JP2004042340A - 書籍・雑誌への非接触icタグの取り付け方法と非接触icタグ付き書籍・雑誌 - Google Patents
書籍・雑誌への非接触icタグの取り付け方法と非接触icタグ付き書籍・雑誌 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法は書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、背側を切り込みされた折丁を指定順序に従って丁合し接着剤を用いて背固めする際に、または指定順序に従って丁合した折丁の背部を糸かがりした後に接着剤23を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターン2,2になるように塗工し、当該所定間隔部に非接触ICタグラベル3を貼着した後に、表紙を取り付けることを特徴とする。
非接触ICタグラベル3は、あらかじめ表紙側に貼着しておいてから、折丁と貼り合わせしてもよい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法および非接触ICタグ付き書籍・雑誌に関する。
従って、本発明の利用分野は、書籍・雑誌の製本や出版の分野に関する。
【0002】
【従来技術】
実用新案登録第2566181号には、所定周波数の電磁波に共振して電磁波を発信すると共に動作の停止が可能な回路を有するタグが書籍の表紙内部に又は背部内側の外側から見えない位置に書籍本体と一体に設けられてなる盗難防止機能付き書籍が開示されている。
【0003】
また近年、バーコードに代えて非接触で情報の読み出し及び書き込みの可能な非接触ICタグを商品に付けて市場で必要な様々な情報の管理を可能にすることが提案されており書籍に非接触ICタグを取り付けて、万引き防止機能を付与するのみならず、書籍・雑誌の流通過程において必要な様々な情報の管理を可能にすることも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、非接触ICタグ(RFIDタグ、無線タグ、ICタグ、非接触IC等と表現することもあるが本明細書では総称して、「非接触ICタグ」とする。)の場合はアンテナが必要であり、これをどのようにして書籍・雑誌の本文頁、表紙等に効率的に取り付けるかに関しては提案されていない。手加工により非接触ICタグを表紙あるいは見返し、折丁等に貼り付ける方法があるが、多くの人手間と作業時間を要する問題がある。
あるいは非接触ICタグを本文頁、表紙等に取り付けるための専用製造ラインを作り、その専用製造ラインを用いて非接触ICタグを取り付けることが考えられるが、そのような専用製造ラインを作るのに費用がかかり実用的ではない。
また、非接触ICタグ用アンテナパターンは大きい方が非接触通信距離を大きくできるが、書物の目に見える部分にアンテナを設けるのは書籍等の体裁を悪くする問題がある。
【0005】
そこで、本発明では製本等の既存の設備を極力使用して、非接触ICタグを書籍・雑誌の目立たない位置に人手を介することなく装着することを研究して、本発明の完成に至ったものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第1は、書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、背側を切り込みされた折丁を指定順序に従って丁合し接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、当該所定間隔部に非接触ICタグラベルを貼着した後に、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法、にある。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第2は、書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、指定順序に従って丁合した折丁の背部を糸かがりした後に接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、当該所定間隔部に非接触ICタグラベルを貼着した後に、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法、にある。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第3は、書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、背側を切り込みされた折丁を指定順序に従って丁合し接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、次に、あらかじめ表紙裏面に貼着した非接触ICタグラベルが当該所定間隔部に位置するように、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法、にある。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第4は、書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、指定順序に従って丁合した折丁の背部を糸かがりした後に接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、次に、あらかじめ表紙裏面に貼着した非接触ICタグラベルが当該所定間隔部に位置するように、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法、にある。
【0010】
上記課題を解決するための本発明の要旨の第5は、背部の表紙内側に非接触ICタグを備える書籍・雑誌において、当該非接触ICタグが、折丁背部に導電性接着剤による2つのアンテナパターンと当該2つのアンテナパターン部分に貼着された非接触ICタグラベルを備えることを特徴とする非接触ICタグ付き書籍・雑誌、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の非接触ICタグ付き書籍・雑誌を製造する工程例、図2は、他の工程例、図3は、アンテナパターンに非接触ICタグラベルを貼着した状態を示す図である。図4は、非接触ICタグラベルとアンテナパターンの関係を示す断面図である。
【0012】
図1は、平綴じ、無線綴じ、網代綴じ等による製本工程である。
まず、複数の折丁を指定順序に丁合した丁合本5を準備する。各丁合本5の背部(図1(A)の糊塗布ローラ7側)には折りの段階で、あらかじめスリットまたはスロット形状の切れ目(カット)が入れられている。あるいは折丁の背部を鋸歯状に削るものでもよい。前者は網代綴じする場合、後者は無線綴じする場合に多く用いられる。
【0013】
この丁合本5を図示しないクランプで保持してから、背均しの済んだ丁合本の背に接着剤23を塗工して仮固めする(図1(A))。針金で平綴じする場合はステッチを打った後に接着剤塗布、表紙くるみを行う。
本発明の特徴は、この接着剤23に導電性の接着剤、好ましくは導電性のホットメルト型接着剤を使用することと、接着剤を2つのアンテナパターン2,2になるように所定間隔を置いたパターンに塗工することにある。
【0014】
アンテナパターン2,2は、図3のように丁合本5の背部5bに所定間隔Wを置くように塗工する。所定間隔部8は非接触ICタグラベル3を貼着する部分であり、2つのアンテナパターン2,2が接触しないようにする。一般的には5mmであるが、2mm以上の間隔が開いていれば貼着可能である。また、最大15mm程度以内の間隔とするのが好ましい。
15mm程度までとするのは実用的なICタグラベル3の大きさは16mm×16mm程度であり、間隔を広くする必要もないからである。
【0015】
2つのパターンにするためには、図1(A)のように2本の塗布ローラ7を回転して塗工した部分が所定間隔が開くように調整してもよいし、一定の塗工間隔ができるように切り欠きを設けた1本のどぶ付きローラを用いても良い。
アンテナは静電結合型パターンであれば、どのようなパターンであっても構わないが、接着効果も本来的に必要であり間隔部以外はできるだけ広い塗工面積が得られるようにする。2つのアンテナパターンのうち、一方は受信用、他方はアースの機能を行うので、通信機能を大きくするためには受信用側のパターンを大きくするように調整してもよい。
【0016】
導電性接着剤は後に表紙を取り付けるためには導電性ホットメルト型接着剤であることが好ましい。接着剤塗工後には、丁合本5の背部にはアンテナパターン2,2が形成されている(図1(B))。
このアンテナパターン2,2の所定間隔部に非接触ICタグラベル3を貼着する(図1(C))。次に丁合本5は表紙4の取り付け工程に送られる。
表紙4は、搬送ベルト上に送られてくる(図1(D))。ホットメルト接着剤が冷却固化しない状態で、非接触ICタグラベル3を貼着した丁合本5が載置され、クランパー11で固定される(図1(E))。
表紙4を取り付けた後、表紙は折り返しされる(図1(F))。その後、三方裁断等の工程を行って非接触ICタグ付き書籍・雑誌が完成する。
【0017】
図2は、上製本等の工程例である。
この場合は、指定順序に従って丁合した折丁1の背部を糸かがりした後(図2(A))、丁合本5の背部5bを圧搾して均し(図2(B))、背部に接着剤23を塗工し仮固めする(図2(C))。導電性の接着剤を用いて、2つのアンテナパターンになるように塗工するのは図1の場合と同様である。接着剤がホットメルト型の場合は接着剤の容器(パン)を加熱して行う必要がある。
仮固めの済んだ本の中身6を規定の寸法で仕上げ裁ちし(図2(D))、次いで丸み出しバッキング機を用いて本の中身6の背に丸みをつける(図2(E))。
【0018】
次に、本の中身6の背部であってアンテナパターン2,2間の所定間隔部8に非接触ICタグラベル3を貼着する(図2(F))。その後、膠および水溶性接着剤を用いて表紙4を被せる(図2(G))。
上製本の場合は、仮固めの済んだ本の中身6に対して仕上げ裁ち、次いで丸み出しおよびバッキング処理等を施してから背に膠を塗布し、最初に寒冷紗を貼った後、再度膠を塗布し背紙などを貼って接着させても良い。
これにより、非接触ICタグ付き書籍が完成する。
【0019】
以上の説明では、丁合本または本の中身に非接触ICタグラベル3を貼着してから表紙4を取り付ける工程を説明しているが、図1、図2の工程の場合も、表紙4に非接触ICタグラベル3を貼着してから、アンテナパターン2,2に位置合わせして表紙を取り付けるようにしてもよい。
通常、製本工程における表紙貼りと本の中身との位置精度は、±1mm程度は維持されており、タグラベルの貼着位置にもかなりの許容が認められるので、表紙に対してあらかじめラベルを貼着する精度に誤差が生じない限り、位置不良により通信機能が損なわれることは少ない。
【0020】
図4は、非接触ICタグラベルとアンテナパターンの関係を示す断面図である。非接触ICタグラベル3にも小型のアンテナパターン32,32があって、折丁背部5bに塗工されたアンテナパターン2,2間と電気的に導通するように導電性接着剤9等で貼着するのが好ましい。通常は、非接触ICタグラベル3自体がタック加工されている。なお、ICチップ31のパッド(不図示)もアンテナパターン32,32に導通するようにされている。
このようなICチップを搭載したラベルとしては、例えばモトローラ社が開発した「Bistatix」(登録商標)のインターポーザ等を使用することができる。
【0021】
アンテナパターンに非接触ICタグラベルを貼着する場合、通常、図4図示のような状態にするが、アンテナパターン2,2とICチップ31が、図4のように直接的に導通していなくても非接触通信機能を確保できる。
例えば、アンテナパターン2とアンテナパターン32間に、数100μm以内の厚みのフィルム等があっても、オーミックコンタクトすることにより、非接触通信することが知られている。したがって、図4におていICタグラベル3が逆向き(ICチップが上向き)に貼着されていても非接触通信は可能である。
【0022】
導電性接着剤には、接着剤樹脂組成中に金属粒子や導電性カーボンを分散した材料を使用することができる。接着剤がホットメルト型の導電性接着剤である場合は、熱溶融型なので表紙の貼り付け等の工程では便利に使用できる。
ホットメルト型の導電性接着剤は、プリント配線技術の分野でも修正箇所のリペア作業を容易にする目的で、従前から使用されている。
ホットメルト型導電性接着剤に使用する熱可塑性樹脂としては、ポリアミドやポリオレフィン系樹脂、またはこれらを混合した樹脂を挙げることができる。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の実施例を図1、図3を参照して説明する。
コート紙70g/m2 にオフセット輪転で印刷し、A6版384ページ(折丁12冊)を無線綴じした。丁合本は24mm程度の厚みになったが、この背部をホットメルト型導電性接着剤を、二つの分離したアンテナパターン2,2になるように、幅10mmのドブ付きローラで塗工すると共に折丁間を接着した。
このアンテナパターン2,2間の幅10mmの間隔部に、大きさが16mm×16mmの非接触ICタグラベル(モトローラ社「Bistatix」)3を貼着した。なお、非接触ICタグラベル3のアンテナパターン32がアンテナパターン2に接するようにした。
【0024】
表紙および裏表紙に、トップコート紙(128g/m2 )を使用してオフセット輪転印刷し、ホットメルト型接着剤を使用し丁合本5の前記ICタグラベル3の貼着部を覆うようにして取り付けした。最後に三方仕上げ裁ちして雑誌を完成した。
この非接触ICタグに対して、リーダライタ(モトローラ社「WAVE」)で書き込み、読み取り試験を行ったところ支障なく交信することが確認できた。
【0025】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように本発明によれば以下の効果が得られる。
本発明の書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法によれば、通常の製本の工程における接着材料を特定のものに換えるだけで、書籍・雑誌への非接触ICタグの装着が可能であり、人手と工数を節減できる利点が生じる。
本発明の非接触ICタグ付き書籍・雑誌では、非接触ICタグが人目につかない位置に装着されているため、書籍のデザインに影響を与えたり、特別な管理がされていることを購買者に意識させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触ICタグ付き書籍・雑誌を製造する工程例を示す図である。
【図2】他の工程例を示す図である。
【図3】アンテナパターンに非接触ICタグラベルを貼着した状態を示す図である。
【図4】非接触ICタグラベルとアンテナパターンの関係を示す断面図である。
【符号の説明】
1 折丁
2 アンテナパターン
3 非接触ICタグラベル
4 表紙
5 丁合本
6 本の中身
7 塗布ローラ
8 所定間隔部
9 導電性接着剤
11 クランパー
23 接着剤
31 ICチップ
32 アンテナパターン
Claims (9)
- 書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、背側を切り込みされた折丁を指定順序に従って丁合し接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、当該所定間隔部に非接触ICタグラベルを貼着した後に、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法。
- 書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、指定順序に従って丁合した折丁の背部を糸かがりした後に接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、当該所定間隔部に非接触ICタグラベルを貼着した後に、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法。
- 書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、背側を切り込みされた折丁を指定順序に従って丁合し接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、次に、あらかじめ表紙裏面に貼着した非接触ICタグラベルが当該所定間隔部に位置するように、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法。
- 書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法であって、指定順序に従って丁合した折丁の背部を糸かがりした後に接着剤を用いて背固めする際に、接着剤として導電性接着剤を用い、かつ互いに接触しないように所定間隔を置いた2つのアンテナパターンになるように塗工し、次に、あらかじめ表紙裏面に貼着した非接触ICタグラベルが当該所定間隔部に位置するように、表紙を取り付けることを特徴とする書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法。
- 所定間隔を、2〜15mmの範囲とすることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法。
- 導電性接着剤がホットメルト型の導電性接着剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の書籍・雑誌への非接触ICタグの取り付け方法。
- 背部の表紙内側に非接触ICタグを備える書籍・雑誌において、当該非接触ICタグが、折丁背部に導電性接着剤による2つのアンテナパターンと当該2つのアンテナパターン部分に貼着された非接触ICタグラベルを備えることを特徴とする非接触ICタグ付き書籍・雑誌。
- 2つのアンテナパターン間に、2〜15mmの間隔を有するように導電性接着剤が塗工されていることを特徴とする請求項7記載の非接触ICタグ付き書籍・雑誌。
- 導電性接着剤がホットメルト型の導電性接着剤であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の非接触ICタグ付き書籍・雑誌。
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