JP2004039583A - 投射形陰極線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクションテレビジョンまたはプロジェクター等に使用される単電子ビーム方式投射形陰極線管の偏向歪みによる電子ビームの軌道を修正し、画面上における電子ビームの形状をほぼ丸形状に補正し、スクリーン上における表示画像のフォーカス性能を向上させる。
【解決手段】偏向ヨーク7が組み込まれたコイル支持部20の水平偏向コイル71の開口部側上下部に着磁方向が管軸方向(Z軸)と交差する長さ方向(X軸)で互いに異なる一対のマグネット23、24を配設する。一対のマグネット23、24は、コイル支持体20内の水平偏向コイル71の開口側上下部に埋設されて保持固定される。
【選択図】 図2
【解決手段】偏向ヨーク7が組み込まれたコイル支持部20の水平偏向コイル71の開口部側上下部に着磁方向が管軸方向(Z軸)と交差する長さ方向(X軸)で互いに異なる一対のマグネット23、24を配設する。一対のマグネット23、24は、コイル支持体20内の水平偏向コイル71の開口側上下部に埋設されて保持固定される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陰極線管装置に係り、プロジェクションテレビジョン、ビデオプロジェクター等の投写形画像表示装置に適用される投射形陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、投写形画像表示装置には、赤、緑および青の各々に発色する3つの投射形陰極線管装置が搭載されており、各投射形陰極線管の画像は各パネル部の前面側に配設される各投写レンズによって拡大され、スクリーン上に投写されて合成される構造となっている。投射形陰極線管装置には、蛍光面側から電子銃方向に向かって偏向ヨーク、コンバーゼンスヨークおよびアライメントマグネット等が順次装着されて配置されており、電子銃から放射された電子ビームは偏向ヨークで発生する偏向磁界により偏向作用を受け、蛍光面上に到達する。
【0003】
投写形画像表示装置においては、前述した3つの投射形陰極線管から投射された映像をスクリーン上で一致させるためにコンバーゼンスヨークで発生する磁界によりラスターの歪や3色ラスターの不一致(色ずれまたはミスコンバーゼンスと称する)の補正を行い、色ずれの無い画像を得ている。なお、この種の投射形陰極線管装置については、例えば特開平8−287845号公報などに開示されたものを挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、偏向回路に供給する偏向電力を低減させつつ、表示画像のフォーカス性能を向上させるとともに、色ずれ補正効率を向上させるために偏向ヨークが装着される部分のネック部外径を、電子銃が収納される部分のネック部外径より径寸法を小さく構成した異径ネック方式の投射形陰極線管が開発されつつある。前述した色ずれ補正を行うためのコンバーゼンスヨークを、この異径ネック方式投射形陰極線管の相対的に外径寸法の小さいネック部(ネック径小部)に装着すると、コンバーゼンスヨーク自体の内径を縮小できるので、投写形画像表示装置のスクリーン上における色ずれ補正感度が向上する。
【0005】
また、前述したフォーカス特性の改善を行うために電子銃は、主レンズを大口径とするほどその効果が得られ、相対的に外径寸法の大きいネック部(ネック径大部)に装着すると、そのレンズ口径を大きくすることができるので、投写形画像表示装置のスクリーン上における画質が向上する。さらに、偏向ヨークは、電子銃に近接して装着するほど偏向効率が良く、換言すれば、ネック部外径寸法を小さくするほど偏向電力が低減できる。具体的には、ネック径小部に偏向ヨークを設置した場合とネック径大部に偏向ヨークを設置した場合とでは偏向電力で約25%程度の差があり、同一偏向回路で動作させることができない。このように構成される異径ネック方式投射形陰極線管を採用することによっては、ネック径小部に偏向ヨークを設置し、ネック径大部に電子銃を挿入した投射形陰極線管装置は偏向回路を変更することなしでネック径大部のみの構造で構成した投射形陰極線管装置に比較してほぼ同等の画質が得られることになる。
【0006】
以上説明したような状況下で、異径ネック方式投射形陰極線管装置においては、コンバーゼンスヨークのネック径大部への装着及び偏向ヨークのネック径小部への装着を余儀なくされ、色ずれ補正感度の向上が課題とされていた。
【0007】
しかしながら、このように構成された異形ネック方式投射形陰極線管装置においては、ネック径大部内に配設されている電子銃から放射される大口径レンズの電子ビームがネック径小部の偏向磁界軌道内を通過するため、偏向ヨークの偏向磁界の影響を強く受け、相対的に画面周辺部では、電子ビームの形状が歪むという偏向歪みを発生させていた。
【0008】
本発明は、前述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示画像のフォーカス性能を向上させるとともに、色ずれ補正効率を向上させ、かつ偏向歪みによる電子ビームの軌道を修正し、画面周辺部における画質を向上させた異径ネック方式の投射形陰極線管装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による投射形陰極線管装置は、偏向ヨークの開口部の上下に着磁方向が長さ方向で互いに異なる一対のマグネットを管軸方向に対して交差させて配設することにより、偏向磁界内に突入する電子ビームの軌道を修正し、縦長方向に歪んだ電子ビームをほぼ丸形状に近い電子ビーム形状に補正することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による他の投射形陰極線管装置は、偏向ヨークの開口部上下に配設した一対のマグネットに加えてこの一対のマグネット相互間に着磁方向が長さ方向で互いに異なる少なくとも一対のマグネットを管軸方向と同方向に向けて配設することにより、偏向磁界内に突入する電子ビームの軌道を修正し、縦長方向に歪んだ電子ビームをほぼ丸形に近い形状に補正し、放射状方向に歪んだ電子ビームをほぼ丸形に近い形状に補正することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明による投射形陰極線管装置の一実施例を説明する部分断面図である。図1において、この投射形陰極線管は、投写形テレビ(プロジェクションTV)等に用いられ、パネル1とネック3の一端をファンネル2で接続され、ネック3の他端がステム5で封止した真空外囲器で構成されている。ステム5には、電子銃6の各電極に電圧を供給するための複数本ピン51が植設されている。ベース4は、このステム5およびピン51を保護するものである。
【0012】
また、投射形陰極線管は、ほぼ矩形状のパネル1の内面に単色のほぼ矩形状の蛍光面が形成され、電子銃6から1本の電子ビームが発射される。そして、この電子ビームが偏向ヨーク7により水平及び垂直方向に偏向作用を受け、蛍光面上で走査することによって、画面が発光する。
【0013】
パネル1は、外面がほぼ平坦な形状を有し、内面が電子銃6側に凸形状となるように形成されており、これによって凸レンズを形成している。本実施の形態では、パネル1の内面が球面状であり、その曲率半径Rは約350mm程度である。また、収差を低減させるためにパネル1の内面を非球面状に形成することもある。また、パネル1の中央のガラス肉厚Toは約14.1mm程度である。パネル1の対角方向外形寸法は約7インチ程度であり、蛍光面の形成される有効画面の対角方向の寸法は約5.5インチ程度である。また、投射形陰極線管の全長L1は約276mm程度である。
【0014】
ネック3は、ファンネル2側に接続されるネック径小部31と、ステム5に封止されるネック径大部32と、ネック径小部31とネック径大部32を繋ぐネック接続部33とを有している。ネック径小部31とファンネル2の遷移領域外周に偏向ヨーク7が設置される。ネック径小部31の外径は約29.1mm程度である。また、ネック径大部32の内部には電子銃6が収納されている。このネック径大部32の外径は、約36.5mm程度であり、ネック径小部31よりも約7mm程度大きな寸法を有して形成されている。このように外径寸法の異なるネックを有するタイプの投射形陰極線管を「異径ネック方式の陰極線管」と称する。ここで、ネック外径約29.1mmあるいはネック外径約36.5mmと称するのは、ネックの製造上の寸法誤差も考慮した実質的な数字を意味している。
【0015】
このように、電子ビームを偏向する偏向ヨーク7の水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル72は、外径寸法の小さいネック径小部31に設置される。これによって、偏向電力を抑えることができる。この場合、この偏向電力は、ネック外径寸法が約36.5mmの場合に比して約25%程度の節減になる。また、電子ビームを集束する電子銃6の主レンズ形成電極は外径の大きいネック径大部32に収納されるので、電子レンズの径寸法を大きくすることができる。
【0016】
また、電子銃6の第1グリッド電極(制御電極)61は、カップ状に形成されており、電子ビームを放出するカソードは、第1グリッド電極61内に収納されている。また、第2グリッド電極(加速電極)62は、第1グリッド電極61とともにプリフォーカスレンズを形成する。また、第3グリッド電極(第1陽極)63には、最終電極となる第5グリッド電極(第2陽極)65とほぼ同等の陽極電圧約30kVが印加される。一般には、投射形陰極線管の陽極電圧は約25kV以上である。
【0017】
ネック外径をビーム偏向領域とビーム集束領域とで異ならせると、機械的な制約から電子銃が蛍光面から遠ざかる。電子銃が蛍光面から遠ざかると、電子ビームのフォーカス特性が劣化する。しかし、投射形陰極線管では陽極電圧を上げることによって、フォーカス劣化の問題に容易に対処できる。投射形陰極線管では、最高陽極電圧を約30kV以上で動作することも可能である。
【0018】
また、第4グリッド電極(フォーカス電極)64は、第4グリッド電極第1部材(フォーカス電極第1部材)641と、第4グリッド電極第2部材(フォーカス電極第2部材)642とに分割されて形成されており、いずれの電極部材にも約8kV程度のフォーカス電圧が印加される。このフォーカス電極第2部材642の蛍光面側は径寸法が大きくなっており、第2陽極65の内部に入り込んで大口径最終段主レンズを形成している。この主レンズは、ネック外径が大きいほどフォーカス特性改善に効果的であり、そのレンズ口径を大きくすることができる。この最終段主レンズの中心位置は、前記フォーカス電極第2部材642の蛍光面側先端部MLで定義され、最終段主レンズ位置MLからパネル1の内面中央までの管軸方向距離L2は約139.7mm程度である。
【0019】
また、投射形陰極線管は、高輝度を必要とするため、ビーム電流(カソード電流)は約4mA以上となる。このような大電流であっても、高いフォーカス性能を維持するために主レンズ口径を大きくできることは極めて重要である。PRTは蛍光面の電圧が高いため、特に大電流時の空間電荷の反発によるビームの広がりが比較的小さくなり、大電流時における蛍光面上の電子ビームスポットの大きさは、電子銃の球面収差によるビームの広がりによってほぼ決定される。すなわち、PRTにおいては、ネック径を異ならせて電子銃が蛍光面から遠ざかる影響よりも、電子銃のレンズ口径を大きくする影響のほうが大きい。
【0020】
また、シールドカップ66は、第2陽極65と一体になって主レンズを形成している。シールドカップ66の蛍光面側の径は徐々に小さくなっている。電子銃6の先端付近でネック接続部33の外径が小さくなるのに対応して、当該電子銃6の先端付近の径も小さくし、電子銃6が蛍光面から大きく離れることを防止している。
【0021】
単電子ビーム方式である投射形陰極線管は、インライン配列された3電子ビーム方式であるシャドウマスク形カラー陰極線管と異なって両サイド電子ビームとネック内壁との衝突を考慮しなくても良い。本発明に係わる異径ネック方式の投射形陰極線管では、相反する関係にある偏向電力の低減及び主レンズ径の拡大の両者を満足させるために前述したように可能な限りネック径大部32とネック径小部31とのネック径差を大きくしており、約5mm以上の差をつけると効果的である。
【0022】
一方、ネック径大部32とネック径小部31とを繋いでいるネック接続部33は、管軸方向に沿ってネック径が徐々に変化する領域であるためにネック径大部32とネック径小部31のネック径差が大きくなると、ネック接続部33の管軸方向長さも拡大される。前述したようにネック径大部32の外径寸法が約36.5mm,ネック径小部31の外径寸法が約29.1mmの場合、ネック接続部33の管軸方向長さは約8mm程度となる。そして、このネック接続部33は余剰スペースとなっている。
【0023】
また、投射形陰極線管には、偏向ヨーク7よりベース4側にコンバーゼンスヨーク8、速度変調コイル9及びセンタリングマグネット10、11が実装されている。偏向ヨーク7は、電子ビームを水平方向に走査させる水平偏向コイル71,電子ビームを垂直方向に走査させる垂直偏向コイル72及び水平偏向コイル71と垂直偏向コイル72とを別々の位置に保持するコイルセパレータ73を有している。偏向ヨーク7のベース4側(偏向中心付近)は、外径寸法の小さいネック径小部31に装着されている。
【0024】
なお、偏向ヨーク7は、ここでは詳細に図示されないが、具体的には、水平偏向コイル71がコイル支持部内に組み込まれ、コイルセパレータ73を介して垂直偏向コイル72が組み込まれ、さらにこの垂直偏向コイル72の外面側が磁性体からなるコアにより被覆されて保持固定され、ネック径小部31に装着される構造となっている。
【0025】
また、コンバーゼンスヨーク8はコンバーゼンス磁界を発生させるトロイダルコイルを有し、外径が大きいネック径大部32からネック接続部33に跨るように配置され、偏向ヨーク7のコイルセパレータ73のベース4側端部に設けられたコンバーゼンスヨークホルダー81に装着されている。コンバーゼンスヨーク8をネック径大部32に装着したのは、ネック径小部31のベース4側への延長によって電子銃最終段主レンズ位置MLから蛍光面中央までの距離L2とPRTの全長L1が大きくなり過ぎるのを防止するためである。
【0026】
さらに、コンバーゼンスヨーク8は、その内面がほぼ円筒面状に形成され、管軸方向全体に沿ってネック径大部32に対応した大きい内径を有している。これは、コンバーゼンスヨーク8をベース4側から装着するためである。コンバーゼンスヨーク8のネック接続部33における内径がネック径大部32と同じであるにもかかわらず、前述した余剰スペースとなっているネック接続部33を利用してコンバーゼンスヨーク8のコイル全長を延ばしているので、コンバーゼンスヨーク8をネック径小部31に装着しなくても色ずれ補正感度が向上する。
【0027】
なお、色ずれ補正感度を向上させるためにコンバーゼンスヨーク8の全長をベース4側に延長することも考えられる。しかし、コンバーゼンスヨーク8よりベース4側に速度変調コイル9及びセンタリングマグネット10、11等のネック部品がネック部品ホルダー13を介してクランプ12で固定されているので、コンバーゼンスヨーク8がこれらのネック部品と干渉を起こさないように配慮する必要がある。また、コンバーゼンスヨーク8のコイルの管軸方向中央位置CYが電子銃の最終段主レンズ位置MLからベース4側にずれて、電子ビームの集束作用に影響を及ぼす可能性がある。したがって、前記コンバーゼンスヨーク8の管軸方向コイル中心位置CYは、最終段主レンズ位置MLより蛍光面側に配置されるのが好ましい。
【0028】
速度変調コイル9は画像のコントラストを向上させるために使用される。この速度変調コイル9は、外径が約36.5mmのネック径大部32に設置されるため、色ずれ補正感度が問題となる。速度変調コイル9の感度を向上させるためにフォーカス電極64がフォーカス電極第1部材641とフォーカス電極第2部材642とに分割され、第1部材641と、第2部材642との間にギャップを形成して速度変調コイル9の磁界を電子ビームに作用し易くしている。
【0029】
図2は本発明による投射形陰極線管装置の一実施例における偏向ヨークの構成図である。図2(a)は蛍光面側から見た平面図、図2(b)はその側面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図2において、偏向ヨーク7は、絶縁性機能及び支持機能を有する合成樹脂材によりほぼラッパ状に成形されたコイル支持体20内に水平偏向コイル71が組み込まれて保持固定されており、さらに図示されないが一体成形されたコイルセパレータ73を介して垂直偏向コイル72が組み込まれている。この垂直偏向コイル72の外面側には磁性体よりなるコア21により被覆されて図1に示すネック径小部31に装着されてバンド22より締め付け固定される構造となっている。
【0030】
また、偏向ヨーク7が組み込まれたコイル支持部20の水平偏向コイル71の開口部側上下部には、着磁方向が管軸方向(Z軸)と交差する長さ方向(X軸)で互いに異なる一対のマグネット23,24が配設されている。この一対のマグネット23,24の取り付け位置は、コイル支持体20内の水平偏向コイル71の開口側上下部に埋設されて保持固定される構造となっている。
【0031】
異形ネック方式の投射形陰極線管は、ネック3の径が大きいことから、偏向ヨーク7を先に組み立ててしまうと、ネック3側から挿入することができない。このために偏向ヨーク7は組立てて調整後に取り付けるものではなく、投射形陰極線管へ直接組み込みながら、調整することが必要である。
【0032】
ここで、組み立てにおいて、水平偏向コイル71はコイル支持体20の内側に組み込まれ、図示しないコイルセパレータ73により押さえられるので、比較的に組み込み時に発生し易い取り付け位置の変動などによるバラツキは少ない。
【0033】
しかしながら、垂直偏向コイル72は、水平偏向コイル71との絶縁性を保持させるためにコイルセパレータ73の外面側に取り付けられる。このために垂直偏向コイル71の外形寸法が大き過ぎると、コア21を組み込むことが不可能となる。
【0034】
このコア21を組み込み易くするためには、対になっている垂直偏向コイル72が適度な力で組み合うような一種の弾性構造を持たせる必要があり、この弾性の寸法を吸収するためには一対の垂直偏向コイル72相互間の合わせ目間隔寸法を広げる必要がある。
【0035】
図3は図2で説明した垂直偏向コイル72の構成図であり、図3(a)は上面から見た平面図、図3(b)蛍光面側から見た平面図である。図3において、対になっている垂直偏向コイル72相互間の間隔Dを0.8mm以下に設定している。
【0036】
図4は図3に示す一対の垂直偏向コイル72相互間の間隔Dにより磁界分布が変化する様子を示した磁界の模式図である。図4において、一対の垂直偏向コイル72は、通常は湾曲したバレル(樽形)と称するバレル磁界BAを形成している。前述したように垂直偏向コイル72の外形寸法がコイルセパレータ73の外径寸法よりも小さい場合には、一対の垂直偏向コイル72相互間の合わせ目間隔を広くする必要性から、図4(b)に示すように合わせ目間隔Dが大きくなり、隙間が生じる。
【0037】
また、この一対の垂直偏向コイル72相互間が接近(間隔Dが小さい)している場合、磁界はバレル状に湾曲している。間隔Dが大きい場合、バレル状に湾曲した磁界が歪む。
【0038】
垂直偏向磁界は、電子ビームを上下方向に延ばす作用をもっている。
【0039】
図4(a)は間隔Dが小さい垂直偏向コイルの断面図である。図4(b)は図4(a)の垂直偏向コイルによって形成される磁界BA1と電子ビームの通過位置との関係を示す図である。画面コーナ部に偏向される電子ビームが通過する領域の磁界は湾曲度が強い。そのため、画面コーナ部に偏向される電子ビームB1は画面のY軸上に偏向される電子ビームより垂直方向に受ける力が弱い。
【0040】
図4(c)は間隔Dが大きい垂直偏向コイルの断面図である。図4(d)は図4(c)の垂直偏向コイルによって形成される磁界BA2と電子ビームの通過位置との関係を示す図である。間隔Dが大きいと、その隙間に偏向磁界が入りこみ、偏向磁界が歪む。間隔Dが大きいY軸近傍において、磁界BA2は湾曲度が大きく、Y軸から離れた位置では湾曲度が小さい。
【0041】
Y軸近傍では湾曲した磁界BA2の湾曲度が強い。そのため、画面上下部では垂直方向に偏向する力が弱い。一方、Y軸から離れた位置ではバレル状に湾曲した磁界BA2の湾曲度が弱い。そのため、画面コーナ部に偏向される電子ビームB2は図4(b)の電子ビームB1より偏向磁界からの垂直方向に受ける力が強い。結果として、電子ビームB2は画面上で歪んだ電子ビームスポット形状となる。
【0042】
図5(a)は画面上の電子ビームスポット形状を示す図であり、左右の垂直偏向コイル72を接触させた状態で、すなわち図4(a)の状態で、電子ビームのスポット形状が画面(蛍光面)G各部位で円形となるように磁界分布を調節してある。ここで、電子銃と画面Gとの幾何学的な寸法差による多少の形状変形は避けられないが、このように画面Gのほぼ全域にわたって電子ビームスポット形状が丸形となることが望ましい。
【0043】
しかしながら、偏向ヨークを組み立てる際に、間隔Dが大きくなることがある。図5(b)は図4(b)の垂直偏向コイルを用いた場合の電子ビームスポット形状である。電子ビームB2は垂直方向に強く力をうけるため、画面G上での電子ビームスポット形状が歪む。現実的には、電子ビームは水平偏向成分も受けるため、画面G上での電子ビームスポット形状は放射方向に延びた形状になる。
【0044】
垂直偏向コイルの間隔Dを変化させることで画面G上の電子ビームのスポット形状を変化させることができる。しかしながら、画面コーナ部と画面上下部の電子ビームスポット形状はトレードオフの関係にある。すなわち、垂直偏向コイルの間隔Dを広くすると、画面コーナ部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を強く受け、このとき画面上下部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を弱く受ける。
【0045】
一方、垂直偏向コイルの間隔Dを狭くすると、画面コーナ部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を弱く受け、このとき画面上下部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を強く受ける。
【0046】
このように画面G上の上下部およびコーナ部と垂直偏向コイル72の合わせ目間隔Dとの関係は相反する関係にある。これを改善するためには、画面Gの上下部は、一対のマグネット23,24を用いて偏向ヨーク7内に突入する電子ビームの軌道を修正し、画面上における電子ビームの形状を補正する。
【0047】
図6は図2で説明した偏向ヨーク7の開口部の上下に着磁方向が互いに異なる一対のマグネット23,24を配設した構成による画面G上での電子ビーム軌道の補正状態を説明する模式図である。図6において、電流の方向Iとし、一対のマグネット23,24による磁界方向をHとしたとき、補正が加わる方向Fはフレミングの法則により白抜きの矢印で示すようなX軸方向に向かって作用する。
【0048】
この補正方向Fによって画面Gの上下ポイントで発生していた楕円状電子ビームBが図7に示すようにほぼ丸形状の電子ビームB形状に補正されることになる。この結果、偏向歪みの影響を受けない場合の理想的な電子ビーム形状とほぼ同等の電子ビーム形状が得られることになる。
【0049】
また、このような構成に加えて前述した一対の垂直偏向コイル72の合わせ目間隔Dを0.8mm以下に設定することにより、偏向ヨーク7の組み立て時の寸法を吸収できるとともに、組み立てが容易となり、さらに電子ビームの軌道を修正し、電子ビーム形状をほぼ丸形状に補正し、ほぼ丸形状の電子ビーム形状が得られるという両立の効果が得られることになる。
【0050】
図8は本発明による投射形陰極線管装置の他の実施例を説明するための偏向ヨークの構成図である。図8(a)は蛍光面側から見た平面図、図8(b)はその側面図であり、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図8において、図2の構成と異なる点は、ラッパ状に形成されたコイル支持部20の上下部に配設された一対のマグネット23,24の周方向相互間に管軸方向(Z軸方向)に着磁方向が互いに異なる二対のマグネット25,26,27,28が所定の間隔を有して配設されている。これらの二対のマグネット25,26,27,28の取り付け位置は、コイル支持体20内の水平偏向コイル71の開口部側で管軸方向と同方向に向けて装着されて保持固定される構造となっている。
【0051】
この場合、これら二対のマグネット25,26,27,28のうち、第1の一対のマグネット25及びマグネット26は、偏向ヨーク7の開口上部のマグネット23を中心としてY軸方向から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の間隔を持たせて配置され、さらに第2の一対のマグネット27,マグネット28も同様にマグネット24を中心としてY軸方向から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の間隔を持たせて配置されている。
【0052】
図9は図8で説明した偏向ヨーク7の開口部でコイル支持部20の上下部に配設された一対のマグネット23,24の周方向相互間に管軸方向(Z軸方向)に着磁方向が互いに異なる二対のマグネット25、26、27、28が所定の間隔を有して配設した構成による画面G上における電子ビーム軌道の補正状態を説明する模式図である。
【0053】
図9において、電子ビームの偏向中心に向かって流れる電流の方向をIとし、一対のマグネット26,28による磁界の方向をM1,M2としたとき、補正が加わる方向Fはフレミングの法則により白抜きの矢印で示すようなX軸方向に向かって作用する。なお、図9では、画面Gに向かって右側部分、つまり一対のマグネット26、28の作用についてのみ図示したが、Y軸に対称となる方向の一対のマグネット25,27の作用については、図示されていないが、画面Gの左側部分にY軸に対して幾何学的対称となり、同様にX軸方向に向かって作用する。
【0054】
これによって図5(b)に示すような画面G上の上下ポイントで発生していた楕円状電子ビームBのみならず、画面G上の左右の各ポイントにおいて発生していた楕円状電子ビームを図7に示すようにほぼ丸形状の電子ビームB形状に補正されることになる。この結果、図5(a)に示したような偏向歪みの影響を受けない場合の理想的な電子ビームBの形状とほぼ同等の電子ビーム形状が画面G上の全域にわたって得られることになる。
【0055】
また、このような構成において、第1の一対のマグネット25およびマグネット26は、偏向ヨーク7の開口上部のマグネット23を中心としてY軸から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の範囲の間隔を持たせて配設し、さらに第2の一対のマグネット27およびマグネット28も同様にマグネット24を中心としてY軸から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の範囲の間隔を持たせて配設し、各マグネット25、26、27、28の配設位置を前記±10度の範囲内で適宜調節して装着することにより、投写形陰極線管装置における通常用いられる4:3の画面エリアのほか16:9のワイドスクリーンエリアにも対応することができ、偏向電力を増大させることなく、大口径レンズとほぼ同等の画質(フォーカス)を得ることができる。
【0056】
図10はプロジェクションテレビジョンのシステム概念を示す模式図である。プロジェクションテレビジョンでは、図10に示すように赤色用投射形陰極線管装置rPRT,緑色用投射形陰極線管装置gPRTおよび青色用投射形陰極線管装置bPRTの3本の投射形陰極線管からの画像を、各レンズLNSを通してスクリーンSRNにコンバーゼンスさせて投射画像を形成する。このコンバーゼンスの粗調整は各投射形陰極線管を互いに傾斜させて行なわれるが、微調整は各投射形陰極線管に取り付けられたコンバーゼンスヨーク8によって行なわれる。
【0057】
図11は背面投写形プロジェクションテレビの概略断面図である。投射形陰極線管PRTから放射された画像はレンズLNSで拡大され、鏡MRで反射されてスクリーンSRNに投写される。投射形陰極線管PRTに実装されたコンバーゼンスヨーク8にはコンバーゼンス駆動回路CGCが接続されている。本発明による投射形陰極線管に装着された偏向ヨーク7に一対のマグネットまたはこれに加えて少なくとも一対のマグネットを配設することによりスクリーンSRN上にフォーカス特性の良好な画像を投写させることができる。
【0058】
また、プロジェクションテレビは3本の投射形陰極線管を使用するため、偏向電力の節減または電子ビームの形状補正効果の向上は、通常のテレビの場合に比較して約3倍の効果がある。さらにプロジェクションテレビは、通常は画面対角サイズが公称40インチ以上の大画面である。このような大画面において、通常のNTSC信号では走査線が目立ち、画質を劣化させる。これを防止するためにプロジェクションテレビでは、走査線数の多いAdvanced−TV方式を採用することが多い。この場合、走査線数は通常のNTSC方式の2〜3倍になり、偏向電力が増大する。また、高精度な色ずれ補正が要求される。したがって、本発明による投射形陰極線管を用いれば、プロジェクションテレビジョンにおける偏向電力を増大させることなく、電子ビームの形状補正効果によるフォーカス性能の向上は極めて大きな効果がある。
【0059】
なお、本発明は、投射形陰極線管として異形ネック方式のプロジェクション用投射形陰極線管に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、3本の投射形陰極線管を用いる一般のプロジェクション用陰極線管に適用しても前述とほぼ同様な効果が得られることは勿論である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による投射形陰極線管装置によれば、偏向ヨークの開口部上下に着磁方向が長さ方向で互いに異なる一対のマグネットを配設したことにより、偏向歪みを受けた電子ビームの軌道を修正し、画面上の上下ポイントにおける電子ビームの形状をほぼ丸形状に補正することができるので、スクリーン上におけるフォーカス性能を大幅に向上させ、正規の映像信号に近い表示画像を再現できるという極めて優れた効果が得られる。
【0061】
また、本発明による他の投射形陰極線管装置によれば、偏向ヨークの開口部の上下に配設した着磁方向が互いに異なる一対のマグネットの周方向相互間に管軸方向と同方向に着磁した少なくとも一対のマグネットを配設したことにより、偏向歪みを受けた電子ビームの軌道を修正し、画面上の全域にわたって電子ビームの形状をほぼ丸形状に補正することができるので、スクリーン上の全域におけるフォーカス性能を大幅に向上させ、正規の映像信号に近い表示画像を再現できるという極めて優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投射形陰極線管装置の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明による投射形陰極線管装置の一実施の形態を説明する偏向ヨークの構成図である。
【図3】図2に示す偏向ヨークに組み込まれる垂直偏向コイルの構成の説明図である。
【図4】図3に示す一対の垂直偏向コイルのコイル相互間におけるバレル磁界の変化を説明する模式図である。
【図5】水平偏向コイルにより発生する偏向歪みに影響される画面上での電子ビームの形状を示す模式図である。
【図6】図2に示す偏向ヨークにより電子ビームの軌道が補正される状態を説明する模式図である。
【図7】図2に示す水平偏向ヨークによる画面上での電子ビームの形状を示す模式図である。
【図8】本発明による投射形陰極線管装置の他の実施の形態による偏向ヨークの構成図である。
【図9】図8に示す偏向ヨークにより電子ビームの軌道が補正される状態を説明する模式図である。
【図10】プロジェクションTVのシステム概念を示す模式図である。
【図11】背面投写形プロジェクションTVの概略断面図である。
【符号の説明】
1 パネル
2 ファンネル
3 ネック
31 ネック径小部
32 ネック径大部
33 ネック接続部
4 ベース
5 ステム
51 ピン
6 電子銃
61 第1グリッド電極(制御電極)
62 第2グリッド電極(加速電極)
63 第3グリッド電極(第1陽極)
64 第4グリッド電極(フォーカス電極)
641 第4グリッド電極第1部材
642 第4グリッド電極第2部材
65 第5グリッド電極(第2陽極)
66 シールドカップ
7 偏向ヨーク
71 水平偏向コイル
72 垂直偏向コイル
73 コイルセパレータ
8 コンバーゼンスヨーク
81 コンバーゼンスヨークホルダー
9 速度変調コイル
10 センタリング(2極)マグネット
11 センタリング(2/4極)マグネット
12 クランプ
13 ネック部品ホルダー
20 コイル支持体
21 コア
22 マグネット
23 マグネット
24 マグネット
25 マグネット
26 マグネット
27 マグネット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、陰極線管装置に係り、プロジェクションテレビジョン、ビデオプロジェクター等の投写形画像表示装置に適用される投射形陰極線管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、投写形画像表示装置には、赤、緑および青の各々に発色する3つの投射形陰極線管装置が搭載されており、各投射形陰極線管の画像は各パネル部の前面側に配設される各投写レンズによって拡大され、スクリーン上に投写されて合成される構造となっている。投射形陰極線管装置には、蛍光面側から電子銃方向に向かって偏向ヨーク、コンバーゼンスヨークおよびアライメントマグネット等が順次装着されて配置されており、電子銃から放射された電子ビームは偏向ヨークで発生する偏向磁界により偏向作用を受け、蛍光面上に到達する。
【0003】
投写形画像表示装置においては、前述した3つの投射形陰極線管から投射された映像をスクリーン上で一致させるためにコンバーゼンスヨークで発生する磁界によりラスターの歪や3色ラスターの不一致(色ずれまたはミスコンバーゼンスと称する)の補正を行い、色ずれの無い画像を得ている。なお、この種の投射形陰極線管装置については、例えば特開平8−287845号公報などに開示されたものを挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、偏向回路に供給する偏向電力を低減させつつ、表示画像のフォーカス性能を向上させるとともに、色ずれ補正効率を向上させるために偏向ヨークが装着される部分のネック部外径を、電子銃が収納される部分のネック部外径より径寸法を小さく構成した異径ネック方式の投射形陰極線管が開発されつつある。前述した色ずれ補正を行うためのコンバーゼンスヨークを、この異径ネック方式投射形陰極線管の相対的に外径寸法の小さいネック部(ネック径小部)に装着すると、コンバーゼンスヨーク自体の内径を縮小できるので、投写形画像表示装置のスクリーン上における色ずれ補正感度が向上する。
【0005】
また、前述したフォーカス特性の改善を行うために電子銃は、主レンズを大口径とするほどその効果が得られ、相対的に外径寸法の大きいネック部(ネック径大部)に装着すると、そのレンズ口径を大きくすることができるので、投写形画像表示装置のスクリーン上における画質が向上する。さらに、偏向ヨークは、電子銃に近接して装着するほど偏向効率が良く、換言すれば、ネック部外径寸法を小さくするほど偏向電力が低減できる。具体的には、ネック径小部に偏向ヨークを設置した場合とネック径大部に偏向ヨークを設置した場合とでは偏向電力で約25%程度の差があり、同一偏向回路で動作させることができない。このように構成される異径ネック方式投射形陰極線管を採用することによっては、ネック径小部に偏向ヨークを設置し、ネック径大部に電子銃を挿入した投射形陰極線管装置は偏向回路を変更することなしでネック径大部のみの構造で構成した投射形陰極線管装置に比較してほぼ同等の画質が得られることになる。
【0006】
以上説明したような状況下で、異径ネック方式投射形陰極線管装置においては、コンバーゼンスヨークのネック径大部への装着及び偏向ヨークのネック径小部への装着を余儀なくされ、色ずれ補正感度の向上が課題とされていた。
【0007】
しかしながら、このように構成された異形ネック方式投射形陰極線管装置においては、ネック径大部内に配設されている電子銃から放射される大口径レンズの電子ビームがネック径小部の偏向磁界軌道内を通過するため、偏向ヨークの偏向磁界の影響を強く受け、相対的に画面周辺部では、電子ビームの形状が歪むという偏向歪みを発生させていた。
【0008】
本発明は、前述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、表示画像のフォーカス性能を向上させるとともに、色ずれ補正効率を向上させ、かつ偏向歪みによる電子ビームの軌道を修正し、画面周辺部における画質を向上させた異径ネック方式の投射形陰極線管装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による投射形陰極線管装置は、偏向ヨークの開口部の上下に着磁方向が長さ方向で互いに異なる一対のマグネットを管軸方向に対して交差させて配設することにより、偏向磁界内に突入する電子ビームの軌道を修正し、縦長方向に歪んだ電子ビームをほぼ丸形状に近い電子ビーム形状に補正することを特徴とする。
【0010】
また、本発明による他の投射形陰極線管装置は、偏向ヨークの開口部上下に配設した一対のマグネットに加えてこの一対のマグネット相互間に着磁方向が長さ方向で互いに異なる少なくとも一対のマグネットを管軸方向と同方向に向けて配設することにより、偏向磁界内に突入する電子ビームの軌道を修正し、縦長方向に歪んだ電子ビームをほぼ丸形に近い形状に補正し、放射状方向に歪んだ電子ビームをほぼ丸形に近い形状に補正することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、実施例の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明による投射形陰極線管装置の一実施例を説明する部分断面図である。図1において、この投射形陰極線管は、投写形テレビ(プロジェクションTV)等に用いられ、パネル1とネック3の一端をファンネル2で接続され、ネック3の他端がステム5で封止した真空外囲器で構成されている。ステム5には、電子銃6の各電極に電圧を供給するための複数本ピン51が植設されている。ベース4は、このステム5およびピン51を保護するものである。
【0012】
また、投射形陰極線管は、ほぼ矩形状のパネル1の内面に単色のほぼ矩形状の蛍光面が形成され、電子銃6から1本の電子ビームが発射される。そして、この電子ビームが偏向ヨーク7により水平及び垂直方向に偏向作用を受け、蛍光面上で走査することによって、画面が発光する。
【0013】
パネル1は、外面がほぼ平坦な形状を有し、内面が電子銃6側に凸形状となるように形成されており、これによって凸レンズを形成している。本実施の形態では、パネル1の内面が球面状であり、その曲率半径Rは約350mm程度である。また、収差を低減させるためにパネル1の内面を非球面状に形成することもある。また、パネル1の中央のガラス肉厚Toは約14.1mm程度である。パネル1の対角方向外形寸法は約7インチ程度であり、蛍光面の形成される有効画面の対角方向の寸法は約5.5インチ程度である。また、投射形陰極線管の全長L1は約276mm程度である。
【0014】
ネック3は、ファンネル2側に接続されるネック径小部31と、ステム5に封止されるネック径大部32と、ネック径小部31とネック径大部32を繋ぐネック接続部33とを有している。ネック径小部31とファンネル2の遷移領域外周に偏向ヨーク7が設置される。ネック径小部31の外径は約29.1mm程度である。また、ネック径大部32の内部には電子銃6が収納されている。このネック径大部32の外径は、約36.5mm程度であり、ネック径小部31よりも約7mm程度大きな寸法を有して形成されている。このように外径寸法の異なるネックを有するタイプの投射形陰極線管を「異径ネック方式の陰極線管」と称する。ここで、ネック外径約29.1mmあるいはネック外径約36.5mmと称するのは、ネックの製造上の寸法誤差も考慮した実質的な数字を意味している。
【0015】
このように、電子ビームを偏向する偏向ヨーク7の水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル72は、外径寸法の小さいネック径小部31に設置される。これによって、偏向電力を抑えることができる。この場合、この偏向電力は、ネック外径寸法が約36.5mmの場合に比して約25%程度の節減になる。また、電子ビームを集束する電子銃6の主レンズ形成電極は外径の大きいネック径大部32に収納されるので、電子レンズの径寸法を大きくすることができる。
【0016】
また、電子銃6の第1グリッド電極(制御電極)61は、カップ状に形成されており、電子ビームを放出するカソードは、第1グリッド電極61内に収納されている。また、第2グリッド電極(加速電極)62は、第1グリッド電極61とともにプリフォーカスレンズを形成する。また、第3グリッド電極(第1陽極)63には、最終電極となる第5グリッド電極(第2陽極)65とほぼ同等の陽極電圧約30kVが印加される。一般には、投射形陰極線管の陽極電圧は約25kV以上である。
【0017】
ネック外径をビーム偏向領域とビーム集束領域とで異ならせると、機械的な制約から電子銃が蛍光面から遠ざかる。電子銃が蛍光面から遠ざかると、電子ビームのフォーカス特性が劣化する。しかし、投射形陰極線管では陽極電圧を上げることによって、フォーカス劣化の問題に容易に対処できる。投射形陰極線管では、最高陽極電圧を約30kV以上で動作することも可能である。
【0018】
また、第4グリッド電極(フォーカス電極)64は、第4グリッド電極第1部材(フォーカス電極第1部材)641と、第4グリッド電極第2部材(フォーカス電極第2部材)642とに分割されて形成されており、いずれの電極部材にも約8kV程度のフォーカス電圧が印加される。このフォーカス電極第2部材642の蛍光面側は径寸法が大きくなっており、第2陽極65の内部に入り込んで大口径最終段主レンズを形成している。この主レンズは、ネック外径が大きいほどフォーカス特性改善に効果的であり、そのレンズ口径を大きくすることができる。この最終段主レンズの中心位置は、前記フォーカス電極第2部材642の蛍光面側先端部MLで定義され、最終段主レンズ位置MLからパネル1の内面中央までの管軸方向距離L2は約139.7mm程度である。
【0019】
また、投射形陰極線管は、高輝度を必要とするため、ビーム電流(カソード電流)は約4mA以上となる。このような大電流であっても、高いフォーカス性能を維持するために主レンズ口径を大きくできることは極めて重要である。PRTは蛍光面の電圧が高いため、特に大電流時の空間電荷の反発によるビームの広がりが比較的小さくなり、大電流時における蛍光面上の電子ビームスポットの大きさは、電子銃の球面収差によるビームの広がりによってほぼ決定される。すなわち、PRTにおいては、ネック径を異ならせて電子銃が蛍光面から遠ざかる影響よりも、電子銃のレンズ口径を大きくする影響のほうが大きい。
【0020】
また、シールドカップ66は、第2陽極65と一体になって主レンズを形成している。シールドカップ66の蛍光面側の径は徐々に小さくなっている。電子銃6の先端付近でネック接続部33の外径が小さくなるのに対応して、当該電子銃6の先端付近の径も小さくし、電子銃6が蛍光面から大きく離れることを防止している。
【0021】
単電子ビーム方式である投射形陰極線管は、インライン配列された3電子ビーム方式であるシャドウマスク形カラー陰極線管と異なって両サイド電子ビームとネック内壁との衝突を考慮しなくても良い。本発明に係わる異径ネック方式の投射形陰極線管では、相反する関係にある偏向電力の低減及び主レンズ径の拡大の両者を満足させるために前述したように可能な限りネック径大部32とネック径小部31とのネック径差を大きくしており、約5mm以上の差をつけると効果的である。
【0022】
一方、ネック径大部32とネック径小部31とを繋いでいるネック接続部33は、管軸方向に沿ってネック径が徐々に変化する領域であるためにネック径大部32とネック径小部31のネック径差が大きくなると、ネック接続部33の管軸方向長さも拡大される。前述したようにネック径大部32の外径寸法が約36.5mm,ネック径小部31の外径寸法が約29.1mmの場合、ネック接続部33の管軸方向長さは約8mm程度となる。そして、このネック接続部33は余剰スペースとなっている。
【0023】
また、投射形陰極線管には、偏向ヨーク7よりベース4側にコンバーゼンスヨーク8、速度変調コイル9及びセンタリングマグネット10、11が実装されている。偏向ヨーク7は、電子ビームを水平方向に走査させる水平偏向コイル71,電子ビームを垂直方向に走査させる垂直偏向コイル72及び水平偏向コイル71と垂直偏向コイル72とを別々の位置に保持するコイルセパレータ73を有している。偏向ヨーク7のベース4側(偏向中心付近)は、外径寸法の小さいネック径小部31に装着されている。
【0024】
なお、偏向ヨーク7は、ここでは詳細に図示されないが、具体的には、水平偏向コイル71がコイル支持部内に組み込まれ、コイルセパレータ73を介して垂直偏向コイル72が組み込まれ、さらにこの垂直偏向コイル72の外面側が磁性体からなるコアにより被覆されて保持固定され、ネック径小部31に装着される構造となっている。
【0025】
また、コンバーゼンスヨーク8はコンバーゼンス磁界を発生させるトロイダルコイルを有し、外径が大きいネック径大部32からネック接続部33に跨るように配置され、偏向ヨーク7のコイルセパレータ73のベース4側端部に設けられたコンバーゼンスヨークホルダー81に装着されている。コンバーゼンスヨーク8をネック径大部32に装着したのは、ネック径小部31のベース4側への延長によって電子銃最終段主レンズ位置MLから蛍光面中央までの距離L2とPRTの全長L1が大きくなり過ぎるのを防止するためである。
【0026】
さらに、コンバーゼンスヨーク8は、その内面がほぼ円筒面状に形成され、管軸方向全体に沿ってネック径大部32に対応した大きい内径を有している。これは、コンバーゼンスヨーク8をベース4側から装着するためである。コンバーゼンスヨーク8のネック接続部33における内径がネック径大部32と同じであるにもかかわらず、前述した余剰スペースとなっているネック接続部33を利用してコンバーゼンスヨーク8のコイル全長を延ばしているので、コンバーゼンスヨーク8をネック径小部31に装着しなくても色ずれ補正感度が向上する。
【0027】
なお、色ずれ補正感度を向上させるためにコンバーゼンスヨーク8の全長をベース4側に延長することも考えられる。しかし、コンバーゼンスヨーク8よりベース4側に速度変調コイル9及びセンタリングマグネット10、11等のネック部品がネック部品ホルダー13を介してクランプ12で固定されているので、コンバーゼンスヨーク8がこれらのネック部品と干渉を起こさないように配慮する必要がある。また、コンバーゼンスヨーク8のコイルの管軸方向中央位置CYが電子銃の最終段主レンズ位置MLからベース4側にずれて、電子ビームの集束作用に影響を及ぼす可能性がある。したがって、前記コンバーゼンスヨーク8の管軸方向コイル中心位置CYは、最終段主レンズ位置MLより蛍光面側に配置されるのが好ましい。
【0028】
速度変調コイル9は画像のコントラストを向上させるために使用される。この速度変調コイル9は、外径が約36.5mmのネック径大部32に設置されるため、色ずれ補正感度が問題となる。速度変調コイル9の感度を向上させるためにフォーカス電極64がフォーカス電極第1部材641とフォーカス電極第2部材642とに分割され、第1部材641と、第2部材642との間にギャップを形成して速度変調コイル9の磁界を電子ビームに作用し易くしている。
【0029】
図2は本発明による投射形陰極線管装置の一実施例における偏向ヨークの構成図である。図2(a)は蛍光面側から見た平面図、図2(b)はその側面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図2において、偏向ヨーク7は、絶縁性機能及び支持機能を有する合成樹脂材によりほぼラッパ状に成形されたコイル支持体20内に水平偏向コイル71が組み込まれて保持固定されており、さらに図示されないが一体成形されたコイルセパレータ73を介して垂直偏向コイル72が組み込まれている。この垂直偏向コイル72の外面側には磁性体よりなるコア21により被覆されて図1に示すネック径小部31に装着されてバンド22より締め付け固定される構造となっている。
【0030】
また、偏向ヨーク7が組み込まれたコイル支持部20の水平偏向コイル71の開口部側上下部には、着磁方向が管軸方向(Z軸)と交差する長さ方向(X軸)で互いに異なる一対のマグネット23,24が配設されている。この一対のマグネット23,24の取り付け位置は、コイル支持体20内の水平偏向コイル71の開口側上下部に埋設されて保持固定される構造となっている。
【0031】
異形ネック方式の投射形陰極線管は、ネック3の径が大きいことから、偏向ヨーク7を先に組み立ててしまうと、ネック3側から挿入することができない。このために偏向ヨーク7は組立てて調整後に取り付けるものではなく、投射形陰極線管へ直接組み込みながら、調整することが必要である。
【0032】
ここで、組み立てにおいて、水平偏向コイル71はコイル支持体20の内側に組み込まれ、図示しないコイルセパレータ73により押さえられるので、比較的に組み込み時に発生し易い取り付け位置の変動などによるバラツキは少ない。
【0033】
しかしながら、垂直偏向コイル72は、水平偏向コイル71との絶縁性を保持させるためにコイルセパレータ73の外面側に取り付けられる。このために垂直偏向コイル71の外形寸法が大き過ぎると、コア21を組み込むことが不可能となる。
【0034】
このコア21を組み込み易くするためには、対になっている垂直偏向コイル72が適度な力で組み合うような一種の弾性構造を持たせる必要があり、この弾性の寸法を吸収するためには一対の垂直偏向コイル72相互間の合わせ目間隔寸法を広げる必要がある。
【0035】
図3は図2で説明した垂直偏向コイル72の構成図であり、図3(a)は上面から見た平面図、図3(b)蛍光面側から見た平面図である。図3において、対になっている垂直偏向コイル72相互間の間隔Dを0.8mm以下に設定している。
【0036】
図4は図3に示す一対の垂直偏向コイル72相互間の間隔Dにより磁界分布が変化する様子を示した磁界の模式図である。図4において、一対の垂直偏向コイル72は、通常は湾曲したバレル(樽形)と称するバレル磁界BAを形成している。前述したように垂直偏向コイル72の外形寸法がコイルセパレータ73の外径寸法よりも小さい場合には、一対の垂直偏向コイル72相互間の合わせ目間隔を広くする必要性から、図4(b)に示すように合わせ目間隔Dが大きくなり、隙間が生じる。
【0037】
また、この一対の垂直偏向コイル72相互間が接近(間隔Dが小さい)している場合、磁界はバレル状に湾曲している。間隔Dが大きい場合、バレル状に湾曲した磁界が歪む。
【0038】
垂直偏向磁界は、電子ビームを上下方向に延ばす作用をもっている。
【0039】
図4(a)は間隔Dが小さい垂直偏向コイルの断面図である。図4(b)は図4(a)の垂直偏向コイルによって形成される磁界BA1と電子ビームの通過位置との関係を示す図である。画面コーナ部に偏向される電子ビームが通過する領域の磁界は湾曲度が強い。そのため、画面コーナ部に偏向される電子ビームB1は画面のY軸上に偏向される電子ビームより垂直方向に受ける力が弱い。
【0040】
図4(c)は間隔Dが大きい垂直偏向コイルの断面図である。図4(d)は図4(c)の垂直偏向コイルによって形成される磁界BA2と電子ビームの通過位置との関係を示す図である。間隔Dが大きいと、その隙間に偏向磁界が入りこみ、偏向磁界が歪む。間隔Dが大きいY軸近傍において、磁界BA2は湾曲度が大きく、Y軸から離れた位置では湾曲度が小さい。
【0041】
Y軸近傍では湾曲した磁界BA2の湾曲度が強い。そのため、画面上下部では垂直方向に偏向する力が弱い。一方、Y軸から離れた位置ではバレル状に湾曲した磁界BA2の湾曲度が弱い。そのため、画面コーナ部に偏向される電子ビームB2は図4(b)の電子ビームB1より偏向磁界からの垂直方向に受ける力が強い。結果として、電子ビームB2は画面上で歪んだ電子ビームスポット形状となる。
【0042】
図5(a)は画面上の電子ビームスポット形状を示す図であり、左右の垂直偏向コイル72を接触させた状態で、すなわち図4(a)の状態で、電子ビームのスポット形状が画面(蛍光面)G各部位で円形となるように磁界分布を調節してある。ここで、電子銃と画面Gとの幾何学的な寸法差による多少の形状変形は避けられないが、このように画面Gのほぼ全域にわたって電子ビームスポット形状が丸形となることが望ましい。
【0043】
しかしながら、偏向ヨークを組み立てる際に、間隔Dが大きくなることがある。図5(b)は図4(b)の垂直偏向コイルを用いた場合の電子ビームスポット形状である。電子ビームB2は垂直方向に強く力をうけるため、画面G上での電子ビームスポット形状が歪む。現実的には、電子ビームは水平偏向成分も受けるため、画面G上での電子ビームスポット形状は放射方向に延びた形状になる。
【0044】
垂直偏向コイルの間隔Dを変化させることで画面G上の電子ビームのスポット形状を変化させることができる。しかしながら、画面コーナ部と画面上下部の電子ビームスポット形状はトレードオフの関係にある。すなわち、垂直偏向コイルの間隔Dを広くすると、画面コーナ部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を強く受け、このとき画面上下部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を弱く受ける。
【0045】
一方、垂直偏向コイルの間隔Dを狭くすると、画面コーナ部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を弱く受け、このとき画面上下部に偏向される電子ビームは垂直方向に延ばされる力を強く受ける。
【0046】
このように画面G上の上下部およびコーナ部と垂直偏向コイル72の合わせ目間隔Dとの関係は相反する関係にある。これを改善するためには、画面Gの上下部は、一対のマグネット23,24を用いて偏向ヨーク7内に突入する電子ビームの軌道を修正し、画面上における電子ビームの形状を補正する。
【0047】
図6は図2で説明した偏向ヨーク7の開口部の上下に着磁方向が互いに異なる一対のマグネット23,24を配設した構成による画面G上での電子ビーム軌道の補正状態を説明する模式図である。図6において、電流の方向Iとし、一対のマグネット23,24による磁界方向をHとしたとき、補正が加わる方向Fはフレミングの法則により白抜きの矢印で示すようなX軸方向に向かって作用する。
【0048】
この補正方向Fによって画面Gの上下ポイントで発生していた楕円状電子ビームBが図7に示すようにほぼ丸形状の電子ビームB形状に補正されることになる。この結果、偏向歪みの影響を受けない場合の理想的な電子ビーム形状とほぼ同等の電子ビーム形状が得られることになる。
【0049】
また、このような構成に加えて前述した一対の垂直偏向コイル72の合わせ目間隔Dを0.8mm以下に設定することにより、偏向ヨーク7の組み立て時の寸法を吸収できるとともに、組み立てが容易となり、さらに電子ビームの軌道を修正し、電子ビーム形状をほぼ丸形状に補正し、ほぼ丸形状の電子ビーム形状が得られるという両立の効果が得られることになる。
【0050】
図8は本発明による投射形陰極線管装置の他の実施例を説明するための偏向ヨークの構成図である。図8(a)は蛍光面側から見た平面図、図8(b)はその側面図であり、図2と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。図8において、図2の構成と異なる点は、ラッパ状に形成されたコイル支持部20の上下部に配設された一対のマグネット23,24の周方向相互間に管軸方向(Z軸方向)に着磁方向が互いに異なる二対のマグネット25,26,27,28が所定の間隔を有して配設されている。これらの二対のマグネット25,26,27,28の取り付け位置は、コイル支持体20内の水平偏向コイル71の開口部側で管軸方向と同方向に向けて装着されて保持固定される構造となっている。
【0051】
この場合、これら二対のマグネット25,26,27,28のうち、第1の一対のマグネット25及びマグネット26は、偏向ヨーク7の開口上部のマグネット23を中心としてY軸方向から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の間隔を持たせて配置され、さらに第2の一対のマグネット27,マグネット28も同様にマグネット24を中心としてY軸方向から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の間隔を持たせて配置されている。
【0052】
図9は図8で説明した偏向ヨーク7の開口部でコイル支持部20の上下部に配設された一対のマグネット23,24の周方向相互間に管軸方向(Z軸方向)に着磁方向が互いに異なる二対のマグネット25、26、27、28が所定の間隔を有して配設した構成による画面G上における電子ビーム軌道の補正状態を説明する模式図である。
【0053】
図9において、電子ビームの偏向中心に向かって流れる電流の方向をIとし、一対のマグネット26,28による磁界の方向をM1,M2としたとき、補正が加わる方向Fはフレミングの法則により白抜きの矢印で示すようなX軸方向に向かって作用する。なお、図9では、画面Gに向かって右側部分、つまり一対のマグネット26、28の作用についてのみ図示したが、Y軸に対称となる方向の一対のマグネット25,27の作用については、図示されていないが、画面Gの左側部分にY軸に対して幾何学的対称となり、同様にX軸方向に向かって作用する。
【0054】
これによって図5(b)に示すような画面G上の上下ポイントで発生していた楕円状電子ビームBのみならず、画面G上の左右の各ポイントにおいて発生していた楕円状電子ビームを図7に示すようにほぼ丸形状の電子ビームB形状に補正されることになる。この結果、図5(a)に示したような偏向歪みの影響を受けない場合の理想的な電子ビームBの形状とほぼ同等の電子ビーム形状が画面G上の全域にわたって得られることになる。
【0055】
また、このような構成において、第1の一対のマグネット25およびマグネット26は、偏向ヨーク7の開口上部のマグネット23を中心としてY軸から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の範囲の間隔を持たせて配設し、さらに第2の一対のマグネット27およびマグネット28も同様にマグネット24を中心としてY軸から周方向に向かってそれぞれ25度±10度の範囲の間隔を持たせて配設し、各マグネット25、26、27、28の配設位置を前記±10度の範囲内で適宜調節して装着することにより、投写形陰極線管装置における通常用いられる4:3の画面エリアのほか16:9のワイドスクリーンエリアにも対応することができ、偏向電力を増大させることなく、大口径レンズとほぼ同等の画質(フォーカス)を得ることができる。
【0056】
図10はプロジェクションテレビジョンのシステム概念を示す模式図である。プロジェクションテレビジョンでは、図10に示すように赤色用投射形陰極線管装置rPRT,緑色用投射形陰極線管装置gPRTおよび青色用投射形陰極線管装置bPRTの3本の投射形陰極線管からの画像を、各レンズLNSを通してスクリーンSRNにコンバーゼンスさせて投射画像を形成する。このコンバーゼンスの粗調整は各投射形陰極線管を互いに傾斜させて行なわれるが、微調整は各投射形陰極線管に取り付けられたコンバーゼンスヨーク8によって行なわれる。
【0057】
図11は背面投写形プロジェクションテレビの概略断面図である。投射形陰極線管PRTから放射された画像はレンズLNSで拡大され、鏡MRで反射されてスクリーンSRNに投写される。投射形陰極線管PRTに実装されたコンバーゼンスヨーク8にはコンバーゼンス駆動回路CGCが接続されている。本発明による投射形陰極線管に装着された偏向ヨーク7に一対のマグネットまたはこれに加えて少なくとも一対のマグネットを配設することによりスクリーンSRN上にフォーカス特性の良好な画像を投写させることができる。
【0058】
また、プロジェクションテレビは3本の投射形陰極線管を使用するため、偏向電力の節減または電子ビームの形状補正効果の向上は、通常のテレビの場合に比較して約3倍の効果がある。さらにプロジェクションテレビは、通常は画面対角サイズが公称40インチ以上の大画面である。このような大画面において、通常のNTSC信号では走査線が目立ち、画質を劣化させる。これを防止するためにプロジェクションテレビでは、走査線数の多いAdvanced−TV方式を採用することが多い。この場合、走査線数は通常のNTSC方式の2〜3倍になり、偏向電力が増大する。また、高精度な色ずれ補正が要求される。したがって、本発明による投射形陰極線管を用いれば、プロジェクションテレビジョンにおける偏向電力を増大させることなく、電子ビームの形状補正効果によるフォーカス性能の向上は極めて大きな効果がある。
【0059】
なお、本発明は、投射形陰極線管として異形ネック方式のプロジェクション用投射形陰極線管に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、3本の投射形陰極線管を用いる一般のプロジェクション用陰極線管に適用しても前述とほぼ同様な効果が得られることは勿論である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による投射形陰極線管装置によれば、偏向ヨークの開口部上下に着磁方向が長さ方向で互いに異なる一対のマグネットを配設したことにより、偏向歪みを受けた電子ビームの軌道を修正し、画面上の上下ポイントにおける電子ビームの形状をほぼ丸形状に補正することができるので、スクリーン上におけるフォーカス性能を大幅に向上させ、正規の映像信号に近い表示画像を再現できるという極めて優れた効果が得られる。
【0061】
また、本発明による他の投射形陰極線管装置によれば、偏向ヨークの開口部の上下に配設した着磁方向が互いに異なる一対のマグネットの周方向相互間に管軸方向と同方向に着磁した少なくとも一対のマグネットを配設したことにより、偏向歪みを受けた電子ビームの軌道を修正し、画面上の全域にわたって電子ビームの形状をほぼ丸形状に補正することができるので、スクリーン上の全域におけるフォーカス性能を大幅に向上させ、正規の映像信号に近い表示画像を再現できるという極めて優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投射形陰極線管装置の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明による投射形陰極線管装置の一実施の形態を説明する偏向ヨークの構成図である。
【図3】図2に示す偏向ヨークに組み込まれる垂直偏向コイルの構成の説明図である。
【図4】図3に示す一対の垂直偏向コイルのコイル相互間におけるバレル磁界の変化を説明する模式図である。
【図5】水平偏向コイルにより発生する偏向歪みに影響される画面上での電子ビームの形状を示す模式図である。
【図6】図2に示す偏向ヨークにより電子ビームの軌道が補正される状態を説明する模式図である。
【図7】図2に示す水平偏向ヨークによる画面上での電子ビームの形状を示す模式図である。
【図8】本発明による投射形陰極線管装置の他の実施の形態による偏向ヨークの構成図である。
【図9】図8に示す偏向ヨークにより電子ビームの軌道が補正される状態を説明する模式図である。
【図10】プロジェクションTVのシステム概念を示す模式図である。
【図11】背面投写形プロジェクションTVの概略断面図である。
【符号の説明】
1 パネル
2 ファンネル
3 ネック
31 ネック径小部
32 ネック径大部
33 ネック接続部
4 ベース
5 ステム
51 ピン
6 電子銃
61 第1グリッド電極(制御電極)
62 第2グリッド電極(加速電極)
63 第3グリッド電極(第1陽極)
64 第4グリッド電極(フォーカス電極)
641 第4グリッド電極第1部材
642 第4グリッド電極第2部材
65 第5グリッド電極(第2陽極)
66 シールドカップ
7 偏向ヨーク
71 水平偏向コイル
72 垂直偏向コイル
73 コイルセパレータ
8 コンバーゼンスヨーク
81 コンバーゼンスヨークホルダー
9 速度変調コイル
10 センタリング(2極)マグネット
11 センタリング(2/4極)マグネット
12 クランプ
13 ネック部品ホルダー
20 コイル支持体
21 コア
22 マグネット
23 マグネット
24 マグネット
25 マグネット
26 マグネット
27 マグネット。
Claims (6)
- 蛍光面が内面に形成されたパネル部と、電子ビームを発射する電子銃が内部に収納されたネック部と、前記パネル部と前記ネック部の一端を連接するファンネル部と、前記ネック部の他端を封止するステム部とから構成された真空外囲器と、前記電子ビームを前記蛍光面上に走査させる偏向ヨークと、前記電子ビームのコンバーゼンスを調整するコンバーゼンスヨークとを備えた投射形陰極線管装置であって、
前記ネック部は、前記ファンネル部側に配置される第1外径を有する第1ネック部、該第1ネック部より前記ステム部側に配置される第2外径を有する第2ネック部及び該第1ネック部と該第2ネック部とを連接する第3ネック部を有し、前記第1外径は前記第2外径よりも小であり、
前記偏向ヨークは前記ファンネル部と前記第1ネック部との遷移領域に配置され、前記コンバーゼンスヨークは前記第2ネック部から第3ネック部に跨るように配置され、かつ、前記偏向ヨークの開口部上下に着磁方向が長さ方向で互いに異なる一対のマグネットを管軸方向と交差させて配設したことを特徴とする投射形陰極線管装置。 - 前記偏向ヨークは、一対の水平偏向コイルを保持固定するコイル支持体を備え、前記一対のマグネットはこのコイル支持体に取り付け固定したことを特徴とする請求項1に記載の投射形陰極線管装置。
- 前記偏向コイルは、垂直偏向コイル相互間の間隔を0.8mm以下に設定して配置したことを特徴とする請求項1に記載の投射形陰極線管装置。
- 蛍光面が内面に形成されたパネル部と、電子ビームを発射する電子銃が内部に収納されたネック部と、前記パネル部と前記ネック部の一端を連接するファンネル部と、前記ネック部の他端を封止するステム部とから構成された真空外囲器と、前記電子ビームを前記蛍光面上に走査させる偏向ヨークと、前記電子ビームのコンバーゼンスを調整するコンバーゼンスヨークとを備えた投射形陰極線管装置であって、
前記ネック部は、前記ファンネル部側に配置される第1外径を有する第1ネック部、該第1ネック部より前記ステム部側に配置される第2外径を有する第2ネック部及び該第1ネック部と該第2ネック部とを連接する第3ネック部を有し、前記第1外径は前記第2外径よりも小であり、
前記偏向ヨークは前記ファンネル部と前記第1ネック部との遷移領域に配置され、前記コンバーゼンスヨークは前記第2ネック部から第3ネック部に跨るように配置され、かつ、前記偏向ヨークの開口部上下に着磁方向が長さ方向で互いに異なる一対のマグネットを管軸方向と交差させて配設し、かつ前記一対のマグネットの周方向相互間に着磁方向が長さ方向で互いに異なる少なくとも一対のマグネットを管軸方向と同方向に向けて配設したことを特徴とする投射形陰極線管装置。 - 前記偏向ヨークは水平偏向コイルを保持固定するコイル支持体を備え、前記一対のマグネット及び前記少なくとも一対のマグネットはこのコイル支持部に取り付け固定したことを特徴とした請求項4記載の投射形陰極線管装置。
- 前記偏向コイルは、垂直偏向コイル相互間の間隔を0.8mm以下に設定して配置したことを特徴とする請求項4に記載の投射形陰極線管装置。
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