JP2004046162A - イメージ撮影方法及びカメラ並びに写真処理済みの感光部材を用いて出力イメージを形成するための読取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】露光レベルの所定範囲内で光に感光する感光部材を用いて、所定範囲外の露光レベルを含むイメージを撮影するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】感光部材は、風景からの光に露光される。風景からの光は、高濃度の部分と残りの部分とに分割される。風景からの光が露光レベルの第1の範囲にある場合には、高濃度の部分が、感光部材上の高濃度のイメージ要素のパターンを形成するように指向させられ、また、風景からの光が露光レベルの第2の範囲にある場合には、残りの部分が残りのイメージを形成するように指向させられる。風景からの光は、高濃度のイメージ要素のパターンが感光部材上の高濃度のイメージ領域に形成されるように調整される。
【選択図】 図7
【解決手段】感光部材は、風景からの光に露光される。風景からの光は、高濃度の部分と残りの部分とに分割される。風景からの光が露光レベルの第1の範囲にある場合には、高濃度の部分が、感光部材上の高濃度のイメージ要素のパターンを形成するように指向させられ、また、風景からの光が露光レベルの第2の範囲にある場合には、残りの部分が残りのイメージを形成するように指向させられる。風景からの光は、高濃度のイメージ要素のパターンが感光部材上の高濃度のイメージ領域に形成されるように調整される。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光部材に基づく写真技術の分野に、また、より詳しくは、所定範囲外の露光レベルを含むイメージを撮像するように、露光レベルの所定範囲内の光に感光する感光部材を用いるための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の写真技術において、感光部材を風景からの光に制御可能に露出させられることによりイメージを記録することはよく知られている。典型的には、かかる写真部材は、フィルム等の曲がり易い基体及び/又はガラス板などの曲がり難い基体により支持される1つ又はそれ以上の感光層を有している。感光層は、像形成の化学反応に適切な生成物とともに、1つ又はそれ以上の感光性のハロゲン化銀感光乳剤を有することができるもので、風景からの光により与えられるエネルギーに反応する。この反応の度合い(以下、反応度という)は、露光の間に、感光部材の単位領域当たりの受光量の関数である。また、この反応度は、露光の間に、少ない光に対して露光される領域よりも、多い光に対して露光される領域において大きい。その結果、風景からの光が感光部材上に焦点合わせされる場合に、風景からの光のレベルの差が、各層における反応度の差としてあらわれる。現像処理の後、各層における反応度の差は、異なる濃度をもつ写真領域としてあらわれる。これらの濃度は、元の風景の輝度のイメージをなすものである。
【0003】
風景から周囲の光に対して露光される場合に、非線形的な反応を有するが、ハロゲン化銀感光乳剤の特徴である。これに関して、感光部材は、最小の露光レベルを規定する下限反応しきい値を有する。この最小の露光レベルにおいて、組み込まれた感光乳剤及びそれに関連した化学物質が、異なる露光レベルが異なる濃度の形成を可能とするように反応し始める。この下限反応しきい値は、究極には、個々のハロゲン化銀感光乳剤の粒子の量子効果に関係する。典型的には、下限反応しきい値以下のレベルで露光された感光部材の全て部分が、感光部材の現像時に、共通の外観を呈する。
【0004】
更に、感光部材は、それ以下で、感光乳剤及びそれに関連した化学物質が、異なる露光レベルが、異なる濃度の形成を可能とするように反応する露光レベルを規定する上限反応しきい値を有する。典型的には、上限反応しきい値を越えるレベルで露光された感光部材の全ての部分も、感光部材の現像後に、共通の外観を呈することとなる。
【0005】
このように、ハロゲン化銀感光乳剤を用いる感光部材は、それが、区別可能なコントラストの差を備えたコントラストパターンを記録することにより露光レベルの差に反応し得る有用な露光の範囲を規定する下限及び上限の反応しきい値の両方を有すると言える。これら下限及び上限のしきい値に関連した露光レベルは、感光部材の露光許容範囲を規定する。そこで、イメージの外観を最良にするには、典型的には、感光部材が露光の間に被る露光レベルの範囲が、上記許容範囲、すなわち、その感光部材の有用な範囲内に収まるように、露光を調整することが有用である。
【0006】
多くの顧客及び専門的な写真家は、広範囲の写真条件をカバーする撮像を可能とする感光部材,カメラシステム及び写真撮影方法を用いることを望んでいる。この目的を達成する1つのアプローチは、極めて広い許容範囲をもつ感光部材を提供することである。しかしながら、極めて広い許容範囲をもつ感光部材は、基本的に、個々に組み込まれたハロゲン化銀粒子の光に対する反応性により制限される。したがって、風景の輝度特性を調整することにより、感光部材の下限及び上限反応の制限を効果的に広げる作用をもつカメラシステム及び写真撮影方法を提供することが一般的である。例えば、暗い風景に対して補足的な照明を与えることにより、感光部材の下限反応の制限を効果的に広げることが知られている。
【0007】
また、露光の間に、感光部材に対する風景からの実質量の有効な光を通過させるように設計された撮影レンズ系を用いることにより、補足的な照明を与えることなく、感光部材に作用する光の量を増やすことが知られている。
【0008】
露光の持続時間と、露光の間に感光部材に照射される風景からの光の量との間には、直接的な関係がある。これに基づき、露光の間に、感光部材に作用する光の量を増加させるための、従来知られる別の方法としては、シャッタをより長く開かせるという得策を用いて、露光の持続時間を長くすることがある。更に、シャッタの開時間を長くすることにより、シャッタは、風景の構成の展開を可能とするのに十分に長い期間開いた状態となる。この場合、ピンボケのイメージとなる。したがって、シャッタの開時間を制限することが望ましい。
【0009】
すなわち、必要とされるものは、従来のシャッタの開時間を用いた、また、特に一定のシャッタ時間を有するカメラを用いたイメージの撮像を可能とする、複雑でなく、低価格のカメラシステム及び写真撮影方法である。
【0010】
露光の間に感光部材に作用する光の量を増加させる別の方法は、風景からの光を集光し、この光を、感光部材に近接して配置される一直線上のレンズ列等のマイクロレンズ列上に投射すべく、従来の撮影レンズ系を用いることである。かかる例は、クレティエン(Chretien)による米国特許第1838173号(特許文献1)に開示されている。各マイクロレンズは、風景からの光の一部を、感光部材の関連した領域へ集中させる。このように光を集中させることにより、光が集中した各露光領域に入射する光の量は、フィルムの下限反応しきい値を越えるレベルまで増加する。これにより、光が集中した露光領域の濃度のコントラストパターンによって、イメージが形成されることとなる。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第1838173号明細書
【0012】
このように形成されたイメージは区分される。光が集中した露光領域は、風景の高濃度のイメージを形成し、感光部材の残りの部分は、高濃度のイメージと混ざり合った予期しないアーティファクトのパターンを形成する。かかるイメージの従来式に提供されたプリントにおいて、このパターンは、新聞紙のプリントによく似た満足できない低コントラスト及びハーフトーンを有する。
【0013】
しかしながら、極めて特殊な条件下での投射によって、かかる区分されたイメージから、承認可能なイメージの取得が可能である。これらの条件は、ちょうど、カメラにおいて露光時に確立される効果的なカメラの絞り,マイクロレンズ列及び感光部材の間の空間上の関係がプロジェクタにおいて再現された場合に生じる。この系は、有効な実像が、所定位置にて、また、カメラのレンズ構成に対して最初の風景により決定される倍率で生成されるため、扱い難い。もしカメラの撮影レンズに相当する投影レンズが、イメージの撮影時のイメージに対するカメラレンズの関係を模倣するように配置されれば、再構成されるイメージは、元のオブジェクトのサイズで元のオブジェクトの位置にあらわれるであろう。他のレンズ及び空間上の位置の組合せは、不完全なイメージの再構成、及び、新聞紙のプリントを彷彿させる点及び線の形成をもたらす。このように、従来のマイクロレンズ又はレンズの補助を用いた少ない光量の写真撮影方法は、顧客及び専門的な写真家により示されるものなど、プリントの作成に若しくは高品質市場での利用にあまり適していない。
【0014】
写真撮影方法では、マイクロレンズ列、特にレンチキュラー列について、他の適用が見出されてきた。例えば、初期のカラー写真撮影方法では、一直線上のレンズによる撮像は、黒白のハロゲン化銀撮像システムを用いたカラー写真撮影術を可能とすべく、カラースペクトルを分割するための手段としてのカラーフィルタと組み合わせて用いられた。この技術は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第2191038号に開示されるような、初期のカラー映画撮影及び投影システムにおいて、営利的に採用された。1940年代には、米国特許2922103号に開示されるインスタントの写真撮影技術にて、黒及び白の感光部材を用いた撮影を助けるべく、レンチキュラースクリーンを用いることが提案された。1970年代には、米国特許第4272186号が、大きくなったコントラスト特性を有するイメージを作成するために、レンズ列の使用を開示した。未露光の領域のサイズを最小限に抑制することにより、線パターンは、ほとんど見えなくなり、それにより、その不愉快さは軽減される。また、1970年代には、米国特許第3954334号に開示される移動式レンチキュラースクリーンを介して、感光部材を露光させることが提案された。最後に、1990年代には、三色層及びハレーション防止層を有する一直線上のレンチキュラーリッジ付きの(lenticular−ridged)支持体が、3−Dイメージ提供の用部材として採用された。これらの一直線上のレンズ列は、複数レンズのカメラで撮像された風景の複数のビューからインタリーブプリントイメージを形成するために用いられた。インターリーブイメージは、3次元の外観を呈するものである。この技術の例は、Lo等による米国特許第5464128号及びIpによる米国特許第5744291号に開示されている。これらの開示は、直接的な観察に適切な複数の風景の透視図の撮像からの3−Dの形成に適した方法,感光部材及び装置に関するものと認められる。それらは、手持ちのカメラでの使用に適したシャッタ時間での写真撮影方法を可能とし得ない。
【0015】
マイクロレンズで補助する写真撮影方法については、種々の用途が見出される一方、低い風景の輝度レベルで撮像されたイメージから営利的に許容可能なプリントの作成を可能とするために、感光部材の下限反応しきい値を効果的に広げる最初の約束を見たす必要がある。したがって、必要とされるものは、営利的に許容可能なプリント又は他の出力を形成するために、感光部材上にレンチキュラーイメージを撮像し、撮像された感光部材のイメージを用いるための方法及び装置である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
また、感光部材の上限反応しきい値を越える撮像条件の下でイメージを撮像することが有用であることが思い付く。かかる条件は、日光,積雪,砂浜といった条件下で撮像されるべき明るい風景を伴いつつ生じる。典型的には、カメラは、風景からの光の強度を軽減させるために、絞り制御,シャッタタイミング制御及びフィルタリングシステムを使用する。そのため、感光部材に照射する光は、感光部材の上限反応しきい値内にある強度を有する。しかしながら、これらのシステムは、カメラの設計に対して、相当の複雑さ及びコストを付加させるものである。更に、初期に説明したように下限しきい値の制限を改良するためにより開いた絞りをもつレンズを用いるという得策は、同時に、多くの光を通過させ、上限反応しきい値での露光を低下させる。結果として、必要とされるものは、感光部材の上限反応しきい値よりも大きい露光レベルを有する露光レベルの範囲にわたって、イメージを撮像するための、簡単な構成で、安価なカメラシステム及び写真撮影方法である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様では、露光レベルの所定範囲外である露光レベルを含むイメージを撮像するために、露光レベルの所定範囲内の光に感光する感光部材を用いるための方法が提供される。この方法によれば、感光部材は、風景からの光に対して露光させられる。風景からの光は、高濃度の部分及び残りの部分に分割される。高濃度部分は、風景からの光が第1の露光範囲内にある場合に、感光部材上に高濃度のイメージ要素のパターンを形成するように指向させられる。他方、光の残りの部分は、風景からの光が第2の露光範囲内にある場合に、残りのイメージを形成するように指向させられる。風景からの光は、高濃度のイメージ要素のパターンが、感光部材上の所定のパターンの高濃度のイメージ領域に形成されるように、調整される。
【0018】
本発明の別の態様では、所定パターンの高濃度のイメージ領域から変位させられた少なくとも1つの高濃度のイメージ要素のパターンを有する写真処理された感光部材から、出力イメージを形成するための方法が提供される。この方法によれば、写真処理された感光部材により、光が変調される。変調された光は、その光からイメージを抽出するために復元される。復元されたイメージは、調整され復元されたイメージが、所定パターンの高濃度のイメージ領域内に置かれた高濃度のイメージ要素のパターンにより変調される光から形成されたイメージの様相を有するように、調整される。調整され復元されたイメージは、像形成面にて焦点合せされる。
【0019】
本発明の更に別の態様では、露光レベルの所定範囲外である露光レベルを含むイメージを撮像するために、露光レベルの所定範囲内の光に対して感光する感光部材上に少なくとも1つのイメージを形成するためのカメラが提供される。そのカメラは、感光部材を位置決めするゲートを有している。撮影レンズユニットは、風景からの光を、感光部材で焦点合せする。シャッタは、風景からの光に対して、感光部材を制御可能に露光させる。マイクロレンズ列は、視野レンズ(field lens)と感光部材との間に配置される。マイクロレンズ列は、露光が露光レベルの第1の範囲内にある光を有する場合に、風景からの光の第1の部分を、感光部材上に高濃度のイメージ要素のパターンを形成するように指向させる。また、マイクロレンズ列は、風景からの光が露光レベルの第2の範囲内にある場合に、風景からの光の第2の部分が、感光部材へ通過し、高濃度のイメージ要素を取り囲む残りのイメージを形成することを可能とする。ここでは、露光レベルの第1及び第2の範囲の組合せが、露光レベルの所定の範囲よりも大きくなる。視野レンズは、撮影レンズユニットとマイクロレンズ列との間に配置される。視野レンズは、高濃度のイメージ要素のパターンが、感光部材上の所定パターンの高濃度のイメージ領域に形成されるように、風景からの光を適応させる。
【0020】
更に別の態様では、少なくとも1つの高濃度のイメージ要素のパターン及び記録された残りのイメージを有する写真処理された感光部材を用いて、出力イメージを形成するための読取り装置が提供される。読取り装置は、光を放射する光源と、その光源により放射された光を変調するように写真処理された感光部材を位置決めするゲートとを有する。マイクロレンズ列は、写真処理された感光部材上の所定パターンの高濃度のイメージ要素領域により変調された光を復元する。所定のパターンは、写真処理された感光部材上に実際に形成されるパターンとは異なる。レンズユニットは、復元された光を受け、像形成面にて出力イメージを形成する。視野レンズは、マイクロレンズ列とレンズユニットとの間に配置される。視野レンズは、出力イメージが、写真処理された感光部材上に実際に形成される高濃度のイメージ要素のパターンに基づくイメージを含むように、復元された光を適応させる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
この発明は、感光部材の有効な撮像範囲を広げる写真撮影装置及び方法に関する。
【0022】
[イメージ撮影]
図1は、感光層32及び基体34を有する感光部材30上にイメージを形成するためのカメラ20の動作を説明するための図である。図1の態様では、カメラ20が、風景24からその内部へ光を誘導するための絞り23を備えた本体21を有している。撮影レンズ系22は、露光の間に、風景24から、該撮影レンズ系22から所定間隔で感光部材30を位置決めするゲート26まで、光軸45に沿って光を指向させる。好ましくは、撮影レンズ系22の焦点深度は、風景24’のイメージが感光層32の像形成領域36上に形成される程度である。ここでは、風景24’からのイメージが、像形成領域36を横切る一貫した焦点を有している。
【0023】
複数のマイクロレンズ42を有するマイクロレンズ列40が、撮影レンズ系22と感光部材30との間に介在させられている。マイクロレンズ列40における各マイクロレンズ42は、撮影レンズ系22からの光の一部を受け、その光を高濃度の部分44及び残りの部分46に分割する。高濃度の部分44の各々は、感光部材30の関連した高濃度のイメージ領域48上に集中させられ、残りの部分46の各々は、感光部材30の関連した残りのイメージ領域50へ通過する。分割の効果は、図1では概念的に示され、図1−4を参照して説明されるであろう。シャッタシステム27が、絞り23とマイクロレンズ列40との間に配置されている。シャッタシステム27は、制御可能に、感光部材30が風景からの光に対して所定期間露光されるようにする。
【0024】
図2に示されるように、風景からの光は、広範囲の風景の輝度にわたって広がる。自然光による写真撮影の場合には、これらは、人間が視覚的に観察し得る輝度である。この範囲は、風景の輝度範囲70として、図2に示されている。しかしながら、感光部材30は、その範囲内で感光部材30が風景の照度における差を捕らえ、風景のコントラストイメージを記録することができる実際の有効範囲を有している。化学的な撮像技術に固有の制限、及び、風景からの照度に対する感光部材30の特定の非線形性の反応のため、感光部材30の実際の有効範囲72は、下限反応しきい値74及び上限反応しきい値76により規定される。感光部材30は、それが下限反応しきい値74よりも少ない光量に対して露光させられた場合には、風景の照度の差に対して識別可能に反応しない。前述したように、これは、制限された光量により有効になるエネルギーが、感光乳剤及びそれに関連した化学的物質が、識別可能な露光の記録を形成すべく反応するのに十分でないためである。したがって、感光部材30が写真処理された場合に、かかる光量に対して露光させられた感光部材30の全ての部分が、全体的に明るい(light)外観を有することとなる。
【0025】
同様に、感光部材30は、それが、上限反応しきい値よりも多い光量に対して露光させられた場合に、風景の照度の差に対して識別可能に反応しない。詳細に前述したように、これは、感光部材30により受けられる上限反応しきい値76を越える光量が、感光乳剤及びそれに関連した化学的物質の化学反応を、感光部材30が、付加的な光のエネルギーに対して、もはや意味のある付加的な濃度の反応をもたない点まで行わせるのに十分であるためである。この結果、感光部材30が写真処理された場合に、かかる光量に対して露光させられた感光部材30の全ての部分が、全体的に暗い(dark)外観を有することとなる。
【0026】
用語“明るい(light)”及び“暗い(dark)”は、陰画の作業用紙とともに用いられるための若しくはスキャナ用のプリントフィルム等の陰画の感光材に適切していることが分かる。リバーサルスライドフィルムやダイレクトプリントフィルムなどの陽画の感光材を用いた場合には、それぞれ、列挙される領域が、特性上、暗い若しくは明るいものとなる。
【0027】
本発明の実施に有用な感光材30を準備するには、既知のいかなる感光材の形成も採用可能である。最良の場合、感光性に優れた部材が、この発明にて採用される。この部材は、少なくとも約ISO25の感光性を有する必要があり、好ましくは、少なくとも約ISO100の感光性を有し、更に、より好ましくは、少なくとも約ISO400の感光性を有している。カラーネガの写真部材の速度つまり感光性は、処理後のかぶり(fog)の上での特定濃度の達成を可能とするのに必要な露光に反比例の関係を有する。各カラー記録における約0.65のガンマでのカラーネガ部材の写真速度は、米規格協会(American National Standards Institute(ANSI)によりANSI標準番号pH2.27−1981(ISO(ASA速度))として明確に定義されており、緑色に感度のあるまた最小の感度をもつカラーフィルムのカラー記録ユニットの各々において、最小の濃度を越える0.15の濃度を生成するために必要とされる露光レベルの平均値をあらわす。この規定は、国際規格機構(ISO:International Standards Organization)のフィルム速度の定格に準拠したものである。この適用のために、カラーユニットのガンマが0.65と異なる場合には、ASA又はISOの速度が、他の規定された様式で速度を決定する前に、logE(exposure)に対するガンマの曲線を0.65の値へ線形的に増幅又は減少させることにより算出される。
【0028】
この発明において標準的な写真部材が利用可能であるが、本発明に最も有用な部材は、直接的な観察に適した形式よりも、機械で読み取り可能な形式で撮像するためにデザインされる。撮像部材において、速度(光量の少ない条件に対する部材の感光性)は、通常、かかる部材にて十分なイメージを得るために不可欠なものである。したがって、マイクロレンズの速度増大の後、部材は、800のISO速度に等しい若しくはそれより大きい値、好ましくは、1600のISO速度に等しい若しくはそれより大きい値、最も好ましくは、3200のISO速度に等しい若しくはそれより大きい値を示す。部材は、各カラー記録において、少なくとも3.0logEの有効範囲、好ましくは、4.0logEの有効範囲、より好ましくは5.0logEの有効範囲、若しくは、それより大きい有効範囲を有することになる。かかる高い有効範囲は、各カラー記録のガンマ(すなわち写真処理後のlogEに対する濃度の勾配)が0.70より小さい、好ましくは0.60より小さい、より好ましくは0.50より小さい、最も好ましくは0.45よりも小さいことを表わしている。更に、カラーの相互作用又は相互イメージ(ineterimage)の効果は好ましくは最小限に抑制される。この相互イメージ(ineterimage)の効果の最小限の抑制は、カプラ(coupler)及びDIR成分のマスキング量を最小限に抑制することにより達成可能である。相互イメージの効果は、カラー分解露光の後の特定のカラー記録のガンマを、白色露光後の同じカラー記録のガンマで割った比として、数量化され得る。各カラー記録のガンマの比は、好ましくは0.8〜1.2の間、より好ましくは0.9〜1.1の間、最も好ましくは0.95〜1.05の間である。更に、構成の詳細,スキャン可能な感光部材の能力の特性数量化は、ソウィンスキ(Sowinski)等による米国特許第6021277及び6190847号に開示されており、これらの開示は、引用することによりここに組み込まれるものである。
【0029】
図2に示されるように、カメラ20及び感光部材30は、感光部材30の下限反応しきい値よりも小さい所望の有効範囲80の下限反応しきい値で、風景の情報を記録することが望ましい。本発明の原理によれば、この照度の範囲における写真撮影は、風景からの光を集中させることにより可能となる。この点に関して、マイクロレンズ列40内のマイクロレンズ42の各々が、風景からの光を、少なくとも2つの部分に対して分割する。図1に示されるように、風景24からの光の高濃度の部分44は、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40がない場合に比べて、単位領域当たりにより大きな光量が、露光の間に感光部材30の高濃度のイメージ領域48の各々に照射されるように、集中させられる。図3に示されるように、この高濃度のイメージ領域48に入射する光の量の増加は、風景の露光レベルの第1の露光範囲84をシフトさせる効果を有しており、これにより、第1の露光範囲84の全体は、感光部材30の実際の有効範囲72内におさまることとなる。このシフトにより、高濃度のイメージ要素52のパターンが、感光部材30の高濃度のイメージ領域48における高濃度のイメージを形成することが可能となる。
【0030】
ついでながら、マイクロレンズ42に入射する光の幾らか(例えばマイクロレンズ42により不完全に焦点合せされた光、若しくは、別個のマイクロレンズ42の間に通過する光等)は、高濃度のイメージ領域48上に焦点合わせされることはない。その代わりに、光の残りの部分46は、感光部材30へ通過し、残りのイメージ領域50に入射して、残りのイメージ54の形成を可能とする。残りのイメージ54は、更に、感光部材30における故意の若しくは偶発的な光の散乱及び反射により形成され得る。この残りの部分46は、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40が、同じ露光の間に、風景24と感光部材30との間に介在させられない場合に、感光部材30に入射する光の量よりも少ない。このように、マイクロレンズ42は、残りのイメージ領域50に入射する風景からの光を効果的にフィルタし、これにより、りのイメージ54が感光部材30上に形成されるように、露光の間に、より大きな光量が取得可能である。したがって、シャッタシステム27が感光部材30の露光を許可する所定期間は、風景からの光が第2の範囲内にある場合に、感光部材の残りのイメージ領域50上にイメージを形成するに十分である。
【0031】
図4に示されるように、マイクロレンズ列40のマイクロレンズ42が、第2の露光範囲86内の光に対して露光させられる場合、第2の露光範囲86により示される範囲上でイメージを作成するのに適した第2の露光は、残りのイメージ領域50において、感光部材30上で構成される。このようにして、感光部材30は、感光部材30の上限反応しきい値76を超えるものの所望の有効範囲82の所望の上限反応しきい値以下である露光レベルで、識別可能なイメージを記録するように、使用可能である。
【0032】
重なり領域が、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86との間に規定され得る。写真部材78について望ましいシステムの有効範囲の増大が求められる場合には、この重なり領域は縮小され得る。好適な実施態様では、感光部材30について連続した所望の有効範囲78上での高濃度のイメージ要素52又は残りのイメージ要素54のいずれか一方からイメージ情報をとらえる能力は、第1の露光範囲84及び第2の露光範囲86が重なった場合に、実質的な露光の範囲を規定することにより確定される。その代わりに、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86との間に重なりがほとんどなく、つまり実質的に分離している場合には、カメラ20を提供することが好適であり得る。かかる実質的な分離をもつカメラ20は、日光及び室内光などの非常に異なる像形成条件下で異なるイメージを撮影するように、効果的に機能することとなる。
【0033】
露光レベルが第2の露光範囲86にある場合には、高濃度のイメージ要素52が、感光部材30上に形成されることが分かる。第2の露光範囲86における露光の間に形成された高濃度のイメージ要素52は、第1の露光範囲84及び第2の露光範囲86が少なくとも部分的に重なる場合の、有用な像形成情報を含むことが可能である。しかしながら、露光が第1の露光範囲84を越える場合には、高濃度のイメージ要素52が、残りのイメージ領域50に形成される残りのイメージ54において、露出オーバーによるアーティファクトとしてあらわれるであろう。
【0034】
この説明は、人間が視認可能な風景をとらえるためのハロゲン化銀写真撮影技術に関する特定の実施の形態によって構成されているが、本発明は、拡大された風景の輝度範囲及び人間が確認できるスペクトル領域をとらえるのに容易に適用可能であり、感光部材30としては、必須の像形成特性を有する技術で知られたいかなる感光材をも利用可能であることが分かる。実現可能な感光性の効果的な増加は、少なくとも0.15logEである。ある実施態様では、感光性の効果的な増加は、少なくとも0.3logEと0.6logEとの間である。また別の実施態様では、感光性の効果的な増加は、少なくとも0.9logEである。
【0035】
[撮影されたイメージにおける高濃度のイメージ要素の変位]
図5は、球面のマイクロレンズ42の規則的な正方形の配列を通じたイメージ様式の露光の間に、感光部材30上に形成される露光パターンを示している。図5には、また、感光部材30がカメラ20内に配置され、撮影レンズ系22を通じて露光させられた場合に確立される光軸45及び感光部材30の交点49が示されている。予期されるイメージ領域47は、感光部材30上への個々のマイクロレンズ42の直接的な軸上の投影である。図5に示されるように、個々の予期されるイメージ領域47が、光軸及び感光部材49の交点から離れるほど、予期されるイメージ領域47と実際のイメージ領域48との間の変位は大きくなる。予期されるイメージ領域47からの高濃度のイメージ要素52の変位の度合いは、カメラ20,撮影レンズ系22及びマイクロレンズ42の光学特性により制御される。この変位に対して許容可能な外観の補正を含む出力イメージを提供することが必要とされる。
【0036】
図6を参照しながら、変位の原因について説明する。図6は、説明のために示される介在されたダイアフラム(D)107とともに、光学部品(L1)103及び(L2)105を有する光学系100を示している。この光学系は、光学的に有効な絞り孔を提供する。ダイアフラム107の実際の絞りは、光のビームが光学系100を通過するのを制限する。ダイアフラム107の面は、点Aにて光学系の光軸101と交差する。ダイアフラム107の前にある光学系の光学部品103は、面111における入射孔Piでのストップの仮想的なイメージを形成する。入射孔Piは、その後にダイアフラム107によりまとめられる光学部品L1103を介した平行なイメージの光線113(主光線R及び周辺的な光線Ra及びRb)の延長部分が、入射孔Piのアウトラインを規定するように、設定されている。入射孔Piの直径は、ダイアフラムの有効径に等しい。
【0037】
入射孔Piの面111は、点Iにて、光学系100の光軸101と交差する。同様に、ダイアフラム107の後ろにある光学系の光学部品105は、面109内の出射孔Peにてダイアフラム107の仮想的なイメージを形成する。出射孔Peは、その後にダイアフラム107によりまとめられる光学部品L2105を介した平行なイメージの光線115(主光線R’及び周辺的な光線Ra’及びRb’)の延長部分が、出射孔Peのアウトラインを規定するように、設定されている。出射孔Peの面は、点Eで、光学系100の光軸101と交差する。入射孔Piの直径に対する出射孔Peの直径の比は、孔倍率(pupil magnification)として知られる。最も標準的なレンズ系に関し、入射孔Piの直径に対する出射孔Peの直径の比は、0.85と1.15との間であり、テレフォトレンズ(telephoto lens)に関し、それは、0.4と0.85との間であり、また、広角レンズに関して、それは、1.10と2.0との間である。
【0038】
孔倍率は、また、イメージ面に関する光学部品105の向きにも依存する。主光線R−R’は、まず、風景から点Iに向かい、外見上点Eからイメージ面で受けられるように示される。ダイアフラム107がその中心が光学系100の光学的中心に合うように配置された場合には、しばしば対称性をもつレンズ系で起こるように、孔の中心が、節点(nodal point)と一致する。しかし、単レンズ,焦点可変レンズ,テレフォトレンズ等を用いた場合、かかる一致は生じない。孔の定義がマルチレンズ系に関して提示されるが、固定焦点カメラ内に見られるより簡単な光学系について、また、プロジェクタ,光学プリンタ,スキャナ等内に見られるより複雑な光学系について、孔の位置が同様に規定されることは容易に理解されるであろう。他しかに、幾つかのレンズ系の場合には、入射孔Pi及び出射孔Peは一致することが可能である。
【0039】
以下の定義は、上記説明から継続するもので、前述したような高濃度のイメージ要素52の変位の原因を説明するのに有用である。
入射孔Pi:物体空間から見られるようなダイアフラムのイメージ。
出射孔Pe:イメージ空間から見られるようなダイアフラムのイメージ。入射孔及び出射孔の図式的な識別。入射孔は、概して、光学系を通過する特定角からの平行光線の束を識別することにより、図式的に位置決めされ得る。このバンドルの中心における光線が、物体から光学系に向かって延びる。これは、入射孔の位置で、光軸と交差する。出射孔は、この同じ光を、イメージから光学系に向かって後方へ光線が光軸と交差する点まで延ばすことにより、図式的に位置決めされ得る。交差は、出射孔の位置を規定する。
f−ナンバー:入射孔の直径に対するレンズの等しい焦点距離の比をあらわす表現。
開口数(NA):錐体の頂点が位置決めされる媒体の屈折率が乗ぜられる、光学系又は光学素子に入る若しくはそこから離れるメリジオナル光線(meridionalrays)の最大錐体の頂角の正弦。一般的には、物点又は像点に関して測定され、また、その点が移動させられるに伴い、変化する。物点に関係したレンズ系の入射側NAは、同じレンズ系の、像点に関係した出射NAと異なってもよい。一般的には、以下のように、幾何光学系から、投影又は撮影レンズの開口数(NA)は、そのレンズのf−ナンバーの2倍の逆数により同等に与えられる。
【0040】
像形成面(Ra’−R’−Rb’)及び光軸101まわりの対称的なイメージに対して垂直なレンズ系から放たれる光線のみが、同じレンズ軸まわりに対称的に配置される風景からのものであることが明らかである。従来の系におけるマイクロレンズ42が、それらの風景として、撮影レンズ系22の出力を用いるので、対称的に配置された風景を受けるマイクロレンズ42のみが、撮影レンズ系22の軸に一致する個々のマイクロレンズ軸を有するものである。マイクロレンズ42の軸が、次第に、撮影レンズ系22の光軸45から変位するにつれ、マイクロレンズ42により像形成される領域は、ちょうど図5に示されるように、次第に変位する。
【0041】
したがって、カメラ20内の撮影レンズ系22の出射孔Peと感光部材30との間の空間及び角度の関係を変更することにより、マイクロレンズ42を通じて露光させられる感光部材30の領域が変更される。質的に、軸上のマイクロレンズ42は、軸上のイメージを作成し、また、一方、全て軸を外れたマイクロレンズ42は、個々のマイクロレンズ42の光軸に関係して変位させられた高濃度のイメージ要素52を作成する。前述したように、軸を外れた高濃度のイメージ要素52の変位によって、高濃度のイメージ要素52に基づき提供される補正されていない出力イメージの外観は粗末なものとなる。同様に、投影レンズの入射孔Peは、投影レンズ系によりとらえられるマイクロレンズで露光させられ写真処理された感光部材30の領域に影響することとなる。この点に関して、読取り装置の光学系及び感光部材30の空間及び角度の関係が、イメージ撮影時に、風景及び感光部材30の空間及び角度の関係に一致するように、読取り装置の光学系を規定することが可能である。この系は、有効な実像が、所定位置にて、また、カメラのレンズ構成に対して最初の風景により決定される倍率で生成されるため、扱い難い。もしカメラの撮影レンズに相当する投影レンズが、イメージの撮影時のイメージに対するカメラレンズの関係を模倣するように配置されれば、再構成されるイメージは、元のオブジェクトのサイズで元のオブジェクトの位置にあらわれるであろう。他のレンズ及び空間上の関係の組合せは、不完全なイメージの再構成,イメージ領域の不適切な歪曲補正(de−skewing)、又は、新聞紙のプリントを彷彿させる点及び線の形成をもたらす。この画質レベルは、通常、近年の写真材料のユーザに期待されるものには劣る。
【0042】
したがって、感光部材30の有効範囲を広げるべく、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40を用いるという恩恵を得るために、別の方法で、歪曲の影響を補正する必要があることが分かる。
【0043】
次の段落では、許容可能なイメージが高濃度のイメージ要素52に基づき形成され得るように、スキューを補正するシステムの種々の態様を説明する。更にその後の段落では、許容可能なイメージが残りのイメージ領域50から形成され得るように、スキューを補正するシステムの種々の態様を説明する。
【0044】
[高濃度のイメージ要素を用いたイメージの形成]
本発明によれば、マイクロレンズによる補助付きの写真撮影技術を用いて、感光部材30上に形成されるイメージの高濃度のイメージ領域48に記録される高濃度のイメージ要素52のパターンが、許容可能な外観を有する出力イメージを形成するように再構成される。再構成の処理は、許容可能な外観をもつ像形成面でのイメージを形成するために、光学イメージを復元し、調整することを含むものである。本発明によれば、復元及び調整が光学的に行われる。これにより、従来の光学的な写真仕上げ装置が、マイクロレンズによる補助付きの写真撮影技術を用いて、フィルム上に記録されたイメージを有する感光部材を処理するために容易に調整されることが可能となる。
【0045】
図7は、低い露光範囲をもつ風景からイメージ情報をとらえるべく一定の露光範囲を有する感光部材30を用いるための、また、感光部材30上に記録されたイメージ用の情報から許容可能な出力イメージを回復させるための方法の一形態のフローチャートである。この処理の第1のステップは、感光部材を風景からの光に露光させるものである(ステップ300)。
【0046】
風景からの光は、高濃度の(つまり圧縮された)部分及び残りの部分のパターンに分割される(ステップ302)。前述したように、光の高濃度の部分は、感光部材30上の高濃度のイメージ領域48を露光させ、現像後の感光部材30上の線又は点などの高濃度のイメージ要素52のパターンを形成する。風景からの光が第1の露光の範囲84内にある場合には、コントラストのイメージが、高濃度のイメージ要素52に形成される。
【0047】
感光部材30は、その後、写真処理された部材38を形成するために写真処理される(ステップ304)。ここでは、写真処理について知られるいかなる技術をも採用可能である。写真処理では、現像ステップが実行されるとともに、銀を除去するステップが任意に実行され得る。写真処理は、感光部材を、所定条件の下で、写真処理用の化学薬品又は媒介物と接触させることにより実行可能である。また、写真処理は、感光部材を、写真処理用の化学薬品又はpH調整媒介物、若しくは、その両方の溶剤と接触させることにより実行可能である。更に、別の方法として、感光部材は、フォトサーモグラフィック処理などの従来知られた他の技術を用いて、写真処理される。この場合には、感光部材30は、加熱により、若しくは、写真処理を可能とする媒介物及び加熱の組合せにより処理される。
【0048】
圧縮され現像されたイメージは、スキャナ又はプリンタに有効な出力イメージを回復するために、又は、観察のために処理される(不図示)。回復の処理は、圧縮イメージ及びマイクロレンズ列40を通過するように光を戻すことによる、イメージの復元処理(ステップ306)を含む。また、回復の処理は、視野レンズを用いてイメージを歪曲補正するために、復元された光を調整することを含む。更に、回復されたイメージは、以下に述べるように、任意に処理される(ステップ310)。その後、出力イメージが伝送される(ステップ312)。
【0049】
図1,6,7,8及び9を参照しながら、復元及び調整ステップ(ステップ306及び308)について詳細に説明する。
【0050】
前述したように、図1は、撮影レンズ22,感光部材30及びその間に介在したマイクロレンズ列40を有するカメラ20を示している。ダイアフラムとして知られる、シャッタ及びリリースの,固定の又は可変の開口絞り,フィルムリール及びアドバンス機構,ビューファインダ等の他のカメラ要素は、図面の明瞭化を図り、省略される。図1のカメラ10におけるイメージ様式の露光に際して、介在したマイクロレンズ列40は、感光部材30の特定の部分に光を集中させるように作用し、それにより、カメラ20の総合感度が向上し、感光部材上に圧縮された露光パターンが生成される。カメラの撮影レンズ系22及びマイクロレンズ列40のマイクロレンズ42は、合同で、感光部材30上に風景をイメージ化する。マイクロレンズ列40が、円形のマイクロレンズ42の列を含む場合には、マイクロレンズを用いた集中光における、光の集中又は有用な写真速度ゲインは、撮影レンズ系のレンズf−ナンバー及びマイクロレンズ42のレンズf−ナンバーの比の自乗である。速度ゲイン(対数(log)での比露光量)は、マイクロレンズ42のf−ナンバーに対する撮影レンズ系22のf−ナンバーの比の対数の2倍である。その結果、マイクロレンズ列40のマイクロレンズ42による光の集中は、系の速度ゲインを向上させる。球面マイクロレンズ42の規則的な正方形の列の場合には、感光部材30上に点パターンが形成される。詳しくは後述するように、他の形式のマイクロレンズが用いられてもよい。
【0051】
本発明によれば、復元(ステップ306)及び調整(ステップ308)の両方が、光学的なイメージの調整を用いて実現される。図8は、写真処理された部材352上での高濃度のイメージ要素52の露光パターンからイメージを導き出す従来技術の読取り装置350の一態様を示している。読取り装置350は、図1のカメラ20等のカメラシステムにより感光部材352上に記録されたイメージを調整し復元する機能の両方を実行する。この実施形態では、読取り装置350が、拡散光源354を有している。図1に示されるタイプのカメラ20によりなされた露光を含む写真処理された部材352は、光源354により照明される。イメージ変調光は、像形成面361で最初の風景の投影イメージ360を形成するために、マイクロレンズ列356及び投影レンズ358を通過する。
【0052】
図1のカメラは、撮影レンズ系22と一致する出射孔とともに描かれており、また、図8の読取り装置350は、投影レンズ系362と一致する入射孔とともに描かれていることが分かる。図1の撮影系におけるマイクロレンズ42の各々は、感光部材30の高濃度のイメージ領域48上へ、撮影レンズ系22の出射孔により通過させられる光の高濃度の部分を投影する。高濃度の光は、前述したように、高濃度のイメージ要素52を形成するために、各マイクロレンズ構成の後ろに照射される。後述するように、高濃度のイメージ要素52は、カメラの光軸45からの各マイクロレンズ42の空間及び角度の変位により決まる形式で、感光部材30上に照射される。図8では、写真処理された部材352が、光学的に再構成される最初の風景のイメージを形成するために、投影し戻される高濃度のイメージ要素52のパターンを有している。
【0053】
図8に示される読取り装置350は、写真処理された部材352に対して一体式に構成されたマイクロレンズ列356を有する写真処理された部材352からイメージを読み出すように適応させられる。詳しくは後述するように、他のマイクロレンズの構成が採用されてもよい。図8の読取り装置350は、イメージが読み出された場合に露光にて確立される有効なカメラ絞り,マイクロレンズ列及び感光部材352の間の個々の空間的な関係が再現される限り、イメージを光学的に復元する。このことは、読み取りモードでの使用に際して、マイクロレンズ列356が、圧縮されたイメージ要素52が形成された場合に確立される絞り位置にて、すなわち、カメラの絞りにて、圧縮されたイメージ要素52のパターンにて符号化されるイメージを復元するためである。その結果、図1のカメラ20におけるマイクロレンズ列356を用いることによりもたらされたスキューは、カメラを後方へ機能的に動かすことにより補正される。しかしながら、たいていの場合、図1のカメラ20で露光にて確立される有効なカメラの絞り,マイクロレンズ列40及び感光部材30の間の空間的な関係が、十分に再現不可能であり、また、読取り装置350は、スキューにより劣化した外観をもつイメージをもたらすことになる。
【0054】
本発明の一態様によれば、図8に示されるような読取り装置は、スキューによりもたらされる高濃度のイメージ要素52の変位を補正するように、視野レンズを用いて適応させられる。この視野レンズは、撮影系の光学特性を調和させるように、読取り装置内の光路を調整する。視野レンズは、適切なフォーカスでの、また、例えばスキャナの検出面又は光学プリンタの用紙面などの有用な場所での適切な倍率での、記録された風景の投影を可能とすべく、レンズ絞り又は孔の空間的な位置を効果的にシフトする。他の実施態様では、撮影系は、形成された点又は線のイメージが従来のスキャナ又は光学的なプリントヘッドにて読出し可能とするように、撮像段階において、イメージをディスキュー(de−skew)するように調整するための視野レンズを有している。更に別の実施態様では、視野レンズが、撮像及び読出しシステムの両方に組み込まれ、スキューを補正すべく組み合わされるように調和させられる。
【0055】
カメラ20で形成された高濃度のイメージの復元及び光学的な再構成用に、別個の経路が存在する。全てについて、最初の風景,撮影孔および露光済みのイメージの間における空間的な関係が、孔と再構成された風景との間の関係を読み出すために、現像済みのイメージとして、再現されることが要求される。この空間的な関係の一致は、共に最良化された撮影−読出し系の両ステージにおける、レンズおよびレンズ〜被写体(lens to subject/lens to object)の距離の慎重な選択により実現され得る。より一般的には、空間的な関係の一致は、撮影のステージにて,読出しステージにて、若しくは、露光−読出しシステムの両ステージにて、視野レンズを採用することにより実現され得る。
【0056】
復元及び調整ステップの記載は、特にスキャナにおける視野レンズを用いる場合について行われてきたが、視野レンズの他の位置および光学プリンタの使用若しくは直接的な観察も十分に考えられることが分かる。以下に説明する種々の実施態様では、光学的に再構成されるイメージに関する条件が、投影系の入射孔の位置をマイクロレンズ列に関して調和させるようにカメラの出射孔を移動させるべく、カメラに視野レンズを加えることにより満たされる。調整が撮影側で行われる場合には、図8の読取り装置は、視野レンズなしで用いられ得る。
【0057】
以下、これらの系の種々の実施態様について詳しく説明する。しかしながら、調整及び復元に用いられ得る光学的な条件が、数的に記載されてもよい。この点に関し、次の定義が、かかる系のための有用な設計上の検討である。
焦点:入射する平行な光線の束が集束する、レンズの光軸上の点。
焦点距離:効果的な焦点距離(EFL)は、主点から対応する焦点までの距離である。前側の焦点距離(FFL)は、前側レンズ面から前側(第1)焦点までの距離である。後側の焦点距離(BFL)は、後側レンズ面から後側(第2)焦点までの距離である。
主面:レンズ又はレンズ系において、入射し出射する光線の投影が交差する面。また、主面は、同等の屈折面として知られ、ほとんどの場合、平面でなく、曲面である。
主点:レンズの主面及び光軸の交点。
【0058】
レンズ系は、典型的には、前側の主面及び後側の主面を有している。前側の主面は、後側でのエントリにて平行であり前側の焦点に焦点合わせられる光線に関して、前側の主点を規定する。後側の主面は、前側でのエントリにて平行であり後側の焦点に焦点合わせられる光線に関して、後側の主点を規定する。簡単な光学システムでは、前側及び後側の主点は、効果的に一致することも可能である。
【0059】
撮影系(カメラ)に関して、
fc=カメラレンズの焦点距離
sc=風景からカメラの光学系の第1の主点までの距離
sc’=(レンチキュラー・フィルム前面での)イメージからカメラの光学系の第2の主点までの距離
pc=カメラの出射孔からレンチキュラー・フィルム前面までの距離
【0060】
投影系(光学プリンタ又はスキャナ)に関して、
fp=投影レンズの焦点距離
sp=(レンチキュラー・フィルム前面での)被写体から投影レンズの第1の主点までの距離
sp’=(例えばCCD又はプリント用紙での)イメージから投影レンズの第2の主点までの距離
pp=スキャナレンズの入射孔からレンズチキュラー・フィルム前面までの距離
【0061】
両方に関して、
M=倍率=s’/s=イメージサイズ/被写体サイズ
1/f=1/s+1/s’
【0062】
非常に簡単な系(薄いレンズ,レンズ中央での単一の主点,主点に一致する入射点,無限大に焦点合せされる(すなわちsc=無限)カメラレンズ)に関して、1/fc=1/sc’である。かかるカメラにおいてマイクロレンズ列フィルムにより形成されるイメージの再構成は、sp=fcである場合に行われると同様に、対応するレンズ系の孔が一致する場合に行われる。また、適切なプロジェクタレンズが、1/fp=1/fc+1/sp’により規定される焦点距離を有し、系の倍率は、Mp=sp’/fcである、つまり、系は制約される。
【0063】
視野レンズは、都合のよい光学的な再構成を可能とする所望の位置に対する少なくとも1つの孔の位置を調整すべく選択される。カメラ内の視野レンズは、フィルム及びレンチキュラー列の両方に関係して、カメラの出射孔をプロジェクタの入射孔へ移動させる。同様に、プロジェクタ内の視野レンズは、フィルム及びレンチキュラー列の両方に関係して、カメラの出射孔をプロジェクタの入射孔へ移動させる。撮影及び投影ステージの両方において視野レンズを組み込むことにより、より多目的な全体系が可能となる。前述したような孔の位置を実現すべく自動的に調整可能なレンズ系を備えた像形成系により、更に多目的な系が可能となる。
【0064】
孔が主点にほぼ一致する場合の簡単な系に関し、プロジェクタに設けられた視野レンズについての適切な焦点距離ffは、
1/ff=−1/sf’+1/sf
により与えられる。ここで、
sf=視野レンズからプロジェクタレンズの入射孔
sf’=カメラレンズ,マイクロレンズ及び形成されたイメージにより決まる視野レンズから孔までの距離
【0065】
同様に、孔が主点にほぼ一致する場合の簡単な系に関し、カメラに設けられた視野レンズについての適切な焦点距離ffは、
1/ff=1/sf’−1/sf
により与えられる。ここで、
sf=視野レンズからカメラレンズの出射孔
sf’=プロジェクタ,マイクロレンズ及び形成されたイメージにより決まる視野レンズから孔までの距離
【0066】
感光部材上の圧縮されたイメージ要素52のパターンに記録されているイメージを調整するために、視野レンズを組み込む撮影及び読出し系の一形態が、図9a及び9bに示される。図9aは、光軸407と、風景401からの光を、レンズ状のマイクロレンズ410の列を備えたハロゲン化銀フィルム403上に焦点合せするレンズ405とを有するカメラ400を用いて写真処理された風景401を概略的に示す図である。カメラレンズ405の光学系は、出射孔Peを形構成する。ハロゲン化銀フィルム403上のマイクロレンズ410の列は、出射孔Peにより通過させられる風景の情報をあらわす高濃度のイメージ要素52のパターンを形成する。ハロゲン化銀フィルム403上に形成された高濃度のイメージ要素52は、出射孔Pe,マイクロレンズ410の列の各々及びハロゲン化銀フィルム403の間の空間及び角度の関係により決まる様式で、光軸407に関係して投影される。
【0067】
図9bは、図9aのカメラ内の露光後に、また、ハロゲン化銀フィルム403が現像ステップに曝された後に、この態様にてハロゲン化銀フィルム403を有する露光済み及び写真処理済みのレンチキュラー・フィルム421を走査するための走査装置419を示している。ここで、走査装置420は、露光済み及び写真処理済みのレンチキュラー・フィルム421上にイメージ化された風景を、マイクロレンズ410の列,スキャナレンズ411及び光学要素417を介してソリッドステートの撮像体(imager)409上へ照明及び投影するように位置決めされた光源423を有している。ソリッドステートの撮像体409は、電荷結合デバイス(CCD),相補型酸化金属半導体(CMOS)の撮像体,電荷注入デバイス又は他の電子撮像体を含むことができる。走査装置420の光学系は、入射孔Piを形成する。視野レンズ415は、露光済み及び写真処理済みのレンチキュラー・フィルム421とスキャナレンズ411との間に配置されている。視野レンズ415は、スキャナレンズ411が、高濃度のイメージ要素52を備えた写真処理済みの部材38の照明にて生成される個々の投影イメージの全てを受入れできるようなサイズ及び位置で、スキャナレンズ411に関した入射孔Piを生成すべく、前述したように選択される。視野レンズ415により調整されるようなスキャナレンズ411の入射孔Piと、風景の情報を付帯する現像済みの圧縮されたイメージ要素52から投影されたマイクロレンズを介するイメージとの間の空間及び角度の関係は、圧縮された各イメージ要素52が、投影光学系の入射孔Pi上へ十分に投影されるものであることから、高品質のイメージが、撮像体409へ伝送される。スキャナレンズ411及びソリッドステートの撮像体409は、本発明の特定の形態をあらわすためのものであることが分かる。プリンタレンズ及び感光性をもつ写真用紙が代用されても、同様の好ましい結果が得られる。代わりに、他の投影レンズ系及び従来知られる他の感光材料又はデバイスを、光学的に再構成されたイメージを観察又は記録するために採用することも可能である。
【0068】
図10a及び10bは、本発明による他の形態のシステムを示す。ここで、風景705の撮影に適したレンズ703を備えたカメラ701は、露光の光路709におけるマイクロレンズ列707を有している。カメラ701は、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ等を有していない。カメラ701には、従来のフィルム711が採用され得る。読取り装置713は、スキャナ,ビューワー又は光学的なプリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置713は、図10aのカメラ701にて風景が露光させられる処理済みのフィルム717を介して光715を送るための、光源714を有することとなる。読取り装置713は、読取り装置の光路716内に、マイクロレンズ列719を付加的に有する。マイクロレンズ列719は、カメラ701のマイクロレンズ列707に対して調和させられる。視野レンズ721は、読取り装置の光路716に設けられ、また、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置713内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ723及び読み取り面725からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正するように、歪曲により、光を調整する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0069】
図11a及び11bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ801は、露光の光路809にて、風景805の撮影に適したレンズ803と、マイクロレンズ列807とを有している。カメラ801は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置813内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ823及び読み取り面825からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ821を有している。カメラ801には、風景を記録するための従来のフィルム811が採用され得る。いかなる場合にも、読取り装置813は、図11aのカメラ801にて風景が露光させられる処理済みのフィルム817を介して光815を送るための、光源814を有することとなる。読取り装置813は、例えばソリッドステート撮像体又は感光部材の感光面により形成される読取り装置の光路816内に、調和させられるマイクロレンズ列819を付加的に有することとなる。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0070】
図12a及び12bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示す。ここで、カメラ901は、露光の光路909を介した風景905の撮影に適したレンズ903を備えた従来のカメラである。カメラ901は、イメージを意図的に歪曲させるために、マイクロレンズ列又は視野レンズ等を有していない。カメラ901に採用されるフィルム911は、一時的なマイクロレンズ列912を有し、マイクロレンズ列912を介したフィルム911の感光材の露光を保証する様式で、カメラ901に装填されることとなる。マイクロレンズ列912は、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。この態様では、写真処理の一部として、マイクロレンズ列912が、露光後及び読取り後に、フィルム911から任意に取り除かれる。読取り装置913は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置913は、図12aのカメラにて風景が露光させられる処理済みのフィルム917を介して光915を送るための、光源914を有する。読取り装置913は、読取り装置の光路916内のマイクロレンズ列919と、視野レンズ921とを付加的に有する。視野レンズ921は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えばソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ923及び読み取り面925からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正するように、歪曲により、光を調整する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0071】
図13a及び13bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1001は、露光の光路1009を介した風景1005の撮影に適したレンズ1003を備えた従来のカメラである。カメラ1001に採用されるフィルム1011は、永続的なマイクロレンズ列1012を有し、マイクロレンズ列1012を介したフィルム1011の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1001に装填される。マイクロレンズ列1012は、図13aでは、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。読取り装置1013は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いずれの場合にも、読取り装置1013は、図13aのカメラ1001にて風景が露光させられる処理済みのフィルム1017を介して光を送るための、光源1014を有する。読取り装置1013は、読取り装置の光路1015内に配置された視野レンズ1021を付加的に有する。視野レンズ1021は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えばソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1023及び読み取り面1025からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正するように、歪曲により、光を調整する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0072】
図14a及び14bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1101は、露光の光路1009を介したフィルム1111上への風景1105の撮影に適したレンズ1003を有している。カメラ1101は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置1113内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1123及び読み取り面1125からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ1121を有している。カメラ1101に採用されるフィルム1111は、一時的なマイクロレンズ列1112を有し、マイクロレンズ列1112を介したフィルム1111の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1101に装填される。マイクロレンズ列1112は、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。マイクロレンズ列1112が、写真処理の一部として、露光後及び読取り後に、フィルム1111から任意に取り除かれることとなる。読取り装置1113は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置1113は、図14aのカメラにて風景が露光させられる処理済みのフィルム1117を介して光1115を送るための光源1114を有することとなる。読取り装置1113は、読取り装置の光路816における調和させられるマイクロレンズ列1119,投影レンズ1123及び読取り面1125を付加的に有する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0073】
図15a及び15bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1201は、露光の光路1209を介したフィルム1211上への風景1205の撮影に適したレンズ1203を有している。カメラ1201は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置1213内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1223及び読み取り面1225からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ1221を有している。カメラ1201に採用されるフィルム1211は、永続的なマイクロレンズ列1212を有し、マイクロレンズ列1212を介したフィルム1211の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1201に装填される。マイクロレンズ列1212は、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。読取り装置1213は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置1213は、図15aのカメラにて露光させられた風景のイメージをもつ処理済みのフィルム1217を介して光1215を送るための光源1214を有することとなる。イメージ変調光は、永続的なマイクロレンズ列1212により復元され、投影レンズ1223を通過して、読取り面1225上にイメージを形成する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージ形式で、高濃度のイメージ要素の光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0074】
図16a及び16bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1301は、露光の光路1309を介したフィルム1311上への風景1305の撮影に適したレンズ1303を有している。カメラ1301は、イメージを意図的に歪曲させるために、マイクロレンズ列又は視野レンズを有していない。カメラ1301に採用されるフィルム1311は、永続的なマイクロレンズ列1312を有し、マイクロレンズ列1312を介したフィルム1311の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1301に装填される。マイクロレンズ列1312は、フィルム1311のベース側に位置させられるように示されるが、フィルム1311の感光乳剤側に位置させられてもよい。永続的なマイクロレンズ列1312は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置1313内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1323及び読み取り面1325からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、歪曲させられることとなる。マイクロレンズ列1312における歪曲は、カメラ1301にて適切に選択された視野レンズの組込みにより生成される場合と同様の様式で、形成されたイメージの位置をスキューすることとなる。この系に関してマイクロレンズ列1312に必要とされる歪曲度は、実質的に、読取り装置1313との互換性に関して選択された視野レンズとともに、また、それなしで、歪曲させられていないマイクロレンズ列を用いて、カメラ1301で風景を撮影することにより決定され得る。別の方法としては、マイクロレンズ列1312に必要とされる歪曲の度合いが、上記で列挙された標準的なレンズの式を用いて、個々に必要とされるマイクロレンズの位置及び特性を算出することにより、容易に決定され得る。読取り装置1313は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる形式においても、読取り装置1313は、図16aのカメラにて露光させられた風景のイメージをもつ処理済みのフィルム1317を介して光1315を送るための光源1314を有することとなる。イメージ変調光は、永続的なマイクロレンズ列1312により復元され、投影レンズ1323を通過して、読取り面1325上にイメージを形成する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージ形式で、形成された点又は線パターンのイメージの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0075】
図17に概略的に示される異なった実施の形態では、フィルム又はフィルム容器が、カメラの光学系の記録を有することができ、また、読取り装置1313等の読取りシステムが、記録されたカメラの光学系を識別し得るデータリーダ1401と、調整可能な視野レンズ1403と、幾つかのマイクロレンズ像形成カメラ及びリーダ間の互換性を自動的に実現すべく、調整可能な視野レンズ1405を調整する手段とを有している。例えば、カメラの光学系の記録が、よく知られるメタデータ通信技術を用いて、写真撮影時に、フィルム又はフィルム容器において符号化されてもよい。あるいは、例えばフィルムが予め装填されたカメラについては、それらが、製造時に符号化されてもよい。かかるカメラの一例は、図1のカメラ20である。カメラ20は、イメージが撮影される時点で、カメラの光学系の記録を取得するように調整されるコントローラ62を有している。例えば、カメラ20は、イメージ撮影時における撮影レンズ系22の入射孔と感光部材30との間の距離を決定し、通信ヘッド66に、この情報をカメラ20に記録させるために、レンズ位置検出器63を用いるコントローラ62を有している。この信号は、データリーダ1601により検出され、イメージを歪曲補正すべく視野レンズを調整するために、リーダ1601により用いられる。
【0076】
また別の実施の形態では、光学系に関するデータが、リーダにより、光路内の視野レンズを選択式に取り除き、変位させるかどうかを決定するために用いられてもよい。更に別の実施の形態では、視野レンズが、必要とされる孔の調整をもたらすべく、変形により調整される変形可能なレンズ(deformable lens)であってもよい。また更に別の実施の形態では、投影レンズ自体が、孔の調整を可能とするために変形される変形可能なレンズ系であってもよい。変形可能なレンズ系は、それらが適応性のある光学系として用いられる天文学上の像形成技術にてよく知られている。
【0077】
[残りのイメージの復元]
前述したように、風景からの光が第1の露光範囲84内にある場合には、残りのイメージが、写真部材の残りのイメージ領域に形成され得る。図18は、高濃度のイメージ要素1952のパターン及び残りのイメージ1954がその上に記録された写真処理済みの写真要素の一例を示す。高濃度のイメージ要素1952の存在により、その下にある残りのイメージ1954は、思わしくない外観を呈することとなる。したがって、残りのイメージ1954からイメージを復元するには、残りのイメージ1954から高濃度のイメージ要素1952を取り除く必要がある。本発明によれば、高濃度のイメージ要素1952が、圧縮されたイメージ領域を含まないイメージの領域を通過する光のみを投影するための光学系を用いることにより、残りのイメージ1954から取り除かれる。これは、読取り装置内の光学系について適切な絞りを選択することにより実現可能である。かかる絞りを規定する際に必要な条件は、光学系の絞りが、逆のマイクロイメージ(inverted micro−image)の開口数に対して、マイクロレンズの開口数を加えることにより得られる合成の絞りである。
【0078】
図19aは、残りのイメージ1954からイメージ情報を選択式に抽出するのに有用な逆絞り(inverse aperture)2002の正面図である。逆絞り2002は、中央の不透明な絞り(stop)2008と、透明な円形領域2006と、周囲の不透明な絞り2004とを有している。図19bは、逆絞り2002を備えた読取り装置2013の側面図である。図示された実施形態では、逆絞り2002,マイクロレンズ列が、イメージ様式に露光され写真処理された部材2017の高濃度のイメージ領域48,マイクロレンズ列2019,視野レンズ2021及び投影レンズ系2023を介して伝送される光を制御するように位置決めされている。逆絞りの2002の中央の不透明な絞り2008は、写真処理された部材1950の高濃度のイメージ要素1952により変調され、また、マイクロレンズ列2019及び視野レンズ2021により指向させられる光をブロックするように寸法設定されている。透明な円形の絞り2006及び周囲の不透明な絞り2004は、投影レンズ系2023のf−ナンバーが、マイクロレンズ列2019のマイクロレンズのf−ナンバーに符合するように寸法設定されている。これらのf−ナンバーの符合によって、写真処理された部材1950の残りのイメージ領域1954により変調された光が、読取り面2025へ伝送され、また、中央の不透明な絞り2008が、写真処理された部材1950の高濃度のイメージ領域1952により変調された光を遮ることが保証される。逆絞りは、本発明の他の実施形態での簡単な様式でも適用可能であり、その場合にも、同様の結果が得られる。
【0079】
図20は、出力イメージを復元するために、図19a及び19bの逆絞り2002及び読取り装置2013を用いる方法の一例についてのフローチャートである。この方法の第1のステップでは、感光部材(例えば符号1950で示す)が、図2,3及び4に関して前述した第2の露光範囲86内の光を含む風景からの光に対して露光される(ステップ2050)。また前述したように、光は、高濃度の部分と残りの部分とに分割される(ステップ2052)。残りのイメージ(例えば符号1954で示す)は、感光部材1950上に記録される。その後、感光部材は、それが図19bにて符号2017で示される写真処理された部材となるように処理される(ステップ2054)。光源2016からの光が写真処理された部材を介して投影され、写真処理された部材2017により変調され、光路2015に沿って送られる(ステップ2056)。変調された光は、マイクロレンズ2019の列を通過する。マイクロレンズ2019の列にて、変調された光に含まれるイメージが復元される(ステップ2058)。その後、復元された変調光は、光を歪曲補正すべく、視野レンズ2021により任意に調整される(ステップ2060)。復元され歪曲補正された光は、フィルタでフィルタリングされ、これにより、感光部材2017上に記録された高濃度のイメージ領域により変調された光が遮られる(ステップ2062)。このフィルタリング処理の結果として、残りのイメージ領域1950により変調された光のみが、読取り面2025でイメージを形成するために用いられる。読取り面2025に形成されたイメージは、復元されたイメージを含む。その後、このイメージは処理される(ステップ2064)。
【0080】
[イメージを復元するための合成装置、イメージ復元システム]
前述したように、写真処理後、写真処理された部材38は、高濃度のイメージ要素52におけるイメージと、高濃度のイメージ要素52を有する残りのイメージ54の形式のイメージとを含んでいる。マイクロレンズによる補助付きの写真撮影法によりもたらされる拡大領域の最大の恩恵を得るには、高濃度のイメージ要素1952の形式で、また、イメージ1954のような残りのイメージの形式で記録されたイメージを有するフィルム帯からイメージを復元することができる読取り装置を提供することが有用である。かかる装置の一例が、図21に示される。
【0081】
図21に示されるように、図21に示される写真処理済みの部材38となるように写真処理されたフィルム帯上にマイクロレンズ列40により分割されたイメージを記録するために、カメラ20が用いられる。写真処理済みの部材38上のイメージは、電子スキャナを有する読取り装置2100により読み取られる。図21に示されるように、スキャナ2100は、視野レンズ2120,マイクロレンズ列2125,逆絞り2130及びレンズ系2110を含む光学系2105を有している。光学系2105は、スキャナ2144上に意味のあるイメージを形成するために用いられる。しかしながら、これをなすには、走査されるイメージが、高濃度のイメージ要素1952のパターンで又は残りのイメージ1954として記録されるイメージであるかどうかを判定することが必要である。第1の実施態様では、検出器2140が設置される。検出器2140は、イメージが、高濃度のイメージ要素52のパターンで又は残りのイメージ54として記録されるイメージであるかどうかをあらわす、写真処理済みの部材38上に記録される信号を検出すべく適用される。この点に関して、再び図1を参照すると、カメラ20が、光学的な光センサ60,コントローラ62,感光部材型のセンサ64及び通信ヘッド66を有するように示されている。これらの任意の構成は、イメージが露光される時点での風景の光レベルを検出し、そして、感光部材30が、高濃度のイメージ要素52内に含まれるような第1の露光範囲,残りのイメージ52として記録されるような第2の露光範囲、若しくは、その両方の範囲からのイメージ情報を含むかどうかをあらわす感光部材30内の信号を符号化するために利用可能である。
【0082】
光センサ60は、例えば、風景内の光の量に比例する電圧出力を生成する光起電性のセルを有してもよい。コントローラ62は、この信号を検出し、それに基づき、風景の明度を判定する。コントローラ62は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ等のデジタルコントローラ、若しくは、プログラム可能なアナログデバイス等のアナログコントローラのいずれであってもよい。コントローラ62がアナログタイプである場合には、アナログ〜デジタル変換器(不図示)が、電圧をデジタル形式に変換するために、光センサ60とコントローラ62との間に介在させられる。
【0083】
感光部材型センサ64は、カメラ20に装填された感光部材型をあらわす信号を生成する。感光部材型センサ64は、感光部材型のマーキング又は感光部材30又は感光部材キャニスタ(不図示)からの感光部材型をあらわす他の信号を直接に読み取るためのDX又は光学バーコード読取り装置を有してもよい。感光部材型センサ64は、また、ユーザに、カメラ20内に配置された感光部材30のタイプを指定させるスイッチ又は他の設定デバイスを有してもよい。感光部材型が、感光部材30上にマークされた場合には、適切な通信ヘッド66が、感光部材型センサ64として用いられてもよい。コントローラ62は、光センサ60及び感光部材型センサ64からの信号を読み出し、そして、風景からの光が、高濃度のイメージ要素52のパターン又は残りのイメージ54の形式で記録されるイメージを形成するのに十分な照明強度を有するかどうかを判定する。コントローラ62は、通信ヘッド66に、感光部材30上に記録されたエッジのタイプをあらわす感光部材30上の信号を符号化させる。この信号は、光学的な,磁気的な,機械的な、若しくは、他のタイプのものである。また別の実施態様では、感光部材30は、集積回路メモリ(不図示)などの電子メモリと関連付けられる。この実施態様では、感光部材30のタイプに関するデータが、製造時に集積回路に連結された電子メモリに記録され、また、通信ヘッド66によって感光部材30から抽出される。この通信は、光学的な、電子的な無線周波数又はいかなる便宜的な手段によっても実行され得る。イメージのタイプをあらわすデータは、また、同様の形式で、電子メモリに記録される。
【0084】
信号は、また、感光部材30又は感光部材カートリッジ(不図示)への機械的な変更により記録されてもよい。かかる態様では、通信ヘッド66は、信号を記録するために、感光部材30又は感光部材カートリッジ(不図示)を切ったり、それに穴を開けたり、他の方法で変更したりすることができ、かかる信号を検出するために調整され得る。当該技術で知られるいかなる通信方法を用いてもよい。有用な通信方法は、米国特許第6222607号(スザジュスキー(Szajewski)等)に開示されるように、カートリッジDx又はIxコード,バーコード,オン・カートリッジチップ,感光部材の光特性,感光部材の磁性等を含んでいる。上記米国特許第6222607号の開示は、引用することによりここに組み込まれる。
【0085】
検出器2140は、このように記録された信号を検出し、スキャナコントローラ2145により検出される信号を生成する。検出器2140は、また、特定の感光部材が、高濃度のイメージ要素52のパターン形式で若しくは残りのイメージ54で符号化されたイメージを含むかどうかを判定するために、イメージの光特性を調べることができる。スキャナコントローラ2145は、前述したように、高濃度のイメージ要素52のパターン又は残りのイメージ54のいずれかからのイメージの復元を可能とする様式で、視野レンズ2120及び/又は逆絞り2130を作動させる。
【0086】
ある実施態様では、逆絞り2002が、写真処理された部材38上に記録されたイメージが残りのイメージであり、写真処理された部材38上のイメージが高濃度のイメージ要素のパターンで作成されたと判定された箇所で、除去されると判定された場合に、光路2102内に選択式に挿入可能である。復元されたイメージは、スキャナ2144上に投影される。スキャナ2144は、アナログスキャナ及び/又はデジタルスキャナを有してもよい。この点に関して、スキャナ2144は、例えば、電荷結合デバイス列などのアレイ検出器(不図示)を有してもよい。代わりに、スキャナ2144が、線ベースで線上の復元イメージを走査するためのリニアアレイ検出器を有してもよい。従来の走査方法及びデバイスの他のタイプが採用されてもよい。画像形成に際しては、赤,緑及び青のピクチャ要素の列が生成される。それらは、スキャナ2144から提供される空間位置情報と関連させられてもよい。必要であれば、この情報は、アナログ〜デジタル変換器2146によるデジタル形式で配置される。
【0087】
スキャナ2144は、従来のあらゆる様式で、感光部材から像形成情報を導き出すことができる。好適な実施態様では、写真処理された部材38に記録されたイメージが、各色の記録について別個の走査ビームを形成するために、分割され青,緑及び赤のフィルタを通過させられた単一の走査ビームにおける青,緑及び赤の光の範囲内で連続的に走査される。もし写真処理された部材38にて他の色がイメージ様式であらわれれば、適切に色付けられた他の光ビームが採用され得る。代わりに、単色で形成される素材が採用された場合に、その素材がそれ自体で走査され、処理され得る。便宜的に、以下の説明では、色形成素材の取扱いについて焦点を絞る。ある実施態様では、赤,緑及び青の光が、イメージ様式で記録された情報を読み出すために用いられ、また、処理処理された部材38が、イメージのない欠陥の位置を記録するために、赤外光で走査される。かかる欠陥又は“ノイズ”の走査が採用された場合、欠陥に対応する信号が、ソフト又はハードコピー形式で目立たない又は総合的に目立つ欠陥を与えるように、ソフトウェアの補正を提供すべく、採用されてもよい。ハードウェア,ソフトウェア及びこのタイプの欠陥の軽減を実現する技術は、米国特許5266805号(エドガー(Edgar))及びWO98/31142(エドガー等),WO98/34397(エドガー等),WO99/40729(エドガー等)及びWO99/42954(エドガー等)により開示されている。
【0088】
他の実施態様では、形成後のイメージが、任意に赤外線で、透過及び反射の走査により複数回走査され、結果として得られたファイルは、最初のイメージをあらわす単一のファイルを作成すべく組み合せられる。かかる処理は、全てエドガー等による米国特許5466155号,5519510号,5790277号及び5988896号に記載されている。
【0089】
イメージデータは、走査後に、高濃度のイメージ領域48又は残りのイメージ領域50からイメージ情報を復元するに先立ち、カラーデータの忠実度を保証するために処理される。例えば、走査後に、イメージを付帯する信号を変換する特定の技術が、米国特許5267030号(ジョルジアーニ(Giorgianni)等),米国特許5528339号(ブーア(Buhr)等),米国特許5835627号(ヒギンス(Higgins)等),米国特許5694484号(コットレル(Cottrell)等),米国特許5962205号(アラカワ(Arakawa)等)及び米国特許6271940号(デスチューイター(Deschuytere)等)に開示されている。更に、これらの処理の説明が、ジョルジアーニ及びマデン(Madden)の“デジタルカラーマネジメント(アディソン−ウェスレイ(Addison−Wesley)1998年出版)”により提供される。そこに開示される信号の変換技術は、顧客により選択された外観を組み込むイメージを伝送するために更に改良されてもよい。
【0090】
行列及びルックアップテーブル(LUT)が、有用なイメージ変換をもたらすことができる。ある実施形態では、3つの1次元のルックアップテーブル(それぞれ赤,緑及び青色の記録に関する)が採用される。これらの変換の複雑さのために、変換がしばしば3次元LUTにより実現され得ることに注目する必要がある。別の実施態様では、複数次元のルックアップテーブルが採用可能である。これについては、米国出願4941039号(ディ・エリコ(D’Errico))に記載される。
【0091】
1つの変形例では、R,G及びBのイメージを付帯するスキャナからの信号が、単一の基準イメージ記録デバイス又は媒体からのそれに対応するイメージの測定基準に変換される。この場合には、全入力媒体に関する測定基準の値が、基準のデバイス又は媒体が入力媒体が風景をとらえる場合と同じ条件下で最初の風景をとらえることにより形成される3色の値に対応する。例えば、基準のイメージを記録する媒体が、特定のカラーネガフィルムであるように選択され、また、中間のイメージデータの測定基準が、基準フィルムの測定されたRGB濃度であるように選択された場合には、入力されたカラーネガフィルムについて、R,G及びBのイメージを付帯するスキャナからの信号は、基準のカラーネガの感光部材が実際のカラーネガ材料が露光される場合と同じ条件下で露光されることにより形成されるイメージのそれに対応するR’,G’およびB’濃度値へ変換されることとなる。
【0092】
他の変形例では、基準イメージを記録する媒体が、特定のカラーネガフィルムであるように選択され、また、中間のイメージデータの測定基準が、その基準のフィルムの所定のR’,G’およびB’の中間濃度であるように選択された場合には、本発明による入力されたカラーネガの感光部材について、R,G及びBのイメージを付帯するスキャナからの信号は、基準のカラーネガの感光部材が実際のカラーネガの記録材料が露光される場合と同じ条件下で露光されることにより形成されるイメージのそれに対応するR’,G’およびB’の中間濃度値へ変換されることとなる。かかる走査の結果は、感光部材30上にとらえられたイメージをあらわすデジタルイメージデータである。
【0093】
デジタル信号プロセッサ2148は、スキャナ2144及び/又はアナログ〜デジタル変換器2146により出力される信号を受信する。デジタル信号プロセッサ2148は、以下で説明される様式で信号を処理するように、また、用途のための形式で信号を認識するように適応させられる。
【0094】
[イメージのポスト走査処理]
前述したように、出力イメージが復元された後、イメージを改良し、次の処理のためにイメージを準備するために、出力イメージの付加的な処理を行うことが望ましい。実行されるポストイメージ処理のタイプは、イメージを再現するために用いられる装置のタイプによる。例えば、出力イメージを再現するのに用いられるデバイスは、従来の光学的な写真仕上げシステムである。従来の、光学的なまた化学的な手段が、イメージの外観を向上させるために用いられてもよい。かかる技術は、便宜上、光化学的に、イメージの彩度又は色内容を修正すること、及び/又は、イメージの視覚的なコントラストを修正することを含むことが可能である。クロッピング(cropping),疑似的なズーム及び任意の技術が、かかるシステムにおいて、イメージを向上させるために用いられてもよい。
【0095】
復元されたイメージが走査された、若しくは、光学的なドメイン、若しくは、デジタル又は電子的なドメインから送られてきた場合には、付加的なイメージの操作が用いられてもよい。付加的なイメージの操作としては、これに限定されないが、(処理済みのフィルム内の1つ又はそれ以上の領域の濃度に基づき、濃度及びカラーバランスに関する補正を決定するための)風景バランスアルゴリズム,米国出願5134573号(グッドウィン(Goodwin)等)に開示されるような、感光部材露光不足のガンマを増幅させるためのトーンスケール処理,畳み込みによる適応性のない若しくはあるシャープ化又はぼけマスク,赤目抑制、及び、適応性のない又はある粒状性抑制(grain−suppression)等が考えられる。更に、イメージは、芸術的に処理されたり、ズームされたり、クロップされたり(切り抜かれたり)、付加的なイメージと合成されたりしてもよい。若しくは、当該技術にて既知の他の処理がイメージに対して加えられてもよい。他の有用なイメージの処理の流れが、欧州出願0961482号(ブーア等),欧州出願0961483号(ブーア等),欧州出願0961484号(ブーア等),欧州出願0961485号(ブーア等)及び欧州出願0961486号(ブーア等)により開示されている。これらの開示は、引用することによりここに組み込まれる。
【0096】
復元されたイメージが処理され、付加的なイメージ処理及び操作が実行された後、イメージは、遠隔の場所に電子形式で送られても、若しくは、図21に示されるような種々の出力デバイスへ局所的に書き込まれてもよい。出力デバイスとしては、これに限定される訳ではないが、イメージレコーダ2158経由での感光部材レコーダ2156,感熱プリンタ,電子写真プリンタ,インクジェットプリンタ等のプリンタ2174経由での用紙又はフィルムなどのプリント媒体2172,ディスプレイ2152,光学ライタ経由でのCD又はDVDディスク2168,磁気ディスクライタ経由での磁気電子式信号記録ディスク2164、及び、当該技術で知られる他のタイプの保存デバイス2150が考えられる。
【0097】
この点に関して、イメージは、最終用途に適応するよう任意に処理され得る。例えば、イメージを付帯する出力信号は、基準の出力デバイス用に調整されても、デバイス固有のコード値の形式とされてもよく、あるいは、デバイス固有のコード値となるように更なる調整を要求することもできる。かかる調整は、特定のデバイスを用いて伝送,保存,プリント又は表示するためのイメージを付帯する出力信号を適切に準備するために、更なる行列変換又は1次元のルックアップテーブル変換若しくはかかる変換の組合せにより実現されてもよい。出力されたイメージは、電子式に、若しくは、ディスク,プリント済みのイメージ又は他の出力を搬送することにより送られる。
【0098】
デジタル処理に加えて、デジタルイメージは、コンピュータ断層撮影に用いられる“ウィンドウ機能(windowing)”及び“レべリング(leveling)”又は当該技術で知られる他の処理など、イメージの物理特性を変更するために用いられてもよい。
【0099】
[マイクロレンズ及びマイクロレンズ列の特性]
これまで、マイクロレンズ42の列40の使用が一般的に説明されてきた。列40の個々のマイクロレンズ42は、それらが、光を集光させるつまりフォーカスさせるべく形状付けられているという意味で、収束レンズである。そのため、それらは、フィルムベースから凸状の投影を形成する。個々の投影は、完全な球又は不完全な球の一部分として形状付けられる。したがって、マイクロレンズは球面部分レンズであっても、非球面部分レンズであっても、両タイプのマイクロレンズが同時に採用されてもよい。球面部分のマイクロレンズは、球の形状及び断面を有する。非球面部分のマイクロレンズは、扁平な又は細長い球の形状及び断面を有する。レンズは、それらが1〜1000ミクロンの間の直径をもつ円形の又はほぼ円形の投影を有するという点で、極小である。円筒部分マイクロレンズは、円筒の一部分の形状及び断面を有する。非球面部分マイクロレンズは、扁平な又は細長い円筒の形状及び断面を有する。特に、上記では、全体を通じて、球面マイクロレンズ42の密閉した立方のマイクロレンズアレイ40を合わせた本発明の利用が仮定され、記載されている。マイクロレンズ42及びマイクロレンズ列40の種々の構成が採用可能であることが分かる。例えば、図22aは、支持体90上で均一な立方体の密閉分布パターンに配置されたマイクロレンズ42のマイクロレンズ列40を概念的に示している。他の列パターンが採用可能であることが分かる。例えば、図22bは、オフセットされた正方の密閉式列パターンを有する形態を示している。図22cに示される他の形態では、マイクロレンズ42が、六角形の密閉の列パターンを有するマイクロレンズ列40状に配置されている。マイクロレンズ列40は、また、マイクロレンズ42のランダム分布を特徴とすることができる。ランダム分布をもつ列パターンの形態の一例が、図22dに示される。図22eに示されるように、他の実施の形態では、マイクロレンズ列40が、円筒形又は非円筒形のマイクロレンズ42の列を有することができる。
【0100】
図23a,23b及び23cに示されるように、マイクロレンズ列40は、異なる光学特性をもつマイクロレンズ42を有することができる。図23aの態様では、円筒形のマイクロレンズ42のマイクロレンズ列40が示される。図23aに示されるように、マイクロレンズ列40は、それにより提供されるマイクロレンズの第2の組42bよりも大きな断面領域を有する、マイクロレンズの第1の組42aを有している。この態様では、マイクロレンズの第1の組42aが、露光の間に、マイクロレンズ42bよりも大きい光の部分を集中させる。そのため、マイクロレンズの第1の組42aは、露光の間の光の量が、第1の露光範囲84内にある場合に、高濃度のイメージ領域の第1の組48aにて、図24aに示されるように、感光部材30上での線イメージを形成する。風景からの光が第2の露光範囲86内にある場合には、マイクロレンズ列の第2の組42bが、高濃度のイメージ領域の第2の組48bにおける感光部材30上での線イメージを形成する。マイクロレンズ42a及び42bのいずれの組にも集中させられない光は、図24aの感光部材30の第2の露光領域50にて、残りのイメージ(不図示)を形成することができる。同様に、図23b及び23cは、それぞれ、風景24からの光が第1の範囲内にある場合に、露光をなすべく、光を集光し、感光部材30上の高濃度のイメージ領域48a上にその光を指向させるマイクロレンズ列40を備えた、マイクロレンズ42a及び42bの異なるサイズの組を有するマイクロレンズ列40の使用を示している。マイクロレンズ42bは、風景からの光が第2の範囲にある場合に、露光をなすべく、風景からの光を集光し、感光部材30上の高濃度のイメージ領域48bにこの光を指向させる。また、ここでは、光の残りの部分が、感光部材30の残りの露光領域50に記録される。そのため、図23a−23cの形態では、感光部材30の有効感度が拡大され得る。図23cに示されるように、マイクロレンズ列40の表面の適用範囲は最大にされる必要はない。有用であればいかなるマイクロレンズ列40の表面の適用範囲も採用されるが、写真又は感光部材30の投影領域に対するマイクロレンズ列40の投影領域の比は、少なくとも20%であるべきである。ある実施の形態では、表面の適用範囲が、少なくとも50%から85%までの間である。別の実施形態では、85%から密閉リミットまでの表面の適用範囲が用いられ得る。表面の適用範囲の正確な度合いは、有用な写真の粒状性及びシャープネスの維持とともに、露光感度のレベルの変更を可能とすべく調整され得る。いかなる実施態様でも、表面の適用範囲が密閉リミットよりも小さい場合には、残りの光を感光部材30に対して照射するために、支持体90が規定されてもよい。
【0101】
マイクロレンズ列40は、例えば、押出し成形,射出成形及び従来知られた他の成形加工技術により、一体成形された又は一体的に組み合せられた個々のマイクロレンズ42の組を有することができる。マイクロレンズ列40は、また、機械的な又は化学的な手段を用いて固定されるように複数の別個のマイクロレンズ42を組み合せることによって、若しくは、支持体90上に設置することで形成されてもよい。マイクロレンズ列40は、感光部材30に近接して配置される若しくはその上にコーティングされる、あるいは、感光部材30に結合される、レンチキュラービード又は球(不図示)の組を有してもよい。マイクロレンズ42は、微細構造の技術で知られるあらゆる様式で形成可能である。これらのマイクロレンズ42は、例えば、製造時に、感光部材30に対して直接にエンボス加工されることにより、感光部材30と一体をなし得る。あるいは、それらは、感光部材30に取り付けられる別個の層に対して一体的に形成されてもよい。更に別の実施形態では、マイクロレンズ列40が、感光性をもつコーティングを用いて形成され得る。
【0102】
図25a−25cは、支持体90に設けられ、球面及び非球面などの種々の形態をあらわすマイクロレンズ42の断面を示している。図25aは、マイクロレンズ42が、支持体90により結合される球面レンズを有する形態を示している。図25b及び25bは、非球面のマイクロレンズ42を有するマイクロレンズ列40の形態を示している。感度の拡大をもたらすために、前述したあらゆる列パターンが、非球面のマイクロレンズ42と組合せ可能であることが分かる。更に、感度の拡大をもたらすには、あらゆるマイクロレンズ42のパターンが、非密閉様式で適用可能である。
【0103】
マイクロレンズ42は、マイクロレンズを実際に形成する突出部分の球面又は非球面特性を説明するために、異なったハッチングであらわされている。図25b及び25cに示される非球面のマイクロレンズ42は、これらのレンズの変化する半径が、マイクロレンズと感光性をもつ層との間の間隔とはほとんど無関係に、レンズの焦点距離及びレンズの絞りの制御を可能とするという点で、特に有用である。ここでは、これらの断面は球面又は非球面状として説明されるが、断面が円筒形又は非円筒形のマイクロレンズ42の場合にも、図では同等にあらわされることが分かる。
【0104】
集光、又は、円形の投影マイクロレンズ42を備えた撮影レンズ系22により焦点合せされる有用な写真速度ゲインは、カメラ20及びマイクロレンズ42のf−ナンバーの比の自乗である。かかるシステムにおける速度ゲイン(比露光量(対数))は、速度ゲイン=2xlog(カメラレンズのf−ナンバー/マイクロレンズのf−ナンバー)であるように決定可能である。円筒形マイクロレンズの集光又は有用な写真速度ゲインは、それらが光を一方向のみに集光するため、かかる改善(improvement)の平方根のみを可能とする。マイクロレンズ列40による集光は、系の速度ゲインを有効にし、感光材上の露光パターンを形成する。
【0105】
カメラ20の大きさ及び撮影レンズ系22の詳細特性は、露光孔からイメージまでの距離、すなわち、動作するカメラの焦点距離を決定する。好ましくは、イメージ24’が、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40にて形成される。マイクロレンズ列40の特性は、それらの焦点距離を決定する。カメラの撮影レンズ系22のf−ナンバーは、カメラ20の焦点深度及び被写界深度を制御し、他方、マイクロレンズのf−ナンバーは、カメラ20の有効口径(effective aperture)を制御する。カメラレンズについて絞られたf−ナンバーを用いることにより、広い焦点深度及び被写界深度とともに優れたシャープネスが得られる。マイクロレンズ列40について開いたf−ナンバーを用いることにより、典型的には“スロー”なものとして考えられる感光乳剤で、速い系の速度が得られる。この特別な速度は、“速い(fast)”感光乳剤に関連する熱及び放射の不安定度なしに、有効な写真撮影を可能とする。
【0106】
したがって、カメラの撮影レンズ22及びマイクロレンズ42のf−ナンバーの有用な組合せは、系の速度ゲインを有効にするものである。0.15logEつまり、1/2−ストップ以上の系の速度ゲインが有用であり、0.15logE又はそれ以上の系の速度ゲインが好ましい。カメラ撮影レンズ22が意図する目的のために適切な被写界深度を有するような速度ゲインを可能とするf−ナンバーをもつマイクロレンズ42が有効に採用され得る一方で、典型的には、1.5〜16のf−ナンバーを有するマイクロレンズ42が有用である。ある実施態様では、f/2〜f/7の範囲のf−ナンバーをもつマイクロレンズが有用である。他の実施態様では、f/3〜f/6の範囲のf−ナンバーをもつマイクロレンズが好ましい。
【0107】
個々のマイクロレンズとフィルムの感光層との間の空間的な関係が、写真処理を通じて維持される場合には、マイクロレンズを有する写真支持体と同様に、マイクロレンズの孔及びそれらのNAが維持される。しかし、異なるレンチキュラーアレイが撮影及び投影にて採用された場合には、作業系を得る上で、付加的な制限が付与される。この後者の状況は、例えば、レンチキュラーアレイが設けられたカメラが、レンチキュラーアレイが設けられたプリンタ又はスキャナと共に用いられた場合に生じ得る。また、その代わりに、写真処理の間に変更される若しくは壊されるレンチキュラーアレイをもつフィルムが、レンチキュラーアレイが設けられたプリンタ又はスキャナと共に用いられた場合に生じ得る。これらの状況において、点を通過し周囲の領域からでない光のみを投影するための条件は、パターン,数及びマイクロレンズの倍率が維持されること、及び、投影システムの開口数がマイクロレンズの開口数を超えないことである。点及び周囲の領域を通過する光を投影するための条件は、パターン,数及びマイクロレンズの倍率が維持されること、及び、投影システムの開口数がマイクロレンズの開口数に一致することである。周囲の領域を通過し点を通過しない光のみを投影するための条件は、パターン,数及びマイクロレンズの倍率が維持されること、及び、投影システムの開口数が、逆のマイクロイメージの開口数にマイクロレンズの開口数を加えることにより得られる合成開口数であることである。
【0108】
点パターンに関し、特定のマイクロレンズについてのマイクロイメージのNA(numerical aperture:開口数)が、点の半径及びマイクロレンズの焦点距離から導き出される。線パターンには並列式が当てはまる。
マイクロイメージの開口数=sinθ
tanθ=イメージの点半径/対応するマイクロレンズの焦点距離
マイクロレンズ42についての好適な設計パラメータ及びそれらの感光部材30の感光層に対する関係は、これらの定義から得られるものである。
マイクロレンズの半径は、マイクロレンズ42の半球形の突出部の曲率半径である。非球面マイクロレンズに関して、この値はマイクロレンズの面にわたり変化する。
マイクロレンズの絞りは、直径として説明されるマイクロレンズにより形成される断面領域である。球面マイクロレンズに関して、この直径は、必然的に、マイクロレンズの半径の2倍より小さい若しくは等しい。非球面マイクロレンズに関して、この直径は、マイクロレンズにおける最小の半径の2倍よりも大きくあってもよい。異なる絞りをもつ異なるサイズのマイクロレンズの使用は、マイクロスケールにおける速度ゲインの異なるレベルを可能とし、写真層についての感光性の拡大を可能とする。
【0109】
マイクロレンズの開口数=sinθ’
tanθ’=(曲率半径でなく)マイクロレンズの絞り半径/マイクロレンズの焦点距離
マイクロレンズの焦点距離は、マイクロレンズ42から感光部材30の感光層までの距離である。これは、感光層に対する支持体の反対側におけるマイクロレンズ42に関し、典型的には、ほぼ支持体の厚さに設定される。マイクロレンズの使用により、異なる色の記録の感度が優先的に向上することが分かる。この特徴は、青色に乏しく赤色に豊かなぼやけた白熱光の室内などの、特定の不安定ない照明の状態において、特に有用となり得る。例えば、白熱光の写真撮影を意図したシステムを用いた場合、マイクロレンズは、フィルムの青色の感光層上に焦点合わせされ、その結果、色の記録に対する優先的な速度の促進や色バランスの平衡がもたらされる。他の場合では、他の色が優先的に促進される。
【0110】
マイクロレンズのf−ナンバーは、マイクロレンズ42の絞り/マイクロレンズの焦点距離である。球面マイクロレンズ42に関して、所望のマイクロレンズの焦点距離が、レンズの式に従う適切なマイクロレンズの半径を規定するために用いられ得る。
マイクロレンズの半径は、マイクロレンズの焦点距離×(n2−n1)/n2である。ここで、n1はマイクロレンズの外側の物質の屈折率であり(典型的には、一定の屈折率をもつ空気)、n2はマイクロレンズ及び隣接する伝達物質(例えば支持体90に用いられるようなプラスチック)の屈折率である。写真撮影に有用なゼラチンは、典型的には、1.4〜1.6の屈折率を有する。最も低い屈折率に対する最も高い屈折率の比は、0.8〜1.2の間である。好適な実施形態では、その比は、0.95〜1.05の間である。典型的な写真撮影系の構成の既知の屈折率を受けて、有用な球面マイクロレンズは、マイクロレンズ半径の約3倍のマイクロレンズの焦点距離を有することとなる((n2−n1)/n2〜1/3)。一体でないマイクロレンズ42は、より様々なプラスチック及びガラスから製作可能である。感光部材30上に一体的に形成されたマイクロレンズ42に関して、マイクロレンズを形成するのに用いられた材料,写真支持体及び感光層用の媒介物の屈折率が可能な限り同様である場合に、優れた光学特性がもたらされる。しかしながら、屈折率の意図的な不一致は、光の散乱及び反射を促進し、残りのイメージ54の形成の度合いを左右し得る。
【0111】
したがって、ロールタイプの感光部材30に用いられるのに適したフレキシブルな写真支持体34上に形成された、また、感光層から支持体の反対側に配置されたマイクロレンズ42は、支持体34の厚さにより規定される有用な半径を有することとなる。好適なフレキシブルの支持体34は、約60〜180ミクロン厚の間である。この点に関して、非球面マイクロレンズ42によれば、写真支持体の他の条件に対して、マイクロレンズ絞り及び焦点距離を調整する場合に、より自由な設計性が得られる。別の実施態様では、より短い焦点距離のマイクロレンズ42が、マイクロレンズ42が感光層と支持体の同じ側にまた感光層よりも支持体から遠くに配置される場合に、支持体の乳剤側に採用されてもよい。ここでの所望の焦点距離は、介在する層の厚さにより決まる。介在する層がある場合には、それらが、約1〜50ミクロンの厚さである。図1の実施態様では、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40は、感光部材30から分離され、カメラ20内で、カメラの撮影レンズ系22とゲート26との間に別個に設置される。この態様では、焦点距離が、マイクロレンズの材料と周囲の媒体との間の、典型的には、空気とマイクロレンズの曲率半径との間の屈折率の差により決まる。更なる詳細は、ここで参照され、同日出願されまた本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願に開示されており、この開示は、引用されることにより組み込まれる。
【0112】
所望の結果を実現すべく、有用な数のマイクロレンズ42がイメージフレーム当たりに採用されるが、特定の構成において採用される実際の数は、その構成に依存することが分かる。例えば、所望のマイクロレンズの焦点距離が、写真材料の支持体側に一体的なマイクロレンズ42を形成することにより固定され、また、マイクロレンズのf−ナンバーが、組み合わされたレンズ系についての所望の系の速度ゲインにより固定される場合には、10〜100ミクロンのマイクロレンズの絞り又はピッチとなる。そのため、およそ24×36mmの大きさの135フォーマットフレームが、全表面範囲で、約86000〜8600000の間のマイクロレンズを有することができる。より短い焦点距離を備えた感光乳剤側のマイクロレンズは、全表面範囲にて、135フォーマットフレーム当たりにおよそ960000〜96000000間のマイクロレンズ42を意味する約3〜30ミクロンの間の有用な絞り又はピッチを有することができる。より大きな焦点距離の自由度を備えるカメラ搭載マイクロレンズは、絞り又はピッチにおいて、500ミクロン又はそれ以上の範囲を有することができる。
【0113】
風景からの光は、1つ以上のマイクロレンズ列40を通過し得る。例えば、風景からの光は、水平軸に沿って配列した半円状のマイクロレンズを有する第1のマイクロレンズ列を通過し、その後、圧縮された光として、垂直軸に沿って配列した半円状のマイクロレンズを有する第2のマイクロレンズ列を通過させられる。この技術は、風景からの光の2軸の集光をもたらすべく有用に採用され得る。
【0114】
複数の特定のシステムの組合せが説明されたが、その全てが、視野レンズタイプを用いた光学的な再構成に関するものである。当然ながら、いかなる走査イメージについてもデジタル形式の再構成が可能である。例えば、フィルムが採用され、そのフィルム自体又は露光されたフィルムが、マイクロレンズの影響に関係なく、デジタル形式の向上の恩恵を受けることが可能である。
【0115】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、感光部材の上限反応しきい値よりも大きい露光レベルを有する露光レベルの範囲にわたって、イメージを撮像するための写真撮影方法及びカメラを、簡単な構成で且つ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの一態様を概略的に示す図である。
【図2】風景露光の実際の許容範囲と有効な範囲との関係をあらわすのに有用な図である。
【図3】感光部材上の高濃度の光の効果をあらわすのに有用な図である。
【図4】感光部材上の残りの光の効果をあらわすのに有用な図である。
【図5】ひとまとめにされた正方形のマイクロレンズ列の後方に形成される点のパターンを示す図である。
【図6】レンズ系の入射孔及び出射孔を示す図である。
【図7】本発明の写真撮影方法の一態様を示すフローチャートである。
【図8】本発明によるカメラの一態様とともに使用可能な読取り装置の一態様を示す図である。
【図9】(a)スキャナにおけるレンズの出射孔を調整するための視野レンズの使用を説明する図である。
(b)スキャナにおけるレンズの入射孔を調整するための視野レンズの使用を説明する図である。
【図10】プリンタにて配置される視野レンズとともに、カメラ及び読取り装置の両方における別個のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図11】カメラにて配置される視野レンズとともに、カメラ及び読取り装置の両方における別個のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図12】読取り装置における別個のマイクロレンズ列及び視野レンズとともに、カメラにおける一時的なフィルム一体型のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図13】読取り装置における視野レンズとともに、カメラにおける永続的なフィルム一体型のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図14】読取り装置におけるマイクロレンズ列とともに、カメラにおける一時的なフィルム一体型のマイクロレンズ列及び視野レンズを採用する像形成システムを説明する図である。
【図15】カメラ及び読取り装置における永続的なフィルム一体型のマイクロレンズ列及び視野レンズを採用する像形成システムを説明する図である。
【図16】読取り装置の光学系を調和させるために、カメラにより撮影されるイメージを歪曲させる歪んだマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図17】本発明による視野レンズの特徴を組み込む歪曲可能なマイクロレンズ列を採用する読取り装置を概略的に示す図である。
【図18】高濃度のイメージ要素のパターンと、それに記録された残りのイメージとを有する感光部材の一例をあらわす図である。
【図19】(a)逆絞りの正面図である。
(b)投影システムにて配置された逆絞り(inverse aperture)を示す図である。
【図20】本発明による写真撮影方法の一態様を示す図である。
【図21】本発明の実践に際して有用なプロジェクタ及びイメージスキャナを概略的に示す図である。
【図22】本発明の実践に際して有用なマイクロレンズ列の各種態様を示す図である。
【図23】単一のマイクロレンズ列にて有効に組合せ可能な異なるマイクロレンズ列の種々の態様を示す図である。
【図24】図22の(a)−(c)のアレイを通過する風景からの光に対する感光部材のイメージ様式での露光により、感光部材上に記録されるパターンを示す図である。
【図25】マイクロレンズ,球面レンズ及び非球面レンズの列を示す断面説明図である。
【符号の説明】
20…カメラ,22…撮影レンズ系,23…絞り,24…風景,24’…風景のイメージ,26…ゲート,27…シャッタシステム,30…感光部材,32…感光層,34…基体,36…イメージ領域,38…写真処理済みの部材,40…マイクロレンズ列,42…マイクロレンズ,44…高濃度の部分,45…光軸,46…残りの部分,47…予期されるイメージ領域,48…高濃度のイメージ領域,50…残りのイメージ領域,52…高濃度のイメージ要素,54…残りのイメージ,60…光センサ,62…コントローラ,84…露光レベルの第1の範囲,86…露光レベルの第2の範囲,90…支持体,350…読取り装置,351…光学系,352…写真処理済みの部材,354…光源。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光部材に基づく写真技術の分野に、また、より詳しくは、所定範囲外の露光レベルを含むイメージを撮像するように、露光レベルの所定範囲内の光に感光する感光部材を用いるための方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の写真技術において、感光部材を風景からの光に制御可能に露出させられることによりイメージを記録することはよく知られている。典型的には、かかる写真部材は、フィルム等の曲がり易い基体及び/又はガラス板などの曲がり難い基体により支持される1つ又はそれ以上の感光層を有している。感光層は、像形成の化学反応に適切な生成物とともに、1つ又はそれ以上の感光性のハロゲン化銀感光乳剤を有することができるもので、風景からの光により与えられるエネルギーに反応する。この反応の度合い(以下、反応度という)は、露光の間に、感光部材の単位領域当たりの受光量の関数である。また、この反応度は、露光の間に、少ない光に対して露光される領域よりも、多い光に対して露光される領域において大きい。その結果、風景からの光が感光部材上に焦点合わせされる場合に、風景からの光のレベルの差が、各層における反応度の差としてあらわれる。現像処理の後、各層における反応度の差は、異なる濃度をもつ写真領域としてあらわれる。これらの濃度は、元の風景の輝度のイメージをなすものである。
【0003】
風景から周囲の光に対して露光される場合に、非線形的な反応を有するが、ハロゲン化銀感光乳剤の特徴である。これに関して、感光部材は、最小の露光レベルを規定する下限反応しきい値を有する。この最小の露光レベルにおいて、組み込まれた感光乳剤及びそれに関連した化学物質が、異なる露光レベルが異なる濃度の形成を可能とするように反応し始める。この下限反応しきい値は、究極には、個々のハロゲン化銀感光乳剤の粒子の量子効果に関係する。典型的には、下限反応しきい値以下のレベルで露光された感光部材の全て部分が、感光部材の現像時に、共通の外観を呈する。
【0004】
更に、感光部材は、それ以下で、感光乳剤及びそれに関連した化学物質が、異なる露光レベルが、異なる濃度の形成を可能とするように反応する露光レベルを規定する上限反応しきい値を有する。典型的には、上限反応しきい値を越えるレベルで露光された感光部材の全ての部分も、感光部材の現像後に、共通の外観を呈することとなる。
【0005】
このように、ハロゲン化銀感光乳剤を用いる感光部材は、それが、区別可能なコントラストの差を備えたコントラストパターンを記録することにより露光レベルの差に反応し得る有用な露光の範囲を規定する下限及び上限の反応しきい値の両方を有すると言える。これら下限及び上限のしきい値に関連した露光レベルは、感光部材の露光許容範囲を規定する。そこで、イメージの外観を最良にするには、典型的には、感光部材が露光の間に被る露光レベルの範囲が、上記許容範囲、すなわち、その感光部材の有用な範囲内に収まるように、露光を調整することが有用である。
【0006】
多くの顧客及び専門的な写真家は、広範囲の写真条件をカバーする撮像を可能とする感光部材,カメラシステム及び写真撮影方法を用いることを望んでいる。この目的を達成する1つのアプローチは、極めて広い許容範囲をもつ感光部材を提供することである。しかしながら、極めて広い許容範囲をもつ感光部材は、基本的に、個々に組み込まれたハロゲン化銀粒子の光に対する反応性により制限される。したがって、風景の輝度特性を調整することにより、感光部材の下限及び上限反応の制限を効果的に広げる作用をもつカメラシステム及び写真撮影方法を提供することが一般的である。例えば、暗い風景に対して補足的な照明を与えることにより、感光部材の下限反応の制限を効果的に広げることが知られている。
【0007】
また、露光の間に、感光部材に対する風景からの実質量の有効な光を通過させるように設計された撮影レンズ系を用いることにより、補足的な照明を与えることなく、感光部材に作用する光の量を増やすことが知られている。
【0008】
露光の持続時間と、露光の間に感光部材に照射される風景からの光の量との間には、直接的な関係がある。これに基づき、露光の間に、感光部材に作用する光の量を増加させるための、従来知られる別の方法としては、シャッタをより長く開かせるという得策を用いて、露光の持続時間を長くすることがある。更に、シャッタの開時間を長くすることにより、シャッタは、風景の構成の展開を可能とするのに十分に長い期間開いた状態となる。この場合、ピンボケのイメージとなる。したがって、シャッタの開時間を制限することが望ましい。
【0009】
すなわち、必要とされるものは、従来のシャッタの開時間を用いた、また、特に一定のシャッタ時間を有するカメラを用いたイメージの撮像を可能とする、複雑でなく、低価格のカメラシステム及び写真撮影方法である。
【0010】
露光の間に感光部材に作用する光の量を増加させる別の方法は、風景からの光を集光し、この光を、感光部材に近接して配置される一直線上のレンズ列等のマイクロレンズ列上に投射すべく、従来の撮影レンズ系を用いることである。かかる例は、クレティエン(Chretien)による米国特許第1838173号(特許文献1)に開示されている。各マイクロレンズは、風景からの光の一部を、感光部材の関連した領域へ集中させる。このように光を集中させることにより、光が集中した各露光領域に入射する光の量は、フィルムの下限反応しきい値を越えるレベルまで増加する。これにより、光が集中した露光領域の濃度のコントラストパターンによって、イメージが形成されることとなる。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第1838173号明細書
【0012】
このように形成されたイメージは区分される。光が集中した露光領域は、風景の高濃度のイメージを形成し、感光部材の残りの部分は、高濃度のイメージと混ざり合った予期しないアーティファクトのパターンを形成する。かかるイメージの従来式に提供されたプリントにおいて、このパターンは、新聞紙のプリントによく似た満足できない低コントラスト及びハーフトーンを有する。
【0013】
しかしながら、極めて特殊な条件下での投射によって、かかる区分されたイメージから、承認可能なイメージの取得が可能である。これらの条件は、ちょうど、カメラにおいて露光時に確立される効果的なカメラの絞り,マイクロレンズ列及び感光部材の間の空間上の関係がプロジェクタにおいて再現された場合に生じる。この系は、有効な実像が、所定位置にて、また、カメラのレンズ構成に対して最初の風景により決定される倍率で生成されるため、扱い難い。もしカメラの撮影レンズに相当する投影レンズが、イメージの撮影時のイメージに対するカメラレンズの関係を模倣するように配置されれば、再構成されるイメージは、元のオブジェクトのサイズで元のオブジェクトの位置にあらわれるであろう。他のレンズ及び空間上の位置の組合せは、不完全なイメージの再構成、及び、新聞紙のプリントを彷彿させる点及び線の形成をもたらす。このように、従来のマイクロレンズ又はレンズの補助を用いた少ない光量の写真撮影方法は、顧客及び専門的な写真家により示されるものなど、プリントの作成に若しくは高品質市場での利用にあまり適していない。
【0014】
写真撮影方法では、マイクロレンズ列、特にレンチキュラー列について、他の適用が見出されてきた。例えば、初期のカラー写真撮影方法では、一直線上のレンズによる撮像は、黒白のハロゲン化銀撮像システムを用いたカラー写真撮影術を可能とすべく、カラースペクトルを分割するための手段としてのカラーフィルタと組み合わせて用いられた。この技術は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第2191038号に開示されるような、初期のカラー映画撮影及び投影システムにおいて、営利的に採用された。1940年代には、米国特許2922103号に開示されるインスタントの写真撮影技術にて、黒及び白の感光部材を用いた撮影を助けるべく、レンチキュラースクリーンを用いることが提案された。1970年代には、米国特許第4272186号が、大きくなったコントラスト特性を有するイメージを作成するために、レンズ列の使用を開示した。未露光の領域のサイズを最小限に抑制することにより、線パターンは、ほとんど見えなくなり、それにより、その不愉快さは軽減される。また、1970年代には、米国特許第3954334号に開示される移動式レンチキュラースクリーンを介して、感光部材を露光させることが提案された。最後に、1990年代には、三色層及びハレーション防止層を有する一直線上のレンチキュラーリッジ付きの(lenticular−ridged)支持体が、3−Dイメージ提供の用部材として採用された。これらの一直線上のレンズ列は、複数レンズのカメラで撮像された風景の複数のビューからインタリーブプリントイメージを形成するために用いられた。インターリーブイメージは、3次元の外観を呈するものである。この技術の例は、Lo等による米国特許第5464128号及びIpによる米国特許第5744291号に開示されている。これらの開示は、直接的な観察に適切な複数の風景の透視図の撮像からの3−Dの形成に適した方法,感光部材及び装置に関するものと認められる。それらは、手持ちのカメラでの使用に適したシャッタ時間での写真撮影方法を可能とし得ない。
【0015】
マイクロレンズで補助する写真撮影方法については、種々の用途が見出される一方、低い風景の輝度レベルで撮像されたイメージから営利的に許容可能なプリントの作成を可能とするために、感光部材の下限反応しきい値を効果的に広げる最初の約束を見たす必要がある。したがって、必要とされるものは、営利的に許容可能なプリント又は他の出力を形成するために、感光部材上にレンチキュラーイメージを撮像し、撮像された感光部材のイメージを用いるための方法及び装置である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
また、感光部材の上限反応しきい値を越える撮像条件の下でイメージを撮像することが有用であることが思い付く。かかる条件は、日光,積雪,砂浜といった条件下で撮像されるべき明るい風景を伴いつつ生じる。典型的には、カメラは、風景からの光の強度を軽減させるために、絞り制御,シャッタタイミング制御及びフィルタリングシステムを使用する。そのため、感光部材に照射する光は、感光部材の上限反応しきい値内にある強度を有する。しかしながら、これらのシステムは、カメラの設計に対して、相当の複雑さ及びコストを付加させるものである。更に、初期に説明したように下限しきい値の制限を改良するためにより開いた絞りをもつレンズを用いるという得策は、同時に、多くの光を通過させ、上限反応しきい値での露光を低下させる。結果として、必要とされるものは、感光部材の上限反応しきい値よりも大きい露光レベルを有する露光レベルの範囲にわたって、イメージを撮像するための、簡単な構成で、安価なカメラシステム及び写真撮影方法である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様では、露光レベルの所定範囲外である露光レベルを含むイメージを撮像するために、露光レベルの所定範囲内の光に感光する感光部材を用いるための方法が提供される。この方法によれば、感光部材は、風景からの光に対して露光させられる。風景からの光は、高濃度の部分及び残りの部分に分割される。高濃度部分は、風景からの光が第1の露光範囲内にある場合に、感光部材上に高濃度のイメージ要素のパターンを形成するように指向させられる。他方、光の残りの部分は、風景からの光が第2の露光範囲内にある場合に、残りのイメージを形成するように指向させられる。風景からの光は、高濃度のイメージ要素のパターンが、感光部材上の所定のパターンの高濃度のイメージ領域に形成されるように、調整される。
【0018】
本発明の別の態様では、所定パターンの高濃度のイメージ領域から変位させられた少なくとも1つの高濃度のイメージ要素のパターンを有する写真処理された感光部材から、出力イメージを形成するための方法が提供される。この方法によれば、写真処理された感光部材により、光が変調される。変調された光は、その光からイメージを抽出するために復元される。復元されたイメージは、調整され復元されたイメージが、所定パターンの高濃度のイメージ領域内に置かれた高濃度のイメージ要素のパターンにより変調される光から形成されたイメージの様相を有するように、調整される。調整され復元されたイメージは、像形成面にて焦点合せされる。
【0019】
本発明の更に別の態様では、露光レベルの所定範囲外である露光レベルを含むイメージを撮像するために、露光レベルの所定範囲内の光に対して感光する感光部材上に少なくとも1つのイメージを形成するためのカメラが提供される。そのカメラは、感光部材を位置決めするゲートを有している。撮影レンズユニットは、風景からの光を、感光部材で焦点合せする。シャッタは、風景からの光に対して、感光部材を制御可能に露光させる。マイクロレンズ列は、視野レンズ(field lens)と感光部材との間に配置される。マイクロレンズ列は、露光が露光レベルの第1の範囲内にある光を有する場合に、風景からの光の第1の部分を、感光部材上に高濃度のイメージ要素のパターンを形成するように指向させる。また、マイクロレンズ列は、風景からの光が露光レベルの第2の範囲内にある場合に、風景からの光の第2の部分が、感光部材へ通過し、高濃度のイメージ要素を取り囲む残りのイメージを形成することを可能とする。ここでは、露光レベルの第1及び第2の範囲の組合せが、露光レベルの所定の範囲よりも大きくなる。視野レンズは、撮影レンズユニットとマイクロレンズ列との間に配置される。視野レンズは、高濃度のイメージ要素のパターンが、感光部材上の所定パターンの高濃度のイメージ領域に形成されるように、風景からの光を適応させる。
【0020】
更に別の態様では、少なくとも1つの高濃度のイメージ要素のパターン及び記録された残りのイメージを有する写真処理された感光部材を用いて、出力イメージを形成するための読取り装置が提供される。読取り装置は、光を放射する光源と、その光源により放射された光を変調するように写真処理された感光部材を位置決めするゲートとを有する。マイクロレンズ列は、写真処理された感光部材上の所定パターンの高濃度のイメージ要素領域により変調された光を復元する。所定のパターンは、写真処理された感光部材上に実際に形成されるパターンとは異なる。レンズユニットは、復元された光を受け、像形成面にて出力イメージを形成する。視野レンズは、マイクロレンズ列とレンズユニットとの間に配置される。視野レンズは、出力イメージが、写真処理された感光部材上に実際に形成される高濃度のイメージ要素のパターンに基づくイメージを含むように、復元された光を適応させる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
この発明は、感光部材の有効な撮像範囲を広げる写真撮影装置及び方法に関する。
【0022】
[イメージ撮影]
図1は、感光層32及び基体34を有する感光部材30上にイメージを形成するためのカメラ20の動作を説明するための図である。図1の態様では、カメラ20が、風景24からその内部へ光を誘導するための絞り23を備えた本体21を有している。撮影レンズ系22は、露光の間に、風景24から、該撮影レンズ系22から所定間隔で感光部材30を位置決めするゲート26まで、光軸45に沿って光を指向させる。好ましくは、撮影レンズ系22の焦点深度は、風景24’のイメージが感光層32の像形成領域36上に形成される程度である。ここでは、風景24’からのイメージが、像形成領域36を横切る一貫した焦点を有している。
【0023】
複数のマイクロレンズ42を有するマイクロレンズ列40が、撮影レンズ系22と感光部材30との間に介在させられている。マイクロレンズ列40における各マイクロレンズ42は、撮影レンズ系22からの光の一部を受け、その光を高濃度の部分44及び残りの部分46に分割する。高濃度の部分44の各々は、感光部材30の関連した高濃度のイメージ領域48上に集中させられ、残りの部分46の各々は、感光部材30の関連した残りのイメージ領域50へ通過する。分割の効果は、図1では概念的に示され、図1−4を参照して説明されるであろう。シャッタシステム27が、絞り23とマイクロレンズ列40との間に配置されている。シャッタシステム27は、制御可能に、感光部材30が風景からの光に対して所定期間露光されるようにする。
【0024】
図2に示されるように、風景からの光は、広範囲の風景の輝度にわたって広がる。自然光による写真撮影の場合には、これらは、人間が視覚的に観察し得る輝度である。この範囲は、風景の輝度範囲70として、図2に示されている。しかしながら、感光部材30は、その範囲内で感光部材30が風景の照度における差を捕らえ、風景のコントラストイメージを記録することができる実際の有効範囲を有している。化学的な撮像技術に固有の制限、及び、風景からの照度に対する感光部材30の特定の非線形性の反応のため、感光部材30の実際の有効範囲72は、下限反応しきい値74及び上限反応しきい値76により規定される。感光部材30は、それが下限反応しきい値74よりも少ない光量に対して露光させられた場合には、風景の照度の差に対して識別可能に反応しない。前述したように、これは、制限された光量により有効になるエネルギーが、感光乳剤及びそれに関連した化学的物質が、識別可能な露光の記録を形成すべく反応するのに十分でないためである。したがって、感光部材30が写真処理された場合に、かかる光量に対して露光させられた感光部材30の全ての部分が、全体的に明るい(light)外観を有することとなる。
【0025】
同様に、感光部材30は、それが、上限反応しきい値よりも多い光量に対して露光させられた場合に、風景の照度の差に対して識別可能に反応しない。詳細に前述したように、これは、感光部材30により受けられる上限反応しきい値76を越える光量が、感光乳剤及びそれに関連した化学的物質の化学反応を、感光部材30が、付加的な光のエネルギーに対して、もはや意味のある付加的な濃度の反応をもたない点まで行わせるのに十分であるためである。この結果、感光部材30が写真処理された場合に、かかる光量に対して露光させられた感光部材30の全ての部分が、全体的に暗い(dark)外観を有することとなる。
【0026】
用語“明るい(light)”及び“暗い(dark)”は、陰画の作業用紙とともに用いられるための若しくはスキャナ用のプリントフィルム等の陰画の感光材に適切していることが分かる。リバーサルスライドフィルムやダイレクトプリントフィルムなどの陽画の感光材を用いた場合には、それぞれ、列挙される領域が、特性上、暗い若しくは明るいものとなる。
【0027】
本発明の実施に有用な感光材30を準備するには、既知のいかなる感光材の形成も採用可能である。最良の場合、感光性に優れた部材が、この発明にて採用される。この部材は、少なくとも約ISO25の感光性を有する必要があり、好ましくは、少なくとも約ISO100の感光性を有し、更に、より好ましくは、少なくとも約ISO400の感光性を有している。カラーネガの写真部材の速度つまり感光性は、処理後のかぶり(fog)の上での特定濃度の達成を可能とするのに必要な露光に反比例の関係を有する。各カラー記録における約0.65のガンマでのカラーネガ部材の写真速度は、米規格協会(American National Standards Institute(ANSI)によりANSI標準番号pH2.27−1981(ISO(ASA速度))として明確に定義されており、緑色に感度のあるまた最小の感度をもつカラーフィルムのカラー記録ユニットの各々において、最小の濃度を越える0.15の濃度を生成するために必要とされる露光レベルの平均値をあらわす。この規定は、国際規格機構(ISO:International Standards Organization)のフィルム速度の定格に準拠したものである。この適用のために、カラーユニットのガンマが0.65と異なる場合には、ASA又はISOの速度が、他の規定された様式で速度を決定する前に、logE(exposure)に対するガンマの曲線を0.65の値へ線形的に増幅又は減少させることにより算出される。
【0028】
この発明において標準的な写真部材が利用可能であるが、本発明に最も有用な部材は、直接的な観察に適した形式よりも、機械で読み取り可能な形式で撮像するためにデザインされる。撮像部材において、速度(光量の少ない条件に対する部材の感光性)は、通常、かかる部材にて十分なイメージを得るために不可欠なものである。したがって、マイクロレンズの速度増大の後、部材は、800のISO速度に等しい若しくはそれより大きい値、好ましくは、1600のISO速度に等しい若しくはそれより大きい値、最も好ましくは、3200のISO速度に等しい若しくはそれより大きい値を示す。部材は、各カラー記録において、少なくとも3.0logEの有効範囲、好ましくは、4.0logEの有効範囲、より好ましくは5.0logEの有効範囲、若しくは、それより大きい有効範囲を有することになる。かかる高い有効範囲は、各カラー記録のガンマ(すなわち写真処理後のlogEに対する濃度の勾配)が0.70より小さい、好ましくは0.60より小さい、より好ましくは0.50より小さい、最も好ましくは0.45よりも小さいことを表わしている。更に、カラーの相互作用又は相互イメージ(ineterimage)の効果は好ましくは最小限に抑制される。この相互イメージ(ineterimage)の効果の最小限の抑制は、カプラ(coupler)及びDIR成分のマスキング量を最小限に抑制することにより達成可能である。相互イメージの効果は、カラー分解露光の後の特定のカラー記録のガンマを、白色露光後の同じカラー記録のガンマで割った比として、数量化され得る。各カラー記録のガンマの比は、好ましくは0.8〜1.2の間、より好ましくは0.9〜1.1の間、最も好ましくは0.95〜1.05の間である。更に、構成の詳細,スキャン可能な感光部材の能力の特性数量化は、ソウィンスキ(Sowinski)等による米国特許第6021277及び6190847号に開示されており、これらの開示は、引用することによりここに組み込まれるものである。
【0029】
図2に示されるように、カメラ20及び感光部材30は、感光部材30の下限反応しきい値よりも小さい所望の有効範囲80の下限反応しきい値で、風景の情報を記録することが望ましい。本発明の原理によれば、この照度の範囲における写真撮影は、風景からの光を集中させることにより可能となる。この点に関して、マイクロレンズ列40内のマイクロレンズ42の各々が、風景からの光を、少なくとも2つの部分に対して分割する。図1に示されるように、風景24からの光の高濃度の部分44は、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40がない場合に比べて、単位領域当たりにより大きな光量が、露光の間に感光部材30の高濃度のイメージ領域48の各々に照射されるように、集中させられる。図3に示されるように、この高濃度のイメージ領域48に入射する光の量の増加は、風景の露光レベルの第1の露光範囲84をシフトさせる効果を有しており、これにより、第1の露光範囲84の全体は、感光部材30の実際の有効範囲72内におさまることとなる。このシフトにより、高濃度のイメージ要素52のパターンが、感光部材30の高濃度のイメージ領域48における高濃度のイメージを形成することが可能となる。
【0030】
ついでながら、マイクロレンズ42に入射する光の幾らか(例えばマイクロレンズ42により不完全に焦点合せされた光、若しくは、別個のマイクロレンズ42の間に通過する光等)は、高濃度のイメージ領域48上に焦点合わせされることはない。その代わりに、光の残りの部分46は、感光部材30へ通過し、残りのイメージ領域50に入射して、残りのイメージ54の形成を可能とする。残りのイメージ54は、更に、感光部材30における故意の若しくは偶発的な光の散乱及び反射により形成され得る。この残りの部分46は、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40が、同じ露光の間に、風景24と感光部材30との間に介在させられない場合に、感光部材30に入射する光の量よりも少ない。このように、マイクロレンズ42は、残りのイメージ領域50に入射する風景からの光を効果的にフィルタし、これにより、りのイメージ54が感光部材30上に形成されるように、露光の間に、より大きな光量が取得可能である。したがって、シャッタシステム27が感光部材30の露光を許可する所定期間は、風景からの光が第2の範囲内にある場合に、感光部材の残りのイメージ領域50上にイメージを形成するに十分である。
【0031】
図4に示されるように、マイクロレンズ列40のマイクロレンズ42が、第2の露光範囲86内の光に対して露光させられる場合、第2の露光範囲86により示される範囲上でイメージを作成するのに適した第2の露光は、残りのイメージ領域50において、感光部材30上で構成される。このようにして、感光部材30は、感光部材30の上限反応しきい値76を超えるものの所望の有効範囲82の所望の上限反応しきい値以下である露光レベルで、識別可能なイメージを記録するように、使用可能である。
【0032】
重なり領域が、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86との間に規定され得る。写真部材78について望ましいシステムの有効範囲の増大が求められる場合には、この重なり領域は縮小され得る。好適な実施態様では、感光部材30について連続した所望の有効範囲78上での高濃度のイメージ要素52又は残りのイメージ要素54のいずれか一方からイメージ情報をとらえる能力は、第1の露光範囲84及び第2の露光範囲86が重なった場合に、実質的な露光の範囲を規定することにより確定される。その代わりに、第1の露光範囲84と第2の露光範囲86との間に重なりがほとんどなく、つまり実質的に分離している場合には、カメラ20を提供することが好適であり得る。かかる実質的な分離をもつカメラ20は、日光及び室内光などの非常に異なる像形成条件下で異なるイメージを撮影するように、効果的に機能することとなる。
【0033】
露光レベルが第2の露光範囲86にある場合には、高濃度のイメージ要素52が、感光部材30上に形成されることが分かる。第2の露光範囲86における露光の間に形成された高濃度のイメージ要素52は、第1の露光範囲84及び第2の露光範囲86が少なくとも部分的に重なる場合の、有用な像形成情報を含むことが可能である。しかしながら、露光が第1の露光範囲84を越える場合には、高濃度のイメージ要素52が、残りのイメージ領域50に形成される残りのイメージ54において、露出オーバーによるアーティファクトとしてあらわれるであろう。
【0034】
この説明は、人間が視認可能な風景をとらえるためのハロゲン化銀写真撮影技術に関する特定の実施の形態によって構成されているが、本発明は、拡大された風景の輝度範囲及び人間が確認できるスペクトル領域をとらえるのに容易に適用可能であり、感光部材30としては、必須の像形成特性を有する技術で知られたいかなる感光材をも利用可能であることが分かる。実現可能な感光性の効果的な増加は、少なくとも0.15logEである。ある実施態様では、感光性の効果的な増加は、少なくとも0.3logEと0.6logEとの間である。また別の実施態様では、感光性の効果的な増加は、少なくとも0.9logEである。
【0035】
[撮影されたイメージにおける高濃度のイメージ要素の変位]
図5は、球面のマイクロレンズ42の規則的な正方形の配列を通じたイメージ様式の露光の間に、感光部材30上に形成される露光パターンを示している。図5には、また、感光部材30がカメラ20内に配置され、撮影レンズ系22を通じて露光させられた場合に確立される光軸45及び感光部材30の交点49が示されている。予期されるイメージ領域47は、感光部材30上への個々のマイクロレンズ42の直接的な軸上の投影である。図5に示されるように、個々の予期されるイメージ領域47が、光軸及び感光部材49の交点から離れるほど、予期されるイメージ領域47と実際のイメージ領域48との間の変位は大きくなる。予期されるイメージ領域47からの高濃度のイメージ要素52の変位の度合いは、カメラ20,撮影レンズ系22及びマイクロレンズ42の光学特性により制御される。この変位に対して許容可能な外観の補正を含む出力イメージを提供することが必要とされる。
【0036】
図6を参照しながら、変位の原因について説明する。図6は、説明のために示される介在されたダイアフラム(D)107とともに、光学部品(L1)103及び(L2)105を有する光学系100を示している。この光学系は、光学的に有効な絞り孔を提供する。ダイアフラム107の実際の絞りは、光のビームが光学系100を通過するのを制限する。ダイアフラム107の面は、点Aにて光学系の光軸101と交差する。ダイアフラム107の前にある光学系の光学部品103は、面111における入射孔Piでのストップの仮想的なイメージを形成する。入射孔Piは、その後にダイアフラム107によりまとめられる光学部品L1103を介した平行なイメージの光線113(主光線R及び周辺的な光線Ra及びRb)の延長部分が、入射孔Piのアウトラインを規定するように、設定されている。入射孔Piの直径は、ダイアフラムの有効径に等しい。
【0037】
入射孔Piの面111は、点Iにて、光学系100の光軸101と交差する。同様に、ダイアフラム107の後ろにある光学系の光学部品105は、面109内の出射孔Peにてダイアフラム107の仮想的なイメージを形成する。出射孔Peは、その後にダイアフラム107によりまとめられる光学部品L2105を介した平行なイメージの光線115(主光線R’及び周辺的な光線Ra’及びRb’)の延長部分が、出射孔Peのアウトラインを規定するように、設定されている。出射孔Peの面は、点Eで、光学系100の光軸101と交差する。入射孔Piの直径に対する出射孔Peの直径の比は、孔倍率(pupil magnification)として知られる。最も標準的なレンズ系に関し、入射孔Piの直径に対する出射孔Peの直径の比は、0.85と1.15との間であり、テレフォトレンズ(telephoto lens)に関し、それは、0.4と0.85との間であり、また、広角レンズに関して、それは、1.10と2.0との間である。
【0038】
孔倍率は、また、イメージ面に関する光学部品105の向きにも依存する。主光線R−R’は、まず、風景から点Iに向かい、外見上点Eからイメージ面で受けられるように示される。ダイアフラム107がその中心が光学系100の光学的中心に合うように配置された場合には、しばしば対称性をもつレンズ系で起こるように、孔の中心が、節点(nodal point)と一致する。しかし、単レンズ,焦点可変レンズ,テレフォトレンズ等を用いた場合、かかる一致は生じない。孔の定義がマルチレンズ系に関して提示されるが、固定焦点カメラ内に見られるより簡単な光学系について、また、プロジェクタ,光学プリンタ,スキャナ等内に見られるより複雑な光学系について、孔の位置が同様に規定されることは容易に理解されるであろう。他しかに、幾つかのレンズ系の場合には、入射孔Pi及び出射孔Peは一致することが可能である。
【0039】
以下の定義は、上記説明から継続するもので、前述したような高濃度のイメージ要素52の変位の原因を説明するのに有用である。
入射孔Pi:物体空間から見られるようなダイアフラムのイメージ。
出射孔Pe:イメージ空間から見られるようなダイアフラムのイメージ。入射孔及び出射孔の図式的な識別。入射孔は、概して、光学系を通過する特定角からの平行光線の束を識別することにより、図式的に位置決めされ得る。このバンドルの中心における光線が、物体から光学系に向かって延びる。これは、入射孔の位置で、光軸と交差する。出射孔は、この同じ光を、イメージから光学系に向かって後方へ光線が光軸と交差する点まで延ばすことにより、図式的に位置決めされ得る。交差は、出射孔の位置を規定する。
f−ナンバー:入射孔の直径に対するレンズの等しい焦点距離の比をあらわす表現。
開口数(NA):錐体の頂点が位置決めされる媒体の屈折率が乗ぜられる、光学系又は光学素子に入る若しくはそこから離れるメリジオナル光線(meridionalrays)の最大錐体の頂角の正弦。一般的には、物点又は像点に関して測定され、また、その点が移動させられるに伴い、変化する。物点に関係したレンズ系の入射側NAは、同じレンズ系の、像点に関係した出射NAと異なってもよい。一般的には、以下のように、幾何光学系から、投影又は撮影レンズの開口数(NA)は、そのレンズのf−ナンバーの2倍の逆数により同等に与えられる。
【0040】
像形成面(Ra’−R’−Rb’)及び光軸101まわりの対称的なイメージに対して垂直なレンズ系から放たれる光線のみが、同じレンズ軸まわりに対称的に配置される風景からのものであることが明らかである。従来の系におけるマイクロレンズ42が、それらの風景として、撮影レンズ系22の出力を用いるので、対称的に配置された風景を受けるマイクロレンズ42のみが、撮影レンズ系22の軸に一致する個々のマイクロレンズ軸を有するものである。マイクロレンズ42の軸が、次第に、撮影レンズ系22の光軸45から変位するにつれ、マイクロレンズ42により像形成される領域は、ちょうど図5に示されるように、次第に変位する。
【0041】
したがって、カメラ20内の撮影レンズ系22の出射孔Peと感光部材30との間の空間及び角度の関係を変更することにより、マイクロレンズ42を通じて露光させられる感光部材30の領域が変更される。質的に、軸上のマイクロレンズ42は、軸上のイメージを作成し、また、一方、全て軸を外れたマイクロレンズ42は、個々のマイクロレンズ42の光軸に関係して変位させられた高濃度のイメージ要素52を作成する。前述したように、軸を外れた高濃度のイメージ要素52の変位によって、高濃度のイメージ要素52に基づき提供される補正されていない出力イメージの外観は粗末なものとなる。同様に、投影レンズの入射孔Peは、投影レンズ系によりとらえられるマイクロレンズで露光させられ写真処理された感光部材30の領域に影響することとなる。この点に関して、読取り装置の光学系及び感光部材30の空間及び角度の関係が、イメージ撮影時に、風景及び感光部材30の空間及び角度の関係に一致するように、読取り装置の光学系を規定することが可能である。この系は、有効な実像が、所定位置にて、また、カメラのレンズ構成に対して最初の風景により決定される倍率で生成されるため、扱い難い。もしカメラの撮影レンズに相当する投影レンズが、イメージの撮影時のイメージに対するカメラレンズの関係を模倣するように配置されれば、再構成されるイメージは、元のオブジェクトのサイズで元のオブジェクトの位置にあらわれるであろう。他のレンズ及び空間上の関係の組合せは、不完全なイメージの再構成,イメージ領域の不適切な歪曲補正(de−skewing)、又は、新聞紙のプリントを彷彿させる点及び線の形成をもたらす。この画質レベルは、通常、近年の写真材料のユーザに期待されるものには劣る。
【0042】
したがって、感光部材30の有効範囲を広げるべく、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40を用いるという恩恵を得るために、別の方法で、歪曲の影響を補正する必要があることが分かる。
【0043】
次の段落では、許容可能なイメージが高濃度のイメージ要素52に基づき形成され得るように、スキューを補正するシステムの種々の態様を説明する。更にその後の段落では、許容可能なイメージが残りのイメージ領域50から形成され得るように、スキューを補正するシステムの種々の態様を説明する。
【0044】
[高濃度のイメージ要素を用いたイメージの形成]
本発明によれば、マイクロレンズによる補助付きの写真撮影技術を用いて、感光部材30上に形成されるイメージの高濃度のイメージ領域48に記録される高濃度のイメージ要素52のパターンが、許容可能な外観を有する出力イメージを形成するように再構成される。再構成の処理は、許容可能な外観をもつ像形成面でのイメージを形成するために、光学イメージを復元し、調整することを含むものである。本発明によれば、復元及び調整が光学的に行われる。これにより、従来の光学的な写真仕上げ装置が、マイクロレンズによる補助付きの写真撮影技術を用いて、フィルム上に記録されたイメージを有する感光部材を処理するために容易に調整されることが可能となる。
【0045】
図7は、低い露光範囲をもつ風景からイメージ情報をとらえるべく一定の露光範囲を有する感光部材30を用いるための、また、感光部材30上に記録されたイメージ用の情報から許容可能な出力イメージを回復させるための方法の一形態のフローチャートである。この処理の第1のステップは、感光部材を風景からの光に露光させるものである(ステップ300)。
【0046】
風景からの光は、高濃度の(つまり圧縮された)部分及び残りの部分のパターンに分割される(ステップ302)。前述したように、光の高濃度の部分は、感光部材30上の高濃度のイメージ領域48を露光させ、現像後の感光部材30上の線又は点などの高濃度のイメージ要素52のパターンを形成する。風景からの光が第1の露光の範囲84内にある場合には、コントラストのイメージが、高濃度のイメージ要素52に形成される。
【0047】
感光部材30は、その後、写真処理された部材38を形成するために写真処理される(ステップ304)。ここでは、写真処理について知られるいかなる技術をも採用可能である。写真処理では、現像ステップが実行されるとともに、銀を除去するステップが任意に実行され得る。写真処理は、感光部材を、所定条件の下で、写真処理用の化学薬品又は媒介物と接触させることにより実行可能である。また、写真処理は、感光部材を、写真処理用の化学薬品又はpH調整媒介物、若しくは、その両方の溶剤と接触させることにより実行可能である。更に、別の方法として、感光部材は、フォトサーモグラフィック処理などの従来知られた他の技術を用いて、写真処理される。この場合には、感光部材30は、加熱により、若しくは、写真処理を可能とする媒介物及び加熱の組合せにより処理される。
【0048】
圧縮され現像されたイメージは、スキャナ又はプリンタに有効な出力イメージを回復するために、又は、観察のために処理される(不図示)。回復の処理は、圧縮イメージ及びマイクロレンズ列40を通過するように光を戻すことによる、イメージの復元処理(ステップ306)を含む。また、回復の処理は、視野レンズを用いてイメージを歪曲補正するために、復元された光を調整することを含む。更に、回復されたイメージは、以下に述べるように、任意に処理される(ステップ310)。その後、出力イメージが伝送される(ステップ312)。
【0049】
図1,6,7,8及び9を参照しながら、復元及び調整ステップ(ステップ306及び308)について詳細に説明する。
【0050】
前述したように、図1は、撮影レンズ22,感光部材30及びその間に介在したマイクロレンズ列40を有するカメラ20を示している。ダイアフラムとして知られる、シャッタ及びリリースの,固定の又は可変の開口絞り,フィルムリール及びアドバンス機構,ビューファインダ等の他のカメラ要素は、図面の明瞭化を図り、省略される。図1のカメラ10におけるイメージ様式の露光に際して、介在したマイクロレンズ列40は、感光部材30の特定の部分に光を集中させるように作用し、それにより、カメラ20の総合感度が向上し、感光部材上に圧縮された露光パターンが生成される。カメラの撮影レンズ系22及びマイクロレンズ列40のマイクロレンズ42は、合同で、感光部材30上に風景をイメージ化する。マイクロレンズ列40が、円形のマイクロレンズ42の列を含む場合には、マイクロレンズを用いた集中光における、光の集中又は有用な写真速度ゲインは、撮影レンズ系のレンズf−ナンバー及びマイクロレンズ42のレンズf−ナンバーの比の自乗である。速度ゲイン(対数(log)での比露光量)は、マイクロレンズ42のf−ナンバーに対する撮影レンズ系22のf−ナンバーの比の対数の2倍である。その結果、マイクロレンズ列40のマイクロレンズ42による光の集中は、系の速度ゲインを向上させる。球面マイクロレンズ42の規則的な正方形の列の場合には、感光部材30上に点パターンが形成される。詳しくは後述するように、他の形式のマイクロレンズが用いられてもよい。
【0051】
本発明によれば、復元(ステップ306)及び調整(ステップ308)の両方が、光学的なイメージの調整を用いて実現される。図8は、写真処理された部材352上での高濃度のイメージ要素52の露光パターンからイメージを導き出す従来技術の読取り装置350の一態様を示している。読取り装置350は、図1のカメラ20等のカメラシステムにより感光部材352上に記録されたイメージを調整し復元する機能の両方を実行する。この実施形態では、読取り装置350が、拡散光源354を有している。図1に示されるタイプのカメラ20によりなされた露光を含む写真処理された部材352は、光源354により照明される。イメージ変調光は、像形成面361で最初の風景の投影イメージ360を形成するために、マイクロレンズ列356及び投影レンズ358を通過する。
【0052】
図1のカメラは、撮影レンズ系22と一致する出射孔とともに描かれており、また、図8の読取り装置350は、投影レンズ系362と一致する入射孔とともに描かれていることが分かる。図1の撮影系におけるマイクロレンズ42の各々は、感光部材30の高濃度のイメージ領域48上へ、撮影レンズ系22の出射孔により通過させられる光の高濃度の部分を投影する。高濃度の光は、前述したように、高濃度のイメージ要素52を形成するために、各マイクロレンズ構成の後ろに照射される。後述するように、高濃度のイメージ要素52は、カメラの光軸45からの各マイクロレンズ42の空間及び角度の変位により決まる形式で、感光部材30上に照射される。図8では、写真処理された部材352が、光学的に再構成される最初の風景のイメージを形成するために、投影し戻される高濃度のイメージ要素52のパターンを有している。
【0053】
図8に示される読取り装置350は、写真処理された部材352に対して一体式に構成されたマイクロレンズ列356を有する写真処理された部材352からイメージを読み出すように適応させられる。詳しくは後述するように、他のマイクロレンズの構成が採用されてもよい。図8の読取り装置350は、イメージが読み出された場合に露光にて確立される有効なカメラ絞り,マイクロレンズ列及び感光部材352の間の個々の空間的な関係が再現される限り、イメージを光学的に復元する。このことは、読み取りモードでの使用に際して、マイクロレンズ列356が、圧縮されたイメージ要素52が形成された場合に確立される絞り位置にて、すなわち、カメラの絞りにて、圧縮されたイメージ要素52のパターンにて符号化されるイメージを復元するためである。その結果、図1のカメラ20におけるマイクロレンズ列356を用いることによりもたらされたスキューは、カメラを後方へ機能的に動かすことにより補正される。しかしながら、たいていの場合、図1のカメラ20で露光にて確立される有効なカメラの絞り,マイクロレンズ列40及び感光部材30の間の空間的な関係が、十分に再現不可能であり、また、読取り装置350は、スキューにより劣化した外観をもつイメージをもたらすことになる。
【0054】
本発明の一態様によれば、図8に示されるような読取り装置は、スキューによりもたらされる高濃度のイメージ要素52の変位を補正するように、視野レンズを用いて適応させられる。この視野レンズは、撮影系の光学特性を調和させるように、読取り装置内の光路を調整する。視野レンズは、適切なフォーカスでの、また、例えばスキャナの検出面又は光学プリンタの用紙面などの有用な場所での適切な倍率での、記録された風景の投影を可能とすべく、レンズ絞り又は孔の空間的な位置を効果的にシフトする。他の実施態様では、撮影系は、形成された点又は線のイメージが従来のスキャナ又は光学的なプリントヘッドにて読出し可能とするように、撮像段階において、イメージをディスキュー(de−skew)するように調整するための視野レンズを有している。更に別の実施態様では、視野レンズが、撮像及び読出しシステムの両方に組み込まれ、スキューを補正すべく組み合わされるように調和させられる。
【0055】
カメラ20で形成された高濃度のイメージの復元及び光学的な再構成用に、別個の経路が存在する。全てについて、最初の風景,撮影孔および露光済みのイメージの間における空間的な関係が、孔と再構成された風景との間の関係を読み出すために、現像済みのイメージとして、再現されることが要求される。この空間的な関係の一致は、共に最良化された撮影−読出し系の両ステージにおける、レンズおよびレンズ〜被写体(lens to subject/lens to object)の距離の慎重な選択により実現され得る。より一般的には、空間的な関係の一致は、撮影のステージにて,読出しステージにて、若しくは、露光−読出しシステムの両ステージにて、視野レンズを採用することにより実現され得る。
【0056】
復元及び調整ステップの記載は、特にスキャナにおける視野レンズを用いる場合について行われてきたが、視野レンズの他の位置および光学プリンタの使用若しくは直接的な観察も十分に考えられることが分かる。以下に説明する種々の実施態様では、光学的に再構成されるイメージに関する条件が、投影系の入射孔の位置をマイクロレンズ列に関して調和させるようにカメラの出射孔を移動させるべく、カメラに視野レンズを加えることにより満たされる。調整が撮影側で行われる場合には、図8の読取り装置は、視野レンズなしで用いられ得る。
【0057】
以下、これらの系の種々の実施態様について詳しく説明する。しかしながら、調整及び復元に用いられ得る光学的な条件が、数的に記載されてもよい。この点に関し、次の定義が、かかる系のための有用な設計上の検討である。
焦点:入射する平行な光線の束が集束する、レンズの光軸上の点。
焦点距離:効果的な焦点距離(EFL)は、主点から対応する焦点までの距離である。前側の焦点距離(FFL)は、前側レンズ面から前側(第1)焦点までの距離である。後側の焦点距離(BFL)は、後側レンズ面から後側(第2)焦点までの距離である。
主面:レンズ又はレンズ系において、入射し出射する光線の投影が交差する面。また、主面は、同等の屈折面として知られ、ほとんどの場合、平面でなく、曲面である。
主点:レンズの主面及び光軸の交点。
【0058】
レンズ系は、典型的には、前側の主面及び後側の主面を有している。前側の主面は、後側でのエントリにて平行であり前側の焦点に焦点合わせられる光線に関して、前側の主点を規定する。後側の主面は、前側でのエントリにて平行であり後側の焦点に焦点合わせられる光線に関して、後側の主点を規定する。簡単な光学システムでは、前側及び後側の主点は、効果的に一致することも可能である。
【0059】
撮影系(カメラ)に関して、
fc=カメラレンズの焦点距離
sc=風景からカメラの光学系の第1の主点までの距離
sc’=(レンチキュラー・フィルム前面での)イメージからカメラの光学系の第2の主点までの距離
pc=カメラの出射孔からレンチキュラー・フィルム前面までの距離
【0060】
投影系(光学プリンタ又はスキャナ)に関して、
fp=投影レンズの焦点距離
sp=(レンチキュラー・フィルム前面での)被写体から投影レンズの第1の主点までの距離
sp’=(例えばCCD又はプリント用紙での)イメージから投影レンズの第2の主点までの距離
pp=スキャナレンズの入射孔からレンズチキュラー・フィルム前面までの距離
【0061】
両方に関して、
M=倍率=s’/s=イメージサイズ/被写体サイズ
1/f=1/s+1/s’
【0062】
非常に簡単な系(薄いレンズ,レンズ中央での単一の主点,主点に一致する入射点,無限大に焦点合せされる(すなわちsc=無限)カメラレンズ)に関して、1/fc=1/sc’である。かかるカメラにおいてマイクロレンズ列フィルムにより形成されるイメージの再構成は、sp=fcである場合に行われると同様に、対応するレンズ系の孔が一致する場合に行われる。また、適切なプロジェクタレンズが、1/fp=1/fc+1/sp’により規定される焦点距離を有し、系の倍率は、Mp=sp’/fcである、つまり、系は制約される。
【0063】
視野レンズは、都合のよい光学的な再構成を可能とする所望の位置に対する少なくとも1つの孔の位置を調整すべく選択される。カメラ内の視野レンズは、フィルム及びレンチキュラー列の両方に関係して、カメラの出射孔をプロジェクタの入射孔へ移動させる。同様に、プロジェクタ内の視野レンズは、フィルム及びレンチキュラー列の両方に関係して、カメラの出射孔をプロジェクタの入射孔へ移動させる。撮影及び投影ステージの両方において視野レンズを組み込むことにより、より多目的な全体系が可能となる。前述したような孔の位置を実現すべく自動的に調整可能なレンズ系を備えた像形成系により、更に多目的な系が可能となる。
【0064】
孔が主点にほぼ一致する場合の簡単な系に関し、プロジェクタに設けられた視野レンズについての適切な焦点距離ffは、
1/ff=−1/sf’+1/sf
により与えられる。ここで、
sf=視野レンズからプロジェクタレンズの入射孔
sf’=カメラレンズ,マイクロレンズ及び形成されたイメージにより決まる視野レンズから孔までの距離
【0065】
同様に、孔が主点にほぼ一致する場合の簡単な系に関し、カメラに設けられた視野レンズについての適切な焦点距離ffは、
1/ff=1/sf’−1/sf
により与えられる。ここで、
sf=視野レンズからカメラレンズの出射孔
sf’=プロジェクタ,マイクロレンズ及び形成されたイメージにより決まる視野レンズから孔までの距離
【0066】
感光部材上の圧縮されたイメージ要素52のパターンに記録されているイメージを調整するために、視野レンズを組み込む撮影及び読出し系の一形態が、図9a及び9bに示される。図9aは、光軸407と、風景401からの光を、レンズ状のマイクロレンズ410の列を備えたハロゲン化銀フィルム403上に焦点合せするレンズ405とを有するカメラ400を用いて写真処理された風景401を概略的に示す図である。カメラレンズ405の光学系は、出射孔Peを形構成する。ハロゲン化銀フィルム403上のマイクロレンズ410の列は、出射孔Peにより通過させられる風景の情報をあらわす高濃度のイメージ要素52のパターンを形成する。ハロゲン化銀フィルム403上に形成された高濃度のイメージ要素52は、出射孔Pe,マイクロレンズ410の列の各々及びハロゲン化銀フィルム403の間の空間及び角度の関係により決まる様式で、光軸407に関係して投影される。
【0067】
図9bは、図9aのカメラ内の露光後に、また、ハロゲン化銀フィルム403が現像ステップに曝された後に、この態様にてハロゲン化銀フィルム403を有する露光済み及び写真処理済みのレンチキュラー・フィルム421を走査するための走査装置419を示している。ここで、走査装置420は、露光済み及び写真処理済みのレンチキュラー・フィルム421上にイメージ化された風景を、マイクロレンズ410の列,スキャナレンズ411及び光学要素417を介してソリッドステートの撮像体(imager)409上へ照明及び投影するように位置決めされた光源423を有している。ソリッドステートの撮像体409は、電荷結合デバイス(CCD),相補型酸化金属半導体(CMOS)の撮像体,電荷注入デバイス又は他の電子撮像体を含むことができる。走査装置420の光学系は、入射孔Piを形成する。視野レンズ415は、露光済み及び写真処理済みのレンチキュラー・フィルム421とスキャナレンズ411との間に配置されている。視野レンズ415は、スキャナレンズ411が、高濃度のイメージ要素52を備えた写真処理済みの部材38の照明にて生成される個々の投影イメージの全てを受入れできるようなサイズ及び位置で、スキャナレンズ411に関した入射孔Piを生成すべく、前述したように選択される。視野レンズ415により調整されるようなスキャナレンズ411の入射孔Piと、風景の情報を付帯する現像済みの圧縮されたイメージ要素52から投影されたマイクロレンズを介するイメージとの間の空間及び角度の関係は、圧縮された各イメージ要素52が、投影光学系の入射孔Pi上へ十分に投影されるものであることから、高品質のイメージが、撮像体409へ伝送される。スキャナレンズ411及びソリッドステートの撮像体409は、本発明の特定の形態をあらわすためのものであることが分かる。プリンタレンズ及び感光性をもつ写真用紙が代用されても、同様の好ましい結果が得られる。代わりに、他の投影レンズ系及び従来知られる他の感光材料又はデバイスを、光学的に再構成されたイメージを観察又は記録するために採用することも可能である。
【0068】
図10a及び10bは、本発明による他の形態のシステムを示す。ここで、風景705の撮影に適したレンズ703を備えたカメラ701は、露光の光路709におけるマイクロレンズ列707を有している。カメラ701は、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ等を有していない。カメラ701には、従来のフィルム711が採用され得る。読取り装置713は、スキャナ,ビューワー又は光学的なプリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置713は、図10aのカメラ701にて風景が露光させられる処理済みのフィルム717を介して光715を送るための、光源714を有することとなる。読取り装置713は、読取り装置の光路716内に、マイクロレンズ列719を付加的に有する。マイクロレンズ列719は、カメラ701のマイクロレンズ列707に対して調和させられる。視野レンズ721は、読取り装置の光路716に設けられ、また、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置713内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ723及び読み取り面725からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正するように、歪曲により、光を調整する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0069】
図11a及び11bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ801は、露光の光路809にて、風景805の撮影に適したレンズ803と、マイクロレンズ列807とを有している。カメラ801は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置813内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ823及び読み取り面825からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ821を有している。カメラ801には、風景を記録するための従来のフィルム811が採用され得る。いかなる場合にも、読取り装置813は、図11aのカメラ801にて風景が露光させられる処理済みのフィルム817を介して光815を送るための、光源814を有することとなる。読取り装置813は、例えばソリッドステート撮像体又は感光部材の感光面により形成される読取り装置の光路816内に、調和させられるマイクロレンズ列819を付加的に有することとなる。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0070】
図12a及び12bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示す。ここで、カメラ901は、露光の光路909を介した風景905の撮影に適したレンズ903を備えた従来のカメラである。カメラ901は、イメージを意図的に歪曲させるために、マイクロレンズ列又は視野レンズ等を有していない。カメラ901に採用されるフィルム911は、一時的なマイクロレンズ列912を有し、マイクロレンズ列912を介したフィルム911の感光材の露光を保証する様式で、カメラ901に装填されることとなる。マイクロレンズ列912は、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。この態様では、写真処理の一部として、マイクロレンズ列912が、露光後及び読取り後に、フィルム911から任意に取り除かれる。読取り装置913は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置913は、図12aのカメラにて風景が露光させられる処理済みのフィルム917を介して光915を送るための、光源914を有する。読取り装置913は、読取り装置の光路916内のマイクロレンズ列919と、視野レンズ921とを付加的に有する。視野レンズ921は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えばソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ923及び読み取り面925からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正するように、歪曲により、光を調整する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0071】
図13a及び13bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1001は、露光の光路1009を介した風景1005の撮影に適したレンズ1003を備えた従来のカメラである。カメラ1001に採用されるフィルム1011は、永続的なマイクロレンズ列1012を有し、マイクロレンズ列1012を介したフィルム1011の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1001に装填される。マイクロレンズ列1012は、図13aでは、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。読取り装置1013は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いずれの場合にも、読取り装置1013は、図13aのカメラ1001にて風景が露光させられる処理済みのフィルム1017を介して光を送るための、光源1014を有する。読取り装置1013は、読取り装置の光路1015内に配置された視野レンズ1021を付加的に有する。視野レンズ1021は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えばソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1023及び読み取り面1025からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正するように、歪曲により、光を調整する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0072】
図14a及び14bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1101は、露光の光路1009を介したフィルム1111上への風景1105の撮影に適したレンズ1003を有している。カメラ1101は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置1113内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1123及び読み取り面1125からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ1121を有している。カメラ1101に採用されるフィルム1111は、一時的なマイクロレンズ列1112を有し、マイクロレンズ列1112を介したフィルム1111の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1101に装填される。マイクロレンズ列1112は、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。マイクロレンズ列1112が、写真処理の一部として、露光後及び読取り後に、フィルム1111から任意に取り除かれることとなる。読取り装置1113は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置1113は、図14aのカメラにて風景が露光させられる処理済みのフィルム1117を介して光1115を送るための光源1114を有することとなる。読取り装置1113は、読取り装置の光路816における調和させられるマイクロレンズ列1119,投影レンズ1123及び読取り面1125を付加的に有する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージを形成すべく、高濃度のイメージ要素52のパターンの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0073】
図15a及び15bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1201は、露光の光路1209を介したフィルム1211上への風景1205の撮影に適したレンズ1203を有している。カメラ1201は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置1213内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1223及び読み取り面1225からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、イメージを意図的に歪曲させるために、視野レンズ1221を有している。カメラ1201に採用されるフィルム1211は、永続的なマイクロレンズ列1212を有し、マイクロレンズ列1212を介したフィルム1211の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1201に装填される。マイクロレンズ列1212は、感光乳剤側の列として示されるが、ベース側の列であってもよい。読取り装置1213は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる場合にも、読取り装置1213は、図15aのカメラにて露光させられた風景のイメージをもつ処理済みのフィルム1217を介して光1215を送るための光源1214を有することとなる。イメージ変調光は、永続的なマイクロレンズ列1212により復元され、投影レンズ1223を通過して、読取り面1225上にイメージを形成する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージ形式で、高濃度のイメージ要素の光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0074】
図16a及び16bは、本発明のまた別の形態に係るシステムを示している。ここで、カメラ1301は、露光の光路1309を介したフィルム1311上への風景1305の撮影に適したレンズ1303を有している。カメラ1301は、イメージを意図的に歪曲させるために、マイクロレンズ列又は視野レンズを有していない。カメラ1301に採用されるフィルム1311は、永続的なマイクロレンズ列1312を有し、マイクロレンズ列1312を介したフィルム1311の感光材の露光を保証する様式で、カメラ1301に装填される。マイクロレンズ列1312は、フィルム1311のベース側に位置させられるように示されるが、フィルム1311の感光乳剤側に位置させられてもよい。永続的なマイクロレンズ列1312は、撮影時に確立される風景/孔/イメージの空間的な関係と、例えば読取り装置1313内のソリッドステートの撮像体又は感光部材の感光面により形成される投影レンズ1323及び読み取り面1325からもたらされるイメージ/孔/出力の空間的な関係との間の不調和を補正すべく、歪曲させられることとなる。マイクロレンズ列1312における歪曲は、カメラ1301にて適切に選択された視野レンズの組込みにより生成される場合と同様の様式で、形成されたイメージの位置をスキューすることとなる。この系に関してマイクロレンズ列1312に必要とされる歪曲度は、実質的に、読取り装置1313との互換性に関して選択された視野レンズとともに、また、それなしで、歪曲させられていないマイクロレンズ列を用いて、カメラ1301で風景を撮影することにより決定され得る。別の方法としては、マイクロレンズ列1312に必要とされる歪曲の度合いが、上記で列挙された標準的なレンズの式を用いて、個々に必要とされるマイクロレンズの位置及び特性を算出することにより、容易に決定され得る。読取り装置1313は、スキャナ,ビューワー又は光学プリンタであってもよい。いかなる形式においても、読取り装置1313は、図16aのカメラにて露光させられた風景のイメージをもつ処理済みのフィルム1317を介して光1315を送るための光源1314を有することとなる。イメージ変調光は、永続的なマイクロレンズ列1312により復元され、投影レンズ1323を通過して、読取り面1325上にイメージを形成する。上記組合せにより、直接的な光学プリント又は走査に適したイメージ形式で、形成された点又は線パターンのイメージの光学的な再構成が可能となる。走査されたイメージのデジタル操作が考慮されるものの、走査されたイメージのデジタル式の再構成は必要とされない。
【0075】
図17に概略的に示される異なった実施の形態では、フィルム又はフィルム容器が、カメラの光学系の記録を有することができ、また、読取り装置1313等の読取りシステムが、記録されたカメラの光学系を識別し得るデータリーダ1401と、調整可能な視野レンズ1403と、幾つかのマイクロレンズ像形成カメラ及びリーダ間の互換性を自動的に実現すべく、調整可能な視野レンズ1405を調整する手段とを有している。例えば、カメラの光学系の記録が、よく知られるメタデータ通信技術を用いて、写真撮影時に、フィルム又はフィルム容器において符号化されてもよい。あるいは、例えばフィルムが予め装填されたカメラについては、それらが、製造時に符号化されてもよい。かかるカメラの一例は、図1のカメラ20である。カメラ20は、イメージが撮影される時点で、カメラの光学系の記録を取得するように調整されるコントローラ62を有している。例えば、カメラ20は、イメージ撮影時における撮影レンズ系22の入射孔と感光部材30との間の距離を決定し、通信ヘッド66に、この情報をカメラ20に記録させるために、レンズ位置検出器63を用いるコントローラ62を有している。この信号は、データリーダ1601により検出され、イメージを歪曲補正すべく視野レンズを調整するために、リーダ1601により用いられる。
【0076】
また別の実施の形態では、光学系に関するデータが、リーダにより、光路内の視野レンズを選択式に取り除き、変位させるかどうかを決定するために用いられてもよい。更に別の実施の形態では、視野レンズが、必要とされる孔の調整をもたらすべく、変形により調整される変形可能なレンズ(deformable lens)であってもよい。また更に別の実施の形態では、投影レンズ自体が、孔の調整を可能とするために変形される変形可能なレンズ系であってもよい。変形可能なレンズ系は、それらが適応性のある光学系として用いられる天文学上の像形成技術にてよく知られている。
【0077】
[残りのイメージの復元]
前述したように、風景からの光が第1の露光範囲84内にある場合には、残りのイメージが、写真部材の残りのイメージ領域に形成され得る。図18は、高濃度のイメージ要素1952のパターン及び残りのイメージ1954がその上に記録された写真処理済みの写真要素の一例を示す。高濃度のイメージ要素1952の存在により、その下にある残りのイメージ1954は、思わしくない外観を呈することとなる。したがって、残りのイメージ1954からイメージを復元するには、残りのイメージ1954から高濃度のイメージ要素1952を取り除く必要がある。本発明によれば、高濃度のイメージ要素1952が、圧縮されたイメージ領域を含まないイメージの領域を通過する光のみを投影するための光学系を用いることにより、残りのイメージ1954から取り除かれる。これは、読取り装置内の光学系について適切な絞りを選択することにより実現可能である。かかる絞りを規定する際に必要な条件は、光学系の絞りが、逆のマイクロイメージ(inverted micro−image)の開口数に対して、マイクロレンズの開口数を加えることにより得られる合成の絞りである。
【0078】
図19aは、残りのイメージ1954からイメージ情報を選択式に抽出するのに有用な逆絞り(inverse aperture)2002の正面図である。逆絞り2002は、中央の不透明な絞り(stop)2008と、透明な円形領域2006と、周囲の不透明な絞り2004とを有している。図19bは、逆絞り2002を備えた読取り装置2013の側面図である。図示された実施形態では、逆絞り2002,マイクロレンズ列が、イメージ様式に露光され写真処理された部材2017の高濃度のイメージ領域48,マイクロレンズ列2019,視野レンズ2021及び投影レンズ系2023を介して伝送される光を制御するように位置決めされている。逆絞りの2002の中央の不透明な絞り2008は、写真処理された部材1950の高濃度のイメージ要素1952により変調され、また、マイクロレンズ列2019及び視野レンズ2021により指向させられる光をブロックするように寸法設定されている。透明な円形の絞り2006及び周囲の不透明な絞り2004は、投影レンズ系2023のf−ナンバーが、マイクロレンズ列2019のマイクロレンズのf−ナンバーに符合するように寸法設定されている。これらのf−ナンバーの符合によって、写真処理された部材1950の残りのイメージ領域1954により変調された光が、読取り面2025へ伝送され、また、中央の不透明な絞り2008が、写真処理された部材1950の高濃度のイメージ領域1952により変調された光を遮ることが保証される。逆絞りは、本発明の他の実施形態での簡単な様式でも適用可能であり、その場合にも、同様の結果が得られる。
【0079】
図20は、出力イメージを復元するために、図19a及び19bの逆絞り2002及び読取り装置2013を用いる方法の一例についてのフローチャートである。この方法の第1のステップでは、感光部材(例えば符号1950で示す)が、図2,3及び4に関して前述した第2の露光範囲86内の光を含む風景からの光に対して露光される(ステップ2050)。また前述したように、光は、高濃度の部分と残りの部分とに分割される(ステップ2052)。残りのイメージ(例えば符号1954で示す)は、感光部材1950上に記録される。その後、感光部材は、それが図19bにて符号2017で示される写真処理された部材となるように処理される(ステップ2054)。光源2016からの光が写真処理された部材を介して投影され、写真処理された部材2017により変調され、光路2015に沿って送られる(ステップ2056)。変調された光は、マイクロレンズ2019の列を通過する。マイクロレンズ2019の列にて、変調された光に含まれるイメージが復元される(ステップ2058)。その後、復元された変調光は、光を歪曲補正すべく、視野レンズ2021により任意に調整される(ステップ2060)。復元され歪曲補正された光は、フィルタでフィルタリングされ、これにより、感光部材2017上に記録された高濃度のイメージ領域により変調された光が遮られる(ステップ2062)。このフィルタリング処理の結果として、残りのイメージ領域1950により変調された光のみが、読取り面2025でイメージを形成するために用いられる。読取り面2025に形成されたイメージは、復元されたイメージを含む。その後、このイメージは処理される(ステップ2064)。
【0080】
[イメージを復元するための合成装置、イメージ復元システム]
前述したように、写真処理後、写真処理された部材38は、高濃度のイメージ要素52におけるイメージと、高濃度のイメージ要素52を有する残りのイメージ54の形式のイメージとを含んでいる。マイクロレンズによる補助付きの写真撮影法によりもたらされる拡大領域の最大の恩恵を得るには、高濃度のイメージ要素1952の形式で、また、イメージ1954のような残りのイメージの形式で記録されたイメージを有するフィルム帯からイメージを復元することができる読取り装置を提供することが有用である。かかる装置の一例が、図21に示される。
【0081】
図21に示されるように、図21に示される写真処理済みの部材38となるように写真処理されたフィルム帯上にマイクロレンズ列40により分割されたイメージを記録するために、カメラ20が用いられる。写真処理済みの部材38上のイメージは、電子スキャナを有する読取り装置2100により読み取られる。図21に示されるように、スキャナ2100は、視野レンズ2120,マイクロレンズ列2125,逆絞り2130及びレンズ系2110を含む光学系2105を有している。光学系2105は、スキャナ2144上に意味のあるイメージを形成するために用いられる。しかしながら、これをなすには、走査されるイメージが、高濃度のイメージ要素1952のパターンで又は残りのイメージ1954として記録されるイメージであるかどうかを判定することが必要である。第1の実施態様では、検出器2140が設置される。検出器2140は、イメージが、高濃度のイメージ要素52のパターンで又は残りのイメージ54として記録されるイメージであるかどうかをあらわす、写真処理済みの部材38上に記録される信号を検出すべく適用される。この点に関して、再び図1を参照すると、カメラ20が、光学的な光センサ60,コントローラ62,感光部材型のセンサ64及び通信ヘッド66を有するように示されている。これらの任意の構成は、イメージが露光される時点での風景の光レベルを検出し、そして、感光部材30が、高濃度のイメージ要素52内に含まれるような第1の露光範囲,残りのイメージ52として記録されるような第2の露光範囲、若しくは、その両方の範囲からのイメージ情報を含むかどうかをあらわす感光部材30内の信号を符号化するために利用可能である。
【0082】
光センサ60は、例えば、風景内の光の量に比例する電圧出力を生成する光起電性のセルを有してもよい。コントローラ62は、この信号を検出し、それに基づき、風景の明度を判定する。コントローラ62は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ等のデジタルコントローラ、若しくは、プログラム可能なアナログデバイス等のアナログコントローラのいずれであってもよい。コントローラ62がアナログタイプである場合には、アナログ〜デジタル変換器(不図示)が、電圧をデジタル形式に変換するために、光センサ60とコントローラ62との間に介在させられる。
【0083】
感光部材型センサ64は、カメラ20に装填された感光部材型をあらわす信号を生成する。感光部材型センサ64は、感光部材型のマーキング又は感光部材30又は感光部材キャニスタ(不図示)からの感光部材型をあらわす他の信号を直接に読み取るためのDX又は光学バーコード読取り装置を有してもよい。感光部材型センサ64は、また、ユーザに、カメラ20内に配置された感光部材30のタイプを指定させるスイッチ又は他の設定デバイスを有してもよい。感光部材型が、感光部材30上にマークされた場合には、適切な通信ヘッド66が、感光部材型センサ64として用いられてもよい。コントローラ62は、光センサ60及び感光部材型センサ64からの信号を読み出し、そして、風景からの光が、高濃度のイメージ要素52のパターン又は残りのイメージ54の形式で記録されるイメージを形成するのに十分な照明強度を有するかどうかを判定する。コントローラ62は、通信ヘッド66に、感光部材30上に記録されたエッジのタイプをあらわす感光部材30上の信号を符号化させる。この信号は、光学的な,磁気的な,機械的な、若しくは、他のタイプのものである。また別の実施態様では、感光部材30は、集積回路メモリ(不図示)などの電子メモリと関連付けられる。この実施態様では、感光部材30のタイプに関するデータが、製造時に集積回路に連結された電子メモリに記録され、また、通信ヘッド66によって感光部材30から抽出される。この通信は、光学的な、電子的な無線周波数又はいかなる便宜的な手段によっても実行され得る。イメージのタイプをあらわすデータは、また、同様の形式で、電子メモリに記録される。
【0084】
信号は、また、感光部材30又は感光部材カートリッジ(不図示)への機械的な変更により記録されてもよい。かかる態様では、通信ヘッド66は、信号を記録するために、感光部材30又は感光部材カートリッジ(不図示)を切ったり、それに穴を開けたり、他の方法で変更したりすることができ、かかる信号を検出するために調整され得る。当該技術で知られるいかなる通信方法を用いてもよい。有用な通信方法は、米国特許第6222607号(スザジュスキー(Szajewski)等)に開示されるように、カートリッジDx又はIxコード,バーコード,オン・カートリッジチップ,感光部材の光特性,感光部材の磁性等を含んでいる。上記米国特許第6222607号の開示は、引用することによりここに組み込まれる。
【0085】
検出器2140は、このように記録された信号を検出し、スキャナコントローラ2145により検出される信号を生成する。検出器2140は、また、特定の感光部材が、高濃度のイメージ要素52のパターン形式で若しくは残りのイメージ54で符号化されたイメージを含むかどうかを判定するために、イメージの光特性を調べることができる。スキャナコントローラ2145は、前述したように、高濃度のイメージ要素52のパターン又は残りのイメージ54のいずれかからのイメージの復元を可能とする様式で、視野レンズ2120及び/又は逆絞り2130を作動させる。
【0086】
ある実施態様では、逆絞り2002が、写真処理された部材38上に記録されたイメージが残りのイメージであり、写真処理された部材38上のイメージが高濃度のイメージ要素のパターンで作成されたと判定された箇所で、除去されると判定された場合に、光路2102内に選択式に挿入可能である。復元されたイメージは、スキャナ2144上に投影される。スキャナ2144は、アナログスキャナ及び/又はデジタルスキャナを有してもよい。この点に関して、スキャナ2144は、例えば、電荷結合デバイス列などのアレイ検出器(不図示)を有してもよい。代わりに、スキャナ2144が、線ベースで線上の復元イメージを走査するためのリニアアレイ検出器を有してもよい。従来の走査方法及びデバイスの他のタイプが採用されてもよい。画像形成に際しては、赤,緑及び青のピクチャ要素の列が生成される。それらは、スキャナ2144から提供される空間位置情報と関連させられてもよい。必要であれば、この情報は、アナログ〜デジタル変換器2146によるデジタル形式で配置される。
【0087】
スキャナ2144は、従来のあらゆる様式で、感光部材から像形成情報を導き出すことができる。好適な実施態様では、写真処理された部材38に記録されたイメージが、各色の記録について別個の走査ビームを形成するために、分割され青,緑及び赤のフィルタを通過させられた単一の走査ビームにおける青,緑及び赤の光の範囲内で連続的に走査される。もし写真処理された部材38にて他の色がイメージ様式であらわれれば、適切に色付けられた他の光ビームが採用され得る。代わりに、単色で形成される素材が採用された場合に、その素材がそれ自体で走査され、処理され得る。便宜的に、以下の説明では、色形成素材の取扱いについて焦点を絞る。ある実施態様では、赤,緑及び青の光が、イメージ様式で記録された情報を読み出すために用いられ、また、処理処理された部材38が、イメージのない欠陥の位置を記録するために、赤外光で走査される。かかる欠陥又は“ノイズ”の走査が採用された場合、欠陥に対応する信号が、ソフト又はハードコピー形式で目立たない又は総合的に目立つ欠陥を与えるように、ソフトウェアの補正を提供すべく、採用されてもよい。ハードウェア,ソフトウェア及びこのタイプの欠陥の軽減を実現する技術は、米国特許5266805号(エドガー(Edgar))及びWO98/31142(エドガー等),WO98/34397(エドガー等),WO99/40729(エドガー等)及びWO99/42954(エドガー等)により開示されている。
【0088】
他の実施態様では、形成後のイメージが、任意に赤外線で、透過及び反射の走査により複数回走査され、結果として得られたファイルは、最初のイメージをあらわす単一のファイルを作成すべく組み合せられる。かかる処理は、全てエドガー等による米国特許5466155号,5519510号,5790277号及び5988896号に記載されている。
【0089】
イメージデータは、走査後に、高濃度のイメージ領域48又は残りのイメージ領域50からイメージ情報を復元するに先立ち、カラーデータの忠実度を保証するために処理される。例えば、走査後に、イメージを付帯する信号を変換する特定の技術が、米国特許5267030号(ジョルジアーニ(Giorgianni)等),米国特許5528339号(ブーア(Buhr)等),米国特許5835627号(ヒギンス(Higgins)等),米国特許5694484号(コットレル(Cottrell)等),米国特許5962205号(アラカワ(Arakawa)等)及び米国特許6271940号(デスチューイター(Deschuytere)等)に開示されている。更に、これらの処理の説明が、ジョルジアーニ及びマデン(Madden)の“デジタルカラーマネジメント(アディソン−ウェスレイ(Addison−Wesley)1998年出版)”により提供される。そこに開示される信号の変換技術は、顧客により選択された外観を組み込むイメージを伝送するために更に改良されてもよい。
【0090】
行列及びルックアップテーブル(LUT)が、有用なイメージ変換をもたらすことができる。ある実施形態では、3つの1次元のルックアップテーブル(それぞれ赤,緑及び青色の記録に関する)が採用される。これらの変換の複雑さのために、変換がしばしば3次元LUTにより実現され得ることに注目する必要がある。別の実施態様では、複数次元のルックアップテーブルが採用可能である。これについては、米国出願4941039号(ディ・エリコ(D’Errico))に記載される。
【0091】
1つの変形例では、R,G及びBのイメージを付帯するスキャナからの信号が、単一の基準イメージ記録デバイス又は媒体からのそれに対応するイメージの測定基準に変換される。この場合には、全入力媒体に関する測定基準の値が、基準のデバイス又は媒体が入力媒体が風景をとらえる場合と同じ条件下で最初の風景をとらえることにより形成される3色の値に対応する。例えば、基準のイメージを記録する媒体が、特定のカラーネガフィルムであるように選択され、また、中間のイメージデータの測定基準が、基準フィルムの測定されたRGB濃度であるように選択された場合には、入力されたカラーネガフィルムについて、R,G及びBのイメージを付帯するスキャナからの信号は、基準のカラーネガの感光部材が実際のカラーネガ材料が露光される場合と同じ条件下で露光されることにより形成されるイメージのそれに対応するR’,G’およびB’濃度値へ変換されることとなる。
【0092】
他の変形例では、基準イメージを記録する媒体が、特定のカラーネガフィルムであるように選択され、また、中間のイメージデータの測定基準が、その基準のフィルムの所定のR’,G’およびB’の中間濃度であるように選択された場合には、本発明による入力されたカラーネガの感光部材について、R,G及びBのイメージを付帯するスキャナからの信号は、基準のカラーネガの感光部材が実際のカラーネガの記録材料が露光される場合と同じ条件下で露光されることにより形成されるイメージのそれに対応するR’,G’およびB’の中間濃度値へ変換されることとなる。かかる走査の結果は、感光部材30上にとらえられたイメージをあらわすデジタルイメージデータである。
【0093】
デジタル信号プロセッサ2148は、スキャナ2144及び/又はアナログ〜デジタル変換器2146により出力される信号を受信する。デジタル信号プロセッサ2148は、以下で説明される様式で信号を処理するように、また、用途のための形式で信号を認識するように適応させられる。
【0094】
[イメージのポスト走査処理]
前述したように、出力イメージが復元された後、イメージを改良し、次の処理のためにイメージを準備するために、出力イメージの付加的な処理を行うことが望ましい。実行されるポストイメージ処理のタイプは、イメージを再現するために用いられる装置のタイプによる。例えば、出力イメージを再現するのに用いられるデバイスは、従来の光学的な写真仕上げシステムである。従来の、光学的なまた化学的な手段が、イメージの外観を向上させるために用いられてもよい。かかる技術は、便宜上、光化学的に、イメージの彩度又は色内容を修正すること、及び/又は、イメージの視覚的なコントラストを修正することを含むことが可能である。クロッピング(cropping),疑似的なズーム及び任意の技術が、かかるシステムにおいて、イメージを向上させるために用いられてもよい。
【0095】
復元されたイメージが走査された、若しくは、光学的なドメイン、若しくは、デジタル又は電子的なドメインから送られてきた場合には、付加的なイメージの操作が用いられてもよい。付加的なイメージの操作としては、これに限定されないが、(処理済みのフィルム内の1つ又はそれ以上の領域の濃度に基づき、濃度及びカラーバランスに関する補正を決定するための)風景バランスアルゴリズム,米国出願5134573号(グッドウィン(Goodwin)等)に開示されるような、感光部材露光不足のガンマを増幅させるためのトーンスケール処理,畳み込みによる適応性のない若しくはあるシャープ化又はぼけマスク,赤目抑制、及び、適応性のない又はある粒状性抑制(grain−suppression)等が考えられる。更に、イメージは、芸術的に処理されたり、ズームされたり、クロップされたり(切り抜かれたり)、付加的なイメージと合成されたりしてもよい。若しくは、当該技術にて既知の他の処理がイメージに対して加えられてもよい。他の有用なイメージの処理の流れが、欧州出願0961482号(ブーア等),欧州出願0961483号(ブーア等),欧州出願0961484号(ブーア等),欧州出願0961485号(ブーア等)及び欧州出願0961486号(ブーア等)により開示されている。これらの開示は、引用することによりここに組み込まれる。
【0096】
復元されたイメージが処理され、付加的なイメージ処理及び操作が実行された後、イメージは、遠隔の場所に電子形式で送られても、若しくは、図21に示されるような種々の出力デバイスへ局所的に書き込まれてもよい。出力デバイスとしては、これに限定される訳ではないが、イメージレコーダ2158経由での感光部材レコーダ2156,感熱プリンタ,電子写真プリンタ,インクジェットプリンタ等のプリンタ2174経由での用紙又はフィルムなどのプリント媒体2172,ディスプレイ2152,光学ライタ経由でのCD又はDVDディスク2168,磁気ディスクライタ経由での磁気電子式信号記録ディスク2164、及び、当該技術で知られる他のタイプの保存デバイス2150が考えられる。
【0097】
この点に関して、イメージは、最終用途に適応するよう任意に処理され得る。例えば、イメージを付帯する出力信号は、基準の出力デバイス用に調整されても、デバイス固有のコード値の形式とされてもよく、あるいは、デバイス固有のコード値となるように更なる調整を要求することもできる。かかる調整は、特定のデバイスを用いて伝送,保存,プリント又は表示するためのイメージを付帯する出力信号を適切に準備するために、更なる行列変換又は1次元のルックアップテーブル変換若しくはかかる変換の組合せにより実現されてもよい。出力されたイメージは、電子式に、若しくは、ディスク,プリント済みのイメージ又は他の出力を搬送することにより送られる。
【0098】
デジタル処理に加えて、デジタルイメージは、コンピュータ断層撮影に用いられる“ウィンドウ機能(windowing)”及び“レべリング(leveling)”又は当該技術で知られる他の処理など、イメージの物理特性を変更するために用いられてもよい。
【0099】
[マイクロレンズ及びマイクロレンズ列の特性]
これまで、マイクロレンズ42の列40の使用が一般的に説明されてきた。列40の個々のマイクロレンズ42は、それらが、光を集光させるつまりフォーカスさせるべく形状付けられているという意味で、収束レンズである。そのため、それらは、フィルムベースから凸状の投影を形成する。個々の投影は、完全な球又は不完全な球の一部分として形状付けられる。したがって、マイクロレンズは球面部分レンズであっても、非球面部分レンズであっても、両タイプのマイクロレンズが同時に採用されてもよい。球面部分のマイクロレンズは、球の形状及び断面を有する。非球面部分のマイクロレンズは、扁平な又は細長い球の形状及び断面を有する。レンズは、それらが1〜1000ミクロンの間の直径をもつ円形の又はほぼ円形の投影を有するという点で、極小である。円筒部分マイクロレンズは、円筒の一部分の形状及び断面を有する。非球面部分マイクロレンズは、扁平な又は細長い円筒の形状及び断面を有する。特に、上記では、全体を通じて、球面マイクロレンズ42の密閉した立方のマイクロレンズアレイ40を合わせた本発明の利用が仮定され、記載されている。マイクロレンズ42及びマイクロレンズ列40の種々の構成が採用可能であることが分かる。例えば、図22aは、支持体90上で均一な立方体の密閉分布パターンに配置されたマイクロレンズ42のマイクロレンズ列40を概念的に示している。他の列パターンが採用可能であることが分かる。例えば、図22bは、オフセットされた正方の密閉式列パターンを有する形態を示している。図22cに示される他の形態では、マイクロレンズ42が、六角形の密閉の列パターンを有するマイクロレンズ列40状に配置されている。マイクロレンズ列40は、また、マイクロレンズ42のランダム分布を特徴とすることができる。ランダム分布をもつ列パターンの形態の一例が、図22dに示される。図22eに示されるように、他の実施の形態では、マイクロレンズ列40が、円筒形又は非円筒形のマイクロレンズ42の列を有することができる。
【0100】
図23a,23b及び23cに示されるように、マイクロレンズ列40は、異なる光学特性をもつマイクロレンズ42を有することができる。図23aの態様では、円筒形のマイクロレンズ42のマイクロレンズ列40が示される。図23aに示されるように、マイクロレンズ列40は、それにより提供されるマイクロレンズの第2の組42bよりも大きな断面領域を有する、マイクロレンズの第1の組42aを有している。この態様では、マイクロレンズの第1の組42aが、露光の間に、マイクロレンズ42bよりも大きい光の部分を集中させる。そのため、マイクロレンズの第1の組42aは、露光の間の光の量が、第1の露光範囲84内にある場合に、高濃度のイメージ領域の第1の組48aにて、図24aに示されるように、感光部材30上での線イメージを形成する。風景からの光が第2の露光範囲86内にある場合には、マイクロレンズ列の第2の組42bが、高濃度のイメージ領域の第2の組48bにおける感光部材30上での線イメージを形成する。マイクロレンズ42a及び42bのいずれの組にも集中させられない光は、図24aの感光部材30の第2の露光領域50にて、残りのイメージ(不図示)を形成することができる。同様に、図23b及び23cは、それぞれ、風景24からの光が第1の範囲内にある場合に、露光をなすべく、光を集光し、感光部材30上の高濃度のイメージ領域48a上にその光を指向させるマイクロレンズ列40を備えた、マイクロレンズ42a及び42bの異なるサイズの組を有するマイクロレンズ列40の使用を示している。マイクロレンズ42bは、風景からの光が第2の範囲にある場合に、露光をなすべく、風景からの光を集光し、感光部材30上の高濃度のイメージ領域48bにこの光を指向させる。また、ここでは、光の残りの部分が、感光部材30の残りの露光領域50に記録される。そのため、図23a−23cの形態では、感光部材30の有効感度が拡大され得る。図23cに示されるように、マイクロレンズ列40の表面の適用範囲は最大にされる必要はない。有用であればいかなるマイクロレンズ列40の表面の適用範囲も採用されるが、写真又は感光部材30の投影領域に対するマイクロレンズ列40の投影領域の比は、少なくとも20%であるべきである。ある実施の形態では、表面の適用範囲が、少なくとも50%から85%までの間である。別の実施形態では、85%から密閉リミットまでの表面の適用範囲が用いられ得る。表面の適用範囲の正確な度合いは、有用な写真の粒状性及びシャープネスの維持とともに、露光感度のレベルの変更を可能とすべく調整され得る。いかなる実施態様でも、表面の適用範囲が密閉リミットよりも小さい場合には、残りの光を感光部材30に対して照射するために、支持体90が規定されてもよい。
【0101】
マイクロレンズ列40は、例えば、押出し成形,射出成形及び従来知られた他の成形加工技術により、一体成形された又は一体的に組み合せられた個々のマイクロレンズ42の組を有することができる。マイクロレンズ列40は、また、機械的な又は化学的な手段を用いて固定されるように複数の別個のマイクロレンズ42を組み合せることによって、若しくは、支持体90上に設置することで形成されてもよい。マイクロレンズ列40は、感光部材30に近接して配置される若しくはその上にコーティングされる、あるいは、感光部材30に結合される、レンチキュラービード又は球(不図示)の組を有してもよい。マイクロレンズ42は、微細構造の技術で知られるあらゆる様式で形成可能である。これらのマイクロレンズ42は、例えば、製造時に、感光部材30に対して直接にエンボス加工されることにより、感光部材30と一体をなし得る。あるいは、それらは、感光部材30に取り付けられる別個の層に対して一体的に形成されてもよい。更に別の実施形態では、マイクロレンズ列40が、感光性をもつコーティングを用いて形成され得る。
【0102】
図25a−25cは、支持体90に設けられ、球面及び非球面などの種々の形態をあらわすマイクロレンズ42の断面を示している。図25aは、マイクロレンズ42が、支持体90により結合される球面レンズを有する形態を示している。図25b及び25bは、非球面のマイクロレンズ42を有するマイクロレンズ列40の形態を示している。感度の拡大をもたらすために、前述したあらゆる列パターンが、非球面のマイクロレンズ42と組合せ可能であることが分かる。更に、感度の拡大をもたらすには、あらゆるマイクロレンズ42のパターンが、非密閉様式で適用可能である。
【0103】
マイクロレンズ42は、マイクロレンズを実際に形成する突出部分の球面又は非球面特性を説明するために、異なったハッチングであらわされている。図25b及び25cに示される非球面のマイクロレンズ42は、これらのレンズの変化する半径が、マイクロレンズと感光性をもつ層との間の間隔とはほとんど無関係に、レンズの焦点距離及びレンズの絞りの制御を可能とするという点で、特に有用である。ここでは、これらの断面は球面又は非球面状として説明されるが、断面が円筒形又は非円筒形のマイクロレンズ42の場合にも、図では同等にあらわされることが分かる。
【0104】
集光、又は、円形の投影マイクロレンズ42を備えた撮影レンズ系22により焦点合せされる有用な写真速度ゲインは、カメラ20及びマイクロレンズ42のf−ナンバーの比の自乗である。かかるシステムにおける速度ゲイン(比露光量(対数))は、速度ゲイン=2xlog(カメラレンズのf−ナンバー/マイクロレンズのf−ナンバー)であるように決定可能である。円筒形マイクロレンズの集光又は有用な写真速度ゲインは、それらが光を一方向のみに集光するため、かかる改善(improvement)の平方根のみを可能とする。マイクロレンズ列40による集光は、系の速度ゲインを有効にし、感光材上の露光パターンを形成する。
【0105】
カメラ20の大きさ及び撮影レンズ系22の詳細特性は、露光孔からイメージまでの距離、すなわち、動作するカメラの焦点距離を決定する。好ましくは、イメージ24’が、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40にて形成される。マイクロレンズ列40の特性は、それらの焦点距離を決定する。カメラの撮影レンズ系22のf−ナンバーは、カメラ20の焦点深度及び被写界深度を制御し、他方、マイクロレンズのf−ナンバーは、カメラ20の有効口径(effective aperture)を制御する。カメラレンズについて絞られたf−ナンバーを用いることにより、広い焦点深度及び被写界深度とともに優れたシャープネスが得られる。マイクロレンズ列40について開いたf−ナンバーを用いることにより、典型的には“スロー”なものとして考えられる感光乳剤で、速い系の速度が得られる。この特別な速度は、“速い(fast)”感光乳剤に関連する熱及び放射の不安定度なしに、有効な写真撮影を可能とする。
【0106】
したがって、カメラの撮影レンズ22及びマイクロレンズ42のf−ナンバーの有用な組合せは、系の速度ゲインを有効にするものである。0.15logEつまり、1/2−ストップ以上の系の速度ゲインが有用であり、0.15logE又はそれ以上の系の速度ゲインが好ましい。カメラ撮影レンズ22が意図する目的のために適切な被写界深度を有するような速度ゲインを可能とするf−ナンバーをもつマイクロレンズ42が有効に採用され得る一方で、典型的には、1.5〜16のf−ナンバーを有するマイクロレンズ42が有用である。ある実施態様では、f/2〜f/7の範囲のf−ナンバーをもつマイクロレンズが有用である。他の実施態様では、f/3〜f/6の範囲のf−ナンバーをもつマイクロレンズが好ましい。
【0107】
個々のマイクロレンズとフィルムの感光層との間の空間的な関係が、写真処理を通じて維持される場合には、マイクロレンズを有する写真支持体と同様に、マイクロレンズの孔及びそれらのNAが維持される。しかし、異なるレンチキュラーアレイが撮影及び投影にて採用された場合には、作業系を得る上で、付加的な制限が付与される。この後者の状況は、例えば、レンチキュラーアレイが設けられたカメラが、レンチキュラーアレイが設けられたプリンタ又はスキャナと共に用いられた場合に生じ得る。また、その代わりに、写真処理の間に変更される若しくは壊されるレンチキュラーアレイをもつフィルムが、レンチキュラーアレイが設けられたプリンタ又はスキャナと共に用いられた場合に生じ得る。これらの状況において、点を通過し周囲の領域からでない光のみを投影するための条件は、パターン,数及びマイクロレンズの倍率が維持されること、及び、投影システムの開口数がマイクロレンズの開口数を超えないことである。点及び周囲の領域を通過する光を投影するための条件は、パターン,数及びマイクロレンズの倍率が維持されること、及び、投影システムの開口数がマイクロレンズの開口数に一致することである。周囲の領域を通過し点を通過しない光のみを投影するための条件は、パターン,数及びマイクロレンズの倍率が維持されること、及び、投影システムの開口数が、逆のマイクロイメージの開口数にマイクロレンズの開口数を加えることにより得られる合成開口数であることである。
【0108】
点パターンに関し、特定のマイクロレンズについてのマイクロイメージのNA(numerical aperture:開口数)が、点の半径及びマイクロレンズの焦点距離から導き出される。線パターンには並列式が当てはまる。
マイクロイメージの開口数=sinθ
tanθ=イメージの点半径/対応するマイクロレンズの焦点距離
マイクロレンズ42についての好適な設計パラメータ及びそれらの感光部材30の感光層に対する関係は、これらの定義から得られるものである。
マイクロレンズの半径は、マイクロレンズ42の半球形の突出部の曲率半径である。非球面マイクロレンズに関して、この値はマイクロレンズの面にわたり変化する。
マイクロレンズの絞りは、直径として説明されるマイクロレンズにより形成される断面領域である。球面マイクロレンズに関して、この直径は、必然的に、マイクロレンズの半径の2倍より小さい若しくは等しい。非球面マイクロレンズに関して、この直径は、マイクロレンズにおける最小の半径の2倍よりも大きくあってもよい。異なる絞りをもつ異なるサイズのマイクロレンズの使用は、マイクロスケールにおける速度ゲインの異なるレベルを可能とし、写真層についての感光性の拡大を可能とする。
【0109】
マイクロレンズの開口数=sinθ’
tanθ’=(曲率半径でなく)マイクロレンズの絞り半径/マイクロレンズの焦点距離
マイクロレンズの焦点距離は、マイクロレンズ42から感光部材30の感光層までの距離である。これは、感光層に対する支持体の反対側におけるマイクロレンズ42に関し、典型的には、ほぼ支持体の厚さに設定される。マイクロレンズの使用により、異なる色の記録の感度が優先的に向上することが分かる。この特徴は、青色に乏しく赤色に豊かなぼやけた白熱光の室内などの、特定の不安定ない照明の状態において、特に有用となり得る。例えば、白熱光の写真撮影を意図したシステムを用いた場合、マイクロレンズは、フィルムの青色の感光層上に焦点合わせされ、その結果、色の記録に対する優先的な速度の促進や色バランスの平衡がもたらされる。他の場合では、他の色が優先的に促進される。
【0110】
マイクロレンズのf−ナンバーは、マイクロレンズ42の絞り/マイクロレンズの焦点距離である。球面マイクロレンズ42に関して、所望のマイクロレンズの焦点距離が、レンズの式に従う適切なマイクロレンズの半径を規定するために用いられ得る。
マイクロレンズの半径は、マイクロレンズの焦点距離×(n2−n1)/n2である。ここで、n1はマイクロレンズの外側の物質の屈折率であり(典型的には、一定の屈折率をもつ空気)、n2はマイクロレンズ及び隣接する伝達物質(例えば支持体90に用いられるようなプラスチック)の屈折率である。写真撮影に有用なゼラチンは、典型的には、1.4〜1.6の屈折率を有する。最も低い屈折率に対する最も高い屈折率の比は、0.8〜1.2の間である。好適な実施形態では、その比は、0.95〜1.05の間である。典型的な写真撮影系の構成の既知の屈折率を受けて、有用な球面マイクロレンズは、マイクロレンズ半径の約3倍のマイクロレンズの焦点距離を有することとなる((n2−n1)/n2〜1/3)。一体でないマイクロレンズ42は、より様々なプラスチック及びガラスから製作可能である。感光部材30上に一体的に形成されたマイクロレンズ42に関して、マイクロレンズを形成するのに用いられた材料,写真支持体及び感光層用の媒介物の屈折率が可能な限り同様である場合に、優れた光学特性がもたらされる。しかしながら、屈折率の意図的な不一致は、光の散乱及び反射を促進し、残りのイメージ54の形成の度合いを左右し得る。
【0111】
したがって、ロールタイプの感光部材30に用いられるのに適したフレキシブルな写真支持体34上に形成された、また、感光層から支持体の反対側に配置されたマイクロレンズ42は、支持体34の厚さにより規定される有用な半径を有することとなる。好適なフレキシブルの支持体34は、約60〜180ミクロン厚の間である。この点に関して、非球面マイクロレンズ42によれば、写真支持体の他の条件に対して、マイクロレンズ絞り及び焦点距離を調整する場合に、より自由な設計性が得られる。別の実施態様では、より短い焦点距離のマイクロレンズ42が、マイクロレンズ42が感光層と支持体の同じ側にまた感光層よりも支持体から遠くに配置される場合に、支持体の乳剤側に採用されてもよい。ここでの所望の焦点距離は、介在する層の厚さにより決まる。介在する層がある場合には、それらが、約1〜50ミクロンの厚さである。図1の実施態様では、マイクロレンズ42のマイクロレンズ列40は、感光部材30から分離され、カメラ20内で、カメラの撮影レンズ系22とゲート26との間に別個に設置される。この態様では、焦点距離が、マイクロレンズの材料と周囲の媒体との間の、典型的には、空気とマイクロレンズの曲率半径との間の屈折率の差により決まる。更なる詳細は、ここで参照され、同日出願されまた本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願に開示されており、この開示は、引用されることにより組み込まれる。
【0112】
所望の結果を実現すべく、有用な数のマイクロレンズ42がイメージフレーム当たりに採用されるが、特定の構成において採用される実際の数は、その構成に依存することが分かる。例えば、所望のマイクロレンズの焦点距離が、写真材料の支持体側に一体的なマイクロレンズ42を形成することにより固定され、また、マイクロレンズのf−ナンバーが、組み合わされたレンズ系についての所望の系の速度ゲインにより固定される場合には、10〜100ミクロンのマイクロレンズの絞り又はピッチとなる。そのため、およそ24×36mmの大きさの135フォーマットフレームが、全表面範囲で、約86000〜8600000の間のマイクロレンズを有することができる。より短い焦点距離を備えた感光乳剤側のマイクロレンズは、全表面範囲にて、135フォーマットフレーム当たりにおよそ960000〜96000000間のマイクロレンズ42を意味する約3〜30ミクロンの間の有用な絞り又はピッチを有することができる。より大きな焦点距離の自由度を備えるカメラ搭載マイクロレンズは、絞り又はピッチにおいて、500ミクロン又はそれ以上の範囲を有することができる。
【0113】
風景からの光は、1つ以上のマイクロレンズ列40を通過し得る。例えば、風景からの光は、水平軸に沿って配列した半円状のマイクロレンズを有する第1のマイクロレンズ列を通過し、その後、圧縮された光として、垂直軸に沿って配列した半円状のマイクロレンズを有する第2のマイクロレンズ列を通過させられる。この技術は、風景からの光の2軸の集光をもたらすべく有用に採用され得る。
【0114】
複数の特定のシステムの組合せが説明されたが、その全てが、視野レンズタイプを用いた光学的な再構成に関するものである。当然ながら、いかなる走査イメージについてもデジタル形式の再構成が可能である。例えば、フィルムが採用され、そのフィルム自体又は露光されたフィルムが、マイクロレンズの影響に関係なく、デジタル形式の向上の恩恵を受けることが可能である。
【0115】
なお、本発明は、例示された実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、感光部材の上限反応しきい値よりも大きい露光レベルを有する露光レベルの範囲にわたって、イメージを撮像するための写真撮影方法及びカメラを、簡単な構成で且つ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカメラの一態様を概略的に示す図である。
【図2】風景露光の実際の許容範囲と有効な範囲との関係をあらわすのに有用な図である。
【図3】感光部材上の高濃度の光の効果をあらわすのに有用な図である。
【図4】感光部材上の残りの光の効果をあらわすのに有用な図である。
【図5】ひとまとめにされた正方形のマイクロレンズ列の後方に形成される点のパターンを示す図である。
【図6】レンズ系の入射孔及び出射孔を示す図である。
【図7】本発明の写真撮影方法の一態様を示すフローチャートである。
【図8】本発明によるカメラの一態様とともに使用可能な読取り装置の一態様を示す図である。
【図9】(a)スキャナにおけるレンズの出射孔を調整するための視野レンズの使用を説明する図である。
(b)スキャナにおけるレンズの入射孔を調整するための視野レンズの使用を説明する図である。
【図10】プリンタにて配置される視野レンズとともに、カメラ及び読取り装置の両方における別個のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図11】カメラにて配置される視野レンズとともに、カメラ及び読取り装置の両方における別個のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図12】読取り装置における別個のマイクロレンズ列及び視野レンズとともに、カメラにおける一時的なフィルム一体型のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図13】読取り装置における視野レンズとともに、カメラにおける永続的なフィルム一体型のマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図14】読取り装置におけるマイクロレンズ列とともに、カメラにおける一時的なフィルム一体型のマイクロレンズ列及び視野レンズを採用する像形成システムを説明する図である。
【図15】カメラ及び読取り装置における永続的なフィルム一体型のマイクロレンズ列及び視野レンズを採用する像形成システムを説明する図である。
【図16】読取り装置の光学系を調和させるために、カメラにより撮影されるイメージを歪曲させる歪んだマイクロレンズ列を採用する像形成システムを説明する図である。
【図17】本発明による視野レンズの特徴を組み込む歪曲可能なマイクロレンズ列を採用する読取り装置を概略的に示す図である。
【図18】高濃度のイメージ要素のパターンと、それに記録された残りのイメージとを有する感光部材の一例をあらわす図である。
【図19】(a)逆絞りの正面図である。
(b)投影システムにて配置された逆絞り(inverse aperture)を示す図である。
【図20】本発明による写真撮影方法の一態様を示す図である。
【図21】本発明の実践に際して有用なプロジェクタ及びイメージスキャナを概略的に示す図である。
【図22】本発明の実践に際して有用なマイクロレンズ列の各種態様を示す図である。
【図23】単一のマイクロレンズ列にて有効に組合せ可能な異なるマイクロレンズ列の種々の態様を示す図である。
【図24】図22の(a)−(c)のアレイを通過する風景からの光に対する感光部材のイメージ様式での露光により、感光部材上に記録されるパターンを示す図である。
【図25】マイクロレンズ,球面レンズ及び非球面レンズの列を示す断面説明図である。
【符号の説明】
20…カメラ,22…撮影レンズ系,23…絞り,24…風景,24’…風景のイメージ,26…ゲート,27…シャッタシステム,30…感光部材,32…感光層,34…基体,36…イメージ領域,38…写真処理済みの部材,40…マイクロレンズ列,42…マイクロレンズ,44…高濃度の部分,45…光軸,46…残りの部分,47…予期されるイメージ領域,48…高濃度のイメージ領域,50…残りのイメージ領域,52…高濃度のイメージ要素,54…残りのイメージ,60…光センサ,62…コントローラ,84…露光レベルの第1の範囲,86…露光レベルの第2の範囲,90…支持体,350…読取り装置,351…光学系,352…写真処理済みの部材,354…光源。
Claims (3)
- 露光レベルの所定範囲内で光に感光する感光部材を用いて、所定範囲外の露光レベルを含むイメージを撮影するための方法であって、
風景からの光に対して感光部材を露光させ、
上記風景からの光を、該光が露光レベルの第1の範囲にある場合に、上記感光部材上に高濃度のイメージ要素のパターンを形成すべく指向させられる高濃度の部分と、該光が露光レベルの第2の範囲にある場合に、残りのイメージを形成すべく指向させられる残りの部分とに分割し、
上記風景からの光を、高濃度のイメージ要素のパターンが、感光部材上で高濃度のイメージの所定パターンで形成されるように調整する、ステップを有していることを特徴とする方法。 - 露光レベルの所定範囲内で光に感光する感光部材上に少なくとも1つのイメージを形成して、所定範囲外の露光レベルを含むイメージを撮影するためのカメラであり、
上記感光部材を位置決めするゲートと、
上記感光部材にて、風景からの光を焦点合せする撮影レンズユニットと、
上記風景からの光に対して感光部材を制御可能に露光させるシャッタと、
視野レンズと上記感光部材との間に配置されるマイクロレンズ列であって、露光が露光レベルの第1の範囲にある光を含む場合に、感光部材上に高濃度のイメージ要素のパターンを形成すべく、風景からの光の第1の部分を指向させ、また、上記風景からの光が、上記露光レベルの第1の範囲との組合せが露光レベルの上記所定範囲よりも大きい第2の範囲にある場合に、風景からの光の第2の部分が、感光部材へ通過し、高濃度のイメージ要素を取り囲む残りのイメージを形成することを可能とするマイクロレンズ列と、
上記撮影レンズユニットとマイクロレンズ列との間に配置され、上記風景からの光を、高濃度のイメージ要素のパターンが、感光部材上で高濃度のイメージの所定パターンで形成されるように調整する視野レンズ、とを有していることを特徴とするカメラ。 - その上に記録された少なくとも1つの高濃度のイメージ要素のパターンと残りのイメージを有する写真処理済みの感光部材を用いて出力イメージを形成するための読取り装置であって、
光を放射する光源と、
上記光源から発せられた光を変調すべく、上記写真処理済みの感光部材を位置決めするゲートと、
上記写真処理済みの感光部材上の高濃度のイメージ要素の実際に形成されるパターンとは異なる所定パターンにより変調された光を復元すべく適応させられたマイクロレンズ列と、
復元された光を受け、像形成面に出力イメージを形成するレンズユニットと、
上記マイクロレンズ列とレンズユニットとの間に配置される視野レンズであって、上記出力イメージが、上記感光部材上に実際に形成される高濃度のイメージ要素のパターンに基づくイメージを含むように、復元された光を調整する視野レンズと、を有していることを特徴とする読取り装置。
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