JP2004042462A - プリント・システム - Google Patents
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Abstract
【目的】複数台のプリンタＡ〜Ｄを含むプリント・システムにおいて，各プリンタの濃度を調整する。
【構成】制御装置１０に濃度調整指令が与えられると，どのプリンタから出力されたかを示す識別情報（色）および濃度調整用の色が記録された濃度調整用紙４０Ａ〜４０ＤがプリンタＡ〜Ｄから出力される。濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄのうちいずれかの用紙が濃度計１にセットされる。濃度計１によって，セットされた濃度調整用紙の識別情報および濃度調整用の色が読み取られ，制御装置１０に与えられる。濃度調整用紙の識別情報によって特定されるプリンタに，濃度調整用の色から得られる濃度調整データが送信する。濃度調整データを受信したプリンタにおいて，濃度調整データにもとづいて濃度調整が行われる。複数台のプリンタがあっても濃度調整を適切に行うことができる。
【選択図】 図１
【構成】制御装置１０に濃度調整指令が与えられると，どのプリンタから出力されたかを示す識別情報（色）および濃度調整用の色が記録された濃度調整用紙４０Ａ〜４０ＤがプリンタＡ〜Ｄから出力される。濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄのうちいずれかの用紙が濃度計１にセットされる。濃度計１によって，セットされた濃度調整用紙の識別情報および濃度調整用の色が読み取られ，制御装置１０に与えられる。濃度調整用紙の識別情報によって特定されるプリンタに，濃度調整用の色から得られる濃度調整データが送信する。濃度調整データを受信したプリンタにおいて，濃度調整データにもとづいて濃度調整が行われる。複数台のプリンタがあっても濃度調整を適切に行うことができる。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【技術分野】
この発明は，複数台のプリンタと濃度計とプリンタ制御装置とを含むプリント・システムおよびプリンタに関する。
【０００２】
【発明の背景】
多数のプリントを短時間で出力するために一台のプリンタ制御装置を用いて複数台のプリンタを制御することが考えられる。複数台のプリンタを用いて同一の画像等をプリントする場合には，それぞれのプリンタによりプリントされる画像等の濃度が一定であることが要求されることが多い。濃度が一定かどうかを確認するためには，プリンタから出力されたプリントの濃度が濃度計によって測定される。測定された濃度が所定の値となるようにプリンタが調整される。
【０００３】
しかしながら，複数台のプリンタによって画像等がプリントされると，どのプリンタから出力されたものかわからなくなることがある。複数台のプリンタから出力されたプリントを用いてプリンタの濃度調整できないことがある。
【０００４】
【発明の開示】
この発明は，複数台のプリンタを含むプリント・システムにおいて各プリンタの濃度を調整できるようにすることを目的とする。
【０００５】
第１の発明は，複数台のプリンタと濃度計とプリンタ制御装置とを含むプリント・システムについてのものである。
【０００６】
上記複数台のプリンタのそれぞれのプリンタは，与えられるプリント濃度調整データにもとづく濃度によりプリントするプリンタ・ヘッド，ならびに複数台のプリンタのうち他のプリンタと異なる固有の識別情報および濃度測定情報を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御する第１の制御手段を備えている。
【０００７】
また，上記濃度計は，上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記識別情報を読み取り，読み取られた上記識別情報を表すデータを上記プリンタ制御装置に出力する第１の読み取り手段，および上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記濃度測定情報を読み取り，読み取られた濃度測定値を表すデータを上記プリンタ制御装置に出力する第２の読み取り手段を備えている。
【０００８】
さらに，上記プリンタ制御装置は，上記濃度計の上記第２の読み取り手段から出力された濃度測定データにもとづいてプリント濃度調整データを生成する生成手段，および上記複数のプリンタのうち上記第１の読み取り手段から出力された識別情報データによって特定されるプリンタに上記生成手段によって生成されたプリント濃度調整データを与える第２の制御手段を備えている。
【０００９】
第１の発明によると，複数台のプリンタのうち他のプリンタと異なる固有の識別情報（たとえば，固有の色，文字，バーコードなどで表される識別情報）および濃度測定情報（所定濃度をもつグレーの色など）とを含む濃度調整用紙が複数台のプリンタを構成する各プリンタから出力される。濃度調整用紙がプリンタから出力されると，濃度計によって濃度調整用紙の濃度測定情報および識別情報がそれぞれ読み取られる。読み取られた濃度測定情報を表すデータおよび識別情報を表すデータが濃度計からそれぞれ出力され，プリンタ制御装置に与えられる。
【００１０】
濃度計から出力された濃度測定データにもとづいて濃度調整データが生成される。生成された濃度調整データは，濃度計から出力された識別情報を表すデータによって特定されるプリンタに与えられる。濃度調整データが与えられたプリンタにおいて，濃度調整データにしたがって濃度調整が行われる。
【００１１】
プリント・システムに複数台のプリンタが含まれていても，ユーザは，それぞれのプリンタから出力された濃度調整用紙がどのプリンタから出力されたものかを意識することなく，濃度調整用紙を用いて対応するプリンタの濃度調整を行うことができる。比較的正確に複数台のプリンタの各プリンタの濃度調整を実行できる。
【００１２】
上記複数台のプリンタのそれぞれのプリンタの第１の制御手段は，たとえば，上記識別情報および上記濃度調整情報のほかにプリンタ付随情報（出力タイミング情報）を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御するものである。
【００１３】
この場合，上記濃度計は，上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記プリンタ付随情報を読み取り，読み取られた上記出力タイミング情報を表わすデータを上記プリンタ制御装置に出力する第３の読み取り手段をさらに備える。また，上記プリンタ制御装置は，上記濃度計の上記第３の読み取り手段から出力されたプリンタ付随情報が最後にプリントされた濃度調整用紙から得られたものでないときに警告する警告手段をさらに備える。
【００１４】
たとえば，異なる日にちで濃度調整用紙を複数回出力した場合でも濃度調整しようとしているときに得られた濃度調整用紙であることがプリンタ付随情報からわかるので，濃度調整しようとしているときの濃度調整用紙を用いて濃度調整することができる。
【００１５】
上記プリント・システムを構成するプリンタ，プリンタ制御装置および濃度計をそれぞれ単独で構成してもよい。
【００１６】
たとえば，プリンタであれば，与えられるプリント濃度調整データにもとづく濃度によりプリントするプリンタ・ヘッド，ならびに異なる固有の識別情報および濃度測定情報を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御する制御手段を備えることとなろう。
【００１７】
【実施例の説明】
図１は，この発明の実施例を示すもので，プリント・システムの全体構成を示すブロック図である。
【００１８】
プリント・システムには，濃度計１，制御装置１０および４台のプリンタＡ〜Ｄが含まれている。濃度計１と制御装置１０とはＲＳ−２３２Ｃによるケーブルにより接続されている。制御装置１０とプリンタＡとはＳＣＳＩ（Ｓｍａｌｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｓｙｓｔｅｍ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）によるケーブルにより接続されている。プリンタＡからプリンタＤはいわゆるディジー・チェイン接続されている。
【００１９】
このプリント・システムは，プリンタＡ〜Ｄから出力されるプリントの濃度が所定の濃度となるように調整できるものである。濃度を調整するための濃度調整用紙４０Ａ〜４０ＤがプリンタＡ〜Ｄから出力される。この濃度調整用紙には，プリンタＡ〜Ｄのうちどのプリンタから出力されたかを示す識別情報，濃度調整に用いられる濃度測定情報，濃度調整用紙が出力されたタイミングを検出するための出力タイミング情報等が記録されている。これらの各種情報等が濃度計１によって読み取られ，各種情報等を示すデータが制御装置１０に与えられる。制御装置１０において，濃度測定情報にもとづいて，プリンタから出力されるプリントの濃度を所定の濃度に制御するための濃度調整データが生成される。生成された濃度調整データが，プリンタＡ〜Ｄのうち与えられた識別情報によって特定されるプリンタに送信される。制御装置１０から濃度調整データが与えられたプリンタにおいて濃度調整処理が行われる。プリンタがＡ〜Ｄの複数台あっても対応するプリンタの濃度調整を正確に行うことができる。より詳しくは，以下の説明によって明らかとなろう。
【００２０】
図２は，プリンタＡ〜Ｄから出力される濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの一例である。
【００２１】
濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの表面全体４１は基準濃度を示すグレーの色とされている。
【００２２】
濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄには，次の各領域が形成されている。
【００２３】
装着ガイド領域４２：
濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが濃度計に装着されるときのガイドとなる領域である。
【００２４】
出力タイミング情報領域４３：
この実施例においては，制御装置１０からプリンタＡ〜Ｄに濃度調整用紙出力指令が与えられたタイミングでプリントされる濃度調整用紙には，同じタイミングで出力されたことを色で示す出力タイミング情報が含まれる。この出力タイミング情報は４周期ごとに異なるもので，同じ周期で出力された濃度調整用紙であればプリンタＡ〜Ｄのどのプリンタから出力されたものでも同一のものとなる。第１周期，第２周期，第３周期および第４周期でそれぞれ出力された濃度調整用紙の出力タイミング情報領域４３には，それぞれ赤色，青色，緑色および黒色の出力タイミング情報が記録される。
【００２５】
濃度測定領域４４：
濃度計１によって色が測定される領域である。この領域４４内は基準濃度のグレーであることはいうまでもない。
【００２６】
識別情報領域４５：
プリンタＡ〜Ｄのうちどのプリンタから出力された濃度調整用紙かを示す色が記録される領域である。識別情報領域４５の記録されている色が赤色，青色，緑色および黒色であれば，それぞれプリンタＡ，Ｂ，ＣおよびＤから出力された濃度調整用紙４０Ａ，４０Ｂ，４０Ｃおよび４０Ｄであることを示している。
【００２７】
図３は，制御装置１０の電気的構成を示すブロック図を主として示している。
【００２８】
制御装置１０の全体の動作は，ＣＰＵ１２によって統括される。
【００２９】
制御装置１０には，表示用インターフェイス５を介して表示装置６が接続されている。また，制御装置１０にはユーザが各種指令を与えるための入力装置８が含まれている。この入力装置８からの指令は，入力インターフェイス９を介して制御装置１０に入力する。さらに，メモリ・カード３を制御装置１０に装填するためのカード・インターフェイス１１が含まれている。カード・インターフェイス１１により，メモリ・カード１０に記録されている画像データが読み取られる。ＪＰＥＧ（ｊｏｉｎｔ ｐｈｏｔｏｇｒａｐｈｉｃ ｅｘｐｅｒｔｓ ｇｒｏｕｐ）エンジン１３は，画像データをＪＰＥＧ圧縮し，かつ圧縮されているＪＰＥＧ画像データを伸長するものである。ＲＳ２３２Ｃインターフェイス１４によって濃度計１と制御装置１０とがＲＳ２３２Ｃケーブルにより接続されている。ＦＰＧＡ（ｆｉｅｌｄ ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ｇａｔｅ ａｒｒａｙ）１６は，接続されているＲＯＭ１５に格納されているプログラムにもどついてタイミング制御などの所定の制御を行うものである。ＲＯＭ１７には，制御装置１０の動作プログラムが格納されている。ワーク・メモリ１８は，制御動作に必要な所定のデータを一時的に記憶するものである。ＳＣＳＩインターフェイス１９によりＳＣＳＩケーブルによって制御装置１０とプリンタＡとが接続されている。
【００３０】
プリンタＡ〜Ｄを用いて，メモリ・カード３に記録されている画像データによって表される画像をプリントさせるときには，入力装置３によってメモリ・カード３に記録されている圧縮画像データが指定される。指定された圧縮画像データは，ＪＰＥＧエンジン１３により伸長される。伸長された圧縮画像データがＳＣＳＩインターフェイス１９からプリンタＡ等に与えられる。プリンタＡ等において，画像データによって表される画像がプリントされる。
【００３１】
上述したように，プリンタＡ〜Ｄの濃度調整を行うこともできる。入力装置８から濃度調整指令が入力されると，その濃度調整指令が制御装置１０からすべてのプリンタＡ〜Ｄに与えられる。すると，プリンタＡ〜Ｄからそれぞれ濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが出力される。出力された濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの濃度測定情報が順次濃度計によって読み取られる。濃度計から濃度測定情報を表すデータ等が出力され，ＲＳ２３２Ｃインターフェイス１４を介して制御装置１０に入力する。入力した濃度測定情報等を表すデータからプリンタＡ〜Ｄの濃度を調整する濃度調整データが生成される。生成された濃度調整データは，プリンタＡ〜Ｄのうち対応するプリンタに与えられる。プリンタＡ〜Ｄの濃度調整が行われることとなる。
【００３２】
濃度計１には，シアン，マゼンタおよびイエロー（または赤，緑および青）の光を出射する発光ダイオードが備えられている。これらの発光ダイオードは，濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの領域４３，４４および４５内にそれぞれ光が照射されるように位置決めされている。濃度計１には，領域４３，４４および４５に対応してフォトダイオードが設けられている。それぞれの領域４３，４４および４５からの反射光がこれらのフォトダイオードによって受光される。フォトダイオードの受光信号がデータに変換され，出力タイミング情報データ，濃度測定データおよび識別情報データが制御装置１０に与えられる。
【００３３】
図４は，プリンタＡの電気的構成を示すブロック図である。プリンタＢ〜Ｄも同じ構成をしている。
【００３４】
プリンタＡの全体の動作は，ＣＰＵ２３によって統括される。
【００３５】
プリンタＡは，ＳＣＳＩコントローラ２１を備えている。ＳＣＳＩコントローラ２１にコネクタ２１Ａおよび２１Ｂが接続されている。プリンタＡにおいては，一方のコネクタ２１Ａには，プリンタＢが接続され，他方のコネクタ２１Ｂには制御装置１０が接続されている。プリンタＢ〜Ｄにおいては，制御装置１０は接続されずに他のプリンタが接続されるのは容易に理解されよう。
【００３６】
プリンタＡには，制御装置１０から与えられた画像データによって表される画像の色調整などの所定の処理を行う画像処理回路２２，データを一時的に記憶するメモリ２３およびプリントするためのプリント機構３２を制御するためのプリント制御回路２５が含まれている。また，プリンタＡには，制御装置１０と同様に，ＲＯＭ２７に格納されているプログラムにもとづく動作を行うＦＰＧＡ２８およびデータを一時的に記憶するワーク・メモリ３０が含まれている。
【００３７】
制御装置１０から画像データが入力すると，入力した画像データは画像処理回路２２において画像処理が行われる。画像処理回路２２から出力された画像データがプリント制御回路２５によって制御されるプリント機構３２に与えられる。制御装置１０から入力した画像データによって表される画像がヘッド３３を用いてプリントとして出力される。
【００３８】
制御装置１０から濃度調整データが入力すると，ディジタル／アナログ変換回路３１においてアナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号によってプリント機構３２のヘッド３３が調整され，プリンタＡから出力されるプリントの濃度が調整される。
【００３９】
図５から図７は，プリント・システムの処理手順を示すフローチャートである。図５は濃度計の処理手順を示し，図６は制御装置の処理手順を示し，図７はプリンタの処理手順を示している。
【００４０】
この実施例によるプリント・システムにおいては上述したようにプリンタＡ〜Ｄから出力される濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄには出力タイミング情報記録領域４３が形成されている。この出力タイミング情報記録領域４３には，赤色，青色，緑色または黒色で表される出力タイミング情報が記録されている。ユーザから制御装置１０に濃度調整指令が入力されると，その指令に応答して制御装置１０からすべてのプリンタＡ〜Ｄに，濃度調整用紙の出力指令と出力タイミング情報データ（出力される濃度調整用紙の出力タイミング情報が赤色，青色，緑色または黒色のいずれなのかを示すデータ）が送信される（図６ステップ６１）。送信された出力タイミング情報データは，制御装置１０のメモリ２３に記憶される（図６ステップ６２）。
【００４１】
制御装置１０から出力された濃度調整用紙出力指令および出力タイミング情報データがプリンタＡ〜Ｄに入力すると，出力タイミング情報データにもとづく出力タイミング情報が出力タイミング情報領域４３に記録され，かつそれぞれのプリンタを識別するための識別情報が識別情報領域４５に記録された濃度調整用紙４０Ａ〜４０ＤがプリンタＡ〜Ｄからそれぞれ出力される（図７ステップ７１）。たとえば，第１回目の濃度調整指令であれば，プリンタＡ〜Ｄから出力される濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄのそれぞれの出力タイミング情報領域４３にはすべて同一の色（たとえば，赤色）が記録される。また，プリンタＡから出力された濃度調整用紙４０Ａであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報（色）は赤色となり，プリンタＢから出力された濃度調整用紙４０Ｂであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報は青色となり，プリンタＣから出力された濃度調整用紙４０Ｃであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報は緑色となり，プリンタＤから出力された濃度調整用紙４０Ｄであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報は黒色となる。識別情報記録領域４５に記録された色を検出することにより，プリンタＡ〜Ｄの中のどのプリンタから出力されたものかがわかる。
【００４２】
ユーザは，プリンタＡ〜Ｄから出力された濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄを１枚ずつ順に濃度計１に濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの装着ガイド領域４２に沿ってセットする（図５ステップ５１）。まず，濃度調整用紙４０Ａが濃度計１にセットされたものとする。濃度計１によって濃度調整用紙４０の出力タイミング情報領域４３の記録されている色，濃度測定領域４４に記録されている色および識別情報領域４５に記録されている色がそれぞれ読み取られる（図５ステップ５２）。それぞれの色を表すデータが濃度計１から制御装置１０に送信される（図５ステップ５３）。
【００４３】
濃度計１から送信されたデータが制御装置１０において受信されると，濃度計１から送信された出力タイミング情報データおよび記憶されている出力タイミング情報データにもとづいて，濃度計１にセットされた濃度調整用紙４０Ａが最後にプリントされたものかどうかが確認される（図６ステップ６３）。濃度計１から送信された出力タイミング情報データによって表される色と記憶されている出力タイミング情報データによって表される色とが一致すれば（図６ステップ６３でＹＥＳ），濃度計１にセットされた濃度調整用紙４０Ａが最後にプリントされたものであると判断される。不一致であれば（図６ステップ６３でＮＯ），濃度計１にセットされた濃度調整用紙４０Ａが最後に出力されたものではないと判断されるので最後に出力された濃度調整用紙４０Ａをセットするように表示装置６の表示画面上に警告文が表示される（図６ステップ６０）。ユーザによって最後に出力された濃度調整用紙４０Ａが濃度計１にセットされることとなろう。
【００４４】
最後に出力された濃度調整用紙４０Ａを用いてプリンタの濃度調整を行うことができるので，時間が経過することにより濃度調整用紙４０Ａに記録された色が変化してしまうような場合でも比較的正確に色調整を行うことができる。また，出力されたタイミングに応じて，出力タイミング情報領域４３には４種類の異なる色が記録されるので，その領域４３に記録されている色を見ることによりユーザは，どのタイミングで出力された濃度調整用紙かを把握できる。
【００４５】
最後に出力された濃度調整用紙４０Ａが濃度計１にセットされていると，濃度計１から送信された濃度測定データからプリンタＡの濃度を調整するための濃度調整データが生成される（図６ステップ６５）。濃度測定データがあらかじめ定められている適正な濃度を表している場合には，プリンタの濃度調整は行われないのはいうまでもない。濃度計１から送信された識別情報データにもとづいて特定されるプリンタに濃度調整データが送信される（図６ステップ６６）。たとえば，濃度調整用紙４０Ａから読み取られた濃度測定データが制御装置１０に送信された場合には，プリンタＡに濃度調整データが送信されることとなる。
【００４６】
プリンタＡ〜Ｄのうち，受信した濃度調整データが自分宛に送信された濃度調整データであれば（図７ステップ７２でＹＥＳ），その濃度調整データにもとづいてプリント機構３２が制御され濃度調整が行われる（図７ステップ７３）。
【００４７】
プリンタＡ〜Ｄのすべてについて濃度調整が終了するまで，濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが取り替えられて濃度計１にセットされ，上述のようにプリンタＡ〜Ｄの濃度調整が行われる。複数台のプリンタ４０Ａ〜４０Ｄがあり，複数枚の濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが出力される場合でもユーザは濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄがプリンタ４０Ａ〜４０Ｄのうちどのプリンタから出力されたものかを意識することなく，複数台のプリンタ４０Ａから４０Ｄの濃度調整を行うことができる。また，濃度調整用紙には出力されたタイミングを識別するための出力タイミング情報も記録されているので最新の濃度調整用紙を用いて濃度調整を行うこともできる。
【００４８】
上述の実施例においては，濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの出力タイミング情報領域４３に記録される出力タイミング情報および識別情報領域４５に記録される識別情報はそれぞれ色であるが，色以外の情報，例えば，文字，バーコードなどでもよい。文字，バーコードなどが濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄに記録される場合には，濃度計に文字またはバーコード読み取り用のスキャナなどが設けられることとなろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】プリント・システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図２】濃度調整用紙の一例である。
【図３】制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図４】プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図５】濃度計の処理手順を示すフローチャートである。
【図６】制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図７】プリンタの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ 濃度計
１０ 制御装置
１２，２４ ＣＰＵ
２５ プリント制御回路
３２ プリント機構
３３ ヘッド
４０Ａ〜４０Ｄ 濃度調整用紙
４３ 出力タイミング領域
４４ 濃度測定領域
４５ 識別情報領域
Ａ〜Ｄ プリンタ
【技術分野】
この発明は，複数台のプリンタと濃度計とプリンタ制御装置とを含むプリント・システムおよびプリンタに関する。
【０００２】
【発明の背景】
多数のプリントを短時間で出力するために一台のプリンタ制御装置を用いて複数台のプリンタを制御することが考えられる。複数台のプリンタを用いて同一の画像等をプリントする場合には，それぞれのプリンタによりプリントされる画像等の濃度が一定であることが要求されることが多い。濃度が一定かどうかを確認するためには，プリンタから出力されたプリントの濃度が濃度計によって測定される。測定された濃度が所定の値となるようにプリンタが調整される。
【０００３】
しかしながら，複数台のプリンタによって画像等がプリントされると，どのプリンタから出力されたものかわからなくなることがある。複数台のプリンタから出力されたプリントを用いてプリンタの濃度調整できないことがある。
【０００４】
【発明の開示】
この発明は，複数台のプリンタを含むプリント・システムにおいて各プリンタの濃度を調整できるようにすることを目的とする。
【０００５】
第１の発明は，複数台のプリンタと濃度計とプリンタ制御装置とを含むプリント・システムについてのものである。
【０００６】
上記複数台のプリンタのそれぞれのプリンタは，与えられるプリント濃度調整データにもとづく濃度によりプリントするプリンタ・ヘッド，ならびに複数台のプリンタのうち他のプリンタと異なる固有の識別情報および濃度測定情報を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御する第１の制御手段を備えている。
【０００７】
また，上記濃度計は，上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記識別情報を読み取り，読み取られた上記識別情報を表すデータを上記プリンタ制御装置に出力する第１の読み取り手段，および上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記濃度測定情報を読み取り，読み取られた濃度測定値を表すデータを上記プリンタ制御装置に出力する第２の読み取り手段を備えている。
【０００８】
さらに，上記プリンタ制御装置は，上記濃度計の上記第２の読み取り手段から出力された濃度測定データにもとづいてプリント濃度調整データを生成する生成手段，および上記複数のプリンタのうち上記第１の読み取り手段から出力された識別情報データによって特定されるプリンタに上記生成手段によって生成されたプリント濃度調整データを与える第２の制御手段を備えている。
【０００９】
第１の発明によると，複数台のプリンタのうち他のプリンタと異なる固有の識別情報（たとえば，固有の色，文字，バーコードなどで表される識別情報）および濃度測定情報（所定濃度をもつグレーの色など）とを含む濃度調整用紙が複数台のプリンタを構成する各プリンタから出力される。濃度調整用紙がプリンタから出力されると，濃度計によって濃度調整用紙の濃度測定情報および識別情報がそれぞれ読み取られる。読み取られた濃度測定情報を表すデータおよび識別情報を表すデータが濃度計からそれぞれ出力され，プリンタ制御装置に与えられる。
【００１０】
濃度計から出力された濃度測定データにもとづいて濃度調整データが生成される。生成された濃度調整データは，濃度計から出力された識別情報を表すデータによって特定されるプリンタに与えられる。濃度調整データが与えられたプリンタにおいて，濃度調整データにしたがって濃度調整が行われる。
【００１１】
プリント・システムに複数台のプリンタが含まれていても，ユーザは，それぞれのプリンタから出力された濃度調整用紙がどのプリンタから出力されたものかを意識することなく，濃度調整用紙を用いて対応するプリンタの濃度調整を行うことができる。比較的正確に複数台のプリンタの各プリンタの濃度調整を実行できる。
【００１２】
上記複数台のプリンタのそれぞれのプリンタの第１の制御手段は，たとえば，上記識別情報および上記濃度調整情報のほかにプリンタ付随情報（出力タイミング情報）を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御するものである。
【００１３】
この場合，上記濃度計は，上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記プリンタ付随情報を読み取り，読み取られた上記出力タイミング情報を表わすデータを上記プリンタ制御装置に出力する第３の読み取り手段をさらに備える。また，上記プリンタ制御装置は，上記濃度計の上記第３の読み取り手段から出力されたプリンタ付随情報が最後にプリントされた濃度調整用紙から得られたものでないときに警告する警告手段をさらに備える。
【００１４】
たとえば，異なる日にちで濃度調整用紙を複数回出力した場合でも濃度調整しようとしているときに得られた濃度調整用紙であることがプリンタ付随情報からわかるので，濃度調整しようとしているときの濃度調整用紙を用いて濃度調整することができる。
【００１５】
上記プリント・システムを構成するプリンタ，プリンタ制御装置および濃度計をそれぞれ単独で構成してもよい。
【００１６】
たとえば，プリンタであれば，与えられるプリント濃度調整データにもとづく濃度によりプリントするプリンタ・ヘッド，ならびに異なる固有の識別情報および濃度測定情報を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御する制御手段を備えることとなろう。
【００１７】
【実施例の説明】
図１は，この発明の実施例を示すもので，プリント・システムの全体構成を示すブロック図である。
【００１８】
プリント・システムには，濃度計１，制御装置１０および４台のプリンタＡ〜Ｄが含まれている。濃度計１と制御装置１０とはＲＳ−２３２Ｃによるケーブルにより接続されている。制御装置１０とプリンタＡとはＳＣＳＩ（Ｓｍａｌｌ Ｃｏｍｐｕｔｅｒ Ｓｙｓｔｅｍ Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）によるケーブルにより接続されている。プリンタＡからプリンタＤはいわゆるディジー・チェイン接続されている。
【００１９】
このプリント・システムは，プリンタＡ〜Ｄから出力されるプリントの濃度が所定の濃度となるように調整できるものである。濃度を調整するための濃度調整用紙４０Ａ〜４０ＤがプリンタＡ〜Ｄから出力される。この濃度調整用紙には，プリンタＡ〜Ｄのうちどのプリンタから出力されたかを示す識別情報，濃度調整に用いられる濃度測定情報，濃度調整用紙が出力されたタイミングを検出するための出力タイミング情報等が記録されている。これらの各種情報等が濃度計１によって読み取られ，各種情報等を示すデータが制御装置１０に与えられる。制御装置１０において，濃度測定情報にもとづいて，プリンタから出力されるプリントの濃度を所定の濃度に制御するための濃度調整データが生成される。生成された濃度調整データが，プリンタＡ〜Ｄのうち与えられた識別情報によって特定されるプリンタに送信される。制御装置１０から濃度調整データが与えられたプリンタにおいて濃度調整処理が行われる。プリンタがＡ〜Ｄの複数台あっても対応するプリンタの濃度調整を正確に行うことができる。より詳しくは，以下の説明によって明らかとなろう。
【００２０】
図２は，プリンタＡ〜Ｄから出力される濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの一例である。
【００２１】
濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの表面全体４１は基準濃度を示すグレーの色とされている。
【００２２】
濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄには，次の各領域が形成されている。
【００２３】
装着ガイド領域４２：
濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが濃度計に装着されるときのガイドとなる領域である。
【００２４】
出力タイミング情報領域４３：
この実施例においては，制御装置１０からプリンタＡ〜Ｄに濃度調整用紙出力指令が与えられたタイミングでプリントされる濃度調整用紙には，同じタイミングで出力されたことを色で示す出力タイミング情報が含まれる。この出力タイミング情報は４周期ごとに異なるもので，同じ周期で出力された濃度調整用紙であればプリンタＡ〜Ｄのどのプリンタから出力されたものでも同一のものとなる。第１周期，第２周期，第３周期および第４周期でそれぞれ出力された濃度調整用紙の出力タイミング情報領域４３には，それぞれ赤色，青色，緑色および黒色の出力タイミング情報が記録される。
【００２５】
濃度測定領域４４：
濃度計１によって色が測定される領域である。この領域４４内は基準濃度のグレーであることはいうまでもない。
【００２６】
識別情報領域４５：
プリンタＡ〜Ｄのうちどのプリンタから出力された濃度調整用紙かを示す色が記録される領域である。識別情報領域４５の記録されている色が赤色，青色，緑色および黒色であれば，それぞれプリンタＡ，Ｂ，ＣおよびＤから出力された濃度調整用紙４０Ａ，４０Ｂ，４０Ｃおよび４０Ｄであることを示している。
【００２７】
図３は，制御装置１０の電気的構成を示すブロック図を主として示している。
【００２８】
制御装置１０の全体の動作は，ＣＰＵ１２によって統括される。
【００２９】
制御装置１０には，表示用インターフェイス５を介して表示装置６が接続されている。また，制御装置１０にはユーザが各種指令を与えるための入力装置８が含まれている。この入力装置８からの指令は，入力インターフェイス９を介して制御装置１０に入力する。さらに，メモリ・カード３を制御装置１０に装填するためのカード・インターフェイス１１が含まれている。カード・インターフェイス１１により，メモリ・カード１０に記録されている画像データが読み取られる。ＪＰＥＧ（ｊｏｉｎｔ ｐｈｏｔｏｇｒａｐｈｉｃ ｅｘｐｅｒｔｓ ｇｒｏｕｐ）エンジン１３は，画像データをＪＰＥＧ圧縮し，かつ圧縮されているＪＰＥＧ画像データを伸長するものである。ＲＳ２３２Ｃインターフェイス１４によって濃度計１と制御装置１０とがＲＳ２３２Ｃケーブルにより接続されている。ＦＰＧＡ（ｆｉｅｌｄ ｐｒｏｇｒａｍｍａｂｌｅ ｇａｔｅ ａｒｒａｙ）１６は，接続されているＲＯＭ１５に格納されているプログラムにもどついてタイミング制御などの所定の制御を行うものである。ＲＯＭ１７には，制御装置１０の動作プログラムが格納されている。ワーク・メモリ１８は，制御動作に必要な所定のデータを一時的に記憶するものである。ＳＣＳＩインターフェイス１９によりＳＣＳＩケーブルによって制御装置１０とプリンタＡとが接続されている。
【００３０】
プリンタＡ〜Ｄを用いて，メモリ・カード３に記録されている画像データによって表される画像をプリントさせるときには，入力装置３によってメモリ・カード３に記録されている圧縮画像データが指定される。指定された圧縮画像データは，ＪＰＥＧエンジン１３により伸長される。伸長された圧縮画像データがＳＣＳＩインターフェイス１９からプリンタＡ等に与えられる。プリンタＡ等において，画像データによって表される画像がプリントされる。
【００３１】
上述したように，プリンタＡ〜Ｄの濃度調整を行うこともできる。入力装置８から濃度調整指令が入力されると，その濃度調整指令が制御装置１０からすべてのプリンタＡ〜Ｄに与えられる。すると，プリンタＡ〜Ｄからそれぞれ濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが出力される。出力された濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの濃度測定情報が順次濃度計によって読み取られる。濃度計から濃度測定情報を表すデータ等が出力され，ＲＳ２３２Ｃインターフェイス１４を介して制御装置１０に入力する。入力した濃度測定情報等を表すデータからプリンタＡ〜Ｄの濃度を調整する濃度調整データが生成される。生成された濃度調整データは，プリンタＡ〜Ｄのうち対応するプリンタに与えられる。プリンタＡ〜Ｄの濃度調整が行われることとなる。
【００３２】
濃度計１には，シアン，マゼンタおよびイエロー（または赤，緑および青）の光を出射する発光ダイオードが備えられている。これらの発光ダイオードは，濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの領域４３，４４および４５内にそれぞれ光が照射されるように位置決めされている。濃度計１には，領域４３，４４および４５に対応してフォトダイオードが設けられている。それぞれの領域４３，４４および４５からの反射光がこれらのフォトダイオードによって受光される。フォトダイオードの受光信号がデータに変換され，出力タイミング情報データ，濃度測定データおよび識別情報データが制御装置１０に与えられる。
【００３３】
図４は，プリンタＡの電気的構成を示すブロック図である。プリンタＢ〜Ｄも同じ構成をしている。
【００３４】
プリンタＡの全体の動作は，ＣＰＵ２３によって統括される。
【００３５】
プリンタＡは，ＳＣＳＩコントローラ２１を備えている。ＳＣＳＩコントローラ２１にコネクタ２１Ａおよび２１Ｂが接続されている。プリンタＡにおいては，一方のコネクタ２１Ａには，プリンタＢが接続され，他方のコネクタ２１Ｂには制御装置１０が接続されている。プリンタＢ〜Ｄにおいては，制御装置１０は接続されずに他のプリンタが接続されるのは容易に理解されよう。
【００３６】
プリンタＡには，制御装置１０から与えられた画像データによって表される画像の色調整などの所定の処理を行う画像処理回路２２，データを一時的に記憶するメモリ２３およびプリントするためのプリント機構３２を制御するためのプリント制御回路２５が含まれている。また，プリンタＡには，制御装置１０と同様に，ＲＯＭ２７に格納されているプログラムにもとづく動作を行うＦＰＧＡ２８およびデータを一時的に記憶するワーク・メモリ３０が含まれている。
【００３７】
制御装置１０から画像データが入力すると，入力した画像データは画像処理回路２２において画像処理が行われる。画像処理回路２２から出力された画像データがプリント制御回路２５によって制御されるプリント機構３２に与えられる。制御装置１０から入力した画像データによって表される画像がヘッド３３を用いてプリントとして出力される。
【００３８】
制御装置１０から濃度調整データが入力すると，ディジタル／アナログ変換回路３１においてアナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号によってプリント機構３２のヘッド３３が調整され，プリンタＡから出力されるプリントの濃度が調整される。
【００３９】
図５から図７は，プリント・システムの処理手順を示すフローチャートである。図５は濃度計の処理手順を示し，図６は制御装置の処理手順を示し，図７はプリンタの処理手順を示している。
【００４０】
この実施例によるプリント・システムにおいては上述したようにプリンタＡ〜Ｄから出力される濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄには出力タイミング情報記録領域４３が形成されている。この出力タイミング情報記録領域４３には，赤色，青色，緑色または黒色で表される出力タイミング情報が記録されている。ユーザから制御装置１０に濃度調整指令が入力されると，その指令に応答して制御装置１０からすべてのプリンタＡ〜Ｄに，濃度調整用紙の出力指令と出力タイミング情報データ（出力される濃度調整用紙の出力タイミング情報が赤色，青色，緑色または黒色のいずれなのかを示すデータ）が送信される（図６ステップ６１）。送信された出力タイミング情報データは，制御装置１０のメモリ２３に記憶される（図６ステップ６２）。
【００４１】
制御装置１０から出力された濃度調整用紙出力指令および出力タイミング情報データがプリンタＡ〜Ｄに入力すると，出力タイミング情報データにもとづく出力タイミング情報が出力タイミング情報領域４３に記録され，かつそれぞれのプリンタを識別するための識別情報が識別情報領域４５に記録された濃度調整用紙４０Ａ〜４０ＤがプリンタＡ〜Ｄからそれぞれ出力される（図７ステップ７１）。たとえば，第１回目の濃度調整指令であれば，プリンタＡ〜Ｄから出力される濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄのそれぞれの出力タイミング情報領域４３にはすべて同一の色（たとえば，赤色）が記録される。また，プリンタＡから出力された濃度調整用紙４０Ａであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報（色）は赤色となり，プリンタＢから出力された濃度調整用紙４０Ｂであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報は青色となり，プリンタＣから出力された濃度調整用紙４０Ｃであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報は緑色となり，プリンタＤから出力された濃度調整用紙４０Ｄであれば，識別情報領域４５に記録される識別情報は黒色となる。識別情報記録領域４５に記録された色を検出することにより，プリンタＡ〜Ｄの中のどのプリンタから出力されたものかがわかる。
【００４２】
ユーザは，プリンタＡ〜Ｄから出力された濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄを１枚ずつ順に濃度計１に濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの装着ガイド領域４２に沿ってセットする（図５ステップ５１）。まず，濃度調整用紙４０Ａが濃度計１にセットされたものとする。濃度計１によって濃度調整用紙４０の出力タイミング情報領域４３の記録されている色，濃度測定領域４４に記録されている色および識別情報領域４５に記録されている色がそれぞれ読み取られる（図５ステップ５２）。それぞれの色を表すデータが濃度計１から制御装置１０に送信される（図５ステップ５３）。
【００４３】
濃度計１から送信されたデータが制御装置１０において受信されると，濃度計１から送信された出力タイミング情報データおよび記憶されている出力タイミング情報データにもとづいて，濃度計１にセットされた濃度調整用紙４０Ａが最後にプリントされたものかどうかが確認される（図６ステップ６３）。濃度計１から送信された出力タイミング情報データによって表される色と記憶されている出力タイミング情報データによって表される色とが一致すれば（図６ステップ６３でＹＥＳ），濃度計１にセットされた濃度調整用紙４０Ａが最後にプリントされたものであると判断される。不一致であれば（図６ステップ６３でＮＯ），濃度計１にセットされた濃度調整用紙４０Ａが最後に出力されたものではないと判断されるので最後に出力された濃度調整用紙４０Ａをセットするように表示装置６の表示画面上に警告文が表示される（図６ステップ６０）。ユーザによって最後に出力された濃度調整用紙４０Ａが濃度計１にセットされることとなろう。
【００４４】
最後に出力された濃度調整用紙４０Ａを用いてプリンタの濃度調整を行うことができるので，時間が経過することにより濃度調整用紙４０Ａに記録された色が変化してしまうような場合でも比較的正確に色調整を行うことができる。また，出力されたタイミングに応じて，出力タイミング情報領域４３には４種類の異なる色が記録されるので，その領域４３に記録されている色を見ることによりユーザは，どのタイミングで出力された濃度調整用紙かを把握できる。
【００４５】
最後に出力された濃度調整用紙４０Ａが濃度計１にセットされていると，濃度計１から送信された濃度測定データからプリンタＡの濃度を調整するための濃度調整データが生成される（図６ステップ６５）。濃度測定データがあらかじめ定められている適正な濃度を表している場合には，プリンタの濃度調整は行われないのはいうまでもない。濃度計１から送信された識別情報データにもとづいて特定されるプリンタに濃度調整データが送信される（図６ステップ６６）。たとえば，濃度調整用紙４０Ａから読み取られた濃度測定データが制御装置１０に送信された場合には，プリンタＡに濃度調整データが送信されることとなる。
【００４６】
プリンタＡ〜Ｄのうち，受信した濃度調整データが自分宛に送信された濃度調整データであれば（図７ステップ７２でＹＥＳ），その濃度調整データにもとづいてプリント機構３２が制御され濃度調整が行われる（図７ステップ７３）。
【００４７】
プリンタＡ〜Ｄのすべてについて濃度調整が終了するまで，濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが取り替えられて濃度計１にセットされ，上述のようにプリンタＡ〜Ｄの濃度調整が行われる。複数台のプリンタ４０Ａ〜４０Ｄがあり，複数枚の濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄが出力される場合でもユーザは濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄがプリンタ４０Ａ〜４０Ｄのうちどのプリンタから出力されたものかを意識することなく，複数台のプリンタ４０Ａから４０Ｄの濃度調整を行うことができる。また，濃度調整用紙には出力されたタイミングを識別するための出力タイミング情報も記録されているので最新の濃度調整用紙を用いて濃度調整を行うこともできる。
【００４８】
上述の実施例においては，濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄの出力タイミング情報領域４３に記録される出力タイミング情報および識別情報領域４５に記録される識別情報はそれぞれ色であるが，色以外の情報，例えば，文字，バーコードなどでもよい。文字，バーコードなどが濃度調整用紙４０Ａ〜４０Ｄに記録される場合には，濃度計に文字またはバーコード読み取り用のスキャナなどが設けられることとなろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】プリント・システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図２】濃度調整用紙の一例である。
【図３】制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図４】プリンタの電気的構成を示すブロック図である。
【図５】濃度計の処理手順を示すフローチャートである。
【図６】制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図７】プリンタの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ 濃度計
１０ 制御装置
１２，２４ ＣＰＵ
２５ プリント制御回路
３２ プリント機構
３３ ヘッド
４０Ａ〜４０Ｄ 濃度調整用紙
４３ 出力タイミング領域
４４ 濃度測定領域
４５ 識別情報領域
Ａ〜Ｄ プリンタ
Claims (2)
- 複数台のプリンタと濃度計とプリンタ制御装置とを含むプリント・システムにおいて，
上記複数台のプリンタのそれぞれのプリンタが，
与えられるプリント濃度調整データにもとづく濃度によりプリントするプリンタ・ヘッド，ならびに
複数台のプリンタのうち他のプリンタと異なる固有の識別情報および濃度測定情報を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御する第１の制御手段を備え，
上記濃度計が，
上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記識別情報を読み取り，読み取られた上記識別情報を表すデータを上記プリンタ制御装置に出力する第１の読み取り手段，および
上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記濃度測定情報を読み取り，読み取られた濃度測定値を表すデータを上記プリンタ制御装置に出力する第２の読み取り手段を備え，
上記プリンタ制御装置が，
上記濃度計の上記第２の読み取り手段から出力された濃度測定データにもとづいてプリント濃度調整データを生成する生成手段，および
上記複数のプリンタのうち上記第１の読み取り手段から出力された識別情報データによって特定されるプリンタに上記生成手段によって生成されたプリント濃度調整データを与える第２の制御手段，
を備えたプリント・システム。 - 上記複数台のプリンタのそれぞれのプリンタの第１の制御手段が，
上記識別情報および上記濃度調整情報のほかにプリンタ付随情報を含む濃度調整用紙をプリントするように上記プリンタ・ヘッドを制御するものであり，
上記濃度計が，
上記プリンタから出力された濃度調整用紙の上記プリンタ付随情報を読み取り，読み取られた上記プリンタ付随情報を表わすデータを上記プリンタ制御装置に出力する第３の読み取り手段をさらに備え，
上記プリンタ制御装置が，
上記濃度計の上記第３の読み取り手段から出力されたプリンタ付随情報が最後にプリントされた濃度調整用紙から得られたものでないときに警告する警告手段，
をさらに備えた請求項１に記載のプリント・システム。
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