JP2000229495A - ボールペンレフィル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】チップ先端縁の使用や落下等による塑性変形の
有無に関わらず、インキの垂れ下がりを防止したボール
ペンレフィルを提供する。 【解決手段】チップ後端孔とボール抱持室を繋ぐインキ
流通孔の径より小径の先端部と前記インキ流通孔径より
大径の弁部を有する弁部材を、該弁部材の後端に弁部材
を常にチップ先端側に押圧するためのコイルスプリング
を配設して、非筆記時にはチップ内壁面に弁部が常に当
接することによりインキ流路を閉鎖し、筆記時には、筆
記荷重によってボールがチップ後端孔側へ移動し、弁部
材の先端部を押圧して、弁部材をチップ後端孔側に移動
することにより、弁部をチップ内壁面から離間してイン
キ流路を開放するように配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペンチップ
内にインキの垂れ下がり防止のための弁機構を具備した
ボールペンレフィルに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ボールペン等の筆記具では、ペ
ン先を下向けにして放置しておくと、ペン先部からイン
キが漏れてしまう、いわゆるインキの垂れ下がりが生じ
る。インキの垂れ下がり防止の手段として、チップ先端
縁の内壁面をボールと同形の球状に形成し、ボールをコ
イルスプリング等により、前記球状に形成した内壁面に
当接してなる、弁機構を有するボールペンレフィルは知
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ボールとチッ
プ内壁面との弁機構では、筆記や落下等によるチップ先
端縁の塑性変形により、経時的にインキの垂れ下がりを
完全に防止するのは難しいといった問題があった。さら
に、前記塑性変形が大きくなるとボールがチップ先端か
ら抜け落ちしてしまう恐れもある。

【０００４】本発明は上記問題を鑑み、チップ先端縁の
筆記や落下等による塑性変形の有無に関わらず、インキ
の垂れ下がりを防止したボールペンレフィルを提供する
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明では、インキ収容管の先端に、チップ先端側の
ボール抱持室にボールの一部がチップ先端より臨出した
状態でチップ先端縁を内側にかしめることにより、ボー
ルを回転自在に抱持したボールペンチップを配設してな
るボールペンレフィルにおいて、チップ後端孔とボール
抱持室を繋ぐインキ流通孔の径より小径の先端部と前記
インキ流通孔径より大径の弁部を有する弁部材を、該弁
部材の後端に弁部材を常にチップ先端側に押圧するため
のコイルスプリングを配設して、非筆記時にはチップ内
壁面に弁部が常に当接することによりインキ流路を閉鎖
し、筆記時には、筆記荷重によってボールがチップ後端
孔側へ移動し、弁部材の先端部を押圧して、弁部材をチ
ップ後端孔側に移動することにより、弁部をチップ内壁
面から離間してインキ流路を開放するように配設してな
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】チップ先端のボール抱持室にボー
ルの一部がチップ先端より臨出した状態でチップ先端縁
を内側にかしめることにより、ボールを回転自在に抱持
するとともに、チップ後端孔側から、先端にインキ流通
孔の径より小径の先端部を有し、その後方にインキ流通
孔径より大径の弁部を有する弁部材を挿入する。さらに
弁部材の後端にコイルスプリングを配設して、弁部材を
常にチップ先端側へ押圧し、弁部をチップ内壁面に当接
させる。

【０００７】弁部をチップ内壁面に当接し、インキ流路
を閉鎖することにより、チップを下向きにしてもインキ
が垂れ下がることはない。また、落下等によるインキの
流動の衝撃は弁部材が受けることになるので、チップ先
端部はチップ内に残った僅かなインキの流動の衝撃しか
受けなくなるためボールが抜け落ちしにくくなる。仮に
ボールが抜け落ちした場合にも、インキ収容管に残るイ
ンキ流出を防止することができる。

【０００８】本発明のコイルスプリングの保持方法は、
チップ内またはチップホルダー等に、段部や突部を設け
て当接保持や圧入保持する等、一般的に知られているコ
イルスプリングの保持方法を用いることができる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
ボールペンチップとして、先ず、ステンレスのチップ本
体１を、ドリル加工によりボール抱持室２と該ボール抱
持室２の底壁３の中央に後端孔に通じるインキ流通孔４
を形成し、前記インキ通路孔４から放射状に延びた放射
状溝５を設けて形成する。

【００１０】次に、ボール抱持室２に、ボール６を挿入
し、前記底壁３に当接させて、ボール６をハンマーリン
グして当接した部分をボール形状としたボール座７を形
成する。次に、チップ先端縁部８を内方にかしめて、ボ
ール６を回転自在に抱持して、ボールペンチップを作製
する。

【００１１】前記作製したボールペンチップは、チップ
後部孔１０とインキ流通孔４を繋ぐ接合部９をテーパー
状に形成してある。また、図示はしていないがボールペ
ンチップの後端にチップホルダーおよびインキ収容管を
配設している。

【００１２】非使用時には、弁部材１１はコイルスプリ
ング１２によりチップ先端方向（図１の矢印Ｄ方向）へ
付勢され、弁部１１ａが接合部９に当接し、インキ流路
（図４の矢印Ｆ）を閉鎖する。筆記時には、筆記荷重に
よりボール６がチップ後端孔１０側へ移動（図２の矢印
Ｅ方向）し、弁部材１１の先端部１１ｂに当接して弁部
材１１をチップ後端孔１０側へ移動させる。この移動に
よって、弁部１１ａが接合部９より離間してインキ流路
（図４の矢印Ｆ）を形成する。

【００１３】本実施例では、便宜上、チップ後部孔１０
とインキ流通孔４を繋ぐ接合部９をテーパー状に形成
し、接合部９に弁部１１ａを当接しているが、弁部１１
ａが当接することによってインキ流路（図４の矢印Ｆ）
が閉鎖し、弁部１１がチップ後端１３側に移動すること
によってインキ流路（図４の矢印Ｆ）が開放すれば接合
部９の形状は特に限定されない。また、チップ内壁面で
あれば接合部９に限らず、後部孔１０の内壁面やインキ
流通孔４の内壁面であってもよい。弁部９の形状も同様
に、Ｒ状、テーパー状や平坦状等、当接した際にインキ
流路を閉鎖することができれば特に限定されるものでは
ない。

【００１４】また、チップ構造として底壁３、インキ流
通孔４、放射状溝５、ボール座７を有した構造となって
いるが、図示はしないが、これらを有さない、ボール６
をスプリング１２で直接にまたは可動子を介してチップ
先端縁部８側に押圧した構造であっても良いし、チップ
本体１をパイプで構成し、ボール６の後端を繊維束等の
棒状体や針体で保持した、あるいはパイプの壁面を半径
方向に凹ませて得られた突起部により保持したチップ構
造であっても良い。

【００１５】

【発明の効果】本発明は前述した構成なので、チップ先
端縁の塑性変形の有無に関わらず、インキの垂れ下がり
を防止したボールペンレフィルを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例を示す一部省略したボールペンレ
フィルの拡大縦断面図である。

【図２】図１における使用時の拡大縦断面図である。

【図３】図１における弁部材の一部省略した拡大縦断面
図である。

【図４】図２における弁部材の一部省略した拡大縦断面
図である。

【符号の説明】

１ チップ ２ ボール抱持室 ８ チップ先端縁 ９ 接合部 １０ 後部孔 １１ 弁部材 １１ａ 弁部 １１ｂ 先端部 １２ コイルスプリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インキ収容管の先端に、チップ先端側のボ
   ール抱持室にボールの一部がチップ先端より臨出した状
   態でチップ先端縁を内側にかしめることにより、ボール
   を回転自在に抱持したボールペンチップを配設してなる
   ボールペンレフィルにおいて、チップ後端孔とボール抱
   持室を繋ぐインキ流通孔の径より小径の先端部と前記イ
   ンキ流通孔径より大径の弁部を有する弁部材を、該弁部
   材の後端に弁部材を常にチップ先端側に押圧するための
   コイルスプリングを配設して、非筆記時にはチップ内壁
   面に弁部が常に当接することによりインキ流路を閉鎖
   し、筆記時には、筆記荷重によってボールがチップ後端
   孔側へ移動し、弁部材の先端部を押圧して、弁部材をチ
   ップ後端孔側に移動することにより、弁部をチップ内壁
   面から離間してインキ流路を開放するように配設したこ
   とを特徴とするボールペンレフィル。