JP4258154B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた画像形成装置、携帯端末、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた画像形成装置、携帯端末、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の表示装置や表示装置の光源又はバックライト、若しくは光通信機器に使用される発光素子等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子、それを用いた画像形成装置、携帯端末、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロルミネッセンス素子とは、固体蛍光性物質の電界発光を利用した発光デバイスであり、現在無機系材料を発光体として用いた無機エレクトロルミネッセンス素子が実用化され、液晶ディスプレイのバックライトやフラットディスプレイ等への応用展開が一部で図られている。しかし、無機エレクトロルミネッセンス素子は発光させるために必要な電圧が100V以上と高く、しかも青色発光が難しいため、RGBの三原色によるフルカラー化が困難である。また、無機エレクトロルミネッセンス素子は、発光体として用いる材料の屈折率が非常に大きいため、界面での全反射等の影響を強く受け、実際の発光に対する空気中への光の取り出し効率が10〜20%程度と低く高効率化が困難である。
【0003】
一方、有機材料を用いたエレクトロルミネッセンス素子に関する研究も古くから注目され、様々な検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪いことから本格的な実用化研究へは進展しなかった。
【0004】
しかし、1987年にコダック社のC.W.Tangらにより、有機材料を正孔輸送層と発光層の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が提案され、10V以下の低電圧にもかかわらず1000cd/m2以上の高い発光輝度が得られることが明らかとなった〔C.W.Tang and S.A.Vanslyke:Appl.Phys.Lett、51(1987)913等参照〕。これ以降、有機エレクトロルミネッセンス素子が俄然注目され始め、現在も同様な機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子についての研究が盛んに行われており、特に有機エレクトロルミネッセンス素子の実用化のためには不可欠である高効率化・長寿命化についても十分検討がなされており、近年、有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイ等が実用化されている。
【0005】
ここで、従来の一般的な有機エレクトロルミネッセンス素子の構成について図11を用いて説明する。
【0006】
図11は従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0007】
図11において、1は基板、2は陽極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極である。
【0008】
図11に示すように有機エレクトロルミネッセンス素子は、ガラス等で構成された基板上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成されたITO等の透明な導電性膜からなる陽極2と、陽極2上に同じく抵抗加熱蒸着法等により形成されたN、N’−ジフェニル−N、N’−ビス(3−メチルフェニル)−1、1’−ジフェニル−4、4’−ジアミン(以下、TPDという)等からなる正孔輸送層3と、正孔輸送層3上に抵抗加熱蒸着法等により形成された8−Hydroxyquinoline Aluminum(以下、Alq3という)等からなる発光層4と、発光層4上に抵抗加熱蒸着法等により形成された100nm〜300nmの膜厚の金属膜からなる陰極5とを備えている。
【0009】
上記構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極2をプラス極として、また陰極5をマイナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽極2から正孔輸送層3を介して発光層4に正孔が注入され、陰極5から発光層4に電子が注入される。発光層4では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こる。
【0010】
図6は有機エレクトロルミネッセンス素子における駆動時間と相対輝度の関係を示すグラフである。図6においては、初期輝度3種についての輝度変化を示している。
【0011】
図7は有機エレクトロルミネッセンス素子における駆動時間と輝度の関係を示すグラフである。図6に示すように、輝度が高くなるにつれて、素子の駆動時間、つまり寿命は短くなる。また、図7に示すように輝度を高くするためには駆動電圧を大きくしなければならない。このため長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を実現するためには、輝度を低くし、発光効率を高くすることが重要である。しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子を実用化するためには、十分な輝度が必要であるため、単に輝度を下げることは有効ではない。
【0012】
以上、述べたように、有機エレクトロルミネッセンス素子は輝度と寿命に相関がある。そこで、輝度向上と長寿命の両方を十分に満たす有機エレクトロルミネッセンス素子が求められている。
【0013】
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子としては、特許2773720号公報に、セグメントやドット表示等の光源に用いる有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子が開示され、基板の光取り出し側にレンズ構造を形成することで光取り出し効率を向上させる有機薄膜エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【0014】
また、特開平10−189251号公報に、有機エレクトロルミネッセンス素子等を用いるディスプレイ装置が開示され、透明基板内に光出射角度を変換する手段を形成することが記載されている。
【0015】
また、特開平10−308286号公報に、民生用、工業用の表示機器、カラーディスプレイに好適に用いられる有機エレクトロルミネッセンス発光装置が開示され、下部電極側面に光反射層を形成することで、光取り出し効率を向上させる有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の有機エレクトロルミネッセンス素子では、以下の課題を有していた。
【0017】
(1)光の取り出し効率は向上しているが、輝度向上と長寿命の両方を十分に満たしてはおらず長寿命化がなされていないという課題を有していた。
【0018】
(2)微小画素の集合体により構成されるディスプレイ等の画像形成装置として用いた場合、画素面積における開口部および発光部の面積は小さくなり、高い輝度で発光させる必要があるという課題を有していた。
【0019】
(3)素子構造による長寿命化は図られていないという課題を有していた。
【0020】
(4)光の配向が変化することにより、視野角の低下等の視認性が低下するという課題を有していた。
【0021】
(5)特にフルカラーディスプレイ等に用いる場合、各色毎の視野角が異なるため、色ズレが生じる等の課題を有していた。
【0022】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の提供、長寿命で高い発光性能を維持することができる画像形成装置の提供、重量が軽く使用時間が長い携帯端末の提供、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた発光部を具備し、前記発光部が基板表面に形成された凹凸構造上に設けられ、該発光部の面積が前記発光層からの光を取り出す光取り出し面の面積よりも大きく形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記凹凸構造上には、陽極又は陰極の一方が形成されて、該陽極又は陰極の一方が前記発光層で発光した光を反射する反射電極とされ、且つ、前記陽極又は陰極の他方が前記一方の上に配置された前記発光層の上に前記反射電極に対向して形成されて透明電極とされ、前記透明電極の上方には、流動性を有する透明接着剤又は透明レジスト材料、あるいはこれらを複合化させた透明材料を流し込んで硬化させ、光取り出し面が平面にされた透明平坦化構造体が形成され、前記凹凸構造の屈折率が、1.7〜1.9であり、前記凹凸構造の面の角度を、前記基板の法線方向に対して120°とした構成よりなる。
【0024】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
【0025】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層を含む発光部は、発光層からの光を取り出す開口部に対して非平行な関係にある面に形成されている構成よりなる。
【0026】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。
【0027】
また、本発明の画像形成装置は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層を含む発光部の面積は、発光層からの光を取り出す開口部の面積よりも大きく形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離され、1つ以上の画素からなる画像表示配列を有する構成よりなる。
【0028】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を提供することができる。
【0029】
また、本発明の画像形成装置は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層を含む発光部の面積は、発光層からの光を取り出す開口部の面積よりも大きく形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有する構成よりなる。
【0030】
この構成により、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を提供することができる。
【0031】
また、本発明の携帯端末は、音声を音声信号に変換する音声信号変換部と、電話番号等を入力する操作部と、着信表示や電話番号等を表示する表示部と、音声信号を送信信号に変換する送信部と、受信信号を音声信号に変換する受信部と、送信信号及び受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御部とを備えた携帯端末であって、表示手段が、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層を含む発光部の面積は、発光層からの光を取り出す開口部の面積よりも大きく形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離され、1つ以上の画素からなる画像表示配列を有する、又は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層を含む発光部の面積は、発光層からの光を取り出す開口部の面積よりも大きく形成されている有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有する、画像形成装置を備えた構成よりなる。
【0032】
この構成により、重量が軽く、使用時間が長い携帯端末を提供することができる。
【0034】
この構成により、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0035】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に、フッ化ガラス又は高屈折樹脂、無機酸化物、透明レジスト材料、透明接着剤からなる屈折率が1.7〜1.9であって、面の角度を、前記基板の法線方向に対して120°とした凹凸構造を形成し、その上面に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成し、さらにその上面に、流動性を有する透明接着剤又は透明レジスト材料、あるいはこれらを複合化させた透明材料を流し込んで硬化させることにより光取り出し面が平面になった平坦化構造を形成する構成よりなる。
【0036】
この構成により、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子は、正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた発光部を具備し、前記発光部が基板表面に形成された凹凸構造上に設けられ、該発光部の面積が前記発光層からの光を取り出す光取り出し面の面積よりも大きく形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記凹凸構造上には、陽極又は陰極の一方が形成されて、該陽極又は陰極の一方が前記発光層で発光した光を反射する反射電極とされ、且つ、前記陽極又は陰極の他方が前記一方の上に配置された前記発光層の上に前記反射電極に対向して形成されて透明電極とされ、前記透明電極の上方には、流動性を有する透明接着剤又は透明レジスト材料、あるいはこれらを複合化させた透明材料を流し込んで硬化させ、光取り出し面が平面にされた透明平坦化構造体が形成され、前記凹凸構造の屈折率が、1.7〜1.9であり、前記凹凸構造の面の角度を、前記基板の法線方向に対して120°とした構成としている。
【0038】
この構成により、以下のような作用が得られる。
【0039】
(1)光を取り出す開口部の面積に対して、発光部の面積を大きくすることで、実効的な輝度を実用レベルに保ったまま、発光部における輝度を小さくすることができる。
【0040】
(2)発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持できる。
【0041】
(3)従来の低輝度であるが長寿命である発光層を用いて、高輝度の有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0042】
(4)従来の高輝度であるが短寿命である発光層、特に輝度上昇に対して寿命低下の著しい発光層を用いて、長寿命の有機エレクロトルミネッセンス素子を作成することができる。
【0043】
(5)発光層の配置を工夫することで、更に高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0044】
なお、本発明における開口部とは、有機エレクトロルミネッセンス素子における発光部からの発光を、空気中へ取り出す面のことであり、発光部とは、発光層を含む実際に発光の生じる面のことである。
【0045】
ここで、基板としては、透明あるいは半透明基板を用いることができ、基板と反対側の面を開口部とするような場合には、不透明基板を用いることができる。
【0046】
基板材料としては、透明または半透明のソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラス等の、無機酸化物ガラス、無機フッ化物ガラス、等の無機ガラス、あるいは、透明または半透明のポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の高分子フィルム等、あるいは、透明または半透明のAs23、As4010、S40Ge10等のカルコゲノイドガラス、ZnO、Nb25、Ta25、SiO、Si34、HfO2、TiO2等の金属酸化物および窒化物等の材料、あるいは、不透明のシリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体材料、あるいは、顔料等を含んだ前記透明基板材料、表面に絶縁処理を施した金属材料、等から適宜選択して用いることができ、複数の基板材料を積層した積層基板を用いることもできる。また、この基板表面、あるいは、基板内部には、有機エレクトロルミネッセンス素子を駆動するための抵抗・コンデンサ・インダクタ・ダイオード・トランジスタ等からなる回路を形成していても良い。
【0047】
陽極としては、透明電極を用いることができる。透明電極の材料としては、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物、あるいは、SnO:Sb(アンチモン)、ZnO:Al(アルミニウム)といった混合物からなる透明導電膜や、あるいは、透明度を損なわない程度の厚さのAl(アルミニウム)、Cu(銅)、Ti(チタン)、Ag(銀)といった金属薄膜や、これら金属の混合薄膜、積層薄膜といった金属薄膜や、あるいは、ポリピロール等の導電性高分子等を用いることができる。また、複数の前述透明電極材料を積層することで透明電極とすることも可能であり、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ法または電界重合法等の各種の重合法等により形成する。また、透明電極は、十分な導電性を持たせるため、または、基板表面の凹凸による不均一発光を防ぐために、1nm以上の厚さにすることが望ましい。また、十分な透明性を持たせるために500nm以下の厚さにすることが望ましい。
【0048】
更に、陽極としては、前記透明電極以外にも、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Sn(錫)、W(タングステン)、Au(金)等の仕事関数の大きな金属、あるいはこれらの金属を含む合金、酸化物等を用いることができ、これら陽極材料を用いた複数の材料による積層構造も用いることができる。
【0049】
なお、陽極として透明電極を用いない場合には、陰極が透明電極であればよい。その場合には、陽極は光を反射する材料で形成することが好ましく、あるいは、外光の影響を最小限に押さえるために、陽極は光を吸収する材料で形成することが好ましい。
【0050】
また、陽極に非晶質炭素膜を設けても良い。この場合には、共に正孔注入電極としての機能を有する。即ち、陽極から非晶質炭素膜を介して発光層あるいは正孔輸送層に正孔が注入される。また、非晶質炭素膜は、陽極と発光層あるいは正孔輸送層との間にスパッタ法により形成されてなる。スパッタリングによるカーボンターゲットとしては、等方性グラファイト、異方性グラファイト、ガラス状カーボン等があり、特に限定するものではないが、純度の高い等方性グラファイトが適している。非晶質炭素膜が優れている点を具体的に示すと、理研計器製の表面分析装置AC−1を使って、非晶質炭素膜の仕事関数を測定すると、非晶質炭素膜の仕事関数は、Wc=5.40eVである。ここで、一般に陽極としてよく用いられているITOの仕事関数は、WITO=5.05eVであるので、非晶質炭素膜を用いた方が発光層あるいは正孔輸送層に効率よく正孔を注入できる。また、非晶質炭素膜をスパッタリング法にて形成する際、非晶質炭素膜の電気抵抗値を制御するために、窒素あるいは水素とアルゴンの混合ガス雰囲気下で反応性スパッタリングする。さらに、スパッタリング法などによる薄膜形成技術では、膜厚を5nm以下にすると膜が島状構造となり均質な膜が得られない。そのため、非晶質炭素膜の膜厚が5nm以下では、効率の良い発光が得られず、非晶質炭素膜の効果が期待できない。また、非晶質炭素膜の膜厚を200nm以上とすると、膜の色が黒味を帯び、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光が十分に透過しなくなる。
【0051】
また、発光層の材料としては、可視領域で蛍光特性を有し、かつ成膜性の良い蛍光体からなるものが好ましく、Alq3やBe−ベンゾキノリノール(BeBq2)の他に、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4’−ビス(5,7−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4’−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ベンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフィン、2,5−ビス(〔5−α,α−ジメチルベンジル〕−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル〕−3,4−ジフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4’−ビス(2−ベンゾオキサイゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−〔2−〔4−(5−メチル−2−ベンゾオキサイゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾオキサイゾリル、2−〔2−(4−クロロフェニル)ビニル〕ナフト〔1,2−d〕オキサゾール等のベンゾオキサゾール系、2,2’−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−〔2−〔4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル〕ビニル〕ベンゾイミダゾール、2−〔2−(4−カルボキシフェニル)ビニル〕ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系等の蛍光増白剤や、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、ポリ〔亜鉛−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリノニル)メタン〕等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオン等の金属キレート化オキシノイド化合物や、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)2−メチルベンゼン等のスチリルベンゼン系化合物や、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ナフチル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス〔2−(4−ビフェニル)ビニル〕ピラジン、2,5−ビス〔2−(1−ピレニル)ビニル〕ピラジン等のジスチルピラジン誘導体や、ナフタルイミド誘導体や、ペリレン誘導体や、オキサジアゾール誘導体や、アルダジン誘導体や、シクロペンタジエン誘導体や、スチリルアミン誘導体や、クマリン系誘導体や、芳香族ジメチリディン誘導体等が用いられる。さらに、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン等も用いられる。あるいは、ファク−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等の燐光発光材料を用いても良い。
【0052】
陰極は、電子を注入する電極であり、電子を効率良く発光層あるいは電子輸送層に注入することが必要であり、仕事関数の小さいAl(アルミニウム)、In(インジウム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタン)、Ag(銀)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)等の金属、あるいは、これらの金属の酸化物やフッ化物およびその合金、積層体等が一般に用いられる。陽極が透明電極である場合、その対向電極となる陰極は光を反射する材料で形成することが好ましく、あるいは、外光の影響を最小限に押さえるために、陰極は光を吸収する材料で形成することが好ましい。
【0053】
また、陰極としては、発光層あるいは電子輸送層と接する界面に、仕事関数の小さい金属を用いた光透過性の高い超薄膜を形成し、その上部に透明電極を積層することで、透明陰極を形成することも可能である。特に仕事関数の小さなMg、Mg−Ag合金、特開平5−121172号公報記載のAl−Li合金やSr−Mg合金あるいはAl−Sr合金、Al−Ba合金等あるいはLiO2/AlやLiF/Al等の積層構造は陰極材料として好適である。
【0054】
更に、これら陰極の成膜方法としては抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ法が用いられる。
【0055】
また、発光層のみの単層構造の他に、正孔輸送層と発光層又は発光層と電子輸送層の2層構造や、正孔輸送層と発光層と電子輸送層の3層構造のいずれの構造でもよい。但し、このような2層構造又は3層構造の場合には、正孔輸送層と陽極が、又は電子輸送層と陰極が接するように積層して形成される。
【0056】
ここで、正孔輸送層としては、正孔移動度が高く、透明で成膜性の良いものが好ましい。TPDの他に、ポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−m−トリル−4,N,N−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−4,4’−ジアミン、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ3−メチルチオフェン等の有機材料が用いられる。また、ポリカーボネート等の高分子中に低分子の正孔輸送層用の有機材料を分散させた、高分子分散系の正孔輸送層も用いられる。
【0057】
また、電子輸送層としては、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体等が用いられる。
【0058】
なお、陽極及び陰極は少なくとも一方が透明電極であればよい。更に、共に透明電極であってもよいが、光の取り出し効率を向上させるためには、一方が透明電極であれば、他方が光を反射する材料で形成することが好ましい。また、外光による影響を最小限に押さえるためには、一方が透明電極であれば、他方が光を吸収する材料、あるいは、光を透過する材料と光を吸収する材料の組合せで形成することが好ましい。
【0059】
ここで、本発明における有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する材料の透明とは、半透明であることを含むものであって、少なくとも有機エレクトロルミネッセンス素子による発光の視認を妨げない程度の透明性を示すものである。
【0060】
請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、発光層を含む発光部は、発光層からの光を取り出す開口部に対して非平行な関係にある面に形成されている構成でもあり、この構成により、(1)発光層からの光を取り出す開口部に対して非平行な関係にある面に形成されているので、光の取り出し効率を向上させることができ、高効率な発光性能を維持することができる。
【0061】
(2)光の取り出し効率を向上させることができるため、発光部における輝度を低くすることができ、長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
【0062】
(3)非平行面に形成することで、面積が増大し、発光部における輝度を更に低くすることができるので、さらに長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
【0063】
(3)発光部を非平行な関係にある面に形成する製造方法は簡単であるため、生産性が高くなる。
【0064】
(4)発光面を自由にレイアウトすることができるため、発光部の面積を増加させることが容易である。
【0065】
(5)発光面を自由にレイアウトすることができるため、発光材料に応じて、寿命優先、若しくは、効率優先等の設計の最適化を図ることができる。
という作用が得られる。
【0066】
ここで、発光層を含む発光部の面積は、発光層からの光を取り出す開口部の面積よりも大きく形成される有機エレクトロルミネッセンス素子は、開口部と発光部が平行な関係にある場合、複数の光透過型の素子を積層する等の方法があるが、製造方法が煩雑になるため、より簡単にこのような構成を実現するためには、開口部に対して非平行な関係にある面上に発光部を形成することが有効である。また、煩雑な製造方法を取って良い場合、前述のように非平行面を積層することで、更なる大面積化も可能である。
【0067】
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光部は、少なくとも基板表面に形成された凹凸構造の上部に形成される構成としたものであり、この構成により、(1)発光部の面積が光取り出し面の面積よりも大きくなるため、実効的な輝度が同じ場合、同じ発光素子を平行に用いた時よりも寿命が向上する。
【0068】
(2)発光部が開口部に対して非平行な関係であるため、光の取り出し効率を向上させることができ、発光部における輝度を低くすることができる。
【0069】
(3)発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
という作用が得られる。
【0070】
ここで、凹凸構造は、前記基板材料と同等の材料を用いることができる。また、光を取り出す開口部を基板面とした場合、凹凸構造は透明な材料からなることが好ましい。
【0071】
ここで、凹凸構造の形成方法としては、基板表面を刻印あるいは削り取り等により凹凸形状に加工する方法、レジスト材料等の加工性の高い材料を用いて、露光、現像工程による方法、凹凸に対応して滴下する方法等がある。例えば、インクジェットプリンタのインクの代わりにレジスト等を導入し、適当な凹凸パターンとなるように印刷する等の方法、全面にレジストを塗布し、適当な固さの時に表面を粗す等で凹凸を形成する方法、先に凹凸構造を形成したシート状のものを貼付する方法、他の媒体上に凹凸構造を形成し、熱や圧力により転写する方法である。
【0072】
有機エレクトロルミネッセンス素子の凹凸構造は、四角錐状又は円錘状又は曲線状の形状に形成されている構成としたものであり、この構成により、(1)四角錐状又は円錘状又は曲線状の形状に形成されているので、光の角度設計が容易である。また、光の配向に指向性をもたせることができる。
【0073】
(2)等方的な構造であるので、あらゆる方向の光の角度設計が容易である。また、光の配向に指向性をもたせることができる。
【0074】
(3)等方的な構造であるので、面内に密に配置することができ、いずれの場所からの光の取り出し効率が良くなる。また、光の配向に指向性をもたせることができる。
【0075】
(4)四角錐は縦、横方向での視覚特性が対称的であり、円錐は全方向での視覚特性が対称的であり、高さ方向の軸に対して対称な曲線は全方向での視覚特性が対称的である。
という作用が得られる。
【0076】
ここで、凹凸構造とは、基板表面に形成される基板に対して非平行な関係にある面を含んだ構造体であり、具体的には、例えば、三角錐や四角錐や円錐やその他の多角錐、あるいは、その頂角側が平面となっている三角錐台、四角錐台、円錐台やその他の多角錐台、あるいは、球面や放物面からなる形状、あるいは、任意の形状をもつ平面とは異なる構造体、あるいは、それらの複合体等からなる形状のことである。等方的な視覚特性とするためには対称的構造体であることが好ましく、更に好ましくは高さ方向の軸に対して回転対称な構造からなることが好ましい。あるいは、画素に対して十分微小な任意の構造体を複数配置することにより、等方的な視覚特性を得ることができる。例えば、ディスプレイ等に用いる場合、中央の画素には、正面方向への指向性を持たせ、周辺の画素には、中央方向への指向性を持たせる等により、更なる低消費電力化を図ることができる。
【0077】
有機エレクトロルミネッセンス素子の基板及び凹凸構造及び基板上に形成される陽極あるいは陰極は、透明であるのが好適で、この構成により、(1)透明な材料で形成されているので、素子内部での光損失を減少でき、発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持する。
【0078】
(2)現在よく知られている有機エレクトロルミネッセンス素子の形成方法をそのまま用いることができるため、形成が容易である。
という作用が得られる。
【0079】
また、請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、基板上の凹凸構造上に形成された陽極あるいは陰極を発光層で発光した光を反射する反射電極とし、反射電極に対向する陰極あるいは陽極を透明電極とし、透明電極の上方に、光取り出し面を平面とする透明平坦化構造体が形成された構成としたものであり、この構成により、(1)基板のような厚い部材がなくなるため、光のにじみ等が抑制される。
【0080】
(2)素子内部での光損失を減少でき、発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
【0081】
(3)基板として自由な材料が選択できるため軽量化、強度向上、高機能化、薄型化が図れる。
【0082】
(4)基板中に駆動回路を埋め込む、フレキシブルな基板を用いる等の高機能化を図ることができる。
という作用が得られる。
【0083】
ここで、透明平坦化構造体としては、光透過性のものとして、上述の透明基板材料として挙げた材料や透明レジスト材料、透明接着剤、あるいは、それらを複合させてなる透明材料を用いることができ、または接着性透明樹脂等中から適宜選択して用いることができる。
【0084】
また、基板と対向する側の面を光取り出し面とする場合に用いられる開口部を平面とするための透明平坦化構造体は、基板表面に形成した凹凸構造に対応した凹凸を持ち、これに対向する面は平面である構造体である。この透明構造体は、凹凸構造上に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子に、流動性をもつ透明な材料を流し込み、紫外線や熱や冷却等の手段により硬化させて形成することもできる。流動性をもつ透明な材料としては、光学接着剤やレジスト等の材料が用いられる。
【0085】
この透明平坦化構造体は、透明電極上に形成された保護膜の上に形成されることを備えた構成としたものであり、この構成により、(1)保護膜を形成し、その上面に透明平坦化膜を形成するので、透明電極や下部有機層に熱や応力、プラズマ、引っ掻く等のストレス、水分、酸素等の反応性気体等のダメージを与えずに有機エレクトロルミネッセンスを製造することができる。
【0086】
(2)保護膜上に形成する形成方法や形成材料を自由に選択することができる。
【0087】
(3)保護膜が形成されているので、有機エレクトロルミネッセンス素子を外気から遮断でき、長時間安定性に優れる。
という作用が得られる。
【0088】
ここで、保護膜としては、SiON、SiO、SiN、SiO2、Al23、LiF等の無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化物からなる薄膜、あるいは、無機酸化物、無機窒化物、無機フッ化物等、あるいは、それらの混合物等からなるガラス膜、あるいは、熱硬化性、光硬化性の樹脂や封止効果のあるシラン系の高分子材料等が挙げられ蒸着やスパッタリング等もしくは塗布法により形成される。あるいは、ガスバリア性の低い樹脂であっても、他のSiON等のガスバリア性の高い材料と複合して保護膜として用いることができる。
【0089】
そして、凹凸構造は、基板の法線方向に対して全角で60〜170°の角度、好ましくは100〜140°の角度の傾斜角で形成されている構成としたものであり、この構成により、(1)凹凸構造の角度はこの辺の角度だと、高い光取り出し効率を実現できる。
【0090】
(2)凹凸構造の角度は緩やかであるので、有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡の可能性も低くなり、長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0091】
(3)有機エレクトロルミネッセンス素子の電極及び配線部の断線の可能性も低くなる。
という作用が得られる。
【0092】
ここで、屈折率は有機エレクトロルミネッセンス素子のような内部発光型の素子の場合、発光層中の蛍光体から放射される光は、蛍光体を中心とした全方位に出射され、光が各媒質の境界面を通過する際、スネルの法則に従い光は屈折・反射され、入射側の媒質の屈折率が出射側の屈折率より大きい場合には、屈折波の出射角が90となる角度、つまり臨界角、よりも大きな角度で入射する光は、境界面を透過することができず、全反射され、光は空気中へ取り出されない。したがって、前記凹凸構造は、開口部に比べて発光部の面積を増大させる構造であるとともに、有効な光の取り出しのできる構造であることが好ましい。このような光の取り出しについての設計のやり易さと、その構造の形成しやすさを考慮すると、前記凹凸構造は等方的な凹凸構造あるいはその集合体であることが好ましく、特に四角錘、円錐、あるいは、適当な曲率を持った球面状の形状が好ましい。
【0093】
図8は本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成を説明する概念図である。図8に示すように、四角錘状の凹凸構造6の形成された基板1、陽極2、発光層4、陰極5が順次積層された構成となっている。なお、θは凹凸構造6の頂角である。
【0094】
このような構成の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光部の面積は、開口部の面積に対して1/sin(90―θ/2)になり、例えば、凹凸構造6の凹凸頂角θが80°の場合、発光部の面積は1.3倍となる。つまり、1/sin(90―θ/2)の式に従い、凹凸頂角θが小さくなるにつれて発光部面積は大きくなるため、発光面積を大きくするには凹凸頂角θが小さいほど有利であることがわかる。
【0095】
しかし、このような凹凸構造を用いる場合、凹凸頂角θの値および凹凸部の屈折率により、光の取り出し効率が大きく変わるため、このような構成においては、光の取り出し効率についても考慮しなければならない。図8中の矢印で示すように、発光層4から放射される光は、凹凸構造6を介して直接空気中へ取り出されるものや、凹凸構造6を介して向かい側の発光層4に到達し、陰極5で反射されてから空気中へ取り出されるものなどがあり、あるいは、界面での全反射を受け、これらの反射をくり返すことで取り出されるもの、あるいは、全反射を受けて取り出されない光なども存在する。
【0096】
そこで図8に示す有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成に基づき、凹凸構造の凹凸頂角θを変えた場合についての光の取り出し効率に関する光学シミュレーションを行った。
【0097】
図9にこの光学シミュレーションの結果を示す。図9は光学シミュレーションの結果を示すグラフであり、凹凸構造の凹凸頂角θを変化させた場合の光の取り出し効率を、凹凸構造のない平板基板における光の取り出し効率に対する相対値で示してある。
【0098】
ここで、光学シミュレーションの条件について具体的に説明する。各層の屈折率は、発光層=1.7,ITO=2.0,基板=1.5、凹凸構造=1.7、空気=1.0とし、また、各層の膜厚は、発光層=150nm、ITO=150nm、基板=1mm、凹凸構造=10μmとした。また、発光層からの光は、発光層と陰極との界面で全て反射されるものとし、発光層、ITOおよび基板における吸収のみを考慮した。即ち、陰極は反射率100%、発光層、ITO、基板、凹凸構造の透過率は、それぞれ80%,97%,97%、97%である。ここで、凹凸構造の凹凸頂角θの値をθ=140、120、100、80°として、シミュレーションを行った。
【0099】
以上のような条件において、図9は凹凸構造の凹凸頂角θを変化させたときの取り出し効率の値を計算したものであり、凹凸頂角θの角度が120°付近に取り出し効率の値は最も大きくなることがわかる。
【0100】
以上のことより、凹凸構造の屈折率が1.7、凹凸頂角θ=120°の場合における、有機エレクトロルミネッセンス素子の寿命について考える。この場合、図9に示すように、光の取り出し効率は凹凸構造のない有機エレクトロルミネッセンス素子の1.7倍である。凹凸構造のない有機エレクトロルミネッセンス素子と同じ輝度で光らせた場合、光の取り出し効率が1.7倍であるため、開口部に要求される光は1/1.7で良く、かつ、開口部面積に対する発光部面積が1.15倍であるため、発光部における輝度は(1/1.7)×(1/1.15)=1/1.96であり、およそ1/2で良く、寿命に対して非常に有利な素子ということになる。また、素子の効率についても1.7倍であるから、このような凹凸構造を用いることで、高効率かつ長寿命な素子を実現できる。
【0101】
また、前述した光学シミュレーションの結果から分かるように、光の取り出し効率を大きくするために、凹凸構造は、特定の角度範囲の面からなることが好ましい。また、有機エレクトロルミネッセンス素子は150nm程度の非常に薄い膜からなり、凹凸構造が急な角度で形成されている場合、その角において短絡等の不具合が生じるため、凹凸構造の角度は緩やかであることが好ましく、凹凸構造は基板の法線方向に対して60〜170°の範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは、100〜140°の範囲である。
【0102】
請求項記載凹凸構造の屈折率は、1.4〜2.0、好ましくは1.7〜1.9である構成としたものであり、この構成により、(1)凹凸構造を構成する材料の屈折率が大きくなるにつれて凹凸構造との界面における全反射による光の損失が小さくなるので、発光層から凹凸構造内への光の取り出し効率が向上する。という作用が得られる。
【0103】
ここで、図8に示す有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成に基づき、凹凸構造の屈折率を変えた場合についての光の取り出し効率に関する光学シミュレーションを行った。
【0104】
図10にこの光学シミュレーションの結果を示す。図10は光学シミュレーションの結果を示すグラフであり、凹凸構造の屈折率を変えた場合の光の取り出し効率を、凹凸構造のない平板基板における光の取り出し効率に対する相対値で示してある。
【0105】
ここで、光学シミュレーションの条件について具体的に説明する。各層の屈折率は、発光層=1.7,ITO=2.0,基板=1.5、空気=1.0とし、また、各層の膜厚は、発光層=150nm、ITO=150nm、基板=1mm、凹凸構造=10μmであり、凹凸構造の凹凸頂角θ=120°とした。なお、発光層からの光は、発光層と陰極との界面で全て反射されるものとし、発光層、ITOおよび基板における吸収のみを考慮した。即ち、陰極は反射率100%、発光層、ITO、基板、凹凸構造の透過率は、それぞれ80%,97%,97%、97%である。ここで、凹凸構造=1.3、1.5、1.7、1.9として、シミュレーションを行った。
【0106】
以上のような条件において、図10は凹凸構造の屈折率を変化させたときの取り出し効率の値を計算したものであり、屈折率の値が1.7付近に取り出し効率の値は最も大きくなることがわかる。
【0107】
また、これら基板表面に形成される凹凸構造、あるいは、透明平坦化構造のうち、開口部に対応する構造は、発光層を形成する有機物との屈折率差が小さな透明材料からなることが好ましく、光学シミュレーションの結果から分かるように、光の取り出し効率を大きくするために特定の屈折率の材料からなることが好ましく、凹凸構造を形成する材料の屈折率は1.4〜2.0であることが好ましく、さらに好ましくは1.7〜1.9である。
【0108】
このような材料として用いる高屈折率材料としては、BaF等のフッ化物ガラス、あるいは、高屈折樹脂等があげられ、例えば、LaSFは屈折率が1.8、BaSFは屈折率が1.7、ポリカーボネートは屈折率が1.6、アクリルは屈折率が1.5である。あるいは、凹凸構造が微小である場合、多少可視光領域の透過率が低くても良いため、TiO2等の無機酸化物、あるいは、透明レジスト、透明接着剤等の光透過率の小さな材料を用いることも可能である。
【0109】
請求項に記載の画像形成装置は、請求項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離され、1つ以上の画素からなる画像表示配列を有することを備えた構成としたものであり、この構成により、(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、長期に渡って高効率の発光性能を維持することができ、単純マトリックス方式での良好な表示を行うことができる。
【0110】
(2)陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離されているので、画素における発光部を大きく取ることができる。
【0111】
(3)単純マトリックスの場合、瞬間的な高輝度が必要となるため、この高効率及び発光部低輝度化は非常に重要である。
という作用が得られる。
【0112】
ここで、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、画像を表示する画像形成装置として用いることができ、これら画像形成装置は、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末のディスプレイ、テレビジョン、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション等のディスプレイ、ステレオ、ラジオ等のAV機器のディスプレイ等に用いることができる。
【0113】
更に、レーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置に用いることができる。あるいは、室内灯、ライトスタンド等の照明器具のような単なる光源としての照明装置として用いることもできる。
【0114】
これらの中でも、有機エレクトロルミネッセンス素子の低消費電力、軽量薄型化が容易、応答速度が速い等の優位性を考慮すれば、様々な電子機器において画像を表示するディスプレイとしての表示装置や、レーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置等の画像形成装置に用いることが好ましい。
【0115】
ここで、前記有機エレクトロルミネッセンス素子をディスプレイ等表示装置、あるいは、プリンタ光源等の照明装置として用いる場合、上記した光の配向についての設計が重要となる。
【0116】
本発明における凹凸構造等を用いた場合、凹凸構造を等方的あるいは線形的な形状とすることで光の配向に指向性をもたせることができ、あるいは、凹凸構造を異方的あるいは非線形的な形状とすることで光の配向に拡散性をもたせることができる。あるいは、指向性のない素子の開口部にレンズアレイ等の集光部材を形成することで、指向性の高い発光を得たり、指向性の高い素子の開口部に光を散乱する部材を形成することで、指向性のない一様な発光を得たりすることも可能である。
【0117】
例えば、携帯端末やキャッシュディスペンサーのディスプレイとして用いる場合、その表示状態は、使用者本人だけが認識できれば良く、周囲からの視認性は低いほうが好ましい、あるいは、プリンタ光源として用いる場合、開口部に対応する感光体の部分にのみ強い光を照射できることが求められるため、開口部から正面方向への輝度があればよく、周辺方向への光の放射が少ないことが好ましい。以上のような場合、開口部から放射される光は、概正面方向に強く周囲方向に弱く放射されることが好ましく、指向性の高い光取り出しがなされることが好ましい。
【0118】
又は、テレビや広告用途ディスプレイ等の複数の人を対象としたディスプレイとして用いる場合、その表示状態は、正面方向の視認性と同様に、周囲からの視認性が高いことが好ましく、室内照明等の光源として用いる場合、光が照明対象に一様に照射されることが好ましい。以上のような場合、開口部から放射される光は、全方向に一様に放射されることが好ましく、指向性のない一様な光取り出しがなされることが好ましい。
【0119】
凹凸構造を形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイにおいては、モアレ等の影響により視認性が低下することがある。このような視認性低下を抑制するためには、凹凸構造はランダムに配置されていることが好ましく、あるいは、凹凸構造は十分に小さいことが好ましい。
【0120】
請求項に記載の画像形成装置は、請求項記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有することを備えた構成としたものであり、この構成により、(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、高効率の発光性能を維持することができ、アクティブマトリックス方式での良好な表示を行うことができる。
【0121】
(2)陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成されているので、瞬間的な高輝度は必要なく、実用上必要な輝度で良く、長期に渡って安定な発光を維持することができる。
【0122】
(3)陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されるので、自由な画像形成が実現でき、有機エレクトロルミネッセンス素子の特徴である高速応答を十分に生かすことができる。
【0123】
(4)アクティブマトリックスの場合、画素内に配置されたスイッチング素子や配線等により発光部の面積が小さくなり易い。そのため、このような大面積及び高効率な施策は非常に有利である。
という作用が得られる。
【0124】
ここで、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、画像を表示する画像形成装置として用いることができ、これら画像形成装置は、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末のディスプレイ、テレビジョン、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション等のディスプレイ、ステレオ、ラジオ等のAV機器のディスプレイ等に用いることができる。
【0125】
更に、レーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置に用いることができる。あるいは、室内灯、ライトスタンド等の照明器具のような単なる光源としての照明装置として用いることもできる。
【0126】
これらの中でも、有機エレクトロルミネッセンス素子の低消費電力、軽量薄型化が容易、応答速度が速い等の優位性を考慮すれば、様々な電子機器において画像を表示するディスプレイとしての表示装置や、レーザプリンタ、スキャナ等の光源としての照明装置等の画像形成装置に用いることが好ましい。
【0127】
ここで、前記有機エレクトロルミネッセンス素子をディスプレイ等表示装置、あるいは、プリンタ光源等の照明装置として用いる場合、上記した光の配向についての設計が重要となる。
【0128】
本発明における凹凸構造等を用いた場合、凹凸構造を等方的あるいは線形的な形状とすることで光の配向に指向性をもたせることができ、あるいは、凹凸構造を異方的あるいは非線形的な形状とすることで光の配向に拡散性をもたせることができる。あるいは、指向性のない素子の開口部にレンズアレイ等の集光部材を形成することで、指向性の高い発光を得たり、指向性の高い素子の開口部に光を散乱する部材を形成することで、指向性のない一様な発光を得たりすることも可能である。
【0129】
例えば、携帯端末やキャッシュディスペンサーのディスプレイとして用いる場合、その表示状態は、使用者本人だけが認識できれば良く、周囲からの視認性は低いほうが好ましい、あるいは、プリンタ光源として用いる場合、開口部に対応する感光体の部分にのみ強い光を照射できることが求められるため、開口部から正面方向への輝度があればよく、周辺方向への光の放射が少ないことが好ましい。以上のような場合、開口部から放射される光は、概正面方向に強く周囲方向に弱く放射されることが好ましく、指向性の高い光取り出しがなされることが好ましい。
【0130】
又は、テレビや広告用途ディスプレイ等の複数の人を対象としたディスプレイとして用いる場合、その表示状態は、正面方向の視認性と同様に、周囲からの視認性が高いことが好ましく、室内照明等の光源として用いる場合、光が照明対象に一様に照射されることが好ましい。以上のような場合、開口部から放射される光は、全方向に一様に放射されることが好ましく、指向性のない一様な光取り出しがなされることが好ましい。
【0131】
凹凸構造を形成した有機エレクトロルミネッセンス素子を用いたディスプレイにおいては、モアレ等の影響により視認性が低下することがある。このような視認性低下を抑制するためには、凹凸構造はランダムに配置されていることが好ましく、あるいは、凹凸構造は十分に小さいことが好ましい。
【0132】
請求項に記載の発明は、請求項又はに記載の画像形成装置であって、凹凸構造の平面方向の大きさは、画素の平面方向の大きさよりも小さく形成されている構成としたものであり、この構成により、(1)凹凸構造の平面方向の大きさは、画素の平面方向の大きさよりも小さく形成されているので、画素に対して凹凸構造を自由に配置することができる。
【0133】
(2)画素内における開口部を有効に配置することができ、発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って発光性能を維持することができる。
【0134】
(3)1つの画素内に複数の凹凸構造を配置することができ、光の配向(角度分布や画素内における強度分布や角度分布)を設計ができ、最適な視認性の設計が可能である。
【0135】
(4)頂角を同一とした場合、凹凸の高さが低くなるため、短絡や断線等の不具合が生じ難くなる。
という作用が得られる。
【0136】
請求項に記載の発明は、表示手段が請求項2乃至4のいずれかに1に記載の画像形成装置で構成された携帯端末であって、音声を音声信号に変換する音声信号変換手段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示手段と、音声信号を送信信号に変換する通信手段と、受信信号を音声信号に変換する受信手段と、送信信号及び受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御手段とを備えた構成としたものであり、この構成により、(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、高効率の発光性能を維持することができ、電池容量等の減量化による、軽量化あるいは長使用時間化を図ることができる。
【0137】
(2)光の配向を変化させることができるため、より高度な機能を持たせることができる。
という作用が得られる。
【0138】
ここで、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子をディスプレイ等表示装置、あるいは、プリンタ光源等の照明装置として用いる場合、上記した光の配向についての設計が重要となる。例えば、携帯端末やキャッシュディスペンサーのディスプレイとして用いる場合、その表示状態は、使用者本人だけが認識できれば良く、周囲からの視認性は低いほうが好ましい、あるいは、プリンタ光源として用いる場合、開口部に対応する感光体の部分にのみ強い光を照射できることが求められるため、開口部から正面方向への輝度があればよく、周辺方向への光の放射が少ないことが好ましい。
【0141】
請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、基板上に、フッ化ガラス又は高屈折樹脂、無機酸化物、透明レジスト材料、透明接着剤からなる屈折率が1.7〜1.9であって、面の角度を、前記基板の法線方向に対して120°とした凹凸構造を形成し、その上面に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成し、さらにその上面に、流動性を有する透明接着剤又は透明レジスト材料、あるいはこれらを複合化させた透明材料を流し込んで硬化させることにより光取り出し面が平面になった平坦化構造を形成する構成としたものであり、この構成により、(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0142】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
という作用が得られる。
【0143】
以下に本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0144】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子について述べる。
【0145】
図1は本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0146】
図1において、1は基板、6は基板1上に形成された凹凸構造、5は凹凸構造6上に抵抗加熱蒸着法等により形成された100nm〜300nmの膜厚の金属膜からなる陰極、4は陰極5上に抵抗加熱蒸着法等により形成されたAlq3等からなる発光層、3は発光層4上に同じく抵抗加熱蒸着法等により形成されたTPD等からなる正孔輸送層、2は正孔輸送層3上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成されたITO等の透明な導電性膜からなる陽極である。
【0147】
実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極2をプラス極として、また陰極5をマイナス極として直流電圧又は直流電流を印加すると、陽極2から正孔輸送層3を介して発光層4に正孔が注入され、陰極5から発光層4に電子が注入される。発光層4では正孔と電子の再結合が生じ、これに伴って生成される励起子が励起状態から基底状態へ移行する際に発光現象が起こる。
【0148】
実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1の陰極5と接する面に凹凸構造6を備えている。この凹凸構造6により、発光層4の面積は、光取り出し開口部の面積に比べて大きくなっており、かつ、凹凸構造6により、発光層4から放射される光は、効率よく空気中へ取り出されるようになっている。
【0149】
また、実施の形態1においては、基板1上面に陰極5を形成する構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではなく、基板1上面に陽極2を形成することも可能である。
【0150】
また、封止の形態については、保護膜を形成して封止する等の適宜手段を採用することができる。他に保護膜とシールド材等との組み合わせであってもよい。
【0151】
以上のように、本実施の形態によれば、光を効率的に取り出すことができ、かつ、実効的な発光層の面積を大きくすることができるため、高効率かつ長寿命な発光性能を維持することができる。
【0152】
また、実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置や表示装置等の画像形成装置として用いることができる。
【0153】
なお、基板1、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、陰極5、凹凸構造6の構成材料、形成方法も上述した構成材料、形成方法や従来公知のものを用いることができる。
【0154】
更に、本実施の形態においては、正孔輸送層と発光層からなる二層構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではない。
【0155】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子について述べる。
【0156】
図2は、本発明の実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図である。
【0157】
図2において、1は基板、2は陽極、3は正孔輸送層、4は発光層、5は陰極、6は凹凸構造、7は陽極2上に形成された透明平坦化構造体である。
【0158】
実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1の陽極と接する面に凹凸構造6を備えている。この凹凸構造6により、発光層の面積は、光取り出し開口部の面積に比べて大きくなっており、また、透明平坦化構造体により、発光層から放射される光は、効率よく空気中へ取り出されるようになっていることが好ましい。凹凸構造あるいは透明平坦化構造体の構成材料、形成方法は上述した構成材料、形成方法や従来公知の材料の中から、発光層からの発光の取出しを妨げないように適宜選択して用いることができる。
【0159】
また、実施の形態2においては、基板1上面に陰極5を形成する構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではなく、基板1上面に陽極2を形成することも可能である。
【0160】
また、封止の形態については、保護膜を形成して封止する等の適宜手段を採用することができる。他に保護膜とシールド材等との組み合わせであってもよい。
【0161】
以上のように、本実施の形態によれば、光を効率的に取り出すことができ、かつ、実効的な発光層の面積を大きくすることができるため、高効率かつ長寿命な発光性能を維持することができる。
【0162】
実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子は、照明装置や表示装置等の画像形成装置として用いることができる。
【0163】
なお、基板1、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、陰極5の構成材料、形成方法も上述した構成材料、形成方法や従来公知のものを用いることができる。
【0164】
更に、本実施の形態においては、正孔輸送層と発光層からなる二層構造の場合について説明したが、その構造については前述のように特にこれに限定されるものではない。
【0165】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置について述べる。
【0166】
図3は、本発明の実施の形態3における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置の概略斜視図である。
【0167】
図3において、基板1、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、陰極5、凹凸構造6、透明平坦化構造体7である。
【0168】
実施の形態3においては、図3に示すように、陽極2は線状にパターニングされており、これに略直交する形で陰極5も同様に線状にパターニングされている。
【0169】
この画像形成装置の陽極2をプラス側、陰極5をマイナス側とし、図示しない駆動手段としての駆動回路(ドライバ)に接続し、選択した陽極2、陰極5に直流電圧または直流電流を印加すれば、直交する部分の発光層4が発光し、単純マトリックス方式の画像形成装置として使用することができる。
【0170】
実施の形態3においては、基板1は、陽極2と接する面に凹凸構造6を備えている。その凹凸構造6により画素開口部の面積に比べ発光層の面積は大きくなっており、かつ、光り取り出し面は、透明平坦化構造体7により平坦化されており、光学設計された凹凸構造6との組み合せにより効率よく光が取り出される。また、図3において、凹凸構造6と画素の大きさが同じ場合を示しているが、モアレ等の視覚上の問題を回避するためには、凹凸構造6は各画素の大きさに比べて十分に小さく、1画素中に複数の凹凸構造6が配置されていることが好ましい。
【0171】
以上のように、実施の形態3の画像形成装置においても、実効的な発光層の面積を大きくすることができ、かつ、効率よく光を取り出すことができるため、高効率、かつ、長寿命な発光性能を維持することができる。
【0172】
なお、陽極2、正孔輸送層3、発光層4、陰極5の構成材料、形成方法も上述した構成材料、形成方法や従来公知のものを用いることができる。
【0173】
また、実施の形態3においては、単純マトリックス方式の画像形成装置について説明したが、アクティブマトリックス方式の画像形成装置でもよく、その場合、少なくとも画素を形成する領域に、光の取り出しを低下させず、発光層の面積を増大させる凹凸構造を形成すればよい。あるいは、TFT等の駆動回路上に凹凸構造を形成することで、開口部の面積を増大することも可能であり、より高効率かつ長寿命な画像形成装置を作成することができる。
【0174】
また、実施の形態3においては、光取り出し面を基板1に対向する面側(透明平坦化構造体7側)にした場合について説明したが、光取り出し面は基板1側でもよく、その場合、基板1側の電極を透明電極とし、光取り出し側の電極を反射(或いは吸収)電極として、反射電極上には、必要に応じて平坦化構造や保護層を形成すればよい。その際、その平坦化構造は透明である必要はない。
【0175】
更に、実施の形態3においては、基板1上面に陽極2を形成する構造の場合について説明したが、その構造については特にこれに限定されるものではなく、基板1及び凹凸構造6上面に陰極5を形成し、発光層4、正孔輸送層3、陽極2、透明平坦化構造体7の順で積層した構造であってもよい。
【0176】
なお、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、画像を表示する表示装置としてだけでなく、レーザプリンタ、スキャナ等の光源等の照明装置としても用いることができる。更に、陽極2及び陰極5を線状にパターニングさせずに、全面発光させて、単なる照明装置として用いてもよい。
【0177】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた携帯端末について述べる。
【0178】
図4は本発明の実施の形態4における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を備えた携帯端末を示す斜視図であり、図5は本発明の実施の形態4における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を備えた携帯端末を示すブロック図である。
【0179】
図4及び図5において、9は音声を音声信号に変換するマイク、10は音声信号を音声に変換するスピーカー、11はダイヤルボタン等から構成される操作部、12は着信等を表示する表示部であり本発明の有機エレクトロルミネッセンスを用いた画像形成装置より構成されている、13はアンテナ、14はマイク9からの音声信号を送信信号に変換する送信部で、送信部14で作成された送信信号は、アンテナ13を通して外部に放出される。15はアンテナ13で受信した受信信号を音声信号に変換する受信部で、受信部15で作成された音声信号はスピーカー10にて音声に変換される。16は送信部14、受信部15、操作部11、表示部12を制御する制御部である。
【0180】
マイク9は、使用者(発信者)の通話時の音声等が入力され、スピーカー10からは相手側の音声や告知音が出力されて使用者(受信者)に伝達される。なお、携帯端末として、ページャーを用いる場合には、マイクは特に設けなくてもよい。
【0181】
更に、操作部11には、ダイヤルボタンとしてのテンキーや各種の機能キーを備えている。また、テンキーや各種の機能キーだけでなく、文字キー等を備えていてもよい。この操作部11から、電話番号、氏名、時刻、各種機能の設定、Eメールアドレス、URL等の所定のデータが入力される。更に操作部11は、このようなキーボードによる操作だけでなく、ペン入力装置、音声入力装置、磁気又は光学入力装置を用いてもよい。
【0182】
表示部12は、操作部11から入力される所定のデータやメモリに記憶された電話番号、Eメールアドレス、URL等のデータあるいはキャラクタアイコン等が表示される。
【0183】
また、アンテナ13は、電波の送信か受信の少なくとも一方を行う。なお、本実施の形態では、信号の送信、受信を電波で行うので、アンテナ(ヘリカルアンテナ、平面アンテナ等)を設けたが、光通信等を行う場合には、発光素子や受光素子をアンテナの代わりに設けてもよい。この場合には、発光素子で信号を他の通信機器などに送信し、受光素子で外部からの信号を受信する。
【0184】
送信部14、受信部15は、それぞれ、音声信号を送信信号に変換し、受信した受信信号を音声信号に変換する。
【0185】
更に、制御部16は、図示されていないCPUやメモリ等を用いた従来公知の手法により構成されており、送信部14、受信部15、及び、操作部11、表示部12を制御する。より具体的には、これら各部に設けられた図示しない各制御回路、駆動回路等に命令を与える。例えば、制御部16からの表示命令を受けた表示制御回路は、表示駆動回路を駆動し、表示部12に表示が行われる。
【0186】
以下その動作について説明する。
【0187】
先ず、着信があった場合には、受信部15から制御部16に着信信号を送出し、制御部16は、その着信信号に基づいて、表示部12に所定のキャラクタ等を表示させ、更に操作部11から着信を受ける旨のボタン等が押されると、信号が制御部16に送出されて、制御部16は、着信モードに各部を設定する。即ちアンテナ13で受信した信号は、受信部15で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー10から音声として出力されると共に、マイク9から入力された音声は、音声信号に変換され、送信部14を介し、アンテナ13を通して外部に送出される。
【0188】
次に、発信する場合について説明する。
【0189】
まず、発信する場合には、操作部11から発信する旨の信号が、制御部16に入力される。続いて電話番号に相当する信号が操作部11から制御部16に送られてくると、制御部16は送信部14を介して、電話番号に対応する信号をアンテナ13から送出する。その送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、その旨の信号がアンテナ13を介し受信部15を通して制御部16に送られると、制御部16は発信モードに各部を設定する。即ちアンテナ13で受信した信号は、受信部15で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー10から音声として出力されると共に、マイク9から入力された音声は、音声信号に変換され、送信部14を介し、アンテナ13を通して外部に送出される。
【0190】
なお、本実施の形態では、音声を送信受信した例を示したが、音声に限らず、文字データ等の音声以外のデータの送信もしくは受信の少なくとも一方を行う携帯端末についても同様な効果を得ることができる。
【0191】
このような本実施の形態による携帯端末においては、高効率かつ長寿命な発光性能を維持することができるため、バッテリー等の電力使用量を抑制することができる。これにより、携帯端末の長時間使用することができ、あるいは、バッテリーの小型化による軽量化を図ることができる。
【0192】
特に近年、携帯端末に用いる表示素子はより高画質で、かつ低消費電力であることが求められており有効であり、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の短所のひとつである寿命について改善がなされた、高効率素子は大きなメリットをもたらす。高効率化によって、電池容量の減量化が可能となり、軽量化や長使用時間化を図ることができる。更に、有機エレクトロルミネッセンス素子の基板材料として、高分子フィルムを用いれば、飛躍的な軽量化をもたらすこともでき、好ましい。
【0193】
【実施例】
(実施例1)
ガラスからなる透明基板上に、透明ネガレジスト材をスピンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングした後、基板を220℃に加熱処理することで、周期的に配列された微小形状の凹凸構造付き基板を形成した。次に、この基板の凹凸構造上に膜厚160nmのITO膜を形成した後、ITO膜上にパターニング用レジスト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法により塗布して厚さ50μmのレジスト膜を形成し、このレジスト膜に対応した、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングした。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のITO膜をエッチングした後、ITO膜パターニング用レジスト膜も除去し、所定のパターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニング基板を得た。
【0194】
次に、このパターニング基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0195】
次に、パターニング基板の陽極側の表面に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。
【0196】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層上に発光層としてAlq3を約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共に1.0nm/sであった。
【0197】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0198】
(実施例2)
ポリカーボネートからなる透明基板上に、鋼鉄からなる面内に複数配列した円錐形状の版を押印することで、面内に密に配列された高さ50μm、頂角120°である円錐状の凹凸構造付きの基板を形成した。次に、この基板の凹凸構造上に、金属マスクを用いて膜厚160nmのITO膜を形成し、所定のパターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニング基板を得た。
【0199】
次に、このパターニング基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0200】
次に、パターニング基板の陽極側の表面に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。
【0201】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層上に発光層としてAlq3を約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共に1.0nm/sであった。
【0202】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0203】
(実施例3)
ガラスからなる透明基板を用いて、その表面を加熱軟化し、鋼鉄からなる周期的に配列した四角錐状の版を押印することで、所定の形状の凹凸構造を転写し、面内に密に配列された高さ30μm、頂角120°、底面の形状が正方形である四角錐状の凹凸構造付きの基板を形成した。次に、この凹凸構造付き基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0204】
次に、凹凸構造付き基板の凹凸構造上に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、金属マスクによりマスクし、15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0205】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、Al−Li合金上に発光層としてAlq3を約50nmの膜厚で形成し、同様に、発光層上に正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共に1.0nm/sであった。
【0206】
次に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した低ダメージスパッタ装置内にて、発光層上に、金属マスクを用いて所定の形状にパターニングされた、膜厚160nmのITO膜を成膜し、凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子とした。
【0207】
次に、同様に低ダメージスパッタ装置内にて、凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子上前面に、膜厚3μmの窒化シリコン膜を保護膜として成膜した。
【0208】
次に、この保護膜により保護された凹凸形状の有機エレクトロルミネッセンス素子の凹凸を平坦化するように、スピンコート法により、厚さ20μmのUV硬化型透明樹脂を平面状に塗布し、これにUV照射し硬化した。
【0209】
(比較例1)
実施例1と同様に、ガラスからなる透明基板上に膜厚160nmのITO膜を形成した後、ITO膜上にレジスト材(東京応化社製、OFPR−800)をスピンコート法により塗布して厚さ10μmのレジスト膜を形成し、マスク、露光、現像してレジスト膜を所定の形状にパターニングした。次に、この基板を60℃で50%の塩酸中に浸漬して、レジスト膜が形成されていない部分のITO膜をエッチングした後、レジスト膜も除去し、所定のパターンのITO膜からなる陽極が形成されたパターニング基板を得た。
【0210】
次に、このパターニング基板を、洗剤(フルウチ化学社製、セミコクリーン)による5分間の超音波洗浄、純水による10分間の超音波洗浄、アンモニア水1(体積比)に対して過酸化水素水1と水5を混合した溶液による5分間の超音波洗浄、70℃の純水による5分間の超音波洗浄の順に洗浄処理した後、窒素ブロアーで基板に付着した水分を除去し、さらに加熱して乾燥した。
【0211】
次に、パターニング基板の陽極側の表面に、2×10-6Torr以下の真空度まで減圧した抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層としてTPDを約50nmの膜厚で形成した。
【0212】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、正孔輸送層上に発光層としてAlq3を約60nmの膜厚で形成した。なお、TPDとAlq3の蒸着速度は、共に0.2nm/sであった。
【0213】
次に、同様に抵抗加熱蒸着装置内にて、発光層上に15at%のLiを含むAl−Li合金を蒸着源として、陰極を150nmの膜厚で成膜した。
【0214】
【表1】
Figure 0004258154
【0215】
ここで、(表1)の評価項目における評価方法及びその評価基準について説明する。
【0216】
素子の駆動寿命は、有機エレクトロルミネッセンス素子の開口部において一定の初期輝度となるように電流を流し、この電流値を維持したときに、輝度が半減するまでの時間について評価した。その評価基準は、比較例1の駆動寿命に対して、◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容できるである。
【0217】
素子の発光効率は、有機エレクトロルミネッセンス素子に一定の電流を流したときの初期輝度について評価した。その評価基準は、比較例1の発光輝度に対して、◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容できるである。
【0218】
発光面の視認性は、有機エレクトロルミネッセンス素子を300μmの画素からなる画像形成装置としたときの、光のにじみ、ぼけについて、視認性の程度を目視にて評価した。評価は、◎、○、△の三段階評価であり、その評価基準は、◎:非常に優れている、○:優れている、△:許容できるである。
【0219】
(表1)から明らかなように実施例1、2、3の各有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較例1の有機エレクトロルミネッセンス素子に対して、駆動寿命、発光輝度、発光面視認性において、すべて優れた結果となった。特に、実施例1では、駆動寿命、発光面視認性が非常に優れ、実施例3においては、駆動寿命、発光輝度、発光面視認性のすべてが比較例1と比べて非常に優れた結果となった。本実施例の有機エレクトロルミネッセンス素子は比較例に対し顕著に寿命が長く、発光効率が高く、視認性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子であることがわかる。
【0220】
【発明の効果】
以上のように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、以下のような有利な効果が得られる。
【0221】
即ち、本発明は、長寿命で高い発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンス素子の提供、長寿命で高い発光性能を維持することができる画像形成装置の提供、重量が軽く使用時間が長い携帯端末の提供、簡単な工程で形成でき、作業性が高く、生産性も高い有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を提供することができる。
【0222】
そして、請求項1に記載の発明によれば、
(1)光を取り出す開口部の面積に対して、発光部の面積を大きくすることで、実効的な輝度を実用レベルに保ったまま、発光部における輝度を小さくすることができる。
【0223】
(2)発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持できる。
【0224】
(3)従来の低輝度であるが長寿命である発光層を用いて、高輝度の有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0225】
(4)従来の高輝度であるが短寿命である発光層、特に輝度上昇に対して寿命低下の著しい発光層を用いて、長寿命の有機エレクロトルミネッセンス素子を作成することができる。
【0226】
(5)発光層の配置を工夫することで、更に高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0227】
さらに、発光部を発光層からの光を取り出す光取り出し面に対して非平行な関係に形成すると、(1)発光層からの光を取り出す開口部に対して非平行な関係にある面に形成されているので、光の取り出し効率を向上させることができ、高効率な発光性能を維持することができる。
【0228】
(2)光の取り出し効率を向上させることができるため、発光部における輝度を低くすることができ、長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
【0229】
(3)非平行面に形成することで、面積が増大し、発光部における輝度を更に低くすることができるので、さらに長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
【0230】
(4)発光部を非平行な関係にある面に形成する製造方法は簡単であるため、生産性が高くなる。
【0231】
(5)発光面を自由にレイアウトすることができるため、発光部の面積を増加させることが容易である。
【0232】
(6)発光面を自由にレイアウトすることができるため、発光材料に応じて、寿命優先、若しくは、効率優先等の設計の最適化を図ることができる。
【0233】
発光部が少なくとも基板表面に形成された凹凸構造の上部に形成されているので、(1)発光部の面積が開口部の面積よりも大きくなるため、実効的な輝度が同じ場合、同じ発光素子を平行に用いた時よりも寿命が向上する。
【0234】
(2)発光部が開口部に対して非平行な関係であるため、光の取り出し効率を向上させることができ、発光部における輝度を低くすることができる。
【0235】
(3)発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
【0236】
また、四角錐状又は円錘状又は曲線状の形状に形成されているので、(1)光の角度設計が容易である。また、光の配向に指向性をもたせることができる。
【0237】
(2)等方的な構造であるので、あらゆる方向の光の角度設計が容易である。また、光の配向に指向性をもたせることができる。
【0238】
(3)面内に密に配置されているので、いずれの場所からの光の取り出し効率が良くなる。また、光の配向に指向性をもたせることができる。
【0239】
(4)四角錐は縦、横方向での視覚特性が対称的であり、円錐は全方向での視覚特性が対称的であり、高さ方向の軸に対して対称な曲線は全方向での視覚特性が対称的である。
【0240】
請求項に記載の発明によれば、透明な材料で形成されているので、(1)素子内部での光損失を減少でき、発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持する。
【0241】
(2)現在よく知られている有機エレクトロルミネッセンス素子の形成方法をそのまま用いることができるため、形成が容易である。
【0242】
凹凸構造上に形成された陽極又は陰極が、前記発光層で発光した光を反射する反射電極とされるとともに、前記発光部上に形成され前記反射電極に対向する陰極又は陽極が透明電極とされているので、(1)基板のような厚い部材がなくなるため、光のにじみ等が抑制される。
【0243】
(2)素子内部での光損失を減少でき、発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って高効率な発光性能を維持することができる。
という作用が得られる。
【0244】
(3)基板として自由な材料が選択できるため軽量化、強度向上、高機能化、薄型化が図れる。
【0245】
(4)基板中に駆動回路を埋め込む、フレキシブルな基板を用いる等の高機能化を図ることができる。
【0246】
凹凸構造は、(1)保護膜を形成し、その上面に透明平坦化膜を形成するので、透明電極や下部有機層に熱や応力、プラズマ、引っ掻く等のストレス、水分、酸素等の反応性気体等のダメージを与えずに有機エレクトロルミネッセンスを製造することができる。
【0247】
(2)保護膜上に形成する形成方法や形成材料を自由に選択することができる。
【0248】
(3)保護膜が形成されているので、有機エレクトロルミネッセンス素子を外気から遮断でき、長時間安定性に優れる。
【0249】
また、請求項1の凹凸構造によれば、(1)凹凸構造の角度はこの辺の角度だと、高い光取り出し効率を実現できる。
【0250】
(2)凹凸構造の角度は緩やかであるので、有機エレクトロルミネッセンス素子の短絡の可能性も低くなり、長寿命な有機エレクトロルミネッセンス素子を作成することができる。
【0251】
(3)有機エレクトロルミネッセンス素子の電極及び配線部の断線の可能性も低くなる。
【0252】
さらに請求項1の凹凸構造によれば、(1)凹凸構造を構成する材料の屈折率が大きくなるにつれて凹凸構造との界面における全反射による光の損失が小さくなるので、発光層から凹凸構造内への光の取り出し効率が向上する。
【0253】
請求項2に記載の発明によれば、(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、長期に渡って高効率の発光性能を維持することができ、単純マトリックス方式での良好な表示を行うことができる。
【0254】
(2)陽極および陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離されているので、画素における発光部を大きく取ることができる。
【0255】
(3)単純マトリックスの場合、瞬間的な高輝度が必要となるため、この高効率及び発光部低輝度化は非常に重要である。
【0256】
請求項3に記載の発明によれば、さらに(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、高効率の発光性能を維持することができ、アクティブマトリックス方式での良好な表示を行うことができる。
【0257】
(2)陽極又は陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成されているので、瞬間的な高輝度は必要なく、実用上必要な輝度で良く、長期に渡って安定な発光を維持することができる。
【0258】
(3)陽極又は陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されるので、自由な画像形成が実現でき、有機エレクトロルミネッセンス素子の特徴である高速応答を十分に生かすことができる。
【0259】
(4)アクティブマトリックスの場合、画素内に配置されたスイッチング素子や配線等により発光部の面積が小さくなり易い。そのため、このような大面積及び高効率な施策は非常に有利である。
【0260】
請求項4に記載の発明によれば、さらに(1)凹凸構造の平面方向の大きさは、画素の平面方向の大きさよりも小さく形成されているので、画素に対して凹凸構造を自由に配置することができる。
【0261】
(2)画素内における開口部を有効に配置することができ、発光部における輝度を低くすることができるため、長期に渡って発光性能を維持することができる。
【0262】
(3)1つの画素内に複数の凹凸構造を配置することができ、光の配向(角度分布や画素内における強度分布や角度分布)を設計ができ、最適な視認性の設計が可能である。
【0263】
(4)頂角を同一とした場合、凹凸の高さが低くなるため、短絡や断線等の不具合が生じ難くなる。
【0264】
請求項に記載の発明によれば、(1)素子内部での光損失を減少させることができるため、高効率の発光性能を維持することができ、電池容量等の減量化による、軽量化あるいは長使用時間化を図ることができる。
【0265】
(2)光の配向を変化させることができるため、より高度な機能を持たせることができる。
【0266】
請求項に記載の発明によれば、(1)簡単な工程で、長期に渡って発光性能を維持することができる有機エレクトロルミネッセンスを作成することができる。
【0267】
(2)形成方法が簡単なため、作業性が高く、生産性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図
【図2】本発明の実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図
【図3】本発明の実施の形態3における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置の概略斜視図
【図4】本発明の実施の形態4における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を備えた携帯端末を示す斜視図
【図5】本発明の実施の形態4における有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた画像形成装置を備えた携帯端末を示すブロック図
【図6】有機エレクトロルミネッセンス素子における駆動時間と相対期輝度の関係を示すグラフ
【図7】有機エレクトロルミネッセンス素子における駆動電圧と輝度の関係を示すグラフ
【図8】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成を説明する概念図
【図9】光学シミュレーションの結果を示すグラフ
【図10】光学シミュレーションの結果を示すグラフ
【図11】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の要部断面図
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 陰極
6 凹凸構造
7 透明平坦化構造体
9 マイク
10 スピーカー
11 操作部
12 表示部
13 アンテナ
14 送信部
15 受信部
16 制御部

Claims (6)

  1. 正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極とを備えた発光部を具備し、前記発光部が基板表面に形成された凹凸構造上に設けられ、該発光部の面積が前記発光層からの光を取り出す光取り出し面の面積よりも大きく形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記凹凸構造上には、陽極又は陰極の一方が形成されて、該陽極又は陰極の一方が前記発光層で発光した光を反射する反射電極とされ、且つ、前記陽極又は陰極の他方が前記一方の上に配置された前記発光層の上に前記反射電極に対向して形成されて透明電極とされ、
    前記透明電極の上方には、流動性を有する透明接着剤又は透明レジスト材料、あるいはこれらを複合化させた透明材料を流し込んで硬化させ、光取り出し面が平面にされた透明平坦化構造体が形成され、
    前記凹凸構造の屈折率が、1.7〜1.9であり、
    前記凹凸構造の面の角度を、前記基板の法線方向に対して120°としたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陽極および前記陰極が、ストライプ状に個々電気的に分離され、1つ以上の画素からなる画像表示配列を有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の前記陽極又は前記陰極が、個々電気的に画素毎に分離されて構成され、前記陽極又は前記陰極は、少なくとも1つ以上のスイッチング素子を介して走査されることで、画像表示配列を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記凹凸構造の平面方向の大きさは、前記画素の平面方向の大きさよりも小さく形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 音声を音声信号に変換する音声信号変換部と、電話番号等を入力する操作部と、着信表示や電話番号等を表示する表示部と、音声信号を送信信号に変換する送信部と、受信信号を音声信号に変換する受信部と、前記送信信号及び前記受信信号を送受信するアンテナと、各部を制御する制御部とを備えた携帯端末であって、前記表示手段が請求項2乃至4のいずれかに記載の画像形成装置で構成されたことを特徴とする携帯端末。
  6. 基板上に、フッ化ガラス又は高屈折樹脂、無機酸化物、透明レジスト材料、透明接着剤からなる屈折率が1.7〜1.9であって、面の角度を、前記基板の法線方向に対して120°とした凹凸構造を形成し、その上面に、少なくとも正孔を注入する陽極と、発光領域を有する発光層と、電子を注入する陰極を形成し、さらにその上面に、流動性を有する透明接着剤又は透明レジスト材料、あるいはこれらを複合化させた透明材料を流し込んで硬化させることにより光取り出し面が平面になった平坦化構造を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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