JP2023046106A - 感光性樹脂積層体 - Google Patents

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Ryukaku Sakurai
崇士 三ヶ野原
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Abstract

【課題】本発明は、低タック性と高解像度との両立が可能な感光性樹脂積層体、並びにそれを用いるロール、レジストパターン、及び構造体を提供することを目的とする。【解決手段】支持体、感光性樹脂層及びカバーフィルムを含む感光性積層体であって、前記感光性樹脂層及び前記カバーフィルムは接しており、前記カバーフィルムが、低密度ポリエチレンであり、かつ前記感光性樹脂層が、(A)アルカリ可溶性樹脂(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、及び(D)両末端変性シリコーン化合物であり、カルビノール変性、フェノール変性、又はシラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物を含有することを特徴とする、感光性樹脂積層体が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂積層体、感光性樹脂積層体ロール、ドライフィルムレジスト、感光性エレメント、レジストパターン形成方法などに関する。
従来、プリント配線板の製造、金属の精密加工などは、フォトリソグラフィー法により行われてきた。フォトリソグラフィー法に用いる感光性樹脂組成物は、未露光部を溶解除去するネガ型の組成物と、露光部を溶解除去するポジ型の組成物とに分類される。
フォトリソグラフィー法において感光性樹脂組成物を基材上に塗布する際には、
(1)フォトレジスト溶液を基材に塗布して乾燥させる方法、並びに
(2)支持体及び感光性樹脂組成物を含む層(以下、「感光性樹脂層」ともいう。)、並びに必要によりカバーフィルムを、順次積層した感光性樹脂積層体を用いて、感光性樹脂層を基材に積層する方法
のいずれかが使用される。プリント配線板の製造においては、後者の方法が使用されることが多い。
従来、上記感光性樹脂積層体に関する技術が報告されている(特許文献1)。上記感光性樹脂積層体を用いてパターンを形成する方法について以下に簡単に述べる。先ず、感光性樹脂積層体からカバーフィルムを剥離する。次いで、ラミネーターを用いて、銅張積層板、銅スパッタ薄膜などの基材上に、該基材、感光性樹脂層、及び支持体の順序になるように、感光性樹脂層及び支持体を積層する。次いで、所望の配線パターンを有するフォトマスクを介して、感光性樹脂層を露光する。次いで、露光後の積層体から支持体を剥離し、そして現像液により非パターン部を溶解又は分散除去することにより、基材上にレジストパターンを形成させる。
特開2012-220837号公報
代表的なカバーフィルムである易剥離ポリエチレンテレフタレート(PET)は、シリコーンコート等のために、感光性樹脂層から剥がれ易い(タック性が低い)という利点を有する。他方、易剥離PETは、易剥離剤としてのシリコーン成分または非シリコーン成分が易剥離PETから感光性樹脂層表面に転写されることにより、解像性が悪化することがある。
なお、従来は、感光性樹脂層の支持体とのタック性もカバーフィルムとのタック性も一概に「タック性」と呼ばれていたのに対して、本開示では、感光性樹脂層のカバーフィルムとのタック性を指すものとする。
また、代表的なカバーフィルムである二軸延伸ポリプロピレン(OPP)も、原料由来の成分による影響のために、解像性が悪化する傾向が知られている。
さらに、カバーフィルムとして低密度ポリエチレン(LDPE)を使用すると、良好な解像性を実現し易いが、感光性樹脂層とのタック性が高くなり易いという不利点もあった。
近年、レジストの更なる高解像度化に伴う、バインダーポリマーの低分子量化またはモノマー成分の増加により、レジストとカバーフィルムの接着力(タック性)が増大し、使用時にレジストがカバーフィルムに貼り付き、所定の支持体または基材から分離してしまうことがあった。
本発明は、上記の事情に鑑みて、低タック性と高解像性との両立が可能な感光性樹脂積層体、並びにそれを用いるロール、レジストパターン、及び構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、感光性樹脂積層体のカバーフィルムとしてLDPEの使用に着目し、感光性樹脂層側で低タック性を実現するとともに、特定のシリコーン化合物も用い、ケイ素(Si)含有成分の分散性を向上させることにより低タック性と高解像性とを両立させて、上記課題を解決し得ることを見出した。
本発明の一態様を以下に例示する。
(1)
支持体、感光性樹脂層及びカバーフィルムを含む感光性積層体であって、
前記感光性樹脂層及び前記カバーフィルムは接しており、
前記カバーフィルムが、低密度ポリエチレンであり、かつ
前記感光性樹脂層が下記成分:
(A)アルカリ可溶性樹脂
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)両末端変性シリコーン化合物であり、カルビノール変性、フェノール変性、又はシラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物
を含有することを特徴とする、感光性樹脂積層体。
(2)
前記(A)アルカリ可溶性樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれか、または両方に由来する構成単位を含有する、項目1に記載の感光性樹脂積層体。
(3)
前記(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物として、二官能モノマー、及び三官能以上の多官能モノマーを含む、項目1又は2に記載の感光性樹脂積層体。
(4)
前記(D)両末端変性シリコーン化合物の官能基当量が、100~1500g/molである、項目1~3のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(5)
前記(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が、55,000未満である、項目1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(6)
少なくとも1種の前記(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が、20,000未満である、項目1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(7)
前記(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物に対する前記(A)アルカリ可溶性樹脂の質量比(A)/(B)が、1.0未満である、項目1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(8)
前記感光性樹脂層に、前記両末端(D)変性シリコーン化合物由来のシリコーン成分が分散している、項目1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(9)
前記(D)両末端変性シリコーン化合物は、両末端カルビノール変性、両末端フェノール変性、又は両末端シラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物を含む、項目1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(10)
前記感光性樹脂層と接する前記カバーフィルム表面の表面自由エネルギーと、前記カバーフィルムと接する前記感光性樹脂層表面の表面自由エネルギーとの差が、20mJ/m以上である、項目1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(11)
前記(A)アルカリ可溶性樹脂は、芳香族単量体成分又は脂環式単量体に由来する構成単位を含む、項目1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(12)
前記感光性樹脂層の膜厚が、10μm以下である、項目1~11のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(13)
前記カバーフィルムの前記感光性樹脂層側の表面粗さRzが、200<Rz<800である、項目1~12のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
(14)
項目1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体を巻回して成るロール。
(15)
以下の工程:
項目1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体から前記カバーフィルムを剥がす工程;
前記感光性樹脂層の前記カバーフィルムを剥がした面を基板に積層して、感光性エレメントを形成する積層工程;
前記感光性エレメントの前記感光性樹脂層を露光する露光工程;及び
前記感光性樹脂層の未露光部を現像除去する現像工程;
を含む、レジストパターンの形成方法。
(16)
項目1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体から前記カバーフィルムが剥がされた前記感光性樹脂層と、
前記感光性樹脂層の前記カバーフィルムが剥がされた面から積層された基板と、
を含む構造体。
本発明によれば、低タック性と高解像性との両立が可能な感光性樹脂積層体、並びにそれを用いるロール、レジストパターン、及び構造体を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
また、本明細書では、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、そして「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
<感光性樹脂積層体>
本実施の形態に係る感光性樹脂積層体は、支持体、感光性樹脂層及びカバーフィルムを含み、感光性樹脂層とカバーフィルムは接しており、カバーフィルムが、低密度ポリエチレンであり、かつ感光性樹脂層が下記成分:
(A)アルカリ可溶性樹脂
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)両末端変性シリコーン化合物であり、カルビノール変性、フェノール変性、又はシラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物
を含有することを特徴とする。
本実施の形態に係る感光性樹脂積層体は、上記のような構成により特徴付けられて、ロール、レジストパターン、感光性エレメント、及び構造体などの形成において、低タック性と高解像性との両立を可能にする。
感光性樹脂積層体は、本発明の効果を顕著に奏するという観点から、感光性樹脂層と接するカバーフィルム表面の表面自由エネルギーと、カバーフィルムと接する感光性樹脂層表面の表面自由エネルギーとの差が、20mJ/m以上であることが好ましく、22mJ/m以上であることがより好ましく、25mJ/m以上であることがさらに好ましい。
感光性樹脂積層体は、本発明の効果を顕著に奏するという観点から、感光性樹脂積層体を巻回して成るロール、ドライフィルムレジスト、又は転写フィルムとして使用されることが好ましい。
以下、感光性樹脂積層体の各構成要素について説明する。
[感光性樹脂層]
本開示の感光性樹脂層は、カバーフィルムと接しており、好ましくはカバーフィルムと当接しており、そして下記成分:
(A)アルカリ可溶性樹脂
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)両末端変性シリコーン化合物であり、カルビノール変性、フェノール変性、又はシラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物
を含有する。
感光性樹脂層は、カバーフィルムと接していても、上記成分(A)~(D)を含有することによって、感光性樹脂層側でカバーフィルムとの低タック性を実現し得る。
感光性樹脂積層体における感光性樹脂層の膜厚は、レジストパターンの解像度、サイドエッチ量、突刺強度又は低タック性の観点から、10μm以下であることが好ましく、0.5μm~10μmであることがより好ましく、1μm~10μmであることが更に好ましい。
感光性樹脂層は、上記成分(A)~(D)を含む感光性樹脂組成物を含むか、又は感光性樹脂組成物から成ることができる。所望により、感光性樹脂層は、上記成分(A)~(D)以外の成分を含有してよい。感光性樹脂層の含有成分について、以下に説明する。
(A)アルカリ可溶性樹脂
(A)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性溶液に溶解できる高分子である。また、(A)アルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有することが好ましく、100~600の酸当量を有することがより好ましく、そしてカルボキシル基含有単量体を共重合成分として含む共重合体であることがさらに好ましい。さらに、(A)アルカリ可溶性樹脂は熱可塑性であることができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂の酸当量は、感光性樹脂層の現像耐性、並びにレジストパターンの解像性及び密着性の観点から100以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂層の現像性及び剥離性の観点から600以下であることが好ましい。また、(A)アルカリ可溶性樹脂の酸当量は、200~500であることがより好ましく、250~450であることがさらに好ましい。なお、本発明の一態様では、酸当量は、分子中に1当量のカルボキシル基を有する重合体の質量(グラム)を意味し、例えば、自動滴定装置を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定法により測定されることができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、下記数式(I):
Figure 2023046106000001
{式中、Wは、アルカリ可溶性樹脂を構成するコモノマーそれぞれの質量であり、
Tgは、アルカリ可溶性樹脂を構成するコモノマーのそれぞれがホモポリマーであった場合のガラス転移温度であり、
totalは、アルカリ可溶性樹脂の合計質量であり、そして
nは、該アルカリ可溶性樹脂を構成するコモノマーの種類の数である。}
により求めたガラス転移温度(Tgtotal)が100℃以下であることが好ましい。(A)アルカリ可溶性樹脂として複数種の高分子の混合物を用いる場合、ガラス転移温度は、全部の高分子の平均値として定まる値である。
ガラス転移温度Tgを求める際には、対応するアルカリ可溶性樹脂を形成するコモノマーから成るホモポリマーのガラス転移温度として、Brandrup,J.Immergut,E.H.編集「Polymer handbook, Third edition, John wiley & sons, 1989, p.209 Chapter VI 『Glass transition temperatures of polymers』」に示される値を使用するものとする。
代表的なコモノマーのTgは、下記のとおりである(何れも文献値)。
メタクリル酸:Tg=501K
ベンジルメタクリレート:Tg=327K
メチルメタクリレート:Tg=378K
スチレン:Tg=373K
2-エチルへキシルアクリレート:Tg=223K
上記のようなガラス転移温度(Tgtotal)を示すアルカリ可溶性樹脂としては、酸モノマーと、その他のモノマーとの共重合体であることが好ましい。
上記数式(I)により求めた(A)アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度(Tgtotal)の下限値については特に限定はない。ガラス転移温度(Tgtotal)は、10℃以上であってもよく、30℃以上であってもよく、50℃以上であってもよく、70℃以上であってもよい。
上述した(A)アルカリ可溶性樹脂は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレンの検量線を用いて算出される重量平均分子量(Mw)が、55,000未満であることが好ましい。ここで、複数種の(A)アルカリ可溶性樹脂のブレンドの場合には、それらのMwの平均が上記の値(55,000)未満であることを意味する。(A)アルカリ可溶性樹脂のMwは、低タック性と高解像性との両立の観点、または現像液への溶解性の観点から、55,000未満であることが好ましく、40,000未満であることがより好ましく、他方ではドライフィルムレジストなどの感光性樹脂積層体の均一な厚みの維持、タック性、エッジフューズ性、カットチップ性等の観点から5,000以上であることが好ましい。
また、上述した(A)アルカリ可溶性樹脂は、少なくとも1種の(A)成分を、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレンの検量線を用いて算出される重量平均分子量(Mw)が、20,000未満であることが好ましい。ここで、単一種の(A)アルカリ可溶性樹脂の場合には、当該単一種の(A)アルカリ可溶性樹脂のMwが上記の値(20,000)未満であることを意味し、そして複数種の(A)アルカリ可溶性樹脂のブレンドの場合には、いずれか1種の(A)アルカリ可溶性樹脂のMwが上記の値(20,000)未満であることを意味する。少なくとも1種の(A)アルカリ可溶性樹脂のMwは、低タック性と高解像性との両立の観点、または現像液への溶解性の観点から、20,000未満であることが好ましく、他方ではドライフィルムレジストなどの感光性樹脂積層体の均一な厚みの維持、タック性、エッジフューズ性、カットチップ性等の観点から5,000以上であることが好ましい。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、低タック性と高解像性との両立の観点から、好ましくは、アクリル酸若しくはメタクリル酸のいずれか、若しくは両方に由来する構成単位を含有するか、かつ/又は芳香族単量体成分に由来する構成単位を含有する。アクリル酸若しくはメタクリル酸のいずれか、若しくは両方に由来する構成単位を含有する成分(A)は、例えば、(メタ)アクリル系樹脂でよい。芳香族単量体成分に由来する構成単位を含有する(A)成分は、例えば、スチレン系樹脂、ベンジル(メタ)アクリル系樹脂などの誘導体でよい。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、後述する第一の単量体の少なくとも1種を重合することにより得られることが好ましい。また、(A)アルカリ可溶性樹脂は、第一の単量体の少なくとも1種と後述する第二の単量体の少なくとも1種とを共重合することにより得られることがより好ましい。
第一の単量体は、分子中にカルボキシル基を含有する単量体である。第一の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、及びマレイン酸半エステルなどが挙げられる。これらの中でも、特に(メタ)アクリル酸が好ましい。
第二の単量体は、非酸性であり、かつ分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有する単量体である。第二の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びベンジル(メタ)アクリレート;酢酸ビニル等のビニルアルコールのエステル類;並びに(メタ)アクリロニトリル、スチレン、及び重合可能なスチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、ビニルトルエン、tert-ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、4-ビニル安息香酸、スチレンダイマー、スチレントリマーなど)などが挙げられる。これらの中でも、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、スチレン及びベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、(A)アルカリ可溶性樹脂は、レジストパターンの解像性を向上させるという観点から、その構造の側鎖に芳香族基や脂環式炭化水素を有することが好ましい。
側鎖に芳香族基や脂環式炭化水素を有する(A)アルカリ可溶性樹脂は、上記の第一の単量体及び/又は第二の単量体として、芳香族基や脂環式炭化水素を有する化合物を使用することにより調製されることができる。芳香族基を有する単量体としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、スチレン、ケイ皮酸、重合可能なスチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、ビニルトルエン、tert-ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、4-ビニル安息香酸、スチレンダイマー、スチレントリマーなど)などが挙げられる。脂環式炭化水素を有する単量体としては、例えば、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その中でも、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(A)アルカリ可溶性樹脂は、上記の第一の単量体及び/又は第二の単量体を既知の重合法、好ましくは付加重合、より好ましくはラジカル重合により調製することができる。
感光性樹脂層中の(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量(感光性樹脂層の固形分総量を基準とする。以下、特に明示しない限り、各含有成分において同様である。)は、好ましくは10質量%~90質量%の範囲であり、より好ましくは20質量%~80質量%の範囲であり、さらに好ましくは30質量%~60質量%の範囲である。(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性樹脂層のアルカリ現像性を維持するという観点から、10質量%以上であることが好ましく、一方で、露光によって形成されるレジストパターンがレジスト材料としての性能を十分に発揮するという観点から90質量%以下であることが好ましい。
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物
(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、その構造中にエチレン性不飽和結合、具体的にはエチレン性不飽和基を有することによって重合性を有する化合物である。
感光性樹脂層は、(B)成分として、エチレン性二重結合を1個以上有していればよい。エチレン性二重結合を2個以上有する化合物を用いることが好ましい。
また、感光性樹脂層は、(B)成分として、低タック性と高解像性との両立の観点から、二官能モノマー、及び三官能以上の多官能モノマーを含むことが好ましい。
二官能モノマーの具体例としては、ビスフェノールAをアルキレンオキシド変性して両末端に(メタ)アクリロイル基を導入することにより得られる化合物、ビスフェノールAの両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物などが挙げられる。また、アルキレンオキシド変性にはエチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性、ブチレンオキシド変性、ペンチレンオキシド変性、へキシレンオキシド変性などがある。
両末端に(メタ)アクリロイル基を有するエチレンオキシド変性ビスフェノールAの具体例としては:
・ビスフェノ-ルAの両端にそれぞれ平均1モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ-ルのジ(メタ)アクリレ-ト、
・ビスフェノ-ルAの両端にそれぞれ平均2モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ-ルのジ(メタ)アクリレ-ト、
・ビスフェノ-ルAの両端にそれぞれ平均3モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ-ルのジ(メタ)アクリレ-ト、
・ビスフェノ-ルAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコ-ルのジ(メタ)アクリレ-ト、
などが挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上併用してもよい。上記で説明された二官能モノマーの中でも、解像性、サイドエッチ量、突き刺し強度などの観点から、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均5モルずつのエチレンオキサイド付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(例えば、商品名「MPEM-10」等)、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均1molずつのエチレンオキサイド付加したポリエチレングリコールのジメタクリレート(例えば、商品名「MSR-348」等)、及びビスフェノールAジメタクリレートが好ましい。
三官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する三官能以上の(メタ)アクリレート化合物などが挙げられ、所望により、三官能以上の(メタ)アクリレート化合物は、アルキレンオキサイド基を含むことができる。より詳細には、下記式(II):
Figure 2023046106000002
{式中、R10は、水素原子、(メタ)アクリロイル基、又はアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリロイル基を示し、1分子中に少なくとも3個の(メタ)アクリロイル基を含む}
で表されるジペンタエリスリトール由来の骨格を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、ペンタエリスリトールのトリまたはテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールに平均4モル~35モルのアルキレンオキサイドを付加したポリオールのトリまたはテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
一般式(II)において、一分子中の(メタ)アクリロイル基の数は、十分な硬化膜強度、レジスト形状及び解像性を得る観点から、3個以上であり、4個、5個又は6個であることが好ましい。基R10としてのアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリロイル基は、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドから成る群から選択される少なくとも1つにより変性されており、エチレンオキサイド変性及び/又はプロピレンオキサイド変性されていることが好ましく、具体的には、-(CO)-CO-CR=CH{式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは1~30の整数である。}、-(CO)-CO-CR=CH{式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、nは1~30の整数である。}、-(CO)-(CO)-CO-CR=CH{式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、mは1~30の整数であり、nは1~30の整数であり、(CO)と(CO)の配列は、交互、ランダム又はブロックでよい。}などであることができる。
三官能以上の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては:
・平均3~27モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
・平均3~27モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
・平均3~27モルのエチレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
・平均3~27モルのプロピレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
・平均3~27モルのプロピレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
・平均3~27モルのプロピレンオキサイドを付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
・平均3~27モルのエチレンオキサイドと平均3~27モルのプロピレンオキサイドを交互、ランダム又はブロックで付加したポリエチレングリコールのジペンタエリスリトールテトラ、ペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート、
・ジペンタエリスリトールトリ(メタ)クリレート、
・ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
・ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
・ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
・トリメチロールプロパンに平均3モル~25モルのアルキレンオキサイドを付加したポリアルキレントリオールのトリ(メタ)アクリレート、
・ペンタエリスリトールに平均4モル~35モルのアルキレンオキサイドを付加したポリオールのテトラ(メタ)アクリレート、
・トリメチロールプロパンに平均3モルずつエチレンオキサイドを付加したトリアクリレート、
・トリメチロールプロパンに平均3モルずつエチレンオキサイドを付加したトリメタクリレート
・ε-カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート
・上記で列挙された化合物の組み合わせ、
などが挙げられる。
中でも、ヘキサ(メタ)アクリレートとペンタ(メタ)アクリレートの混合物を使用する場合には、ペンタ(メタ)アクリレートの比率は、ヘキサ(メタ)アクリレートの比率よりも少ないことが好ましく、約10質量%であることがより好ましい。
(B)成分は、上記で示された化合物に加えて、その他の光重合性化合物を含んでよい。他の光重合性化合物としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、イソシアヌレート環等にポリアルキレンオキシド基を付加したり、ε-カプロラクトン変性したりすることにより得られたアルコールを(メタ)アクリレートに変換することで得られる化合物、又はそれらをアルキレンオキシド基又はε-カプロラクトンで変性せずに、直接(メタ)アクリル酸を反応させた化合物、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)クリレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本実施の形態に係る感光性樹脂層において、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物に対する(A)アルカリ可溶性樹脂の質量比(A)/(B)は、低タック性、高解像性と高密着性との観点から、1.0未満であることが好ましく、0.70以上であることが好ましい。この質量比(A)/(B)は、モノマー(M)に対するバインダー樹脂(B)の質量比B/Mとも呼ばれ、同様の観点から、0.95以下であることがより好ましい。
感光性樹脂層における(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物の含有量は、好ましくは5質量%~70質量%、より好ましくは10質量%~60質量%、さらに好ましくは20質量%~50質量%の範囲内である。(B)成分の含有量は、感光性樹脂層の硬化不良及び現像時間の遅延を抑えるという観点から5質量%以上であることが好ましく、一方で、硬化レジストの剥離遅延を抑えるという観点から70質量%以下であることが好ましい。
(C)光重合性開始剤
(C)光重合性開始剤は、活性光線によりラジカルを発生し、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物などを重合することができる化合物である。感光性樹脂層は、(C)光重合開始剤として、本技術分野において一般に知られているものを含んでよい。
(C)光重合開始剤としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、N-アリール-α-アミノ酸化合物、キノン化合物、芳香族ケトン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ジアルキルケタール化合物、チオキサントン化合物、ジアルキルアミノ安息香酸エステル化合物、オキシムエステル化合物、アクリジン化合物、ピラゾリン誘導体、N-アリールアミノ酸のエステル化合物、ハロゲン化合物等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルビイミダゾール(別名:2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール)、2,2’,5-トリス-(o-クロロフェニル)-4-(3,4-ジメトキシフェニル)-4’,5’-ジフェニルビイミダゾール、2,4-ビス-(o-クロロフェニル)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-ジフェニルビイミダゾール、2,4,5-トリス-(o-クロロフェニル)-ジフェニルビイミダゾール、2-(o-クロロフェニル)-ビス-4,5-(3,4-ジメトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2-フルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3-ジフルオロメチルフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,4-ジフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,5-ジフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3,6-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,4,5-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、2,2’-ビス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール、及び2,2’-ビス-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-ビイミダゾール等が挙げられる。中でも、高感度、解像性及び密着性の観点から、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体が好ましい。
N-アリール-α-アミノ酸化合物としては、例えば、N-フェニルグリシン、N-メチル-N-フェニルグリシン、N-エチル-N-フェニルグリシン等が挙げられる。特にN-フェニルグリシンは増感効果が高く好ましい。
キノン化合物としては、例えば、2-エチルアントラキノン、オクタエチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン、3-クロロ-2-メチルアントラキノン等を挙げることができる。
芳香族ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン[4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン]、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン等を挙げることができる。
アセトフェノン化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパノン-1等を挙げることができる。アセトフェノン化合物の市販品としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュア-907、イルガキュア-369、及びイルガキュア-379を挙げることができる。増感剤としての使用及び密着性の観点からは、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンジルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフォンオキサイド等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド化合物の市販品としては、例えば、BASF社製のルシリンTPO、及びチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュア-819が挙げられる。
ベンゾイン化合物及びベンゾインエーテル化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等を挙げることができる。
ジアルキルケタール化合物としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等を挙げることができる。
チオキサントン化合物としては、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロルチオキサントン等を挙げることができる。
ジアルキルアミノ安息香酸エステル化合物としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸エチル、エチル-p-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート等を挙げることができる。
オキシムエステル化合物としては、例えば、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム等が挙げられる。オキシムエステル化合物の市販品としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のCGI-325、イルガキュア-OXE01、及びイルガキュア-OXE02が挙げられる。
アクリジン化合物としては、感度、解像性、入手性等の点で、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン又は9-フェニルアクリジンが好ましい。
ピラゾリン誘導体としては、密着性及びレジストパターンの矩形性の観点から、1-フェニル-3-(4-tert-ブチル-スチリル)-5-(4-tert-ブチル-フェニル)-ピラゾリン、1-フェニル-3-(4-ビフェニル)-5-(4-tert-ブチル-フェニル)-ピラゾリン及び1-フェニル-3-(4-ビフェニル)-5-(4-tert-オクチル-フェニル)-ピラゾリンが好ましい。
N-アリールアミノ酸のエステル化合物としては、例えば、N-フェニルグリシンのメチルエステル、N-フェニルグリシンのエチルエステル、N-フェニルグリシンのn-プロピルエステル、N-フェニルグリシンのイソプロピルエステル、N-フェニルグリシンの1-ブチルエステル、N-フェニルグリシンの2-ブチルエステル、N-フェニルグリシンのtertブチルエステル、N-フェニルグリシンのペンチルエステル、N-フェニルグリシンのヘキシルエステル、N-フェニルグリシンのペンチルエステル、N-フェニルグリシンのオクチルエステル等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンジル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1-トリクロロ-2,2-ビス(p-クロロフェニル)エタン、クロル化トリアジン化合物、ジアリルヨードニウム化合物等が挙げられ、とりわけトリブロモメチルフェニルスルフォンが好ましい。
感光性樹脂層における(C)光重合開始剤の含有量は、0.01質量%~20質量%が好ましく、0.5質量%~10質量%がより好ましい。(C)光重合開始剤の含有量を上記範囲内に調整することにより、十分な感度を得られ、レジスト底部にまで十分に光を透過させることができ、高解像性を得られると共に、導体パターンにおけるサイドエッチ量とのバランスに優れる感光性樹脂層、および感光性樹脂積層体を得ることができる。
(C)光重合開始剤として、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物を使用することが好ましい。この場合、感光性樹脂層中のヘキサアリールビスイミダゾール化合物の含有量は、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
(C)光重合開始剤としては、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの芳香族ケトン化合物と、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物とを併用することが好ましい。この場合、感光性樹脂層中の芳香族ケトン化合物の含有量は、0.5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%~0.4質量%であることがより好ましく、また感光性樹脂層中のヘキサアリールビスイミダゾール化合物の含有量は、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
(D)両末端変性シリコーン化合物
本開示の(D)両末端変性シリコーン化合物は、カルビノール変性、フェノール変性、又はシラノール変性のいずれかで両末端変性されたシリコーン化合物である。
一般に、シリコーン化合物は、例えば、両末端シラノールポリジメチルシロキサンとポリメチル水素シロキサン又はポリメチルメトキシシロキサンとを反応させた縮合反応型シリコーン樹脂;ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体又はジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体とポリメチル水素シロキサンとを反応させた付加反応型シリコーン樹脂;アクリルシリコーン、エポキシ基含有シリコーンなどを紫外線又は電子線で硬化させた紫外線硬化型又は電子線硬化型シリコーン樹脂などである。
(D)両末端変性シリコーン化合物は、上記で例示された一般的なシリコーン化合物がカルビノール変性、フェノール変性、若しくはシラノール変性のいずれかで両末端変性されたものでよく、又はこのように変性されたシリコーン樹脂でよい。
(D)両末端変性シリコーン化合物の変性位置は、例えば、一般的なシリコーン化合物の両末端でよく、中でも、低タック性と高解像性の両立の観点から、(D)成分は、両末端変性シリコーン化合物を含むことが好ましい。(D)両末端変性シリコーン化合物は、一分子において、カルビノール変性部位、フェノール変性部位、若しくはシラノール変性部位のいずれかが存在してよく、又はそれらの任意の組み合わせが存在してよい。
(D)両末端変性シリコーン化合物の官能基当量は、低タック性と高解像性の両立の観点から、100~1500g/molであることが好ましく、300~1490g/molであることがより好ましく、400~1480g/molであることが更に好ましい。
上記と同様の観点から、(D)両末端変性シリコーン化合物の水酸基価は、30~130mgKOH/gの範囲内であることが好ましい。
カルビノール変性シリコーン化合物としては、例えば、カルビノール変性シリコーン樹脂(例えば、反応性シリコーンカルビノールオイル)等が挙げられ、片末端型又は両末端型カルビノール変性シリコーンオイルが好ましく、両末端型カルビノール変性シリコーンオイルがより好ましい。
フェノール変性シリコーン化合物としては、例えば、フェノール変性シリコーン樹脂(例えば、反応性シリコーンフェノールオイル)等が挙げられ、片末端型又は両末端型シリコーンフェノールオイルが好ましく、両末端型シリコーンフェノールオイルがより好ましい。
シラノール変性シリコーン化合物としては、例えば、シラノール変性シリコーン樹脂(例えば、反応性シリコーンシラノールオイル)等が挙げられ、片末端型又は両末端型シリコーンシラノールオイルが好ましく、両末端型シリコーンシラノールオイルがより好ましい。
所望により、(D)両末端変性シリコーン化合物は、カルビノール変性、フェノール変性、若しくはシラノール変性のいずれかで変性されている限り、さらに、カルボキシル変性、ジオール変性、エポキシ変性、ポリエステル変性、アクリル変性、アルキッド変性、メラミン変性などにより変性されることができる。
本実施の形態に係る感光性樹脂層に、上記で説明された(D)両末端変性シリコーン化合物由来のシリコーン成分が分散していることが、低タック性と高解像性の両立の観点から好ましい。
感光性樹脂層における(D)両末端変性シリコーン化合物の含有量は、0.01質量%~10質量%が好ましく、0.05質量%~5質量%がより好ましく、0.10質量%~2質量%が更に好ましく、0.15質量%~1質量%が特に好ましい。(D)両末端変性シリコーン化合物の含有量を上記範囲内に調整することにより、塗工時にムラが出難く、低タック性と高解像性とを両立させ易くなる傾向にある。
その他の成分
感光性樹脂層は、所望により、染料、可塑剤、酸化防止剤、安定化剤などの添加剤を含んでよい。
感光性樹脂層は、レジスト硬化膜に対して、好適な発色性と、優れた感度特性とを付与するために、染料を含有することが好ましい。
染料としては、例えば、トリス(4-ジメチルアミノフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、ビス(4-ジメチルアミノフェニル)フェニルメタン[ロイコマラカイトグリーン]、フクシン、フタロシアニングリーン、オーラミン塩基、パラマジエンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) MALACHITE GREEN)、ベイシックブルー20、ダイアモンドグリーン(保土ヶ谷化学(株)製 アイゼン(登録商標) DIAMOND GREEN GH)などが挙げられる。これらの中でも、着色性、色相安定性及び露光コントラストを向上させるという観点から、ダイアモンドグリーン及びロイコクリスタルバイオレット等のロイコ染料が好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
感光性樹脂層中の染料の含有量は、好ましくは0.001質量%~3質量%の範囲であり、より好ましくは0.01質量%~2質量%の範囲であり、さらに好ましくは、0.04質量%~1質量%の範囲である。染料の含有量は、良好な着色性を得るという観点から0.001質量%以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂層の感度を維持するという観点から3質量%以下であることが好ましい。染料の使用割合をこの範囲に設
定することにより、良好な発色性と感度とを実現することができる。
可塑剤として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンモノエチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノエチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノエチルエーテル等のグリコール・エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエートなどのソルビタン誘導体;ジエチルフタレート等のフタル酸エステル類;о-トルエンスルホン酸アミド、p-トルエンスルホン酸アミド、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリ-n-プロピル、及びアセチルクエン酸トリ-n-ブチル、ビスフェノールAの両側にそれぞれプロピレンオキサイドを付加したプロピレングリコール、ビスフェノールAの両側にそれぞれエチレンオキサイドを付加したエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルなどが挙げられる。
中でも、剥離時間の遅延を抑えるという観点から、p-トルエンスルホン酸アミド、ビスフェノールAの両端にそれぞれ平均3単位のプロピレンオキサイドを付加したポリプロピレングリコール、及びポリオキシプロピレングリセリルエーテルが好ましく、レジストパターンの突き刺し強度、剥離片溶解性又は耐めっき性の観点から、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルがより好ましく、重量平均分子量が3000であるポリオキシプロピレングリセリルエーテルがさらに好ましい。
感光性樹脂層中の可塑剤の含有量は、好ましくは0.1質量%~3質量%、より好ましくは0.15質量%~2質量%の範囲内にある。この含有量を0.1質量%以上にすることは、現像時間の遅延を抑え、硬化膜に柔軟性を付与して、上記突き刺し試験による最大点荷重を調整し易くするという観点から好ましい。他方、この含有量を3質量%以下にすることは、硬化不足及びエッジフューズを抑制する観点から好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト(例えば、旭電化工業社製、商品名:TPP)、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(例えば、旭電化工業社製、商品名2112)、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト(例えば旭電化工業社製、商品名:1178)、ビス(モノノニルフェニル)-ジノニルフェニルホスファイト(例えば、旭電化工業社製、商品名:329K)などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
感光性樹脂層中の酸化防止剤の含有量は、好ましくは0.01質量%~0.8質量%の範囲であり、より好ましくは、0.01質量%~0.3質量%の範囲である。酸化防止剤の含有量は、レジストパターンの色相安定性を良好に発現させ、かつ感光性樹脂層の感度を向上させるという観点から0.01質量%以上であることが好ましく、一方で、レジストパターンの発色性を抑えながら色相安定性を良好に発現させ、かつ密着性を向上させるという観点から0.8質量%以下であることが好ましい。
安定化剤は、感光性樹脂層の熱安定性及び/又は保存安定性を向上させるという観点から、使用されることが好ましい。安定化剤としては、例えば、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類、及びグリシジル基を有するアルキレンオキシド化合物から成る群から選ばれる少なくとも1つの化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
ラジカル重合禁止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ナフチルアミン、tert-ブチルカテコール、塩化第一銅、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩(例えば、ニトロソフェニルヒドロキシルアミンが3モル付加したアルミニウム塩など)、ジフェニルニトロソアミンなどが挙げられる。これらの中でも、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、又はニトロソフェニルヒドロキシルアミンが3モル付加したアルミニウム塩が好ましい。また、これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
ベンゾトリアゾール類としては、例えば、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-クロロ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、ビス(N-2-エチルヘキシル)アミノメチレン-1,2,3-ベンゾトリアゾール、ビス(N-2-エチルヘキシル)アミノメチレン-1,2,3-トリルトリアゾール、ビス(N-2-ヒドロキシエチル)アミノメチレン-1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-5-カルボキシルベンゾトリアゾールと1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-6-カルボキシルベンゾトリアゾールの1:1混合物などが挙げられる。これらの中でも、1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-5-カルボキシルベンゾトリアゾールと1-(2-ジ-n-ブチルアミノメチル)-6-カルボキシルベンゾトリアゾールの1:1混合物が好ましい。また、これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
カルボキシベンゾトリアゾール類としては、例えば、4-カルボキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール、N-(N,N-ジ-2-エチルヘキシル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、N-(N,N-ジ-2-ヒドロキシエチル)アミノメチレンカルボキシベンゾトリアゾール、及びN-(N,N-ジ-2-エチルヘキシル)アミノエチレンカルボキシベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
グリシジル基を有するアルキレンオキシド化合物としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、共栄社化学(株)製エポライト1500NP)、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、共栄社化学(株)製エポライト400E)、ビスフェノールA-プロピレンオキシド 2モル付加物ジグリシジルエーテル(例えば、共栄社化学(株)製エポライト3002)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、共栄社化学(株)製エポライト1600)などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール類、カルボキシベンゾトリアゾール類、及びグリシジル基を有するアルキレンオキシド化合物の、感光性樹脂層中の合計含有量は、好ましくは0.001質量%~3質量%の範囲であり、より好ましくは0.05~1質量%の範囲である。この合計含有量は、感光性樹脂層に良好な保存安定性を付与するという観点から0.001質量%以上であることが好ましく、一方で、感光性樹脂層の感度を維持するという観点から3質量%以下であることが好ましい。
[感光性樹脂層の形成]
本開示の感光性樹脂層は、上記含有成分を含む感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂組成物調合液を用いて形成されることができる。
感光性樹脂組成物調合液は、上記含有成分を含む感光性樹脂組成物に対して、溶媒を添加することにより形成されることができる。好適な溶媒としては、例えば、アセトン及びメチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコール等のアルコール類などが挙げられる。感光性樹脂組成物調合液の粘度が25℃で500mPa・sec~4000mPa・secとなるように、溶媒を感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
所望により、感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂組成物調合液を支持体に適用し、必要に応じて乾燥することにより感光性樹脂層を形成してよい。
[支持体]
本開示の支持体は、例えば、限定されるものではないが、支持フィルムでよい。
支持フィルムとしては、露光光源から放射される光を透過する透明なものが望ましい。このような支持フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、必要に応じて延伸されたものも使用可能である。
支持フィルムのヘイズは5以下であることが好ましい。支持フィルムの厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する機能も考慮すると、10μm~30μmであることが好ましい。
[カバーフィルム]
本開示のカバーフィルムは、感光性樹脂積層体において、感光性樹脂層と接しており、より詳細には、感光性樹脂層と直接的に接している。
本開示のカバーフィルムは、低密度ポリエチレン(LDPE)であり、より詳細にはLDPEで形成されており、好ましくは、LDPEを含むか、又はLDPEから成る。カバーフィルムがLDPEを含有するため、カバーフィルムの感光性樹脂層に対する密着力が、支持体の感光性樹脂層に対する密着力よりも充分小さく、カバーフィルムが感光性樹脂積層体から容易に剥離できる傾向にある。
感光性樹脂積層体において、カバーフィルムの感光性樹脂層側の表面粗さRzが、低タック性と高解像度との両立の観点から、次の関係:
200<Rz<800
を満たすことが好ましい。
カバーフィルムの膜厚は、例えば、限定されるものではないが、1μm~100μm、10μm~50μm、15μm~45μm、又は18μm~40μmの範囲内でよい。
<感光性樹脂積層体の作製方法>
感光性樹脂積層体は、支持体上に、感光性樹脂層、及びカバーフィルムを順次積層することにより、作製することができる。その方法としては、既知の方法を採用することができる。例えば、感光性樹脂層に用いる感光性樹脂組成物を、これらを溶解する溶剤と混ぜ合わせ均一な溶液状の感光性樹脂組成物調合液(塗工液)を形成する。次に、支持体上に、塗工液をバーコータ又はロールコーターを用いて塗布し、次いで乾燥して、支持体上に感光性樹脂層を積層することができる。さらに、感光性樹脂層上にカバーフィルムを、ラミネート等により、両者が接するように配置して、感光性樹脂積層体を作製することができる。
<ロール>
本発明の一態様では、上記で説明された感光性樹脂積層体を巻回して成るロールが提供される。本発明によれば、ロール化による内部応力によって感光性樹脂層とカバーフィルムとが押し付けられるとしても低タック性を実現させて、ひいては低タック性と高解像性とを両立し得る。
<構造体>
本発明の別の態様では:
上記で説明された感光性樹脂積層体からカバーフィルムが剥がされた状態の感光性樹脂層と、
感光性樹脂層のカバーフィルムが剥がされた面から積層された基板と、
を含む構造体が提供される。
上記構造体は、低タック性と高解像性との両立が可能な感光性樹脂積層体から得られるため、高生産性、高解像性などを達成し得る。上記構造体は、フォトリソグラフィー法などの分野において、感光性エレメント等として呼ばれることがある。
<レジストパターン形成方法>
本発明のさらに別の態様は、以下の工程:
本開示の感光性樹脂積層体からカバーフィルムを剥がす工程;
感光性樹脂積層体において感光性樹脂層のカバーフィルムを剥がした面を、基板に積層して、感光性エレメントを形成する積層工程;
感光性エレメントの感光性樹脂層を露光する露光工程;及び
感光性樹脂層の未露光部を現像除去する現像工程;
を含む、レジストパターンの形成方法を提供する。
なお、上述したレジストパターン形成方法によりレジストパターンが形成された基材のエッチング又はメッキ処理を行う工程を含む配線パターン形成方法も提供することができる。
以下、感光性樹脂積層体及び基材を用いてレジスト及び配線パターンを形成する方法の一例を説明する。
(感光性樹脂積層体からカバーフィルムを剥がす工程)
本開示の感光性樹脂積層体は、上述のとおり、低タック性を有するため、任意の条件下で感光性樹脂積層体からカバーフィルムを剥がしても、カバーフィルムに感光性樹脂層が追従してしまう(すなわち、支持体から感光性樹脂層が離れてしまう)現象が起き難いか、又はこのような現象が起こらない。
(積層工程)
積層工程は、例えば、ラミネーターを用いて、感光性樹脂層のカバーフィルムを剥がした面を、基材表面に加熱圧着し、ラミネートすることにより行われることができる。
使用基材の材質としては、例えば、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS)、ガラス、酸化インジウムスズ(ITO)、導体薄膜が積層されたフレキシブル基材等が挙げられる。導体薄膜としては、例えば、ITO、銅、銅-ニッケル合金、銀等が挙げられる。フレキシブル基材を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
使用基材は、銅張積層板に銅配線が形成された形態、ガラスのみから成る基材の形態、透明樹脂基材に透明電極(例えば、ITO、Agナノワイヤー基材等)又は金属電極(例えば、Cu、Al、Ag、Ni、Mo及びこれらの少なくとも2種の合金等)が形成された形態であることができる。また、使用基材は、多層基板に対応するためのスルーホールを有することができる。
使用基材は、本発明の効果を顕著に奏するという観点から、銅張積層基板であることが好ましく、より好ましくは、厚み35μmの銅箔が積層されており、厚みが1.6mmであり、かつ直径6mmのスルーホールを有する銅張積層基板である。
感光性樹脂層は、基材表面の片面だけにラミネートしてもよいし、必要に応じて基材両面にラミネートしてもよい。ラミネート時の加熱温度は、40℃~160℃であることが好ましく、80℃~120℃であることがより好ましい。加熱圧着を2回以上行って、得られるレジストパターンの基材に対する密着性を向上させることもできる。2回以上の圧着を行う場合には、二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用してもよいし、基材と感光性樹脂層との積層物をロールに繰り返し通して圧着してもよい。
(露光工程)
露光工程では、露光機を用いて感光性樹脂層を露光する。この露光は、得られるレジスト膜の突き刺し強度の観点から、感光性樹脂積層体から支持体を剥離してから行うことが好ましい。この露光をパターン状に行うことにより、後述の現像工程を経由した後、所望のパターンを有するレジスト膜(レジストパターン)を得ることができる。パターン状の露光は、フォトマスクを介して露光する方法、及びマスクレス露光の何れの方法によってもよい。
フォトマスクを介して露光する場合、露光量は、光源照度及び露光時間により決定される。露光量は、光量計を用いて測定してもよい。マスクレス露光においては、フォトマスクを使用せず、基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては、波長350nm~410nmの半導体レーザー、超高圧水銀灯等が用いられる。マスクレス露光において、描画パターンはコンピュータにより制御され、露光量は、露光光源の照度及び基材の移動速度により決定されることができる。
レジストパターンの解像度を向上させたり、サイドエッチ量を低減したり、レジスト又は配線パターンの歩留まりを向上させたりするという観点から、フォトマスクを介して露光を行うことが好ましい。
(現像工程)
現像工程では、感光性樹脂層の未露光部(例えば、非パターン部)を、現像液により除去する。現像工程においては、アルカリ水溶液から成る現像液を用いて、ネガ型の感光性樹脂組成物を使用した場合には未露光部を溶解除去することにより、ポジ型の感光性樹脂組成物を使用した場合には露光部を溶解除去することによりレジストパターンを得る。
アルカリ水溶液としては、例えば、NaCO、KCO等の水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液は、感光性樹脂組成物層の特性に合わせて選択されるが、0.2質量%~2質量%の濃度のNaCO水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。現像工程における現像液の温度は、18℃~40℃の範囲で一定温度に保つことが好ましい。
所望により、現像工程後に、得られたレジストパターンを100℃~300℃で加熱する加熱工程を行ってよい。この加熱工程を実施することにより、レジストパターンの耐薬品性が向上することがある。加熱には、熱風、赤外線、遠赤外線等の適宜の方式の加熱炉を用いることができる。
(エッチング又はメッキ工程)
上記のレジストパターンの形成方法によってレジストパターンを形成した後に、レジストパターンが形成された基材のエッチング又はメッキ処理を行うことによって、基材上に配線パターンを形成することができる。
エッチング工程は、既知のエッチング法に従って、例えば、レジストパターンの上からエッチング液を吹き付けて、レジストパターンに覆われていない基材面をエッチングすることにより行われることができる。エッチング方法としては、酸性エッチング、アルカリエッチングなどを挙げることができ、使用する感光性樹脂積層体に適した方法で行なわれる。エッチング液は、例えば、塩酸水溶液、塩化第二鉄水溶液、又はそれらの混合物であることができる。また、エッチング液は、スプレーされることができる。
メッキ工程は、既知のメッキ法に従って、現像により露出した基材表面を金属メッキ(例えば硫酸銅メッキ液による)又ははんだメッキすることにより行われることができる。
エッチング工程及び/又はメッキ工程の後に、感光性樹脂積層体を現像液よりも強いアルカリ性を有する水溶液によって処理し、基材からレジストパターンを剥離してよい。剥離液は、例えば、濃度約2質量%~5質量%かつ温度約40℃~70℃のNaOH又はKOHの水溶液であることができる。
上述した各種パラメータの評価値については、特に断りのない限り、後述する実施例における測定方法に準じて測定される測定値である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<1.感光性樹脂組成物の調製>
表1及び表2に示す成分を混合し、感光性樹脂組成物を調製した。表1及び表2中の値は、固形分量である。
<2.感光性樹脂積層体の製造>
感光性樹脂組成物に溶媒アセトンを固形分が58質量%となるまで添加し、よく攪拌、混合し、感光性樹脂組成物の溶液をポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコータを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で5分間乾燥して5μm厚みの感光性樹脂層(ドライフィルム)を形成した。次に、感光性樹脂層の表面上にカバーフィルム(例えば、LDPE、OPP、又は易剥離PETフィルムであり、表1及び表2中のH-1として示される)を貼り合わせて感光性樹脂積層体を得た。
<3.評価基板の作製>
ラミネート:
感光性樹脂積層体のカバーフィルムを剥がしながら、銅層付きPET基板にホットロールラミネーター(旭化成エレクトロニクス(株)製、AL-700)により、ロール温度105℃でラミネートした。エアー圧力は0.35MPaとし、ラミネート速度は1.5m/minとした。
露光:
感光性樹脂積層体から、支持体としてのポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、クロムガラスフォトマスクを用いて、超高圧水銀ランプを有する露光機(平行光露光機((株)オーク製作所社製、HMW-801))により、評価基板を露光した。
現像:
(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて、スプレー圧0.15MPaで、23℃の1質量%NaCO水溶液にて30秒スプレーして現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.15MPaで、現像工程と同時間処理した。
エッチング:
(株)フジ機工製エッチング装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて、スプレー圧0.15MPa、温度30℃で、塩酸濃度2質量%、塩化第二鉄2質量%、60秒(s)エッチングした。
剥離:
(株)フジ機工製剥離装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて、スプレー圧0.15MPa、温度50℃で、濃度3質量%のNaOH水溶液で30秒(s)処理し、基板からレジストを剥離除去した。
<4.評価方法>
画像性評価:
感光性樹脂層の厚みが5μmである感光性樹脂積層体を、上記<ラミネート>に記載の方法でラミネート後、15分経過した評価基板を、露光部と未露光部との幅が1:1の比率のラインパターンを有するクロムガラスマスクを通して露光した。その後、上記<現像>に記載の方法で現像し、レジストパターンを作製した。
作製した硬化レジストラインが正常に形成されている最小マスク幅を解像度の値とし、解像性を下記のようにランク分けした。なお、硬化レジストパターンの倒れ又は硬化レジスト同士の密着がなく、正常に形成されている最小マスク幅を評価した。
◎:解像度の値が2μm以下;
○:解像度の値が2μmを超え、3μm以下;
△:解像度の値が3μmを超え、4μm以下;
×:解像度の値が4μmを超える。
カバー層(LDPEフィルム)の引き剥がし強度:
感光性樹脂積層体を1インチ(inch)×11cmの短冊状にカットし、24時間23℃、50%相対湿度の条件下に放置した。カバーフィルム(本実施例では、LDPE、易剥離PET又はOPPフィルム)を180°引き剥がし、その強度をテンシロンRTM-500(東洋精機製)で測定し、下記の様にランク分けをした。
◎:引き剥がし強度が、1.5gf/inchを超え、2.5gf/inch以下
○:引き剥がし強度が、2.5gf/inchを超え、3gf/inch以下
△:引き剥がし強度が、3gf/inchを超え、3.5gf/inch以下
×:引き剥がし強度が、3.5gf/inchを超える。
支持層(PETフィルム)の引き剥がし強度(タック性):
感光性樹脂積層体の感光性樹脂層を上記方法により片面にラミネートした基板を用意し、24時間23℃、50%相対湿度下に放置した後、1インチ幅の支持体(本実施例では、PETフィルム)を180°引き剥がし、その強度をテンシロンRTM-500(東洋精機製)で測定し、下記の様にランク分けをした。
◎:引き剥がし強度が、8gf/inchを超え、10gf/inch以下
○:引き剥がし強度が、10gf/inchを超え、12gf/inch以下
△:引き剥がし強度が、12gf/inchを超え、14gf/inch以下
×:引き剥がし強度が、14gf/inchを超える。
塗工性評価:
各感光性樹脂組成物の溶液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコータを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で5分間乾燥して5μm厚みの感光性樹脂層(ドライフィルム)を形成した。
形成したフィルムの外観を観察し、下記のようにランク分けをした。
○:塗膜の外観に異常なし
×:塗膜の外観が白濁、又ははじき等の欠陥が発生した。
サイドエッチ(SE)量:
サイドエッチ量の評価には、感光性樹脂層の厚みが5μmである感光性樹脂積層体を、上記<ラミネート>に記載の方法で銅層付きPET基板にラミネートした後、15分経過した評価基板を用いた。
該ラミネート評価基板に対し、ライン/スペース=10μm/10μmのパターンを露光した後、上記<現像>に記載の方法で現像した。
作製した該パターンのレジストトップ幅Wr(μm)を、光学顕微鏡により測定した。 次いで、このライン/スペースパターンを有する基板について、ディップ方式を用いて、塩酸濃度2質量%及び塩化第二鉄2質量%を含む水溶液の使用、及び温度30℃の条件下で、最少エッチング時間の1.5倍の時間エッチングした。ここで、最小エッチング時間とは、上記の条件下で基板上の銅箔が完全に溶解除去されるのに要する最小の時間をいう。
上記エッチング後、剥離液として濃度3質量%のNaOH水溶液を用い、温度50℃において基板上の硬化膜を剥離除去して得られた銅のラインパターンのトップ幅Wc(μm)を光学顕微鏡により測定した。
そして、下記数式:
サイドエッチ(μm)=(Wr-Wc)÷2
によりサイドエッチ量を算出し、サイドエッチ量を下記のようにランク分けした。
◎(著しく良好):サイドエッチ量が2.5μm以下である;
○(良好):サイドエッチ量が2.5μmを超え3.0μm以下である;
△(許容):サイドエッチ量が3.0μmを超え3.5μm以下である;
×(不良):サイドエッチ量が3.5μmを超える。
突き刺し強度評価:
評価用基板としては、35μm銅箔を積層した厚み1.6mmの銅張積層基板に、直径6mmのスルーホールを1,008孔形成した基板を、ジェットスクラブ研磨機を用いた表面処理により整面した物を用いた。
整面後の基板上に、感光性樹脂層の厚みが25μmである感光性樹脂積層体のカバーフィルムを剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成株式会社製、AL-70)により、ロール温度105℃、エアー圧力0.35MPa、及びラミネート速度1.5m/分の条件下で両面にラミネートした。
ラミネート後15分経過した基板を用い、該ラミネート基板に対し、超高圧水銀ランプを有する露光機(平行光露光機((株)オーク製作所社製、HMW―801))により、露光量60mJ/cmにて評価基板を露光した後、上記<現像>に記載の方法によって現像した。現像後の基板を、温度25℃、湿度50%の部屋で一晩調湿した。
静置後、得られた基板から、支持体としてのPETフィルムを剥がし、6mmφの開口部の中心を、支持体を剥がした面から2.0mmφの円柱を速度100mm/minで突き刺し、テンシロン(オリエンテック社製RTM-500)により最大点荷重を測定した。10か所で最大点荷重を測定し、上位5点の平均値を突き刺し試験の最大点荷重として、下記基準に従ってランク分けした。
◎(著しく良好):突き刺し強度が150gfを超える;
○(良好):突き刺し強度が100gf超え、150gf以下;
×(不良):突き刺し強度が100gf以下。
表面自由エネルギー評価:
感光性樹脂積層体から、カバーフィルムを剥離し、感光性樹脂層の表面が露出したフィルムと、感光性樹脂層と接していたカバーフィルム表面が露出したフィルムを用意した。
前記感光性樹脂層フィルムと、カバーフィルムについて、水、ジヨードメタン、エチレングリコールの接触角を測定し、これらの接触角から、下記式を用いて、各フィルムの表面自由エネルギーγSL(mJ/m)を算出した。
γSL = γS + γL - (2(γS dγL d1/2 + 2(γS PγL P1/2 + 2(γS hγL h1/2))
WSL = 2((γS dγL d1/2 + (γS PγL P1/2 + (γS hγL h)1/2))
(γS dγL d1/2 + (γS PγL P1/2 + (γS hγL h1/2 = γL(1+cosθ)/2
表中の「表面自由エネルギー差(mJ/m)」については、上記感光性樹脂層の表面自由エネルギーと、カバーフィルムの表面自由エネルギーとの差の絶対値を記載した。
実施例1~15と比較例1~13の評価結果を表1に示し、感光性樹脂積層体の構成要素の詳細を表2に示す。
Figure 2023046106000003
Figure 2023046106000004
Figure 2023046106000005
Figure 2023046106000006
Figure 2023046106000007
Figure 2023046106000008
Figure 2023046106000009
Figure 2023046106000010
Figure 2023046106000011

Claims (16)

  1. 支持体、感光性樹脂層及びカバーフィルムを含む感光性積層体であって、
    前記感光性樹脂層及び前記カバーフィルムは接しており、
    前記カバーフィルムが、低密度ポリエチレンであり、かつ
    前記感光性樹脂層が下記成分:
    (A)アルカリ可溶性樹脂
    (B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、
    (C)光重合開始剤、及び
    (D)両末端変性シリコーン化合物であり、カルビノール変性、フェノール変性、又はシラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物
    を含有することを特徴とする、感光性樹脂積層体。
  2. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれか、または両方に由来する構成単位を含有する、請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
  3. 前記(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物として、二官能モノマー、及び三官能以上の多官能モノマーを含む、請求項1又は2に記載の感光性樹脂積層体。
  4. 前記(D)両末端変性シリコーン化合物の官能基当量が、100~1500g/molである、請求項1~3のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  5. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が、55,000未満である、請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  6. 少なくとも1種の前記(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が、20,000未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  7. 前記(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物に対する前記(A)アルカリ可溶性樹脂の質量比(A)/(B)が、1.0未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  8. 前記感光性樹脂層に、前記(D)両末端変性シリコーン化合物由来のシリコーン成分が分散している、請求項1~7のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  9. 前記(D)両末端変性シリコーン化合物は、両末端カルビノール変性、両末端フェノール変性、又は両末端シラノール変性のいずれかで変性された両末端変性シリコーン化合物を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  10. 前記感光性樹脂層と接する前記カバーフィルム表面の表面自由エネルギーと、前記カバーフィルムと接する前記感光性樹脂層表面の表面自由エネルギーとの差が、20mJ/m以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  11. 前記(A)アルカリ可溶性樹脂は、芳香族単量体又は脂環式単量体成分に由来する構成単位を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  12. 前記感光性樹脂層の膜厚が、10μm以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  13. 前記カバーフィルムの前記感光性樹脂層側の表面粗さRzが、200<Rz<800である、請求項1~12のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体を巻回して成るロール。
  15. 以下の工程:
    請求項1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体から前記カバーフィルムを剥がす工程;
    前記感光性樹脂層の前記カバーフィルムを剥がした面を基板に積層して、感光性エレメントを形成する積層工程;
    前記感光性エレメントの前記感光性樹脂層を露光する露光工程;及び
    前記感光性樹脂層の未露光部を現像除去する現像工程;
    を含む、レジストパターンの形成方法。
  16. 請求項1~13のいずれか1項に記載の感光性樹脂積層体から前記カバーフィルムが剥がされた前記感光性樹脂層と、
    前記感光性樹脂層の前記カバーフィルムが剥がされた面から積層された基板と、
    を含む構造体。
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