JP2004259606A - 表示体および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光素子からの光を出力する表示パネルにおいて、光の利用効率のさらに高い表示パネルを提供する。
【解決手段】発光素子11を含む表示体層10と、出力層30とが積層された構成の表示パネル3において、出力層30の屈折率を発光素子11の屈折率と同等または大きくすると共に、出力層30は、出力層30に入力した光の進行方向を曲げて出力層30の界面30aから光8が出力されるようにする。これにより、出力層30と表示体層10との間における全反射による出力光のロスを防止することが可能であり、発光素子11から出力された光の利用効率がさらに高い表示体4および表示パネル3を提供できる。
【選択図】 図2
【解決手段】発光素子11を含む表示体層10と、出力層30とが積層された構成の表示パネル3において、出力層30の屈折率を発光素子11の屈折率と同等または大きくすると共に、出力層30は、出力層30に入力した光の進行方向を曲げて出力層30の界面30aから光8が出力されるようにする。これにより、出力層30と表示体層10との間における全反射による出力光のロスを防止することが可能であり、発光素子11から出力された光の利用効率がさらに高い表示体4および表示パネル3を提供できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)などの自発光型素子を用いた表示パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発光型のフラットパネルディスプレイ(FPD)として、有機EL素子を用いた表示パネルや、プラズマディスプレイパネル(PDP)を用いたものが盛んに開発されている。また、発光素子であるLEDをマトリクス状に配置した表示パネルも開発されている。これらの表示パネルを構成する自発光型の発光素子からは放射状に光が出力される。屈折率が1より大きな透明媒質中で発光素子が発光するため、パネルと外界との界面(パネル表面)には光が外部にでない臨界角が存在し、発光素子から出力された光のうち、臨界角以上の角度でパネル表面の透明層に入射した光はパネル内に閉じ込められ外部に射出されない。このため、実際に表示体層から出力された全発光光量のうち、一定の割合の光しか利用することができない。自発光型の素子の一つである有機EL素子においては、20%〜30%程度の光しか表示パネルの外に取り出せないと言われている。
【0003】
このような光の利用効率または光の取出効率に関する問題を解決するために、臨界角以上の放射角を持つ出力光の進行方向を反射したり屈折させることにより臨界角未満に変換する構造を、表示パネルの出力側を構成する保護層あるいは外装層となる透明パネルの内部に作ることにより光の取出効率を上げることが提案されている。特開平10−189251号公報では、表示体層の周囲に楔状の反射部材を配置し、反射性の斜面構造が作り込まれた構成が開示されている。この反射タイプの斜面構造では、透明パネルに所定の溝を形成し、その溝に対して金属部材を蒸着することにより反射性の楔状部材を形成している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−189251号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発光素子からの出力光の進行方向を変える角度変換構造を透明パネル内に設けることにより、発光素子から出力された光の取出効率を向上できる。しかしながら、表示パネルから出力される光量をさらに向上したいという要望は常にある。そして、変換構造を設けたからといって、発光素子から出力された光がすべて表示パネルから外界に出力されているのではない。
【0006】
発光素子を含む表示体層に保護層を積層した表示パネルにおいて、発光素子からの出力光のすべてが外界に出力されない要因の1つは、発光素子と保護層との間にも界面があり、保護層の屈折率が発光素子の屈折率よりも低いと発光素子から保護層に対して光を入力するときに臨界角がある。たとえば、図11に示すように、発光素子11として電極20および21に挟まれた有機ELを採用した表示パネル90の一般的な構成では、基板5の上に形成された表示体層10にガラス基板92を保護層として積層している。発光素子11の屈折率は1.7程度であるのに対し、ガラス基板92の屈折率は、1.5程度であり、発光素子11から出力され、電極20を通過した光には、界面95で全反射する成分が存在する。したがって、図11に示すように、発光素子11から出力された光のうち、ガラス基板92への入射角が臨界角以上である光98は、ガラス基板92との境界面95にて反射され、外界に取り出すことができない。
【0007】
保護層あるいは出力層として表示体層に積層される透明パネルの屈折率を発光素子の屈折率より大きくすれば、表示体層から透明パネルに入力される光に対しては全反射成分がない。したがって、発光素子から出力した光を透明パネルに入力させることができる。しかしながら、透明パネルの屈折率を大きくすると、外界である空気との屈折率の差は大きくなり、透明パネルから外界に出力される光に対する臨界角が小さくなる。したがって、単に発光素子の屈折率より大きな屈折率の透明パネルを採用したとしても、外界に取り出せる光の量は増えないので、光の取出効率を向上することができない。
【0008】
そこで、本発明においては、発光素子より出力される光を、さらに多く外界へ出力できる表示体を提供することを目的としている。そして、その表示体をマトリクス状に並べた表示パネル、さらに、その表示パネルを採用した表示装置を提供することにより、さらに明るい画像を表示することができる表示装置を提供することを本発明の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、発光素子から出力された出力光の進行方向を射出方向へ向ける角度変換手段を有する透明な出力層の屈折率を発光素子の屈折率と同じまたは大きくすることにより、出力層に対して出力光が漏れなく入力されるようにすると共に、出力層で出力光の方向を出力層と外界との界面の臨界角より小さくすることにより屈折率の高い出力層であっても外界に対して出力光を効率よく出力できるようにしている。すなわち、本発明の表示体は、発光素子を含む表示体層と、この表示体層の射出方向に位置し、発光素子から出力された出力光の進行方向を射出方向へ向ける角度変換手段を備えた透明な出力層とを有し、この出力層の屈折率を発光素子の屈折率と同等または大きくしている。
【0010】
出力層の屈折率を、発光素子の屈折率と同等、あるいは大きくすることにより発光素子あるいは表示体層から出力層へ向かう光に対しては全反射成分は存在せず、発光素子から背面に出力される光を除き、前方あるいは上方に出力された出力光は全て出力層に取り出せる。そして、出力層に反射または屈折で出力光の進行方向を変える角度変換手段を設けることで、出力層と外界との界面に対する入射角の大きい出力光の進行方向を、外界との界面に対する入射角度が小さくなるように変換し、屈折率が大きくなったことで外部との境界における臨界角が小さくなっても、さらにその臨界角より入射角度を小さくすることで外界へ出力でき、光の取り出し効率を維持あるいは向上できる。したがって、本発明の表示体であれば、発光素子あるいは表示体層から出力層に対して出力光が入射するときのロスを低減できるので、発光素子から出力された光の利用効率をさらに向上できる。
【0011】
出力層における出力光の光路を変換する角度変換手段としては、出力光を屈折させて進行方向を変換するマイクロレンズまたはマイクロプリズムや、出力光を反射させて進路を変更するマイクロミラーを使用できる。マイクロレンズは、それ自体を出力層として利用することも可能である。
【0012】
屈折率の高い出力層を用意しても、発光素子と出力層の間に発光素子の屈折率より屈折率の低い中間層があると、その中間層に入射する際の界面で全反射される光があるので、出力層に入力される出力光が減少する。一方、出力層の屈折率より屈折率の高い中間層が発光素子と出力層との間にあっても、その中間層に発光素子から入力された光は、中間層と出力層との臨界角以下で出力層に入力されるので、中間層における損失は発生しない。したがって、中間層の屈折率は、発光素子よりも高くする必要がある。たとえば、発光素子が電圧を印加することにより発光する有機ELのようなものであると、表示体層に、発光素子に電圧を印加する電極である透明電極層を積層する必要があり、この透明電極層は、発光素子と出力層との間の中間層となるので、この透明電極層の屈折率は、発光素子の屈折率よりも高くすることにより透明電極層における出力光の損失を抑制できる。
【0013】
一方、出力層と透明電極層の屈折率差が大きい場合、出力層と透明電極層の界面で屈折率段差による反射が存在し、光の利用効率が低下する。また、外光が入射した場合、界面で外光が反射するため、コントラストが低下する。したがって、透明電極層と出力層との界面に反射防止層を設けて光の利用効率を高め、さらに外光の反射を抑制することが望ましい。
【0014】
また、出力層から出力された光は空気中(屈折率は約1)を通ってユーザーの眼に達して初めて有効に働く。出力層の射出方向に出力層との間を空けてさらに透明な封止層を設ける場合、その空間が屈折率がほぼ1の不活性ガスで満たされ、封止層が屈折率が約1.5の部材で構成されていたとしても、出力層から不活性ガス層に入力された光はすべて封止層へ入力することが可能であり、さらに不活性ガス層とユーザーの存在する空気層の屈折率がほぼ同程度なため封止層へ入力された光はすべて空気中へ取り出すことが可能である。
【0015】
このように、本発明の表示体は、発光素子から出力される光の利用効率をさらに向上できるので、高輝度の光を出力できる。したがって、この表示体を複数使用し、2次元にマトリクス状に配置した表示パネルにより、高輝度で鮮明な画像を表示できる。また、本発明の表示パネルと、表示パネルの発光素子を駆動して画像を表示する駆動装置とを備えた表示装置を提供することにより、さらに明るい画像を低い電力で表示可能な表示装置を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に示した携帯電話機1は、本発明に係る表示パネルと駆動装置とからなる表示装置である。この携帯電話機1の表示パネル3は、自発光型の発光素子である有機EL素子がマトリクス状に配置された表示体層10と出力層30を有しており、発光素子から出力された光8をユーザー9に向けて出力し、文字や画像などのデータをユーザー9に表示する。
【0017】
図2は、表示パネル3を構成する表示体4の断面の一部を拡大して示してある。表示パネル3は、基板5と、基板5の上に順番に積層された表示体層10および出力層30とを備えている。表示体層10は、ポリイミド製のバンク12により分離され、マトリクス状に2次元に配置された有機EL素子を発光素子11とし、この発光素子11が電極20および21により挟み込まれた構成となっている。これらの電極のうち、出力層30の側に位置する電極20は酸化インジウム錫(ITO)などの透明電極である。したがって、発光素子11の単位でみると、基板5、表示体層10および出力層30が順番に積層された構造の複数の表示体4を有し、これらの表示体4がマトリクス状に配置された構成となっている。有機ELを発光素子とする表示パネル3においては、発光素子の屈折率は約1.7であり、透明電極20はITOを使用すれば屈折率は約2.0である。
【0018】
透明電極20の射出方向側に配置された出力層30は、全体が透明で、発光素子11から出力された光8を反射する反射板32を備えた反射板付きシート31が、透明な接着層33により表示体層10に貼り付けられた構成となっている。本例のシート31および接着層33は、二重結合および三重結合のような多重結合を多く含むアリール系の樹脂で形成されており、屈折率は約1.7にしている。したがって、本例の表示パネル3では、出力層30の屈折率は、発光素子11の屈折率と同程度となっている。したがって、表示体層10と出力層30との間の第1の界面30bでは、発光素子11から出力された光のうち、ユーザー9の方向(射出方向あるいは前方)D1に出力された出力光8には全反射成分は存在せず、発光素子11の出力光8は全て出力層30に伝達される。
【0019】
実際には、透明電極層20の屈折率が2.0程度であり、出力層30の屈折率が透明電極層20の屈折率より小さい場合は、第1の界面30bにおいて出力光8に対する全反射角が存在する。しかしながら、発光素子11から透明電極層20に伝達された光8は、全て第1の界面30bに対して臨界角以下で入力するので、出力層30の屈折率が透明電極層20の屈折率より小さくても第1の界面30bにより出力光8が全反射されることはない。したがって、透明電極層20の屈折率が発光素子11の屈折率と同じあるいは大きい場合は、発光素子11の屈折率と出力層30の屈折率とを比較することで、発光素子11からの出力光8が出力層30に伝達されるか否かを判断できる。
【0020】
一方、透明電極層20の屈折率が発光素子11の屈折率より小さい場合は、透明電極20と発光素子11の界面で出力光8の一部が全反射されるため、出力光8の利用効率が低下する。
【0021】
本例の表示パネル3においては、出力層30に入力された出力光8のうち、外部との界面である第2の界面30aにおける臨界角よりも小さな角度で界面30aに入力される光は界面30aを通過して外界に出力される。一方、出力層30に入力された出力光8のうち、界面30aにおける入射角度が臨界角より大きくなる光は、反射板付きシート31の反射板32により、界面30aに対する入射角度が小さくなるように反射される。よって、出力層30に入力された光は、直に、または反射板32で反射されることにより、界面30aを通って外界50へ出力される。
【0022】
図3に、発光素子11の屈折率が1.7としたときの、出力層30の屈折率と、出力層30へ出力光8が入射する割合(入射率)との関係を示してある。出力層30の屈折率が発光素子11の屈折率以上になると入射率は1となり、全反射によるロスがないことを示している。出力層として二酸化珪素を主成分とするガラス基板を設置した場合は、屈折率は1.5程度であるので、入射率は、0.78となる。したがって、出力層30の屈折率を発光素子11の屈折率以上にすることにより、出力層30に入力される出力光8の割合は約30%程度も増加する。このため、出力層30に入力された出力光8が全て出力層30から外界に出力されるとすると、本発明により、光の利用効率を30%程度も向上することが可能となる。
【0023】
屈折率が1.7以上である高屈折樹脂としては、例えば、二重結合、三重結合のような多重結合を多く含む樹脂が好ましく、アリール系の樹脂であれば、高屈折率が得やすい。
【0024】
図4ないし図6に、図2における表示パネル3の製造方法の過程の1例を断面図により示してある。これらの図に示すように、有機EL素子11がマトリクス状に配置された表示体層10が積層された基板5を用意し(図4)、これとは別に、下に凸になった台形状の突起34がマトリクス状に成形され、その台形状の突起34の斜面が反射板32となった反射板付きシート31を用意する(図5)。そして、図6に示すように、接着層33により基板5の表示体層10の側をシート31で覆うように貼り付けることにより、表示パネル3を製造することができる。シート31および接着層33の組成あるいは素材は同じでも良く、異なっていても良いが、それぞれの層の屈折率が発光素子11の屈折率より大きくなる組成または素材が選択される。1つの例は、上述したようなアリール系の樹脂であり、そのほかの二重結合、三重結合のような多重結合を多く含む樹脂であれば高屈折率を得ることができる。
【0025】
上記では、出力層30に入力された出力光8が出力層30から外界50に出力される効率を向上するために進行方向を変換する手段として反射板32が設けられた表示パネルを例に本発明を説明しているが、変換する手段は屈折でも良い。図7に、上記と異なる表示パネル3aの概略構成を示してある。この表示パネル3aは、出力光8の進行方向を屈折面により変換するマイクロレンズ36が内部に形成された出力層30を備えた表示体4aがマトリクス状に配置されている。この出力層30においては下面がマイクロレンズ36の屈折面を構成するように加工されたレンズシート35と接着層33の屈折率が同じであると、マイクロレンズ36が構成されないので、レンズシート35の屈折率に対して接着層33の屈折率が高いことが望ましい。そして、接着層33の屈折率が、発光素子11の屈折率より高ければ、上記の表示パネル3と同様に発光素子11の出力光8を漏れなく出力層30に入力でき、マクロレンズ36で出力光8の進行方向を変換し、出力層30から外界50に出力することができる。したがって、光の利用効率のさらに高い表示パネルを提供できる。
【0026】
図8に、上記とさらに異なる表示パネル3bの概略構成を示してある。この表示パネル3bにおいては、マイクロレンズ36が出力層30となっており、マイクロレンズとなる屈折面36が外界50との界面30aとなった表示体4bがマトリクス状に配置されている。この表示パネル3bにおいては、マイクロレンズ36の面自体が界面30aとなり、界面30aの傾きが変化することにより出力光8の入射角が臨界角より小さくなるので、さらに効率よく出力光8を外界50に出力できる。したがって、さらに光の利用効率を向上できる。
【0027】
これらのマイクロレンズ36はインクジェット方式により、透明電極層20の上に直に形成することが可能であり、低コストで、薄く、高輝度な表示パネルを提供することが可能である。
【0028】
図9に、上記とさらに異なる表示パネル3cの概略構成を示してある。この表示パネル3cは、マイクロレンズ36の射出側に透明な封止層40を設け、その内部に屈折率が1以上である不活性ガス42を封入している。封止層40と、不活性ガス42とにより有機EL素子11が酸化や吸湿により劣化することを防止できる。表示パネル3cは、屈折率が1の外界(空気)50を通して出力光8をユーザー9に伝達し、画像を表示する。したがって、封止層40の内部の不活性ガス42の屈折率が1未満であると、出力層30と不活性ガス42との界面30aにおける臨界角が空気との界面における臨界角より小さくなるので、全反射によるロスが大きくなる。一方、不活性ガス42の屈折率が1より大きいと、マイクロレンズ36の屈折力が小さくなるので、出力光8を射出方向D1に変換する効率はさがる。また、封止層40の屈折率は不活性ガス42の屈折率より大きくないと封止層40に入射するときに全反射でロスが発生する。このため、封止層40の材料の選択範囲が小さくなる。したがって、不活性ガス42の屈折力はほぼ1であることが望ましい。
【0029】
図10に、さらに異なる表示パネル3dの概略構成を示してある。この表示パネル3dにおいては、透明電極層20の上に反射防止層45が成膜され、さらにその上に、マイクロレンズ36からなる出力層30が形成された表示体4dがマトリクス状に配置されている。出力層30と透明電極20の屈折率差が大きい場合、出力層30と透明電極20の界面で、臨界角以内の角度で入射された光であっても、屈折率段差による反射が存在し、光の利用効率が低下する。また、外界50から表示パネル3dに入力される外光7、たとえば太陽や照明の光も出力層30と透明電極20の屈折率段差により反射するため、発光素子11から出力される出力光8のコントラストを低下させる要因となる。このため、表示体層10と出力層30との間、すなわち、透明電極20と出力層30との間に反射防止膜45を配置することにより光の利用効率を高めさらに、外光7の反射を防止している。表示パネル3の内部で、すべての層において屈折率段差による反射を発生させない為には、発光素子11と透明電極20の界面に反射防止膜を配置することが望ましい。しかしながら、発光素子11と電極20との間に絶縁性の反射防止膜を配置することができない。このため、表示体層10と出力層30との間に反射防止膜45を配置することにより、屈折率段差による反射をできるだけ少なくし、光取り出し効率が高く、コントラストの大きな鮮明な画像を表示できる表示パネル3dを提供するようにしている。
【0030】
以上に示した表示パネル3〜3dにおいては、出力層30に高屈折材料を使用することにより、発光素子11から出力された光8を漏れなく出力層30に供給し、出力層30で光路変換して、高屈折率材料を用いることにより小さくなった臨界面よりさらに小さな角度で外界との界面30aに入射することにより光の利用効率をさらに向上している。出力光8の進行方向は反射あるいは屈折で変更することが可能であり、屈折を採用した場合、上記のようにレンズに限らずプリズムを利用することも可能である。
【0031】
図3に示したシミュレーションの結果によれば、本発明により、高屈折率材料を用いない場合に比べて光の利用効率をさらに30%前後向上することが可能であり、低電力で高輝度で鮮明な画像を表示できる表示パネルを提供できる。
【0032】
なお、本発明にかかる表示パネル3は、上述した携帯電話1にかぎらず、カーナビゲーションシステム、コンピュータのモニタ、テレビなどのあらゆる分野の表示装置に適用可能であり、明るく、鮮明な画像が表示可能で消費電力が小さな表示装置を提供できる。また、上述したように、発光素子は有機ELに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイなど他の自発光素子を用いた表示体および表示パネルに対し、本発明を適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、出力層の屈折率を、発光素子の屈折率と同じまたは大きくすることにより、発光素子の出力光を、すべて出力層に入力できる。そして、出力層に光路を変換する角度変換手段を設けておくことにより、屈折率を大きくすることで臨界角が小さくなった出力層と外界の界面に対して、その臨界角よりさらに小さい角度で出力光を入射できるため出力光を効率よく外界に出力できる。したがって、発光素子から出力される光の利用効率を大幅に向上でき、鮮明で明るい画像を表示可能な表示パネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示パネルが搭載された表示装置(携帯電話機)の概要を示す図である。
【図2】本発明に係る表示パネルの概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る表示パネルの出力層の屈折率と入射率の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る表示パネルの製造過程であって、表示体層が形成された基板を用意する段階を示す断面図である。
【図5】本発明に係る表示パネルの製造過程であって、マイクロミラーが形成されたシートを用意する段階を示す断面図である。
【図6】本発明に係る表示パネルの製造過程であって、基板とシートを張り合わせる状態を示す断面図である。
【図7】本発明の異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図8】本発明のさらに異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図9】本発明のさらに異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図10】本発明のさらに異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図11】出力光のロスが発生する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
2 駆動装置
3〜3d 表示パネル
4〜4d 表示体
10 表示体層
11 有機EL素子(発光素子)
30 出力層
31 反射板付きシート
32 反射板
33 接着層
35 レンズシート
36 マイクロレンズ
40 封止層
42 不活性ガス
45 反射防止層
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)などの自発光型素子を用いた表示パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自発光型のフラットパネルディスプレイ(FPD)として、有機EL素子を用いた表示パネルや、プラズマディスプレイパネル(PDP)を用いたものが盛んに開発されている。また、発光素子であるLEDをマトリクス状に配置した表示パネルも開発されている。これらの表示パネルを構成する自発光型の発光素子からは放射状に光が出力される。屈折率が1より大きな透明媒質中で発光素子が発光するため、パネルと外界との界面(パネル表面)には光が外部にでない臨界角が存在し、発光素子から出力された光のうち、臨界角以上の角度でパネル表面の透明層に入射した光はパネル内に閉じ込められ外部に射出されない。このため、実際に表示体層から出力された全発光光量のうち、一定の割合の光しか利用することができない。自発光型の素子の一つである有機EL素子においては、20%〜30%程度の光しか表示パネルの外に取り出せないと言われている。
【0003】
このような光の利用効率または光の取出効率に関する問題を解決するために、臨界角以上の放射角を持つ出力光の進行方向を反射したり屈折させることにより臨界角未満に変換する構造を、表示パネルの出力側を構成する保護層あるいは外装層となる透明パネルの内部に作ることにより光の取出効率を上げることが提案されている。特開平10−189251号公報では、表示体層の周囲に楔状の反射部材を配置し、反射性の斜面構造が作り込まれた構成が開示されている。この反射タイプの斜面構造では、透明パネルに所定の溝を形成し、その溝に対して金属部材を蒸着することにより反射性の楔状部材を形成している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−189251号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発光素子からの出力光の進行方向を変える角度変換構造を透明パネル内に設けることにより、発光素子から出力された光の取出効率を向上できる。しかしながら、表示パネルから出力される光量をさらに向上したいという要望は常にある。そして、変換構造を設けたからといって、発光素子から出力された光がすべて表示パネルから外界に出力されているのではない。
【0006】
発光素子を含む表示体層に保護層を積層した表示パネルにおいて、発光素子からの出力光のすべてが外界に出力されない要因の1つは、発光素子と保護層との間にも界面があり、保護層の屈折率が発光素子の屈折率よりも低いと発光素子から保護層に対して光を入力するときに臨界角がある。たとえば、図11に示すように、発光素子11として電極20および21に挟まれた有機ELを採用した表示パネル90の一般的な構成では、基板5の上に形成された表示体層10にガラス基板92を保護層として積層している。発光素子11の屈折率は1.7程度であるのに対し、ガラス基板92の屈折率は、1.5程度であり、発光素子11から出力され、電極20を通過した光には、界面95で全反射する成分が存在する。したがって、図11に示すように、発光素子11から出力された光のうち、ガラス基板92への入射角が臨界角以上である光98は、ガラス基板92との境界面95にて反射され、外界に取り出すことができない。
【0007】
保護層あるいは出力層として表示体層に積層される透明パネルの屈折率を発光素子の屈折率より大きくすれば、表示体層から透明パネルに入力される光に対しては全反射成分がない。したがって、発光素子から出力した光を透明パネルに入力させることができる。しかしながら、透明パネルの屈折率を大きくすると、外界である空気との屈折率の差は大きくなり、透明パネルから外界に出力される光に対する臨界角が小さくなる。したがって、単に発光素子の屈折率より大きな屈折率の透明パネルを採用したとしても、外界に取り出せる光の量は増えないので、光の取出効率を向上することができない。
【0008】
そこで、本発明においては、発光素子より出力される光を、さらに多く外界へ出力できる表示体を提供することを目的としている。そして、その表示体をマトリクス状に並べた表示パネル、さらに、その表示パネルを採用した表示装置を提供することにより、さらに明るい画像を表示することができる表示装置を提供することを本発明の目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、発光素子から出力された出力光の進行方向を射出方向へ向ける角度変換手段を有する透明な出力層の屈折率を発光素子の屈折率と同じまたは大きくすることにより、出力層に対して出力光が漏れなく入力されるようにすると共に、出力層で出力光の方向を出力層と外界との界面の臨界角より小さくすることにより屈折率の高い出力層であっても外界に対して出力光を効率よく出力できるようにしている。すなわち、本発明の表示体は、発光素子を含む表示体層と、この表示体層の射出方向に位置し、発光素子から出力された出力光の進行方向を射出方向へ向ける角度変換手段を備えた透明な出力層とを有し、この出力層の屈折率を発光素子の屈折率と同等または大きくしている。
【0010】
出力層の屈折率を、発光素子の屈折率と同等、あるいは大きくすることにより発光素子あるいは表示体層から出力層へ向かう光に対しては全反射成分は存在せず、発光素子から背面に出力される光を除き、前方あるいは上方に出力された出力光は全て出力層に取り出せる。そして、出力層に反射または屈折で出力光の進行方向を変える角度変換手段を設けることで、出力層と外界との界面に対する入射角の大きい出力光の進行方向を、外界との界面に対する入射角度が小さくなるように変換し、屈折率が大きくなったことで外部との境界における臨界角が小さくなっても、さらにその臨界角より入射角度を小さくすることで外界へ出力でき、光の取り出し効率を維持あるいは向上できる。したがって、本発明の表示体であれば、発光素子あるいは表示体層から出力層に対して出力光が入射するときのロスを低減できるので、発光素子から出力された光の利用効率をさらに向上できる。
【0011】
出力層における出力光の光路を変換する角度変換手段としては、出力光を屈折させて進行方向を変換するマイクロレンズまたはマイクロプリズムや、出力光を反射させて進路を変更するマイクロミラーを使用できる。マイクロレンズは、それ自体を出力層として利用することも可能である。
【0012】
屈折率の高い出力層を用意しても、発光素子と出力層の間に発光素子の屈折率より屈折率の低い中間層があると、その中間層に入射する際の界面で全反射される光があるので、出力層に入力される出力光が減少する。一方、出力層の屈折率より屈折率の高い中間層が発光素子と出力層との間にあっても、その中間層に発光素子から入力された光は、中間層と出力層との臨界角以下で出力層に入力されるので、中間層における損失は発生しない。したがって、中間層の屈折率は、発光素子よりも高くする必要がある。たとえば、発光素子が電圧を印加することにより発光する有機ELのようなものであると、表示体層に、発光素子に電圧を印加する電極である透明電極層を積層する必要があり、この透明電極層は、発光素子と出力層との間の中間層となるので、この透明電極層の屈折率は、発光素子の屈折率よりも高くすることにより透明電極層における出力光の損失を抑制できる。
【0013】
一方、出力層と透明電極層の屈折率差が大きい場合、出力層と透明電極層の界面で屈折率段差による反射が存在し、光の利用効率が低下する。また、外光が入射した場合、界面で外光が反射するため、コントラストが低下する。したがって、透明電極層と出力層との界面に反射防止層を設けて光の利用効率を高め、さらに外光の反射を抑制することが望ましい。
【0014】
また、出力層から出力された光は空気中(屈折率は約1)を通ってユーザーの眼に達して初めて有効に働く。出力層の射出方向に出力層との間を空けてさらに透明な封止層を設ける場合、その空間が屈折率がほぼ1の不活性ガスで満たされ、封止層が屈折率が約1.5の部材で構成されていたとしても、出力層から不活性ガス層に入力された光はすべて封止層へ入力することが可能であり、さらに不活性ガス層とユーザーの存在する空気層の屈折率がほぼ同程度なため封止層へ入力された光はすべて空気中へ取り出すことが可能である。
【0015】
このように、本発明の表示体は、発光素子から出力される光の利用効率をさらに向上できるので、高輝度の光を出力できる。したがって、この表示体を複数使用し、2次元にマトリクス状に配置した表示パネルにより、高輝度で鮮明な画像を表示できる。また、本発明の表示パネルと、表示パネルの発光素子を駆動して画像を表示する駆動装置とを備えた表示装置を提供することにより、さらに明るい画像を低い電力で表示可能な表示装置を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に示した携帯電話機1は、本発明に係る表示パネルと駆動装置とからなる表示装置である。この携帯電話機1の表示パネル3は、自発光型の発光素子である有機EL素子がマトリクス状に配置された表示体層10と出力層30を有しており、発光素子から出力された光8をユーザー9に向けて出力し、文字や画像などのデータをユーザー9に表示する。
【0017】
図2は、表示パネル3を構成する表示体4の断面の一部を拡大して示してある。表示パネル3は、基板5と、基板5の上に順番に積層された表示体層10および出力層30とを備えている。表示体層10は、ポリイミド製のバンク12により分離され、マトリクス状に2次元に配置された有機EL素子を発光素子11とし、この発光素子11が電極20および21により挟み込まれた構成となっている。これらの電極のうち、出力層30の側に位置する電極20は酸化インジウム錫(ITO)などの透明電極である。したがって、発光素子11の単位でみると、基板5、表示体層10および出力層30が順番に積層された構造の複数の表示体4を有し、これらの表示体4がマトリクス状に配置された構成となっている。有機ELを発光素子とする表示パネル3においては、発光素子の屈折率は約1.7であり、透明電極20はITOを使用すれば屈折率は約2.0である。
【0018】
透明電極20の射出方向側に配置された出力層30は、全体が透明で、発光素子11から出力された光8を反射する反射板32を備えた反射板付きシート31が、透明な接着層33により表示体層10に貼り付けられた構成となっている。本例のシート31および接着層33は、二重結合および三重結合のような多重結合を多く含むアリール系の樹脂で形成されており、屈折率は約1.7にしている。したがって、本例の表示パネル3では、出力層30の屈折率は、発光素子11の屈折率と同程度となっている。したがって、表示体層10と出力層30との間の第1の界面30bでは、発光素子11から出力された光のうち、ユーザー9の方向(射出方向あるいは前方)D1に出力された出力光8には全反射成分は存在せず、発光素子11の出力光8は全て出力層30に伝達される。
【0019】
実際には、透明電極層20の屈折率が2.0程度であり、出力層30の屈折率が透明電極層20の屈折率より小さい場合は、第1の界面30bにおいて出力光8に対する全反射角が存在する。しかしながら、発光素子11から透明電極層20に伝達された光8は、全て第1の界面30bに対して臨界角以下で入力するので、出力層30の屈折率が透明電極層20の屈折率より小さくても第1の界面30bにより出力光8が全反射されることはない。したがって、透明電極層20の屈折率が発光素子11の屈折率と同じあるいは大きい場合は、発光素子11の屈折率と出力層30の屈折率とを比較することで、発光素子11からの出力光8が出力層30に伝達されるか否かを判断できる。
【0020】
一方、透明電極層20の屈折率が発光素子11の屈折率より小さい場合は、透明電極20と発光素子11の界面で出力光8の一部が全反射されるため、出力光8の利用効率が低下する。
【0021】
本例の表示パネル3においては、出力層30に入力された出力光8のうち、外部との界面である第2の界面30aにおける臨界角よりも小さな角度で界面30aに入力される光は界面30aを通過して外界に出力される。一方、出力層30に入力された出力光8のうち、界面30aにおける入射角度が臨界角より大きくなる光は、反射板付きシート31の反射板32により、界面30aに対する入射角度が小さくなるように反射される。よって、出力層30に入力された光は、直に、または反射板32で反射されることにより、界面30aを通って外界50へ出力される。
【0022】
図3に、発光素子11の屈折率が1.7としたときの、出力層30の屈折率と、出力層30へ出力光8が入射する割合(入射率)との関係を示してある。出力層30の屈折率が発光素子11の屈折率以上になると入射率は1となり、全反射によるロスがないことを示している。出力層として二酸化珪素を主成分とするガラス基板を設置した場合は、屈折率は1.5程度であるので、入射率は、0.78となる。したがって、出力層30の屈折率を発光素子11の屈折率以上にすることにより、出力層30に入力される出力光8の割合は約30%程度も増加する。このため、出力層30に入力された出力光8が全て出力層30から外界に出力されるとすると、本発明により、光の利用効率を30%程度も向上することが可能となる。
【0023】
屈折率が1.7以上である高屈折樹脂としては、例えば、二重結合、三重結合のような多重結合を多く含む樹脂が好ましく、アリール系の樹脂であれば、高屈折率が得やすい。
【0024】
図4ないし図6に、図2における表示パネル3の製造方法の過程の1例を断面図により示してある。これらの図に示すように、有機EL素子11がマトリクス状に配置された表示体層10が積層された基板5を用意し(図4)、これとは別に、下に凸になった台形状の突起34がマトリクス状に成形され、その台形状の突起34の斜面が反射板32となった反射板付きシート31を用意する(図5)。そして、図6に示すように、接着層33により基板5の表示体層10の側をシート31で覆うように貼り付けることにより、表示パネル3を製造することができる。シート31および接着層33の組成あるいは素材は同じでも良く、異なっていても良いが、それぞれの層の屈折率が発光素子11の屈折率より大きくなる組成または素材が選択される。1つの例は、上述したようなアリール系の樹脂であり、そのほかの二重結合、三重結合のような多重結合を多く含む樹脂であれば高屈折率を得ることができる。
【0025】
上記では、出力層30に入力された出力光8が出力層30から外界50に出力される効率を向上するために進行方向を変換する手段として反射板32が設けられた表示パネルを例に本発明を説明しているが、変換する手段は屈折でも良い。図7に、上記と異なる表示パネル3aの概略構成を示してある。この表示パネル3aは、出力光8の進行方向を屈折面により変換するマイクロレンズ36が内部に形成された出力層30を備えた表示体4aがマトリクス状に配置されている。この出力層30においては下面がマイクロレンズ36の屈折面を構成するように加工されたレンズシート35と接着層33の屈折率が同じであると、マイクロレンズ36が構成されないので、レンズシート35の屈折率に対して接着層33の屈折率が高いことが望ましい。そして、接着層33の屈折率が、発光素子11の屈折率より高ければ、上記の表示パネル3と同様に発光素子11の出力光8を漏れなく出力層30に入力でき、マクロレンズ36で出力光8の進行方向を変換し、出力層30から外界50に出力することができる。したがって、光の利用効率のさらに高い表示パネルを提供できる。
【0026】
図8に、上記とさらに異なる表示パネル3bの概略構成を示してある。この表示パネル3bにおいては、マイクロレンズ36が出力層30となっており、マイクロレンズとなる屈折面36が外界50との界面30aとなった表示体4bがマトリクス状に配置されている。この表示パネル3bにおいては、マイクロレンズ36の面自体が界面30aとなり、界面30aの傾きが変化することにより出力光8の入射角が臨界角より小さくなるので、さらに効率よく出力光8を外界50に出力できる。したがって、さらに光の利用効率を向上できる。
【0027】
これらのマイクロレンズ36はインクジェット方式により、透明電極層20の上に直に形成することが可能であり、低コストで、薄く、高輝度な表示パネルを提供することが可能である。
【0028】
図9に、上記とさらに異なる表示パネル3cの概略構成を示してある。この表示パネル3cは、マイクロレンズ36の射出側に透明な封止層40を設け、その内部に屈折率が1以上である不活性ガス42を封入している。封止層40と、不活性ガス42とにより有機EL素子11が酸化や吸湿により劣化することを防止できる。表示パネル3cは、屈折率が1の外界(空気)50を通して出力光8をユーザー9に伝達し、画像を表示する。したがって、封止層40の内部の不活性ガス42の屈折率が1未満であると、出力層30と不活性ガス42との界面30aにおける臨界角が空気との界面における臨界角より小さくなるので、全反射によるロスが大きくなる。一方、不活性ガス42の屈折率が1より大きいと、マイクロレンズ36の屈折力が小さくなるので、出力光8を射出方向D1に変換する効率はさがる。また、封止層40の屈折率は不活性ガス42の屈折率より大きくないと封止層40に入射するときに全反射でロスが発生する。このため、封止層40の材料の選択範囲が小さくなる。したがって、不活性ガス42の屈折力はほぼ1であることが望ましい。
【0029】
図10に、さらに異なる表示パネル3dの概略構成を示してある。この表示パネル3dにおいては、透明電極層20の上に反射防止層45が成膜され、さらにその上に、マイクロレンズ36からなる出力層30が形成された表示体4dがマトリクス状に配置されている。出力層30と透明電極20の屈折率差が大きい場合、出力層30と透明電極20の界面で、臨界角以内の角度で入射された光であっても、屈折率段差による反射が存在し、光の利用効率が低下する。また、外界50から表示パネル3dに入力される外光7、たとえば太陽や照明の光も出力層30と透明電極20の屈折率段差により反射するため、発光素子11から出力される出力光8のコントラストを低下させる要因となる。このため、表示体層10と出力層30との間、すなわち、透明電極20と出力層30との間に反射防止膜45を配置することにより光の利用効率を高めさらに、外光7の反射を防止している。表示パネル3の内部で、すべての層において屈折率段差による反射を発生させない為には、発光素子11と透明電極20の界面に反射防止膜を配置することが望ましい。しかしながら、発光素子11と電極20との間に絶縁性の反射防止膜を配置することができない。このため、表示体層10と出力層30との間に反射防止膜45を配置することにより、屈折率段差による反射をできるだけ少なくし、光取り出し効率が高く、コントラストの大きな鮮明な画像を表示できる表示パネル3dを提供するようにしている。
【0030】
以上に示した表示パネル3〜3dにおいては、出力層30に高屈折材料を使用することにより、発光素子11から出力された光8を漏れなく出力層30に供給し、出力層30で光路変換して、高屈折率材料を用いることにより小さくなった臨界面よりさらに小さな角度で外界との界面30aに入射することにより光の利用効率をさらに向上している。出力光8の進行方向は反射あるいは屈折で変更することが可能であり、屈折を採用した場合、上記のようにレンズに限らずプリズムを利用することも可能である。
【0031】
図3に示したシミュレーションの結果によれば、本発明により、高屈折率材料を用いない場合に比べて光の利用効率をさらに30%前後向上することが可能であり、低電力で高輝度で鮮明な画像を表示できる表示パネルを提供できる。
【0032】
なお、本発明にかかる表示パネル3は、上述した携帯電話1にかぎらず、カーナビゲーションシステム、コンピュータのモニタ、テレビなどのあらゆる分野の表示装置に適用可能であり、明るく、鮮明な画像が表示可能で消費電力が小さな表示装置を提供できる。また、上述したように、発光素子は有機ELに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ、LEDディスプレイなど他の自発光素子を用いた表示体および表示パネルに対し、本発明を適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、出力層の屈折率を、発光素子の屈折率と同じまたは大きくすることにより、発光素子の出力光を、すべて出力層に入力できる。そして、出力層に光路を変換する角度変換手段を設けておくことにより、屈折率を大きくすることで臨界角が小さくなった出力層と外界の界面に対して、その臨界角よりさらに小さい角度で出力光を入射できるため出力光を効率よく外界に出力できる。したがって、発光素子から出力される光の利用効率を大幅に向上でき、鮮明で明るい画像を表示可能な表示パネルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示パネルが搭載された表示装置(携帯電話機)の概要を示す図である。
【図2】本発明に係る表示パネルの概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明に係る表示パネルの出力層の屈折率と入射率の関係を示す図である。
【図4】本発明に係る表示パネルの製造過程であって、表示体層が形成された基板を用意する段階を示す断面図である。
【図5】本発明に係る表示パネルの製造過程であって、マイクロミラーが形成されたシートを用意する段階を示す断面図である。
【図6】本発明に係る表示パネルの製造過程であって、基板とシートを張り合わせる状態を示す断面図である。
【図7】本発明の異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図8】本発明のさらに異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図9】本発明のさらに異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図10】本発明のさらに異なる表示パネルの構成を示す図である。
【図11】出力光のロスが発生する様子を示す図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
2 駆動装置
3〜3d 表示パネル
4〜4d 表示体
10 表示体層
11 有機EL素子(発光素子)
30 出力層
31 反射板付きシート
32 反射板
33 接着層
35 レンズシート
36 マイクロレンズ
40 封止層
42 不活性ガス
45 反射防止層
Claims (7)
- 発光素子を含む表示体層と、
前記表示体層の射出方向に位置し、前記発光素子から出力された出力光の進行方向を前記射出方向へ向ける角度変換手段を備えた透明な出力層とを有し、
前記出力層の屈折率は、前記発光素子の屈折率と同等または大きい表示体。 - 請求項1において、前記角度変換手段は、マイクロレンズ、マイクロプリズムまたはマイクロミラーである表示体。
- 請求項1において、前記表示体層は、前記発光素子を挟むように、前記発光素子よりも屈折率の高い透明電極層を備えている表示体。
- 請求項3において、前記透明電極層と前記出力層との界面に反射防止層を有する表示体。
- 請求項1において、前記出力層の射出方向に、透明な封止層を有し、前記出力層と前記封止層との間に、屈折率がほぼ1である不活性ガスが充填されている表示体。
- 請求項1に記載の表示体を複数有し、前記表示体が2次元にマトリクス状に配置されている表示パネル。
- 請求項6に記載の表示パネルと、この表示パネルの前記表示体層を駆動して画像を表示する駆動装置とを有する表示装置。
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