JP3064031U - カメラ用デバイスおよびカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 純粋な光学的方法を用いて、写真上に簡便に
模様を重ねることができ、写真撮影の間、いつでも模様
を変更可能なカメラ又はカメラに使用するデバイスを提
供する。 【解決手段】 カメラ（１）のレンズ・システムから所
定距離にあるプレート（１０）を支持するためにレンズ
・システムの前に配置される支持手段がカメラに備えら
れる。レンズ・システムは、カメラ（１）内の像記録媒
体上にプレート（１０）からの光を合焦するように構成
されている。カメラ（１）は、対物レンズと追加の合焦
手段を有するレンズ・システムを含み、追加の合焦手段
は、第１領域では無限の焦点距離を有し、第２領域では
レンズ・システムに近接した、例えばレンズ・システム
の前に保持されたプレート（１０）上の、画像の光を合
焦する比較的短い焦点距離を有する。追加の合焦手段
は、カメラのアタッチメントの形態で画像支持手段が備
えられていても良い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、撮影された像に画像または模様を付加するためにカメラに適用され るデバイスおよびカメラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

写真を撮る場合、宣伝効果を得るために、または単に写真を一層魅力的にして 見る人の興味を引くために、写真に所望の模様を付加または重ねることが望まれ る場合がある。これを達成するための一般的な方法を以下に挙げる。

【０００３】 （１）最終的な写真に文字または模様を付加するため、フィルムに後処理を施す 。

【０００４】 （２）デジタル・カメラまたはその他のデジタル化手段を用いるとともにデジタ ル画像処理技法を用いる。

【０００５】 （３）模様が予め印刷されているか、または投影されている背景画面上に、物体 を撮る。

【０００６】 （４）所望の模様が予め印刷されたフィルタをカメラに取り付けて、写真を撮る 場合、光がこのフィルタを通過することにより、予め印刷された模様がフィルム 上に印刷されるようにする。この構成を用いた公知のカメラでは、模様が予め印 刷された多数のフィルタを用意し、フィルムを装填する前に、カメラの内部区画 の中央の矩形のくぼみ領域内に配置することができる。

【０００７】 最初の二つの方法は、後処理を利用するものであり、実施するための費用が高 く、気軽な写真撮影用としては不便であるという欠点がある。第３および第４の 方法は双方とも、所望の結果を得るために純粋な光学的方法を用いる。第３の方 法は、撮影場所に左右され、不便であるという欠点を有する。第４の方法は費用 が高く、使用が簡便であるが、フィルムのロール全体を取り替えることなくフィ ルタを簡便に交換することができないため、フィルムの一つのロール内で模様を 随意に変更することが不可能であるという欠点を有する。

【０００８】 また、第４の方法は、予め印刷された模様が、撮影対象の像の上に重ねられる という欠点を有する。撮影対象の像が非常に煩雑であるか、または暗いと、重ね られる模様は不明瞭になる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、純粋な光学的方法を用いて、写真上に、簡便に模様を重ねるための 手段を提供する。本考案の主な利点は、写真撮影の間いつでも模様を変更可能な ことである。

【００１０】 また、本考案は、撮影対象の像の上に重ねられた模様の明瞭さを改善する手段 を提供する。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案の第１の態様によれば、カメラに適用されるデバイスであって、合焦手 段と使用の際に前記カメラのレンズ・システムに比較的近接して配置された物体 を支持する物体支持手段とを含んでおり、前記合焦手段は、第１領域と第２領域 を有し、前記第２領域の焦点距離は、前記物体支持手段の前記物体からの光を合 焦するために前記第１領域の焦点距離よりも短いカメラ用デバイスが提供される 。

【００１２】 好ましくは、前記第１領域は無限の焦点距離を有する。前記合焦手段は前記第 １領域を提供するアパーチャ又はウィンドウを有する。

【００１３】 好ましくは、前記合焦手段は非球面レンズであり、好ましくは、前記第１領域 が前記合焦手段の中央領域である。

【００１４】 最適には、前記第２領域は比較的短い焦点距離を有し、その焦点距離はほぼ１ ０ｍｍである。

【００１５】 好ましくは、前記物体支持手段は前記合焦手段の第２領域の焦点距離に設けら れ、好ましくは、画像を備えた取り外し可能なプレートの形態をした物体を支持 する。

【００１６】 好ましくは、前記画像は前記合焦手段に対向する前記プレートの表面上に設け られている。

【００１７】 好ましくは、前記プレートは前記合焦手段の前記第１領域に対応するアパーチ ャ又はウィンドウを有する。支持手段はカメラのファインダーに対応する第２の アパーチャ又はウィンドウを有する。

【００１８】 好ましくは、光源が前記物体を照明するために設けられている。

【００１９】 デバイスは、カメラのためのアタッチメント又はアクセサリの形態であっても 良い。そのアタッチメントは前記合焦手段と前記物体支持手段およびカメラへ取 付けるための手段とを含んでいても良い。

【００２０】 本考案の第２の態様によれば、対物レンズと、本考案の第１の態様の機能の何 れかを含むカメラが提供され得る。

【００２１】 そのカメラは、非均一な焦点距離を有するレンズの形態である前記合焦手段と 対物レンズが個別に組み込まれていても良い。あるいは、対物レンズに前記合焦 手段を合体してカメラのレンズシステムとしても良い。

【００２２】

【考案の実施の形態】

以下に、本考案によるカメラの具体的な実施の形態を、添付図面を参照しなが ら、一例としてのみ説明する。

【００２３】 図面を参照すると、第１の実施の形態では、カメラ１にレンズ２およびファイ ンダー４が設けられている。撮影対象の物体からの光は、レンズ２を通過してフ ィルム上に記録される。カメラ１はフラッシュ・ライト６も有する。

【００２４】 ホルダ８は、カメラ１の前方に取り付けるように設けられている。ホルダ８は 、側壁１６、後壁２０、および前壁１８を有する。ホルダ８は、容易な取り付け および取り外しのため、カメラ１の前方にスナップ嵌めされる。ホルダ８の後壁 ２０は、レンズ２の位置に対応する第１のアパーチャ２２を有する。ホルダ８の 後壁２０は、ファインダー４の位置に対応する第２のアパーチャ２４を有する。 ホルダ８は、白いプラスチック材料で形成されている。

【００２５】 ホルダ８の前壁１８は開口２６を有し、この開口２６にプレート１０を位置付 けることができる。開口２６は矩形であり、ホルダ８の後壁２０の第１および第 ２のアパーチャ２２、２４よりもサイズが大きい。プレート１０は、矩形の開口 ２６の対向する側面の溝によって、ホルダ８内に保持することができる。

【００２６】 プレート１０は、白色または明るい色のプラスチック材料で形成されている。 プレート１０は、後壁２０の第１のアパーチャ２２に対応する第１のアパーチャ ２８を有し、これを介して撮影対象の物体からレンズ２に光が通過することがで きる。プレート１０は、ファインダー４および後壁２０の第２のアパーチャ２４ に対応する第２のアパーチャ３０も有する。

【００２７】 プレート１０のアパーチャ２８、３０は、異なる視覚効果のために、様々に異 なる形状とすることができる。

【００２８】 ホルダ８の側壁１６の一方は、カメラ１の前方に設けられたフラッシュ・ライ ト６に隣接している。この側壁１６の内面は黒色であり、ホルダ８内におけるフ ラッシュ・ライト６からの光の拡散を改善する。フラッシュ・ライト６に隣接し た側壁１６にスリットが設けられており、フラッシュ・ライト６からの光がホル ダ８に入来することができる。

【００２９】 後壁２０およびプレート１０の第１のアパーチャ２２、２８と第２のアパーチ ャ２４、３０との間に、追加の壁が設けられている。

【００３０】 オプションの色付きフィルタ１２が、カメラ１のレンズ２の前方に位置するよ うに設けられている。

【００３１】 ホルダ８は、従来技術から公知のような内部フィルタ１４を用いて、カメラ１ と共に使用可能である。フィルタ１４は、写真上に重ねられる画像または模様を 与える。フィルムとレンズ２との間にフィルタ１４が配置されるように、フィル タ１４をカメラ内に位置付け、更にフィルタ１４上にフィルムを配置する。

【００３２】 ホルダ８に白いプレート１０を設けたことにより、プレート１０からの光がレ ンズ２およびフィルタ１４を通過し、フィルタ１４上の画像または模様がプレー ト１０の領域に対応する白い領域上に重ねられて明瞭になる。この実施の形態で は、プレート１０は円形または代替的な形状とすることが可能な中央アパーチャ ２８を有するので、フィルタ１４は撮影対象物体の像の中央部の周囲で明瞭にな る。

【００３３】 フラッシュ・ライト６からの光はプレート１０を照明する。プレート１０およ びホルダ８の材料は光を通過させることができる。フラッシュ・ライト６に隣接 した壁に黒い内面を設けることによって、ホルダ８内の光の拡散が改善される。 フラッシュ・ライト６は、光が不足しているときと同様、昼光においても用いて 、良好な像を得ることができる。

【００３４】 代替的な第２の実施の形態として、カメラ１内部のフィルタ１４なしで上述の ホルダ８を使用することができる。この実施の形態では、プレート１０の内面に 画像を設ける。

【００３５】 本考案の態様のうちの一つの第３実施形態におけるカメラでは、通常のカメラ の対物レンズの前方に特別レンズを配置し、これを撮影対象の物体と対物レンズ との間に位置づけるようにする。焦点距離は特別レンズ全体にわたって均一では なく、レンズの中央領域で無限又は比較的長く、「非中央」領域では比較的短い （このレンズは実際、非球面レンズである）。あるいは、特別レンズの中央に孔 を設けて、特別レンズの中央部において光が対物レンズを直接通過できるように する。

【００３６】 光がこの中央領域を通過する場合、カメラの対物レンズに到達する前に光は全 く偏向されないので、撮影対象の物体に対するカメラの焦点距離が特別レンズの 存在によって変化することはない。

【００３７】 一方、光が特別レンズの「非中央」領域を通過する場合、対物レンズ上に光を 合焦し、特別レンズの「非中央」領域および対物レンズの合焦作用の組み合わせ によって、近接した物体をカメラ・フィルム上に合焦可能とする。この実施形態 では、これらの近接した物体は、フィルム上に重ねることが所望とされる模様で ある。約１０ｍｍという近距離での合焦を達成することができる。通常のカメラ では、物体は、一般に、対物レンズから少なくとも１ｍ離間することが必要であ る。

【００３８】 この特定の実施形態では、カメラの前方に着脱自在に固定することができるホ ルダが設けられている。ホルダはスロットを有し、このスロット内に、取り替え 可能な薄いプラスチック・プレートを挿入することができる。プラスチック・プ レートは、対物レンズおよびファインダーにそれぞれ対応する二つの孔を有する 。撮影対象の物体は下側の孔を介して捕獲される。孔はいずれかの所望の形状と することができる。第１および第２の実施の形態において先に論じたようなホル ダを用いることができる。

【００３９】 特別レンズは、プレートと対物レンズとの間の位置に配置し、例えば、ホルダ の後壁の内面に沿って着脱自在に取り付けるか、または永久に固定しても良い。 特別レンズの「中央」領域はプレートの下側の孔に対応する。重ねられる模様は 、プレートの背面に予め印刷されているか、または顧客が描写または（文字で） 書くことができる。

【００４０】 カメラに小型のフラッシュバルブが取り付けられており、物体の写真を撮る場 合、フラッシュバルブのフラッシュによって光がホルダ内に入来し、特別レンズ の「非中央」領域に、次いで対物レンズに模様を反射する。

【００４１】 このため、図５に示すような写真が撮影される。この写真では、物体を囲んで いる模様は、プレートの背面に印刷された模様である。

【００４２】 優れた品質の結果を達成するためには、ホルダを白い色のプラスチック材料（ プレートと同様）で形成し、模様が白い背景上に重ねられることを保証する。ま た、これによって、フラッシュの光を通過可能としなければならない。プレート 全体にわたって均一な明るさを得るためには、フラッシュバルブに近い方のホル ダの側壁に黒いフィルタを取り付けて、この側の明るさを低減する。

【００４３】 また、ホルダは、特別レンズへの均一な光の分配を生成する目的にも供する。

【００４４】 光の多重屈折を可能にするダイヤモンドの形状の波形機構を有することによっ て、ホルダ内部の光の拡散を更に改善することができると考えられる。

【００４５】 別の第４の実施形態では、特別レンズを対物レンズに組み込むので、レンズは 一つしか必要でない。しかしながら、２レンズ方式は、特別レンズおよび／また はホルダを取り外すことによって、カメラが通常のカメラとして容易に作動し、 効果を付加しない「普通の」写真を撮ることができるという利点を有する。

【００４６】 本考案の範囲から逸脱することなく、前述のものに変更および改良を行うこと ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の態様によるカメラの分解斜視図
である。

【図２】本考案による、ホルダを有するカメラの斜視図
である。

【図３】従来技術によるカメラの光経路を図で表す。

【図４】本考案によるカメラの光経路を図で表す。

【図５】本考案によるカメラおよび方法を用いた、撮影
された像の一例である。

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【手続補正書】

【提出日】平成１１年６月２５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ラウ ミン トゥン ホンコン、チェイ ワン、18 カ ジップ ストリート、エム．ピー． インダスト リアル センター、ブロック エー、13 フロアー、ユニット 11

Claims (18)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラに適用されるデバイスであって、
   当該デバイスは合焦手段と使用の際に前記カメラのレン
   ズ・システムに比較的近接して配置された物体を支持す
   る物体支持手段とを有し、前記合焦手段は第１領域と第
   ２領域を有し、前記第２領域の焦点距離は前記物体支持
   手段の物体からの光を合焦するために前記第１領域の焦
   点距離よりも短いことを特徴とするカメラ用デバイス。
2. 【請求項２】 前記第１領域が無限の焦点距離を有する
   ことを特徴とする請求項１に記載のカメラ用デバイス。
3. 【請求項３】 前記合焦手段は前記第１領域を提供する
   アパーチャ又はウィンドウを有することを特徴とする請
   求項１に記載のカメラ用デバイス。
4. 【請求項４】 前記合焦手段が非球面レンズであること
   を特徴とする請求項１に記載のカメラ用デバイス。
5. 【請求項５】 前記第１領域が前記合焦手段の中央領域
   であることを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに
   記載のカメラ用デバイス。
6. 【請求項６】 比較的短い焦点距離を有する前記第２領
   域が略１０ｍｍの焦点距離を有することを特徴とする請
   求項１ないし５のいずれかに記載のカメラ用デバイス。
7. 【請求項７】 前記物体支持手段が画像を備えた取り外
   し可能なプレートの形態をした物体を支持することを特
   徴とする前述の請求項のいずれかに記載のカメラ用デバ
   イス。
8. 【請求項８】 前記画像が前記合焦手段に対向する前記
   プレートの表面上に設けられていることを特徴とする請
   求項７に記載のカメラ用デバイス。
9. 【請求項９】 前記プレートが薄いプラスチック材料の
   シートの形態であることを特徴とする請求項７または請
   求項８のいずれかに記載のカメラ用デバイス。
10. 【請求項１０】 前記プレートが白いことを特徴とする
    請求項７ないし９のいずれかに記載のカメラ用デバイ
    ス。
11. 【請求項１１】 前記プレートが前記合焦手段の前記第
    １領域に対応するアパーチャ又はウィンドウを有するこ
    とを特徴とする請求項７ないし１０のいずれかに記載の
    カメラ用デバイス。
12. 【請求項１２】 前記プレートがカメラのファインダー
    に対応する第２のアパーチャ又はウィンドウを有するこ
    とを特徴とする請求項１１に記載のカメラ用デバイス。
13. 【請求項１３】 前記物体を照明するために光源が設け
    られていることを特徴とする前述の請求項のいずれかに
    記載のカメラ用デバイス。
14. 【請求項１４】 カメラへのアタッチメントの形態であ
    ることを特徴とする前述の請求項のいずれかに記載のカ
    メラ用デバイス。
15. 【請求項１５】 前記アタッチメントが前記合焦手段と
    前記物体支持手段およびカメラへの取付手段とを含むこ
    とを特徴とする請求項１４に記載のカメラ用デバイス。
16. 【請求項１６】 前述の請求項のいずれかに記載のカメ
    ラ用デバイスと対物レンズとを有するカメラ。
17. 【請求項１７】 非均一な焦点距離を有するレンズの形
    態である前記合焦手段と対物レンズの２つのレンズ要素
    を有することを特徴とする請求項１６に記載のカメラ。
18. 【請求項１８】 前記合焦手段と対物レンズが合体した
    １つのレンズ要素を有することを特徴とする請求項１６
    に記載のカメラ。