JP2004047951A - テープフィーダおよび電子部品供給システム - Google Patents

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Abstract

【課題】テープフィーダが効率的に配置された電子部品供給システムを得る。また、そのような電子部品供給システムを構築できるテープフィーダを得る。
【解決手段】リール34を保持するリール保持部40のフィード装置30に対する相対位置(A,A’)の変更を許容するリール保持部位置変更許容装置260を、テープフィーダ10に設ける。そのようなテープフィーダ10を整列してフィーダテーブル12に取り付け、隣接するリール保持部30の位置を互い違いにすれば、テープフィーダ10の配設ピッチを小さくできる。上記変更許容装置260は、例えば伸縮装置とすることができる。また、リール保持部40がリール34の外面より飛び出さないようにし、さらに、フィード装置30の幅をリール34の厚みより小さくすれば、より、効率よくテープフィーダを配置でき、コンパクトな電子部品供給システムば実現する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品装着等において用いられるところの、電子部品をテープに配列して保持した電子部品テーピングから電子部品を供給するテープフィーダおよびそのテープフィーダを含んで構成される電子部品供給システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子部品装着作業では、電子部品をテープに配列して保持させたもの、つまり電子部品をテーピングしたもの(以下、「電子部品テーピング」という)から電子部品を供給し、供給された電子部品をプリント配線板等の回路基材に装着することが広く行われており、この電子部品テーピングから電子部品を供給する供給装置として、いわゆるテープフィーダと呼ばれる装置が多く用いられている。テープフィーダは、例えば、電子部品テーピングを巻回したリールがセットされ、このリールから延び出す電子部品テーピングを所定の部品供給部まで送り、その部品供給部において1個ずつ電子部品を供給するという方式のものが一般に採用されている。一般的なテープフィーダは、例えば、本件出願人による下記特許文献に示されるようなものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−29550号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
多種多様の電子回路が製造される中、電子部品装着作業の効率向上への要求は益々高まっている。そのため効率のよい部品供給を行える電子部品供給システムが切望されている。具体的には例えば、電子回路の高密度化により1つの回路基材に装着される電子部品の種類および数が増大する現状では、電子部品供給システムには、より多くのテープフィーダが搭載可能であることが望まれる。例えば、上記方式の電子部品供給システムでは、一般に、テープフィーダが並べて配置されることが多く、よりコンパクトなシステムを構築可能であるといった観点から、テープフィーダが効率的に配置されることが望まれるのである。また、電子部品装着の高速化が進む中、電子部品供給システムには、長時間の連続供給が可能であることも望まれる。上記方式のテープフィーダを用いて構成される電子部品供給システムでは、例えば、1つのリールの電子部品テーピングがなくなった場合に、そのリールの交換が行われたり、スプライシング(テーピングの接続を意味する)が行われたりすることから、それらの作業の作業性が良好であることも望まれるのである。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑み、効率のよい部品供給が可能な電子部品供給システムを得ること、また、そのような電子部品供給システムを構築できるテープフィーダを得ることを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様のテープフィーダおよび電子部品供給システムが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能である。
【0006】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、請求項1に(2)項の限定を加えたものが請求項2に、請求項2に(3)項および(5)項の限定を加えたものが請求項3に、請求項1ないし請求項3のいずれかに(7)項の限定を加えたものが請求項4に、請求項1ないし請求項4のいずれかに(8)項の限定を加えたものが請求項5に、請求項1ないし請求項5のいずれかに(9)項の限定を加えたものが請求項6に、請求項1ないし請求項6のいずれかに(12)項および(13)項の限定を加えたものが請求項7に、請求項1ないし請求項7のいずれかに(16)項の限定を加えたものが請求項8に、請求項1ないし請求項8のいずれかに(21)項の限定を加えたものが請求項9に、請求項9に(22)項の限定を加えたものが請求項10に、請求項9または請求項10に(11)項の限定を加えたものが請求項11に、それぞれ相当する。また、(21)項が請求項12に相当し、(31)項が請求項13に、請求項13に(32)項の限定を加えたものが請求項14に、それぞれ相当する。
【0007】
(0)リールに巻回された電子部品テーピングから電子部品を供給するテープフィーダであって、
リールから延び出す電子部品テーピングを部品供給部へ送るフィード装置と、そのフィード装置に連結され、そのフィード装置の後方に位置するリール保持部において、前記リールを、着脱可能に、かつ、そのリールの回転軸線であるリール回転軸線が前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向と直角に交差する状態に保持するリール保持装置と
を含むテープフィーダ。
【0008】
まず、本発明のテープフィーダに共通する構成要件を列挙した項として、上記(0)項を掲げた。この(0)項に記載の態様のテープフィーダは、本発明のテープフィーダに相当するものではないが、この(0)項は、(1)項以下に記載の本発明のテープフィーダの前提項としての役割を果たすものであり、(1)項以下は、(0)項を引用する形式で示す。なお、リールから延び出す電子部品テーピングは、その部品供給部に向かって送り出される。この送り方向を「テーピング送り方向」と称し、テープフィーダおよび電子部品供給システムの前後は、このテーピング送り方向を基準として表す(テーピングが進行していく方向の側を前側と呼ぶ)。また、「リール回転軸線が前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向と直角に交差する状態」とは、平たくは、リールがテーピング送り方向と平行に保持されることを意味する。
【0009】
(1)前記リールが前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に位置することを可能とすべく、前記フィード装置に対する前記リール保持部の相対位置の変更を許容するリール保持部位置変更許容装置を含む(0)項に記載のテープフィーダ。
【0010】
本項に記載のテープフィーダは、平たく言えば、保持されたリールの向きが異ならない複数の位置にリールを保持することが可能なテープフィーダである。例えば、複数の位置でリールを保持して部品供給動作を行うことが可能となる。後に詳しく説明するが、テープフィーダは、リールが存在する部分の幅が他の部分の幅より大きいものが多い。このようなフィーダを複数並べて電子部品供給システムを構成する場合、定められた1つの位置でしかリールを保持できなければ、隣接するフィーダのリールあるいは上記リールが存在する部分どうしが干渉するあるいは接近しすぎることを回避するために、テープフィーダの配設ピッチを大きくしなければならない場合が生じ得る。本項に記載の態様のように、リール位置(当該フィーダにおいてリールが位置する位置、つまり、当該フィーダ内におけるリールの位置を意味する。)を変更することができれば、テープフィーダの配設ピッチを比較的小さく維持したままで、上述したところのリールあるいはリールが存在する部分の干渉あるいは過度の接近を回避することができ、テープフィーダを配置する際の制約が少ない電子部品供給システムが実現する。すなわち、電子部品供給システムにおいてテープフィーダの効率的な配置が可能となるのである。
【0011】
なお、本項に記載のテープフィーダでは、リール保持部位置変更許容装置の具体的な態様が限定されるものではない。例えば、フィード装置とリール保持装置との連結が維持された状態でリール保持部の位置が変更可能な態様のものであってもよく、その態様のものは、利便性に優れる。これとは逆に、一旦両者の連結を解除した後、リール位置を変更した状態で再び両者が連結されるような態様、つまり、リール保持装置がフィード装置に対して脱着可能とされ、別の位置に取り付けられてリール位置が変更されるような態様のものであってもよい。
【0012】
複数のリール位置は、例えば、2つのリール位置を取り得る態様であってもよい。その場合、2つのリール位置は、互いに概ね前後に位置する関係とすることができる。また、互いに概ね上下に位置する関係とすることができる。システムの形態等に応じて、任意の態様とすることが可能である。
【0013】
(2)前記リール保持部位置変更許容装置が、前記フィード装置に対する前記リール保持部の前記リール保持面に沿った相対移動を許容するリール保持部移動許容装置を備えた(1)項に記載のテープフィーダ。
【0014】
本項に記載のテープフィーダには、例えば、フィード装置とリール保持装置とが連結を維持した状態でリール保持部の位置を変更可能な態様のものが含まれる。また、リール保持部移動許容装置には、例えば、リールの保持される方向を一定に保ったままリール保持部の移動を許容するものが含まれる。許容されるリール保持部の移動は、平行移動であってもよく、回転移動、平行移動と回転移動とが複合した移動等であってもよい。また、リール保持部の移動は、自動で行われるものでもよく、また、手動で行われるものであってもよい。
【0015】
(3)前記リール保持部移動許容装置が、前記フィード装置と前記リール保持装置との一方に設けられて前記リール保持面に平行に延びる軌道を形成する軌道形成部材と、前記フィード装置と前記リール保持装置との他方に設けられて前記軌道形成部により形成された軌道に沿ってスライドするスライド部材とを有する(2)項に記載のテープフィーダ。
【0016】
本項に記載のテープフィーダには、例えば、リール保持部が平行移動を許容される態様のものが含まれる。具体的には、例えば、フィード装置に軌道形成部材としてのガイドレールを設け、リール保持装置にそのガイドレールに係合して移動するスライド部材を設けるような構成の移動装置を有するようなテープフィーダである。逆に、フィード装置にスライド部材を設け、リール保持装置にガイドレールを設ける構成のものであってもよい。軌道形成部材によって形成される軌道は、直線的であってもよく、曲線的であってもよい。
【0017】
(4)前記リール保持部移動許容装置が、前記軌道形成部材と前記スライド部材とをそれぞれ複数備え、それらが複数段に配設された(3)項に記載のテープフィーダ。
【0018】
本項に記載のテープフィーダによれば、容易に、リール保持部の移動範囲を大きくすることができ、リール位置の変更域を拡大させることが可能となる。複数段の軌道形成部材の各々の形成する軌跡は、互いに平行であってもよく、また、いずれかの軌道形成部材によって形成される軌跡が、他軌道形成部材によって形成される軌跡と交差するものであってもよい。
【0019】
(5)前記リール保持部移動許容装置が伸縮装置として構成された(3)項または(4)項に記載のテープフィーダ。
【0020】
本項に記載のテープフィーダには、スライド部材が軌道形成部材に支持されている部分の長さを可変にするような態様のものが含まれる。例えば、リール保持部移動装置を、いわゆるテレスコピック機構の移動許容装置として構成することが可能である。例えば、固定の長いガイドレールを採用する場合と比較して、伸縮装置装置を採用する場合には、フィード装置とリール保持部とが比較的接近する位置にリール保持部を位置させるときに、上記移動許容装置が縮まった状態となるため、コンパクトなテープフィーダが実現可能である。なお、複数段方式の伸縮装置を採用すれば、より大きな伸縮代が得られる。
【0021】
(6)前記リール保持部位置変更許容装置が、前記リール保持部移動許容装置によって定まる前記リール保持部の移動行程における任意の位置あるいは設定された位置に前記リール保持部の位置を固定するリール保持部位置固定装置を備えた(2)項ないし(5)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0022】
前記リール移動許容装置による移動許容範囲内において、本項に記載の位置固定装置によってリール保持部の位置を固定させれば、その固定された位置がリール保持部の前記相対位置となり、その固定位置を複数の位置とすることにより、リール位置を複数の位置とすることが可能となる。本項に記載の位置固定装置によって固定可能な複数の位置は、例えば、目的とするリール位置に応じて設定された数箇所あるいは一定のピッチで設けられた数箇所といったように、不連続的な複数の位置であってもよく、また、いずれの位置においても固定可能なように、連続的な位置(複数の位置が連続しているものとみなすのである)であってもよい。なお、リール保持部位置固定装置には、クランプ機構、ストッパ部材を設けてそれの当接を利用する機構等、様々な機構を採用可能である。
【0023】
(7)前記リール保持部位置変更許容装置が、当該テープフィーダが前記テーピング送り方向が互いに平行となる状態で整列して複数配置された場合に、隣り合うテープフィーダの前記リール保持部に保持されたリールが当該テープフィーダが並ぶ方向であるフィーダ配列方向に平行な方向から見て互いに重なり合わない位置に前記リール保持部を位置させることを可能とするものである(1)項ないし(6)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0024】
一般に、複数のテープフィーダを含んで構成される部品供給システムにおいて、複数のテープフィーダは、それぞれのテーピング送り方向が互いに平行になる状態で整列して配置される。平たく言えば、多くの電子部品供給システムでは、複数のテープフィーダが、各々の側方部を互いに隣接させて同じ向きに配置される。また、システム自体をできるだけコンパクトにするという要求から、できるだけ間隔を詰めた状態でテープフィーダが配置されることが多い。その場合、リール保持部のフィード装置に対する相対位置を変更できないテープフィーダを採用すれば、リールが一列に並ぶ状態で配設される。
【0025】
先に述べたように、リールが空になった場合にはリールの交換作業が行われる。したがって、リールの交換作業が容易に行えることが望まれる。つまり、空のリールを容易に取り出すことができ、新たなリールを容易にセットできることが望まれるのである。場合によっては、電子部品テーピングを新たなリールに巻回された電子部品テーピングと継ぐといった作業(スプライシング作業)が行われて、その新たなリールがセットされる。かかる場合は、特にリールの脱着が容易に行えることが望まれる。ところが、上記フィーダの間隔を詰めた状態でリールが一列に並ぶシステムでは、リールが隣接するため、リールの脱着に多少なりとも困難が付きまとうことになる。より詳しく言えば、例えば、リールの間隔が狭すぎる場合には、うまく把持できないのである。これに対し、本項に記載のテープフィーダを採用する場合、隣接するフィーダのリールどうしが接近しすぎることを回避できるため、リール交換等の場合にリールの脱着が容易に行うことが可能になる。つまり、本項に記載のテープフィーダを採用する電子部品システムでは、作業性にも配慮した上で、効率よくテープフィーダを配置することが可能となる。
【0026】
(8)前記フィード装置の前記リール回転軸線に平行な方向における幅が、当該テープフィーダの前記リール保持部とそのリール保持部に保持されるリールとのうち幅が広い方のものの幅より小さくされた(0)項ないし(7)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0027】
リールは、一般に、2枚の平行な円板状のリール板とそれらリール板の中心部分を繋ぐように配置された巻回芯とを含んで構成される。かかる構成のリールでは、厚さが、少なくとも電子部品テーピングの幅より2枚のリール板の厚さだけ大きな厚さとなる。リール保持部の一部がリール板の外側にはみ出す場合には、リールが存在する部分の幅は、そのはみ出す部分だけさらに大きな幅を有することになる。一方、フィード装置は、その幅を電子テーピングの幅に近づけることが可能である。そのため、テープフィーダにおけるリールが存在する部分の幅に対して、フィード装置の幅を小さくすることができる。したがって、本項に記載のテープフィーダは、コンパクトなテープフィーダとなる。
【0028】
また、前記(7)項に記載の特徴と組み合わせて採用すれば、上記リールが存在する部分の位置を違えてテープフィーダを並ばせることができるため、フィーダ装置の幅に近いピッチでフィーダを配置させることが可能となる。つまり、(7)項と(8)項との両方の特徴を備えたテープフィーダを採用することにより、フィーダ幅、詳しくは、そのテープフィーダにおいて最も幅が広くなると予想されるリールの存在する部分の幅より小さな配設ピッチでテープフィーダを配置することができ、スペース効率の高い、コンパクトな電子部品供給システムを実現することができる。
【0029】
(9)前記リール保持部が、前記リールを保持した状態において、その保持したリールの2つのリール板の外面の各々を含む2平面より外側に突出しない構成とされた(0)項ないし(8)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0030】
コンパクトなテープフィーダという観点からは、各部の寸法をできるだけ小さくすることが望ましい。テープフィーダの幅については、前述したように、リールの2つのリール板の外面をそれぞれに含む2平面の間隔より小さくはできないが、その間隔と同じ幅まで小さくすることが望ましい。本項に記載の態様は、リールの存在する部分の幅を最小にすることが可能な一態様である。具体的には、リール保持部を、リール板の内面、リール板の外周面等を支持あるいは支承する構成とすればよい。
【0031】
(10)前記リール保持部が、前記保持したリールの2つのリール板のそれぞれの内面の位置を規定することによりそのリールの前記リール回転軸線に平行な方向における位置を規定するリール位置規定部を有する(0)項ないし(9)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
(11)前記リール保持部が、前記保持したリールの2つのリール板のそれぞれの内面の間隔より僅かに小さな厚みを有してそれら2つの内面の間に嵌入するリール板間嵌入部を有し、そのリール板間嵌入部が、前記リール位置規定部として機能する(10)項に記載のテープフィーダ。
【0032】
上記(10)項に記載の態様のように、リール板の内面によりリールの位置を規定すれば、リール板の外面より突出する部材をなくするあるいは突出する部材の突出代を小さくすることができる。そのため、コンパクトなテープフィーダが実現可能となる。(11)項に記載の態様は、(10)項の具体的な態様の1つであり、容易にリールの回転軸線方向の位置を規定することができる。(10)項および(11)項の態様は、(9)項に記載の態様を実現するための一手段ともなり得る。
【0033】
(12)当該テープフィーダが、電子部品を一定のピッチで配列して保持するキャリアテープと、そのキャリアテープの上面をカバーするカバーテープとを含む電子部品テーピングから電子部品を供給するものであり、前記フィード装置が、前記電子部品テーピングを前記電子部品の保持ピッチに応じた量だけ送るテーピング送り部と、そのテーピング送り部の動作に同期して前記カバーテープを前記保持ピッチに応じた量だけ前記キャリアテープから剥がすカバーテープ剥離装置を有するカバーテープ処理部とを備えた(0)項ないし(11)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0034】
本項は、フィード装置のより具体的な構成に関するものである。本項の態様のテープフィーダは、角穴パンチキャリアテープにボトムカバーテープを貼り、角穴に部品を入れ、トップカバーテープを貼り、テーピングとして完成した角穴パンチキャリア形テーピングや、エンボスキャリアテープに部品を入れ、トップカバーテープを貼り、テーピングとして完成したエンボスキャリア形テーピング等、各種電子部品テーピングを対象とすることができる。また、本項のテープフィーダは、上記テーピング送り部およびカバーテープ処理部の具体的な構成が特に限定されるものではなく、公知のテープフィーダが採用するそれらに関する構成を広く採用することができる。
【0035】
(13)前記カバーテープ処理部が、剥がされて前記テーピング送り方向とは反対向きに折り返された前記カバーテープを、そのカバーテープを捻った状態で前記リールから前記部品供給部に向かって延び出す電子部品テーピングと交差させてその電子部品テーピングの下側へ送るカバーテープ送り装置を有する(12)項に記載のテープフィーダ。
(14)前記カバーテープ送り装置が、前記カバーテープを概ね90゜捻った状態で、前記電子部品テーピングと交差させるものである(13)項に記載のテープフィーダ。
(15)前記カバーテープ処理部が、剥がされた前記カバーテープを巻き取ることなくフィード装置外へ送り出すカバーテープ送出装置を有する(12)項ないし(14)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0036】
上記(13)項ないし(15)項は、カバーテープ処理部の限定に関する。剥がされたカバーテープは、巻取り装置によって巻き取られるあるいは、巻き取られずにフィード装置外に送られる。巻取り装置をフィード装置の上部に備えない形式のもの、あるいは、巻き取らずに下方にそのまま送り出す形式のもの等、目的とするフィーダあるいは電子部品供給システムに応じ、剥がされたカバーテープをリールから延び出す電子部品テーピングと交差させる必要が生じる。かかる場合、(13)項に記載のフィーダによれば、カバーテープが捻られて電子部品テーピングと交差するため、カバーテープがテープフィーダの内部を通過する場合にはフィーダ幅を、あるいはテープフィーダの外側をカバーテープが通過する場合には隣接するテープフィーダとの間隔を小さくできるという利点を有する。その結果、テープフィーダを小さな配設ピッチで効率よく配設できる。(14)項に記載の態様では、より小さな配設ピッチで配置可能なテープフィーダが実現されることになる。また、(15)項に記載のテープフィーダでは、巻取り装置を必要としないため、より小型化が可能となる。上記(13)項、(14)項および(15)項に記載の技術的特徴を適宜組み合わせた態様とすることにより、より実用的な電子部品供給システムが構築可能なテープフィーダとなる。
【0037】
(16)前記フィード装置が、駆動源を備えず、外部駆動装置によって駆動されるものである(0)項ないし(15)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
(17)前記フィード装置が、前記外部駆動装置によって駆動される被駆動部材を備え、その被駆動部材によって駆動されるものである(16)項に記載のテープフィーダ。
【0038】
本発明のテープフィーダは、フィード装置が、エアシリンダ、電動モータ等の駆動源を備えるものをも対象とし得る。しかし、駆動源は、比較的大きなものであるため、駆動源を備える場合、フィーダの幅を小さくするためには、何らかの工夫を必要とする。上記(16)項に記載のテープフィーダでは,外部駆動装置によってフィード装置が駆動されるため、簡便な構造によってフィーダの幅を小さくすることができ、電子部品供給システムにおいて効率のよいフィーダの配置が容易となる。また、駆動源を備えないことは、後に詳しく説明するように、テープフィーダの機構の単純化、低コスト化、軽量化等につながる。(17)項に記載のテープフィーダでは、自らが備える被駆動部材が駆動されることにより駆動される。被駆動部材は、後に詳しく説明するように、例えば、揺動可能なレバー、回転する軸等、種々のものが採用可能である。外部駆動装置は、被駆動部材との関係等によって、エアシリンダ、電動モータ等の種々の駆動源が採用でき、また、テープフィーダが取り付けられるフィーダテーブルに設けられるもの、また、電子部品装着装置に設けられるもの等、配設される位置もバリエーションに富む。さらに、複数のテープフィーダが1つの外部駆動装置で駆動される態様、複数の外部駆動装置を備え、複数のテープフィーダの各々がそれら外部駆動装置のそれぞれで駆動される態様等、外部駆動装置の数についても種々の態様で実施することができる。
【0039】
(18)当該テープフィーダが、フィーダテーブルに着脱可能に取り付けられるものであり、取り付けられた状態において、前記被駆動部材が前記外部駆動装置の出力部材である駆動部材に係合してその駆動部材により駆動されるものである(17)項に記載のテープフィーダ。
【0040】
本項の態様は、外部駆動装置が、テープフィーダが取り付けられるフィーダテーブルに複数設けられ、1つ1つのテープフィーダが、1つ1つの外部駆動装置によって駆動される形式の電子部品供給システムに好適な態様である。
【0041】
(19)前記フィード装置が、一端部が前記駆動部材と係合して自らの回転軸線回りに回転させられることで前記被駆動部材として機能する入力軸を備える(18)項に記載のテープフィーダ。
(20)前記入力軸が、前記電子部品テーピングの幅方向に略直角な一平面内に回転軸線が位置する状態で配設された(19)項に記載のテープフィーダ。
【0042】
上記(19)項に記載のテープフィーダでは、入力軸の回転によって駆動される。後に詳しく説明するように、フィーダの機構が単純化し、高速動作が可能となる。(20)項に記載の態様では、入力軸の配設方向が上記方向に限定されているため、フィード装置の幅を小さくすることができ、電子部品供給システムにおいて効率的なテープフィーダの配置が可能となる。
【0043】
(21)前記リール保持部が、前記リールが前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に位置することを可能とすべく、当該リール保持部における前記リールの保持位置の変更を許容する保持位置変更許容装置を備えた(0)項ないし(20)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0044】
先の(1)項に記載の態様では、リール保持部の位置が変更可能とされることでリール位置を変更可能とするのに対し、本項に記載の態様は、リール保持部自体が、自身におけるリールの保持位置の変更を許容する装置を備えるものである。具体的なテープフィーダにおいて、どの範囲の部分をリール保持部と観念するかは任意であるが、(1)項に記載の態様はリール保持部とリールとの相対位置が変化しない態様と観念することができ、また、本項に記載の態様は、その相対位置が変化する態様と観念できる。2つの態様の各々におけるリール保持部は、そのような観点から、その範囲を決定することができる。
【0045】
本項の態様は、先のリール保持部位置変更許容装置と本項にいう保持位置変更許容装置との両者を組み合わせた態様、つまり、リール保持部も位置が変更可能であり、そのリール保持部においてもリールの保持位置が変更可能とされるものは、フィーダ配置効率の向上に加え、特に、リールの交換等の作業に対する作業性をより向上させることができる。具体的な例を挙げれば、例えば、リール保持部位置変更許容装置によって、リール位置を概ね前後に変更可能とし、保持位置変更許容装置によって、前後方向と交差する方向に互いに異なる位置(例えば概ね上下)に変更可能とする態様,それとは逆に、リール保持部位置変更許容装置によって、リール位置を概ね上下に変更可能とし、保持位置変更許容装置によって、上下方向と交差する方向に互いに異なる位置(例えば概ね前後)に変更可能とする態様とすることができる。なお、隣接するフィーダ,リール等との干渉に鑑みれば、保持位置変更許容装置によって許容される位置範囲は、ある程度以上あることが望ましい。例えば、2つの保持位置に位置しうる態様であれば、それら保持位置の間隔(2つの保持位置の各々におけるリール中心間の距離)は、保持可能な最も大きい外径のリールの直径よりも大きいことが望ましい。
【0046】
(22)前記保持位置変更許容装置が、少なくとも、当該テープフィーダが通常の部品供給動作を行うときの保持位置である通常動作時保持位置と、前記リールを前記リール保持部に装着あるいは離脱させるときの一時的な保持位置である着脱時保持位置との2つの保持位置との間の変更を許容するものである(21)項に記載のテープフィーダ。
【0047】
本項に記載の態様は、リールの交換等の作業の作業性を高めることが可能である。例えば、複数のフィーダが互いに隣接して配置されている場合のリール交換作業は、隣接するフィーダ,リール等が干渉して行い難い場合がある。そのような場合に、保持位置を変更させて一時的に干渉しない位置にリールを位置させれば、リールの交換作業が行い易くなる。なお、リールの交換にはスプライシング作業を伴うものも含まれる。スプライシング作業は、新たなリールを一時的にいずれかの位置に保持させて行うため、保持位置変更許容装置によって、着脱時保持位置として、隣接するフィーダ,リール等による制約を受けない位置に位置させることができれば、スプライシング作業の容易化が図れる。
【0048】
(23)前記リール保持部が、前記リールの前記リール回転軸線に平行な方向の位置を規制するリール位置規制部を有し、前記保持位置変更許容装置が、少なくとも、前記リールが前記リール位置規制部による規制を受ける保持位置である被規制保持位置とその規制が解除される保持位置である規制解除保持位置との2つの保持位置との間の変更を許容するものである(21)項または(22)項に記載のテープフィーダ。
【0049】
具体的な説明をすれば、フィーダの動作時においては、テーピングの送り方向に交差する方向、特に、左右方の曲がりを考慮すれば、リール回転軸線方向の位置変動をある程度規制することが望ましく、その方向の位置を規制する手段が設けられることがある。そのような場合、リールの脱着等に鑑みれば、着脱時においてその規制が解除されることが望ましい場合もある。本項に記載の態様は、保持位置変更許容装置によって許容されるいずれかの位置において、その規制手段の規制から解除されるようにすれば、リールの脱着等において便利である。本項に記載の態様の具体例として説明した上記態様は、先の通常動作時保持位置が被規制保持位置とされ、着脱時保持位置が規制解除保持位置とされる態様である。
【0050】
(24)前記保持位置変更許容装置が、少なくとも、前記リールの前記部品供給部からの距離が比較的小さな保持位置である近距離保持位置と比較的大きな保持位置である遠距離保持位置との2つの保持位置との間の変更を許容するものである(21)項ないし(23)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
【0051】
具体的な説明をすれば、フィーダのコンパクト化ということに鑑みると、リール保持部とフィード装置との間隔はできるだけ小さいことが望ましい。ところが、例えば、スプライシング作業等を行う場合は、フィード装置と新たなリールとの位置が近すぎとやり難い場合ある。そのような場合、本項に記載の態様では、フィード装置に近い位置と、フィード装置から離れた位置との2つの位置をとり得ることから、スプライシング作業等を容易に行うことが可能である。つまり、上記具体的な例は、、前述の通常動作時保持位置が近距離保持位置とされ、着脱時保持位置が遠距離保持位置とされた態様である。
【0052】
(25)前記リール保持部が、(A)保持部本体と、(B)その保持部本体に設けられた回転中心を中心に、前記リール回転軸線に直角な平面内において回転可能に設けられ、かつ、前記回転中心から離間した位置に設けられて前記リールを着脱可能かつ回転可能に保持するリール保持軸を有するリール保持部材とを備え、
そのリール保持部材を回転可能とする機構を含んで前記保持位置変更許容装置が構成された(21)項ないし(24)項のいずれかに記載のテープフィーダ。
(26)前記リール保持部が、前記リール保持部材を任意のあるいは設定された回転位置に固定するリール保持部材固定装置を備え、そのリール保持部材固定装置を含んで前記保持位置変更許容装置が構成された(25)項に記載のテープフィーダ。
【0053】
本発明において、保持位置変更許容装置の具体的な構造は、特別な態様に限定されるのもではない。例えば、リール保持部が異なる複数の位置にリールをセットできるような構造をなすのもである場合に、そのセットに関する機構が保持位置変更許容装置となり得る。また、リール保持部が、リールを保持する何某かの保持具を有し、その保持具が移動可能とされることによって、リール保持部における保持位置が変更されるような構造であってもよい。それに対し、上記(25)項および(26)項に記載の態様は、保持位置変更許容装置の構造に関して限定を加えた態様である。(25)項に記載の態様には、例えば、リールの中心を保持する上記保持具としての部材が揺動(スイング)可能とされるように構成された態様が含まれ、(26)項に記載の態様は、その態様において上記保持具としての部材がいずれかの位置で固定されることによってリール保持部におけるリールの保持位置が固定されるように構成された態様が含まれる。
【0054】
(30)リールから延び出す電子部品テーピングを部品供給部へ送るフィード装置と、そのフィード装置に連結され、そのフィード装置の後方に位置するリール保持部において、前記リールを、着脱可能に、かつ、そのリールの回転軸線であるリール回転軸線が前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向と直角に交差する状態に保持するリール保持装置とを含み、前記部品供給部において電子部品を供給する複数のテープフィーダと、
それら複数のテープフィーダが、それぞれ脱着可能に取り付けられるフィーダテーブルと
を含む電子部品供給システム。
【0055】
本項は、本発明の電子部品供給システムに共通する構成要件を列挙した項であり、本発明の電子部品供給システムに相当するものではない。本(30)項は、(31)項以下に記載の本発明の電子部品供給システムの前提項としての役割を有しており、(31)項以下は、本(30)項を引用する形式で示す。なお、本項における「テープフィーダ」に前記(1)項ないし(25)項のいずれかに記載の技術的特徴を有するテープフィーダを採用することにより、各種態様の本発明の電子部品供給システムとなる。
【0056】
本発明の電子部品供給システムは、フィーダテーブルが移動しない固定式のものであってもよく、また、テーブル移動装置を含んでテープフィーダが取り付けられた状態でフィーダテーブルが移動させられる移動式のものであってもよい。固定式のものは、例えば、部品保持ヘッドがXYロボットによって移動させられるXYロボットタイプの電子部品装着機に好適である。また、移動式のものは、例えば、部品保持ヘッドが間欠回転するロータリーヘッドタイプの高速型電子部品装着機に好適であり、装着プログラムにしたがって、当該装着機の一定の部品取出位置に、それぞれのテープフィーダの部品供給部が順次位置するようにテーブルを移動させる態様で実施することが可能である。
【0057】
(31)前記複数のテープフィーダの各々が、
前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に前記リールが位置することを可能とすべく、前記フィード装置に対する前記リール保持部の相対位置の変更を許容するリール保持部位置変更許容装置を含み、
前記テーピング送り方向が互いに平行となる状態で整列し、かつ、各々のリール保持部位置変更許容装置によって、隣り合うテープフィーダのリール保持部に保持されたリールが当該テープフィーダの整列する方向に平行な方向から見て互いに重なり合わない位置に各々の前記リール保持部が位置させられた状態で、互いに隣接して配置可能な(30)項に記載の電子部品供給システム。
【0058】
本項に記載の電子部品供給システムは、前記(1)項および(7)項に記載の技術的特徴を有するテープフィーダを採用する態様のシステムであり、前記(7)項の説明において記載したように、作業性に配慮した、効率のよいフィーダの配置が可能となる。なお、(31)項以下の本発明の各種態様のシステムにおいて採用されるテープフィーダには、前記(2)項ないし(6)項のそれぞれに記載されたリール保持部位置変更許容装置に関する技術的特徴の一部または全部を採り入れることが可能である。
【0059】
(32)前記複数のテープフィーダの各々が、前記フィード装置の前記リール回転軸線に平行な方向における幅が前記リール保持部とそのリール保持部に保持されるリールとのうち幅が広い方のものの幅より小さくされており、その幅よりも小さなピッチで互いに隣接して配置可能な(31)項に記載の電子部品供給システム。
【0060】
本項の電子部品供給システムは、さらに前記(8)項に記載の技術的特徴を有するテープフィーダを採用する態様のシステムであり、このことから、前記(8)項の説明において記載したように、より多くのフィーダが効率的に配置された電子部品供給システムが実現する。
【0061】
(33)前記複数のテープフィーダの各々のフィード装置が駆動源を備えず、前記フィーダテーブルが、前記フィード装置の外部駆動装置である複数のフィーダ駆動装置を含み、前記複数のテープフィーダの各々のフィード装置がそれら複数のフィーダ駆動装置のいずれかによって駆動される(30)項ないし(32)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
【0062】
テープフィーダが自ら駆動源を備える場合、その駆動源には、電動モータ、エアシリンダ等が採用される。しかし、これらの駆動源は比較的大型であり、これらの駆動源を備える場合は、フィーダ自体の幅が大きくならないようにするには、何らかの工夫が必要とされる場合ある。本項に記載の電子部品供給システムは、テープフィーダが駆動源を備えていないために、フィーダの幅を簡便な手段によって小さくできることから、テーブルにより多くのフィーダを取り付けることができ、スペース効率の高いシステムが容易に得られる。また、テープフィーダが駆動源を有する場合、フィーダの機構そのものが複雑になり、テープフィーダが比較的高価なものとなってしまう。これに対し、本項の態様のシステムでは、テープフィーダが、単純かつ安価なものとなる。さらに、テープフィーダが駆動源を備えていないことは、テープフィーダの軽量化につながり、オペレータの作業性の向上、労力軽減等につながる。なお、上記説明においては、厳密には、フィード装置の幅が小さくなり、フィード装置の機構が単純化するのであるが、ここからの説明では、説明を単純にするために、特にフィード装置について個別的に論じなければならない場合を除いて、単に、フィーダの幅、フィーダの機構等といった省略的表現を用いることとする。
【0063】
例えば、電子部品装着機等に本電子部品供給システムが組み込まれて、複数のテープフィーダが1つの外部駆動装置によって駆動される場合には、部品を供給するテープフィーダごとに駆動を切り替える手段を必要とする。そのためシステムが煩雑化する。また、電子部品テーピングの部品保持ピッチが大きいときには、例えば複数回に分けてテーピングの送り動作を行う等の必要で、供給のための時間が長くかかることがあり、1つの外部駆動装置で複数のテープフィーダを駆動させる場合、部品供給速度(単位時間あたりの供給部品数の意味である)が遅くなる事態が発生し得る。本項の電子部品供給システムでは、テープフィーダの各々が個別のフィーダ駆動装置によって駆動されるため、システム自体が単純化され、高速の部品供給が可能となる。なお、本電子部品供給システムでは、テープフィーダの数とフィーダ駆動装置の数とが、必ずしも同数である必要はない。例えば、フィーダ駆動装置の数がテープフィーダの数を上回る態様も含まれる。
【0064】
本電子部品供給システムにおいて、フィーダ駆動装置は、テープフィーダが取り付けられる部分と一体的に形成された部分に設けられるものに限定されない。例えば、フィーダ駆動装置が、テープフィーダが取り付けられる部分とは別体をなす部分に設けられる場合、テープフィーダとは距離を隔てた部分にに設けられる場合等もあり得る。本電子部品供給システムは、そのような態様をも許容するため、本電子部品供給システムにおけるフィーダテーブルは、広く解釈し、上記部分等を含むものとして扱う。
【0065】
(34)前記複数のテープフィーダの各々が、自らが供給動作を行うために駆動される被駆動部材を前記フィード装置に備え、前記複数のフィーダ駆動装置の各々が、駆動源と、その駆動源によって駆動される出力部材としての駆動部材とを備え、前記複数のテープフィーダが前記フィーダテーブルに取り付けられた状態において、それら複数のテープフィーダの各々の前記被駆動部材と前記複数のフィーダ駆動装置のいずれか1つのものの前記駆動部材とが係合状態となることにより、前記複数のテープフィーダの各々が前記複数のフィーダ駆動装置のいずれかによって駆動される(33)項に記載の電子部品供給システム。
【0066】
本項に記載の電子部品供給システムでは、互いに係合して駆動力の伝達を行う被駆動部材および駆動部材の各々を、テープフィーダおよびフィーダ駆動装置の各々に有する。フィーダテーブルに取り付けることによって、テープフィーダが駆動可能な状態となることで、簡便なシステムとなる。
【0067】
(35)前記フィーダテーブルが、前記複数のテープフィーダを前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向が互いに平行となる状態で整列して配置可能に、前記複数のテープフィーダの1ずつが取り付けられる複数のフィーダ取付部を含む(34)項に記載の電子部品供給システム。
(36)前記複数のフィーダ取付部の各々に対応して前記複数のフィーダ駆動装置の1つずつが設けられた(35)項に記載の電子部品供給システム。
(37)前記テープフィーダの各々の前記被駆動部材が前記複数のフィーダ駆動装置のいずれのものの前記駆動部材とも係合可能とすべく、前記複数のテープフィーダの各々の前記被駆動部材の各テープフィーダにおける位置が画一化されており、かつ、前記複数のフィーダ駆動装置の各々の前記駆動部材のそれに対応する前記フィーダ取付部における位置が画一化されている(36)項に記載の電子部品供給システム。
【0068】
上記3つの項は、フィーダテーブルに設けられたフィーダ取付部に関する態様を示したものである。上記(35)項の電子部品供給システムは、複数のフィーダが整列可能な態様であり、実用的な電子部品供給システムが実現する。上記(36)項の電子部品供給システムは、フィーダ取付部とフィーダ駆動装置とが1対1に設けられた態様のものであり、テープフィーダが取り付けられる箇所に応じてそのテープフィーダを駆動するフィーダ駆動装置が決定される態様のシステムである。また、上記(37)項の態様で実施すれば、テープフィーダの交換、配置替え等が容易に行えることから、汎用性の高いシステムが実現する。
【0069】
(38)前記複数のフィーダ取付部が、前記複数のテープフィーダが並ぶ方向であるフィーダ配列方向に等ピッチで設けられた(35)項ないし(37)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
【0070】
本発明の電子部品供給システムでは、テープフィーダの配列方式が特に限定されるものではないが、例えば、同じ幅のテープフィーダでシステムが構成されるような場合は、その幅に応じた一定のピッチでフィーダ取付部が設けられれば、テープフィーダの効率のよい配置が可能となる。また、テープフィーダは、それが対象とする電子部品テーピングの幅が異なる等の理由により、その幅が異なるもののが存在する。フィーダ幅が異なるテープフィーダが混在してシステムを構成するような場合、例えば、その幅のものが最も多く存在するテープフィーダの幅に応じたピッチでフィーダ取付部を設ける態様、あるいは、最も大きな幅のテープフィーダの幅に応じたピッチで設ける態様、最も小さな幅のテープフィーダの幅に応じたピッチで設ける態様等、種々の態様を選択できる。フィーダの配置効率等を考慮して、適切なピッチとすればよい。なお、幅の異なるテープフィーダが存在する部分では、隣接するテープフィーダの間隔が大きくなることもあり得る。
【0071】
(39)前記複数のフィーダ駆動装置の各々の前記駆動源の前記フィーダ配列方向の幅が前記フィーダ取付部の配設ピッチより大きく、複数の駆動源のうちの隣接するものどうしの干渉を避けるべく、それら隣接する駆動源が、前記フィーダ配列方向に平行な方向から見た場合における位置を互いに異ならせて配設された(38)項に記載の電子部品供給システム。
(40)前記複数の駆動源が、前記フィーダ配列方向に沿って千鳥状に配設された(39)項に記載の電子部品供給システム。
【0072】
前述したように、テープフィーダを数多く配置する場合スペース効率に鑑みれば、テープフィーダの取り付けられるピッチをできるだけ小さく、例えば、隣接するテープフィーダとの間隔をできるだけ小さくして配置することが望ましい。そのためには、フィーダ取付部の配設ピッチを小さくしなければならない。一方、フィーダ駆動装置の駆動源は、電動モータ、エアシリンダ等種々のものを採用することが可能であるが、前述したように、そのような駆動源は比較的大きいため、フィーダ取付部の配設ピッチが小さい場合、隣接する駆動源が干渉することもあり得る。かかる事態を回避するための一態様が上記(39)項に記載の態様である。(39)項の態様は、複数の駆動源が一直線に並ぶのではなく、例えば、平たく言うことろの、互い違いに駆動源が並べられた態様が含まれる。上下方向、前後方向等、種々の向きに互い違いに配設することが可能である。上記(40)項に記載の態様は、互い違いに配設する方式に関する一態様であり、駆動源が比較的秩序よく並べられた態様である。
【0073】
(41)前記複数のテープフィーダの各々が前記フィード装置において前記フィーダテーブルに取り付けられるものであり、前記複数のテープフィーダの各々の前記フィーダテーブルへの取付時に、その各々のテープフィーダのフィード装置の一部分とそれが取り付けられる前記フィーダ取付部の一部分との一方向のスライドを許容するスライド許容装置を含む(35)項ないし(40)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
【0074】
本項に記載の態様のように、テープフィーダをスライドさせてフィーダテーブルに取り付けることができれば、その取付作業を簡便に行うことができる。実際の作業においては、複数のテープフィーダが隣接して配置された状態において、任意の1以上のテープフィーダを取り外して交換することも行われる。このことを考慮すれば、フィーダ配列方向に交差する方向、例えばテープフィーダが幅方向に整列して配置されている場合は、前後方向、上下方向等の方向にスライド可能なようにシステムを構成することが望ましい。具体的なスライド許容装置として、例えば、フィーダ取付部にレール、溝等として形成されたガイド部を設け、テープフィーダにそのガイド部に案内される被ガイド部を設けて、一定の方向のみのスライドのみを許容する装置等を採用することができる。
【0075】
(42)前記複数のテープフィーダの各々を前記フィーダテーブルに対する前記スライドの方向における設定位置に位置決めするスライド方向位置決め装置を含む(41)項に記載の電子部品供給システム。
(43)前記複数のテープフィーダの各々が前記設定位置に位置させられた状態において、そのテープフィーダの各々の前記被駆動部材と前記複数のフィーダ駆動装置のいずれか1つのものの前記駆動部材とが係合状態となる(42)項に記載の電子部品供給システム。
【0076】
上記(42)項に記載の態様によれば、テープフィーダの取付においてそのテープフィーダをスライド可能とした場合において、そのスライド方向におけるテープフィーダの取付位置を容易に決定できる。具体的なスライド方向位置決め装置として、例えば、フィーダ取付部にストッパ部材等を含む係止部を設け、テープフィーダの一部分がその係止部に係止されるような構成の装置が採用できる。また、上記(43)項に記載の態様によれば、その位置での駆動力の伝達が確保される。なお、(43)項の態様の電子部品供給システムは、被駆動部材と駆動部材とが、テープフィーダのスライドによって、互いに接近させられて係合する態様のものを含み得る。
【0077】
(44)前記複数のテープフィーダの各々が、前記フィーダテーブルに前記フィード装置の下部を支承されかつ前記テーピング送り方向における前部を支持されて取り付けられるものであり、前記複数のフィーダ取付部の各々が、前記複数のテープフィーダの各々の前記フィード装置の下部に設けられた下部被支承部を支承するフィーダ下部支承部と、その各々の前記フィード装置の前部に設けられた前部被支持部を支持するフィーダ前部支持部とを備える(35)項ないし(43)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
(45)前記複数のフィーダ取付部の前記フィーダ下部支承部と前記フィーダ前部支持部とがそれぞれ面一に構成され、かつ、前記複数のテープフィーダの少なくとも一部において、前記部品供給部の前記下部被支承部と前記前部被支持部とに対する相対位置関係が画一化された(44)項に記載の電子部品供給システム。
(46)前記複数のテープフィーダの前記被駆動部材の各々の係合部のいずれもが、各テープフィーダの前記フィード装置の前記下部被支承部と前記前部被支持部とに対して一定位置に設けられ、前記複数のフィーダ駆動装置の前記駆動部材の各々の係合部のいずれもが、前記被駆動部材の係合部の位置に対応して、前記フィーダ下部支承部と前記フィーダ前部支持部とに対して一定位置に設けられた(44)項または(45)項に記載の電子部品供給システム。
(47)前記被駆動部材の係合部が前記下部被支承部と前記前部被支持部との一方に設けられ、前記駆動部材の係合部が前記フィーダ下部被支承部と前記フィーダ前部支持部との一方に設けられており、前記複数のテープフィーダの各々の前記フィーダテーブルへの取り付け時に、前記下部被支承部と前記前部被支持部とのうち前記被駆動部材の係合部が設けられていない他方と、前記フィーダ下部支承部と前記フィーダ前部支持部との前記駆動部材が設けられていない他方との一方向のスライドを許容するスライド許容装置を備え、そのスライド許容装置により許容された前記一方向に前記下部被支承部と被支持部との一方と前記フィーダ下部支承部とフィーダ前部支持部との一方とが接近させられて前記被駆動部材と駆動部材とが係合可能に構成された(46)項に記載の電子部品供給システム。
【0078】
上記4つの項は、本発明の電子部品供給システムの実用的な態様を示す項である。電子部品供給システムが電子部品装着機等に組み込まれて用いられる場合、一般的には、電子部品は部品供給部の上方より取り出されるため、テープフィーダは下部において支承されることが望ましい。また、テープフィーダの後方には、電子部品テーピングが巻回されたリールが保持されることから、前部を支持されることが望ましい。これらのことを考慮したのが、上記(44)項に記載の態様である。その態様によれば、2つの箇所でテープフィーダが支えられることになるため、位置精度よくしっかりとフィーダテーブルに取り付けられることになる。上記(45)項は、テープフィーダの部品供給部を整列させることができる態様について記載した項であり、また、上記(46)項は、前記(37)項の態様をより具体的にした態様に関するものであって、テープフィーダの交換、入れ替え等を容易にして、システムの汎用性を高め得る態様についての項である。上記(47)項は、前記(41)項の態様をより具体的にした態様に関するものであり、その(41)項の説明において示したメリットを享受でき、また、場合によっては、前記(42)項、(43)項の説明において示したメリットをも享受できる。
【0079】
上記(45)項についてさらに説明する。本発明の電子部品供給システムにおいては、複数のテープフィーダが整列して配置された場合に、必ずしも、それぞれの部品供給部までもが整列させられることを要しない。例えば、テープフィーダが対象とする電子部品テーピングの幅、収納されている電子部品の形状等に応じて、部品供給部の位置がテープフィーダごとに異なることもあり得る。その場合、例えば、テープフィーダの前方部分を揃えて整列させたとしても、部品供給部の位置が揃わないこともあり得る。本発明の電子部品供給システムは、かかる態様のものをも含むのである。(45)項に記載の態様を採用すれば上記部品供給部の相対位置関係が画一化されたテープフィーダにおいては、その部品供給部の位置が整列させられることになる。すべてのテープフィーダの上記部品供給部の相対位置関係を画一化させれば、すべての部品供給部を略一直線上に整列させることが可能になる。部品供給部が整列させられた態様は、電子部品の取り出しの利便性に優れる。
【0080】
(48)前記複数のテープフィーダの各々が、一端部が前記駆動部材と係合して自らの回転軸線回りに回転させられることで前記被駆動部材として機能する入力軸を前記フィード装置に備える(34)項ないし(47)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
【0081】
本発明の電子部品供給システムにおいて、テープフィーダの入力部材として機能する被駆動部材は、種々の態様のものを採用し得る。例えば、揺動可能なレバー、押し下げられるロッド状のもの、回転させられる軸状の回転体等である。揺動あるいは押し下げられるレバー等を被駆動部材とする場合、この被駆動部材の往復運動を回転運動に変換する機構を必要とし、フィーダの機構がある程度複雑なものになる。本項に記載の態様では、回転駆動力が入力されるため、上記変換の機構を必要とせず、フィーダの機構を単純化することができる。また、上記変換機構を必要としないことから、テープフィーダを比較的高速に動作させることができる。
【0082】
(49)前記入力軸が、前記電子部品テーピングの幅方向に略直角な一平面内に回転軸線が位置する状態で前記フィード装置に配設された(48)項に記載の電子部品供給システム。
【0083】
前述したように、テープフィーダは比較的小さな幅とされる。そのため、入力軸を上記方向に配設すれば、テープフィーダの幅を小さくすることが容易となる。例えば、前述のテーピング送り部、カバーテープ処理部等の駆動部分がテープフィーダ内において離れて存在する場合、入力軸を比較的長くすることが好都合である。本項に記載の態様は、そのように長い入力軸が配設されるときに、特に有効な態様である。
【0084】
(50)前記駆動部材が、係合状態において前記入力軸と同軸的になる状態で配設されて回転軸線方向の一端部においてその入力軸の一端部と係合する回転体である(48)項または(49)項に記載の電子部品供給システム。
【0085】
本項は、被駆動部材と係合する駆動部材に関する限定を行った項である。駆動部材が回転体である本項に記載の態様によれば、回転運動から回転運動への駆動力の伝達であることから、駆動部材から被駆動部材への駆動力の伝達が、効率よく行われる。
【0086】
(51)前記回転体と前記入力軸との各々が、前記回転体の一端部と前記入力軸の一端部とが両者の一定の相対回転角度位置において互いに噛合して回転伝達を行うそれぞれの噛合部を有する(50)項に記載の電子部品供給システム。
【0087】
本項に記載の態様には、例えば、入力軸と回転体との互いの噛合部に、それぞれ平ギヤを設け、この平ギヤどうしが噛合する態様が含まれる。この態様の場合、両平ギヤのギヤ比を異ならせることにより、回転速度を種々に変更可能である。また、入力軸と回転体との互いの回転軸線が同一線上となるように構成することもできる。その場合は、例えば、スプライン嵌合するようにそれぞれの噛合部を形成すればよい。入力軸と回転体との互いの回転軸線が同一線上となる場合には、それぞれの端面が噛合部となる態様とすることもできる。具体的には、例えば、一方の端面に回転軸線回りに凸部を形成させ、他方の端面に回転軸線回りにその凸部と嵌合する凹部を形成させて、それぞれの噛合部とすればよい。
【0088】
(52)前記回転体および前記入力軸の各々の回転軸線が同一直線上に位置し、かつ、前記それぞれの噛合部が、それら回転体および入力軸とがその各々の回転軸線の方向に互いに接近させられて定められた噛合位置に位置する状態において噛合するものである(51)項に記載の電子部品供給システム。
【0089】
本項に記載の態様は、テープフィーダをスライドさせてフィーダテーブルに取り付ける態様において、有効な態様である。その場合、前記テープフィーダのスライド方向と、回転体および入力軸のそれぞれの回転軸線の方向とが一致するような構成とすることが望ましい。
【0090】
(53)前記それぞれの噛合部の噛合が、前記複数のテープフィーダの各々と前記複数のフィーダ駆動装置の各々とが定められた相対移動位置まで相対移動させられて行われるものであり、
前記複数のテープフィーダの各々の前記フィード装置と前記複数のフィーダ駆動装置の各々との少なくとも一方に、前記回転体と前記入力軸とが前記一定の相対回転角度位置にない状態で互いに接近させられた場合においても、両者が前記噛合位置に到らぬ状態で前記テープフィーダの各々と前記複数のフィーダ駆動装置の各々との前記相対移動位置までの相対移動を許容し、前記回転体と前記入力軸との少なくとも一方が回転させられて両者が前記一定の相対回転角度位置になったときに、両者を前記噛合位置まで接近させてそれぞれの一端部どうしを噛合させる不適切回転位置時噛合担保装置を備えた(52)項に記載の電子部品供給システム。
【0091】
例えば、前述したようなテープフィーダをスライドさせてフィーダテーブルに取り付ける態様においては、以下の事態が生じ得る。回転体と入力軸とが適切な相対回転角度位置にないときにテープフィーダを取り付ける場合、テープフィーダが所定の取付位置までスライドする手前で、回転軸と入力軸とが噛合しない状態で当接する。そのため、テープフィーダはそれ以上テープフィーダを移動させることができず、取り付けができない。本態様によれば、回転体と入力軸とが係合しない場合でも、テープフィーダを所定の取付位置にまで移動させることができる。そして、例えば、フィーダ駆動装置を駆動させるあるいはテープフィーダを操作して、回転体と入力軸とが適切な相対回転角度位置になった状態において、両者の噛合が行われるのである。本項の態様では、上記不適切回転位置時噛合担保装置により、良好な噛合が行われる。
【0092】
(54)前記不適切回転位置時噛合担保装置が、前記回転体と前記入力軸との少なくとも一方のそれが設けられている前記フィーダ駆動装置または前記テープフィーダの前記フィード装置に対する前記回転軸線方向の一定範囲の移動を許容する回転軸線方向移動許容装置を有する(53)項に記載の電子部品供給システム。
(55)前記不適切回転位置時噛合担保装置が、前記回転体と入力軸との少なくとも一方を互いに接近する方向に付勢する付勢部材を有する(54)項に記載の電子部品供給システム。
【0093】
上記2つの項は、不適切回転位置時噛合担保装置の具体的な態様に関する項である。上記(54)項に記載の態様では、上記回転軸線方向移動許容装置を備えることによって、不適切回転位置にある場合でも、テープフィーダの所定の取付位置までの移動を可能にしている。具体的には、例えば、回転体あるいは入力軸の保持装置が、それらを回転軸線方向に移動可能に保持するものである場合、その軸保持装置が回転軸線方向移動許容装置として機能する。また、上記(55)項に記載の態様では、上記付勢装置により、回転軸と入力軸とが相対回転角度位置に位置した状態おいて、上記噛合位置まで接近させられる。付勢装置は、例えば、コイルスプリング等の弾性体を含むものであれば、簡便に構成できる。
【0094】
(56)前記複数のフィーダ駆動装置の各々の駆動源が電動モータを有する(34)項ないし(55)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
【0095】
フィーダ駆動装置の駆動源は、前述したように、エアシリンダ等の往復運動を行うものであってもよい。ところが、複数回連続して電子部品テーピングを送る必要がある場合等には、復動動作の時間がロスとなり、高速部品供給という点で、若干ではあるが劣る。また、エアシリンダは、動作速度をコンロトールすることが困難で、電子部品テーピングの送り動作に微妙な加減速度の変化を付けることができず、安定した部品供給という点で、若干の難点がある。これに対して本項に記載の態様は、駆動源が電動モータを含むものであるため、より高速な部品供給が可能である。また、サーボモータ、ステッピングモータ等を使用すれば、高度な加減速度制御、速度制御を行うことができ、より安定な部品供給が可能となる。なお、本発明の各態様において、駆動源として電動モータを用いる場合、各種モータを用いることができるが、それら各種モータには、減速機が組み込まれた減速機付モータも含まれる。また、この(56)項に関する説明の内容は、下記(57)項についても当て嵌まる。
【0096】
(57)前記複数のフィーダ駆動装置の各々の駆動源が電動モータであり、その電動モータの出力軸と前記回転体とが同軸的に配設されて回転速度を等速で伝達可能に連結された(50)項ないし(55)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
(58)前記複数のフィーダ駆動装置の一部のものと他の一部のものとの間で、各々の前記電動モータと各々の前記回転体との離間距離を互いに相違させて両者が配設されており、前記一部のものと他の一部のものとの少なくとも一方が、前記離間距離の差を補いつつ回転伝達を可能にする離間距離差補完装置を備えた(57)項に記載の電子部品供給システム。
【0097】
上記(57)項に記載の態様は、平たく言えば、電動モータと駆動部材である回転体とを直結する態様である。前述の電動モータを用いる場合のメリットのほか、電動モータと回転体との間に、複雑な回転伝達機構を必要としないことから単純なフィーダ駆動装置を構成できる。上記(58)項に記載の態様は、前述の「隣接する駆動源が、前記フィーダ配列方向に平行な方向から見た場合における位置を互いに異ならせて配設された」態様を採用する場合において、特に効果的な態様である。具体的には、例えば、隣接するフィーダ駆動装置において、電動モータの出力軸の軸線方向の位置を違えて電動モータが配設されている態様を採用する場合において、効果的である。この場合、回転軸と電動モータの出力軸とをつなぐ継手の長さを変更することにより、前記離間距離差を補うことができる。その態様においては、すなわち、その継手を含んで離間距離差補完装置が構成される。
【0098】
(59)前記複数のフィーダ駆動装置の各々の前記駆動源と前記駆動部材とがそれぞれ同じ構成のものであり、それら複数のフィーダ駆動装置の一部のものと他の一部のものとの間で、前記駆動源と前記駆動部材との配設位置関係を互いに相違させて両者が配設されており、前記一部のものと他の一部のものとの少なくとも一方が、前記配設位置関係の差を補いつつ駆動力伝達を可能とする配設位置関係差補完装置を備えた(34)項ないし(58)項のいずれかに記載の電子部品供給システム。
【0099】
本項に記載の態様は、前述の「隣接する駆動源が、前記フィーダ配列方向に平行な方向から見た場合における位置を互いに異ならせて配設された」態様を採用する場合において、特に効果的な態様である。駆動源から駆動部材までの駆動力伝達機構の構成を異ならせて配設位置関係の差に対応させる場合は、その駆動力伝達機構を含んで上記配設位置関係差補完装置が構成されることになる。例えば、より具体的な一例を示せば、例えば、駆動源に電動モータを含み、駆動部材が回転体であるような場合であって、両者の回転軸線がなす角度がフィーダ駆動装置によって相違する場合、ギヤ機構を有する回転伝達装置を採用して、フィーダ駆動装置ごとに異なる角度に回転伝達可能なようにそのギア機構を相違させればよい。
【0100】
なお、上記(31)項ないし(59)項に記載の電子部品供給システムのテープフィーダには、リール保持装置に関する前記(9)項ないし(11)項に記載の技術的特徴およびフィード装置に関する前記(12)項ないし(15)項に記載の技術的特徴を、適宜選択して採用することも可能である。採用する技術的特徴に応じた利点を有する電子部品供給システムが得られる。
【0101】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の2つの実施形態を説明する。なお、本発明は、下記実施形態に限定されるものではなく、下記実施形態の他、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【0102】
《第1実施形態》
<電子部品供給システムの全体>
図1に、実施形態の電子部品供給システムの右側面図を示し、図2に、その電気部品供給システムの平面図を示す。本電子部品供給システムは、複数のテープフィーダ10と、複数のテープフィーダ10を脱着可能に取り付けることができるフィーダテーブル12とを含んで構成される。図では、数多くのテープフィーダ10が、下部をフィーダテーブル12のテーブル台部14に支承され、前部をフィーダテーブル12のテーブル前方壁部16に支持されて、互いの側面どうしを隣接させて、幅方向に整列した状態で取り付けられている。なお、図には、取り付けられた多くのテープフィーダ10のうち4つだけが記載されており、他のものは省略されている。
【0103】
それぞれのテープフィーダ10は、自身に駆動源を有していない。フィーダテーブル12のテーブル前方壁部16には、それぞれのテープフィーダ10の外部駆動装置としてのフィーダ駆動装置18が複数設けられている。図では4つのフィーダ駆動装置18のみが記載され、他のものは省略されている。後に詳しく説明するが、テープフィーダ10は、取り付けられた状態においてフィーダ駆動装置18の1つと係合し、その係合したフィーダ駆動装置18によって駆動される。なお、本実施形態では、テープフィーダ10とフィーダ駆動装置18とは1対1に対応している。
【0104】
<テープフィーダの全体とリール保持装置>
図3にテープフィーダの右側面図を示す。テープフィーダ10は、フィード装置30と、フィード装置30に連結されフィード装置30の後方に位置するリール保持装置32とを含んで構成される。テープフィーダ10が取扱対象とする電子部品テーピングは、電子部品をキャリアテープに一定のピッチで配列して保持し、そのキャリアテープの上面をカバーテープで覆ったものである。その電子部品テーピングは、リール34に巻回されて、テープフィーダ10にセットされる。フィード装置30は、リール34から延び出す電子部品テーピング36を部品供給部38まで送り、カバーテープを剥がして、電子部品を1個ずつ供給する装置であり、後に詳しく説明する。
【0105】
リール保持装置32は、リール保持部としてのリールホルダ40を備え、リールホルダ40においてリール34を保持する。リールホルダ40は、断面が略矩形をなして概ね半円環状(U字状)に形成されたホルダ部材42を有している。図4に、リールホルダ40がリール34を保持した場合において、そのリール34の回転軸線Oを含む面で切断した一部分の断面図を示す。リール34は、互いに平行な2枚のリール板44と、リール板の中心部をつなぐ巻回芯46(図3参照)とを含んで構成されており、2枚のリール板44の間に電子部品テーピング36が巻回される。ホルダ部材42の厚みbは、2枚のリール板44の間隔cより僅かに小さくされており、リール34は、ホルダ部材42が2枚のリール板44の間に嵌入されることによって、リールホルダ40に保持される。つまり、ホルダ部材42は、リール板間嵌入部として機能し、嵌入することで、リール34の回転軸線方向の位置を規定することから、リール位置規定部として機能する。
【0106】
ホルダ部材42の内周面48は、巻回された電子部品テーピング36を支承する。電子部品の供給時には、延び出す電子部品テーピング36がフィード装置30によって引張られることによって、リール34は、巻回された電子部品テーピングの表面50をホルダ部材42の内周面48に摺接させた状態で回転する。図3および図4に示す状態は、リール34をセットしたばかりの状態、つまり、電子部品テーピング36が最も多く巻回された状態であるが、電子部品の供給の進行につれて巻回された電子部品テーピング36の量が減少し、巻回径が小さくなることで、リール34の回転軸線Oは下降する。すなわち、電子部品テーピング36が減るにつれ、リール保持部材42は、巻回芯46近くまで入り込んでリール34を保持することになる。
【0107】
上記構成のリールホルダ40は、可動部材を必要とせず、極めて単純化された構成のものであり、コスト面において優れる。リールホルダ40は、リール34を保持した状態において、その保持したリール34の2つのリール板44の外面の各々を含む2平面dより外側に突出しない構成となっており、テープフィーダ10におけるリールの存在する部分の幅が小さく、後に詳しく説明するように、テープフィーダ10の配置効率の向上に貢献している。
【0108】
なお、ホルダ部材42の2つの側面52および内周面48は、リール34あるいは電子部品テーピング36と摺接あるいはそれに近い状態となるため、摩擦を減少させることを目的とする減摩表面処理を施すことが望ましい。また、図示は省略するが、電子部品テーピング36の減少によってもリール34の位置が変化しないようにリール34を保持する場合には、ホルダ部材42の側面52から突出してリール回転軸線Oに平行な軸線回りに回転する複数のローラを設け、リール板44の外周面54をそのローラによって支承させればよい。かかる態様においても、ローラの突出端が上記2平面dより突出しない、あるいは、突出してもその突出代が僅かであることが望ましい。
【0109】
本テープフィーダ10では、リール34は、リールホルダ40において保持された状態において、回転軸線Oが電子部品テーピング36の送り方向Mと直角に交差する状態、つまりテーピング送り方向Mと平行な状態となる(図2参照)。本実施形態では、リール34はフィード装置30に対して真直ぐな状態で保持される。そして、図3に示すように、本テープフィーダ10では、フィード装置30に対する相対位置の異なる複数(2つ)のリール位置に、リール34を位置させることが可能となっている。図3に示す2つのリール位置A,A’とした場合、リール34がリール位置Aに位置する場合のリール回転軸線Oと、リール位置A’に位置する場合のリール回転軸線O’とは互いに平行である。つまり、2つのリール位置A,A’において、リール34は同じ方向に保持される。また、上記リール板44の外面を含む2平面面dの中心に位置する仮想面を、リール中心面fと定義すれば(図4参照)、そのリール中心面fは、リール34が2つのリール位置A,A’に位置するときも同一の面となる。つまり、2つのリール位置A,A’は、リールの回転軸線O,O’に直角な一平面(「リール保持面」と定義する)内の位置なのである。言い換えれば、リール34は、いずれのリール位置A,A’にあっても、リール回転軸線方向の位置が異ならないのである。本テープフィーダ10がそのような複数のリール位置を有することのメリットについては、後述する。また、上記複数のリール位置を有するようにリールホルダ40のフィード装置30に対する相対位置の変更を許容する装置として、テープフィーダ10は、リール保持部位置変更許容装置を有しているといえる。このリール保持部位置変更許容装置についても、後述する。
【0110】
<フィード装置>
図5に、フィード装置30の右側面図を示す。図5は、図3に記載するところの右側面を覆うカバー70を外した状態を示す。フィード装置30は、フィード装置本体72に、各種部品、部材が設けられて構成されている。図示は省略するが、電子部品テーピング36は、テーピング幅方向の一方の側に一定のピッチで送り穴が設けられており、この送り穴にフィード装置30の前方上部に設けられたスプロケット74の歯76を係合させた状態で、そのスプロケット74が一定角度回転することによって、電子部品テーピング36は、テーピング送り方向Mに、部品保持ピッチに応じた量だけ送られる。スプロケット74は、ギヤ78と同軸的に互いに相対回転不能な状態で、スプロケット軸80に支持されている。また、スプロケット74およびギヤ78の下方には、2枚のギヤ82、84が、互いに相対回転不能な状態で同軸的に、ギヤ軸86に支持されている。さらにその下方に、ウォーム88が設けられた入力軸としてのドライブシャフト90が、前後方向に回転軸線が位置する状態で、すなわち、電子部品テーピング36の幅方向に直角な一平面内に回転軸線が位置する状態で、両端部付近を2つの軸受92、94に回転可能に支持されている。このドライブシャフト90は、後に詳しく説明するが、前方端部であるシャフト係合部96がフィーダ駆動装置18の一部分と係合することによってフィーダ駆動装置18によって回転させられる。すなわち、ドライブシャフト90は、テープフィーダ10の入力部材として機能し、また、フィード駆動装置18によって駆動される被駆動部材として機能する。ギヤ82とウォーム88とが、ギヤ84とギヤ78とがそれぞれ噛合しており、ドライブシャフト90が回転することにより、スプロケット74が回転し、電子部品テーピング36が送られる。ドライブシャフト90、ギヤ78、82、84、スプロケット74等を含んで、テーピング送り部が構成されている。
【0111】
電子部品テーピング36に保持された電子部品は、部品供給部38において、カバーテープ110が剥がされた状態の電子部品テーピング36から取り出される。図6に、部品供給部38の平面図を示す。部品供給部38には、電子部品テーピング36の上方をカバーするカバー部112と、電子部品テーピング36を下方から支承する支承体114が設けられている。本実施形態では、カバー部112は、フィード装置本体72の一部分をなしており、支承体114は別部品としてフィード装置本体72に取り付けられている。カバー部112には、開口116およびスリット118が設けられており、カバーテープ110は、このスリット118を通って後方に折り返されており、電子部品テーピング36の送りに伴って後方に引張られることで、スリット118の下方において剥がされる。カバーテープ110が剥がされた電子部品テーピング36は、電子部品を保持した状態で、開口116の位置まで送られ、その位置で開口116から取り出される。図3には、電子部品装着機の部品保持具120が示されており、例えば、電子部品装着機において用いられる場合は、部品保持具120が下降して、開口116から、その部品保持具120によってピックアップされる。
【0112】
後方に折り返されたカバーテープ110は、テーパローラ130とガイドローラ132とによって導かれる。図7には、テーパローラ130とガイドローラ132が存在する部分の背面図を示す。テーパローラ130は、テーパ面部134とカバーテープ110のずれ止めのための鍔部136を有して、回転軸線が電子部品テーピング36の幅方向に平行に位置に位置する状態で、フィード装置本体72に回転可能に支持されている。また、ガイドローラ132は、回転軸線が前後方向に位置する状態で、フィード装置本体72に設けられたブラケット138に回転可能に支持されている。カバーテープ110は、テーパローラ130とガイドローラ132とによって、進行方向を下方に変えられるとともに、90゜捻られ、捻られた状態のまま、リール34から延び出す電子部品テーピング36の右方(前方からみて右側)を通過し、それと交差して下方に導かれる。なお、ブラケット138の下面140は、電子部品テーピング36の通過位置の上限を規制するガイドとして機能する。
【0113】
カバーテープ110の進行する下方には、2つのカバーテープ送りローラ150,152が設けられている。一方の送りローラ150は駆動ローラであり、回転軸線が前後方向に位置する状態で、一端部付近および他端部がフィード装置本体72に設けられた軸受154,156によって回転可能に支持されている。送りローラ150の前方側の一端部にはギア158が設けられ、ギヤ158はドライブシャフト90の後方の一端部に設けられたギヤ160と噛合している。ドライブシャフト90の回転によって、送りローラ150が回転させられるのである。送りローラ152は、送りローラ150と比較してその長さが短く、回転軸線が送りローラ150の回転軸線と平行となる状態で、フィード装置本体72に設けられた1対のローラ支持具162,164によって回転可能に支持されている。図8に、送りローラ150,152が存在する部分の正面断面図を示す。ローラ支持具162,164は、それぞれ、ブラケット166、揺動バー168、スプリング170を含んで構成されており、送りローラ152は、スプリング170の力により送りローラ150に押さえ付けられている。送りローラ152は、駆動ローラである送りローラ150が回転することで、自らが回転する従動ローラである。カバーテープ110は、こられ2つの送りローラ150,152に挟持され、それらが回転することによって、下方に向かって送り出され、フィード装置30の外へ送り出される。
【0114】
送りローラ152の表面にはセレーション172が形成され、また、送りローラ150の送りローラ152に係わり合う部分の表面にもセレーション174が形成され、カバーテープ110が空すべりをすることを防止している。また、送りローラ150および送りローラ152には、それぞれ、溝176,178が設けられている。図8は、この溝176,178の設けられた箇所における断面図である。図5には記載を省略しているが、これらの溝176には、それぞれ、巻付防止小片180,182が挿入されている。送りローラ150の側の巻付防止小片180は、フィード装置本体72に設けられた取付板184に取り付けられ、送りローラ152の側の巻き付き防止小片182は、ローラ支持具164の揺動バー168に取付られており、カバーテープ110が送りローラ150,152のそれぞれに巻き付くのを防止する巻付防止手段として機能する。この巻付防止手段は、カバーテープ110に粘着剤が残る場合等に特に有効である。
【0115】
本フィード装置30は、以上のような態様のカバーテープ処理部を有しており、テーピング送り部と協働して、電子部品を部品供給部38において供給する。ドライブシャフト90が所定の回転角度だけ回転させられれば、電子テーピング36が、部品保持ピッチに応じた量だけ送られるとともに、その量に応じた量だけカバーテープ110が剥がされ、装置外へ送り出される。カバーテープ処理部は、カバーテープ剥離装置を含むものであり、そのカバーテープ剥離装置は、部品供給部38に設けられたスリット118、ドライブシャフト90、送りローラ150,152等を含んで構成される。また、カバーテープ処理部は、剥がされたカバーテープ110を、90゜捻った状態で、リール34から部品供給部38に向かって延び出す電子部品テーピング36と交差させてその電子部品テーピング36の下側へ送るカバーテープ送り装置を備えるものであり、そのカバーテープ送り装置は、テーパローラ130、ガイドローラ132、ドライブシャフト90、送りローラ150,152等を含んで構成されている。上記構成のカバーテープ送り装置は、狭い幅のなかでカバーテープ110を交差させることができるため、フィード装置30の幅を小さくすることに役立っており、また、複数のテープフィーダ10を並べる際の隣り合うテープフィーダ10との間隔を小さくすることに役立っている。さらに、カバーテープ処理部は、剥がされたカバーテープ110を巻き取ることなくフィード装置30外へ送り出すカバーテープ送出装置を有するものであり、そのカバーテープ送出装置は、ドライブシャフト90、送りローラ150,152等を含んで構成されている。カバーテープ巻取装置を有しないことから、コンパクトなテープフィーダとなる。
【0116】
なお、本実施形態では、カバーテープ110のキャリアテープに張り合わされていた面が右側を向く(図5においては手前側に向く)ように捻られる。これは、カバーテープ110に粘着剤等が残存する場合を考慮し、カバーテープ110が、フィード装置30の各種構成部品に接触してスムーズな送りを阻害される危険性を少しでも小さくするための方策である。粘着性が殆どないような場合は、いずれの方向に捻るものであってもよい。また、テーパローラ130は、右方に向かって縮径する形状(図7は背面図であるため、図の左側が小さくなっている)のテーパ面部134を有しているが、例えば、鍔部136をなくして、右方に向かうにつれて拡径する形状のテーパ面部としてもよい。前述の巻付防止手段等も、目的に応じた任意の構成とすることができる。テーピング送り部およびカバーテープ処理部の各装置は、電気部品テーピングの種類、フィード装置の仕様等に応じて、種々の構成とすることができる。
【0117】
その他、フィード装置30は、クランプ装置210を有している。クランプ装置210の構成に関する詳しい説明は省略するが、クランプ装置210は、リンク機構を有しており、操作部材である操作レバー212を操作することで、ローラを有する係合部214がフィード装置30の下方へ突出し、フィーダテーブル12の一部分にその係合部214が係合してそのフィーダテーブル12の一部分をクランプすることで、テープフィーダ10は、フィーダテーブル12にしっかりと固定される。
【0118】
さらに、フィード装置30の下部には、フィーダテーブル12のテーブル台部14に支承される下部被支承部230が設けられ、また、前部には、フィーダテーブル12のテーブル前方壁部16に支持される前部被支持部232が設けられている。図9に、フィード装置30の正面図を示す。この図9をも参照しつつ説明すれば、下部被支承部230には、後に説明するテーブル台部14に設けられた嵌合溝に嵌入する嵌入条234,236が設けられている。嵌入条234,236は、前方側嵌入条234と後方側嵌入条236とを含むが、前方側嵌入条234は、T字形状の断面を有する。また、前部被支持部232には、後に説明するテーブル前方壁部16に設けられた嵌合穴に嵌入する嵌合ピン238が上下に2つ設けられている。さらに、前部被支持部232には、シャフト穴240(図12、図15参照)が設けられ、ドライブシャフト90の前方の一端部であるシャフト係合部96の端面が、このシャフト穴240から正面側に臨む状態となっている
【0119】
<リール保持部位置変更許容装置>
テープフィーダ10は、前述したリール保持部位置変更許容装置としてのホルダ位置変更許容装置260を有している。図10にホルダ位置変更許容装置260を示す。ホルダ位置変更許容装置260は、フィード装置30とリール保持装置32との間に介在しており、角パイプ形状のアウタパイプ262と、アウタパイプ262の内部に嵌入された角パイプ形状のインナパイプ264と、インナパイプ264の内部に嵌入された角棒形状のインナバー266とを含み、伸縮装置として形成されている。アウタパイプ262は、位置を固定した状態でフィード装置本体72に設けられており、インナバー266は、リール保持装置32の一部をなすものであり、一端部がホルダ部材42の一端部と一体とされている。断面形状において、アウタパイプ262の内面の輪郭は、インナパイプ264の外面の輪郭より僅かだけ大きく、また、インナパイプ264の内面の輪郭は、インナバー266の外面の輪郭より僅かだけ小さくされている。
【0120】
図10(a)は、ホルダ位置変更許容装置260が縮められた状態を示し、図10(b)は伸ばされた状態を示している。アウタパイプ262、インナパイプ264、インナバー266は、それぞれ略等しい長さとされており、縮められた状態では、それぞれの両端面が略揃う状態となる。アウタパイプ262には、下部壁外面の前端部に近い部分に、内部に向かう付勢力を発生する付勢手段の1種であるボールプランジャ268が配設されており、また、インナパイプ264の下部壁には、ボールプランジャ268のボール270に係合する係合穴272が貫通して設けられ、インナバー266の下部面には、ボールプランジャ268のボール270に係合する係合凹所274が設けられている。縮められた状態において、ボール270がそれらに係合し、ボールプランジャ268の付勢力により、その縮められた状態が維持される。
【0121】
また、アウタパイプ262は、右側面に、一端が前方端に開口するスリット276が設けられ、インナパイプの264は、右側面に、スリット276に係合する係合ピン278が設けられている。さらに、インナパイプ264は、下部面に、スリット280が設けられ、インナバー266には、下面に、スリット280に係合する係合ピン282が設けられている。ホルダ位置変更許容装置260が延びる方向に沿って、ある程度の力でリールホルダ40を後方に向かって引張れば、ボールプランジャ270の上記係合が解かれて、インナバー260およびインナパイプ264はその方向にスライドして、ホルダ位置変更許容装置260は伸ばされる。2つの係合ピン278,282が、2つのスリット276,280のそれぞれの後方側端に当接することにより、それ以上の伸長は許容されないようにされている。ホルダ位置変更許容装置260は、後方に向かうにつれて下降するすように傾斜して配設されていることから、外部から力が加わらない限り、伸ばされた状態が維持される。なお、短縮位置に戻す場合は、上記とは逆の方向に力を加えて、ボールプランジャ268による上記係合状態となるようにすればよい。本実施形態では、伸縮代は、アウタパイプ262の長さを超える程度とされ、伸縮方向は、前記リール保持面に平行な方向とされている。
【0122】
このような構成を有するホルダ位置変更許容装置260は、フィード装置30に対するリールホルダ40の前記リール保持面に沿った相対移動を許容するリール保持部移動許容装置を含むものである。アウタパイプ262は、フィード装置に30に設けられた、軌道形成部材として機能し、インナパイプ264は、リール保持装置32側に設けられてアウタパイプ262によって形成される軌道にそってスライドするスライド部材として機能する。また、インナパイプ264は、フィード装置30側に設けられた軌道形成部材としても機能し、インナバー266は、リール保持装置32に設けられてインナパイプ264によって形成される軌道に沿ってスライドするスライド部材として機能する。すなわち、ホルダ位置変更許容装置260は、軌道形成部材とスライド部材とを複数段である2段に備えるところの伸縮装置とされているのである。また、リール保持部移動許容装置による移動行程において、リールホルダ40が、フィード装置30に対する定められた2つの相対位置にその位置を固定されることから、ホルダ位置変更許容装置260は、リール保持部位置固定装置を備えたものであるといえる。
【0123】
<テープフィーダの整列>
図11に、テープフィーダ10が複数整列した状態を模式的に示す。図に示すものは、部品供給部38を整列させ、詳しくは開口116を一直線上に位置させ、かつ、テーピング送り方向が互いに平行となる状態で整列している。1つのテープフィーダ10に着目すれば、上記構成から、リールホルダ40の幅は、2つのリール板44の内面の間隔に略等しい。すなわち、テープ幅wに略等しいものとなっている。リールホルダ40にリール34を保持した状態では、リール34が存在する部分の幅は、リール厚さwとなる。また、上述したように、フィード装置30は、駆動源を有さず、また、ドライブシャフト90の配設方向、カバーテープ110を90゜捻った状態で電子部品テーピング36と交差させていること等から、フィード装置幅wは小さいものとなっている。本実施形態では、w<w<wの関係となっている。
【0124】
リール保持部位置変更許容装置を備えていないと仮定すれば、テープフィーダ10を整列させた場合、リール34が互いに重なり合い、最も幅の大きな部分の幅に相当するピッチでしか整列させることができず、テープフィーダの配設ピッチwは、w以上となる。これに対し、本実施形態では、リール保持部位置変更許容装置であるホルダ位置変更許容装置260により、隣り合うテープフィーダ10のリール30がフィーダ配列方向に平行な方向から見て互いに重なり合わない位置に位置させることができる。つまり、最も幅の広い部分である、リール34が存在する部分の干渉を避けてテープフィーダ10を整列させて配置することができるである。本実施形態では、フィード装置30の幅であるフィード装置幅wに略等しい配設ピッチwで、テープフィーダ10を配置することが可能である。したがって、本実施形態は、スペース効率のよいテープフィーダの配置を可能にしている。
【0125】
また、ホルダ位置変更許容装置260により、隣り合うリール34が異なる位置に位置することから、リール34の両側にある程度の空間が存在することから、リール34の脱着が容易である。特に、本実施形態では、いずれのテープフィーダ10のリール34も上方から脱着可能であることから(図1および図3参照)、リール交換作業の作業性が良好である。ホルダ位置変更許容装置260は、テープフィーダの配置効率の向上を実現させるだけでなく、作業性の向上にも役立っている。
【0126】
<フィーダテーブルへのテープフィーダの取り付け>
図12に、テープフィーダ10をフィーダテーブル12に取り付けた状態の右側面一部断面図を示す。前述したように、テープフィーダ10は、フィード装置30の下部の一部である下部被支承部230がフィーダテーブル12のテーブル台部14に支承され、また、フィード装置30の前部の一部である前部被支持部232がテーブル前方壁部16に支持された状態で取り付けられる。フィーダテーブル12には、複数のテープフィーダ10のそれぞれが取り付けられる複数のフィーダ取付部を有している。フィーダ取付部は、テーブル台部14の上面部分に設けられたフィーダ下部支承部310と、テーブル前方壁部16の背面部分に設けられたフィーダ前部支持部312とを含んで構成されている。
【0127】
フィーダ下部支承部310には、前後方向に真直ぐ延びる嵌合溝であるT字溝314が設けられており(図13、図14参照)、T字溝314には、前述した下部被支承部230に設けられた前方側嵌入条234と後方側嵌入条236とが嵌め入れられる。フィーダ前部支持部312には、2つの嵌合穴316,318が設けられており、前述した前部被支持部232に設けられた嵌合ピン238のそれぞれが嵌合する。下部嵌合穴318は比較的大きく形成され、比較的ルーズな状態で嵌合するが、上部嵌合穴316は、嵌合ピン238の外径と略等しい内径を有しており、タイトな嵌め合いとなっている。このような構成とされていることで、テープフィーダ10は、フィーダテーブル12の所定の位置に確実に位置決めされる。また、フィーダ下部支承部310には、位置決めされた状態において前記クランプ装置210の係合部214が係合するクランプ穴320が設けられ、操作レバー212を操作することで、係合部214がクランプ穴320に係合して、テープフィーダ10がフィーダテーブル12にしっかりと固定される。
【0128】
取り付けの際、テープフィーダ10は、嵌入条234をT字溝314に嵌合させつつ、フィーダテーブル12の後方より前方に向かって、テーブル台部14の上面をスライドさせられる。つまり、本実施形態では、嵌入条234、236が設けられた下部被支承部230と、T字溝314が設けられたフィーダ下部支承部310とは、テープフィーダ10の一部分とそれが取り付けられるフィーダ取付部の一部分との一方向のスライドを許容するスライド許容装置を構成しているのである。すなわち、T字溝314がガイド部として機能し、嵌入条234、236がそれによってガイドされる被ガイド部として機能するのである。また、テープフィーダ10のスライドは、前部被支持部232がフィーダ前部支持部312に当接することにより規制され、その結果、テープフィーダ10は、スライド方向における設定位置に位置させられることになる。つまり、本実施形態では、前部被支持部232とフィーダ前部支持部312とを含んでスライド方向位置決め装置が構成されているのである。すなわち、フィーダ前部支持部312は、前部被支持部232を係止させる係止部として機能するのである。
【0129】
また、テープフィーダ10は、スライドしない側である前部被支持部232に、前述したところの、被駆動部材であるドライブシャフト90のシャフト係合部96が存在している。これに対し、フィーダ取付部のスライドさせない側であるフィーダ前部支持部312には、フィーダ駆動装置18の出力部材として機能するところの、テープフィーダ10を駆動させるための駆動部材である駆動回転体340が設けられている。テープフィーダ10が、フィーダ取付部に取り付けられた状態において、シャフト係合部96と駆動回転体340とが係合するように、テープフィーダ10およびフィーダテーブル12のフィーダ取付部とが構成されている。なお、この係合については、後に詳しく説明する。
【0130】
フィーダテーブル12には、フィーダ取付部が左右方向に並んで複数設けられており、テープフィーダ10の外部駆動源であるフィーダ駆動装置18は、フィーダ取付部に1対1に対応して、複数設けられている(図2、図13、図14参照)。複数のテープフィーダ10の下部被支承部230および前部被支持部232は同じ構成とされており、複数のフィーダ取付部、すなわちフィーダ下部支承部310フィーダ前部支持部312も同じ構成とされている。詳しく言えば、複数のテープフィーダ10のシャフト係合部96のいずれもが、各テープフィーダ10の下部被支承部230と前部被支持部232に対して一定位置に設けられ、複数のフィーダ駆動装置18の有する駆動回転体340のいずれもが、シャフト係合部96の位置に対応して、フィーダ下部支承部310とフィーダ前部支持部312とに対して一定位置に設けられている。すなわち、複数のテープフィーダ10の各々のシャフト係合部96の各テープフィーダ10における位置が画一化されており、かつ、複数のフィーダ駆動装置18の各々の駆動回転体340のそれに対応するフィーダ取付部における位置が画一化されているのである。したがって、複数のテープフィーダ10のいずれもが、いずれのフィーダ取付部に対しても取り付けることが可能となっており、どのフィーダ取付部に取り付けても、シャフト係合部96がそのフィーダ取付部に存在する駆動回転体340と係合するのである。
【0131】
また、複数のテープフィーダ10は、各々の下部被支承部230と各々の前部被支持部232とに対する各々の部品供給部38の相対位置関係が画一化されている。そして、複数のフィーダ取付部のフィーダ下部支承部310とフィーダ前部支持部312とがそれぞれ面一に構成されていることから、どのテープフィーダ10をどのフィーダ取付部に取り付けたとしても、複数のテープフィーダ10の部品供給部38は整列させられるのである。本実施形態では、部品供給部38の開口116を一直線上に整列させることが可能である(図2参照)。
【0132】
さらに、フィーダ取付部は、テープフィーダ10が並ぶ方向であるフィーダ配列方向に等ピッチで設けられている。フィーダ取付部のピッチは、前述のフィード装置幅wに略等しい。したがって、本部品供給システムは、複数のテープフィーダ10を、各々のフィード装置30が互いに隣接した状態で、効率よく配置することができる(図2参照)。
【0133】
さらにまた、テープフィーダ10の取付のためのスライド方向が、フィーダ配列方向に直角に交差する方向であるため、例えば、複数のテープフィーダ10が整列している状態から、任意の1つのテープフィーダ10を取り外すあるいは交換する場合に、それらの作業が簡便に行える。つまり、その1つのテープフィーダ10のみを脱着する、あるいは、隣接するテープフィーダ10を取り外した上でその1つのテープフィーダ10を脱着することが可能だからである。
【0134】
<フィーダ駆動装置>
フィーダテーブル12に設けられたフィーダ駆動装置18は、駆動源として電動モータ(本実施形態ではサーボモータである)350を含んで構成される。この電動モータ350は、フィード装置30の幅よりも大きな幅を有するため、フィーダ駆動装置18がフィーダ取付部に1対1に対応して配設するために、フィーダテーブル12には、隣接するフィーダ駆動装置18の電動モータ350どうしが干渉しない工夫がなされている。図13に、本実施形態の部品供給システムのフィーダ駆動装置18の存在する部分を拡大した部分平面図を示し、図14に、フィーダテーブル12の部分正面図を示す。これらの図および図12から理解できるように、隣接する電動モータ350は、フィーダ配列方向に平行な方向から見た場合における位置を互いに異ならせて配設されている。詳しくは、本実施形態では、前後方向に互い違い、すなわちフィーダ配列方向に沿って千鳥状に配置されている。
【0135】
電動モータ350は、モータ取付部材であるモータ取付ベース352,354を介して、テーブル前方壁部16の正面側に取り付けられるが、モータ取付ベース352,354は、隣り合うものどうしの間で形状の異なるものとなっている。モータ取付ベース352は、平盤な形状をなし、モータ取付ベース354は、電動モータ350の軸方向に平行に延びる脚を有する形状をなしている。このように形状の異なるモータ取付ベース352,354が互い違いに用いられて、電動モータ350が千鳥状に配設されるのである。
【0136】
図15に、フィーダ駆動装置18を拡大した右側面一部断面図を示す。フィーダ駆動装置18は、前述したように、駆動回転体340を備える。駆動回転体340は、鍔付円柱形状をなし、円柱部362の外周が前方壁部16に設けられた回転体保持穴364によって、ブッシュ型軸受366を介して回転可能かつ回転軸線方向に移動可能に保持されている。また、駆動回転体340は、回転軸線上に前方から穿設された有底のスプライン穴368を有している。このスプライン穴368には、スプライン軸370が嵌入され、駆動回転体340とスプライン軸370とは、相対回転不能にかつ軸方向に相対移動可能に連結されている。スプライン軸370のスプライン穴368に嵌入していない一端部は、継手部材であるパイプ形状のジョイント372によって、電動モータ350の出力軸374に連結されている。つまり、電動モータ350の出力軸374と駆動回転体340とは、同軸的に配設され、回転速度を等速で伝達可能に連結されている。
【0137】
また、スプライン穴368の内部には、両端をそれぞれスプライン穴368の底壁とスプライン軸370の端面とに当接させ、駆動回転体340を回転軸線方向の後方に向かって付勢するコイルスプリング376が配設されている。そして、さらに駆動回転体340の鍔部378は、所定位置を超えて駆動回転体340が後方へ移動することを防止している。
【0138】
駆動回転体340は、係合部となる後方端で、シャフト係合部96の前方端と係合する。図16(a)に、駆動回転体340の係合部の背面図を、図16(b)に、シャフト係合部96の正面図を、図16(c)に、両者が係合した状態の右側面図をそれぞれ示す。駆動回転体340の係合部である端面には、十字形状の凸所390が設けられている。またシャフト係合部96の端面にはその凸所に噛み合う凹所392が設けられている。駆動回転体340とシャフト係合部96とは、係合状態において、同軸的に位置し、両者の端部どうしが噛合する。両者の端部は、それぞれの噛合部として機能する。駆動回転体340と電動モータ350の出力軸374とは、同軸的であり、直結されたに略等しい状態で連結されるため、効率のよい駆動力の伝達が可能である。
【0139】
前述したように、テープフィーダ10は、下部被支承部230がフィーダ支承部310にスライドする状態で、前部被支持部232がフィーダ前部支持部312に接近させられて、フィーダテーブル12に取り付けられる。つまり、シャフト係合部96と駆動回転体340とは、同一方向である互いの回転軸線の方向に接近させられて係合する。両者の噛合部は、両者が一定相対回転位置にある場合において噛合するものであり、両者がその一定相対回転位置にある場合には、テープフィーダ10とフィーダテーブル12とが定められた相対移動位置(前述のスライド方向の設定位置に相当)まで相対移動させられた状態において、駆動回転体340の噛合部とシャフト係合部96の噛合部とは、互いの定められた噛合位置に位置して噛合する。
【0140】
ところが、両者が一定の相対回転位置にない場合おいて、テープフィーダ10がフィーダテーブル12に取り付けられることもあり得る。かかる場合は、駆動回転体340の凸所390とシャフト係合部96の凹所392でない部分とが当接する。その場合でも、駆動回転部材340が軸方向の前方に移動するため、テープフィーダ10とフィーダテーブル12とは前記相対移動位置までの移動が許容され、所定の取付位置にテープフィーダ10が取付可能となる。この状態で、例えば、電動モータ350を駆動させれば、駆動回転体340が回転させられ、駆動回転体340とシャフト係合部96とが前記一定の相対回転位置に位置させられたときに、コイルスプリング376の力によって駆動回転体340が後方に移動させられ、両者の噛合部が互いの噛合位置に位置させられて、駆動回転体340とシャフト係合部96とが充分に係合することになる。
【0141】
上記構成から、フィーダテーブル12は、不適切回転位置時噛合担保装置を有するものといえる。この不適切回転位置時噛合担保装置は、駆動回転体340のフィーダテーブル12に対する回転軸線方向の一定範囲の移動を許容する回転軸線方向移動装置と、駆動回転体340をシャフト係合部96の存在する方向に向かって付勢する付勢部材とを含むものであるといえる。上記回転軸線方向移動装置は、駆動回転部材340のスプライン穴368、スプライン軸370、回転体保持穴364等を含んで構成され、コイルスプリング376が上記付勢部材に該当する。
【0142】
不適切回転位置時噛合担保装置が機能した場合、電子部品テーピング36の送り停止位置と電動モータ350の出力軸374の制御回転位置との間に、ずれが生じる可能性がある。つまり、例えば、電動モータ350を停止させた場合に、部品供給部38の開口116に対して、電子部品がずれることも考えられる。その場合には、電子部品テーピング36の送り停止位置を調整すればよい。例えば、一つの方法として、電子部品装着機に組み込まれて本電子部品供給システムが使用される場合は、装着機が備える認識カメラ等を利用して、部品供給部38における電子部品のずれ量を検出し、そのずれ量に応じた量だけ、電動モータ制御装置によって出力軸374を回転させればよい。この方法によれば、自動で電子部品テーピング36の送り位置の調整が可能となる。
【0143】
フィーダ駆動装置18は、電動モータ350を駆動源とすることで、前述した如く、高速かつ安定な部品供給が可能となる。また、駆動部材としての駆動回転体340から被駆動部材であるドライブシャフト90への駆動力の伝達が、回転運動から回転運動であるため、効率よく行われる。そして、フィーダ駆動装置18は、テープフィーダ10ごとに設けられていることも、本電子部品供給システムの部品供給速度の高速化に貢献している。
【0144】
以上は、電動モータ350がフィーダテーブル12の前方壁部16に近い位置にあるフィーダ駆動装置18の構成について説明したが、前方壁部16から遠い位置にあるフィーダ駆動装置18の構成も略同様である。相違点は、前者の装置のジョイント372が比較的短いものであるのに対して、後者の装置のジョイント396が比較的長いものであることにある(図13参照)。その長さの差は、両者の電動モータ350の前方壁部16からの配設距離差、すなわち、電動モータ350と駆動回転体340との離間距離差に相当する。したがって、フィーダ駆動装置18は、その離間距離差を補いつつ回転伝達を可能にする離間距離差補完装置を備えるものであるといえ、本実施形態では、離間距離差補完装置は、ジョイント372またはジョイント396を含んで構成される。また、離間距離差補完装置は、駆動源と駆動部材との配設位置関係の差を補いつつ駆動力伝達を可能とする配設位置関係差補完装置の一態様である。
【0145】
フィーダ駆動装置18は、電動モータ350を駆動源とすることで、前述した如く、高速かつ安定な部品供給が可能となる。また、駆動部材としての駆動回転体340から被駆動部材であるドライブシャフト90への駆動力の伝達が、回転運動から回転運動であるため、効率よく行われる。そして、フィーダ駆動装置18は、テープフィーダ10ごとに設けられていることも、本電子部品供給システムの部品供給速度の高速化に貢献している。
【0146】
《第2実施形態》
<電子部品供給システムの全体>
図17に、本実施形態における電子部品供給システムの全体斜視図を示す。その電子部品供給システムに含まれるテープフィーダ510の1つを代表的に取出し、図18に、そのテープフィーダ510の斜視図を示す。本電子部品供給システムは、複数のテープフィーダ510と、複数のテープフィーダ510を脱着可能に取り付けることができるフィーダテーブル512とを含んで構成される。図17では、数多くのテープフィーダ510が、下部をフィーダテーブル512のテーブル台部514に支承され、テーピング送り方向における前方部分をフィーダテーブル512のテーブル前方壁部516に支持されて、互いの側面どうしを隣接させて、幅方向に整列した状態で取り付けられている。なお、図には、取り付けられた多くのテープフィーダ510のうち10個だけが記載されており、他のものは省略されている。なお、本実施形態の説明では、図17に示すように、電子部品テーピングが送られる方向であるテーピング送り方向における前方を“前”、その反対方向を“後”とし、テープフィーダ510の前方からテープフィーダ510の後方へ向かう視点において、右方を“右”、左方を“左”とする。
【0147】
<テープフィーダの全体とリール保持装置>
テープフィーダ510は、概ね平らな板状のフィード装置本体524と、そのフィード装置本体524に設けられたフィード装置530およびフィード装置530の後方に位置するリール保持装置532とを含んで構成される。テープフィーダ510が取扱対象とする電子部品テーピングは、電子部品をキャリアテープに一定のピッチで配列して保持し、そのキャリアテープの上面をカバーテープで覆ったものである。その電子部品テーピングは、リール534に巻回されて、テープフィーダ510にセットされる。フィード装置530は、リール534から延び出す電子部品テーピング536を部品供給部538まで送り、カバーテープを剥がして、電子部品を1個ずつ供給する装置である。フィード装置530の構造については、後に詳しく説明する。
【0148】
リール保持装置532は、リール保持部としてのリールホルダ550を備え、そのリールホルダ550はホルダ本体552とリール保持部材としてのアーム554とを含んでいる。図19に、リール534を保持するリール保持装置532の右側面図を示す。リール保持装置532は、リール534を、それの回転軸線がフィード装置本体524と垂直になるように保持する。つまり、リール保持面が、フィード装置本体と平行となるようにリール534を保持する。ホルダ本体552は、側面視において概ね弓形(L字状とも言える)をなし、また、その断面が略矩形をなしている。アーム554は、ホルダ本体552の後方の部分において指示されており、リール保持面と平行な一面内において回転可能とされている。アーム554が前方に傾いた状態のリール534の保持位置(図における534a)が、リール位置が通常の動作時において好適な位置となるリール保持位置である(通常動作時保持位置)。一方、アーム554が後方に傾いた状態のリール534の保持位置(図における554c)が、リール位置が交換作業等においてリール534の着脱に適した位置となるリール保持位置(着脱時保持位置)である。
【0149】
なお、詳しい説明は後述するが、本実施形態の電子部品供給システムのテープフィーダ510は、リール保持部としてのリールホルダ550をリール保持面内の複数の位置に位置させることが可能である(その機構については後述する)。詳しく言えば、リールホルダ510は、上下方向に移動させられて2つ位置をとり得るようにされており、そのため、図17に示したように、互いに隣接するテープフィーダ510のリールホルダ550の位置を交互に上下させた状態にすることができるのである。上述した、リール保持位置の変更は、リールホルダ550の位置に関係なく行うことができる。そのため、リールホルダ550が上方の位置に位置するときでも、また、下方の位置に位置するときでも、通常動作時保持位置と着脱時保持位置とに変更可能である。
【0150】
図20に、電子部品供給システムに取り付けられた一部のテープフィーダ510のリール保持装置532の背面図を示す。なお、図の上側に示されたリール保持装置532aは、アーム554が通常動作時保持位置に位置した状態であり、図の下側に示されたリール保持装置532bは、アーム554が直立した状態である(図19における554b)。上側のリール保持装置532aについては、図19におけるA−A断面が表されている。アーム554は、帯状の部材を屈曲して形成されたアーム本体564を有しており、そのアーム本体564の一端部である取付端部555においてホルダ本体552に回転可能に取り付けられている。ホルダ本体552には、フィード装置本体524と平行な面と垂直な方向に段付きの貫通穴556が設けられており、その貫通穴556に回転軸558が挿入されている。回転軸558とアーム554とはボルトおよびナットによって相対回転不能に固定され、回転軸558がホルダ本体552に対して回転することで、アーム554が貫通穴556の中心を回転中心として回転するのである。回転軸558は、フランジ560を有し、そのフランジ560とアーム554とによりホルダ本体552が挟まれることで、アーム554のリール回転軸方向の移動が規制されている。このように、ホルダ本体552に設けられた貫通穴556、回転軸558等を含んで、アーム554の揺動許容機構、すなわちリール保持部材回転許容機構が構成されているのである。
【0151】
ホルダ本体552のアーム554が取り付けられる部分を拡大して図21に示す。ホルダ本体552のアーム554の取付端部555が接触して摺れ動く面であるアーム摺動面570は、ホルダ本体552の他の側面部分である主側面572よりも、おおおそアーム554の厚さの分だけ後退させられており、そのことによってアーム摺動面570と主側面572との境界には段差面574が形成されている。アーム554はその段差面574を越えて回転することができないようにされている。アーム554の前方(図21においては左)への回転は、段差面574の一部である第1規定面576により規制される。この第1規定面576によって規定されるアーム554の位置(図における554a)が、上述の通常動作時保持位置である。一方、アーム554の後方(図21においては右)への回転は、段差面574の別の一部である第2規定面578により規制される。この第2規定面578によって規定されるアーム554の位置(図における554b)が、上述の着脱時保持位置である。ホルダ本体552には、ボール590を備えた回転防止装置としてのボールプランジャ592が設けられている。ボール590は、ばね部材により外側に向かって付勢されており、アーム554が通常動作時保持位置および着脱時保持位置位置する場合に、ボール590は、それの一部がアーム摺動面570よりも飛び出して位置するようにされている(図20参照)。そのため、それらの位置において、アーム554は、上記第1規定面576あるいは第2規定面578から遠ざかる方向に向かう回転が規制されている。本実施形態において、第1規定面576,第2規定面578,ボールプランジャ592等を含んでリール保持部材固定装置が構成されている。そして、前述のリール保持部材回転許容機構と、このリール保持部材固定装置とを含んで保持位置変更許容装置が構成されているのである。
【0152】
アーム本体564の回転中心と反対側の端部には、リール保持軸600が垂直に設けられ、その、リール保持軸600によってリール534が回転可能に保持される。図22に示すように、リール534の中心には、その回転軸線に平行な貫通穴であるリール穴602が設けられている。リール保持軸600は、一端部においてアーム本体564に取り付けられた軸部606と、その軸部606のアーム本体564に取付られているとは反対側の端部に設けられたフランジ部604とを有するものとされている。フランジ部604の直径は、リール穴602の直径よりも小さくされている。軸部606の長さは、リール534の厚さwよりも大きくされており、リール穴602の内面の上部が軸部606の円筒面の上部によって支持される。リール534の外側面610がフランジ部604の上部によって掛かり止められ、リール534がリール保持軸600から抜け落ちることが防止される。
【0153】
図23に、リール534が通常動作時保持位置に位置する状態におけるリール534とリールホルダ550との係合状態を示す。なお、図23は、図19におけるB−B断面である。リール534は、互いに平行な2枚のリール板620と、リール板の中心部をつなぐ巻回芯622(図22参照)とを含んで構成されており、2枚のリール板620の間に電子部品テーピング536が巻回されている。ホルダ本体552には、リール534が通常動作時保持位置にある状態におけるそのリール534の中心に向かって突出するホルダ突部624を2つ有している(図19参照)。ホルダ突部624の厚みbは、2枚のリール板620の間隔cより小さくされており、リール534が通常動作時保持位置にある状態において、リール534は、ホルダ突部624が2枚のリール板620の間に嵌入して保持される。それによって、リール534の、特に、リール534の外周部の回転軸線方向への移動が規制される。つまり、ホルダ突部624は、リール板間嵌入部として機能し、リール位置規制部として機能する。なお、ホルダ突部624の2つの側面626は、リール534と摺接あるいはそれに近い状態となるため、摩擦を減少させることを目的とする減摩表面処理を施すことが望ましい。
【0154】
なお、本実施形態において、通常動作時保持位置は、上記リール位置規制部による規制を受ける位置であることから、被規制保持位置とされている。逆に、リール534が着脱時保持位置に位置する場合は、リール位置規制部による規制が解除されることになり(図19参照)、着脱時保持位置は、規制解除保持位置ととなる。また、通常動作時保持位置と着脱時保持位置とを比較した場合、通常動作時保持位置の方が部品供給部538より近い位置にあることから、両者の関係において、通常動作時保持位置は近距離位置のとされ、着脱時位置は遠距離位置とされている。
【0155】
<フィード装置>
図24に、テープフィーダ510の左前上方からの斜視図を示す。図24は、図18に記載するところの左側面を覆うカバー630を外した状態であり、フィード装置530の内部を概略的に示す。フィード装置530は、フィード装置本体524に、各種部品、部材が設けられて構成されている。図25に、テープフィーダ510の右側面図を示す。図25は、フィード装置本体524を透過してテープフィーダ510の内部を示す図である。フィード装置530は、テーピング送り部636,制御部638,カバーテープ処理部640,フィーダ掛止部642及び操作部644を含んで構成されている。以下に、それら各部を、図25に基づいた拡大図を参照しつつ説明する。
【0156】
図26に、図25の拡大図であって、テーピング送り部636、制御部638部を中心とした部分を示す。本フィード装置530では、リール534から延び出す電子部品テーピング536は、案内板650に沿って後方から前方へ(図の右方から左方へ)送られる。つまりその方向がテーピング送り方向Mである。電子部品テーピング536は、幅方向の一方の側に一定のピッチで送り穴632が設けられており(図27参照)、この送り穴632には、フィード装置530の前方上部に設けられたスプロケット652の歯654が係合し(図28参照)、スプロケット652が一定角度回転することによって、電子部品テーピング536が部品保持ピッチに応じた量だけ送られる。スプロケット652は、モータ670の回転駆動力が各種のギヤを介して伝達されて回転させられる。詳しく説明すると、モータ670の出力軸672に、出力軸672と相対回転不能に固定されたギヤ674により、ギヤ676が回転駆動される。そのギヤ676は、ギヤ678と一体的に回転可能なように、回転軸680に支持されており、ギヤ678により、回転軸690に回転可能に支持されたギヤ692が回転駆動され、そして、そのギヤ692によりギヤ694が回転駆動される。スプロケット652は、ギヤ694と一体的に回転可能なように、スプロケット軸658に支持されており、スプロケット652は、ギヤ694が回転させられることで回転させられるのである。モータ670,各種ギヤ等672〜694,スプロケット652等を含んでテーピング送り部636が構成されているのである。
【0157】
制御部638は、フィード装置530を制御する部分である。制御部638の主たる機能は、電子部品供給システムあるいは電子部品供給システムが電子部品を供給する電子部品装着機等の指令に従いモータ670を制御することにあり、モータ670の駆動回路を含むコントローラ730を有している。制御部638は、コネクタ732を有し、コントローラ730は、そのコネクタ732を介して電子部品供給システム等から電源供給を受けるとともに指令等の信号の送受信を行う。また、詳しい説明は省略するが、制御部638は、他に、スプロケット652の回転速度および回転角度を検出する電磁式のセンサ734,テープフィーダ510のフィーダテーブル512への取付けがロックされたかどうかを検出するスイッチセンサ736(図34参照)を有しており、これらのセンサ734,736もコントローラ730に接続されている。
【0158】
電子部品テーピング536に保持された電子部品は、部品供給部538において、カバーテープ760が剥がされた状態の電子部品テーピング536から取り出される。図29に、部品供給部538の平面図を示す。部品供給部538には、電子部品テーピング536の上方をカバーするカバー770と、電子部品テーピング536を下方から支承する支承体772が設けられている。また、電子部品テーピング536は、部品供給部538の後方(図において左)であって、案内板650の前方において、スプロケット652と係合しており、その係合する箇所には、カバー部774を有して電子部品テーピング536を誘導するテーピング誘導体776が設けられている。それらにより、電子部品テーピング536は、その送り穴632がスプロケット652の歯654に噛み合う適切な位置に誘導されるとともに、部品供給部538の適切な位置に誘導される。
【0159】
部品供給部538に存在するカバー770には、開口780が設けられており、カバーテープ760は、この開口780からカバー770の上部へ引き出され、後方に折り返されている。折り返されたカバーテープ760は、電子部品テーピング536の送りに伴って後方に引張られることで、開口780後縁を形成する開口エッジ782の下方において剥がされる。カバーテープ760が剥がされた電子部品テーピング536は、電子部品を保持した状態で部品供給位置784まで送られ、その電子部品が取り出される。図26には、電子部品装着機の部品保持具790が示されており、例えば、電子部品装着機において用いられる場合は、部品保持具790が下降して、所定の部品供給位置784から、その部品保持具790によってピックアップされる。
【0160】
図30に、図25の拡大図であって、カバーテープ処理部640を中心とした部分を示す。後方に折り返されたカバーテープ760は、2つのテーパローラ810,812によって2つの送りローラ814,816の間に導かれ、送りローラ814,816の送りにより下方に排出される。2つのテーパローラ810,812は、フィード装置本体524に近い側(図30において手前側)の直径が小さく、フィード装置本体524から遠ざかるに従い直径が増大する形状とされている。上記の部品供給部538で剥がされたカバーテープ760は、電子部品テーピング536の上をテープ送り方向Mとは反対向きに進み、テーパローラ810とテーパローラ812に間において、表面が案内板650に摺るような状態で、それの左側(フィード装置本体524と反対側)を通過する。詳しく言えば、テーパローラ810から案内板650までの間に進行方向に向かう視点において右回りに略90゜捻られ(カバーテープ760のフィード装置本体524に近い側が前方にくる回転方向)、案内板からテーパローラ812の間に、その捻りが戻されるようにされるのである。案内板650と交差する箇所において、カバーテープ670は、フィード装置本体524と平行になるため、フィード装置530からの幅を超えた飛び出しは殆どない状態となる。なお、テーパローラ810,812は、カバーテープの670の捻りおよび捻り戻しを容易にするためにテーパ形状とされているのである。
【0161】
送りローラ814は、モータ670によって回転駆動される。モータ670の出力軸672に設けられたギヤ672によって、それに噛合するギヤ830が回転駆動される(図26参照)。そのギヤ830とタイミングプーリ832とが一体的に回転可能なように回転軸834に支持されており、タイミングプーリ832の回転はタイミングベルト836を介してタイミングプーリ838に伝達される。なお、タイミングベルト836のテンションはプーリ840によって適切に調節されている。タイミングプーリ838は、ギヤ850と一体的に回転可能なように回転軸852に支持されている。回転軸854により回転可能に支持された送りローラ814が、ギヤ850により回転駆動される。なお、送りローラ814,816にはギヤ850と同じピッチの歯が設けられており、ギヤ850と送りローラ814は噛合し、また、送りローラ814と送りローラ816とが噛合する。ギヤ850が回転すると、送りローラ814が回転するとともに、回転軸856により回転可能に支持された送りローラ816が回転する。
【0162】
2つの送りローラ814,816のうちの一方である送りローラ816を回転可能に支持する回転軸856は、ローラ支持板870に設けられている。ローラ支持板870は、フィード装置本体524に固定された支持軸872に回動可能に支持されており、ローラ支持板870の回動により、送りローラ816送りローラ814から離間可能とされている。ローラ支持板870は、ばね部材である引張コイルばね880によって、送りローラ816を送りローラ814に近づける向きに付勢力されており、この付勢力により、カバーテープ670は、2つの送りローラ814および816の間に、しっかりと挟持される。カバーテープ760を送りローラ814,816によって挟持させる際には、レバー部884を操作して、図31に示すように、上記付勢力に抗って2つの送りローラ814,816の間隔を広げて行う。
【0163】
図32に、カバーテープ処理部640を下方やや斜めからみた図を示す。この図は、フィード装置本体524を透かして見た図である。カバーテープ処理部640には、送りローラ814,816へのカバーテープ760の巻き付きを防止する巻き付き防止手段としての巻き付き防止板900,902が、それぞれ送りローラ814,816の下方に設けられている。巻き付き防止板900はフィード装置本体524に固定されており、巻き付き防止板872は上記ローラ支持板870に設けられている。送りローラ814,816にはそれぞれ溝904,906が設けられており、一方、巻き付き防止板900,902の各々の各々は、溝904,906の幅より狭い幅をもつ片状部910,912を有している。巻き付き防止板900,902の各々は、片状部910,912の各々が溝904,906の内部に差し入れられる位置に設けられている。カバーテープ760は、巻き付き防止板900,902によって送りローラ814,816への巻き付きを防止されつつ,下方に排出される。なお、フィード装置本体524には所定の厚さの規制板914が設けられており、カバーテープ760は、規制板914およびローラ支持板870によって、送りローラ814,816間を通過する際における幅方向の位置が規制される。
【0164】
本フィード装置530は、以上のような態様のカバーテープ処理部640を有しており、電子部品テーピング536が、テーピング送り部636によって部品保持ピッチに応じた量だけ送られる際、その量に応じた量だけカバーテープ760が剥がされ、装置外へ送り出される。カバーテープ処理部640は、カバーテープ剥離装置を含むものであり、そのカバーテープ剥離装置は、部品供給部538のカバー770に設けられた折り返し部782、モータ670、駆動スプロケット674、ギヤ830,850、タイミングプーリ832等、タイミングベルト836、送りローラ814,816等を含んで構成される。また、カバーテープ処理部640は、剥がされたカバーテープ760を、90゜捻った状態で、リール534から部品供給部538に向かって延び出す電子部品テーピング536と交差させてその電子部品テーピング536の下側へ送るカバーテープ送り装置を備えるものであり、そのカバーテープ送り装置は、テーパローラ810,812、モータ670、駆動スプロケット674、ギヤ830,850、タイミングプーリ832等、タイミングベルト836、送りローラ814,816等を含んで構成されている。上記構成のカバーテープ送り装置は、狭い幅のなかでカバーテープ760を交差させることができることから、複数のテープフィーダ510を並べる際の隣り合うテープフィーダ510との間隔を小さくすることに役立っている。さらに、カバーテープ処理部640は、剥がされたカバーテープ760を巻き取ることなくフィード装置530外へ送り出すカバーテープ送出装置を有するものであり、そのカバーテープ送出装置は、モータ670、駆動スプロケット674、ギヤ830,850、タイミングプーリ832等、タイミングベルト836、送りローラ814,816等を含んで構成されている。カバーテープ巻取装置を有しないことから、コンパクトなテープフィーダとなる。
【0165】
なお、本実施形態のカバーテープ送り装置では、カバーテープ760は、90°捻られてテープ面がフィード装置本体524と平行にされた後、捻り戻されている。そのような態様に代え、略90゜捻られた状態で電子部品テーピング536と交差した後、さらに同じ方向に略90゜捻るようにして、送りローラ814,816に導かれるような態様とすることもできる。つまり、合わせて略180°捻る態様である。図33に、カバーテープ760を180゜捻る機構を有するカバーテープ送り装置の斜視図を示す。この図は、図18と同じ視点の斜視図であり、送りローラ814,816が離間させられた状態を示している。本態様のカバーテープ送り装置では、剥がされたカバーテープ760は、ローラ930により進行方向を下方に変えられ、カバーテープ760は進行方向に向かって略90゜左回り(カバーテープ760のフィード装置本体524に近い側が後方にくる回転方向)に捻られた状態で、案内板650の左側(フィード装置本体524と反対側)を通過する。その後、カバーテープ760は、さらに90°左回りに捻られてローラ932により案内される。
【0166】
フィーダ掛止部642には、図34に示すロック装置940が設けられている。ロック装置940は、フィーダテーブル512に取り付けられたテープフィーダ510が、取り外し操作無しにはフィーダテーブル512から外れないようにするものである。フィード装置本体524に固定されたロック装置本体942には、断面形状が概して矩形の溝944が設けられており、その溝944には、ばね部材たる圧縮コイルスプリング946と係合部材950とが配置されている。図においては、圧縮コイルスプリング946が係合部材950の軸部952を押し出す向きに付勢しており、係合部材950の後方側の面である係合面954が、テーブル台部514に設けられた凹部956の被係合面958に押し付けられる。その反作用により、テープフィーダ510が前方に向かって付勢された状態となる。
【0167】
係合部材950の軸部952には、フィード装置本体524と平行なスリット970が設けられており、その溝970にワイヤー972の端部が挿入されており、軸部952を貫通するピン976がワイヤー972の端部に形成された止め輪978の中に通されている。ワイヤー972は、圧縮コイルスプリング946の中を通ってロック装置本体942の外部に延び出しており、ガイド980によって向きを変えられる。図30に示すように、ワイヤー972は複数のガイド980,982,984を経由して、操作部644に設けられたロック解除レバー990と接続されている(図35参照)。ロック解除レバー990を操作することによって、ワイヤー972が引っ張られ、係合部材950の軸部952がロック装置本体942の溝944に引き込まれて、テープフィーダ510の掛止が解除される。
【0168】
ロック装置本体942には、スイッチセンサ736が取り付けられており、テープフィーダ510が掛止状態にあるか否かが検出される。図34において、係合部材950が係合状態にあるため軸部952がロック装置本体942から突き出ており、スイッチセンサ736に設けられた可動片992は、軸部952により上に押し上げられてスイッチ994を押し、スイッチ994がONにされた状態になる。一方、非掛止状態では、軸部952がロック装置本体942に収容されるため、可動片992はスイッチ994から離れ、スイッチ994がOFFにされた状態になる。スイッチ994がOFFにされた非係合状態において、コントローラ730は、フィード装置530が部品送出作動を行わないようにする。そのため、コネクタ732が、テーブル前方壁部516に設けられたコネクタ挿入部に挿入されて電源の供給を受けうる状態であっても、係合部材950が係合状態にならなければ部品供給動作が行われず、フィーダ510の取付位置のずれ等に起因する誤動作や不適切な部品供給等が防止されるのである。テープフィーダ510の係合状態を検出するスイッチセンサ736は、インターロックのための機能部品であり、本テープフィーダ510は、誤動作防止装置あるいは安全装置を備えるものとされているのである。
【0169】
フィード装置本体524の後部に設けられた操作部644は、図35に示すように、操作部基材1002,ロック解除レバー990を含んで構成される。操作部基材1002は、ボルト・ナット1004によりフィード装置本体524に固定されており、ロック解除レバー990は、操作部基材1002に設けられたレバー支持軸1006に支持されている。ロック解除レバー990は、円柱状のワイヤー固定具1010を有しており、その固定具1010においてワイヤー972の端部が固定されている。ロック解除レバー990は、レバー支持軸1006に回転可能に支持されており、ロック解除レバー990の後端部1030が引き上げられると、図36に示すように、ワイヤー972を引っ張る方向に回転する。ワイヤー972は上述の係合部材950とつながっており、係合部材950はロック装置940に収容され、テープフィーダ510は、非掛止状態となる。
【0170】
操作部基材1002は、取手部1040とスイッチ収容部1042を有している。取手部1040には、穴が形成され、フィード装置本体524に設けられた穴と合致する穴が設けられており、それらの穴によって、オペレータがテープフィーダ510を把持するための把持環1043が構成されているのである。スイッチ収容部1042は、上部およびフィード装置本体524側を開口とする収容凹部1044が設けられており、その凹部1044に操作スイッチ類1046が収容されている。操作スイッチ類1046は、各種のスイッチやLED(発光ダイオード)等を含んでおり、それらは、コントローラ730に接続されている。操作スイッチ類1046が操作されることによって、電子部品テーピング536の送り,送り戻しの手動操作や、送りピッチ量の調節等が行われる。
【0171】
図37にフィード装置530の正面図を示す。フィード装置530の下部は、フィーダテーブル512のテーブル台部514に支承される下部被支承部1060とされており、また、前部は、フィーダテーブル512のテーブル前方壁部516に支持される前部被支持部1062とされている。下部被支承部1060には、後に説明するテーブル台部514に設けられた嵌合溝であるTスロット1064に嵌入するT字形状の断面を有する嵌入条であるT字条1066が設けられている。また、前部被支持部1062には、後に説明するテーブル前方壁部516に設けられた嵌合穴に嵌入する嵌合ピン1070,1072とコネクタ732が設けられている。
【0172】
<リール保持部位置変更許容装置>
テープフィーダ510は、前述したリール保持部位置変更許容装置としてのホルダ位置変更許容装置を有している。図38,39にホルダ位置変更許容装置1100を示す。ホルダ位置変更許容装置1100は伸縮装置として形成されていおり、図38はホルダ位置変更許容装置1100が縮んだ状態を示し、図39はその装置1100が伸びた状態を示す。ホルダ位置変更許容装置1100は、フィード装置530とリール保持装置532との間に介在させられている。
【0173】
詳しく説明すれば、ホルダ位置変更許容装置1100は、フィード装置本体524に設けられたフィード装置側連結部1102と、ホルダ本体552の一部分としてして設けられたホルダ側連結部1103と、両連結部を連結させる連結部材1104を含む連結部材部とを含んで構成される。フィード装置側連結部1102と連結部材1104とは、互いに係合し合うことによって形成される直線的な軌道である第1の軌道に沿った相対移動が可能とされており、また、ホルダ側連結部1103と連結部材1104とは、互いに係合し合うことによって形成される直線的な軌道であって第1の軌道と平行な第2の軌道に沿った相対移動が可能とされている。
【0174】
図40に、図38におけるC−C断面を示す。フィード装置側連結部1102は、自身の下部に、上下方向に延びて断面がT字状をなすT字溝1106が形成された係合部1108を有しており、また、ホルダ側連結部1103は、自身の上部に、上下方向に延びて同じ断面形状のT字溝1110が形成された係合部1112を有している。連結部材1104は、両側面に凹部1114が形成されており、図40に示すように断面が概ねI字状とされている。連結部材1104の前部がフィード装置側連結部1102の係合部1108と係合し、連結部材1104の後部がホルダ側連結部1103の係合部1112と係合する。T字溝1106,1110は、連結部材1104に対して僅かなクリアランスを有して嵌り合い、2つの係合部1108,1112の各々と連結部材1104とはがたつきなく摺動するようにされている。
【0175】
図38は、ホルダ位置変更許容装置1100が最も縮められた状態であり、その状態において、連結部材1104のフィード装置側連結部1102に対する上方への相対移動は、係合部1108の下端が連結部材1104の下端部に設けられたストッパ1116に当接することによって禁止される。また、その状態において、ホルダ側連結部1103の連結部材1104に対する上方への相対移動は、係合部1112の上端が連結部材1104に形成された凹部1114の上端壁に当接することによって禁止される。フィード装置側連結部1102およびホルダ側連結部1103の各々は、それぞれ連結部材1104の前面あるいは後面と係合する位置にボールプランジャ1118を有しており、ホルダ位置変更許容装置1100が最も縮められた状態において、ボールプランジャ1118の各々は連結部材1104の前面および後面に設けられた係合穴1120と係合するようにされている。このボールプランジャジャ1118の作用により、リールホルダ550がリール534を保持した状態においても、それらの自重によりホルダ位置変更許容装置1100が伸長されるのを効果的に阻止している。
【0176】
図39は、ホルダ位置変更許容装置1100が最も伸ばされた状態であり、その状態において、連結部材1104のフィーダ装置側連結部1102に対する下方への相対移動は、係合部1108の上端が連結部材1104に形成された凹部1114の上端壁に当接することによって禁止される。また、その状態において、ホルダ側連結部1103の連結部材1104に対する下方への相対移動は、係合部1112の下端が連結部材1104の下端部に設けられたストッパ1116に当接することによって禁止される。
【0177】
このような構成を有するホルダ位置変更許容装置1100は、フィード装置530に対するリールホルダ550のリール保持面に沿った相対移動を許容するリール保持部移動許容装置を含むものである。フィード装置側連結部1102は、フィード装置530側に設けられた軌道形成部材として機能し、連結部材1104は、リール保持装置532側に設けられてフィード装置側連結部1102によって形成される軌道にそってスライドするスライド部材として機能する。また、連結部材1104は、フィード装置530側に設けられた軌道形成部材としても機能し、ホルダ側連結部1103は、リール保持装置532側に設けられて連結部材1104によって形成される軌道に沿ってスライドするスライド部材として機能する。すなわち、ホルダ位置変更許容装置1100は、軌道形成部材とスライド部材とを複数段である2段に備えるところの伸縮装置とされているのである。また、リール保持部移動許容装置による移動行程において、リールホルダ550が、フィード装置530に対する定められた2つの相対位置にその位置が固定されることから、ホルダ位置変更許容装置1100は、リール保持部位置固定装置を備えたものであるといえる。そのリール保持部位置固定装置は、本実施形態において、係合部1108,1112の上下端と凹部1114の上端壁およびストッパ1116との当接機構、ボールプランジャ1118と係合穴1120との係合機構等を含んで構成されている。
【0178】
<テープフィーダの整列>
図17に示したように、フィーダテーブル512には、複数のテープフィーダ510が整列した状態で取り付けられる。その際には、各テープフィーダ510の部品供給部538が一直線上に位置し、かつ、テーピング送り方向が互いに平行となる状態で複数のテープフィーダ510が整列している。この状態において、図20に示すように、テープフィーダ510の配設ピッチwがフィード装置530の幅よりも僅かに大きい程度にされている。リール厚さwがテープフィーダ510の配設ピッチwよりも大きいため、リール534を配設ピッチwで一直線に整列させることは不可能である。そこで、本実施形態は、互いに隣接するテープフィーダ510のリールホルダ550を交互に上下の位置に位置させることで、リール534どうしの干渉を回避することができ、リール厚さwよりも小さい配設ピッチwで複数のテープフィーダ510を整列させることが可能なのである。したがって、本実施形態は、スペース効率のよいテープフィーダの配置を可能にしている。
【0179】
先に述べたように、図20において下方に位置するリールホルダ550のアーム554は、図19におけるアーム554bの背面図を示している。この状態でのアーム554bに保持されるリール534位置は、本実施形態のリールホルダ550においてとり得る最も高い位置であり、その位置であっても上方に位置するリール534と干渉しないようにされている。そのため、隣接するテープフィーダ510がリール534を保持していても、リールの保持位置を前記通常動作時保持位置(図19における554a)から前記着脱時保持位置(図19における554c)へ変更することが可能であり、その逆の変更も可能である。そのため、図17に示したように、リール534を保持するテープフィーダ510が複数整列した状態で、任意のリール534の保持位置を通常動作時保持位置から着脱時保持位置へ変更してリール534の着脱作業を行うことが可能である。さらに、着脱時保持位置に位置するリール534とフィード装置530との間に、前後方向において適度な距離が確保されることとなり、スプライシング作業が行いやすく、リール交換作業の作業性が良好である。つまり、保持されているリールを外し、そこに新たなるリール536を取り付け、既存の電子部品テーピング536の終端と新たな電子部品テーピング536の先端とをつなぎ合わせるといった作業を行う際にも、十分なる空間的余裕を存在させることが可能なのである。このように、ホルダ位置変更許容装置1100は、テープフィーダの配置効率の向上を実現させるだけでなく、作業性の向上にも役立っている。
【0180】
<フィーダテーブルへのテープフィーダの取り付け>
図41に、テープフィーダ510をフィーダテーブル512に取り付けた状態の左側面図を示す。前述したように、テープフィーダ510は、フィード装置530の下部の一部である下部被支承部1060がフィーダテーブル512のテーブル台部514に支承され、また、フィード装置530の前部の一部である前部被支持部1062がテーブル前方壁部516に支持された状態で取り付けられる。フィーダテーブル512には、複数のテープフィーダ510のそれぞれが取り付けられる複数のフィーダ取付部を有している。フィーダ取付部は、テーブル台部514の上面部分に設けられたフィーダ下部支承部1200と、テーブル前方壁部516の背面部分に設けられたフィーダ前部支持部1202とを含んで構成されている。
【0181】
フィーダ下部支承部1200には、前後方向に真直ぐ延びる嵌合溝であるTスロット1064が設けられており(図37参照)、Tスロット1064には、前述した下部被支承部1060に設けられたT字条1066が嵌め入れられる。フィーダ前部支持部1202には、2つの嵌合穴1204,1206が設けられており、前述した前部被支持部1062に設けられた嵌合ピン1070,1072のそれぞれが嵌合する。下部嵌合穴1206は比較的大きく形成され、比較的ルーズな状態で嵌合するが、上部嵌合穴1204は、嵌合ピン1070の外径と略等しい内径を有しており、タイトな嵌め合いとなっている。このような構成とされていることで、テープフィーダ510は、フィーダテーブル512の所定の位置に位置決めされ、適切な姿勢で取り付けられる。
【0182】
フィーダ前部支持部1202には、2つの嵌合穴1204,1206の間にコネクタ挿入部1210が設けられており、前述した前部被支持部1062に設けられたコネクタ732が挿入される。そのコネクタ732は、嵌合ピン1070,1072がそれぞれの嵌合穴1204,1206に一定量挿入された時点から、コネクタ挿入部1210に挿入され始め、フィーダテーブル512の所定の位置に位置決めされた状態でコネクタ732の挿入が完了するようにされている。なお、コネクタ挿入部1210から先の配線は図示を省略する。
【0183】
テープフィーダ510がフィーダテーブル512に取り付けられる際には、ロック解除レバー990が、上方に引き上げられ、係合部材950の軸部952がロック装置940に収容されて、係合部材950がテーブル台部512と干渉しない位置に位置させられる。また、取り外しの際にも同様な状態にされる。テープフィーダ510がフィーダテーブル512の所定の位置に位置した状態において、ロック解除レバー990が元の位置に戻され、テープフィーダ510がフィーダテーブル512から外れないようにロックされる。前述のようにフィーダ下部支承部1200には、位置決めされた状態において前記ロック装置940の係合部材950が係合する凹部956が設けられ、係合部材950が凹部956に係合してテープフィーダ510を前方に付勢することにより、テープフィーダ510がフィーダ前部支持部1202にしっかりと固定されるのである。
【0184】
取り付けの際、テープフィーダ510が、それ自身のT字条1066がT字溝1064に嵌合させられるように、フィーダテーブル512の後方より前方に向かって、テーブル台部514の上面をスライドさせられる。つまり、本実施形態では、T字条1066が設けられた下部被支承部1060と、Tスロット1064が設けられたフィーダ下部支承部1200とを含んで、テープフィーダ510の一部分とそれが取り付けられるフィーダ取付部の一部分との一方向のスライドを許容するスライド許容装置を構成しているのである。すなわち、Tスロット1064がガイド部として機能し、T字条1066がそれによってガイドされる被ガイド部として機能するのである。また、テープフィーダ510のスライドは、前部被支持部1062がフィーダ前部支持部1202に当接することにより規制され、その結果、テープフィーダ510は、スライド方向における設定位置に位置させられることになる。つまり、本実施形態では、前部被支持部1062とフィーダ前部支持部1202とを含んでスライド方向位置決め装置が構成されているのである。すなわち、フィーダ前部支持部1202は、前部被支持部1062を係止させる係止部として機能するのである。
【0185】
フィーダテーブル512には、フィーダ取付部が左右方向に並んで複数設けられている。複数のテープフィーダ510の下部被支承部1060および前部被支持部1062は同じ構成とされており、複数のフィーダ取付部、すなわちフィーダ下部支承部1200およびフィーダ前部支持部1202も同じ構成とされている。複数のテープフィーダ510のいずれもが、いずれのフィーダ取付部に対しても取り付けることが可能となっている。
【0186】
また、複数のテープフィーダ510は、各々の下部被支承部1060と各々の前部被支持部1062とに対する各々の部品供給部538の相対位置関係が画一化されている。そして、複数のフィーダ取付部のフィーダ下部支承部1200とフィーダ前部支持部1202とがそれぞれ面一に構成されていることから、どのテープフィーダ510をどのフィーダ取付部に取り付けたとしても、複数のテープフィーダ510の部品供給部538は整列させられるのである。本実施形態では、部品供給部538を一直線上に整列させることが可能である(図17参照)。
【0187】
さらに、フィーダ取付部は、テープフィーダ510が並ぶ方向であるフィーダ配列方向に等ピッチで設けられている。フィーダ取付部のピッチ幅wは、フィード装置幅に略等しい。したがって、本部品供給システムは、複数のテープフィーダ510を、各々のフィード装置530が互いに隣接した状態で、効率よく配置することができる(図17参照)。
【0188】
さらにまた、テープフィーダ510の取付のためのスライド方向が、フィーダ配列方向に直角に交差する方向であるため、例えば、複数のテープフィーダ510が整列している状態から、任意の1つのテープフィーダ510を取り外すあるいは交換する場合に、それらの作業が簡便に行える。つまり、その1つのテープフィーダ510のみを脱着する、あるいは、隣接するテープフィーダ510を取り外した上でその1つのテープフィーダ510を脱着することが可能だからである。
【0189】
<電子部品テーピングのセットと部品取出位置の決定>
テープフィーダ510に新たな電子部品テーピング536をセットする際には、オペレータにより電子部品テーピング536からカバーテープ760が剥がされる。第1実施形態においては、剥がされたカバーテープ110がスリット118から引き出されており、そのスリット118にカバーテープ110を通す作業が必要であった。一方、本実施形態においては、図29に示したように、部品供給部538が、カバー770の前方部分は開口780によって2つに分けられた構成のものとされており、図28に示したように、部品供給部538から送り出された電子部品テーピング536からカバーテープ760を剥がせば、そのまま容易に開口エッジ782までカバーテープ760を剥がすことができる。このように、開口780がカバー770の前方に開いたものにされることで、作業性が向上している。
【0190】
本電子部品供給システムは、主に、電子部品装着機と組み合わせて用いられる。その際には、部品供給部538において供給される電子部品の位置が、電子部品装着機側において正確に把握され、その位置に応じた部品取出動作が行われることが望ましい。部品装着機側において設定されている部品取出位置と、部品供給システム側において電子部品が存在する位置との間にずれが生じる場合、電子部品を正常に取り出すことができない可能性がある。特に、部品保持具として吸着ノズルを用いた場合、寸法の小さい電子部品では、寸法の大きい電子部品に比べて、吸着位置の誤差による吸着ミスが生じやすい傾向がある。電子部品の存在する位置のずれは、テープフィーダのフィーダテーブルに対する取付誤差、フィード装置における電子部品テーピングの送り停止位置の誤差等に起因する。電子部品の小型化が進む中、テープフィーダの送り停止位置を正確な位置にすることは困難であり、また、特に、本実施形態のテープフィーダ510では、いずれの位置においても電子部品テーピングの送りを停止させることができるため、テープフィーダ510に電子部品テーピングをセットした際に、電子部品デーピングの送り停止位置を正確に把握することが望まれる。そこで、本テープフィーダ510には、微少な寸法の電子部品の取出位置を正確に把握できるように工夫がなされている。以下に、それらについて説明する。
【0191】
本電子部品供給システムが、XYロボット型電子部品装着機と組み合わせて用いられる場合の、その装着機における部品取出位置の調整を例にとって説明する。図42に、XYロボット型電子部品装着機に本電子部品供給システムが配備された状態を示す。装着機は、装着ヘッド1300を有し、その装着ヘッド1300が、XYロボット装置により、部品供給システムとプリント配線板1302と間を移動させられる構造とされている。装着ヘッド1300は、テープフィーダ510の上方における所定の位置に位置させられ、その位置において自身が備える部品保持具としての吸着ノズル1304によって、テープフィーダ510の部品供給部538に位置する電子部品を取り出すものとされている。装着ヘッド1300は、カメラ1306(CCD)を備えており、そのカメラ1306は、主に、プリント配線板1302表面に付された基準マークを撮像する役割を有している。本実施形態では、このカメラ1306の撮像データを利用して、部品取出位置の決定が行われる。
【0192】
図43に、部品供給部538の平面図を示す。電子部品テーピング536は、送り穴632の1ピッチ内に、電子部品1310を4つ収容しており、送り穴632のピッチ(図においては4mm)の1/4の送りピッチ(図においては1mm)で送られる。なお、テーピング送り方向において、送り穴632の位置に、電子部品1310が収容されている。部品供給部538のカバー770には、前述の開口780が設けられており、開口780の一部は、送り穴632を上部に露出させるための送り穴露出部1314とされている。その送り穴露出部1314は、少なくとも1つ認識され得る長さにされている。カバー770の送り穴露出部1314の前方に位置する部分には、基準マークとしての基準穴1316が設けられている。
【0193】
部品取出位置の調整において、まず、部品供給部538が、カメラ1306によって撮像される。そして、基準穴1316に関する撮像データから、テープフィーダ510の正規位置からのずれ量が取得される。次いで、基準穴1316と、送り穴露出部1314に位置する送り穴632との撮像データから、両者の離間距離が求められ、その離間距離から部品供給部538における部品取出位置1320が決定される。上記ずれ量と部品の存在位置1320とに基づいて、そのテープフィーダ510から電子部品を取り出す際の装着ヘッド1300の移動位置が決定されるのである。
【0194】
部品取出位置1320の決定について、具体的に説明すれば、例えば、図43(a)に示す部品供給部538の状態のように、基準穴1316と認識された送り穴632との離間距離dが2mmであれば、部品取出位置1320がさらに2mm後方に、つまり基準穴1316からテーピング送り方向における距離Dが4mmとなる位置に決定される。その際に、送り穴632の位置が若干前後にずれていれば、そのずれを修正するように部品取出位置が決定される。例えば、基準穴1316と送り穴632との離間距離dが2.2mmであれば、距離Dが4.2mmとなる位置に部品取出位置1320が決定される。このように、基準穴1316と送り穴632との離間距離dと、基準穴1316から部品取出位置1320までの距離Dとの関係を規定しておけば、電子部品テーピング536の送り停止位置のずれを修正するようにして、部品取出位置1320が決定できるのである。図43に示す態様では、離間距離dと距離Dとの関係は、具体的には、1.5<d≦2.5の場合にはD=d+2とされ(図43(a))、2.5<d≦3.5の場合にはD=d+1とされ(図43(b))、3.5<d≦4.5の場合にはD=dとされ(図43(c))、4.5<d≦5.5の場合にはD=d−1とされる(図43(d))。この方法によれば、送り穴632の1ピッチ間に収容される電子部品の数がさらに増えても、上記距離dと上記距離Dとの関係を設定しておけば、適切な位置に部品取出位置1320を決定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子部品供給システムを示す右側面図である。
【図2】本発明の一実施形態である電子部品供給システムを示す平面図である。
【図3】実施形態の電子部品供給システムを構成するテープフィーダを示すの右側面図である。
【図4】上記テープフィーダのリール保持部がリールを保持した場合において、そのリールの回転軸線を含む面で切断した一部分の断面図を示す。
【図5】上記テープフィーダのフィード装置を示す右側面図である。
【図6】上記フィード装置の部品供給部を示す平面図である。
【図7】上記フィード装置のテーパローラおよびガイドローラが存在する部分を示す背面図である。
【図8】上記フィード装置の2つのカバーテープ送りローラが存在する部分を示す正面断面図である。
【図9】上記フィード装置を示す正面図である。
【図10】上記テープフィーダの有するホルダ位置変更許容装置を示す右側面図である。
【図11】上記テープフィーダを複数整列して配置した状態を示す模式図である。
【図12】上記テープフィーダをフィーダテーブルに取り付けた状態を示す右側面一部断面図である。
【図13】本発明の一実施形態の部品供給システムにおけるフィーダ駆動装置の存在する部分を拡大して示す部分平面図である。
【図14】上記フィーダテーブルの部分正面図である。
【図15】上記フィーダテーブルに設けられたフィーダ駆動装置を拡大して示す右側面一部断面図である。
【図16】上記フィーダ駆動装置が有する駆動回転体の係合部を示す背面図、上記フィード装置が有するドライブシャフトのシャフト係合部を示す正面図および両者が係合した状態を示す右側面図である。
【図17】上記実施形態とは別の実施形態の電子部品供給システムを示す左後上方からの斜視図である。
【図18】上記実施形態の電子部品供給システムを構成するテープフィーダを示す左前上方からの斜視図である。
【図19】上記フィーダテーブルに設けられたリール保持装置を示す右側面図である。
【図20】上記リール保持装置に備えられたリールホルダを示す背面図である。
【図21】上記リールホルダの後の部分を拡大した右側面図である。
【図22】上記リールホルダに保持されるリールを示す右側面図である。
【図23】上記テープフィーダのリール保持部がリールを保持した場合において、そのリールの回転軸線を含む面で切断した一部分の断面図を示す。
【図24】カバーをはずした状態の上記テープフィーダを示す左前上方からの斜視図である。
【図25】上記テープフィーダの側面を透過して内部を示した右側面図である。
【図26】上記テープフィーダのフィーダ装置内部を示す右側面図である。
【図27】上記テープフィーダの部品供給部を示す平面図である。
【図28】上記テープフィーダの部品供給部で剥がされたカバーテープを示す斜視図である。
【図29】上記テープフィーダのフィード装置を示す平面図である。
【図30】上記テープフィーダのカバーテープ処理部を示す右側面図である。
【図31】上記カバーテープ処理部の送りローラが離間させられた状態を示す右側面図である。
【図32】上記カバーテープ処理部を示す右下方からの斜視図である。
【図33】上記とは別のカバーテープ処理部を示す左前上方からの斜視図である。
【図34】上記テープフィーダのロック装置を示す右側面図である。
【図35】上記テープフィーダのフィード装置の操作部を示す右側面図である。
【図36】上記操作部のロック解除レバーがロック解除位置に位置した状態を示す右側面図である。
【図37】上記テープフィーダのフィード装置を示す正面図である。
【図38】上記テープフィーダのホルダ位置変更許容装置を示す右側面図である。
【図39】上記ホルダ位置変更許容装置が伸長した状態を示す右側面図である。
【図40】上記ホルダ位置変更許容装置の、その伸縮方向と垂直な、ボールプランジャを含む断面を示す図である。
【図41】上記電子部品供給システムのフィーダテーブルを示す左側面図である。
【図42】上記電子部品供給システムと電子部品装着機の一部とを示す斜視図である。
【図43】上記フィーダ装置の部品供給部における電子部品テーピングの位置を示す平面図である。
【符号の説明】
10:テープフィーダ 12:フィーダテーブル 14:テーブル台部 16:テーブル前方壁部 18:フィーダ駆動装置 30:フィード装置 32:リール保持装置 34:リール 36:電子部品テーピング 38:部品供給部 40:リールホルダ 44:リール板 72:フィード装置本体 74:スプロケット 90:ドライブシャフト 96:シャフト係合部 110:カバーテープ 130:テーパローラ 132:ガイドローラ 150:カバーテープ送りローラ 230:下部被支承部 232:前部被支持部 234:前方側嵌入条236:後方側嵌入条 260:ホルダ位置変更許容装置 262:アウタパイプ 264:インナパイプ 266:インナバー 310:フィーダ下部支承部 312:フィーダ前部支持部 310:フィーダ下部支承部 312:フィーダ前部支持部 314:T字溝 340:駆動回転体 350:電動モータ 368:スプライン穴 370:スプライン軸 374:出力軸 376:コイルスプリング 390:凸所 392:凹所 396:ジョイント
510:テープフィーダ 512:フィーダテーブル 514:テーブル台部516:テーブル前方壁部 518:フィーダ駆動装置 524:フィード装置本体 530:フィード装置 532:リール保持装置 534:リール 536:電子部品テーピング 538:部品供給部 550:リールホルダ 552:ホルダ本体 554:アーム 576:第1規定面 578:第2規定面 600:リール保持軸 620:リール板 636:テーピング送り部 638:制御部 640:カバーテープ処理部 642:フィーダ掛止部 644:操作部 650:案内板 652:スプロケット 670:モータ 674,676,678:ギヤ 692,694:ギヤ 760:カバーテープ 770:カバー 810,812:テーパローラ 814,816:送りローラ 830:ギヤ 832:タイミングプーリ 836:タイミングベルト 838:タイミングプーリ 850:ギヤ 900,902:巻き付き防止板 940:ロック装置 950:係合部材 954:係合面 956:凹部 958:被係合面 990:ロック解除レバー 1046:操作スイッチ類 1060:下部被支承部 1062:前部被支持部 1064:Tスロット 1066:T字条 1070,1072:嵌合ピン 1100:ホルダ位置変更許容装置 1102:フィード側連結部 1103:ホルダ側連結部 1104:連結部材 1106:T字溝 1108:係合部 1110:T字溝 1112:係合部 1114:凹部 1116:ストッパ 1118:ボールプランジャ 1120:係合穴 1200:フィーダ下部支承部 1202:フィーダ前部支持部 1204:上部嵌合穴 1206:下部嵌合穴 1210:コネクタ挿入部

Claims (14)

  1. リールから延び出す電子部品テーピングを部品供給部へ送るフィード装置と、
    そのフィード装置に連結され、そのフィード装置の後方に位置するリール保持部において、前記リールを、着脱可能に、かつ、そのリールの回転軸線であるリール回転軸線が前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向と直角に交差する状態に保持するリール保持装置と
    を含むテープフィーダであって、
    前記リールが前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に位置することを可能とすべく、前記フィード装置に対する前記リール保持部の相対位置の変更を許容するリール保持部位置変更許容装置を含むことを特徴とするテープフィーダ。
  2. 前記リール保持部位置変更許容装置が、前記フィード装置に対する前記リール保持部の前記リール保持面に沿った相対移動を許容するリール保持部移動許容装置を備えた請求項1に記載のテープフィーダ。
  3. 前記リール保持部移動許容装置が、前記フィード装置と前記リール保持装置との一方に設けられて前記リール保持面に平行に延びる軌道を形成する軌道形成部材と、前記フィード装置と前記リール保持装置との他方に設けられて前記軌道形成部により形成された軌道に沿ってスライドするスライド部材とを有し、伸縮装置として構成された請求項2に記載のテープフィーダ。
  4. 前記リール保持部位置変更許容装置が、当該テープフィーダが前記テーピング送り方向が互いに平行となる状態で整列して複数配置された場合に、隣り合うテープフィーダの前記リール保持部に保持されたリールが当該テープフィーダが並ぶ方向であるフィーダ配列方向に平行な方向から見て互いに重なり合わない位置に前記リール保持部を位置させることを可能とするものである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のテープフィーダ。
  5. 前記フィード装置の前記リール回転軸線に平行な方向における幅が、当該テープフィーダの前記リール保持部とそのリール保持部に保持されるリールとのうち幅が広い方のものの幅より小さくされた請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のテープフィーダ。
  6. 前記リール保持部が、前記リールを保持した状態において、その保持したリールの2つのリール板の外面の各々を含む2平面より外側に突出しない構成とされた請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のテープフィーダ。
  7. 当該テープフィーダが、電子部品を一定のピッチで配列して保持するキャリアテープと、そのキャリアテープの上面をカバーするカバーテープとを含む電子部品テーピングから電子部品を供給するものであり、
    前記フィード装置が、
    前記電子部品テーピングを前記電子部品の保持ピッチに応じた量だけ送るテーピング送り部と、
    (a)そのテーピング送り部の動作に同期して前記カバーテープを前記保持ピッチに応じた量だけ前記キャリアテープから剥がすカバーテープ剥離装置と、(b)剥がされて前記テーピング送り方向とは反対向きに折り返された前記カバーテープを、そのカバーテープを捻った状態で前記リールから前記部品供給部に向かって延び出す電子部品テーピングと交差させてその電子部品テーピングの下側へ送るカバーテープ送り装置とを有するカバーテープ処理部と
    を備えた請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のテープフィーダ。
  8. 前記フィード装置が、駆動源を備えず、外部駆動装置によって駆動されるものである請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のテープフィーダ。
  9. 前記リール保持部が、前記リールが前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に位置することを可能とすべく、当該リール保持部における前記リールの保持位置の変更を許容する保持位置変更許容装置を含む請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のテープフィーダ。
  10. 前記保持位置変更許容装置が、少なくとも、当該テープフィーダが通常の部品供給動作を行うときの保持位置である通常動作時位置と、前記リールを前記リール保持部に装着あるいは離脱させるときの一時的な保持位置である着脱時位置との2つの保持位置との間の変更を許容するものである請求項9に記載のテープフィーダ。
  11. 前記リール保持部が、(A)保持部本体と、(B)その保持部本体に設けられた回転中心を中心に、前記リール回転軸線に直角な平面内において回転可能に設けられ、かつ、前記回転中心から離間した位置に設けられて前記リールを着脱可能かつ回転可能に保持するリール保持軸を有するリール保持部材とを備え、
    そのリール保持部材を回転可能とする機構を含んで前記保持位置変更許容装置が構成された請求項9または請求項11に記載のテープフィーダ。
  12. リールから延び出す電子部品テーピングを部品供給部へ送るフィード装置と、
    そのフィード装置に連結され、そのフィード装置の後方に位置するリール保持部において、前記リールを、着脱可能に、かつ、そのリールの回転軸線であるリール回転軸線が前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向と直角に交差する状態に保持するリール保持装置と
    を含むテープフィーダであって、
    前記リール保持部が、前記リールが前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に位置することを可能とすべく、当該リール保持部における前記リールの保持位置の変更を許容する保持位置変更許容装置を備えたことを特徴とするテープフィーダ。
  13. リールから延び出す電子部品テーピングを部品供給部へ送るフィード装置と、そのフィード装置に連結され、そのフィード装置の後方に位置するリール保持部において、前記リールを、着脱可能に、かつ、そのリールの回転軸線であるリール回転軸線が前記電子部品テーピングの送り方向であるテーピング送り方向と直角に交差する状態に保持するリール保持装置とを含み、前記部品供給部において電子部品を供給する複数のテープフィーダと、
    それら複数のテープフィーダが、それぞれ脱着可能に取り付けられるフィーダテーブルと
    を含む電子部品供給システムであって、
    前記複数のテープフィーダの各々が、
    前記リール回転軸線に直角な一平面であるリール保持面内の複数の位置に前記リールが位置することを可能とすべく、前記フィード装置に対する前記リール保持部の相対位置の変更を許容するリール保持部位置変更許容装置を含み、
    前記テーピング送り方向が互いに平行となる状態で整列し、かつ、各々のリール保持部位置変更許容装置によって、隣り合うテープフィーダのリール保持部に保持されたリールが当該テープフィーダの整列する方向に平行な方向から見て互いに重なり合わない位置に各々の前記リール保持部が位置させられた状態で、互いに隣接して配置可能なことを特徴とする電子部品供給システム。
  14. 前記複数のテープフィーダの各々が、前記フィード装置の前記リール回転軸線に平行な方向における幅が前記リール保持部とそのリール保持部に保持されるリールとのうち幅が広い方のものの幅より小さくされており、その幅よりも小さなピッチで互いに隣接して配置可能な請求項9に記載の電子部品供給システム。
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