JP2004047298A - 有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた画像形成装置、携帯端末、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた画像形成装置、携帯端末、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、視認性に優れた高効率な発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の提供、視認性の優れた、高効率の発光性能を維持することができる画像形成装置の提供、重量が軽く、使用時間の長い携帯端末、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1上に、少なくとも正孔を注入する陽極2と、発光領域を有する発光層4と、電子を注入する陰極5とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層4から放射される光は基板1と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群6が形成されている構成よりなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の画像形成装置や画像形成装置の光源又はバックライト、若しくは光通信機器に使用される発光素子等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた画像形成装置、携帯端末、および、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス素子とは、固体蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイスであり、現在無機系材料を発光体として用いた無機エレクトロルミネッセンスが実用化され、液晶ディスプレイのバックライトやフラットディスプレイ等への応用展開が一部で図られている。しかし、無機エレクトロルミネッセンスは発光させるために必要な電圧が100V以上と高く、しかも青色発光が難しいため、RGBの三原色によるフルカラー化が困難である。また、無機エレクトロルミネッセンスは、発光体として用いる材料の屈折率が非常に大きいため、界面での全反射等の影響を強く受け、実際の発光に対する空気中への光の取り出し効率が10〜20%程度と低く高効率化が困難である。
【0003】
一方、有機材料を用いたエレクトロルミネッセンスに関する研究も古くから注目され、様々な検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことから本格的な実用化研究へは進展しなかった。
【0004】
しかし、1987年にコダック社のC.W.Tangらにより、有機材料を正孔輸送層と発光層の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が提案され、10V以下の低電圧にもかかわらず1000cd/m以上の高い発光輝度が得られることが明らかとなった〔C.W.Tang and S.A.Vanslyke:Appl.Phys.Lett、51(1987)913等参照〕。これ以降、有機エレクトロルミネッセンス素子が俄然注目され始め、現在も同様な機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子についての研究が盛んに行われており、特に有機エレクトロルミネッセンス素子の実用化のためには不可欠である高効率化・長寿命化についても十分検討がなされており、近年、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイ等が製作されている。
【0005】
ここで、従来の一般的な有機エレクトロルミネッセンス素子の構成について図8を用いて説明する。
【0006】
図8は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0007】
図8において、1はガラス等で構成された基板、2は基板1上に形成された陽極、3は陽極2上に形成された正孔輸送層、4は正孔輸送層3上に形成された発光層、5は発光層4上に形成された陰極である。
【0008】
図8に示すように有機エレクトロルミネッセンス素子は、ガラス等の基板1上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成されたITO等の透明な導電性膜からなる陽極2と、陽極2上に同じく抵抗加熱蒸着法等により形成されたN、N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−1、1’−ジフェニル−4、4’−ジアミン(以下、TPDという)等からなる正孔輸送層3と、正孔輸送層3上に抵抗加熱蒸着法等により形成された8−Hydroxyquinoline Aluminum(以下、Alqという)等からなる発光層4と、発光層4上に抵抗加熱蒸着法等により形成された100〜300nmの膜厚の金属膜からなる陰極5とを備えている。
【0009】
上記構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極2をプラス極として、また陰極5をマイナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽極2から正孔輸送層3を介して発光層4に正孔が注入され、陰極5から発光層4に電子が注入される。発光層4では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こる。
【0010】
このような有機エレクトロルミネッセンス素子において、通常、発光層4中の蛍光体から放射される光は、蛍光体を中心とした全方位に出射され、正孔輸送層3、陽極2、基板1を経由して、あるいは、一旦光取り出し方向とは逆方向へ向かい、陰極5で反射され、発光層4、正孔輸送層3、陽極2、基板1を経由して、空気中へ放射される。しかし、光が各媒質の境界面を通過する際、入射側の媒質の屈折率が出射側の屈折率より大きい場合には、屈折波の出射角が90となる角度、つまり臨界角よりも大きな角度で入射する光は全反射されるので、境界面を透過することができず、空気中へ取り出されない。
【0011】
ここで、異なる媒質の境界面における、光の屈折角と、媒質の屈折率の関係は、スネルの法則に従う。スネルの法則によると、屈折率nの媒質から屈折率nの媒質へ光が進行する場合、入射角θと屈折角θの間に、nsinθ=nsinθなる関係が成り立つ。したがって、n>nが成り立つ場合、θ=90°となる入射角θ=sin−1(n/n)は、臨界角としてよく知られており、入射角がこれよりも大きな場合、光は媒質間の境界面において全反射されることとなる。
【0012】
したがって、等方的に光の放射される有機エレクトロルミネッセンス素子において、この臨界角よりも大きな角度で放射される光は、境界面における全反射を繰り返し、素子内部に閉じ込められ、空気中へ放射されなくなる。
【0013】
図9は従来の有機エレクトロルミネセンス素子の要部断面における代表的な光線経路を示す模式図である。
【0014】
図9において、図8と同様に、1は基板、2は陽極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極であり、9は光源である。図9に示すように、発光層4中から放射された光の光源9から放射された光が、陽極2と基板1との界面(ITO/ガラス界面)、および、基板1と空気との界面(ガラス/空気界面)などの各境界面において、光が入射側の媒質の屈折率が出射側の屈折率より大きい場合には、屈折波の出射角が臨界角よりも大きな角度で入射ときのは、全反射されるので、境界面を透過することができず、空気中へ取り出されない。
【0015】
このことは、発光層中で放射される光が素子外部へ放射されず、有機エレクトロルミネッセンス素子として、見かけ上の効率低下の原因となる。一般に、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層で得られる放射光は、大部分が全反射によって素子内部に閉じ込められ、有効な放射光として利用されるのは、17%から20%程度であることが知られている〔Advanced Material6(1994)491等参照〕。
【0016】
そこで、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板に光の出射角度を変換する手段を設けることで、上述した問題点の解決を図ることが提案されている。
【0017】
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子としては、特許2773720号公報には、「セグメントやドット表示等の光源に用いる有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子」が開示され、基板の光取り出し側にレンズ構造を形成することで光取り出し効率を向上させる有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【0018】
また、特許2991183号公報には、「発光効率に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子」が開示され、素子界面の全反射を抑制する位置に回折格子等を形成することで光取り出し効率を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【0019】
また、特開平9−129375号公報には、「有機エレクトロルミネッセンス素子」が開示され、光取り出し側表面を乱反射面あるいは反射・屈折角に乱れを生じさせることで光取り出し効率を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【0020】
また、特開平10−189251号公報には、「有機エレクトロルミネッセンス素子等を用いるディスプレイ装置」が開示され、透明基板内に光出射角度を変換する手段を形成することが記載されている。
【0021】
また、特開平10−308286号公報には、「民生用、工業用の表示機器、カラーディスプレイに好適に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子発光装置」が開示され、下部電極側面に光反射層を形成することで、光取り出し効率を向上させる有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の有機エレクトロルミネッセンス素子では、以下の課題を有していた。
【0023】
(1)ディスプレイなどの画像形成装置に用いる場合、レンズ構造と画素が1対1で対応している場合、そのレンズの位置合せは困難であり、位置ずれによる視認性の低下が生じるという課題を有していた。
【0024】
(2)ディスプレイなどの画像形成装置に用いる場合、レンズ構造は基板面の光取り出し面側にあるため、レンズ構造と発光部との距離を小さくすることは困難であるという課題を有していた。
【0025】
(3)基板上にレンズ構造を形成した場合、有機エレクトロルミネッセンス素子からの発光は、少なくともレンズ構造および基板の両方を透過して空気中へ取り出されることになるため、基板を経由する分、光をロスすることとなり、発光効率が悪くなるという課題を有していた。
【0026】
(4)ディスプレイなどの画像形成装置として基板上にレンズ構造を形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を用いる場合、任意の画素から放射された光が少なくともレンズ構造及び基板の両方を透過して空気中へ取り出されるため、全反射する光は基板を経由して別の画素に到達し、その画素から空気中へ放射される、いわゆる迷光の原因となり、コントラストの低下等の不具合をもたらすという課題を有していた。
【0027】
(5)メサ構造のような光取り出し効率向上策を施した場合、発光部の面積を小さくする必要があり、寿命と効率のバランスを考えた設計が必要であり、長寿命化に不利であるという課題を有していた。
【0028】
(6)基板側に形成したレンズ構造やメサ構造のような光取り出し効率向上策を施した場合、光の配向を自由に設計することが困難であり、有機エレクトロルミネッセンス素子の特徴である広視野角特性等の視認性低下の原因になるという課題を有していた。
【0029】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、視認性に優れた高効率な発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の提供、視認性の優れた、高効率の発光性能を維持することができる画像形成装置の提供、重量が軽く、使用時間の長い携帯端末、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成されている構成よりなる。
【0031】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
【0032】
また、本発明の画像形成装置は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離され、1つ以上の画素からなる画像表示配列を有する構成よりなる。
【0033】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を提供することができる。
【0034】
また、本発明の画像形成装置は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、前記分離された電極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有する構成よりなる。
【0035】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を提供することができる。
【0036】
また、本発明の携帯端末は、音声を音声信号に変換する音声信号変換部と、電話番号等を入力する操作部と、着信表示や電話番号等を表示する表示部と、音声信号を送信信号に変換する送信部と、受信信号を音声信号に変換する受信部と、送信信号及び受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御部とを備えた携帯端末であって、表示手段が、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離され、1つ以上の画素からなる画像表示配列を有する、又は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有する、画像形成装置を備えた構成よりなる。
【0037】
この構成により、重量が軽く、使用時間が長い携帯端末を提供することができる。
【0038】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、真空状態にした装置内において、光取り出し面を下方に向け、熱硬化あるいは光硬化透明樹脂を下方向から霧状に噴霧し、その後硬化させることで、微小レンズ群を形成する構成よりなる。
【0039】
この構成により、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0040】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、光取り出し面に表面を覆い尽くす程度の量の球状の透明ビーズを配し、振動させることで、透明ビーズを光取り出し面上に密状態で配置し、粘性の低い透明樹脂を流し込み、その後硬化させることで、前記微小レンズ群を形成する構成よりなる。
【0041】
この構成により、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0042】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、光取り出し面に透明ビーズよりも薄く粘性の高い透明樹脂を塗布、あるいは、貼付し、表面を覆い尽くす程度の量の球状の透明ビーズを配し、均一に力を加え、余分なビーズをくことで、前記微小レンズ群を形成する構成よりなる。
【0043】
この構成により、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0044】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、半球状の微小レンズが形成されたシート状の微小レンズ群を、透明樹脂を塗布、あるいは、貼付し、均一に力を加えることで、微小レンズ群を形成する構成よりなる。
【0045】
この構成により、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成されている構成としたものである。
【0047】
この構成により、以下のような作用が得られる。
【0048】
(1)基板と対向する光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズ群が形成されているので、光取り出し面/空気界面の面積が増大し、界面における全反射の確率が低下し、光の取り出し効率が向上する。
【0049】
(2)基板と対向する光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズ群が形成されているので、光取り出し面/空気界面における全反射が抑制され、光の取り出し効率が向上する。
【0050】
(3)基板と対向する光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズ群が形成されているので、レンズ効果により光の配光が変化するため、実効的な輝度が向上する。
【0051】
(4)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、レンズ構造と発光部との距離を小さくすることができる。
【0052】
(5)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、基板による光のロスが発生せず、光の取り出し効率が向上する。
【0053】
(6)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、画素面の横方向への光の伝達が抑制されるため、光にじみ等の視認性の低下を伴うことなく光の取り出し効率が向上する。
【0054】
(7)光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる微小レンズ群が直接形成されているので、画素形状や面積に対する制約がなく、長期に渡って効率の良い発光を維持することができる。
【0055】
(8)光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる微小レンズ群が直接形成されているので、作製プロセスが簡単であり、容易に作製することができる。
【0056】
請求項2に記載の発明は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群と、その微小レンズ群の光取り出し面側に、空気層および一部の接点を介して、その表面が平坦となる平坦化面とを形成してなる微小レンズ群を形成されている構成としたものであり、この構成により、(1)基板と対向する光取り出し面上に、微小レンズ群と平坦化面とが形成されているので、微小レンズ群/空気界面の面積が増大し、界面における全反射の確率が低下し、光の取り出し効率が向上する。
【0057】
(2)基板と対向する光取り出し面上に、微小レンズ群と平坦化面とが形成されているので、微小レンズ群/空気界面における全反射が抑制され、光の取り出し効率が向上する。
【0058】
(3)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、レンズ構造と発光部との距離を小さくすることができる。
【0059】
(4)微小レンズ群の光取り出し面側に、空気層および一部の接点を介して、その表面が平坦となる平坦化面とを形成されているので、光取り出し面の表面にゴミ等が付着しても、光の取り出し効率の値が低下しない。
【0060】
(5)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、光取り出し面の表面にゴミ等が付着しても、容易に取り除くことができる。
【0061】
(6)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、微小レンズ群が直接外気と接触していないため、長期に渡りレンズの効果を保持することができる。
【0062】
(7)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、光取り出し面の表面に外光による視認性低下を防ぐためのシート等を容易に形成することができる。
【0063】
(8)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、外部から力が加わっても、微小レンズ群の形状が変化するのを抑制することができる。
【0064】
(9)光取り出し面側に平坦化面を形成する微小レンズ群からなるため、平坦化面を厚くしても光の取り出し効率への影響が小さいため、微小レンズ群の強度を保つことが容易である。
【0065】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、微小レンズ群は、光学結合材を介して光取り出し面上に貼り付けてなる構成としたものであり、この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0066】
(1)光取り出し面上に光学結合材を介して微小レンズ群を貼り付けているので、発光部と微小レンズ群を個別に作製することができ、微小レンズ群を形成する際に発生する発光層へダメージを与える要因の影響をなくすことができ、微小レンズ群および発光部を容易に作製することができる。
【0067】
(2)光取り出し面上に光学結合材を介して微小レンズ群を貼り付けているので、発光部と微小レンズ群を個別に作製することができ、微小レンズ群をひとつのシートとして形成することが可能であり、取り扱いが容易である。
【0068】
(3)発光部と微小レンズ群とを個別に作製することができるため、光取り出し面側に平坦化面を形成してなる微小レンズ群をひとつのシートとして形成することが可能であり、シートの両表面が平坦であるため取り扱いが容易である。
【0069】
(4)光取り出し面上に光学結合材を介して微小レンズ群を貼り付けているので、微小レンズ群および発光部の表面形状が一致していなくても、容易に貼り付けることができる。
【0070】
(5)微小レンズ群と平坦化面からなる微小レンズ群をひとつのシートとして形成することができるため、外光による視認性低下を防ぐためのシートと一体化したシートとすることができ、容易に形成することができる。
【0071】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子素子であって、微小レンズ群は、屈折率1.4よりも高屈折率な材料で形成されている構成としたものである。
【0072】
この構成により、請求項1乃至3の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0073】
(1)微小レンズ群の屈折率が大きいため、全反射により微小レンズ群に到達できない光を減少させることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0074】
(2)微小レンズ群の屈折率が大きいため、微小レンズ群に到達する光が増加し、微小レンズ群のレンズ効果を有効にすることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0075】
(3)微小レンズ群の屈折率が大きいため、発光層から放射される光が発光面の法線方向に立った配向となり、素子内部での光損失を減少させることができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0076】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、微小レンズ群は、発光層から放射される光の50パーセント以上を放出することのできる透明な材料で形成されている構成としたものである。
【0077】
この構成により、請求項1乃至4の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0078】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0079】
(2)素子内部での光損失が減少し、全反射により空気中へ取り出されない光が反射電極に反射され再利用することができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0080】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、微小レンズ群は、少なくとも2つ以上の材料を光学結合することにより形成されている構成としたものである。
【0081】
この構成により、請求項1乃至5の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0082】
(1)加工のしやすい部材と強度の保持できる部材のように、機能を分担することが可能であるため、材料の選択肢が増加する。
【0083】
(2)複数の材料を用いることで、微小レンズ群に複雑な機能を持たせることが可能である。
【0084】
(3)用いる材料を適宜選択することで、任意の視認性を持たせることが可能である。
【0085】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、微小レンズ群は、有機エレクトロルミネッセンス素子表面に形成された保護膜上に形成されている構成としたものである。
【0086】
この構成により、請求項1乃至6の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0087】
(1)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を形成するための製造プロセスの選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を形成することができる。
【0088】
(2)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を形成するための材料の選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を形成することができる。
【0089】
(3)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を貼り付ける光学結合材の選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を貼り付けることができる。
【0090】
(4)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を貼り付ける光学結合材の塗布方法の選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を貼り付けることができる。
【0091】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、保護膜は、屈折率1.4よりも高屈折率な材料で形成されている構成としたものである。
【0092】
この構成により、請求項7の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0093】
(1)全反射により微小レンズ群に到達できない光を減少させることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0094】
(2)微小レンズ群に到達する光が増加するため、微小レンズ群の効果を有効にすることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0095】
(3)発光層から放射される光が発光面の法線方向に立った配向となるため、素子内部での光損失を減少させることができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0096】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、保護膜は、発光層から放射される光の50パーセント以上を放出することのできる透明な材料で形成されている構成としたものである。
【0097】
この構成により、請求項7又は8の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0098】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0099】
(2)素子内部での光損失が減少し、全反射により空気中へ取り出されない光が反射電極に反射され再利用することができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0100】
請求項10に記載の発明は、請求項3乃至9の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、光学結合材は、屈折率1.4よりも高屈折率な材料で形成されている構成としたものである。
【0101】
この構成により、請求項3乃至9の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0102】
(1)全反射により微小レンズ群に到達できない光を減少させることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0103】
(2)微小レンズ群に到達する光が増加するため、微小レンズ群の効果を有効にすることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0104】
(3)発光層から放射される光が発光面の法線方向に立った配向となるため、素子内部での光損失を減少させることができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0105】
請求項11に記載の発明は、請求項3乃至10の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、光学結合材は、発光層から放射される光の50パーセント以上を放出することのできる透明な材料で形成されている構成としたものである。
【0106】
この構成により、請求項3乃至10の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0107】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0108】
(2)素子内部での光損失が減少し、全反射により空気中へ取り出されない光が反射電極に反射され再利用することができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0109】
請求項12に記載の発明は、請求項3乃至11の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、光学結合材は、液体あるいはゲル状の材料で形成されている構成としたものである。
【0110】
この構成により、請求項3乃至11の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0111】
(1)微小レンズ群と発光層の貼り付け時に光学結合材に適度な柔軟性があるため、微小レンズ群と発光層の表面部分の形状が異なっていても、容易に貼り付けることができる。
【0112】
(2)微小レンズ群と発光層の貼り付け時に光学結合材に適度な柔軟性があるため、容易に光学結合材を塗布することができる。
【0113】
(3)微小レンズ群と発光層の間の柔軟性があるため、折り曲げ等のストレスに対して強く、長期にわたって視認性に優れた高効率の発光性能を維持することができる。
【0114】
(4)微小レンズ群と発光層の間の柔軟性があるため、折り曲げ等のストレスに対して強く、可撓性のある素子を形成することが容易である。
【0115】
請求項13に記載の発明は、請求項3乃至12の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、光学結合材は、熱あるいは光により硬化する材料で形成されている構成としたものである。
【0116】
この構成により、請求項3乃至12の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0117】
(1)光学結合材の硬化に必要な熱あるいは光を適宜選択することにより、発光層にダメージを与えることなく容易に微小レンズ群と発光層とを貼り付けることができる。
【0118】
(2)光学結合材の硬化後は、微小レンズ群と発光層の位置関係が保持されるため、長期にわたって視認性に優れた高効率の発光性能を維持することができる。
【0119】
(3)光学結合材の厚さおよび材料を適宜選択することにより、折り曲げ等のストレスに対して強く、長期にわたって視認性に優れた高効率の発光性能を維持することができる。
【0120】
(4)光学結合材料の厚さおよび材料を適宜選択することにより、折り曲げ等のストレスに対して強く、可撓性のある素子を形成することが容易である。
【0121】
請求項14に記載の画像形成装置は、請求項1乃至13の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極及び陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離されて構成され、複数の画素からなる画像表示配列を有する構成としたものである。
【0122】
この構成により、以下の作用が得られる。
【0123】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、長期に渡って高効率の発光性能を維持することができることができ、単純マトリックス方式での良好な照明を行うことができる。
【0124】
(2)陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離されているので、画素における発光部を大きく取ることができる。
【0125】
(3)単純マトリックスの場合、瞬間的な高輝度が必要となるため、この高効率および発光部の大面積化は非常に重要である。
【0126】
請求項15に記載の画像形成装置は、請求項1乃至13の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、分離された電極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有する構成としたものである。
【0127】
この構成により、以下の作用が得られる。
【0128】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、長期に渡って高効率の発光性能を維持することができることができ、アクティブマトリックス方式での良好な照明を行うことができる。
【0129】
(2)陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成されているので、瞬間的な高輝度は必要なく、実用上必要な輝度で良く、長期に渡って安定な発光を維持することができる。
【0130】
(3)陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されるので、自由な画像形成が実現でき、有機エレクトロルミネッセンス素子の特徴である高速応答を十分に生かすことができる。
【0131】
(4)アクティブマトリックスの場合、画素内に配置されたスイッチング素子や配線等により発光部は凹凸面上に形成されることが多い。そのため、このような凹凸面上であっても高効率な発光の得られる施策は非常に有利である。
【0132】
請求項16に記載の発明は、請求項14又は15に記載の画像形成装置であって、微小レンズ群を形成する微小レンズの直径は、画素の長辺よりも小さい構成としたものである。
【0133】
この構成により、請求項14又は15の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0134】
(1)微小レンズ群を形成する微小レンズの直径を、画素の長辺よりも小さい構成とすることで、1つの画素内に少なくとも1つ以上の微小レンズを配置することができ、どの画素においても同様な取り出し効率向上効果が得られ、良好な画像を得ることができる。
【0135】
(2)発光部から微小レンズの頂上部分までの距離を小さくすることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0136】
請求項17に記載の発明は、請求項14乃至16の内いずれか1に記載の画像形成装置であって、微小レンズ群を形成する微小レンズの直径は、画素の短辺よりも小さい構成としたものである。
【0137】
この構成により、請求項14乃至16の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0138】
(1)微小レンズ群を形成する微小レンズの直径を、画素の短辺よりも小さい構成とすることで、画素内に少なくとも1つ以上の微小レンズを密に配置することができ、どの画素においても同様な取り出し効率向上効果が得られ、良好な画像を得ることができる。
【0139】
(2)画素内に少なくとも1つ以上の微小レンズを密に配置することができ、どの画素においても指向性のない一様な光の取り出しが行われ、視認性に優れた良好な画像を得ることができる。
【0140】
(3)発光部から微小レンズの頂上部分までの距離を非常に小さくすることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0141】
請求項18に記載の発明は、請求項14乃至17の内いずれか1に記載の画像形成装置であって、発光層から微小レンズ群の最表面までの距離は、画素の長辺よりも小さい構成としたものである。
【0142】
この構成により、請求項14乃至17の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0143】
(1)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の長辺よりも小さいため、光にじみは画素長辺程度の広がりとなり、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0144】
(2)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の長辺よりも小さいため、光の横方向への広がりは画素長辺程度となり、容易に光の再利用ができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0145】
請求項19に記載の発明は、請求項14乃至18の内いずれか1に記載の画像形成装置であって、発光層から微小レンズ群の最表面までの距離は、画素の短辺よりも小さい構成としたものである。
【0146】
この構成により、請求項14乃至18の作用に加え、以下の作用が得られる。
【0147】
(1)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の短辺よりも小さいため、光にじみは画素短辺程度の広がりとなり、高精細で視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0148】
(2)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の短辺よりも小さいため、光の横方向への広がりは画素短辺程度となり、光の再利用効率が高く、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0149】
請求項20に記載の携帯端末は、表示手段が請求項14乃至19の内いずれか1に記載の画像形成装置で構成された携帯端末であって、音声を音声信号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を送信信号に変換する通信手段と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、送信信号及び受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた構成としたものである。
【0150】
この構成により、以下の作用が得られる。
【0151】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、高効率の発光性能を維持することができることができ、電池容量等の減量化による、軽量化あるいは長使用時間化を図ることができる。
【0152】
(2)視覚特性(光の配向)を適当に設計することで、周囲からは見にくいプライベートウインドウや、複数人でも見やすいウインドウ等として用途に応じて用いることができる。
【0153】
(3)光取り出し面上の平坦化面の形成された表示手段を用いることで、微小レンズが直接表面に出ていないため、ほこり等のごみが付着しても、視認性に優れた高効率な画像表示を得ることができる。
【0154】
(4)光取り出し面上の平坦化面上に防汚フィルム等を容易に貼り付けることができるため、ほこり等のごみを容易に取り除くことができる。
【0155】
請求項21に記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、真空状態にした装置内において、光取り出し面を概下方に向け、熱硬化あるいは光硬化透明樹脂を下方向から霧状に噴霧し、その後硬化させることで、前記微小レンズ群を形成することを備えた構成としたものであり、この構成により、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0156】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
【0157】
(3)真空一貫で形成することができるため、作業性が高く、生産性も高く、さらに、長期に安定な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
という作用が得られる。
【0158】
請求項22に記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、光取り出し面に表面を覆い尽くす程度の量の球状透明ビーズを配し、振動させることで、透明ビーズを光取り出し面上に密状態で配置し、粘性の低い透明樹脂を流し込み、その後硬化させることで、前記微小レンズ群を形成することを備えた構成としたものであり、この構成により、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0159】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
【0160】
(3)容易に密な微小レンズ群を形成することができ、高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
という作用が得られる。
【0161】
請求項23に記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、光取り出し面に透明ビーズよりも薄く粘性の高い透明樹脂を塗布、あるいは、貼付し、表面を覆い尽くす程度の量の球状透明ビーズを配し、均一に力を加え、余分なビーズをくことで、前記微小レンズ群を形成することを備えた構成としたものであり、この構成により、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0162】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
という作用が得られる。
【0163】
請求項24に記載の発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、半球状の微小レンズが形成されたシート状の微小レンズ群を、透明樹脂を塗布、あるいは、貼付し、均一に力を加えることで、前記微小レンズ群を形成することを備えた構成としたものであり、この構成により、(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0164】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
という作用が得られる。
【0165】
請求項25に記載の発明は、2つの電極間に、発光領域を有する発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、一方の電極側に基板を備え、他方の電極側に略半球状の微小レンズで構成された微小レンズ群を備えた構成としたものであり、界面における全反射の確率が低下し、光の取り出し効率が向上する。
【0166】
以下、本発明の実施の形態における有機エレクトロルミネッセンス素子について詳細に説明する。まず、本発明の実施の形態における有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を説明する。
【0167】
図1は、本発明の実施の形態における有機エレクトロルミネッセンス素子の概略断面図である。図1において、1は基板、2は陽極、4は発光層、5は陰極、6は微小レンズ群、6aは平坦化面、7は光学結合材である。なお、図1においては、基板1に対向する側を光取り出し面としている。
【0168】
そして、微小レンズ群6は、図1(a)に示すように、光取り出し面(この場合では陽極2)に形成される。この微小レンズ群6を構成する個々の微小レンズは、略半球状であり、空気との界面において光の角度を任意に変える、或いは、光を取り出す構造であればよく、半球、半楕円球を含め種々の形態をとることができる。なお、本発明において、半球とは球体の1/2の立体に限定されるものではなく、例えば、1/3球や3/5球のような、球体或いは楕円球を切断した立体構造を含むことは言うまでもない。
【0169】
また、微小レンズ群6を構成する微小レンズは互いに同じ大きさであっても良いが、互いに異なる大きさとすることで、光取り出し面に対して、隙間なくランダムに配置することが可能となり、光取り出し面の任意の位置で光取り出し効率の向上に寄与することができる。更に、散乱の効果も付与することができる。
【0170】
加えて、微小レンズ群6を構成する微小レンズを互いに異なる大きさにすると、その微小レンズ群6の形成においては、高分子材料の噴霧等による簡単な形成方法を用いることができ、特に、微小レンズ群6をミクロンオーダーで形成する場合では、寸法精度等の厳密な管理が不要となり製造も容易であるので好ましい。
【0171】
更に、微小レンズ群6は、図1(b)に示すように、光学結合材7を介して、光取り出し面(この場合では陰極5)に形成してもよい。なお、光学結合材7は、微小レンズ群6と光り取り出し面とを光学的に結合する部材である。
【0172】
また、微小レンズ群6の他の形態として、図1(c)に示すように、微小レンズ群6の光取り出し面側に、空気層および一部の接点を介して、その表面が平坦となる平坦化面6aを備えた構成であってもよい。平坦化面6aは、微小レンズ群6が直接外部に露出されないように構成されている。この平坦化面6aは、微小レンズ群6を保護することができ、平坦面であるので、更にその表面への加工も容易となる。
【0173】
なお、図1(a)〜(c)に示したように、基板1に陰極5を形成し、発光層4を介して陽極2を形成する構成、或いは、基板1に陽極2を形成し、発光層4を介して陰極5を形成する構成のいずれの構成であってもよいが、光取り出し面側に形成される陽極2或いは陰極5は透明電極となる。また、光の取り出し効率を向上させるため、基板1側に形成される電極は、光を反射する材料で形成することが好ましい。
【0174】
次に、本発明の実施の形態における有機エレクトロルミネッセンス素子の各構成について材料を含め詳しく説明する。
【0175】
まず、微小レンズ群について説明する。微小レンズ群は、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなり、空気との界面において光の角度を任意に変えるあるいは光を取り出す構造であれば良く、光取り出し面に形成されればよい。微小レンズ群の材料としては、透明または半透明のソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の、無機酸化物ガラス、無機フッ化物ガラス、等の無機ガラス、あるいは、透明または半透明のポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の高分子フィルム等、あるいは、透明または半透明のAs、As4010、S40Ge10等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb、Ta、SiO、Si、HfO、TiO等の金属酸化物および窒化物等の材料、等の透明材料から適宜選択して用いることができる。加えて、微小レンズ群の材料として、後述する基板材料の中で透明または半透明の材料から適宜選択して用いることもでき、更に、透明レジスト材料、紫外線硬化型、熱硬化型等の光学接着剤、あるいは、それらを複合させた透明材料も用いることができる。
【0176】
また、光学結合材は、微小レンズ群と光り取り出し面とを光学的に結合する部材であり、その屈折率は微小レンズ群および光取り出し面のいずれかと等しい、あるいは大きいことが好ましい。この光学結合材の材料としては、後述する基板材料のうち、透明または半透明の基板材料のうち十分な柔軟性および接着性を持つ材料を用いることができる。
【0177】
また、平坦化面は、微小レンズ群の光取り出し面側に、空気層および一部の接点を介して、その表面が平坦となる平坦化膜であれば良く、微小レンズ群が直接外部に露出されない構成であればよい。この平坦化膜の材料としては、後述する基板材料のうち、透明または半透明の基板材料のいずれを用いることができ、直接外部に露出される部材であるため、十分な強度あるいは柔軟性を持つ材料から適宜選択性して用いることができる。
【0178】
ここで、図1(a)に示す有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成に基づき、微小レンズ群の屈折率を変えた場合についての光の取り出し効率に関する光学シミュレーションを行った。
【0179】
図2にこの光学シミュレーションの結果を示す。なお、図2は光学シミュレーションの結果を示すグラフである。
【0180】
ここで、光学シミュレーションの条件について具体的に説明する。各層の屈折率は、発光層=1.7、陽極としてITO=2.0、空気=1.0とし、また、各層の膜厚は、発光層=150nm、ITO=150nm、微小レンズ群の直径=50μmである。また、本シミュレーションでは(a)微小レンズ群を有する場合(空気/微小レンズ群/ITO/発光層/陰極/基板)と、(b)微小レンズ群がない場合(空気/ITO/発光層/陰極/基板)との2つの場合についてシミュレーションを行った。なお、本シミュレーションでは、(a)における微小レンズ郡の屈折率を変化させた場合の光の取り出し効率を(b)における光の取り出し効率に対する相対値として求めた。即ち、図2において、横軸は屈折率を示し、縦軸は(a)と(b)との光の取り出し効率の比=(a)/(b)を示している。
【0181】
なお、発光層からの光は、発光層と陰極との界面で全て反射されるものとし、発光層、ITOにおける吸収のみを考慮した。即ち、陰極は反射率100%、発光層、ITO、微小レンズ群の透過率は、それぞれ80%、97%、97%である。ここで、微小レンズ群の屈折率=1.3、1.5、1.7、1.9として、シミュレーションを行った。
【0182】
以上のような条件において、図2に示す、微小レンズ群の屈折率を変化させたときの取り出し効率の比を計算した本シミュレーションの結果から明らかなように、微小レンズ群の屈折率が大きくなるにつれて取り出し効率の相対値は大きくなる。具体的には、屈折率の値が1.4以上になると光の取り出し効率の相対値は大きくなり、1.7付近において変曲点を持ち最大となる。そして、それよりも大きい領域では若干の低下が見られるが、この場合でも1.8倍程度の効率を備えることになる。このように、光の取り出し効率は、微小レンズ群の屈折率が大きいと向上し、その微小レンズ群の屈折率は1.4以上であることが好ましい。なお、これは微小レンズ群を構成する平坦化面を含むことは言うまでもないが、光取り出し面に形成される光学結合材や後述する保護膜に関しても同様であり、これらの構成も屈折率は1.4以上であることが好ましい。
【0183】
次に、基板について説明する。基板としては、光の取り出し面として用いないため、透明あるいは不透明、いずれの基板も用いることができ、有機エレクトロルミネッセンス素子を保持できる強度があればよい。基板の材料としては、透明または半透明のソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の、無機酸化物ガラス、無機フッ化物ガラス、等の無機ガラス、あるいは、透明または半透明のポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の高分子フィルム等、あるいは、透明または半透明のAs、As4010、S40Ge10等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb、Ta、SiO、Si、HfO、TiO等の金属酸化物および窒化物等の材料、あるいは、不透明のシリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体材料、あるいは、顔料等を含んだ前記透明基板材料、表面に絶縁処理を施した金属材料等から適宜選択して用いることができ、複数の基板材料を積層した積層基板を用いることもできる。なお、この基板表面、あるいは、基板内部には、有機エレクトロルミネッセンス素子を駆動するための抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ等からなる回路を形成していてもよい。
【0184】
また、陽極は、正孔を注入する電極であり、正孔を効率良く発光層或いは正孔輸送層に注入することが必要である。陽極としては、透明電極を用いることができる。透明電極の材料としては、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物、あるいは、SnO:Sb(アンチモン)、ZnO:Al(アルミニウム)といった混合物からなる透明導電膜や、あるいは、透明度を損なわない程度の厚さのAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ag(銀)といった金属薄膜や、これら金属の混合薄膜、積層薄膜といった金属薄膜や、あるいは、ポリピロール等の導電性高分子等を用いることができる。また、複数の前述透明電極材料を積層することで透明電極とすることもでき、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ法または電界重合法等の各種の重合法等により形成する。また、透明電極は、十分な導電性を持たせるため、または、基板表面の凹凸による不均一発光を防ぐために、1nm以上の厚さにすることが望ましい。また、十分な透明性を持たせるために500nm以下の厚さにすることが望ましい。更に、陽極としては、前記透明電極以外にも、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Sn(錫)、W(タングステン)、Au(金)等の仕事関数の大きな金属、あるいはその合金、酸化物等を用いることができ、これら陽極材料を用いた複数の材料による積層構造も用いることができる。ただし、陽極が光取り出し面側に形成されない場合、微小レンズ群の効果を最大限に利用するためには、陽極は光を反射する材料で形成することが好ましい。なお、その場合には、陰極が透明電極であればよい。
【0185】
また、陽極に非晶質炭素膜を設けてもよい。この場合には、共に正孔注入電極としての機能を有する。即ち、陽極から非晶質炭素膜を介して発光層或いは正孔輸送層に正孔が注入される。また、非晶質炭素膜は、陽極と発光層或いは正孔輸送層との間にスパッタ法により形成されてなる。スパッタリングによるカーボンターゲットとしては、等方性グラファイト、異方性グラファイト、ガラス状カーボン等があり、特に限定するものではないが、純度の高い等方性グラファイトが適している。非晶質炭素膜が優れている点を具体的に示すと、理研計器製の表面分析装置AC−1を使って、非晶質炭素膜の仕事関数を測定すると、非晶質炭素膜の仕事関数は、W=5.40eVである。ここで、一般に陽極としてよく用いられているITOの仕事関数は、WITO=5.05eVであるので、非晶質炭素膜を用いた方が発光層或いは正孔輸送層に効率よく正孔を注入できる。また、非晶質炭素膜をスパッタリング法にて形成する際、非晶質炭素膜の電気抵抗値を制御するために、窒素あるいは水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で反応性スパッタリングする。さらに、スパッタリング法などによる薄膜形成技術では、膜厚を5nm以下にすると膜が島状構造となり均質な膜が得られない。そのため、非晶質炭素膜の膜厚が5nm以下では、効率のよい発光が得られず、非晶質炭素膜の効果が期待できない。また、非晶質炭素膜の膜厚を200nm以上とすると、膜の色が黒味を帯び、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光が十分に透過しなくなる。
【0186】
また、発光層としては、可視領域で蛍光特性を有し、かつ成膜性のよい蛍光体からなるものが好ましく、AlqやBe−ベンゾキノリノール(BeBq)の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス(5,7−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフィン、2,5−ビス(〔5−α,α−ジメチルベンジル〕−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4’−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキサイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキサゾール系、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキシフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系等の蛍光増白剤や、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリルベンゼン系化合物や、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタルイミド誘導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾール誘導体や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン誘導体や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体や、芳香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さらに、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等も用いられる。あるいは、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等の燐光発光材料を用いてもよい。
【0187】
また、発光層のみの単層構造の他に、正孔輸送層と発光層又は発光層と電子輸送層の2層構造や、正孔輸送層と発光層と電子輸送層の3層構造のいずれの構造でもよい。但し、このような2層構造又は3層構造の場合には、正孔輸送層と陽極が、又は電子輸送層と陰極が接するように積層して形成される。
【0188】
正孔輸送層としては、正孔移動度が高く、透明で成膜性のよいものが好ましい。TPDの他に、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m−トリル−4,N,N−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−4,4’−ジアミン、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ3−メチルチオフェン等の有機材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高分子分散系の正孔輸送層も用いられる。
【0189】
また、電子輸送層としては、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体等が用いられる。
【0190】
また、陰極は、電子を注入する電極であり、電子を効率良く発光層或いは電子輸送層に注入することが必要であり、仕事関数の小さいAl(アルミニウム)、In(インジウム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタン)、Ag(銀)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)等の金属、あるいは、これらの金属の酸化物やフッ化物およびその合金、積層体等が一般に用いられる。また、陰極が光取り出し面側に形成されない場合、微小レンズ群の効果を最大限に利用するためには、陰極は光を反射する材料で形成することが好ましい。微小レンズ群を形成した場合、すべての光に対して有効に全反射の抑制を行うことは困難であり、そのため、一度微小レンズ群に到達した光のうち、空気中へ取出されなかった光は、空気との界面で全反射され、再び素子内部へと伝播し陰極へと到達する。或いは、発光層において、光は等方的に放射されるため、発光層で放射される光のうち半分は、光取り出し面に到達する前に陰極へと到達する。このとき、陰極が光を反射する材料で形成されていた場合、この陰極へ到達した光は反射され、再び、光取出し面方向へと伝播することができ、有効な光として利用される可能性がある。この効果を有効にするためには、陰極は光を反射する材料で形成することが好ましく、更に、光の反射率が50%以上であることが好ましい。これは、微小レンズ群による効率向上率が2倍程度であることから、光の反射率が50%以上、つまり陰極における光のロスが50%以下であれば有効な光取出しができる。従来の有機エレクトロルミネッセンス素子では、陰極の反射率は極めて高いことが要求されたが、光取り出し効率が向上することによって、陰極の材料、膜厚、形成方法等の選択性を拡大することもできる。なお、以上のことは、陰極を透明電極として光取り出し面側に形成した場合には、陽極に適用される。
【0191】
そして、陰極は、発光層或いは電子輸送層と接する界面に、仕事関数の小さい金属を用いた光透過性の高い超薄膜を形成し、その上部に透明電極を積層することで、透明陰極とすることもできる。特に仕事関数の小さなMg、Mg−Ag合金、特開平5−121172号公報記載のAl−Li合金やSr−Mg合金あるいはAl−Sr合金、Al−Ba合金等あるいはLiO/AlやLiF/Al等の積層構造は陰極材料として好適である。
【0192】
更に、これら陰極の成膜方法としては抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ法が用いられる。
【0193】
このように、陽極及び陰極は少なくとも一方が透明電極であればよい。更に、共に透明電極であってもよいが、光の取り出し効率を向上させるためには、一方が透明電極であれば、他方が光を反射する材料で形成することが好ましい。
【0194】
なお、本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する材料の透明または半透明とは、有機エレクトロルミネッセンス素子による発光の視認を妨げない程度の透明性を示すものである。
【0195】
また、有機エレクトロルミネッセンス素子を外気から遮断し、長時間安定性を保証するために必要に応じて、光取り出し面側に形成される陽極或いは陰極の上に保護膜を形成し、陽極〜陰極の積層体を基板上で包み込むように保護してもよい。即ち、材料の酸化や水分との反応を抑えるために保護膜を設けることが長期信頼性のために好ましい。その保護膜の材料としては、SiON、SiO、SiN、SiO、Al、LiF等の無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化物からなる薄膜、あるいは、無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化物等からなるガラス膜、あるいは、熱硬化性、光硬化性の樹脂や封止効果のあるシラン系の高分子材料等が挙げられ蒸着やスパッタリング等もしくは塗布法により形成される。なお、保護膜を設ける場合には、微小レンズ群は保護膜上に形成されるが、必要に応じて光学結合材を介して形成される。
【0196】
次に本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の用途について説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、画像を表示する画像形成装置として用いることができ、これら画像形成装置は、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末のディスプレイ、テレビジョン、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション等のディスプレイ、ステレオ、ラジオ等のAV機器のディスプレイ等に用いることができる。
【0197】
更に、レーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置に用いることができる。或いは、室内灯、ライトスタンド等の照明器具のような単なる光源としての照明装置として用いることもできる。
【0198】
これらの中でも、有機エレクトロルミネッセンス素子の低消費電力、軽量薄型化が容易、応答速度が速い等の優位性を考慮すれば、様々な電子機器において画像を表示するディスプレイとしての画像形成装置や、レーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置に用いることが好ましい。
【0199】
以下に本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0200】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子について述べる。
【0201】
図3は、実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0202】
図3において、1は基板、2は基板1上に形成された陽極2、3は基板2上に形成された正孔輸送層、4は正孔輸送層3上に形成され、発光領域を有する発光層、5は発光層4上に形成された陰極、6は陰極1上に形成された微小レンズ群である。
【0203】
実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1と対向する側の陰極5を透明電極とし、陰極5表面に光の取り出し効率向上の手段として微小レンズ群6を備えている。そして、微小レンズ群6により、発光層から放射される光の角度を、光取り出し面と空気との境界面において任意の角度に変換する、あるいは、空気中へ取り出すようになっている。
【0204】
なお、本実施の形態1において、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成材料及び形成方法は、上述した構成材料、形成方法を用いることができる。その他従来公知の材料を用いてもよい。
【0205】
更に、実施の形態1においては、正孔輸送層3と発光層4からなる二層構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではない。即ち、発光層4のみの単層構造、正孔輸送層3と発光層4又は発光層4と電子輸送層の2層構造や、正孔輸送層3と発光層4と電子輸送層の3層構造でもよく、少なくとも陽極2と陰極5との2つの電極間に、発光領域を有する発光層4を有する構造であればよい。
【0206】
また、実施の形態1においては、基板1上面に陽極2を形成する構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではなく、基板1上面に陰極5を形成してもよい。
【0207】
また、封止の形態については、光取り出し面とガラスキャップとが密着しないようにして、ガラスキャップをUV硬化樹脂等で接着することで形成でき、あるいは、有機エレクトロルミネッセンス素子の表面に保護膜を形成して封止する等の適宜手段を採用することができる。他に保護膜とシールド材等との組み合わせであってもよい。
【0208】
以上のように、実施の形態1によれば、光を効率的に取り出すことができるため、高効率な発光性能を維持することができることができる。
【0209】
実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置や画像形成装置として用いることができる。
【0210】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子について述べる。
【0211】
図4は、実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0212】
図4において、1は基板、2は陽極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極である。そして、6は微小レンズと平坦化面6aから構成される微小レンズ群であり、8は陰極5上に形成された保護膜、7は保護膜8と微小レンズ群6とを貼り付ける光学結合材である。
【0213】
実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1と対向する側の陰極5を透明電極とし、その上面に外気中の水分や反応性気体等から遮断するための保護膜8を形成し、保護膜8の表面に光の取り出し効率向上の手段として微小レンズと平坦化面6aから構成される微小レンズ群6を、光学結合材7を介して貼り付けてあり、微小レンズ群6により、発光層4から放射される光の角度を、光取り出し面と空気との境界面において任意の角度に変換する、あるいは、空気中へ取り出すようになっている。
【0214】
なお、本実施の形態2においても、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成材料及び形成方法は、上述した構成材料、形成方法や従来公知のものでもよい。
【0215】
更に、実施の形態2においても、正孔輸送層3と発光層4からなる二層構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではない。
【0216】
また、実施の形態2においては、基板1上面に陽極2を形成する構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではなく、基板1上面に陰極5を形成してもよい。
【0217】
また、実施の形態2においては、封止の形態については、有機エレクトロルミネッセンス素子の表面に保護膜8を形成して封止しているが、他に微小レンズ群6自体にシールド性を持たせる等の構造であってもよい。
【0218】
以上のように、実施の形態2によれば、光を効率的に取り出すことができるため、高効率な発光性能を維持することができることができる。
【0219】
実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置や画像形成装置として用いることができる。
【0220】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置について述べる。
【0221】
図5は、実施の形態3における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置の概略斜視図である。図5において、1は基板、2は陽極、3は正孔輸送、4は発光層、5は陰極、6は微小レンズ群、7は光学結合材である。
【0222】
実施の形態3においては、図3に示すように、陽極2は線状にパターニングされており、これに略直交する形で陰極5も同様に線状にパターニングされている。
【0223】
この画像形成装置の陽極2をプラス側、陰極5をマイナス側とし、図示しない駆動手段としての駆動回路(ドライバ)に接続し、選択した陽極2、陰極5に直流電圧または直流電流を印加すれば、直交する部分の発光層4が発光し、単純マトリックス方式の画像形成装置として使用することができる。
【0224】
実施の形態3においては、基板1の素子形成面に光の角度変換手段としてシート状に形成された微小レンズ群6を光学結合材7を介して貼り付けされている。その微小レンズ群6が、発光層4から放射される光の角度を、空気との境界面において任意の角度に変換するようになっており、あるいは、空気との境界面において空気中へ取り出されるようになっている。また、微小レンズ群6は、筐体となるシートと微小レンズを結合してなるシート状微小レンズ群となっている。
【0225】
なお、本実施の形態3において、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成材料及び形成方法はこれに限られるものではなく、上述した構成材料、形成方法や従来公知のものでもよい。
【0226】
以上のように、実施の形態3の画像形成装置において、光を効率的に取り出すことができるため、光取り出し効率が向上し、高効率な発光性能を維持することができる。また、発光層4から微小レンズ群6までの距離が画素の短辺方向よりも小さいため、光取り出し面における横方向の光伝播を抑制することができ、高効率な発光性能を維持することができることができるとともに、光にじみ等がなく、視認性がよくなる。
【0227】
また、実施の形態3においては、単純マトリックス方式の画像形成装置について説明したが、アクティブマトリックス方式の画像形成装置でもよく、前記単純マトリックス方式と同様の高効率な発光性能を維持することができることができる。
【0228】
なお、実施の形態3の画像形成装置は、画像を表示する画像形成装置としてだけでなく、レーザプリンタ、スキャナ等の光源等の照明装置としても用いることができる。更に、陽極2及び陰極5を線状にパターニングさせずに、全面発光させて、単なる照明装置として用いてもよい。
【0229】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末について述べる。
【0230】
図6は実施の形態4の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末を示す斜視図であり、図7は本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末を示すブロック図である。
【0231】
図6及び図7において、10は音声を音声信号に変換するマイク、11は音声信号を音声に変換するスピーカー、12はダイヤルボタン等から構成される操作部、13は着信等を表示する表示部であり本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置より構成されている、14はアンテナ、15はマイク10からの音声信号を送信信号に変換する送信部で、送信部15で作成された送信信号は、アンテナ14を通して外部に放出される。16はアンテナ14で受信した受信信号を音声信号に変換する受信部で、受信部16で作成された音声信号はスピーカー11にて音声に変換される。17は送信部15、受信部16、操作部12、表示部13を制御する制御部である。
【0232】
マイク10は、使用者(発信者)の通話時の音声等が入力され、スピーカー11からは相手側の音声や告知音が出力されて使用者(受信者)に伝達される。なお、携帯端末として、ページャーを用いる場合には、マイクは特に設けなくてもよい。
【0233】
更に、操作部12には、ダイヤルボタンとしてのテンキーや各種の機能キーを備えている。また、テンキーや各種の機能キーだけでなく、文字キー等を備えていてもよい。この操作部12から、電話番号、氏名、時刻、各種機能の設定、Eメールアドレス、URL等の所定のデータが入力される。更に操作部12は、このようなキーボードによる操作だけでなく、ペン入力装置、音声入力装置、磁気又は光学入力装置を用いてもよい。
【0234】
表示部13は、操作部12から入力される所定のデータやメモリに記憶された電話番号、Eメールアドレス、URL等のデータ或いはキャラクタアイコン等が表示される。
【0235】
また、アンテナ14は、電波の送信か受信の少なくとも一方を行う。なお、本実施の形態では、信号の送信、受信を電波で行うので、アンテナ(ヘリカルアンテナ、平面アンテナ等)を設けたが、光通信等を行う場合には、発光素子や受光素子をアンテナの代わりに設けてもよい。この場合には、発光素子で信号を他の通信機器などに送信し、受光素子で外部からの信号を受信する。
【0236】
送信部15、受信部16は、それぞれ、音声信号を送信信号に変換し、受信した受信信号を音声信号に変換する。
【0237】
更に、制御部17は、図示されていないCPUやメモリ等を用いた従来公知の手法により構成されており、送信部15、受信部16、及び、操作部12、表示部13を制御する。より具体的には、これら各部に設けられた図示しない各制御回路、駆動回路等に命令を与える。例えば、制御部17からの表示命令を受けた表示制御回路は、表示駆動回路を駆動し、表示部13に表示が行われる。
【0238】
以下その動作について説明する。
【0239】
先ず、着信があった場合には、受信部16から制御部17に着信信号を送出し、制御部17は、その着信信号に基づいて、表示部13に所定のキャラクタ等を表示させ、更に操作部12から着信を受ける旨のボタン等が押されると、信号が制御部17に送出されて、制御部17は、着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ14で受信した信号は、受信部16で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー11から音声として出力されると共に、マイク10から入力された音声は、音声信号に変換され、送信部15を介し、アンテナ14を通して外部に送出される。
【0240】
次に、発信する場合について説明する。
【0241】
まず、発信する場合には、操作部12から発信する旨の信号が、制御部17に入力される。続いて電話番号に相当する信号が操作部12から制御部17に送られてくると、制御部17は送信部15を介して、電話番号に対応する信号をアンテナ14から送出する。その送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号がアンテナ14を介し受信部16を通して制御部17に送られると、制御部17は発信モードに各部を設定する。即ちアンテナ14で受信した信号は、受信部16で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー11から音声として出力されると共に、マイク10から入力された音声は、音声信号に変換され、送信部15を介し、アンテナ14を通して外部に送出される。
【0242】
なお、実施の形態4では、音声を送信受信した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行う携帯端末についても同様な効果を得ることができる。
【0243】
このような実施の形態4による携帯端末においては、高効率な発光性能を維持することができることができるため、バッテリー等の電力使用量を抑制することができる。これにより、携帯端末の長時間使用を可能にしたり、あるいは、バッテリーの小型化による軽量化を図ることが可能である。特に近年、携帯端末に用いる表示素子はより高画質で、かつ低消費電力であることが求められており、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の光取り出しに比べて、高画質・高効率化は大きなメリットをもたらす。高効率化によって、電池容量の減量化が可能となり、軽量化や長使用時間化を図ることができる。また、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板として、高分子フィルムを用いれば、飛躍的な軽量化をもたらすことが可能となる。
【0244】
また、携帯端末のような個人使用を目的とした携帯端末においては、使用者本人だけが情報を認識でき、周囲からは情報を認識できないような特性が要求されている。本発明における表示素子では、光の配向を正面方向に強くすることが可能であるため、上記したような用途に対し非常に有効である。
【0245】
【実施例】
(実施例1)
ポリカーボネートおよびポリイミドの複合材料からなる不透明基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0246】
次に、この基板を、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、金属マスクによりパターニングされた陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0247】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層としてAlqを約60nmの膜厚で形成し、その発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlqの蒸着速度は、共に0.2nm/sであった。
【0248】
次に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスクによりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのITO膜を成膜した。
【0249】
次に、5×10−3Torr以下の真空度まで減圧した真空装置内にて、複数のノズルから紫外線硬化型の透明樹脂を霧状に吹き出し、ITO膜表面に微小な半球状の樹脂を吹き付け、これを真空装置から取り出した後、紫外線を照射し硬化させ、ITO膜表面に微小レンズ形状を形成した。
【0250】
(実施例2)
シリコンからなる不透明基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し乾燥した。
【0251】
次に、この基板を、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、金属マスクによりパターニングされた陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0252】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層としてAlqを約60nmの膜厚で形成し、その発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlqの蒸着速度は、共に0.2nm/sであった。
【0253】
次に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスクによりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのITO膜を成膜した。
【0254】
次に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧したスパッタ装置内にて、ITO膜上に3μmのSiO膜を成膜した。
【0255】
次に、PET表面に半球状の版をランダムに打ち付け、微小レンズ構造の反転型を形成し、これを電着による転写により鋼鉄製金型を形成し、熱間加工により、シート状のポリカーボネートよりなる微小レンズ群を形成した。
【0256】
次に、前記保護膜表面に光学用接着剤を一様に塗布し、前記光の角度変換パネルを貼り付けた。
【0257】
(実施例3)
ガラスからなる透明基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0258】
次に、この基板を、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、金属マスクによりパターニングされた陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0259】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層としてAlqを約60nmの膜厚で形成し、その発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlqの蒸着速度は、共に0.2nm/sであった。
【0260】
次に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、金属マスクによりマスクし、正孔輸送層上に膜厚160nmのITO膜を成膜した。
【0261】
次に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧したスパッタ装置内にて、ITO膜上に3μmの窒化シリコン膜を成膜した。
【0262】
次に、アクリルからなる直径20μmのビーズを密に配置し、紫外線硬化型の透明樹脂を流し込み、UV照射した。これにより形成された、半球状の微小レンズ群の表面に平坦化面としてアクリルからなる透明フィルムを超音波溶着により貼り付け、平坦化面の形成された微小レンズ群からなるシートを形成した。
【0263】
次に、前記保護膜表面に光学用接着剤を一様に塗布し、前記シートを貼り付けた。
【0264】
(実施例4)
ガラスからなる透明基板上に、Crからなる各画素電極が非晶質シリコンからなるTFTを介して信号線と結ばれたTFTアレイを形成した。
【0265】
次にこのTFTアレイ基板表面に、スピンコート法によりネガレジスト材を塗布し、厚さ5μmのレジスト膜を形成し、画素電極のない非発光部をマスク、露光、現像して、非発光部のみをレジスト膜により被覆したTFTアレイ基板とした。
【0266】
次に、このTFTアレイ基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0267】
次に、このTFT基板を、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、金属マスクによりパターニングされた陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0268】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、陰極上に発光層としてAlqを約60nmの膜厚で形成し、その発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlqの蒸着速度は、共に0.2nm/sであった。
【0269】
次に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、正孔輸送層上に膜厚160nmのITO膜を成膜した。
【0270】
次に、同様に低ダメージスパッタ装置内にて、凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子上に、膜厚3μmの窒化シリコン膜を保護膜として成膜した。
【0271】
次に、この保護膜により保護された有機エレクトロルミネッセンス素子表面に厚さ20μmのシート状に形成された粘着シートを貼り付けた。
【0272】
次に、この粘着シートの表面に直径10μm程度の大きさの異なるガラス製ビーズを一面に配し、素子表面全体に均一に押し付けた。同様の行程を3度繰り返すことにより、粘着シート一面に一様にビーズを配置し、微小レンズ群を形成した。
【0273】
(比較例1)
ガラスからなる透明基板上に、実施例1と同様に、膜厚160nmのITO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングした。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のITO膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、所定のパターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニング基板を得た。
【0274】
次に、このパターニング基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0275】
次に、パターニング基板の陽極側の表面に、2×10−6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。
【0276】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層上に発光層としてAlqを約60nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlqの蒸着速度は、共に0.2nm/sであった。
【0277】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0278】
【表1】
Figure 2004047298
【0279】
ここで、(表1)の評価項目における評価方法及びその評価基準について説明する。
【0280】
素子の発光効率は、有機エレクトロルミネッセンス素子に一定電流を流したときの発光輝度を評価した。その評価基準は、比較例1の発光輝度に対して、◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容できる、である。
【0281】
発光面の視認性は、有機エレクトロルミネッセンス素子を300μmの画素からなる画像形成装置としたときの、光のにじみ、ぼけについて、視認性の程度を目視にて評価した。評価は、◎、○、△の三段階評価であり、その評価基準は、◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容できる、である。
【0282】
発光面の視認性保護は、有機エレクトロルミネッセンス素子の表面についたごみの取り除きやすさについて評価した。その評価基準は、比較例1の取り除きやすさに対して、◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容できる、である。
【0283】
(表1)から明らかなように実施例1、2、3、4の各有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較例1の有機エレクトロルミネッセンス素子に対して、発光輝度、発光面視認性において、すべて優れた結果となった。特に、実施例1及び4においては、発光輝度、発光面視認性が比較例1と比べて非常に優れた結果となった。ただし、発光面視認性保護については、実施例1、2、4の各有機エレクトロルミネッセンス素子では、比較例1の有機エレクトロルミネッセンス素子よりも劣る結果となったが、これは平坦化面がないことによる効果であり、実用上特に問題はない。本実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子は比較例1に対し顕著に発光効率が高く、視認性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子であることがわかる。
【0284】
【発明の効果】
以上のように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0285】
請求項1に記載の発明によれば、
(1)基板と対向する光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズ群が形成されているので、光取り出し面/空気界面の面積が増大し、界面における全反射の確率が低下し、光の取り出し効率が向上する。
【0286】
(2)基板と対向する光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズ群が形成されているので、光取り出し面/空気界面における全反射が抑制され、光の取り出し効率が向上する。
【0287】
(3)基板と対向する光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズ群が形成されているので、レンズ効果により光の配光が変化するため、実効的な輝度が向上する。
【0288】
(4)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、レンズ構造と発光部との距離を小さくすることができる。
【0289】
(5)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、基板による光のロスが発生せず、光の取り出し効率が向上する。
【0290】
(6)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、画素面の横方向への光の伝達が抑制されるため、光にじみ等の視認性の低下を伴うことなく光の取り出し効率が向上する。
【0291】
(7)光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる微小レンズ群が直接形成されているので、画素形状や面積に対する制約がなく、長期に渡って効率の良い発光を維持することができる。
【0292】
(8)光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる微小レンズ群が直接形成されているので、作製プロセスが簡単であり、容易に作製することができる。
【0293】
請求項2に記載の発明によれば、
(1)基板と対向する光取り出し面上に、微小レンズ群と平坦化面とが形成されているので、微小レンズ群/空気界面の面積が増大し、界面における全反射の確率が低下し、光の取り出し効率が向上する。
【0294】
(2)基板と対向する光取り出し面上に、微小レンズ群と平坦化面とが形成されているので、微小レンズ群/空気界面における全反射が抑制され、光の取り出し効率が向上する。
【0295】
(3)光取り出し面上に直接微小レンズ群が形成されているので、レンズ構造と発光部との距離を小さくすることができる。
【0296】
(4)微小レンズ群の光取り出し面側に、空気層および一部の接点を介して、その表面が平坦となる平坦化面とを形成されているので、光取り出し面の表面にゴミ等が付着しても、光の取り出し効率の値が低下しない。
【0297】
(5)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、光取り出し面の表面にゴミ等が付着しても、容易に取り除くことができる。
【0298】
(6)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、微小レンズ群が直接外気と接触していないため、長期に渡りレンズの効果を保持することができる。
【0299】
(7)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、光取り出し面の表面に外光による視認性低下を防ぐためのシート等を容易に形成することができる。
【0300】
(8)光取り出し面側に平坦化面を形成されているので、外部から力が加わっても、微小レンズ群の形状が変化するのを抑制することができる。
【0301】
(9)光取り出し面側に平坦化面を形成する微小レンズ群からなるため、平坦化面を厚くしても光の取り出し効率への影響が小さいため、微小レンズ群の強度を保つことが容易である。
【0302】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)光取り出し面上に光学結合材を介して微小レンズ群を貼り付けているので、発光部と微小レンズ群を個別に作製することができ、微小レンズ群を形成する際に発生する発光層へダメージを与える要因の影響をなくすことができ、微小レンズ群および発光部を容易に作製することができる。
【0303】
(2)光取り出し面上に光学結合材を介して微小レンズ群を貼り付けているので、発光部と微小レンズ群を個別に作製することができ、微小レンズ群をひとつのシートとして形成することが可能であり、取り扱いが容易である。
【0304】
(3)発光部と微小レンズ群とを個別に作製することができるため、光取り出し面側に平坦化面を形成してなる微小レンズ群をひとつのシートとして形成することが可能であり、シートの両表面が平坦であるため取り扱いが容易である。
【0305】
(4)光取り出し面上に光学結合材を介して微小レンズ群を貼り付けているので、微小レンズ群および発光部の表面形状が一致していなくても、容易に貼り付けることができる。
【0306】
(5)微小レンズ群と平坦化面からなる微小レンズ群をひとつのシートとして形成することができるため、外光による視認性低下を防ぐためのシートと一体化したシートとすることができ、容易に形成することができる。
【0307】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)微小レンズ群の屈折率が大きいため、全反射により微小レンズ群に到達できない光を減少させることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0308】
(2)微小レンズ群の屈折率が大きいため、微小レンズ群に到達する光が増加し、微小レンズ群のレンズ効果を有効にすることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0309】
(3)微小レンズ群の屈折率が大きいため、発光層から放射される光が発光面の法線方向に立った配向となり、素子内部での光損失を減少させることができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0310】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0311】
(2)素子内部での光損失が減少し、全反射により空気中へ取り出されない光が反射電極に反射され再利用することができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0312】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)加工のしやすい部材と強度の保持できる部材のように、機能を分担することが可能であるため、材料の選択肢が増加する。
【0313】
(2)複数の材料を用いることで、微小レンズ群に複雑な機能を持たせることが可能である。
【0314】
(3)用いる材料を適宜選択することで、任意の視認性を持たせることが可能である。
【0315】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1の効果に加え、
(1)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を形成するための製造プロセスの選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を形成することができる。
【0316】
(2)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を形成するための材料の選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を形成することができる。
【0317】
(3)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を貼り付ける光学結合材の選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を貼り付けることができる。
【0318】
(4)保護膜により発光層が保護されているため、微小レンズ群を貼り付ける光学結合材の塗布方法の選択肢が増加し、容易に微小レンズ群を貼り付けることができる。
【0319】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加え、
(1)全反射により微小レンズ群に到達できない光を減少させることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0320】
(2)微小レンズ群に到達する光が増加するため、微小レンズ群の効果を有効にすることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0321】
(3)発光層から放射される光が発光面の法線方向に立った配向となるため、素子内部での光損失を減少させることができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0322】
請求項9に記載の発明によれば、請求項7又は8の効果に加え、
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0323】
(2)素子内部での光損失が減少し、全反射により空気中へ取り出されない光が反射電極に反射され再利用することができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0324】
請求項10に記載の発明によれば、請求項3乃至9の内いずれか1の効果に加え、
(1)全反射により微小レンズ群に到達できない光を減少させることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0325】
(2)微小レンズ群に到達する光が増加するため、微小レンズ群の効果を有効にすることができ、光の取り出し効率が向上する。
【0326】
(3)発光層から放射される光が発光面の法線方向に立った配向となるため、素子内部での光損失を減少させることができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0327】
請求項11に記載の発明によれば、請求項3乃至10の内いずれか1の効果に加え、
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0328】
(2)素子内部での光損失が減少し、全反射により空気中へ取り出されない光が反射電極に反射され再利用することができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0329】
請求項12に記載の発明によれば、請求項3乃至11の内いずれか1の効果に加え、
(1)微小レンズ群と発光層の貼り付け時に光学結合材に適度な柔軟性があるため、微小レンズ群と発光層の表面部分の形状が異なっていても、容易に貼り付けることができる。
【0330】
(2)微小レンズ群と発光層の貼り付け時に光学結合材に適度な柔軟性があるため、容易に光学結合材を塗布することができる。
【0331】
(3)微小レンズ群と発光層の間の柔軟性があるため、折り曲げ等のストレスに対して強く、長期にわたって視認性に優れた高効率の発光性能を維持することができる。
【0332】
(4)微小レンズ群と発光層の間の柔軟性があるため、折り曲げ等のストレスに対して強く、可撓性のある素子を形成することが容易である。
【0333】
請求項13に記載の発明によれば、請求項3乃至12の内いずれか1の効果に加え、
(1)光学結合材の硬化に必要な熱あるいは光を適宜選択することにより、発光層にダメージを与えることなく容易に微小レンズ群と発光層とを貼り付けることができる。
【0334】
(2)光学結合材の硬化後は、微小レンズ群と発光層の位置関係が保持されるため、長期にわたって視認性に優れた高効率の発光性能を維持することができる。
【0335】
(3)光学結合材の厚さおよび材料を適宜選択することにより、折り曲げ等のストレスに対して強く、長期にわたって視認性に優れた高効率の発光性能を維持することができる。
【0336】
(4)光学結合材料の厚さおよび材料を適宜選択することにより、折り曲げ等のストレスに対して強く、可撓性のある素子を形成することが容易である。
【0337】
請求項14に記載の発明によれば、請求項1乃至13の内いずれか1の効果に加え、
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、長期に渡って高効率の発光性能を維持することができることができ、単純マトリックス方式での良好な照明を行うことができる。
【0338】
(2)陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離されているので、画素における発光部を大きく取ることができる。
【0339】
(3)単純マトリックスの場合、瞬間的な高輝度が必要となるため、この高効率および発光部の大面積化は非常に重要である。
【0340】
請求項15に記載の発明によれば、請求項1乃至13の内いずれか1の効果に加え、この構成により、以下の作用が得られる。
【0341】
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、長期に渡って高効率の発光性能を維持することができることができ、アクティブマトリックス方式での良好な照明を行うことができる。
【0342】
(2)陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成されているので、瞬間的な高輝度は必要なく、実用上必要な輝度で良く、長期に渡って安定な発光を維持することができる。
【0343】
(3)陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されるので、自由な画像形成が実現でき、有機エレクトロルミネッセンス素子の特徴である高速応答を十分に生かすことができる。
【0344】
(4)アクティブマトリックスの場合、画素内に配置されたスイッチング素子や配線等により発光部は凹凸面上に形成されることが多い。そのため、このような凹凸面上であっても高効率な発光の得られる施策は非常に有利である。
【0345】
請求項16に記載の発明によれば、請求項14又は15の効果に加え、
(1)微小レンズ群を形成する微小レンズの直径を、画素の長辺よりも小さい構成とすることで、1つの画素内に少なくとも1つ以上の微小レンズを配置することができ、どの画素においても同様な取り出し効率向上効果が得られ、良好な画像を得ることができる。
【0346】
(2)発光部から微小レンズの頂上部分までの距離を小さくすることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0347】
請求項17に記載の発明によれば、請求項14乃至16の内いずれか1の効果に加え、
(1)微小レンズ群を形成する微小レンズの直径を、画素の短辺よりも小さい構成とすることで、画素内に少なくとも1つ以上の微小レンズを密に配置することができ、どの画素においても同様な取り出し効率向上効果が得られ、良好な画像を得ることができる。
【0348】
(2)画素内に少なくとも1つ以上の微小レンズを密に配置することができ、どの画素においても指向性のない一様な光の取り出しが行われ、視認性に優れた良好な画像を得ることができる。
【0349】
(3)発光部から微小レンズの頂上部分までの距離を非常に小さくすることができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0350】
請求項18に記載の発明によれば、請求項14乃至17の内いずれか1の効果に加え、
(1)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の長辺よりも小さいため、光にじみは画素長辺程度の広がりとなり、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0351】
(2)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の長辺よりも小さいため、光の横方向への広がりは画素長辺程度となり、容易に光の再利用ができ、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0352】
請求項19に記載の発明によれば、請求項14乃至18の内いずれか1の効果に加え、
(1)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の短辺よりも小さいため、光にじみは画素短辺程度の広がりとなり、高精細で視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0353】
(2)発光部から微小レンズ群の最表面までの距離が画素の短辺よりも小さいため、光の横方向への広がりは画素短辺程度となり、光の再利用効率が高く、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0354】
請求項20に記載の発明によれば、請求項14乃至19の内いずれか1の効果に加え、
(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、高効率の発光性能を維持することができることができ、電池容量等の減量化による、軽量化あるいは長使用時間化を図ることができる。
【0355】
(2)視覚特性(光の配向)を適当に設計することで、周囲からは見にくいプライベートウインドウや、複数人でも見やすいウインドウ等として用途に応じて用いることができる。
【0356】
(3)光取り出し面上の平坦化面の形成された表示手段を用いることで、微小レンズが直接表面に出ていないため、ほこり等のごみが付着しても、視認性に優れた高効率な画像表示を得ることができる。
【0357】
(4)光取り出し面上の平坦化面上に防汚フィルム等を容易に貼り付けることができるため、ほこり等のごみを容易に取り除くことができる。
【0358】
請求項21に記載の発明によれば、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0359】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
【0360】
(3)真空一貫で形成することができるため、作業性が高く、生産性も高く、さらに、長期に安定な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0361】
請求項22に記載の発明によれば、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0362】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
【0363】
(3)容易に密な微小レンズ群を形成することができ、高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0364】
請求項23に記載の発明によれば、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0365】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
という作用が得られる。
【0366】
請求項24に記載の発明によれば、
(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0367】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
【0368】
請求項25に記載の発明によれば、光取り出し面/空気界面の面積が増大し、界面における全反射の確率が低下し、光の取り出し効率が向上する。
【0369】
そして、視認性に優れた高効率な発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の提供、視認性の優れた、高効率の発光性能を維持することができる画像形成装置の提供、重量が軽く、使用時間の長い携帯端末、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における有機エレクトロルミネッセンス素子の概略断面図
【図2】光学シミュレーションの結果を示すグラフ
【図3】実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図
【図4】実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図
【図5】実施の形態3における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置の概略斜視図
【図6】実施の形態4の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末を示す斜視図
【図7】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末を示すブロック図
【図8】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図
【図9】従来の有機エレクトロルミネセンス素子の要部断面における代表的な光線経路を示す模式図
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 陰極
6 微小レンズ群
7 光学結合材
8 保護膜
9 発光層から放射された光の光源
10 マイク
11 スピーカー
12 操作部
13 表示部
14 アンテナ
15 送信部
16 受信部
17 制御部

Claims (25)

  1. 基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、前記光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群を形成してなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層から放射される光は基板と対向する光取り出し面から取り出され、前記光取り出し面上に、少なくとも2つ以上の大きさの異なる略半球状の微小レンズからなる微小レンズ群と、その微小レンズ群の光取り出し面側に、空気層および一部の接点を介して、その表面が平坦となる平坦化面とを形成してなる微小レンズ群を形成してなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記微小レンズ群は、光学結合材を介して光取り出し面上に貼り付けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記微小レンズ群は、屈折率1.4よりも高屈折率な材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記微小レンズ群は、発光層から放射される光の50パーセント以上を放出することのできる透明な材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記微小レンズ群は、少なくとも2つ以上の材料を光学結合することにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記微小レンズ群は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子表面に形成された保護膜上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記保護膜は、屈折率1.4よりも高屈折率な材料で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記保護膜は、発光層から放射される光の50パーセント以上を放出することのできる透明な材料で形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記光学結合材は、屈折率1.4よりも高屈折率な材料で形成されていることを特徴とする請求項3乃至9の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記光学結合材は、発光層から放射される光の50パーセント以上を放出することのできる透明な材料で形成されていることを特徴とする請求項3乃至10の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記光学結合材は、液体あるいはゲル状の材料で形成されていることを特徴とする請求項3乃至11の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記光学結合材は、熱あるいは光により硬化する材料で形成されていることを特徴とする請求項3乃至12の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 請求項1乃至13の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陽極及び前記陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離されて構成され、複数の画素からなる画像表示配列を有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至13の内いずれか1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陽極又は前記陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、前記分離された電極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有することを特徴とする画像形成装置。
  16. 基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記微小レンズ群を形成する微小レンズの直径は、前記画素の長辺よりも小さいことを特徴とする請求項14又は15に記載の画像形成装置。
  17. 基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記微小レンズ群を形成する微小レンズの直径は、前記画素の短辺よりも小さいことを特徴とする請求項14乃至16の内いずれか1に記載の画像形成装置。
  18. 基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層から前記微小レンズ群の最表面までの距離は、前記画素の長辺よりも小さいことを特徴とする請求項14乃至17の内いずれか1に記載の画像形成装置。
  19. 基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層から前記微小レンズ群の最表面までの距離は、前記画素の短辺よりも小さいことを特徴とする請求項14乃至18の内いずれか1に記載の画像形成装置。
  20. 音声を音声信号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を送信信号に変換する通信手段と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた携帯端末であって、前記表示手段が請求項14乃至19の内いずれか1に記載の画像形成装置で構成されたことを特徴とする携帯端末。
  21. 少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、真空状態にした装置内において、光取り出し面を概下方に向け、熱硬化あるいは光硬化透明樹脂を下方向から霧状に噴霧し、その後硬化させることで、前記微小レンズ群を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  22. 少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、光取り出し面に表面を覆い尽くす程度の量の球状透明ビーズを配し、振動させることで、透明ビーズを光取り出し面上に密状態で配置し、粘性の低い透明樹脂を流し込み、その後硬化させることで、前記微小レンズ群を形成することを特徴とすることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  23. 少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、光取り出し面に透明ビーズよりも薄く粘性の高い透明樹脂を塗布、あるいは、貼付し、表面を覆い尽くす程度の量の球状の透明ビーズを配し、均一に力を加え、余分なビーズをくことで、前記微小レンズ群を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  24. 少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成した後、半球状の微小レンズが形成されたシート状の微小レンズ群を、透明樹脂を塗布、あるいは、貼付し、均一に力を加えることで、前記微小レンズ群を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  25. 2つの電極間に、発光領域を有する発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記一方の電極側に基板を備え、前記他方の電極側に略半球状の微小レンズで構成された微小レンズ群を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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