C形のみぞ形鋼からなる左右一対の上部支柱部材50の上端部同士にわたって横向きフレーム51を、又、それらの下端部同士にわたって連結フレーム52をそれぞれ架設することで構成され、連結フレーム49,52などが着脱可能にボルト連結されるようになっている。
【0043】
このように支柱29を上下方向に2分割可能に構成したことで、下部支柱45と上部支柱46とのボルト連結を解除して下部支柱45から上部支柱46を取り外すようにすれば、支柱29とともにコンバイン全体としての高さを低くすることができ、これによって、移動走行時や運搬車などで輸送する際に支柱29が他物に接触する虞を招き難くすることができるとともに、このコンバインを比較的に高さの低い納屋や運搬車の荷室などに格納することができるようになっている。
【0044】
昇降手段30は、ボルト連結によって穀粒タンク6が着脱可能に載置固定される支持枠53の後端部左右に、左右の対応する下部支柱部材47及び上部支柱部材50によって案内される上下一対のローラ54を配備し、左右の下部支柱部材47の間に立設固定した油圧シリンダ56のシリンダチューブ56Aと支持枠53とにわたって索条55としてのチェーンを掛け渡し、油圧シリンダ56におけるピストンロッド56Bの先端に、油圧シリンダ56の伸縮作動に伴ってチェーン55を案内するスプロケット58を配備し、油圧シリンダ56の伸縮作動によるチェーン55を介した引張力で穀粒タンク6を昇降させるように構成されている。
【0045】
図2、図3及び図8に示すように、走行機体2における搭乗運転部7の直後方箇所には、穀粒タンク6を貯留位置まで下降させた際に、穀粒タンク6における支柱29による支持側と反対側の端部である前端部を受け止め支持する支持フレーム59が立設されており、この構成から、穀粒タンク6が貯留位置に位置する走行時には、支柱29と支持フレーム59との両持ちによる安定した状態で穀粒タンク6を支持することができ、これによって、穀粒タンク6が貯留位置に位置する走行時においても穀粒タンク6を支柱29のみで片持ち支持する場合に生じる虞のある、穀粒の貯留で重量が増加した穀粒タンク6が走行時の振動で揺れ動くことに起因した支柱29の変形などを未然に回避できるようになっている。
【0046】
図2及び図5に示すように、走行機体2の右側端部における搭乗運転部7の後方箇所には、走行機体2と貯留位置に位置させた穀粒タンク6の右側壁との間に形成される空間、及び、それらの間に位置するシュート33や支持フレーム59などを隠す化粧パネル60が着脱可能に立設されている。
【0047】
図2〜6、図8及び図9に示すように、走行機体2の右後端部には、走行機体2と貯留位置に位置させた穀粒タンク6との間に形成される機体後部側の空間を有効利用して燃料タンク61が配備されている。
【0048】
図2〜17、図20及び図21に示すように、昇降手段30の作動による穀粒タンク6の昇降操作、開閉手段32による排出口31の開閉操作、及び、電動モータ40の作動によるシュート33の旋回操作は、搭乗運転部7に装備された穀粒排出操作部62の第1スイッチ63や第2スイッチ64の操作、又は、支柱29や油圧シリンダ56を隠す後部パネル65に保持されたコントローラ66の第1スイッチ67や第2スイッチ68の操作に基づくマイクロコンピュータからなる制御装置69の制御作動で行えるようになっている。
【0049】
各第1スイッチ63,67は十字操作式で中立復帰形のものであり、各第2スイッチ64,68は2位置切り換え式のものであり、制御装置69は、各第1スイッチ63,67からの上昇指令、下降指令、又は停止指令に基づいて、油圧シリンダ56に対する作動油の流動状態を切り換える電磁制御弁70の作動を制御することで、昇降手段30の作動による穀粒タンク6の昇降操作を行い、各第1スイッチ63,67からの左旋回指令、右旋回指令、又は停止指令に基づいて、電動モータ40の作動を制御することで、シュート33の旋回操作を行い、各第2スイッチ64,68からの開放指令又は閉塞指令に基づいて、電動モータ34の作動を制御することで、開閉手段32による排出口31の開閉操作を行うように構成されている。
【0050】
つまり、穀粒排出操作部62又はコントローラ66の第1スイッチ63,67や第2スイッチ64,68を操作することで、穀粒タンク6を貯留位置から排出位置まで上昇させ、シュート33を格納位置から排出案内位置まで旋回させるとともに流下阻止姿勢から流下案内姿勢に切り換え、排出口31を開放させて、穀粒タンク6に貯留した穀粒を、その底部の排出口31からシュート33を介してトラックの荷台などに自然流下排出させる穀粒排出作業状態と、排出口31を閉塞し、シュート33を排出案内位置から格納位置まで旋回させるとともに流下案内姿勢から流下阻止姿勢に切り換え、穀粒タンク6を排出位置から貯留位置まで下降させて、1番バケットコンベヤ23によって供給される脱穀装置5からの穀粒を穀粒タンク6に貯留する収穫作業状態とに簡単に切り換えられるようになっている。
【0051】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)コンバインとしては、稲や麦などを収穫するように構成された普通形のものや自脱形のものであってもよい。
【0052】
(2)昇降手段30としては、索条55としてチェーンに代えてワイヤなどを採用して構成されたものや、油圧シリンダ56に代えてウィンチなどを採用して構成されたものであってもよく、又、油圧シリンダ56の伸縮作動で穀粒タンク6を直接的に昇降させるように構成されたものであってもよい。
【0053】
(3)シュート33としては、その案内上手側部分36に沿った案内下手側部分37の摺動で、案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って延出する延出姿勢と、案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて退避する退避姿勢とに姿勢切り換え可能に構成されたものであってもよい。
【0054】
(4)図22に示すように、シュート33を、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて起立した退避姿勢と、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って延出する状態に倒伏した延出姿勢とに切り換え可能に構成するとともに、その案内下手側部分37を起立付勢し、かつ、案内下手側部分37にかかる穀粒重量が設定値を越えるのに伴って、その重量による案内下手側部分37の倒伏を許容するように案内上手側部分36と案内下手側部分37とにわたって架設されたバネ72からなる付勢手段を備えて、開閉手段32により排出口31を開放して穀粒を排出させると、それに伴って増大するシュート33の案内下手側部分37にかかる穀粒重量で、付勢手段72による起立付勢に抗して、シュート33が、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に沿って大きく延出する延出姿勢に切り換わり、開閉手段32により排出口31を閉塞して穀粒の排出を停止させると、それに伴ってシュート33の案内下手側部分37にかかる穀粒重量が減少し、付勢手段72による起立付勢で、シュート33が、その案内下手側部分37が案内上手側部分36に向けて起立退避して小さく纏まる退避姿勢に切り換わるように構成してもよい。
【0055】
尚、この構成におけるシュート33としては、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に構成されたものであってもよく、又、その延出姿勢と退避姿勢との切り換え操作のみで、前述した排出案内状態と格納状態とに切り換え可能に構成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】普通形コンバインの一部を破断した全体左側面図
【図2】穀粒タンクを貯留位置に位置させた状態を示す要部の右側面図
【図3】穀粒タンクを排出位置に位置させた状態を示す要部の右側面図
【図4】普通形コンバインの背面図
【図5】穀粒タンクを貯留位置に位置させた状態を示す普通形コンバインの背面図
【図6】穀粒タンクを排出位置に位置させた状態を示す普通形コンバインの背面図
【図7】普通形コンバインの要部の平面図
【図8】穀粒タンクの支持構造を示す要部の側面図
【図9】穀粒タンクを貯留位置に位置させた状態を示す要部の縦断側面図
【図10】穀粒タンクを排出位置に位置させた状態を示す要部の縦断側面図
【図11】開閉手段により排出口を開放した状態を示す要部の縦断背面図
【図12】開閉手段により排出口を閉塞した状態を示す要部の横断平面図
【図13】開閉手段により排出口を開放した状態を示す要部の横断平面図
【図14】シュートの格納状態を示す要部の横断平面図
【図15】シュートの排出案内状態を示す要部の横断平面図
【図16】シュートの格納状態を示す要部の側面図
【図17】シュートの排出案内状態を示す要部の背面図
【図18】開閉手段及びシュートの構成を示す要部の分解斜視図
【図19】(イ)支柱の連結状態を示す要部の縦断側面図
(ロ)支柱の分割状態を示す要部の縦断側面図
【図20】穀粒排出操作部を示す搭乗運転部の正面図
【図21】穀粒排出用の制御構成を示すブロック図
【図22】シュートの別実施形態を示す要部の側面図
【符号の説明】
2 走行機体
5 脱穀装置
6 穀粒タンク
30 昇降手段
31 排出口
33 シュート
36 案内上手側部分
37 案内下手側部分
38 開口
39 フランジ
44 連動機構
72 付勢手段
Claims (3)
- 走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造であって、
前記穀粒タンクの底部に、前記排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、排出案内位置と格納位置とにわたって旋回駆動可能に、かつ、その案内下手側部分が案内上手側部分に沿って延出する延出姿勢と前記案内上手側部分に向けて退避した退避姿勢とに切り換え可能に装備し、前記シュートを、その前記格納位置から前記排出案内位置への旋回操作に連動して前記退避姿勢から前記延出姿勢に切り換え、かつ、前記排出案内位置から前記格納位置への旋回操作に連動して前記延出姿勢から前記退避姿勢に切り換える機械式の連動機構を設けてあるコンバインの穀粒排出構造。 - 前記シュートの上端に、前記排出口に連通する開口を形成するとともに、前記穀粒タンクに旋回可能に外囲支持されるフランジを備えてある請求項1に記載のコンバインの穀粒排出構造。
- 走行機体に搭載した穀粒タンクを、脱穀装置からの穀粒を貯留する下位の貯留位置と、前記穀粒タンク内の穀粒をその底部の排出口から排出する上位の排出位置とにわたって昇降させる昇降手段を装備してあるコンバインの穀粒排出構造であって、
前記穀粒タンクの底部に、前記排出口から排出された穀粒を流下案内するシュートを、その案内下手側部分が案内上手側部分に向けて起立した退避姿勢と前記案内上手側部分に沿って延出する状態に倒伏した延出姿勢とに切り換え可能に装備するとともに、前記案内下手側部分を起立付勢する付勢手段を備え、かつ、該付勢手段が、前記案内下手側部分にかかる穀粒重量が設定値を越えるのに伴って、その重量による前記案内下手側部分の倒伏を許容するように構成してあるコンバインの穀粒排出構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208746A JP2004049056A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | コンバインの穀粒排出構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208746A JP2004049056A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | コンバインの穀粒排出構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004049056A true JP2004049056A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31932806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002208746A Pending JP2004049056A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | コンバインの穀粒排出構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004049056A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8265109B2 (en) | 2002-05-07 | 2012-09-11 | Cymer, Inc. | Systems and methods for implementing an interaction between a laser shaped as line beam and a film deposited on a substrate |
WO2013132938A1 (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 株式会社クボタ | コンバイン |
JP2014018104A (ja) * | 2012-07-13 | 2014-02-03 | Kubota Corp | コンバイン |
-
2002
- 2002-07-17 JP JP2002208746A patent/JP2004049056A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8265109B2 (en) | 2002-05-07 | 2012-09-11 | Cymer, Inc. | Systems and methods for implementing an interaction between a laser shaped as line beam and a film deposited on a substrate |
WO2013132938A1 (ja) * | 2012-03-09 | 2013-09-12 | 株式会社クボタ | コンバイン |
CN104219947A (zh) * | 2012-03-09 | 2014-12-17 | 株式会社久保田 | 联合收割机 |
CN108925250A (zh) * | 2012-03-09 | 2018-12-04 | 株式会社久保田 | 联合收割机 |
JP2014018104A (ja) * | 2012-07-13 | 2014-02-03 | Kubota Corp | コンバイン |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20110076898A (ko) | 콤바인 | |
JP2013192474A (ja) | コンバイン | |
EP3174756A1 (en) | Apparatus for discharge of bulk materials | |
CN101658094B (zh) | 联合收割机 | |
JP2004049056A (ja) | コンバインの穀粒排出構造 | |
JP5022163B2 (ja) | コンバイン | |
KR102018461B1 (ko) | 콤바인의 배기 구조 | |
CN203575156U (zh) | 联合收割机 | |
CN108925250B (zh) | 联合收割机 | |
CN102217457B (zh) | 联合收割机以及作业机的姿态控制装置 | |
JP2004049055A (ja) | 作業機の落下防止構造 | |
JP5302030B2 (ja) | コンバイン | |
JP2004049054A (ja) | コンバインの穀粒排出構造 | |
JP2004049057A (ja) | コンバインの穀粒タンク支持構造 | |
CN103826433B (zh) | 行驶车辆 | |
JP2012170333A (ja) | コンバインの穀粒搬出装置 | |
JP4313275B2 (ja) | コンバインの昇降機収納装置 | |
JP2005034051A (ja) | コンバインの刈取り部昇降構造 | |
JP5048402B2 (ja) | 自脱型コンバイン | |
CN204681896U (zh) | 联合收割机 | |
WO2019003831A1 (ja) | 収穫機 | |
JP2013183717A (ja) | コンバイン | |
JP2007061016A (ja) | コンバイン | |
JP3336675B2 (ja) | コンバインの穀粒貯留装置 | |
JP2001161157A (ja) | コンバイン |