JP2013192474A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】穀粒搬出装置の点検及び修理などの作業や穀粒排出先に対する位置合わせを行ない易くする。
【解決手段】穀粒タンク20に下端部が連通した走行機体上下向きの縦搬出部72及び縦搬出部72の上端部から延出する横搬出部73を備えた穀粒搬出装置71によって、穀粒タンク20から脱穀粒を搬出するように構成してある。横搬出部73を走行機体内側に位置した格納位置と走行機体外側に突出した搬出位置とに切り換え自在に構成してある。縦搬出部72を、穀粒タンク20の走行機体前方側の運転部後側箇所に配置してある。
【選択図】図1
【解決手段】穀粒タンク20に下端部が連通した走行機体上下向きの縦搬出部72及び縦搬出部72の上端部から延出する横搬出部73を備えた穀粒搬出装置71によって、穀粒タンク20から脱穀粒を搬出するように構成してある。横搬出部73を走行機体内側に位置した格納位置と走行機体外側に突出した搬出位置とに切り換え自在に構成してある。縦搬出部72を、穀粒タンク20の走行機体前方側の運転部後側箇所に配置してある。
【選択図】図1
Description
本発明は、運転部が機体前部に位置する走行機体を備え、脱穀粒を貯留する穀粒タンクを、貯留姿勢と前記貯留姿勢から揺動上昇した排出姿勢とに昇降軸芯まわりに揺動昇降自在に支持し、前記穀粒タンクに下端部が連通した走行機体上下向きの縦搬出部及び前記縦搬出部の上端部から延出する横搬出部を備えた穀粒搬出装置によって、前記穀粒タンクから脱穀粒を搬出するように構成し、前記横搬出部を走行機体内側に位置した格納位置と走行機体外側に突出した搬出位置とに切り換え自在に構成したコンバインに関する。
従来、たとえば特許文献1に記載されたコンバインがあった。
特許文献1に記載されたコンバインでは、穀粒タンクがタンク底部に設けた横螺旋回りの回動によって機体外側方に向けて傾斜自在に支持されている。タンク底部に設けた横螺旋、横螺旋の排出端に連結された状態で穀粒タンクの後方側に位置する縦螺旋(縦搬出部に相当)、及び縦螺旋の上端部に連結された穀粒排出筒(横搬出部に相当)によって、穀粒タンクから穀粒を搬出するように構成されている。穀粒排出筒は、穀粒タンクの上方に位置した格納位置と機体外側に延出した排出位置とに回動切り換えするよう構成されている。
特許文献1に記載されたコンバインでは、穀粒タンクがタンク底部に設けた横螺旋回りの回動によって機体外側方に向けて傾斜自在に支持されている。タンク底部に設けた横螺旋、横螺旋の排出端に連結された状態で穀粒タンクの後方側に位置する縦螺旋(縦搬出部に相当)、及び縦螺旋の上端部に連結された穀粒排出筒(横搬出部に相当)によって、穀粒タンクから穀粒を搬出するように構成されている。穀粒排出筒は、穀粒タンクの上方に位置した格納位置と機体外側に延出した排出位置とに回動切り換えするよう構成されている。
従来の技術を適用することによって穀粒搬出装置を設けた場合、縦搬出部が穀粒タンクに対して運転部が位置する側とは反対側に位置することにより、そして縦搬出部の上部や横搬出部は地面から高い箇所に位置することにより、穀粒搬出装置に対する点検や修理などの作業を行ない難くなっていた。また、特別な作業台を準備せねばならない煩わしさがあった。また、横搬出部の先端部に位置する吐出筒が運転部から遠く離れた箇所に位置しがちとなり、吐出筒を運搬車荷台などの排出先に位置合わせし難くなっていた。
殊に、穀粒タンクを貯留姿勢と貯留姿勢から揺動上昇した排出姿勢とに揺動昇降自在に支持したコンバインにあっては、脱穀装置の上方スペースを利用して穀粒タンクを配備するなどにより、穀粒搬出装置の配置高さが高くなりがちとなり、上記した問題が発生しがちであった。
殊に、穀粒タンクを貯留姿勢と貯留姿勢から揺動上昇した排出姿勢とに揺動昇降自在に支持したコンバインにあっては、脱穀装置の上方スペースを利用して穀粒タンクを配備するなどにより、穀粒搬出装置の配置高さが高くなりがちとなり、上記した問題が発生しがちであった。
本発明の目的は、穀粒搬出装置の点検及び修理などの作業や穀粒排出先に対する位置合わせを行ない易いコンバインを提供することにある。
本第1発明は、運転部が機体前部に位置する走行機体を備え、脱穀粒を貯留する穀粒タンクを、貯留姿勢と前記貯留姿勢から揺動上昇した排出姿勢とに昇降軸芯まわりに揺動昇降自在に支持し、前記穀粒タンクに下端部が連通した走行機体上下向きの縦搬出部及び前記縦搬出部の上端部から延出する横搬出部を備えた穀粒搬出装置によって、前記穀粒タンクから脱穀粒を搬出するように構成し、前記横搬出部を走行機体内側に位置した格納位置と走行機体外側に突出した搬出位置とに切り換え自在に構成したコンバインにおいて、
前記縦搬出部を、前記穀粒タンクの走行機体前方側の運転部後側箇所に配置してある。
前記縦搬出部を、前記穀粒タンクの走行機体前方側の運転部後側箇所に配置してある。
本第1発明の構成によると、縦搬送部や横搬送部の基端側が運転部の近くに位置し、穀粒搬出装置の点検や修理などの作業を行うのに、特別な作業台を使用せずとも、運転部や運転部に付属のステップから近づいて容易に作業できる。また、穀粒搬出を行なうのに、横搬出部の先端部を運転部から見通し易くて横搬出部の吐出箇所を排出箇所に位置合わせし易い。
従って、本第1発明によると、穀粒搬出装置の点検や修理などの作業を行なうのに、特別な作業台を準備せずとも容易に能率よく作業できる。穀粒搬出を行なうのに、排出先に対する横搬出部の位置合わせを容易に行なって能率よくできる。
本第2発明は、前記横搬出部の前記格納位置での走行機体外方側端と前記穀粒タンクの前記貯留姿勢での走行機体外方側端とが同じ又はほぼ同じ走行機体内外方向位置に位置するように、前記格納位置を設定してある。
本第2発明の構成によると、横搬出部を穀粒タンクの走行機体外側寄りの箇所で格納しておき、格納位置から搬出位置に迅速に移動させることができる。
従って、本第2発明によると、穀粒搬出を行なうのに、横搬出部を搬出位置に迅速に移動させて能率よく行うことができる。
本第3発明は、前記縦搬出部が前記走行機体の外方側端部に位置するように、前記穀粒搬出装置を配備してある。
本第3発明の構成によると、縦搬出部を走行機体の外側寄り箇所に位置させて、縦搬出部の点検や清掃などの作業を走行機体の外側から行い易い。
従って、本第3発明によると、縦搬出部の点検や清掃などの作業を行なうのに、走行機体の外側から行い易くて能率よくできる。
本第4発明は、前記穀粒タンクの上部に、前記格納位置での前記横搬出部が入り込む凹入部を設けてある。
本第4発明の構成によると、穀粒タンクのタンク容量が大になるように穀粒タンクの上下長さを大にしても、横搬出部を凹入部に入り込ませて、横搬出部のために地上高さが高くなることを防止しながら横搬出部を格納できる。
従って、本第4発明によると、横搬出部を穀粒タンクの上方に格納するものでありながら、穀粒タンクに多量の脱穀粒を貯留できるものを、横搬出部のために地上高さが高くなることを防止しながら得ることができる。
本第5発明は、前記凹入部を、前記穀粒タンクが前記貯留姿勢にある状態において走行機体上方向き及び走行機体外方向きに開口するよう形成してある。
本第5発明の構成によると、横搬出部を穀粒タンクに対して水平方向に移動させるだけで横搬出部が凹入部に対して出入りするようにでき、横搬出部の格納や取り出しを操作容易に行える。
従って、本第5発明によると、横搬出部を穀粒タンクの凹入部に格納するものでありながら、横搬出部の格納や取り出しを操作容易に行なって、穀粒搬出の作業や搬出終了後の収穫作業の再開を迅速に行なうことができる。
本第6発明は、前記穀粒タンクの前側壁における前記縦搬送部が位置する側の横端部に、機体後方側に凹入し、機体横外側向きに開口する前凹入部を設け、
前記横搬出部が前記搬出位置に位置し、前記穀粒タンクが前記排出姿勢に揺動した際、前記横搬出部が前記前凹入部に入り込むよう構成してある。
前記横搬出部が前記搬出位置に位置し、前記穀粒タンクが前記排出姿勢に揺動した際、前記横搬出部が前記前凹入部に入り込むよう構成してある。
本第6発明の構成によると、穀粒タンク及び縦搬出部を機体前後方向及び機体横方向に寄り合う状態で配備しても、かつ穀粒タンクの貯留姿勢から排出姿勢への揺動角を大にしても、搬出姿勢にした穀粒タンクと搬出位置に位置する横搬出部との干渉を、横搬出部の凹入部への入り込みよって防止できる。
従って、本第6発明によると、穀粒タンク及び縦搬出部が機体前後方向及び機体横方向に寄り合うコンパクトな状態で穀粒タンク及び穀粒搬出装置を配備して、コンパクトなコンバインを得ることができる。
穀粒タンクが貯留姿勢から排出姿勢に姿勢変化したときの穀粒タンクの揺動角が大となり、排出姿勢にした穀粒タンクにおける穀粒の排出移動を行い易くして穀粒搬出を迅速に行なえる。
穀粒タンクが貯留姿勢から排出姿勢に姿勢変化したときの穀粒タンクの揺動角が大となり、排出姿勢にした穀粒タンクにおける穀粒の排出移動を行い易くして穀粒搬出を迅速に行なえる。
本第7発明は、前記穀粒搬出装置にエンジンから動力伝達する伝動装置に、前記穀粒搬出装置の走行機体前方側の運転部後側箇所に配置した伝動部を設けてある。
本第7発明の構成によると、伝動装置における伝動部が穀粒搬出装置と運転部の間に位置することにより、伝動部の点検や修理などの作業を機体の横外側や上方から行い易い。
従って、本第7発明によると、伝動装置の点検や修理などの作業を行なうのに、伝動部に対する作業を容易に行なえて、全体としての能率が向上する。
本第8発明は、前記エンジンを前記伝動部の下方に配備してある。
本第8発明の構成によると、エンジンから伝動部への伝動距離が短いコンパクトな状態に伝動装置を構成することができる。
本第8発明によると、伝動装置をコンパクトに構成して、コンパクトなコンバインを得ることができる。
本第9発明は、前記穀粒タンクの底部に底排出スクリューを備える。
本第9発明の構成によると、縦搬出部が穀粒タンクの走行機体前方側に位置することにより、穀粒タンクの走行機体後方側に底排出スクリューを脱着するなどの作業スペースを設けながら、底排出スクリューを備えることができる。
本第9発明によると、底排出スクリューを備えるものでありながら、底排出スクリューの交換や修理などの作業を穀粒タンクの走行後方側で容易に行なうことができる。
本第10発明は、前記穀粒タンクの前記排出姿勢に向う揺動操作に連係して、前記横搬出部が前記搬出位置に切り換わるように、かつ前記穀粒タンクの前記貯留姿勢に向う揺動操作に連係して、前記横搬出部が前記格納位置に切り換わるように、前記穀粒タンクの揺動操作に連係させて前記横搬出部を切り換え操作する自動切り換え手段を設けてある。
本第10発明の構成によると、穀粒タンクを排出姿勢に向けて揺動操作すると、横搬出部が搬出位置に自ずと切り換わるから、穀粒タンクを排出姿勢に切換えるだけで操作簡単に、横搬出部が排出位置に切り換わった穀粒搬出の作業形態を得ることができる。穀粒タンクを貯留姿勢に向けて揺動操作すると、横搬出部が格納位置に自ずと切り換わるから、穀粒タンクを貯粒姿勢に切換えるだけで操作簡単に、横搬出部が格納位置に切り換わった貯留形態を得ることができる。
従って、本第10発明によると、穀粒タンクを排出姿勢や貯留姿勢に切換え操作するだけで操作簡単に穀粒搬出作業や収穫作業につくことができる。
本第11発明は、前記穀粒タンクを前記貯留姿勢と前記排出姿勢に揺動昇降操作するタンクアクチュエータ、及び前記横搬出部を前記格納位置と前記搬出位置に切り換え操作する搬出アクチュエータを設け、
前記穀粒タンクを前記排出姿勢に切り換え操作するよう前記タンクアクチュエータを駆動操作する人為操作自在なタンク操作手段、及び前記横搬出部を前記搬出位置に切り換え操作するよう前記搬出アクチュエータを駆動操作する人為操作自在な搬出操作手段を設けてある。
前記穀粒タンクを前記排出姿勢に切り換え操作するよう前記タンクアクチュエータを駆動操作する人為操作自在なタンク操作手段、及び前記横搬出部を前記搬出位置に切り換え操作するよう前記搬出アクチュエータを駆動操作する人為操作自在な搬出操作手段を設けてある。
本第11発明の構成によると、タンク操作手段を操作すれば、タンクアクチュエータを駆動して穀粒タンクを排出姿勢や貯留姿勢に切り換えることができ、搬出操作手段を操作すれば、搬出アクチュエータを駆動して横搬出部を搬出位置や格納位置に切り換えることができる。
従って、本第11発明によると、穀粒タンクの姿勢切り換えと横搬出部の位置切り換えとを連係させて行なえる他、穀粒タンクを貯留姿勢にしたままで横搬出部を搬出位置にするなど、横搬出部の位置切り換え及び穀粒タンクの姿勢切り換えを任意に行なて便利である。
本第12発明は、前記自動切り換え手段を、前記横搬出部が前記搬出位置にあるときに、前記タンクアクチュエータを操作するように構成してある。
本第12発明の構成によると、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部とを寄り合うコンパクトに配置しても、穀粒タンクの姿勢切換えを行なわせる際、横搬出部を搬出位置に位置させておいて、穀粒タンクと横搬出部の干渉を回避できる。
従って、本第12発明によると、穀粒タンクの姿勢切換えと横搬出部の位置切り換えを連係させて行なえるものでありながら、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部が寄り合うコンパクトな状態で穀粒タンクと穀粒搬出装置を配置して、コンパクトなコンバインを得ることができる。
本第13発明は、前記自動切り換え手段を、前記横搬出部が前記格納位置にあるときに、前記搬出アクチュエータを操作し、前記横搬出部が前記搬出位置に移動した後に前記タンクアクチュエータを操作するように構成してある。
本第13発明の構成によると、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部とを寄り合うコンパクトに配置しても、穀粒タンクを搬出姿勢へ切換えるのに、横搬出部を搬出位置に位置させた後に切り換えさせて、穀粒タンクと横搬出部の干渉を回避できる。
従って、本第13発明によると、穀粒タンクの姿勢切換えと横搬出部の位置切り換えを連係させて行なえるものでありながら、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部が寄り合うコンパクトな状態で穀粒タンクと穀粒搬出装置を配置して、コンパクトなコンバインを得ることができる。
本第14発明は、前記自動切り換え手段を、前記穀粒タンクが前記貯留姿勢にあるときに、前記搬出アクチュエータを操作するように構成してある。
本第14発明の構成によると、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部とを寄り合うコンパクトに配置しても、横搬出部の位置切換えを行なうのに、穀粒タンクを貯留姿勢にしておいて、穀粒タンクと横搬出部の干渉を回避できる。
従って、本第14発明によると、穀粒タンクの姿勢切換えと横搬出部の位置切り換えを連係させて行なえるものでありながら、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部が寄り合うコンパクトな状態で穀粒タンクと穀粒搬出装置を配置して、コンパクトなコンバインを得ることができる。
本第15発明は、前記自動切り換え手段を、前記穀粒タンクが前記排出姿勢にあるときに、前記タンクアクチュエータを操作し、前記穀粒タンクが前記貯留姿勢に移動した後に、前記搬出アクチュエータを操作するように構成してある。
本第15発明の構成によると、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部とを寄り合うようコンパクトに配置しても、穀粒タンクを貯留姿勢に切り換える際、横搬出部を搬出位置にしておいて、穀粒タンクと横搬出部の干渉を回避できる。
従って、本第15発明によると、穀粒タンクの姿勢切換えと横搬出部の位置切り換えを連係させて行なえるものでありながら、貯留姿勢の穀粒タンクと格納位置の横搬出部が寄り合うコンパクトな状態で穀粒タンクと穀粒搬出装置を配置して、コンパクトなコンバインを得ることができる。
本第16発明は、前記穀粒タンクの貯留姿勢として、脱穀装置の上方に下降揺動した姿勢を設定してある。
本第16発明の構成によると、脱穀装置の上方のスペースを穀粒タンクの設置スペースに利用して穀粒タンクを貯留姿勢で設置できるから、穀粒タンクを容量が多い大型タンクに構成することができる。
従って、本第16発明によると、満杯になった穀粒タンクの穀粒搬出のために必要となる作業中断の回数を少なくして、能率良く収穫作業できる。
本第17発明は、前記穀粒タンクの昇降軸芯が走行機体前後向きになるように、前記穀粒タンクを配備してある。
本第17発明の構成によると、穀粒タンクを排出姿勢に切り換えても、穀粒タンクの走行機体前後向きの昇降軸芯まわりでの揺動上昇により、穀粒タンク及びタンク内穀粒による荷重が走行機体の前後方向に変位しないとか変位し難い。
従って、本第17発明によると、穀粒タンクの排出姿勢への切り換えにかかわらず走行機体の前後の重量バランスが崩れないとか崩れ難く、安定した状態で脱穀粒の搬出を行なえる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す右側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す左側面図である。図3は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す平面図である。図4は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す後面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対の駆動自在な前車輪1,1、左右一対の操向操作自在な後車輪2,2、及び運転部3を有した走行機体を備え、運転部3の後方に配置して走行機体に設けた脱穀装置10及び穀粒タンク20を備え、脱穀装置10の前部から走行機体前方向きに延出するフィーダ31を有した刈取り部30を備えて構成してある。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す右側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す左側面図である。図3は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す平面図である。図4は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す後面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対の駆動自在な前車輪1,1、左右一対の操向操作自在な後車輪2,2、及び運転部3を有した走行機体を備え、運転部3の後方に配置して走行機体に設けた脱穀装置10及び穀粒タンク20を備え、脱穀装置10の前部から走行機体前方向きに延出するフィーダ31を有した刈取り部30を備えて構成してある。
このコンバインは、稲、麦、トウモロコシなどの収穫作業を行なうものである。すなわち、このコンバインは、稲、麦などの植立穀稈を刈取り部30によって刈取り処理し、刈取り穀稈を脱穀装置10によって脱穀処理し、脱穀粒を穀粒タンク20に回収して貯留する。
走行機体について説明する。
走行機体は、前車輪1と後車輪2の間に設けられたエンジン4aを有する原動部4を備え、エンジン4aからの駆動力によって左右一対の前車輪1,1を駆動して自走する。走行機体は、機体前部に位置する運転部3、及び運転部3に設けられた運転キャビン3aを備え、運転部3の運転キャビン内に搭乗して操縦するよう搭乗型になっている。
走行機体は、前車輪1と後車輪2の間に設けられたエンジン4aを有する原動部4を備え、エンジン4aからの駆動力によって左右一対の前車輪1,1を駆動して自走する。走行機体は、機体前部に位置する運転部3、及び運転部3に設けられた運転キャビン3aを備え、運転部3の運転キャビン内に搭乗して操縦するよう搭乗型になっている。
運転部3には、運転キャビン3aの左右の出入り口3b,3bの一方の出入り口3bの横外側に設けられた乗降用ステップ3c、及び他方の出入り口3bの横外側に設けられた作業用ステップ3dを備えている。乗降用ステップ3cは、階段構造に構成されている。
図4に示すように、左右一対の後車輪2,2を両端側で回転及び操向揺動自在に支持する機体横向きの後輪支持フレーム5を、走行機体の機体フレームFの後部を構成する機体横向きの連結フレーム6に設けた支持部6aに支持させてある。支持部6aと後輪支持フレーム5にわたって装着された機体前後向きのローリング支軸によって形成されるローリング支点7を後輪支持フレーム5に設け、後輪支持フレーム5がローリング支点7の周りに連結フレーム6に対して上下揺動することにより、左右一対の後車輪2,2は、ローリング支点7の周りに機体フレームFに対して背反昇降するようになっている。
刈取り部30について説明する。
刈取り部30は、フィーダ31が昇降シリンダ32によって上下に揺動操作されることにより、フィーダ31の前端部に連結している刈取りフレーム33の底部が地面上近くに下降した下降作業状態と刈取りフレーム33が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。刈取り部30を下降作業状態に下降させた状態で走行機体を走行させることにより、刈取り部30は、刈取りフレーム33の前端部に備えてある左右一対の分草体34,34によって植立穀稈を刈取り対象の植立穀稈と非刈取り対象の植立穀稈に分草し、刈取り対象の植立穀稈の穂先側を回転リール35によって横送りオーガ36の上方に掻き寄せながら、刈取り対象の植立穀稈をバリカン形の刈取装置37によって刈取り、刈取り穀稈を横送りオーガ36の左右の螺旋板36aによって横送りオーガ36の中間部に寄せ集め、寄せ集めた刈取り穀稈の株元から穂先までの全体を、横送りオーガ36の中間部に設けた掻き込みアーム38によってフィーダ31の搬送始端部に送り込み、フィーダ31によって後方に搬送して脱穀装置10に投入する。
刈取り部30は、フィーダ31が昇降シリンダ32によって上下に揺動操作されることにより、フィーダ31の前端部に連結している刈取りフレーム33の底部が地面上近くに下降した下降作業状態と刈取りフレーム33が地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作される。刈取り部30を下降作業状態に下降させた状態で走行機体を走行させることにより、刈取り部30は、刈取りフレーム33の前端部に備えてある左右一対の分草体34,34によって植立穀稈を刈取り対象の植立穀稈と非刈取り対象の植立穀稈に分草し、刈取り対象の植立穀稈の穂先側を回転リール35によって横送りオーガ36の上方に掻き寄せながら、刈取り対象の植立穀稈をバリカン形の刈取装置37によって刈取り、刈取り穀稈を横送りオーガ36の左右の螺旋板36aによって横送りオーガ36の中間部に寄せ集め、寄せ集めた刈取り穀稈の株元から穂先までの全体を、横送りオーガ36の中間部に設けた掻き込みアーム38によってフィーダ31の搬送始端部に送り込み、フィーダ31によって後方に搬送して脱穀装置10に投入する。
脱穀装置10について説明する。
図5は、脱穀装置10を示す右横側面図である。図6(a)は、脱穀装置10を示す正面図である。これらの図及び図3,4に示すように、脱穀装置10は、走行機体の左寄りの部位に配置してある。脱穀装置10は、脱穀機体10aの上部に設けられた脱穀部10bを備え、フィーダ31によって供給される刈取り穀稈を脱穀部10bによって脱穀処理する。
図5は、脱穀装置10を示す右横側面図である。図6(a)は、脱穀装置10を示す正面図である。これらの図及び図3,4に示すように、脱穀装置10は、走行機体の左寄りの部位に配置してある。脱穀装置10は、脱穀機体10aの上部に設けられた脱穀部10bを備え、フィーダ31によって供給される刈取り穀稈を脱穀部10bによって脱穀処理する。
すなわち、脱穀部10bは、脱穀機体10aの上部内に設けられた扱室11、及び扱室11に走行機体前後向きの扱胴軸芯12aまわりに回動自在に設けられた扱胴12を備え、扱室11には刈取り穀稈の株元から穂先までの全体がフィーダ31によって投入され、扱室11に投入された刈取り穀稈を、回動する扱胴12によって扱室後方側に搬送しながら脱穀処理し、脱穀排ワラを脱穀機体10aの後部に設けられた排塵口13(図4参照)から走行機体の後方に排出する。
脱穀装置10は、脱穀機体10aの下部内に設けられた選別部10cを備え、選別部10cには脱穀処理物が扱室11から受網を介して供給され、選別部10cに供給された脱穀処理物を選別風及び揺動選別装置によって穀粒と塵埃とに選別処理し、穀粒のうちの一番処理物を一番スクリューコンベヤ14(図6参照)によって脱穀機体外に設けられた揚穀装置40に供給し、穀粒のうちの二番処理物を二番スクリューコンベヤ15(図10参照)により、脱穀機体外に設けられた還元装置50に供給する。
図5及び図7に示すように、扱室11の上方を覆う天板16を、開閉軸芯Xを備えた枢支構造を介して脱穀機体10aに支持し、扱室11を扱胴12の上方部位で開閉できるように構成してある。天板16の開閉軸芯Xは、脱穀機体10aの走行機体横方向での一端側に走行機体前後向きに位置するように配備してある。
図6(b)は、閉じ姿勢の天板16を示す縦断正面図である。図7(a)は、扱室11が閉じられた状態での脱穀装置10を示す正面図である。これらの図に示すように、天板16を開閉軸芯Xまわりに下降揺動操作し、天板16の遊端側に位置する走行機体前後向き(脱穀装置前後向き)の天板フレーム16aが、扱胴軸芯12aに対して開閉軸芯Xが位置する側とは反対側の脱穀機体10aの部位に走行機体前後向きに位置する脱穀機体フレーム17の上面に当接して受け止め支持されると、天板16が閉じ姿勢になって扱室11を閉じる。天板16が閉じ姿勢になると、天板側に設けた支持部材18aに支持されるネジ式のロック具18を脱穀機体側に設けたロック部材17aに連結することにより、天板16を閉じ姿勢に固定できるように構成してある。ロック具18は、天板16の前後方向(走行機体前後方向)での複数箇所に配備してある。
図7(b)は、扱室11が開かれた状態での脱穀装置10を示す正面図である。この図に示すように、天板16を開閉軸芯Xまわりに上昇揺動操作すると、天板16が開き姿勢になって扱室11を開く。
還元装置50について説明する。
図10(a)は、還元装置50を示す後面図、図10(b)は、スクリューコンベヤ55の開き状態での還元装置50を示す斜視図である。これらの図及び図5に示すように、還元装置50は、二番スクリューコンベヤ15の搬送終端部と脱穀機体10aの側壁上部に設けられた還元口11aとにわたって設けられ、脱穀装置10の選別部10cから送り出される二番処理物を扱室11に還元する。
図10(a)は、還元装置50を示す後面図、図10(b)は、スクリューコンベヤ55の開き状態での還元装置50を示す斜視図である。これらの図及び図5に示すように、還元装置50は、二番スクリューコンベヤ15の搬送終端部と脱穀機体10aの側壁上部に設けられた還元口11aとにわたって設けられ、脱穀装置10の選別部10cから送り出される二番処理物を扱室11に還元する。
すなわち、還元装置50は、脱穀機体10aの外面側に装着された搬送処理ケース52、及び二番スクリューコンベヤ15のスクリュー軸15aの端部に一体回転自在に設けられ、搬送処理ケース52の内部で回転駆動される処理搬送体53を備え、二番スクリューコンベヤ15からの二番処理物のうちの未処理粒を、処理搬送体53、及び搬送処理ケース52の内部に固定された固定処理体(図示せず)による扱き作用によって清粒化処理し、処理後の二番処理物を、処理搬送体53による送り作用によって搬送処理ケース52の出口側に送り出す。
還元装置50は、搬送処理ケース52の出口側に下端側が連結され、上端側が脱穀機体10aの側壁上部に連結されたスクリューコンベヤ55を備え、搬送処理ケース52からスクリューコンベヤ55の搬送始端部に送り込まれた二番処理物を、スクリューコンベヤ55によって放出筒56に揚送し、この放出筒56に到達した二番処理物を、スクリューコンベヤ55のスクリュー軸58aの端部に一体回転自在に設けた放出板57による跳ね飛ばしにより、脱穀機体10aの還元口11aから扱室11の前端側に送り込む。
還元装置50におけるスクリューコンベヤ55の搬送筒59を、半径方向に二つの半割り搬送筒59a,59aに分割自在に構成し、二つの半割り搬送筒59aの脱着によってスクリューコンベヤ55を開閉できるようにしてある。
すなわち、図10(b)に示すように、二つの半割り搬送筒59aは、横断面形状が半円形状の半割り搬送筒本体59b、及び半割り搬送筒本体59bの両端部に設けた連結フランジ部59cを備えて構成してある。両端部の連結フランジ部59cは、半割り搬送筒本体59bに一体成形してある。両端部の連結フランジ部59cは、半割り搬送筒本体59bの全長にわたって設けてある。
連結フランジ部59cに設けてあるボルト孔59dに装着した連結手段としての連結ボルト59eによる二つの半割り搬送筒59aの締め付け連結を解除して、搬送処理ケース52及び放出筒56に設けてある環状の支持部52a,56aから二つの半割り搬送筒59aを取り外すことにより、スクリューコンベヤ55が開き状態になって、スクリュー58が露出状態になる。
図10(a)に示すように、二つの半割り搬送筒59aをスクリュー58に対して両横側からスクリュー58を挟むようにして寄せ合わせ、当接し合った連結フランジ部59cを連結ボルト59eによって締め付け連結することにより、二つの半割り搬送筒59aを搬送筒59の形態にした状態で搬送処理ケース52及び放出筒56の支持部52a,56aに組み付けることができ、スクリューコンベヤ55が閉じ状態になる。
揚穀装置40について説明する。
図5,6に示すように、揚穀装置40は、一番スクリューコンベヤ14の搬送終端部と穀粒タンク20の前側の前側壁20aの上部に位置する穀粒投入口21とにわたって設けられ、脱穀装置10の選別部10cから一番スクリューコンベヤ14によって送り出された一番処理物としての脱穀粒を、穀粒タンク20の前端側上部の前方に揚送して穀粒投入口21から穀粒タンク20に供給する。
図5,6に示すように、揚穀装置40は、一番スクリューコンベヤ14の搬送終端部と穀粒タンク20の前側の前側壁20aの上部に位置する穀粒投入口21とにわたって設けられ、脱穀装置10の選別部10cから一番スクリューコンベヤ14によって送り出された一番処理物としての脱穀粒を、穀粒タンク20の前端側上部の前方に揚送して穀粒投入口21から穀粒タンク20に供給する。
揚穀装置40について詳述すると、揚穀装置40は、一番スクリューコンベヤ14からの脱穀粒を受継いで脱穀装置10の前端側上部の横側方に揚送するバケットコンベヤ41と、このバケットコンベヤ41からの脱穀粒を、中継筒42を介して受継いで穀粒タンク20の前端側上部の前方に揚送するスクリューコンベヤ43と、このスクリューコンベヤ43からの脱穀粒を、穀粒タンク20に穀粒投入口21から送り込むスロワ44とを備えて構成してある。
図5,6及び図11に示すように、スロワ44は、スクリューコンベヤ43の搬送終端部に導入口が接続されたスロワケース44a、及びスロワケース44aの内部に回転自在に設けた翼車44bを備え、スクリューコンベヤ43からスロワケース44aの内部に送り込まれた脱穀粒を、電動式のスロワモータ45によって回転駆動される翼車44bによる跳ね飛ばしにより、スロワケース44aに設けた穀粒吐出筒44cから吐出して穀粒タンク20に送り込む。
スロワケース44aを、スクリューコンベヤ43のスクリュー軸芯のまわりに回転自在に支持させ、スロワケース44aの外周部に設けたギヤ部と電動式の吐出筒モータ46の出力ギヤとを咬合させることによってスロワケース44aと吐出筒モータ46を連動させて、穀粒吐出筒44cを供給用位置Aとタンク揺動用位置Bとに位置変更できるように構成してある。
図11(a)は、供給用位置Aに位置変更された状態の穀粒吐出筒44cを示す横断平面図である。この図に示すように、穀粒吐出筒44cは、スロワケース44aが吐出筒モータ46によって正回転方向に回転操作されることによって供給用位置Aに位置変更される。供給用位置Aに位置変更された穀粒吐出筒44cは、延出端側が穀粒タンク20の穀粒投入口21に入り込んだ状態になり、翼車44bからの脱穀粒を穀粒タンク20の外部にこぼれ出ないように穀粒タンク20の内部で吐出する。
図11(b)は、タンク揺動用位置Bに位置変更された状態の穀粒吐出筒44cを示す横断平面図である。この図に示すように、穀粒吐出筒44cは、スロワケース44aが吐出筒モータ46によって逆回転方向に回転操作されることによってタンク揺動用位置Bに位置変更される。タンク揺動用位置Bに位置変更された穀粒吐出筒44cは、全体が穀粒投入口21の外部に出た状態になる。
つまり、穀粒タンク20の穀粒投入口21を設けてある前側壁20aは、後述する穀粒タンク20の昇降軸芯Yに交差する方向に沿っている。従って、穀粒吐出筒44cは、タンク揺動用位置Bに位置変更されることにより、揺動昇降する穀粒タンク20の前側の側壁との当接を回避する。
つまり、穀粒タンク20の穀粒投入口21を設けてある前側壁20aは、後述する穀粒タンク20の昇降軸芯Yに交差する方向に沿っている。従って、穀粒吐出筒44cは、タンク揺動用位置Bに位置変更されることにより、揺動昇降する穀粒タンク20の前側の側壁との当接を回避する。
穀粒タンク20について説明する。
図6,7に示すように、穀粒タンク20は、脱穀装置10の横側方に底部が位置する排出側タンク部20bと、排出側タンク部20bから脱穀装置側に延出する延出タンク部20cとを備えて構成してある。
図6,7に示すように、穀粒タンク20は、脱穀装置10の横側方に底部が位置する排出側タンク部20bと、排出側タンク部20bから脱穀装置側に延出する延出タンク部20cとを備えて構成してある。
図6,12に示すように、穀粒タンク20は、排出側タンク部20bの前後側に分散配置した前後一対の支持体60,60を備えた支持構造体62に枢支され、排出側タンク部20bの底部に走行機体前後向きに位置する昇降軸芯Yまわりに揺動昇降するようになっている。
支持構造体62は、走行機体に脱穀装置10の横側方に配置して設けてある。支持構造体62は、走行機体の機体フレームFに立設された複数本の支柱部材62a、支柱部材62aに連結する走行機体前後向きの支持部材62bとしての梁部材、支持部材62bに連結する走行機体横向きの支持部材62cとしての梁部材、及び前後側の支持部材62cから機体上方向きに突設された前後一対の支持体60,60を備えて構成してある。支持構造体62は、支柱部材62a及び支持部材62b、62cが枠体となって組み合った枠組み構造に成っている。走行機体横向きの支持部材62cは、脱穀装置10の機体壁と支持部材62bにわたって連結している。前後一対の支持体60,60は、穀粒タンク20の前側の前側壁20a及び後側の壁面に設けられた支軸部22を昇降軸芯Yまわりに回動自在に支持している。前側の支持体60は、後述する中継ケース80によって構成してある。
穀粒タンク20の下部にタンクアクチュエータとしての油圧式のシリンダ61を連結してある。シリンダ61は、穀粒タンク20の昇降軸芯方向視で脱穀装置10に対して走行機体横方向での内外方向に並ぶ箇所であって、穀粒タンク20の下方に位置する箇所に配備してある。さらに詳述すると、シリンダ61は、穀粒タンク20における排出側タンク部20bの下面側に位置するタンクフレームの昇降軸芯Y寄りの部位に設けたシリンダ支持部と、支持構造体62を構成する支柱部材62aに設けたシリンダ支持部62dとにわたって取付けてある。シリンダ61は、穀粒タンク20に連結する側とは反対側が支持構造体62の内側に入り込むよう配備してある。
つまり、穀粒タンク20をシリンダ61によって昇降軸芯Yまわりに貯留姿勢と排出姿勢に揺動昇降操作できるように構成してある。
つまり、穀粒タンク20をシリンダ61によって昇降軸芯Yまわりに貯留姿勢と排出姿勢に揺動昇降操作できるように構成してある。
図6,7に示すように、穀粒タンク20の遊端側(昇降軸芯Yが位置する側とは反対側であって、延出タンク部20cの延出端側)の走行機体前後方向(穀粒タンク20の前後方向)での複数箇所に、穀粒タンク20から下方向きに延出する脚体23を設けてある。各脚体23は、穀粒タンク20の下面側に位置するタンクフレームから下方向きに突設してある。扱胴軸芯12aに対して昇降軸芯Yが位置する側とは反対側の脱穀機体10aの部位に走行機体前後向き(脱穀装置前後向き)に配置されて脱穀機体10aを構成している脱穀機体フレーム17に、複数のタンク受け部17bを設けてある。複数のタンク受け部17bは、穀粒タンク20の複数の脚体23に各別に受け止め作用するよう走行機体前後方向に分散配置してある。
図7(a)は、貯留姿勢での穀粒タンク20を示す正面図である。この図に示すように、穀粒タンク20は、シリンダ61によって脱穀装置10の上方に下降揺動操作されることにより、脱穀装置10からの脱穀粒を貯留するように貯留姿勢になる。
図6(b)に示すように、穀粒タンク20が貯留姿勢になると、穀粒タンク20の複数本の脚体23の下端側が脱穀機体フレーム17のタンク受け部17bに載り、穀粒タンク20の遊端側が脚体23及び天板フレーム16aを介して脱穀機体フレーム17によって受け止め支持される。
穀粒タンク20が貯留姿勢になると、穀粒タンク20のうちの延出タンク部20cにおける底壁24aは、脱穀装置10の天板16より高い箇所に水平又はほぼ水平に位置し、穀粒タンク20のうちの排出側タンク部20bにおける底壁24bは、脱穀装置10の横側方に、延出タンク部20cの底壁24aより低い配置高さで水平又はほぼ水平に位置する。
図7(b)は、排出姿勢での穀粒タンク20の正面図である。この図に示すように、穀粒タンク20は、シリンダ61によって貯留姿勢から脱穀装置10が位置する走行機体横側とは反対の走行機体横側(右側)に揺動上昇操作されると、貯留した脱穀粒を排出するように排出姿勢になる。
すなわち、穀粒タンク20が排出姿勢になると、排出側タンク部20bが下側に位置した斜め姿勢になる。穀粒タンク20が排出姿勢になると、排出側タンク部20bの底壁24bが穀粒排出口側ほど低く位置する傾斜姿勢になり、延出タンク部20cの底壁24aが排出側タンク部側ほど低く位置する傾斜姿勢になり、排出側タンク部20bに貯留されている脱穀粒が搬出されるに伴い、延出タンク部20cに貯留されている脱穀粒が底壁24cの傾斜による自然落下によって排出側タンク部20bに移動する。
すなわち、穀粒タンク20が排出姿勢になると、排出側タンク部20bが下側に位置した斜め姿勢になる。穀粒タンク20が排出姿勢になると、排出側タンク部20bの底壁24bが穀粒排出口側ほど低く位置する傾斜姿勢になり、延出タンク部20cの底壁24aが排出側タンク部側ほど低く位置する傾斜姿勢になり、排出側タンク部20bに貯留されている脱穀粒が搬出されるに伴い、延出タンク部20cに貯留されている脱穀粒が底壁24cの傾斜による自然落下によって排出側タンク部20bに移動する。
図14は、穀粒タンク20の走行機体に対する配置を示す説明図である。図14に示す三角形65は、左右一対の前車輪1,1の接地点1a、及び後輪支持フレーム5に設けたローリング支点7を三つの角とする三角形である。図14に示す重心G1の位置は、貯留姿勢での穀粒タンク20の重心の位置を示し、図14に示す重心G2の位置は、排出姿勢での穀粒タンク20の重心の位置を示す。この図に示すように、穀粒タンク20は、貯留姿勢での重心G1及び排出姿勢での重心G2が三角形65の内側に位置するように配備してある。
図7に示すように、天板16を揺動開閉自在に支持する脱穀装置10の部位を昇降軸芯Y寄りの部位に設定し、排出姿勢に上昇する際の穀粒タンク20の昇降軸芯Yに沿う方向視での揺動方向が、開き姿勢に上昇する際の天板16の開閉軸芯Xに沿う方向視での揺動方向と同じ又はほぼ同じになるように構成してある。従って、排出姿勢に上昇した穀粒タンク20は、天板16の上昇障害にならず、扱室11の開口が大となるように天板16の閉じ姿勢から開き姿勢への上昇角度を大にする。
穀粒タンク20における排出側タンク部20bの底部内に底排出スクリュー70を設け、排出側タンク部20bの前端側の底部に穀粒搬出装置71の搬送始端部を連通させ、穀粒タンク20を排出姿勢に切り換えるとともに底排出スクリュー70及び穀粒搬出装置71を駆動することにより、穀粒タンク20から脱穀粒を取り出すことができるように構成してある。
すなわち、図7,12に示すように、底排出スクリュー70は、スクリュー軸芯が穀粒タンク20の昇降軸芯Yに一致する状態で回転自在に支持されている。さらに詳述すると、底排出スクリュー70は、中継ケース80及び支持体60に回転自在に支持されている。底排出スクリュー70は、伝動装置81によって伝達されるエンジン4aからの駆動力によって回転駆動され、排出側タンク部20bに位置する脱穀粒を排出側タンク部20bの前端側底部に設けた排出口20eから中継ケース80の内部に排出する。延出タンク部20cに貯留された脱穀粒は、底排出スクリュー70による排出側タンク部20bからの脱穀粒排出が進むに伴い、延出タンク部20cの底壁24aが傾斜姿勢にあることによる自然流下によって排出側タンク部20bに移動し、排出側タンク部20bから底排出スクリュー70によって中継ケース80に排出される。
図6,12に示すように、穀粒搬出装置71は、排出側タンク部20bの排出口20eに中継ケース80を介して下端部が連通する走行機体上下向きの縦搬出部72と、縦搬出部72の上端部から延出する横搬出部73とを備えて構成してある。縦搬出部72は、縦スクリュー72aを備えて構成してある。縦スクリュー72aは、ベベルギヤ機構を介して底排出スクリュー70から動力伝達されて駆動される。横搬出部73は、横スクリュー73aを備えて構成してある。横スクリュー73aは、ベベルギヤ機構を介して縦スクリュー72aから動力伝達されて駆動される。
従って、穀粒搬出装置71は、底排出スクリュー70が駆動されることによって駆動され、穀粒タンク20から中継ケース80に排出された脱穀粒を縦搬出部72によって受継いで揚送し、縦搬出部72からの脱穀粒を横搬出部73によって受継いで横送りして搬送終端部に位置する吐出筒74から吐出する。
図12に示すように、穀粒搬出装置71に動力伝達する伝動装置81は、エンジン4aの出力プーリ4bを中継入力プーリ82に連動させる伝動ベルト83、中継入力プーリ82と一体回転自在に支持される中継出力プーリ84に伝動ベルト85を介して入力プーリ86aが連動された中継ギヤケース86、中継ギヤケース86の出力を穀粒搬出装置71に伝達する伝動部89を備えて構成し、伝動部89の下方に位置するエンジン4aの駆動力を穀粒搬出装置71に伝達する。
伝動部89は、穀粒搬出装置71の走行機体前方側の運転部後側箇所に配置してある。伝動部89は、中継ギヤケース86に設けた出力プーリ86b、中継ケース80の外部に設けた搬出装置駆動プーリ70b、出力プーリ86bと搬出装置駆動プーリ70bとにわたって巻回された伝動ベルト87を備えて構成してある。搬出装置駆動プーリ70bは、底排出スクリュー70のスクリュー軸に一体回転自在に装着されている。底排出スクリュー70のスクリュー軸と縦搬出部72のスクリュー軸とが、中継ケース80に内装されたギヤ連動機構によって連動されている。伝動ベルト87は、揺動操作自在なテンションアーム88によって伝動用の緊張状態と伝動停止の弛緩状態に切り換え操作され、底排出スクリュー70及び穀粒搬出装置71を駆動及び停止するベルトテンションクッラッチを構成している。
穀粒搬出装置71を構成する縦搬出部72は、点検などの作業を作業用ステップ3dから行なえるように、穀粒タンク20の走行機体前方側の運転部後側箇所に配備してある。さらに、縦搬出部72は、点検などの作業を走行機体の横外側から行い易いように、走行機体の横外方側端部に配置してある。
縦搬出部72を構成する搬送筒72bを、縦スクリュー72aのスクリュー軸芯まわりに回転自在に中継ケース80に支持させ、搬送筒72bと中継ケース80とにわたり、搬出アクチュエータとしての電動式の旋回モータ90を有した旋回操作機構91を設け、横搬出部73を旋回モータ90によって格納位置と搬出位置とに切り換え操作できるように構成してある。
図3及び図13(a)に搬出位置Cでの横搬出部73を二点鎖線で示すように、横搬出部73は、旋回モータ90を搬出側に駆動して縦搬出部72の搬送筒72bを回転操作すると、縦搬出部72のスクリュー軸芯を旋回軸芯Zとして旋回し、搬出位置Cとしての搬出域に位置する。搬出位置Cに位置した横搬出部73は、縦搬出部72から走行機体横外側に延出した状態になり、穀粒タンク20からの脱穀粒を走行機体の横側に停車された運搬車の荷台などの受け入れ側に吐出する。
図3及び図13(a)に格納位置Dでの横搬出部73を実線で示すように、横搬出部73は、旋回モータ90を格納側に駆動して縦搬出部72の搬送筒72bを回転操作すると、旋回軸芯Zまわりに旋回して格納位置Dになる。格納位置Dに位置した横搬出部73は、走行機体内側に位置した状態になる。さらに詳述すると、図13(a),(b)に示すように、格納位置Dに位置した横搬出部73は、貯留姿勢での穀粒タンク20の上端側の走行機体横外側端部に位置する凹入部26に入り込む。穀粒タンク20の凹入部26は、穀粒タンク20が貯留姿勢にある状態において走行機体上方向き及び走行機体横外方向きに開口するよう形成してあり、横搬出部73を水平又はほぼ水平方向の移動によって凹入部26に対して出し入れできるようになっている。さらに詳述すると、格納位置Dに位置した横搬出部73の走行機体横方向での走行機体外方側端73tが、穀粒タンク20の走行機体横方向での走行機体外方側端としての機体横外側の側壁20dより走行機体内側寄りの箇所であって、側壁20dとほぼ同じ箇所に位置するように、格納位置Dを設定してあり、横搬出部73を格納位置Dから穀粒タンク20の外側に迅速に出すことができる。凹入部26の機体上下方向及び機体横方向での深さ、及び横搬出部73の格納位置Dは、横搬出部73が直径方向での全体にわたって凹入部26に入り込むものに設定してある、
図8は、排出姿勢での穀粒タンク20を示す斜視図である。図7及び図8に示すように、穀粒タンク20の前側壁20aにおける穀粒搬出装置71が位置する側の横端部に前凹入部27を設けてある。前凹入部27は、機体後方側に凹入するように、かつ機体横外側向きに開口するように形成してある。前凹入部27は、穀粒タンク20を排出姿勢にした際に搬出位置Cに位置する横搬出部73の基端側を入り込ませて穀粒タンク20と横搬出部73の当接を回避し、穀粒タンク20の貯留姿勢から排出姿勢への揺動角大にする。
図9は、穀粒タンク20の前凹入部27を示す斜視図である。図9及び図7,8に示すように、穀粒タンク20の前凹入部27は、前側壁20aを構成する右前壁部20Rを左前壁部20Lより機体後方側に配備し、左前壁部20Lと右前壁部20Rとの間に、三角形状の中上前壁部20X、中下左前壁部20Y及び中下右前壁部20Zを配備することによって形成してある。
右前壁部20R及び左前壁部20Lは、機体横方向に沿った鉛直姿勢の縦壁に構成してある。中上前壁部20Xは、右端側ほど機体後方側に傾斜した傾斜姿勢で、かつ鉛直姿勢の縦壁に構成してある。中下左前壁部20Y及び中下右前壁部20Zは、中下右前壁部20Zと中上前壁部20Xの接続線L1が山折れ線となり、中下右前壁部20Zと右前壁部20Rの接続線L2が谷折れ線となり、中下右前壁部20Zと中下左前壁部20Yの接側線L3が谷折れ線となり、中下左前壁部20Yと左前壁部20Lの接続線L4が山折れ線となるように傾斜した状態で配備してある。
穀粒タンク20などの操作系について説明する。
図15は、穀粒タンク20及び穀粒搬出装置71の操作系を示すブロック図である。この図に示すように、タンク操作手段としてのタンクレバー93によって排出操作スイッチ94及び貯留操作スイッチ95が操作されるように構成し、搬出操作手段としての搬出レバー96によって搬出操作スイッチ97及び格納操作スイッチ98が操作されるように構成してある。排出操作スイッチ94、貯留操作スイッチ95、搬出操作スイッチ97及び格納操作スイッチ98を連係させた制御装置100に、穀粒タンク20を揺動操作するシリンダ61、横搬出部73を旋回操作する旋回モータ90、穀粒吐出筒44cを切り換え操作する吐出筒モータ46、及びスロワ44を駆動するスロワモータ45を連係させてある。制御装置100には、貯留姿勢検出スイッチ101、排出姿勢検出スイッチ102、格納位置検出スイッチ103及び搬出位置検出スイッチ104を連係させてある。
図15は、穀粒タンク20及び穀粒搬出装置71の操作系を示すブロック図である。この図に示すように、タンク操作手段としてのタンクレバー93によって排出操作スイッチ94及び貯留操作スイッチ95が操作されるように構成し、搬出操作手段としての搬出レバー96によって搬出操作スイッチ97及び格納操作スイッチ98が操作されるように構成してある。排出操作スイッチ94、貯留操作スイッチ95、搬出操作スイッチ97及び格納操作スイッチ98を連係させた制御装置100に、穀粒タンク20を揺動操作するシリンダ61、横搬出部73を旋回操作する旋回モータ90、穀粒吐出筒44cを切り換え操作する吐出筒モータ46、及びスロワ44を駆動するスロワモータ45を連係させてある。制御装置100には、貯留姿勢検出スイッチ101、排出姿勢検出スイッチ102、格納位置検出スイッチ103及び搬出位置検出スイッチ104を連係させてある。
排出操作スイッチ94は、タンクレバー93が排出位置[排]に揺動操作されると、タンクレバー93によってオン操作され、穀粒タンク20を排出姿勢に切り換えるべき操作指令を制御装置100に出力する。貯留操作スイッチ95は、タンクレバー93が貯留位置[貯]に揺動操作されると、タンクレバー93によってオン操作され、穀粒タンク20を貯留姿勢に切り換えるべき操作指令を制御装置100に出力する。貯留姿勢検出スイッチ101は、穀粒タンク20の貯留姿勢への切り換わりを検出し、検出情報を制御装置100に出力する。排出姿勢検出スイッチ102は、穀粒タンク20の排出姿勢への切り換わりを検出し、検出情報を制御装置100に出力する。
搬出操作スイッチ97は、搬出レバー96が搬出位置[搬出]に揺動操作されると、搬出レバー96によってオン操作され、横搬出部73を搬出位置Cに切り換えるべき操作指令を制御装置100に出力する。格納操作スイッチ98は、搬出レバー96が格納位置[格納]に揺動操作されると、搬出レバー96によってオン操作され、横搬出部73を格納位置Dに切り換えるべき操作指令を制御装置100に出力する。搬出位置検出スイッチ104は、横搬出部73の搬出位置Cへの切り換わりを検出し、検出情報を制御装置100に出力する。格納位置検出スイッチ103は、横搬出部73の格納位置Dへの切り換わりを検出し、検出情報を制御装置100に出力する。
制御装置100は、マイクロコンピュータを利用して構成され、タンク制御手段106、自動切り換え手段107、手動切り換え手段108、吐出筒制御手段109、及びスロワ制御手段110を備えている。
手動切り換え手段108は、搬出操作スイッチ97、格納操作スイッチ98、格納位置検出スイッチ103及び搬出位置検出スイッチ104からの検出情報を基に、横搬出部73を搬出レバー96の操作位置に対応した格納位置D及び搬出位置Cに切り換えるように旋回モータ90を操作するよう構成してある。
従って、搬出レバー96を格納位置[格納]に揺動操作することにより、手動切り換え手段108が旋回モータ90を格納側に駆動制御し、横搬出部73を格納位置Dに操作できる。搬出レバー96を搬出位置[搬出]に揺動操作することにより、手動切り換え手段108が旋回モータ90を搬出側に駆動制御し、横搬出部73を搬出位置Cに操作できる。搬出レバー96の搬出位置[搬出]への操作を維持して搬出操作スイッチ97をオン状態に維持操作している間、旋回モータ90が駆動され、横搬出部73が搬出域で移動する。
タンク制御手段106は、貯留操作スイッチ95、排出操作スイッチ94、貯留姿勢検出スイッチ101及び排出姿勢検出スイッチ102からの検出情報、図16に示す穀粒タンク20及び横搬出部73の切り換え制御のフロー、図17に示す穀粒タンク20の排出姿勢制御のフロー、及び図18に示す穀粒タンク20の貯留姿勢制御のフローを基に作動し、穀粒タンク20をタンクレバー93の操作位置に対応する貯留姿勢及び排出姿勢に切り換え制御する。タンク制御手段106は、自動切り換え手段107による横搬出部73の切り換えが行なわれた後に、穀粒タンク20を貯留姿勢及び排出姿勢にする。
すなわち、タンク制御手段106は、排出操作スイッチ94から穀粒タンク20を排出姿勢に切り換えるべき操作指令を入力し、かつ貯留姿勢検出スイッチ101からの検出情報を基に穀粒タンク20が貯留姿勢にあると判断した場合、後述する自動切り換え手段107による切り換え制御によって横搬出部73が搬出位置Cに切り換わった後に、シリンダ61を排出側に駆動制御し、排出姿勢検出スイッチ102から穀粒タンク20が排出姿勢に切り換わったことの検出情報を入力すると、シリンダ61を停止制御する。
タンク制御手段106は、貯留操作スイッチ95から穀粒タンク20を貯留姿勢に切り換えるべき操作指令を入力し、かつ排出姿勢検出スイッチ102からの検出情報を基に穀粒タンク20が排出姿勢にあると判断した場合、シリンダ61を貯留側に駆動制御し、貯留姿勢検出スイッチ101から穀粒タンク20が貯留姿勢に切り換わったことの検出情報を入力すると、シリンダ61を停止制御する。
自動切り換え手段107は、穀粒タンク20を排出姿勢に向わせる穀粒タンク20の揺動操作に連係して、横搬出部73を搬出位置Cに切り換え操作する。
すなわち、図16のステップ1〜6に示すように、自動切り換え手段107は、排出操作スイッチ94から穀粒タンク20を排出姿勢に切り換えるべき操作指令を入力すると、格納位置検出スイッチ103からの検出情報を基に横搬出部73が格納位置Dに位置すると判断した場合、タンク制御手段106による穀粒タンク20の姿勢切換えが行なわれる前であって、穀粒タンク20が貯留姿勢にあるときに、旋回モータ90を搬出側に駆動操作して横搬出部73を搬出位置Cに自動的に切り換える。
すなわち、図16のステップ1〜6に示すように、自動切り換え手段107は、排出操作スイッチ94から穀粒タンク20を排出姿勢に切り換えるべき操作指令を入力すると、格納位置検出スイッチ103からの検出情報を基に横搬出部73が格納位置Dに位置すると判断した場合、タンク制御手段106による穀粒タンク20の姿勢切換えが行なわれる前であって、穀粒タンク20が貯留姿勢にあるときに、旋回モータ90を搬出側に駆動操作して横搬出部73を搬出位置Cに自動的に切り換える。
自動切り換え手段107は、穀粒タンク20を貯留姿勢に向わせる穀粒タンク20の揺動操作に連係して、横搬出部73を格納位置Dに切り換え操作する。
すなわち、図16のステップ7〜12に示すように、自動切り換え手段107は、貯留操作スイッチ95から穀粒タンク20を貯留姿勢に切り換えるべき操作指令を入力すると、搬出位置検出スイッチ104からの検出情報を基に横搬出部73が搬出位置Cに位置すると判断した場合、タンク制御手段106による穀粒タンク20の姿勢切換えが行なわれた後であって、穀粒タンク20が貯留姿勢に切り換わった後に、旋回モータ90を格納側に駆動操作して、横搬出部73を格納位置Dに自動的に切り換える。
すなわち、図16のステップ7〜12に示すように、自動切り換え手段107は、貯留操作スイッチ95から穀粒タンク20を貯留姿勢に切り換えるべき操作指令を入力すると、搬出位置検出スイッチ104からの検出情報を基に横搬出部73が搬出位置Cに位置すると判断した場合、タンク制御手段106による穀粒タンク20の姿勢切換えが行なわれた後であって、穀粒タンク20が貯留姿勢に切り換わった後に、旋回モータ90を格納側に駆動操作して、横搬出部73を格納位置Dに自動的に切り換える。
従って、タンクレバー93を人為操作によって排出位置[排]に切り換え操作すると、横搬出部73が搬出位置Cに位置しておれば、横搬出部73が穀粒タンク20の揺動上昇に対する障害にならないから自動切換え手段108が作動せず、タンク制御手段106がシリンダ61を排出側に駆動操作して、穀粒タンク20が排出姿勢に切り換わる。
タンクレバー93を人為操作によって排出位置[排]に切り換え操作した際、横搬出部73が格納位置Dに位置しておれば、タンク制御手段106による穀粒タンク20の切り換えが行なわれる前に、自動切換え手段107が作動して旋回モータ90を搬出側に駆動操作し、横搬出部73が搬出位置Cに切り換えられる。横搬出部73が搬出位置Cに切り換って穀粒タンク20の揺動上昇に対する障害にならなくなると、タンク制御手段106がシリンダ61を排出側に駆動操作して、穀粒タンク20が排出姿勢に切り換わる。
タンクレバー93を人為操作によって貯留位置[貯]に切り換え操作すれば、タンク制御手段106が作動してシリンダ61を貯留側に駆動操作し、穀粒タンク20が貯留姿勢に切り換わる。穀粒タンク20が貯留姿勢に切り換わると、自動切換え手段107が作動して旋回モータ90を格納側の駆動操作し、横搬出部73が格納位置Dに切り換えられる。
吐出筒制御手段109は、排出操作スイッチ94及び貯留操作スイッチ95からの操作指令、貯留姿勢検出スイッチ101及び排出姿勢検出スイッチ102からの検出情報、シリンダ61を駆動制御するタンク制御手段106からの情報を基に吐出筒モータ46を駆動及び停止制御し、穀粒タンク20が揺動する間、及び穀粒タンク20が排出姿勢になっている間、穀粒吐出筒44cをタンク揺動用位置Bに自動的に切り換えておき、穀粒タンク20が貯留姿勢になると、穀粒吐出筒44cを供給用位置Aに自動的に切り換え、穀粒タンク20が貯留姿勢になっている間、穀粒吐出筒44cを供給用位置Aに維持する。
スロワ制御手段110は、貯留姿勢検出スイッチ101及び排出姿勢検出スイッチ102からの検出情報、シリンダ61を駆動制御するタンク制御手段106からの情報を基にスロワモータ45を駆動及び停止制御し、穀粒タンク20が揺動する間、及び穀粒タンク20が排出姿勢になっている間、スロワ44を自動的に停止させ、穀粒タンク20が貯留姿勢になるとスロワ44を自動的に駆動し、穀粒タンク20が貯留姿勢になっている間、スロワ44を駆動状態に維持する。
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、穀粒タンク20の貯留姿勢として、脱穀装置10の上方に下降揺動した姿勢を設定した例を示したが、脱穀装置10の横側や後側に排出姿勢から下降揺動した姿勢を設定して実施してもよい。
(1)上記した実施例では、穀粒タンク20の貯留姿勢として、脱穀装置10の上方に下降揺動した姿勢を設定した例を示したが、脱穀装置10の横側や後側に排出姿勢から下降揺動した姿勢を設定して実施してもよい。
(2)上記した実施例では、昇降軸芯Yが走行機体前後向きになるように穀粒タンク20を配備した例を示したが、昇降軸芯が走行機体横向きになり、穀粒タンク20が走行機体前後方向に揺動して貯留姿勢と排出姿勢に切り換わるよう構成して実施してもよい。
(3)上記した実施例では、自動切り換え手段107を制御装置100によって構成した例を示したが、タンクレバー93が排出位置[排]に操作されると搬出レバー96が搬出位置[搬出]に切換え操作されるように、リンク機構や操作ケーブルを利用してタンクレバー93と搬出レバー96を連係させる手段を採用して、あるいは、揺動上昇する穀粒タンク20の揺動力によって横搬出部73が搬出位置Cに切換え操作されるように、カム機構などを利用して穀粒タンク20と横搬出部73を連係させる手段を採用して実施してもよい。
(4)上記した実施例では、タンク操作手段としてタンクレバー93を採用し、搬出操作手段として搬出レバー96を採用した例を示したが、手によって直接操作する操作スイッチやタッチパネルを採用して実施してもよい。
(5)上記した実施例では、タンクアクチュエータとしてシリンダ61を採用した例を示したが、モータとネジ機構やリンク機構とを組み合わせた機構を採用して実施してもよい。
(6)上記した実施例では、搬出アクチュエータとして旋回モータ90を採用した例を示したが、シリンダを採用して実施してもよい。
(7)上記した実施例では、格納姿勢での横搬出部73の走行機体横外側端73tが穀粒タンク20の走行機体外側端としての側壁20dより機体内側に位置する箇所であって、走行機体外側端としての側壁20dとほぼ同じ箇所に位置するよう構成した例を示したが、穀粒タンク20の側壁20dより機体外側に位置する箇所であって、側壁20dとほぼ同じ箇所に位置するように構成して実施してもよい。また、穀粒タンク20の側壁20dと同じ箇所に位置するように構成して実施してもよい。
(8)上記した実施例では、格納位置Dの横搬出部73が直径方向での全体にわたって凹入部26に入り込むよう構成した例を示したが、横搬出部73の直径方向での一部だけが凹入部26に入り込むよう構成して実施してもよい。
本発明は、植立穀稈を地面付近で切断する一段刈り状態で刈り取るように刈取り部30を構成し、刈取り穀稈が株元から穂先までの全体にわたって扱室11に投入されるように脱穀装置10を構成するに替え、植立穀稈を地面付近箇所、及び地面付近箇所と穂部の間の箇所の二箇所で切断する二段刈り状態で刈り取るように刈取り部を構成し、二段刈りの刈取り穀稈の穂先側だけを扱室に投入される脱穀装置を構成したコンバインにも利用できる。
3 運転部
4a エンジン
20 穀粒タンク
20a 前側壁
20d 外側端
26 凹入部
27 前凹入部
61 タンクアクチュエータ
70 底排出スクリュー
71 穀粒搬出装置
72 縦搬出部
73 横搬出部
73t 走行機体外方側端
81 伝動装置
89 伝動部
90 搬出アクチュエータ
93 タンク操作手段
96 搬出操作手段
107 自動切換え手段
C 搬出位置
D 格納位置
Y 昇降軸芯
4a エンジン
20 穀粒タンク
20a 前側壁
20d 外側端
26 凹入部
27 前凹入部
61 タンクアクチュエータ
70 底排出スクリュー
71 穀粒搬出装置
72 縦搬出部
73 横搬出部
73t 走行機体外方側端
81 伝動装置
89 伝動部
90 搬出アクチュエータ
93 タンク操作手段
96 搬出操作手段
107 自動切換え手段
C 搬出位置
D 格納位置
Y 昇降軸芯
Claims (17)
- 運転部が機体前部に位置する走行機体を備え、
脱穀粒を貯留する穀粒タンクを、貯留姿勢と前記貯留姿勢から揺動上昇した排出姿勢とに昇降軸芯まわりに揺動昇降自在に支持し、
前記穀粒タンクに下端部が連通した走行機体上下向きの縦搬出部及び前記縦搬出部の上端部から延出する横搬出部を備えた穀粒搬出装置によって、前記穀粒タンクから脱穀粒を搬出するように構成し、
前記横搬出部を走行機体内側に位置した格納位置と走行機体外側に突出した搬出位置とに切り換え自在に構成したコンバインであって、
前記縦搬出部を、前記穀粒タンクの走行機体前方側の運転部後側箇所に配置してあるコンバイン。 - 前記横搬出部の前記格納位置での走行機体外方側端と前記穀粒タンクの前記貯留姿勢での走行機体外方側端とが同じ又はほぼ同じ走行機体内外方向位置に位置するように、前記格納位置を設定してある請求項1記載のコンバイン。
- 前記縦搬出部が前記走行機体の外方側端部に位置するように、前記穀粒搬出装置を配備してある請求項1又は2記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの上部に、前記格納位置での前記横搬出部が入り込む凹入部を設けてある請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記凹入部を、前記穀粒タンクが前記貯留姿勢にある状態において走行機体上方向き及び走行機体外方向きに開口するよう形成してある請求項4記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの前側壁における前記縦搬送部が位置する側の横端部に、機体後方側に凹入し、機体横外側向きに開口する前凹入部を設け、
前記横搬出部が前記搬出位置に位置し、前記穀粒タンクが前記排出姿勢に揺動した際、前記横搬出部が前記前凹入部に入り込むよう構成してある請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンバイン。 - 前記穀粒搬出装置にエンジンから動力伝達する伝動装置に、前記穀粒搬出装置の走行機体前方側の運転部後側箇所に配置した伝動部を設けてある請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記エンジンを前記伝動部の下方に配備してある請求項7記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの底部に底排出スクリューを備える請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの前記排出姿勢に向う揺動操作に連係して、前記横搬出部が前記搬出位置に切り換わるように、かつ前記穀粒タンクの前記貯留姿勢に向う揺動操作に連係して、前記横搬出部が前記格納位置に切り換わるように、前記穀粒タンクの揺動操作に連係させて前記横搬出部を切り換え操作する自動切り換え手段を設けてある請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクを前記貯留姿勢と前記排出姿勢に揺動昇降操作するタンクアクチュエータ、及び前記横搬出部を前記格納位置と前記搬出位置に切り換え操作する搬出アクチュエータを設け、
前記穀粒タンクを前記排出姿勢に切り換え操作するよう前記タンクアクチュエータを駆動操作する人為操作自在なタンク操作手段、及び前記横搬出部を前記搬出位置に切り換え操作するよう前記搬出アクチュエータを駆動操作する人為操作自在な搬出操作手段を設けてある請求項10記載のコンバイン。 - 前記自動切り換え手段を、前記横搬出部が前記搬出位置にあるときに、前記タンクアクチュエータを操作するように構成してある請求項11記載のコンバイン。
- 前記自動切り換え手段を、前記横搬出部が前記格納位置にあるときに、前記搬出アクチュエータを操作し、前記横搬出部が前記搬出位置に移動した後に前記タンクアクチュエータを操作するように構成してある請求項11又は12記載のコンバイン。
- 前記自動切り換え手段を、前記穀粒タンクが前記貯留姿勢にあるときに、前記搬出アクチュエータを操作するように構成してある請求項11〜13のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記自動切り換え手段を、前記穀粒タンクが前記排出姿勢にあるときに、前記タンクアクチュエータを操作し、前記穀粒タンクが前記貯留姿勢に移動した後に、前記搬出アクチュエータを操作するように構成してある請求項11〜14のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの貯留姿勢として、脱穀装置の上方に下降揺動した姿勢を設定してある請求項1〜15のいずれか一項に記載のコンバイン。
- 前記穀粒タンクの昇降軸芯が走行機体前後向きになるように、前記穀粒タンクを配備してある請求項1〜16のいずれか一項に記載のコンバイン。
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CN108684335A (zh) * | 2017-03-31 | 2018-10-23 | 株式会社久保田 | 收割机 |
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