JP2002260866A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法、それを用いた表示装置及び携帯端末 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法、それを用いた表示装置及び携帯端末

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JP2002260866A
JP2002260866A JP2001061316A JP2001061316A JP2002260866A JP 2002260866 A JP2002260866 A JP 2002260866A JP 2001061316 A JP2001061316 A JP 2001061316A JP 2001061316 A JP2001061316 A JP 2001061316A JP 2002260866 A JP2002260866 A JP 2002260866A
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light emitting
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JP2001061316A
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English (en)
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Takashi Hamano
敬史 濱野
Shinichiro Kaneko
信一郎 金子
Takahiro Komatsu
隆宏 小松
Akira Gyotoku
明 行徳
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/875Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K59/878Arrangements for extracting light from the devices comprising reflective means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、発光効率に優れるとともに、光の
にじみやぼけの影響の少ない視認性に優れた、最適な発
光性能を維持する事ができる有機エレクトロルミネッセ
ンス素子及びその製造方法、それを用いた表示装置及び
携帯端末を提供する事を目的とする。 【解決手段】 本発明の有機エレクトロルミネッセンス
素子は、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を
有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレ
クトロルミネッセンス素子であって、前記陽極もしくは
陰極のうち、少なくとも一方の電極が光透過性を具備
し、前記光透過性電極は、導電性部材からなる、前記発
光層から放射される光の角度変換手段を含有することを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の表示装置や
表示装置の光源又はバックライト、若しくは光通信機器
に使用される発光素子等に用いられる有機エレクトロル
ミネッセンス素子及びその製造方法、それを用いた表示
装置及び携帯端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス素子とは、固
体蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイスであ
り、現在無機系材料を発光体として用いた無機エレクト
ロルミネッセンス素子が実用化され、液晶ディスプレイ
のバックライトやフラットディスプレイ等への応用展開
が一部で図られている。しかし、無機エレクトロルミネ
ッセンス素子は発光させるために必要な電圧が100V
以上と高く、しかも青色発光が難しいため、RGBの三
原色によるフルカラー化が困難である。
【0003】一方、有機材料を用いたエレクトロルミネ
ッセンス素子に関する研究も古くから注目され、様々な
検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことから
本格的な実用化研究へは進展しなかった。
【0004】しかし、1987年にコダック社のC.
W.Tangらにより、有機材料を正孔輸送層と発光層
の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレ
クトロルミネッセンス素子が提案され、10V以下の低
電圧にもかかわらず1000cd/m2以上の高い発光
輝度が得られることが明らかとなった〔C.W.Tan
g and S.A.Vanslyke:Appl.P
hys.Lett、51(1987)913等参照〕。
これ以降、有機エレクトロルミネッセンス素子が俄然注
目され始め、現在も同様な機能分離型の積層構造を有す
る有機エレクトロルミネッセンス素子についての研究が
盛んに行われている。
【0005】ここで、従来の一般的な有機エレクトロル
ミネッセンス素子の構成について図6を用いて説明す
る。
【0006】図6は従来の有機エレクトロルミネッセン
ス素子の要部断面図である。
【0007】図6において、1はガラス基板、2は陽
極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極である。
【0008】図6に示すように有機エレクトロルミネッ
センス素子は、ガラス基板上にスパッタリング法や抵抗
加熱蒸着法等により形成されたITO等の透明な導電性
膜からなる陽極2と、陽極2上に同じく抵抗加熱蒸着法
等により形成されたN、N’−ジフェニル−N、N’−
ビス(3−メチルフェニル)−1、1’−ジフェニル−
4、4’−ジアミン(以下、TPDと略称する。)等か
らなる正孔輸送層3と、正孔輸送層3上に抵抗加熱蒸着
法等により形成された8−Hydroxyquinol
ine Aluminum(以下、Alq3と略称す
る。)等からなる発光層4と、発光層4上に抵抗加熱蒸
着法等により形成された100nm〜300nmの膜厚
の金属膜からなる陰極5とを備えている。
【0009】上記構成を有する有機エレクトロルミネッ
センス素子の陽極2をプラス極として、また陰極5をマ
イナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽
極2から正孔輸送層3を介して発光層4に正孔が注入さ
れ、陰極5から発光層4に電子が注入される。発光層4
では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成され
る励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現
象が起こる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような有機エレク
トロルミネッセンス素子において、通常、発光層中の蛍
光体から放射される光は、蛍光体を中心とした全方位に
出射され、正孔輸送層、陽極、ガラス基板を経由して、
あるいは、一旦光取り出し方向とは逆方向へ向かい、陰
極で反射され、発光層、正孔輸送層、陽極、ガラス基板
を経由して、空気中へ放射される。
【0011】しかし、光が各媒質の境界面を通過する
際、入射側の媒質の屈折率が出射側の屈折率より大きい
場合には、屈折波の出射角が90°となる角度、つまり
臨界角、よりも大きな角度で入射する光は、境界面を透
過することができず、全反射され、光は空気中へ取り出
されない。
【0012】異なる媒質の境界面における、光の屈折角
と、媒質の屈折率の関係は、スネルの法則に従う。スネ
ルの法則によると、屈折率n1の媒質から屈折率n2の媒
質へ光が進行する場合、入射角θ1と屈折角θ2の間に、 n1sinθ1=n2sinθ2 なる関係が成り立つ。
【0013】したがって、n1>n2が成り立つ場合、θ
2=90°となる入射角θ1=sin -1(n2/n1)は、
臨界角としてよく知られており、入射角がこれよりも大
きな場合、光は媒質間の境界面において全反射されるこ
ととなる。
【0014】したがって、等方的に光の放射される有機
エレクトロルミネッセンス素子において、この臨界角よ
りも大きな角度で放射される光は、境界面における全反
射を繰り返し、素子内部に閉じ込められ、空気中へ放射
されなくなる。
【0015】図7は従来の有機エレクトロルミネセンス
素子の要部断面における代表的な光線経路の模式図であ
る。
【0016】図7に示すように、発光層中から放射され
た光は、ITO/ガラス界面、および、ガラス/空気界
面などの境界面において全反射される。
【0017】このことは、発光層中で放射される光が素
子外部へ放射されず、有機エレクトロルミネッセンス素
子として、見かけ上の効率低下の原因となる。一般に、
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層で得られる
放射光は、大部分が全反射によって素子内部に閉じ込め
られ、有効な放射光として利用されるのは、17%から
20%程度であることが知られている〔Advance
d Material6(1994)491等参照〕。
【0018】そこで、有機エレクトロルミネッセンス素
子の基板に光の出射角度を変換する手段を設けること
で、上述した問題点の解決を図る事が提案されている。
【0019】例えば、特許2773720号公告には、
基板の光取り出し側にレンズ構造を形成することで光取
り出し効率を向上させる発明がなされている。また、特
許2991183号公報には、素子界面の全反射を抑制
する位置に回折格子等を形成することで光取り出し効率
を向上させる発明がなされ、特開平9−129375号
公報には、光取り出し側表面を乱反射面あるいは反射・
屈折角に乱れを生じさせることで光取り出し効率を向上
させる発明がなされている。
【0020】更に、特開平10−189251号公報に
は、透明基板内に光出射角度を変換する手段を形成する
ことで、あるいは、特開平10−308286号公報に
は、下部電極側面に光反射層を形成することで、光取り
出し効率を向上させる発明がなされている。このように
上記何れの発明においても取り出し効率の向上について
の発明がなされている。
【0021】しかしながら、上記施策により、無効であ
った光のすべてが有効利用されている訳ではないため、
光取り出し効率の向上法には、改良の余地がある。例え
ば、光取り出し面にレンズや回折格子を設けるといった
改良を施した場合、光のにじみ・ぼけ、あるいは視野角
依存性が生じるなどの不具合が生じやすく、ディスプレ
イなどの表示素子に用いた場合、有効な光取り出し効率
の向上は難しい。また、等方的に放射される光のすべて
を効率よく光取り出し面に向けるように光取り出し面を
設計することは困難である。
【0022】また、特開平10−189251号公報に
示してあるような、透明基板に光の角度変換手段を設け
るなどの改良を施した場合、Optics Lette
rs22No6(1997)396等に記載されている
ように、発光層での放射される光の半分以上がITO/
ガラス界面による全反射による損失を受けることから、
基板内に設けた光の角度変換手段だけを用いての光取り
出し効率向上の効果は小さい。したがって、光の外部へ
の取出し効率の向上を目的とした場合、ITOにおける
施策をする方が大きな効果を期待することができる。
【0023】ここで、特開平10−308286号公報
に示してあるような、下部透明電極側面に反射膜を設け
るなどの改良を施した場合、発光が等方的であることか
ら、発光層からの発光は透明電極側面から放射され損失
する成分と透明電極方向に伝播して損失する成分とがあ
り、電極側面に配設した光反射膜では、このうち透明電
極側面から放射され損失する成分のみを低減するため、
これだけによる光取り出し効率向上の効果は小さい。
【0024】ここで、図8は従来の有機エレクトロルミ
ネセンス素子を用いた表示装置の要部断面図であるが、
特に、ディスプレイなどの微小パターンの連続した表示
素子に用いた場合、電極側面に光反射膜を設けなくて
も、図8に示すように、透明電極の横方向については、
対向電極による光反射効果があるため、そのままの状態
であっても、前記施策と同様の効果が得られており、つ
まり、透明電極の側面のみに光反射膜を形成することに
よる効果は小さい。以上のような理由により、上記何れ
の発明においても光取り出し効率の課題を十分に解決す
るものはなく、特に視認性の問題を考慮した場合、十分
な特性が得られているものはない。
【0025】本発明は上記問題点に鑑み、取り出し効率
向上に最も効果のある構造を設け、有機エレクトロルミ
ネッセンス素子に特徴的な視認性の良さを損なうことな
く、高効率な発光性能を維持する事ができる有機エレク
トロルミネッセンス素子及びその製造方法、それを用い
た表示装置および携帯端末を提供する事を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、少
なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光
層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミ
ネッセンス素子であって、陽極もしくは陰極のうち、一
方の電極が光透過性を具備し、光透過性電極は、その内
部に発光層から放射される光の角度変換手段を含有する
構成としたものである。
【0027】この構成により、にじみやぼけがなく視認
性の良い、高効率の発光輝度特性を有するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、少なく
とも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層
と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネ
ッセンス素子であって、陽極もしくは陰極のうち、少な
くとも一方の電極が光透過性を具備し、光透過性電極
は、導電性部材からなる、発光層から放射される光の角
度変換手段を含有することを特徴とする有機エレクトロ
ルミネッセンス素子としたものであり、素子内部での光
損失を減少させることができるため、視認性に優れた、
高効率の発光性能を維持することができる。
【0029】請求項2に記載の発明は、少なくとも正孔
を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を
注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素
子であって、陽極もしくは陰極のうち、少なくとも一方
の電極が光透過性を具備し、光透過性電極は、少なくと
も導電性部材からなる、発光層から放射される光の角度
変換手段を含有し、かつ、光透過性電極は、その側面
に、発光層から放射される光の角度変換手段を有するこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とし
たものであり、素子内部での光損失を減少させることが
できるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持
することができる。
【0030】請求項3に記載の発明は、少なくとも正孔
を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を
注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素
子であって、陽極もしくは陰極のうち、少なくとも一方
の電極が光透過性を具備し、光透過性電極は、少なくと
もその内部に、導電性部材からなる、発光層から放射さ
れる光の角度変換手段を有することを特徴とする有機エ
レクトロルミネッセンス素子としたものであり、素子内
部での光損失を減少させることができるため、視認性に
優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0031】請求項4に記載の発明は、少なくとも正孔
を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を
注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素
子であって、陽極もしくは陰極のうち、少なくとも一方
の電極が光透過性を具備し、発光層を含んだ有機層は、
その側面に、光反射手段を有することを特徴とする有機
エレクトロルミネッセンス素子としたものであり、素子
内部での光損失を減少させることができるため、視認性
に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0032】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3い
ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であ
って、光の角度変換手段は、発光層から放射される光の
角度を、有機エレクトロルミネッセンス素子と空気との
境界面において全反射を引き起こす臨界角よりも小さい
角度、さらに好ましくは、空気との境界面における法線
近傍の角度に、変換することを特徴とする有機エレクト
ロルミネッセンス素子としたものであり、素子内部での
光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができる。
【0033】請求項6に記載の発明は、請求項1〜3い
ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であ
って、光の角度変換手段は、発光層より放射された光の
うち、光透過性電極における発光層と形成される界面と
対向する側の界面において全反射を引き起こす光につい
て、その光の角度を、有機エレクトロルミネッセンス素
子と空気との境界面において全反射を引き起こす臨界角
よりも小さい角度に変換することを特徴とする有機エレ
クトロルミネッセンス素子としたものであり、素子内部
での光損失を減少させることができるため、視認性に優
れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0034】請求項7に記載の発明は、請求項4記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、有機層の
側面に設けられた光反射手段の高さは、有機層の高さよ
りも高いことを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
ス素子としたものであり、素子内部での光損失を減少さ
せることができるため、視認性に優れた、高効率の発光
性能を維持することができる。
【0035】請求項8に記載の発明は、請求項4〜7い
ずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子であ
って、光透過性電極に対向する電極は、可視光領域にお
ける反射率が50%以上であることを特徴とする有機エ
レクトロルミネッセンス素子としたものであり、素子内
部での光損失を減少させることができるため、視認性に
優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0036】請求項9に記載の発明は、請求項8記載の
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層か
ら放射される光は、発光層を含んだ有機層および光透過
性電極および光透過性基板のみを透過して、空気中へ取
り出され、光透過性基板の空気に対する比屈折率は1.
5以上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子としたものであり、素子内部での光損失を減
少させることができるため、視認性に優れた、高効率の
発光性能を維持することができる。
【0037】請求項10に記載の発明は、請求項8記載
の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層
から放射される光は、発光層を含んだ有機層および光透
過性電極および光透過性基板のみを透過して、空気中へ
取り出され、光透過性基板の厚さは500μm以下であ
ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
としたものであり、素子内部での光損失を減少させるこ
とができるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を
維持することができる。
【0038】請求項11に記載の発明は、請求項8記載
の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層
から放射される光は、発光層を含んだ有機層および光透
過性電極および光透過性基板のみを透過して、空気中へ
取り出され、光透過性基板は、その内部に光の角度変換
手段を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッ
センス素子としたものであり、素子内部での光損失を減
少させることができるため、視認性に優れた、高効率の
発光性能を維持することができる。
【0039】請求項12に記載の発明は、請求項8記載
の有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層
を含んだ有機層は、その側面に、反射率が50%以上で
ある光反射手段を有することを特徴とする有機エレクト
ロルミネッセンス素子としたものであり、素子内部での
光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができる。
【0040】請求項13に記載の発明は、陽極がストラ
イプ状に個々電気的に分離され、陰極がストライプ状に
個々電気的に分離されて構成されて、画像表示配列を有
する事を特徴とする請求項1〜12いずれか1記載の有
機エレクトロルミネッセンス表示装置としたものであ
り、素子内部での光損失を減少させることができるた
め、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持すること
ができ、単純マトリックス方式での良好な表示を行うこ
とができる。
【0041】請求項14に記載の発明は、陽極、あるい
は、陰極のいずれかが、個々電気的に画素毎に分離され
て構成されて、分離された電極は、少なくとも1つ以上
のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表
示配列を有する事を特徴とする請求項1〜12いずれか
1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置とした
ものであり、素子内部での光損失を減少させることがで
きるため、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持す
ることができ、アクティブマトリックス方式での良好な
表示を行うことができる。
【0042】請求項15に記載の発明は、請求項13、
14いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス表
示装置であって、光の角度変換手段は、陽極と陰極によ
って形成される画素において、画素と画素の間の非発光
部に形成されてなることを特徴とする有機エレクトロル
ミネッセンス表示装置としたものであり、素子内部での
光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができ、かつ、開
口率の高い、マトリックス駆動による良好な表示を行う
ことができる。
【0043】請求項16に記載の発明は、音声を音声信
号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力す
る操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手
段と、音声信号を送信信号に変換する通信手段と、受信
信号を音声信号に変換する受信手段と、前記送信信号及
び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御す
る制御手段を備えた携帯端末であって、表示手段が請求
項13〜15いずれか1記載の表示装置から構成された
事を特徴とする携帯端末としたものであり、素子内部で
の光損失を減少させることができるため、視認性に優れ
た、高効率の発光性能を維持することができ、電池容量
等の減量化による、軽量化あるいは長使用時間化を図る
ことができる。
【0044】請求項17に記載の発明は、請求項1〜1
6いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法であって、パターニングされた光透過性電極
上に除去可能なパターン形成手段を形成し、パターン形
成手段を保持したまま、順次、光透過性基板の加工、光
の角度変換手段の成膜することを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法としたものであり、
視認性に優れた、高効率の発光性能を維持することがで
きる素子を簡単な方法で製造することができる。
【0045】請求項18に記載の発明は、請求項1〜1
6いずれか1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法であって、パターニングされた光透過性電極
上に除去可能なパターン形成手段を形成し、パターン形
成手段を保持したまま、順次、光の角度変換手段、対向
電極を分割するための隔壁を成膜することを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法としたも
のであり、視認性に優れた、高効率の発光性能を維持す
ることができる素子を簡単な方法で製造することができ
る。
【0046】請求項19に記載の発明は、基板上に、少
なくとも、正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発
光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロ
ルミネッセンス素子であって、陽極または陰極の少なく
とも一方が光透過性電極であり、光透過性電極は、発光
層から放射される光の角度変換手段を含有すると共に、
角度変換手段は導電性を有することを特徴とする有機エ
レクトロルミネッセンス素子であって、素子内部での光
損失を減少させることができるため、視認性に優れた、
高効率の発光性能を維持することができる。
【0047】請求項20に記載の発明は、請求項19記
載において、光透過性電極は、その側面に、発光層から
放射される光の角度変換手段を有することを特徴とする
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、素子内部
での光損失を更に減少させることができるため、視認性
に優れた、高効率の発光性能を維持することができる。
【0048】以下、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子について、詳細に説明する。
【0049】まず、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の光透過性電極(以下、透明電極と言うことも
ある。)について説明する。本発明の有機エレクトロル
ミネッセンス素子においては、陽極または陰極の少なく
とも一方が透明電極である。
【0050】そして、透明電極とは、透光性の導電膜で
あり、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(S
nO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物、あるい
は、SnO:Sb(アンチモン)、ZnO:Al(アル
ミニウム)といった混合物からなる透明導電膜や、ある
いは、透明度を損なわない程度の厚さのAl(アルミニ
ウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ag(銀)とい
った金属薄膜や、これら金属の混合薄膜、積層薄膜とい
った金属薄膜や、あるいは、ポリピロール等の導電性高
分子等を用いる事ができる。また、これら透明電極材料
を複数用いてこれを積層することで透明電極とすること
も可能であり、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッ
タ法または電界重合法等の各種の重合法等により形成す
る。
【0051】また、透明電極は、十分な導電性を持たせ
るため、または、基板表面の凹凸による不均一発光を防
ぐために、1nm以上の厚さにすることが望ましい。ま
た、十分な透明性を持たせるために500nm以下の厚
さにすることが望ましい。
【0052】なお、本発明において、透明或いは半透明
とは、有機エレクトロルミネッセンス素子による発光の
視認を妨げない程度の透明性を示すものである。
【0053】次に、これらの透明電極に求められる特性
を以下に示す。
【0054】透明電極は、導電性の発光層から放射され
る光の角度変換手段を含有しており、あるいは、導電性
の発光層から放射される光の角度変換手段と側面に発光
層から放射される光の角度変換手段とを含有している。
【0055】ここで、有機エレクトロルミネッセンス素
子において、通常、発光層中の蛍光体から放射される光
は、蛍光体を中心とした全方位に出射され、正孔輸送
層、陽極、ガラス基板を経由して、あるいは、一旦光取
り出し方向とは逆方向へ向かい、陰極で反射され、発光
層、正孔輸送層、陽極、ガラス基板を経由して、空気中
へ放射される。しかし、発光層において、等方的に放射
される光の大半は、異なる媒質との境界面において、臨
界角よりも大きな角度で入射するため、境界面を透過す
ることができず、その結果、光は空気中へ取り出され
ず、主に透明電極における全反射を受けながら伝播す
る。
【0056】ここで透明電極における全反射により伝播
する光は、透明電極内に設けられた光の角度変換手段に
より、角度を変えられ境界面へと伝播する。
【0057】このとき、光の角度変換手段は、発光層か
ら放射される光の角度を、有機エレクトロルミネッセン
ス素子と空気との境界面において全反射を引き起こす臨
界角よりも小さい角度に変換するように設計すると、よ
り効率的に光を空気中へ取り出すことができる。
【0058】また、光の角度変換手段は、発光層より放
射された光を反射する材料を用いて設計すると、容易に
作成することができる。導電性の光の角度変換手段材料
としては、Al(アルミニウム)、Ag(銀)、Au
(金)、Pt(白金)、Cu(銅)、Li(リチウ
ム)、Cr(クロム)、Ti(チタン)、Fe(鉄)、
Ge(ゲルマニウム)、In(インジウム)、Mg(マ
グネシウム)、Ba(バリウム)、Ni(ニッケル)、
Si(シリコン)、Sn(錫)、W(タングステン)、
Zn(亜鉛)、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)
等、1種類以上の金属膜または合金膜あるいはこれらの
膜を積層してなる積層膜といった金属反射を利用した金
属反射材料、あるいは、前記金属の酸化物、窒化物、硫
化物、硝酸塩、硫酸塩膜といった可視光領域の光に対す
る吸収が小さく、かつ、透明電極の屈折率よりも小さな
屈折率を持つ材料の全反射等を利用した金属化合物反射
材料、あるいは、ポリピロール等の導電性高分子による
全反射等を利用した有機物反射材料、あるいは、少なく
とも前記金属粉末等の導電性微粒子を樹脂に分散させて
できる導電性樹脂の光反射を利用した樹脂等、あるい
は、前記導電性樹脂に白色顔料などを分散させてできる
白色樹脂の白色反射を利用した樹脂等などから、適宜選
択して用いることができる。また、非導電性の光の角度
変換手段材料としては、前記金属の酸化物、窒化物、硫
化物、硝酸塩、硫酸塩膜による全反射あるいは白色反射
等を利用した光反射材料、あるいは、空気、または、前
記金属の、酸化物、窒化物、フッ化物、硫化物、硝酸
塩、硫酸塩等からなるガラス、または、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル
スルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、
フッ素系樹脂等の有機物による可視光領域の光に対する
吸収が小さく、かつ、透明電極の屈折率よりも小さな屈
折率を持つ材料の全反射等を利用した無機あるいは有機
の透明膜、あるいは、前記金属またはその合金、酸化
物、窒化物、フッ化物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩等の金
属粉、もしくはその他の白色顔料を樹脂に分散させてで
きる白色樹脂の光反射を利用した白色樹脂等などから、
適宜選択して用いることができ、抵抗加熱蒸着、電子ビ
ーム蒸着、スパッタ法または電界重合法等の各種重合
法、ディップ法等により形成する。
【0059】また、ディスプレイ等の有機エレクトロル
ミネッセンス表示装置の場合、光の角度変換手段は、非
発光部である画素と画素の間に形成することで、各画素
の開口率を下げることなく、高効率な発光を得ることが
できる。
【0060】一般に透明電極は、透明基板上に形成され
ることが多いが、透明基板の厚さは数mm(ミリメート
ル)オーダーであり、正孔輸送層や発光層といった有機
層および透明電極などの膜厚に比較して十分に厚い。こ
のような構成の場合、透明基板中での光損失および光に
じみ・ぼけが大きく、透明電極に設けた光の角度変換手
段の効果を十分に得ることができない。
【0061】図1は本発明の実施の形態における有機エ
レクトロルミネッセンス素子の要部断面における代表的
な光線経路の模式図である。
【0062】図1を用いて、金属反射による光の角度変
換手段を設けた場合の光取り出し原理を示す。ただし、
図1中では光透過を分かりやすくするため、横方向を縮
小し、深さ方向を拡大して表現している。発光層中の点
Aから放射される光のように、従来構成であれば無駄に
なっていた光が、光の角度変換手段により素子前方へ放
射されるようになる。また、点Bから放射され、ITO
中を伝播している光のように、ITOを伝播した後、光
の角度変換手段により素子前方へ放射されるようにな
る。あるいは、点Cから放射される光のように、陰極で
反射され、光の角度変換手段を経由して素子前方へ放射
されるようになるものもある。ただし、透明基板を経由
する場合、点Bから浅い角度で放射される光のように、
画素とは関係ない位置から放射されたり、あるいは、本
来の画素とは異なる画素の光の角度変換手段を経由する
ことで、異なった位置にある画素から光が放射されたり
する。また、あるいは、破線で示されるように透明基板
中を反射しながら素子外部へ取り出されない光も存在す
る。
【0063】したがって、有機エレクトロルミネッセン
ス素子において、光の角度変換手段による効果を積極的
に利用し、かつ、光のにじみ、ぼけの影響を減らすため
には、発光層から放射される光は、発光層および光透過
性電極および光透過性基板のみを透過して、空気中へ取
り出される事が好ましく、光透過性基板の膜厚は、50
0μm(マイクロメートル)以下であることが好まし
く、あるいは、光透過性基板の空気に対する比屈折率は
1.5以上であることが好ましい。このような構成にお
いて、発光層から放射される光は、透明基板内部での損
失を減らすことができ、また、透明基板内部を通過する
ことにより生じる光にじみ・ぼけといった影響を減らす
ことができる。
【0064】前述した光にじみ防止、および、高効率化
の要求を満たすためには、光透過性基板中における、光
の取出し方向に対して垂直な方向への伝播距離を抑制す
る必要がある。光の取出し方向に対して垂直方向への光
の伝播距離を抑制するためには、光透過性基板は十分に
薄いことが望ましく、あるいは、光透過性基板の空気に
対する比屈折率は大きいことが望ましい。つまり、光に
じみを防止するため、あるいは、光透過性電極に設けた
高効率化手段を効果的に活用するためには、光透過性電
極から光透過性基板内へ透過した光が、光透過性基板と
空気との界面において反射され、再び光透過性電極との
界面に戻ってくるまでの間に、光が隣の画素などに移ら
ないことが必要である。そのため、光透過性基板の厚さ
は十分に薄いことが好ましく、あるいは、光透過性基板
の空気に対する比屈折率は十分に大きいことが好まし
い。例えば、一般に光透過性基板として用いられている
ガラス基板よりも空気に対する比屈折率の大きな材料か
らなる基板であれば、1つの画素の大きさが300μm
程度であることを考慮すると、光透過性基板の厚さが5
00μm以下であれば、光にじみの影響は小さく、光透
過性電極中に設けた光の角度変換手段を効果的に利用す
ることができる。また、一般に用いられる数mm(ミリ
メートル)程度の厚さの基板よりも薄い基板であれば、
光透過性基板の空気に対する比屈折率が1.5以上であ
れば、光にじみの影響は小さく、光透過性電極中に設け
た光の角度変換手段を効果的に利用することができる。
つまり、光透過性基板の厚さが100μm以下であれ
ば、あるいは、光透過性基板の空気に対する比屈折率が
1.5以上であれば、実用に耐えうる視認性を確保し、
かつ、光の角度変換手段による効率向上の効果を得るこ
とができる。
【0065】あるいは、有機エレクトロルミネッセンス
素子において、光の角度変換手段による効果を最大限に
利用するためには、発光層から放射される光は、前記発
光層を含んだ有機層および前記光透過性電極および光透
過性基板のみを透過して、空気中へ取り出され、前記光
透過性基板は、その内部に光の角度変換手段を有するこ
とが好ましく、あるいは、発光層を含んだ有機層は、そ
の側面に、反射率が50%以上である光反射手段を有す
ることが好ましい。このような構成において、発光層か
ら放射される光は、透明基板内部での損失を抑制するこ
とができ、あるいは、発光層を含む有機層内部での損失
を抑制することができ、光の角度変換手段の効果を最大
限に利用することができる。
【0066】前述したように、発光層から放射された光
は様々な経路を経由し、空気中へ取出されることにな
る。光透過性電極の厚みと発光部の幅とを考慮すると、
光の角度変換手段に到達する光は、発光部から直接入射
する光よりも、界面における反射を経由した後、入射す
る光の方が多いことが類推される。光透過性電極と光透
過性基板の界面において全反射を受ける角度の光は、主
に有機層と光透過性電極内を伝播することになる。した
がって、光透過性基板に設けた光の角度変換手段の効果
を最大限に利用するためには、前記の全反射を受ける光
の多くが、好ましくは、すべてが、光の角度変換手段に
到達する必要がある。そのためには、光透過性基板の内
部に光の角度変換手段を有することで、光透過性電極か
ら光透過性基板へ取出された光を有効に利用することが
でき、光透過性電極に設けられた光の角度変換手段の効
果を最大限に利用することができる。あるいは、有機層
の側面に、反射率が50%以上である光反射手段を有す
ることで、有機層から放射され損失する光を有効に利用
することができ、光透過性電極に設けられた光の角度変
換手段の効果を最大限に利用することができる。
【0067】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子の基板としては、基板上に透明電極を形成する場合は
透明あるいは半透明基板、基板上に透明電極の対向電極
を形成する場合は透明あるいは半透明あるいは不透明基
板を用いることができる。基板材料としては、透明また
は半透明のソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウ
ム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウ
ケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス
等の、無機酸化物ガラス、無機フッ化物ガラス、等の無
機ガラス、あるいは、透明または半透明のポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタク
リレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレー
ト、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の高分子フ
ィルム、あるいは、不透明のSi(シリコン)、Ge
(ゲルマニウム)、GaAs(ガリウム砒素)、InA
s(インジウム砒素)、GaSb(ガリウムアンチモ
ン)、InSb(インジウムアンチモン)等の無機半導
体基板、あるいは、不透明のFe(鉄)、Al(アルミ
ニウム)、Cu(銅)、Ag(銀)等の金属または合
金、金属化合物基板等、あるいは、不透明のプラスチッ
ク、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の高分子基板等が用
いられる。また、この基板表面、あるいは、基板内部に
は、有機エレクトロルミネッセンス素子を駆動するため
の抵抗・コンダクタ・インダクタ等からなる回路を形成
していても良い。
【0068】また、陽極としては、上述した透明電極を
陽極として用いることができる。その他にも、Cr(ク
ロム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Sn(錫)、
W(タングステン)、Au(金)等の仕事関数の大きな
金属、あるいはその合金、酸化物等を用いることがで
き、これら陽極材料を用いた複数の材料による積層構造
も用いることができる。ただし、陽極を透明電極として
用いない場合、光の角度変換手段の効果を最大限に利用
するためには、陽極は光を反射する材料で形成すること
が好ましい。
【0069】また、陽極に非晶質炭素膜を設けても良
い。この場合には、共に正孔注入電極としての機能を有
する。即ち、陽極から非晶質炭素膜を介して発光層或い
は正孔輸送層に正孔が注入される。また、非晶質炭素膜
は、陽極と発光層或いは正孔輸送層との間にスパッタ法
により形成されてなる。スパッタリングによるカーボン
ターゲットとしては、等方性グラファイト、異方性グラ
ファイト、ガラス状カーボン等があり、特に限定するも
のではないが、純度の高い等方性グラファイトが適して
いる。非晶質炭素膜が優れている点を具体的に示すと、
理研計器製の表面分析装置AC−1を使って、非晶質炭
素膜の仕事関数を測定すると、非晶質炭素膜の仕事関数
は、Wc=5.40eVである。ここで、一般に陽極と
してよく用いられているITOの仕事関数は、WITO
5.05eVであるので、非晶質炭素膜を用いた方が発
光層或いは正孔輸送層に効率よく正孔を注入できる。ま
た、非晶質炭素膜をスパッタリング法にて形成する際、
非晶質炭素膜の電気抵抗値を制御するために、窒素ある
いは水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で反応性スパッ
タリングする。さらに、スパッタリング法などによる薄
膜形成技術では、膜厚を5nm以下にすると膜が島状構
造となり均質な膜が得られない。そのため、非晶質炭素
膜の膜厚が5nm以下では、効率の良い発光が得られ
ず、非晶質炭素膜の効果が期待できない。また、非晶質
炭素膜の膜厚を200nm以上とすると、膜の色が黒味
を帯び、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光が十
分に透過しなくなる。
【0070】また、発光層材料は、可視領域で蛍光特性
を有し、かつ成膜性の良い蛍光体からなるものが好まし
く、Alq3やBe−ベンゾキノリノール(BeBq2
の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2
−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾー
ル、4,4’−ビス(5,7−ベンチル−2−ベンゾオ
キサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス〔5,7−ジ
−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリ
ル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベン
チル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフィン、2,5−
ビス(〔5−α,α−ジメチルベンジル〕−2−ベンゾ
オキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−ジ
−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリ
ル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス
(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、
4,4’−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニ
ル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−
ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキ
サイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニ
ル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキ
サゾール系、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)
−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−
〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビ
ニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキ
シフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイ
ミダゾール系等の蛍光増白剤や、ビス(8−キノリノー
ル)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)
亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミ
ニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウ
ム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニ
ウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ
−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8
−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛−ビス(8−
ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8−ヒド
ロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオ
ン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、1,4−
ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−(3−
メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチル
スチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビ
ス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3
−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチ
ルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリルベンゼン
系化合物や、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラ
ジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、
2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジ
ン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、
2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジ
ン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラ
ジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタルイミド誘
導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾール誘導体
や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン誘導体
や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体や、芳
香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さらに、ア
ントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等も用い
られる。あるいは、ファク−トリス(2−フェニルピリ
ジン)イリジウム等の燐光発光材料を用いても良い。
【0071】また、発光層のみの単層構造の他に、正孔
輸送層と発光層又は発光層と電子輸送層の2層構造や、
正孔輸送層と発光層と電子輸送層の3層構造のいずれの
構造でもよい。但し、このような2層構造又は3層構造
の場合には、正孔輸送層と陽極が、又は電子輸送層と陰
極が接するように積層して形成される。なお、本発明に
おいて発光層は発光領域を有し、発光層のみの単層構
造、正孔輸送層と発光層又は発光層と電子輸送層の2層
構造、正孔輸送層と発光層と電子輸送層の3層構造の層
を包含する意味で有機層と呼んでいる。
【0072】そして、正孔輸送層としては、正孔移動度
が高く、透明で成膜性の良いものが好ましい。TPDの
他に、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタ
ロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシア
ニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビ
ス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘ
キサン、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルア
ミン、N,N,N’,N’−テトラキス(P−トリル)
−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−ト
リルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス(ジメチルア
ミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,
N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m
−トリル−4,N,N−ジフェニル−N,N’−ビス
(3−メチルフェニル)−1,1’−4,4’−ジアミ
ン、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ
−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルア
ミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’
−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベ
ン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オ
キサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリ
アリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラ
ゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニー
ルアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキ
サゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フ
ルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘
導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オ
リゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリ
ディン系化合物や、ポリ3−メチルチオフェン等の有機
材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子
中に低分子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高
分子分散系の正孔輸送層も用いられる。
【0073】また、電子輸送層としては、1,3−ビス
(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサ
ジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジア
ゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニ
ルキノン誘導体等が用いられる。
【0074】陰極は、電子を注入する電極であり、電子
を効率良く発光層或いは電子輸送層に注入することが必
要であり、仕事関数の小さいAl(アルミニウム)、I
n(インジウム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタ
ン)、Ag(銀)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロ
ンチウム)等の金属、あるいは、これらの金属の酸化物
やフッ化物およびその合金、積層体等が一般に用いられ
る。また、発光層或いは電子輸送層と接する界面に、仕
事関数の小さい金属を用いた光透過性の高い超薄膜を形
成し、その上部に透明電極を積層することで、透明陰極
を形成することも可能である。特に仕事関数の小さなM
g、Mg−Ag合金、特開平5−121172号公報記
載のAl−Li合金やSr−Mg合金あるいはAl−S
r合金、Al−Ba合金等あるいはLiO2/AlやL
iF/Al等の積層構造は陰極材料として好適である。
成膜方法としては抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパ
ッタ法が用いられる。ただし、陰極を透明電極として用
いない場合、光の角度変換手段の効果を最大限に利用す
るためには、陰極は光を反射する材料で形成することが
好ましい。
【0075】また、有機エレクトロルミネッセンス素子
を外気から遮断し、長時間安定性を保証するために素子
表面に保護膜を形成することもある。保護膜の材料とし
ては、SiON、SiO、SiN、SiO2、Al
23、LiF等の無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化
物からなる薄膜、あるいは、無機酸化物、無機窒化物、
無機フッ化物等、あるいは、それらの混合物等からなる
ガラス膜、あるいは、熱硬化性、光硬化性の樹脂や封止
効果のあるシラン系の高分子材料等が挙げられ蒸着やス
パッタリング等もしくは塗布法により形成される。
【0076】以下に本発明の実施の形態について説明す
る。
【0077】(実施の形態1)本発明の実施の形態にお
ける有機エレクトロルミネッセンス素子について述べ
る。
【0078】図2は、本発明の実施の形態における有機
エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0079】図2において、ガラス基板1、陽極2、正
孔輸送層3、発光層4、陰極5は従来の技術で説明した
ものと同様のものであるので、同一の符号を付して説明
を省略する。また、6は光の角度変換手段である。
【0080】本実施の形態における有機エレクトロルミ
ネッセンス素子は、透明電極である陽極2の内部に導電
性の光の角度変換手段6を備えている。そして、その光
の角度変換手段が、発光層から放射される光の角度を、
有機エレクトロルミネッセンス素子と空気との境界面に
おいて全反射を引き起こす臨界角よりも小さい角度に変
換するようになっていることが好ましい。光の角度変換
手段の構成材料、形成方法は上述した構成材料、形成方
法や従来公知の材料の中から、陽極の電気伝導を妨げな
い材料を適宜選択して用いることができる。更に、陽極
2の内部だけでなく、側面にも光の角度変換手段を設け
てもよい。また、透明電極は陽極に限定されるものでは
なく、陰極5を適宜透明電極として採用することができ
る。
【0081】なお、基板1、陽極2、正孔輸送層3、発
光層4、陰極5の構成材料、形成方法も上述した構成材
料、形成方法や従来公知のものを用いることができる。
基板1の材料はガラス等の透明材料に限定されるもので
はなく、基板1を光取り出し面としない場合には、不透
明材料を用いることも可能であり、有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の構成に応じて、適宜材料を採用するこ
とができる。また、陽極2、陰極5はいずれか一方が透
明電極を形成しており、他方は光反射電極を形成するこ
とが好ましい。
【0082】更に、本実施の形態においては、正孔輸送
層と発光層からなる二層構造の場合について説明した
が、その構造については前述のように特にこれに限定さ
れるものではない。
【0083】また、本実施の形態においては、基板上面
に陽極を形成する構造の場合について説明したが、その
構造については前述のように特にこれに限定されるもの
ではなく、基板上面に陰極を形成することも可能であ
る。
【0084】また、封止の形態については、保護膜を形
成して封止する等の適宜手段を採用することができる。
他に保護膜とシールド材等との組み合わせであっても何
等問題ない。
【0085】以上のように、本実施の形態によれば、従
来構成では無駄になっていた光を取り出すことができる
ため、光取り出し効率が向上し、高効率な発光性能を維
持する事ができる。
【0086】(実施の形態2)次に、本発明の有機エレ
クトロルミネッセンス素子を用いた表示装置について説
明する。
【0087】図3は、本発明の実施の形態における有機
エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示装置の概略
斜視図である。
【0088】図3において、基板1、陽極2、正孔輸送
層3、発光層4、陰極5、は、実施の形態1と同一の符
号を付してここでは説明を省略する。
【0089】本実施の形態においては、図3に示すよう
に、陽極2は線状にパターニングされており、これに略
直交する形で陰極5も同様に線状にパターニングされて
いる。
【0090】そして、この表示装置の陽極2をプラス
側、陰極5をマイナス側とし、図示しない駆動手段とし
ての駆動回路(ドライバ)に接続し、選択した陽極2、
陰極5に直流電圧または直流電流を印加すれば、直交す
る部分の発光層4が発光し、単純マトリックス方式の表
示装置として使用することができる。
【0091】本実施の形態においては、陽極2は、その
内部であって、陰極5と直交していない部分に、光の角
度変換手段6を含有するものである。このようなドット
マトリックスのような微小パターンを形成する場合で
は、光のにじみが視認性を阻害するため、ドットの大き
さに対する光の基板平面方向への広がりが問題になる。
したがって、光透過基板は、厚さが500μm以下であ
ることが好ましく、更に、光透過性基板材料の空気に対
する光の比屈折率が1.5以上であることが好ましい。
光透過性基板を形成する材料、形成方法は従来公知の材
料の中から適宜選択して用いることができる。
【0092】なお、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、
陰極5の構成材料、形成方法も上述した構成材料、形成
方法や従来公知のものを用いることができる。
【0093】以上のように、本実施の形態の表示装置に
おいても、従来構成では無駄になっていた光を取り出す
ことができるため、光取り出し効率が向上し、高効率な
発光性能を維持する事ができる。また、本実施の形態の
表示装置においては、光取り出し面における光透過性基
板中における光伝播を抑制することができるため、高効
率な発光性能を維持する事ができるとともに、光にじみ
等のない、視認性のよい表示装置を実現することが可能
である。
【0094】また、本実施の形態においては、単純マト
リックス方式の表示装置について説明したが、アクティ
ブマトリックス方式の表示装置でもよく、TFTに接続
されている透明電極の内部および側面に光の角度変換手
段を形成すればよい。その場合にも光取り出し面におけ
る光透過性膜の膜厚が薄い程、更なる取り出し効率およ
び視認性の向上が見込まれることは言うまでもない。
【0095】(実施の形態3)次に、本発明の有機エレ
クトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末について説
明する。図4は本発明の実施の形態における有機エレク
トロルミネッセンス素子を用いた表示装置を備えた携帯
端末を示す斜視図であり、図5は本発明の実施の形態に
おける有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた表示
装置を備えた携帯端末を示すブロック図である。図4及
び図5において、7は携帯端末、8は音声を音声信号に
変換するマイク、9は音声信号を音声に変換するスピー
カー、10はダイヤルボタン等から構成される操作部、
11は着信等を表示する表示部であり本発明の有機エレ
クトロルミネッセンスを用いた表示装置より構成されて
いる、12はアンテナ、13はマイク8からの音声信号
を送信信号に変換する送信部で、送信部13で作製され
た送信信号は、アンテナ12を通して外部に放出され
る。14はアンテナ12で受信した受信信号を音声信号
に変換する受信部で、受信部14で作成された音声信号
はスピーカー9にて音声に変換される。15は送信部1
3、受信部14、操作部10、表示部11を制御する制
御部である。
【0096】マイク8は、使用者(発信者)の通話時の
音声等が入力され、スピーカー9からは相手側の音声や
告知音が出力されて使用者(受信者)に伝達される。な
お、携帯端末として、ページャーを用いる場合には、マ
イクは特に設けなくてもよい。
【0097】更に、操作部10には、ダイヤルボタンと
してのテンキーや各種の機能キーを備えている。また、
テンキーや各種の機能キーだけでなく、文字キー等を備
えていてもよい。この操作部10から、電話番号、氏
名、時刻、各種機能の設定、Eメールアドレス、URL
等の所定のデータが入力される。更に操作部10は、こ
のようなキーボードによる操作だけでなく、ペン入力装
置、音声入力装置、磁気又は光学入力装置を用いてもよ
い。
【0098】表示部11は、操作部10から入力される
所定のデータやメモリに記憶された電話番号、Eメール
アドレス、URL等のデータ或いはキャラクタアイコン
等が表示される。
【0099】また、アンテナ12は、電波の送信か受信
の少なくとも一方を行う。なお、本実施の形態では、信
号の送信、受信を電波で行うので、アンテナ(ヘリカル
アンテナ、平面アンテナ等)を設けたが、光通信等を行
う場合には、発光素子や受光素子をアンテナの代わりに
設けてもよい。この場合には、発光素子で信号を他の通
信機器などに送信し、受光素子で外部からの信号を受信
する。
【0100】送信部13、受信部14は、それぞれ、音
声信号を送信信号に変換し、受信した受信信号を音声信
号に変換する。
【0101】更に、制御部15は、図示されていないC
PUやメモリ等を用いた従来公知の手法により構成され
ており、送信部13、受信部14、及び、操作部10、
表示部11を制御する。より具体的には、これら各部に
設けられた図示しない各制御回路、駆動回路等に命令を
与える。例えば、制御部15からの表示命令を受けた表
示制御回路は、表示駆動回路を駆動し、表示部11に表
示が行われる。
【0102】以下その動作の一例について説明する。
【0103】先ず、着信があった場合には、受信部14
から制御部15に着信信号を送出し、制御部15は、そ
の着信信号に基づいて、表示部11に所定のキャラクタ
等を表示させ、更に操作部10から着信を受ける旨のボ
タン等が押されると、信号が制御部15に送出されて、
制御部15は、着信モードに各部を設定する。即ちアン
テナ12で受信した信号は、受信部14で音声信号に変
換され、音声信号はスピーカー9から音声として出力さ
れると共に、マイク8から入力された音声は、音声信号
に変換され、送信部13を介し、アンテナ12を通して
外部に送出される。
【0104】次に、発信する場合について説明する。
【0105】まず、発信する場合には、操作部10から
発信する旨の信号が、制御部15に入力される。続いて
電話番号に相当する信号が操作部10から制御部15に
送られてくると、制御部15は送信部13を介して、電
話番号に対応する信号をアンテナ12から送出する。そ
の送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、
その旨の信号がアンテナ12を介し受信部14を通して
制御部15に送られると、制御部15は発信モードに各
部を設定する。即ちアンテナ12で受信した信号は、受
信部14で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー
9から音声として出力されると共に、マイク8から入力
された音声は、音声信号に変換され、送信部13を介
し、アンテナ12を通して外部に送出される。
【0106】なお、本実施の形態では、音声を送信受信
した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声
以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行
う携帯端末についても同様な効果を得ることができる。
【0107】このような本実施の形態による携帯端末に
おいては、高効率な発光性能を維持することができるた
め、バッテリー等の電力使用量を抑制することができ
る。これにより、携帯端末の長時間使用を可能にした
り、あるいは、バッテリーの小型化による軽量化を図る
ことが可能である。
【0108】
【実施例】(実施例1)ガラス基板上に膜厚160nm
のITO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材(東
京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法によ
り塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マス
ク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニ
ングした。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中に
浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のITO
膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、所定のパ
ターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニン
グ基板を得た。
【0109】次に、このパターニング基板上に、前述の
レジスト材をスピンコート法により塗布して、厚さ10
μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレ
ジスト膜を、少なくとも画素を形成する4辺が露出する
ようにパターニングした。次に、この基板を60℃で1
0%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていな
い部分の陽極を適当なテーパーがつくようにエッチング
した後、レジストの付着している表面に、2×10-6
orr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内に
て、光の角度変換手段としてCrを150nm蒸着し
た。その後、レジスト膜を除去し、Crからなる光の角
度変換手段を具備した所定の陽極パターンを得た。
【0110】次に、このパターニング基板を、洗剤(フ
ルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音
波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア
水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合し
た溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による
5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロア
ーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥
した。
【0111】次に、パターニング基板の陽極側の表面
に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗
加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50
nmの膜厚で形成した。
【0112】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正
孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚
で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共
に0.2nm/sであった。
【0113】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発
光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着
源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0114】(実施例2)高屈折率な透明樹脂からなる
300μmの厚さの透明基板上に、膜厚160nmのI
TO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材(東京応
化社製、OFPR−800)をスピンコート法により塗
布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マスク、露
光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングし
た。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中に浸漬し
て、レジスト膜が形成されていない部分のITO膜をエ
ッチングした後、レジスト膜も除去し、所定のパターン
のITO膜からなる陽極が形成されたパターニング基板
を得た。
【0115】次に、このパターニング基板上に、前述の
レジスト材をスピンコート法により塗布して、厚さ10
μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレ
ジスト膜を、少なくとも画素を形成する4辺が露出する
ようにパターニングした。次に、この基板を60℃で1
0%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていな
い部分の陽極を適当なテーパーがつくようにエッチング
した後、レジストの付着している表面に、2×10-6
orr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内に
て、光の角度変換手段としてCrを150nm蒸着し
た。その後、レジスト膜を除去し、画素を形成する4辺
にCrからなる光の角度変換手段を具備した所定の陽極
パターンを得た。
【0116】次に、このパターニング基板を、洗剤(フ
ルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音
波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア
水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合し
た溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による
5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロア
ーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥
した。
【0117】次に、パターニング基板の陽極側の表面
に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗
加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50
nmの膜厚で形成した。
【0118】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正
孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚
で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共
に0.2nm/sであった。
【0119】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発
光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着
源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0120】(実施例3)ガラス基板上に膜厚160n
mのITO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材
(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法
により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マ
スク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパター
ニングした。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中
に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のIT
O膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、所定の
パターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニ
ング基板を得た。
【0121】次に、このパターニング基板上に、前述の
レジスト材をスピンコート法により塗布して、厚さ5μ
mのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジ
スト膜を陽極表面に複数の半径1μm以下の円形露出す
る形状にパターニングした。次に、この基板を60℃で
10%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されてい
ない部分の陽極を適当なテーパーがつくようにエッチン
グした後、レジストの付着している表面に、2×10-6
Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内
にて、光の角度変換手段としてCrを150nm蒸着し
た。その後、レジスト膜を除去し、Crからなる光の角
度変換手段を内部に具備した所定の陽極パターンを得
た。
【0122】次に、このパターニング基板を、洗剤(フ
ルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音
波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア
水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合し
た溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による
5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロア
ーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥
した。
【0123】次に、パターニング基板の陽極側の表面
に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗
加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50
nmの膜厚で形成した。
【0124】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正
孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚
で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共
に0.2nm/sであった。
【0125】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発
光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着
源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0126】(実施例4)ガラス基板の表面に、ブラス
ト法を用いて所定の形状にパターニングを施した。その
後、ブラストにより得られた溝を埋めるように、パター
ニングされた表面に低屈折率樹脂を塗布、硬化させた
後、表面を研磨し、所定の形状にパターニングされた光
の角度変換手段を内部にもつガラス基板を形成した。
【0127】このようにして得られたパターニングガラ
ス基板上に、膜厚160nmのITO膜を形成する。そ
の後、実施例1と同様の材料、同様の方法で、所定のパ
ターンのITO膜からなる光の角度変換手段の形成され
た陽極からなるパターニング基板を得た。
【0128】次に、このパターニング基板を、洗剤(フ
ルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音
波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア
水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合し
た溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による
5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロア
ーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥
した。
【0129】次に、パターニング基板の陽極側の表面
に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗
加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50
nmの膜厚で形成した。
【0130】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正
孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚
で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共
に0.2nm/sであった。
【0131】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発
光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着
源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0132】(実施例5)ガラス基板上に膜厚160n
mのITO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材
(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法
により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マ
スク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパター
ニングした。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中
に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のIT
O膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、所定の
パターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニ
ング基板を得た。
【0133】次に、このパターニング基板上に、前述の
レジスト材をスピンコート法により塗布して、厚さ10
μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレ
ジスト膜を、少なくとも画素を形成する4辺が露出する
ようにパターニングした。次に、この基板を60℃で1
0%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていな
い部分の陽極を適当なテーパーがつくようにエッチング
した後、レジストの付着している表面に、2×10-6
orr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内に
て、光の角度変換手段および有機層の光反射層としてC
rを400nm蒸着した。その後、レジスト膜を除去
し、Crからなる光の角度変換手段および有機層の光反
射層を具備した所定の陽極パターンを得た。
【0134】次に、このパターニング基板を、洗剤(フ
ルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音
波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア
水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合し
た溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による
5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロア
ーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥
した。
【0135】次に、パターニング基板の陽極側の表面
に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗
加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50
nmの膜厚で形成した。
【0136】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正
孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚
で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共
に0.2nm/sであった。
【0137】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発
光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着
源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0138】(比較例1)実施例1と同様に、ガラス基
板上に膜厚160nmのITO膜を形成した後、ITO
膜上にレジスト材(東京応化社製、OFPR−800)
をスピンコート法により塗布して厚さ10μmのレジス
ト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所
定の形状にパターニングした。次に、このフィルム基板
を60℃で50%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形
成されていない部分のITO膜をエッチングした後、レ
ジスト膜も除去し、所定のパターンのITO膜からなる
陽極が形成されたパターニング基板を得た。
【0139】次に、このパターニング基板を、洗剤(フ
ルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音
波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア
水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合し
た溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による
5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロア
ーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥
した。
【0140】次に、パターニング基板の陽極側の表面
に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗
加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50
nmの膜厚で形成した。
【0141】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正
孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚
で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共
に0.2nm/sであった。
【0142】次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発
光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着
源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0143】このようにして得られた実施例1〜4及び
比較例1の有機エレクトロルミネッセンス素子を駆動し
て発光させ、評価テストを実施した。
【0144】そのテスト結果を(表1)に示す。
【0145】
【表1】
【0146】ここで、(表1)の評価項目における評価
方法及びその評価基準について説明する。
【0147】素子の発光効率は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に一定電流を流したときの発光輝度を評価
した。評価は、比較例1の発光輝度を100としたとき
の、輝度の相対値と◎、○、△の三段評価であり、その
評価基準は、◎:非常に優れている、○:優れている、
△:許容できる、である。
【0148】発光面の視認性は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を1辺が300μmの正方形の画素からな
る表示装置としたときの、光のにじみ、ぼけについて、
視認性の程度を目視にて評価した。評価は、◎、○、△
の三段階評価であり、その評価基準は、◎:非常に優れ
ている、○:優れている、△:許容できる、である。
【0149】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、有機エ
レクトロルミネッセンス素子の光透過性電極は、その内
部に前記発光層から放射される光の角度変換手段を含有
する構成とすることで、にじみやぼけがなく視認性の良
い、高効率の発光輝度特性を有する有機エレクトロルミ
ネッセンス素子及びその製造方法、それを用いた表示装
置及び携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子の要部断面における代表的な光線経路
の模式図
【図2】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子の要部断面図
【図3】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子を用いた表示装置の概略斜視図
【図4】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子を用いた表示装置を備えた携帯端末を
示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態における有機エレクトロル
ミネッセンス素子を用いた表示装置を備えた携帯端末を
示すブロック図
【図6】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の要
部断面図
【図7】従来の有機エレクトロルミネセンス素子の要部
断面における代表的な光線経路の模式図
【図8】従来の有機エレクトロルミネセンス素子を用い
た表示装置の要部断面図
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 陽極 3 正孔輸送層 4 発光層 5 陰極 6 光の角度変換手段 7 携帯端末 8 マイク 9 スピーカー 10 操作部 11 表示部 12 アンテナ 13 送信部 14 受信部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/26 H05B 33/26 Z (72)発明者 小松 隆宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 行徳 明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB18 BA06 CA00 CA01 CB01 CC01 DA01 DB03 EB00 FA00

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、少なくとも、正孔を注入する陽
    極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極
    とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であっ
    て、前記陽極または陰極のうち、少なくとも一方の電極
    が光透過性を具備し、前記光透過性電極は、導電性部材
    からなる、前記発光層から放射される光の角度変換手段
    を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  2. 【請求項2】少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領
    域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機
    エレクトロルミネッセンス素子であって、前記陽極もし
    くは陰極のうち、少なくとも一方の電極が光透過性を具
    備し、前記光透過性電極は、少なくとも導電性部材から
    なる前記発光層から放射される光の角度変換手段を含有
    し、かつ、光透過性電極は、その側面に、前記発光層か
    ら放射される光の角度変換手段を有することを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領
    域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機
    エレクトロルミネッセンス素子であって、前記陽極もし
    くは陰極のうち、少なくとも一方の電極が光透過性を具
    備し、前記光透過性電極は、少なくともその内部に、導
    電性部材からなる、前記発光層から放射される光の角度
    変換手段を有することを特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子。
  4. 【請求項4】少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領
    域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機
    エレクトロルミネッセンス素子であって、前記陽極もし
    くは陰極のうち、少なくとも一方の電極が光透過性を具
    備し、前記発光層を含んだ有機層は、その側面に、光反
    射手段を有することを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  5. 【請求項5】請求項1〜3いずれか1記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子であって、前記光の角度変換手
    段は、前記発光層から放射される光の角度を、有機エレ
    クトロルミネッセンス素子と空気との境界面において全
    反射を引き起こす臨界角よりも小さい角度、さらに好ま
    しくは、空気との境界面における法線近傍の角度に、変
    換することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子。
  6. 【請求項6】請求項1〜3いずれか1記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子であって、前記光の角度変換手
    段は、前記発光層より放射された光のうち、前記光透過
    性電極における発光層と形成される界面と対向する側の
    界面において全反射を引き起こす光について、その光の
    角度を、有機エレクトロルミネッセンス素子と空気との
    境界面において全反射を引き起こす臨界角よりも小さい
    角度、さらに好ましくは、空気との境界面における法線
    近傍の角度に、変換することを特徴とする有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】請求項4記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子であって、前記有機層の側面に設けられた光反
    射手段の高さは、前記有機層の高さよりも高いことを特
    徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 【請求項8】請求項4〜7いずれか1記載の有機エレク
    トロルミネッセンス素子であって、前記光透過性電極に
    対向する電極は、可視光領域における反射率が50%以
    上であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
    ス素子。
  9. 【請求項9】請求項8記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子であって、前記発光層から放射される光は、前
    記発光層を含んだ有機層および前記光透過性電極および
    光透過性基板のみを透過して、空気中へ取り出され、前
    記光透過性基板の空気に対する比屈折率は1.5以上で
    あることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  10. 【請求項10】請求項8記載の有機エレクトロルミネッ
    センス素子であって、前記発光層から放射される光は、
    前記発光層を含んだ有機層および前記光透過性電極およ
    び光透過性基板のみを透過して、空気中へ取り出され、
    前記光透過性基板の厚さは500μm以下であることを
    特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 【請求項11】請求項8記載の有機エレクトロルミネッ
    センス素子であって、前記発光層から放射される光は、
    前記発光層を含んだ有機層および前記光透過性電極およ
    び光透過性基板のみを透過して、空気中へ取り出され、
    前記光透過性基板は、その内部に光の角度変換手段を有
    することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  12. 【請求項12】請求項8記載の有機エレクトロルミネッ
    センス素子であって、前記発光層を含んだ有機層は、そ
    の側面に、反射率が50%以上である光反射手段を有す
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  13. 【請求項13】前記陽極がストライプ状に個々電気的に
    分離され、前記陰極がストライプ状に個々電気的に分離
    されて構成されて、画像表示配列を有する事を特徴とす
    る請求項1〜12いずれか1記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス表示装置。
  14. 【請求項14】前記陽極、あるいは、前記陰極のいずれ
    かが、個々電気的に画素毎に分離されて構成されて、前
    記分離された電極は、少なくとも1つ以上のスイッチン
    グ素子を介して走査されることで、画像表示配列を有す
    る事を特徴とする請求項1〜12いずれか1記載の有機
    エレクトロルミネッセンス表示装置。
  15. 【請求項15】請求項13、14いずれか1記載の有機
    エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記光の
    角度変換手段は、前記陽極と前記陰極によって形成され
    る画素において、前記画素と画素の間の非発光部に形成
    されてなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス表示装置。
  16. 【請求項16】音声を音声信号に変換する音声信号変換
    手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や
    電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を送信信号
    に変換する通信手段と、受信信号を音声信号に変換する
    受信手段と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信す
    るアンテナと、各部を制御する制御手段を備えた携帯端
    末であって、前記表示手段が請求項13〜15いずれか
    1記載の表示装置から構成された事を特徴とする携帯端
    末。
  17. 【請求項17】請求項1〜16いずれか1記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、パタ
    ーニングされた光透過性電極上に除去可能なパターン形
    成手段を形成し、前記パターン形成手段を保持したま
    ま、順次、光透過性基板の加工、光の角度変換手段の成
    膜することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス
    素子の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項1〜16いずれか1記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、パタ
    ーニングされた光透過性電極上に除去可能なパターン形
    成手段を形成し、前記パターン形成手段を保持したま
    ま、順次、光の角度変換手段、対向電極を分割するため
    の隔壁を成膜することを特徴とする有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子の製造方法。
  19. 【請求項19】基板上に、少なくとも、正孔を注入する
    陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰
    極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であっ
    て、前記陽極または陰極の少なくとも一方が光透過性電
    極であり、前記光透過性電極は、前記発光層から放射さ
    れる光の角度変換手段を含有すると共に、前記角度変換
    手段は導電性を有することを特徴とする有機エレクトロ
    ルミネッセンス素子。
  20. 【請求項20】前記光透過性電極は、その側面に、前記
    発光層から放射される光の角度変換手段を有することを
    特徴とする請求項19記載の有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
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