JP2004047182A - 負極材料およびその製造方法並びにそれを用いた電池 - Google Patents

負極材料およびその製造方法並びにそれを用いた電池 Download PDF

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Yoshinobu Okumura
奥村 善信
Takahiro Kitagawa
北川 貴宏
Yoshimasa Okuno
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Abstract

【課題】製造装置の大きさや製造する粉末の粒径によらず一定の品質を確保することができ、なおかつ充放電の可逆性に優れ、繰り返し充放電しても電気量の低下が少ない負極材料およびその製造方法並びにそれを用いた電池を提供する。
【解決手段】正極42と負極44とがセパレータ45を介して配置されている。負極44は、負極集電体44aの片面に負極合剤層44bが設けられた構造を有している。負極合剤層44bは、溶融状態とした合金または化合物を、回転水流中に導入することにより得られた粉末を含んでいる。この粉末は、粒子の球形度が高く、粒子内における組成の均一性が高い。よって、優れた放電電気量および充放電サイクル特性が得られ、負極材料の単位質量当たりの放電電気量を、300mAh/gと大きくすることが可能となる。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなる負極材料およびその製造方法、並びにそれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ),携帯電話あるいはラップトップコンピュータなどのポータブル電子機器が広く普及し、それらの小型化、軽量化が強く求められている。それに伴い、それらのポータブル電源として、電池、特に二次電池のエネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、従来の水溶液系電解液二次電池である鉛電池あるいはニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため非常に期待されている。
【0003】
リチウムイオン二次電池に使用される負極材料としては、難黒鉛化性炭素や黒鉛などの炭素質材料が、比較的高容量を示し良好なサイクル特性を発現することから広く用いられている。しかし、近年の高容量化に伴い、炭素質材料の更なる高容量化が課題となっている。例えば、特開平8−315825号公報には炭素化原料および作製条件を選ぶことにより炭素質材料で高容量を達成する技術が開示されている。ところが、この炭素質材料を用いた負極の放電電位は、対リチウム(Li)で0.8V〜1.0 Vであり、電池を構成した時の電池放電電圧が低くなり電池エネルギー密度では大きな向上が見込めなかった。更に、この炭素質材料は、充放電曲線形状にヒステリシスが大きく、各充放電サイクルでのエネルギー効率が低いという欠点があった。
【0004】
一方、より高容量を実現可能な負極材料としては、例えば、ある種のリチウム金属が電気化学反応により可逆的に生成および分解することを応用した材料が広く研究されてきた。例えば、近年、本発明者等はケイ素(Si)またはスズ(Sn)をリチウムと可逆的に合金化および分解をする元素として採用し、これらと3d遷移金属とを同時に存在させることによって合金化および分解に伴う形態変化を防ぐことを検討してきた。更に、本物質にインジウム(In),リン(P),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),亜鉛(Zn)および銀(Ag)からなる群のうちの少なくとも一種を含ませることにより、 優れた可逆性を持つことを見出した(特開2002−151065号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような合金の製造法としては、 量産性の観点から、 単ロール急冷法,双ロール急冷法,ガスアトマイズ法,水アトマイズ法あるいは遠心アトマイズ法などの方法が優れ、粉末を得る目的から、 中でも各種アトマイズ法が優れている。アトマイズ法のうちガスアトマイズ法は、特開2001−291513号公報あるいは特開2001−297766号公報などで提案されている。これら公報においてガスアトマイズ法の詳細な製造条件が提案されているように、ガスアトマイズ法では十分な制御が必要とされるという問題があった。また、各種アトマイズ法はその性質上、装置の規模や製造される合金粉末の粒径により製造条件が左右されるという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、製造装置の大きさや製造する粉末の粒径によらず一定の品質を確保することができ、なおかつ充放電の可逆性に優れ、繰り返し充放電しても電気量の低下が少ない負極材料およびその製造方法並びにそれを用いた電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による負極材料は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなるものであって、合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接導入するかまたはガスにより分断して液滴にしたのち導入することにより得られたものである。
【0008】
本発明による負極材料の製造方法は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなる負極材料を製造するものであって、合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接導入するかまたはガスにより分断して液滴にしたのち導入する工程を含むものである。
【0009】
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、負極は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなる負極材料を含有し、この負極材料は、合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接またはガスにより分断して液滴にしたのち導入することにより得られたものである。
【0010】
本発明による負極材料では、溶融状態とした合金または化合物を、回転水流中に導入することにより得られたものであるので、粒子の球形度が高く、粒子内における組成の均一性が高い。
【0011】
本発明による負極材料の製造方法では、粒子の球形度が高く、粒子内における組成の均一性が高い粉末よりなる負極材料が得られる。
【0012】
本発明による電池では、本発明による負極材料を用いているので、優れた放電電気量および充放電サイクル特性が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本形態に係る負極材料は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末により構成されており、後述する製造方法により得られるものである。この負極材料は、粒子形状のばらつきが小さく、略球形である。例えば、負極材料を構成する粒子の90体積%以上は、図1に示したように、断面において中心Pを通り直交する任意の2つの直径a,cの比が0.8<c/a<1.25、より好ましくは0.86<c/a<1.16となっている。なお、中心Pは、粒子断面においてその断面を含むように描いた最小直径の外接円Gの中心とする。
【0015】
また、粒子内における組成の均一性が高く、例えば、EPMA( Electron Micro Probe Analyzer;電子線マイクロアナライザー)(分解能0.25μm)により得られる1粒子内における主要元素の揺らぎが、粒子断面の任意の線分上において20%以下、より好ましくは15%以下となっている。ここで、主要元素というのは、不純物以外の合金または化合物の構成元素を意味し、揺らぎというのは、平均濃度からの差の最大値を平均濃度で除した値を意味する。
【0016】
粉末の平均粒子径(体積平均粒子径)は、50μm以下であることが好ましく、20μm以下であればより好ましい。粉末は充放電に伴い体積が変化するので、その影響を可能な限り避けるためには粒子径が小さい方が好ましいからである。
【0017】
なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
【0018】
合金あるいは化合物としては、例えば、リチウムを電極反応種とする電池に用いる場合であれば、リチウムと合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素の合金または化合物が挙げられ、より具体的には化学式Map Mbq で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、特に、ケイ素およびスズのうちの少なくとも一方が好ましい。MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表し、特にMaがケイ素およびスズのうちの少なくとも一方である場合、3d遷移金属のうちの少なくとも1種が好ましい。合金化および分解に伴う形態変化を抑制することができるからである。3d遷移金属としては、スカンジウム(Sc),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni)および銅(Cu)からなる群のうちの少なくとも一種が挙げられる。これら以外にも、Mbは、インジウム,リン,アルミニウム,マグネシウム,ホウ素,亜鉛,銀,二オブ(Nb),タングステン(W)およびモリブデン(Mo)からなる群のうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましく、3d遷移金属に加えて含んでいればより好ましい。充放電の可逆性を向上できるからである。またpおよびqの値はそれぞれp>0、q>0である。
【0019】
このような合金あるいは化合物について具体的に例を挙げれば、Sc5 Sn3 ,ScSi,Ti6 Sn5 ,TiSi2 ,SnV3 ,VSi2 ,Cr2 Sn3 ,CrSi2 ,Mn2 Sn,MnSi2 ,FeSn2 ,FeSi2 ,CoSn,CoSn2 ,Co3 Sn2 ,CoSi2 ,NiSn,NiSi2 ,Ni2 Si,CuSn,Cu3 Sn,Cu6 Sn5 ,CuSi2 ,Mg2 Si,Mg2 Sn,ZnSi2 ,NbSi2 ,MoSi2 ,WSi2 ,Cu6 InSi3 ,Cu6 In2 Si3 B,Cu6 Sn2 In,Cu6 InSi3 Ag,CuSnP,CoCu2 Sn,CuSiAl,SiAlFe,Co2 MnSn,CoNiSn,CrCu2Sn,Cu2 FeSn,CuMgSn,Cu2 MnSn,Cu4 MnSn,Cu2 NiSn,MgNi2 SnあるいはMnNi2 Snなどがある。
【0020】
このような負極材料は例えば次のようにして製造することができる。
【0021】
図2は本実施の形態に係る負極材料を作製する際に用いる製造装置の概略構成を表すものである。この製造装置は、アトマイザ(噴霧器)の一種であり、原料を加熱して合金または化合物の溶融物Yを作製する高周波溶解炉10と、溶融物Yを無数の液滴に分断する複合ノズル20と、溶融物Yを冷却凝固させる筒体30とを備えている。
【0022】
高周波溶解炉10の内部には、溶融物Yを収容するルツボ11と、加熱手段としての誘導コイル12とが設けられている。ルツボ11の底部には、溶融物Yを外部に流出するためのルツボノズル13が設けられている。
【0023】
複合ノズル20には、例えば、ルツボノズル13から流出された溶融物Yを通過させる溶湯流下孔21と、アルゴン(Ar)あるいは窒素(N2 )等の不活性ガスを噴出する複数のガスジェットノズル22とが設けられている。このガスジェットノズル22は、噴出させた不活性ガスが溶湯流下孔21の直下において交差するように溶湯流下孔21を挟んで設けられており、これにより溶融物Yを無数の液滴に分断するようになっている。
【0024】
筒体30の内壁面には図示しないポンプに接続された冷却水ノズル31が設けられている。冷却水ノズル31から供給された冷却水は、筒体30の内壁面の矢印X方向に沿って回転水流Rを形成するようになっている。
【0025】
このような製造装置を用い、いわゆるSWAP法(Spinning Water Atomization Process;超急冷凝固粉末製造方法) により本実施の形態に係る負極材料を製造する。具体的には、まず、例えば、負極材料の原料をルツボ11に収容したのち、誘導コイル12により加熱して溶融物Yとする。原料には、作製しようとする合金または化合物の塊あるいは粉体を用いてもよく、また合金または化合物を構成する元素の単体,合金あるいは化合物を混合して用いてもよい。次いで、溶融物Yをルツボノズル13から流出させ、溶湯流下孔21を通過させると共に、ガスジェットノズル22から不活性ガスを吹き付けて無数の液滴に分断する。そののち、液滴を筒体30の内部の回転水流Rに導入し、更に分断すると共に、急冷凝固する。または、溶湯流下孔21を通過させたのち、不活性ガスを吹き付けずに、直接筒体30の内部の回転水流Rに導入し、分断すると共に急冷凝固する。これにより、溶融物Yは粉末状となる。その際、例えば、溶融物Yの溶融温度、ルツボノズル13の大きさおよび溶融物Yの上面にかかる内圧を調整することによりルツボノズル13から流出する溶融物の流出速度を調整すると共に、ガスジェットノズル22から噴出する不活性ガスの噴出量を調整することにより、粉末の平均粒子径(体積平均粒子径)を、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下に制御する。
【0026】
このようなSWAP法によれば、溶融物Yを冷却する際に発生する水蒸気膜が、回転水流Rの遠心力により、粒子の周りから剥離され、粒子が常に冷却水と接するので、図3に示したように、ガスアトマイズ法と比較して、粒子の粒径に関わらず一定かつ急速な冷却速度が得られる。そしてこの急速な冷却速度が、粒子内の組成の一様な分散および粒子の球形度の向上に寄与し、これにより充放電の可逆性を向上させ、繰り返し充放電しても電気量の低下を抑制することができる負極材料が得られるものと考えられる。なお、図3は銅55質量%とスズ45質量%とからなるCu−Sn合金の粉末の粒径と冷却速度との関係を示している。
【0027】
この負極材料は、例えば、次のような二次電池の負極に用いられる。ここでは、リチウムを電極反応種として用いる電池について説明する。
【0028】
図4は、本実施の形態に係る負極材料を用いた二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆるコイン型といわれるものであり、外装缶41内に収容された円板状の正極42と外装カップ43内に収容された円板状の負極44とが、セパレータ45を介して積層されたものである。外装缶41および外装カップ43の周縁部は絶縁性のガスケット46を介してかしめることにより密閉されている。外装缶41および外装カップ43は、例えば、ステンレスあるいはアルミニウム(Al)などの金属によりそれぞれ構成されている。
【0029】
正極42は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体42aの片面に正極合剤層42bが設けられた構造を有している。正極集電体42aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。正極合剤層42bは、例えば、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料を正極活物質として含み、必要に応じてカーボンブラックあるいはグラファイトなどの導電剤と、ポリビニリデンフルオライドなどの結着剤と共に構成されている。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、金属酸化物,金属硫化物あるいは特定の高分子材料などが好ましく、電池の使用目的に応じてそれらのいずれか1種または2種以上が選択される。
【0030】
金属酸化物としては、Lia MIO2 を主体とするリチウム複合酸化物、Lib MIIPO4 を主体とするリン酸化物あるいはV2 5 が挙げられる。特にリチウム複合酸化物は高電圧を発生可能であり、エネルギー密度を高くすることができるので好ましい。なお、上記組成式において、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を表し、特にコバルト,ニッケル,マンガンおよび鉄からなる群のうちの少なくとも1種が好ましい。また、MIおよびMIIの一部がリチウム,アルミニウムあるいはマグネシウムなどの非遷移金属に置き換えられているものも好適に用いられる。aおよびbの値は電池の充放電状態によって異なり、それぞれ、通常、0.05≦a≦1.15、0≦b≦1.10である。このようなリチウム複合酸化物およびリン酸化物の具体例としては、Lic CoO2 ,Lic NiO2 ,Lic Nid Co1−d 2 ,Lie Fe1−f Mnf PO4 あるいはスピネル型構造を有するLig Mn2 4 などが挙げられる。なお、上記組成式においてc,d,e,fおよびgは電池の充放電状態によって異なり通常、それぞれ0.05<c<1、0.7<d<1、0<e<1、0<f<0.8、0<g<1.1である。
【0031】
金属硫化物としては、TiS2 あるいはMoS2 などが挙げられ、高分子材料としては、ポリアニリンあるいはポリピロールなどが挙げられる。また、これらの正極材料の他にもNbSe2 などを用いることができる。
【0032】
負極44は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体44aの片面に負極合剤層44bが設けられた構造を有している。負極集電体44aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
【0033】
負極合剤層44bは、例えば、負極活物質として本実施の形態に係る負極材料を含み、必要に応じてポリビニリデンフルオライドなどの結着剤と共に構成されている。負極44は、また、本実施の形態に係る負極材料に加えての他の負極活物質、または導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。他の負極活物質としては、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な炭素材料,金属酸化物あるいは高分子材料などが挙げられる。炭素材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素,人造黒鉛,天然黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,グラファイト類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維,活性炭あるいはカーボンブラック類が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては酸化スズ(SnO2 )などが挙げられ、高分子材料としては、ポリアセチレン,ポリパラフェニレンあるいはポリチオフェンが挙げられる。
【0034】
負極44は、また、電解質を含んでいてもよい。更に、アルミナ(Al2 3 )粉末などの充放電に寄与しない材料を含んでいてもよい。
【0035】
セパレータ45は、正極42と負極44とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ45は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、あるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていても良い。
【0036】
セパレータ45には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、例えば、溶媒と、電解質塩であるリチウム塩とを含んで構成されている。溶媒は、電解質塩を溶解し解離させるものである。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステルあるいはプロピオン酸エステル等などが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0037】
リチウム塩としては、例えば、LiClO4 ,LiAsF6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C6 5 4 ,CH3 SO3 Li,CF3 SO3 Li,LiClあるいはLiBrが挙げられ、これらのいずれか1種または2種以上を混合して用いてもよい。
【0038】
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0039】
まず、例えば、正極材料と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調整したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体42aに塗布して溶剤を乾燥させたのち、圧縮成型して正極合剤層42bを形成し、正極合剤層42bが形成された正極集電体42aを所定の形状に打ち抜くことにより正極42を作製する。
【0040】
次いで、例えば、負極材料と結着剤とを混合して負極合剤を調整したのち、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体44aに塗布して溶剤を乾燥させたのち、圧縮成型して負極合剤層44bを形成し、負極合剤層44bが形成された負極集電体44aを所定の形状に打ち抜くことにより負極44を作製する。
【0041】
そののち、例えば、負極44、電解質が含浸されたセパレータ45および正極42を積層して、外装カップ43と外装缶41との中に入れ、それらをかしめる。これにより、図4に示した二次電池が形成される。
【0042】
この二次電池は次のように作用する。
【0043】
この二次電池では、充電を行うと、正極42からリチウムイオンが離脱し、電解質を介して正極42に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極44からリチウムイオンが離脱し、電解質を介して正極42に吸蔵される。ここでは、溶融状態とした合金または化合物を、回転水流中に導入することにより得られた負極材料を用いているので、負極44の特性が向上し、優れた放電電気量および充放電サイクル特性が得られる。例えば、負極材料の単位質量当たりの放電電気量を300mAh/g以上と大きくすることが可能となる。
【0044】
このように本実施の形態によれば、合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接導入するかまたはガスにより分断して液滴にしたのち導入するようにしたので、製造装置の大きさや粉末の粒径によらず一定の品質を確保することができる。また、粒子の球形度が高く、粒子内における組成の均一性が高い粉末とすることができ、それにより、充放電の可逆性を向上できると共に、繰り返し充放電しても電気量の低下を抑制することができる。従って、優れた放電電気量および充放電サイクル特性を有する電池を得ることができる。
【0045】
【実施例】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0046】
(実施例1)
図2に示した製造装置を用いて、Cu−Sn合金の粉末よりなる負極材料を作製した。まず、純度99.99%の電解銅と純度99.9%のスズとを質量比で電解銅:スズ=55:45になるように量り取り、ルツボ11に入れて900℃で溶融させ、溶融合金とした。この溶融合金を内径3mmのセラミック製のルツボノズル13を通過させ、圧力3MPaのアルゴンガスの噴流で分断して、流量0.3m3 で旋回する回転水流Rに噴射し、Cu−Sn合金の粉末を得た。得られたCu−Sn合金の粉末についてEPMAにより元素分析を行った。
【0047】
得られた結果を図5〜図7に示す。図5は1粒子の粒子断面における銅元素の分布状態を示し、図6は1粒子の粒子断面におけるスズ元素の分布状態を示し、図7は1粒子の粒子断面のある線分上におけるスズ元素の濃度の揺らぎを示したものである。なお、図5,6では色により濃度を表しており、レベルが高いほど濃度が高いことを意味している。その結果、この粉末は、粒子内における銅元素およびスズ元素の均一性が高いことが分かった。また、1粒子内におけるスズ元素の濃度の揺らぎは、最大で15%以下であった。
【0048】
本実施例に対する比較例1として、溶融合金をアルゴン雰囲気中に噴射したことを除き、他は本実施例と同様にしてCu−Sn合金の粉末を作製した。比較例1の粉末についてもEPMAにより元素分析を行った。得られた結果を図8および図9に示すと共に、図7に合わせて示す。図8は1粒子の粒子断面における銅元素の分布状態を示し、図8は1粒子の粒子断面におけるスズ元素の分布状態を示したものであり、図5および図6と同様に色により濃度が表されている。その結果、1粒子内における銅元素およびスズ元素の均一性は低く、1粒子内におけるスズ元素の濃度の揺らぎは、最大で50%であった。
【0049】
すなわち、合金を溶融状態とし、回転水流中Rに導入するようにすれば、粒子内における元素の均一性が高い粉末を得られることが分かった。
【0050】
更に、得られた実施例1および比較例1のCu−Sn合金の粉末を用いて、図4に示したようなコイン型の電池を作製し、充放電特性を調べ負極材料の特性評価を行った。
【0051】
電池の正極42は次のようにして作製した。まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とをLi2 CO3 :CoCO3 =0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して正極材料であるコバルト酸リチウム(LiCoO2 )を得た。次いで、得られたコバルト酸リチウム91質量部と、導電剤であるグラファイト6質量部と、結着剤であるポリビニリデンフルオライド3質量部とを混合して正極合剤を調製した。続いて、この正極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとし、厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体42aの片面に均一に塗布し乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して正極合剤層42bを形成した。そののち、正極合剤層42bが形成された正極集電体42aを打ち抜くことにより、直径15.5mmのペレット状とし正極42とした。
【0052】
また、負極44は次のようにして作製した。まず、作製したCu−Sn合金の粉末および人造黒鉛の粉末を負極材料とし、Cu−Sn合金粉末47質量部および人造黒鉛粉末47質量部と、結着剤であるポリビニリデンフルオライド6質量部とを混合し負極合剤を調整した。次いで、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとし、厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体44aの片面に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極合剤層44bを形成した。そののち、負極合剤層44bが形成された負極集電体44aを打ち抜くことにより、直径15.5mmのペレット状とし負極44とした。
【0053】
セパレータ45には厚み25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムを用いた。電解液には、炭酸エチレン50体積%と炭酸ジエチル50体積%とを混合した溶媒にLiPF6 を1.0mol/dm3 の含有量で溶解させたものを用いた。電池の大きさは、直径を20mm、高さを1.6mmとした。
【0054】
また、充放電は次のようにして行った。まず、2mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.2Vの定電圧で電流が10μAに減衰するまで定電圧充電を行った。次いで、2mAの定電流で電池電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行った。得られた放電電気量から人造黒鉛による放電電気量分を差し引き、Cu−Sn合金の放電電気量を求めた。図10に100サイクル目までのCu−Snの単位質量当たりの放電電気量の変化を示す。
【0055】
図10から分かるように、本実施例によれば、比較例1よりも充放電を繰り返した際の放電電気量の劣化が小さく、Cu−Sn合金の単位質量当たりの放電電気量を300mAh/g以上とすることができた。すなわち、粒子内における元素の均一性が高い粉末を用いれば、充放電サイクル特性を向上できることが分かった。
【0056】
(実施例2)
純度99.99%の電解銅と純度99%のケイ素と純度99.99%のインジウムとを質量比で電解銅:ケイ素:インジウム=66:16:18になるように量り取り、1300℃で溶融させたことを除き、他は実施例1と同様にして、Cu−Si−In合金の粉末を作製した。得られたCu−Si−In合金の粉末を、走査型電子顕微鏡( Scanning Electron Microscope ;SEM)により観察した。図11に、そのSEM写真を示す。その結果、この粉末は、粒子の球形度が高く、断面において中心を通り直交する任意の2つの直径比が0.86よりも大きく1.16よりも小さい粒子により90体積%以上が構成されていた。
【0057】
本実施例に対する比較例2として、溶融合金をアルゴン雰囲気中に噴射したことを除き、他は本実施例と同様にしてCu−Si−In合金の粉末を作製した。比較例2の粉末についても、SEMにより観察した。図12に、そのSEM写真を示す。その結果、この粉末は、大粒子の表面に小さな粒子が結合しており、粒子表面が滑らかでなく、球形度は低かった。断面において中心を通り直交する任意の2つの直径比が0.8よりも大きく1.25よりも小さい粒子は、全体の70体積%程度であった。
【0058】
すなわち、合金を溶融状態とし、回転水流中Rに導入するようにすれば、粒子形状のばらつきが小さく、粒子の球形度が高い粉末を得られることが分かった。
【0059】
実施例2および比較例2のCu−Si−In合金の粉末を用いて、実施例1と同様にしてコイン型の電池を作製し、同様にして特性評価を行った。図13に100サイクル目までのCu−Si−In合金の単位質量当たりの放電電気量の変化を示す。
【0060】
図13から分かるように、本実施例によれば、実施例1と同様に比較例よりも充放電を繰り返した際の単位質量当たりの放電電気量の劣化が小さく、Cu−Sn合金の単位質量当たりの放電電気量を300mAh/g以上とすることができた。すなわち、粒子形状のばらつきが小さい粉末を用いれば、充放電サイクル特性を向上できることが分かった。
【0061】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、溶媒に液状の電解質である電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質、イオン伝導性を有する固体電解質、固体電解質と電解液とを混合したもの、あるいは固体電解質とゲル状の電解質とを混合したものが挙げられる。
【0062】
なお、ゲル状の電解質には電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。そのような高分子化合物としては、例えば、ポリビニリデンフルオロライドあるいはビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、またはポリアクリロニトリルなどが挙げられる。特に、酸化還元安定性の点からは、フッ素系高分子化合物が望ましい。
【0063】
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた有機固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、アクリレート系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
【0064】
また、上記実施の形態および実施例では、コイン型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型、ボタン型、角型あるいはラミネートフィルムなど外装部材を用いた他の形状を有する二次電池、または巻回構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、上記実施の形態では、二次電池について説明したが、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
【0065】
更に、上記実施の形態および実施例では、電極反応種としてリチウムを用いる場合を説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属,またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その場合、正極活物質,負極活物質および電解質塩は、その軽金属に応じて適宜選択される。他は上記実施の形態と同様に構成することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の負極材料によれば、溶融状態とした合金または化合物を、回転水流中に導入することにより得られたものとしたので、充放電の可逆性を向上できると共に、繰り返し充放電しても電気量の低下を抑制することができる。
【0067】
また、請求項7記載の負極材料の製造方法によれば、合金または化合物を、回転水流中に導入するようにしたので、製造装置の大きさや粉末の粒径によらず一定の品質を確保することができる。また、粒子の球形度が高く、粒子内における組成の均一性が高い粉末よりなる負極材料を得ることができる。
【0068】
更に、請求項8ないし請求項14のいずれか1項に記載の電池によれば、本発明の負極材料を用いるようにしたので、優れた放電電気量および充放電サイクル特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る負極材料を構成する粒子の構成を模式的に表すものである。
【図2】本発明の一実施の形態に係る負極材料を作製する際に用いる製造装置の概略構成を表す断面図である。
【図3】SWAP法により得られる粒子の粒径と冷却速度との関係をガスアトマイズ法と比較して表す特性図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る負極材料を用いた二次電池の構成を表す断面図である。
【図5】本発明の実施例1に係るCu−Sn合金粉末の1粒子の粒子断面における銅元素の分布状態を表す写真である。
【図6】本発明の実施例1に係るCu−Sn合金粉末の1粒子の粒子断面におけるスズ元素の分布状態を表す写真である。
【図7】本発明の実施例1に係るCu−Sn合金粉末の1粒子の粒子断面のある線分上におけるスズ元素の濃度の揺らぎを比較例1と比較して表す特性図である。
【図8】比較例1に係るCu−Sn合金粉末の1粒子の粒子断面における銅元素の分布状態を表す写真である。
【図9】比較例1に係るCu−Sn合金粉末の1粒子の粒子断面におけるスズ元素の分布状態を表す写真である。
【図10】本発明の実施例1に係る100サイクル目までのCu−Snの単位質量当たりの放電電気量の変化を比較例1と比較して表す特性図である。
【図11】本発明の実施例2に係る負極材料を表すSEM写真である。
【図12】比較例2に係る負極材料を表すSEM写真である。
【図13】本発明の実施例2に係る100サイクル目までのCu−Snの単位質量当たりの放電電気量の変化を比較例2と比較して表す特性図である。
【符号の説明】
10…高周波溶解炉、11…ルツボ、12…誘導コイル、13…ルツボノズル、20…複合ノズル、21…溶湯流下孔、22…ガスジェットノズル、30…筒体、31…冷却水ノズル、41…外装缶、42…正極、42a…正極集電体、42b…正極合剤層、43…外装カップ、44…負極、44a…負極集電体、44b…負極合剤層、45…セパレータ、46…ガスケット、a,c…直径、P…中心、R…回転水流、Y…溶融物

Claims (14)

  1. 金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなる負極材料であって、
    前記合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接導入するかまたはガスにより分断して液滴にしたのち導入することにより得られたものであることを特徴とする負極材料。
  2. 断面において中心を通り直交する任意の2つの直径比が0.8よりも大きく1.25よりも小さい粒子により90体積%以上が構成されていることを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  3. 電子線マイクロアナライザーにより得られる1粒子内における主要元素の濃度の揺らぎが、粒子断面の任意の線分上において20%以下であることを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  4. 前記合金または化合物は、リチウム(Li)と合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  5. 前記合金または化合物は、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方と、3d遷移金属の少なくとも1種とを含むことを特徴とする請求項1記載の負極材料。
  6. 前記合金または化合物は、更に、インジウム(In),リン(P),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),亜鉛(Zn),銀(Ag),二オブ(Nb),タングステン(W)およびモリブデン(Mo)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の負極材料。
  7. 金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなる負極材料の製造方法であって、
    合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接導入するかまたはガスにより分断して液滴にしたのち導入する工程を含む
    ことを特徴とする負極材料の製造方法。
  8. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金または化合物の粉末よりなる負極材料を含有し、
    前記負極材料は、前記合金または化合物を溶融状態とし、回転水流中に直接またはガスにより分断して液滴にしたのち導入することにより得られたものであることを特徴とする電池。
  9. 前記負極材料は、断面において中心を通り直交する任意の2つの直径比が0.8よりも大きく1.25よりも小さい粒子により90体積%以上が構成されていることを特徴とする請求項8記載の電池。
  10. 前記負極材料は、電子線マイクロアナライザーにより得られる1粒子内における主要元素の濃度の揺らぎが、粒子断面の任意の線分上において20%以下であることを特徴とする請求項8記載の電池。
  11. 前記合金または化合物は、リチウム(Li)と合金を形成可能な金属元素あるいは半金属元素を含むことを特徴とする請求項8記載の電池。
  12. 前記合金または化合物は、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも一方と、3d遷移金属の少なくとも1種とを含むことを特徴とする請求項8記載の電池。
  13. 前記合金または化合物は、更に、インジウム(In),リン(P),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),ホウ素(B),亜鉛(Zn),銀(Ag),二オブ(Nb),タングステン(W)およびモリブデン(Mo)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項12記載の電池。
  14. 充放電サイクル数が4回〜10回の間における前記負極材料の単位質量当たりの放電電気量は、300mAh/g以上であることを特徴とする請求項8記載の電池。
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