JP2001325895A - カラー陰極線管 - Google Patents

カラー陰極線管

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JP2001325895A
JP2001325895A JP2000147825A JP2000147825A JP2001325895A JP 2001325895 A JP2001325895 A JP 2001325895A JP 2000147825 A JP2000147825 A JP 2000147825A JP 2000147825 A JP2000147825 A JP 2000147825A JP 2001325895 A JP2001325895 A JP 2001325895A
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color cathode
bent
ray tube
cathode ray
electron beams
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JP2000147825A
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Koji Niigayu
浩二 新粥
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高細精度を得るために水平偏向周波数を高く
しても、シールドカップに生ずる渦電流に起因する電子
ビームのミスコンバーゼンスを低減でき、更にそのミス
コンバーゼンスの低減を低コストで達成できるカラー陰
極線管を提供する点にある。 【解決手段】 本発明に関するカラー陰極線管は以下の
シールドカップ1を備える。このシールドカップ1は、
3本の電子ビーム2R,2G,2Bを通過させる通過孔
3R,3G,3Bを備えた底部4と、前記電子ビームを
包囲するシールド側壁5,6と、を備えており、前記シ
ールド側壁5,6が、外側電子ビーム2R,2Bに作用
する水平偏向磁界13,15と交差し且つ前記外側電子
ビーム2R,2Bを挟むように前記シールド側壁5,6
の一部を折曲部7a,8a,9a,10aを介して内側
に折り曲げて形成した2組の一対の折曲片7,8および
9,10を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー陰極線管に
関し、特に高細精度を得るために水平偏向周波数を上げ
た際に発生する電子ビームのコンバーゼンスの不一致
(以下、ミスコンバーゼンスと呼ぶ。)を改善するシー
ルドカップを備えたカラー陰極線管に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、カラー陰極線管の従来例を示す
概略断面図である。このカラー陰極線管40は漏斗形状
のガラス製の外管(ガラスバルブ)を有しており、この
外管は、略円筒形状のネック部41と、このネック部4
1と接続するファンネル部42とから構成されている。
前記ネック部41の内部には、インライン型電子銃43
と、このインライン型電子銃43に対しファンネル部側
に隣接して位置するシールドカップ44とが同軸状に搭
載されている。また、ファンネル部42の後部外周上に
は、前記インライン型電子銃43から射出された電子ビ
ームを水平偏向および垂直偏向させる偏向ヨーク45が
装着され、ファンネル部42の前端面42aには、蛍光
体を塗布した蛍光面が形成されている。電子ビームは、
偏向ヨーク45で発生した偏向磁界により偏向されてシ
ャドーマスク46を通して前記蛍光面に照射される。
【0003】尚、図で明示しないが、前記インライン型
電子銃43は、ヒーター、カソード、G1電極、G2電
極、収束加速電極などの各種円筒電極や、これら円筒電
極の相互の位置関係を維持させるビードガラスなどから
構成されており、前記蛍光面における赤色、緑色および
青色の蛍光体をそれぞれ照射する3本の電子ビーム(以
下、Rビーム、GビームおよびBビームと呼ぶ。)を同
一水平面内で一列に配列して射出する。また、前記ネッ
ク部41にはインライン配列した電子ビームのコンバー
ゼンスを補正する一群のピュリティマグネット(図示せ
ず)が装着されている。また、前記インライン型電子銃
43をガラスバルブ内に保持すると共にネック部41や
ファンネル部42の内面に塗布形成した導電膜との電気
的接続を担う部材(図示せず)なども設けられている。
【0004】図6は、前記シールドカップ44の従来例
をファンネル部側から見た正面図である。このシールド
カップ44は、導電性を有する非磁性体からなり、有底
円筒形状をなし、ファンネル部側に開口部が向くように
上記ネック部41に同軸状に装着されている。また、シ
ールドカップ44は、ネック部側に底部47を有し、こ
の底部47にはR,GおよびBビーム48R,48G,
48Bが通過する円形の電子ビーム通過孔49R,49
G,49Bが貫通形成されている。また、前記Rビーム
48R,Gビーム48RおよびBビーム48Bの周囲に
シールド側壁50が形成されている。このようなシール
ドカップ44は、帯電したガラスバルブ壁面の蓄積電荷
がつくる電界などから電子ビームを遮蔽する機能を有す
る。
【0005】上記インライン型電子銃43から射出され
た電子ビーム48R,48G,48Bは、各種円筒電極
を通じて集束加速されてシールドカップ44に至り、前
記電子ビーム通過孔49R,49G,49Bを通過した
後に、偏向ヨーク45で発生した偏向磁界の作用により
垂直および水平偏向されて蛍光面に到達する。このと
き、シールドカップ44には、図6に示すように水平偏
向磁界51,52,53が分布している。
【0006】このとき、導電性のシールド側壁50には
前記水平偏向磁界51,52,53が交差するため、当
該側壁の交差点付近において図示した矢印54,55,
56,57,58,59の方向に流れる渦電流が誘起さ
れる。更に、これら渦電流により、前記水平偏向磁界5
1,52,53とは逆方向の渦電流磁界60,61,6
2が生起し、電子ビーム48R,48G,48Bに対し
て、前記水平偏向磁界51,52,53が及ぼす方向と
逆方向の偏向作用を及ぼすこととなる。尚、Rビーム4
8RとBビーム48Bとに及ぼす渦電流磁界60,62
による影響は略同じであると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記渦電流は、水平偏
向のため電子ビームに作用する磁束がシールド側壁50
に対して直交する程に強く誘起される。Rビーム48R
およびBビーム48Bに作用する磁束については、Gビ
ーム48Gに作用する磁束と比較して、シールド側壁5
0における直交成分が小さいため、中央のGビーム48
Gは、両側の電子ビーム48R,48Bと比べると渦電
流磁界61の影響を強く受けることになる。このこと
が、電子ビームのミスコンバーゼンスを引き起こす一要
因である。また、近年の偏向ヨークは細精度を高めるべ
く高周波数で使用されるため、電子ビームを偏向する際
の帰線期間におけるのこぎり波の傾斜が大きく、渦電流
磁界の影響が顕著に出現し易い。
【0008】このようなミスコンバーゼンスによって画
面に出現する影響は具体的には次の通りである。図7
は、画面から見て左側から右側へ電子ビームを走査させ
てR(赤),G(緑),B(青)の縦線を形成した表示
例を示す概略図である。この図に示すように、画面70
の左端では、電子ビームは、走査開始直後であるから電
子ビームの帰線期間に発生した渦電流磁界の影響を受け
る。中でも、上述した理由からGビーム48Gが最も強
く影響を受けて、RとBの縦線に対して、Gの縦線のみ
が極端に右側にずれてしまうという問題が生ずる。
【0009】また、画面70の中央付近では、電子ビー
ム48R,48G,48Bは走査期間に発生する渦電流
磁界の影響を受けるため、RとBの縦線に対してGの縦
線のみが左側にずれてしまう。そこで、ピュリティマグ
ネットを用いて電子ビームのコンバーゼンスを補正し、
画面70の中央付近の縦線のズレを無くした場合、電子
ビームの軌道は画面中央を基準に補正されるため、画面
70の左端におけるGの縦線の右方向へのずれが更に顕
著に出現するという問題が生じるのである。
【0010】そこで、この種のミスコンバーゼンスを抑
えるシールドカップとして、図8に示すような、特開昭
63−190232号公報記載のシールドカップ(シー
ルド電極)がある。図8(a)は、この公報記載のシー
ルドカップ80の正面図、同図(b)は、図8(a)に
示す偏向磁界調整用折曲げ体81の底面図である。図8
において、符号82R,82G,82Bは電子ビーム通
過孔、83はシールド側壁、84は底面、85は前記非
磁性金属製折曲げ体81を底面84に溶接する溶接点、
を示している。非磁性金属製折曲げ体81は、両側の電
子ビーム通過孔82R,82Bの上下に底面84に対し
て直交した突設壁86,86,86,86を支持するも
のである。
【0011】これにより、水平偏向磁界による渦電流が
突設壁86,86,86,86で誘起され、その渦電流
により生起される磁界の作用により、中央のGビーム8
7Gに作用する水平偏向磁界に対して、両側のRビーム
87RとBビーム87Bに作用する水平偏向磁界の強さ
を適度に調整できるから、たとえ水平偏向周波数を高く
しても、上述した渦電流に起因するミスコンバーゼンス
を抑制できると記載されている。
【0012】しかしながら、この公報記載のシールドカ
ップ80は、シールド側壁83に対する折曲げ体81の
位置ズレによるコンバ−ゼンスへの悪影響が大きいた
め、近年の高細精度要求に対応し得るものでは無く、ま
た、この折曲げ体81を追加することにより材料コスト
や加工コストが増加するため近年の低価格化競争に合致
し難いという問題がある。
【0013】上記した問題などに鑑みて本発明が解決し
ようとするところは、近年要求される高細精度を得るた
めに水平偏向周波数を高くしても、シールドカップに生
ずる渦電流に起因する電子ビームのミスコンバーゼンス
を低減でき、更にそのミスコンバーゼンスの低減を低コ
ストで達成できるカラー陰極線管を提供する点にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に係るカラー陰極線管は、略円筒
状のネック部と、該ネック部と接続し前端に行くに従い
拡径するファンネル部とからなる外管を有し、前記ネッ
ク部の内部に、一列にインライン配列した3本の電子ビ
ームを射出する電子銃と、該電子銃に対して前記ファン
ネル部側に隣接して位置する非磁性且つ導電性のシール
ドカップと、を配設し、前記ファンネル部の後部に、水
平および垂直偏向磁界を発生する偏向ヨークを外装して
構成されるカラー陰極線であって、前記シールドカップ
が、前記3本の電子ビームを通過させる電子ビーム通過
孔を備えた底部と、前記電子ビームを包囲するシールド
側壁と、を備え、前記シールド側壁が、前記3本の電子
ビームのうち外側電子ビームに作用する水平偏向磁界と
交差し且つ前記外側電子ビームを挟むように前記シール
ド側壁の一部を折曲部を介して内側に折り曲げて形成し
た一対の折曲領域を有することを特徴とするものであ
る。
【0015】また、請求項2に係る発明は、請求項1記
載のカラー陰極線管であって、前記折曲領域が折曲片か
らなり、前記3本の電子ビームのうち外側電子ビームの
各々について前記一対の折曲片が形成されており、一方
の前記一対の折曲片と他方の前記一対の折曲片とが対峙
した前記折曲片間に、中央の電子ビームに作用する水平
偏向磁界を通すスリットを形成してなるものである。
【0016】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは2記載のカラー陰極線管であって、前記外側電子ビ
ームに作用する水平偏向磁界が前記折曲部で前記折曲領
域と交差してなるものである。
【0017】そして、請求項4に係る発明は、請求項1
〜3の何れか1項に記載のカラー陰極線管であって、前
記シールド側壁と前記折曲領域とがなす角度を45°乃
至60°の範囲内に設定してなるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るカラー陰極線
管の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0019】本発明に係るカラー陰極線管は、シールド
カップを除いて上記従来例と略同じ構造を有するもので
ある。すなわち、本発明に係るカラー陰極線管は、漏斗
形状のガラスバルブ(外管)を有し、該ガラスバルブの
後部にインライン型電子銃(以下、電子銃と呼ぶ。)を
搭載した略円筒形状のネック部と、その前部にその前端
面に蛍光面を備えたファンネル部と、を備えている。前
記ファンネル部の後部外周上には、前記電子銃から射出
された電子ビームを偏向させる水平および垂直偏向磁界
を発生する偏向ヨークが装着されている。本発明に係る
シールドカップは、前記電子銃に対しファンネル部側に
隣接するようにネック部に装着されている。
【0020】図1(a)は本発明の実施の形態に係るシ
ールドカップ1を示す正面図、同図(b)はその右側面
図であり、図2は、図1に示したシールドカップ1のA
−A線断面図である。
【0021】このシールドカップ1は、導電性を有する
非磁性体からなり、横一列にインライン配列した3本の
電子ビーム2R,2G,2Bを通過させる電子ビーム通
過孔3R,3G,3Bを備えた円盤形状の底部4と、通
過した電子ビーム2R,2G,2Bを包囲し前記底部4
に対して垂直な壁を形成するシールド側壁5,6と、を
備えている。このシールドカップ1は、その底部4が電
子銃側に向き、その底部4の反対側の開口部がファンネ
ル部側を向くようにネック部内部に同軸状に装着されて
いる。尚、前記3本の電子ビーム2R,2G,2Bは、
ファンネル部の前端面に形成した蛍光面における赤色蛍
光体、緑色蛍光体、青色蛍光体をそれぞれ照射する。
【0022】このようなシールドカップ1は、帯電した
ガラスバルブの蓄積電荷などから電子ビーム2R,2
G、2Bを遮蔽する機能を有し、また高電圧を印加され
ており電子ビーム2R,2G、2Bを加速する電極機能
をも有している。
【0023】前記シールド側壁は周方向に亘り2つに分
断されており、一方のシールド側壁5の両端部を、長軸
方向に対して平行に(底部4の主面に対して垂直に)且
つ長軸方向に沿った折曲部7a,8aを介して内側に折
り曲げることにより、一対の折曲片(折曲領域)7,8
が形成されている。また、その一対の折曲片7,8は、
Rビーム2Rを、電子ビームのインライン配列方向に対
して垂直方向から挟むように折り曲げ形成されている。
同様に、他方のシールド側壁6の両端部も、軸方向に沿
った折曲部9a,10aを介して内側に折り曲げること
により一対の折曲片9,10が形成され、これら折曲片
9,10は、Bビーム2Bを前記垂直方向から挟むよう
に折り曲げられている。このように、3本の電子ビーム
のうち両側の2本の電子ビーム2R,2Bの各々につい
て折曲片7,8および折曲片9,10が形成される。
【0024】また、図1に示すように、電子ビーム通過
孔3R,3G,3Bを通過する電子ビーム2R,2G,
2Bには、それぞれ偏向ヨークで発生した水平偏向磁界
13,14,15が作用している。尚、Bビーム2Bと
Rビーム2Rは、電子レンズを通過した後に前記折曲片
7〜10を設けた空間を通過するから、シールド側壁
5,6の一部を折曲したことによる悪影響は殆ど受けな
い。
【0025】前記折曲片7〜10は、両側の電子ビーム
2R,2Bに作用する水平偏向磁界13,15と交差す
るように折曲されており、更に図示した例では、水平偏
向磁界13,15は、折曲部7〜10の基端部に相当す
る折曲部7a,8a,9a、10aの付近と交差する。
図1(a)に示すように、両側の電子ビーム2R,2B
に作用する水平偏向磁界13,15が折曲片7〜10と
交差すると、当該折曲片に矢印16〜19で示す方向に
渦電流が誘起される。この渦電流は水平偏向磁界13,
15が折曲片7〜10と直角に交差する程に強く誘起さ
れることから、シールド側壁5,6に対して折曲片7〜
10がなす角度や、図1(b)に示すシールド側壁5,
6の高さLHを調整することにより、渦電流の発生量を
制御することができる。また、特に折曲部7a〜10a
に前記水平偏向磁界13,15を交差させることで、当
該水平偏向磁界の折曲片7〜10と直交する磁束成分が
減少し、渦電流の発生を抑制できる。このため、渦電流
に起因する渦電流磁界20,21は低減し、前記水平偏
向磁界13,15が両側の電子ビーム2R,2Bに及ぼ
す方向と逆方向の偏向作用は減少することとなる。
【0026】また、図3に示すように、シールド側壁6
に対して折曲片9がなす角度θは、45°乃至60°の
範囲内に設定されることが好ましい。図示しなかった他
のシールド側壁5や折曲片7,8,10についても同様
である。その角度θが45°未満では、折曲部7a〜1
0aにおける渦電流の発生を十分に抑制できず、渦電流
磁界20,21を低減させることが難しくなり、他方で
その角度θが60°を超えると、折曲片7〜10が電子
ビーム通過孔3R,3Bに近接し過ぎて電子ビーム2
R,2Bの通過を阻害する危険性が高くなる。
【0027】また、上記2組の折曲片7,8および折曲
片9,10のうち、インライン配列した電子ビーム2
R,2G,2Bの列の両側において対峙する折曲片7,
9の間と折曲片8,10の間には、それぞれ、Gビーム
2Gに作用する水平偏向磁界13,15を通すようにス
リット11,12が形成されている。このようにGビー
ム2Gの通過路の上下にスリット11,12を設けるこ
とで、これらスリット11,12の位置に、前記水平偏
向磁界13,15による渦電流を発生させる媒体が存在
しないので、Gビーム2Gに作用する渦電流磁界は殆ど
生起されなくなる。
【0028】以上の構成により、Rビーム2RおよびB
ビーム2Bに作用する渦電流磁界の影響を制御し、また
Gビーム2Gに作用する渦電流磁界の影響を低減させる
ことができるから、高精細度を達成すべく偏向ヨークの
水平偏向周波数を高くしても、渦電流磁界に起因するミ
スコンバーゼンスを実用上問題無い範囲内に低減させる
ことが可能となる。したがって、従来問題となってい
た、図7に示すような画面左端におけるRとBの縦線に
対するGの縦線の右方向へのズレや、画面中央付近にお
けるRとBの縦線に対するGの縦線の左方向へのズレの
発生は無くなり、高品位のコンバーゼンスを得ることが
可能となる。
【0029】更に、本実施の形態に係るシールドカップ
1の構造では、従来例として図8に示した折曲げ体81
のような別部材を取り付けることによる位置ズレは発生
し難く、上記シールド側壁5,6の一部を折り曲げて折
曲片7〜10をつくるから新たな材料コストは不要であ
り、その加工コストも安価に済むという利点が得られ
る。
【0030】次に、上記シールドカップ1の折曲片7〜
10の高さ(LH)と、シールド側壁5,6に対する折
曲片7〜10がなす角度(θ)の調整方法について説明
する。
【0031】図4は、画面30の左側から右側へ電子ビ
ームを走査させ、画面30上に縦線を形成した場合のG
の縦線のズレ量を示す説明図である。この例では、ピュ
リティマグネットを用いてスタティックコンバーゼンス
を調整した後の状態が表示されている。図示するよう
に、R,Bの両縦線の位置は一致しており、画面30の
左端においてR,Bの縦線に対してGの縦線が右方へ所
定量LAずれており、画面30の右端においてはR,B
の縦線に対してGの縦線が右方へ所定量LBずれてい
る。ここで、画面左端におけるズレ量LAは、主に電子
ビームの帰線期間に発生した渦電流磁界の影響によるズ
レ量と、ピュリティマグネットを用いてスタティックコ
ンバーゼンスを調整した時に生ずる右方向へのズレ量と
の合計量である。また、画面30の右端では、電子ビー
ムの走査期間が末期にあるため上述した渦電流磁界の影
響による縦線のズレ量は小さいと考えられるが、スタテ
ィックコンバーゼンスを調整したため、R,Bの縦線に
対してGの縦線が若干右方向にずれる。
【0032】そこで、R,Bの両縦線に対するGの縦線
のズレ量Lを次式(1)で定義する。
【0033】L=(LB−LA)/2 (1) 上式(1)は、画面の左右両端におけるGの縦線のアン
バランス成分を意味するものであり、ズレ量Lの値がゼ
ロとなるように折曲片7〜10の高さ(LH)や折曲片
7〜10の折曲角度(θ)などを調整することにより、
画面の左右両端においてバランスの良いコンバーゼンス
を得ることが可能となる。
【0034】例えば、Gの縦線のズレ量についてLA
−0.15mm、LB=+0.05mmの場合を考え
る。ここで、各ズレ量のマイナス符号(−)は、画面上
のR,Bの縦線に対してGの縦線が内側(中央方向側)
にずれていることを意味する。このときのズレ量Lは、
L=(+0.05mm−(−0.15mm))/2=+
0.10mmとなる。この数値は、画面30の左右端に
おけるGの縦線のアンバランス成分を意味し、折曲片7
〜10の高さ(LH)や折曲角度(θ)などを調節する
ことにより、前記のズレ量0.10mmがゼロとなるよ
うにLAとLBとを補正すればよい。例えば、LA=−
0.05mm、LB=−0.05mmとなるように補正
すれば、ズレ量Lはゼロとなり、R,G,Bの電子ビー
ムを画面中央および画面左右両端において高い精度で集
束させることが可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明の請求項1に係るカ
ラー陰極線管によれば、折曲領域はシールド側壁と同じ
材質の導電性の非磁性体からなり、インライン配列した
3本の電子ビームのうち外側電子ビームに作用する水平
偏向磁界と交差するように形成されるから、シールド側
壁に対する折曲領域の折曲角度やその高さなどを調整す
ることで、当該折曲領域に誘起される渦電流の発生量を
制御することができる。このため、渦電流に起因するミ
スコンバーゼンスを実用上問題無い範囲内に低減させ
て、高精細度のカラー陰極線管を得ることが可能とな
る。また、前記シールド側壁の一部を折曲部を介して内
側に折り曲げて折曲領域を形成しているから、従来のよ
うに渦電流を調整するための別部材をシールドカップに
取り付けることは不要である。このため、折曲領域とシ
ールドカップとの位置ズレは発生し難く、高品位のコン
バーゼンスを得ることができると同時に材料コストや加
工コストが安価に済むという利点が得られる。
【0036】また、請求項2によれば、スリットの位置
に、Gビームと交差する水平偏向磁界による渦電流を発
生させる媒体が存在しなくなり、Gビームに作用する水
平偏向磁界は低減するため、ミスコンバーゼンスを更に
低減させることが可能となる。
【0037】また、請求項3によれば、インライン配列
した3本の電子ビームのうち両側の電子ビームに作用す
る水平偏向磁界の折曲領域と直交する磁束成分は減少
し、渦電流の発生を抑制できるため、ミスコンバーゼン
スを更に低減させることが可能となる。
【0038】そして、請求項4によれば、折曲部におけ
る渦電流の発生を効果的に抑えると同時に、電子ビーム
の通過を阻害する危険性を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の実施の形態に係るシール
ドカップを示す正面図、(b)は、その右側面図であ
る。
【図2】 図1に示したシールドカップのA−A線断面
図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る折曲片とシールド
側壁とがなす角度を示す説明図である。
【図4】 画面上のR(赤),G(緑),B(青)の縦
線の表示例を示す図である。
【図5】 カラー陰極線管の従来例を示す概略断面図で
ある。
【図6】 シールドカップの従来例を示す正面図であ
る。
【図7】 画面上のR(赤),G(緑),B(青)の縦
線の表示例を示す図である。
【図8】 (a)は、シールドカップの他の従来例を示
す正面図、(b)は、(a)に示すシールドカップを構
成する折曲げ体を示す底面図である。
【符号の説明】
1 シールドカップ、2R,2G,2B 電子ビーム、
3R,3G,3B 電子ビーム通過孔、4 底部、5,
6 シールド側壁、7,8 折曲片、9a,10a 折
曲部、9,10 折曲片、11,12 スリット、1
3,14,15水平偏向磁界、16〜19 渦電流の流
れる方向、20,21 渦電流磁界。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円筒状のネック部と、該ネック部と接
    続し前端に行くに従い拡径するファンネル部とからなる
    外管を有し、 前記ネック部の内部に、一列にインライン配列した3本
    の電子ビームを射出する電子銃と、該電子銃に対して前
    記ファンネル部側に隣接して位置する非磁性且つ導電性
    のシールドカップと、を配設し、 前記ファンネル部の後部に、水平および垂直偏向磁界を
    発生する偏向ヨークを外装して構成されるカラー陰極線
    であって、 前記シールドカップが、前記3本の電子ビームを通過さ
    せる電子ビーム通過孔を備えた底部と、前記電子ビーム
    を包囲するシールド側壁と、を備え、 前記シールド側壁が、前記3本の電子ビームのうち外側
    電子ビームに作用する水平偏向磁界と交差し且つ前記外
    側電子ビームを挟むように前記シールド側壁の一部を折
    曲部を介して内側に折り曲げて形成した一対の折曲領域
    を有することを特徴とするカラー陰極線管。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカラー陰極線管であっ
    て、前記折曲領域が折曲片からなり、前記3本の電子ビ
    ームのうち外側電子ビームの各々について前記一対の折
    曲片が形成されており、一方の前記一対の折曲片と他方
    の前記一対の折曲片とが対峙した前記折曲片間に、中央
    の電子ビームに作用する水平偏向磁界を通すスリットを
    形成してなるカラー陰極線管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のカラー陰極線管
    であって、前記外側電子ビームに作用する水平偏向磁界
    が前記折曲部で前記折曲領域と交差してなるカラー陰極
    線管。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のカラ
    ー陰極線管であって、前記シールド側壁と前記折曲領域
    とがなす角度を45°乃至60°の範囲内に設定してな
    るカラー陰極線管。
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