JP2004042434A - ボールペン - Google Patents

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JP2004042434A
JP2004042434A JP2002202783A JP2002202783A JP2004042434A JP 2004042434 A JP2004042434 A JP 2004042434A JP 2002202783 A JP2002202783 A JP 2002202783A JP 2002202783 A JP2002202783 A JP 2002202783A JP 2004042434 A JP2004042434 A JP 2004042434A
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Satoru Arata
荒田 覚
Tomonori Inada
稲田 智紀
Chiseko Kako
加来 千勢子
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Abstract

【課題】使用時における転写用ボールの回転を滑らかにして、軽快な筆記ができるようにする。
【解決手段】前端15に転写用ボール13を回転自在に抱持させたチップ3を、インク収容部を設けたチューブの前端に嵌着させてなるボールペンであって、筆記時において、転写用ボール13の後面13aを受けるボール受座12の、前記転写用ボール13と当接する端部を、凸曲面16に形成する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペンに関し、詳しくは、使用時、すなわち筆記時における転写用ボールの回転を滑らかにするとともに、好ましくは、併せて不使用時におけるインクの滲みをも有効に防止し得るようにしたボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールペンの使用時に軽快に筆記し得るようにするためには、転写用ボールの回転を滑らかにすることが必要である。
そのため、従来は、転写用ボールは、一般に、金属製、ガラス製、硬質合成樹脂製などとされている。
【0003】
しかし、これら硬質製の転写用ボールを用いた場合、不使用時に、転写用ボールと、それを抱持するチップの前端のボール抱持部の内周面との間に生ずる隙間からのインクの外部への滲み、すなわち一般に先漏れと称されるインクの滲みが生ずる場合があり、特に夏期などの気温が高いときに、前記インクの滲み現象が生ずる頻度が大きくなる傾向がみられる。かかるインクの滲みを防止するため、たとえば特開平10−258597号公報には、図11〜図13に示す技術が開示されている。
なお、図12、図13は、図11における破線円内に相当する部分を拡大して示す断面図である。
【0004】
ボールペン(01)は、チューブ(02)と、チップ(03)と尾栓(図示せず)とより構成されている。
チップ(03)の後端部は、チューブ(02)の前端のチップ嵌着孔(04)に圧入され、チューブ(02)における前記チップ嵌着孔(04)と連通する後方には受止段部(05)が形成され、さらにその後方の導孔(06)を介して、インク収容部(07)が設けられている。
【0005】
チップ(03)の前端には、転写用ボール(08)が収容されるボール抱持部(09)が形成され、転写用ボール(08)は回転自在に抱持されている。
【0006】
ボール抱持部(09)の後方には、内向段部(010)が形成され、その内向段部(010)の前面に、転写用ボール(08)の後面が当接している。
【0007】
また、チューブ(02)の前記受止段部(05)に後端部を当接したスプリング(011)の前端には、直立状の押杆(012)が連設され、その押杆(012)の前端で、転写用ボール(08)の後端を押圧している。
【0008】
図12は、ボールペンを使用して筆記しているときの状態、図13は、不使用時の状態をそれぞれ示す断面図である。
【0009】
使用時においては、図12に示すように、転写用ボール(08)は、紙面(013)に押圧されて、わずかに後退し、インクが、チップ(03)の前記内向段部(010)に前後方向に設けられたインク通路溝(014)、およびボール抱持部(09)の内壁面と転写用ボール(08)との間の隙間(016)を経て、紙面(013)上に転写用ボール(08)によって転写される。
【0010】
一方、不使用時には、図13に示すように、転写用ボール(08)は、紙面(013)から離されるため、スプリング(011)によって前向きに付勢され、チップ(03)の前端のボール抱持部(09)のやや縮径された内面(015)に密接させられる。
【0011】
この際、理想的には、1点鎖線で示すように、転写用ボール(08)は、ボール抱持部(09)の内面(015)の全周に亘って均一に密接させられることが望ましい。
【0012】
しかし、スプリング(011)の前端に設けられた押杆(012)の前端の位置が、筆記時の転写用ボール(08)の回転にともなって、転写用ボール(08)の後端の中心からはずれて偏りを生じ易い。
【0013】
そのため、位置が偏った押杆(012)によって押圧された転写用ボール(08)は、図12の実線で示すように、ボール抱持部(09)の内面(015)の一部分には密接するが、全周に亘っては密接せずに、部分的に隙間(016)が生ずる。
そのため、その隙間(016)からインクの滲みが生じ、いわゆる先漏れと称される現象を充分には防止できないという欠点を有する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、使用時における転写用ボールの回転を滑らかにするとともに、好ましくは、併せて不使用時におけるインクの滲みをも有効に防止し得るボールペンを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 前端に転写用ボールを回転自在に抱持させたチップを、インク収容部を設けたチューブの前端に嵌着させてなるボールペンであって、筆記時において、転写用ボールの後面を受けるボール受座の、前記転写用ボールと当接する端部を、凸曲面に形成する。
【0016】
(2) 上記(1)項において、転写用ボールの後面を受けるボール受座の前記凸曲面の曲率半径を、転写用ボールの直径をMmmとした場合に、(0.08M〜1.00M)mmの範囲内のものとする。
【0017】
(3) 前端に転写用ボールを回転自在に抱持させたチップを、インク収容部を設けたチューブの前端に嵌着させてなるボールペンであって、転写用ボールを抱持するボール抱持部の内周面のうち、筆記時において、転写用ボールと当接する部分を、凸曲面に形成する。
【0018】
(4) 上記(3)項において、ボール抱持部の内周面における、転写用ボールと当接する部分の前記凸曲面の曲率半径を、転写用ボールの直径をMmmとした場合に、(0.08M〜1.70M)mmの範囲内のものとする。
【0019】
(5) 上記(1)項または(2)項において、前記ボール受座を円筒状とし、この円筒状ボール受座の前端の、転写用ボールの後面と当接する周壁端部を、凸曲面に形成する。
【0020】
(6) 上記(1)項または(2)項において、前記ボール受座を断面がほぼ円状の線条からなるリング状とし、前記線条の凸曲面を転写用ボールに当接させるようにする。
【0021】
(7) 上記(1)項または(2)項において、前記ボール受座をボール抱持部の後端を縮径させて形成した段部とし、この段部の、転写用ボールの後面と当接する部分を、凸曲面に形成する。
【0022】
(8) 上記(1)項、(2)項、(5)項〜(7)項のいずれかにおいて、前記転写用ボールの後面を、前向きに弾性付勢させたボール受座で押圧して、転写用ボールをボール抱持部の内周面の全周に亘って密接させる。
【0023】
(9) 上記(1)項、(2)項、(5)項〜(8)項のいずれかにおいて、前記ボール受座に、インク通路溝を設ける。
【0024】
(10) 上記(1)項〜(9)項のいずれかにおいて、前記ボール抱持部の内周面に、インク通路溝を設ける。
【0025】
(11) 上記(1)項〜(10)項のいずれかにおいて、前記転写用ボールを、弾性素材で形成する。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示す部分断面図、図2、図4は、図1における破線円内に相当する部分の拡大断面図、図3は、図2における破線円内の部分拡大断面図である。
【0027】
本発明のボールペン(1)は、チューブ(2)とチップ(3)と尾栓(図示せず)とにより構成されている。
【0028】
チップ(3)の後端部は、チューブ(2)の前端のチップ嵌着孔(4)に圧入されている。チューブ(2)における前記チップ嵌着孔(4)に連通する後方には受止段部(5)が形成され、さらにその後方の導孔(6)を経て、インク収容部(7)が設けられている。
【0029】
チップ(3)は、前後方向に貫通する内孔(8)を有し、その前端部(9)の後方には、内向段部(10)が設けられている。
【0030】
チップ(3)の前端開口(11)から、ボール受座(12)と転写用ボール(13)を嵌入し、チップ(3)の前端部(9)を求心方向にややかしめて、ボール抱持部(14)を形成し、転写用ボール(13)を回転自在に抱持させてある。
【0031】
ボール受座(12)は、その平面図を図5に、下方斜視図を図6に示すように、肉厚円筒状とし、この円筒状ボール受座(12)の前端(15)の、転写用ボール(13)の後面(13a)と当接する周壁端部(15a)を凸曲面(16)に形成し、かつインク通路溝(17)を設けて形成されている。
【0032】
ボール受座(12)は、スプリング(18)によって前向きに付勢されている。
すなわち、チューブ(2)の前記受止段部(5)に後端部を当接し、かつチップ(3)の前記内孔(8)内に配設したスプリング(18)の前端部を、ボール受座(12)の後端面(19)に当接させて、ボール受座(12)を前向きに付勢させてある。
【0033】
図2は、ボールペンを使用して筆記しているときの状態、図4は、不使用時の状態をそれぞれ示す。
【0034】
使用時においては、図2に示すように、転写用ボール(13)は、紙面(20)上に押圧されて、転写用ボール(13)の後面(13a)がボール受座(12)の前記凸曲面(16)に当接し、ボール受座(12)の前記後端面(19)が、チップ(3)の前記内向段部(10)の前面に当接する位置まで、前記転写用ボール(13)がわずかに後退し、インクがボール受座(12)に設けられた前記インク通路溝(17)、およびボール抱持部(14)の内周面(22)と転写用ボール(13)との間の隙間(21)を経て、紙面(20)上に転写用ボール(13)によって転写される。
【0035】
転写用ボール(13)を抱持するボール抱持部(14)の内周面(22)のうち、使用時において転写用ボール(13)と当接する部分、一般には前記内周面(22)の前端部(9)の近傍部分は、全周に亘って内側に向けて凸曲面(23)に形成されている。
【0036】
図2においては、ボールペンは、矢印Pの向きに移動されているため、転写用ボール(13)の左側面が、抱持部(14)の前記凸曲面(23)に当接している。
【0037】
このように、使用時において、転写用ボール(13)と当接する、ボール受座(12)の前端(15)の周壁端部(15a)、およびボール抱持部(14)の内周面(22)が、いずれも凸曲面(16)(23)に形成されているため、転写用ボール(13)が、これら当接部から受ける抵抗を小さくし、転写用ボール(13)の回転を滑らかにすることができる。特に、前記凸曲面(16)(23)にインク通路溝(17)(23a)(図3参照)を設けることによって、転写用ボール(13)へのインクの供給を良好にするとともに、前記抵抗を一層小さくすることができる。
【0038】
これら凸曲面(16)(23)の曲率半径は、用いる転写用ボール(13)の大きさや素材によっても異なるが、一般には、転写用ボール(13)の直径をMmmとした場合、転写用ボール(13)の後面(13a)を受けるボール受座(12)の前記凸曲面(16)の曲率半径を、好ましくは、(0.08M〜1.00M)mm、さらには(0.12M〜0.50M)mmの範囲内のものとし、ボール抱持部(14)の内周面(22)における、転写用ボール(13)と当接する部分の前記凸曲面(23)の曲率半径を、好ましくは、(0.08M〜1.70M)mm、さらには(0.16M〜1.00M)mmの範囲内のものとすることが推奨される。これらの範囲外では、いずれの場合も、抵抗が大きくなる傾向がみられる。
【0039】
一方、不使用時には、図4に示すように、転写用ボール(13)は、紙面(20)から離されるため、スプリング(18)によって、ボール受座(12)を介して前向きに付勢され、チップ(3)の前端のボール抱持部(14)の内周面(22)、通常は凸曲面(23)に密接させられる。
【0040】
この際、ボール受座(12)は、スプリング(18)の付勢によって前方にわずかに移動し、転写用ボール(13)の後面(13a)に当接している、ボール受座(12)の前端(15)の凸曲面(16)によって、転写用ボール(13)を前方に偏りなく押圧する。
【0041】
そのため、転写用ボール(13)は、ボール抱持部(14)の内周面(22)の全周に亘って、ほぼ均一に密接する。すなわち、ボール受座(12)の前端(15)の凸曲面(16)を、転写用ボール(13)の後面(13a)に、チップ(3)の軸線を中心として、偏りなく円周状に当接させることによって、チップ(3)の前端のボール抱持部(14)の内周面(22)、通常は凸曲面(23)の実質的にほぼ全周に亘って密接させられる。
【0042】
したがって、ボール抱持部(14)の内周面(22)、通常は凸曲面(23)と転写用ボール(13)との間に、インクが滲み出る隙間が生ぜず、インクが外部に滲み出る先漏れが良好に防止される。
【0043】
図7、図8、図9は、それぞれ本発明のボールペンの他の実施形態を示し、図2に相当する図である。
図7に示す実施形態においては、図1におけるチューブ(2)のチップ嵌着孔(4)に後端部が嵌着されるチップ(24)は、チップ後端部材(25)とチップ先端部材(26)とよりなる。
【0044】
チップ後端部材(25)は、筒状体(25a)の中央外周面に鍔(25b)が設けられ、筒状体(25a)のうち、この鍔(25b)よりも前側に位置する前部(25c)は、尖頭形筒体よりなるチップ先端部材(26)の内孔(26a)内に、後方から緊迫に内嵌され一体化されている。
【0045】
チップ先端部材(26)の前端部(26b)は、求心方向にややかしめられ、ボール抱持部(26c)が形成されて、転写用ボール(27)が回転自在に抱持されている。
【0046】
チップ先端部材(26)の内孔(26a)内に内嵌された筒状体(25a)の前部(25c)は、途中から縮径され、段部(25d)が形成され、縮径部(25e)の前端(25f)は、転写用ボール(27)の後面(27a)近傍まで延びている。
【0047】
転写用ボール(27)の後面(27a)には、断面が円状の線条からなるリング状のボール受座(28)の凸曲面(28a)が当接されている。このボール受座(28)は、ワッシャー(29)を介して、後端が前記段部(25d)に当接され、前記縮径部(25e)の囲りに遊嵌されたスプリング(30)によって、前向きに弾性付勢されている。
【0048】
使用時においては、転写用ボール(27)は、紙面(20)に押圧されるため、転写用ボール(27)の後面(27a)に当接するワッシャー(29)が、前記縮径部(25e)の前端(25f)に当接するまで、わずかに後退し、ボールペンを矢印Pの向きに移動させた場合、転写用ボール(27)の左側面が、ボール抱持部(26c)の内周面(26d)における左側の凸曲面(26e)に当接し、インクが、ボール抱持部(26c)の内周面(26d)における右側の凸曲面(26’e)と、転写用ボール(27)との間の隙間(31)を経て、紙面(20)上に転写用ボール(27)によって転写される。
なお、必要に応じて、ボール受座(28)における転写用ボール(27)と当接する面に、インク通路溝(28b)を設けてもよい。
【0049】
一方、不使用時においては、転写用ボール(27)は、弾性付勢された前記ボール受座(28)によって前向きに押圧され、チップ先端部材(26)の前端のボール抱持部(26c)の内周面の全周に亘って密接されることにより、インクの滲みが防止される。
【0050】
図8は、図7に示した実施形態におけるリング状ボール受座(28)に設けたインク通路溝(28b)に代えて、チップ(32)を構成するチップ後端部材(33)とチップ先端部材(34)に、それぞれインク通路溝を設けた実施形態を示す図である。
【0051】
リング状ボール受座(35)が、細い線条から構成される場合、リング状ボール受座(35)にインク通路溝を設けることは、困難である。
また、一般にボール受座(35)の、転写用ボール(37)に当接する部分に、インク通路溝を設けると、使用中に転写用ボール(37)にがたつきがみられる場合があるばかりでなく、転写用ボール(37)の円滑な回動が得られ難くなる場合もあり、特に弾性素材でもって転写用ボール(37)を形成したときに、この傾向が比較的多くみられる。
そのため、本実施形態では、チップ後端部材(33)とチップ先端部材(34)に、インク通路溝を設けてある。
【0052】
すなわち、チップ後端部材(33)の縮径部(33a)における前端(33b)の周壁(33c)に、スリット状のインク通路溝(33d)を放射状に穿設するとともに、チップ先端部材(34)の内周面(34a)に、軸線方向のインク通路溝(34b)を、リング状ボール受座(35)を跨ぎ、インク通路溝(34b)の前端が、ボール抱持部(36)の内周面(36a)に至るまで、放射状に設けてある。チューブ(2)(図1参照)のインク収容部(7)から供給されたインクは、前記インク通路溝(33d)(34b)の両者を経て、転写用ボール(37)に供給される。
【0053】
図9は、従来例として図12に示したものにおいて、ボール抱持部(38)の内周面のうち、使用時において、転写用ボール(39)と当接する部分を、凸曲面(40)に形成するとともに、同じく使用時において、転写用ボール(39)の後面(39a)と当接するボール受座を、ボール抱持部(38)の後端を縮径させた段部(41)でもって形成し、この段部(41)を凸曲面(41a)に形成した実施形態を示す図である。
使用時において、転写用ボール(39)は、主として凸曲面(40)(41a)にのみ当接するため、回転が滑らかである。
また、前記段部(41)には、軸方向のインク通路溝(41b)を設けてある。
【0054】
図10は、本発明のボールペンのさらに他の実施形態を示し、転写用ボールを前方に付勢するためのスプリングを使用しない形態を示す。転写用ボール(42)の後面(42a)には、断面が円状の線条からなるリング状のボール受座(43)の凸曲面(43a)が当接されている。
【0055】
このボール受座(43)の後面(43b)には、チップ後端部材(44)の前端(44a)が当接している。このように、チップ後端部材(44)の前端(44a)を当接させた方が、スプリングの前端を当接させた場合よりも、一般にボール受座(43)の均一な押圧が行える。
【0056】
転写用ボール(42)とボール受座(43)の少なくとも一方、好ましくは両者が、たとえばシリコンゴムなどの弾性素材で形成されており、不使用時には、この弾性素材の弾性作用によって、転写用ボール(42)の前面周囲(42b)が、チップ先端部材(45)内に形成されたボール抱持部(46)の前端部(47)近傍の内周面における凸曲面(48)に全周に亘って密接されて、インクの滲みが防止される。
【0057】
一方、使用時においては、紙面(20)上に押圧されて、弾性素材で形成された転写用ボール(42)、ボール受座(43)が弾性変形し、ボール抱持部(46)における前記凸曲面(48)と、転写用ボール(42)との間に一部隙間(49)が生じ、インクは、その隙間(49)を経て、紙面(20)上に転写用ボール(42)によって転写される。
【0058】
インクの転写用ボール(42)への供給は、転写用ボール(42)が、シリコンゴムなどの合成ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムなどの天然ゴム、あるいは微多孔性軟質合成樹脂などの転写用ボール(42)の表面が、粗面あるいは微多孔面となる素材で形成されている場合、粗面における微細な凹凸の凹部、あるいは微多孔面における微孔が、インク通路として機能し、別途、インク通路溝を設けなくても比較的良好なインクの転写ができる利点がある。
【0059】
しかし、一層良好なインクの転写を望む場合は、適宜、別途、インク通路溝を設けてもよい。本実施形態においては、チップ後端部材(44)の前端(44a)の内周面にインク通路溝(44b)を設けるとともに、チップ先端部材(45)の内周面にインク通路溝(45a)を設けてある。
【0060】
本発明において、一部前記したように、転写用ボール及び受座の素材は、特に限定されず、金属製、ガラス製、硬質合成樹脂製などの硬質素材、または、イソプレン、ブタジエンなどの天然ゴム、あるいはシリコンゴムなどの合成ゴム等のゴム製、軟質合成樹脂製などの弾性素材のいずれであってもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(1) 請求項1記載の発明によれば、使用時における転写用ボールの回転を滑らかにして、軽快に使用することができる。
特に、ゴム製、軟質合成樹脂製などの弾性素材で成形した転写用ボールを用いた場合には、インクの滲みを有効に防止することができるとともに、本発明の前記回転を滑らかにする効果が、顕著に現われる。
【0062】
(2) 請求項2記載の発明によれば、上記(1)項の効果を、特に良好に発揮させることができる。
【0063】
(3) 請求項3記載の発明によれば、上記(1)項と同様な効果を得ることができる。
【0064】
(4) 請求項4記載の発明によれば、上記(3)項の効果を、特に良好に発揮させることができる。
【0065】
(5) 請求項5記載の発明によれば、上記(1)項または(2)項の効果を良好に奏するためのボールペン用のボール受座を容易に得ることができる。
【0066】
(6) 請求項6記載の発明によれば、同じく、上記(5)項と同様な効果を得ることができる。
【0067】
(7) 請求項7記載の発明によれば、同じく、上記(5)項と同様な効果を得ることができる。
【0068】
(8) 請求項8記載の発明によれば、インクの滲みを有効に防止することができる。
【0069】
(9) 請求項9記載の発明によれば、インクを転写用ボールに良好に供給して、紙面上に転写することができる。
【0070】
(10) 請求項10記載の発明によれば、上記(9)項と同様な効果を得ることができる。
【0071】
(11) 請求項11記載の発明によれば、同じく、上記(9)項と同様な効果を得ることができるとともに、上記(1)項または(2)項の効果を効果的に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボールペンの一実施形態を示す部分断面図である。
【図2】図1における破線円内に相当する部分を拡大し、筆記状態である使用時を示す断面図である。
【図3】図2における破線円内の部分拡大断面図である。
【図4】図1における破線円内に相当する部分を拡大し、不使用時の状態を示す断面図である。
【図5】図1におけるボール受座の平面図である。
【図6】同じく、ボール受座の下方斜視図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す断面図であり、図2に相当する図である。
【図8】同じく、本発明の他の実施形態を示す断面図であり、図2に相当する図である。
【図9】同じく、本発明の他の実施形態を示す断面図であり、図2に相当する図である。
【図10】同じく、本発明の他の実施形態を示す断面図であり、図2に相当する図である。
【図11】従来のボールペンの部分断面図である。
【図12】図11における破線円内に相当する部分を拡大し、筆記状態である使用時を示す断面図である。
【図13】図11における破線円内に相当する部分を拡大し、不使用時の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
(1)ボールペン
(2)チューブ
(3)チップ
(4)チップ嵌着孔
(5)受止段部
(6)導孔
(7)インク収容部
(8)内孔
(9)前端部
(10)内向段部
(11)前端開口
(12)ボール受座
(13)転写用ボール
(13a)後面
(14)ボール抱持部
(15)前端
(15a)周壁端部
(16)凸曲面
(17)インク通路溝
(18)スプリング
(19)後端面
(20)紙面
(21)隙間
(22)内周面
(23)凸曲面
(24)チップ
(25)チップ後端部材
(25a)筒状体
(25b)鍔
(25c)前部
(25d)段部
(25e)縮径部
(25f)前端
(26)チップ先端部材
(26a)内孔
(26b)前端部
(26c)ボール抱持部
(26d)内周面
(26e)凸曲面
(26’e)凸曲面
(27)転写用ボール
(27a)後面
(28)ボール受座
(28a)凸曲面
(28b)インク通路溝
(29)ワッシャー
(30)スプリング
(31)隙間
(32)チップ
(33)チップ後端部材
(33a)縮径部
(33b)前端
(33c)周壁
(33d)インク通路溝
(34)チップ先端部材
(34a)内周面
(34b)インク通路溝
(35)ボール受座
(36)ボール抱持部
(36a)内周面
(37)転写用ボール
(38)ボール抱持部
(39)転写用ボール
(39a)後面
(40)凸曲面
(41)段部
(41a)凸曲面
(41b)インク通路溝
(42)転写用ボール
(42a)後面
(42b)前面周囲
(43)ボール受座
(43a)凸曲面
(43b)後面
(44)チップ後端部材
(44a)前端
(44b)インク通路溝
(45)チップ先端部材
(45a)インク通路溝
(46)ボール抱持部
(47)前端部
(48)凸曲面
(49)隙間
(01)ボールペン
(02)チューブ
(03)チップ
(04)チップ嵌着孔
(05)受止段部
(06)導孔
(07)インク収容部
(08)転写用ボール
(09)ボール抱持部
(010)内向段部
(011)スプリング
(012)押杆
(013)紙面
(014)インク通路溝
(015)内面
(016)隙間

Claims (11)

  1. 前端に転写用ボールを回転自在に抱持させたチップを、インク収容部を設けたチューブの前端に嵌着させてなるボールペンであって、筆記時において、転写用ボールの後面を受けるボール受座の、前記転写用ボールと当接する端部を、凸曲面に形成したことを特徴とするボールペン。
  2. 転写用ボールの後面を受けるボール受座の前記凸曲面の曲率半径を、転写用ボールの直径をMmmとした場合に、(0.08M〜1.00M)mmの範囲内のものとしたことを特徴とする請求項1記載のボールペン。
  3. 前端に転写用ボールを回転自在に抱持させたチップを、インク収容部を設けたチューブの前端に嵌着させてなるボールペンであって、転写用ボールを抱持するボール抱持部の内周面のうち、筆記時において、転写用ボールと当接する部分を、凸曲面に形成したことを特徴とするボールペン。
  4. ボール抱持部の内周面における、転写用ボールと当接する部分の前記凸曲面の曲率半径を、転写用ボールの直径をMmmとした場合に、(0.08M〜1.70M)mmの範囲内のものとしたことを特徴とする請求項3記載のボールペン。
  5. 前記ボール受座を円筒状とし、この円筒状ボール受座の前端の、転写用ボールの後面と当接する周壁端部を、凸曲面に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のボールペン。
  6. 前記ボール受座を断面がほぼ円状の線条からなるリング状とし、前記線条の凸曲面を転写用ボールに当接させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のボールペン。
  7. 前記ボール受座をボール抱持部の後端を縮径させて形成した段部とし、この段部の、転写用ボールの後面と当接する部分を、凸曲面に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のボールペン。
  8. 前記転写用ボールの後面を、前向きに弾性付勢させたボール受座で押圧して、転写用ボールをボール抱持部の内周面の全周に亘って密接させたことを特徴とする請求項1,2,5〜7のいずれかに記載のボールペン。
  9. 前記ボール受座に、インク通路溝を設けたことを特徴とする請求項1,2,5〜8のいずれかに記載のボールペン。
  10. 前記ボール抱持部の内周面に、インク通路溝を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のボールペン。
  11. 前記転写用ボールを、弾性素材で形成したことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のボールペン。
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