JP2004043123A - エレベーター及びエレベーター巻上機のブレーキ開放装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】速く安全に救出作業が行え、乗りかごがブレーキワイヤを操作する乗り場付近にあっても、救出作業が行え、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともない、安全性なエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供する。
【解決手段】巻上機102のブレーキ102aに係合するブレーキワイヤ10の端部を乗り場の敷居21直下または乗り場インジケータ箱24に位置せしめ、ブレーキ開放装置のレバー操作により、ブレーキワイヤ10の端部からインナワイヤ12を牽引することにより、ブレーキを開放操作する。
【選択図】 図2
【解決手段】巻上機102のブレーキ102aに係合するブレーキワイヤ10の端部を乗り場の敷居21直下または乗り場インジケータ箱24に位置せしめ、ブレーキ開放装置のレバー操作により、ブレーキワイヤ10の端部からインナワイヤ12を牽引することにより、ブレーキを開放操作する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻上機が駆動できなくなった場合に巻上機のブレーキを開放して乗りかごを乗り場に誘導するエレベーターおよび上記ブレーキを開放する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベーターの運転中に地震や停電などが起きたり、エレベーターが故障したりして、巻上機の運転ができなくなると、乗りかごが階間に停止してしまう場合がある。このような場合には、巻上機のブレーキを手動で開放して、乗りかごを乗り場まで昇降させる救出運転がなされている。
【0003】
巻上機のブレーキを手動で開放する装置としては、既に様々なものが提案されている。
【0004】
例えば、特開2001−233563号公報には、救出運転時に乗り場床に仮設される足踏みレバーを押し下げることにより、ブレーキワイヤを牽引してブレーキを開放する救出運転操作機構が示されている。
【0005】
また、特開2000−169055号公報には、巻上機の近くに配置されたバッテリーで巻上機のブレーキを開放したり、手動のブレーキ開放レバーによって巻上機のブレーキを開放する装置が示されている。
【0006】
また、特開2001−122547号公報には、エレベーターの巻上機と手動操作部の間に、ブレーキ開放用ワイヤと、巻上機の回転軸に固定されたピニオンと、上記ピニオンに噛合うラックと、上記ラックを噛合い位置に変位させる噛合い用ワイヤと、上記ラックを長手方向に往復動作させる手動駆動用ワイヤとを備え、これらのワイヤを操作するブレーキ開放用レバーと手動駆動用レバーと噛合い用レバーとが乗り場のインジケータ箱に固定されている手動操作装置が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、異常停止した乗りかごがブレーキ開放装置を設置する乗り場床付近にある場合には、昇降路内にあるブレーキワイヤの端末を乗り場側に引き出すことができなくなる心配があった。また、昇降路内からブレーキワイヤの端末を引き出すのに時間や手間がかかってしまう心配があった。
【0008】
また、ブレーキワイヤの端末を乗り場の床面などに引き出すためには、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要があり、たるんだワイヤが乗りかごに引っ掛かってしまう心配があった。さらに、乗り場側にブレーキワイヤを引き出すことによって、ブレーキワイヤの一部が乗りかご側に膨らんでしまったり、張力を加えることによってワイヤが動いたりして、誘導される乗りかごに引っ掛かってしまう危険性があった。
【0009】
また、一般に巻上機のブレーキを開放するには、数10kgfから100kgf以上に及ぶ力を数10mmのストロークで操作用のワイヤにかけなければならないことがあり、操作レバーもそれなりの大きさが必要であった。そのため、ブレーキ開放用レバーを乗り場インジケータの箱などに収納するためには、上記箱を大型にする必要があり、意匠性が悪化してしまう心配があった。
【0010】
インジケータ箱で操作レバーの回転軸やワイヤのアウタチューブを支持しているものでは、操作レバーを引いてワイヤに大きな張力を与えると、モーメント荷重とともに、乗り場インジケータの箱を壁面から引き剥がす方向に大きな反力が作用する。
【0011】
一般に乗り場インジケータの箱が設置されるところは、ホールの意匠面になっており、建物の鉄骨などがあるとは限らないため、この反力を支持することが困難であることがあり、特別に構造物を設置しなければならない心配があった。また、乗り場インジケータの箱自体にも十分な強度が必要になるため、上記箱がさらに大型化し、意匠性が悪化してしまう心配があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、速く安全に救出作業が行え、乗りかごがブレーキワイヤを操作する乗り場付近にあっても、問題なく救出作業が行え、また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともない、安全性なエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、操作レバーを収納するために乗り場インジケータの箱を大きくする必要がなく、操作レバーの反力を支持するための構造物を建物側に特別に設ける必要がなく、意匠性が悪化する心配がないエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のエレベーターは、乗りかごと釣り合い重りとを懸架する吊りロープが巻きかけられたシーブを回転駆動する巻上機と、この巻上機を制動するブレーキ装置と、インナワイヤと可撓性があるアウタチューブからなり、一端が上記ブレーキ装置に連結され、他端において上記アウタチューブに対して上記インナワイヤを牽引することによって上記ブレーキを解放できるブレーキワイヤと、を備え、上記ブレーキワイヤの巻上機側でない端部は、エレベーターの乗り場ドアの敷居に形成された穴の略真下に固定されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記敷居に形成された穴は、エレベーターの前記乗り場ドアが開いた時にのみ、露出される位置にあり、上記ブレーキワイヤの端部では、インナワイヤとアウタチューブとの隙間を覆うカバーが、上記インナワイヤに設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、異常や故障によりエレベーターの巻上機が駆動できなくなり、巻上機のブレ−キが作動した状態で乗りかごが階間に停止した場合には、作業員によって乗り場ドアをわずかに開けて、露出した上記穴に牽引手段を挿入して上記インナワイヤを牽引してブレーキを開放して救出運転を行うことができる。
【0017】
そのため、ブレーキワイヤを昇降路から乗り場側に引き出す必要がないので、速く安全に作業でき、また、乗り場ドアの前にかごがあっても、問題なく作業でき、さらに、ブレーキワイヤを昇降路内にたるませておく必要がないので、安全性を確保できる。
【0018】
また、敷居に形成された穴は乗り場ドアが開いた時にのみ露出され、インナワイヤとアウタチューブとの隙間を覆うカバーが設けられていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、敷居の穴からごみや雨水などが浸入しにくく、仮に浸入してもインナワイヤとアウタチューブの間に侵入してブレーキワイヤが腐食などにより劣化することを防止できる。
【0020】
また、本発明のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置は、上記のエレベーターにおける前記ブレーキワイヤを操作する装置であって、前記乗り場ドアの敷居に形成された前記穴に挿入され、この穴の略真下に固定された前記ブレーキワイヤの前記インナワイヤと連結可能な連結部材と、上記連結部材を牽引するレバー機構と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、上記連結部材と上記インナワイヤとを連結して、乗り場の敷居の近傍に設置したブレーキ開放装置でその連結部材をレバー機構で牽引して、ブレーキワイヤを乗り場に引き出すことなく速く安全に巻上機のブレーキを開放できるので、乗り場ドアの前にかごがあっても、問題なく作業でき、さらに、ブレーキワイヤを昇降路内にたるませておく必要がないので、安全性を確保できる。
【0022】
また、本発明のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置は、乗りかごと釣り合い重りとを懸架する吊りロープが巻きかけられたシーブを回転駆動する巻上機と、この巻上機を制動するブレーキ装置と、可撓性があるインナワイヤとアウタチューブからなり、一端が上記ブレーキ装置に連結され、他端において上記アウタチューブに対して上記インナワイヤを牽引することによって上記ブレーキを解放するブレーキワイヤとを備え、上記ブレーキワイヤの巻上機側でない端部は、乗り場呼びスイッチが装着された箱内に露出しているエレベーターの前記ブレーキワイヤを操作する装置であって、前記箱内に露出しているブレーキワイヤの前記インナワイヤに結合可能な連結部材と、前記アウタチューブに当接する押さえ部材と、2本のレバーの操作で上記連結部材と上記押さえ部材との間に牽引力を与えるレバー機構とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、乗り場呼びスイッチが装着された前記箱のカバーを外して、露出しているブレーキワイヤのインナワイヤと上記連結部材とを連結して、2本のレバーを操作することにより連結部材をレバー機構で牽引して、巻上機のブレーキを開放できるので、ブレーキワイヤを乗り場に引き出すことなく速く安全に作業できるとともに、乗り場ドアの前にかごがあっても、問題なく作業でき、また、ブレーキワイヤを昇降路内にたるませておく必要がないので、安全性を確保できる。さらに、乗り場インジケータ箱に上記レバーを動作させる反力がかからないので、乗り場インジケータ箱を大型にしたり、強固に固定するための部材を追加する必要がなく意匠性が悪化しない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図15を参照して、通常のエレベーターの一例を説明する。図15はエレベーターの構成の一例を示す概略図である。エレベーター100は、建物の昇降路101内の上部に配置された巻上機102から垂下するロープ103が、乗りかご104の下側に設置された従動シーブ105に巻きかけられ、昇降路の上端付近101aで支持されている。一方、上記巻上機102から他方に垂下されるロープは、カウンタウェイト106の上部に組みつけられたシーブ107に巻きかけられてその端部は同様に、昇降路の上端付近で支持されている。各階床20bの乗り場108には乗り場ドア20が設けられている。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す概略図で、部分的に断面図になっており、図中の破線Aの右側が乗り場108で、左側が昇降路101となっている。図1において、可撓性があるアウタチューブ11とインナワイヤ12からなるブレーキワイヤ10は、一端10aが巻上機102のブレーキ102aに連結されている。このアウタチューブ11を押さえてインナワイヤ12を牽引すると巻上機102のブレーキ102aが開放される。
【0027】
ブレーキワイヤ10は昇降路101の図示しない壁面に沿って固定されて、もう一方の端部10bが乗り場ドア20の敷居21の略真下に到達している。
【0028】
上記敷居21の略真下では、ブラケット22が昇降路101の壁面の構造物19に固定されている。前記ブレーキワイヤ10のアウタチューブ11の端部に形成された太い部分11aが上記ブラケット22に押さえられるように固定されている。
【0029】
インナワイヤ12の先端にはおねじ13aが形成された端末金具13が圧着されている。上記敷居21の溝21aの底部には、穴21bがあけられていて、この穴21bの略真下の位置に上記端末金具13が固定された状態になっている。
【0030】
次に、上記ブレーキワイヤ10を牽引する装置について、図2を参照して説明する。図2(b)は本実施形態におけるブレーキ開放装置40の側面説明図であり、図2(a)は平面説明図である。
【0031】
図2において、L字型のベース板41に支柱42が固定され、支柱42の上部には軸43まわりにレバー44が回動自在に支持されている。レバー44の後端部にはパイプ44aが取り付けられている。支柱42には、レバー44の回転角度を制限するメカニカルストッパ42aが取り付けられている。
【0032】
レバー44の先端部には支持座45が支持軸46まわりに回動自在に組みつけられている。
【0033】
上記支持座45の中央部には、支持軸46に直角の方向に穴45aがあけられており、結合ピン47がこの穴45aに挿入可能になっている。結合ピン47の下端部には、めねじ47aが加工されていて、このめねじ47aは前記端末金具13のおねじ13aに係合可能になっている。結合ピン47の上部の外周にはおねじ47bが加工されていて、押さえナット47cが取り付けられている。
【0034】
以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
【0035】
何らかの異常や故障によりエレベーターの巻上機が駆動できなくなり、巻上機のブレ−キが作動した状態で乗りかごが階間に停止した場合には、以下のようにして乗りかご内の乗客の救出運転が行われる。
【0036】
まず、作業員によって、巻上機102の設置位置に近い階の乗り場のドア20をわずかに開ける。すると、昇降路101内が見えるようになるとともに、乗り場ドア20の敷居21の溝21aに形成された穴21bが露出する。支持座45の穴45aがこの穴21bの真上に位置するように、ブレーキ開放装置40を設置する。結合ピン47の押さえナット47cは、おねじ47bの上の方に係合させておく。ここでレバー44を持ち上げ、レバー44をメカニカルストッパ42aに接触させると、図2に示した状態になる。
【0037】
次に、結合ピン47を支持座45の穴45aに挿入し、さらに、結合ピン47の先端を敷居21の穴21bに挿入する。そこで、結合ピン47の先端のめねじ47aをブレーキワイヤ10の端末金具13のおねじ13aに係合させ、さらに、押さえナット47cを回転させて支持座45の上面に接するまで下げると図3に示す状態となる。
【0038】
上記乗り場ドア20の隙間から、昇降路内を確認しながらレバー44のパイプ44aを押し下げる。すると、支持座45に当接している押さえナット47cを介して結合ピン47が上方に引き上げられ、インナワイヤ12の端末金具13が引き上げられ、巻上機102のブレーキ102aが開放され、乗りかご104とカウンタウェイト106の重い方が下降する。レバー44を押し下げたときの状態を図4に示す。
【0039】
なお、乗りかご104とカウンタウェイト106の重量が釣り合っている場合には、詳述しない方法により、両者の重量が釣り合わないようにおもりを増減したり、どちらかに荷重がかかるようにしておく。
【0040】
上記レバー44を断続的に押し下げる操作により、乗りかご104の速度を適切に調整しながら乗り場の正面に誘導する。その後は、乗り場ドアと乗りかごのドアを開けて、乗客を救出する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、乗り場の敷居に形成された穴に結合ピンを差し込んで係合してレバーを押し下げるだけで巻上機のブレーキを開放できるので、ブレーキワイヤを乗り場の床面などに引き出す必要がなく、乗りかごが乗り場床付近にあっても、問題なく、安全に作業することができる。また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともないので安全性が向上する。
【0042】
さらに、ブレーキ開放用のレバーなどを乗り場インジケータ箱などに設置する必要がないので、同箱を大型化する必要がなく、意匠に悪影響を与える心配がない。
【0043】
なお、上記実施形態では、ブレーキワイヤの端部10bを露出させた状態で穴21bの略真下に固定していたが、図5に示すように、端末金具13にカバー13bを取り付けても良い。図5において、カバー13bは断面を透視的に示しており、細い部分が端末金具13に嵌合されて、太い部分がアウタチューブ11の上端部11aを覆う傘のようになっている。
【0044】
上記のようなカバー13bを取り付けることにより、敷居の穴21bからごみや雨水などが浸入しても、アウタチューブ11とインナワイヤ12の間に浸入してしまうことを防ぎ、ブレーキワイヤ10が錆びたり腐食したりすることを防止できる効果がある。
【0045】
なお、以上説明した実施形態では、アウタチューブ11の端部には、太い部分11aが形成されている構造としたが、アウタチューブの端末におねじが形成されて、太い部分がナットなどであってももちろん良い。
【0046】
(第2の実施形態)
以下本発明の第2の実施形態について、図6(a)を参照して説明する。図6は、第2の実施形態を示す側面説明図で、図6(b)は、部分的に左側から見た状態を示している。図6(c)は、図中の矢印A−Aから見た部分図が示されている。
【0047】
図6において、コの字型のフック48の上端部では結合ピン47の先端のめねじ47aにボルト48aで取り付けられている。このフック48の下端部には溝48bが加工されている。
【0048】
第1の実施形態と全く同様に、ブレーキワイヤ10の一端が乗り場ドア20の敷居21の略真下に到達している。そして、インナワイヤ12の先端のおねじ13aには、ナット13cが係合されている。
【0049】
救出作業時には、同様に、作業員によって、巻上機102の設置位置に近い最上階の乗り場のドア20をわずかに開け、敷居21の穴21bから、上記フック48を挿入して、上記ナット13cの下側の部分に溝48bを差し込む。
【0050】
次に、結合ピン47の上端を支持座45の穴45aに挿入し、レバー44を持ち上げながら、支持座45を押し下げ、押さえナット47cを回転させて支持座45の上面に接するまで下げる。
【0051】
前記と同様に、昇降路内を確認しながらレバー44を押し下げる。すると、フック48の先端の溝48bで、ナット13cが引き上げられ、インナワイヤ12が引き上げられて巻上機102のブレーキ102aが開放され、乗りかご104とカウンタウェイト106の重い方が下降し、乗りかごを乗り場の正面に誘導することができる。
【0052】
本実施形態によれば、インナワイヤ12の端末金具13のおねじ13aが錆びていたり、汚損していて、結合ピン47のめねじ47aと係合できなくても、インナワイヤ12を引き上げられる効果がある。
【0053】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図7を用いて説明する。図7(a)は、乗り場ドア20付近の平面断面図であり、図7(b)は側面断面図である。
【0054】
第1の実施形態と同様に、アウタチューブ11とインナワイヤ12からなるブレーキワイヤ10は、巻上機102のブレーキ102aに一端10aが連結されていて、このブレーキワイヤ10は図示しない昇降路壁に沿って固定され、もう一方の端部10bは三方枠23付近に設置される乗り場インジケータ箱24の底部24aに露出している。
【0055】
ブレーキワイヤ10の端部10bは、第1の実施形態と同様に、インナワイヤ12の先端にはおねじ13aが形成された端末金具13が圧着されており、アウタチューブ11の端部には太い部分11aが形成されている。
【0056】
次に、本実施形態におけるブレーキ開放装置60について説明する。図7において、レバー61、62は軸63回りに回動自在に支持されている。レバー61の先端には支持座64が軸64a回りに回動自在に取り付けらており、支持座64には軸64aに直角に穴64bがあけられている。
【0057】
他方のレバー62の先端には、押さえ枠65が軸65aまわりに回動自在に取り付けられて、押さえ枠65の下端部には、押さえ金具65bが固定されている。この押さえ金具65bには穴があけられており、押さえ枠65の上端部には開口部が形成されている。
【0058】
一方、第1の実施形態と同様の結合ピン66が備えられていて、結合ピン66の先端には、めねじ66aが加工されていて、このめねじ66aは前記の端末金具13のおねじ13aに係合可能になっている。結合ピン66の上部の外周にはおねじ66bが加工されていて、押さえナット66cが取り付けられている。
【0059】
この結合ピン66は、上記支持座64の穴64bと、押さえ枠65の上端部の開口部と、上記押さえ金具65bの穴とをすべて貫通できるようになっている。
【0060】
以上のように構成された本実施形態の作用について、図8から図10を参照して説明する。
【0061】
まず、作業員によって、巻上機102の設置位置に近い階の乗り場のドア20をわずかに開け、乗り場のインジケータ箱24の図示しないカバーを取り外す。
【0062】
インジケータ箱24の底部に露出している、アウタチューブ11の端部に前記押さえ金具65bの穴をはめ込み、太い部分11aに当接させる。レバー61、62を閉じた状態にして、結合ピン66を支持座64の穴64bから挿入し、押さえ枠65の開口部を貫通させる。この状態が図8に示されている。
【0063】
さらに、結合ピン66を差し込んで、先端のめねじ66aと端末金具13の先端のおねじ13aとを係合させ、押さえナット66cを回転させて支持座64に接触させると、図9に示す状態となる。
【0064】
そこで、上記乗り場ドア20の隙間から、昇降路内を確認しながらレバー61、62を広げる。すると、押さえ金具65bで押さえられたアウタチューブ11に対してインナワイヤ12が牽引され、図10に示される状態となり、巻上機102のブレーキ102aが開放され、乗りかごが移動し、救出運転がなされる。
【0065】
本実施形態によれば、ブレーキワイヤを牽引する時の反力をレバー62で支持し、インジケータ箱には反力を作用させていないので、インジケータ箱の取り付けを強固にしたり、大型化する必要がない。また、インジケータ箱には、ブレーキワイヤの端末を露出させておくだけで、操作レバーを収納する必要がないので、インジケータ箱を大型化する必要がなく、意匠を悪化させる心配がない。
【0066】
さらに、ブレーキワイヤを乗り場の床面などまで引き出す必要がないので、乗りかごが乗り場床付近にあっても、問題なく、安全に作業することができ、また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、安全性が向上する。
【0067】
(第4の実施形態)
上記の実施形態においては、ブレーキ開放装置60はレバーを開くことによってインナワイヤ12を牽引する構造となっていたが、レバーを閉じる動作でワイヤを牽引する別の実施形態について、図11を参照しながら以下に説明する。
【0068】
図11においてブレーキ開放装置70のレバー71、72は軸73回りに回動自在に支持されている。軸73の部分には、穴があけられていて支持座73aが形成されている。レバー71、72の先端部にはリンク71a、72aが回動自在に取り付けられていて、それぞれのリンクの先端は、軸65aによって押さえ枠65に対して回動自在に支持されている。
【0069】
前記の実施形態と同様に、アウタチューブ11に前記押さえ金具65bの穴をはめ込み、太い部分11aに当接させる。レバー71、72を開いた状態にして、結合ピン66を上記穴73aに挿入して、先端のめねじ66aをインナワイヤ12のおねじ13aに係合させる。次に、押さえナット66cを回転させて支持座73bに接触させる。この状態が図11に示されている。
【0070】
次に、レバー71、72を閉じると、アウタチューブ11に対してインナワイヤ12が牽引され、図13に示す状態となり、巻上機102のブレーキ102aが開放される。
【0071】
さらに、図13に示すようなブレーキ開放装置80のような構造にしても良い。すなわち、レバー81、82が軸83まわりに回動自在に支持され、軸83の付近でそれぞれ屈曲している。レバー81の先端には、支持座81aが回動自在に取り付けられ、レバー82の先端には、押さえ枠65が回動自在に取り付けられている。
【0072】
前記と同様に、押さえ枠65の下端をアウタチューブ11にはめ込んで、レバー81、82を開いた状態で、結合ピン66を挿入して、めねじ66aとインナワイヤ12のおねじ13aを係合して、押さえナット66cを回転して支持座81aに接触させる。この状態が図13に示されている。
【0073】
レバー81、82を閉じると、図14に示すように、アウタチューブ11に対してインナワイヤ12が牽引され、巻上機102のブレーキ102aが開放される。
【0074】
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果があるとともに、レバーが閉じる方向で操作するので、力が加え易くなり、作業の操作性が向上する効果が得られる。
【0075】
なお、上記の実施形態では、図15を参照して、巻上機が昇降路内の上部に設置された例を示したが、巻上機が昇降路のピットや、昇降路の他の部分や、機械室の中に設置されていても、同様の効果が得られることはもちろんである。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、救出作業時にブレーキワイヤを乗り場に引き出す必要がないので、速く安全に救出作業が行えるとともに、乗りかごがブレーキワイヤを操作する乗り場付近にあっても、問題なく救出作業が行える効果がある。また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともないので、安全性が高いエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供できる効果がある。
【0077】
また、操作レバーを収納するために乗り場インジケータの箱を大きくする必要がなく、操作レバーの反力を支持するための構造物を建物側に特別に設ける必要がなく、意匠性が悪化する心配がないエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエレベーターの構成を示す概略図。
【図2】第1実施形態のブレーキ開放装置の構成を示す説明図で(a)は平面図、(b)は側面図。
【図3】第1実施形態のブレーキ開放装置の作用を示す側面図。
【図4】第1実施形態のブレーキ開放装置の作用を示す側面図。
【図5】第1実施形態の別の構成を示す側面図。
【図6】第2実施形態のブレーキ開放装置の説明図で(a)(b)は側面図、(c)はA−A線に沿う拡大断面図。
【図7】第3実施形態のブレーキ開放装置の説明図で(a)は略側面図、(b)は略断面図。
【図8】第3実施形態の作用の説明図。
【図9】第3実施形態の作用の説明図。
【図10】第3実施形態の作用の説明図。
【図11】第4実施形態のブレーキ開放装置の略側面図。
【図12】第4実施形態の作用の説明図。
【図13】第4実施形態の別の構成を示す略側面図。
【図14】第4実施形態の別の作用を示す説明図。
【図15】通常のエレベーターの一例を示す概略図。
【符号の説明】
10・・・ブレーキワイヤ、11・・・アウタチューブ、12・・・インナワイヤ、13・・・端末金具、13a・・・おねじ、13b・・・カバー、13c・・・ナット、
20・・・乗り場ドア、21・・・乗り場の敷居、21a・・・敷居の溝、21b・・・敷居の穴、22・・・ブラケット、23・・・三方枠、24・・・乗り場インジケータ箱、
40・・・ブレーキ開放装置、41・・・ベース板、42・・・支柱、42a・・・メカニカルストッパ、43・・・軸、44・・・レバー、45・・・支持座、46・・・支持軸、47・・・結合ピン、47a・・・めねじ、47b・・・おねじ、47c・・・押さえナット、48・・・フック、
60・・・ブレーキ開放装置、61・・・レバー、62・・・レバー、63・・・軸、64・・・支持座、65・・・押さえ枠、65a・・・軸、65b・・・押さえ金具、66・・・結合ピン、66a・・・めねじ、66b・・・おねじ、66c・・・押さえナット、
70・・・ブレーキ開放装置、71・・・レバー、71a・・・リンク、72・・・レバー、72a・・・リンク、73・・・軸、
80・・・ブレーキ開放装置、81・・・レバー、81a・・・支持座、82・・・レバー、
100・・・エレベーター、101・・・昇降路、102・・・巻上機、102a・・・ブレーキ、103・・・ロープ、104・・・乗りかご、105・・・従動シーブ、106・・・カウンタウェイト、107・・・シーブ、108・・・乗り場、
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻上機が駆動できなくなった場合に巻上機のブレーキを開放して乗りかごを乗り場に誘導するエレベーターおよび上記ブレーキを開放する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベーターの運転中に地震や停電などが起きたり、エレベーターが故障したりして、巻上機の運転ができなくなると、乗りかごが階間に停止してしまう場合がある。このような場合には、巻上機のブレーキを手動で開放して、乗りかごを乗り場まで昇降させる救出運転がなされている。
【0003】
巻上機のブレーキを手動で開放する装置としては、既に様々なものが提案されている。
【0004】
例えば、特開2001−233563号公報には、救出運転時に乗り場床に仮設される足踏みレバーを押し下げることにより、ブレーキワイヤを牽引してブレーキを開放する救出運転操作機構が示されている。
【0005】
また、特開2000−169055号公報には、巻上機の近くに配置されたバッテリーで巻上機のブレーキを開放したり、手動のブレーキ開放レバーによって巻上機のブレーキを開放する装置が示されている。
【0006】
また、特開2001−122547号公報には、エレベーターの巻上機と手動操作部の間に、ブレーキ開放用ワイヤと、巻上機の回転軸に固定されたピニオンと、上記ピニオンに噛合うラックと、上記ラックを噛合い位置に変位させる噛合い用ワイヤと、上記ラックを長手方向に往復動作させる手動駆動用ワイヤとを備え、これらのワイヤを操作するブレーキ開放用レバーと手動駆動用レバーと噛合い用レバーとが乗り場のインジケータ箱に固定されている手動操作装置が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、異常停止した乗りかごがブレーキ開放装置を設置する乗り場床付近にある場合には、昇降路内にあるブレーキワイヤの端末を乗り場側に引き出すことができなくなる心配があった。また、昇降路内からブレーキワイヤの端末を引き出すのに時間や手間がかかってしまう心配があった。
【0008】
また、ブレーキワイヤの端末を乗り場の床面などに引き出すためには、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要があり、たるんだワイヤが乗りかごに引っ掛かってしまう心配があった。さらに、乗り場側にブレーキワイヤを引き出すことによって、ブレーキワイヤの一部が乗りかご側に膨らんでしまったり、張力を加えることによってワイヤが動いたりして、誘導される乗りかごに引っ掛かってしまう危険性があった。
【0009】
また、一般に巻上機のブレーキを開放するには、数10kgfから100kgf以上に及ぶ力を数10mmのストロークで操作用のワイヤにかけなければならないことがあり、操作レバーもそれなりの大きさが必要であった。そのため、ブレーキ開放用レバーを乗り場インジケータの箱などに収納するためには、上記箱を大型にする必要があり、意匠性が悪化してしまう心配があった。
【0010】
インジケータ箱で操作レバーの回転軸やワイヤのアウタチューブを支持しているものでは、操作レバーを引いてワイヤに大きな張力を与えると、モーメント荷重とともに、乗り場インジケータの箱を壁面から引き剥がす方向に大きな反力が作用する。
【0011】
一般に乗り場インジケータの箱が設置されるところは、ホールの意匠面になっており、建物の鉄骨などがあるとは限らないため、この反力を支持することが困難であることがあり、特別に構造物を設置しなければならない心配があった。また、乗り場インジケータの箱自体にも十分な強度が必要になるため、上記箱がさらに大型化し、意匠性が悪化してしまう心配があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、速く安全に救出作業が行え、乗りかごがブレーキワイヤを操作する乗り場付近にあっても、問題なく救出作業が行え、また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともない、安全性なエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、操作レバーを収納するために乗り場インジケータの箱を大きくする必要がなく、操作レバーの反力を支持するための構造物を建物側に特別に設ける必要がなく、意匠性が悪化する心配がないエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のエレベーターは、乗りかごと釣り合い重りとを懸架する吊りロープが巻きかけられたシーブを回転駆動する巻上機と、この巻上機を制動するブレーキ装置と、インナワイヤと可撓性があるアウタチューブからなり、一端が上記ブレーキ装置に連結され、他端において上記アウタチューブに対して上記インナワイヤを牽引することによって上記ブレーキを解放できるブレーキワイヤと、を備え、上記ブレーキワイヤの巻上機側でない端部は、エレベーターの乗り場ドアの敷居に形成された穴の略真下に固定されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記敷居に形成された穴は、エレベーターの前記乗り場ドアが開いた時にのみ、露出される位置にあり、上記ブレーキワイヤの端部では、インナワイヤとアウタチューブとの隙間を覆うカバーが、上記インナワイヤに設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、異常や故障によりエレベーターの巻上機が駆動できなくなり、巻上機のブレ−キが作動した状態で乗りかごが階間に停止した場合には、作業員によって乗り場ドアをわずかに開けて、露出した上記穴に牽引手段を挿入して上記インナワイヤを牽引してブレーキを開放して救出運転を行うことができる。
【0017】
そのため、ブレーキワイヤを昇降路から乗り場側に引き出す必要がないので、速く安全に作業でき、また、乗り場ドアの前にかごがあっても、問題なく作業でき、さらに、ブレーキワイヤを昇降路内にたるませておく必要がないので、安全性を確保できる。
【0018】
また、敷居に形成された穴は乗り場ドアが開いた時にのみ露出され、インナワイヤとアウタチューブとの隙間を覆うカバーが設けられていることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、敷居の穴からごみや雨水などが浸入しにくく、仮に浸入してもインナワイヤとアウタチューブの間に侵入してブレーキワイヤが腐食などにより劣化することを防止できる。
【0020】
また、本発明のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置は、上記のエレベーターにおける前記ブレーキワイヤを操作する装置であって、前記乗り場ドアの敷居に形成された前記穴に挿入され、この穴の略真下に固定された前記ブレーキワイヤの前記インナワイヤと連結可能な連結部材と、上記連結部材を牽引するレバー機構と、を備えることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、上記連結部材と上記インナワイヤとを連結して、乗り場の敷居の近傍に設置したブレーキ開放装置でその連結部材をレバー機構で牽引して、ブレーキワイヤを乗り場に引き出すことなく速く安全に巻上機のブレーキを開放できるので、乗り場ドアの前にかごがあっても、問題なく作業でき、さらに、ブレーキワイヤを昇降路内にたるませておく必要がないので、安全性を確保できる。
【0022】
また、本発明のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置は、乗りかごと釣り合い重りとを懸架する吊りロープが巻きかけられたシーブを回転駆動する巻上機と、この巻上機を制動するブレーキ装置と、可撓性があるインナワイヤとアウタチューブからなり、一端が上記ブレーキ装置に連結され、他端において上記アウタチューブに対して上記インナワイヤを牽引することによって上記ブレーキを解放するブレーキワイヤとを備え、上記ブレーキワイヤの巻上機側でない端部は、乗り場呼びスイッチが装着された箱内に露出しているエレベーターの前記ブレーキワイヤを操作する装置であって、前記箱内に露出しているブレーキワイヤの前記インナワイヤに結合可能な連結部材と、前記アウタチューブに当接する押さえ部材と、2本のレバーの操作で上記連結部材と上記押さえ部材との間に牽引力を与えるレバー機構とを備えることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、乗り場呼びスイッチが装着された前記箱のカバーを外して、露出しているブレーキワイヤのインナワイヤと上記連結部材とを連結して、2本のレバーを操作することにより連結部材をレバー機構で牽引して、巻上機のブレーキを開放できるので、ブレーキワイヤを乗り場に引き出すことなく速く安全に作業できるとともに、乗り場ドアの前にかごがあっても、問題なく作業でき、また、ブレーキワイヤを昇降路内にたるませておく必要がないので、安全性を確保できる。さらに、乗り場インジケータ箱に上記レバーを動作させる反力がかからないので、乗り場インジケータ箱を大型にしたり、強固に固定するための部材を追加する必要がなく意匠性が悪化しない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図15を参照して、通常のエレベーターの一例を説明する。図15はエレベーターの構成の一例を示す概略図である。エレベーター100は、建物の昇降路101内の上部に配置された巻上機102から垂下するロープ103が、乗りかご104の下側に設置された従動シーブ105に巻きかけられ、昇降路の上端付近101aで支持されている。一方、上記巻上機102から他方に垂下されるロープは、カウンタウェイト106の上部に組みつけられたシーブ107に巻きかけられてその端部は同様に、昇降路の上端付近で支持されている。各階床20bの乗り場108には乗り場ドア20が設けられている。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す概略図で、部分的に断面図になっており、図中の破線Aの右側が乗り場108で、左側が昇降路101となっている。図1において、可撓性があるアウタチューブ11とインナワイヤ12からなるブレーキワイヤ10は、一端10aが巻上機102のブレーキ102aに連結されている。このアウタチューブ11を押さえてインナワイヤ12を牽引すると巻上機102のブレーキ102aが開放される。
【0027】
ブレーキワイヤ10は昇降路101の図示しない壁面に沿って固定されて、もう一方の端部10bが乗り場ドア20の敷居21の略真下に到達している。
【0028】
上記敷居21の略真下では、ブラケット22が昇降路101の壁面の構造物19に固定されている。前記ブレーキワイヤ10のアウタチューブ11の端部に形成された太い部分11aが上記ブラケット22に押さえられるように固定されている。
【0029】
インナワイヤ12の先端にはおねじ13aが形成された端末金具13が圧着されている。上記敷居21の溝21aの底部には、穴21bがあけられていて、この穴21bの略真下の位置に上記端末金具13が固定された状態になっている。
【0030】
次に、上記ブレーキワイヤ10を牽引する装置について、図2を参照して説明する。図2(b)は本実施形態におけるブレーキ開放装置40の側面説明図であり、図2(a)は平面説明図である。
【0031】
図2において、L字型のベース板41に支柱42が固定され、支柱42の上部には軸43まわりにレバー44が回動自在に支持されている。レバー44の後端部にはパイプ44aが取り付けられている。支柱42には、レバー44の回転角度を制限するメカニカルストッパ42aが取り付けられている。
【0032】
レバー44の先端部には支持座45が支持軸46まわりに回動自在に組みつけられている。
【0033】
上記支持座45の中央部には、支持軸46に直角の方向に穴45aがあけられており、結合ピン47がこの穴45aに挿入可能になっている。結合ピン47の下端部には、めねじ47aが加工されていて、このめねじ47aは前記端末金具13のおねじ13aに係合可能になっている。結合ピン47の上部の外周にはおねじ47bが加工されていて、押さえナット47cが取り付けられている。
【0034】
以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
【0035】
何らかの異常や故障によりエレベーターの巻上機が駆動できなくなり、巻上機のブレ−キが作動した状態で乗りかごが階間に停止した場合には、以下のようにして乗りかご内の乗客の救出運転が行われる。
【0036】
まず、作業員によって、巻上機102の設置位置に近い階の乗り場のドア20をわずかに開ける。すると、昇降路101内が見えるようになるとともに、乗り場ドア20の敷居21の溝21aに形成された穴21bが露出する。支持座45の穴45aがこの穴21bの真上に位置するように、ブレーキ開放装置40を設置する。結合ピン47の押さえナット47cは、おねじ47bの上の方に係合させておく。ここでレバー44を持ち上げ、レバー44をメカニカルストッパ42aに接触させると、図2に示した状態になる。
【0037】
次に、結合ピン47を支持座45の穴45aに挿入し、さらに、結合ピン47の先端を敷居21の穴21bに挿入する。そこで、結合ピン47の先端のめねじ47aをブレーキワイヤ10の端末金具13のおねじ13aに係合させ、さらに、押さえナット47cを回転させて支持座45の上面に接するまで下げると図3に示す状態となる。
【0038】
上記乗り場ドア20の隙間から、昇降路内を確認しながらレバー44のパイプ44aを押し下げる。すると、支持座45に当接している押さえナット47cを介して結合ピン47が上方に引き上げられ、インナワイヤ12の端末金具13が引き上げられ、巻上機102のブレーキ102aが開放され、乗りかご104とカウンタウェイト106の重い方が下降する。レバー44を押し下げたときの状態を図4に示す。
【0039】
なお、乗りかご104とカウンタウェイト106の重量が釣り合っている場合には、詳述しない方法により、両者の重量が釣り合わないようにおもりを増減したり、どちらかに荷重がかかるようにしておく。
【0040】
上記レバー44を断続的に押し下げる操作により、乗りかご104の速度を適切に調整しながら乗り場の正面に誘導する。その後は、乗り場ドアと乗りかごのドアを開けて、乗客を救出する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、乗り場の敷居に形成された穴に結合ピンを差し込んで係合してレバーを押し下げるだけで巻上機のブレーキを開放できるので、ブレーキワイヤを乗り場の床面などに引き出す必要がなく、乗りかごが乗り場床付近にあっても、問題なく、安全に作業することができる。また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともないので安全性が向上する。
【0042】
さらに、ブレーキ開放用のレバーなどを乗り場インジケータ箱などに設置する必要がないので、同箱を大型化する必要がなく、意匠に悪影響を与える心配がない。
【0043】
なお、上記実施形態では、ブレーキワイヤの端部10bを露出させた状態で穴21bの略真下に固定していたが、図5に示すように、端末金具13にカバー13bを取り付けても良い。図5において、カバー13bは断面を透視的に示しており、細い部分が端末金具13に嵌合されて、太い部分がアウタチューブ11の上端部11aを覆う傘のようになっている。
【0044】
上記のようなカバー13bを取り付けることにより、敷居の穴21bからごみや雨水などが浸入しても、アウタチューブ11とインナワイヤ12の間に浸入してしまうことを防ぎ、ブレーキワイヤ10が錆びたり腐食したりすることを防止できる効果がある。
【0045】
なお、以上説明した実施形態では、アウタチューブ11の端部には、太い部分11aが形成されている構造としたが、アウタチューブの端末におねじが形成されて、太い部分がナットなどであってももちろん良い。
【0046】
(第2の実施形態)
以下本発明の第2の実施形態について、図6(a)を参照して説明する。図6は、第2の実施形態を示す側面説明図で、図6(b)は、部分的に左側から見た状態を示している。図6(c)は、図中の矢印A−Aから見た部分図が示されている。
【0047】
図6において、コの字型のフック48の上端部では結合ピン47の先端のめねじ47aにボルト48aで取り付けられている。このフック48の下端部には溝48bが加工されている。
【0048】
第1の実施形態と全く同様に、ブレーキワイヤ10の一端が乗り場ドア20の敷居21の略真下に到達している。そして、インナワイヤ12の先端のおねじ13aには、ナット13cが係合されている。
【0049】
救出作業時には、同様に、作業員によって、巻上機102の設置位置に近い最上階の乗り場のドア20をわずかに開け、敷居21の穴21bから、上記フック48を挿入して、上記ナット13cの下側の部分に溝48bを差し込む。
【0050】
次に、結合ピン47の上端を支持座45の穴45aに挿入し、レバー44を持ち上げながら、支持座45を押し下げ、押さえナット47cを回転させて支持座45の上面に接するまで下げる。
【0051】
前記と同様に、昇降路内を確認しながらレバー44を押し下げる。すると、フック48の先端の溝48bで、ナット13cが引き上げられ、インナワイヤ12が引き上げられて巻上機102のブレーキ102aが開放され、乗りかご104とカウンタウェイト106の重い方が下降し、乗りかごを乗り場の正面に誘導することができる。
【0052】
本実施形態によれば、インナワイヤ12の端末金具13のおねじ13aが錆びていたり、汚損していて、結合ピン47のめねじ47aと係合できなくても、インナワイヤ12を引き上げられる効果がある。
【0053】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について図7を用いて説明する。図7(a)は、乗り場ドア20付近の平面断面図であり、図7(b)は側面断面図である。
【0054】
第1の実施形態と同様に、アウタチューブ11とインナワイヤ12からなるブレーキワイヤ10は、巻上機102のブレーキ102aに一端10aが連結されていて、このブレーキワイヤ10は図示しない昇降路壁に沿って固定され、もう一方の端部10bは三方枠23付近に設置される乗り場インジケータ箱24の底部24aに露出している。
【0055】
ブレーキワイヤ10の端部10bは、第1の実施形態と同様に、インナワイヤ12の先端にはおねじ13aが形成された端末金具13が圧着されており、アウタチューブ11の端部には太い部分11aが形成されている。
【0056】
次に、本実施形態におけるブレーキ開放装置60について説明する。図7において、レバー61、62は軸63回りに回動自在に支持されている。レバー61の先端には支持座64が軸64a回りに回動自在に取り付けらており、支持座64には軸64aに直角に穴64bがあけられている。
【0057】
他方のレバー62の先端には、押さえ枠65が軸65aまわりに回動自在に取り付けられて、押さえ枠65の下端部には、押さえ金具65bが固定されている。この押さえ金具65bには穴があけられており、押さえ枠65の上端部には開口部が形成されている。
【0058】
一方、第1の実施形態と同様の結合ピン66が備えられていて、結合ピン66の先端には、めねじ66aが加工されていて、このめねじ66aは前記の端末金具13のおねじ13aに係合可能になっている。結合ピン66の上部の外周にはおねじ66bが加工されていて、押さえナット66cが取り付けられている。
【0059】
この結合ピン66は、上記支持座64の穴64bと、押さえ枠65の上端部の開口部と、上記押さえ金具65bの穴とをすべて貫通できるようになっている。
【0060】
以上のように構成された本実施形態の作用について、図8から図10を参照して説明する。
【0061】
まず、作業員によって、巻上機102の設置位置に近い階の乗り場のドア20をわずかに開け、乗り場のインジケータ箱24の図示しないカバーを取り外す。
【0062】
インジケータ箱24の底部に露出している、アウタチューブ11の端部に前記押さえ金具65bの穴をはめ込み、太い部分11aに当接させる。レバー61、62を閉じた状態にして、結合ピン66を支持座64の穴64bから挿入し、押さえ枠65の開口部を貫通させる。この状態が図8に示されている。
【0063】
さらに、結合ピン66を差し込んで、先端のめねじ66aと端末金具13の先端のおねじ13aとを係合させ、押さえナット66cを回転させて支持座64に接触させると、図9に示す状態となる。
【0064】
そこで、上記乗り場ドア20の隙間から、昇降路内を確認しながらレバー61、62を広げる。すると、押さえ金具65bで押さえられたアウタチューブ11に対してインナワイヤ12が牽引され、図10に示される状態となり、巻上機102のブレーキ102aが開放され、乗りかごが移動し、救出運転がなされる。
【0065】
本実施形態によれば、ブレーキワイヤを牽引する時の反力をレバー62で支持し、インジケータ箱には反力を作用させていないので、インジケータ箱の取り付けを強固にしたり、大型化する必要がない。また、インジケータ箱には、ブレーキワイヤの端末を露出させておくだけで、操作レバーを収納する必要がないので、インジケータ箱を大型化する必要がなく、意匠を悪化させる心配がない。
【0066】
さらに、ブレーキワイヤを乗り場の床面などまで引き出す必要がないので、乗りかごが乗り場床付近にあっても、問題なく、安全に作業することができ、また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、安全性が向上する。
【0067】
(第4の実施形態)
上記の実施形態においては、ブレーキ開放装置60はレバーを開くことによってインナワイヤ12を牽引する構造となっていたが、レバーを閉じる動作でワイヤを牽引する別の実施形態について、図11を参照しながら以下に説明する。
【0068】
図11においてブレーキ開放装置70のレバー71、72は軸73回りに回動自在に支持されている。軸73の部分には、穴があけられていて支持座73aが形成されている。レバー71、72の先端部にはリンク71a、72aが回動自在に取り付けられていて、それぞれのリンクの先端は、軸65aによって押さえ枠65に対して回動自在に支持されている。
【0069】
前記の実施形態と同様に、アウタチューブ11に前記押さえ金具65bの穴をはめ込み、太い部分11aに当接させる。レバー71、72を開いた状態にして、結合ピン66を上記穴73aに挿入して、先端のめねじ66aをインナワイヤ12のおねじ13aに係合させる。次に、押さえナット66cを回転させて支持座73bに接触させる。この状態が図11に示されている。
【0070】
次に、レバー71、72を閉じると、アウタチューブ11に対してインナワイヤ12が牽引され、図13に示す状態となり、巻上機102のブレーキ102aが開放される。
【0071】
さらに、図13に示すようなブレーキ開放装置80のような構造にしても良い。すなわち、レバー81、82が軸83まわりに回動自在に支持され、軸83の付近でそれぞれ屈曲している。レバー81の先端には、支持座81aが回動自在に取り付けられ、レバー82の先端には、押さえ枠65が回動自在に取り付けられている。
【0072】
前記と同様に、押さえ枠65の下端をアウタチューブ11にはめ込んで、レバー81、82を開いた状態で、結合ピン66を挿入して、めねじ66aとインナワイヤ12のおねじ13aを係合して、押さえナット66cを回転して支持座81aに接触させる。この状態が図13に示されている。
【0073】
レバー81、82を閉じると、図14に示すように、アウタチューブ11に対してインナワイヤ12が牽引され、巻上機102のブレーキ102aが開放される。
【0074】
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果があるとともに、レバーが閉じる方向で操作するので、力が加え易くなり、作業の操作性が向上する効果が得られる。
【0075】
なお、上記の実施形態では、図15を参照して、巻上機が昇降路内の上部に設置された例を示したが、巻上機が昇降路のピットや、昇降路の他の部分や、機械室の中に設置されていても、同様の効果が得られることはもちろんである。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、救出作業時にブレーキワイヤを乗り場に引き出す必要がないので、速く安全に救出作業が行えるとともに、乗りかごがブレーキワイヤを操作する乗り場付近にあっても、問題なく救出作業が行える効果がある。また、ブレーキワイヤを昇降路内でたるませておく必要がなく、救出作業中にブレーキワイヤが昇降路内に膨らむこともないので、安全性が高いエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供できる効果がある。
【0077】
また、操作レバーを収納するために乗り場インジケータの箱を大きくする必要がなく、操作レバーの反力を支持するための構造物を建物側に特別に設ける必要がなく、意匠性が悪化する心配がないエレベーターと巻上機ブレーキ開放装置を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のエレベーターの構成を示す概略図。
【図2】第1実施形態のブレーキ開放装置の構成を示す説明図で(a)は平面図、(b)は側面図。
【図3】第1実施形態のブレーキ開放装置の作用を示す側面図。
【図4】第1実施形態のブレーキ開放装置の作用を示す側面図。
【図5】第1実施形態の別の構成を示す側面図。
【図6】第2実施形態のブレーキ開放装置の説明図で(a)(b)は側面図、(c)はA−A線に沿う拡大断面図。
【図7】第3実施形態のブレーキ開放装置の説明図で(a)は略側面図、(b)は略断面図。
【図8】第3実施形態の作用の説明図。
【図9】第3実施形態の作用の説明図。
【図10】第3実施形態の作用の説明図。
【図11】第4実施形態のブレーキ開放装置の略側面図。
【図12】第4実施形態の作用の説明図。
【図13】第4実施形態の別の構成を示す略側面図。
【図14】第4実施形態の別の作用を示す説明図。
【図15】通常のエレベーターの一例を示す概略図。
【符号の説明】
10・・・ブレーキワイヤ、11・・・アウタチューブ、12・・・インナワイヤ、13・・・端末金具、13a・・・おねじ、13b・・・カバー、13c・・・ナット、
20・・・乗り場ドア、21・・・乗り場の敷居、21a・・・敷居の溝、21b・・・敷居の穴、22・・・ブラケット、23・・・三方枠、24・・・乗り場インジケータ箱、
40・・・ブレーキ開放装置、41・・・ベース板、42・・・支柱、42a・・・メカニカルストッパ、43・・・軸、44・・・レバー、45・・・支持座、46・・・支持軸、47・・・結合ピン、47a・・・めねじ、47b・・・おねじ、47c・・・押さえナット、48・・・フック、
60・・・ブレーキ開放装置、61・・・レバー、62・・・レバー、63・・・軸、64・・・支持座、65・・・押さえ枠、65a・・・軸、65b・・・押さえ金具、66・・・結合ピン、66a・・・めねじ、66b・・・おねじ、66c・・・押さえナット、
70・・・ブレーキ開放装置、71・・・レバー、71a・・・リンク、72・・・レバー、72a・・・リンク、73・・・軸、
80・・・ブレーキ開放装置、81・・・レバー、81a・・・支持座、82・・・レバー、
100・・・エレベーター、101・・・昇降路、102・・・巻上機、102a・・・ブレーキ、103・・・ロープ、104・・・乗りかご、105・・・従動シーブ、106・・・カウンタウェイト、107・・・シーブ、108・・・乗り場、
Claims (8)
- 乗りかごと釣り合い重りとを懸架する吊りロープが巻きかけられたシーブを回転駆動する巻上機と、この巻上機を制動するブレーキ装置と、可携性があるインナワイヤとアウタチューブからなり、一端が上記ブレーキ装置に連結され、他端において上記アウタチューブに対して上記インナワイヤを牽引することによって上記ブレーキを解放するブレーキワイヤと、
を備え、上記ブレーキワイヤの巻上機側にない端部は、エレベーターの乗り場ドアの敷居に形成された穴の略真下に固定されていることを特徴とするエレベーター。 - 前記敷居に形版された穴は、エレベーターの前記乗り場ドアが開いた時にのみ、露出される位置にあることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
- 前記穴の略真下に固定されている前記ブレーキワイヤの端部では、前記インナワイヤと前記アウタチューブとの隙間を覆うカバーが、前記インナワイヤに設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のエレベーター。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエレベーターにおける前記ブレーキワイヤを操作する装置であって、
前記乗り場ドアの敷居に形成された前記冗に挿入され、この穴の略真下に固定された前記ブレーキワイヤの前記インナワイヤと連結可能な連結部材と、上記連結部材を牽引するレバー機構と、を備えることを特徴とするエレベーター巻上機のブレーキ開放装置。 - 前記インナワイヤの先端部にはおねじが固定され、前記連結部材は棒材であって先端には上記おねじに係合可能なめねじが形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置。
- 前記インナワイヤの先端部または、前記連結部材の先端部のいずれかには、フックが形成されていて、前記インナワイヤの先端部と前記連結部材の先端部が互いに係合可能になっていることを特徴とする請求項4に記載のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置。
- 乗りかこと釣り合い重りとを懸架する吊りロープが巻きかけられたシーブを回転駆動する巻上機と、この巻上機を制動するブレーキ装置と、可撓性があるインナワイヤとアウタチューブからなり、一端が上記ブレーキ装置に連結され、他端において上記アウタチューブに対して上記インナワイヤを牽引することによって上記ブレーキを解放するブレーキワイヤと、を備え、
上記ブレーキワイヤの巻上機側でない端部は、乗り場インジケータが装着された箱内に露出しているエレベーターの前記ブレーキワイヤを操作する装置であって、
前記箱に露出しているブレーキワイヤの前記インナワイヤに結合可能な連結部材と、
前記アウタチューブに当接する押さえ部材と、
2本のレバーを開くか閉じるかのいずれかの動作で、上記連結部材と上記押さえ部材との間に牽引力を与えるレバー機構と、
を備えることを特徴とするエレベーター巻上機のブレーキ開放装置。 - 前記インナワイヤの先端部にはおねじが固定され、前記連結部材は棒材であって先端には上記おねじに係合可能なめねじが形成されていることを特徴とする請求項7に記載のエレベーター巻上機のブレーキ開放装置。
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---|---|---|---|
JP2002203691A JP2004043123A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | エレベーター及びエレベーター巻上機のブレーキ開放装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015133023A1 (ja) * | 2014-03-07 | 2015-09-11 | 株式会社日立製作所 | エレベーター |
CN109665401A (zh) * | 2017-10-17 | 2019-04-23 | 陕西小溪机电科技有限公司 | 一种电梯紧急救援机构 |
CN115402899A (zh) * | 2022-08-26 | 2022-11-29 | 日立电梯(中国)有限公司 | 一种于地面应用的直梯平衡救援装置 |
-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203691A patent/JP2004043123A/ja active Pending
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