JP2004043290A - 多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法および多孔質ケイ酸カルシウム - Google Patents

多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法および多孔質ケイ酸カルシウム Download PDF

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Abstract

【課題】吸油性が高く、かつ大きな比表面積を有し、また、製造時における生産性の高い多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法および多孔質ケイ酸カルシウムを提供することにある。
【解決手段】ケイ酸原料および石灰原料をCaO/SiOモル比が0.4〜1.0の範囲内で配合し、水を加えて懸濁させてスラリーを生成するスラリー生成工程と、生成したスラリーを湿式粉砕機を用いて撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせるメカノケミカル反応工程と、メカノケミカル反応終了後のスラリーを撹拌しながら加熱養生する加熱養生工程とを備えることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法及び当該製造方法によって得られた多孔質ケイ酸カルシウム。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法および当該製造方法により得られた多孔質ケイ酸カルシウムに関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、様々な用途のために、吸着剤、触媒担体、調湿剤、ろ過助剤、製紙用添加剤、脱酸素剤等が用いられている。
例えば、吸着剤は、有機系高分子や分子量の大きい蛋白質の吸着剤として用いられている。近年では、シックハウス症候群の原因とされるアセトアルデヒドやホルムアルデヒド等の揮発性有機物質や、異臭の強いアンモニアの吸着剤が必要とされているが、これらは従来品と比較して、より優れた吸着性能が要求される。
【0003】
また、触媒担体は、液状吸着剤の担体用あるいは酸化チタン等の触媒担体として用いられている。そして、製紙用添加剤は、例えば、インクジェットプリンター用紙の滲み防止のために用いられているものである。脱酸素剤は、食品保存等に使用されている。
【0004】
前記した吸着剤等としては、細かい孔を多数有する多孔質体が用いられている。この多孔質体としては、例えば、合成ゼオライト、活性炭、シリカゲル、珪藻土、無水シリカ、アパタイト等が知られている。また、かかる多孔質体は、上記のような用途に用いられるため、吸油性が高く、かつ、大きな比表面積を有するものが求められている。
【0005】
一方、前記した多孔質体としてはケイ酸化合物、特にケイ酸カルシウムが用いられている。このため、ケイ酸カルシウムの合成について種々の方法が開発されており、例えば、オートクレーブを使用した水熱合成による方法が一般的である。かかる水熱合成は、例えば、原料を混合して混合物として、水を加えた後、水中の混合物を撹拌しながら、オートクレーブで加熱して結晶を成長させる手段を用いているものである(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−320016号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
特開平8−12409号公報(第1−7頁)
【特許文献3】
特開2001−172092号公報(第1−9頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、 上記したオートクレーブを使用した水熱合成は、高い反応温度と長い反応時間により多大な熱エネルギーを必要とするため、生産性の面で問題があった。また、得られるケイ酸カルシウムの比表面積や吸油性等の性能についても、必ずしも満足のいくものとはいえなかったのが実状であった。
【0008】
従って、本発明の目的は、吸油性が高く、かつ大きな比表面積を有し、また、製造時における生産性の高い多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法および多孔質ケイ酸カルシウムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法について鋭意検討を重ねた結果、原料であるケイ酸原料と石灰原料のモル比を特定とし、かつ、当該原料を反応させる手段としてメカノケミカル反応工程を備えることにより、前記した課題を解決することができることを知った。また、得られる多孔質ケイ酸カルシウムについても、吸油性が高く、かつ大きな比表面積を有するため、吸着剤や触媒担体をはじめとした種々の用途に好適に使用可能なことを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法は、ケイ酸原料および石灰原料をCaO/SiOモル比が0.4〜1.0の範囲内で配合し、水を加えて懸濁させてスラリーを生成するスラリー生成工程と、
生成したスラリーを湿式粉砕機を用いて撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせるメカノケミカル反応工程と、
メカノケミカル反応終了後のスラリーを撹拌しながら加熱養生する加熱養生工程とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、前記した製造方法により得られることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のケイ酸カルシウムの製造方法(以下、単に「製造方法」とすることもある)に用いられるケイ酸原料としては、例えば、非晶質ケイ酸原料や結晶質ケイ酸原料等が挙げられる。非晶質ケイ酸原料としては、ホワイトカーボン、珪藻土、シリカヒューム等が挙げられる。また、結晶質ケイ酸原料としては、珪石、珪砂、白土等が用いられる。
【0013】
本発明の製造方法に用いられる石灰原料としては、例えば、消石灰(水酸化カルシウム)等が挙げられる。この消石灰(水酸化カルシウム)は、生石灰(酸化カルシウム)を乾式あるいは湿式で消化して得られるものである。
【0014】
また、前記したケイ酸原料および石灰原料を配合したものは、CaO/SiOのモル比が0.4〜1.0の範囲内であり、特に、0.4〜0.7の範囲内とすることが好ましい。CaO/SiOモル比が0.4より小さいと、後記するメカノケミカル反応の反応速度が遅くなってしまい、その結果反応時間が長くなってしまう場合がある。一方、CaO/SiOモル比が1.0を越えると、最終的に得られる多孔質ケイ酸カルシウムの吸油量が低下する場合があるので、それぞれ好ましくない。
【0015】
本発明の製造方法は、前記したケイ酸原料および石灰原料の配合物に対して、水を加えて懸濁させてスラリーを生成させるスラリー生成工程を備えている。かかるスラリー生成工程において、スラリーを得るためには、公知の懸濁液製造の装置等を用いればよく、例えば、ホモジナイザー等が挙げられる。
【0016】
本発明の製造方法は、前記したスラリー生成工程で生成したスラリーを、湿式粉砕機を用いて撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせるメカノケミカル反応工程を備えている。かかるメカノケミカル反応工程で使用される湿式粉砕機としては、衝撃、摩擦の作用により原料を粉砕するものが望ましく、具体的には、ボールミル、ロッドミル等が挙げられる。また、原料を粉砕する際におけるボールミルの形式としては、特に制限はなく、連続式、バッチ式等の公知の形式を用いることができる。
【0017】
当該メカノケミカル反応工程において、スラリーの撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせる時間(メカノケミカル反応時間)は、使用原料の種類や量等によって適宜決定すればよいが、30秒〜100分程度とすればよく、3分〜60分程度とすることが好ましい。メカノケミカル反応時間をかかる範囲とすることにより、比表面積が大きく、吸油性が高い多孔質ケイ酸カルシウムを好適に得ることができるため好ましい。
【0018】
なお、前記したメカノケミカル反応とは、一般に、固体物質が粉砕、摩擦、滑り、切削、延伸、衝撃などの手段で加えられた機械的エネルギーの一部を、固体内部に保有することにより、その物理化学的性状に変化を起こし、拡散、相転移、化学反応などの諸性質に影響を及ぼすことを利用して反応させることをいう。
【0019】
本発明の製造方法は、前記したメカノケミカル反応が終了したスラリーを撹拌しながら加熱養生する加熱養生工程を備えている。かかる加熱養生工程において、加熱養生する手段は、特に制限はなく、公知の方法が使用でき、例えば、電熱ヒータ等の温度調節可能な加熱手段により、前記スラリーを加熱して、スラリーを養生させる方法等を用いることができる。また、加熱養生に必要な時間(加熱養生時間)についても特に制限はないが、一般に、1分〜300分程度とすることが好ましい。
【0020】
なお、本発明の製造方法にあっては、前記した加熱養生工程が終了した生成物を最終生成物(多孔質ケイ酸カルシウム)としてもよいが、加熱養生工程が終了した後の生成物は水分を含んだ状態となっているため、かかる多孔質ケイ酸カルシウムを乾燥する乾燥工程を備えることが好ましい。かかる乾燥工程としては、公知の乾燥方法を施すことができるが、例えば、生成物に対してろ過を行った後の脱水ケーキを乾燥してもよく、また、スラリーを直接スプレードライヤーへ投入する等の公知の手段を用いることができる。公知の脱水手段としては、遠心分離やフィルタープレス等による脱水が挙げられ、また、乾燥手段としてはスプレードライヤー、ミクロンドライヤー等による乾燥が挙げられる。
【0021】
前記した工程を備える本発明の製造方法によれば、原料のケイ酸と石灰を反応させる手段としてメカノケミカル反応工程を備えることにより、従来のオートクレーブを使用した水熱合成と比較して、機械的エネルギーを利用するため反応温度は低くすることができ、また、反応時間も短くすることができる。更には、このように、低温で反応させることができ、反応時間が短いことから、反応に必要とする熱エネルギーも少なくてすみ、その結果、多孔質ケイ酸カルシウムの生産性を高くすることができる。
【0022】
また、従来の水熱合成においては、混合した原料を撹拌して均等に分散させるようにしていたが、各原料の粒子が微細化されるわけではないので、生成される多孔質ケイ酸カルシウムの比表面積の向上は少ない。一方、本発明では、メカノケミカル反応工程を備えることにより、例えば、粉砕等の手段により原料をさらに微細化するので、各原料の粒子の表面積が増大することが可能となり、その結果、比表面積を大きくすることができ、更には、吸油性も高くすることができる。
【0023】
本発明の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記ケイ酸原料として非晶質ケイ酸を主体とした場合には、前記加熱養生工程は、常圧加熱養生であることが好ましい。
加熱養生工程を常圧加熱養生とすることにより、原料は常圧状態で加熱養生され、オートクレーブ等の加圧装置に入れて製造する必要もないので、連続的に多孔質ケイ酸カルシウムを製造することができる。従って、多孔質ケイ酸カルシウムの製造量の増加を図ることを可能とするため好ましい。
【0024】
前記の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法では、加熱養生工程における加熱養生温度は、60℃以上であることが好ましい。加熱養生温度が60℃より低いと、多孔質ケイ酸カルシウムの生成に長時間を要するため、実用的でなくなる場合がある。
【0025】
本発明の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記ケイ酸原料に、結晶質ケイ酸を主体とした場合、前記加熱養生工程は、常圧加熱養生、加圧加熱養生のいずれも採用できる。常圧加熱養生では、非晶質ケイ酸を主体とした場合と同様の利点が生じる。加圧加熱養生では、例えば、オートクレーブ等の装置により加圧加熱養生を行う。本発明では、既にメカノケミカル反応工程を実施した後で、加熱養生工程を行うため、加圧加熱養生を行っても、その養生時間は、従来の水熱合成の時間に比較して、大幅に短縮できる。従って、反応時間が短くてすむので、生産性に支障を生じることはない。
【0026】
前記の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、加熱養生工程における加熱養生温度は、常圧加熱養生においては、非晶質ケイ酸を主体とした場合と同様、60℃以上であることが好ましい。また、加圧加熱養生においては、230℃以下であることが好ましい。加圧加熱養生の場合、230℃を越えると、飽和水蒸気圧が高くなりすぎるため、反応装置として高性能ないし大型のものを要求されることとなり、製造コストが増大してしまうという問題があり好ましくない。
【0027】
前記の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記メカノケミカル反応工程におけるメカノケミカル反応時間は、30秒〜100分であることが好ましい。メカノケミカル反応時間をかかる範囲とすることにより、比表面積が大きく、吸油性が高い多孔質ケイ酸カルシウムを好適に得ることができる。
【0028】
本発明の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法では、前記スラリー生成工程において加えられる水の量としては、ケイ酸原料および石灰原料の配合量に対して10〜200重量倍の水を加えることが好ましい。
加えられる水の量が10重量倍より少ないと、スラリーの流動性がなくなり、配合物を均一ないし均質に混合することができない場合がある。一方、加えられる水の量が200重量倍を越えると、スラリー全体に対する水の体積が大き過ぎてしまうため、スラリーを製造する設備を大きくする必要がある場合があり、それぞれ好ましくない。
【0029】
また、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、前記した多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法により得られたことを特徴とする。
このような本発明によれば、前述と同様の作用により、吸油性かつ比表面積が高く、生産性の高い多孔質ケイ酸カルシウムとすることができる。
【0030】
本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、BET比表面積が50〜500m/gであることが好ましい。多孔質ケイ酸カルシウムのBET比表面積が50m/gより小さいと、例えば、吸着剤等として適用する場合にあっては、満足する性能が得られない場合がある。一方、BET比表面積が500m/gを越える多孔質ケイ酸カルシウムを得ようとすると、製造する際に、使用する粉砕手段等が大型ないし高性能のものが必要とされ、製造に必要とするエネルギーが大きくなるので、製造コストが増大する場合がある。
【0031】
また、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、JIS K6220に準拠して測定される吸油量が50〜500ml/100gであることが好ましい。吸油量が50ml/100gより小さいと、例えば、製紙用添加剤等として適用する場合にあっては、満足する性能が得られない場合がある。また、吸油量が500ml/100gを越える多孔質ケイ酸カルシウムを得ようとすると、製造する場合にあっては、使用する粉砕手段等が大型ないし高性能のものが必要となり、製造に必要とするエネルギーが大きくなるので、製造コストが増大する場合がある。
【0032】
なお、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、前記したBET比表面積が200〜500m/gであり、かつ、前記吸油量が200〜500ml/100gであることが特に好ましい。多孔質ケイ酸カルシウムのBET比表面積と吸油量をかかる範囲とすることにより、より吸着性能が高いことが求められる用途、例えば、異臭の強いアンモニアやアセトアルデヒド、ホルムアルデヒドといったガスや、病院、医療研究機関から排出される体液などの蛋白質の吸着剤、及び触媒担体として適する性能を有するという点において好ましい。
また、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、BET比表面積を250〜500m/g、かつ、吸油量を300〜500ml/100gとすれば、前記した性能が更に優れたものとなる。
【0033】
本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、その二次粒子径が、1〜50μm程度の粉状体である。本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、二次粒子径がかかる範囲であるため、BET比表面積を高くすることができるという点で好ましい。
【0034】
かくして得られる本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、吸着剤、触媒担体、調湿剤、ろ過助剤、脱酸素剤、製紙用添加剤、塗料・インキ、ゴム、プラスチック、シーリング材、および接着剤等の原料として好適に用いられる。
【0035】
特に、多孔質であることも含め、シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機物質や、異臭の強いアンモニアといったガスの吸着剤、液体吸着では、病院、医療研究機関から排出される体液などの蛋白質の吸着剤として適する性能を有する。また、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、700℃以下での熱安定性を有し、700℃以下、特に300〜500℃の高温域で使用される触媒担体としても好適なものである。
【0036】
具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等の低級アルデヒドやアンモニアといったガス吸着がある。シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機物質や、異臭の強いアンモニアの吸着は、より吸着性能が高いことが要望されるのであるが、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムはその吸着性能を有するものである。
【0037】
また、ガス吸着以外としても、病院、医療研究機関等から排出される体液等の吸着としての性能も有しており、蛋白質の吸着剤としての用途としても好適に使用できる。すなわち、一般に、ケイ酸カルシウムは、高温下で結晶水の脱水が起こるため、その構造が変化する。例えば、結晶質のトバモライト(5CaO・6S・5HO)を用いた成形体の場合、約200℃附近で結晶水の脱水による吸熱が始まり、約850℃附近で急激な発熱が生じて、ワラストナイト(β−CaS)への結晶化が起こる。一方、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、当該結晶質のトバモライトやゾノトライト(6CaO・6S・1HO)よりもBET比表面積および吸油性が高く、蛋白質の吸着剤としての用途としても好適に使用できるものである。
【0038】
更には、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、700℃までの高温域でもBET比表面積および吸油量の大きな変化が起こらないため、700℃以下、特に300〜500℃の反応条件下で使用される触媒担体としても好適なものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法は、ケイ酸原料および石灰原料の配合物を原料とするものであり、スラリー生成工程と、メカノケミカル反応工程と、加熱養生工程と、脱水乾燥工程とを備えている。
【0040】
使用されるケイ酸原料としては、非晶質ケイ酸原料や結晶質ケイ酸原料等が挙げられ、本実施形態では、非晶質ケイ酸原料のホワイトカーボンを用いている。また、石灰原料としては、消石灰(水酸化カルシウム)を採用している。この消石灰(水酸化カルシウム)は、生石灰(酸化カルシウム)を乾式あるいは湿式で消化して得られるものである。
これらのケイ酸原料および石灰原料を公知の計量手段により秤量して、CaO/SiOモル比が0.4〜1.0の範囲内になるように配合する。
【0041】
スラリー生成工程は、前記したように、ケイ酸原料および石灰原料をCaO/SiOモル比が0.4〜1.0の範囲内に配合した後、当該原料をホモジナイザー等公知の懸濁液製造の装置に入れ、水を加えて懸濁させてスラリーを生成させる工程である。
【0042】
スラリー生成工程において加える水の量としては、ケイ酸原料および石灰原料の配合量に対して10〜200倍重量程度とすることが好ましい。
加える水の量が10倍未満であると、スラリーの流動性がなくなり、配合物を均一ないし均質に混合することができない場合がある。また、加える水の量が200倍を越えると、スラリー全体に対する水の体積が大きくなり、スラリーを製造する設備が大きくなる場合がある。
【0043】
次に、メカノケミカル反応工程は、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーを、湿式粉砕機を用いて撹拌及び粉砕を同時に行って、メカノケミカル反応を生じさせる工程である。
具体的には、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーを、湿式粉砕機である湿式ボールミルに投入して、この湿式ボールミルにより前記スラリーを撹拌及び粉砕を同時に行いメカノケミカル反応を生じさせる。本実施形態においては、前記ボールミルの形式は、前記スラリーを粉砕する際において、連続式のものを使用している。
【0044】
更には、加熱養生工程は、前記のメカノケミカル反応終了後、該スラリーを撹拌しながら加熱養生する。本実施態様では、この加熱養生工程においては、電熱ヒータ等の温度調節可能な加熱手段により、前記スラリーを加熱して、スラリーを養生させる。この加熱養生工程での加熱温度は、60℃以上で行うようにすることが好ましい。この加熱養生工程は、60℃より低い温度で行うと、多孔質ケイ酸カルシウムの生成に長時間を要するため、実用的でなくなる場合がある。
【0045】
そして、脱水乾燥工程は、加熱養生したスラリーが水分を含んだ多孔質ケイ酸カルシウムになっているため、かかる多孔質ケイ酸カルシウムを公知の方法によりろ過、脱水、乾燥させる工程である。高比表面積、高吸油量を有する多孔質ケイ酸カルシウムを得る。
【0046】
なお、得られた多孔質ケイ酸カルシウムのBET比表面積は、日機装株式会社製ベータソーブ4200型等の公知の装置を用いて測定することができる。また、吸油量をJIS K6220に準拠して、DOP(ジオクチルフタレート)等を用いて測定することができる。さらに、二次粒子径は、日機装株式会社マイクロトラックHRA型等の公知の測定装置で測定した50%平均粒子径とすればよい。
この得られた多孔質ケイ酸カルシウムは、BET比表面積が50〜500m/gで、JIS K6220に規定される吸油量が50〜500ml/100gである。また、二次粒子径は、約1〜50μmである。
【0047】
また、得られた多孔質ケイ酸カルシウムは、吸着剤、触媒担体、調湿剤、ろ過助剤、脱酸素剤、製紙用添加剤、塗料・インキ、ゴム、プラスチック、シーリング材、および接着剤等の原料として好適に用いられる。
【0048】
上述のような本実施形態によれば、従来のオートクレーブを用いた水熱合成法に比べて、以下のような効果がある。
(1)原料のケイ酸と石灰を反応させる手段としてメカノケミカル反応工程を備えることにより、従来のオートクレーブを使用した水熱合成と比較して、機械的エネルギーを利用するから反応温度は低くすることができ、また、反応時間も短くすることができる。従って、低温で反応させることができ、かつ反応時間が短いから、反応に必要とする熱エネルギーも少なくてすみ、多孔質ケイ酸カルシウムの生産性を高くすることができる。
【0049】
(2)従来の水熱合成においては、混合した原料を撹拌して均一ないし均質に分散させるようにしていたが、各原料の粒子が微細化されるわけではないので、製造される多孔質ケイ酸カルシウムの比表面積の向上は少ないものであった。一方、本発明の製造方法では、メカノケミカル反応工程を備えることにより、例えば、粉砕等の手段により原料をさらに微細化するので、各原料の粒子の表面積が増大する。従って、各原料の表面積が増大するので、比表面積を高くすることができる。更には、吸油性も高くすることができる。
【0050】
(3)本実施形態における製造方法では、加熱養生工程の手段として常圧で加熱養生するため、オートクレーブ等の加圧装置に入れて製造する必要がないので、連続的に多孔質ケイ酸カルシウムを製造することができる。従って、連続的に製造することができるので、多孔質ケイ酸カルシウムの製造量の拡大を図ることができる。
【0051】
(4)ケイ酸原料としては、非晶質ケイ酸原料のホワイトカーボンを使用しているため、メカノケミカル反応工程における多孔質ケイ酸カルシウムの合成には、分単位の時間で十分であり、省エネルギー化され、かつ生産性に優れている。
【0052】
(5)二次粒子径が1〜50μmと、従来品と比較して二次粒子径が小さい多孔質ケイ酸カルシウムを得ることができるため、BET比表面積を高くすることができるという点で有効である。
【0053】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明で既に説明した箇所や部材が共通するものについてはその説明を簡略する。
【0054】
第1実施形態では、ケイ酸原料は、非晶質ケイ酸原料のホワイトカーボンを採用していたが、第2実施形態では、ケイ酸原料として、結晶質ケイ酸原料の珪石を採用している。
そのため、第1実施形態では、加熱養生工程として常圧加熱養生を採用したが、本第2実施形態では、加熱養生工程としては、常圧加熱養生または加圧加熱養生のいずれをも採用できる。
なお、加熱養生工程として常圧加熱養生を用いた場合には、前記した第1実施形態と比較して、メカノケミカル反応工程における多孔質ケイ酸カルシウムの合成には時間を要するが、その他については、同様の効果が得られる。
【0055】
第2実施形態における加熱養生工程が、加圧加熱養生の場合にあっては、メカノケミカル反応工程までを経て得られたスラリーを、オートクレーブ等の装置を用いて加圧加熱養生する。
ここで、この加熱養生工程における加熱養生温度としては、230℃以下とすることが好ましい。加熱養生温度が230℃を越えると、飽和水蒸気圧が高くなりすぎることから、反応装置として高性能ないし大型のものを要求されるため、製造コストが増大するという問題がある。
【0056】
上述のような本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果((3)、(4)を除く)に加えて次のような効果がある。
(6)結晶質ケイ酸原料である珪石を原料として用いる場合には、前記加熱養生工程は、加圧加熱養生であり、例えば、オートクレーブ等の装置により加圧加熱養生を行うことがある。本実施形態では、既にメカノケミカル反応工程を実施した後で加熱養生工程を行うため、加圧加熱養生を行っても、その養生時間は従来の水熱合成の時間に比較して大幅に短縮することができる。従って、反応時間が短くてすむので、生産性に支障を生じることはない。
【0057】
(7)結晶質ケイ酸原料として用いている珪石は安価であるため、原料コストの削減が可能になる。
【0058】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。例えば、乾燥工程を経て得られた多孔質ケイ酸カルシウムは、必要に応じて粉砕処理を施してもよい。このようにすれば、多孔質ケイ酸カルシウムは粉砕により微細化され、比表面積の更に大きい多孔質ケイ酸カルシウムとすることができる。
また、各工程のいずれかにおいて、反応促進のため水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を少量添加しても構わない。
【0059】
ケイ酸原料としては、非晶質ケイ酸原料のホワイトカーボンや結晶質ケイ酸原料の珪石を使用していたが、これには限定されず、非晶質ケイ酸原料の珪藻土、シリカヒューム等や、結晶質ケイ酸原料の珪砂、白土等を使用してもよい。
【0060】
メカノケミカル反応工程において、湿式粉砕機としてはボールミルを用いていたが、これに限られず、ロッドミル等を用いてもよい。
また、前記スラリーを粉砕する際のボールミルの形式としては、連続式のものを使用していたが、これに限られず、バッチ式のものを用いてもよい。
【0061】
その他、本発明を実施する場合における具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲内で他の構造や形状等としてもよい。
【0062】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例等の内容に限定されるものではない。
【0063】
[実施例1]
ケイ酸原料としてホワイトカーボン(ゼオシール77ローディア(株)製)、及び石灰原料として生石灰(ロータリーキルン焼成生石灰JIS特号:足立石灰工業(株)製)を湿式で消化した消石灰を用いた。このケイ酸材料と石灰原料を、CaO/SiOモル比が0.4となるように配合した後、ケイ酸原料と石灰原料を配合したものに重量比で25倍の水を加えて懸濁・混合させて攪拌しながらスラリーを得た(スラリー生成工程)。
【0064】
次に、湿式の連続式ボールミル(DYNO−MILL:KDLパイロット製、(φ1.0mmガラスビーズ使用:シンマルエンタープライゼス(株)製))を用いて、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーに対して撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせた(メカノケミカル反応工程)。この時の連続式ボールミルでのスラリー滞留時間(メカノケミカル反応時間)は3分であった。
【0065】
メカノケミカル反応後のスラリーを90℃に加熱養生し、30分間温度を維持した(加熱養生工程)。そして、このスラリーをろ過した後、得られた固形物を120℃で乾燥した(乾燥工程)。乾燥後、生成物を粗粉砕して、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0066】
[実施例2]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用いて、CaO/SiOモル比を0.7として配合し、その後は、実施例1と同様の方法を用いて、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0067】
[実施例3]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用いて、CaO/SiOモル比を1.0に配合し、その後は、実施例1と同様の方法を用いて、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0068】
[実施例4]
ケイ酸原料として珪石(シリカ100:敦賀セメント建材(株)製)、石灰原料として実施例1と同様に生石灰を湿式で消化した消石灰を用いた。このケイ酸原料と石灰原料を、CaO/SiOモル比を0.7に配合して、実施例1と同様にスラリー生成工程を行い、スラリーを得た。
【0069】
次に、湿式のバッチ式ボールミル(2リットル磁性ボールミル(φ10mmアルミナボール使用):ニッカトー(株)製)を用いて、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーに対して、撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせた(メカノケミカル反応工程)。このときのバッチ式ボールミルでのスラリー滞留時間(メカノケミカル反応時間)は1時間(60分)であった。その後は、実施例1と同様な方法を用いて、ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0070】
[実施例5]
実施例4におけるメカノケミカル反応で得たスラリーを撹拌しながらオートクレーブ(SUS製3リットルオートクレーブ:耐圧硝子工業社製)で140℃、4時間(240分)で水熱合成した。水熱合成後のスラリーをろ過した後、実施例1と同様にして多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0071】
[実施例6]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.50に配合した後、ケイ酸原料と石灰原料を配合したものに重量比で25倍の水を加えて懸濁・混合させて攪拌しながらスラリーを得た(スラリー生成工程)。
【0072】
次に、実施例1と同様な湿式の連続式ボールミルを用いて、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーに対してメカノケミカル反応を生じさせた(メカノケミカル反応工程)。このときの連続式ボールミルでのスラリー滞留時間(メカノケミカル反応時間)は6分であった。
【0073】
メカノケミカル反応後の前記スラリーを90℃に加熱養生し、30分間温度を維持した(加熱養生工程)。そして、このスラリーをろ過した後、得られた固形物を120℃で乾燥した(乾燥工程)。乾燥後、生成物を粗粉砕して、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0074】
[実施例7]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.60に配合し、その後は、実施例6と同様の方法を用いて(メカノケミカル反応時間 6分)、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0075】
[実施例8]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.70に配合して、その後は、実施例6と同様の方法を用いて(メカノケミカル反応時間 6分)、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0076】
[実施例9]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.89に配合して、その後は、実施例6と同様の方法を用いて(メカノケミカル反応時間 6分)、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0077】
[実施例10]
ケイ酸原料及び石灰原料として、実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.60に配合し、その後は、実施例1と同様な方法を用いて(メカノケミカル反応時間 3分)、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0078】
[実施例11]
ケイ酸原料及び石灰原料として、実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.60に配合し、その後は、メカノケミカル反応工程における連続式ボールミルでのスラリー滞留時間(メカノケミカル反応時間)を20分で行う以外は実施例1と同様の方法を用いて、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0079】
[実施例12]
ケイ酸原料に結晶質の珪石(シリカ100:敦賀セメント建材(株)製)を用い、石灰原料として実施例1と同様に生石灰を湿式で消化した消石灰を用いた。このケイ酸原料と石灰原料を、CaO/SiOモル比を0.6に配合して、実施例1と同様にスラリー生成工程を行い、スラリーを得た。その後は、メカノケミカル反応工程における連続式ボールミルでのスラリー滞留時間(メカノケミカル反応時間)を60分で行う以外は実施例1と同様の方法を用いて、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0080】
[比較例1]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用いて、CaO/SiOモル比を1.1として配合し、その後は、実施例1と同様の方法を用いて(メカノケミカル反応時間 3分)、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0081】
[比較例2]
ケイ酸原料として珪石粉末、石灰原料として生石灰を湿式で消化した消石灰を用いた。CaO/SiOモル比を0.7に配合した。その後、ケイ酸原料と石灰原料を配合したものに重量比で25倍の水を加えて懸濁・混合させて攪拌しながらスラリーを得た(スラリー生成工程)。
【0082】
次に、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーを撹拌しながらオートクレーブ(SUS製3リットルオートクレーブ:耐圧硝子工業社製)を用いて、温度200℃として、8時間(480分)水熱合成させた。水熱合成により得られた水分を含んだスラリーをろ過して得られた固形物を120℃で乾燥した。乾燥後、生成物を粗粉砕して、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0083】
[比較例3]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用い、CaO/SiOモル比を0.10に配合した後、ケイ酸原料と石灰原料を配合したものに重量比で25倍の水を加えて懸濁・混合させて攪拌しながらスラリーを得た(スラリー生成工程)。
【0084】
次に、実施例1と同様な湿式の連続式ボールミルを用いて、前記のスラリー生成工程で生成したスラリーに対してメカノケミカル反応を生じさせた(メカノケミカル反応工程)。このときの連続式ボールミルでのスラリー滞留時間(メカノケミカル反応時間)は6分であった。
【0085】
メカノケミカル反応後の前記スラリーを90℃に加熱養生し、30分間温度を維持した(加熱養生工程)。そして、このスラリーをろ過した後、得られた固形物を120℃で乾燥した(乾燥工程)。乾燥後、生成物を粗粉砕して、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0086】
[比較例4]
ケイ酸原料及び石灰原料として実施例1と同様の原料を用いて、CaO/SiOモル比を0.29に配合し、その後は、実施例6と同様の方法を用いて(メカノケミカル反応時間 6分)、多孔質ケイ酸カルシウム粉末を得た。
【0087】
[試験例1]
以上説明した各実施例及び比較例で得られた多孔質ケイ酸カルシウム粉末について、下記の方法によりBET比表面積、吸油量、二次粒子径の測定を行い、比較・評価した。結果を表1に示す。
【0088】
( BET比表面積の測定方法 )
比表面積計(ベータソーブ4200型:日機装株式会社製)を用いて測定した。
【0089】
( 吸油量の測定方法 )
JIS K6220に準拠して、DOP(ジオクチルフタレート)を用いて測定した。
【0090】
( 二次粒子径の測定方法 )
日機装株式会社マイクロトラックHRA型で測定した50%平均粒子径を二次粒子径とした。
【0091】
( 結 果 )
【表1】
Figure 2004043290
【0092】
まず、実施例1〜3と比較例1を比較すると、CaO/SiOモル比が0.4〜1.0の範囲内にある実施例1〜3は、BET比表面積、吸油量では、当該モル比が1.0より大きい比較例1より大きいという結果であった。従って、これら実施例1〜3の方が比較例1よりも、BET比表面積、吸油量の面において優れた多孔質ケイ酸カルシウムであったことが確認できた。
【0093】
また、実施例2、4と比較例2を比較すると、BET比表面積の面において、比較例2は、実施例2、4よりも劣っている。従って、比較例2のようにオートクレーブによる水熱合成を行うよりも、実施例2、4のようにボールミル等の粉砕手段を用いてメカノケミカル反応により多孔質ケイ酸カルシウムを製造する方がよいことが確認できた。
【0094】
さらに、実施例5と比較例2を比較すると、メカノケミカル反応を行うことにより、オートクレーブによる加熱養生の温度の低下、時間の短縮にもかかわらず、BET比表面積、吸油量の面において優れた多孔質ケイ酸カルシウムが得られることが確認できた。
【0095】
次に、比較例3、4及び実施例6〜9のCaO/SiOモル比と比表面積との関係を図1に、また、CaO/SiOモル比と吸油量との関係を図2に示した。
図1及び図2からわかるように、メカノケミカル反応を6分と一定にした場合においては、CaO/SiOモル比は0.4〜0.7としておけば、BET比表面積が200〜500m/gの範囲に、また、吸油量が200〜500ml/100gの範囲にあることが確認できた。
【0096】
次に、実施例7、実施例10及び実施例11の結果より、CaO/SiOモル比を一定にした場合においては、メカノケミカル反応時間を長くすることにより、BET比表面積および吸油量が向上することが確認できた。
【0097】
また、実施例12では、ケイ酸原料として結晶質の珪石を用いて合成を行っている。これを、ケイ酸原料として非晶質ケイ酸原料(ホワイトカーボン)を使用している実施例7と比較すると、実施例7は、メカノケミカルの反応時間が短いにもかかわらず、実施例12と比べてBET比表面積および吸油量について優れたものであった。この結果から、ケイ酸原料には非晶質ケイ酸原料がより好ましいことが確認できた。
【0098】
なお、実施例1〜12で得られた多孔質ケイ酸カルシウムの二次粒子径は、いずれも1〜50μmの範囲内であった。
【0099】
[試験例2]
( ガス吸着性能の評価 )
実施例7で製造された多孔質ケイ酸カルシウムに対して、下記の方法にてのアセトアルデヒドおよびアンモニアの吸着測定を行い、性能を評価した。結果を表2及び図3に示す。
【0100】
< アセトアルデヒドの吸着測定 >
3.85リットルのガロン瓶に15μリットルのアセトアルデヒドを注入して、初期濃度を確認した後、実施例7で製造された多孔質ケイ酸カルシウム1gを投入して、時間変化に伴うアセトアルデヒドの濃度についてガスクロマトグラフィーを用いて測定を行った。
【0101】
< アンモニアの吸着測定 >
3.85リットルのガロン瓶に10μリットルのアンモニアを注入して、初期濃度を確認した後、多孔質ケイ酸カルシウム1gを投入して、時間変化に伴うアンモニアの濃度について検知管を用いて測定を行った。
【0102】
( 測定結果 )
【表2】
Figure 2004043290
【0103】
表2及び図3より、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、アセトアルデヒドおよびアンモニアに対しての吸着性能に優れていることが確認できた。すなわち、本発明は、シックハウス症候群の原因とされるアセトアルデヒド等の揮発性有機物質や、異臭の強いアンモニアに対する吸着剤として好適であるものと考えられる。
【0104】
[試験例3]
( 溶液吸着性能の評価 )
実施例7で製造された多孔質ケイ酸カルシウムに、蛋白質の1種であるアルブミンの吸着性能の評価を行った。
【0105】
アルブミンの吸着測定は、COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)値が10ppmの牛血清アルブミン溶液200mlに対して、実施例7で合成された試料0.5gを添加し、30分間攪拌を行った後、CODの測定を開始した。結果を図4に示す。
【0106】
なお、一般に、アルブミンの吸着測定は、COD値を測定することにより確認できることが知られている。図5にアルブミン濃度とCODの関係を示すが、この結果からも、アルブミンとCODの濃度については相関性があることがわかる。また、本試験例におけるCOD値の測定は、JIS K0102に準拠したアルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量を確認することによって行った。
【0107】
図4及び図5より、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、アルブミンに対して、吸着性能に優れていることが確認できた。すなわち、本発明は、病院、医療研究機関等から排出される体液等の蛋白質の吸着剤として好適に用いることができると考えられる。
【0108】
[試験例4]
( 熱安定性の評価 )
実施例7で得られた多孔質ケイ酸カルシウム粉末に対して、500℃、600℃、700℃及び800℃の温度条件下で32時間保持した場合における、BET比表面積及び吸油量を測定した。結果を表3に示す。なお、BET比表面積及び吸油量の測定方法は、試験例1で用いた方法と同様とした。
【0109】
( 結 果 )
【表3】
Figure 2004043290
【0110】
表3より、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、700℃までの高温域でもBET比表面積及び吸油量の大きな変化が起こらないことがわかった。この結果より、本発明の多孔質ケイ酸カルシウムは、700℃以下、好ましくは300〜500℃の反応条件下で使用される触媒担体としても使用可能であることが確認できた。
【0111】
【発明の効果】
本発明の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法によれば、原料のケイ酸と石灰を反応させる手段としてメカノケミカル反応工程を備えることにより、従来のオートクレーブを使用した水熱合成と比較して、機械的エネルギーを利用するから反応温度は低くすることができ、また反応時間も短くすることができる。従って、必要とされる熱エネルギーも少なくてすむため、多孔質ケイ酸カルシウムの生産性を高くすることができる。
【0112】
また、本発明では、メカノケミカル反応工程を備えることにより、例えば、粉砕等の手段により原料をさらに微細化するので、各原料の粒子の表面積が増大する。従って、各原料の表面積が増大するので、比表面積を高くすることができ、更には、吸油性も高くすることができる。
【0113】
そして、得られる多孔質ケイ酸カルシウムも、二次粒子径が小さく、BET比表面積及び吸油量に優れるものであるため、吸着剤、触媒担体、調湿剤、ろ過助剤、脱酸素剤、製紙用添加剤、塗料・インキ、ゴム、プラスチック、シーリング材、および接着剤等の原料として有利に使用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】CaO/SiOモル比とBET比表面積との関係を示すグラフである。
【図2】CaO/SiOモル比と吸油量との関係を示すグラフである。
【図3】実施例7で得られた多孔質ケイ酸カルシウムのアセトアルデヒド及びアンモニアに対する吸着性能を示すグラフである。
【図4】実施例7で得られた多孔質ケイ酸カルシウムの、時間経過に対するCODの吸着量を示したグラフである。
【図5】アルブミン濃度とCOD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)との関係を示すグラフである。

Claims (12)

  1. ケイ酸原料および石灰原料をCaO/SiOモル比が0.4〜1.0の範囲内で配合し、水を加えて懸濁させてスラリーを生成するスラリー生成工程と、
    生成したスラリーを湿式粉砕機を用いて撹拌及び粉砕を同時に行い、メカノケミカル反応を生じさせるメカノケミカル反応工程と、
    メカノケミカル反応終了後のスラリーを撹拌しながら加熱養生する加熱養生工程とを備えることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  2. 請求項1記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記CaO/SiOモル比が0.4〜0.7であることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記ケイ酸原料は非晶質ケイ酸を主体とし、かつ、前記加熱養生工程は常圧加熱養生であることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  4. 請求項3に記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記加熱養生工程における加熱養生温度は60℃以上であることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記ケイ酸原料は結晶質ケイ酸を主体とし、かつ前記加熱養生工程は常圧加熱養生または加圧加熱養生であることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  6. 請求項5に記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記加熱養生工程における加熱養生温度は、常圧加熱養生の場合は、60℃以上であり、加圧加熱養生の場合は、230℃以下であることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れかに記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記メカノケミカル反応工程におけるメカノケミカル反応時間が30秒〜100分であることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れかに記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法において、前記スラリー生成工程は、ケイ酸原料および石灰原料の配合量に対して10〜200重量倍の水を加えることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法。
  9. 請求項1ないし請求項8の何れかに記載の多孔質ケイ酸カルシウムの製造方法により得られたことを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウム。
  10. 請求項9に記載の多孔質ケイ酸カルシウムにおいて、BET比表面積が50〜500m/gであり、かつJIS K6220に準拠して測定される吸油量が50〜500ml/100gであることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウム。
  11. 請求項9に記載の多孔質ケイ酸カルシウムにおいて、BET比表面積が200〜500m/gであり、かつJIS K6220に準拠して測定される吸油量が200〜500ml/100gであることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウム。
  12. 請求項9ないし請求項11の何れかに記載の多孔質ケイ酸カルシウムにおいて、吸着剤または触媒担体として使用されることを特徴とする多孔質ケイ酸カルシウム。
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