JP2004045489A - 感光性樹脂転写材料を用いた金属酸化物構造体の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂転写材料を用いた金属酸化物構造体の製造方法 Download PDF

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河野 哲夫
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Abstract

【課題】感光性樹脂転写材料を用いて、基板表面に金属酸化物多孔体を所定の位置に規則的に配置した金属酸化物構造体を形成するための簡易な製造方法を提供することである。
【解決手段】基板表面に少なくとも金属酸化物多孔体を配置した金属酸化物構造体の製造方法であって、金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物を感光性樹脂層として有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層と基板とを少なくとも加熱しながら密着させた後剥離することにより、前記感光性樹脂層を基板表面に形成する転写工程と、該感光性樹脂層をパターン形成するパターニング工程と、前記パターン形成された感光性樹脂層を焼成する焼成工程と、からなる金属酸化物構造体の製造方法である。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属酸化物構造体の製造方法に関する。より詳細には、金属酸化物多孔体を所定の位置に規則的に配置した金属酸化物構造体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細孔を有する金属酸化物多孔体は、表面積が大きく、吸着能力も大きいことから、精密フィルター、触媒等に応用されているが、上記金属酸化物多孔体を、例えば基板表面に複数規則的に一定間隔に配置した金属酸化物構造体とすることができれば、センサーや半導体電極、さらには電子材料や電子機器などの精密加工分野等への応用が期待される。
【0003】
従来、上記金属酸化物多孔体を製造する方法として、1)金属酸化物粉末を焼結する方法、2)二成分系ガラスの分相を利用し、特定成分を選択的に溶解除去し、それ以外の酸化物成分を残す方法、等が知られている。
【0004】
しかしながら、従来の方法は利用できる金属酸化物の種類も限定されており、一般に高価な装置と多大な労力を必要とする。さらに従来方法では、細孔径が数ミクロン以上で不均一な細孔径を有しており、平行した独立孔を得ることは困難であった。
【0005】
これに対し、特開平6−32675号公報では、アルミニウム陽極酸化皮膜の微細孔等を鋳型にした金属酸化物多孔体の製造方法が提案されているが、この方法では、細孔径及び細孔間隔の変動が小さい金属酸化物多孔体を得ることができるものの、簡便に前記複数の金属酸化物多孔体を規則的に配置した金属酸化物構造体等とすることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち本発明は、感光性樹脂転写材料を用いて、基板表面に金属酸化物多孔体を所定の位置に規則的に配置した金属酸化物構造体を形成するための簡易な製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 基板表面に少なくとも金属酸化物多孔体を配置した金属酸化物構造体の製造方法であって、
金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物を感光性樹脂層として有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層と基板とを少なくとも加熱しながら密着させた後剥離することにより、前記感光性樹脂層を基板表面に形成する転写工程と、該感光性樹脂層をパターン形成するパターニング工程と、前記パターン形成された感光性樹脂層を焼成する焼成工程と、からなることを特徴とする金属酸化物構造体の製造方法である。
【0008】
<2> 前記金属酸化物前駆体が、酸化チタンゾル、シリカゾル及びアルミナゾルのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする<1>に記載の金属酸化物構造体の製造方法である。
【0009】
<3> 前記光重合型の感光性樹脂組成物が、少なくとも光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダーを含むことを特徴とする<1>または<2>に記載の金属酸化物構造体の製造方法である。
【0010】
<4> 前記焼成工程が、300〜800℃の範囲の温度で行われることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法である。
【0011】
<5> 前記感光性転写材料が、支持体表面に熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層を、この順に積層してなることを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、基板表面に少なくとも金属酸化物多孔体を配置した金属酸化物構造体の製造方法であって、金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物を感光性樹脂層として有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層と基板とを少なくとも加熱しながら密着させた後剥離することにより、前記感光性樹脂層を基板表面に形成する転写工程と、該感光性樹脂層をパターン形成するパターニング工程と、前記パターン形成された感光性樹脂層を焼成する焼成工程と、からなることを特徴とする。
【0013】
なお、本発明において、「金属酸化物多孔体」とは、少なくともその一部が多孔質な構造を有する金属酸化物を意味し、その空隙率は特に限定されないが、20〜60%の範囲であることが好ましく、26〜48%の範囲であることがより好ましい。また、前記多孔質な構造とは、その構造が少なくとも空隙を有する形態からなる構造であれば特に限定されないが、例えば繊維状、ハニカム形状のような2次元構造が積層したもの、3次元の網目状、あるいは、2種類以上の形態が混合したもの等が挙げられる。
【0014】
また、「金属酸化物構造体」とは、回路、セル、電極、画素、センサー、案内溝等、何らかの機能・役割の達成を目的として、基板表面に金属酸化物多孔体が規則的に配置された構造体、あるいは基板そのものを除去して残った構造体を意味する。また、上記構造体を基板表面に2層以上積層させることにより形成された立体的な構造を有する構造体であってもよい。
また、形成された構造体の構造そのものが多孔質なものであってもよい。
【0015】
以下、本発明を各工程ごとに説明する
<転写工程>
本発明における転写工程は、金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物(以下、単に「感光性樹脂組成物」と略す場合がある。)を感光性樹脂層として有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層と基板とを少なくとも加熱しながら密着させた後剥離することにより、前記感光性樹脂層を基板表面に形成するものである。
【0016】
(感光性転写材料)
前記感光性転写材料は、金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物を感光性樹脂層として有するものであれば、特にその構成は限定されるものではないが、本発明においては、前記感光性転写材料は、支持体表面に熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層を、この順に積層してなる構成であることが好ましい。
【0017】
−支持体−
本発明において、支持体とはプラスチックフィルムであって、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンのフィルムを挙げることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、特に2軸延伸、熱固定されたポリエチレンテレフタレートフィルムが、安定性、強靭さなどの点からも特に好ましい。
【0018】
上記支持体の厚さに特に制限はないが、5〜200μmの範囲が一般的で、特に10〜150μmの範囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利であり好ましい。
【0019】
−熱可塑性樹脂層−
本発明における熱可塑性樹脂層は、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層であって、この層を構成する樹脂は、実質的な軟化点が80℃以下であることが好ましい。軟化点が80℃以下のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂としては、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのケン化物、(メタ)アクリル酸とエチレン不飽和基含有モノマーとの共重合体から少なくとも1つ選ばれるのが好ましいが、さらに「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子のうちアルカリ水溶液に可溶なものを使用することができる。
【0020】
また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、その有機高分子物質中に該高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。さらに、これらの有機高分子物質中に支持体との接着力を調節するために、実質的な軟化点が80℃を越えない範囲で各種のポリマーや過冷却物質、密着改良剤あるいは界面活性剤、離型剤、等を加えることが可能である。
【0021】
特に、特開平7−28232号公報に記載の、(A)質量平均分子量が5万〜50万、かつTg(ガラス転移温度)が0〜140℃のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂、及び(B)質量平均分子量が3千〜3万、かつTgが30〜170℃のアルカリ可溶な熱可塑性樹脂を、質量比で(A)/(B)=5/95〜95/5の範囲で含む組み合わせが好適である。(A)の特に好ましい例としては、メタクリル酸/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体(共重合組成モル比:5/10/30/55、質量平均分子量:10万、Tg:約70℃)である。(B)の特に好ましい例としては、スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成モル比:65/35、質量平均分子量:1万、Tg:約100℃)である。また質量比(A)/(B)の特に好ましい範囲は30/70〜60/40である。
【0022】
前記可塑剤の好ましい具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂とポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、有機ジイソシアナートとポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの付加反応生成物、ビスフェノールA−ポリエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0023】
上記可塑剤の量は、前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂(A)及び(B)の合計量に対して、質量比で0〜200質量%の範囲であることが好ましく、20〜100質量%の範囲であることがより好ましい。また、前記可塑剤の中で特に好ましい例としては、ビスフェノールA、1モルに対しエチレンオキシドを合計で10モル付加し、両末端アルコールをメタクリルエステル化した化合物を挙げることができる。前記可塑剤の添加量は、(A)と(B)との合計の質量に対し30〜60質量%の範囲であることが好ましい。
【0024】
前記アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層は、上記の各成分を溶剤に均一に溶解した塗布液を、前記支持体表面に塗布、乾燥することにより得られる。好ましい溶剤の例は、メトキシプロピレングリコールアセテート、2−ヒドロキシプロピン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのような高沸点溶剤と、メチルエチルケトンやアセトンのような低沸点溶剤との混合物である。なお、上記高沸点溶剤、低沸点溶剤は各々混合して用いてもよい。これらの高沸点溶剤と低沸点溶剤との質量組成比(低沸点溶剤の質量/高沸点溶剤の質量)は、1/99〜99/1の範囲から選ばれる。1/99未満では塗布乾燥速度が遅く、99/1を越えると、乾燥ムラが発生しやすい場合がある。好ましくは低沸点溶剤/高沸点溶剤の質量組成比が90/10〜10/90の範囲から選ばれ、80/20〜20/80の範囲であることが最も好ましい。
【0025】
アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層の厚さは、1μm以上であることが好ましい。アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層の厚みが1μm未満であると0.5μm以上の下地の凹凸を完全に吸収することが困難となる場合がある。また上限については、塗布製造適性の制限から約100μm以下であることが一般的であり、約50μm以下であることが好ましく、約20μm以下であることが特に好ましい。
【0026】
−中間層−
本発明における中間層は、熱可塑性樹脂層と感光性樹脂層との間の不都合な混じり合い防止を目的に設けられる。上記中間層は、水またはアルカリ水溶液に分散または溶解し、前記熱可塑性樹脂塗布液中の有機溶剤に不溶もしくは難溶であればよく、公知のものが使用できる。例えば、特開昭46−2121号公報や特公昭56−40824号公報に記載のポリビニルエーテル−無水マレイン酸重合体、カルボキシアルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシアルキル澱粉の塩、水塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、各種のポリアクリルアミド類、各種の水溶性ポリアミド、ポリアクリル酸の水溶性塩、ゼラチン、エチレンオキサイド重合体、各種の澱粉およびその類似物からなる群の水溶性塩、スチレン−マレイン酸の共重合体、及びマレイネート樹脂、さらにこれらの2種以上の組合わせを挙げることができる。
【0027】
上記の中では、特に、1)水溶性ポリビニルブチラール単独や、2)ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンの組み合わせが好ましい。ポリビニルアルコールは鹸化率が80モル%以上であるものが好ましく、ポリビニルピロリドンの含有率は中間層固形物の1〜75質量%の範囲であることが一般的であり、1〜60質量%の範囲であることが好ましく、10〜50質量%の範囲であることがより好ましい。1質量%未満では、感光性樹脂層との充分な接着性が得られない場合があり、75質量%を超えると、感光性樹脂層塗布液に対する耐溶剤性が劣化する場合がある。当該中間層の厚さは、約0.1μm〜5μmの範囲であることが好ましく、0.5μm〜2μmの範囲であることがより好ましい。約0.1μm未満では感光性樹脂層塗布液に対する耐溶剤性が不足する場合があり、約5μmを越えると、乾燥負荷が高くなり塗布速度が制限される場合がある。
【0028】
前記中間層を形成するための塗布液の溶媒は、水単独か、水と混和性の有機溶剤と水との混合物から選ばれる。下層のアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層との接着性を高めるために、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を若干膨潤させるように選択するのが好ましい。好ましい溶媒の例としては、水/メタノール、水/エタノール、水/プロパノール、水/メトキシエタノール、水/メトキシプロパノール、水/アセトンなどを挙げることができる。水とこれらの有機溶剤との組成比は質量比で、99/1〜50/50の範囲から選択できる。当該溶剤組成質量比が99/1を越えると有機溶剤の添加効果が得られない場合があり、50/50以下では、水溶性樹脂の十分な溶解性が得られない場合がある。上記溶剤組成質量比は95/5〜60/40の範囲であることが好ましく、90/10〜70/30の範囲であることがより好ましい。
【0029】
−感光性樹脂層−
本発明における感光性樹脂層は、金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物からなる。
上記金属酸化物としては公知の金属酸化物であれば特に限定されず、2種類以上の金属酸化物であってもよく、結晶性を有するものや非晶質なものであってもよいが、本発明に用いられる金属酸化物前駆体は、少なくとも酸化チタン、シリカ、アルミナのうちの少なくとも1つを含んでなることが好ましい。
【0030】
前記金属酸化物前駆体は、その材料としては、金属酸化物、あるいは、後述する焼成工程を経た後に金属酸化物となるものであれば特に限定されない。また、その構造としては、多孔質な構造を有するものであってもよく、焼成工程を経た後に多孔質な構造を形成するものであってもよい。但し、焼成工程を経た後に多孔質な構造を形成する場合は、金属酸化物前駆体自体が多孔質な構造を形成するものであってもよく、また、金属酸化物前駆体自体は多孔質な構造を形成しないものの、これらが適度な空隙を有しつつ凝集・結着することにより多孔質な構造を形成するものでもよく、さらに前者及び後者を組合せたものであってもよい。
【0031】
このような金属酸化物前駆体としては、例えば、酸化チタンゾル、シリカゾル、アルミナゾル等の金属酸化物ゾル、金属水酸化物、金属アルコキシドや金属微粒子の表面を樹脂で被覆処理したような有機無機複合材料、あるいは、これらを2種以上組合せたものを用いることができる。これらのうちでも、金属酸化物前駆体としては、ゾル状の金属酸化物が好ましく、酸化チタンゾル、シリカゾル、アルミナゾルのうちの少なくとも1つを含む金属酸化物ゾルがであることがより好ましい。なお、当該金属酸化物ゾルの分散媒としては、水もしくは親水性の溶媒であってもよく、有機溶媒であってもよい。
【0032】
前記金属酸化物前駆体の大きさは、金属アルコキシドのような分子状の大きさであってもよく、ゾル状の金属酸化物のようにある程度の大きさを有するものであってもよい。但し、後者の場合には、その形状は特に限定されず、粒子状、繊維状、ウィスカー状等の如何なる形態であってもよい。
【0033】
前記感光性樹脂組成物中の金属酸化物前駆体の含有量は、5〜80質量%の範囲であることが好ましく、10〜70質量%の範囲であることがより好ましい。80質量%よりも大きいと、後述するパターニング工程においてパターン形成することが困難になる場合があり、5質量%よりも小さいと、十分な強度を有する金属酸化物多孔体からなる金属酸化物構造体を形成することが困難になる場合がある。
【0034】
本発明に用いる光重合の感光性樹脂組成物としては、光の照射により、光照射領域の樹脂組成物が重合することにより、現像液に対して不溶性となる性質を持つ樹脂組成物(以下、「ネガ型感光性樹脂組成物」と略す。)であれば、その重合プロセスやメカニズムは特に限定されず、公知のものを用いることができる。また、少なくとも、前記金属酸化物前駆体含有してなる感光性樹脂層は、少なくとも150℃以下で軟化もしくは粘着性になることが好ましく、熱可塑性であることが好ましい。但し、本発明において、「重合」とは、2以上の分子が重合すること以外にも、2つの分子や分子鎖同士を架橋することも意味する。
なお、感光性樹脂層が、金属酸化物前駆体を含有する感光性樹脂組成物のみからなる場合において、上記のような特性が得られにくい場合には、前記感光性樹脂層中に熱可塑性結合剤、及び/または、可塑剤を添加してもよい。
【0035】
前記ネガ型感光性樹脂組成物としては、公知の光重合性組成物からなる感光性樹脂組成物を使用できる。具体的には、ネガ型ジアゾ樹脂とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、光重合性組成物からなる感光性樹脂組成物、アジド化合物とバインダーとからなる感光性樹脂組成物、桂皮酸型感光性樹脂組成物等が挙げられる。その中でも特に好ましいのは光重合性組成物からなるネガ型感光性樹脂組成物である。この光重合性(光重合型)組成物からなるネガ型感光性樹脂組成物は、少なくとも光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダーを基本構成要素として含むものであることが好ましい。
【0036】
また、上記感光性樹脂組成物としてはアルカリ水溶液により現像可能なものと、有機溶剤により現像可能なものと、が知られているが、公害防止、労働安全性の確保の観点からアルカリ水溶液現像可能なものが好ましい。
【0037】
さらに、前記感光性樹脂層には、種々の目的で、各種の添加剤を含有させることができる。添加剤の例としては、界面活性剤、密着促進剤、可塑剤等が挙げられる。界面活性剤は、塗布性、得られる塗膜の平滑性を向上させるために用いることができ、その具体例としては、例えばBM−1000(BM Chemie社製)、メガファックスF142D、同F172、同F173、同F183、同F176PF、同F177PF(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、フロラードFC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、旭硝子(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(以上、東レシリコーン(株)製)の商品名で市販されているフッ素系またはシリコン系界面活性剤を使用することができる。
【0038】
上記界面活性剤の使用量は、全固形分の0.05〜10質量%であり、0.05質量%以下では有効でなく、10質量%を越えるとレジストパターンの密着性が劣化するので好ましくない。0.08〜5質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲であることが特に好ましい。
なお、前記感光性樹脂層の厚みは、1.0〜10μmの範囲であることが好ましい。
【0039】
また、前記感光性樹脂組成物中には、必要に応じて着色剤を添加することもできる。当該着色剤としては、硫酸バリウム、酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラック、フタロシアニン等の顔料、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン等の染料などを用いることができる。
【0040】
−感光性転写材料−
本発明に用いられる感光性転写材料は、好ましくは帯電防止層と接着性表面を有する支持体の接着性表面にアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層溶液を塗布し、乾燥することによりアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を設け、その後該熱可塑性樹脂層表面に該熱可塑性樹脂層を溶解しないが、ある程度膨潤させる溶媒からなる中間層の溶液を塗布、乾燥し中間層を設ける。その中間層の表面に、さらに感光性樹脂層を、中間層を溶解しない溶剤で塗布、乾燥して設ける。その後、必要により保護フィルムを感光性樹脂層表面にラミネートして完成する。
【0041】
本発明に係る各層用塗布液は、一般によく知られた塗布方法、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、あるいは、米国特許第2681294号明細書に記載のポッパーを使用するエクストルージョンコート法等により塗布することができる。
【0042】
または、別のフィルム表面に感光性樹脂層を設けて、前記の支持体表面にアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層及び中間層を有するフィルムの両方のフィルムを中間層と感光性樹脂層とが接するように相互に貼り合わせること、または、別のフィルムとして、アルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を有する支持体を用意し、このアルカリ可溶性の熱可塑性樹脂層を、フィルム表面に感光性樹脂層、中間層の順に塗布された第2のフィルムの中間層と貼り合わせることにより有利に製造される。
【0043】
(基板)
基板としては、前記感光性樹脂層の形成が可能なものであれば特に限定されないが、少なくとも300℃以上の耐熱性を有し、塗布液として用いる溶媒に対して化学的に安定であり、露光処理に用いる光(紫外光)に対して変質しない材料からなる基板を用いることが好ましい。このような基板としては、例えば、無アルカリガラスや石英等のガラス材料、アルミナ等のセラミックス材料、シリコンやガリウム砒素等の半導体材料、ステンレスや銅等の金属材料、あるいは、これらの複合材料を用いることができる。
【0044】
(転写)
次に、前記感光性転写材料を用いた本発明における転写工程の一例(熱ラミネーション)を説明する。
先行パターンや薄膜を有する基体表面を洗浄後、感光性転写材料から必要に応じて保護フィルムを除去し、ラミネータにより感光性樹脂層をヒートローラーを用いて、基板表面に加熱加圧下で積層転写する。転写時のヒートローラーの温度は50〜150℃の範囲、圧着時の線圧は5kg/cm〜25kg/cmの範囲が有利な条件である。ラミネーションの速度は搬送速度で0.2m/分〜4m/分の範囲であることが好ましい。特に好ましい条件としては、加熱圧着ロール温度が130℃〜140℃の範囲、圧着時の線圧が10kg/cm〜15kg/cmの範囲、搬送速度が1m/分〜3m/分の範囲である。その後、基板のサイズに合わせてロールフィルムをカットする。
【0045】
<パターニング工程>
本発明におけるパターニング工程は、前記転写工程で基板表面に形成された感光性樹脂層をパターン形成するものであり、具体的には、前記感光性樹脂層の表面に所望のパターンが形成できるように、少なくとも、前記パターンに対応する領域に光を照射する露光処理と、該露光処理の後に現像液により非光照射領域を溶解させてエッチング処理する現像処理と、を経ることによりパターン形成された感光性樹脂組成物層を得るものである。
【0046】
−露光処理−
露光処理に用いる露光方式としては、半導体の微細パターンの形成に用いられる公知の露光方式を用いることができ、所望するパターニング精度やパターニングコストに応じて適当な方式を選択できる。このような露光方式としては、例えば、所望のパターンが形成されたフォトマスクと、基板表面に形成された感光性樹脂組成物層を密着(近接)させた状態で露光するコンタクト(プロキシミティ)露光方式、2枚の反射鏡を用いた等倍投影露光方式、いわゆるステッパといわれる縮小投影露光機を用いた縮小投影露光方式等を用いることができる。従って、パターニング精度の優れた露光方式を用いてパターン形成を行った場合には、サブミクロンスケールの精緻なパターンを有する金属酸化物多孔体からなる金属酸化物構造体を形成することも可能である。
【0047】
ここで使用する光としては、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)及び超高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、アルゴンレーザー等の公知の光源からの連続状、及び/または、輝線状の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線が挙げられ、これらの中では、g線、i線及びこれらを含む300nm〜440nm領域の紫外線が好ましいものとして挙げられる。特開平6−59119号公報に記載のように、400nm以上の波長の光透過率が2%以下である光学フィルター等を併用してもよい。
【0048】
−現像処理−
現像処理は、熱可塑性樹脂層と中間層を除去するための第1のアルカリ現像と、感光性樹脂層の未露光部を除去するための第2のアルカリ現像からなることが望ましい。
第1のアルカリ現像は、26〜40℃でpH9〜11の弱アルカリ現像液を用いて現像し、第2のアルカリ現像は、26〜40℃でpH9〜11の弱アルカリ現像液を用いて現像することができる。
【0049】
前記感光性樹脂層の現像液としては、例えばアルカリ性物質の希薄水溶液を使用するが、さらに、水と混和性の有機溶剤を少量添加したものを用いてもよい。適当なアルカリ性物質としては、アルカリ金属水酸化物類(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、アルカリ金属炭酸塩類(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)、アルカリ金属重炭酸塩類(例、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム)、アルカリ金属ケイ酸塩類(例、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム)、アルカリ金属メタケイ酸塩類(例、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム)、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、テトラアルキルアンモンニウムヒドロキシド類(例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナンまたは燐酸三ナトリウムを挙げることができる。
【0050】
上記の水と混和性のある適当な有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドンを挙げることができる。水と混和性の有機溶剤の濃度は、0.1質量%〜30質量%が一般的である。現像液には、さらに公知のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。現像液は、浴液としても、あるいは噴霧液としても用いることができる。さらに、現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、スプレイ法等を利用することができる。
【0051】
<焼成工程>
焼成工程は、前記パターニング工程で基板表面にパターン形成された感光性樹脂層を焼成する工程であり、具体的には、感光性樹脂層に含まれる有機物を酸化分解、及び/または、熱分解することにより除去し、金属酸化物前駆体から金属酸化物構造体を形成する工程である。
【0052】
なお、金属酸化物前駆体が、前記のように金属酸化物以外の材料、及び/または、多孔質な構造を有さないものである場合には、上記焼成により、金属酸化物多孔体を形成する。
【0053】
上記焼成工程の温度は特に限定されないが、有機物を含まない金属酸化物多孔体からなる金属酸化物構造体を得るために、300〜800℃の範囲で行われることが好ましい。
温度が300℃に満たないと、有機物を十分に除去することができなかったり、金属酸化物以外の材料からなる金属酸化物前駆体が、分解や酸化等により十分に金属酸化物に変化することができない場合がある。温度が800℃を超えると、金属酸化物前駆体同士の凝集や結着が進行し過ぎて、多孔質な構造が失われてしまったり、基板が熱により劣化したり変形したりする場合がある。また、焼成に際しては、焼成温度や焼成時間をコントロールすることにより、所望する空隙率や、多孔体構造が得られるように調整することも可能である。
【0054】
但し、焼成することにより金属酸化物多孔体からなる金属酸化物構造体を形成した後に、この金属酸化物構造体の所望の領域に、他の物質を含浸等により担持させたり、担持させた後に、さらに高温で焼成することにより、緻密な金属酸化物中に他の物質が閉じ込められた金属酸化物構造体としてもよい。
【0055】
焼成雰囲気は、特に限定されず、通常の雰囲気下で実施してもよいが、シリコンや金属等の酸化されやすい基板を用いる場合には還元性の雰囲気下で焼成してもよく、また、金属酸化物前駆体が金属酸化物以外の材料からなる場合には、酸化を促すために、酸化性の雰囲気下で焼成してもよい。
【0056】
以上に説明したように、塗布工程、パターニング工程および焼成工程を得ることにより金属酸化物構造体が形成されるが、該金属酸化物構造体が2層以上の構造体からなる立体的なものである場合には、1層毎に塗布工程、パターニング工程および焼成工程を繰り返して積層することにより金属酸化物構造体を形成してもよく、あるいは、1層毎に、塗布工程およびパターニング工程を繰り返して積層した後に、焼成工程を経ることにより金属酸化物構造体を形成してもよい。また、各層の金属酸化物多孔体の材料及び多孔質な構造は同じてあってもよく、異なっていてもよい。
【0057】
<金属酸化物構造体の形成>
本発明の金属酸化物多孔体からなる金属酸化物構造体の製造方法の実施形態として、フォトマスクを用いたプロキシミティ露光によりネガ型のパターン形成を行う場合を例として、以下に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0058】
図1は、本発明の金属酸化物構造体の製造方法の一例を示す模式断面図であり、フォトマスクを用いたプロキシミティ露光によりネガ型のパターン形成を行う場合について示している。図1(a)は、露光処理を説明する模式断面図であり、図1(b)は、現像処理後にパターンが形成されたことを説明する模式断面図であり、図1(c)は、焼成工程後に金属酸化物多孔体が規則的に配置された金属酸化物構造体が形成されたことを説明する模式断面図である。
【0059】
図1(a)において、基板1表面には、感光性樹脂層20が形成されている。当該感光性樹脂層20は、光重合開始剤を含む光重合性モノマー22中に、粒子状の金属酸化物前駆体21とバインダー23とが分散・含有してなるものである。また、感光性樹脂層20表面には、フォトマスク10が、ブラックマスク12が形成された面を下にして、感光性樹脂層20上に近接するように設置されている。フォトマスク10は、基板10の厚み方向及び感光性樹脂層20の膜厚方向に対して垂直に入射する、図示しないの平行光源から照射された矢印hνで表される露光用の光を透過するガラス基板11と、露光用の光hνを完全に遮蔽するブラックマスク12からなるものであり、ブラックマスク12は、所望するパターンに応じてガラス基板11表面に形成されている。
【0060】
露光処理は、図1(a)に示すように、フォトマスク10を介して、露光用の光hνを感光性樹脂層20に照射されることにより実施される。この際、露光用の光hνが照射された部分の感光性樹脂層20の光重合性モノマー22が重合する。
露光処理後、フォトマスク10は、感光性樹脂層20表面から取り除かれ、露光処理された感光性樹脂層20を現像液を用いてエッチング処理することにより、ブラックマスク12直下の感光性樹脂層20が除去されることにより、図1(b)に示すようなパターンが得られる。
【0061】
図1(b)において、符号40、41及び42は、露光及び現像処理により形成された粒子状の金属酸化物前駆体を含む樹脂層であり、図1(b)に示す粒子状の金属酸化物前駆体を含む樹脂層40、41及び42からなるパターンはフォトマスク10表面のブラックマスク12で覆われていない領域のパターンに対応するものである。なお、粒子状の金属酸化物前駆体を含む樹脂層40、41及び42は、粒子状の金属酸化物前駆体21、光重合性モノマーの重合体22’及びバインダー23からなるものである。
【0062】
これら粒子状の金属酸化物前駆体を含む樹脂層40、41及び42を焼成することにより、図1(b)に示すようなパターン形状を保ったまま、図1(c)に示す基板10表面に金属酸化物多孔体50、51及び52が規則的に配置された金属酸化物構造体53が形成される。
【0063】
以上のようにして、本発明により製造される、基板表面に規則的に配置された金属酸化物構造体は、例えば、フィルター、センサー、電極、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)の隔壁等への利用が期待できる。なお、上記フィルターに関しては、本発明により基板表面に金属酸化物構造体を形成した後に、基板のみを溶解して得ることができる。
【0064】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
(感光性転写材料の作製)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、下記組成の塗布液を塗布、乾燥して、乾燥膜厚が20μmの熱可塑性樹脂層を形成した。
【0065】
−熱可塑性樹脂層塗液組成−
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比:55/28.8/11.7/4.5、質量平均分子量:90000):15質量部
・ポリプロピレングリコールジアクリレート(平均分子量:822):6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート:1.5質量部
・p−トルエンスルホンアミド:0.5質量部
・ベンゾフェノン:1.0質量部
・メチルエチルケトン:30質量部
【0066】
上記の熱可塑性樹脂層の表面に、下記組成の塗布液を塗布、乾燥して乾燥膜厚が1.6μmの中間層を形成した。
【0067】
−中間層用塗液組成−
・ポリビニルアルコール(クラレ(株)社製、PVA205、けん化率:80%):130質量部
・ポリビニルピロリドン(GAFコーポレション社製 PVP K−90):60質量部
・フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)社製、サーフロンS−131):10質量部
・蒸留水:3350質量部
【0068】
上記の中間層の表面に下記組成物の塗布液を塗布、乾燥して乾燥膜厚が5μmの感光性樹脂層を形成し、感光性転写材料を作製した。
【0069】
−感光性樹脂層塗液組成−
・メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体(モル比:28/72、質量平均分子量:30000):17.82質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート:10.53質量部
・界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製、F177P):0.05質量部
・光重合開始剤(2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔4−(N.N−ジエトキシカルボメチル)−3−ブロモフェニル〕−s−トリアジン):0.53質量部
・メチルエチルケトン:108.24質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:41.25質量部
・シリカゾル(平均粒径0.2μmのシリカ成分を30質量%含むメチルイソブチルケトン分散物):89.10質量部
【0070】
(感光性樹脂層の転写)
上記の方法で得られた感光性転写材料から前記感光性樹脂層を、ガラス基板(幅10cm、長さ10cm、厚み1.1mm)の表面に、ファーストラミネーター(大成ラミネーター(株)社製、VP−200)を用いて130℃、ラミネーション速度0.2m/min、線圧10kg/cmの条件で転写して、感光性樹脂層が転写されたガラス基板を得た。
【0071】
(パターニング、焼成)
次に、上記感光性樹脂層を形成したガラス基板をクリーンオーブン中にて70℃で30分間プリベーク後、ストライプ状のパターンを有するフォトマスク(線幅15μm、ピッチ45μm間隔)を用いて露光(露光量:100mJ/cm )した。露光処理後、熱可塑性樹脂層と中間層の除去用のアルカリ現像液(冨士写真フィルム(株)社製、T−PD2)の33℃の10倍希釈液(pH10.7)を用いて現像、水洗処理し、続けて感光層の未露光部を除去用アルカリ現像液(冨士写真フィルム(株)社製、T−CD)の5倍希釈液(液温33℃、pH9.9)により現像し、水洗・乾燥させた。さらにクリーンオーブン中にて500℃で3時間焼成し感光性樹脂組成物層から有機物を除去することにより、ガラス基板表面に、線幅16.4μm、ピッチ43.6μm間隔に規則的に配置された厚みが約1.6μmの金属酸化物構造体を形成した。この金属酸化物構造体は、フォトマスクに形成されたパターンと同程度に精緻なパターンを有するものであった。また、このストライプ状の金属酸化物構造体を電子顕微鏡で観察したところ、凝集・結着した個々のシリカ微粒子間には多数の空隙(孔)が観察され、多孔質な構造を有していることが確認された。
【0072】
<比較例1>
感光性樹脂層として、以下の感光性樹脂組成物の塗液を用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚5μmの感光性樹脂層が形成されたガラス基板を得た。
【0073】
−感光性樹脂層塗液組成−
・メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体(モル比:28/72、質量平均分子量:30000):20.00質量部
・界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)社製、F177P):0.05質量部
・メチルエチルケトン:100.00質量部
・シリカゾル(平均粒径0.2μmのシリカ成分を30質量%含むメチルイソブチルケトン分散物):63.00質量部
【0074】
次に、感光性樹脂層を形成したガラス基板を、クリーンオーブン中にて70℃で30分間プリベーク後、さらに、500℃で3時間焼成することにより感光性樹脂層から有機物を除去することにより、ガラス基板表面に、一様な膜厚が約0.5μmの金属酸化物膜が形成された。
この膜を電子顕微鏡で観察したところ、凝集・結着した個々のシリカ微粒子間には多数の空隙(孔)が観察され、多孔質な構造を有していることが確認された。しかしながら、規則的に配置された金属酸化物構造体を得ることはできなかった。
【0075】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、感光性樹脂転写材料を用いて、基板表面に金属酸化物多孔体を所定の位置に規則的に配置した金属酸化物構造体を形成するための簡易な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属酸化物構造体の製造方法の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 基板
10 フォトマスク
11 ガラス基板
12 ブラックマスク
20 感光性樹脂層
21 粒子状の金属酸化物前駆体
22 (光重合開始剤を含む)光重合性モノマー
22’ 光重合性モノマーの重合体
23 バインダー
40、41、42 粒子状の金属酸化物前駆体を含む樹脂層
50、51、52 金属酸化物多孔体
53 金属酸化物多孔体が配置された金属酸化物構造体

Claims (5)

  1. 基板表面に少なくとも金属酸化物多孔体を配置した金属酸化物構造体の製造方法であって、
    金属酸化物前駆体を含有する光重合型の感光性樹脂組成物を感光性樹脂層として有する感光性転写材料を用い、前記感光性樹脂層と基板とを少なくとも加熱しながら密着させた後剥離することにより、前記感光性樹脂層を基板表面に形成する転写工程と、該感光性樹脂層をパターン形成するパターニング工程と、前記パターン形成された感光性樹脂層を焼成する焼成工程と、からなることを特徴とする金属酸化物構造体の製造方法。
  2. 前記金属酸化物前駆体が、酸化チタンゾル、シリカゾル及びアルミナゾルのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  3. 前記光重合型の感光性樹脂組成物が、少なくとも光重合開始剤、光重合性モノマー及びバインダーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  4. 前記焼成工程が、300〜800℃の範囲の温度で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法。
  5. 前記感光性転写材料が、支持体表面に熱可塑性樹脂層、中間層及び感光性樹脂層を、この順に積層してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属酸化物構造体の製造方法。
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