JP3991862B2 - 表示体および表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【従来の技術】
近年、自発光型のフラットパネルディスプレイ(FPD)として、有機EL素子を用いた表示パネルや、プラズマディスプレイパネル(PDP)の開発が進んでいる。
【0002】
これらの表示パネルでは、発光素子から出力された光が、発光素子をカバーする透明媒質中を伝達し、透明媒質の表面と空気との界面を通して、ユーザに表示光として観測される。発光素子からは、略全ての角度に光が発射されるが、透明媒質の表面と空気との界面で全反射が起こり、多くの光が透明媒質から空気中(外界)にでることができない。これは、透明媒質の屈折率が1より大きいために、外界との界面(パネル表面)において発光素子から射出された光が外界に出力されない臨界角が存在するからである。したがって、発光素子から出力された光のうち、臨界角以上で界面に入射した光は外部に射出されず、限られた割合の光しか表示パネルの出力光として利用できない。自発光型の発光体である有機EL素子においては、20%〜30%程度の光しか表示パネルの外に出せないと言われている。
【0003】
発光素子から出力された光の利用効率または光の取出効率を向上するために、パネル内部に斜面構造を作り、その斜面により臨界角以上の放射角を持つ光を反射させ、外界との界面に対して臨界角未満の光線あるいは光束に変換し、光の取出効率を上げることが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−189251号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−189251号公報には、発光素子の周囲に楔状の反射部材を配置して、発光素子から大きな角度で出力され、臨界角以上で界面に入射されるであろう光の角度を変換する構成が開示されている。しかしながら、このような発光素子の周囲に配置された反射部材は、外界から入射した太陽光や照明光などの外光も反射する。したがって、発光素子が自発光した光に対して、外光が周辺光として出力され、表示部と非表示部のコントラストが確保できなくなるという問題が発生する。さらに、発光素子の背面電極としてアルミニウムなどの反射性の電極を採用している場合も、発光素子以外の光により発光素子に相当する領域が明るくなり、コントラストが低下する要因となる。
【0006】
このような外光反射を抑制する方法として、表示パネルの表面に円偏光板を貼る方法が提案されている。外光が円偏光板を通り、表示パネルの内に入り反射部材で反射されると、再度、円偏光板に入射したときには円偏光板を通過できず、外光反射を抑制できる。
【0007】
この偏光板を用いて外光反射を防止する方法は、外光が表示パネルの内部で反射したときに位相がπずれることを利用している。しかしながら、表示パネルの内部の反射部材あるいは反射性の電極で外光が複数回反射し、楕円偏光した光が射出方向あるいは出力側、すなわち、ユーザの方向に向かうと反射した外光の一部が円偏光板を通過するため、発光素子から出力された光ではない光が発光素子の周囲から出力されることになり、発光素子から出力される光のコントラストを減じる要因となる。したがって、円偏光板により外光によるコントラストの低下を減らすことはできるが、十分ではなく、発光素子から出力された光も円偏光板により光量が削減されてしまうことを考えると、外光反射によるコントラスト低下の防止策としては十分とは言えない。
【0008】
そこで、本発明では、発光素子を備えた表示体において、外光反射を抑制でき、さらに高いコントラストを確保できる表示体およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
そして、高コントラストな表示が可能な表示体を複数並べて表示パネルを構成することにより、輝度が高く、十分なコントラストが得られる大型のフラットディスプレイや携帯機器用の小型のディスプレイなどの表示装置を提供することも本発明の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
外光の反射を防止するためには、外光を反射するものを表示パネル内に配置しないことが好ましい。しかしながら、発光素子からの光が臨界角以下になるような手段がないと、発光素子から出力された光の利用効率は低下してしまう。したがって、本発明においては、マイクロレンズや、V型の溝を持つプリズムを、発光素子を含む発光層に積層し、発光素子から出力された光が外界との界面に対して臨界角以下となるように入射させる。
【0011】
この方法は、反射ではなく屈折により光路を変換しているので、発光素子の周囲に反射部材はなく、外光反射によるコントラスト低下を防止できる。さらに、屈折面におけるフレネル反射も防止するために反射防止膜を屈折面に設けても、発光素子から射出された光の利用効率を低下させることはない。したがって、発光素子の周囲から発光素子以外を発光源とする光が出力されるのを防止でき、コントラストを高くできる。しかしながら、反射型の電極等で外光が反射されると、コントラストが低下してしまう。このため、そのような反射光は、偏光板を設けて除去することが好ましい。したがって、反射防止膜が設けられた屈折面と、偏光板との組み合わせにより、表示パネルにおける外光反射の問題は、ほぼ完全に解決することができ、高コントラストの表示が可能な表示パネルを提供できる。
【0012】
すなわち、本発明の表示体は、発光素子を含む発光層と、発光素子から出力される出力光を屈折することにより出力光の光路を変換する屈折面を備えた変換層と、この変換層の出力側(射出方向)に積層された偏光板とを有し、屈折面に反射防止膜が形成されている。偏光板としては円偏光板を用いることが望ましい。
【0013】
本発明では、表示体に入り込んだ外光が複数回反射する大きな要因であった光路の変換を、反射防止膜が設けられた屈折面で行っている。したがって、表示体内部において光が多重反射する大きな要因のひとつを、反射面ではなく透過面とすることにより表示体内部における多重反射を防止している。この結果、表示体内部で発光素子から出力された光以外の光が多重反射することがなく、1回反射した光が発生する可能性があるだけになる。そして、そのような1回反射した光であれば、円偏光板を配置することにより表示体から出力されることを効率良く防止することが可能である。このため、本発明の表示体においては、表示体内部に侵入した外光が再び出力されるのを防止することができ、十分にコントラストの高い表示体を提供できる。発光素子の一例は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子(有機EL)、あるいは、例えば、無機ELである。
【0014】
したがって、本発明の表示体を2次元方向にマトリクス状に配置することにより、高コントラストで鮮明な画像を表示可能な表示パネルを提供できる。そして、本発明の表示パネルと、この表示パネルの発光素子を駆動して画像を表示させる駆動装置とを備えた表示装置により、鮮明な高品質の画像を表示できる表示装置を提供できる。
【0015】
本発明の表示体の屈折面と円偏光板の間のスペースは屈折率が1以上であり、変換層の屈折率よりも小さい低屈折率層とすることが望ましい。表示体としてユーザに光を供給する以上、空気または真空といった屈折率が1の媒質を経て光が供給されなければいけないので、屈折率が1よりも小さな媒質を間に入れることは光の利用効率を下げることになる。すなわち、屈折率が1より小さな媒質があると、空気と変換層の界面における臨界角よりも大きな臨界角を備えた臨界面が形成される可能性があり、光が外界に出力される量が減少し、光の利用効率が減少する。一方、変換層より屈折率が大きな媒質であると、変換層とその媒質との間には臨界角はないので、光の伝達効率は高くなるが、外界となる空気とその媒質との界面における臨界角は、変換層が空気と接したときの界面における臨界角よりも大きくなる。したがって、この場合も光の利用効率が減少する。このため、変換層よりも外側(出力側)には、屈折率が1以上であり、変換層の屈折率よりも小さい低屈折率層を設けることが望ましい。
【0016】
発光素子から出力された出力光の界面における角度を変換する屈折面を備えた変換層としては、発光素子に対応した部分が出力方向に凸の台形状のプリズムがある。また、出力方向に凸に湾曲したプリズムであっても良い。さらに、アレイ状に配置された複数のマイクロレンズであっても良い。断面が三角形となる複数の凸部が連続して形成された屈折面であっても出力光の向きを変えることができる。さらに、これら三角形は、互いに相似形とし、大きさやピッチを変えることにより、干渉縞が発生するのを防止できる。
【0017】
これらの形状の変換層を有する本発明の表示体は、発光素子を含む発光層に、透明な変換層を積層する工程と、変換層の表面を、刃を掃引し屈折面を形成する工程と、その屈折面に反射防止部材を蒸着し反射防止層を形成する工程と、変換層の出力側に円偏光板を積層する工程とを有する方法により、製造することができる。
【0018】
したがって、本発明により、有機エレクトロルミネッセンス発光素子などの自発光素子により、カラー表示が可能な表示パネルであって、光の利用効率の高い表示パネルを提供できる。また、本発明の表示パネルと、この表示パネルの発光素子を駆動して画像を表示させる駆動装置とを有する表示装置により、鮮明なカラー画像を表示することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に本発明に係る表示パネルが搭載された表示装置の例として携帯電話機を示してある。本例の携帯電話機1は、データが表示される表示パネル(表示装置)10aと、マイクロコンピュータなどから構成される駆動装置9とを備えており、駆動装置9により表示パネル10aを構成する有機EL素子を駆動して光L1を出力し、文字や画像などをユーザ90に提供する。
【0020】
図2に表示体パネル10aの一部を拡大した断面図を示してある。表示パネル10aは、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)を発光素子14aとする表示体19が複数個、2次元にアレイ状あるいはマトリクス状に配置されたものである。各々の表示体19が1つの画素として機能し、駆動装置9によりアクティブマトリックス方式やパッシブマトリックス方式により駆動され、発光する。
【0021】
各々の表示体19は、ガラス基板11と、このガラス基板11の上に順番に積層された発光素子14aを含む発光層14と、発光素子14aからの出力光L1の光路を変換可能な変換層22と、円偏光板38とを備えている。発光層14は、金属製の、本例ではアルミニウムの陰極電極(下電極)12と、ITO(透明電極)の陽極電極(上電極)15の間に発光素子14aが配置されており、発光素子14aは、これら電極12および15間に電圧を印加することにより自発的に発光する。そして、発光素子14aから出力される出力光(表示光)L1は、光路を変換する屈折面21を備えた変換層22と、この変換層22の出力側に、基板と対向した位置に配置された円偏光板38とを通って外界40に出力される。
【0022】
また、発光層14は、発光素子14aを分離するポリイミドからなるバンク層13を備えており、このバンク層13にアライメントされるようにインクジェット等の技法により有機EL用の樹脂を塗布することにより表示パネル10aを製造できるようになっている。
【0023】
この表示パネル10aの変換層22は、発光素子14aに対応した部分が出力方向(本図では上方向)に凸の台形状のプリズム23となるように、発光素子14aのピッチと同じピッチで周期的に配置された凹凸を備えている。したがって、表示体19で見ると、発光素子14aの上部に台形プリズム23が配置されており、その台形プリズム23の表面21aおよび21b、特に傾斜した面21bが屈折面となり、発光素子14aから大きな角度で出力された出射光L1の光路をユーザ90の方向(出力側または射出方向)に屈折する。本例では、プリズム23の表面21aおよび21bが、円偏光板38を除いた外界40との界面となっており、傾斜した面21bを設けて界面の角度を変えることにより出射光L1においては界面に対する臨界角が大きくなり、発光素子14aからの出力光L1が効率よく外界に出力される。
【0024】
さらに、本例の表示パネル10aにおいては、台形プリズムの表面21aおよび21bに沿って反射防止膜31が製膜されている。なお、本実施の形態では、表面21b(斜面21b)上の反射防止膜31は、空気層に接している。外界40から表示パネル10aに向かう光(外光)L2は、円偏光板38を通過した後は、反射防止膜31があることにより変換層22の台形プリズム23の表面21aおよび21bにより殆ど反射されることなく透過し、プリズム23の内部に至る。このため、プリズム23の表面21aおよび21bで外光L2が外界に向けて反射されることはない。
【0025】
プリズム23の表面21aおよび21bを透過した外光L2は、反射性の下電極12に当たると反射され、再び変換層22を通過して円偏光板38に至る可能性がある。しかしながら、この反射された外光2は、電極12で一回反射されているだけなので、位相がπずれる。このため、反射された光は円偏光板38を通過せず、一旦プリズム23から表示パネル10aに侵入した外光L2は出力されない。したがって、この表示パネル10aから偏光板38を通過して出力される光は、発光素子14aからの表示光L1だけとなり、コントラストの高い表示が可能となる。
【0026】
これに対して、図3に示すように台形プリズム23の表面21および21bに反射防止膜がない表示パネル99を想定すると、台形プリズム23の斜面21bで反射した外光L2は、対峙する斜面21bで再び反射して円偏光板38に到達する可能性がある。このような斜面21bで複数回フレネル反射した光は、楕円偏光となり、したがって、フレネル反射した外光L2の一部は円偏光板38を通過し、表示パネル99からは、発光素子14aからの表示光L1に加えて、多重反射した外光L2も出力される。このため、コントラストが低下し、鮮明な表示が妨げられる要因となる。
【0027】
したがって、本例の表示パネル10aにおいては、発光素子14aから出力される光L1の取出効率を向上するために光L1の光路を変更する面21bが反射を必要としない面で良いことに着目し、その面21bに反射防止膜31をコーティングして透過率を高めることにより、本来不要である外光L2を表示パネル10aの内部に積極的に取り込むようにしている。そして、外光L2が、表示パネル10aの内部で多重反射されるのを防止し、表示パネル10aの内部における反射回数をできるだけ1回に限定することにより、円偏光板38によりフィルタリングできるようにしている。
【0028】
図4(a)〜(c)に、台形プリズム23を備えた変換層22の製造方法の一例を示してある。先ず、図4(a)に示すように、ベースとなるガラス基板11上に、アルミニウム等の金属製(反射性)の下電極12を蒸着する。そして、このアルミニウムの下電極(陰極電極)12の上にポリイミドでバンク層13を形成し、このバンク層13により、陰極電極12の上面の四方を囲み、この領域内に、インクジェット等の技法により有機EL発光素子14aを積層する。さらに、発光素子14aおよびバンク層13に沿って、ITO(透明電極)により上電極(陽極電極)15を形成する。そして、この表面に、変換層22(プリズム23)となるポリカードネート等の透明な、高透過率な樹脂を塗布し、さらに硬化する。
【0029】
これとは別に、台形状にパターニングされたプリズム形成用のバイト60を準備する。このプリズム形成用のバイト60を、硬化された樹脂製の変換層22に当て、掃引する。この結果、図4(b)に示すように、上方に凸の台形状のプリズム23の変換層22が形成される。変換層22は樹脂に限定されることはなく、酸化シリコン(SiO2)のような透明媒質を用いて形成し、その後にバイト60を用いて台形状のプリズムを形成しても良い。
【0030】
このように、バイト60を用いて、変換層22に直接、溝を入れることで、各発光素子14aの配置に合せて、斜面を備えた台形状のプリズム23からなる変換層22を形成できる。このため、光の取出し効率の高い変換層22を形成できる。
【0031】
次に、図4(c)に示すように、台形状のプリズム23の上面21aおよび斜面21bを含む表面に、薄膜の反射防止膜(ARコート)31を成膜する。
【0032】
そして、図4(d)または図2に示したように、反射防止膜31の上方に、ベース基板11に対面するように、円偏光板38を配置することにより、表示体19がマトリクス状に配置された表示パネル10aを得ることができる。そして、この表示パネル10aは、上述したように、外光L2の反射が殆どない、コントラストの高い、鮮明な画像を表示できるパネルとなる。表示パネル10aの表面となる円偏光板38を取り付ける前に、表示パネル10aの内部構造となるプリズム23の表面に反射防止膜31をコーティングする必要があるが、上述したように、プリズム23の構造が確定した段階で反射防止膜31をコーティングできるので、その工程自体を追加することは簡単である。したがって、低コストで、コントラストの高い表示が可能な表示パネル10aを提供することができる。
【0033】
図5に、表示パネルの異なる例を示してある。本例の表示パネル10bは、図2に示した表示パネル10aとほぼ同様の構成であり、変換層22は発光素子14aに対応して配置された台形プリズム23を備えている。そして、台形プリズム23の表面21aおよび21bには反射防止膜31がコーティングされ、外光L2が多重反射されるのを防止している。さらに、本例の表示パネル10bは、変換層22と、円偏光板38との間の空間が低屈折率層32により充填されている。低屈折率層32は、屈折率が1以上で、変換層22の屈折率以下であることが望ましい。変換層22が酸化シリコンであれば、屈折率は1.45程度なので、低屈折率層32を構成する素材としては、フッ素系ポリマー(屈折率は1.36〜1.42)、フッ化マグネシウム(屈折率は1.38)、シリカエアロゲル(屈折率は1.08)などが候補として挙げられる。
【0034】
このような低屈折率層32を充填することにより、変換層22と円偏光板38との隙間を埋めることができるので、表示パネル10bとしての強度は向上する。
【0035】
一方、低屈折率層32の屈折率が変換層22の屈折率よりも大きくなると、屈折面21bはまったく有効に働かず、かえって出力光L1の角度を大きくすることになる。そして、低屈折率層32と外界40との界面の臨界角が変換層22と外界40との臨界角より大きくなるので光の取出効率は低下する。本例においては、円偏光板38が外界40との界面になるので、円偏光板38の屈折率により円偏光板38と外界40との間の臨界角が支配的になる可能性がある。
【0036】
さらに、本発明に係る表示パネルにおいて採用可能な変換層22の形態は図2または図3に示した台形状のプリズム23に限られない。図6には、上に(光L1の出力方向)に凸に湾曲した凸レンズ状のプリズム24からなる変換層22を備えた表示パネル10cを示してある。この変換層22においては、凸レンズ24の略水平な面21aが発光素子14aに対応して配置され、凸レンズ24の側方の面21cが屈折面となり出力光L1の方向をユーザ90の射出方向(図6の上方、出力側)に変換して取出効率を向上する。また、凸レンズ状のプリズム21の表面21aおよび21cには、反射防止膜31が形成されており、外光L2の多重反射を防止して、外光L2によるコントラストの低下を防止している。
【0037】
図7に示す表示パネル10dは、周期的にアレイ状に配置された上方(出力方向)に凸のマイクロレンズ25からなる変換層22を備えている。このマイクロレンズ25の表面21dが屈折面となり、発光素子14aから出力された出力光L1の取出効率を向上できる。また、マイクロレンズ25の表面21dには反射防止膜31が形成されており、外光L2がマイクロレンズ25の表面21dで多重反射することを防止し、外光L2が出力されてコントラストが低下するのを防止している。
【0038】
図8に示す表示パネル10eには、周期的にアレイ状に配置された断面が三角形状の微細構造26aからなるマイクロプリズム26が変換層22として採用されている。この変換層22においては、マイクロプリズム26の表面21eが屈折面となり、出力光L1の取出効率を向上している。そして、マイクロプリズム26の表面21eに反射防止膜31がコーティングされており、外光L2が多重反射することが防がれている。したがって、この表示パネル10eも、発光素子14aからの取出効率が高く、外光L2によるコントラストの低下が防がれており、鮮明な画像を表示できる表示パネルである。
【0039】
図9に示す表示パネル10fは、図8の表示パネル10eと同様に断面が三角形状の微細構造27aからなるマイクロプリズム27が変換層22として採用されている。さらに、本例の変換層22においては、マイクロプリズム27を構成する断面が三角形の微細構造27aは相似形となっており、各々の断面のサイズが異なり、またピッチも異なるようになっている。したがって、マイクロプリズム27による干渉を抑制でき、モアレ、筋などの画像劣化の要因を除くことができる。そして、マイクロプリズム27の表面21fには反射防止膜31が施されており、外光L2の影響を防止でき、高コントラストの画像を表示することができる表示パネルを提供できる。
【0040】
このように、本発明により、外光が表示パネル内で多重反射され、その結果、反射防止用の偏光板を透過してしまう事態の発生を防止することができる。上記の例では、偏光板として円偏光板を採用しているが、直線偏光を透過する偏光板と位相差板との組み合わせであっても良い。
【0041】
したがって、本発明により、高品質で高コントラストの画像を表示可能な表示パネルを提供することが可能である。このため、携帯電話や、携帯型の情報処理端末のように外光のもとで操作されることが多い表示パネルに採用することにより、屋内外、夜昼を問わずに鮮明な画像を表示できる表示装置を提供できる。また、小型の表示装置にかぎらず、30インチあるいはそれ以上の大型の表示パネルを備えた表示装置においても適用できる。
【0042】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、発光素子からの出力光を出力して画像を表示する表示パネルにおいて、出力光の取出効率を向上するために光路を屈折面で変換する変換層を採用し、さらに、その屈折面に反射防止膜を設けることで、発光素子からの光の取出効率を維持しつつ、表示パネル内部における外光の多重反射を防止している。したがって、円偏光板などの偏光板を外光反射防止用に設けることにより外光が表示パネル内から再出力されることを防止でき、高いコントラストで画像を表示できる表示体および表示パネルを提供できる。このため、高輝度または明るい画像を表示可能な低コストな表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る表示パネルが搭載された携帯電話機の概要を示す図である。
【図2】 本例の表示パネルの概要を示す断面図である。
【図3】 屈折面に反射防止膜が施されていない表示パネルを比較のために示す図である。
【図4】 図2に示した表示パネルを製造するプロセスの概要を示す図である。
【図5】 低屈折率層を備えた、異なる表示パネルの概略を示す断面図である。
【図6】 凸レンズ状の変換層を備えた、異なる表示パネルの概要を示す断面図である。
【図7】 マイクロレンズを変換層として備えたさらに異なる表示パネルの概要を示す断面図である。
【図8】 マイクロプリズムを変換層として備えたさらに異なる表示パネルの概要を示す断面図である。
【図9】 異なるマイクロプリズムを変換層として備えたさらに異なる表示パネルの概要を示す断面図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機
10a〜10f 表示パネル
11 基板
12 下電極
13 バンク層
14 発光層
14a 発光素子
15 上電極
21b〜21f 屈折面
22 変換層
23 台形プリズム
25 マイクロレンズ
26、27 マイクロプリズム
31 反射防止膜
32 低屈折率層
38 円偏光板

Claims (11)

  1. 発光素子を含む発光層と、
    前記発光素子から出力される出力光を屈折することにより、当該出力光の光路を変換する屈折面であって、前記出力光が外界との界面に対して臨界角以下で入射するように傾斜した屈折面を備えた変換層と、
    この変換層の出力側に積層された偏光板とを有し、
    前記屈折面に反射防止膜が形成されている表示体。
  2. 請求項1において、前記反射防止層と前記偏光板との間に、屈折率が1以上であり、前記変換層の屈折率よりも小さい低屈折率層を有する表示体。
  3. 請求項1において、前記変換層は、前記発光素子に対応した部分が出力方向に凸の台形状のプリズムである表示体。
  4. 請求項1において、前記変換層は、前記発光素子に対応した部分が出力方向に凸に湾曲したプリズムである表示体。
  5. 請求項1において、前記変換層は、アレイ状に配置された複数のマイクロレンズを備えている表示体。
  6. 請求項1において、前記変換層は、断面が三角形となる複数の凸部が連続して形成された前記屈折面を備えている表示体。
  7. 請求項において、前記三角形は相似形である表示体。
  8. 請求項1ないしのいずれかにおいて、前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス発光素子である表示体。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の表示体が2次元方向にマトリクス状に配置されている表示パネル。
  10. 請求項に記載の表示パネルと、この表示体の前記発光素子を駆動して画像を表示させる駆動装置とを有する表示装置。
  11. 発光素子を含む発光層に、変換層を積層する工程と、
    前記変換層の表面を、刃を掃引し、前記発光素子から出力される出力光が外界との界面に対して臨界角以下で入射するように傾斜した屈折面を形成する工程と、
    その屈折面に反射防止部材を蒸着し反射防止層を形成する工程と、
    前記変換層の出力側に偏光板を積層する工程とを有する表示体の製造方法。
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